JP2512731B2 - 装飾用Au合金 - Google Patents
装飾用Au合金Info
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- JP2512731B2 JP2512731B2 JP61312945A JP31294586A JP2512731B2 JP 2512731 B2 JP2512731 B2 JP 2512731B2 JP 61312945 A JP61312945 A JP 61312945A JP 31294586 A JP31294586 A JP 31294586A JP 2512731 B2 JP2512731 B2 JP 2512731B2
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、指輪,ネックレス,ブローチ,ネクタイ止
めその他装身具として用いられる板や線などの加工材あ
るいは鋳造体に使用する装飾用Au合金に関する。
めその他装身具として用いられる板や線などの加工材あ
るいは鋳造体に使用する装飾用Au合金に関する。
[従来の技術] Auは、Cuと共に数少ない有色金属の一つであり、その
美しい黄金色と加工し易さの故に古くから装身具として
使用されている。しかし、そのままでは軟らかすぎるた
め、一般にはAg、CuおよびZnなどを添加して硬さや強度
を増加して使用される。
美しい黄金色と加工し易さの故に古くから装身具として
使用されている。しかし、そのままでは軟らかすぎるた
め、一般にはAg、CuおよびZnなどを添加して硬さや強度
を増加して使用される。
従来より装飾用Au合金のAu量は、装飾用という使用目
的に鑑み、用途と色調に応じて、50〜92重量%の範中か
ら決定されるのが一般的であり、これに対応して、Agが
3〜35重量%、Cuが3〜40重量%、Znが0.5〜10重量%
添加される。
的に鑑み、用途と色調に応じて、50〜92重量%の範中か
ら決定されるのが一般的であり、これに対応して、Agが
3〜35重量%、Cuが3〜40重量%、Znが0.5〜10重量%
添加される。
即ち、従来の装飾用Au合金は、Ag3〜35重量%、Cu3〜
40重量%、Znが0.5〜10重量%を含むK12〜K22が主流で
あった。
40重量%、Znが0.5〜10重量%を含むK12〜K22が主流で
あった。
[発明が解決しようとする問題点] しかしながら、上述の構成の従来の合金系は、通常大
気中で溶解・鋳造されるが、配合元素のAgやCuおよびZn
は非常にガスを吸収し易いため、溶湯の流動性やインゴ
ット内の鋳巣とそれに伴う加工性の低下、あるいは鋳造
体表面の肌荒れなどの欠陥を招来するという問題があ
る。
気中で溶解・鋳造されるが、配合元素のAgやCuおよびZn
は非常にガスを吸収し易いため、溶湯の流動性やインゴ
ット内の鋳巣とそれに伴う加工性の低下、あるいは鋳造
体表面の肌荒れなどの欠陥を招来するという問題があ
る。
また、これらの合金系は、鋳造体そのものの硬さが低
いため、例えば、指輪やネックレスにダイヤモンド、ル
ビーなどの宝石を止める場合、宝石の止め爪の強度が弱
いため爪の保持が弛み易く、宝石の脱落事故につながる
という問題がある。
いため、例えば、指輪やネックレスにダイヤモンド、ル
ビーなどの宝石を止める場合、宝石の止め爪の強度が弱
いため爪の保持が弛み易く、宝石の脱落事故につながる
という問題がある。
さらに、ネクタイピン,ブローチ,眼鏡フレームなど
の細工に際しては、必ずロウ付工程を経ることになる
が、この際の加熱によって軟化が起り、当該箇所の強度
が問題になってくる。
の細工に際しては、必ずロウ付工程を経ることになる
が、この際の加熱によって軟化が起り、当該箇所の強度
が問題になってくる。
本発明は以上の問題点に鑑み、AgやCuおよびZnの溶解
・鋳造時におけるガス吸収作用を解消し、従来の装飾用
Au合金に有る審美的な黄金色を損なわずに、鋳造性を向
上せしめ、健全な鋳造体を得るとともに鋳造体の硬さを
増大させ、しかもロウ付工程を必要とする板、線への加
工性においても優れた特性をしめす装飾用Au合金を提供
することにある。
・鋳造時におけるガス吸収作用を解消し、従来の装飾用
Au合金に有る審美的な黄金色を損なわずに、鋳造性を向
上せしめ、健全な鋳造体を得るとともに鋳造体の硬さを
増大させ、しかもロウ付工程を必要とする板、線への加
工性においても優れた特性をしめす装飾用Au合金を提供
することにある。
[問題点を解決するための手段] そこで本発明は、第1には、Ag3〜35重量%、Cu3〜40
重量%、Zn0.5〜10重量%、Ge0.05〜2重量%、Au50〜9
2重量%からなることを特徴とし、第2には、Ag3〜35重
量%、Cu3〜40重量%、Ge0.05〜2重量%さらにFe,Cr,C
oのうち一種以上を0.01〜1重量%添加し、Au50〜92重
