JP2529557B2 - 鉛合金製不溶性陽極 - Google Patents
鉛合金製不溶性陽極Info
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- JP2529557B2 JP2529557B2 JP61241418A JP24141886A JP2529557B2 JP 2529557 B2 JP2529557 B2 JP 2529557B2 JP 61241418 A JP61241418 A JP 61241418A JP 24141886 A JP24141886 A JP 24141886A JP 2529557 B2 JP2529557 B2 JP 2529557B2
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- plating
- lead
- lead alloy
- corrosion resistance
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Description
産業上の利用分野 本発明は、鉛合金製不溶性陽極に関するものであり、
特には硫酸系浴にて優れた耐食性を有するPb−Tl−In系
不溶性陽極に関する。本発明陽極は高電流密度下でさえ
も優れた耐食性を示すので、近時採用される傾向にある
高電流密度に対応しうる機能型電極であり、特に金属電
気メツキ用途や電解金属箔製造用途、電解精錬用途等に
好適に用いられる。特定的には、電気亜鉛厚メツキや電
解銅箔製造に有用に用いられる。本発明電極の使用によ
り生産ライン速度の上昇、メツキ膜或いは金属箔形成の
スピードアツプ等の生産性の向上が図れると同時に、腐
食量の減少に伴う電極寿命の延長、浴管理及び保守の容
易化といつた多くのメリツトが得られる。 発明の背景 電気メツキ技術は、云うまでもなく、耐食性付与その
他様々の目的のために工業界に不可欠の重要な技術であ
り、鉄鋼材料ストリツプ、銅板等の被メツキ材にZn、S
n、Ni、Cu、Feその他並びにその合金を電気メツキする
ことが広く行われている。中でも、鉄鋼材料の電気亜鉛
メツキの普及は著しく、自動車、家電製品等の分野で需
要が増大している。 とりわけ、自動車の車体の電気亜鉛メツキにおいては
亜鉛付着量の多い厚亜鉛メツキが求められ、高電流密度
を使用しての電気メツキ操業が実施されつつある。従
来、可溶性陽極が用いられていたが、上記のような高電
流密度化に対応するべくまた可溶性陽極の使用に伴うメ
ツキ液管理の困難さ、極間ピツチの拡大による保守の面
倒さといつた難点を解消するため、現在では不溶性陽極
が脚光をあび、可溶性陽極から不溶性陽極への転換が進
行中である。 更に、電解金属箔、特に銅箔の製造においても不溶性
陽極が用いられる。電解銅箔の製造は、例えばチタン製
のドラムのほぼ3時〜6時及び6時〜9時の位置に一定
の間隔を置いて不溶性陽極を対置せしめ、ドラムと不溶
性陽極間の間隙に硫酸銅液を循回せしめ、陰極としての
ドラム周囲に銅を電着せしめ、連続的に電着した銅箔を
ドラムから剥ぎ取ることによつて為されている。銅箔は
エレクトロニクス産業において大量に用いられ、その生
産性を高めるために従来より高電流密度での操業が検討
されつつある。 このように、不溶性陽極はメツキ及び箔製造等におい
て重要な地位を占めている。 従来技術とその問題点 不溶性陽極としては、従来、鉛製のものが主として使
用されていた。その理由は、鉛はメツキ液や箔製造電解
液に対して耐食性があり、そしてメツキ通電によつてそ
の表面に二酸化鉛が生成され、この二酸化鉛が放電面と
して好適に作用するからである。 しかしながら、生成する二酸化鉛は内部歪を有するた
め鉛表面から剥離しやすく、不溶性陽極の耐久力が乏し
いという重大な欠点が認識されるようになつた。 主として電気メツキを例にとつて従来技術を検討して
