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JP2649572B2 - 光学活性な2―フルオロ―2―メチル―1―アルカノール類及びその製造方法 - Google Patents

光学活性な2―フルオロ―2―メチル―1―アルカノール類及びその製造方法

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JP2649572B2
JP2649572B2 JP5605889A JP5605889A JP2649572B2 JP 2649572 B2 JP2649572 B2 JP 2649572B2 JP 5605889 A JP5605889 A JP 5605889A JP 5605889 A JP5605889 A JP 5605889A JP 2649572 B2 JP2649572 B2 JP 2649572B2
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JP
Japan
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methyl
fluoro
optically active
amine
alkanols
Prior art date
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Application number
JP5605889A
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Inventor
順子 梅沢
敬三 古橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
Japan Energy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Energy Corp filed Critical Japan Energy Corp
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Publication of JPH02235828A publication Critical patent/JPH02235828A/ja
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、医薬、農薬、或いは液晶化合物等の機能性
材料などを製造するための中間体として利用される光学
活性な2−フルオロ−2−メチル−1−アルカノール類
及びこの化合物を製造する方法に関する。
従来の技術 2−フルオロ−2−メチル−1−アルカノール類の合
成方法としては、2−メチル−1,2−エポキシアルカン
にジイソプロピルエチルアミン及びテトラブチルアンモ
ニウムフルオライド或いは水の存在下に四フッ化ケイ素
を作用させる方法が、既に提案されている〔清水真、吉
岡宏輔,テトラヘドロン レターズ(Tetrahedoron Let
ters),29,p4101(1988)〕。しかし、この化合物はラ
セミ体であり、光学活性な化合物は未だ得られていな
い。ところで、特異な生理活性や機能を有する医薬や農
薬、さらには強誘電性液晶等の開発のための原料とし
て、この種の化合物の光学活性体の安価で大量の提供が
望まれていた。しかし、光学活性体をラセミ体からの光
学分割等で得る方法は、未だその手段も確立されておら
ず、またコストが非常に高くつくものと予想される。
発明が解決しようとする課題 本発明者は、かかる現状に鑑み、鋭意研究を進めた結
果、光学活性な2−メチル−1,2−エポキシアルカンに
アミン−フッ化水素錯体、または四フッ化ケイ素を作用
させると、驚くべきことにラセミ化することなく、光学
活性な2−フルオロ−2−メチル−1−アルカノールを
得ることができることを見い出した。本発明は、かかる
知見に基づきなされたもので、本発明の目的は、新規な
化合物である2−フルオロ−2−メチル−1−アルカノ
ール類及びこの光学活性体、さらにはこれらの化合物
の、安価で、しかも簡易な製造方法を提案することにあ
る。
課題を解決するための手段 本発明は次式、(I) (式中Rは炭素中2乃至16個のアルキル基を、Cは光
学活性が誘起された不斉炭素を表わす)で示される新規
な光学活性な2−フルオロ−2−メチル−1−アルカノ
ール類、及び次式(II) (式中Rは炭素中2乃至16個のアルキル基を、Cは光
学活性が誘起された不斉炭素を表わす)で示される光学
活性なエポキシドにアミン−フッ化水素錯体または四フ