量%からなることを特徴とする。
重量%、Zn0.5〜10重量%、Ge0.05〜2重量%、Au50〜9
2重量%からなることを特徴とし、第2には、Ag3〜35重
量%、Cu3〜40重量%、Ge0.05〜2重量%さらにFe,Cr,C
oのうち一種以上を0.01〜1重量%添加し、Au50〜92重
量%からなることを特徴とする。
[作用] 以上の構成により、本発明は、0.05〜2重量%のGeの
添加により、溶湯中のガス吸蔵を減じ、鋳造後の組織を
微細化することができる。
添加により、溶湯中のガス吸蔵を減じ、鋳造後の組織を
微細化することができる。
さらに、必要に応じて上記Geの添加に加えてFe,Cr,Co
のうち一種以上を0.01〜1重量%添加することにより、
上記Geの特性を助長することができる。
のうち一種以上を0.01〜1重量%添加することにより、
上記Geの特性を助長することができる。
[実 施 例] 以下実施例を試験結果に従って説明する。
表は、従来例a,b,c,d,e,と本発明の実施例f,g,h,i,j,
k,l,m,n,oの各々の加工性、鋳造体の硬さ、鋳造性(流
動性、鋳巣、鋳肌)の評価を示す表である。
k,l,m,n,oの各々の加工性、鋳造体の硬さ、鋳造性(流
動性、鋳巣、鋳肌)の評価を示す表である。
従来例a〜eは従来技術の項で述べたK12〜K22のAu−
Ag−Cu−Zn四元合金であり、各例における各元素の重量
比は表に示すとうりである。
Ag−Cu−Zn四元合金であり、各例における各元素の重量
比は表に示すとうりである。
本発明の実施例f〜oの成分は、同表に示すとうりで
あり、すなわち、各実施例はAuを主成分とし、Ag3〜35
重量%、Cu3〜40重量%、Zn0.5〜10%及びGe0.05〜2重
量%を含むK12〜K22(Au50〜92重量%)の範中に入るAu
合金であり、さらに、そのうち実施例f,g,h,i,j,k,l,n
は、Fe,Cr,Coのうち一種以上を0.01〜1重量%含んでい
る。
あり、すなわち、各実施例はAuを主成分とし、Ag3〜35
重量%、Cu3〜40重量%、Zn0.5〜10%及びGe0.05〜2重
量%を含むK12〜K22(Au50〜92重量%)の範中に入るAu
合金であり、さらに、そのうち実施例f,g,h,i,j,k,l,n
は、Fe,Cr,Coのうち一種以上を0.01〜1重量%含んでい
る。
上記表中、加工性の試験については、一試料の重量、
各500gを、タンマン炉で溶解して、厚さ10mm,幅25mm,長
さ約10mmの板状に鋳造しこれを750℃で焼鈍後、圧延加
工を行い、加工率50%毎に加工と焼鈍を繰返し行った。
各500gを、タンマン炉で溶解して、厚さ10mm,幅25mm,長
さ約10mmの板状に鋳造しこれを750℃で焼鈍後、圧延加
工を行い、加工率50%毎に加工と焼鈍を繰返し行った。
また、鋳造性の試験は、一試料の重量を10gとし、高
周波吸引式精密鋳造機を用いて、ロストワックス鋳造法
によって、精密部分への流動性、鋳巣の発生度合い、鋳
造体表面の鋳肌を観察した。
周波吸引式精密鋳造機を用いて、ロストワックス鋳造法
によって、精密部分への流動性、鋳巣の発生度合い、鋳
造体表面の鋳肌を観察した。
尚、本発明においてGeの含有量を0.05〜2重量%に限
定した理由は、2重量%以上の添加では、著しい融点の
低下や色調の変化が起こるためであり、また、0.05重量
%未満では、ガス抜き効果や鋳造性の向上、あるいは硬
さの増大が不充分なためである。
定した理由は、2重量%以上の添加では、著しい融点の
低下や色調の変化が起こるためであり、また、0.05重量
%未満では、ガス抜き効果や鋳造性の向上、あるいは硬
さの増大が不充分なためである。
一方、従添加元素としてのFe,Cr,Coの添加量の下限を
0.01重量%に限定した理由は、それ未満の添加ではGeと
の相乗添加効果が期待できないためであり、また、1重
量%以上の添加は加工性を阻害したり、鋳造性(流動
性)にむしろ悪影響を及ぼすためである。
0.01重量%に限定した理由は、それ未満の添加ではGeと
の相乗添加効果が期待できないためであり、また、1重
量%以上の添加は加工性を阻害したり、鋳造性(流動
性)にむしろ悪影響を及ぼすためである。
上表から明らかなように、本実施例f〜oはいずれも
従来例a〜eにくらべて、鋳造品の硬さも高く、加工性
も向上している。また、鋳造体の表面(鋳肌)が美し
く、内部欠陥(鋳巣)も少なく精密部分への流動性がよ
く、非常に優れた鋳造性を示している。
従来例a〜eにくらべて、鋳造品の硬さも高く、加工性
も向上している。また、鋳造体の表面(鋳肌)が美し
く、内部欠陥(鋳巣)も少なく精密部分への流動性がよ
く、非常に優れた鋳造性を示している。
[発明の効果] 上記試験結果から明らかなごとく、本発明によれば、
Auを主成分とし、Ag3〜35重量%、Cu3〜40重量%、Zn0.
