JP2601373Y2 - チルトステアリング装置 - Google Patents
チルトステアリング装置Info
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- JP2601373Y2 JP2601373Y2 JP1993026000U JP2600093U JP2601373Y2 JP 2601373 Y2 JP2601373 Y2 JP 2601373Y2 JP 1993026000 U JP1993026000 U JP 1993026000U JP 2600093 U JP2600093 U JP 2600093U JP 2601373 Y2 JP2601373 Y2 JP 2601373Y2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、自動車等の車両にお
いてステアリングホイールを運転者の体格に適した位置
に調節するためのチルトステアリング装置に関するもの
である。
いてステアリングホイールを運転者の体格に適した位置
に調節するためのチルトステアリング装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般に、チルトステアリング装置におい
ては、ロアシャフト及びこれに傾動可能に連結したアッ
パシャフトからなるメインシャフトと、前記ロアシャフ
トを回転可能に軸支して車体の一部に支持するロアチュ
ーブ及びこれに所定量傾動可能に組み付けられ前記アッ
パシャフトを回転可能に軸支するアッパチューブからな
るステアリングコラムと、このステアリングコラムにお
ける両チューブの何れか一方に固定的に設けたラチェッ
トと、他方に揺動可能に設けられ前記ラチェットに弾発
的且つ係脱可能に噛合するポール及び回動時このポール
と係合してその前記ラチェットに対する噛合を解除する
解除レバーからなるチルト機構が備えられている(実公
平2−8865号公報参照)。そして、解除レバーの回
動操作によりラチェットに対するポールの噛合を解除し
て、ステアリングコラムのアッパチューブを傾動可能と
し、メインシャフトのアッパシャフトに取り付けたステ
アリングホイールを位置調整するようになっている。
ては、ロアシャフト及びこれに傾動可能に連結したアッ
パシャフトからなるメインシャフトと、前記ロアシャフ
トを回転可能に軸支して車体の一部に支持するロアチュ
ーブ及びこれに所定量傾動可能に組み付けられ前記アッ
パシャフトを回転可能に軸支するアッパチューブからな
るステアリングコラムと、このステアリングコラムにお
ける両チューブの何れか一方に固定的に設けたラチェッ
トと、他方に揺動可能に設けられ前記ラチェットに弾発
的且つ係脱可能に噛合するポール及び回動時このポール
と係合してその前記ラチェットに対する噛合を解除する
解除レバーからなるチルト機構が備えられている(実公
平2−8865号公報参照)。そして、解除レバーの回
動操作によりラチェットに対するポールの噛合を解除し
て、ステアリングコラムのアッパチューブを傾動可能と
し、メインシャフトのアッパシャフトに取り付けたステ
アリングホイールを位置調整するようになっている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところで、通常のチル
トステアリング装置においては、車両の衝突時に人がス
テアリングホイールに衝突した際に、この衝撃を緩和す
るための衝撃吸収機構が装備されている。ところが、上
記のチルトステアリング装置においては、人の衝突によ
りステアリングホイールを持ち上げようとする力が働い
た際、ポールが押し上げられて、ラチェットの噛合が緩
む結果、ラチェット歯の面圧が高くなって歯が欠け、ロ
ックが外れてしまうという問題があった。この場合、衝
撃吸収機構が働かなくなる虞があった。
トステアリング装置においては、車両の衝突時に人がス
テアリングホイールに衝突した際に、この衝撃を緩和す
るための衝撃吸収機構が装備されている。ところが、上
記のチルトステアリング装置においては、人の衝突によ
