JP2531307B2 - 全芳香族ポリエステル樹脂組成物およびオ―ブンウエア - Google Patents
全芳香族ポリエステル樹脂組成物およびオ―ブンウエアInfo
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Description
度、小さな異方性(溶融体の流れ方向と直角方向の性質
の差)、優れた外観、厚生省20号に基づく溶出試験にお
ける低い溶出性、優れた離型性および非粘着性を示す全
芳香族ポリエステル樹脂組成物および該全芳香族ポリエ
ステル樹脂組成物で成形されたオーブンウエアに関す
る。
リメチルペンテン、ポリスルホンなどは電子レンジ用の
調理容器として使用されている。しかしながら、マイク
ロ波照射とオーブン加熱方式が加味された電子オーブン
レンジの調理容器すなわちオーブンウエアには、優れた
耐熱性、電気特性、耐薬品性、外観など数々の性能が要
求され、特に耐熱性については、高周波による発熱だけ
でなく、オーブン加熱が加わるため、非常に高い性能が
要求される。たとえば、 200〜250 ℃においても変形は
みられず、実用的な機械的特性を有していなければなら
ない。
基づく、種々の優れた性質を有しており、特に耐熱性の
点ではあらゆる樹脂の中でぬきんでている。なかでもテ
レフタル酸やイソフタル酸とパラヒドロキシ安息香酸あ
るいはその誘導体と4,4’−ジヒドロキシジフェニル
あるいはその誘導体から製造される全芳香族ポリエステ
ル樹脂は射出成形可能でかつ高い耐熱性、耐薬品性、耐
油性、耐放射線性、絶縁性など数々の優れた性能をもち
あわせているため、電気、電子分野を中心に広範な用途
に使用されている。例示すると、モーター部品(コンミ
テーター、ブラシホルダー)、ヘアードライヤーグリ
ル、ランプホルダー、リレー部品,プリント基板、コネ
クター、ボビン、IC製造装置部品(ICソケット、ス
リーブ、ウェハーバスケットなど)、サーミスターケー
ス、ヒートシーラー部品、製缶用治具などがある。また
誘電正接が0.004 〜0.02と従来のポリエステルと同様に
大きいにもかかわらず、結晶化度が高く、熱変形温度は
250℃以上と非常に高いため、マイクロ波を照射しても
発熱は熱変形温度以下におさえられ、容易に変形しない
ことから、オーブンウエアとしての耐熱性を有してい
る。
は溶融時液晶性を示すため、射出成形した場合、得られ
た成形品は溶融体の流れ方向(MD)に著しく配向する
ため、MDとそれに直角な方向(TD)との収縮率の差
が大きく
れと直角方向では低い強度を示し、異方性は大きい。ま
た外観は不均一な流れ模様の発生のため美麗ではない。
したがって、該芳香族ポリエステル樹脂でオーブンウエ
アのような比較的大きい形状のものを成形した場合、反
りを生じることが多く、快い外観は得られない。
もつ問題点を解決するために、従来から種々の繊維状強
化材や充填材の配合が検討されてきた。しかしながら、
ガラス繊維などの繊維状強化材を配合した場合、その配
合量に応じて、剛性の向上と成形収縮率の低下が認めら
れるが、異方性の改良効果は小さく、また外観の改良効
果は得られない。また特開平1-165667号公報には、該全
芳香族ポリエステル樹脂にガラス繊維と酸化チタンを配
合した組成物が開示されているが、酸化チタンの配合に
より、外観は幾分改良されるものの異方性の改良効果は
充分でない。
芳香族ポリエステル樹脂にタルクと酸化チタンを配合し
た組成物が開示されているが、これは、該全芳香族ポリ
エステルの樹脂の流動性を損なわないで、著しく外観、
異方性を改良することができるが、機械的強度の低下が
大きい。特に衝撃強度の低下が大きく、オーブンウエア
の容器とした場合、強度的に不充分である。
