JP2654632B2 - 清酒の醸造方法 - Google Patents
清酒の醸造方法Info
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Description
る。さらに詳しくは、蒸煮をしていない精白米を原料と
して清酒製造を行う醸造方法に関する。
来、清酒は蒸米、水及び酒用麹と酒母を加えて発酵させ
て得られる15%(容量%)以上の酒精含有飲料で、日
本独特の醸造産物である。清酒の醸造法は、江戸中期に
概ね確立し、以後品質向上のため、使用米の品種や麹菌
の選択、製麹の方法、仕込水の水質や酒母用酵母の改善
などが行なわれてきた。第2次大戦中には原料米の節約
のため、他原料から製造した酒精をもろみに加える方法
や、また同じく大戦後、原料米の精白時に生じる白糠を
酵素で糖化して発酵中のもろみに加える方法等が開発さ
れているが、主原料の米を蒸煮等の加熱を行なって仕込
むことには変わりはない。
ても、主原料である米を蒸煮等により加熱を行った後、
それに酒用麹、酒母等を加えて仕込む方法が用いられ
る。これは原料米を蒸煮することにより、望ましくない
混在細菌を殺菌すると同時に蒸煮後仕込む麹の酵素によ
る糖化を容易にする点で、極めて有効であるためであ
り、原料米の蒸煮は長い経験に基づいて酒醸造の常道と
して、古くから採用されてきた。
原料米の蒸煮及び製麹工程は労力及びエネルギーを要す
るものであり、このため人的、エネルギー的削減が当業
界の緊急課題とされている。また、清酒醸造の工程、特
に製麹工程において、汚染菌の感染を絶無にすること
は、現状では物理的に殆ど不可能であるという問題も指
摘されている。しかし、少なくとも低温かつ酸性下で仕
込み、24時間後の酒精濃度が3.5%以上に達する速度
で酒精発酵が行われる場合には、汚染菌の増殖は殆ど認
められない。これは汚染菌の増殖潜在期、これに続く対
数増殖期初期は、このような条件下では汚染菌の生育が
阻止あるいは死滅させられるためである。しかしなが
ら、清酒醸造における汚染菌の感染・増殖は、一般に製
麹時、また蒸煮米と麹とを仕込む時や発酵条件が十分で
なく、そのため酒精生成速度が緩慢に経過する時期に起
こり易いことが認められている。従って、酒精生成速度
を高めるなどにより、汚染菌の感染、増殖防止の可能性
がある。
illus oryzae) を用いて製造した麹を使用するが、この
場合の澱粉分解酵素である“アミラーゼ”の系には、主
として比較的マルトースの生成力が強力なα−アミラー
ゼ、微弱なグルコアミラーゼ及びα−グルコシダーゼよ
りなっている。このようなアミラーゼ系において、主た
る酵素であるα−アミラーゼは生米には作用しないが、
蒸煮米に作用してその糊化澱粉から、まずデキストリ
ン、オリゴ糖そして発酵性のマルトースとブドウ糖を生
ずる。従って、蒸煮米とAspergillus oryzaeを用いて製
造した麹を仕込んだ場合、発酵性糖の生成・蓄積にかな
りの時間を要するという課題が残る。しかも生成発酵性
糖の大半はマルトースであるが、マルトースからの酒精
発酵速度はブドウ糖からのそれよりかなり遅い。すなわ
ち、従来の清酒醸造方法においては、もろみ中の還元糖
量がブドウ糖相当還元糖量で3.0%以上に達するには、
仕込み後12〜14時間も要し、この時点ではじめて発
酵が観察される。さらに、仕込み24時間後の酒精濃度
はたかだか2.0%前後にすぎないのが普通である。その
ため従来の酒精醸造法では、前記のように汚染菌の増殖
を完全に阻止するまでに至っていないのである。
茅苔酒や汾酒なる蒸溜酒が製造されてきた。主たる発酵
原料はモロコシであり、この糖化には原料を蒸煮するこ
となく単に吸水させたのち、Rhizopus属糸状菌を接種
し、そこに産生されるグルコアミラーゼによって糖化す
る技法が採用されている。Rhizopus属由来のグルコアミ
ラーゼは澱粉から直接ブドウ糖を生成することが可能で
あるから、無蒸煮の穀類澱粉も容易にブドウ糖に糖化す
る。この事実を中国においては経験的に発見し、前記の
蒸溜酒の製造に応用して来たものと思われる。
米を直接原料として酒精発酵させる2、3の研究報告が
これまで報告されているが、それらはいずれも使用酵素
(Aspergillus 属菌、Rhizopus属菌由来)の純度が極め
て低く、そのため酵素剤を原料米に対して0.3重量%以
上も使用せねばならず、しかもプロテナーゼを含有して
いるなどのため、酒精生成の効果は認められたが、清酒
