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JP2668054B2 - 連続溶融金属メッキ装置用ロール及び連続溶融金属メッキ装置 - Google Patents

連続溶融金属メッキ装置用ロール及び連続溶融金属メッキ装置

Info

Publication number
JP2668054B2
JP2668054B2 JP4020094A JP2009492A JP2668054B2 JP 2668054 B2 JP2668054 B2 JP 2668054B2 JP 4020094 A JP4020094 A JP 4020094A JP 2009492 A JP2009492 A JP 2009492A JP 2668054 B2 JP2668054 B2 JP 2668054B2
Authority
JP
Japan
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roll
molten metal
ceramic
bearing
substrate
Prior art date
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Application number
JP4020094A
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JPH05221756A (ja
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敬彦 大河内
民人 川東
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Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP4020094A priority Critical patent/JP2668054B2/ja
Publication of JPH05221756A publication Critical patent/JPH05221756A/ja
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Publication of JP2668054B2 publication Critical patent/JP2668054B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/009After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone characterised by the material treated
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C04CEMENTS; CONCRETE; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES
    • C04BLIME, MAGNESIA; SLAG; CEMENTS; COMPOSITIONS THEREOF, e.g. MORTARS, CONCRETE OR LIKE BUILDING MATERIALS; ARTIFICIAL STONE; CERAMICS; REFRACTORIES; TREATMENT OF NATURAL STONE
    • C04B41/00After-treatment of mortars, concrete, artificial stone or ceramics; Treatment of natural stone
    • C04B41/45Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements
    • C04B41/50Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials
    • C04B41/5053Coating or impregnating, e.g. injection in masonry, partial coating of green or fired ceramics, organic coating compositions for adhering together two concrete elements with inorganic materials non-oxide ceramics
    • C04B41/5062Borides, Nitrides or Silicides
    • C04B41/5067Silicon oxynitrides, e.g. SIALON

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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Coating With Molten Metal (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属メッキ浴中で