りステアリングホイールを持ち上げようとする力が働い
た際、ポールが押し上げられて、ラチェットの噛合が緩
む結果、ラチェット歯の面圧が高くなって歯が欠け、ロ
ックが外れてしまうという問題があった。この場合、衝
撃吸収機構が働かなくなる虞があった。
【0004】これに対して、本願考案者は、鋭意研究の
結果、ステアリングホイールを持ち上げようとする力に
よりラチェットの噛合が緩められるのは、チルト機構や
これのロック機構を構成する各部材の回動中心や荷重作
用点の相関位置関係に起因するという知見を得た。この
考案は、このような技術背景のもとになされたもので、
ステアリングホイールに衝撃を受けた際にもロック姿勢
を確実に保持できる、構造の簡単なチルトステアリング
装置を提供することを目的とする。
結果、ステアリングホイールを持ち上げようとする力に
よりラチェットの噛合が緩められるのは、チルト機構や
これのロック機構を構成する各部材の回動中心や荷重作
用点の相関位置関係に起因するという知見を得た。この
考案は、このような技術背景のもとになされたもので、
ステアリングホイールに衝撃を受けた際にもロック姿勢
を確実に保持できる、構造の簡単なチルトステアリング
装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に係るチルトステアリング装置は、第1の
ラチェット部を有する固定ブラケットと、 この固定ブラ
ケットに設けられたチルト中心軸の回りに揺動可能に取
り付けられたチルトブラケットとを備え、 このチルトブ
ラケットはアッパチューブの下端を固定しており、 この
アッパチューブは、ステアリングホイールを固定したア
ッパシャフトを回動可能に支持すると共にチルト調整時
にアッパシャフトと一体的に傾動するチルトステアリン
グ装置において、基端が固定ブラケットのチルト中心軸
の回りに回動可能に取り付けられると共に先端にそれぞ
れ長孔を有する一対のアームと、前記チルトブラケット
に設けられ、チルトブラケットと共にチルト中心軸の回
りに揺動する支軸と、前記チルトブラケットの支軸の回
りに回動可能に取り付けられ、前記固定ブラケットの第
1のラチェット部に係合する第2のラチェット部、及び
前記長孔にそれぞれ係合するピンを有するポールと、前
記チルトブラケットの支軸の回りに回動可能に取り付け
られ、前記アームの被当接部に当接する当接部を有する
解除レバーとをさらに備え、この解除レバーは、支軸の
回りにチルト中心軸側に回動することにより、アームを
介してポールの第2のラチェット部を固定ブラケットの
第1のラチェット部に押し付けて、チルトブラケットの
揺動角度をロックし、 前記チルト中心軸、支軸及びピン
は互いに平行であり、 前記解除レバーがロック位置にあ
る状態で、前記のチルト中心軸、支軸及びピンと直交す
るチルト平面内において、前記当接部がアームの被当接
部に当接する位置と前記ピンの中心軸線とを通過する直
線が、前記支軸の中心軸線よりもチルト中心軸寄りに位
置することを特徴とするものである。
め、請求項1に係るチルトステアリング装置は、第1の
ラチェット部を有する固定ブラケットと、 この固定ブラ
ケットに設けられたチルト中心軸の回りに揺動可能に取
り付けられたチルトブラケットとを備え、 このチルトブ
ラケットはアッパチューブの下端を固定しており、 この
アッパチューブは、ステアリングホイールを固定したア
ッパシャフトを回動可能に支持すると共にチルト調整時
にアッパシャフトと一体的に傾動するチルトステアリン
グ装置において、基端が固定ブラケットのチルト中心軸
の回りに回動可能に取り付けられると共に先端にそれぞ
れ長孔を有する一対のアームと、前記チルトブラケット
に設けられ、チルトブラケットと共にチルト中心軸の回
りに揺動する支軸と、前記チルトブラケットの支軸の回
りに回動可能に取り付けられ、前記固定ブラケットの第
1のラチェット部に係合する第2のラチェット部、及び
前記長孔にそれぞれ係合するピンを有するポールと、前
記チルトブラケットの支軸の回りに回動可能に取り付け
られ、前記アームの被当接部に当接する当接部を有する
解除レバーとをさらに備え、この解除レバーは、支軸の
