JP2626208B2 - 半導体導波路型偏光制御素子 - Google Patents
半導体導波路型偏光制御素子Info
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- G—PHYSICS
- G02—OPTICS
- G02F—OPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
- G02F1/00—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
- G02F1/29—Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the position or the direction of light beams, i.e. deflection
- G02F1/31—Digital deflection, i.e. optical switching
- G02F1/313—Digital deflection, i.e. optical switching in an optical waveguide structure
- G02F1/3132—Digital deflection, i.e. optical switching in an optical waveguide structure of directional coupler type
- G02F1/3133—Digital deflection, i.e. optical switching in an optical waveguide structure of directional coupler type the optical waveguides being made of semiconducting materials
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、将来のコヒーレント光通信システムの偏光
ダイバーシティ受信器等において重要なエレメントとな
る偏光制御素子、特に小型で動的な偏光スイッチングが
可能な半導体方向性結合器型の偏光ビームスプリッタと
偏光スイッチに関する。
ダイバーシティ受信器等において重要なエレメントとな
る偏光制御素子、特に小型で動的な偏光スイッチングが
可能な半導体方向性結合器型の偏光ビームスプリッタと
偏光スイッチに関する。
(従来の技術) 偏光ビームスプリッタは、将来のコヒーレント光通信
システムにおける偏光ダイバーシティ受信系のキーエレ
メントの1つと考えられ、また光サーキュレータ等を構
成する場合にも重要なコンポーネントがある。しかしな
がら、従来の偏光ビームスプリッタはサイズの大きなバ
ルク部品、いわゆるマイクロオプティックス部品、によ
り構成されており、装置の小型化、高密度実装、生産性
等の点で問題がある。これに対して、光導波路を用いて
偏光ビームスプリッタを構成すれば、素子の小型が可能
であり、他の素子との同一基板上への集積化による高密
度実装も可能であり、また現有のフォトリソグラフィ技
術等のウェハプロセス技術が利用できることから生産性
の点でも有利である。このような、導波路技術を用いた
偏光ビームスプリッタとしては、M.Okunoらが石英系導
波路を用いた導波型偏光ビームスプリッタ/偏光スイッ
チについて1990年光スイッチングに関する国際会議(19
90 International Topical Meeting on Photonic Switc
hing)論文番号13A−5において報告している。この石
英系導波路による偏光ビームスプリッタ/偏光スイッチ
においては既存のSiデバイス製作技術が利用でき、比較
的生産性良く導波型偏光ビームスプリッタを製造できる
という利点があるが、石英導波路の場合素子サイズが大
きくなるという難点や屈折率等を変化させるための効果
が熱的な効果しか無いため高速の動的な制御は期待でき
ない、発光素子や受光素子等の半導体デバイスをモノリ
シックに集積できない等の難点がある。
システムにおける偏光ダイバーシティ受信系のキーエレ
メントの1つと考えられ、また光サーキュレータ等を構
成する場合にも重要なコンポーネントがある。しかしな