軸受に支持され回転するロールを備える連続 溶融金属メ
ッキ装置に係り、特に軸受に対して摺動するロール軸の
表面が自己潤滑性の窒化ボロンを含有する窒化物系セラ
ミックスからなり耐腐食性、耐摩耗性に優れたロール及
び該ロールを備える連続溶融金属メッキ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来技術において、摺動用セラミックス
材は、特開平1−65073号公報に記載のように、主
成分として窒化ホウ素が20〜80重量%含有し、残量
がZrO2及びY23である混合物を焼結成形するもの
であった。また、同公報によれば、窒化ホウ素含有量が
50重量%以上になると焼結性が劣化するため焼結助剤
としてAl23、SiO2、MgOあるいはこれらの混
合物を10%以下添加した。
【0003】また連続溶融金属メッキ装置に関しては、
従来、連続溶融金属メッキ浴用ロール軸受としては耐食
性に優れたステンレス鋼、高クロム鋼、超硬などが、肉
盛溶接やスリーブの形で用いられてきた。しかし、これ
らの材料も例えば亜鉛メッキ浴中では1週間程度で摩耗
損傷しロール軸と軸受の間にガタが生じ、ロールやメッ
キ装置が振動して、メッキ特性を著しく下げるといった
問題があった。その原因としては、ステンレス鋼、高ク
ロム鋼、超硬等の比較的耐食性に優れた金属でも溶融金
属による腐食を皆無にすることは難しく、その為、ロー
ル軸受摺動時には摩擦と同時に溶融金属による腐食摩耗
が生じ摩耗量を増大させていることがわかった。特に腐
食がある程度進行するとロール軸及び軸受摺動面に腐食
ピットが生じ、摩擦摩耗を加速することもわかった。
【0004】したがって、ロール軸受において摩耗量を
下げる為には溶融金属に対する耐食性に優れた材料を選
定する必要がある。その点セラミックスの中には溶融金
属にほとんど腐食を受けないものがあり、その様なセラ
ミックスは溶融金属メッキ浴用ロール軸受として最適材
料と言える。
【0005】ところで、連続溶融金属メッキ浴用ロール
軸受にはセラミックスを利用したものとして特開平3−
177552号公報がある。この公報には、ロール軸外
周面に金属緩衝材を介してセラミックス焼結体を嵌合さ
せるとともに、軸受部分の内周面に固体潤滑性セラミッ
クスを設けた構造が示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術の摺動用
セラミックス材は、セラミックスの強度の点について配
慮が十分なされておらず、例えば軸受等に使用した場合
にはそのセラミックスからなる軸受本体が割れたり、ク
ラックが発生するという問題があった。
【0007】上記従来技術の連続溶融金属メッキ装置
は、セラミックスと固体潤滑剤との組合わせにおいて、
連続溶融金属メッキ浴中での実際の運転中の問題が配慮
されていない。つまり、セラミックスは溶融金属に対す
る耐食性に優れるが、反面、ベース金属と溶融金属との
反応によって生じる金属間化合物が固体潤滑剤を損傷す
るという全く新しい問題が生じることが判明した。
【0008】本発明の目的は、連続溶融金属メッキ装置
において、溶融金属中で軸受に支持されて回転する金属
製ロール軸の外周に窒化ボロンを含有する表面層を有す
るセラミックススリーブを取付けることにより軸受に対
するロール軸の摺動特性を向上させるとともに、構造的
にロール軸へのセラミックススリーブの取付けを容易に
し、かつ高温下溶融金属中でのセラミックススリーブの
破損を防止することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の連続溶融金属メッキ装置用ロールは、溶融
金属中で軸受と摺動するロールであって、このロールの
軸部は金属製の軸外周に中間材を介して円筒状のセラミ
ックス部材(セラミックスリーブ)が嵌合固着されて構成
されており、そして、中間材はセラミックススリーブの
破壊強度以下で弾塑性変形可能な緩衝部材であり、また
セラミックススリーブは、窒化けい素を主成分とする窒
化物系セラミックス焼結体なる円筒状基体と、この基体
の外周面 上に形成され窒化ボロンを10〜95重量%含
有する窒化物系セラミックス焼成層なる表面層とからな
り、かつセラミックススリーブは、基体の仮焼結及び機
械加工の後に、窒化ボロンが10〜95重量%含有する
スラリーを基体の外周面に塗布して本焼結したものであ
る。
【0010】また、本発明の連続溶融金属メッキ装置
は、金属溶湯中で軸受に支持されて回転し被メッキ材な
る帯鋼の走行方向を変えるシンクロール、及び金属溶湯
中で軸受に支持されて回転し該帯鋼を案内し走行させる
サポートロールを備えた装置において、シンクロール及
びサポートロールの少なくとも一方の軸部は、金属製の
軸外周に中間材を介してセラミックススリーブが嵌合固
着されて構成され、そして、中間材はセラミックススリ
ーブの破壊強度以下で弾塑性変形可能な緩衝部材であ
り、セラミックススリーブは、窒化けい素を主成分とす
