JP2656435B2 - 糖衣組成物及び当該組成物調製用シロップ - Google Patents
糖衣組成物及び当該組成物調製用シロップInfo
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は新規の糖衣組成物、並び
に当該糖衣組成物の調製用シロップに関する。
に当該糖衣組成物の調製用シロップに関する。
【0002】
【従来の技術】固形飲食品材料の表面に被覆層を形成す
るための材料として、エリスリトールが知られている。
このエリスリトールは、シュガーレス材料として用いる
ことが可能である。そして、他の糖アルコールと比較し
てかん下作用が少ないという利点を有している。
るための材料として、エリスリトールが知られている。
このエリスリトールは、シュガーレス材料として用いる
ことが可能である。そして、他の糖アルコールと比較し
てかん下作用が少ないという利点を有している。
【0003】しかしながら、このエリスリトールは水溶
液とした場合の結晶性が高く、かつ結晶化速度が速いと
いう性質を有する。このため、エリスリトールのみを水
に加えた糖衣シロップを用いて糖衣掛けを行った場合
は、均一で滑らかな糖衣層を得ることが困難である。な
お、特開昭64-55140号公報には、このエリスリトールを
加熱溶融させて芯材の周囲を被覆した被覆層を有する
「吸湿性の改善された固形飲食品材料」について開示さ
れている。
液とした場合の結晶性が高く、かつ結晶化速度が速いと
いう性質を有する。このため、エリスリトールのみを水
に加えた糖衣シロップを用いて糖衣掛けを行った場合
は、均一で滑らかな糖衣層を得ることが困難である。な
お、特開昭64-55140号公報には、このエリスリトールを
加熱溶融させて芯材の周囲を被覆した被覆層を有する
「吸湿性の改善された固形飲食品材料」について開示さ
れている。
【0004】しかしながら、この被覆層はエリスリトー
ルを加熱溶融させて芯材の周囲に付着させたものであ
る。よって、糖衣シロップを用いた糖衣掛けによる糖衣
層と比較して、被覆層が脆く砕けやすく、かつ剥がれ落
ちやすい。さらにこの公報に記載された発明において
は、被覆層の融点を低下させるために他の糖成分を添加
する試みがなされている。しかしながら、上記の被覆層
が脆く砕けやすく、かつ剥がれ落ちやすいという課題は
かかる試みによっては解決されていない。
ルを加熱溶融させて芯材の周囲に付着させたものであ
る。よって、糖衣シロップを用いた糖衣掛けによる糖衣
層と比較して、被覆層が脆く砕けやすく、かつ剥がれ落
ちやすい。さらにこの公報に記載された発明において
は、被覆層の融点を低下させるために他の糖成分を添加
する試みがなされている。しかしながら、上記の被覆層
が脆く砕けやすく、かつ剥がれ落ちやすいという課題は
かかる試みによっては解決されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明が解決す
べき課題は、均一で滑らかで砕けにくく、さらに剥がれ
落ちにくい糖衣組成物、並びに当該組成物調製用シロッ
プを提供することにある。
べき課題は、均一で滑らかで砕けにくく、さらに剥がれ
落ちにくい糖衣組成物、並びに当該組成物調製用シロッ
プを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題の解
決のために鋭意検討を行った結果、エリスリトールに還
元澱粉糖化物を添加することにより、上記課題を解決し
得ることを見出し本発明を完成した。すなわち、本発明
は以下の事項をその要旨とするものである。
決のために鋭意検討を行った結果、エリスリトールに還
元澱粉糖化物を添加することにより、上記課題を解決し
得ることを見出し本発明を完成した。すなわち、本発明
は以下の事項をその要旨とするものである。
【0007】(1)芯材がエリスリトール及び還元澱粉糖
化物を含む糖衣層で被覆されたことを特徴とする糖衣組
成物において、エリスリトールが62重量%〜98重量%、
還元澱粉糖化物が乾燥物重量で2重量%〜38重量%添加
されていることを特徴とする糖衣組成物。 (2)エリスリトールを25重量%〜57重量%、及び還元澱
粉糖化物を乾燥物質重量で3重量%〜20重量%含有する
ことを特徴とする、ソフト掛け法において用いる糖衣組
成物調製用シロップ。
化物を含む糖衣層で被覆されたことを特徴とする糖衣組
成物において、エリスリトールが62重量%〜98重量%、
還元澱粉糖化物が乾燥物重量で2重量%〜38重量%添加
されていることを特徴とする糖衣組成物。 (2)エリスリトールを25重量%〜57重量%、及び還元澱
粉糖化物を乾燥物質重量で3重量%〜20重量%含有する
ことを特徴とする、ソフト掛け法において用いる糖衣組
成物調製用シロップ。
【0008】(3)エリスリトールを45重量%〜57重量
%、及び還元澱粉糖化物を乾燥物質重量で3重量%〜10
重量%含有することを特徴とする、ハード掛け法におい
て用いる糖衣組成物調製用シロップ。以下、本発明につ
いて詳細に説明する。 A.芯材がエリスリトール及び還元澱粉糖化物を含む糖
衣層で被覆されたことを特徴とする糖衣生成物につい
て、 本発明において「芯材」とは、エリスリトール及び還元
澱粉糖化物で被覆される対象物のことをいい、元来エリ
スリトールで糖衣され得るものであれば如何なるもので
あっても許容される。例えば、チューインガム、チョコ
レート、キャンディー、グミ、ゼリー等の菓子類;果実
類、ナッツ類;錠剤、丸薬等の医薬品等を挙げることが
できる。
%、及び還元澱粉糖化物を乾燥物質重量で3重量%〜10
重量%含有することを特徴とする、ハード掛け法におい
て用いる糖衣組成物調製用シロップ。以下、本発明につ
いて詳細に説明する。 A.芯材がエリスリトール及び還元澱粉糖化物を含む糖
衣層で被覆されたことを特徴とする糖衣生成物につい
