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JP2655954B2 - 無機建築板 - Google Patents

無機建築板

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JP2655954B2
JP2655954B2 JP3194183A JP19418391A JP2655954B2 JP 2655954 B2 JP2655954 B2 JP 2655954B2 JP 3194183 A JP3194183 A JP 3194183A JP 19418391 A JP19418391 A JP 19418391A JP 2655954 B2 JP2655954 B2 JP 2655954B2
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JP
Japan
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inorganic
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清志 黒崎
秋夫 高
繁三 正本
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Daikin Industries Ltd
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Daikin Industries Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、壁下地材等に用いられ
る無機建築板に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】一般に、
壁下地材等に用いられる無機建築板には、使用上の見地
より、所定の強度,表面硬度および熱伝導率等が要求さ
れるとともに、施工上の見地より、軽量で所定の全体硬
度を有し、ビス止め可能なものであることが要求され
る。このため、従来例より、壁下地材として石膏ボード
が広く使用されている。
【0003】しかしながら、近年、施工者の高齢化,都
市交通の混雑等から石膏ボードよりも軽量で、かつ、防
火規制を満たす下地材が要求されている。そこで、石膏
ボードの軽量化のため、その内部に気泡を発生させた
り、あるいは、無機発泡体を混入することも考えられて
いるが、この方法では石膏ボードの強度が低下するとい
う問題点がある。一方、軽量化と同時に強度を維持する
ため、例えば、石膏ボードにパルプ等の有機繊維を混入
することも考えられるが、この方法では防火性が損なわ
れるという問題点がある。
【0004】本発明は、前記問題点に鑑み、軽量で、下
地材として充分な性能を有する無機建築板を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、板状芯材
と、その表裏面に設けた外層部との組成を異ならしめて
三層構造とすることにより、石膏ボードよりも軽量で、
かつ、下地材として充分な性能を有する無機建築板を得
られることを見い出し、本発明を完成するに至った。本
発明の要旨は、前記目的を達成するため、粉粒状無機発
泡体50〜90重量%と分散可能な繊維状物とを主体と
し、結合剤を添加し、抄造して形成した板状芯材の表裏
面に、鉱物質繊維と無機粉状体40〜70重量%とを主
体とし、結合剤を添加し、抄造して形成した外層部を設
けて全体比重を0.55以下としたことを特徴とする無
機建築板にある。
【0006】板状芯材を形成する粉粒状無機発泡体は圧
縮強度を維持しつつ、軽量化するためのものであり、例
えば、パーライト,シラス発泡体,シリカフラワー,ガ
ラス発泡体等があり、これらは単独で、あるいは、2種
以上組み合わせて使用できる。そして、板状芯材におけ
る粉粒状無機発泡体の組成比は50〜90重量%とする
のが好ましい。50重量%以下であると、繊維状物の割
合が相対的に増加するために強度は向上するが、比重低
下の効果が得られないからであり、90重量%以上であ
ると、繊維状物とともに均一に抄造することが困難とな
るからである。
【0007】板状芯材を形成する分散可能な繊維状物は
前記粉粒状無機発泡体同士を連結するためのものであ
り、例えば、ロックウール,スラグウール,パルプ,ポ
リプロピレン繊維などを挙げることができ、これらは単
独で、あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。繊
維状物は粉粒状無機発泡体を連結し、板状を形成するた
めのものであり、少なくとも3重量%以上添加される
が、多くなれば相対的に粉粒状無機発泡体の量が低下
し、軽量化の目的が達成出来ない。
【0008】板状心材を形成する結合剤は、前記繊維状
物と粉粒状無機発泡体とを連結一体化するためのもので
あり、例えば、ポリビニルアルコール樹脂,フェノール
樹脂等の合成樹脂やスターチ等が挙げられ、これらは単
独で、あるいは2種以上組み合わせて使用できる。
【0009】なお、一般に、結合剤および有機繊維が多
ければ多いほど、曲げ強度が向上するので、板状芯材に
パルプ等の有機繊維を混入することは強度面において有
効であり、また、コスト面において有効である。ただ
