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JP2575465Y2 - ピストンのリングランド構造 - Google Patents

ピストンのリングランド構造

Info

Publication number
JP2575465Y2
JP2575465Y2 JP1992063404U JP6340492U JP2575465Y2 JP 2575465 Y2 JP2575465 Y2 JP 2575465Y2 JP 1992063404 U JP1992063404 U JP 1992063404U JP 6340492 U JP6340492 U JP 6340492U JP 2575465 Y2 JP2575465 Y2 JP 2575465Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ring
piston
thickness
angle
pin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1992063404U
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0628238U (ja
Inventor
潔 桂木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yanmar Co Ltd filed Critical Yanmar Co Ltd
Priority to JP1992063404U priority Critical patent/JP2575465Y2/ja
Publication of JPH0628238U publication Critical patent/JPH0628238U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2575465Y2 publication Critical patent/JP2575465Y2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

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  • Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、内燃機関のピストン構
造に係るものであり、特にFCD(球状黒鉛鋳鉄)一体
形構造のピストンにおいて、リング・ライナの摩耗低減
と、ボス部の応力低減を図るものである。
【0002】
【従来の技術】従来の技術について、図9から図15に
おいて図示している。そして、図9から図15において
示す如く、従来は第1リング裏部の肉厚は周方向で一定
に構成されていたのである。即ち、コージェネ機関を除
く通常の機関では、負荷変動が比較的大きい為に、ピス
トン熱負荷や熱変形量も大きく変化する為に、従来構造
のピストンであっても、リング溝下面角度は負荷変動に
より、ピストンの変形状態が変化するので、リング摺動
面の摩耗形状は自然に円弧状に形成されていたのであ
る。その結果、リングやライナの摩耗量も少なかったの
である。
【0003】図9は従来のピストンのリングランド構造
を示す側面断面図、図10は従来のピストンの運転中熱
変形した時のピン軸断面とピン直角断面における第1リ
ング溝下面4aの傾きを示す図面、図11は従来のピス
トンのピストン頂面5に係る荷重のピン軸断面とピン直
角断面における状態を示す側面図、図12は従来の爆発
上死点における第1リング溝下面とライナ内面に直角な
面の傾斜角度を示す図面、図13は従来のガス圧の作用
していない状態における第1リング摺動面とライナ内面
の角度を示す図面、図14は従来のピストンのピン軸断
面付近肉厚1とピン直角断面付近肉厚2が同じであるこ
とを示す平面図、図15は従来構造でコージェネ機関に
用いられて一定回転負荷で運転された場合、リング先端
が鋭角状プロフィールとなる状態と鋭角状プロフィール
となった状態で最小油膜厚さが非常に小さくなることを
示す図面である。
【0004】図9において示すピストン断面の如く、従
来はピン軸断面付近肉厚部1の厚さtPと、ピン直角断
面付近肉厚部2の厚さtTは同じ厚さに構成されていた
のである。故に、図10に示す如く、ピストンが運転中
熱変形状態における第1リング溝4のリング溝下面4a
の傾斜角度である角度θPと、角度θTは同じとなって
いたのである。また図11に示す如く、ピストン頂面5
に係る荷重も、内側のボス8に大部分が掛かっていたの
である。また、図12に示す如く、爆発上死点付近にお
いて、ピストンが変形した状態の第1リング溝4のリン
グ溝下面4aの角度は、「角度θP=角度θP」となっ
ていたのである。故に、ガス圧の作用していない場合で
ある図13においては、第一リング7が弾性力により水
平に戻った場合のライナ内面と第一リング7の先端断面
との角度θP’と角度θT’も同じとなっていたのであ
る。
【0005】図14において示す如く、従来は、ピン軸
断面付近肉厚部1の厚さtTと厚さtPが同じであった
ので、第一リング7の先端の摩耗角度である角度θT’
と角度θP’がほぼ同じとなり、第一リング7がエンジ
ンの運転と共に、360°回転したとしても、何時も同
じ角度でライナの内面に接当することとなり、先端形状
が円弧状プロフィール7bではなくて鋭角状プロフィー
ル7aとなっていたのである。該鋭角状プロフィールと
なることにより、ライナ9内面の油膜層の削り取りが激
しく、最小油膜厚さが薄くなり、リングやライナの摩耗
が激しかったのである。またピストン頂面5に係る筒内
圧荷重が内側のボス8のみに掛り、内側ボス部は過負荷