5〜10重量%を含むK12〜K22(Au50〜92重量%)の装飾
用Au合金の配合成分にGe0.05〜2重量%を加え、必要で
あれば更に、このGeの特性を助長するFe,Cr,Coのうち一
種以上を0.01〜1重量%添加したので、溶湯中のガス吸
蔵を減じ、鋳造後の組織を微細化できる。これにより、
硬性の高い、鋳造性の優れた健全な鋳造体であり、か
つ、加工性も著しく向上した画期的な装飾用Au合金を得
ることができるという効果がある。
Auを主成分とし、Ag3〜35重量%、Cu3〜40重量%、Zn0.
5〜10重量%を含むK12〜K22(Au50〜92重量%)の装飾
用Au合金の配合成分にGe0.05〜2重量%を加え、必要で
あれば更に、このGeの特性を助長するFe,Cr,Coのうち一
種以上を0.01〜1重量%添加したので、溶湯中のガス吸
蔵を減じ、鋳造後の組織を微細化できる。これにより、
硬性の高い、鋳造性の優れた健全な鋳造体であり、か
つ、加工性も著しく向上した画期的な装飾用Au合金を得
ることができるという効果がある。
さらに、本発明によれば、Geの添加量およびFe,Cr,Co
の添加量は微細であるため、従来の装飾用Au合金に有る
審美的な黄金色を損なわずに、上記効果を得ることがで
きる。
の添加量は微細であるため、従来の装飾用Au合金に有る
審美的な黄金色を損なわずに、上記効果を得ることがで
きる。
Claims (2)
- 【請求項1】Ag3〜35重量%、Cu3〜40重量%、Zn0.5〜1
0重量%、Ge0.05〜2重量%、Au50〜92重量%からなる
ことを特徴とする装飾用Au合金。 - 【請求項2】Ag3〜35重量%、Cu3〜40重量%、Ge0.05〜
2重量%さらにFe,Cr,Coのうち一種以上を0.01〜1重量
%添加し、Au50〜92重量%からなることを特徴とする装
飾用Au合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61312945A JP2512731B2 (ja) | 1986-12-29 | 1986-12-29 | 装飾用Au合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61312945A JP2512731B2 (ja) | 1986-12-29 | 1986-12-29 | 装飾用Au合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63169346A JPS63169346A (ja) | 1988-07-13 |
JP2512731B2 true JP2512731B2 (ja) | 1996-07-03 |
Family
ID=18035365
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61312945A Expired - Fee Related JP2512731B2 (ja) | 1986-12-29 | 1986-12-29 | 装飾用Au合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2512731B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63169345A (ja) * | 1986-12-29 | 1988-07-13 | Tokuriki Honten Co Ltd | 装飾用Au合金 |
JPS63169344A (ja) * | 1986-12-29 | 1988-07-13 | Tokuriki Honten Co Ltd | 装飾用Au合金 |
US5180551B2 (en) * | 1991-10-30 | 1999-02-09 | Fleet Precious Metals Inc | Gold alloys of exceptional yellow color and reversible hardness |
CN113265634B (zh) * | 2021-04-28 | 2022-06-10 | 沈阳东创贵金属材料有限公司 | 一种稀土合金靶材及其制备方法和应用 |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63169345A (ja) * | 1986-12-29 | 1988-07-13 | Tokuriki Honten Co Ltd | 装飾用Au合金 |
JPS63169344A (ja) * | 1986-12-29 | 1988-07-13 | Tokuriki Honten Co Ltd | 装飾用Au合金 |
-
1986
- 1986-12-29 JP JP61312945A patent/JP2512731B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63169345A (ja) * | 1986-12-29 | 1988-07-13 | Tokuriki Honten Co Ltd | 装飾用Au合金 |
JPS63169344A (ja) * | 1986-12-29 | 1988-07-13 | Tokuriki Honten Co Ltd | 装飾用Au合金 |
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JPS63169346A (ja) | 1988-07-13 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
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LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |