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JP2632461B2 - ガソリン性状判別装置 - Google Patents

ガソリン性状判別装置

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JP2632461B2
JP2632461B2 JP29094391A JP29094391A JP2632461B2 JP 2632461 B2 JP2632461 B2 JP 2632461B2 JP 29094391 A JP29094391 A JP 29094391A JP 29094391 A JP29094391 A JP 29094391A JP 2632461 B2 JP2632461 B2 JP 2632461B2
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additive
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進 坂上
秀樹 上岡
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車用エンジン等に
使用されるガソリンの重,中,軽質等の性状を判別する
のに用いて好適なガソリン性状判別装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車用エンジンの燃料として
使用されている純正ガソリンには、ヘプタン,ペンタン
等の炭火水素を主成分とする軽質ガソリンと、ベンゼン
等の炭火水素を主成分とする重質ガソリンと、該重質ガ
ソリンと軽質ガソリンとの中間に位置する中質ガソリン
とがある。軽質ガソリンは気化しやすい性質を有してお
り、一方、重質ガソリンは気化しにくい性質を有してい
る。
【0003】そして、自動車用エンジンに用いられるガ
ソリンエンジンは、通常軽質ガソリンにマッチングして
点火時期等が設定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述したよ
うにガソリンエンジンは、軽質ガソリンにマッチングさ
せてエンジンの点火時期等を制御するようにしている。
しかし、最近では重質ガソリンの使用が一般化してきて
いること、大気汚染法の施行等の理由により、ガソリン
の重質化が進んでいる。
【0005】然るに、軽質ガソリンにマッチングさせて
エンジンの点火時期等を制御するように設定されたガソ
リンエンジンに、重質ガソリンを燃料として使用した場
合には、軽質ガソリンに比較して着火時期が遅れる結
果、全体としてリーン化傾向となり、低温時の始動性、
運転性の悪化を招くという問題点がある。また、走行状
態においても、重質ガソリン使用時には、息づき現象等
の運転性能の悪化を起こすばかりでなく、不完全燃焼に
よって排気ガス中の有害成分が増大する等の問題点があ
る。
【0006】一方、前述とは逆に、重質ガソリンにマッ
チングさせて点火時期等を制御するように設定されたガ
ソリン車に、軽質ガソリンを使用した場合には、全体と
してオーバリッチ傾向となり、点火プラグに「くすぶ
り」が発生するという問題点がある。
【0007】このような問題点を解決するために、本出
願人は先に実願平2-49724 号として、ガソリン中に配設
され、当該ガソリンの性状に応じて定まる誘電率から電
極間の静電容量を検出する静電容量検出手段と、該静電
容量検出手段によって検出した静電容量に基づいた周波
数を発振する発振手段と、該発振手段による発振周波数
を電圧に変換する周波数−電圧変換手段と、該周波数−
電圧変換手段から出力された電圧信号を所定電圧値と比
較し、軽質ガソリンか重質ガソリンかを判定する性状判
定手段とから構成してなるガソリン性状(重軽質)判別
装置を提案した(以下、これを「先行技術」という)。
【0008】そして、このような構成により、軽質ガソ
リンと重質ガソリンとでは重質ガソリンの方が誘電率が
大であるから、静電容量検出手段で固有の誘電率によっ
て電極間に形成される静電容量を検出し、発振手段で検
