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JP2501143B2 - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物

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Publication number
JP2501143B2
JP2501143B2 JP9761991A JP9761991A JP2501143B2 JP 2501143 B2 JP2501143 B2 JP 2501143B2 JP 9761991 A JP9761991 A JP 9761991A JP 9761991 A JP9761991 A JP 9761991A JP 2501143 B2 JP2501143 B2 JP 2501143B2
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JP
Japan
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epoxy resin
fused silica
average particle
particle size
weight
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Inventor
史郎 本田
敏博 手柴
正幸 田中
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Epoxy Resins (AREA)
  • Structures Or Materials For Encapsulating Or Coating Semiconductor Devices Or Solid State Devices (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半田付け工程で生じる
パッケージクラックの問題を解消する、すなわち半田耐
熱性に優れるエポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は耐熱性、耐湿性、電気特
性、接着性などに優れており、さらに配合処方により種
々の特性が付与できるため、塗料、接着剤、電気絶縁材
料など工業材料として利用されている。たとえば、半導
体装置などの電子回路部品の封止方法として従来より金
属やセラミックスによるハーメチックシールとフェノー
ル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂などによる樹脂
封止が提案されている。しかし、経済性、生産性、物性
のバランスの点からエポキシ樹脂による樹脂封止が中心
になっている。
【0003】一方、最近はプリント基板への部品実装に
おいても高密度化、自動化が進められており、従来のリ
ードピンを基板の穴に挿入する“挿入実装方式”に代
り、基板表面に部品を半田付けする“表面実装方式”が
盛んになってきた。それに伴いパッケージも従来のDI
P(デュアル・インライン・パッケージ)から高密度実
装、表面実装に適した薄型のTSOP(シン・スモール
・アウトライン・パッケージ)やQFP(クワッド・フ
ラット・パッケージ)に移行しつつある。
【0004】表面実装方式への移行に伴い、従来あまり
問題にならなかった半田付け工程が大きな問題になって
きた。従来のピン挿入実装方式では半田付け工程はリー
ド部が部分的に加熱されるだけであったが、表面実装方
式ではパッケージ全体が熱媒に浸され加熱される。表面
実装方式における半田付け方法としては半田浴浸漬、不
活性液体の飽和蒸気や赤外線によって加熱する半田リフ
ロー法などが用いられるが、いずれの方法でもパッケー
ジ全体が210〜270℃の高温に加熱されることにな
る。そのため従来の封止樹脂で封止したパッケージは、
半田付け時に樹脂部分にクラックが発生し、信頼性が低
下して製品として使用できないという問題がおきてい
た。
【0005】半田付け工程におけるクラックの発生は、
後硬化してから実装工程の間までに吸湿した水分が半田
付け加熱時に爆発的に水蒸気化、膨脹することに起因す
るといわれており、その対策として封止用樹脂の改良が
種々検討されている。
【0006】従来はエポキシ樹脂にオルソクレゾールノ