ッ化ケイ素を作用させる前記2−フルオロ−2−メチル
−1−アルカノール類を製造することからなるものであ
る。
本発明の光学活性な2−フルオロ−2−メチル−1−
アルカノールとしては、(−)−2−フルオロ−2−メ
チル−1−ブタノール、(−)−2−フルオロ−2−メ
チル−1−ペンタノール、(−)−2−フルオロ−2,3
−ジメチル−1−ブタノール、(−)−2−フルオロ−
2−メチル−1−ヘキサノール、(−)−2−フルオロ
−2,3−ジメチル−1−ペンタノール、(−)−2−フ
ルオロ−2,4−ジメチル−1−ペンタノール、(−)−
2−フルオロ−2−メチル−1−ヘプタノール、(−)
−2−フルオロ−2,3−ジメチル−1−ヘキサノール、
(−)−2−フルオロ−2,4−ジメチル−1−ヘキサノ
ール、(−)−2−フルオロ−2,5−ジメチル−1−ヘ
キサノール、(−)−2−フルオロ−2,4,4,−トリメチ
ル−1−ペンタノール、(−)−2−フルオロ−2−メ
チル−1−オクタノール、(−)−2−フルオロ−2,4
−ジメチル−1−ヘプタノール、(−)−2−フルオロ
−2,6−ジメチル−1−ヘプタノール、(−)−2−フ
ルオロ−2−メチル−1−ノナノール、(−)−2−フ
ルオロ−2,4,4−トリメチル−1−ヘキサノール、
(−)−2−フルオロ−2−メチル−1−デカノール、
(−)−2−フルオロ−2−メチル−1−ウンデカノー
ル、(−)−2−フルオロ−2−メチル−1−ドデカノ
ール、(−)−2−フルオロ−2−メチル−1−トリデ
カノール、(−)−2−フルオロ−2−メチル−1−テ
トラデカノール、(−)−2−フルオロ−2−メチル−
1−ペンタデカノール、(−)−2−フルオロ−2−メ
チル−1−ヘキサデカノール、(−)−2−フルオロ−
2−メチル−1−ヘプタデカノール等、並びに(+)の
上記アルカノール類を例示しうる。
一方、上記化合物の製造方法の発明では、出発物質と
して光学活性を有する2−メチル−1,2−エポキシアル
カンを用いるが、この化合物としては、(−)−2−メ
チル−1,2−エポキシブタン、(−)−2−メチル−1,2
−エポキシペンタン、(−)−2,3−ジメチル−1,2−エ
ポキシブタン、(−)−2−メチル−1,2−エポキシヘ
キサン、(−)−2,3−ジメチル−1,2−エポキシペンタ
ン、(−)−2,4−ジメチル−1,2−エポキシペンタン、
(−)−2−メチル−1,2−エポキシヘプタン、(−)
−2,3−ジメチル−1,2−エポキシヘキサン、(−)−2,
4−ジメチル−1,2−エポキシヘキサン、(−)−2,5−
ジメチル−1,2−エポキシヘキサン、(−)−2,4,4−ト
リメチル−1,2−エポキシペンタン、(−)−2−メチ
ル−1,2−エポキシオクタン、(−)−2,4−ジメチル−
1,2−エポキシヘプタン、(−)−2,6−ジメチル−1,2
−エポキシヘプタン、(−)−2−メチル−1,2−エポ
キシノナン、(−)−2,4,4−トリメチル−1,2−エポキ
シヘキサン、(−)−2−メチル−1,2−エポキシデカ
ン、(−)−2−メチル−1,2−エポキシウンデカン、
(−)−2−メチル−1,2−エポキシドデカン、(−)
−2−メチル−1,2−エポキシトリデカン、(−)−2
−メチル−1,2−エポキシテトラデカン、(−)−2−
メチル−1,2−エポキシペンタデカン、(−)−2−メ
チル−1,2−エポキシヘキサデカン、(−)−2−メチ
ル−1,2−エポキシヘプタデカン等、並びに(+)の上
記エポキシド類を例示しうる。
上記光学活性を有するエポキシド類は微生物を利用し
て、相当するα−オレフィンを酸化することにより調製
できる(特開昭61−22958号公報参照)。
また、この製造の際に用いるアミン−フッ化水素錯体
は、アミン中に無水フッ化水素を滴下、混合することに
より、容易に調製することができる。この錯体のアミン
とフッ化水素の割合は、これらの化合物の混合比を調整
することにより容易に行え、一旦調製したアミン−フッ
化水素錯体でも、再びアミンかフッ化水素を添加するこ
とにより、その比を容易に変えることができる。また、
この錯体はアミンとフッ化水素酸を混合し、減圧下、水
を留去することによっても調製できる。
さらに、アミン−フッ化水素錯体に代えて、四フッ化
ケイ素を作用させても良い。この四フッ化ケイ素を作用
させる場合は、アミン及びテトラブチルアンモニウムフ
ルオライド又はその水の存在下に反応を行うことが、反
応を円滑に進行させる上で、特に好ましい。しかし、こ
の方法は、アミン−テトラブチルアンモニウムフルオラ
イドを添加した系ではポリマーが生成するため、またア
ミン−水系では反応混合物がゲル状となり、生成物の分