て、 本発明において「芯材」とは、エリスリトール及び還元
澱粉糖化物で被覆される対象物のことをいい、元来エリ
スリトールで糖衣され得るものであれば如何なるもので
あっても許容される。例えば、チューインガム、チョコ
レート、キャンディー、グミ、ゼリー等の菓子類;果実
類、ナッツ類;錠剤、丸薬等の医薬品等を挙げることが
できる。
【0009】本発明において用いられるエリスリトール
は、式(1)に掲げる構造式を有する四炭糖の糖アルコー
ルで、分子量122、融点119℃、で水溶性であり、非消化
性であり、非う蝕性であり、非褐変性である。
は、式(1)に掲げる構造式を有する四炭糖の糖アルコー
ルで、分子量122、融点119℃、で水溶性であり、非消化
性であり、非う蝕性であり、非褐変性である。
【0010】
【化1】
【0011】なお、エリスリトールの甘味度は、蔗糖の
70〜80%で、蔗糖に近いあっさりした甘味で、結晶性に
優れ、極めて吸湿しにくい性質を有している。また、他
の糖アルコールと比較してかん下作用が弱い性質を有し
ている。さらに本発明において用いられる還元澱粉糖化
物は、澱粉から作られる糖化物を原料とし、これに水素
添加を施したもので、単糖類及び多糖類からなる。
70〜80%で、蔗糖に近いあっさりした甘味で、結晶性に
優れ、極めて吸湿しにくい性質を有している。また、他
の糖アルコールと比較してかん下作用が弱い性質を有し
ている。さらに本発明において用いられる還元澱粉糖化
物は、澱粉から作られる糖化物を原料とし、これに水素
添加を施したもので、単糖類及び多糖類からなる。
【0012】より具体的には、ソルビトール等の単糖ア
ルコール;マルチトール等の2糖アルコール;マルトト
リイトール等の3糖アルコール;4以上の糖重合度を有
するオリゴ糖アルコール又はポリ糖アルコールから成
る。上記単糖アルコール乃至4以上の糖重合度を有する
糖アルコールを当該還元澱粉糖化物中に如何に配合する
かは原則として自由であり、必ずしも全ての糖重合度を
有する糖アルコールを配合する必要はなく、1種類の糖
アルコールを当該還元澱粉糖化物として用いることも可
能である。しかしながら、通常、単糖類の配合比は、2
〜6重量%;2糖類の配合比は7〜67重量%;3糖類の
配合比は9〜25重量%;4以上の糖重合度を有する糖類
の配合比は13〜80重量%である。なお、かかる配合比
は、調製を企図する糖衣組成物の表面の糖衣の結晶化を
遅らせ、より均一な糖衣層を形成させ得るという点にお
いて、上記のうち3以上の糖重合度を有する糖アルコー
ルの配合度合いを可能な限り高めて用いるのが好まし
い。本発明において用いることのできる還元澱粉糖化物
として、具体的には、PO-20、PO-30、PO-40、又はPO-60
(全て東和化成工業株式会社製)等を挙げることができ
る。これらの中でPO-20又はPO-30は、3以上の糖重合度
を有する糖アルコールの配合度合いが高く設定されてい
るという点において、特に好ましい還元澱粉糖化物とし
て例示することができる。
ルコール;マルチトール等の2糖アルコール;マルトト
リイトール等の3糖アルコール;4以上の糖重合度を有
するオリゴ糖アルコール又はポリ糖アルコールから成
る。上記単糖アルコール乃至4以上の糖重合度を有する
糖アルコールを当該還元澱粉糖化物中に如何に配合する
かは原則として自由であり、必ずしも全ての糖重合度を
有する糖アルコールを配合する必要はなく、1種類の糖
アルコールを当該還元澱粉糖化物として用いることも可
能である。しかしながら、通常、単糖類の配合比は、2
〜6重量%;2糖類の配合比は7〜67重量%;3糖類の
配合比は9〜25重量%;4以上の糖重合度を有する糖類
の配合比は13〜80重量%である。なお、かかる配合比
は、調製を企図する糖衣組成物の表面の糖衣の結晶化を
遅らせ、より均一な糖衣層を形成させ得るという点にお
いて、上記のうち3以上の糖重合度を有する糖アルコー
ルの配合度合いを可能な限り高めて用いるのが好まし
い。本発明において用いることのできる還元澱粉糖化物
として、具体的には、PO-20、PO-30、PO-40、又はPO-60
(全て東和化成工業株式会社製)等を挙げることができ
る。これらの中でPO-20又はPO-30は、3以上の糖重合度
を有する糖アルコールの配合度合いが高く設定されてい
るという点において、特に好ましい還元澱粉糖化物とし
て例示することができる。
【0013】上記エリスリトール及び還元澱粉糖化物
は、通常水を溶媒として当該水中に添加し、加熱溶解さ
せたシロップ中に含有させる。また、かかるエリスリト
ール及び還元澱粉糖化物の他に、必要に応じて他の添加
成分を当該シロップ中に含有させることができる。次
に、上記において調製したシロップを用いた芯材を糖衣
層で被覆する代表的な方法を示す。
は、通常水を溶媒として当該水中に添加し、加熱溶解さ
せたシロップ中に含有させる。また、かかるエリスリト
ール及び還元澱粉糖化物の他に、必要に応じて他の添加
成分を当該シロップ中に含有させることができる。次
に、上記において調製したシロップを用いた芯材を糖衣
層で被覆する代表的な方法を示す。
【0014】当該方法の一つは、「ハード掛け法」とし
て知られる方法である。すなわち、芯材を糖衣釜に投入
し、予め調製したシロップを適量掛けて、全体に行き渡
ったところで送風乾燥する。そして、当該操作を繰り返
して糖衣層を形成する方法である。他の一つの方法は、
「ソフト掛け法」として知られる方法である。
て知られる方法である。すなわち、芯材を糖衣釜に投入
し、予め調製したシロップを適量掛けて、全体に行き渡
ったところで送風乾燥する。そして、当該操作を繰り返
して糖衣層を形成する方法である。他の一つの方法は、
「ソフト掛け法」として知られる方法である。
【0015】すなわち、芯材を糖衣釜に投入し、予め調
