JP2656443B2 - 水酸化マグネシウムの製造方法 - Google Patents
水酸化マグネシウムの製造方法Info
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Description
廃水中和用アルカリ剤として使用する水酸化マグネシウ
ムの製造方法に関するものである。
リ剤として使用する水酸化マグネシウムは、従来海水中
のニガリ(MgCl2)と消石灰(Ca(OH)2)を反
応させて生成させる方法が一般的であった。しかしこの
方法は、海水中に含まれる微量のニガリを取り出すもの
で、大量の海水を処理せねばならず、生産効率が悪く、
製造設備も大型のものを必要としていた。この方法に代
わって、最近では、天然産のマグネサイトを焼成し軽焼
マグネサイト(MgO)を製造し、次いで水と反応(消
和反応)させて水酸化マグネシウムとする方法が開発さ
れてきた。この方法は、原料の天然マグネサイトを80
0〜1000℃で、4〜5時間焼成して軽焼マグネサイ
トとし、これを粒径45μm以下、平均粒径5〜10μ
mに粉砕し、これを40℃以上の温度で水と反応(消和
反応)させ水酸化マグネシウムとするものである。
は、粉砕した軽焼マグネサイトと水を混合、撹拌しつつ
一定温度まで加温して行うものであるが、製造された水
酸化マグネシウムの平均粒子径が8μmと、従来の海水
から製造される水酸化マグネシウムの平均粒子径3μm
より粗いため、沈降、凝集が生じ易く、また高濃度にな
ると粘度が高くなるなど、その取り扱い上不利な点が潜
在していた。そこで、水酸化ナトリウムを加えてpHを
11以上にしてから消和反応させるアルカリ処理法(特
公平3−60774)が提案されている。
り、全てこれで解決は出来ない。マグネサイトの産出地
として中華人民共和国遼寧省海城地区、及び岫岩地区が
一般によく知られているが、これら産出地により、マグ
ネサイト中の成分、さらに結晶形に大きな差異がある。
海城地区産出のマグネサイトの結晶は細密で土状非晶質
であり、一方、岫岩地区産出のマグネサイトの結晶は、
粗粒結晶質である。焼成して軽焼マグネサイトとしても
結晶形に差異があり、海城地区産出軽焼マグネサイトを
原料とし特公平3−60774の方法で消和反応して得
られる水酸化ナトリウムのスラリーの粘度は、岫岩地区
産出軽焼マグネサイトを原料とした場合の3〜8倍の高
粘度となる。
えて酸性溶液としてから反応を行う酸性処理法(特開平
3−252311)が提案されている。しかし、この方
法は高濃度水酸化マグネシウムスラリーの製造を可能と
したが、スラリー中の粒子表面電荷を中和するため、凝
集、沈降が生じ易い欠点を有し好ましくない。また、水
酸化ナトリウムや硫酸等の代わりに、カルボン酸系界面
活性剤を消和反応開始後に添加する方法(特開平5−2
08810)が提案されているが、得られる水酸化マグ
ネシウムスラリーの粘度低下が大きくなく、充分に低下
させるには多量の界面活性剤の添加が必要となり、経済
的にみて好ましくない。
の軽焼マグネサイトから水酸化マグネシウムを製造する
工程において、原料のマグネサイトの産出地、性状によ
る影響が少なく、どのマグネサイトにも適用でき、危険
な劇物を使用することなく、生成した水酸化マグネシウ
ムスラリーの粘度が低く、粒子の凝集を防止できる方法
を提供する。
ネサイトから水酸化マグネシウムを製造する工程につい
て鋭意検討を重ねた結果、軽焼マグネサイトと水との反
応(消和反応)に分散機能を有する特定のポリマーを添
加することにより、その目的を達成しうることを見いだ
し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。すなわ
ち、本発明は、軽焼マグネサイトに水を加え、 撹拌しな
がら消和反応させて水酸化マグネシウムを製造する工程
において、アクリル酸ホモポリマー、あるいはその塩、
アクリル酸を50モル%以上含むアクリル酸−マレイン
酸コポリマー、あるいはその塩、アクリル酸を実質的に
80モル%以上含むアクリル酸と他の共重合可能なモノ
マーとのコポリマー、あるいはその塩よりなる群から選
ばれたアクリル酸系ポリマーの少なくとも一種を予め前
記水の一部、又は全部に溶解し、ついでこれに軽焼マグ
ネサイトをその重量に対しアクリル酸系ポリマーが0.
