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JP2573715B2 - エレベータ制御装置 - Google Patents

エレベータ制御装置

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JP2573715B2
JP2573715B2 JP2077114A JP7711490A JP2573715B2 JP 2573715 B2 JP2573715 B2 JP 2573715B2 JP 2077114 A JP2077114 A JP 2077114A JP 7711490 A JP7711490 A JP 7711490A JP 2573715 B2 JP2573715 B2 JP 2573715B2
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伸太郎 辻
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Publication date
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Automation & Control Theory (AREA)
  • Elevator Control (AREA)
  • Indicating And Signalling Devices For Elevators (AREA)
  • Escalators And Moving Walkways (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、エレベータのかごが各階床に到達すると
きの、かご内の混雑の程度(以下、かご内混雑度とい
う)を速やかに且つ精度良く予測できるエレベータ制御
装置に関するものである。
[従来の技術] 従来より、複数台のかごが併設されたエレベータ装置
においては、通常、群管理運転が行われており、このよ
うな群管理運転の1つとして、例えば割当方式がある。
割当方式とは、乗場呼びが登録されると直ちに各かご毎
に評価値を演算し、評価値が最良のものをサービスすべ
き割当かごとして選択し、上記乗場呼びに対しては割当
かごのみを応答させるようにして、運転効率の向上及び
待時間の短縮を計るものである。
しかし、1日のビル内の交通状態の中で、出勤時、昼
食時、退勤時、などの交通混雑時においては、かごが満
員となってしまい、割当られた乗場呼びを通過し、他の
かごに割当(予報)を変更するという現象が多発する。
又、かごが到着しても、既にかご内が混雑しているため
に待客全員が乗車できず、積み残し客が生じるという現
象も多発する。このような満員通過や満員積み残し現象
は、乗場待客に余分な待時間を課することになり、好ま
しいことではない。
従って、このような現象の発生を防止するため、例え
ば、特公昭62−47787号公報に記載されたエレベータの
群管理装置が提案されている。この場合、乗場呼びが登
録されると、その乗場呼びを各かごに仮に割当てたとき
の全ての乗場呼びの予測待時間の二乗値の総和をそれぞ
れ待時間評価値とし、又、乗場呼びを各かごに仮に割当
てたときの全ての乗場呼びに対する満員確率(かごが満
員になる可能性を表わす指標)の総和に所定の重み付け
をしたものを満員評価値とし、これらの待時間評価値及
び満員評価値を加算して総合評価値を求め、この総合評
価値が最小となるかごを割当かごとして選択する。
又、このほかにも、かご内負荷(又は、かご内乗客
数)の予測値をそのまま上記評価値に組込む割当方式
(特開昭59−177266号公報参照)や、かご内乗客数の予
測値が乗込制限値を越えるかごには乗場呼びを割当てな
いようにする割当方式(特公昭61−4748号公報参照)な
ども提案されている。
このように、近い将来のかご内混雑度の予測値(以
下、かご内予測混雑度という)に基づいて乗場呼びの割
当を行うことにより、乗場呼びの待時間を短縮させると