製したシロップを適量当該芯材に掛けて、全体に行き渡
ったところで微粉末エリスリトールを振り掛け、当該微
粉末が全体に行き渡ったところで送風乾燥する。そし
て、当該操作を繰り返して糖衣層を形成する方法であ
る。上記シロップ中のエリスリトール及び還元澱粉糖化
物の配合比率を、以下のように設定して当該シロップを
調製することができる。
製したシロップを適量当該芯材に掛けて、全体に行き渡
ったところで微粉末エリスリトールを振り掛け、当該微
粉末が全体に行き渡ったところで送風乾燥する。そし
て、当該操作を繰り返して糖衣層を形成する方法であ
る。上記シロップ中のエリスリトール及び還元澱粉糖化
物の配合比率を、以下のように設定して当該シロップを
調製することができる。
【0016】先ず、前記「ハード掛け法」を糖衣方法と
して採用する場合には、エリスリトールを当該シロップ
に対して、45重量%〜57重量%、好ましくは45重量%〜
55重量%、そしてさらに好ましくは45重量%〜50重量%
配合することができる。還元澱粉糖化物は、乾燥重量で
3重量%〜10重量%、好ましくは5重量%〜10重量%添
加することができる。
して採用する場合には、エリスリトールを当該シロップ
に対して、45重量%〜57重量%、好ましくは45重量%〜
55重量%、そしてさらに好ましくは45重量%〜50重量%
配合することができる。還元澱粉糖化物は、乾燥重量で
3重量%〜10重量%、好ましくは5重量%〜10重量%添
加することができる。
【0017】かかる糖衣方法によって調製される、糖衣
層中におけるエリスリトールと還元澱粉糖化物は、エリ
スリトールが81重量%〜95重量%の、そして還元澱粉糖
化物が5重量%〜19重量%の構成比で(上記シロップ中
にエリスリトールが45重量%〜57重量%、還元澱粉糖化
物が乾燥重量で3重量%〜10重量%含まれている場合に
該当する。)、また好ましくはエリスリトールが81重量
%〜92重量%の、そして還元澱粉糖化物が乾燥重量で8
重量%〜19重量%の構成比で(上記シロップ中にエリス
リトールが45重量%〜55重量%の還元澱粉糖化物が乾燥
重量で5重量%〜10重量%含まれている場合に該当す
る。)当該被覆層中に含有される。また、さらに好まし
くはエリスリトールが81重量%〜91重量%の、そして還
元澱粉糖化物が乾燥重量で9重量%〜19重量%の構成比
で(上記シロップ中にエリスリトールが45重量%〜50重
量%、還元澱粉糖化物が乾燥重量で5重量%〜10重量%
含まれている場合に該当する。)当該糖衣層中に含有さ
れる。
層中におけるエリスリトールと還元澱粉糖化物は、エリ
スリトールが81重量%〜95重量%の、そして還元澱粉糖
化物が5重量%〜19重量%の構成比で(上記シロップ中
にエリスリトールが45重量%〜57重量%、還元澱粉糖化
物が乾燥重量で3重量%〜10重量%含まれている場合に
該当する。)、また好ましくはエリスリトールが81重量
%〜92重量%の、そして還元澱粉糖化物が乾燥重量で8
重量%〜19重量%の構成比で(上記シロップ中にエリス
リトールが45重量%〜55重量%の還元澱粉糖化物が乾燥
重量で5重量%〜10重量%含まれている場合に該当す
る。)当該被覆層中に含有される。また、さらに好まし
くはエリスリトールが81重量%〜91重量%の、そして還
元澱粉糖化物が乾燥重量で9重量%〜19重量%の構成比
で(上記シロップ中にエリスリトールが45重量%〜50重
量%、還元澱粉糖化物が乾燥重量で5重量%〜10重量%
含まれている場合に該当する。)当該糖衣層中に含有さ
れる。
【0018】次に、前記「ソフト掛け法」を糖衣方法と
して採用する場合には、エリスリトールを当該シロップ
に対して、25重量%〜57重量%、好ましくは25重量%〜
55重量%、そしてさらに好ましくは40重量%〜50重量%
配合することができる。還元澱粉糖化物は、乾燥重量で
3重量%〜20重量%、好ましくは3重量%〜15重量%、
そしてさらに好ましくは5重量%〜15重量%を添加する
ことができる。
して採用する場合には、エリスリトールを当該シロップ
に対して、25重量%〜57重量%、好ましくは25重量%〜
55重量%、そしてさらに好ましくは40重量%〜50重量%
配合することができる。還元澱粉糖化物は、乾燥重量で
3重量%〜20重量%、好ましくは3重量%〜15重量%、
そしてさらに好ましくは5重量%〜15重量%を添加する
ことができる。
【0019】かかる糖衣方法によって調製される、糖衣
層中におけるエリスリトールと還元澱粉糖化物は、エリ
スリトールが62重量%〜98重量%の、そして還元澱粉糖
化物が乾燥重量で2重量%〜38重量%の構成比で糖衣層
中に存在し得る(上記シロップ5〜12g 中にエリスリト
ールが25重量%〜57重量%、還元澱粉糖化物が乾燥重量
で3重量%〜20重量%含まれており、かつエリスリトー
ル微粉末を1〜4g 振り掛ける場合に該当する。)、ま
た好ましくはエリスリトールが68重量%〜98重量%の、
そして還元澱粉糖化物が乾燥重量で2重量%〜32重量%
の構成比で糖衣層中に存在し得る(上記シロップ5〜12
g 中にエリスリトールが25重量%〜55重量%、還元澱粉
糖化物が乾燥重量で3重量%〜15重量%含まれており、
かつエリスリトール微粉末を1〜4g 振り掛ける場合に
該当する。)。そして、さらに好ましくはエリスリトー
ルが70重量%〜98重量%の、そして還元澱粉糖化物が乾
燥重量で2重量%〜30重量%の構成比で被覆層中に存在
し得る(上記シロップ5〜12g 中にエリスリトールが40
重量%〜50重量%、還元澱粉糖化物が乾燥重量で3重量
%〜20重量%含まれており、かつエリスリトール微粉末
を1〜4g 振り掛ける場合に該当する。)。
層中におけるエリスリトールと還元澱粉糖化物は、エリ
スリトールが62重量%〜98重量%の、そして還元澱粉糖