がら、従来の偏光ビームスプリッタはサイズの大きなバ
ルク部品、いわゆるマイクロオプティックス部品、によ
り構成されており、装置の小型化、高密度実装、生産性
等の点で問題がある。これに対して、光導波路を用いて
偏光ビームスプリッタを構成すれば、素子の小型が可能
であり、他の素子との同一基板上への集積化による高密
度実装も可能であり、また現有のフォトリソグラフィ技
術等のウェハプロセス技術が利用できることから生産性
の点でも有利である。このような、導波路技術を用いた
偏光ビームスプリッタとしては、M.Okunoらが石英系導
波路を用いた導波型偏光ビームスプリッタ/偏光スイッ
チについて1990年光スイッチングに関する国際会議(19
90 International Topical Meeting on Photonic Switc
hing)論文番号13A−5において報告している。この石
英系導波路による偏光ビームスプリッタ/偏光スイッチ
においては既存のSiデバイス製作技術が利用でき、比較
的生産性良く導波型偏光ビームスプリッタを製造できる
という利点があるが、石英導波路の場合素子サイズが大
きくなるという難点や屈折率等を変化させるための効果
が熱的な効果しか無いため高速の動的な制御は期待でき
ない、発光素子や受光素子等の半導体デバイスをモノリ
シックに集積できない等の難点がある。
(発明が解決しようとする課題) 前述のように導波型の偏光ビームスプリッタ/偏光ス
イッチは装置の小型化、高密度実装、生産性等の点で有
望であるが、現在提案されている石英系導波路による偏
光ビームスプリッタには、素子サイズがそれほど小さく
ならない、動的制御に向かない、発光素子・受光素子と
のモノリシック集積が不可能、等の難点がある。本発明
の目的は半導体導波路、特に発光・受光素子と同じ化合
物半導体よりなる光導波路を用いて偏光ビームスプリッ
タ/偏光スイッチを構成し、上述の問題点を解決しよう
とするものである。
イッチは装置の小型化、高密度実装、生産性等の点で有
望であるが、現在提案されている石英系導波路による偏
光ビームスプリッタには、素子サイズがそれほど小さく
ならない、動的制御に向かない、発光素子・受光素子と
のモノリシック集積が不可能、等の難点がある。本発明
の目的は半導体導波路、特に発光・受光素子と同じ化合
物半導体よりなる光導波路を用いて偏光ビームスプリッ
タ/偏光スイッチを構成し、上述の問題点を解決しよう
とするものである。
(課題を解決するための手段) 本発明の半導体導波路型偏光制御素子は(100)方位
半導体基板上に第1の半導体クラッド層、半導体導波
層、第2の半導体クラッド層が少なくとも積層されてお
り、該半導体基板上に形成された2本の近接した3次元
光導波路により方向性結合器を形成する手段と、前記2
本の3次元半導体光導波路の各々へ電界を独立に印加す
る手段とを具備しており、2本の近接した3次元光導波
路において1本の光導波路から他方の光導波路へと導波
光パワーが完全に移行するのに必要な長さTEモード、TM
モードに対して各々LTE,LTMとするとき、方向性結合器
の素子長LとLTEとがほぼ等しく、LTMは素子長Lおよび
LTEよりも十分に長いことを特徴とする。
半導体基板上に第1の半導体クラッド層、半導体導波
層、第2の半導体クラッド層が少なくとも積層されてお
り、該半導体基板上に形成された2本の近接した3次元
光導波路により方向性結合器を形成する手段と、前記2
本の3次元半導体光導波路の各々へ電界を独立に印加す
る手段とを具備しており、2本の近接した3次元光導波
路において1本の光導波路から他方の光導波路へと導波
光パワーが完全に移行するのに必要な長さTEモード、TM
モードに対して各々LTE,LTMとするとき、方向性結合器
の素子長LとLTEとがほぼ等しく、LTMは素子長Lおよび
LTEよりも十分に長いことを特徴とする。
(作用) 本発明においては、電気光学効果を利用した半導体導
波型方向性結合器を偏光制御素子、特に偏光ビームスプ
リッタ/偏光スイッチとして用いており、TEモードに対
する完全結合長と方向性結合器の素子長とはほぼ一致さ
せているが、TMモードに対する完全結合長は素子長より
も十分に長くしている。従って方向性結合器に電圧を印