ボラック型エポキシ樹脂、硬化剤にフェノールノボラッ
ク樹脂を用い、無機充填材として平均粒径10〜20μ
mの破砕状溶融シリカを用いるのが一般的であったが、
表面実装時の加熱によりクラックが発生する問題を回避
できなかった。そこで、エポキシ樹脂にビフェニル骨格
を有するエポキシ樹脂を用い、溶融シリカに平均粒径1
2μm以下の破砕状シリカと平均粒径40μm以下の球
状シリカとを組み合わせて用いる方法(特開平2−99
514号公報)、硬化剤にトリス(ヒドロキシフェニ
ル)メタンとフェノールアラルキル樹脂とを組み合わせ
て用いる方法(特開平1−292029号公報)などが
提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これら種々の
方法で改良された樹脂も、それぞれ半田付け時のクラッ
クに対してある程度効果をあげてきているが、まだ十分
ではない。例えば、エポキシ樹脂にビフェニル骨格を有
するエポキシ樹脂を用い、溶融シリカに平均粒径12μ
m以下の破砕状シリカと平均粒径40μm以下の球状シ
リカとを組み合わせて用いる方法では大きな粒径の球状
シリカを用いるために耐クラック性が低く十分な半田耐
熱性が得られない。また、硬化剤にトリス(ヒドロキシ
フェニル)メタンとフェノールアラルキル樹脂とを組み
合わせて用いる方法でもエポキシ樹脂に従来通りのオル
ソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂やトリス(ヒド
ロキシフェニル)メタンのエポキシ化物を使用していて
は硬化物の架橋密度が高くなり、そのため硬化物の吸水
率が高く、硬化物自体も堅く、脆くなるので半田耐熱性
の程度は低い。
【0008】本発明の目的は、かかる半田付け工程で生
じるパッケージクラックの問題を解消する、すなわち半
田耐熱性に優れる半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提
供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、特定のエ
ポキシ樹脂と特定の硬化剤、特定の粒径、形状の組み合
わせからなる溶融シリカとを使用することにより、上記
の課題を解決し、目的に合致したエポキシ樹脂組成物が
得られることを見出し本発明に到達した。
【0010】すなわち本発明は、エポキシ樹脂(A)、
フェノール系硬化剤(B)、溶融シリカ(C)とを必須
成分として含有してなる樹脂組成物であって、前記エポ
キシ樹脂(A)が式(I)
【0011】
【化4】
【0012】(ただし、R1 〜R8 は水素原子、C1
4 の低級アルキル基またはハロゲン原子から選ばれ、
すべてが同一である必要はない。)で表されるエポキシ
樹脂 (a1 )、および、式(II)
【0013】
【化5】
【0014】(ただし、R9 〜R16のうち2つは2,3
−エポキシプロポキシ基であり、残りは水素原子、C1
〜C4の低級アルキル基またはハロゲン原子から選ば
れ、すべてが同一である必要はない。)で表されるエポ
キシ樹脂(a2 )の、少なくとも一方を必須成分として
含有し、前記フェノール系硬化剤(B)が式(III)
【0015】
【化6】
【0016】(ただし、Rは水素原子、C1 〜C4 の低
級アルキル基またはハロゲン原子から選ばれ、すべてが
同一である必要はない。また、nは0以上の整数を示
す。)で表されるフェノール系化合物(b)を必須成分
として含有するとともに、前記溶融シリカ(C)が平均
粒径10μm以下の破砕状溶融シリカ97〜60重量%
と平均粒径4μm以下の球状溶融シリカ3〜40重量%
からなり、球状溶融シリカの平均粒径が破砕状溶融シリ
カの平均粒径より小さく、かつ溶融シリカ(C)を含む
無機充填材の割合が全体の75〜90重量%であるエポ
キシ樹脂組成物である。
【0017】本発明のエポキシ樹脂組成物が半田耐熱性
に優れる理由はまだ明確ではないが、(1)本発明に必
須のエポキシ樹脂が1分子中にエポキシ基を2個しか持
たない2官能のエポキシ樹脂であることと本発明に必須
のフェノール系化合物中の水酸基が適度に少ないことに
より、硬化物の架橋密度が適度に低下して低吸水性を示
すこと、(2)硬化物の架橋密度がある程度低いにもか
かわらずエポキシ樹脂がビフェニルやナフタレンのよう
な耐熱性の高い骨格を持つため高温において強靭性(高
