JP2744302B2 - 高強力高弾性率を有する原着繊維 - Google Patents
高強力高弾性率を有する原着繊維Info
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- JP2744302B2 JP2744302B2 JP27314789A JP27314789A JP2744302B2 JP 2744302 B2 JP2744302 B2 JP 2744302B2 JP 27314789 A JP27314789 A JP 27314789A JP 27314789 A JP27314789 A JP 27314789A JP 2744302 B2 JP2744302 B2 JP 2744302B2
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- fiber
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は着色されており、かつ高強力・高弾性率の性
能を有する芳香族ポリエステル繊維に関する。
能を有する芳香族ポリエステル繊維に関する。
異方性溶融物を形成し得る芳香族ポリエステルポリマ
ーを適当な条件で紡糸し(必要によつては熱処理および
/又は延伸し)て高強力高弾性率繊維を製造する技術は
特公昭55−2008号公報、特開昭60−239600号公報等で公
知である。
ーを適当な条件で紡糸し(必要によつては熱処理および
/又は延伸し)て高強力高弾性率繊維を製造する技術は
特公昭55−2008号公報、特開昭60−239600号公報等で公
知である。
異方性溶融相を形成し得る芳香族ポリエステルから得
られる繊維は高度に分子が配向し、高強力、高弾性率を
有する。特に6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸とp−ヒ
ドロキシ安息香酸のポリエステルは、繊維形成能が非常
に良好であり、高強力と高弾性率を有し、耐熱性、耐薬
品性等の優れた性能を持ち、製造面と性能面でバランス
のとれた優秀な高性能繊維である(特開昭54−77691号
公報)。
られる繊維は高度に分子が配向し、高強力、高弾性率を
有する。特に6−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸とp−ヒ
ドロキシ安息香酸のポリエステルは、繊維形成能が非常
に良好であり、高強力と高弾性率を有し、耐熱性、耐薬
品性等の優れた性能を持ち、製造面と性能面でバランス
のとれた優秀な高性能繊維である(特開昭54−77691号
公報)。
しかし、これらの異方性芳香族ポリエステル繊維は、
高度に配向した結晶構造を有しているため染色性が著し
く劣り、着色を必要する用途には使用出来ていなかつ
た。
高度に配向した結晶構造を有しているため染色性が著し
く劣り、着色を必要する用途には使用出来ていなかつ
た。
一方染色性を改良するため、結晶構造を乱す、第3成
分等の共重合は、強度と弾性率を著しく低下させること
となり、実用上の使用に耐えられなくなる。
分等の共重合は、強度と弾性率を著しく低下させること
となり、実用上の使用に耐えられなくなる。
また、顔料等を練込んだ、いわゆる原着糸の場合は原
着していない糸に比べて熱処理による強度の増加が小さ
く目的とする高強力高弾性率繊維が得られない。
着していない糸に比べて熱処理による強度の増加が小さ
く目的とする高強力高弾性率繊維が得られない。
本発明は芯成分Aが異方性溶融相を形成し得る芳香族
ポリエステル、鞘成分Bが着色剤を0.1〜3.0重量%含有
した芳香族ポリエステルよりなる複合繊維であり、該繊
維の横断面に占める鞘成分Bの面積比B/(A+B)が0.
1〜0.5であることを特徴とする原着繊維である。
ポリエステル、鞘成分Bが着色剤を0.1〜3.0重量%含有
した芳香族ポリエステルよりなる複合繊維であり、該繊
維の横断面に占める鞘成分Bの面積比B/(A+B)が0.
