JP2501352B2 - 物品取出方法及びその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は物品取出方法及びその装置に係わり、詳しく
はコンベアで搬送されるトレイに収納された小型カプセ
ル状の物品を取り出す方法及びその装置に関する。

［従来の技術］ 液体香料が封入された小型カプセルは、トレイに配置
されたままで、コンベアによって搬送される。

搬送中のトレイから小型カプセルを取り出す手段とし
ては、種々なものがある。

例えば、トレイを反転させ、小型カプセルを自然落下
させることで取り出す手段、トレイから小型カプセルを
サクションで吸い取る手段、トレイ底板の孔にピンを挿
入してトレイから小型カプセルを押し出す手段等があ
る。

［本発明が解決しようとする課題］ しかしながら、このような手段は、トレイの搬送を間
欠的に止めた状態で、トレイ自体を反転させたり、トレ
イへのサクションの供給又はピンの挿入を行わなければ
ならないため、小型カプセルを取り出すタイミングを合
わせるのが困難となり、トレイから小型カプセルを完全
に取り出すことができない等の欠点があり、使い勝手が
優れているとはいえない。

また、これらの取り出し手段を備えた装置は、トレイ
を搬送状態のままで小型カプセルを自動的に取り出すこ
とができないため、小型カプセルの取り出しのために特
別な機構が不可欠となり、簡単に設置できない。

例えば、搬送中にトレイを反転させる場合には、コン
ベアをも改良し、コンベア自体を反転させるような特別
な機構を設けなければならない。

本発明は上述した事情に基づいてなされ、その目的と
するところは、トレイの搬送を停止させることなく、簡
単な構成でトレイからの物品の取り出しを行うことがで
きる物品取出方法及びその装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 第１の発明である物品取出方法は、底面に貫通孔を有
する物品収納用の凹部が形成されたトレイ底面の貫通孔
対応位置に、圧縮空気を吹き付け、凹部に収納されてい
る物品を上方に吹き飛ばすことにより、トレイから物品
を取り出すことを要旨とする。

第２の発明である物品取出装置は、上面に配列された
多数の物品収納用の凹部及び各凹部から底面まで貫通し
た貫通孔を有するトレイを対象として、トレイの搬送経
路の下方に配置されたエアーチャンバと、エアーチャン
バに接続され、圧縮空気を供給するコンプレッサーと、
エアーチャンバとコンプレッサーとの間に介挿され、コ
ンプレッサーからエアーチャンバへの圧縮空気の供給を
制御する電磁弁と、エアーチャンバの上面に搬送経路を
横断する方向に一列にして配置され、エアーチャンバへ
の圧縮空気の供給中、上方に向けて圧縮空気を吐出する
吹出ノズル列と、トレイの搬送に伴い、トレイが吹出ノ
ズル列の上方を通過中にあるとき電磁弁を開弁させる制
御信号を出力する検出器と、搬送経路を挟んで吹出ノズ
ル列の上方に配置され、トレイの凹部から上方に吹き飛
ばされた物品を回収する回収手段とを備えている。

［作用］ 第１の発明によれば、貫通孔を通してトレイ底面から
吹き付けられた圧縮空気により、トレイの物品が吹き飛
ばされる。

第２の発明によれば、トレイの搬送に伴い、トレイが
吹出ノズル列を通過し始めると、検出器からの制御信号
の出力を受けて、コンプレッサーからエアーチャンバに
圧縮空気が供給され、そして、エアーチャンバ内の圧縮
空気は吹出ノズル列からトレイの底面、つまり、貫通孔
の開口端に向けて吹き付けられ、トレイの凹部に収納さ
れている物品を上方に向けて吹き飛ばす。トレイから吹
き飛ばされた物品は回収手段により受け取られる。トレ
イが吹出ノズル列を通過すると、検出器からの制御信号
の出力が停止されて電磁弁は閉弁され、コンプレッサー
からエアーチャンバへの圧縮空気の供給、つまり、吹出
ノズル列からの圧縮空気の吹き出しが停止される。

［実施例］ 以下、図面を参照しながら本発明の一実施例について
説明する。

第１図は本発明に係る物品取出装置の一実施例を示
す、一部切欠斜視図である。

本発明の係る物品取出方法は、第２図、第３図に示す
ように、トレイ３の底面3aに開口した貫通孔１に向けて
圧縮空気を吹き付け、その貫通孔１が連通されて物品収
納用の凹部２内に圧縮空気を導くことにより、凹部２に
収納されている小型カプセル４を上方へ吹き飛ばし、ト
レイ３から小型カプセル４を取り出す。