加しないときには、TEモードは入射側とは異なる方の導
波路より出射するが、TMモードは入射側と同一の導波路
より出射する。したがって、該半導体導波型方向性結合
器は無電圧時に偏光ビームスプリッタとして動作する。
このように、TEモードとTMモードの完全結合長を異なら
しめることは、半導体導波路の場合、LTM>LTEとしたい
場合には導波路の形状異方性を利用して簡単に実現でき
る。このとき一方の導波路のみへ電圧を印加し電気光学
効果により2本の導波路間の位相整合を解くと、TEモー
ドに対してはスイッチングが生じTEモード光は無電圧時
とは逆に入射側に同一の導波路より出射するようにな
る。ところで、本発明においては基板として(100)方
位基板を用いているので、GaAsやInP等の化合物半導体
の場合、TMモードに対しては電気光学効果による屈折率
変化が生じない。従って一方の導波路に電界を印加して
もTMモードに対してはスイッチングは生じず、TMモード
光は電圧を印加しないときと同様に入射側と同一の導波
路より出射する。従って、無電圧時には偏光ビームスプ
リッタ動作するが、ある電圧を印加したときにはTEモー
ドのみがスイッチングしてTE、TM両モードとも入射側の
同一の導波路から出力される。この様子を模式的に第2
図に示す。第2図より判るように、本発明を用いれば電
圧を印加しないときには片方の導波路からはTEモード光
を、もう一方の導波路からはTMモード光を取りだすとい
う偏光ビームスプリッタ動作であったのが、電圧を印加
することによって同一の導波路からTE,TM両モード光を
取り出すという状態へと変化させる偏光スイッチングの
動作も可能である。しかもこの偏光スイッチングは電気
光学効果を利用しているために非常に高速である。
波型方向性結合器を偏光制御素子、特に偏光ビームスプ
リッタ/偏光スイッチとして用いており、TEモードに対
する完全結合長と方向性結合器の素子長とはほぼ一致さ
せているが、TMモードに対する完全結合長は素子長より
も十分に長くしている。従って方向性結合器に電圧を印
加しないときには、TEモードは入射側とは異なる方の導
波路より出射するが、TMモードは入射側と同一の導波路
より出射する。したがって、該半導体導波型方向性結合
器は無電圧時に偏光ビームスプリッタとして動作する。
このように、TEモードとTMモードの完全結合長を異なら
しめることは、半導体導波路の場合、LTM>LTEとしたい
場合には導波路の形状異方性を利用して簡単に実現でき
る。このとき一方の導波路のみへ電圧を印加し電気光学
効果により2本の導波路間の位相整合を解くと、TEモー
ドに対してはスイッチングが生じTEモード光は無電圧時
とは逆に入射側に同一の導波路より出射するようにな
る。ところで、本発明においては基板として(100)方
位基板を用いているので、GaAsやInP等の化合物半導体
の場合、TMモードに対しては電気光学効果による屈折率
変化が生じない。従って一方の導波路に電界を印加して
もTMモードに対してはスイッチングは生じず、TMモード
光は電圧を印加しないときと同様に入射側と同一の導波
路より出射する。従って、無電圧時には偏光ビームスプ
リッタ動作するが、ある電圧を印加したときにはTEモー
ドのみがスイッチングしてTE、TM両モードとも入射側の
同一の導波路から出力される。この様子を模式的に第2
図に示す。第2図より判るように、本発明を用いれば電
圧を印加しないときには片方の導波路からはTEモード光
を、もう一方の導波路からはTMモード光を取りだすとい
う偏光ビームスプリッタ動作であったのが、電圧を印加
することによって同一の導波路からTE,TM両モード光を
取り出すという状態へと変化させる偏光スイッチングの
動作も可能である。しかもこの偏光スイッチングは電気
光学効果を利用しているために非常に高速である。
本発明においては前述のように半導体導波路技術を用
いて偏光ビームスプリッタを構成する。従って小型の素
子、具体的にはmmオーダもしくは1mm以下の大きさの素
子サイズ、が実現できる。また、前述のように、屈折率
を変化させる手段として高速の電気光学効果が利用でき
るので、偏光スイッチングを高速で行うことが可能であ
る。さらに、導波路材料として発光・受光素子と同一の