香族ポリエステル樹脂、ウォラストナイトおよび酸化チ
タンからなる組成物で成形されたオーブンウエアが開示
されている。この組成物は高い機械的強度、小さな異方
性および優れた外観を有するが、該成形品を厚生省20号
に基づく溶出試験、たとえば4%酢酸水溶液中で 121℃
で 120分の溶出試験を行なった場合、蒸発残留物で表さ
れる溶出量が500ppmを越える極めて高い値を示すため、
オーブンウエアのような食品調理容器として使用するに
は好ましくない。これは該組成物中のウォラストナイト
が4%酢酸中に溶出するためである。
と機械的強度、小さな異方性、優れた外観、厚生省20号
に基づく溶出試験における低い溶出性、優れた離型性お
よび非粘着性を有する全芳香族ポリエステル樹脂組成物
および該全芳香族ポリエステル樹脂組成物で成形された
オーブンウエアを提供することを目的とするものであ
る。
点を解決するために鋭意検討した結果、該全芳香族ポリ
エステル樹脂に、ガラス繊維、シリカアルミナ繊維から
選ばれた少なくとも一種の繊維状強化材、ガラスビー
ズ、酸化チタンおよび特定構造のフルオロカーボン重合
体を特定量配合することにより、上記目的が達成される
組成物を得、該組成物から得られた成形品は、オーブン
ウエアとして優れた適性を有することを見出し本発明に
至った。
よび(C)で表される繰り返し構造単位からなる全芳香
族ポリエステル樹脂40〜79.5wt%、ガラス繊維、シリカ
アルミナ繊維から選ばれた少なくとも一種の繊維状強化
材 5〜25wt%、ガラスビーズ10〜40wt%、酸化チタン 5
〜25wt%および末端までフッ素化され、下記の方法で求
めた流動温度が 350℃以下のフルオロカーボン重合体
0.5〜10wt%とからなり、繊維状強化材、ガラスビー
ズ、酸化チタンおよびフルオロカーボン重合体の合計量
が全樹脂組成物の20.5〜60wt%である高い耐熱性と機械
的強度、小さな異方性、優れた外観、厚生省20号に基づ
く溶出試験における低い溶出性、優れた離型性および非
粘着性を有する全芳香族ポリエステル樹脂組成物、およ
び該全芳香族ポリエステル樹脂組成物で成形されたオー
ブンウエアを提供するものである。
─であり、m、nは独立に0または1である。 (A):(B)の比は1:1〜10:1の範囲にあり、
(B):(C)の比は9:10〜10:9の範囲にある。ま
た上式中の芳香環の置換基は互いにパラまたはメタの位
置にある。)流動温度:内径1mm、長さ10mmのノズルを
もつ毛細管レオメーターを用い、 100kg/cm2の荷重下
において、4℃/分の昇温速度で加熱溶融体をノズルか
ら押出すときに、溶融粘度が48,000ポイズを示す温度。
の成分としては、たとえばパラヒドロキシ安息香酸、メ
タヒドロキシ安息香酸、テレフタル酸、イソフタル酸、
ハイドロキノン、レゾルシン、4,4’−ジヒドロキシ
ジフェニル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテ
ル、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,
4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−
ジヒドロキシベンゾフェノンなどやこれらの誘導体を用
いることができる。
シ安息香酸あるいはそのエステル、テレフタル酸、イソ
フタル酸あるいはそのエステル、4,4’−ジヒドロキ
シジフェニルあるいはそのエステルの組み合わせが特に
好ましい。該芳香族ポリエステルの重合法としては、特
開昭56−104932号公報、特開昭57−44622 号公報などに
開示される方法が可能であるが、特にこれらに限定され
るものではない。