化物が乾燥重量で2重量%〜38重量%の構成比で糖衣層
中に存在し得る(上記シロップ5〜12g 中にエリスリト
ールが25重量%〜57重量%、還元澱粉糖化物が乾燥重量
で3重量%〜20重量%含まれており、かつエリスリトー
ル微粉末を1〜4g 振り掛ける場合に該当する。)、ま
た好ましくはエリスリトールが68重量%〜98重量%の、
そして還元澱粉糖化物が乾燥重量で2重量%〜32重量%
の構成比で糖衣層中に存在し得る(上記シロップ5〜12
g 中にエリスリトールが25重量%〜55重量%、還元澱粉
糖化物が乾燥重量で3重量%〜15重量%含まれており、
かつエリスリトール微粉末を1〜4g 振り掛ける場合に
該当する。)。そして、さらに好ましくはエリスリトー
ルが70重量%〜98重量%の、そして還元澱粉糖化物が乾
燥重量で2重量%〜30重量%の構成比で被覆層中に存在
し得る(上記シロップ5〜12g 中にエリスリトールが40
重量%〜50重量%、還元澱粉糖化物が乾燥重量で3重量
%〜20重量%含まれており、かつエリスリトール微粉末
を1〜4g 振り掛ける場合に該当する。)。
【0020】エリスリトール及び還元澱粉糖化物は、通
常はそれぞれを水を溶媒として溶解させて本発明の対象
であるシロップを調製することができる。なお、上記ソ
フト掛け法において、振り掛けるエリスリトール微粉末
は、コーティングするシロップ重量に対して8.3重量%
〜80重量%の範囲で振り掛けることが好ましい。また、
当該エリスリトール微粉末は1回〜3回に分けて振り掛
けることができる。
常はそれぞれを水を溶媒として溶解させて本発明の対象
であるシロップを調製することができる。なお、上記ソ
フト掛け法において、振り掛けるエリスリトール微粉末
は、コーティングするシロップ重量に対して8.3重量%
〜80重量%の範囲で振り掛けることが好ましい。また、
当該エリスリトール微粉末は1回〜3回に分けて振り掛
けることができる。
【0021】なお、当該シロップには、必要に応じて結
合剤を適宜添加することができる。具体的には、デンプ
ン、ゼラチン、アラビアガム、結晶セルロース、プルラ
ン等を挙げることができる。これらの結合剤の中でも結
晶セルロースは、糖衣層表面を平滑にし得るという点に
おいて好ましい。当該シロップの添加量は、添加するシ
ロップの種類にも依存するが、概ね7〜12g 程度が好ま
しい。
合剤を適宜添加することができる。具体的には、デンプ
ン、ゼラチン、アラビアガム、結晶セルロース、プルラ
ン等を挙げることができる。これらの結合剤の中でも結
晶セルロースは、糖衣層表面を平滑にし得るという点に
おいて好ましい。当該シロップの添加量は、添加するシ
ロップの種類にも依存するが、概ね7〜12g 程度が好ま
しい。
【0022】次に、上記シロップを用いた糖衣生成物の
調製について説明する。上記「ハード掛け法」及び「ソ
フト掛け法」の両者の方法(以下、何も断らない場合
は、当該両者の方法に共通の条件であることを示す。)
を通じて、当該調製は、概ね糖衣パン中に芯材を入れ
て、これを回転させつつ、上記シロップを当該芯材にコ
ーティングして、次いでこれを乾燥させることにより行
われる。
調製について説明する。上記「ハード掛け法」及び「ソ
フト掛け法」の両者の方法(以下、何も断らない場合
は、当該両者の方法に共通の条件であることを示す。)
を通じて、当該調製は、概ね糖衣パン中に芯材を入れ
て、これを回転させつつ、上記シロップを当該芯材にコ
ーティングして、次いでこれを乾燥させることにより行
われる。
【0023】芯材を入れた糖衣パンの回転数は、概ね1
〜30回転/分に設定するのが好適である。なお、上記シ
ロップのコーティングは、当該シロップを通常は20〜70
℃に調製して用いることができる。そして、より好まし
くは芯材の風味や食味、及び形状を維持し、均一な糖衣
層を形成し得るという点から、20〜60℃の範囲で調製し
て用いることができる。
〜30回転/分に設定するのが好適である。なお、上記シ
ロップのコーティングは、当該シロップを通常は20〜70
℃に調製して用いることができる。そして、より好まし
くは芯材の風味や食味、及び形状を維持し、均一な糖衣
層を形成し得るという点から、20〜60℃の範囲で調製し
て用いることができる。
【0024】また、当該シロップの芯材へのコーティン
グ法としては、例えば滴下法、噴霧法等を採用すること
ができる。そして、上記のうち本発明において好ましい
コーティング方法として、均一な糖衣層を形成し得ると
いう観点から、芯材に注射器等でシロップを滴下する滴
下法、又は芯材にスプレー機等でシロップを噴霧する噴
霧法を挙げることができる。
グ法としては、例えば滴下法、噴霧法等を採用すること
ができる。そして、上記のうち本発明において好ましい
コーティング方法として、均一な糖衣層を形成し得ると
いう観点から、芯材に注射器等でシロップを滴下する滴
下法、又は芯材にスプレー機等でシロップを噴霧する噴
霧法を挙げることができる。
【0025】次いで、糖衣パン等を回転させつつ、当該
コーティング物に送風することにより、これを乾燥す
る。当該乾燥用の送風温度は、通常60℃以下の温度であ
るが、芯材の風味や食味、及び形状を維持し、均一な糖
衣層を形成し得るという観点より、特に20〜40℃の範囲
で行うのが好ましい。また、当該乾燥時間は、コーティ
ングしたシロップの量によっても異なるが、概ね10〜15
分間程度で実行することができる。
コーティング物に送風することにより、これを乾燥す
る。当該乾燥用の送風温度は、通常60℃以下の温度であ
るが、芯材の風味や食味、及び形状を維持し、均一な糖
衣層を形成し得るという観点より、特に20〜40℃の範囲
で行うのが好ましい。また、当該乾燥時間は、コーティ
ングしたシロップの量によっても異なるが、概ね10〜15
分間程度で実行することができる。