化合物半導体材料を用いることができるので発光素子、
受光素子、3dBカップラと該偏光ビームスプリッタを同
一基板上にモノリシック集積して一枚の基板上に偏波ダ
イバーシティ受信回路光学系を構成することなども可能
であり、幅広い適用分野を有する。
いて偏光ビームスプリッタを構成する。従って小型の素
子、具体的にはmmオーダもしくは1mm以下の大きさの素
子サイズ、が実現できる。また、前述のように、屈折率
を変化させる手段として高速の電気光学効果が利用でき
るので、偏光スイッチングを高速で行うことが可能であ
る。さらに、導波路材料として発光・受光素子と同一の
化合物半導体材料を用いることができるので発光素子、
受光素子、3dBカップラと該偏光ビームスプリッタを同
一基板上にモノリシック集積して一枚の基板上に偏波ダ
イバーシティ受信回路光学系を構成することなども可能
であり、幅広い適用分野を有する。
(実施例) 以下図面を参照して本発明の半導体導波路型偏光制御
素子即ち、ビームスプリッタと偏光スイッチについて詳
細に説明する。
素子即ち、ビームスプリッタと偏光スイッチについて詳
細に説明する。
第1図は本発明によるGaAs/AlGaAs導波型偏光ビーム
スプリッタ/偏光スイッチの実施例を示す斜視図であ
る。図においては、(100)方位n+−GaAs基板101上に形
成されたリブ型のGaAs/AlGaAs導波型偏光ビームプリッ
タ/偏光スイッチが示されている。
スプリッタ/偏光スイッチの実施例を示す斜視図であ
る。図においては、(100)方位n+−GaAs基板101上に形
成されたリブ型のGaAs/AlGaAs導波型偏光ビームプリッ
タ/偏光スイッチが示されている。
まず第1図に示したGaAs/AlGaAs導波型偏光ビームス
プリッタ/偏光スイッチの製造方法について簡単に説明
する。(100)方位n+−GaAs基板101上にn−AlGaAs(Al
の組成比x=0.5)クラッド層102を1.5μm程度、i−G
aAs導波層103を0.2μm、i−AlGaAs(Alの組成比x=
0.5)クラッド層104を0.4μm、p−AlGaAs(Alの組成
比x=0.5)クラッド層108を0.6μm、p+−GaAsキャッ
プ層105を0.2μm、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法
を用いて順次積層する。その後、p側電極材料あるTi/A
u膜を基板全面に蒸着し、通常のフォトリソグラフィ法
によりこのTi/Au膜を2本のストライプ形状に加工す
る。さらにこのストライプ形状に加工されたTi/Au膜お
よびTi/Au膜上に残されたフォトレジストをマスクとし
てRIBE(Reactive Ion Beam Etching)法によりストラ
イプ部以外の部分をp−AlGaAsクラッド層108とi−AlG
aAsクラッド層104の界面に達するまでエッチングにより
除去し、第1図に示すような2本の近接したリブ光導波
路を形成する。その後(100)面n+−GaAs基板101の研
磨、n側電極材料であるAuGeNi/AuNiの蒸着、および電
極アロイを行った後、素子を3.5mmの長さにへき開して
素子製作を終了する。ここで、リブ光導波路の幅は各々
3.5μm、導波路間隔は5.0μmである。
プリッタ/偏光スイッチの製造方法について簡単に説明
する。(100)方位n+−GaAs基板101上にn−AlGaAs(Al
の組成比x=0.5)クラッド層102を1.5μm程度、i−G
aAs導波層103を0.2μm、i−AlGaAs(Alの組成比x=
0.5)クラッド層104を0.4μm、p−AlGaAs(Alの組成
比x=0.5)クラッド層108を0.6μm、p+−GaAsキャッ
プ層105を0.2μm、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法
を用いて順次積層する。その後、p側電極材料あるTi/A
u膜を基板全面に蒸着し、通常のフォトリソグラフィ法
によりこのTi/Au膜を2本のストライプ形状に加工す
る。さらにこのストライプ形状に加工されたTi/Au膜お
よびTi/Au膜上に残されたフォトレジストをマスクとし
てRIBE(Reactive Ion Beam Etching)法によりストラ