る窒化物系セラミックス焼結体なる円筒状基体と、この
基体の外周面上に形成され窒化ボロンを10〜95重量
%含有する窒化物系セラミックス焼成層なる表面層とか
らなり、かつ基体の仮焼結及び機械加工の後に窒化ボロ
ンが10〜95重量%含有するスラリーを基体の外周面
に塗布して本焼結したものである。
【0011】なお、本発明の連続溶融金属メッキ装置に
用いる各ロールにおいて、高強度セラミックス焼結体と
してサイアロンが最も好ましいが、その他SiC,Si
3 4 の真空中焼成、Al 2 3 ,ZrO 2 は通常焼結した
ものが適用される。溶融金属としてはAl,Znが用い
られ、これらの溶融金属に対し耐食性を備えているセラ
ミックス材料がよい。また、高強度・高硬度セラミック
スとしては、引張り強さ200MPa以上、硬さがビッ
カース硬さで10GPa以上であることが望ましく、炭
化物、窒化物、酸化物、硼化物、酸窒化物及びそれらを
主成分とする複合セラミックス焼結体が用いられる。特
に、最も強度の高いサイアロンセラミックスが好まし
い。
【0012】金属からなるロール軸では、セラミックス
スリーブがロール軸に嵌合されるが、金属製ロール軸と
セラミックススリーブとの間にセラミックスの破壊強度
以下 で弾塑性変形する低降状の金属材料を介在させる必
要がある。さらに、セラミックス焼結体が大型となる場
合には、軸方向に分割し、複数個のセラミックスを装着
することも各種応力に対する信頼性を向上させる手段で
ある。
【0013】応力緩衝のための中間材は、セラミックス
の破壊強度以下で、10%以下の弾塑性変形量で弾塑性
変形が可能な低降伏点を有する金属であること、特にT
i,Au,Ag,Al,Pd,Cu,Niまたはそれら
の合金が用いられ、また硬さHvが200以上のオース
テナイトステンレス鋼、フェライトステンレス鋼である
ことが好ましい。これらの緩衝材はロール軸とセラミッ
クススリーブが接触する全面に挿入するかまたは短冊状
に切断されたものを部分的に挿入し、変形可能な空間を
ギャップ内に設ける。そして、使用温度状態でもなお変
形可能な空間を有しているのがよい。
【0014】また、緩衝材は表面に弾塑性変形を容易に
するための溝、孔などの凹凸を施すか、又は細線スリー
ブ状、線材又は細いパイプを巻回したもの、波形板材、
ハニカム状平板材を用いることができる。スリーブの外
周面又は内周面又は両面に多数の縦溝又は横溝を有する
溝付きスリーブを用いることが出来る。特に、前述のス
テンレス鋼からなる外径5mm以下の細いパイプを用いる
ことによって弾塑性変形が容易で、大きな変形を行うこ
とができるとともに、変形後の弾性も残ることから良好
な固着が得られる効果がある。この場合の材料強度は中
実材にくらべてより強度の高い材質のものを使用でき
る。
【0015】
【作用】本発明の連続溶融金属メッキ装置用ロールにお
いて、軸受に対して摺動するロールの軸部表面層に含む
窒化ボロンは、自己潤滑性能を有するため、表面層の
動面は摺動特性に優れ、特に摩擦係数を低くでき、耐摩
耗性を向上させることでき、また、摺動面にのみ窒化ボ
ロンを含有させ、基体の部分は高強度の窒化ケイ素系セ
ラミックスを主体としたので、割れやクラック発生の問
題がない。
【0016】また摺動面は、窒化ボロンと、基体と同材
の窒化ケイ素とから構成するので、摺動面の窒化ケイ素
のマトリックスと基体との整合性を向上できるばかりで
なく、基体と摺動面とを同時に焼結することが可能とな
る。
【0017】摺動面における窒化ボロンの含有量は10
〜95重量%が好ましい。これは窒化ボロンが10重量
%未満になると摩擦係数が増大し窒化ボロンの固体潤滑
性が失われて、基体のマトリックスの摺動特性が支配的
になり、逆に窒化ボロンが95重量%を超えると、摺動
面に窒化ケイ素のマトリックスが形成できなくなり、摺
動面の強度が急激に低下し、摺動材として面圧に体する
座屈強度がなくなり、良好な耐摩耗性が得られないから
である。
【0018】中間材は、弾塑性変形できる緩衝材とし
て、セラミックスリーブと金属製ロール軸との間に介在
している為、金属製ロール軸とセラミックススリーブの
加工公差が大きくても、また溶融金属浴中で両者の熱膨
脹差により歪が発生しても、これらは緩衝材の弾塑性変
形により吸収され、セラミックスのクラックや割れ等の
破損を生じることなく、セラミックスを金属製ロール軸
に固定させることができる。又、嵌合によるセラミック
スの残留応力は、緩衝材の降伏応力以上にならないた
め、使用時の負荷に対してのマージンが高い。なお、上
記構造は、衝撃荷重に対しても、同様な効果が期待でき
る。
【0019】
【実施例】図1は本発明に係る連続溶融Znメッキ装置
の全工程の一例を示すものである。メッキ処理される帯
であるストリップ12はペイオフリール2に巻き取ら
れており、レベラー11、シヤー13、ウェルダー14
を経て、更に電解洗浄槽15、スクレイバー16、リン
ス槽17を経て無酸化焼鈍炉3に入り、焼鈍された後還
元炉25、冷却帯28を通って溶融メッキ装置10にて
メッキされる。装置10を通過して浸漬メッキが施され
たストリップ12は、真上に高速走行しながら表面調整