回りにチルト中心軸側に回動することにより、アームを
介してポールの第2のラチェット部を固定ブラケットの
第1のラチェット部に押し付けて、チルトブラケットの
揺動角度をロックし、 前記チルト中心軸、支軸及びピン
は互いに平行であり、 前記解除レバーがロック位置にあ
る状態で、前記のチルト中心軸、支軸及びピンと直交す
るチルト平面内において、前記当接部がアームの被当接
部に当接する位置と前記ピンの中心軸線とを通過する直
線が、前記支軸の中心軸線よりもチルト中心軸寄りに位
置することを特徴とするものである。
【0006】
【作用】請求項1に係る考案の構成によれば、チルト平
面内において、ロック状態にある解除レバーの当接部が
前記アームに当接する位置と、ポールのピンの中心軸線
とを通過する直線が、ポールの回動の中心となる支軸の
中心軸線よりもチルト中心軸寄りに位置するようにし
た。したがって、ステアリングホイールが衝撃を受け、
ポールを持ち上げようとする力が働いたとしても、この
力は、ポールを、上記支軸を中心として、チルト中心軸
側へ回転させる力として働く結果、ポールのラチェット
部が固定ブラケットのラチェット部に押し付けられ、ロ
ック状態を保持できる。
面内において、ロック状態にある解除レバーの当接部が
前記アームに当接する位置と、ポールのピンの中心軸線
とを通過する直線が、ポールの回動の中心となる支軸の
中心軸線よりもチルト中心軸寄りに位置するようにし
た。したがって、ステアリングホイールが衝撃を受け、
ポールを持ち上げようとする力が働いたとしても、この
力は、ポールを、上記支軸を中心として、チルト中心軸
側へ回転させる力として働く結果、ポールのラチェット
部が固定ブラケットのラチェット部に押し付けられ、ロ
ック状態を保持できる。
【0007】
【実施例】以下実施例を示す添付図面によって詳細に説
明する。図2はこの考案の一実施例に係るチルトステア
リング装置の概略側面図であり図3は半断面平面図であ
る。図2及び図3を参照して、このチルトステアリング
装置において、メインシャフト1は、下端部がギアボッ
クス側に連結されたロアシャフト2と、これに自在継手
を介して揺動可能に連結され、上端部にステアリングホ
イールが組み付けられたアッパシャフト3を備えてい
る。
明する。図2はこの考案の一実施例に係るチルトステア
リング装置の概略側面図であり図3は半断面平面図であ
る。図2及び図3を参照して、このチルトステアリング
装置において、メインシャフト1は、下端部がギアボッ
クス側に連結されたロアシャフト2と、これに自在継手
を介して揺動可能に連結され、上端部にステアリングホ
イールが組み付けられたアッパシャフト3を備えてい
る。
【0008】ステアリングコラムは、上記ロアシャフト
2を回転可能に軸支するロアチューブ4と、これに所定
角度揺動可能に組み付けられアッパシャフト3を回転可
能に軸支するアッパチューブ5とからなる。ロアチュー
ブ4の下端部は、車体に固定された第1ブラケット6に
よって、周方向への回転が規制され且つ軸方向への摺動
が許容された状態で支持されている。また、ロアチュー
ブ4の上端部寄りの途中部は、第2ブラケット7によっ
て、周方向への回転を規制され且つ軸方向へ摺動が許容
された状態で支持されている。さらに、この第2ブラケ
ット7と、ロアチューブ4の下端部との間には、衝撃吸
収体20が介在されている。この衝撃吸収体20は、上
端部20aが固定ブラケット7に固定されるとともに、
下端部20bがロアチューブ4に固定されており、途中
部がS字形状に屈曲されたS字状部20cとなってい
る。衝撃吸収時において、この衝撃吸収体20は、下端
部20bがロアチューブ4とともに下方へ移動すること
により、S字状部20cを伸ばしながら衝撃を吸収する
ようになっている。
2を回転可能に軸支するロアチューブ4と、これに所定
角度揺動可能に組み付けられアッパシャフト3を回転可
能に軸支するアッパチューブ5とからなる。ロアチュー
ブ4の下端部は、車体に固定された第1ブラケット6に
よって、周方向への回転が規制され且つ軸方向への摺動
が許容された状態で支持されている。また、ロアチュー
