JP2008190357A - ピストン - Google Patents
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Abstract
【課題】従来のピストンは、スカート部とサイドウォール部との境界部分にて応力集中が起こり、負荷の程度によってはクラックなどの損傷を受ける可能性があった。
【解決手段】ピンボス部14が形成され、かつピストンピン装着穴15がそれぞれ開口する一対のサイドウォール部16と、ピンボス部14を挟んで対向し、かつ円周方向端部が一対のサイドウォール部16につながる一対のスカート部17と、これらサイドウォール部16とスカート部17との接続領域18に形成された応力分散部とを具える。応力分散部は、一対のサイドウォール部16のスカート部17との接続端側に形成され、かつスカート部17から延在するように突出する延在部19を含むものであってよく、基端が頭部13側に位置する接続領域18の少なくとも末端側に形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】ピンボス部14が形成され、かつピストンピン装着穴15がそれぞれ開口する一対のサイドウォール部16と、ピンボス部14を挟んで対向し、かつ円周方向端部が一対のサイドウォール部16につながる一対のスカート部17と、これらサイドウォール部16とスカート部17との接続領域18に形成された応力分散部とを具える。応力分散部は、一対のサイドウォール部16のスカート部17との接続端側に形成され、かつスカート部17から延在するように突出する延在部19を含むものであってよく、基端が頭部13側に位置する接続領域18の少なくとも末端側に形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数の燃焼室が隣接状態で形成された多気筒内燃機関において用いられるピストンに関する。
ピストンの慣性質量を低減することは、アクセルレスポンスの改善およびエンジンの高回転化を図る上で有利であり、従来から種々の工夫がなされている。例えば、ピストンピン装着穴が形成されたピンボス部を挟んで対向するスカート部と、これらスカート部に円周方向両端部がつながるサイドウォール部とを有するピストンが特許文献1に開示されている。この特許文献1においては、サイドウォール部を貫通するようにピンボス部がサイドウォール部と一体に形成され、サイドウォール部の対向間隔がピストンの頭部の外径よりも小さく設定されている。この結果、スカート部とサイドウォール部とが全体としてほぼ矩形の筒状をなしている。
内燃機関においては、混合気の燃焼に伴って発生する燃焼ガス圧や、熱膨張などにより、ピストンおよびこれを収容するシリンダボアなどの変形が起こる。特に、複数の燃焼室が隣接状態で形成された多気筒内燃機関においては、シリンダボアの変形がその半径方向に関して不均一に起こってしまうことが知られている。これは、シリンダボアの配列方向に沿ってシリンダボアを挟むようにウォータージャケットが形成されているのに対し、隣接するシリンダボアの間にはウォータージャケットが介在していないことに起因する。つまり、ウォータージャケットに臨むシリンダボアの領域の変形が比較的容易に起こり得るのに対し、隣接する燃焼室側へのシリンダボアの変形が抑制されることとなる。この結果、シリンダボアは燃焼室の配列方向に沿って延在する短軸と、これに対して直交する長軸とを持った楕円形状に変形することとなる。
このようなシリンダボアの不均一な変形は、ここに収容されるピストンの熱膨張に対しても種々の悪影響を与える可能性がある。例えば、上述した特許文献1においては、シリンダライナを介してウォータージャケットに臨むスカート部の弾性変形や熱膨張が比較的無理なく行われる。これは、ウォータージャケットに臨むシリンダボアの領域の変形が比較的容易に起こり得ることに起因する。これに対し、ピストンピンの軸線に対して直交する方向に延在するサイドウォール部の弾性変形や熱膨張は抑制された状態となる。その理由は、ピストンピンの軸線に沿ったシリンダボアの変形が抑制されるためである。
この結果、ピストンのスカート部とサイドウォール部との境界部分にて応力集中が起こり、負荷の程度によってはクラックなどの損傷を受ける可能性がある。このような不具合を防止するためには、スカート部とサイドウォール部との境界部分の肉厚を厚くしてその剛性や強度を高める必要があり、ピストンの軽量化を阻害する要因となる。
本発明の目的は、複数の燃焼室が隣接状態で形成された多気筒内燃機関にて用いられるピストンにおいて、スカート部とサイドウォール部との境界領域に発生する応力集中を重量の増加を抑えつつ緩和し得る構造を提供することにある。
本発明によるピストンは、ピンボス部が形成され、かつピストンピン装着穴がそれぞれ開口する一対のサイドウォール部と、前記ピンボス部を挟んで対向し、かつ円周方向端部が前記一対のサイドウォール部につながる一対のスカート部と、これらサイドウォール部とスカート部との接続領域に形成された応力分散部とを具えたことを特徴とするものである。
本発明においては、スカート部およびサイドウォール部の異なる熱膨張および弾性変形に伴ってこれらの接続領域に発生する応力が、ここに形成された応力分散部によって分散される。
本発明によるピストンにおいて、応力分散部は、一対のサイドウォール部のスカート部との接続端側に形成され、かつスカート部から延在するように突出する延在部を含むものであってよい。
あるいは、この応力分散部は接続領域の肉厚が薄くなった薄肉部を含むものであってよい。
応力分散部は、基端がピストン頭部側に位置する接続領域の少なくとも末端側に形成されていることが好ましい。
環状のリップ部を含む燃焼室をさらに具え、この燃焼室のリップ部の内径よりも一対のサイドウォール部の対向間隔が狭く設定されているものであってよい。