強度、高伸度)を示すこと、(3)本発明に必須の溶融
シリカの形状、粒径の組み合わせにより高温で高い強度
を示すとともに、局所応力を低減させクラック伝播を抑
止している可能性のあること、などの効果が相乗的に働
いて各々の単独の寄与からは予想し得ないほどの優れた
半田耐熱性を示すものと思われる。
【0018】以下、本発明の構成を詳述する。
【0019】本発明におけるエポキシ樹脂(A)は、式
(I)
【0020】
【化7】
【0021】(ただし、R1 〜R8 は水素原子、C1
4 の低級アルキル基またはハロゲン原子から選ばれ、
すべてが同一である必要はない。)で表されるエポキシ
樹脂 (a1 )、および、式(II)
【0022】
【化8】
【0023】(ただし、R9 〜R16のうち2つは2,3
−エポキシプロポキシ基であり、残りは水素原子、C1
〜C4の低級アルキル基またはハロゲン原子から選ば
れ、すべてが同一である必要はない。)で表されるエポ
キシ樹脂(a2 )の、少なくとも一方を必須成分として
含有する必要がある。エポキシ樹脂(a1 )およびエポ
キシ樹脂(a2 )は共に1分子中にエポキシ基を2個有
する2官能のエポキシ樹脂であり、耐熱性の非常に高い
骨格構造を持つことも共通で、本発明においては全く同
等の効果を有する。
【0024】本発明におけるエポキシ樹脂(a1 )の好
ましい具体例としては、4,4´−ビス(2,3−エポ
キシプロポキシ)ビフェニル、4,4´−ビス(2,3
−エポキシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラ
メチルビフェニル、4、4´−ビス(2,3−エポキシ
プロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラメチル−2
−クロロビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキ
シプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラメチル−
2−ブロモビフェニル、4、4´−ビス(2,3−エポ
キシプロポキシ)−3、3´,5,5´−テトラエチル
ビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポキシプロポ
キシ)−3、3´,5,5´−テトラブチルビフェニル
などがあげられ、4,4´−ビス(2,3−エポキシプ
ロポキシ)ビフェニル、4,4´−ビス(2,3−エポ
キシプロポキシ)−3,3´,5,5´−テトラメチル
ビフェニルが特に好ましい。
【0025】また、本発明におけるエポキシ樹脂
(a2 )の好ましい具体例としては、1,5−ジ(2,
3−エポキシプロポキシ)ナフタレン、1,5−ジ
(2,3−エポキシプロポキシ)−7−メチルナフタレ
ン、1,6−ジ(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタ
レン、1,6−ジ(2,3−エポキシプロポキシ)−2
−メチルナフタレン、1,6−ジ(2,3−エポキシプ
ロポキシ)−8−メチルナフタレン、1,6−ジ(2,
3−エポキシプロポキシ)−4,8−ジメチルナフタレ
ン、2−ブロム−1,6−ジ(2,3−エポキシプロポ
キシ)ナフタレン、8−ブロム−1,6−ジ(2,3−
エポキシプロポキシ)ナフタレン、2,7−ジ(2,3
−エポキシプロポキシ)ナフタレンなどがあげられ、
1,5−ジ(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタレ
ン、1,6−ジ(2,3−エポキシプロポキシ)ナフタ
レン、2,7−ジ(2,3−エポキシプロポキシ)ナフ
タレンが特に好ましい。
【0026】エポキシ樹脂(A)中に含有されるエポキ
シ樹脂(a1 )、(a2 )の割合に関しては特に制限は
ないが、より十分な効果を発揮させるためには、エポキ
シ樹脂(a1 )、(a2 )の少なくとも一方をエポキシ
樹脂(A)中に50重量%以上含有せしめることが好ま
しい。
【0027】また、本発明におけるエポキシ樹脂(A)
はエポキシ樹脂(a1 )、(a2 )の少なくとも一方を
エポキシ樹脂(A)中に50重量%以上含有していれば
残りは特に制限されないが、好ましい具体例としてはオ
ルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノール
ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキ
シ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ハロゲン化
エポキシ樹脂などがあげられる。
【0028】本発明において、エポキシ樹脂(A)の配
合量は通常3〜20重量%、好ましくは4〜15重量%
である。
【0029】本発明におけるフェノール系硬化剤(B)
は式(III)
【0030】
【化9】
【0031】(ただし、Rは水素原子、C1 〜C4 の低
級アルキル基またはハロゲン原子から選ばれ、すべてが
同一である必要はない。また、nは0以上の整数を示
す。)で表されるフェノール系化合物(b)を必須成分
として含有する必要がある。
【0032】本発明におけるフェノール系化合物(b)
の好ましい具体例としてはアラルキルエーテル類とフェ
ノール類とをフリーデルクラフツ触媒で反応させたフェ
ノールアラルキル樹脂などがあげられ、特に式(IV)
【0033】
【化10】
【0034】(ただし、nは0以上の整数を示す。)で
表されるフェノールアラルキル樹脂が好ましく用いられ
る。
【0035】これらフェノールアラルキル樹脂において
は水酸基当量が130〜220の樹脂が好ましく用いら
れ、水酸基当量が150〜200の樹脂が特に好ましく
用いられる。また、フェノールアラルキル樹脂の軟化点
については50〜110℃の樹脂が好ましく用いられ、
60〜90℃の樹脂が特に好ましく用いられる。
【0036】フェノール系硬化剤(B)中に含有される
フェノール系化合物(b)の割合に関しては特に制限は
ないが、より十分な効果を発揮させるためには、フェノ
ール系化合物(b)をフェノール系硬化剤(B)中に5
0重量%以上含有せしめることが好ましい。
【0037】また、本発明におけるフェノール系硬化剤
(B)は、上記フェノール系化合物(b)を硬化剤中に
50重量%以上含有していれば残りはエポキシ樹脂
(A)と反応して硬化させるものであれば特に限定され
ないが、好ましい具体例としてはたとえばフェノールノ
ボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、トリス(ヒ
ドロキシフェニル)メタン、1,1,2−トリス(ヒド
ロキシフェニル)エタン、1,1,3−トリス(ヒドロ
キシフェニル)プロパン、ビスフェノ−ルA、ビスフェ
ノールF、ジヒドロキシビフェニルなどがあげられる。
【0038】本発明において、フェノール系硬化剤
(B)の配合量は通常3〜20重量%、好ましくは4〜
15重量%である。さらには、エポキシ樹脂(A)とフ
ェノール系硬化剤(B)の配合比は、機械的性質や耐湿
性の点から水酸基/エポキシ基の化学当量比が0.7〜
1.3の範囲にあることが好ましく、特に0.8〜1.
2の範囲にあることが好ましい。
【0039】また、本発明においてエポキシ樹脂(A)
とフェノール系硬化剤(B)の硬化反応を促進するため
硬化触媒を用いてもよい。硬化触媒は硬化反応を促進す
るものならば特に限定されず、たとえば2−メチルイミ
ダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−
4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾー
ルなどのイミダゾール化合物、トリエチルアミン、ベン
ジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミ
ン、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン
−7などの3級アミン化合物、トリフェニルホスフィ
ン、トリブチルホスフィン、トリ(p−メチルフェニ
ル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、
トリフェニルホスフィン・トリフェニルボレート、テト
ラフェニルホスフィン・テトラフェニルボレートなどの
有機ホスフィン化合物があげられる。なかでも耐湿性の
点から、有機ホスフィン化合物が好ましく、トリフェニ
ルホスフィンが特に好ましく用いられる。
【0040】これらの硬化触媒は用途によっては二種以
上を併用してもよく、その添加量はエポキシ樹脂(A)
100重量部に対して0.5〜5重量部の範囲が好まし