【0026】上記「ソフト掛け法」においては、上記シ
ロップが芯材の全体に行き渡ったところで微粉末エリス
リトールを振り掛けることを必須とするが、当該微粉末
エリスリトールの添加量はシロップの量によっても異な
るが、糖衣シロップ5〜12gに対し、通常1〜4g の範
囲で振りかける。当該エリスリトールの振りかけは一度
に行うことも可能であるが、均一な糖衣層を形成し得る
という観点より、3回程度まで分けて振りかけることも
可能である。
ロップが芯材の全体に行き渡ったところで微粉末エリス
リトールを振り掛けることを必須とするが、当該微粉末
エリスリトールの添加量はシロップの量によっても異な
るが、糖衣シロップ5〜12gに対し、通常1〜4g の範
囲で振りかける。当該エリスリトールの振りかけは一度
に行うことも可能であるが、均一な糖衣層を形成し得る
という観点より、3回程度まで分けて振りかけることも
可能である。
【0027】かかる「ソフト掛け法」においては、当該
エリスリトールの振りかけの後に、上記の乾燥工程にコ
ーティング物を処する。上記の芯材の糖衣パンへの投入
から、コーティング・乾燥工程を1サイクルとして、上
記シロップの芯材へのコーティングを行う。当該サイク
ルを行う回数は、企図する最終的な糖衣の形成量によっ
ても異なるが、通常80〜150回繰り返し、0.4〜1.0mmの
厚さの糖衣層を調製する。
エリスリトールの振りかけの後に、上記の乾燥工程にコ
ーティング物を処する。上記の芯材の糖衣パンへの投入
から、コーティング・乾燥工程を1サイクルとして、上
記シロップの芯材へのコーティングを行う。当該サイク
ルを行う回数は、企図する最終的な糖衣の形成量によっ
ても異なるが、通常80〜150回繰り返し、0.4〜1.0mmの
厚さの糖衣層を調製する。
【0028】上記のようにして製造した糖衣組成物にた
いして、必要に応じて他の添加成分、例えばフレーバー
や色素、さらにつや出しのためにミツロウ、カルナバロ
ウ等のワックス剤等を添加することもできる。フレーバ
ー及び/又は色素は、適当量を糖衣層の調製工程におい
て任意に適量を添加し得る。また、ミツロウ及び/又は
カルバナロウはつや出し工程で、一般的には糖衣層の調
製の最終工程で、通常は当該糖衣工程の最終工程におい
て、専用のつや出しパンを用いて添加して調製する。
いして、必要に応じて他の添加成分、例えばフレーバー
や色素、さらにつや出しのためにミツロウ、カルナバロ
ウ等のワックス剤等を添加することもできる。フレーバ
ー及び/又は色素は、適当量を糖衣層の調製工程におい
て任意に適量を添加し得る。また、ミツロウ及び/又は
カルバナロウはつや出し工程で、一般的には糖衣層の調
製の最終工程で、通常は当該糖衣工程の最終工程におい
て、専用のつや出しパンを用いて添加して調製する。
【0029】
【実施例】以下に本発明を実施例によりより具体的に説
明するが、本発明の技術的範囲が本実施例により限定し
て解釈されるものではない。 〔実施例1〕ソフト掛けによる本発明糖衣組成物の調製 (1)糖衣組成物の調製 まず、下記の手順によりチューインガムを芯材とする糖
衣組成物を調製した。
明するが、本発明の技術的範囲が本実施例により限定し
て解釈されるものではない。 〔実施例1〕ソフト掛けによる本発明糖衣組成物の調製 (1)糖衣組成物の調製 まず、下記の手順によりチューインガムを芯材とする糖
衣組成物を調製した。
【0030】糖衣シロップの調製 エリスリトール(日研化学株式会社製)40g に、還元澱
粉糖化物(商品名:PO-30東和化成工業株式会社製)を
乾燥物質重量で5g、及び水52.86ml を加えて加熱しな
がら撹拌溶解することにより、糖衣シロップを調製した
(当該糖衣シロップは、エリスリトールの再結晶を防ぐ
目的で保温しておいた)。なおここで、本実施例で用い
る還元澱粉糖化物(POシリーズ) は、水分を30重量%含
むものであるが、ここでは乾燥物質重量で示した。
粉糖化物(商品名:PO-30東和化成工業株式会社製)を
乾燥物質重量で5g、及び水52.86ml を加えて加熱しな
がら撹拌溶解することにより、糖衣シロップを調製した
(当該糖衣シロップは、エリスリトールの再結晶を防ぐ
目的で保温しておいた)。なおここで、本実施例で用い
る還元澱粉糖化物(POシリーズ) は、水分を30重量%含
むものであるが、ここでは乾燥物質重量で示した。
【0031】なお、上記の手順でエリスリトール、若し
くは還元澱粉糖化物の含有率の異なる数種類の糖衣シロ
ップを調製した(表1参照)。
くは還元澱粉糖化物の含有率の異なる数種類の糖衣シロ
ップを調製した(表1参照)。
【0032】
【表1】
【0033】表中、用いたエリスリトールは日研化学株
式会社製であり、還元澱粉糖化物は東和化成工業株式会
社製のPO−30を用いた。 糖衣のコーティング 上記で調製した糖衣シロップを用いて糖衣を行った。
すなわち、糖衣パン(畑鉄工所 HU-C型)内に、下表2
の組成を有するチューインガム(各縦12mm、横19mm、厚
さ5mmの枕状に成形したもの)1200gを入れ、糖衣パンを
毎分24回転で回転させながら、約50℃に維持した上記糖
衣シロップ5〜12g を注射器で滴下することにより当該
シロップを供給した。
式会社製であり、還元澱粉糖化物は東和化成工業株式会
社製のPO−30を用いた。 糖衣のコーティング 上記で調製した糖衣シロップを用いて糖衣を行った。
すなわち、糖衣パン(畑鉄工所 HU-C型)内に、下表2
の組成を有するチューインガム(各縦12mm、横19mm、厚
さ5mmの枕状に成形したもの)1200gを入れ、糖衣パンを
毎分24回転で回転させながら、約50℃に維持した上記糖
衣シロップ5〜12g を注射器で滴下することにより当該
シロップを供給した。
【0034】このようにして、糖衣シロップを供給した
後、糖衣パンの回転を同様に維持しながら、糖衣シロッ