出静電容量に基づいた周波数を発生し、周波数−電圧変
換手段で発振周波数を電圧変換し、性状判定手段でこの
電圧信号を所定の比較電圧値と比較し、ガソリンの重軽
質を判定することができる。
【0009】ところで、市販されている純正ガソリンに
は、添加剤としてメタノール、エタノール、MTBE
(メチルターシャルブチルエーテル)等のアルコール分
が混入されていることがある。このように、純正ガソリ
ンにアルコール分が混入させると、当該アルコール分に
よって誘電率が高くなるから、図9に示すように添加剤
の混入割合に応じて出力電圧が高くなる。
【0010】然るに、先行技術のガソリン性状判別装置
では、出力電圧を所定の比較電圧値で比較するだけであ
るから、例えば、図9に示す如く、重質ガソリンの性状
状態に対する周波数−電圧変換手段から出力されるセン
サ出力電圧VがV0 のときには、純正重質ガソリンのみ
の場合、中質ガソリンに添加剤を5%添加した場合、軽
質ガソリンに添加剤を10%添加した場合の3種類の状
態を検出することがあり、実際にガソリン性状が重質ガ
ソリンの場合であったとしても、添加剤の混入割合に応
じて中,軽質ガソリンと判別してしまい、正確な純正重
質ガソリンの性状状態を検出することができず、また軽
質,中質,重質の判定ができないという未解決な問題点
がある。
【0011】さらに、先行技術における重軽質判別装置
においては、ガソリンを1種類についてのみ性状を判別
するものであるから、実際にはガソリンにも種類がある
ため、ガソリンの種類が異なる場合には、正確な性状判
別ができないという未解決な問題点がある。
【0012】本発明は前述した先行技術による未解決な
問題点に鑑みなされたもので、未知のガソリンの種類に
未知の添加剤がある濃度で混入されている場合でも、ガ
ソリンの種類,添加剤の種類,添加剤の濃度を正確に判
定し、重軽質を高精度に検出し、適切なエンジン制御を
行ないうるようにしたガソリン性状判別装置を提供する
ことを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明によるガソリン性状判別装置は、ガソリン中
に設けられた静電容量センサと、該静電容量センサに第
1の電圧を印加したときに該静電容量センサからの検出
信号によって静電容量または比誘電率を演算する第1の
容量演算手段と、前記静電容量センサに第2の電圧を印
加したときに該静電容量センサからの検出信号によって
静電容量または比誘電率を演算する第2の容量演算手段
と、既知のガソリンの種類,添加剤の種類,その添加剤
の濃度を可変としたときに、添加剤の濃度に対しての前
記第1の静電容量演算手段で演算された各ガソリンの種
類,添加剤の種類による静電容量または比誘電率の変化
の割合を複数本の特性線として記憶した第1の記憶手段
と、既知のガソリンの種類,添加剤の種類,その添加剤
の濃度を可変としたときに、添加剤の濃度に対しての前
記第2の静電容量演算手段で演算された各ガソリンの種
類,添加剤の種類による静電容量または比誘電率の変化
の割合を複数本の特性線として記憶した第2の記憶手段
と、未知のガソリンについて前記第1の容量演算手段を
用いて静電容量または比誘電率を算出し、前記第1の記
憶手段の各特性線から複数個のガソリンの種類,添加剤
の種類に対する添加剤の濃度を算出する第1の濃度算出
手段と、未知のガソリンについて前記第2の容量演算手
段を用いて静電容量または比誘電率を算出し、前記第2
の記憶手段の各特性線から複数個のガソリンの種類,添
加剤の種類に対する添加剤の濃度を算出する第2の濃度
算出手段と、前記第1,第2の濃度算出手段により算出
された複数個のガソリンの種類,添加剤の種類に対する
添加剤の濃度のうち、一致するところを選択することに
よりガソリンの種類,添加剤の種類,その添加剤の濃度
を算出するガソリン選択手段とから構成したことにあ
る。
【0014】
【作用】上記構成により、第1の容量算出手段から算出
された複数個のガソリンの種類,添加剤の種類に対する
添加剤の濃度と、第2の容量算出手段から算出された複
数個のガソリンの種類,添加剤の種類に対する添加剤の