し、準不燃材としての無機建築板を得るためには、板状
芯材における有機成分の総量が結合剤を含めて15重量
%以下となるようにする必要がある。また、不燃材とし
ての無機建築板を得るためには、有機成分の総量を7重
量%以下にする必要があるので、繊維状物として鉱物質
繊維を採用するのが好ましい。
【0010】板状芯材は、その比重を0.4以下とする
のが好ましい。比重が0.4以上であると、無機建築板
の軽量化を図ることが困難になるからである。なお、板
状芯材は無機建築板の中間層を形成するので、板状芯材
の厚みを増大させることにより、無機建築板の耐えられ
る曲げモーメントが大きくなるという利点がある。
【0011】外層部を形成する鉱物質繊維としては、例
えば、ロックウール,スラグウール,ミネラルウール,
ガラス繊維などを挙げることができ、これらは単独で、
あるいは、2種以上組み合わせて使用できる。そして、
鉱物質繊維の外層部における組成比は20〜60重量%
とするのが好ましい。20重量%以下であると、曲げ強
度が低く、ビス打込時に表面が破壊し易いからであり、
60重量%以上であると、無機粉状体の添加量が低くな
り、表面硬度および全体硬度を高く出来ないからであ
る。
【0012】外層部を形成する無機粉状体は防火性を維
持しつつ、硬度を高めてネジ止め性能を高めるためのも
のであり、例えば、炭酸カルシウム,硅砂,マイクロシ
リカ,スラグ,水酸化アルミニウム等を挙げることがで
きる。そして、外層部における無機粉状体の組成比は、
40〜70重量%とするのが好ましい。40重量%以下
になると、所望の表面硬度が得られないからであり、7
0重量%以上になると、鉱物質繊維の割合が相対的に減
少するため、所望の強度が得られないからである。さら
に、外層部の強度は、粒径約150μの無機粉状体を用
いた場合が最も大きいが、無機粉状体は平均粒径40μ
〜300μのものであってもよい。
【0013】外層部の比重は0.6以上、特に、0.7
以上が好ましい。なぜならば、一般に、無機粉状体の割
合を一定、例えば、60重量%とし、他の材料の組成を
異ならしめて外層部を形成した場合、外層部の比重と表
面硬度、および、その比重と曲げ強度にはそれぞれ相関
関係があり、比重の増加につれて表面硬度,曲げ強度が
増加する(図1および図2)。そして、実用上、石膏ボ
ードとほぼ同等の表面硬度および曲げ強度を得るために
は、外層部の比重が0.7以上になることが必要だから
である。
【0014】なお、外層部を形成する結合剤の材質,添
加量は、前述の板状芯材の場合と同様であるので、説明
を省略する。
【0015】前述したように結合剤および有機繊維が多
ければ多いほど、曲げ強度等が向上するので、鉱物質繊
維に代えてパルプ等の有機繊維を外層部に用いてもよ
い。ただし、準不燃材としての無機建築板を得るには、
有機成分の総量は15重量%以下であることが必要であ
る。このため、鉱物質繊維の代わりにパルプ等の有機繊
維を用いる場合には、結合剤などの有機成分の総量が前
述の範囲内となるように配慮する必要がある。また、不
燃材としての無機建築板を得るためには、前述の板状芯
材と同様、有機成分の総量を7重量%以下にする必要が
ある。
【0016】次に、本実施例にかかる無機建築板の製造
方法について説明する。例えば、粉粒状無機発泡体,分
散可能な繊維状物,結合剤を水中に懸濁せしめて水性ス
ラリーを得、これを湿式抄造して板状芯材となるウエッ
トマットを得る一方、鉱物質繊維,無機粉状体,結合剤
を水中に分散,懸濁して水性スラリーを得、これを湿式
抄造して外層部となるウエットマットを得た後、板状芯
材となる前記ウエットマットの表裏面に外層部となる前
記ウエットマットを積層して圧締した後、乾燥させて一
体化することにより、無機建築板を製造する方法があ
る。
【0017】なお、前述の製造方法ではウエットマット
同士を積層一体化する場合について説明したが、湿式に
限らず、乾式による方法、あるいは、乾式と湿式とを組
み合わせた方法など既存の製造方法を選択できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明にかかる実施例を説明する。 (実施例1) 無機発泡体として単位容積質量0.08(kg/l)の
パーライト82重量%、繊維状物としてパルプ10重量
%、結合剤としてフェノール樹脂およびスターチを合計
で8重量%の割合で水中に投入,懸濁して水性スラリー
を得、これを抄造して厚さ11mm、比重0.15の板
状芯材を得る一方、鉱物質繊維としてロックウール27
重量%、無機粉状体として炭酸カルシウム60重量%、
結合剤としてフェノール樹脂およびスターチを合計で8
重量%、補強材としてパルプ5重量%の割合で混合した
後、水中に投入して水性スラリーを得、これを抄造して
厚さ2.0mm、比重0.6の外層部を得た後、前記板
状芯材の表裏面に前記外層部を積層し、プレスで圧締一
体化して板状体とし、乾燥させて厚さ9mm、全体比重
0.45のサンプルを得た。尚、前記炭酸カルシウムに
は50メッシュを通過する粒径ものを用いており、パー
ライトには平均粒径300μのものを用いた。
【0019】(実施例2) 無機発泡体として単位容積質量0.08(kg/l)の
パーライト80重量%、繊維状物としてロックウール1
3重量%、結合剤としてフェノール樹脂およびスターチ