プがチューインガム全体に行き渡ったところで、当該チ
ューインガムに対し、微粉末エリスリトール1〜4g を
1〜3回に分けて振り掛けた。当該微粉末を振り掛けた
後、回転を同様に維持しながら、糖衣パン内に約22℃の
乾燥風を約10分間送風して当該糖衣コーティング物を乾
燥した。
後、糖衣パンの回転を同様に維持しながら、糖衣シロッ
プがチューインガム全体に行き渡ったところで、当該チ
ューインガムに対し、微粉末エリスリトール1〜4g を
1〜3回に分けて振り掛けた。当該微粉末を振り掛けた
後、回転を同様に維持しながら、糖衣パン内に約22℃の
乾燥風を約10分間送風して当該糖衣コーティング物を乾
燥した。
【0035】当該操作を80〜150回繰り返して、最終的
な糖衣層の厚さが0.4〜1.0mmの本発明糖衣組成物を調製
した。
な糖衣層の厚さが0.4〜1.0mmの本発明糖衣組成物を調製
した。
【0036】
【表2】
【0037】(2) 糖衣組成物の品質評価 上記(1)で得られた糖衣組成物から、ランダムに10試料
を抽出し、以下の手順で品質評価を行った。各糖衣組成
物に関し、糖衣層表面の結晶の細かさ、滑らかさ、均一
性等を総合的に判断することで外観を評価して下記表3
に示す判定を行った。
を抽出し、以下の手順で品質評価を行った。各糖衣組成
物に関し、糖衣層表面の結晶の細かさ、滑らかさ、均一
性等を総合的に判断することで外観を評価して下記表3
に示す判定を行った。
【0038】なお、対照としてエリスリトールのみから
なる糖衣組成物を調製し、同様に評価を行った。
なる糖衣組成物を調製し、同様に評価を行った。
【0039】
【表3】
【0040】 *1:糖衣シロップ中のエリスリトールの重量% *2:糖衣シロップ中の還元澱粉糖化物の乾燥物質重量
での重量% *3:表中の記号は、下記に示す外観評価である。 ◎:非常に良い ○:良い △:普通 ×:不良 かかる表3により、糖衣シロップ中のエリスリトールの
含有率が25〜57重量%、及び還元澱粉糖化物含有率が乾
燥物質重量で3〜20重量%であれば、得られた糖衣組成
物は、エリスリトールのみを用いた場合に比べ、糖衣層
表面の結晶が細かく滑らかであり、層の厚みも均一であ
ることが判明した。
での重量% *3:表中の記号は、下記に示す外観評価である。 ◎:非常に良い ○:良い △:普通 ×:不良 かかる表3により、糖衣シロップ中のエリスリトールの
含有率が25〜57重量%、及び還元澱粉糖化物含有率が乾
燥物質重量で3〜20重量%であれば、得られた糖衣組成
物は、エリスリトールのみを用いた場合に比べ、糖衣層
表面の結晶が細かく滑らかであり、層の厚みも均一であ
ることが判明した。
【0041】また、特にエリスリトール含有率が25〜55
重量%、かつ還元澱粉糖化物含有率が乾燥物質重量で3
〜15重量%であれば、より滑らかな糖衣層表面のものが
得られることがわかった。しかし、エリスリトールと還
元澱粉糖化物の含有率がこれらの範囲外である場合であ
ると、滑らかな糖衣層表面は得られないことが判明し
た。 〔実施例2〕ハード掛けによる本発明糖衣組成物の調製 (1) 糖衣組成物の調製 実施例1の(1)と同一のチューインガム(表2参照)を
芯材として、実施例1の(1) で調製した糖衣シロップ
を用いて糖衣を行った。
重量%、かつ還元澱粉糖化物含有率が乾燥物質重量で3
〜15重量%であれば、より滑らかな糖衣層表面のものが
得られることがわかった。しかし、エリスリトールと還
元澱粉糖化物の含有率がこれらの範囲外である場合であ
ると、滑らかな糖衣層表面は得られないことが判明し
た。 〔実施例2〕ハード掛けによる本発明糖衣組成物の調製 (1) 糖衣組成物の調製 実施例1の(1)と同一のチューインガム(表2参照)を
芯材として、実施例1の(1) で調製した糖衣シロップ
を用いて糖衣を行った。
【0042】すなわち、糖衣パン内にチューインガム12
00g を入れ、糖衣パンを毎分24回転で回転させながら、
約50℃に維持した糖衣シロップ5〜12g を注射器で滴下
することにより供給した。当該糖衣シロップを供給した
後、回転を続けながら糖衣パン内に約22℃の乾燥風を送
風しながら約10分間乾燥した。
00g を入れ、糖衣パンを毎分24回転で回転させながら、
約50℃に維持した糖衣シロップ5〜12g を注射器で滴下
することにより供給した。当該糖衣シロップを供給した
後、回転を続けながら糖衣パン内に約22℃の乾燥風を送
風しながら約10分間乾燥した。
【0043】当該操作を8〜150回繰り返して糖衣層の
厚さが0.4〜1.0mmの本発明糖衣組成物を調製した。 (2) 上記(1)において得られた糖衣組成物から、ランダ
ムに10試料を抽出し、実施例1の(2)に従って品質評価
を行った。その結果を下記表4に示す。
厚さが0.4〜1.0mmの本発明糖衣組成物を調製した。 (2) 上記(1)において得られた糖衣組成物から、ランダ
ムに10試料を抽出し、実施例1の(2)に従って品質評価
を行った。その結果を下記表4に示す。
【0044】
【表4】
【0045】 *1:糖衣シロップ中のエリスリトールの重量% *2:糖衣シロップ中の還元澱粉糖化物の乾燥物質重量
での重量% *3:表中の記号は、下記に示す外観評価である。 ◎:非常に良い ○:良い △:普通 ×:不良 上記表4により、糖衣シロップ中のエリスリトールの含
有率が45〜57重量%、及び還元澱粉糖化物含有率が乾燥
物質重量で3〜10重量%であれば、得られた糖衣組成物
は、エリスリトールのみを使用した場合に比べ、糖衣層
表面の結晶が細かく滑らかであり、かつ層の厚みも均一
であることが判明した。
での重量% *3:表中の記号は、下記に示す外観評価である。 ◎:非常に良い ○:良い △:普通 ×:不良 上記表4により、糖衣シロップ中のエリスリトールの含
有率が45〜57重量%、及び還元澱粉糖化物含有率が乾燥