醸造とは程遠く、言及されていない。
て清酒本来の品質を保ちながら可及的に人的労力、エネ
ルギー、資源の節約を計ることができ、さらに酒精生成
速度を高めて汚染菌の感染、増殖防止のできる方法を提
供することにある。
解決するために鋭意研究した。その結果、Rhizopus属菌
由来のグルコアミラーゼを高度に精製したものを使用す
ることによって、清酒醸造において許容されている範囲
内での酵素使用量で糖化を可能とし、精白米を直接原料
として清酒の嗜好性賦与に足る可及的微量の麹の添加で
清酒醸造を行い得ること、およびこれらにより前記課題
が解決できることを見出し本発明に至った。即ち、本発
明は蒸煮をしていない精白米、水もしくは乳酸を添加し
た水、および要すれば可及的微量の麹を清酒の原料と
し、これに実質的にプロテナーゼを含まない精製グルコ
アミラーゼおよび麹エキスを用いて調製した酵母を加え
て仕込み、発酵させることを特徴とする清酒の醸造方法
に関する。
り、原料米を蒸煮することなく仕込み、かつ麹の添加量
を極力制限し、場合によっては麹は酒母の培養にのみに
使用する清酒の醸造方法にかかり、好ましくは、蒸煮を
していない精白米に対して、0.02〜0.1重量%の精製
グルコアミラーゼを使用する醸造方法である。また好ま
しくは、精製グルコアミラーゼがRhizopus delemerまた
はRhizopus niveus 由来である醸造方法である。
濃度以上のアミノ酸が存在すれば、多量のフーゼル油が
生成し、あるいは苦味その他の好ましからざる物質が生
成するため、米由来の蛋白あるいはその分解物の含有量
を可及的に少なくするため、高度に精白した。即ち、精
白して蛋白量の少ない米を原料とするため、、通常玄米
の重量の約30〜60%を糠として除去した。また、従
来では必ず麹を添加するが、その麹は蛋白分解力を可及
的に低くなるように培養管理する必要があった。しかし
本発明による清酒醸造では、プロテナーゼを含まないグ
ルコアミラーゼを麹の代わりに使用するので、使用米は
高度に精白する必要はなく、表1中のカラムCに示すよ
うに精白度90%、すなわち通常の飯米なみの精白度で
も仕込める特徴を有する。本発明の方法では清酒の原料
として可及的微量の麹を仕込んでもよく、加えるとすれ
ば麹の量は仕込原料米に対し15%以下、好ましくは1
0%以下、さらに好ましくは7%以下である。
市販のグルコアミラーゼを使用することもできるが、市
販の製品をそのまま使用すれば、それに不純物として他
種の酵素、特にプロテナーゼやリパーゼも微量含まれ、
清酒の風味が軽度ながら影響される。そのため、本発明
で使用するグルコアミラーゼは、それらの好ましくない
酵素を有しないこと、また有色物質も可及的に除去した
精製グルコアミラーゼであることが好ましい。市販のグ
ルコアミラーゼを精製して精製グルコアミラーゼを調製
するには、福本寿一郎、鶴大典、山本武彦(Agr. Biol.
Chem., 31,710〜717, 1967)等の方法が用いられる。な
お、本明細書において「実質的にプロテナーゼを含まな
い精製グルコアミラーゼ」とは、プロテナーゼの活性を
認めないかあるいはプロテナーゼが混在していても品質
への影響が認められない程度に夾雑している状態をい
う。
ミラーゼ産生菌を培養し、その培養物から抽出・精製す
ることによって、グルコアミラーゼを得ることができ
る。このようなグルコアミラーゼ産生菌としては、Rhiz
opus属糸状菌が挙げられる。この菌由来のグルコアミラ
ーゼは、生穀類澱粉の糖化分解力が強力であり、分解限
度が高く、しかも食品加工への応用も国際的に認められ
ており、かつプロテナーゼの除去も容易であり、本発明
の目的に最適である。このようなRhizopus属糸状菌とし
ては、特に限定されるものではないが、Rhizopus delem
erまたはRhizopusniveus が好適なグルコアミラーゼ産
生菌として例示される。
類縁菌から得られるグルコアミラーゼは耐熱性、また比
較的高温下での耐酸性が勝っている点が考えられるが、
Rhizopus属グルコアミラーゼは、低温下では酸性側
(例えば18℃、pH2.8〜4.0)でも極めて安定で、
しかもその条件下での酵素活性は、pH4.8〜5.4での
それと殆ど等しく、したがって反応時間さえ十分なら
ば、穀類澱粉を殆ど完全にブドウ糖に糖化分解するこ
と、Aspergillus niger あるいはそれの類縁菌から得
られるグルコアミラーゼにはプロテナーゼのみならずカ
ルボキシペプチダーゼも夾雑し、これらのプロテナーゼ