濃度とは、同一の未知のガソリンについて検出している
ので、必ず1つのガソリンの種類,添加剤の種類,添加
剤の濃度をガソリン選択手段により選択する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図8に基
づいて説明する。
【0016】まず、本発明の第1の実施例によるガソリ
ン性状判別装置を図1ないし図7に基づいて説明する。
【0017】図中、1は例えば4気筒のエンジンを示し
(1気筒のみ図示)、該エンジン1はシリンダ1Aと、
該シリンダ1A上に搭載されたシリンダヘッド1Bと、
シリンダ1A内を往復動するピストン1Cとから大略構
成されている。2は各シリンダ1Aの上側に位置してシ
リンダヘッド1Bに設けられた点火プラグ(1個のみ図
示)を示し、該点火プラグ2は後述のコントロールユニ
ット26から点火信号が出力されたときに、シリンダ1
A内の混合気を燃焼(爆発)させるようになっている。
【0018】3は基端側が分岐管となってシリンダ1の
シリンダヘッド1Bの吸気側に設けられたインテイクマ
ニホールドを示し、該インテイクマニホールド3の先端
側には吸気フィルタ4が設けられ、途中には吸気空気量
を計測するエアフロメータ5、スロットルバルブスイッ
チ6が付設されたスロットルバルブ7等が設けられ、さ
らにシリンダヘッド1Bの近傍に位置して噴射弁8が設
けられ、該噴射弁8はコントロールユニット26からの
噴射信号によってエンジン1内にガソリンGを噴射する
ものである。
【0019】9は内部にガソリンGを貯える燃料タンク
で、該燃料タンク9内にはインタンク型燃料ポンプ10
が設けられている。11は燃料配管で、該燃料配管11
の一端は燃料フィルタ12を介して燃料ポンプ10の吐
出側と接続され、その他端は噴射弁8、圧力レギュレー
タ13の流入側と接続され、該圧力レギュレータ13の
流出側はリターン配管14を介して燃料タンク9と接続
されている。
【0020】15は例えば燃料配管11の途中に設けら
れた静電容量式センサを示し、該静電容量式センサ15
は燃料配管11内を流れるガソリンGの性状状態による
比誘電率の変化を静電容量として検出するものである。
【0021】ここで、前記静電容量式センサ15は、図
2に示す如く、後述する一対のセンサ部16,17と、
該センサ部16,17に基準電圧V01,V02をそれぞれ
入力する発振器18,19と、前記センサ部16,17
の出力側に接続された一対の微分回路20,21とから
大略構成されている。
【0022】16,17は一対のセンサ部を示し、セン
サ部16,17は燃料配管11内に設けられた同一形状
を有する一対の平行平板形または同軸円筒形の電極から
なり、平行平板形電極の場合、静電容量Cを、
【0023】
【数1】 として検出するものである。
【0024】18,19は一対の発振器を示し、該発振
器18,19は前記センサ部16,17とアースとの間
にそれぞれ接続され、それぞれ同一の周波数fで、かつ
異なった波高値を出力するようにアッテネータにより例
えば−39dbm ,−65dbmに減衰され、発振器18か
らは基準電圧V01を、発振器19からは基準電圧V02を
出力する。また、周波数fは1〜50MHz で、好ましく
は10〜40MHz に設定されている。
【0025】そして、波高値の異なる基準電圧V01,V
02をセンサ部16,17に出力することにより、該セン
サ部16,17の各電極間には異なった磁界強度を発生
させ、各電極間内のガソリンG中の誘電分極の強さを可
変させ、各センサ部16,17から検出される静電容量
を異なるC1 ,C2とする。
【0026】20,21は前記センサ部16,17の出
力側に接続された微分回路を示し、該微分回路20,2
1はオペアンプ22,23と、該オペアンプ22,23
の出力端子と反転端子との間にそれぞれ接続された負帰
還抵抗24,25とから構成され、前記オペアンプ2
2,23の非反転端子はアースに接続され、出力端子は
後述するコントロールユニット26に接続されている。
【0027】26は本実施例に用いるコントロールユニ
ットで、該コントロールユニット26は例えばマイクロ