物質重量で3〜10重量%であれば、得られた糖衣組成物
は、エリスリトールのみを使用した場合に比べ、糖衣層
表面の結晶が細かく滑らかであり、かつ層の厚みも均一
であることが判明した。
【0046】また、特にエリスリトールの含有率が45〜
55重量%、かつ還元澱粉糖化物の含有率が乾燥物質重量
で3〜10重量%であれば、より滑らかな糖衣層表面の本
発明糖衣組成物が得られることが判明した。しかし、エ
リスリトールと還元澱粉糖化物の含有率がこれらの範囲
外である場合であると、滑らかな糖衣層表面は得られな
いことが判明した。 〔実施例3〕芯材をチューインガムとし、前記実施例2
における最適条件の一つである、エリスリトール(日研
化学株式会社製)を50重量%、還元澱粉糖化物(商品
名:PO-20 東和化成工業株式会社製)を乾燥物質重量で
5重量%含有する糖衣シロップを用いて、実施例2と同
様の手順により本発明糖衣組成物を調製した。
55重量%、かつ還元澱粉糖化物の含有率が乾燥物質重量
で3〜10重量%であれば、より滑らかな糖衣層表面の本
発明糖衣組成物が得られることが判明した。しかし、エ
リスリトールと還元澱粉糖化物の含有率がこれらの範囲
外である場合であると、滑らかな糖衣層表面は得られな
いことが判明した。 〔実施例3〕芯材をチューインガムとし、前記実施例2
における最適条件の一つである、エリスリトール(日研
化学株式会社製)を50重量%、還元澱粉糖化物(商品
名:PO-20 東和化成工業株式会社製)を乾燥物質重量で
5重量%含有する糖衣シロップを用いて、実施例2と同
様の手順により本発明糖衣組成物を調製した。
【0047】得られた糖衣組成物を実施例1(2)に従っ
て評価を行ったところ、エリスリトールのみからなる糖
衣組成物に比べて、滑らかな糖衣層表面と均一な層の厚
みを有していた。 〔実施例4〕芯材をチューインガムとし、実施例2にお
ける最適条件の一つである、エリスリトール(日研化学
株式会社製)を50重量%、還元澱粉糖化物(商品名:PO
-60東和化成工業株式会社製)を乾燥物質重量で7重量
%含有する糖衣シロップを用いて、実施例2と同様の手
順により本発明糖衣組成物を調製した。
て評価を行ったところ、エリスリトールのみからなる糖
衣組成物に比べて、滑らかな糖衣層表面と均一な層の厚
みを有していた。 〔実施例4〕芯材をチューインガムとし、実施例2にお
ける最適条件の一つである、エリスリトール(日研化学
株式会社製)を50重量%、還元澱粉糖化物(商品名:PO
-60東和化成工業株式会社製)を乾燥物質重量で7重量
%含有する糖衣シロップを用いて、実施例2と同様の手
順により本発明糖衣組成物を調製した。
【0048】得られた糖衣組成物を実施例1(2)に従っ
て評価を行ったところ、エリスリトールのみからなる糖
衣組成物に比べて、滑らかな糖衣層表面と均一な層の厚
みを有していた。 〔実施例5〕芯材をチューインガムとし、実施例1の最
適条件の一つである、エリスリトール(日研化学株式会
社製)を40重量%、還元澱粉糖化物(商品名:PO-30 東
和化成工業株式会社製)を乾燥物質重量で10重量%、及
び結晶セルロース(商品名:アビセルFD-101 旭化成工
業株式会社製)を1.0重量%に水を添加し、これを加熱
しながら撹拌懸濁して、糖衣シロップを調製した。
て評価を行ったところ、エリスリトールのみからなる糖
衣組成物に比べて、滑らかな糖衣層表面と均一な層の厚
みを有していた。 〔実施例5〕芯材をチューインガムとし、実施例1の最
適条件の一つである、エリスリトール(日研化学株式会
社製)を40重量%、還元澱粉糖化物(商品名:PO-30 東
和化成工業株式会社製)を乾燥物質重量で10重量%、及
び結晶セルロース(商品名:アビセルFD-101 旭化成工
業株式会社製)を1.0重量%に水を添加し、これを加熱
しながら撹拌懸濁して、糖衣シロップを調製した。
【0049】当該糖衣シロップを用いて、実施例1と同
様の手順により本発明糖衣組成物を調製した。ここで得
られた糖衣組成物を実施例1の(2)に従って評価したと
ころ、エリスリトールのみからなる糖衣組成物に比べ、
滑らかな糖衣層表面と均一な層の厚みを有していた。 〔実施例6〕芯材をチューインガムとし、実施例2にお
ける最適条件の一つである、エリスリトール(日研化学
株式会社製)を50重量%、還元澱粉糖化物(商品名:PO
-30東和化成工業株式会社製)を乾燥物質重量で10重量
%含有する糖衣シロップを用いて、実施例2と同様の手
順により本発明糖衣組成物を調製した。
様の手順により本発明糖衣組成物を調製した。ここで得
られた糖衣組成物を実施例1の(2)に従って評価したと
ころ、エリスリトールのみからなる糖衣組成物に比べ、
滑らかな糖衣層表面と均一な層の厚みを有していた。 〔実施例6〕芯材をチューインガムとし、実施例2にお
ける最適条件の一つである、エリスリトール(日研化学
株式会社製)を50重量%、還元澱粉糖化物(商品名:PO
-30東和化成工業株式会社製)を乾燥物質重量で10重量
%含有する糖衣シロップを用いて、実施例2と同様の手
順により本発明糖衣組成物を調製した。
【0050】さらに常法により、ミツロウ及びカルナバ
ロウを塗布したつや出しパン(畑鉄工所製 HU-CP 型)
を用いて、当該つや出しパン内にカルナバロウ微粉末0.
5gとともに本発明糖衣組成物を入れ、20分間回転してつ
や出しを行った。得られた糖衣組成物を実施例1(2)に
従って評価を行ったところ、エリスリトールのみからな
る糖衣組成物に比べて、滑らかな光沢を有する糖衣層表
面と均一な層の厚みを有していた。 〔実施例7〕下記表5の組成を有するゼリーを常法によ
り調製(直径12mmの球形に成形) し、これを芯材とし
た。
ロウを塗布したつや出しパン(畑鉄工所製 HU-CP 型)
を用いて、当該つや出しパン内にカルナバロウ微粉末0.