イプ部以外の部分をp−AlGaAsクラッド層108とi−AlG
aAsクラッド層104の界面に達するまでエッチングにより
除去し、第1図に示すような2本の近接したリブ光導波
路を形成する。その後(100)面n+−GaAs基板101の研
磨、n側電極材料であるAuGeNi/AuNiの蒸着、および電
極アロイを行った後、素子を3.5mmの長さにへき開して
素子製作を終了する。ここで、リブ光導波路の幅は各々
3.5μm、導波路間隔は5.0μmである。
次に第1図に示したGaAs/AlGaAs導波型偏光ビームス
プリッタ/偏光スイッチの動作原理について説明する。
第1図に示した構造の導波型偏光スイッチにおいては、
層に垂直な方向ではi−GaAs導波路103の屈折率が上下
のクラッド層の屈折率より高いので光はi−GaAs導波層
103中にその大部分が閉じ込められる。一方、層に水平
な方向では、突起状のリブが形成されている部分の方
が、エッチングにより上部クラッド層の大部分が除去さ
れた部分よりも実効的な屈折率が高くなる。したがって
導波光はリブ直下のi−GaAs導波層103中へ3次元的に
閉じ込められ、ストライプ状のリブ部に沿って光は伝搬
する。ところで、第1図に示した導波型偏光ビームスプ
リッタ/偏光スイッチにおいては、2本の光導波路の感
化が小さいため、2本の導波路間には結合が生じてい
る。したがって一方の光導波路へ入射された光はある一
定の長さ伝搬したところで他方の光導波路へと完全に結
合する。この長さは通常完全結合長と呼ばれる。完全結
合長は導波層厚、組成、導波路幅、導波路間隔などの導
波路作成条件に依存するとともに入射光の偏光状態にも
依存する。これは導波路の形状が層に水平な方向と層に
垂直な方向とで異なっているためである。第1図に示し
た方向性結合器型偏光ビームスプリッタ/偏光スイッチ
の完全結合長の導波路間隔依存性を第3図に示す。TMモ
ードの完全結合長の方がTEモードの完全結合長より長
く、導波路間隔が広がるにつれて両者の差は大きくなる
傾向にある。導波路間隔を5.0μmとすると、TEモード
に対する完全結合長LTEが4.50mmであるのに対し、TMモ
ードに対する完全結合長LTMは15.165mmであり、TEモー
ドに対する完全結合長LTEは素子長3.5mmに近い値とし、
TMモードに対する完全結合長LTMは素子長よりも十分に
長くすることができる。したがって電極間に電圧を印加
しないときには、TEモードの入射光は素子出射の際には
他方の光導波路へほぼ完全に結合させ、TMモード入射光
は入射側と同一の光導波路へ出射させるという偏光ビー
ムスプリッタ動作が実現される。以上は電極間に電圧を
印加しない場合であるが、2本のp側電極のうち一方と
n側電極107間に逆バイアス電圧を印加すると電気光学
効果によりi−GaAs導波層103とi−AlGaAsクラッド層1
04の屈折率が変化する。GaAsは閃亜鉛鉱型結晶であるた
め(100)結晶方位を用いるとTEモードに対しては電気
光学効果による屈折率変化が生ずるのに対して、TMモー
ドに対しては全く電気光学効果による屈折率変化が生じ
ない。したがって本発明の場合のように(100)結晶方
位を用いた場合においては、TEモードにおいてはある適
当な逆バイアス電圧を印加することにより2本の光導波
路間の位相差を とすると、一方の導波路から入射された光が他方の導波
路へ結合しないいわゆる状態が実現されるのに対し
て、TMモードにおいてはいくら電圧を印加しても2本の
光導波路間の位相差は生じず状態のまま留まる。従っ
て本発明を用いれば、第2図に模式的に示したように、
電圧印加時にはTE,TM両モードとも出射時には同一の導
波路から取り出すことができる。さらに、本発明を用い
れば電圧を印加しないときには、片方の導波路からTEモ
ード光を、もう一方の導波路からはTMモード光を取り出
すという偏光ビームスプリッタ動作から、ある電圧を印
加したときには同一の導波路からTE,TM両モードを取り
出すという動作に切り換える偏光スイッチングの動作も
可能である。しかもこの偏光スイッチングは電気光学効
果を利用しているために非常に高速である、という特徴
を有する。
プリッタ/偏光スイッチの動作原理について説明する。
第1図に示した構造の導波型偏光スイッチにおいては、