ブ4の上端部寄りの途中部は、第2ブラケット7によっ
て、周方向への回転を規制され且つ軸方向へ摺動が許容
された状態で支持されている。さらに、この第2ブラケ
ット7と、ロアチューブ4の下端部との間には、衝撃吸
収体20が介在されている。この衝撃吸収体20は、上
端部20aが固定ブラケット7に固定されるとともに、
下端部20bがロアチューブ4に固定されており、途中
部がS字形状に屈曲されたS字状部20cとなってい
る。衝撃吸収時において、この衝撃吸収体20は、下端
部20bがロアチューブ4とともに下方へ移動すること
により、S字状部20cを伸ばしながら衝撃を吸収する
ようになっている。
【0009】また、ロアチューブ4の上端部には、固定
ブラケット8が固定されており、この固定ブラケット8
に対してチルト中心軸としての一対のボルト9を介して
揺動可能に連結されたチルトブラケット10に、アッパ
チューブ5の下端部が固定されている。このチルトステ
アリング装置においては、上記の固定ブラケット8とチ
ルトブラケット10とを所定の揺動角度に保持し、所要
時にこの保持を解除するロック機構が備えられており、
このロック機構に含まれる解除レバー14を図2におい
て反時計回りに回動させてロックを解除した状態で、上
記ボルト9(チルト中心軸)よりもステアリングホイー
ル側の部分をロアチューブ4に部分に対して揺動させ、
所望の揺動角度を得た後、解除レバー14を時計回りに
回動させて上記揺動角度を保持するようにしている。
ブラケット8が固定されており、この固定ブラケット8
に対してチルト中心軸としての一対のボルト9を介して
揺動可能に連結されたチルトブラケット10に、アッパ
チューブ5の下端部が固定されている。このチルトステ
アリング装置においては、上記の固定ブラケット8とチ
ルトブラケット10とを所定の揺動角度に保持し、所要
時にこの保持を解除するロック機構が備えられており、
このロック機構に含まれる解除レバー14を図2におい
て反時計回りに回動させてロックを解除した状態で、上
記ボルト9(チルト中心軸)よりもステアリングホイー
ル側の部分をロアチューブ4に部分に対して揺動させ、
所望の揺動角度を得た後、解除レバー14を時計回りに
回動させて上記揺動角度を保持するようにしている。
【0010】チルトステアリング装置の要部の分解斜視
図である図4を参照して、固定ブラケット8は、平面視
でステアリングホイール側に開いた略チャンネル形形状
をしており、その両側面部8aの中央部に、上記ボルト
9をそれぞれ挿通させるボルト挿通孔8bを有してい
る。また、固定ブラケット8の各側面部8aには、ボル
ト挿通孔8bの中心線を中心とする扇形形状のラチェッ
ト部8cが形成されている。
図である図4を参照して、固定ブラケット8は、平面視
でステアリングホイール側に開いた略チャンネル形形状
をしており、その両側面部8aの中央部に、上記ボルト
9をそれぞれ挿通させるボルト挿通孔8bを有してい
る。また、固定ブラケット8の各側面部8aには、ボル
ト挿通孔8bの中心線を中心とする扇形形状のラチェッ
ト部8cが形成されている。
【0011】また、チルトブラケット10は、平面視で
ギアボックス側に開いた略チャンネル形形状をしてお
り、その両側面部10aには、固定ブラケット8のボル
ト挿通孔8bに挿通されたボルト9の先端部がねじ込ま
れるねじ孔10bが形成されている。また、チルトブラ
ケット10の各側面部10aには、後述するポール中心
軸12を挿通させてこれを支持するポール中心軸支持孔
10cが形成されている。
ギアボックス側に開いた略チャンネル形形状をしてお
り、その両側面部10aには、固定ブラケット8のボル
ト挿通孔8bに挿通されたボルト9の先端部がねじ込ま
れるねじ孔10bが形成されている。また、チルトブラ
ケット10の各側面部10aには、後述するポール中心
軸12を挿通させてこれを支持するポール中心軸支持孔
10cが形成されている。
【0012】図2の要部の拡大図である図1、及び図4
を参照して、上記のロック機構は、上記固定ブラケット
8に形成された上記一対のラチェット部8cと、固定ブ