1〜0.5であることを特徴とする原着繊維である。
すなむち、芯成分が着色された鞘成分に覆われていて
も芯成分については熱処理により原着しない繊維と同様
に強度の増加が起こる。そのため本発明の複合繊維は高
強度高弾性率繊維となると考えられる。
も芯成分については熱処理により原着しない繊維と同様
に強度の増加が起こる。そのため本発明の複合繊維は高
強度高弾性率繊維となると考えられる。
本発明において芯成分Aを構成する異方性溶融相を形
成し得る芳香族ポリエステルとは、芳香族ジオール、芳
香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸等より
得られるポリマーであり、溶融相において光学的異方性
を示すものである。このような特性は、ホツトステージ
にのせた試料を窒素雰囲気下で昇温加熱し、その透過光
を観察することにより容易に認定することが出来る。
成し得る芳香族ポリエステルとは、芳香族ジオール、芳
香族ジカルボン酸、芳香族ヒドロキシカルボン酸等より
得られるポリマーであり、溶融相において光学的異方性
を示すものである。このような特性は、ホツトステージ
にのせた試料を窒素雰囲気下で昇温加熱し、その透過光
を観察することにより容易に認定することが出来る。
本発明に使用される異方性溶融物の好ましい例は、下
記に示す反復成分の組合せからなるものである。もちろ
ん、異方性溶融物を形成するように組合せ量として決め
る必要がある。
記に示す反復成分の組合せからなるものである。もちろ
ん、異方性溶融物を形成するように組合せ量として決め
る必要がある。
本発明の効果が最も顕著に発揮されるのは、下記
〔I〕、〔II〕の反復構成単位から成る部分が90重量%
以上であるポリマー、特に〔II〕の成分が5〜45%であ
る芳香族ポリエステルである。
〔I〕、〔II〕の反復構成単位から成る部分が90重量%
以上であるポリマー、特に〔II〕の成分が5〜45%であ
る芳香族ポリエステルである。
芯成分を構成するポリマーには熱処理による強度の増
加を実質的に妨げない範囲で着色剤等を含んでいても良
い。
加を実質的に妨げない範囲で着色剤等を含んでいても良
い。
鞘成分Bを構成する芳香族ポリエステルにはA成分と
して例示されたポリマーの他にポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレートおよび下記繰り返し
単位〔III〕よりなるU−ポリマー 等の芳香族ポリエステルを用いることが出来る。
して例示されたポリマーの他にポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレートおよび下記繰り返し
単位〔III〕よりなるU−ポリマー 等の芳香族ポリエステルを用いることが出来る。
高強力・高弾性率繊維を得るためにはB成分として異
方性溶融相を形成し得る芳香族ポリエステルが好まし
い。
方性溶融相を形成し得る芳香族ポリエステルが好まし
い。
鞘成分と芯成分の接着性の点でA成分とB成分は同一
のものを用いることが良い。
のものを用いることが良い。
芯鞘形状の良好なものを得るためにはA成分の溶融粘
度をηaとするとき、B成分の溶融粘度ηbがηa≧η
a>ηa−200(ポイズ) の範囲にあるのが好ましい。より好ましくはA成分、B
成分の融点をMPa,MPbとするとき MPb=MPa±20℃ の範囲にあるものである。
度をηaとするとき、B成分の溶融粘度ηbがηa≧η
a>ηa−200(ポイズ) の範囲にあるのが好ましい。より好ましくはA成分、B
成分の融点をMPa,MPbとするとき MPb=MPa±20℃ の範囲にあるものである。
B成分に添加する、カーボンブラツク、顔料、染料等
の着色剤は、通常市販されているものの使用が可能であ
る。好ましくは、粒径が10/1000mμの物である。
の着色剤は、通常市販されているものの使用が可能であ
る。好ましくは、粒径が10/1000mμの物である。
B成分の着色剤含有量は、0.1〜3.0重量%であり、あ
まり少なくなると着色の効果がなく、あまり多くなると
増粘効果のため、良好な芯鞘繊維が得られない。
まり少なくなると着色の効果がなく、あまり多くなると
増粘効果のため、良好な芯鞘繊維が得られない。
なお、B成分は高濃度のマスターバツチを作り、繊維