01〜0.15重量%となる割合、好ましくは0.02
〜0.09重量%となる割合で添加混合し、消和反応せ
しめることを特徴とする水酸化マグネシウムの製造方法
である。
程度に微粉砕した軽焼マグネサイトと水を混合し、 所定
温度で所定時間撹拌することによって達成される。本発
明は、アクリル酸系ポリマーの所定量を予め水に添加、
溶解しておき、これに軽焼マグネサイトを添加混合し、
消和反応せしめるものである。本発明に用いるアクリル
酸系ポリマーは、好ましくは分子量が800〜2000
0、さらに好ましくは1000〜10000である。分
子量800未満、あるいは20000を越えるものは効
果が充分大きくない。アクリル酸−マレイン酸コポリマ
ーにあっては、その組成比は、コポリマー中アクリル酸
のモル比が50%以上が、アクリル酸と他の共重合可能
なモノマーとのコポリマーにあってはアクリル酸のモル
比が80%以上のものがその効果において優れている。
リウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、アンモニウム
塩、あるいはアミン類との塩である。また、アクリル酸
と共重合可能なモノマーとしては、イタコン酸、アクリ
ルアミド類、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸、スチレンスルホン酸などがある。アクリル
酸系ポリマーの添加量は、好ましくは軽焼マグネサイト
に対し0.01〜0.15重量%、さらに好ましくは
0.02〜0.09重量%である。0.01重量%未満
では総括的効果は充分でなく、また、0.15重量%を
超えると添加量の増加に見合うスラリー粘度の低下効果
は充分でなく、経済的にみて好ましくない。
のアクリル酸系ポリマーを溶解させ、これに軽焼マグネ
サイトを添加混合した後で、混合物を40〜60℃に加
温する。反応が開始すると、以後反応の進行に伴って反
応熱により温度が上昇し、消和反応はよりスムースに進
むようになる。通常、消和反応は95℃以上、2〜3時
間で完結する。これ以上時間をかけても消和率はあまり
高くならない。
にて3時間乾燥し、固型分を求めた。 2)粘度:液温を20℃に保持し、B型粘度計にて、ロ
ーターNo.3、回転数60rpmの条件にて測定し
た。 3)pH:pH計にて測定した。 4)付着性の測定:200mlメスシリンダーに、水酸
化マグネシウムスラリーを200gとり、栓をして10
回強く振った後、メスシリンダーを傾け内容物を流し出
し、スラリーの連続的な流出が止まった時点の残留スラ
リー重量から次式により求めた。
所セディグラフ)にて測定した。 6)組成分析:濾過、乾燥した固型分*をX線回析装置
にて2θ=5〜70を測定した。 7)消和率:示差熱分析装置にて、濾過、乾燥した固型
分*の250〜500℃の熱重量変化を測定。比較とし
て一般試薬の水酸化マグネシウムを用い、同温度での熱
重量変化と比較した。 濾過、乾燥した固型分*;スラリーを吸引濾過し、得ら
れたケーキを約120℃/2時間乾燥。デシケーター中
で冷却後、乳鉢で200メッシュに擦り潰し、測定用サ
ンプルとした。
拌機付き30m3の溶解タンクに工業用水23トンを投
入し、ポリアクリル酸ナトリウム(分子量5000)を
4.5kg(固型分換算)を添加、溶解させた。その
後、粉砕した軽焼マグネサイト11トンを投入、均一ス
ラリーとした。反応タンクに移送し撹拌しつつ約50℃
にまで加温し、以後加温を停止しさらに撹拌を続けた。
自己反応で温度は約95℃に迄上昇し、その時点より2
時間撹拌下保った。製造された水酸化マグネシウムスラ
リーの性状を表1に示す。
ートクレーブ中に室温にて軽焼マグネサイト(MgO)
300gを水道水700gに分散させた。このとき添加
剤(アクリル酸系ポリマー,水酸化ナトリウム)は、予
め水道水に溶解させてから軽焼マグネサイトを分散させ
る(添加時期:“前”添加)、あるいは軽焼マグネサイ
トを分散させた後加える(添加時期:“後”添加)場合
の2通りを行った。分散液を600rpmで撹拌しなが
ら加温を開始し、約30分で100℃に到達させた、以
後100℃で3時間撹拌を続けた。撹拌しつつ1時間放
冷し、水酸化マグネシウムスラリーを取り出し、粘度、
付着性を測定した。尚、 軽焼マグネサイトは中華人民共
和国遼寧省岫岩地区からのものを使用した。
りその効果が一段と優れることがわかる。同じ添加剤を
用いても、後添加ではその効果が充分でなく、前添加と
同じ効果を出すためにはより多量の添加を必要とする。
また水酸化ナトリウムより高い効果が得られる。なお、
図1より、本発明の添加剤は、前添加により後添加に対
比して、軽焼マグネサイトスラリー粘度の著しい低下効
果が認められる。
と同じ方法にて、中華人民共和国遼寧省海城地区、及び
岫岩地区から産出された軽焼マグネサイトをそれぞれ用