状態となっていたのである。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】このように、コージェ
ネ機関のような一定回転・一定負荷で長時間運転される
エンジンの場合には、ピストンの変形状態が常時一定と
なるのでリング摺動面プロフィールがテーパ状となり易
く、油膜の形成が困難となってリング及びライナ9の摩
耗が大きくなるという不具合があったのである。本考案
は、リング摺動面の摩耗メカニズムとリング回転の特性
に、ピストン変形の周方向での変化を組み合わせて、一
定回転・一定負荷の元でのコージェネ機関の場合でも、
自動的に油膜形成に有利な円弧状プロフィールが形成で
きるように構成したのである。また従来のピストン構造
であると、ピストン頂部の筒内圧荷重のピンへの伝達が
内側のボスに集中し、応力過大となるのである。本考案
はこの不具合をも解消するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本考案の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するため
の手段を説明する。冷却空洞を有するFCD一体形構造
のピストンにおいて、該ピストンの第一リング7から下
方のリングランド部肉厚を、ピン軸断面付近の肉厚部1
の厚さtPを厚く、ピン直角断面付近の肉厚部2の厚さ
tTを薄く構成し、円周方向に沿って厚さtTと厚さt
Pを徐々に変化させたものである。
【0008】
【作用】次に作用を説明する。第1リング溝4のリング
溝下面4aの角度は、負荷運転時に変形するのである
が、この変形時のピン軸断面側の角度θPが、厚肉とし
て剛性大の為にピン直角断面側の角度θTよりも小とな
るのである。このように、ピン軸断面側の角度θPと、
ピン直角断面側の角度θTが相違することにより、エン
ジンの運転と共に第一リング7が、ピストンの円周上で
回転すると、リング摺動面7aの摩耗形状は図7に示す
如く、自然に円弧状に形成されていくのである。
【0009】
【実施例】次に実施例を説明する。図1は本考案のピス
トンのリングランド構造を示す側面断面図、図2は本考
案のピストンのピン軸断面とピン直角断面における、運
転中熱変形した時第1リング摺動面4aの傾きを示す図
面、図3は本考案のピストンのピストン頂面5に係る荷
重のピン軸断面とピン直角断面における状態を示す側面
図、図4は爆発上死点における第1リング溝下面とライ
ナ内面に直角な面との傾斜角度を示す図面、図5はガス
圧の作用していない状態における第1リング摺動面とラ
イナ内面の角度を示す図面、図6は本考案のピストンの
ピン軸断面付近肉厚1とピン直角断面付近肉厚2を相違
した状態を示す平面図、図7はリングがピストンの周囲
を回転することにより徐々に、リング先端が円弧状プロ
フィールとなる状態を示す図面、図8は該円弧状プロフ
ィールとなった状態で油膜厚さの変化を示す図面であ
る。
【0010】図1において説明する。即ち、コージェネ
機関等に使用するエンジンのピストンにおいて、本考案
はピストンピン嵌入孔3に沿った方向の断面であるピン
軸断面付近で、第1リング溝4の裏側の肉厚部1の厚さ
tPを、ピン直角断面の肉厚部2の厚さtTよりも大に
構成したのである。そして実際は、図6において図示す
る如く、円周方向に沿って厚さtTと厚さtPを徐々に
変化しているのである。
【0011】このように構成することにより、第1リン
グ溝4のリング溝下面4aの角度は、負荷運転時に熱変
形量により変形するのであるが、この変形時のピン軸断
面側の角度θPが、ピン直角断面側の角度θTよりも小
となるのである。このように、ピン軸断面側の角度θP
と、ピン直角断面側の角度θTが相違することにより、
エンジンの運転と共に第一リング7が、ピストンの円周
上で回転すると、リング摺動面7aの摩耗形状は図7に
示す如く、自然に円弧状に形成されていくのである。
【0012】また図3と図6において、ピストン頂面5
に係る筒内圧荷重について説明する。従来のピストン構
造であると、ピストン頂面5の筒内圧荷重のピンへの伝
達が内側のボス8の部分に集中し、該内側のボス8の部
分が応力過大となっていたのである。本考案はこの不具
合をも解消することが出来るのである。即ち、従来はピ
ン軸断面付近肉厚部1やピン直角断面付近肉厚部2の部
分の厚さtP及び厚さtTが同じであり、その厚さは薄
かったので、この部分において筒内圧荷重を受けること
が少なかったのである。本考案においては、このピン軸
断面付近肉厚部1の部分を、ピン直角断面付近肉厚部2
の部分よりも厚くすることにより、内側のボス8の部分
への応力過大状態をも解消することが出来たのである。
【0013】図4においては、爆発上死点付近における
第一リング7の状態を示している。そして、ピン軸断面
付近肉厚部1の部分は、厚さtPと厚いので、変形量が
少なく、またピン直角断面付近肉厚部2の方は厚さtT
を薄く構成しているので、変形量が多く、第一リング溝
下面4aの傾斜角度である、「角度θP<角度θT」と
なるのである。図5においては、ガス圧の作用してない
時を示している。この場合には、第一リング7は弾性力
により水平状態に戻り、ライナ9の内壁と第一リング7
の先端面との角度は、角度θP’と角度θT’となるの
である。この場合にも、「角度θP’<角度θT’」の
状態を維持している。
【0014】次に図7において説明する。図6に示す如
く、ピストンの円周において、ピン直角断面付近肉厚部
2の部分で「厚さtP>厚さtT」に構成したことによ
り、「角度θP<角度θT」となり、このように角度θ
Tと角度θPが相違する円周上で、第一リング7がエン
ジンの運転に従い回転することにより、図7の如く、第
一リング7の先端面が、角度θP’と角度θT’の2段