強化材として一般的に用いられるもので、数平均繊維長
50〜 250μm のミルドガラス繊維と称される短繊維、数
平均繊維長2〜5mmのチョップドガラス繊維と称される
長繊維が適用されるが、成形品の外観からミルドガラス
繊維が好適である。ミルドガラス繊維の中でも数平均繊
維径が10μm 以下のものが特に好ましい。ミルドガラス
繊維の例としては EFH75-01、EFDE-50-01(以上セント
ラル硝子(株)製)、 REV-8(日本硝子繊維(株)製)
などがある。
は、シリカとアルミナとを主成分とするもので、種々の
組成比のものが市販されており、一般にセラミックファ
イバーと呼ばれているものである。これには、シリカあ
るいはアルミナを主成分とするアルミナ質繊維あるいは
シリカ質繊維をも含むものである。
は、高純度のシリカとアルミナのほぼ等量を電気溶融
し、その細流を高圧の空気で吹きとばすことにより繊維
化したもので、一般的な数平均繊維長は50〜200 μm で
ガラス繊維に比べ数平均繊維径は 1.8〜3.0 μm と細
く、かつ最高使用温度も1260℃と高い。市販されている
ものの例としてはイビウール(登録商標)CP-U3 、イビ
ウール(登録商標)CP-U11(イビデン(株)製)、カオ
ウール(登録商標)(イソライト工業(株)製)などが
ある。また市販されているアルミナ質繊維の例として
は、サフィル(登録商標)(アイシーアイジャパン
(株)製)がある。
の充填材として一般的に用いられるもので,特にE−ガ
ラスを原料とし重量平均直径が50μm 以下が好ましい。
市販されているものの例としてはEGB731(東芝バロティ
ーニ(株)製)などがある。
は無処理品で使用されるが、本発明の目的効果を損なわ
ない範囲で、樹脂との親和性を向上させるために、アミ
ノシラン、エポキシシランカップリング剤などで表面処
理されたものとしても使用され得る。
チタンTiO2 のことで一般的に陰ぺい力の大きい白色
顔料として広く使用されているものである。結晶系には
アナタース型とルチル型があり、前者は準安定性であ
り、高温で安定なルチル型に転移する。またルチル型は
アナタース型より屈折率が大きく陰ぺい力も約35%高く
なることから、本発明においても、ルチル型の方が好ま
しい。重量平均粒径としては0.10〜0.40μm のものが一
般的である。またAlやSiなどの含水酸化物や樹脂と
相溶性のよい有機物でその表面を処理したものも熱安定
性に悪影響を与えない範囲で使用することができる。市
販されているものの例としてはタイペーク(登録商標)
CR−50、CR−60、A−100 (石原産業(株)製)、
KR310 (チタン工業(株)製)などがある。
〜79.5wt%、ガラス繊維、シリカアルミナ繊維から選ば
れた少なくとも一種の繊維状強化材 5〜25wt%、ガラス
ビーズ10〜40wt%、酸化チタン 5〜25wt%および末端ま
でフッ素化され、流動温度が350 ℃以下のフルオロカー
ボン重合体 0.5〜10wt%で、繊維状強化材、ガラスビー
ズ、酸化チタンおよびフルオロカーボン重合体の合計量
が全樹脂組成物の20.5〜60wt%配合したものが有効であ
る。
酸化チタンおよびフルオロカーボン重合体の合計量が樹
脂組成物の60wt%を越え、全芳香族ポリエステルの量が
40wt%未満の時は、溶融流動性が劣り成形が困難となる
か、成形できてももろくオーブンウエアとしては実用に
耐えない。一方、繊維状強化材、ガラスビーズ、酸化チ
タンおよびフルオロカーボン重合体の合計量が20.5wt%
未満の時は、異方性の改良効果は不十分でオーブンウエ
アを成形した場合反りを生ずる。
チタンおよびフルオロカーボン重合体の合計量が全樹脂