類の除去は必ずしも容易でないことなどを考慮すれば、
Rhizopus属グルコアミラーゼが好ましいことが理解され
る。勿論、生澱粉のブドウ糖への完全糖化には、微量の
α−アミラーゼの寄与のあることについては、既に本発
明者らが指摘した通りである(山本武彦、宮原泉、溝上
恭平、 Denpun Kagaku, 37, 129 〜136(1990))。従っ
て、本発明において使用するグルコアミラーゼは同菌由
来のα−アミラーゼの夾雑があっても何ら差し支えな
い。
調製する方法としては、該グルコアミラーゼの等電点が
8.0付近で、そのためアニオン交換体を素通りすること
から、Rhizopus属糸状菌体抽出物あるいはRhizopus属糸
状菌培養液をpH5.2〜5.4に緩衝化した強アニオン交
換体、例えばDuolite A2、あるいはDuolite A10aD 等の
カラムを通過させることによって、夾雑する酸性色素と
ともにプロテナーゼが吸着除去され、グルコアミラーゼ
活性の損失なく、無色の流出液中に回収される(前出文
献) 。流出液を脱塩したのち、適宜濃縮後、凍結乾燥あ
るいは噴霧乾燥すれば、高度に精製された精製グルコア
ミラーゼが得られる。
を直接培地原料として用いて酵母を培養する方法と予め
麹汁を調製し、これを培地として酵母を培養する方法と
があるが、その際乳酸菌を同時に増殖させて、適度の乳
酸を生成せしめ、これにより他の細菌の汚染を防止する
か、あるいは人為的に適量の乳酸を酵母培養液に加えて
酵母を培養して酒母とするなどの工夫が行われており、
いずれの方法であってもよい。
ラーゼを利用して精白米を完全に発酵させるためには、
蒸煮をしていない精白米、水または乳酸を添加した水
(以下、仕込水ともいう)、要すれば可及的微量の麹を
発酵槽に仕込み、実質的にプロテナーゼを含まない精製
グルコアミラーゼおよび麹エキスを用いて調製した酵母
(以下、酒母ともいう)を加えて仕込み、発酵させるこ
とによって清酒が醸造される。即ち、まず酒造用精白米
を洗浄し、十分水切りしたのち、仕込水及び仕込精米の
殺菌のため、約0.15〜0.2%の乳酸を添加した仕込水
を洗米に加え、少なくとも2〜3時間、できれば一夜
(16時間)6〜20℃、好ましくは約15℃で蓋をし
て放置する。同仕込水を洗米に添加した直後のpHは2.
7位であるが、放置後pHは上昇し、3.2あるいはそれ
以上になる。その時点で精製グルコアミラーゼと酒母を
添加し、同じく6〜20℃、好ましくは約15℃に保
ち、その後は従来の醸造条件の管理、すなわち温度管
理、攪拌操作等を行いながら清酒発酵を行わせる。ここ
で、精製グルコアミラーゼの使用量は、蒸煮をしていな
い精白米に対して、0.02〜0.1重量%、好ましくは0.
05〜0.1重量%である。また、酒母の使用量は常法の
清酒醸造の場合に準ずる。
15℃、発酵期間を15〜25日間とした場合、少なく
とも仕込みに際して、前記のような条件を採用すれば、
嗜好的にも、化学分析的にも従来の醸造法によって得ら
れる清酒と遜色がない醸造酒が得られる。本発明による
酵素と酵母との並行複発酵による清酒醸造法は、無蒸煮
の精白米を対象としたものであるが、精製グルコアミラ
ーゼを用いる本発明における方法は蒸煮した精白米の場
合にも勿論適用でき、しかもその際の酵素の使用量は無
蒸煮の精白米仕込みの場合より少なくて十分である。
明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定さ
れるものではない。 実施例1 内容積約1.5リットルの発酵瓶に精白米200gを入
れ、約1リットルの井戸水を加えて瓶を激しく上下して
洗米したのち、数分放置して洗液を傾斜により除いた。
この操作を前後5回繰り返したのち、瓶の口にガーゼを
当てて瓶を倒立させて十分に水を切った。次いで瓶を正
常位に戻し、これに乳酸を0.15%添加した井戸水30
0mlを注ぎ、18℃に放置した。上澄液のpHは当初
2.8付近であったが、3時間後3.4〜3.5になった。こ
の時点で精製グルコアミラーゼと麹エキスを用いて調製
した酵母を添加し、適量の硫酸を容れたU字管を発酵瓶
に附して18℃で発酵させた。精製グルコアミラーゼは
市販品(新日本化学工業株式会社製)を用い、酵母は麹
エキスを用いて調製した酵母を使用した。発酵させてい
る間、発酵液の重量の減少(総重量−(発酵瓶空体+硫
酸))を秤り、減量分は二酸化炭素の発生に基づくもの
として、その経過を図1に、また発酵17日後における