いて水酸化マグネシウムスラリーを製造した。得られた
スラリーの粘度、 pH,消和率を表4に示す。 この結果より、従来の水酸化ナトリウムを用いる方法で
は、原料の軽焼マグネサイトの産地の違いにより得られ
た水酸化マグネシウムスラリーの粘度が大きく異なり、
海城地区産出の軽焼マグネサイトは粘度が高くなりすぎ
て、実際上取り扱いの面から採用できない程であった。
本発明方法を用いれば、原料の軽焼マグネサイトの影響
が実質なく、いずれの軽焼マグネサイトからも同じ方法
で、同じ品質の水酸化マグネシウムスラリーが製造さ
れ、産地の限定がなくなることがわかる。
造の利点は、 低添加量で水酸化マグネシウムスラリ
ーの粘度が低くなり、取り扱いが容易になる、 原
料のマグネサイトの産出地や性状の違いによる影響が小
さいので、全ての原料に対し同じ処理方法で均一の水酸
化マグネシウムスラリーを製造できる、 水酸化ナト
リウムや硫酸等の劇物を使用せず、作業の安全上好まし
いなどが挙げられる。
(軽焼マグネサイトの重量に対すppm)による軽焼マ
グネサイトスラリー粘度の影響を示す。
Claims (3)
- 【請求項1】 軽焼マグネサイトに水を加え、 撹拌しな
がら消和反応させて水酸化マグネシウムを製造する工程
において、アクリル酸ホモポリマー、あるいはその塩、
アクリル酸を50モル%以上含むアクリル酸−マレイン
酸コポリマー、あるいはその塩、アクリル酸を実質的に
80モル%以上含むアクリル酸と他の共重合可能なモノ
マーとのコポリマー、あるいはその塩よりなる群から選
ばれたアクリル酸系ポリマーの少なくとも一種を、予め
前記水の一部又は全部に溶解し、ついでこれに軽焼マグ
ネサイトをその重量に対しアクリル酸系ポリマーが0.
01〜0.15重量%となる割合で添加混合し、消和反
応せしめることを特徴とする水酸化マグネシウムの製造
方法。 - 【請求項2】 請求項1のアクリル酸系ポリマーが軽焼
マグネサイトの重量に対して0.02〜0.09重量%
となる割合で添加混合することを特徴とする水酸化マグ
ネシウムの製造方法。 - 【請求項3】 アクリル酸系ポリマーの分子量が800
〜20000である請求項1または2の水酸化マグネシ
ウムの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5316692A JP2656443B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | 水酸化マグネシウムの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5316692A JP2656443B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | 水酸化マグネシウムの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07172822A JPH07172822A (ja) | 1995-07-11 |
JP2656443B2 true JP2656443B2 (ja) | 1997-09-24 |
Family
ID=18079843
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5316692A Expired - Lifetime JP2656443B2 (ja) | 1993-12-16 | 1993-12-16 | 水酸化マグネシウムの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2656443B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB0812714D0 (en) * | 2008-07-10 | 2008-08-20 | Imerys Minerals Ltd | Magnesium hydroxide |
JP6621250B2 (ja) * | 2015-06-02 | 2019-12-18 | 株式会社日本触媒 | ポリカルボン酸系重合体水溶液及びその製造方法 |
JP6540264B2 (ja) * | 2015-06-19 | 2019-07-10 | 栗田工業株式会社 | 水酸化マグネシウムスラリーの製造方法及び水酸化マグネシウムスラリー |
-
1993
- 1993-12-16 JP JP5316692A patent/JP2656443B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07172822A (ja) | 1995-07-11 |
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