組成物の20.5〜60wt%であっても、繊維状強化材の量が
5wt%未満であれば、機械的強度が不十分で、25wt%を
超えると得られた成形品の外観は損なわれる。一方、ガ
ラスビーズの量が10wt%未満であれば異方性改良効果は
不十分で、40wt%を超えると機械的強度の低下が大き
い。さらに、酸化チタンの量が5wt%未満であれば外観
の改良効果は不十分で、25wt%を越えて配合しても25wt
%以下の時と外観は同等で、機械的強度の低下をまね
く。さらに、フルオロカーボン重合体の量が 0.5wt%未
満であれば、離型性および非粘着性改良効果は不十分
で、10wt%を超えると機械的強度の低下をまねく。
体は、末端までフッ素化され、下記の方法で求めた流動
温度が 350℃以下の低分子量フルオロカーボン重合体で
ある。フルオロカーボン重合体の中では、ポリテトラフ
ルオロエチレン(以下PTFEと略す)が好ましい。流
動温度:内径1mm、長さ10mmのノズルをもつ毛細管レオ
メーターを用い、 100kg/cm2の荷重下において、4℃
/分の昇温速度で加熱溶融体をノズルから押出すとき
に、溶融粘度が48,000ポイズを示す温度。
合、成形時の金型からの離型が改良されるだけでなく、
オーブンウエアとして使用した場合、非粘着性に優れた
ものとなる。さらに熱安定性および組成物中における分
散性にも優れた組成物が得られる。
118331号公報や特開昭61−162503号公報に記載されてい
るように、含フッ素ポリマーを 250〜 550℃において、
含チッ素フッ素化合物と接触反応させることにより製造
されるか、分子状フッ素、ハロゲン化フッ化物、および
希ガスのフッ化物の少なくとも1種と接触反応させるこ
とにより製造される。市販されているものの例としては
セフラルルーブ(登録商標)I、IP(セントラル硝子
(株)製)などがある。
目的を損なわない範囲で、酸化防止材および熱安定剤、
紫外線吸収剤、染料、顔料などの着色剤などの通常の添
加剤を一種以上添加することもできる。
に限定されない。全芳香族ポリエステル、繊維状強化
材、ガラスビーズ、酸化チタンおよびフルオロカーボン
重合体をヘンシェルミキサー、タンブラーなどで用いて
混合した後、押出機を用いて溶融混練するのが一般的で
ある。
度、小さな異方性、優れた外観および厚生省20号に基づ
く溶出試験における低い溶出性、優れた離型性および非
粘着性を示すもので、該組成物から成形された容器はオ
ーブンウエアとして好適な特性を有するものである。
れらに限定されるものではない。参考例1(全芳香族ポ
リエステルAの製造)p−アセトキシ安息香酸10.8kg
(60モル)、テレフタル酸2.49kg(15モル)、イソフタ
ル酸0.83kg(5モル)および4,4’−ジアセトキシジ
フェニル5.45kg(20.2モル)を櫛型攪拌翼をもつ重合槽
に仕込み、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら昇温し 330
℃で1時間重合させた。この間に副生する酢酸を除去し
ながら、強力な攪拌下で重合させた。その後、系を徐々
に冷却し、 200℃で反応混合物を系外へ取出した。反応
混合物の収量は13.25 kgで理論収量の97.8%であった。
これを細川ミクロン(株)製のハンマーミルで粉砕し、
2.5mm以下の粒子とした。これをさらにロータリーキル
ン中で窒素ガス雰囲気下に 280℃で3時間処理すること
によって、流動温度が 324℃の粒子状の下記の繰り返し
構造単位からなる全芳香族ポリエステルAを得た。この
ポリマーは加圧下で 340℃以上で光学異方性を示した。
酸 3.154kg(19モル)、イソフタル酸0.166 kg(1モ
ル)および4,4’−ジアセトキシジフェニル5.45kg