装置4、ブライドルロール装置5、スキンパスミル6、
テンションレベラー7、化成処理装置8等を経て、ルー
パ23を通りテンションリール9に巻き取られる。スト
リップ12に付加されるテンションはロール装置5及び
テンションブライドル(図示なし)によってコントロー
ルされる。
【0020】このテンションの大きさはストリップ12
のワイピングノズル21を通過した直後に設けられた振
動検出器によって測定された振幅の大きさによって一定
になるようにコントロールされる。テンションブライド
ルの各処理の段階に設けられる。図2は、メッキ装置1
0を拡大して示したものである。
【0021】スナウト31を経て供給されるストリップ
12はメッキ槽30の中でシンクロール装置24により
方向を変えられ、サポートロール装置20によりストリ
ップの動きが安定にさせられる。ストリップ12は50
〜100m/分のスピードで高速走行される。更にメッ
キ浴26から引き出されたストリップはストリップの両
側に設けられたワイピングノズル27より高速ガスが吹
き付けられ、そのガス圧力、吹き付け角度の調整によっ
てメッキ厚みが調整される。
【0022】溶融金属メッキ浴中で使用されるガイドロ
ール装置20及びシンクロール装置24のロール18及
びロール軸受シェル29が溶融金属により潤滑されるの
でロール軸受シェル29はすべり軸受構造となってい
る。
【0023】図2でロール軸受の摩耗は矢印で示した方
向、即ち、ストリップ12がシンクロール装置24によ
って曲げられた際に発生する力のベクトル方向に進行す
ることが、従来のシンクロール軸受の摩耗状況を観察す
ることによりわかった。
【0024】図3は、本発明によりなるシンクロール1
9の断面図を示したものである。ロール軸33に装着し
た4分割された円筒状セラミックス32は、溶融金属に
対し優れた耐食性を示し、高強度高硬度特性を有したサ
イアロンセラミックスを選定した。サイアロンセラミッ
クスの化学式は次式で表わされ、Zは0〜4.2の間で
任意のものが可能であり、βサイアロンと呼ばれるもの
である。
【0025】
【化1】
【0026】本実施例ではZ=0.5の組成のサイアロ
ン粉を用い、小量のバインダーを添加した後メタノール
中で湿式混し、スプレードライ法により造粒した。次い
で、冷却静水圧のプレス法で外径210mm、内径145
mm、長さ50mmの円筒状成形体を4ヶ成形した。焼成温
度は1750℃とし、窒素雰囲気により焼成した。さら
に焼結体は仕上加工して、外径150mm、内径118m
m、長さ40mmとした。尚、外径摺動面の面粗度はRmax
0.8μmとした。
【0027】また、ロール軸33及び胴部40は比較的
耐食性のあるステンレス鋼を用い、外径を122.18m
mに仕上げた。緩衝となる中間材34は焼きもどし処
理をしたSUS316ステンレスパイプと銅線を交互に
巻回した。図3は円筒状のセラミックス32に対応する
ロール軸33に巻回した状態である。次いで、ロール軸
に円筒状のサイアロン焼結体を挿入し、図3に示す様に
押え部材35、キャップ36、インコネル合金製バネ3
7及びボルトネジ38でセラミックス32を軸方向に約
600kgfの力で押し付け固定することにより、セラミ
ックス32とロール軸33との間への溶融Znの浸入を
防止した。また、ロール軸33はロール胴部24に対し
て曲率を大きくとって応力集中が起らないようになって
いるため、円筒状セラミックス32をロール胴部40に
密着させることができないので、軸の曲率の部分に空間
41が形成されてセラミックスとロール胴部との間が密
着するようにリング39が設けられる。円筒状セラミッ
クス32の外周部角部は欠けを防ぐため丸みを設けてい
る。内周部角部も同様に丸味を設けることができる。
【0028】更に、ロール胴部40は軸部33と同じ材
質で円筒状になっており、軸部フランジに溶接によって
接合されたものである。このようにして、被圧延材のス
トリップ12によって保持されるロール重量を軽減で
き、より振動の少ない回転とストリップ12の高速移動
を可能にする。ロール胴部表面はストリップ12との摩
擦を大きくするためにその表面に凹部が設けることがで
きる。
【0029】前述のロール軸33の外径122.18mm
に、外径2.98mm、内径2mmのAISI316製パイ
プを6mmピッチで巻回しパイプの両端をロール軸にスポ
ット溶接によって固定するとともにパイプと同じ直径の
銅線をその間に巻回した。このときのパイプ巻回された
ロール軸の外径は128.18mmとなり、これに内径1
28.7mm、外径150mmのサイアロンスリーブを装入
した。この場合、460℃の溶融亜鉛浴中ではAISI
316製パイプの弾塑性変形代は100μmで、このと
き発生する圧力は0.5kgf/mm2であった。従ってサイア
ロンスリーブの許容圧力Pmax=5kgf/mm2の1/6で割
れ等の問題は全くなく、AISI316パイプが使用温
度で高い弾性を有することからも安定した嵌合が得られ
ることが分った。銅線は熱伝導率を高めるためのもので
ある。
【0030】本実施例における円筒ロールは、重量でC
0.17%,Si0.63%,Mn1.55%,Ni13.