共に、満員通過や積残し現象の発生を減少させることが
できる。
しかし、かご内予想混雑度の正確さが失われると、評
価値は、割当かごを選択するための基準値としての意味
を持たなくなり、結局、乗場呼びの待時間を短縮させた
り、満員通過や積残し現象を減少させることはできなく
なる。従って、かご内予想混雑度の正確さは、群管理の
性能に大きく影響を及ぼしている。
更に、かご内予想混雑度を用いた群管理制御装置は、
上記のような満員通過防止を目的としたもの以外にも種
々提案されている。例えば、乗場呼び登録の再操作の手
間を省くために、待客数検出装置により検出した待客数
と、かご呼びがあるときにその階床で降車する人数を予
測して求めた予想かご負荷とから、かごが到着したとき
に積残しが予想される場合には乗場呼びを打消さないよ
うにした方式(実公平62−43975号公報参照)がある。
又、重役室や貴賓室のある重要階床などの乗場呼びに対
してはできるだけすいているかごを割当てるようにした
方式や、乗車人数又は乗込み可能人数の予想値を、乗場
に設けた報知器により待客に知らせる方式(実開昭56−
135969号公報参照)などもある。このような群管理制御
においても、かご内予想混雑度の正確さは、群管理の性
能に大きな影響を及ぼす。
従来、かご内予想混雑度の予測演算方法としては、以
下の(A)及び(B)に示すものが提案されている。
(A)かご内乗客数を行先階床呼び別に振り分け、かご
内乗客数に待客数検出装置により検出した乗場待客数を
加算し、更に行先階床呼び別のかご内乗客数を減算し
て、各乗場毎にかご内予想乗客数を求める(特開昭50−
102044号公報、特公昭5435368号公報、等参照)。
(B)かご負荷(定格負荷に対する割合)の予測値にば
らつきがあることを考慮して、途中階床での乗込客数及
び降車客数の予測値と乗込許容人数とから、乗場毎にか
ごが満員通過する確率(満員通過確率)、及び、満員で
出発し積残し客を生じさせる確率(満員積残し確率)を
求める(特公昭62−47787号公報参照)。
又、かご内予想乗客数の予測精度を向上させるため、
以下の(C)及び(D)に示すような予測方法が提案さ
れている。
(C)かご内乗客数を、かご呼びのある階床に所定の割
合に従って配分し、行先階床別のかご内乗客数を検出す
る。このとき、配分された行先階床別のかご内乗客数の
和が、かご内乗客数となるように補正する(特公昭54−
24578号公報参照)。
(D)かご内乗客数又はかご呼びの状態が変化したとき
に、行先階床別のかご内予想乗客数を修正する。これに
より、最新の運行状態に基づいた正確な予測が可能とな
る(特公昭54−35371号公報参照)。
更に、上記(A)の方法においては、待客数検出装置
が付加されることを前提としているが、待客数検出装置
は高価なため全階床に設置されないことが多い。従っ
て、以下の(E)に示す方法が提案されている。
(E)待客数検出装置が付加されないときには、過去の
交通需要に応じた一定値で乗場待客数を予測し、この乗
場待客数に基づいて、かご内予想乗客数を演算する(特
公昭54−35372号公報参照)。
しかしながら、上記(E)のような方法においては、
乗場待客数の予測精度が低いため、結果的に、かご内予
想乗客数の予測演算精度の向上しない。そこで、乗場待
客数検出装置が設置されない場合でも、かご内予想乗客
数を精度良く予測できるように、以下の(F)〜(H)
に示すような方法が提案されている。
(F)乗場呼びの継続時間に基づいて待客数を予測し、
予想待客数をかご内予想乗客数の演算に用いる(特開昭
59−177266号公報参照)。
(G)サービス階床間の交通量を計測して単位時間当り
の平均交通量を予測し、平均交通量とかごが到着するま
での予測時間とから待客数を予測し、この予想待客数を
かご内予想乗客数の演算に用いる(特開昭59−4583号公
報、特開昭59−182182号公報参照)。
(H)乗場待人数入力装置を介して、乗場待客自身が入
力した待客数を用いて、かご内予想乗客数の演算を行う
(特開昭59−1246710号公報参照)。