コンピュータ等によって構成され、該コントロールユニ
ット26はRAM,ROM等からなる記憶回路27を含
んで構成されると共に、図5ないし図7に示す性状判定
処理プログラムの他に、燃料噴射量演算プログラム、点
火時期制御プログラム(いずれも図示せず)等が内蔵さ
れている。さらに、記憶回路27には、図3に示す特性
マップI と図4に示す特性マップIIとが格納されてい
る。
【0028】そして、コントロールユニット26の入力
側には、前記エアフロメータ5,スロットルバルブ7,
エンジン1の回転数を検出するクランク角センサ28,
エンジンスイッチ29等の他、水温センサ,酸素センサ
等の各種センサおよび静電容量式センサ15が接続さ
れ、出力側には、点火プラグ2,噴射弁8等が接続され
ている。
【0029】また、前記静電容量センサ15からコント
ロールユニット26に入力される信号は、各センサ部1
6,17からの静電容量C1 ,C2 による出力電圧V1
,V2 が微分回路20,21を介して入力され、発振
器18,19からの基準電圧V01,V02がレファレンス
信号線30,31を介して入力される。
【0030】ここで、ガソリンG中の静電容量C1 ,C
2 の検出は、基準電圧V01と出力電圧V1 および基準電
圧V02と出力電圧V2 の虚数部の変化量から演算する
(後述のステップ2およびステップ5)ことにより行な
う。そして、発振器18,センサ部16および基準電圧
V01と出力電圧V1 との演算により、静電容量C1 を検
出する第1の容量演算手段を構成し、発振器19,セン
サ部17および基準電圧V02と出力電圧V2 との演算に
より、静電容量C2 を検出する第2の容量演算手段を構
成している。
【0031】また、特性マップI は、3種類のガソリン
A,B,Cと、2種類の添加剤a,bと、その添加剤
a,bの濃度Nが確定した種々の既知のガソリンを第1
の容量演算手段によって、演算した静電容量C1 により
作成され、横軸に添加剤の濃度N、縦軸に静電容量C1
を基準として、3種類のガソリンA,B,C、2種類の
添加剤a,bの組合せによる6種類のガソリンの静電容
量C1 の変化をグラフ化したものである。ここで、添加
剤aの混入されたガソリンA,B,Cが特性線32,3
3,34となり、添加剤bの混入されたガソリンA,
B,Cが特性線35,36,37となる。
【0032】一方、特性マップIIは、3種類のガソリン
A,B,Cと、2種類の添加剤a,bと、その添加剤
a,bの濃度Nが確定した種々の既知のガソリンを第2
の容量演算手段によって、演算した静電容量C2 により
作成され、横軸に添加剤の濃度N、縦軸に静電容量C2
を基準として、3種類のガソリンA,B,C、2種類の
添加剤a,bの組合せによる6種類のガソリンの静電容
量C2 の変化をグラフ化したものである。ここで、添加
剤aの混入されたガソリンA,B,Cが特性線38,3
9,40となり、添加剤bの混入されたガソリンA,
B,Cが特性線41,42,43となる。
【0033】そして、記憶回路27内への特性マップI
の記憶が第1の記憶手段となり、記憶回路27内への特
性マップIIの記憶が第2の記憶手段となる。
【0034】次に、未知のガソリンについてのガソリン
の性状判別を、図5ないし図7のプログラムに基づいて
説明する。
【0035】まず、ステップ1で基準電圧V01をレファ
レンス信号線30を介して読込むと共に、出力電圧V1
を微分回路20から読込み、ステップ2で読込んだ基準
電圧V01および出力電圧V1 の波形による虚数部の変化
量から静電容量C01を演算する(第1の容量演算手
段)。
【0036】ステップ3では、特性マップI から各特性
線32〜37の静電容量C01における添加剤a,bの濃
度Nを算出し(第1の濃度算出手段)、この添加剤の濃
度N11,N12,…,N16(図3参照)を記憶回路27内
に記憶する。
【0037】ステップ4ではステップ1と同様に基準電
圧V02をレファレンス信号線31を介して読込むと共
に、一方の微分回路21から出力電圧V2を読込み、ス
テップ5で読込んだ基準電圧V02および出力電圧V2 の
波形による虚数部の変化量から静電容量C02を演算する
