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JP2681375B2 - 治療用接着製剤 - Google Patents

治療用接着製剤

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Publication number
JP2681375B2
JP2681375B2 JP63212753A JP21275388A JP2681375B2 JP 2681375 B2 JP2681375 B2 JP 2681375B2 JP 63212753 A JP63212753 A JP 63212753A JP 21275388 A JP21275388 A JP 21275388A JP 2681375 B2 JP2681375 B2 JP 2681375B2
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JP
Japan
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drug
pressure
apparent viscosity
sensitive adhesive
adhesive composition
Prior art date
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JP63212753A
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三郎 大▲塚▼
隆士 木之下
美文 保坂
仁 明見
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Nitto Denko Corp
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Nitto Denko Corp
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Publication date
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は治療用接着製剤に関するもので、さらに詳し
くは感圧性接着剤組成物の中に高含量で薬物を含むにも
かかわらず皮膚への接着性が良好な治療用接着製剤及び
該製剤の製法を提供するものである。
<従来技術と解決課題> 可撓性基材の表面に、経皮吸収性の薬物を配合した感
圧性接着剤組成物を薄層状に設けた治療用接着製剤は、
薬物を経口投与等する場合に比して副作用が少ない或い
は投与を持続させることができるなどの利点が認められ
て注目されている。
これまでの治療用接着製剤は、それ自体良好な皮膚へ
の接着性を示する感圧性接着剤組成物に、目的とする薬
物を配合して作られているのが一般的である。
しかして、このようにして作られる接着製剤におい
て、含有させてなる薬物が小量で有効血中濃度域に到達
させることができる場合や、感圧性接着剤組成物の飽和
溶解度以内で薬物を配合する場合などのように、比較的
配合量が少ない場合は、薬物の添加によって本質的に感
圧性接着剤組成物の特性を低下させることが少ないので
然程問題はないものである。
一方、近時、製剤の持続時間の延長或いは有効血中濃
度域の高い人への適用等のために、感圧性接着剤組成物
に対する飽和溶解度以上の薬物を含有させることが検討
されている(特願昭59−42641号)。しかして、このよ
うに飽和溶解度以上の薬物を感圧性接着剤組成物に配合
すると、該組成物の本質的な特性が低下するという問題
が起生する。例えば、薬物が常温で固体である場合は、
配合されている過飽和分の薬物が接着剤層の表面で結晶
化し、有効接着面積を低下させるという問題がある。
従って本発明の目的は、感圧性接着剤組成物に対する
飽和溶解度以上の薬物を配合しても、有効接着面積の低
下が少なく、含有薬物の大部分或いは全部が薬理効果に
寄与する治療用接着製剤を提供することにある。
<課題を解決するための手段> かかる本発明の目的は、40℃におけるみかけ粘度が2