みると、この剥離対策として、鉛中に種々の合金成分を
含有させた鉛合金の使用が提唱されている。そうした中
で、Pb−In及びPb−Tlの鉛合金は基本的に良好な挙動を
示す。例えば特開昭59−28598号はPb−0.5〜10%In或い
はPb−0.5〜10%In−0.5〜10%Agを開示する。特公昭60
−45718号は、Pb−0.8〜6%Tl或いはPb−0.8〜6%Tl
−0.3〜6%Agを開示する。両者ともPb−In或いはPb−T
lの耐食性を改善するためにAgの添加を記載している。 しかしながら、Agの添加は (イ) Agは高価な貴金属である (ロ) AgはPbに比較して融点が高い 点で不溶性陽極用添加元素として必ずしも好ましいもの
でなく、またその耐食性増大効果も充分とは云えない。
特に、高電流密度下ではPb−In−(Ag)及びPb−Tl−
(Ag)いずれも所期の耐食性を示さない。 最初に述べた通り、斯界では、電気メツキ、電解箔製
造等において高電流密度化操業採用の傾向にあり、従つ
て低電流密度下のみならず高電流密度下でも優れた耐食
性を示し、しかも製造加工等を容易ならしめる低融点型
の不溶性陽極の開発が要望されている。 発明の目的 こうした状況に鑑み、本発明は、金属メツキ、電解箔
製造等の各種電解操業において、高価な貴金属を含ま
ず、鉛より融点の高い成分を含まず、そして高電流密度
下でも優れた耐食性を示す鉛合金不溶性陽極の開発を目
的とする。 発明の概要 上記目的に向け鋭意研究の結果、TlとInとの併用が上
記目的に対してきわめて有益であるとの知見を得た。こ
れまてPb−In或いはPb−TlとTl或いはInの単独添加は為
されていたが、その組合せ添加の試みは為されたことは
なかつた。TlとInの併用が高電流密度下での耐食性に有
益に寄与することは先行技術からは全く示唆されず、新
たな意義ある知見である。実験の結果、重量%で、0.5
〜9%Tlと0.01〜6%Inとの組合せが効果的であること
が判明した。 斯くして、本発明は、重量%で表わして0.5〜9%Tl
及び0.01〜6%Inを含有し、残部が鉛と不可避的不純物
から成る鉛合金を放電部とする不溶性陽極を提供するも
のである。 本発明において、「高電流密度」とは、100A/dm2以
上、通常は160A/dm2以上、最適には200A/dm2のオーダの
電流密度を云う。箔製造の場合は50A/dm2以上を一般に
指す。 発明の具体的説明 不溶性陽極は、 (イ) 機能面から見ると、 1. 高電流密度に対応しうるので、メツキや箔製造ライ
ン速度の上昇(製造ラインの短縮)及びメツキ膜及び箔
形成のスピードアツプを図ることが出来、肩メツキや電
解銅箔製造にきわめて適応性を示すこと、 2. 合金メツキの同時析出に適すること、 3. メツキ膜及び箔の均等、均一化を為しうること、 4. 浴中への溶出速度量を減少しうること (ロ) 操業面から見ると、 (1) 極間ピツチがほとんど変わらないので保守が容
易であること、 (2) 浴組成管理が簡易化すること (3) スラツジ沈降剤等の添加量を減少しうることと の点で電気メツキ用或いは箔製造用等の電解操業用陽極
として優れたものであり、これによりメツキ製品品質の
向上とコストダウンが可能となる。不溶性陽極の耐食性
が増大する程こうしたメリツトは増々増大する。 本発明に従えば、Pbに、Tlが0.5〜9重量%、好まし
くは3〜9重量%そしてInが0.01〜6重量%、好ましく
は0.5〜3重量%添加される。PbにTlを添加すると耐食
性が向上し、更に各Tl水準のPb−Tl合金にInを添加する
と或るIn添加量範囲で耐食性が格段に向上する。従つ
て、Tl添加水準に応じて最適のIn添加量が選定される。
後に実施例に示すように例えば次のような耐食性向上効
果が得られる(比較基準純Pbの重量減=8.5mg/A・h