ラケット8にボルト9を介して回動可能に取り付けら
れ、回動先端側にそれぞれ長孔11aを有する一対のア
ーム11と、チルトブラケット10にポール中心軸12
の回りに回転可能に取り付けられ、固定ブラケット8の
ラチェット部8cと係合する一対のラチェット部13a
及び上記アーム11の長孔11aにそれぞれ係合するピ
ン13bが設けられたポール13と、チルトブラケット
10にポール中心軸12を介して回転可能に取り付けら
れ、上記アーム11にそれぞれ当接する当接部14aが
備えられた解除レバー14と、固定ブラケット8とチル
トブラケット10との間に介在しチルトブラケット10
を図1において反時計回りに付勢する圧縮コイルばね1
5(要部の下面図である図5)とを備えている。
を参照して、上記のロック機構は、上記固定ブラケット
8に形成された上記一対のラチェット部8cと、固定ブ
ラケット8にボルト9を介して回動可能に取り付けら
れ、回動先端側にそれぞれ長孔11aを有する一対のア
ーム11と、チルトブラケット10にポール中心軸12
の回りに回転可能に取り付けられ、固定ブラケット8の
ラチェット部8cと係合する一対のラチェット部13a
及び上記アーム11の長孔11aにそれぞれ係合するピ
ン13bが設けられたポール13と、チルトブラケット
10にポール中心軸12を介して回転可能に取り付けら
れ、上記アーム11にそれぞれ当接する当接部14aが
備えられた解除レバー14と、固定ブラケット8とチル
トブラケット10との間に介在しチルトブラケット10
を図1において反時計回りに付勢する圧縮コイルばね1
5(要部の下面図である図5)とを備えている。
【0013】上記アーム11の基端部には、上記ボルト
9を挿通させるボルト挿通孔11bが形成されている。
また、アーム11の先端側上縁部には、解除レバー14
の当接部14aによって当接される、湾曲面状の被当接
部11cが形成されている。上記ポール13は、平面視
で略チャンネル形状をしており、その両側面部13cの
上部である回動基端部には、ポール中心軸12が挿通さ
れるポール中心軸挿通孔13dがそれぞれ形成されてい
る。また、各側面部13cの下部となる回動先端部に
は、それぞれ上記ラチェット部13a及びピン13bが
設けられている。
9を挿通させるボルト挿通孔11bが形成されている。
また、アーム11の先端側上縁部には、解除レバー14
の当接部14aによって当接される、湾曲面状の被当接
部11cが形成されている。上記ポール13は、平面視
で略チャンネル形状をしており、その両側面部13cの
上部である回動基端部には、ポール中心軸12が挿通さ
れるポール中心軸挿通孔13dがそれぞれ形成されてい
る。また、各側面部13cの下部となる回動先端部に
は、それぞれ上記ラチェット部13a及びピン13bが
設けられている。
【0014】解除レバー14は、ステアリングホイール
側からみて略チャンネル形状をしており、両側面部14
cの上部となる回動基端部に、ポール中心軸12を挿通
させるポール中心軸挿通孔14dをそれぞれ形成してい
る。また、各側面部14cの略中央部には、扇形形状に
形成されアーム11の被当接部11cに当接する上記当
接部14aが設けられている。さらに、一方の側面部1
4cの下部となる回動先端部には、当該解除レバー14
を操作するノブ14bが設けられている。
側からみて略チャンネル形状をしており、両側面部14
cの上部となる回動基端部に、ポール中心軸12を挿通
させるポール中心軸挿通孔14dをそれぞれ形成してい
る。また、各側面部14cの略中央部には、扇形形状に
形成されアーム11の被当接部11cに当接する上記当
接部14aが設けられている。さらに、一方の側面部1
4cの下部となる回動先端部には、当該解除レバー14
を操作するノブ14bが設けられている。
【0015】そして、図1を参照して、この実施例の特
徴とするところは、解除レバー14の当接部14aとア
ーム11の被当接部11cとの当接位置である力点P
と、ピン13bの中心軸線Aとを通過する直線Lが、ポ
ール中心軸線Bよりもチルト中心軸としてのボルト9寄
りに位置することにある。次に、このチルトステアリン