45%,Cr23.63%,残部Feからなる鋳鋼から
なるもので、共晶炭化物を有し、全オーステナイト組織
を有するものである。この材料の鍛鋼によって軸部3
3、押え部材35、キャップ36、ボルト38、リング
39のいずれも構成される。円筒ロールはくり抜き、遠
心鋳造、エレクトロスラグ再溶解による円筒等によって
製造される。
【0031】図4は、ステンレス鋼製軸受20の内周面
に、固体潤滑剤を分散したサイアロンセラミックス層4
8を有する半円形状に構成した窒化ケイ素焼結体47を
装着した断面図である。窒化ケイ素焼結体47は次の様
にして得たものである。すなわち、窒化ケイ素を主成分
とする高強度の基体に、摺動面となる凹曲面を形成し、
凹曲面の表面に窒化ケイ素と自己潤滑性に富む窒化ボロ
ンとからなる摺動面を形成した。
【0032】図5は本発明の摺動用セラミックス材の製
造方法の実施例を示す図である。図中実線で示す第1
の製造方法において、Zが0.5の組成のサイアロン粉
を用い、これに少量の焼結助剤、バインダを添加した
後、メタノール中で湿式混練し、スプレードライ法によ
り造粒した。次いで冷間静水圧法で基体となる圧粉成形
体を作製した。さらに脱脂後、窒素雰囲気下1350℃
で仮焼結させた。仮焼結体は、気孔率50%程度あるポ
ーラス体であった。その焼結体を機械加工し、外形及び
摺動面となる曲率面を加工した。次いで、仮焼結体の摺
動面に相当する部分に平均粒径0.5μmの窒化ボロン
を50重量%含有し残りがサイアロン粉で、メタノール
溶剤により混練されたスラリーを1mm程度塗布した。
次に、大気中600℃で十分乾燥した後、窒素雰囲気下
1700℃で本焼結し、最後に研削及び研摩し、周方向
に垂直な断面が台形状になるよう加工し、内周面の辺の
長さが外周面の辺の長さより小さくした。なお精度がラ
フでよい軸受を製造する場合には、図5中点線でつなぐ
工程のようにしてもよい。即ち、サイアロン粉と助剤、
バインダを混練し、造粒し、次いで冷間静水圧法で基体
となる圧粉成形体を摺動面となる面を含めて作製する。
それから圧粉成形体を脱脂した後に、摺動面に相当する
部分に平均粒径0.5μmの窒化ボロンを50重量%、
残りがサイアロン粉で、メタノール溶剤により混練され
たスラリーを1mm程度塗布する。次に、大気中600
℃で十分乾燥した後、窒素雰囲気下1700℃で本焼結
し、最終的には摺動面の仕上げ加工を行う。
【0033】ステンレス鋼製軸受シェル29には、前述
のロールと同じ合金組成の鋳鋼を用い、前述の軸受焼結
体47が内周面に装着できるように複合材と同じ断面を
有する半円形蟻溝45、及びネジ穴46を加工した。す
なわち、図4に示す様に焼結体47を蟻溝内45に載置
し、裏面から半円形の前述と同じ組成のステンレス鋼製
当て板42を介して、前述と同じ組成のステンレス鋼製
ネジで押し付け固定した。半円形の端面を同様の材料か
らなる押え板43を用い、ボルト44で固定した。この
半円形の焼結体47を4個連続して軸方向に形成した。
【0034】図6は上記構造によるロールとロール軸受
とを組合わせた断面構造である。実際に溶融Zn浴中で
摺動テストを行った。Zn浴温度は、450〜480
℃、ロール軸受の押し付け力は1300kgfとした。そ
の結果、図7に示す様に10日間の連続回転摺動の後も
その摩耗は1mm以下でほとんど摩耗が生ぜず、従来のロ
ール軸受の1/20以下にすることが出来た。従来ロー
ル軸受は比較のために本実施例に示した構造とは異なる
円筒軸受とロール軸との回転摺動実験を行ったもので、
ロール軸サイズは直径150mm、長さ160mmである。
従って、約30日での摩耗も大きな変化がなくすぐれた
寿命を有することが確認された。ロール軸の摺動部に設
け、軸受に固体潤滑性部材を設け円形又は半円形の全周