製造時に、薄めて所定の濃度にしても良い。
製造時に、薄めて所定の濃度にしても良い。
本発明に言う複合繊維とは、芯成分が前記A成分から
なり、鞘成分が芯成分と剥れにくい前記B成分からなる
ものであり、横断面における鞘成分(B成分)の面積比
R=B/(A+B)(ただし、A、Bは繊維横断面の顕微
鏡写真から求めた芯、鞘部の面積である)が0.1〜0.5、
好ましくは0.1〜0.3の範囲にあるものである。ここでR
が0.1未満では、鞘成分の被覆が十分でなく、一部芯が
露出したり、摩耗により容易に剥れたりする。逆に0.5
を越えると芯成分の比率が減少し、結果として強度、弾
性率が低下し本発明の目的に適合しない。
なり、鞘成分が芯成分と剥れにくい前記B成分からなる
ものであり、横断面における鞘成分(B成分)の面積比
R=B/(A+B)(ただし、A、Bは繊維横断面の顕微
鏡写真から求めた芯、鞘部の面積である)が0.1〜0.5、
好ましくは0.1〜0.3の範囲にあるものである。ここでR
が0.1未満では、鞘成分の被覆が十分でなく、一部芯が
露出したり、摩耗により容易に剥れたりする。逆に0.5
を越えると芯成分の比率が減少し、結果として強度、弾
性率が低下し本発明の目的に適合しない。
複合繊維を得るには、公知の方法、例えば第1図の装
置で紡糸される。芯成分の好ましい条件は紡糸温度は、
A、B各成分の融点の高い方より更に10℃以上高い温度
で、また芯成分は、高配向度を得るため吐出時の剪断速
度()を103sec-1以上にすることが好ましい。
置で紡糸される。芯成分の好ましい条件は紡糸温度は、
A、B各成分の融点の高い方より更に10℃以上高い温度
で、また芯成分は、高配向度を得るため吐出時の剪断速
度()を103sec-1以上にすることが好ましい。
本発明に言う剪断速度()とは、ノズル径をr(c
m)、単孔当りのポリマー吐出量をQ(cm3/sec)とする
とき で計算される。
m)、単孔当りのポリマー吐出量をQ(cm3/sec)とする
とき で計算される。
複合繊維の断面形状は、単純な芯鞘型の他、第2図に
示す如き各種のものが可能である。
示す如き各種のものが可能である。
本発明の複合繊維は、紡糸した状態で既に十分な強
度、弾性率を有しているが、熱処理および/又は延伸熱
処理により更に性能アツプすることも出来る。熱処理
は、窒素等の不活性雰囲気や空気の如き酸素含有の活性
雰囲気中または減圧中で行える。好ましい温度条件は、
A成分の融点をMPaとするときMPa−60℃からMPa+20℃
の範囲で、MPa−40℃以下から順次昇温して行くパター
ンがより好ましい。処理時間は、目的の性能により数秒
から数十時間行うことが出来る。
度、弾性率を有しているが、熱処理および/又は延伸熱
処理により更に性能アツプすることも出来る。熱処理
は、窒素等の不活性雰囲気や空気の如き酸素含有の活性
雰囲気中または減圧中で行える。好ましい温度条件は、
A成分の融点をMPaとするときMPa−60℃からMPa+20℃
の範囲で、MPa−40℃以下から順次昇温して行くパター
ンがより好ましい。処理時間は、目的の性能により数秒
から数十時間行うことが出来る。
熱の供給は、気体等の媒体を行う場合、加熱板、赤外
ヒーター等による輻射を利用する方法、熱ローラ、プレ
ート等に接触して行う方法、高周波等を利用した内部加
熱方法等がある。
ヒーター等による輻射を利用する方法、熱ローラ、プレ
ート等に接触して行う方法、高周波等を利用した内部加
熱方法等がある。
処理は、目的により緊張下あるいは無緊張下で行なわ
れる。処理の形状は、カセ状、チーズ状、トウ状(例え
ば金網等にのせて行う)あるいはローラ間の連続処理に
よつて行なわれる。繊維の形態は、フイラメント、カツ
トフアイバーいずれも可能である。
れる。処理の形状は、カセ状、チーズ状、トウ状(例え
ば金網等にのせて行う)あるいはローラ間の連続処理に
よつて行なわれる。繊維の形態は、フイラメント、カツ
トフアイバーいずれも可能である。
延伸はA成分の融点より60℃以上低い温度で切断伸度
の10〜60%行うことが好都合である。この処理により弾
性率が向上する。
の10〜60%行うことが好都合である。この処理により弾
性率が向上する。
本発明は、芯成分である溶融液晶ポリマーからなる繊
維の最大の特徴である高強度、高弾性率を保持した原着
糸を供給するものである。
維の最大の特徴である高強度、高弾性率を保持した原着
糸を供給するものである。
また、本発明の繊維は着色した鞘成分が実質上の繊維
強度に影響していると思われる芯成分を覆つているため
鞘成分が光を吸収し、芯成分に光があまり入らないため
芯成分の光劣化が起こりにくく、また、水、空気等と芯
成分が接触しないためか耐候性がきわめて良好である。
強度に影響していると思われる芯成分を覆つているため
鞘成分が光を吸収し、芯成分に光があまり入らないため
芯成分の光劣化が起こりにくく、また、水、空気等と芯
成分が接触しないためか耐候性がきわめて良好である。
本発明の繊維を用いた産業上の利用例としては次の様
なものがある。
なものがある。
1.パルプ状で使用されるもの 1)摩耗材(他繊維との混合使用、樹脂の補強)ブレー
キライニング、クラツチフエーシング、軸受け 2)その他 パツキン材、ガスケツト、ろ過材、研磨材 2.カツトフアイバー、チヨツプドヤーン状で使用される
もの 紙(絶縁紙、耐熱紙)、スピーカー用振動材、セメン
ト補強材、樹脂補強材 3.フイラメント、紡績糸、ヤーン状で使用されるもの テンシヨンメンバー(光フアイバー等)、ロープ、コ
ード、命綱、釣り糸、縫い糸、延縄 4.織物あるいは編物状で使用されるもの 自動車、列車、船、飛行機等の内張、防護具(防弾チ
ヨツキ、安全手袋、安全ネツト、ギブス、魚網、耐熱耐
炎服、マフラー、前掛け)、人口腱 5.ゴム、樹脂補強用に使用されるもの 1)ゴム関係 タイヤ、ベルト、各種タイミングベルト、ホースのゴ
ム補強用資材 2)樹脂関係(カーボン、ガラス繊維とのハイブリツト スキー板、ゴルフクラブやゲートボールのヘツドとシ
ヤフト、ヘルメツト、バツト、テニスやバトミントンの
ラケツトフレーム、メガネフレーム、プリント基盤、モ
ーター回転子のスロツト、絶縁物、パイプ、高圧容器、
自動車、列車、船、飛行機等の一次あるいは二次構造体
本発明に言うポリマーの対数粘度(ηinh)は次の方法
で求めた。
キライニング、クラツチフエーシング、軸受け 2)その他 パツキン材、ガスケツト、ろ過材、研磨材 2.カツトフアイバー、チヨツプドヤーン状で使用される
もの 紙(絶縁紙、耐熱紙)、スピーカー用振動材、セメン
ト補強材、樹脂補強材 3.フイラメント、紡績糸、ヤーン状で使用されるもの テンシヨンメンバー(光フアイバー等)、ロープ、コ
ード、命綱、釣り糸、縫い糸、延縄 4.織物あるいは編物状で使用されるもの 自動車、列車、船、飛行機等の内張、防護具(防弾チ
ヨツキ、安全手袋、安全ネツト、ギブス、魚網、耐熱耐
炎服、マフラー、前掛け)、人口腱 5.ゴム、樹脂補強用に使用されるもの 1)ゴム関係 タイヤ、ベルト、各種タイミングベルト、ホースのゴ
ム補強用資材 2)樹脂関係(カーボン、ガラス繊維とのハイブリツト スキー板、ゴルフクラブやゲートボールのヘツドとシ
ヤフト、ヘルメツト、バツト、テニスやバトミントンの
ラケツトフレーム、メガネフレーム、プリント基盤、モ
ーター回転子のスロツト、絶縁物、パイプ、高圧容器、
自動車、列車、船、飛行機等の一次あるいは二次構造体
本発明に言うポリマーの対数粘度(ηinh)は次の方法
で求めた。
試料をペンタフルオロフエノールに0,1重量%溶解し
(60〜80℃)、60℃の恒温槽中で、ウツペローデ型粘度
計で測定する。
(60〜80℃)、60℃の恒温槽中で、ウツペローデ型粘度
計で測定する。
融点(MP)は、DSCにより求めた吸熱ピーク温度であ
る。
る。
また溶融粘度(MV)とは、キヤピグラフによりMP+20
℃の温度で、0.5mmφのノズルから出した時の()=1
03sec-1のときの粘度(ポイズ)である。
℃の温度で、0.5mmφのノズルから出した時の()=1
03sec-1のときの粘度(ポイズ)である。
着色剤による色の濃さは、ヤーンをパネル巻きし、そ
れを日立カラーアナライザーシステム307型により濃色
性L*として求めた。
れを日立カラーアナライザーシステム307型により濃色
性L*として求めた。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明する
が、本発明は、これにより限定されるものではない。
が、本発明は、これにより限定されるものではない。
実施例1 A成分として前記構成単位〔I〕と〔II〕が7/3モル