(第2の容量演算手段)。
【0038】ステップ6では、特性マップIIから各特性
線38〜43の静電容量C02における添加剤a,bの濃
度Nを算出し(第2の濃度算出手段)、この添加剤の濃
度N21,N22,…,N26(図4参照)を記憶回路27内
に記憶する。
【0039】ステップ7では、記憶回路27内に記憶さ
れた第1の濃度算出手段により算出された添加剤の濃度
N11,N12,…,N16のグループと、第2の濃度算出手
段により算出された添加剤の濃度N21,N22,…,N26
のグループのうち、唯一存在する同一の濃度値を選択
し、その選択濃度からガソリンの種類,添加剤の種類を
選択する。例えば、図3および図4に示す特性線の場合
においては、濃度N12=N22となり、ガソリンの種類が
B、添加剤a、添加剤aの濃度N12(=N22)を選択す
ることができる。
【0040】ステップ8では、ステップ6で選択された
ガソリンの種類,添加剤の種類,その添加剤の濃度を記
憶回路27に記憶し、ステップ9でリターンする。
【0041】これにより、コントロールユニット26で
は、記憶回路27に記憶されたガソリンGの性状状態
(ガソリンの種類,添加剤の種類,その添加剤の濃度)
によって、記憶回路27内に内蔵された燃料噴射量演算
処理および点火時期制御処理を行なう。
【0042】このように、本実施例によればガソリンG
の種類,添加剤の種類,その添加剤の濃度を正確に選択
することができ、これによりガソリンGの性状を極めて
高精度に判定することのできるガソリン性状判別装置と
することができる。
【0043】この結果、ガソリンGの性状に応じて点火
進角、遅角を補正し、また燃料噴射量を補正し、オーバ
ーリーン,オーバリッチとなるのを防止し、適正な燃料
条件を与えることができる。
【0044】従って、従来技術で述べた如く、エンジン
の点火時期等を軽質ガソリンにマッチングさせた場合で
も、純正重質ガソリンの使用時にはこの点火時期をこの
重質ガソリンに対応した点火時期に補正でき、点火時期
がずれて不完全燃焼を起こす等の問題を解消でき、排気
ガス中の有害成分を効果的に低減できる。
【0045】次に、本発明の第2の実施例を図8に基づ
いて説明する。本実施例の特徴は、静電容量式センサの
センサ部を1個にし、2個の発振器からの該センサ部へ
の基準電圧の切換をコントロールユニットからの信号で
制御される電磁スイッチにより行なうようにしたことに
ある。なお、前述した第1の実施例と同一の構成要素に
同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0046】図中、51は本実施例による静電容量式セ
ンサを示し、該静電容量式センサ51は例えば燃料配管
11の途中に設けられ、該燃料配管11内を流れるガソ
リンGの性状状態による比誘電率の変化を静電容量とし
て検出するものである。
【0047】そして、静電容量式センサ51は、センサ
部16と、該センサ部17に基準電圧V01,V02を入力
する発振器18,19と、該発振器18,19とセンサ
部16との間に接続され、基準電圧V01,V02を交互に
センサ部16に出力する電磁スイッチ52と、前記セン
サ部16の出力側に接続された微分回路20とから大略
構成されている。
【0048】なお、前記電磁スイッチ52はコントロー
ルユニット26からの信号によって、発振器18,19
を交互に選択するようになっている。
【0049】このように構成される本実施例において
も、コントロールユニット26内に格納された図5ない
し図7に示すプログラムにより未知のガソリンGの性状
を正確に判別することができる。
【0050】そして、本実施例においては、センサ部1
6を1個用いることによって構成されているから、第1
の実施例に比べてコスト低減が図れると共に、センサ部
の特性のバラツキを抑え、第1の実施例よりも高精度の
判別を可能にする。
【0051】なお、前記各実施例では、検出信号を静電
容量式センサ15,51からの各基準電圧V01,V02お
よび出力電圧V1 ,V2 により静電容量C1 ,C2 を演
算するものとして述べたが、本発明はこれに限らず、比