で摩耗が繰り返されて、円弧状プロフィールが構成され
るのである。
【0015】次に図8を説明する。このように、第一リ
ング7の先端外周面の断面形状が、鋭角状プロフィール
7aではなくて、円弧状プロフィール7bに構成するこ
とにより、図8の如く、ライナ9の内面と円弧状プロフ
ィールとが接触しても、油膜面を掻き落とす作用は適度
となり、最小油膜厚を大きく残すことが可能となり、リ
ングやライナ9の摩耗量を減少させることが出来るので
ある。
【0016】
【考案の効果】本考案は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するのである。第1に、第1リング摺動
面は爆発上死点付近で、ガス圧力により溝下面に押しつ
けられて、ライナ9の内面により摩耗する。この為、第
1リング溝4の部分の肉厚を、本考案の如く変化させて
おけば、運転中の熱変形や筒内圧変形により第1リング
溝下面角度は周方向で変化し、リング摺動面の摩耗形状
であるテーパ角も周方向で変化する。そしてリングは運
転中においてピストンの周囲を回転する為、リング摺動
面形状は円弧状となり、油膜を形成し易く、リング及び
ライナの摩耗量が減少する。
【0017】第2に、ピン軸断面付近の肉厚を厚くする
ことにより、頂面筒内圧荷重は内側ボスとリング裏部に
分散されて、ピン部に伝達されるのでボス部応力も低減
されるのである。
【0018】第3に、コージェネ機関の場合に、従来構
造のピストンを使用すると、リングやライナの摩耗が早
い為に、LOC・ブローバイ性能が短時間に悪化し易い
ので、リングやライナの交換を頻繁にするか、又は機関
寿命が短くなって、コージェネ機関に要求される耐久性
が満足されないという不具合が発生するのであるが、本
考案のピストンではこの不具合を解消出来るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のピストンのリングランド構造を示す側
面断面図。
【図2】本考案のピストンのピン軸断面とピン直角断面
における、第一リング溝下面4aの傾きを示す図面。
【図3】本考案のピストンのピストン頂面5に係る荷重
のピン軸断面とピン直角断面における状態を示す側面
図。
【図4】爆発上死点における第1リング溝下面とライナ
内面に直角な面との傾斜角度を示す図面。
【図5】ガス圧の作用していない状態における第1リン
グ摺動面とライナ内面の角度を示す図面。
【図6】本考案のピストンのピン軸断面付近肉厚1とピ
ン直角断面付近肉厚2を相違した状態を示す平面図。
【図7】リングがピストンの周囲を回転することにより
徐々に、リング先端が円弧状プロフィールとなる状態を
示す図面。
【図8】該円弧状プロフィールとなった状態で油膜厚さ
の変化を示す図面である。
【図9】従来のピストンのリングランド構造を示す側面
断面図。
【図10】従来のピストンのピン軸断面とピン直角断面
における第1リング溝下面4aの運転時熱変形による傾
きを示す図面。
【図11】従来のピストンのピストン頂面5に係る荷重
のピン軸断面とピン直角断面における状態を示す側面
図。
【図12】従来の爆発上死点における第1リング溝下面
とライナ内面に直角な面との傾斜角度を示す図面。
【図13】従来のガス圧の作用していない状態における
第1リング摺動面とライナ内面の角度を示す図面。
【図14】従来のピストンのピン軸断面付近肉厚1とピ
ン直角断面付近肉厚2が同じであることを示す平面図。
【図15】従来構造でコージェネ機関に用いられて、一
定回転負荷で運転された場合、リング先端が鋭角状プロ
フィールとなる状態と鋭角状プロフィールとなった状態
で最小油膜厚さが非常に小さくなることを示す図面であ
る。
【符号の説明】
1 ピン軸断面付近肉厚部 2 ピン直角断面付近肉厚部 3 ピストンピン嵌入孔 4 第1リング溝 4a 第1リング溝下面 5 ピストン頂面 7 第一リング 7a 鋭角状プロフィール 7b 円弧状プロフィール 8 内側のボス 9 ライナ

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷却空洞を有するFCD一体形構造のピ
    ストンにおいて、該ピストンの第一リング7から下方の
    リングランド部肉厚を、ピン軸断面付近の肉厚部1の厚
    さtPを厚く、ピン直角断面付近の肉厚部2の厚さtT
    を薄く構成し、円周方向に沿って厚さtTと厚さtPを
    徐々に変化させたことを特徴とするピストンのリングラ
    ンド構造。
JP1992063404U 1992-09-10 1992-09-10 ピストンのリングランド構造 Expired - Lifetime JP2575465Y2 (ja)

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JP1992063404U JP2575465Y2 (ja) 1992-09-10 1992-09-10 ピストンのリングランド構造

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JPH0628238U JPH0628238U (ja) 1994-04-15
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5825641U (ja) * 1981-08-11 1983-02-18 株式会社クボタ エンジン等のダイカスト鋳造製ピストン
JPS60206957A (ja) * 1984-03-30 1985-10-18 Hino Motors Ltd 鋳鉄製ピストン
JPH0218641U (ja) * 1988-07-15 1990-02-07

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