発酵液についての分析値を表1に示した。
て二酸化炭素に基づくものとみなし、ゲールザックの式
に従って生成アルコール量を推定し算出した。酵素の添
加量は仕込原料米(洗米前の重量)対重量%で示した。
使用したグルコアミラーゼの活性は、1mg当り20単
位であった。糖化活性1単位は1%の糊化トウモロコシ
澱粉溶液を基質とし、pH5.2、40℃で反応させ、毎
分1μモルのグルコースを生成する活性である。還元糖
の測定は、Shaffer-Somogyi 法(J. Biol. Chem.,100, 6
95(1933)) により行なった。
izopus niveus 由来の精製グルコアミラーゼ及び酵母に
よって速やかに酒精発酵が開始した。表1の条件で酵素
0.4gの添加の場合、7日後に既に理論値の90%以
上、また酸素量0.2g添加のものでも17日後にはほぼ
完全に発酵が完了しており、市販の純米酒と殆ど同じで
あった。また、精製グルコアミラーゼは、精白米の0.1
重量%以内の使用で、仕込生米を3週間以内におおむね
発酵させるのに十分な糖化力を有する酵素標品であるこ
とが理解される。また、得られた醸造酒は表1に示すよ
うに一般分析において、市販の純米酒と殆ど同じとみな
された。
法で行った。仕込量の配分は表2に示す通りであり、そ
の結果を表3に示す。本発明の目的に適合するRhizopus
niveus 由来のグルコアミラーゼを前記の方法によって
プロテナーゼを除去したが、微量のα−アミラーゼが精
製グルコアミラーゼ中になお夾雑していた。このグルコ
アミラーゼを用いて、精白米100重量%に対して0.1
重量%の使用で通常の酒醸造期間、すなわちおよそ3週
間で生米をブドウ糖に十分糖化できること、しかも同酵
素による生米の糖化は酵母の存在で著しく加速され、一
方殺菌目的のために添加した乳酸は、酒精発酵とともに
エステル化されてもろみのpHは、発酵終了時約4.0に
至ることが判明した。
後で18日間の発酵によりアルコール濃度は17.2%に
達し、一般分析値においても市販の純米酒と遜色なく、
特に糖質の喰い切りが良好で日本酒度は−5にも達し
た。またアミノ酸(アミノ基量)もむしろ低値を示し
た。但し全N量が試料市販酒に比べて約2.1倍と高値を
示した。これは仕込まれた米粒中の蛋白が未変性で、そ
の構成蛋白の一種プロラミンがアルコール濃度が高まる
につれ溶出したためと思われる。この点についてはなお
検討の余地があるが、しかしその蛋白の殆どは活性炭処
理で除去され、味覚的に特に問題にはならないと判断さ
れた。
来法によるそれとの官能的な差異の特徴は、飲時には客
観的に指摘し難いが、ある量以上の飲者の呼気に感ぜら
れる清酒独特の臭気が、本発明方法による醸造酒の場合
には殆ど、あるいは全く感じられず、むしろ淡い果実香
を呈するに過ぎないことである。これは、本発明の醸造
方法による場合、先ず原料米を洗米するだけで仕込むた
め、麹や麹菌の生理・生化学的作用による臭気性物質の
生成が少なく、単に酵母が生成する酒精その他微量の揮
発性物質並びに発酵中の化学的、生化学的に生成される
エステルなど2次的に生成される揮発性物質のみがもろ
み中に生成されるに過ぎないためと考えられる。
れと分析的に何ら遜色なく、官能的にむしろ従来酒より
勝れた性質があるとともに、本発明による清酒醸造は、
可及的に人的労力、エネルギー、資源の節約を計ること
が可能である極めて節約型醸造法である。さらに、本発
明の醸造方法によれば、酒精生成速度が高いので汚染菌
の感染、増殖を防止することが可能である。
グルコアミラーゼ及び酵母で発酵させた場合の二酸化炭
素の発生量を経時的にみた結果を示すものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 蒸煮をしていない精白米、水もしくは乳
酸を添加した水、および要すれば可及的微量の麹を清酒
の原料とし、これに実質的にプロテナーゼを含まない精
製グルコアミラーゼおよび麹エキスを用いて調製した酵
母を加えて仕込み、発酵させることを特徴とする清酒の
醸造方法。 - 【請求項2】 蒸煮をしていない精白米に対して、0.0
2〜0.1重量%の精製グルコアミラーゼを使用する請求
項1記載の醸造方法。 - 【請求項3】 精製グルコアミラーゼがRhizopus delem
erまたはRhizopus niveus 由来である請求項1記載の醸
造方法。
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