×106ポイズ以下の感圧性接着剤組成物に、当該感圧性
接着剤組成物に対して飽和溶解度以上になるように、常
温において固体である薬物を良溶媒の存在下で均一に溶
解して薬物含有接着剤層溶液を得、当該溶液を塗布乾燥
して可撓性基材の表面に薬物含有接着剤層を形成した
後、当該薬物の過飽和分を再結晶させて当該薬物含有接
着剤層の40℃におけるみかけ粘度を3×105ポイズ以上
とすることによって達成される。
本発明の「特許請求の範囲」及び本文中において用い
てなる「40℃におけるみかけ粘度」なる用語は、40℃に
おいて、ベークライト板に試料を貼り付け、一定荷重を
加え、所定時間内に動いた距離を読み取り顕微鏡により
観察し、次式から求めた粘度を指称する。
W:荷重(g) l:接着剤層の厚み(μm) A:接触面積(cm2) Δx:Δt時間に動いた距離(cm) 本発明の治療用接着製剤は、40℃におけるみかけ粘度
が2×106ポイズ以下、好ましくは3×104〜2×106
実用的には1×105〜1.5×106ポイズの感圧性接着剤組
成物が用いられるにもかかわらず、飽和溶解度以上の過
剰の薬物が再結晶し充填剤的に均一に分散し、接着剤組
成物の物性を高め、良好な接着性を保持すると共に皮膚
への残留物なく剥離でき、しかも良好な薬物放出を持続
的に行うものである。
次に本発明の実施に当って用いられる各構成材料につ
いて具体的に説明する。
可撓性基材は、薬物含有接着剤層を担持する機能を有
するものであって、通常は感圧性接着剤組成物や薬物が
揮散したり、移行したりすることのない材質或いは構成
からなるフィルム又は複合物が選択される。例えばポリ
エステルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルムなどの
プラスチックフイルム単体、或いは該フィルムの表面に
エチレン−酢酸ビニル共重合体層をラミネートした積層
フィルム、ポリテトラフルオロエチレン、ポリオレフィ
ンなどの主材とする微孔性プラスチックフィルム、その
他の不織布、布、箔などであってもよく、厚みは10〜10
0μmのものである。厚みは目的に応じて前記の範囲外
であることもある。
感圧性接着剤組成物は、該組成物に対する飽和溶解度
以上の量の薬物を保持し、皮膚面から経皮吸収される薬
物を含有する薬物含有接着剤層を構成するものであっ
て、ゴム及び/又はアクリル系樹脂を主体とする単独重
合系及び/又は共重合系の重合体から構成される。
感圧性接着剤組成物は、40℃におけるみかけ粘度が2
×106ポイズ以下のものであることが望ましく、2×106
ポイズを超えると、該組成物に対する飽和溶解度以上の
薬物を含有させ、過剰分を再結晶させて充填剤的機能を
付与させると、薬物含有接着剤層が硬く、全体として接
着性が劣り、特にミクロ的な皮膚への追従性が低下し
て、有効接着面積の減少を招き、薬物の経皮吸収性が劣
るので好ましくないものである。
接着剤組成物のみかけ粘度の下限は、配合される薬物
の量や融点などによって決められるものであって、本発
明者達が繰り返し行った実験によれば3×104ポイズが
一応の目安とされ、より実用的には感圧性接着剤組成物
の40℃におけるみかけ粘度は1×105〜1.5×106ポイズ
の範囲であることが確認された。
40℃におけるみかけの粘度が2×106ポイズ以下の感
圧性接着剤組成物は、スチレン−イソプレン−スチレン
ブロック共重合体、ポリブテンゴム、ポリイソプレンゴ
ム、ポリイソブチレンゴム、シリコーンゴム、天然ゴム
などのゴム及び/又はアクリル系樹脂、ポリビニルエー
テル系樹脂、エチレン系共重合体などの合成樹脂などか
ら得られるが、これらの系において組成物のみかけ粘度
を調整するために粘着付与性樹脂、軟化剤の如き配合剤
の添加や、素練りや分子切断などの処理を施してもよい
ものである。
感圧性接着剤組成物は、アルキル基の平均C数が4以
上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルを少なくとも
50重量%を含むアクリル系共重合物であることができ、
該共重合物には前記エステル類と共重合可能な官能性モ
ノマー及び/又はビニルエステルモノマーとの共重合物
