JP2649572B2 - 光学活性な2―フルオロ―2―メチル―1―アルカノール類及びその製造方法 - Google Patents
光学活性な2―フルオロ―2―メチル―1―アルカノール類及びその製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、医薬、農薬、或いは液晶化合物等の機能性
材料などを製造するための中間体として利用される光学
活性な2−フルオロ−2−メチル−1−アルカノール類
及びこの化合物を製造する方法に関する。
材料などを製造するための中間体として利用される光学
活性な2−フルオロ−2−メチル−1−アルカノール類
及びこの化合物を製造する方法に関する。
従来の技術 2−フルオロ−2−メチル−1−アルカノール類の合
成方法としては、2−メチル−1,2−エポキシアルカン
にジイソプロピルエチルアミン及びテトラブチルアンモ
ニウムフルオライド或いは水の存在下に四フッ化ケイ素
を作用させる方法が、既に提案されている〔清水真、吉
岡宏輔,テトラヘドロン レターズ(Tetrahedoron Let
ters),29,p4101(1988)〕。しかし、この化合物はラ
セミ体であり、光学活性な化合物は未だ得られていな
い。ところで、特異な生理活性や機能を有する医薬や農
薬、さらには強誘電性液晶等の開発のための原料とし
て、この種の化合物の光学活性体の安価で大量の提供が
望まれていた。しかし、光学活性体をラセミ体からの光
学分割等で得る方法は、未だその手段も確立されておら
ず、またコストが非常に高くつくものと予想される。
成方法としては、2−メチル−1,2−エポキシアルカン
にジイソプロピルエチルアミン及びテトラブチルアンモ
ニウムフルオライド或いは水の存在下に四フッ化ケイ素
を作用させる方法が、既に提案されている〔清水真、吉
岡宏輔,テトラヘドロン レターズ(Tetrahedoron Let
ters),29,p4101(1988)〕。しかし、この化合物はラ
セミ体であり、光学活性な化合物は未だ得られていな
い。ところで、特異な生理活性や機能を有する医薬や農
薬、さらには強誘電性液晶等の開発のための原料とし
て、この種の化合物の光学活性体の安価で大量の提供が
望まれていた。しかし、光学活性体をラセミ体からの光
学分割等で得る方法は、未だその手段も確立されておら
ず、またコストが非常に高くつくものと予想される。
発明が解決しようとする課題 本発明者は、かかる現状に鑑み、鋭意研究を進めた結
果、光学活性な2−メチル−1,2−エポキシアルカンに
アミン−フッ化水素錯体、または四フッ化ケイ素を作用
させると、驚くべきことにラセミ化することなく、光学
活性な2−フルオロ−2−メチル−1−アルカノールを
得ることができることを見い出した。本発明は、かかる
知見に基づきなされたもので、本発明の目的は、新規な
化合物である2−フルオロ−2−メチル−1−アルカノ
ール類及びこの光学活性体、さらにはこれらの化合物
の、安価で、しかも簡易な製造方法を提案することにあ
る。
果、光学活性な2−メチル−1,2−エポキシアルカンに
アミン−フッ化水素錯体、または四フッ化ケイ素を作用
させると、驚くべきことにラセミ化することなく、光学
活性な2−フルオロ−2−メチル−1−アルカノールを
得ることができることを見い出した。本発明は、かかる
知見に基づきなされたもので、本発明の目的は、新規な
化合物である2−フルオロ−2−メチル−1−アルカノ
ール類及びこの光学活性体、さらにはこれらの化合物
の、安価で、しかも簡易な製造方法を提案することにあ
る。
課題を解決するための手段 本発明は次式、(I) (式中Rは炭素中2乃至16個のアルキル基を、C*は光
学活性が誘起された不斉炭素を表わす)で示される新規
な光学活性な2−フルオロ−2−メチル−1−アルカノ
ール類、及び次式(II) (式中Rは炭素中2乃至16個のアルキル基を、C*は光
学活性が誘起された不斉炭素を表わす)で示される光学
活性なエポキシドにアミン−フッ化水素錯体または四フ
ッ化ケイ素を作用させる前記2−フルオロ−2−メチル
−1−アルカノール類を製造することからなるものであ
る。
学活性が誘起された不斉炭素を表わす)で示される新規
な光学活性な2−フルオロ−2−メチル−1−アルカノ
ール類、及び次式(II) (式中Rは炭素中2乃至16個のアルキル基を、C*は光