グ装置によるチルト調整動作について説明する。まず、
図1において、ノブ14bにより解除レバー14を反時
計回りに回動させて、解除レバー14の当接部14aに
よるアーム11への押圧を解除することにより、アーム
11が、ボルト9を中心として反時計回りに回動自在な
状態となる。さらに、解除レバー14を反時計回りに回
動させることにより、解除レバー14の解除部14eが
ピン13bに当接した後、ピン13bがアーム11の長
孔11aによって案内されることにより、ポール13は
ポール中心軸12を中心として反時計回りに回動して、
ラチェット部13aとラチェット部8cとの係合が解除
される。この状態で、アッパチューブ5側を上方に持ち
上げ(或いは持ち下げ)、チルトブラケット10の固定
ブラケット8に対する揺動角度を調整する。調整後は、
解除レバー14を時計回りに回動させて、解除レバー1
4の当接部14aにより、アーム11の被当接部11c
を押圧することにより、アーム11を介して、ポール1
3のラチェット部13aを固定ブラケット8のラチェッ
ト部8cに押し付け、上記の揺動角度をロックする。こ
のとき、圧縮コイルばね15の弾性反発力は、チルトブ
ラケット10を、図1において反時計回りに回転付勢し
ており、当該チルトブラケット10及びポール13を介
してアーム11を反時計回りに回動させようとするが、
この回動力が、力点Pを介して、解除レバー14によっ
て受けられることにより、アーム11の回動が阻止され
る結果、上記のロック状態を保持できるようになってい
る。
徴とするところは、解除レバー14の当接部14aとア
ーム11の被当接部11cとの当接位置である力点P
と、ピン13bの中心軸線Aとを通過する直線Lが、ポ
ール中心軸線Bよりもチルト中心軸としてのボルト9寄
りに位置することにある。次に、このチルトステアリン
グ装置によるチルト調整動作について説明する。まず、
図1において、ノブ14bにより解除レバー14を反時
計回りに回動させて、解除レバー14の当接部14aに
よるアーム11への押圧を解除することにより、アーム
11が、ボルト9を中心として反時計回りに回動自在な
状態となる。さらに、解除レバー14を反時計回りに回
動させることにより、解除レバー14の解除部14eが
ピン13bに当接した後、ピン13bがアーム11の長
孔11aによって案内されることにより、ポール13は
ポール中心軸12を中心として反時計回りに回動して、
ラチェット部13aとラチェット部8cとの係合が解除
される。この状態で、アッパチューブ5側を上方に持ち
上げ(或いは持ち下げ)、チルトブラケット10の固定
ブラケット8に対する揺動角度を調整する。調整後は、
解除レバー14を時計回りに回動させて、解除レバー1
4の当接部14aにより、アーム11の被当接部11c
を押圧することにより、アーム11を介して、ポール1
3のラチェット部13aを固定ブラケット8のラチェッ
ト部8cに押し付け、上記の揺動角度をロックする。こ
のとき、圧縮コイルばね15の弾性反発力は、チルトブ
ラケット10を、図1において反時計回りに回転付勢し
ており、当該チルトブラケット10及びポール13を介
してアーム11を反時計回りに回動させようとするが、
この回動力が、力点Pを介して、解除レバー14によっ
て受けられることにより、アーム11の回動が阻止され
る結果、上記のロック状態を保持できるようになってい
る。
【0016】この実施例によれば、図1を参照して、解
除レバー14の当接部14aがアーム11と当接する位
置すなわち力点Pと、ポール13のピン13bの中心線
Aとを通過する直線Lが、ポール中心軸12の中心軸線
Bよりもボルト9(チルト中心軸)寄りに位置するよう
にしたので、ステアリングホイールが衝撃を受け、ポー
ル13を持ち上げようとする力Fが働いたとしても、こ
の力Fは、ポール13を図1において時計回りに回転さ
せるように働く。したがって、衝撃を受けた際にも、ポ
ール13のラチェット部13aが、固定ブラケット8の
ラチェット部8cに押し付けられる結果、ロック状態を
強固に保持することができる。また、従来のような衝撃