又、特開平1−275381号公報に記載されたように、人
間の脳のニューロンに対応させたニューラルネットを用
いた演算に基づいて、乗場呼びに対する割当かごを選択
する群管理制御装置も提案されているが、かご内予想混
雑度の演算精度を向上させることは考慮されていない。
更に、特開昭59−48367号公報に記載されたように、
かご重量情報から交通情報を演算して運転パラメータを
作成するために、交通需要をオンラインで計測し、計測
データからシミュレーションによりエリア優先パラメー
タを取得し、かご内人数を修正して満員予測する群管理
制御装置も提案されているが、行先交通量の予測データ
に基づいて乱数により乗客及び行先を想定し、その仮想
呼びに基づくシミュレーションによりかご内人数を修正
しており、実データに基づいていないので、十分な予測
精度を達成することはできない。
[発明が解決しようとする課題] 従来のエレベータ制御装置は以上のように、かご内予
想混雑度を演算するために、種々の要素、即ち、かご内
乗客数やかご呼びの状態、停止予定階床での乗降人数の
予測、行先階床別の乗客数の予測、行先階床別の待客数
の予測、各階床の交通状態、などを考慮している。しか
し、これらの要素の予測を、時々刻々と複雑に変化する
交通状態に対応できるように行い、かご内予想混雑度を
正確に演算しようとすると、かご内予想混雑度の演算式
は更に複雑になり、人間の能力に限界がある以上、演算
精度向上を目指して新しい演算式を開発することも困難
になる。又、一方では、詳細な予測演算を行うことが演
算時間の増大を招き、乗場呼び登録と同時に割当かごを
決定し且つかご内予想混雑度を予報するという機能を実
現することができないという問題点があった。
この発明は上記のような問題点を解決するためになさ
れたもので、交通状態や交通量に応じて柔軟な予測を行
うことにより、実際のかご内混雑度に近い精密なかご内
混雑度を予測できるエレベータ制御装置を得ることを目
的とする。
[課題を解決するための手段] この発明に係るエレベータ制御装置は、かご位置、運
行方向、かご負荷及び応答すべき呼びを含む交通状態デ
ータを、ニューラルネットの入力データとして使用でき
る形に変換する入力データ変換手段と、入力データを取
り込む入力層、かご内予想混雑度に相当するデータを出
力データとする出力層、及び、入力層と出力層との間に
あって重み係数が設定された中間層を含み、ニューラル
ネットを構成するかご内予想混雑度演算手段と、出力デ
ータを所定の制御目的の動作に使用できる形に変換する
出力データ変換手段とを備えたものである。
又、この発明の別の発明に係るエレベータ制御装置
は、エレベータの稼働中に予め決められた時期になる
と、所定の乗場のかご内予想混雑度及びそのとき使用し
た入力データを記憶すると共に、その後の制御結果によ
りかごが所定の乗場に停止又は通過するときの実混雑度
を記憶し、記憶された入力データ、かご内予想混雑度及
び実混雑度を一組の学習用データとして出力する学習用
データ作成手段と、学習用データを用いてかご内予想混
雑度演算手段の重み係数を修正する修正手段とを更に備
えたものである。
[作用] この発明においては、交通状態データをニューラルネ
ットに取り込んで、実際のかご内混雑度に近いかご内予
想混雑度を短時間に演算し、このかご内予想混雑度を用
いて所定目的に沿ったエレベータ動作の制御を行う。
又、この発明の別の発明においては、演算された予測
結果とそのときの交通状態データ及び実測データとに基
づいて学習用データを作成し、学習用データに基づい
て、かご内予想混雑度演算手段(ニューラルネット)の
重み係数を自動的に修正することにより、交通状態や交
通需要に応じた柔軟な予測演算を行う。
[実施例] 以下、この発明の一実施例を図について説明する。第
1図はこの発明の一実施例の全体構成を示す機能ブロッ
ク図、第2図は第1図内の群管理装置の概略構成を示す
ブロック図である。
第1図において、群管理装置(10)は、機能的に以下
の手段(10A)〜(10D)、(10F)及び(10G)から構成