%比である全芳香族ポリエステルポリマーを使用した。
このポリマーの物性は、 ηinh=6.1dl/g MP=278℃ MV=600ポイズ(300℃) である。
%比である全芳香族ポリエステルポリマーを使用した。
このポリマーの物性は、 ηinh=6.1dl/g MP=278℃ MV=600ポイズ(300℃) である。
B成分として、A成分と同一であるが ηinh=5.7dl/g MP=278℃ MV=450ポイズ の性能のポリマーを使用し、2軸混練機で平均粒径10m
μのカーボンブラツク(CB)を10重量%添加したマスタ
ータツプとし、鞘成分として、マスターチツプとB成分
チツプを1:9で混合したものを鞘成分Bとした。
μのカーボンブラツク(CB)を10重量%添加したマスタ
ータツプとし、鞘成分として、マスターチツプとB成分
チツプを1:9で混合したものを鞘成分Bとした。
芯成分Aと鞘成分Bの複合比率(重量比)を8:2と
し、第1図に示す50ホールの口金より紡糸温度320℃で
吐出した。巻取速度を800m/minとし、250d/50fのフイラ
メントを得た。
し、第1図に示す50ホールの口金より紡糸温度320℃で
吐出した。巻取速度を800m/minとし、250d/50fのフイラ
メントを得た。
このものの原糸性能は ヤーンデニール(DR):503dr 強度(DT):10.7g/d 伸度(DE):2.0% 初期弾性率(IM):554g/d 鞘成分Bの面積比(R):0.21 であつた。
この紡糸原糸を穴あきアルミボビンに巻き密度0.57g/
c.c.で巻き、260℃で1時間、270℃から280℃まで4時
間、280℃から285℃まで15時間窒素雰囲気中で熱処理を
した。得られた熱処理糸の性能は DR:501dr DT:28.1g/d DE:4.0% IM:621g/d L*:26 であり、ほぼ真黒で、かつ高強度高弾性率の繊維が得ら
れた。この物は、織物にされ、その後樹脂含浸し、スピ
ーカーコーン用として使用された。
c.c.で巻き、260℃で1時間、270℃から280℃まで4時
間、280℃から285℃まで15時間窒素雰囲気中で熱処理を
した。得られた熱処理糸の性能は DR:501dr DT:28.1g/d DE:4.0% IM:621g/d L*:26 であり、ほぼ真黒で、かつ高強度高弾性率の繊維が得ら
れた。この物は、織物にされ、その後樹脂含浸し、スピ
ーカーコーン用として使用された。
参考例1および比較例1〜2 実施例1のA成分のみからなるもの(参考例1)、実
施例1のA成分にカーボンブラツク10重量%を含むマス
ターチツプと実施例1のA成分のチツプを混合し、全体
のカーボン量が0.5重量%のもの(比較例1)および1
重量%のもの(比較例2)の3種類のポリマーを実施例
1と同様の紡糸条件で単一成分からなる紡糸原糸を得
た。
施例1のA成分にカーボンブラツク10重量%を含むマス
ターチツプと実施例1のA成分のチツプを混合し、全体
のカーボン量が0.5重量%のもの(比較例1)および1
重量%のもの(比較例2)の3種類のポリマーを実施例
1と同様の紡糸条件で単一成分からなる紡糸原糸を得
た。
比較例2は紡糸性が悪くしばしば単糸切れが生じた。
このものの性能は カーボンブラツクを添加することにより強伸度の低下
が大きい。
が大きい。
更に、このものを実施例1と同様の方法で熱処理し
た。
た。
得られた熱処理糸の性能は、下表となつた。
比較例1は、L*も60であり灰色であつたが、強度は1
7.9g/dであり、参考例1に比べ熱処理による強度アツプ
率が悪い。比較例2は、L*は24と黒さは良好であるが、
強度アツプ率は更に悪く15.3g/dであつた。
7.9g/dであり、参考例1に比べ熱処理による強度アツプ
率が悪い。比較例2は、L*は24と黒さは良好であるが、
強度アツプ率は更に悪く15.3g/dであつた。
実施例2、3および比較例3、4 芯成分と鞘成分のポリマーは実施例1と同一とし、芯
鞘比率のみを変更し、実施例1と同じ方法で紡糸し、そ
の後熱処理を行つた。
鞘比率のみを変更し、実施例1と同じ方法で紡糸し、そ
の後熱処理を行つた。
熱処理糸の性能を下表に示す。
実施例2、3は強度が25g/d以上であり、濃色度も十
分であつた。
分であつた。
比較例3は、完全な芯鞘構造とはならず、芯の一部が