時のロック解除に起因した、衝撃吸収不良の発生を防止
することもできる。しかも、これを、ピン13bの位
置、解除レバー14とアーム11とが当接する力点Pの
位置、及びポール中心軸12の位置の、三者の相関位置
関係を設定することによって、構造を複雑化することな
く実現できた。
除レバー14の当接部14aがアーム11と当接する位
置すなわち力点Pと、ポール13のピン13bの中心線
Aとを通過する直線Lが、ポール中心軸12の中心軸線
Bよりもボルト9(チルト中心軸)寄りに位置するよう
にしたので、ステアリングホイールが衝撃を受け、ポー
ル13を持ち上げようとする力Fが働いたとしても、こ
の力Fは、ポール13を図1において時計回りに回転さ
せるように働く。したがって、衝撃を受けた際にも、ポ
ール13のラチェット部13aが、固定ブラケット8の
ラチェット部8cに押し付けられる結果、ロック状態を
強固に保持することができる。また、従来のような衝撃
時のロック解除に起因した、衝撃吸収不良の発生を防止
することもできる。しかも、これを、ピン13bの位
置、解除レバー14とアーム11とが当接する力点Pの
位置、及びポール中心軸12の位置の、三者の相関位置
関係を設定することによって、構造を複雑化することな
く実現できた。
【0017】また、ポール13を固定ブラケット8の両
側面部側に分離された2ピース構造ではなく、一体構造
とした。解除レバー14に関しても同様である。したが
って、構造を一層簡素化できるとともに、剛性を高くす
ることができた。なお、この考案は上記実施例に限定さ
れるものではなく、この考案の要旨を変更しない範囲で
種々の設計変更を施すことができる。
側面部側に分離された2ピース構造ではなく、一体構造
とした。解除レバー14に関しても同様である。したが
って、構造を一層簡素化できるとともに、剛性を高くす
ることができた。なお、この考案は上記実施例に限定さ
れるものではなく、この考案の要旨を変更しない範囲で
種々の設計変更を施すことができる。
【0018】
【発明の効果】以上のように、この考案によれば、ステ
アリングホイールが衝撃を受けて、ポールを持ち上げよ
うとする力が働いたとしても、この力は、ポールのラチ
ェット部と固定ブラケットのラチェット部とを押し付け
るように働く。したがって、衝撃を受けた際にもロック
姿勢を確実に保持できるとともに、衝撃時のロック解除
に起因した、衝撃吸収不良の発生を防止することができ
る。しかも、これを、ピンの位置、解除レバーがアーム
と当接する位置、並びに、ポール及び解除レバーの回転
中心となる支軸の位置の、三者の相関位置関係を設定す
ることによって、構造を複雑化することなく実現でき
た。
アリングホイールが衝撃を受けて、ポールを持ち上げよ
うとする力が働いたとしても、この力は、ポールのラチ
ェット部と固定ブラケットのラチェット部とを押し付け
るように働く。したがって、衝撃を受けた際にもロック
姿勢を確実に保持できるとともに、衝撃時のロック解除
に起因した、衝撃吸収不良の発生を防止することができ
る。しかも、これを、ピンの位置、解除レバーがアーム
と当接する位置、並びに、ポール及び解除レバーの回転
中心となる支軸の位置の、三者の相関位置関係を設定す
ることによって、構造を複雑化することなく実現でき
た。
【図1】本考案の一実施例に係るチルトステアリング装
置の要部の拡大側面図である。
置の要部の拡大側面図である。
【図2】チルトステアリング装置の概略側面図である。
【図3】チルトステアリング装置の半断面平面図であ
る。
る。
【図4】チルトステアリング装置の要部の分解斜視図で
ある。
ある。
【図5】チルトステアリング装置の要部の下面図であ
る。
る。
8 固定ブラケット 8c ラチェット部 9 ボルト(チルト中心軸) 10 チルトブラケット 11 アーム 11a 長孔 12 ポール中心軸 13 ポール 13a ラチェット部 13b ピン 14 解除レバー 14a 当接部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−258268(JP,A) 特開 昭62−74765(JP,A) 特開 平3−67778(JP,A) 実開 平4−20875(JP,U) 実開 平4−43572(JP,U) 実公 平2−8865(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B62D 1/04 - 1/20