され、複数(例えば、1号機用及び2号機用)のかご制
御装置(11)及び(12)を制御する。
乗場呼び登録手段(10A)は、各階床の乗場呼び(上
り方向及び下り方向の乗場呼び)の登録及び解消を行う
と共に、乗場呼びが登録されてからの経過時間(即ち、
継続時間)を演算する。
乗場呼びにサービスするのに最良のかごを選択して割
当てる割当手段(10B)は、乗場呼びの予測待時間とか
ご内予想混雑度(予測かご負荷)に基づいて評価値を計
算し、この評価値が最小となるかごを割当てる。
データ変換手段(10C)は、かご位置、運行方向、か
ご負荷、応答すべき呼び(かご呼び、又は、割当てられ
た乗場呼び)などの交通状態データをニューラルネット
の入力データとして使用できる形に変換する入力データ
変換手段と、ニューラルネットの出力データ(かご内予
想混雑度に相当するデータ)を所定の制御目的の動作
(例えば、評価値の演算)に使用できる形に変換する出
力データ変換手段とを含んでいる。
時間帯に応じて各かごのかご内予想混雑度を演算する
かご内予想混雑度演算手段(10D)は、後述するよう
に、入力データを取り込む入力層と、かご内予想混雑度
に相当するデータを出力データとする出力層と、入力層
と出力層との間にあって重み係数が設定された中間層と
からなるニューラルネットを含んでいる。
学習用データ作成手段(10F)は、各かごのかご内予
想混雑度及びそのときの入力データ(交通状態データ)
と、その後の各かごの混雑度(かご負荷)に関する実測
データ(教師データ)とを記憶し、これらを学習用デー
タとして出力する。
修正手段(10G)は、学習用データを用いてかご内予
想混雑度演算手段(10D)におけるニューラルネットの
機能を学習及び修正する。
1号機用及び2号機用のかご制御装置(11)及び(1
2)は、それぞれ同一構成であり、例えば、1号機用の
かご制御装置(11)は、以下のように周知の手段(11
A)〜(11E)から構成されている。
乗場呼び打消手段(11A)は、各階床の乗場呼びに対
する乗場呼び打消信号を出力する。かご呼び登録手段
(11B)は、各階床のかご呼びを登録する。到着予報灯
制御手段(11C)は、各階床の到着予報灯(図示せず)
の点灯を制御する。運転制御手段(11D)は、かごの運
行方向を決定したり、かご呼びや割当てられた乗場呼び
に応答させるために、かごの走行及び停止を制御する。
戸制御手段(11E)は、かごの出入口の戸の開閉を制御
する。
又、第2図において、群管理装置(10)は、周知のマ
イクロコンピュータからなり、MPU(マイクロプロセシ
ングユニット)又はCPU(101)と、ROM(102)と、RAM
(103)と、入力回路(104)と、出力回路(105)とか
ら構成されている。
入力回路(104)には、各階床の乗場釦からの乗場釦
信号(14)と、かご制御装置(11)及び(12)からの1
号機及び2号機の状態信号とが入力される。又、出力回
路(105)からは、各乗場釦に内蔵された乗場釦灯への
乗場釦灯信号(15)と、かご制御装置(11)及び(12)
への指令信号とが出力される。
第3図は第1図内のデータ変換手段(10C)及びかご
内予想混雑度演算手段(10D)の関係を具体的に示す機
能ブロック図である。
第3図において、入力データ変換手段即ち入力データ
変換サブユニット(10CA)、及び出力データ変換手段即
ち出力データ変換サブユニット(10CB)は、第1図内の
データ変換手段(10C)を構成している。又、入力デー
タ変換サブユニット(10CA)と出力データ変換サブユニ
ット(10CB)との間に挿入されたかご内予想混雑度演算
ユニット(10DA)は、ニューラルネットからなり、第1
図内のかご内予想混雑度演算手段(10D)で用いられる
予測演算サブルーチンを構成している。
入力データ変換サブユニット(10CA)は、かご位置、
運行方向、かご負荷、応答すべき呼び(即ち、かご呼び
や割当てられた乗場呼び)、交通の流れの統計的特徴
(5分間乗車人数、5分間降車人数)などの交通状態デ