学活性が誘起された不斉炭素を表わす)で示される光学
活性なエポキシドにアミン−フッ化水素錯体または四フ
ッ化ケイ素を作用させる前記2−フルオロ−2−メチル
−1−アルカノール類を製造することからなるものであ
る。
本発明の光学活性な2−フルオロ−2−メチル−1−
アルカノールとしては、(−)−2−フルオロ−2−メ
チル−1−ブタノール、(−)−2−フルオロ−2−メ
チル−1−ペンタノール、(−)−2−フルオロ−2,3
−ジメチル−1−ブタノール、(−)−2−フルオロ−
2−メチル−1−ヘキサノール、(−)−2−フルオロ
−2,3−ジメチル−1−ペンタノール、(−)−2−フ
ルオロ−2,4−ジメチル−1−ペンタノール、(−)−
2−フルオロ−2−メチル−1−ヘプタノール、(−)
−2−フルオロ−2,3−ジメチル−1−ヘキサノール、
(−)−2−フルオロ−2,4−ジメチル−1−ヘキサノ
ール、(−)−2−フルオロ−2,5−ジメチル−1−ヘ
キサノール、(−)−2−フルオロ−2,4,4,−トリメチ
ル−1−ペンタノール、(−)−2−フルオロ−2−メ
チル−1−オクタノール、(−)−2−フルオロ−2,4
−ジメチル−1−ヘプタノール、(−)−2−フルオロ
−2,6−ジメチル−1−ヘプタノール、(−)−2−フ
ルオロ−2−メチル−1−ノナノール、(−)−2−フ
ルオロ−2,4,4−トリメチル−1−ヘキサノール、
(−)−2−フルオロ−2−メチル−1−デカノール、
(−)−2−フルオロ−2−メチル−1−ウンデカノー
ル、(−)−2−フルオロ−2−メチル−1−ドデカノ
ール、(−)−2−フルオロ−2−メチル−1−トリデ
カノール、(−)−2−フルオロ−2−メチル−1−テ
トラデカノール、(−)−2−フルオロ−2−メチル−
1−ペンタデカノール、(−)−2−フルオロ−2−メ
チル−1−ヘキサデカノール、(−)−2−フルオロ−
2−メチル−1−ヘプタデカノール等、並びに(+)の
上記アルカノール類を例示しうる。
アルカノールとしては、(−)−2−フルオロ−2−メ
チル−1−ブタノール、(−)−2−フルオロ−2−メ
チル−1−ペンタノール、(−)−2−フルオロ−2,3
−ジメチル−1−ブタノール、(−)−2−フルオロ−
2−メチル−1−ヘキサノール、(−)−2−フルオロ
−2,3−ジメチル−1−ペンタノール、(−)−2−フ
ルオロ−2,4−ジメチル−1−ペンタノール、(−)−
2−フルオロ−2−メチル−1−ヘプタノール、(−)
−2−フルオロ−2,3−ジメチル−1−ヘキサノール、
(−)−2−フルオロ−2,4−ジメチル−1−ヘキサノ
ール、(−)−2−フルオロ−2,5−ジメチル−1−ヘ
キサノール、(−)−2−フルオロ−2,4,4,−トリメチ
ル−1−ペンタノール、(−)−2−フルオロ−2−メ
チル−1−オクタノール、(−)−2−フルオロ−2,4
−ジメチル−1−ヘプタノール、(−)−2−フルオロ
−2,6−ジメチル−1−ヘプタノール、(−)−2−フ
ルオロ−2−メチル−1−ノナノール、(−)−2−フ
ルオロ−2,4,4−トリメチル−1−ヘキサノール、
(−)−2−フルオロ−2−メチル−1−デカノール、
(−)−2−フルオロ−2−メチル−1−ウンデカノー
ル、(−)−2−フルオロ−2−メチル−1−ドデカノ
ール、(−)−2−フルオロ−2−メチル−1−トリデ
カノール、(−)−2−フルオロ−2−メチル−1−テ
トラデカノール、(−)−2−フルオロ−2−メチル−
1−ペンタデカノール、(−)−2−フルオロ−2−メ
チル−1−ヘキサデカノール、(−)−2−フルオロ−
2−メチル−1−ヘプタデカノール等、並びに(+)の
上記アルカノール類を例示しうる。
一方、上記化合物の製造方法の発明では、出発物質と
して光学活性を有する2−メチル−1,2−エポキシアル
カンを用いるが、この化合物としては、(−)−2−メ
チル−1,2−エポキシブタン、(−)−2−メチル−1,2
−エポキシペンタン、(−)−2,3−ジメチル−1,2−エ
ポキシブタン、(−)−2−メチル−1,2−エポキシヘ
キサン、(−)−2,3−ジメチル−1,2−エポキシペンタ
ン、(−)−2,4−ジメチル−1,2−エポキシペンタン、
(−)−2−メチル−1,2−エポキシヘプタン、(−)
−2,3−ジメチル−1,2−エポキシヘキサン、(−)−2,
4−ジメチル−1,2−エポキシヘキサン、(−)−2,5−