(20.2モル)を参考例1と同じ条件下で重合させて反応
混合物を得た。これを参考例1と同様に粉砕したあと、
さらに窒素ガス雰囲気下にロータリーキルン中 280℃で
3時間熱処理後、 325℃で3時間熱処理することによっ
て、流動温度が 375℃の粒子状の下記繰り返し構造単位
からなる全芳香族ポリエステルBを得た。このポリマー
は加圧下で 385℃以上で光学異方性を示した。
次の方法で測定された。○流動温度:(株)島津製作所
製の高化式フローテスターCFT−500 型で測定され、
4℃/分の昇温速度で加熱溶融された樹脂を荷重 100kg
/cm2 の下で内径1mm、長さ10mmのノズルから押出すと
きに、該溶融粘度が48,000ポイズを示す点における温度
である。この温度の低い樹脂ほど流動性が大である。○
光学異方性:溶融状態における樹脂の光学異方性は、加
熱ステージ上に置かれた粉末状の樹脂を偏光下10℃/分
で昇温して肉眼観察により行なった。なお静置下で完全
溶融しない場合はスプリング圧を利用し加圧下で行なっ
た。
が50μm のガラス繊維(セントラル硝子(株)製EFDE50
−01)、重量平均直径が17μm のガラスビーズ(東芝バ
ロティーニ(株)製)EGB 731 )および酸化チタン(石
原産業(株)製CR−60)を表1に示した組成で混合し、
二軸押出機(池貝鉄工(株)製 PCM−30) を用いて 340
℃の温度で溶融混練することによりペレットを得た。こ
れらを射出成形機(日精樹脂工業(株)製PS40E 5ASE)
を用いて、シリンダー温度 350℃、金型温度 130℃で成
形収縮率測定用試験片(64mm角×3mm厚)、引張テスト
用ASTM 4号ダンベル、加熱変形温度(HDT) 測定用試験片
(127 mm長×12.7mm幅× 6.4mm厚)の成形を行なった。
成形収縮率については、MDとTDの寸法を測定することに
より求め、引張強度、 HDTについては、それぞれ ASTM
D638、 ASTM D648に準拠して測定した。また HDT測定用
試験片から長さ方向に二等分したものからアイゾット衝
撃強度(ノッチなし) を ASTM D256に準拠して測定し
た。これらの結果を表1にまとめて記す。
(株)製 515/150 MS型)を用いて、シリンダー温度 3
40℃、金型温度 180℃で 148×104 ×深さ32mm(厚み
1.6〜2.0 mm)の容器を成形した結果、すべての組成物
とも反りのない良好な外観を有するものが得られた。比
較例1の組成物:全芳香族ポリエステルA/ガラス繊維
/ガラスビーズ/酸化チタン=50/15/25/10wt%
を用いて、下記の示す方法により、耐落下衝撃性、耐電
子オーブン性、食品汚染性、厚生省20号に基づく溶出試
験を行なった。結果を表2に示す。
プラスチックタイル上に落とし、クラックのはいるまで
の落下回数を測定した。20回落下後クラックがはいらな
い場合は>20と記す。○耐電子オーブンレンジ性:オー
ブン電子レンジ(松下電器(株)製NE−8300型)のター
ンテーブル上に空容器をのせ、10分間マイクロ波を照射
した後、 600Wの電気ヒーターで 250℃まで加熱し10分
間保持した後取り出し、寸法外観を調べた。 ○食品汚染性:容器にしょう油50ccをいれ、オーブン電
子レンジ(松下電器(株)製NE−8300型)のターンテー
ブル上にのせ、15分マイクロ波を照射後、洗浄する工程
を5回繰り返した後の外観を調べた。○厚生省20号に基
づく溶出試験:収縮率測定用試験片を用いて4%酢酸水
溶液中で 121℃で 120分の溶出試験を行なった後、酢酸
水溶液の蒸発残留量を測定し溶出量とした。
ルBを用いて比較例1に相当する組成物を作り、その特