にしたことにより、溶融金属メッキ浴中での消耗が小さ
く長寿命を示し、従来の金属製ロール軸受の10倍以上
の長時間運転が可能となり、ロール軸受の組み替え頻度
の減少、連続運転による生産性の向上、不良の低減など
に効果がある。
【0035】図8及び図9は、摺動実験を行うために図
5に実線で示した工程により製作した軸受試験体60と
回転ロール試験体70との組合せを示す。この摺動実験
においては、軸受試験体60を回転ロール試験体70の
軸部に押しつけて摩擦係数、摩耗速度を測定した。軸受
試験体60は高強度の窒化物系セラミックスからなる略
長方体の基体52の一つの面に半円形で窒化ボロンを含
有する摺動面53を有し、摺動面53と反対側に受けホ
ルダー58を設けたものである。一方、回転ロール試験
体70は金属製で、ロール胴部59端部の軸57の周表
面に下地層55として窒化物系セラミックスの層を形成
し、その上に窒化ボロンを含む摺動面56を被覆したも
のである。
【0036】この実験条件は、室温、面圧10 kgf/c
m2、回転速度1 m/sとした。その結果、無潤滑で摩擦係
数0.15、摩耗速度10 μm/hであり、かじり等の問
題はなかった。
【0037】また、同様の軸受試験体60及び回転ロー
ル試験体70を用いて、従来の金属製の軸受では使用困
難であった高温、無潤滑下での摺動実験を行った。その
結果、500℃における軸受10の摺動特性は、前記室
温における実験結果と同様で、良好であった。比較材と
して耐熱鋼の軸受を用いて同様の実験を行ったが、かじ
りのため、摩擦係数は1.0以上となり、回転不能とな
った。
【0038】次にこられと同様の軸受試験体60及び回
転ロール試験体70を用い、460℃の溶融亜鉛中で、
面圧10 kgf/cm2、回転速度1 m/sの条件で摺動テスト
を行った。その結果、摩擦係数、摩耗速度ともに室温に
おける実験結果と同様となり、溶融亜鉛中でも良好な摺
動特性を得られることがわかった。また比較材として従
来の耐熱鋼の軸受を用いて同じ実験を行った結果、亜鉛
による腐食摩耗の影響により、その摩耗速度は100
μm/h以上となった。
【0039】以上のことから、摺動面に窒化ボロンを含
有し基体を窒化ケイ素とする軸受は、薄鋼板の連続溶融
亜鉛メッキ装置において溶融亜鉛バス中で鋼板を巻きか
けて回転するロールを支持する軸受として有用であるこ
とが明らかとなった。
【0040】本発明は、他に化学プラント、炉、加熱装
置、宇宙機器等の高温で油をきらう装置に対する摺動構
造物及び摺動部材をして使用でき、長寿命が得られる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、連続溶融金属メッキ装
置用ロールは、その軸部を金属製の軸外周にセラミック
ススリーブを嵌合固着したもので、セラミックススリー
ブは摺動面に自己潤滑性のある窒化ボロンを含有させ、
この摺動面を支える基体を高強度の窒化物系セラミック
スから構成したので、摺動面は低摩擦係数で耐摩耗性に
優れ、かつ基体が機械的強度に優れ、高い荷重、高い応
力を受けることができ、割れ、クラックの発生を防止す
ることができる。またロールの軸部とセラミックススリ
ーブの間に弾塑性変形する中間材を介在させたので、ロ
ールの軸部とセラミックススリーブと加工公差が大きく
ても容易に嵌合することができ、高温下での両者の変形
を吸収して、セラミックススリーブにおけるクラック発
生を防止す ることができる。さらにセラミックススリー
ブは、基体を仮焼結、機械加工した後に該基体に窒化ボ
ロンを含むスラリーを塗布し、本焼結するので、セラミ
ックススリーブの加工精度の向上を図ることができる。
【0042】 本発明による連続溶融金属メッキ装置ロー
ルは、摺動面が溶融金属メッキ浴中で消耗する量が小さ