ジメチル−1,2−エポキシヘキサン、(−)−2,4,4−ト
リメチル−1,2−エポキシペンタン、(−)−2−メチ
ル−1,2−エポキシオクタン、(−)−2,4−ジメチル−
1,2−エポキシヘプタン、(−)−2,6−ジメチル−1,2
−エポキシヘプタン、(−)−2−メチル−1,2−エポ
キシノナン、(−)−2,4,4−トリメチル−1,2−エポキ
シヘキサン、(−)−2−メチル−1,2−エポキシデカ
ン、(−)−2−メチル−1,2−エポキシウンデカン、
(−)−2−メチル−1,2−エポキシドデカン、(−)
−2−メチル−1,2−エポキシトリデカン、(−)−2
−メチル−1,2−エポキシテトラデカン、(−)−2−
メチル−1,2−エポキシペンタデカン、(−)−2−メ
チル−1,2−エポキシヘキサデカン、(−)−2−メチ
ル−1,2−エポキシヘプタデカン等、並びに(+)の上
記エポキシド類を例示しうる。
して光学活性を有する2−メチル−1,2−エポキシアル
カンを用いるが、この化合物としては、(−)−2−メ
チル−1,2−エポキシブタン、(−)−2−メチル−1,2
−エポキシペンタン、(−)−2,3−ジメチル−1,2−エ
ポキシブタン、(−)−2−メチル−1,2−エポキシヘ
キサン、(−)−2,3−ジメチル−1,2−エポキシペンタ
ン、(−)−2,4−ジメチル−1,2−エポキシペンタン、
(−)−2−メチル−1,2−エポキシヘプタン、(−)
−2,3−ジメチル−1,2−エポキシヘキサン、(−)−2,
4−ジメチル−1,2−エポキシヘキサン、(−)−2,5−
ジメチル−1,2−エポキシヘキサン、(−)−2,4,4−ト
リメチル−1,2−エポキシペンタン、(−)−2−メチ
ル−1,2−エポキシオクタン、(−)−2,4−ジメチル−
1,2−エポキシヘプタン、(−)−2,6−ジメチル−1,2
−エポキシヘプタン、(−)−2−メチル−1,2−エポ
キシノナン、(−)−2,4,4−トリメチル−1,2−エポキ
シヘキサン、(−)−2−メチル−1,2−エポキシデカ
ン、(−)−2−メチル−1,2−エポキシウンデカン、
(−)−2−メチル−1,2−エポキシドデカン、(−)
−2−メチル−1,2−エポキシトリデカン、(−)−2
−メチル−1,2−エポキシテトラデカン、(−)−2−
メチル−1,2−エポキシペンタデカン、(−)−2−メ
チル−1,2−エポキシヘキサデカン、(−)−2−メチ
ル−1,2−エポキシヘプタデカン等、並びに(+)の上
記エポキシド類を例示しうる。
上記光学活性を有するエポキシド類は微生物を利用し
て、相当するα−オレフィンを酸化することにより調製
できる(特開昭61−22958号公報参照)。
て、相当するα−オレフィンを酸化することにより調製
できる(特開昭61−22958号公報参照)。
また、この製造の際に用いるアミン−フッ化水素錯体
は、アミン中に無水フッ化水素を滴下、混合することに
より、容易に調製することができる。この錯体のアミン
とフッ化水素の割合は、これらの化合物の混合比を調整
することにより容易に行え、一旦調製したアミン−フッ
化水素錯体でも、再びアミンかフッ化水素を添加するこ
とにより、その比を容易に変えることができる。また、
この錯体はアミンとフッ化水素酸を混合し、減圧下、水
を留去することによっても調製できる。
は、アミン中に無水フッ化水素を滴下、混合することに
より、容易に調製することができる。この錯体のアミン
とフッ化水素の割合は、これらの化合物の混合比を調整
することにより容易に行え、一旦調製したアミン−フッ
化水素錯体でも、再びアミンかフッ化水素を添加するこ
とにより、その比を容易に変えることができる。また、
この錯体はアミンとフッ化水素酸を混合し、減圧下、水
を留去することによっても調製できる。
さらに、アミン−フッ化水素錯体に代えて、四フッ化
ケイ素を作用させても良い。この四フッ化ケイ素を作用
させる場合は、アミン及びテトラブチルアンモニウムフ
ルオライド又はその水の存在下に反応を行うことが、反
応を円滑に進行させる上で、特に好ましい。しかし、こ
の方法は、アミン−テトラブチルアンモニウムフルオラ
イドを添加した系ではポリマーが生成するため、またア
ミン−水系では反応混合物がゲル状となり、生成物の分
離回収操作が煩雑となる場合があるのであまり好ましく
ない。
ケイ素を作用させても良い。この四フッ化ケイ素を作用