層に垂直な方向ではi−GaAs導波路103の屈折率が上下
のクラッド層の屈折率より高いので光はi−GaAs導波層
103中にその大部分が閉じ込められる。一方、層に水平
な方向では、突起状のリブが形成されている部分の方
が、エッチングにより上部クラッド層の大部分が除去さ
れた部分よりも実効的な屈折率が高くなる。したがって
導波光はリブ直下のi−GaAs導波層103中へ3次元的に
閉じ込められ、ストライプ状のリブ部に沿って光は伝搬
する。ところで、第1図に示した導波型偏光ビームスプ
リッタ/偏光スイッチにおいては、2本の光導波路の感
化が小さいため、2本の導波路間には結合が生じてい
る。したがって一方の光導波路へ入射された光はある一
定の長さ伝搬したところで他方の光導波路へと完全に結
合する。この長さは通常完全結合長と呼ばれる。完全結
合長は導波層厚、組成、導波路幅、導波路間隔などの導
波路作成条件に依存するとともに入射光の偏光状態にも
依存する。これは導波路の形状が層に水平な方向と層に
垂直な方向とで異なっているためである。第1図に示し
た方向性結合器型偏光ビームスプリッタ/偏光スイッチ
の完全結合長の導波路間隔依存性を第3図に示す。TMモ
ードの完全結合長の方がTEモードの完全結合長より長
く、導波路間隔が広がるにつれて両者の差は大きくなる
傾向にある。導波路間隔を5.0μmとすると、TEモード
に対する完全結合長LTEが4.50mmであるのに対し、TMモ
ードに対する完全結合長LTMは15.165mmであり、TEモー
ドに対する完全結合長LTEは素子長3.5mmに近い値とし、
TMモードに対する完全結合長LTMは素子長よりも十分に
長くすることができる。したがって電極間に電圧を印加
しないときには、TEモードの入射光は素子出射の際には
他方の光導波路へほぼ完全に結合させ、TMモード入射光
は入射側と同一の光導波路へ出射させるという偏光ビー
ムスプリッタ動作が実現される。以上は電極間に電圧を
印加しない場合であるが、2本のp側電極のうち一方と
n側電極107間に逆バイアス電圧を印加すると電気光学
効果によりi−GaAs導波層103とi−AlGaAsクラッド層1
04の屈折率が変化する。GaAsは閃亜鉛鉱型結晶であるた
め(100)結晶方位を用いるとTEモードに対しては電気
光学効果による屈折率変化が生ずるのに対して、TMモー
ドに対しては全く電気光学効果による屈折率変化が生じ
ない。したがって本発明の場合のように(100)結晶方
位を用いた場合においては、TEモードにおいてはある適
当な逆バイアス電圧を印加することにより2本の光導波
路間の位相差を とすると、一方の導波路から入射された光が他方の導波
路へ結合しないいわゆる状態が実現されるのに対し
て、TMモードにおいてはいくら電圧を印加しても2本の
光導波路間の位相差は生じず状態のまま留まる。従っ
て本発明を用いれば、第2図に模式的に示したように、
電圧印加時にはTE,TM両モードとも出射時には同一の導
波路から取り出すことができる。さらに、本発明を用い
れば電圧を印加しないときには、片方の導波路からTEモ
ード光を、もう一方の導波路からはTMモード光を取り出
すという偏光ビームスプリッタ動作から、ある電圧を印
加したときには同一の導波路からTE,TM両モードを取り
出すという動作に切り換える偏光スイッチングの動作も
可能である。しかもこの偏光スイッチングは電気光学効
果を利用しているために非常に高速である、という特徴
を有する。
第4図は第1図に示した導波型偏光ビームスプリッタ
/偏光スイッチにおいてp側電極106b側の光導波路から
入射光120を入力したときのスイッチング特性を示す図
である。図において実践はTEモードに対するスイッチン
グ特性を、破線はTMモードに対するスイッチング特性を
示している。第3図より逆バイアス電圧が0Vのときに
は、前述のように、導波光はTEモードは入射側の光導波
路から他方の光導波路へほぼ完全に移行し、状態が実
現されているがTMモードに対しては入射導波路側に留ま
り状態となっていることが判る。逆バイアス電圧を増
加して行くと、TEモードに対しては電気光学効果による
屈折率変化が生じある電圧(11V)で状態に達する。
このとき、TMモード導波光も状態にとどまっているの