い。本発明における溶融シリカ(C)は平均粒径10μ
m以下の破砕状溶融シリカ97〜60重量%と平均粒径
4μm以下の球状溶融シリカ3〜40重量%とからな
り、球状溶融シリカの平均粒径が破砕状溶融シリカの平
均粒径より小さいものである。ここで平均粒径は累積重
量50%になる粒径(メジアン径)を意味し、たとえば
レーザー回析式粒度分布測定装置などを用いて測定され
た値である。
【0041】破砕状溶融シリカの平均粒径は10μmを
越えると半田耐熱性が不十分になり、10μm以下であ
れば特に制限を加えるものではないが、半田耐熱性の点
から3μm以上、10μm以下のものが好ましく用いら
れ、3μm以上、7μm未満が特に好ましく用いられ
る。ここで、破砕状溶融シリカは平均粒径が10μm以
下になれば平均粒径が異なる2種類以上のものを併用し
てもよい。
【0042】また、球状溶融シリカの平均粒径は4μm
を越えると半田耐熱性が不十分になり、4μm以下であ
れば特に制限を加えるものではないが、半田耐熱性の点
から0.01μm以上、4μm以下のものが特に好まし
く用いられる。ここで、球状溶融シリカは平均粒径が4
μm以下になれば平均粒径が異なる2種類以上のものを
併用してもよい。
【0043】本発明における溶融シリカ(C)において
は、球状溶融シリカの平均粒径が破砕状溶融シリカの平
均粒径より小さいことが重要である。球状溶融シリカの
平均粒径が破砕状溶融シリカの平均粒径より大きくなる
と半田耐熱性が大きく低下する。球状溶融シリカの平均
粒径は破砕状溶融シリカの平均粒径より小さければよい
が、好ましくは球状溶融シリカの平均粒径が破砕状溶融
シリカの平均粒径の2/3以下であり、特に好ましくは
1/2以下である。
【0044】さらに、破砕状溶融シリカと球状溶融シリ
カとの重量比が上記の範囲に無い場合は半田耐熱性に優
れた硬化物が得られない。
【0045】本発明において溶融シリカ(C)を含む無
機充填材の割合は組成物全体の中の75〜90重量%で
あり、さらに好ましくは75〜87重量%である。無機
充填材の組成物全体に対する割合が上記の範囲に無い場
合は半田耐熱性に優れた硬化物が得られない。 無機充
填材中に含まれる溶融シリカ(C)の割合に関しては特
に制限はないが、より十分な効果を発揮させるために
は、溶融シリカ(C)を無機充填材中に通常80重量%
以上、好ましくは90重量%以上含有せしめることが好
ましい。
【0046】また、本発明における無機充填材は、上記
溶融シリカ(C)を無機充填材中に80重量%以上含有
していれば残りは特に限定されないが、好ましい具体例
としては結晶性シリカ、アルミナ、マグネシア、クレ
ー、タルク、ケイ酸カルシウム、酸化チタン、酸化アン
チモン、各種セラミックスなどがあげられる。
【0047】本発明において、溶融シリカ(C)を含む
無機充填材をシランカップリング剤、チタネートカップ
リング剤などのカップリング剤であらかじめ表面処理す
ることが耐湿信頼性の点で好ましい。カップリング剤と
してエポキシシラン、アミノシラン、メルカプトシラン
などのシランカップリング剤が好ましく用いられる。
【0048】本発明のエポキシ樹脂組成物にはハロゲン
化エポキシ樹脂、ハロゲン化合物、リン化合物などの難
燃剤、三酸化アンチモンなどの難燃助剤、カーボンブラ
ックなどの着色剤、シリコーンゴム、変性ニトリルゴ
ム、変性ポリブタジエンゴム、変性シリコーンオイルな
どのエラストマー、ポリエチレンなどの熱可塑性樹脂、
長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の金属塩、長鎖脂肪酸のエステ
ル、パラフィンワックス、変性シリコーンオイルなどの
離型剤を任意に添加することができる。
【0049】本発明のエポキシ樹脂組成物は溶融混練す
ることが好ましく、たとえばニーダー、ロール、単軸も
しくは二軸の押出機およびコニーダーなどの公知の混練
方法を用いて溶融混練することにより、製造される。
【0050】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0051】実施例1〜12、比較例1〜8 表1および表2に示した配合物を、表3(実施例1〜1
2)および表4(比較例1〜8)に示した組成比でミキ
サ−を用いてブレンドした。これを、バレル設定温度9
0℃の二軸の押出機を用いて溶融混練後、冷却・粉砕し