性を測定した。なお、二軸押出機の溶融混練温度は 370
℃で射出成形のシリンダー温度は 400℃に設定した以外
は比較例1と同様にして行なった。結果を表3に表す。
まったく同様にして容器を成形したが、反りのない良好
な外観を有するものが得られ、落下衝撃性、耐電子レン
ジ性、食品汚染性、厚生省20号に基づく溶出試験におい
ても比較例1、2と同様の結果を示した。
酸化チタン=50/15/25/10wt%からなる比較例1の組
成物、および全芳香族ポリエステルB/ガラス繊維/ガ
ラスビーズ/酸化チタン=50/15/25/10wt%からなる
比較例3の組成物について、各々の組成物 100重量部に
対し、末端までフッ素化され、流動温度が 318℃のPT
FE(セントラル硝子(株)製セフラルルーブ(登録商
標)I)を3重量部添加した組成物をそれぞれ、比較例
1および比較例3の方法により得、射出成形後、成形収
縮率、引張強度、アイゾット衝撃強度、HDTを測定す
るとともに成形品外観を確認した。結果を表4に示す。
比較例3との比較において、PTFEを添加することに
より引張強度、HDTは若干低下し、アイゾット衝撃強
度は若干向上する傾向を示した。また成形収縮率に対し
てはほとんど変わらない値を示した。
較例2の方法に従って容器を成形した。いずれも、金型
からの離型が良好で反りのない良好な外観を有する容器
が得られた。また、落下衝撃性,耐電子レンジ性、食品
汚染性、厚生省20号に基づく溶出試験においても比較例
3と同等の結果を示した。
の組成物から得られた容器それぞれに、しょう油25gを
いれ、オーブン電子レンジ(シャープ(株)製RE−HL10
型)のターンテーブル上にのせ、ヒーター加熱により 2
50℃の設定温度で10分間加熱後、洗浄する工程を5回繰
り返した後の外観を調べた。PTFEを添加した実施例
1、実施例2の組成物から得られた容器は、加熱後、し
ょう油の焼けこげたものがこびりついた状態となるが、
洗浄することにより焼けこげが落ち、5回繰り返した後
も着色はほとんどみられなかった。
及び比較例3から得られた容器は、洗浄しても完全に落
ちず、1回目の状態から若干の着色がみられた。 しょう
油の代わりに、ソース、カレーを入れた場合もまったく
同様の結果であった。 表1〜2 表3〜4
Claims (2)
- 【請求項1】下式(A)、(B)および(C)で表され
る繰り返し構造単位からなる全芳香族ポリエステル樹脂
40〜79.5wt%、ガラス繊維、シリカアルミナ繊維から選
ばれた少なくとも一種の繊維状強化材5〜25wt%、ガラ
スビーズ10〜40wt%、酸化チタン5〜25wt%および末端
までフッ素化され、下記の方法で求めた流動温度が 350
℃以下のフルオロカーボン重合体 0.5〜10wt%とからな
り、繊維状強化材、ガラスビーズ、酸化チタンおよびフ
ルオロカーボン重合体の合計量が全樹脂組成物の20.5〜
60wt%である全芳香族ポリエステル樹脂組成物。 【化1】 (上式中Xは─O─、─SO2 ─、─S─または─CO
─であり、m、nは独立に0または1である。 (A):(B)の比は1:1〜10:1の範囲にあり、
(B):(C)の比は9:10〜10:9の範囲にある。ま
た上式中の芳香環の置換基は互いにパラまたはメタの位
置にある。)流動温度:内径1mm、長さ10mmのノズルを
もつ毛細管レオメーターを用い、 100kg/cm2の荷重下
において、4℃/分の昇温速度で加熱溶融体をノズルか
ら押出すときに、溶融粘度が48,000ポイズを示す温度。 - 【請求項2】請求項1記載の全芳香族ポリエステル樹脂
組成物で成形されたオーブンウエア。
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