ータをニューラルネット(10DA)の入力データとして使
用できる形に変換する。
出力データ変換サブユニット(10CB)は、ニューラル
ネット(10DA)の出力データ(かご内予想混雑度に相当
するデータ)を乗場呼び割当動作の評価値演算に使用で
きる形に変換する。
ニューラルネットからなるかご内予想混雑度演算ユニ
ット(10DA)は、入力データ変換サブユニット(10CA)
からの入力データを取り込む入力層(10DA1)と、かご
内予想混雑度に相当するデータを出力データとする出力
層(10DA3)と、入力層(10DA1)と出力層(10DA3)と
の間にあって、重み係数が設定された中間層(10DA2)
とから構成されている。
これらの各層(10DA1)〜(10DA3)は、互いにネット
ワークで接続されており、それぞれ複数のノード(nod
e)から構成されている。
ここで、入力層(10DA1)、中間層(10DA2)及び出力
層(10DA3)のノード数を、それぞれ、N1、N2、N3とす
れば、出力層(10DA3)のノード数N3は、 N3=2(FL−1) 但し、FL:ビルの階床数 で表わされ、入力層(10DA1)及び中間層(10DA2)のノ
ード数N1及びN2は、それぞれビルの階床数FL、使用する
入力データの種類、並びに、かご台数などにより決定さ
れる。
又、変数i、j、kを、 i=1,2,…,N1 j=1,2,…,N2 k=1,2,…,N3 とすれば、入力層(10DA1)の第iノードの入力値及び
出力値はxa1(i)及びyal(i)、中間層(10DA2)の
第jノードの入力値及び出力値はxa2(j)及びya2
(j)、出力層(10DA3)の第kノードの入力値及び出
力値はxa3(k)及びya3(k)で表わされる。
又、入力層(10DA1)の第iノードと中間層(10DA2)
の第jノードとの間の重み係数をwa1(i,j)、中間層
(10DA2)の第jノードと出力層(10DA3)の第kノード
との間の重み係数をwa2(j,k)とすれば、各ノードの入
力値と出力値との関係は、 ya1(i)=1/[1+exp{−xa1(i)}] …… xa2(j)=Σ{wa1(i,j)×ya1(i)} …… (i=1〜N1による総和式) ya2(j)=1/[1+exp{−xa2(j)}] …… xa3(k)=Σ{wa2(j,k)×ya2(j)} …… (j=1〜N2による総和式) ya3(k)=1/[1+exp{−xa3(k)}] …… で表わされる。
第4図は群管理装置(10)内のROM(102)に記憶され
た群管理プログラムを概略的に示すフローチャート図、
第5図は第4図内の1号機用仮割当て時のかご内混雑度
予測プログラムを具体的に示すフローチャート図、第6
図は第4図内の学習用データ作成プログラムを具体的に
示すフローチャート図、第7図は第4図内の修正プログ
ラムを具体的に示すフローチャート図である。
以下、第4図を参照しながら、第1図〜第3図に示し
たこの発明の一実施例の群管理動作について説明する。
まず、群管理装置(10)は、周知の入力プログラム
(ステップ31)に従って、乗場釦信号(14)と、かご制
御装置(11)及び(12)からの状態信号を取り込む。こ
こで入力される状態信号には、かご位置、走行方向、停
止又は走行状態、戸開閉状態、かご負荷、かご呼び、乗
場呼びの打消信号などが含まれている。
次に、周知の乗場呼び登録プログラム(ステップ32)
に従って、乗場呼びの登録又は解除、並びに、乗場釦灯
の点灯又は消灯を判定すると共に、乗場呼びの継続時間
を演算する。
続いて、新規の乗場呼びCが登録されたか否かを判定
し(ステップ33)、もし、登録されていれば、1号機用
の仮割当て時のかご内混雑度予測プログラム(ステップ
34)により、新規の乗場呼びCを1号機に仮に割当てた
ときの1号機の各乗場k(k−1,2,…,N3)に対するか
ご内予想混雑度Ta1(k)を演算する。
同様に、2号機仮割当て時のかご内混雑度予測プログ
ラム(ステップ35)により、乗場呼びCを2号機に仮に
割当てたときの2号機の各乗場k(k=1,2,…,N3)に