圧縮空気の吹き付けは、例えば、物品が長さ13.8mm、
直径6mm、重量0.36gの小型カプセルである場合、吐出速
度が50m/sec程度となるようにする。

なお、この場合の吐出圧力は、0.5〜0.7kg/cm²程度と
なる。

ここで、圧縮空気の吹き付けに関しては、コンベア５
上でのトレイ３の搬送中、トレイ３の貫通孔１が吹出ノ
ズル列の対応する吹出ノズル６に対して同軸上に位置付
けられたとき、つまり、これらが相互に合致する際に、
その吹出ノズル６から圧縮空気が吹き出されるが、多少
合致の前後を含めて圧縮空気を吹き出すようにしてもよ
い。

また、圧縮空気の吹き出し方向は、垂直方向に吹き出
す以外に、トレイ３の搬送方向が上下に傾斜している場
合にあっては、トレイ３の搬送方向と合わせ傾斜させて
吹き出すようにしてもよい。

ここで使用されるトレイ３は、第３図に示すように、
全体が正方形の平板状をなし、その周囲にはフレーム31
が取り付けられている。

該トレイ３は、縦横に規則正しく配列された凹部２
に、小型カプセル４を収納することができる。

次に、本発明に係る物品取出装置について説明する。

該取出装置は、圧縮空気の吹出ノズル６を有するエア
ーチャンバ７と、エアーチャンバ７へ圧縮空気を供給す
るコンプレッサー８と、エアーチャンバ７とコンプレッ
サー８との間の連結管９（図中一点鎖線で示す）の途中
に取り付けられた圧縮空気供給制御用の電磁弁10と、ト
レイ３の接近を検出したとき、電磁弁10への制御信号を
送る検出器11とを備えている。吹出ノズル６、エアーチ
ャンバ７はコンベア５の下側に配置されている。

吹出ノズル６は、エアーチャンバ７の上面から突出し
て複数個取り付けられている。より詳しくは各吹出ノズ
ル６は、コンベア５の搬送方向と直交する方向に一列に
して配置され、吹出ノズル列を構成している。つまり、
吹出ノズル列は、コンベア５のローラシャフトと平行に
延びている。

各吹出ノズル６間の間隔は、トレイ３の搬送方向でみ
てトレイ３における横列の貫通孔１の間隔と等しく、ま
た、各吹出ノズル６の上端、即ち、その先端は、コンベ
ア５のローラ51間に入り込み、且つ、コンベア５のロー
ラ51上面よりわずかに下がった位置に位置付けられてい
る。

コンベア５の直上にはその両側部にトレイ３の通路を
規定するガイド12が一列にしてそれぞれ配置されてお
り、その片側の列において、エアーチャンバ７の直上に
位置するガイド12間には、トレイ３の接近を検出する検
出器11が設けられている。

該検出器11は、トレイ３の接近を検出すると制御信号
を出力し、この制御信号の出力を受けて電磁弁10が開か
れ、吹出ノズル列の各吹出ノズル６から圧縮空気が吹き
出される。

一方、コンベア５の上方には、小型カプセル４の回収
機構が配置されており、この回収機構は、小型カプセル
４の飛び出し方向を規制するための案内ブロック13と、
飛散防止用のカバー14とを備えている。

案内ブロック13は、全体が薄板状をなし、その下面が
吹出ノズル列と対向し且つその吹出ノズル列に沿って延
びている。案内ブロック13内には、小型カプセル４の大
きさに対応した貫通路13aが、トレイ３の凹部２、つま
り、吹出ノズル列の各吹出ノズル６に対応して形成され
ている。

案内ブロック13の代わりに、図示は省略するが、例え
ば小型カプセル４の大きさに合わせた内径を有するパイ
プを、吹出ノズル列の各吹出ノズル６の位置に合わせ、
一列に並べたものであってもよい。

カバー14は、案内ブロック13の上端面から貫通路13a
の上方を覆うようにして延びる半円ドーム形状に形成さ
れている。

回収機構は、カバー14の下側に位置したシュート16を
更に備えており、このシュート16はコンベア５の側方に
配置された収納容器15まで導かれている。

次に、前述した物品取出装置の動作について説明す
る。

小型カプセル４が装着されているトレイ３は、コンベ
ア５上を左右のガイド12によって案内されながら、一定
の搬送間隔を保ちつつ搬送される。

トレイ３の搬送に伴い、検出器11によりトレイ３の接
近が検出されると、検出器11からの制御信号により、電
磁弁10が開き、圧縮空気がコンプレッサー８からエアー
チャンバ７へ送られる。