を合計で7重量%の割合で混練して水性スラリーを得、
これを抄造して厚さ11mm、比重0.15の板状芯材
を得る一方、鉱物質繊維としてロックウール36重量
%、無機粉状体として炭酸カルシウム57重量%、結合
剤としてフェノール樹脂およびスターチを合計で7重量
%の割合で混練して水性スラリー得、これを抄造して厚
さ2.0mm、比重0.6の外層部を得た後、前記板状
芯材の表裏面に外層部を積層し、プレスで圧締一体化し
て板状体とし、乾燥させて厚さ9mm、全体比重0.4
5の無機建築板を得た。尚、前記炭酸カルシウムには5
0メッシュを通過する粒径ものを用いており、パーライ
トには平均粒径300μのものを用いた。
【0020】(比較例) 厚さ9mm,比重0.74の市販の石膏ボードをサンプ
ルとした。
【0021】前記実施例1,2および比較例で得られた
サンプルの物性に関する測定結果を次に表示する。 実施例1 実施例2 比較例 厚さ (mm) 9.0 9.0 9.0 比重 0.45 0.45 0.74 曲げ強度 (kgf/cm2) 75 70 50 表面硬度 (kgf) 170 160 220 ビス貫通力 (kgf) 18 20 27 熱伝導率 (kal/mh℃) 0.06 0.06 0.27 防火性 準不燃合格 不燃合格 準不燃合格
【0022】なお、前記測定結果は下記の方式に基づい
て得られたものである。 曲げ強度:JIS 5907−1977に基づく。 表面硬度:JIS HARDNESS TESTERに
基づく。 ビス貫通力:JIS A5910に準じた試験方法に基
づく。 熱伝導率:JIS A1412に基づく。 防火性:JIS A1321に基づく。
【0023】以上の測定結果から明らかなように、実施
例1,2は、比較例よりも比重が25〜40%小さい。
比重が40%小さいということは、標準サイズの石膏ボ
ードが約11kgである場合に、同一サイズの本発明に
かかる無機建築板では約6.7kgとなることを意味す
る。このため、石膏ボードの場合、重量制限によってト
ラック等の積載可能容積の約半分程度しか利用できない
ときでも、本願無機建築板であれば、トラック等の積載
可能容積一杯に積載できる。この結果、物流コストを大
巾に節減できるだけでなく、施工現場への人力による搬
送およびハンドリングが容易になる。また、実施例1,
2の曲げ強度が比較例のそれよりも約40%大きいこと
から、変形しにくく、使い勝手がよいことがわかった。
さらに、実施例1,2の熱伝導率が比較例のそれよりも
極めて小さいことから、実施例1,2が比較例よりも断
熱性に優れていることがわかった。
【0024】なお、実施例1,2は、表面硬度およびビ
ス貫通力において比較例よりも小さいが、一般に表面硬
度が150(kgf)であれば、凹み等が生じにくく、実
用上は問題はない。また、ビス貫通力は無機建築板の重
量の2.5倍以上必要とされるが、本発明にかかる無機
建築板自体が軽量であることから、この点においても実
用上の問題はない。したがって、本願にかかる無機建築
板は市販の石膏ボードよりも約40%軽く、市販の石膏
ボードと同等の使用が可能であることがわかった。
【0025】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、粉粒状無機発泡体50〜90重量%と分散可
能な繊維状物とを主体とし、結合剤を添加し、抄造して
形成した板状芯材の表裏面が、鉱物質繊維と無機粉状体
40〜70重量%とを主体とし、結合剤を添加し、抄造
して形成した外層部で覆われることになる。このため、
軽い板状芯材の表裏面が硬く緻密な外層部で覆われるこ
とになる。この結果、本発明によれば、表面硬度が高
く、ビス止め性能が優れているだけでなく、軽量で曲げ
強度が大きく、熱伝導率が小さいという下地材として必
要な性能を有する無機建築板が得られる。特に、本願発
明によれば、粉粒状無機発泡体と分散可能な繊維状物と
を混合,分散し、かつ、抄造することによって板状芯材
が形成される。このため、板状芯材中に大きさの揃った
粉粒状無機発泡体を均一に分散できるとともに、繊維状
物をも均一に分散できるので、均一な強度を有する無機
建築板が得られる。しかも、全体比重が0.55以下で
あるので、石膏ボードよりも軽量であり、運搬,ハンド
リングが容易になるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例にかかる外層部の比重と表面硬度との
相関関係を示すグラフ図である。
【図2】本実施例にかかる外層部の比重と曲げ強度との
相関関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−78636(JP,A) 特開 平1−262129(JP,A) 実開 昭60−173318(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粉粒状無機発泡体50〜90重量%と分
    散可能な繊維状物とを主体とし、結合剤を添加し、抄造
    して形成した板状芯材の表裏面に、鉱物質繊維と無機粉
    状体40〜70重量%とを主体とし、結合剤を添加し、
    抄造して形成した外層部を設けて全体比重を0.55以
    下としたことを特徴とする無機建築板。
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