表面に露出しており、L*も大きく、やや灰色であつた。
表面に露出しており、L*も大きく、やや灰色であつた。
比較例4は、強度が20g〜dを割つており、熱処理に
よる強度アツプが悪いことを示している。
よる強度アツプが悪いことを示している。
第1図は本発明に用いる紡糸口金の一例の断面図であ
る。 第2図は本発明の繊維の断面形状の例である。
る。 第2図は本発明の繊維の断面形状の例である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉田 幸男 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社ク ラレ内 審査官 松縄 正登
Claims (1)
- 【請求項1】芯成分Aが異方性溶融相を形成し得る芳香
族ポリエステル、鞘成分Bが着色剤を0.1〜3.0重量%含
有した芳香族ポリエステルよりなる複合繊維であり、該
繊維の横断面に占める鞘成分Bの面積比B/(A+B)が
0.1〜0.5であることを特徴とする原着繊維。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27314789A JP2744302B2 (ja) | 1989-10-19 | 1989-10-19 | 高強力高弾性率を有する原着繊維 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27314789A JP2744302B2 (ja) | 1989-10-19 | 1989-10-19 | 高強力高弾性率を有する原着繊維 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03137225A JPH03137225A (ja) | 1991-06-11 |
JP2744302B2 true JP2744302B2 (ja) | 1998-04-28 |
Family
ID=17523771
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27314789A Expired - Fee Related JP2744302B2 (ja) | 1989-10-19 | 1989-10-19 | 高強力高弾性率を有する原着繊維 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2744302B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3268931B2 (ja) * | 1994-03-04 | 2002-03-25 | 株式会社クラレ | 芯鞘型複合繊維及びそれからなる釣糸 |
JPH07316926A (ja) * | 1994-05-19 | 1995-12-05 | Kuraray Co Ltd | 芯鞘型複合繊維、及び被覆糸とその製造方法 |
JP3752250B2 (ja) * | 1994-08-31 | 2006-03-08 | 株式会社クラレ | 高比重・高強度複合繊維 |
JPH08158161A (ja) * | 1994-11-29 | 1996-06-18 | Kuraray Co Ltd | 高比重繊維 |
US6989194B2 (en) * | 2002-12-30 | 2006-01-24 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Flame retardant fabric |
JP2005220450A (ja) * | 2004-02-03 | 2005-08-18 | Kuraray Co Ltd | メッシュクロス |
JP6743266B1 (ja) * | 2019-12-25 | 2020-08-19 | 宇部エクシモ株式会社 | 黒色合成繊維糸 |
-
1989
- 1989-10-19 JP JP27314789A patent/JP2744302B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03137225A (ja) | 1991-06-11 |
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