r): Tl(%) In(%) 重量減(mg/A・hr) 0.5 3 0.92 1 1〜3 0.7〜0.91 3 0.5〜3 0.19〜0.53 5 0.5〜3 0.2〜0.46 9 0.25〜3 0.2〜0.93 Tlが効果を奏するには最小限0.5%必要である。他方I
nとの併添の下ではTlは9%を越えると効果が飽和す
る。。Inは最適Tlとの組合せにおいて0.01%で効果を奏
するが、6%を越えて添加すると逆効果となる。 本発明によるPb−Tl−In合金は、前述したように、次
の点で特徴づけられる: (イ) 高電流密度下でさえ優れた耐食性を示し、純Pb
に較べて1/40〜1/20の重量減に基く耐食性の向上を示し
うること、 (ロ) Tl及びInというPbより低融点の金属のみの添加
により構成される低融点材であること、(低融点材から
成る不溶性陽極は、合金の製造を容易ならしめ、母材被
覆型陽極の場合母材への溶接、肉盛り等による母材の変
形を防止し、回収後の再溶解における酸化損失を減少
し、圧延等の加工を容易とする等の点で非常に大きなメ
リツトを与える。) (ハ) 従来使用されたような高価な貴金属を含まない
こと。 本発明陽極は、所定の成分の鉛合金を溶解し、それを
鋳造・圧延等により電極に仕上げた陽極全体が当該鉛合
金から成るもの、表面をチタン、ニオブ、タンタル等の
高耐食性を持つ金属を被覆したグラツド材(芯体は鉄、
銅等で良い)又は耐食性材料単体から成る母材の片面或
いは両面に当該鉛合金を被覆したものを含み、被覆する
方法についてはTIG方式等で直接母材に溶着するか、母
材表面にハンダ付け、電気メツキ、等表面処理をした後
鉛を溶着肉盛りするその他を包括する。 要は電極の放電部が本発明合金で作製されれば良い。 実施例及び比較例 通常の溶解法にて表1に示される成分組成を有する鉛
合金溶湯を調製し、鋳造後圧延にて厚さ3mmの板材とし
た。この板材から厚さ3mm×巾10mm×長さ150mmの寸法を
持つ試験材を切出し、これを陽極とした。電解面積は1.
5cm2である。一方、陰極としては純鉛製の厚さ5mm×巾6
0mm×長さ150mmの板を使用し、陰極2板を陽極を挾むよ
う対峠させた。 耐食性試験は次のようにして行つた:陽極及び陰極
を、Na2SO4を71g/の割合で溶解し更に硫酸(1+1)
を加えることにより調製した硫酸酸性芒硝溶液(pH=1.
1)中に浸漬し、浴温=40〜60℃、印加電流=3A、電流
密度200A/dm2、通電時間=100時間の条件下で電解試験
を行つた。試験後陽極を乾燥炉に入れて乾燥し、試験片
の重量減を計測した。計測した試験片の重量減から単位
電気量当りの重量減を算出した。結果を表1に併せて示
す。第1図はそのグラフ表示である。
特には硫酸系浴にて優れた耐食性を有するPb−Tl−In系
不溶性陽極に関する。本発明陽極は高電流密度下でさえ
も優れた耐食性を示すので、近時採用される傾向にある
高電流密度に対応しうる機能型電極であり、特に金属電
気メツキ用途や電解金属箔製造用途、電解精錬用途等に
好適に用いられる。特定的には、電気亜鉛厚メツキや電
解銅箔製造に有用に用いられる。本発明電極の使用によ
り生産ライン速度の上昇、メツキ膜或いは金属箔形成の
スピードアツプ等の生産性の向上が図れると同時に、腐
食量の減少に伴う電極寿命の延長、浴管理及び保守の容
易化といつた多くのメリツトが得られる。 発明の背景 電気メツキ技術は、云うまでもなく、耐食性付与その
他様々の目的のために工業界に不可欠の重要な技術であ
り、鉄鋼材料ストリツプ、銅板等の被メツキ材にZn、S
n、Ni、Cu、Feその他並びにその合金を電気メツキする
ことが広く行われている。中でも、鉄鋼材料の電気亜鉛
メツキの普及は著しく、自動車、家電製品等の分野で需
要が増大している。 とりわけ、自動車の車体の電気亜鉛メツキにおいては
亜鉛付着量の多い厚亜鉛メツキが求められ、高電流密度