エアーチャンバ７は、吹出ノズル列の各吹出ノズル６
に均等に圧縮空気を送る。

各吹出ノズル６からトレイ３の底面3aに向けて圧縮空
気が吹き付けられている状態において、トレイ３の貫通
孔１が対応する吹出ノズル６に対して同軸上に位置する
とトレイ３の凹部２に配置されている小型カプセル４は
その下端にて、貫通孔１内に導入された圧縮空気を受
け、この圧縮空気により、上方に押される。

その結果、トレイ３の小型カプセル４は、その横一列
ごとに順次、トレイ３から上方へ吹き飛ばされるように
して押し出され、これにより、トレイ３から小型カプセ
ル４が取り出されることになる。

トレイ３から押し出された小型カプセル４は案内ブロ
ック13の貫通路13a内を垂直に押し上げられて、その上
端開口から飛び出す。

案内ブロック13から飛び出した小型カプセル４は、カ
バー14の内面に沿って移動し、その後シュート16上に落
下する。

シュート16に落下した小型カプセル４は、所定の収納
容器15に順次、取り入れらる。

トレイ３から小型カプセル４が取り出され、その空の
トレイ３が検出器11を通過すると、その通過が検出器11
により検出される。つまり、この時点で、検出器11から
の制御信号の出力が停止されて、電磁弁10が閉じられ、
コンプレッサー８からエアーチャンバ７への圧縮空気の
供給、即ち、吹出ノズル列の各吹出ノズル６からの圧縮
空気の吹出が一時的に停止する。

そして、検出器11により次のトレイ３の接近が検出さ
れると、再び、圧縮空気が各吹出ノズル６から吹き出さ
れ、そのトレイ３の小型カプセル４は圧縮空気により押
し上げられて、トレイ３から取り出される。

このように、トレイ３が検出器11を通過中にあるとき
のみ、各吹出ノズル６から圧縮空気が吹き出され、圧縮
空気の吹出は間欠的に行われる。

［発明の効果］ 本発明は、以上説明した通りなので、次のような効果
を得ることができる。

トレイの底面に圧縮空気を吹き付け、トレイから物品
を上方に吹き飛ばすようにしたので、確実に物品を取り
出すことができ、使い勝手に優れている。

取出装置の場合には、トレイの搬送を停止することな
く、搬送過程にあるトレイの底面に圧縮空気を吹き付け
るだけで、トレイから物品を確実且つ簡単に取り出すこ
とができ、また、取り出された物品を簡単な構成で回収
できるから、搬送経路への設置を容易に行うことができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図：本発明に係わる物品取出装置の一実施例を示
す、一部切欠斜視図 第２図：第１図の要部の一部省略縦断正面図 第３図：トレイの一部切断斜視図 １…貫通孔、２…凹部 ３…トレイ、４…小型カプセル ５…コンベア、６…吹出ノズル ７…エアーチャンバ、８…コンプレッサー 10…電磁弁、11…検出器 13…案内ブロック、14…カバー 15…収納容器、16…シュート

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭53−129670（ＪＰ，Ｕ)

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】底面に貫通孔を有する物品収納用の凹部が
   形成されたトレイ底面の貫通孔対応位置に、圧縮空気を
   吹き付け、凹部に収納されている物品を上方へ吹き飛ば
   すことにより、トレイから物品を取り出すことを特徴と
   する、物品取出方法。
2. 【請求項２】上面に配列された多数の物品収納用の凹部
   及び各凹部から底面まで貫通した貫通孔を有するトレイ
   を所定の搬送経路に沿って搬送させ、この搬送過程にて
   前記トレイの凹部に収納されている物品を取り出す物品
   取出装置において、 前記搬送経路の下方に配置されたエアーチャンバと、 前記エアーチャンバに接続され、圧縮空気を供給するコ
   ンプレッサーと、 前記エアーチャンバと前記コンプレッサーとの間に介挿
   され、前記コンプレッサーから前記エアーチャンバへの
   圧縮空気の供給を制御する電磁弁と、 前記エアーチャンバの上面に前記搬送経路を横断する方
   向に一列にして配置され、前記エアーチャンバへの圧縮
   空気の供給中、上方に向けて圧縮空気を吐出し、この
   際、上方を前記トレイが通過している場合には、吐出さ
   れた圧縮空気を前記トレイ底面の貫通孔に吹き付けて、
   前記凹部に収納されている物品を上方に吹き飛ばす吹出
   ノズル列と、 前記トレイの搬送に伴い、このトレイが前記吹出ノズル
   列の上方を通過中にあるとき前記電磁弁を開弁させる制
   御信号を出力する検出器と、 前記トレイの搬送経路を挟んで前記吹出ノズル列の上方
   に配置され、前記トレイから吹き飛ばされた物品を回収
   する回収手段と を具備したことを特徴とする、物品取出装置。