離回収操作が煩雑となる場合があるのであまり好ましく
ない。
尚、上記アミン−フッ化水素錯体及び四フッ化ケイ素
を作用させる際に存在させるアミンとしては、プロピル
アミン、イソプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチ
ルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、
ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジイソプロピルア
ミン、ジブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、トリ
エチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミ
ン、ヘキシルアミン、ジヘキシルアミン、トリヘキシル
アミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、tert−オク
チルアミン、ジオクチルアミン、デシルアミン、オクタ
デシルアミン、ピリジン、メラミン等を例示しうる。
上記のエポキシド類とアミン−フッ化水素錯体或いは
四フッ化ケイ素との反応は、そのまま無溶媒で行っても
よいし、また、クロロホルム、塩化メチレン、四塩化炭
素、ジエチルエーテル、酢酸エチル、アセトン、ヘキサ
ン、ベンゼン、アセトニトリルなどの有機溶媒中で行っ
ても良い。
また、この反応は、−20゜〜130℃の広範囲の温度で
行うことができ、最適な反応温度は、実際に使用するア
ミン−フッ化水素錯体、アミンの種類および溶媒の種類
等に応じて決めるとよい。
また、反応時間は反応温度に応じて0.5〜30時間の範
囲で適宜選定される。
さらに、上記のエポキシド類に対するアミン−フッ化
水素錯体の使用量はアミン量で0.5〜10当量の範囲で、
四フッ化ケイ素の使用量は5〜10当量の範囲で適宜選定
することが適当である。また、四フッ化ケイ素を用いる
場合のアミンの添加量は、原料のエポキシドに対して0.
5〜10当量、テトラブチルアンモニウムフルオライド或
いは水の添加量は1〜4当量の範囲から適宜選定するこ
とが好ましい。
上記により反応を行った後、当該反応生成物について
相分離、抽出、蒸留、カラムクロマトグラフィー等の手
法により、光学活性な2−フルオロ−2−メチル−1−
アルカノールを分離して精製する。
以上の本発明の化合物は、ヒドロキシ基を結合子とし
て各種の化合物と反応させ、新たな機能を有する医薬や
農薬、或いは液晶化合物等を合成することができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1 ジイソプロピルアミン−フッ化水素〔(i−Pr)2NH
・4NF〕錯体2.7g(15mmol)に、氷浴上で、(−)−2
−メチル−1,2−エポキシヘキサン1.14g(10mmol)を滴
下した。滴下終了後、室温で1.5時間撹拌した後、反応
液を氷水30mlにあけ、エーテル30mlで抽出したエーテル
層を、5%濃度の炭酸ナトリウム水溶液及び水で洗浄し
た後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。エーテルを留去
した後、減圧蒸留(クーゲラー、70〜80℃/12mmHg)
し、0.35gの(−)−2−フルオロ−2−メチル−1−
ヘキサノールを得た。収率は26%、ガスクロマトグラフ
ィーによる純度は93%、比旋光度▲〔α〕25 D▼は−0.7
゜(c=2.0,CHCl3)であった。
実施例2 ジイソプロピルアミン−フッ化水素[(i−Pr)2NH
・3HF]錯体3.4g(20mmol)とクロロホルム20mlに、氷
浴上で、(−)−2−メチル−1,2−エポキシヘキサン
1.14g(10mmol)を滴下した。滴下終了後、室温で24時
間撹拌した後、氷水30mlにあけ、クロロホルム層を分離
した。水層をエーテル30mlで抽出し、このエーテル層を
前記のクロロホルム層に合わせ、これを5%濃度の炭酸
ナトリウム水溶液及び水で洗浄した後、無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥した。エーテルを留去した後、減圧蒸留(ク
ーゲラー、70〜80℃/12mmHg)し、0.24gの(−)−2−
フルオロ−2−メチル−1−ヘキサノールを得た。収率
は18%、ガスクロマトグラフィーによる純度は94%、比
旋光度▲〔α〕25 D▼は−0.7゜(c=2.0,CHCl3)であ
った。
実施例3 ジイソプロピルエチルアミン1.29g(100mmol)、水0.