を使用しての電気メツキ操業が実施されつつある。従
来、可溶性陽極が用いられていたが、上記のような高電
流密度化に対応するべくまた可溶性陽極の使用に伴うメ
ツキ液管理の困難さ、極間ピツチの拡大による保守の面
倒さといつた難点を解消するため、現在では不溶性陽極
が脚光をあび、可溶性陽極から不溶性陽極への転換が進
行中である。 更に、電解金属箔、特に銅箔の製造においても不溶性
陽極が用いられる。電解銅箔の製造は、例えばチタン製
のドラムのほぼ3時〜6時及び6時〜9時の位置に一定
の間隔を置いて不溶性陽極を対置せしめ、ドラムと不溶
性陽極間の間隙に硫酸銅液を循回せしめ、陰極としての
ドラム周囲に銅を電着せしめ、連続的に電着した銅箔を
ドラムから剥ぎ取ることによつて為されている。銅箔は
エレクトロニクス産業において大量に用いられ、その生
産性を高めるために従来より高電流密度での操業が検討
されつつある。 このように、不溶性陽極はメツキ及び箔製造等におい
て重要な地位を占めている。 従来技術とその問題点 不溶性陽極としては、従来、鉛製のものが主として使
用されていた。その理由は、鉛はメツキ液や箔製造電解
液に対して耐食性があり、そしてメツキ通電によつてそ
の表面に二酸化鉛が生成され、この二酸化鉛が放電面と
して好適に作用するからである。 しかしながら、生成する二酸化鉛は内部歪を有するた
め鉛表面から剥離しやすく、不溶性陽極の耐久力が乏し
いという重大な欠点が認識されるようになつた。 主として電気メツキを例にとつて従来技術を検討して
みると、この剥離対策として、鉛中に種々の合金成分を
含有させた鉛合金の使用が提唱されている。そうした中
で、Pb−In及びPb−Tlの鉛合金は基本的に良好な挙動を
示す。例えば特開昭59−28598号はPb−0.5〜10%In或い
はPb−0.5〜10%In−0.5〜10%Agを開示する。特公昭60
−45718号は、Pb−0.8〜6%Tl或いはPb−0.8〜6%Tl
−0.3〜6%Agを開示する。両者ともPb−In或いはPb−T
lの耐食性を改善するためにAgの添加を記載している。 しかしながら、Agの添加は (イ) Agは高価な貴金属である (ロ) AgはPbに比較して融点が高い 点で不溶性陽極用添加元素として必ずしも好ましいもの
でなく、またその耐食性増大効果も充分とは云えない。
特に、高電流密度下ではPb−In−(Ag)及びPb−Tl−
(Ag)いずれも所期の耐食性を示さない。 最初に述べた通り、斯界では、電気メツキ、電解箔製
造等において高電流密度化操業採用の傾向にあり、従つ
て低電流密度下のみならず高電流密度下でも優れた耐食
性を示し、しかも製造加工等を容易ならしめる低融点型
の不溶性陽極の開発が要望されている。 発明の目的 こうした状況に鑑み、本発明は、金属メツキ、電解箔
製造等の各種電解操業において、高価な貴金属を含ま
ず、鉛より融点の高い成分を含まず、そして高電流密度
下でも優れた耐食性を示す鉛合金不溶性陽極の開発を目
的とする。 発明の概要 上記目的に向け鋭意研究の結果、TlとInとの併用が上
記目的に対してきわめて有益であるとの知見を得た。こ
れまてPb−In或いはPb−TlとTl或いはInの単独添加は為
されていたが、その組合せ添加の試みは為されたことは
なかつた。TlとInの併用が高電流密度下での耐食性に有
益に寄与することは先行技術からは全く示唆されず、新
たな意義ある知見である。実験の結果、重量%で、0.5
〜9%Tlと0.01〜6%Inとの組合せが効果的であること
が判明した。 斯くして、本発明は、重量%で表わして0.5〜9%Tl
及び0.01〜6%Inを含有し、残部が鉛と不可避的不純物
から成る鉛合金を放電部とする不溶性陽極を提供するも
のである。 本発明において、「高電流密度」とは、100A/dm2以
上、通常は160A/dm2以上、最適には200A/dm2のオーダの