Claims (1)
- 【請求項1】第1のラチェット部を有する固定ブラケッ
トと、 この固定ブラケットに設けられた チルト中心軸の回りに
揺動可能に取り付けられたチルトブラケットとを備え、 このチルトブラケットはアッパチューブの下端を固定し
ており、 このアッパチューブは、ステアリングホイールを固定し
たアッパシャフトを回動可能に支持すると共にチルト調
整時にアッパシャフトと一体的に傾動する チルトステア
リング装置において、基端が 固定ブラケットのチルト中心軸の回りに回動可能
に取り付けられると共に先端にそれぞれ長孔を有する一
対のアームと、前記チルトブラケットに設けられ、チルトブラケットと
共にチルト中心軸の回りに揺動する支軸と、 前記チルトブラケットの支軸の回りに回動可能に取り付
けられ、前記固定ブラケットの第1のラチェット部に係
合する第2のラチェット部、及び前記長孔にそれぞれ係
合するピンを有するポールと、 前記チルトブラケットの支軸の回りに回動可能に取り付
けられ、前記アームの被当接部に当接する当接部を有す
る解除レバーとをさらに備え、この解除レバーは、支軸の回りにチルト中心軸側に回動
することにより、アームを介してポールの第2のラチェ
ット部を固定ブラケットの第1のラチェット部に押し付
けて、チルトブラケットの揺動角度をロックし、 前記チルト中心軸、支軸及びピンは互いに平行であり、 前記解除レバーがロック位置にある状態で、前記のチル
ト中心軸、支軸及びピンと直交する チルト平面内におい
て、前記当接部がアームの被当接部に当接する位置と前
記ピンの中心軸線とを通過する直線が、前記支軸の中心
軸線よりもチルト中心軸寄りに位置することを特徴とす
るチルトステアリング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993026000U JP2601373Y2 (ja) | 1993-05-19 | 1993-05-19 | チルトステアリング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1993026000U JP2601373Y2 (ja) | 1993-05-19 | 1993-05-19 | チルトステアリング装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0683558U JPH0683558U (ja) | 1994-11-29 |
JP2601373Y2 true JP2601373Y2 (ja) | 1999-11-15 |
Family
ID=12181450
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1993026000U Expired - Lifetime JP2601373Y2 (ja) | 1993-05-19 | 1993-05-19 | チルトステアリング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2601373Y2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1884444B1 (en) | 2005-05-06 | 2017-03-08 | NSK Ltd. | Steering column device |
-
1993
- 1993-05-19 JP JP1993026000U patent/JP2601373Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0683558U (ja) | 1994-11-29 |
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