を含ませることができる。官能性モノマーは0〜20重量
%、ビニルエステルモノマーは0〜40重量%の範囲で夫
々配合させることができる。これらの(メタ)アクリル
酸アルキルエステル、官能性モノマー、ビニルエステル
モノマーは、例えば特開昭60−185713号公報等に記載の
公知のものが全て使用可能である。
薬物は、経皮的に体内に吸収できるもので、望ましく
は常温において固体であることである。薬物もまた上記
公報等に記載の公知のものが全て使用可能である。
感圧性接着剤組成物に対する薬物の配合量は、該組成
物の40℃におけるみかけ粘度、薬物の融点などに決めら
れるが、一般には前記組成物のみかけ粘度を高めうる範
囲内で且つ約70重量%以下の量であって、前記組成物に
対する飽和溶解度の1.5倍以上、好ましくは2〜10倍で
且つ薬物含有接着剤層の40℃におけるみかけ粘度が3×
105ポイズ以上、好ましくは5×105〜6×106ポイズ、
より実用的には8×105〜4×106ポイズとなるように調
整することが望ましいものである。
薬物含有接着剤層の40℃におけるみかけ粘度が3×10
5ポイズを下回ると、製剤を皮膚面から剥がすときに物
理的刺激を伴うことがあったり、皮膚面に残留物ができ
たりするので好ましくないものである。
接着製剤は、選択されたみかけ粘度を有する感圧性接
着剤組成物に、良溶媒の存在下で、該組成物に対する飽
和溶解度以上の薬物を均一に溶解させることによって、
組成物と薬物とを均一混合となした薬物含有接着剤層溶
液を可撓性基材上に塗布乾燥後、過飽和分の薬物を物理
的刺激を与え又は与えないで再結晶化させて充填的に機
能させて40℃におけるみかけ粘度が3×105ポイズ以上
となさしめることによって得られる。
薬物含有接着剤層の厚みは10〜200μmが実用的であ
るが、目的に応じてこの範囲を超えても良いものであ
る。
本発明を構成する前記接着剤層には、増量、賦形、吸
収促進、粘度の増大等のために不活性な配合剤を適量添
加することができる。
<効果> 本発明の治療用接着製剤は、40℃におけるみかけ粘度
が2×106ポイズ以下という低粘度の感圧性接着剤組成
物に、該組成物に対する飽和溶解度以上の薬物を配合し
て、過飽和分の薬物を再結晶させて充填剤的に機能さ
せ、治療用接着剤層を40℃におけるみかけ粘度を3×10
5ポイズ以上の貼り付けタイプとしては好適なみかけ粘
度に保つように調整されているので、皮膚への接着性が
良好で、大なる有効接着面積が得られると共に、残留物
なく皮膚から剥がせるという特徴を有する。
<実施例> 以下本発明の実施例を示す。文中部とあるのは重量部
を意味するものとする。
実施例1 アクリル酸2エチルヘキシル96部とアクリル酸4部と
を4つ口セパラブルフラスコに仕込み、さらに酢酸エチ
ル42.9部及びアソビスイソブチロニトリル0.3部を夫々
添加し、不活性雰囲気下で65℃に昇温して反応を開始
し、酢酸エチル107.1部を分割添加しつつ反応温度65〜6
7℃で18時間重合する。そして昇温して10時間熟成し、
重合率99.9%、ベース30重量%で110ポイズ(at30
℃)、40℃におけるみかけ粘度6.9×105ポイズの感圧性
接着剤組成物の溶液を得る。
一方、酢酸エチル200部に50部のイソソルビドジナイ
トレートを均一に溶解して混合液を得る(前記接着剤組
成物に対する薬物の飽和溶解度は約7〜8重量%であ
る)。
前記接着剤組成物の溶液の固形分50部に対して前記混
合液を添加し、厚さ9μmのポリエステルフィルムの表
面に乾燥後の厚みが40μmとなるように塗布乾燥し、こ
の上に剥離性フィルムを仮着して室温で48時間熟成して
治療用接着製剤を得、切断面を顕微鏡で観察したところ
平均粒径が約7μmの再結晶微粒子がみられた。
実施例2 アクリル酸イソノニル65部、アクリル酸エトキシエチ
ル15部及び酢酸ビニル20部からなる配合物を実施例1と
同様の操作で重合及び熟成し重合率94.7%、ベース30重
量%で58ポイズ(at30℃)、みかけ粘度3.1×105ポイズ
の感圧性接着剤組成物の溶液を得る。
一方、酢酸エチル100部に10部のニフェジピンを均一
に溶解して混合液を得る(飽和溶解度は約3.5重量%で
ある)。