電流密度を云う。箔製造の場合は50A/dm2以上を一般に
指す。 発明の具体的説明 不溶性陽極は、 (イ) 機能面から見ると、 1. 高電流密度に対応しうるので、メツキや箔製造ライ
ン速度の上昇(製造ラインの短縮)及びメツキ膜及び箔
形成のスピードアツプを図ることが出来、肩メツキや電
解銅箔製造にきわめて適応性を示すこと、 2. 合金メツキの同時析出に適すること、 3. メツキ膜及び箔の均等、均一化を為しうること、 4. 浴中への溶出速度量を減少しうること (ロ) 操業面から見ると、 (1) 極間ピツチがほとんど変わらないので保守が容
易であること、 (2) 浴組成管理が簡易化すること (3) スラツジ沈降剤等の添加量を減少しうることと の点で電気メツキ用或いは箔製造用等の電解操業用陽極
として優れたものであり、これによりメツキ製品品質の
向上とコストダウンが可能となる。不溶性陽極の耐食性
が増大する程こうしたメリツトは増々増大する。 本発明に従えば、Pbに、Tlが0.5〜9重量%、好まし
くは3〜9重量%そしてInが0.01〜6重量%、好ましく
は0.5〜3重量%添加される。PbにTlを添加すると耐食
性が向上し、更に各Tl水準のPb−Tl合金にInを添加する
と或るIn添加量範囲で耐食性が格段に向上する。従つ
て、Tl添加水準に応じて最適のIn添加量が選定される。
後に実施例に示すように例えば次のような耐食性向上効
果が得られる(比較基準純Pbの重量減=8.5mg/A・h
r): Tl(%) In(%) 重量減(mg/A・hr) 0.5 3 0.92 1 1〜3 0.7〜0.91 3 0.5〜3 0.19〜0.53 5 0.5〜3 0.2〜0.46 9 0.25〜3 0.2〜0.93 Tlが効果を奏するには最小限0.5%必要である。他方I
nとの併添の下ではTlは9%を越えると効果が飽和す
る。。Inは最適Tlとの組合せにおいて0.01%で効果を奏
するが、6%を越えて添加すると逆効果となる。 本発明によるPb−Tl−In合金は、前述したように、次
の点で特徴づけられる: (イ) 高電流密度下でさえ優れた耐食性を示し、純Pb
に較べて1/40〜1/20の重量減に基く耐食性の向上を示し
うること、 (ロ) Tl及びInというPbより低融点の金属のみの添加
により構成される低融点材であること、(低融点材から
成る不溶性陽極は、合金の製造を容易ならしめ、母材被
覆型陽極の場合母材への溶接、肉盛り等による母材の変
形を防止し、回収後の再溶解における酸化損失を減少
し、圧延等の加工を容易とする等の点で非常に大きなメ
リツトを与える。) (ハ) 従来使用されたような高価な貴金属を含まない
こと。 本発明陽極は、所定の成分の鉛合金を溶解し、それを
鋳造・圧延等により電極に仕上げた陽極全体が当該鉛合
金から成るもの、表面をチタン、ニオブ、タンタル等の
高耐食性を持つ金属を被覆したグラツド材(芯体は鉄、
銅等で良い)又は耐食性材料単体から成る母材の片面或
いは両面に当該鉛合金を被覆したものを含み、被覆する
方法についてはTIG方式等で直接母材に溶着するか、母
材表面にハンダ付け、電気メツキ、等表面処理をした後
鉛を溶着肉盛りするその他を包括する。 要は電極の放電部が本発明合金で作製されれば良い。 実施例及び比較例 通常の溶解法にて表1に示される成分組成を有する鉛
合金溶湯を調製し、鋳造後圧延にて厚さ3mmの板材とし
た。この板材から厚さ3mm×巾10mm×長さ150mmの寸法を
持つ試験材を切出し、これを陽極とした。電解面積は1.
5cm2である。一方、陰極としては純鉛製の厚さ5mm×巾6
0mm×長さ150mmの板を使用し、陰極2板を陽極を挾むよ
う対峠させた。 耐食性試験は次のようにして行つた:陽極及び陰極
を、Na2SO4を71g/の割合で溶解し更に硫酸(1+1)
を加えることにより調製した硫酸酸性芒硝溶液(pH=1.
1)中に浸漬し、浴温=40〜60℃、印加電流=3A、電流
密度200A/dm2、通電時間=100時間の条件下で電解試験
を行つた。試験後陽極を乾燥炉に入れて乾燥し、試験片
の重量減を計測した。計測した試験片の重量減から単位
電気量当りの重量減を算出した。結果を表1に併せて示
す。第1図はそのグラフ表示である。
高電流密度対応の高耐食性・低融点合金製不溶性陽極
の提供により、高い生産性の下でしかも浴の保守管理を
容易にして高品質のメツキ及び箔製品の製造を可能なら
しめる。これらは次のようにまとめることが出来る: 1. 腐食量の減少による電極寿命の延長(コストダウ
ン) 2. 腐食量の減少による極間調整日数の減少 3. 腐食量の減少による浴組成管理の簡易化 4. スラツジ沈降剤等の添加量の減少(コストダウン) 5. 製品品質の向上 6. 合金製造の容易化・コストダウン 7. 母材への溶接・肉盛りに際しての母材の変形防止 8. 回収再溶解において酸化による損失減少 9. 圧延、押出、切断、溶接等の加工の容易化 10. 腐食量の減少による薄肉軽量化の実現 これらメリツトの下で、均質な厚メツキや箔製造が可
能となる。
の提供により、高い生産性の下でしかも浴の保守管理を
容易にして高品質のメツキ及び箔製品の製造を可能なら
しめる。これらは次のようにまとめることが出来る: 1. 腐食量の減少による電極寿命の延長(コストダウ
ン) 2. 腐食量の減少による極間調整日数の減少 3. 腐食量の減少による浴組成管理の簡易化 4. スラツジ沈降剤等の添加量の減少(コストダウン) 5. 製品品質の向上 6. 合金製造の容易化・コストダウン 7. 母材への溶接・肉盛りに際しての母材の変形防止 8. 回収再溶解において酸化による損失減少 9. 圧延、押出、切断、溶接等の加工の容易化 10. 腐食量の減少による薄肉軽量化の実現 これらメリツトの下で、均質な厚メツキや箔製造が可
能となる。
第1図は、幾つかのTl含有量に対してIn含有量(重量
%)と重量減(mg/A・hr)との関係を示すグラフであ
る。
%)と重量減(mg/A・hr)との関係を示すグラフであ
る。
フロントページの続き (72)発明者 折橋 隆 柏市新十余二17番地1 芳沢機工東部株 式会社内 (72)発明者 今西 克司 柏市新十余二17番地1 芳沢機工東部株 式会社内 (72)発明者 竹村 正 柏市新十余二17番地1 芳沢機工東部株 式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】重量%で表わして、0.5〜9%Tl及び0.01
〜6%Inを含有し、残部が鉛と不可避的不純物から成る
鉛合金を放電部とする不溶性陽極。 - 【請求項2】陽極全体が前記鉛合金から成る特許請求の
範囲第1項記載の不溶性陽極。 - 【請求項3】表面を耐食性材料で被覆したクラツド材を
母材とし、その少くとも片面に前記鉛合金を被覆した特
許請求の範囲第1項記載の不溶性陽極。 - 【請求項4】耐食性材料製母材の少くとも片面に前記鉛
合金を被覆した特許請求の範囲第1項記載の不溶性陽
極。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61241418A JP2529557B2 (ja) | 1986-10-13 | 1986-10-13 | 鉛合金製不溶性陽極 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61241418A JP2529557B2 (ja) | 1986-10-13 | 1986-10-13 | 鉛合金製不溶性陽極 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6396298A JPS6396298A (ja) | 1988-04-27 |
JP2529557B2 true JP2529557B2 (ja) | 1996-08-28 |
Family
ID=17073998
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61241418A Expired - Lifetime JP2529557B2 (ja) | 1986-10-13 | 1986-10-13 | 鉛合金製不溶性陽極 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2529557B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH028386A (ja) * | 1988-06-27 | 1990-01-11 | Mitsui Toatsu Chem Inc | m−ヒドロキシ安息香酸の電解還元法 |
CN106191930B (zh) * | 2016-07-04 | 2018-06-15 | 北京有色金属研究总院 | 一种电化冶金用铅合金阳极板及其制备方法 |
JP6242954B1 (ja) | 2016-07-11 | 2017-12-06 | 浜松ホトニクス株式会社 | 放射線検出器 |
-
1986
- 1986-10-13 JP JP61241418A patent/JP2529557B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6396298A (ja) | 1988-04-27 |
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