5gとともに本発明糖衣組成物を入れ、20分間回転してつ
や出しを行った。得られた糖衣組成物を実施例1(2)に
従って評価を行ったところ、エリスリトールのみからな
る糖衣組成物に比べて、滑らかな光沢を有する糖衣層表
面と均一な層の厚みを有していた。 〔実施例7〕下記表5の組成を有するゼリーを常法によ
り調製(直径12mmの球形に成形) し、これを芯材とし
た。
【0051】
【表5】
【0052】実施例2における最適条件の一つである、
エリスリトール(日研化学株式会社製)を50重量%還元
澱粉糖化物(商品名:PO-30 東和化成工業株式会社製)
を乾燥物重量で8重量%を含有する糖衣シロップを用い
て、実施例2と同様の手順により本発明糖衣組成物を調
製した。得られた本発明糖衣組成物を実施例1(2)に従
って評価したところ、芯材にチューインガムを使用した
場合と同様に、糖衣層がエリスリトールのみからなる糖
衣組成物と比較して、滑らかな糖衣層表面と均一な層の
厚みを有することが判明した。 〔実施例8〕芯材をアーモンド(商品名:米国産アーモ
ンド 株式会社万直商店製)とし、実施例2における最
適条件の一つであるエリスリトール(日研化学株式会社
製)を50重量%、還元澱粉糖化物(商品名:PO-30 東和
化成工業株式会社製)を乾燥物質重量で8重量%を含有
する糖衣シロップを用いて、実施例2と同様の手順によ
り本発明糖衣組成物を調製した。
エリスリトール(日研化学株式会社製)を50重量%還元
澱粉糖化物(商品名:PO-30 東和化成工業株式会社製)
を乾燥物重量で8重量%を含有する糖衣シロップを用い
て、実施例2と同様の手順により本発明糖衣組成物を調
製した。得られた本発明糖衣組成物を実施例1(2)に従
って評価したところ、芯材にチューインガムを使用した
場合と同様に、糖衣層がエリスリトールのみからなる糖
衣組成物と比較して、滑らかな糖衣層表面と均一な層の
厚みを有することが判明した。 〔実施例8〕芯材をアーモンド(商品名:米国産アーモ
ンド 株式会社万直商店製)とし、実施例2における最
適条件の一つであるエリスリトール(日研化学株式会社
製)を50重量%、還元澱粉糖化物(商品名:PO-30 東和
化成工業株式会社製)を乾燥物質重量で8重量%を含有
する糖衣シロップを用いて、実施例2と同様の手順によ
り本発明糖衣組成物を調製した。
【0053】得られた糖衣組成物を実施例1(2)に従っ
て評価を行ったところ、芯材にチューインガムを使用し
た場合と同様に、エリスリトールのみからなる糖衣組成
物と比較して、滑らかな糖衣層表面と均一な層の厚みを
有していた。
て評価を行ったところ、芯材にチューインガムを使用し
た場合と同様に、エリスリトールのみからなる糖衣組成
物と比較して、滑らかな糖衣層表面と均一な層の厚みを
有していた。
【0054】
【発明の効果】本発明により、層の厚みが均一で表面の
結晶が細やかで滑らかな新規の糖衣組成物、並びに当該
糖衣組成物の調製に使用するシロップが提供される。
結晶が細やかで滑らかな新規の糖衣組成物、並びに当該
糖衣組成物の調製に使用するシロップが提供される。
フロントページの続き (72)発明者 加藤 陽 神奈川県横浜市緑区梅が丘6番地2 日 本たばこ産業株式会社 食生活研究所内 (56)参考文献 特開 昭64−55140(JP,A) 特開 昭58−152451(JP,A) 特開 昭61−263915(JP,A) 特開 平2−312546(JP,A)
Claims (3)
- 【請求項1】 芯材がエリスリトール及び還元澱粉糖化
物を含む糖衣層で被覆されたことを特徴とする糖衣組成
物において、エリスリトールが62重量%〜98重量%、還
元澱粉糖化物が乾燥物重量で2重量%〜38重量%添加さ
れていることを特徴とする糖衣組成物。 - 【請求項2】 エリスリトールを25重量%〜57重量%、
及び還元澱粉糖化物を乾燥物質重量で3重量%〜20重量
%含有することを特徴とする、ソフト掛け法において用
いる糖衣組成物調製用シロップ。 - 【請求項3】 エリスリトールを45重量%〜57重量%、
及び還元澱粉糖化物を乾燥物質重量で3重量%〜10重量
%含有することを特徴とする、ハード掛け法において用
いる糖衣組成物調製用シロップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5163531A JP2656435B2 (ja) | 1993-07-01 | 1993-07-01 | 糖衣組成物及び当該組成物調製用シロップ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5163531A JP2656435B2 (ja) | 1993-07-01 | 1993-07-01 | 糖衣組成物及び当該組成物調製用シロップ |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7001593A Division JP2682815B2 (ja) | 1995-01-09 | 1995-01-09 | 糖衣組成物及び当該組成物調製用シロップ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0723759A JPH0723759A (ja) | 1995-01-27 |
JP2656435B2 true JP2656435B2 (ja) | 1997-09-24 |
Family
ID=15775650
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5163531A Expired - Lifetime JP2656435B2 (ja) | 1993-07-01 | 1993-07-01 | 糖衣組成物及び当該組成物調製用シロップ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2656435B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3507211B2 (ja) * | 1995-07-13 | 2004-03-15 | 三菱化学株式会社 | 糖衣液及び糖衣錠 |
JP5504312B2 (ja) * | 2000-10-06 | 2014-05-28 | 武田薬品工業株式会社 | 薄層糖衣錠およびその製造方法 |
JP4664239B2 (ja) * | 2005-06-14 | 2011-04-06 | 上野製薬株式会社 | 糖衣方法および糖衣製品 |
JP4590036B2 (ja) * | 2005-08-24 | 2010-12-01 | 三菱商事フードテック株式会社 | 硬質コーティング層と硬質コーティング製品及びその製造方法 |
WO2011139959A1 (en) * | 2010-05-03 | 2011-11-10 | Cargill, Incorporated | Reduced calorie and sugar-free coating for food products comprising erythritol and a bulking agent |
JP2013215119A (ja) * | 2012-04-06 | 2013-10-24 | House Foods Corp | スナック食品及びその製造方法 |
-
1993
- 1993-07-01 JP JP5163531A patent/JP2656435B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0723759A (ja) | 1995-01-27 |
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