で、TEモードが状態に達する電圧において、TMモード
もやはり状態である。したがって、TEモードに対して
状態を実現する逆バイアス電圧においては両モードと
も同一の導波路から出射する。なお、逆バイアス電圧を
0Vと11Vの間で変えれば偏光スイッチングが可能なこと
も言うまでもない。
/偏光スイッチにおいてp側電極106b側の光導波路から
入射光120を入力したときのスイッチング特性を示す図
である。図において実践はTEモードに対するスイッチン
グ特性を、破線はTMモードに対するスイッチング特性を
示している。第3図より逆バイアス電圧が0Vのときに
は、前述のように、導波光はTEモードは入射側の光導波
路から他方の光導波路へほぼ完全に移行し、状態が実
現されているがTMモードに対しては入射導波路側に留ま
り状態となっていることが判る。逆バイアス電圧を増
加して行くと、TEモードに対しては電気光学効果による
屈折率変化が生じある電圧(11V)で状態に達する。
このとき、TMモード導波光も状態にとどまっているの
で、TEモードが状態に達する電圧において、TMモード
もやはり状態である。したがって、TEモードに対して
状態を実現する逆バイアス電圧においては両モードと
も同一の導波路から出射する。なお、逆バイアス電圧を
0Vと11Vの間で変えれば偏光スイッチングが可能なこと
も言うまでもない。
(発明の効果) 以上述べたように、本発明においては半導体導波路技
術を用いて偏光制御素子、即ちビームスプリッタを構成
する。従って小型の素子、具体的にはmmオーダもしくは
1mm以下の大きさの素子サイズ、が実現できる。また、
屈折率を変化させる手段として高速の電気光学効果が利
用できるので、偏光スイッチングを高速で行うことが可
能である。さらに、導波路材料として発光・受光素子と
同一の化合物半導体材料を用いることができるので、実
施例には示さなかったが、発光素子、受光素子、3dBカ
ップラと該偏光ビームスプリッタを同一基板上にモノリ
シックに集積して一枚の基板上に偏波ダイバーシティ受
信回路光学系を構成することなども可能であり、幅広い
適用分野を有する。
術を用いて偏光制御素子、即ちビームスプリッタを構成
する。従って小型の素子、具体的にはmmオーダもしくは
1mm以下の大きさの素子サイズ、が実現できる。また、
屈折率を変化させる手段として高速の電気光学効果が利
用できるので、偏光スイッチングを高速で行うことが可
能である。さらに、導波路材料として発光・受光素子と
同一の化合物半導体材料を用いることができるので、実
施例には示さなかったが、発光素子、受光素子、3dBカ
ップラと該偏光ビームスプリッタを同一基板上にモノリ
シックに集積して一枚の基板上に偏波ダイバーシティ受
信回路光学系を構成することなども可能であり、幅広い
適用分野を有する。
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではな
い。実施例としては、GaAs系の導波路型偏光ビームスプ
リッタ/偏光スイッチを取り上げたが、これに限るもの
ではなく、InP系などの他の半導体材料を用いた方向性
結合器型偏光ビームスプリッタ/偏光スイッチに対して
も本発明は同様に適用可能である。また、方向性結合器
を実現するための導波路構造として実施例においてはリ
ブ型光導波路を例にあげたが、これに限るものではな
く、埋め込み型等でもよい。また本発明が実施例で示し
た素子形状、すなわち各層の厚さや各層の組成及び導波
路寸法等、に限定されるものではないことは言うまでも
ない。
い。実施例としては、GaAs系の導波路型偏光ビームスプ
リッタ/偏光スイッチを取り上げたが、これに限るもの
ではなく、InP系などの他の半導体材料を用いた方向性
結合器型偏光ビームスプリッタ/偏光スイッチに対して
も本発明は同様に適用可能である。また、方向性結合器
を実現するための導波路構造として実施例においてはリ
ブ型光導波路を例にあげたが、これに限るものではな
く、埋め込み型等でもよい。また本発明が実施例で示し
た素子形状、すなわち各層の厚さや各層の組成及び導波
路寸法等、に限定されるものではないことは言うまでも
ない。
第1図は本発明の一実施例であるGaAs/AlGaAs導波型偏
光制御素子(ビームスプリッタ/偏光スイッチ)の構造