前記接着剤組成物の溶液の固形分90部に対して前記混
合液を添加し、片面にアルミニウム蒸着を施してなる厚
さ9μmのポリエステルフィルムの非蒸着面に乾燥後の
厚みが60μmとなるように塗布乾燥し、この上にアルミ
ニウム蒸着を施した剥離性フィルムを仮着して室温で2
時間熟成して治療用接着製剤を得た。この製剤には平均
粒径約4μmの再結晶微粒子がみられた。
実施例3 実施例1の感圧性接着剤組成物の溶液の固形分80部に
対して、両者に良溶媒のクロロホルム50部に20部のプロ
プラノロール(飽和溶解度約5重量%)を均一に溶液を
混合し、これを剥離性フィルムに乾燥後の厚みが80μm
となるように塗布乾燥し、これをポリエチレンとエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体との二層フィルムの共重合体面
に重ね合せて加圧し、室温で72時間熟成し、平均粒径が
約10μmの再結晶微粒子を有する治療用接着製剤を得
た。
実施例4 シリコーン固形分に対して30重量%に相当する化粧品
用メチルフェニルシリコーンオイルを添加した。40℃に
おけるみかけ粘度が1.1×106ポイズのシリコーン系感圧
性接着剤組成物の不揮発分90部に、酢酸エチルに溶解し
たクロニジン10部を添加して混合溶液を得る(飽和溶解
度約2.8重量%)。
この溶液を厚さ9μmのポリエステルフィルムの表面
に乾燥後の厚みが80μmとなるように塗布乾燥して、こ
の上に剥離性フィルムを仮着し、室温で24時間熟成し、
平均粒径が約8μmの再結晶微粒子を有する治療用接着
製剤を得た。
比較例1 アクリル酸2−エチルヘキシル93部、アクリル酸7部
とした以外は実施例1と同様の操作により治療用接着製
剤を得た。なお感圧性接着剤組成物のみかけ粘度は8.1
×106ポイズ、平均粒径は約9μmである。
比較例2 アクリル酸ブチル55部、アクリル酸エトキシエチル30
部及び酢酸ビニル25部からなる配合物を用い、以下実施
例2と同様の操作により治療用接着製剤を得た。なお組
成物のみかけ粘度は9.8×106ポイズ、平均粒径は約5μ
mである。
第1表に実施例1〜4及び比較例1〜2の特性結果を
示す。
第1表中の測定方法 血中濃度:各試料片(4×4cm角)を予め除毛したウサ
ギの背部に貼り付け、1.8及び24時間後に夫々血液を抜
き取り、高速液体クロマトグラフィー(螢光)装置を用
いて薬物の血中濃度を測定する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 明見 仁 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日 東電気工業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−273913(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】40℃におけるみかけ粘度が2×106ポイズ
    以下の感圧性接着剤組成物に、当該感圧性接着剤組成物
    に対して飽和溶解度以上になるように、常温において固
    体である薬物を良溶媒の存在下で均一に溶解して薬物含
    有接着剤層溶液を得、当該溶液を塗布乾燥して可撓性基
    材の表面に薬物含有接着剤層を形成した後、当該薬物の
    過飽和分を再結晶させて当該薬物含有接着剤層の40℃に
    おけるみかけ粘度を3×105ポイズ以上とすることを特
    徴とする治療用接着製剤の製造方法。
  2. 【請求項2】感圧性接着剤組成物の40℃におけるみかけ
    粘度が3×104〜2×106ポイズである請求項1記載の治
    療用接着製剤の製造方法。
  3. 【請求項3】薬物含有接着剤層の40℃におけるみかけ粘
    度が5×105〜6×106ポイズである請求項1記載の治療
    用接着製剤の製造方法。
  4. 【請求項4】薬物の感圧性接着剤組成物への配合量が、
    飽和溶解度の1.5〜10倍である請求項1記載の治療用接
    着製剤の製造方法。
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