させる場合は、アミン及びテトラブチルアンモニウムフ
ルオライド又はその水の存在下に反応を行うことが、反
応を円滑に進行させる上で、特に好ましい。しかし、こ
の方法は、アミン−テトラブチルアンモニウムフルオラ
イドを添加した系ではポリマーが生成するため、またア
ミン−水系では反応混合物がゲル状となり、生成物の分
離回収操作が煩雑となる場合があるのであまり好ましく
ない。
尚、上記アミン−フッ化水素錯体及び四フッ化ケイ素
を作用させる際に存在させるアミンとしては、プロピル
アミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチ
ルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、
ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルア
ミン、ジブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、トリ
エチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミ
ン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシル
アミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、tert−オク
チルアミン、ジオクチルアミン、デシルアミン、オクタ
デシルアミン、ピリジン、メラミン等を例示しうる。
を作用させる際に存在させるアミンとしては、プロピル
アミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチ
ルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、
ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルア
ミン、ジブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、トリ
エチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミ
ン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシル
アミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、tert−オク
チルアミン、ジオクチルアミン、デシルアミン、オクタ
デシルアミン、ピリジン、メラミン等を例示しうる。
上記のエポキシド類とアミン−フッ化水素錯体或いは
四フッ化ケイ素との反応は、そのまま無溶媒で行っても
よいし、また、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭
素、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、ヘキサ
ン、ベンゼン、アセトニトリルなどの有機溶媒中で行っ
ても良い。
四フッ化ケイ素との反応は、そのまま無溶媒で行っても
よいし、また、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭
素、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、ヘキサ
ン、ベンゼン、アセトニトリルなどの有機溶媒中で行っ
ても良い。
また、この反応は、−20゜〜130℃の広範囲の温度で
行うことができ、最適な反応温度は、実際に使用するア
ミン−フッ化水素錯体、アミンの種類および溶媒の種類
等に応じて決めるとよい。
行うことができ、最適な反応温度は、実際に使用するア
ミン−フッ化水素錯体、アミンの種類および溶媒の種類
等に応じて決めるとよい。
また、反応時間は反応温度に応じて0.5〜30時間の範
囲で適宜選定される。
囲で適宜選定される。
さらに、上記のエポキシド類に対するアミン−フッ化
水素錯体の使用量はアミン量で0.5〜10当量の範囲で、
四フッ化ケイ素の使用量は5〜10当量の範囲で適宜選定
することが適当である。また、四フッ化ケイ素を用いる
場合のアミンの添加量は、原料のエポキシドに対して0.