いため、長寿命を示し、従来の金属製ロール軸受の10
倍以上の長時間運転が可能となり、ロール軸受の組み替
え頻度の減少、連続運転による生産性の向上、不良の低
減などに効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る連続溶融亜鉛メッキ装置の構成図
である。
【図2】亜鉛メッキ槽の断面図である。
【図3】シンクロールの断面図である。
【図4】軸受の断面図である。
【図5】本発明の実施例の摺動用セラミックスの製造方
法を示す図である。
【図6】ロール軸と軸受とを組合わせた断面図である。
【図7】摺動試験による摩耗量と摺動日数との関係を示
す線図である。
【図8】摺動実験に用いた軸受試験体及び回転ロールを
示す図である。
【図9】図8のA−A断面図である。
【符号の説明】
3 焼鈍炉 4 表面調整装置 5 ブライドロール装置 6 スキンパスミル 7 テンションレベラー 8 化成処理装置 10 溶融金属メッキ装置 12 鋼ストリップ 19 シンクロール 20 サポートロール装置 24 シンクロール装置 25 還元炉装置 26 メッキ浴 27 ワイピングノズル 29 ロール軸受シェル 30 メッキ槽 32 円筒状セラミックス 33 ロール軸 34 中間材 35 押え部材 39 リング 40 ロール胴部 42 当て板 47 窒化ケイ素焼結体 48 固体潤滑剤分散セラミックス層 52 基体 53 摺動面(軸受側) 55 下地層 56 摺動面(ロール軸側) 57 軸 59 ロール胴部 60 軸受試験体 70 回転ロール試験体

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属中で軸受と摺動する連続溶融金
    属メッキ装置用ロールにおいて、該ロールの軸部は金属
    製の軸外周に中間材を介して円筒状のセラミックス部材
    が嵌合固着されて構成され、そして、前記中間材は前記
    セラミックス部材の破壊強度以下で弾塑性変形可能な緩
    衝部材であり、前記円筒状のセラミックス部材は、窒化
    けい素を主成分とする窒化物系セラミックス焼結体なる
    円筒状基体と、該基体の外周面上に形成され窒化ボロン
    を10〜95重量%含有する窒化物系セラミックス焼成
    層なる表面層とからなり、かつ前記基体の仮焼結及び機
    械加の後に窒化ボロンが10〜95重量%含有するスラ
    リーを前記基体の外周面に塗布して本焼結したものであ
    ることを特徴とする連続溶融金属メッキ装置用ロール。
  2. 【請求項2】 金属溶湯中で軸受に支持されて回転し被
    メッキ材なる帯鋼の走行方向を変えるシンクロール、及
    び金属溶湯中で軸受に支持されて回転し該帯鋼を案内し
    走行させるサポートロールを備えた連続溶融金属メッキ
    装置において、前記シンクロール及び前記サポートロー
    ルの少なくとも一方の軸部は金属製の軸外周に中間材を
    介して円筒状のセラミックス部材が嵌合固着されて構成
    され、そして、前記中間材は前記セラミックス部材の破
    壊強度以下で弾塑性変形可能な緩衝部材であり、前記円
    筒状のセラミックス部材は、窒化けい素を主成分とする
    窒化物系セラミックス焼結体なる円筒状基体と、該基体
    の外周面上に形成され窒化ボロンを10〜95重量%含
    有する窒化物系セラミックス焼成層なる表面層とからな
    り、かつ前記基体の仮焼結及び機械加工の後に窒化ボロ
    ンが10〜95重量%含有するスラリーを前記基体の外
    周面に塗布して本焼結したものであることを特徴とする
    連続溶融金属メッキ装置。
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