てエポキシ樹脂組成物を製造した。
【0052】
【表1】
【0053】
【表2】
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】このエポキシ樹脂組成物を用い、以下に示
した半田耐熱性試験、曲げ試験、吸水率測定を行った。
【0057】半田耐熱性試験:80pinQFPデバイ
ス(パッケージサイズ:17×17×1.7mm、チッ
プサイズ:9×9×0.5mm)を低圧トランスファー
成形機を用いて175℃×120秒の条件で成形し、1
75℃で12時間硬化した。このテストデバイス16個
を85℃/85%RH雰囲気下で所定の時間加湿した
後、215℃に加熱したVPS(ベーパー・フェーズ・
ソルダー・リフロー)浴に90秒間浸漬してクラックの
発生したデバイスを不良とした。
【0058】曲げ試験:ASTM(D790−58T)
に準拠した試験片を低圧トランスファー成形機を用いて
175℃×120秒の条件で成形し、175℃で12時
間硬化した。この試験片を用いて、雰囲気温度215℃
でASTM(D790−58T)に準拠した方法で曲げ
試験を行い、曲げ強度と曲げたわみ率を算出した。
【0059】吸水率測定:半田耐熱性試験に用いる80
pinQFPデバイスを85℃/85%RH雰囲気下で
所定の時間加湿した時の吸水率を測定した。
【0060】表5に示したように、本発明のエポキシ樹
脂組成物(実施例1〜12)は半田耐熱性に優れてい
る。これに対して表6に示したように、エポキシ樹脂
(a1 )および(a2 )を含有しない比較例1、フェノ
ール系化合物(b)を含有しない比較例2では半田耐熱
性が悪い。また、破砕状溶融シリカ、球状溶融シリカの
平均粒径がそれぞれ本発明の範囲を外れる比較例3およ
び比較例4、球状溶融シリカの溶融シリカ(C)中での
割合が本発明の範囲を外れる比較例5および比較例6、
球状溶融シリカの平均粒径が破砕状溶融シリカの平均粒
径より大きい比較例7ではいずれも半田耐熱性が悪い。
さらに無機充填材の全体に対する割合が本発明の範囲よ
り少ない比較例8でも半田耐熱性が悪くなる。
【0061】
【表5】
【0062】
【表6】
【0063】
【発明の効果】本発明のエポキシ樹脂組成物は、特定の
エポキシ樹脂、特定の硬化剤と特定の粒径、形状の組み
合わせからなる溶融シリカとを使用したことによって半
導体封止用として優れた半田耐熱性を有する。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 23/31

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂(A)、フェノール系硬化
    剤(B)、溶融シリカ(C)とを必須成分として含有し
    てなる樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂(A)が
    式(I) 【化1】 (ただし、R1 〜R8 は水素原子、C1 〜C4 の低級ア
    ルキル基またはハロゲン原子から選ばれ、すべてが同一
    である必要はない。)で表されるエポキシ樹脂
    (a1 )、および、式(II) 【化2】 (ただし、R9 〜R16のうち2つは2,3−エポキシプ
    ロポキシ基であり、残りは水素原子、C1 〜C4 の低級
    アルキル基またはハロゲン原子から選ばれ、すべてが同
    一である必要はない。)で表されるエポキシ樹脂
    (a2 )の、少なくとも一方を必須成分として含有し、
    前記フェノール系硬化剤(B)が式(III) 【化3】 (ただし、Rは水素原子、C1 〜C4 の低級アルキル基
    またはハロゲン原子から選ばれ、すべてが同一である必
    要はない。また、nは0以上の整数を示す。)で表され
    るフェノール系化合物(b)を必須成分として含有する
    とともに、前記溶融シリカ(C)が平均粒径10μm以
    下の破砕状溶融シリカ97〜60重量%と平均粒径4μ
    m以下の球状溶融シリカ3〜40重量%からなり、球状
    溶融シリカの平均粒径が破砕状溶融シリカの平均粒径よ
    り小さく、かつ溶融シリカ(C)を含む無機充填材の割
    合が全体の75〜90重量%であるエポキシ樹脂組成
    物。
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