5〜10当量、テトラブチルアンモニウムフルオライド或
いは水の添加量は1〜4当量の範囲から適宜選定するこ
とが好ましい。
水素錯体の使用量はアミン量で0.5〜10当量の範囲で、
四フッ化ケイ素の使用量は5〜10当量の範囲で適宜選定
することが適当である。また、四フッ化ケイ素を用いる
場合のアミンの添加量は、原料のエポキシドに対して0.
5〜10当量、テトラブチルアンモニウムフルオライド或
いは水の添加量は1〜4当量の範囲から適宜選定するこ
とが好ましい。
上記により反応を行った後、当該反応生成物について
相分離、抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の手
法により、光学活性な2−フルオロ−2−メチル−1−
アルカノールを分離して精製する。
相分離、抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の手
法により、光学活性な2−フルオロ−2−メチル−1−
アルカノールを分離して精製する。
以上の本発明の化合物は、ヒドロキシ基を結合子とし
て各種の化合物と反応させ、新たな機能を有する医薬や
農薬、或いは液晶化合物等を合成することができる。
て各種の化合物と反応させ、新たな機能を有する医薬や
農薬、或いは液晶化合物等を合成することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1 ジイソプロピルアミン−フッ化水素〔(i−Pr)2NH
・4NF〕錯体2.7g(15mmol)に、氷浴上で、(−)−2
−メチル−1,2−エポキシヘキサン1.14g(10mmol)を滴
下した。滴下終了後、室温で1.5時間撹拌した後、反応
液を氷水30mlにあけ、エーテル30mlで抽出したエーテル
層を、5%濃度の炭酸ナトリウム水溶液及び水で洗浄し
た後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。エーテルを留去
した後、減圧蒸留(クーゲラー、70〜80℃/12mmHg)
し、0.35gの(−)−2−フルオロ−2−メチル−1−
ヘキサノールを得た。収率は26%、ガスクロマトグラフ
ィーによる純度は93%、比旋光度▲〔α〕25 D▼は−0.7
゜(c=2.0,CHCl3)であった。
・4NF〕錯体2.7g(15mmol)に、氷浴上で、(−)−2
−メチル−1,2−エポキシヘキサン1.14g(10mmol)を滴
下した。滴下終了後、室温で1.5時間撹拌した後、反応
液を氷水30mlにあけ、エーテル30mlで抽出したエーテル
層を、5%濃度の炭酸ナトリウム水溶液及び水で洗浄し
た後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。エーテルを留去
した後、減圧蒸留(クーゲラー、70〜80℃/12mmHg)
し、0.35gの(−)−2−フルオロ−2−メチル−1−
ヘキサノールを得た。収率は26%、ガスクロマトグラフ
ィーによる純度は93%、比旋光度▲〔α〕25 D▼は−0.7
゜(c=2.0,CHCl3)であった。
実施例2 ジイソプロピルアミン−フッ化水素[(i−Pr)2NH
・3HF]錯体3.4g(20mmol)とクロロホルム20mlに、氷
浴上で、(−)−2−メチル−1,2−エポキシヘキサン
1.14g(10mmol)を滴下した。滴下終了後、室温で24時
間撹拌した後、氷水30mlにあけ、クロロホルム層を分離
した。水層をエーテル30mlで抽出し、このエーテル層を
前記のクロロホルム層に合わせ、これを5%濃度の炭酸
ナトリウム水溶液及び水で洗浄した後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。エーテルを留去した後、減圧蒸留(ク
ーゲラー、70〜80℃/12mmHg)し、0.24gの(−)−2−
フルオロ−2−メチル−1−ヘキサノールを得た。収率
は18%、ガスクロマトグラフィーによる純度は94%、比
旋光度▲〔α〕25 D▼は−0.7゜(c=2.0,CHCl3)であ
った。