72g(40mmol)、エーテル60mlの混合物中に、氷浴上
で、四フッ化ケイ素雰囲気下(2)、(−)−2−メ
チル−1,2−エポキシヘキサン1.14g(10mmol)のエーテ
ル溶液を滴下した。滴下終了後、1.5時間撹拌し、フッ
化カリウム水溶液150mlを加え、ヘキサンで抽出した
後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去した
後、減圧蒸留(クーゲラー、70〜80℃/12mmHg)し、0.3
3gの(−)−2−フルオロ−2−メチル−1−ヘキサノ
ールを得た。収率は25%、ガスクロマトグラフィーによ
る純度は99%、比旋光度▲〔α〕25 D▼は−1.2゜(c=
1.8,CHCl3)であった。
実施例4 ジイソプロピルエチルアミン1.29g(10mmol)、エー
テル60ml、テトラブチルアンモニウムフルオライド1モ
ル濃度のテトラヒドロフラン溶液18ml(18mmol)の混合
液中に、四フッ化ケイ素雰囲気下(2)に、5℃より
低い温度に保ちながら、(−)−2−メチル−1,2−エ
ポキシヘキサン1.14g(10mmol)エーテル溶液40mlを滴
下した。滴下終了後、2時間かくはんし、フッ化カリウ
ム水溶液150ml、ヘキサン100mlを加えて抽出した。上層
を水で洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶
媒を留去した後、減圧蒸留(クーゲラー、70〜80℃/12m
mHg)し、0.17gの(−)−2−フルオロ−2−メチル−
1−ヘキサノールを得た。収率は15%、ガスクロマトグ
ラフィー純度は94%、比旋光度▲〔α〕25 D▼は−1.2゜
(c=1.8,CHCl3)であった。
発明の効果 本発明の光学活性な2−フルオロ−2−メチル−1−
アルカノールは、前述したような種々の有用物質の中間
体として重要な化合物であり、本発明の製造方法による
と光学活性な2−メチル−1,2−エポキシアルカンを出
発物質として用い、安価に、簡便に光学活性な2−フル
オロ−2−メチル−1−アルカノールを製造することが
できるという格別の効果を奏する。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式(I) (式中Rは炭素中2乃至16個のアルキル基を、Cは光
    学活性が誘起された不斉炭素を表わす)で示される光学
    活性な2−フルオロ−2−メチル−1−アルカノール
    類。
  2. 【請求項2】次式(II) (式中Rは炭素中2乃至16個のアルキル基を、Cは光
    学活性が誘起された不斉炭素を表わす)で示される光学
    活性なエポキシドにアミン−フッ化水素錯体または四フ
    ッ化ケイ素を作用させることを特徴とする請求項(1)
    に記載の光学活性な2−フルオロ−2−メチル−1−ア
    ルカノール類の製造方法。
JP5605889A 1989-03-10 1989-03-10 光学活性な2―フルオロ―2―メチル―1―アルカノール類及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2649572B2 (ja)

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