本発明のピストンによると、サイドウォール部とスカート部との接続領域に応力分散部を形成したので、スカート部やサイドウォール部の異なる熱膨張および弾性変形に伴ってこれらの接続領域に発生する応力を分散させることができる。この結果、ピストンの軽量化を損なうことなく、サイドウォール部とスカート部との接続領域の応力集中による破損などの不具合を防止することができる。
応力分散部が一対のサイドウォール部のスカート部との接続端側にスカート部から延在するように突出する延在部を含む場合、接続領域にて発生する応力がシリンダボアの内周面に押し当たる延在部に分散されることとなる。
応力分散部が薄肉部を含む場合、薄肉部の変形が容易となり、ピストンの軽量化を企図しつつ接続領域にて発生する応力の集中を回避できる。
基端がピストン頭部側に位置する接続領域の少なくとも末端側に応力分散部を形成した場合、ピストンの軽量化を図ることができる。
環状のリップ部を含む燃焼室をさらに具え、この燃焼室のリップ部の内径よりも一対のサイドウォール部の対向間隔を狭く設定した場合、燃焼室のリップ部に負荷する圧縮力をピストンの頭部に分散させることができる。
本発明によるピストンの実施形態について、図1〜図5を参照しながら詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態のみに限らず、必要に応じてこれらの構成を適宜組み合わせることができることは言うまでもない。
本発明によるピストンの第1の実施形態の外観を図1,2に示す。本実施形態におけるピストン10は、全体がアルミニウムをベースとする合金にて形成されている。このピストン10は、外周面13aに複数本のピストンリング溝11およびオイルリング溝12が加工された頭部13と、図示しないピストンピンを支持するピンボス部14が形成され、かつピストンピン装着穴15がそれぞれ開口する一対のサイドウォール部16と、ピンボス部14を挟んで対向し、かつ円周方向端部が一対のサイドウォール部16につながる一対のスカート部17と、これらサイドウォール部16とスカート部17との接続領域18に形成された本発明の応力分散部としての延在部19とを具えている。サイドウォール部16およびスカート部17は、頭部13の頂面13bの反対側から突出し、全体として楕円筒状の輪郭を有する。
図示しないシリンダボアの内周面に対して摺接し得るスカート部17の外周面17aは、シリンダボアの内径よりも数十マイクロメートル程度小径に形成されている。なお、ピストン10を構成するアルミニウム合金は、シリンダボアを画成する鋳鉄などのシリンダライナよりも熱膨張率が一般に大きいため、エンジンの運転中はピストン10のスカート部17がシリンダライナの内周面に対して摺接状態となる。
サイドウォール部16の外周面16aは、頭部13の外周面13aよりもピストン10の中心側に後退した状態となっており、平面またはシリンダボアの内径よりも充分に大きな半径の円弧面にて形成されている。このため、サイドウォール部16はシリンダボアの内周面に対して常に非接触状態に保たれる。
ピストンピン装着穴15が貫通状態で形成された一対のピンボス部14は、これら一対のサイドウォール部16の対向端面側にそれぞれ形成されている。
本実施形態における応力分散部としての延在部19は、一対のサイドウォール部16のスカート部17との接続端側に形成され、かつ外周面19aがスカート部17から延在するように突出している。延在部19の外周面19aは、スカート部17と同じ曲率中心と同じ曲率半径とを有する。これら延在部19は、基端が頭部13側に位置する接続領域18の末端側にのみそれぞれ配されている。このように、基端側よりも変形し易い末端側に延在部19が形成されているため、延在部19の存在によって接続領域18の末端側の剛性を向上させることができる。しかも、接続領域18に発生する応力を延在部19に分散させることにより、ピストン10の軽量化をそれほど損なうことなく、接続領域18に亀裂などの損傷が発生するのを回避することができる。
上述した実施形態においては、基端がピストン10の頭部13側に位置する接続領域18の末端側にのみ延在部19を形成したが、これを接続領域18の長手方向(ピストン10が往復運動する方向と平行な方向)の全域に形成することも可能である。
このような本発明によるピストンの他の実施形態の外観を一部破断状態で図3に示し、その頂面の右半分を破断して図4に示すが、先の実施形態と同一機能の部分にはこれと同一符号を記すに止め、重複する説明を省略するものとする。すなわち、本実施形態における延在部19は、サイドウォール部16の左右両端部を覆うように接続領域18の長手方向の全域に形成されている。このため、先の実施形態よりも接続領域18に発生する応力を延在部19にさらに分散させることができ、接続領域18に亀裂などの損傷が発生するのをより確実に防止することができる。
なお、本実施形態におけるピストン10は、環状のリップ部20を含む燃焼室21をその頂面13bに具えている。また、この燃焼室21のリップ部20の内径よりも一対のサイドウォール部16の対向間隔を狭く設定している。つまり、ピンボス部14のピストンピン装着穴15に圧入されるピストンピン22の長さよりも、燃焼室21の内径を大きくしてあるため、サイドウォール部16よりも外周側に位置する頭部13の弾性変形が容易となる。この結果、サイドウォール部16の対向間隔を拡げた場合よりも燃料の燃焼時に燃焼室21に作用する応力を頭部13の広い範囲に亙って分散させることができる。
上述した実施形態においては、一対のサイドウォール部16のスカート部17との接続端側に、スカート部17から延在するように突出する延在部19を応力分散部として形成したが、接続領域18の肉厚が薄くなった薄肉部を応力分散部として形成することも可能である。
このような本発明によるピストンの別な実施形態の外観を図5に示すが、先の実施形態と同一機能の部分にはこれと同一符号を記すに止め、重複する説明を省略するものとする。すなわち、サイドウォール部16とスカート部17との接続領域18の内周面の末端側には、その肉厚を薄く設定した薄肉部23が本発明の応力分散部として形成されている。このような薄肉部23を形成したことにより、接続領域18の弾性変形が容易となり、接続領域18に発生する応力を分散させることができる上、ピストン10の軽量化を図ることも可能となる。なお、この薄肉部23をサイドウォール部16とスカート部17との接続領域18の外周面側に形成することも可能である。