・3HF]錯体3.4g(20mmol)とクロロホルム20mlに、氷
浴上で、(−)−2−メチル−1,2−エポキシヘキサン
1.14g(10mmol)を滴下した。滴下終了後、室温で24時
間撹拌した後、氷水30mlにあけ、クロロホルム層を分離
した。水層をエーテル30mlで抽出し、このエーテル層を
前記のクロロホルム層に合わせ、これを5%濃度の炭酸
ナトリウム水溶液及び水で洗浄した後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。エーテルを留去した後、減圧蒸留(ク
ーゲラー、70〜80℃/12mmHg)し、0.24gの(−)−2−
フルオロ−2−メチル−1−ヘキサノールを得た。収率
は18%、ガスクロマトグラフィーによる純度は94%、比
旋光度▲〔α〕25 D▼は−0.7゜(c=2.0,CHCl3)であ
った。
実施例3 ジイソプロピルエチルアミン1.29g(100mmol)、水0.
72g(40mmol)、エーテル60mlの混合物中に、氷浴上
で、四フッ化ケイ素雰囲気下(2)、(−)−2−メ
チル−1,2−エポキシヘキサン1.14g(10mmol)のエーテ
ル溶液を滴下した。滴下終了後、1.5時間撹拌し、フッ
化カリウム水溶液150mlを加え、ヘキサンで抽出した
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した
後、減圧蒸留(クーゲラー、70〜80℃/12mmHg)し、0.3
3gの(−)−2−フルオロ−2−メチル−1−ヘキサノ
ールを得た。収率は25%、ガスクロマトグラフィーによ
る純度は99%、比旋光度▲〔α〕25 D▼は−1.2゜(c=
1.8,CHCl3)であった。
72g(40mmol)、エーテル60mlの混合物中に、氷浴上
で、四フッ化ケイ素雰囲気下(2)、(−)−2−メ
チル−1,2−エポキシヘキサン1.14g(10mmol)のエーテ
ル溶液を滴下した。滴下終了後、1.5時間撹拌し、フッ
化カリウム水溶液150mlを加え、ヘキサンで抽出した
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した
後、減圧蒸留(クーゲラー、70〜80℃/12mmHg)し、0.3
3gの(−)−2−フルオロ−2−メチル−1−ヘキサノ
ールを得た。収率は25%、ガスクロマトグラフィーによ
る純度は99%、比旋光度▲〔α〕25 D▼は−1.2゜(c=
1.8,CHCl3)であった。
実施例4 ジイソプロピルエチルアミン1.29g(10mmol)、エー
テル60ml、テトラブチルアンモニウムフルオライド1モ
ル濃度のテトラヒドロフラン溶液18ml(18mmol)の混合
液中に、四フッ化ケイ素雰囲気下(2)に、5℃より
低い温度に保ちながら、(−)−2−メチル−1,2−エ
ポキシヘキサン1.14g(10mmol)エーテル溶液40mlを滴
下した。滴下終了後、2時間かくはんし、フッ化カリウ
ム水溶液150ml、ヘキサン100mlを加えて抽出した。上層
を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶
媒を留去した後、減圧蒸留(クーゲラー、70〜80℃/12m
mHg)し、0.17gの(−)−2−フルオロ−2−メチル−
1−ヘキサノールを得た。収率は15%、ガスクロマトグ
ラフィー純度は94%、比旋光度▲〔α〕25 D▼は−1.2゜
(c=1.8,CHCl3)であった。
テル60ml、テトラブチルアンモニウムフルオライド1モ
ル濃度のテトラヒドロフラン溶液18ml(18mmol)の混合
液中に、四フッ化ケイ素雰囲気下(2)に、5℃より
低い温度に保ちながら、(−)−2−メチル−1,2−エ
ポキシヘキサン1.14g(10mmol)エーテル溶液40mlを滴
下した。滴下終了後、2時間かくはんし、フッ化カリウ
ム水溶液150ml、ヘキサン100mlを加えて抽出した。上層
を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶
媒を留去した後、減圧蒸留(クーゲラー、70〜80℃/12m
mHg)し、0.17gの(−)−2−フルオロ−2−メチル−
1−ヘキサノールを得た。収率は15%、ガスクロマトグ
ラフィー純度は94%、比旋光度▲〔α〕25 D▼は−1.2゜
(c=1.8,CHCl3)であった。
発明の効果 本発明の光学活性な2−フルオロ−2−メチル−1−
アルカノールは、前述したような種々の有用物質の中間
体として重要な化合物であり、本発明の製造方法による
と光学活性な2−メチル−1,2−エポキシアルカンを出
発物質として用い、安価に、簡便に光学活性な2−フル
オロ−2−メチル−1−アルカノールを製造することが
できるという格別の効果を奏する。
アルカノールは、前述したような種々の有用物質の中間
体として重要な化合物であり、本発明の製造方法による
と光学活性な2−メチル−1,2−エポキシアルカンを出
発物質として用い、安価に、簡便に光学活性な2−フル
オロ−2−メチル−1−アルカノールを製造することが
できるという格別の効果を奏する。
Claims (2)
- 【請求項1】次式(I) (式中Rは炭素中2乃至16個のアルキル基を、C*は光
学活性が誘起された不斉炭素を表わす)で示される光学
活性な2−フルオロ−2−メチル−1−アルカノール
類。 - 【請求項2】次式(II) (式中Rは炭素中2乃至16個のアルキル基を、C*は光
学活性が誘起された不斉炭素を表わす)で示される光学
活性なエポキシドにアミン−フッ化水素錯体または四フ
ッ化ケイ素を作用させることを特徴とする請求項(1)
に記載の光学活性な2−フルオロ−2−メチル−1−ア
ルカノール類の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5605889A JP2649572B2 (ja) | 1989-03-10 | 1989-03-10 | 光学活性な2―フルオロ―2―メチル―1―アルカノール類及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5605889A JP2649572B2 (ja) | 1989-03-10 | 1989-03-10 | 光学活性な2―フルオロ―2―メチル―1―アルカノール類及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02235828A JPH02235828A (ja) | 1990-09-18 |
JP2649572B2 true JP2649572B2 (ja) | 1997-09-03 |
Family
ID=13016482
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5605889A Expired - Lifetime JP2649572B2 (ja) | 1989-03-10 | 1989-03-10 | 光学活性な2―フルオロ―2―メチル―1―アルカノール類及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2649572B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4568002B2 (ja) * | 2003-04-17 | 2010-10-27 | 関東電化工業株式会社 | 光学活性な2−フルオロ−1,3−ジオール誘導体およびその製造方法 |
GB2582364A (en) * | 2019-03-21 | 2020-09-23 | Mexichem Fluor Sa De Cv | Methods |
-
1989
- 1989-03-10 JP JP5605889A patent/JP2649572B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02235828A (ja) | 1990-09-18 |
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