誘電率を演算して、この比誘電率に対して判定するよう
にしてもよい。
【0052】また、前記各実施例の静電容量式センサ1
5,51のセンサ部16,17は燃料配管11の途中に
設けるものとして述べたが、例えば燃料タンク9内に設
けてもよく、要は燃料供給系統内であればいずれの場所
であってもよい。
【0053】
【発明の効果】以上詳述した如く、本発明においては、
ガソリンの種類,添加剤の種類,添加剤の濃度が未知の
ガソリンであっても、ガソリンの種類,添加剤の種類,
添加剤の濃度を正確に検出することにより、ガソリンの
性状を高精度に判別することができる。
【0054】従って、静電容量センサを自動車等のエン
ジンの燃料供給配管の途中に設けることにより、高精度
の性状判別を可能にし、正確な燃料噴射量および点火時
期を制御することができ、車輛の運転性能を効果的に向
上させることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例によるガソリンの性状判
別装置の全体構成図である。
【図2】第1の実施例の回路構成を示すブロック図であ
る。
【図3】アッテネータ−39dbm 時の既知のガソリンの
測定結果による特性マップI を示す特性線図である。
【図4】アッテネータ−65dbm 時の既知のガソリンの
測定結果による特性マップIIを示す特性線図である。
【図5】未知のガソリンの性状判別方法を示す流れ図で
ある。
【図6】図5に続く流れ図である。
【図7】図6に続く流れ図である。
【図8】第2の実施例の回路構成を示すブロック図であ
る。
【図9】純正ガソリンと添加剤を混入したガソリンとの
ガソリン性状に対する出力電圧の特性線図である。
【符号の説明】
15,51 静電容量式センサ 16,17 センサ部 18,19 発振器 26 コントロールユニット 27 記憶回路 I ,II 特性マップ G ガソリン

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガソリン中に設けられた静電容量センサ
    と、該静電容量センサに第1の電圧を印加したときに該
    静電容量センサからの検出信号によって静電容量または
    比誘電率を演算する第1の容量演算手段と、前記静電容
    量センサに第2の電圧を印加したときに該静電容量セン
    サからの検出信号によって静電容量または比誘電率を演
    算する第2の容量演算手段と、既知のガソリンの種類,
    添加剤の種類,その添加剤の濃度を可変としたときに、
    添加剤の濃度に対しての前記第1の静電容量演算手段で
    演算された各ガソリンの種類,添加剤の種類による静電
    容量または比誘電率の変化の割合を複数本の特性線とし
    て記憶した第1の記憶手段と、既知のガソリンの種類,
    添加剤の種類,その添加剤の濃度を可変としたときに、
    添加剤の濃度に対しての前記第2の静電容量演算手段で
    演算された各ガソリンの種類,添加剤の種類による静電
    容量または比誘電率の変化の割合を複数本の特性線とし
    て記憶した第2の記憶手段と、未知のガソリンについて
    前記第1の容量演算手段を用いて静電容量または比誘電
    率を算出し、前記第1の記憶手段の各特性線から複数個
    のガソリンの種類,添加剤の種類に対する添加剤の濃度
    を算出する第1の濃度算出手段と、未知のガソリンにつ
    いて前記第2の容量演算手段を用いて静電容量または比
    誘電率を算出し、前記第2の記憶手段の各特性線から複
    数個のガソリンの種類,添加剤の種類に対する添加剤の
    濃度を算出する第2の濃度算出手段と、前記第1,第2
    の濃度算出手段により算出された複数個のガソリンの種
    類,添加剤の種類に対する添加剤の濃度のうち、一致す
    るところを選択することによりガソリンの種類,添加剤
    の種類,その添加剤の濃度を算出するガソリン選択手段
    とから構成してなるガソリン性状判別装置。
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