なお、本発明はその特許請求の範囲に記載された事項のみから解釈されるべきものであり、上述した実施形態においても、本発明の概念に包含されるあらゆる変更や修正が記載した事項以外に可能である。つまり、上述した実施形態におけるすべての事項は、本発明を限定するためのものではなく、本発明とは直接的に関係のないあらゆる構成を含め、その用途や目的などに応じて任意に変更し得るものである。
10 ピストン
11 ピストンリング溝
12 オイルリング溝
13 頭部
13a 外周面
13b 頂面
14 ピンボス部
15 ピストンピン装着穴
16 サイドウォール部
16a 外周面
17 スカート部
17a 外周面
18 接続領域
19 延在部
19a 外周面
20 リップ部
21 燃焼室
22 ピストンピン
23 薄肉部
11 ピストンリング溝
12 オイルリング溝
13 頭部
13a 外周面
13b 頂面
14 ピンボス部
15 ピストンピン装着穴
16 サイドウォール部
16a 外周面
17 スカート部
17a 外周面
18 接続領域
19 延在部
19a 外周面
20 リップ部
21 燃焼室
22 ピストンピン
23 薄肉部
Claims (5)
- ピンボス部が形成され、かつピストンピン装着穴がそれぞれ開口する一対のサイドウォール部と、
前記ピンボス部を挟んで対向し、かつ円周方向端部が前記一対のサイドウォール部につながる一対のスカート部と、
これらサイドウォール部とスカート部との接続領域に形成された応力分散部と
を具えたことを特徴とするピストン。 - 前記応力分散部は、前記一対のサイドウォール部の前記スカート部との接続端側に形成され、かつ前記スカート部から延在するように突出する延在部を含むことを特徴とする請求項1に記載のピストン。
- 前記応力分散部は、前記接続領域の肉厚が薄くなった薄肉部を含むことを特徴とする請求項1に記載のピストン。
- 前記応力分散部は、基端がピストン頭部側に位置する前記接続領域の少なくとも末端側に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載のピストン。
- 環状のリップ部を含む燃焼室をさらに具え、この燃焼室のリップ部の内径よりも前記一対のサイドウォール部の対向間隔が狭く設定されていることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載のピストン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007023045A JP2008190357A (ja) | 2007-02-01 | 2007-02-01 | ピストン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007023045A JP2008190357A (ja) | 2007-02-01 | 2007-02-01 | ピストン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008190357A true JP2008190357A (ja) | 2008-08-21 |
Family
ID=39750689
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007023045A Pending JP2008190357A (ja) | 2007-02-01 | 2007-02-01 | ピストン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2008190357A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101839187A (zh) * | 2009-03-12 | 2010-09-22 | 日立汽车系统株式会社 | 内燃机活塞 |
DE102014016208B4 (de) | 2013-10-31 | 2023-09-07 | Suzuki Motor Corporation | Kolben für Verbrennungskraftmaschine |
-
2007
- 2007-02-01 JP JP2007023045A patent/JP2008190357A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN101839187A (zh) * | 2009-03-12 | 2010-09-22 | 日立汽车系统株式会社 | 内燃机活塞 |
JP2010209862A (ja) * | 2009-03-12 | 2010-09-24 | Hitachi Automotive Systems Ltd | 内燃機関のピストン |
US8220432B2 (en) | 2009-03-12 | 2012-07-17 | Hitachi Automotive Systems, Ltd. | Internal combustion engine piston |
US8701619B2 (en) | 2009-03-12 | 2014-04-22 | Hitachi Automotive Systems, Ltd. | Internal combustion engine piston |
DE102014016208B4 (de) | 2013-10-31 | 2023-09-07 | Suzuki Motor Corporation | Kolben für Verbrennungskraftmaschine |
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