を示す斜視図、第2図は本発明による導波型偏光ビーム
スプリッタ/偏光スイッチの動作を模式的に表す図、第
3図は一実施例であるGaAs/AlGaAs偏光ビームスプリッ
タ/偏光スイッチの完全結長の導波路間隔依存性および
その偏光依存性を示す図、第4図は一実施例であるGaAs
/AlGaAs偏光ビームスプリッタ/偏光スイッチのスイッ
チング特性を示す図である。 図において、101……(100)方位n+−GaAs基板、102…
…n−AlGaAsクラッド層、103……i−GaAs導波層、104
……i−AlGaAsクラッド層、105……p+−GaAsキャップ
層、106a,106b……p側電極、107……n側電極、108…
…p−AlGaAsクラッド層、120……入射光、121a,121b…
…出射光。
光制御素子(ビームスプリッタ/偏光スイッチ)の構造
を示す斜視図、第2図は本発明による導波型偏光ビーム
スプリッタ/偏光スイッチの動作を模式的に表す図、第
3図は一実施例であるGaAs/AlGaAs偏光ビームスプリッ
タ/偏光スイッチの完全結長の導波路間隔依存性および
その偏光依存性を示す図、第4図は一実施例であるGaAs
/AlGaAs偏光ビームスプリッタ/偏光スイッチのスイッ
チング特性を示す図である。 図において、101……(100)方位n+−GaAs基板、102…
…n−AlGaAsクラッド層、103……i−GaAs導波層、104
……i−AlGaAsクラッド層、105……p+−GaAsキャップ
層、106a,106b……p側電極、107……n側電極、108…
…p−AlGaAsクラッド層、120……入射光、121a,121b…
…出射光。
Claims (1)
- 【請求項1】(100)方位半導体基板上に第1の半導体
クラッド層、半導体導波層、第2の半導体クラッド層が
少なくとも積層されており、該半導体基板上に形成され
た2本の近接した3次元光導波路により方向性結合器を
形成する手段と、前記2本の3次元半導体光導波路の各
々へ電界を独立に印加する手段とを具備しており、2本
の近接した3次元光導波路において1本の光導波路から
他方の光導波路へと導波光パワーが完全に移行するのに
必要な長さTEモード、TMモードに対して各々LTE,LTMと
するとき、方向性結合器の素子長LとLTEとがほぼ等し
く、LTMは素子長LおよびLTEよりも十分に長いことを特
徴とする半導体導波路型偏光制御素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21388690A JP2626208B2 (ja) | 1990-08-13 | 1990-08-13 | 半導体導波路型偏光制御素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21388690A JP2626208B2 (ja) | 1990-08-13 | 1990-08-13 | 半導体導波路型偏光制御素子 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0496024A JPH0496024A (ja) | 1992-03-27 |
JP2626208B2 true JP2626208B2 (ja) | 1997-07-02 |
Family
ID=16646647
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP21388690A Expired - Lifetime JP2626208B2 (ja) | 1990-08-13 | 1990-08-13 | 半導体導波路型偏光制御素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2626208B2 (ja) |
-
1990
- 1990-08-13 JP JP21388690A patent/JP2626208B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0496024A (ja) | 1992-03-27 |
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