対するかご内予想混雑度Ta2(k)を演算する。
又、新規の乗場呼びCを無視して1号機及び2号機の
どちらにも割当てない場合(非仮割当て時)のかご内混
雑度予測プログラム(ステップ36及び37)を実行し、1
号機及び2号機の各乗場k(k=1,2,…,N3)に対する
かご内予想混雑度Tb1(k)及びTb2(k)を演算する。
次に、割当プログラム(ステップ38)により、ステッ
プ34〜37で演算されたかご内予想混雑度Ta1(k)、Ta2
(k)、Tb1(k)及びTb2(k)に基づいて、評価値
(例えば、待時間評価値)W1及びW2を演算し、この評価
値が最小となるかごを正規の割当かごとして選択する。
こうして割当てられたかごには、乗場呼びCに対応した
割当指令及び予報指令が設定される。尚、評価値W1及び
W2の演算方法については、例えば、特開昭59−177266号
公報に記載されている。
次に、出力プログラム(ステップ39)により、上記の
ように設定された乗場釦灯信号(15)を乗場に送出する
と共に、割当信号及び予報信号などをかご制御装置(1
1)及び(12)に送出する。
尚、学習用データ作成プログラム(ステップ40)にお
いては、入力データとして変換後の交通状態データと、
各乗場のかご内予想混雑度及びその後の各かごのかご内
混雑度(かご負荷)の実測データとを記憶し、これらを
学習用データとして出力する。
又、修正プログラム(ステップ41)においては、学習
用データを使用して、かご内予想混雑度演算手段(10
D)におけるネットワークの重み係数を修正する。
このように、群管理装置(10)は、ステップ31〜41を
繰り返し実行して、複数のエレベータかごの群管理制御
を行う。
次に、各ステップ34〜37のかご内混雑度予測プログラ
ムの動作を、第5図を参照しながら、ステップ34を例に
とって具体的に説明する。
まず、新規の乗場呼びCを1号機に仮に割当てて、入
力データ変換サブユニット(10CA)に入力するための、
割当乗場呼びデータを作成する(ステップ50)。
尚、ステップ35においては2号機に仮に割当てて割当
乗場呼びデータを作成し、ステップ36及び37においては
仮割当しない場合の割当乗場呼びデータをそのまま割当
乗場呼びデータとして入力に使用する。
次に、入力された交通状態データのうち、かご内予想
混雑度を演算すべきかごに関するデータ(かご位置、運
行方向、かご負荷、かご呼び、割当乗場呼び)と、現時
点での交通の流れの統計的特徴を表わすデータ(5分間
乗車人数、5分間降車人数)とを取り出し、これらをか
ご内予想混雑度演算ユニット(10DA)の入力層(10DA
1)の各ノードに対する入力データxa1(1)〜xa1(N
1)として変換する(ステップ51)。
ここで、ビルの階床数FLを12階とし、乗場番号fに対
して、f=1,2,…,11がそれぞれ1,2,…,11階の上り方向
乗場を表わし、f=12,13,…,22がそれぞれ12,11,…,2
階の下り方向乗場を表わすものとすると、例えば、「か
ご位置階床がf、運行方向が上り」というかご状態は、 xa1(f)=1 xa1(i)=0 (i=1,2,…,22、i≠f) となり、0〜1の値に正規化された値として表わされ
る。又、かご負荷xa1(23)は、取り得る最大値NTmax
(例えば、120%)で除算することによって0〜1の値
に正規化される。
又、1階〜12階のかご呼びxa1(24)〜xa1(35)は、
登録されていれば「1」、登録されていなければ「0」
で表わされ、1階〜11階の上り方向の割当乗場呼びxa1
(36)〜xa1(46)は、割当されていれば「1」、割当
されていなければ「0」で表わされ、12階〜2階の下り
方向の割当乗場呼びxa1(47)〜xa1(57)は、割当され
ていれば「1」、割当されていなければ「0」で表わさ
れる。
更に、1階〜11階の上り方向での5分間乗車人数xa1
(58)〜xa1(68)は、過去の交通量の統計から求めた
5分間当りの乗車人数を、取り得る最大値NNmax(例え
ば、100人)で除算することにより、0〜1の値に正規
化される。同様に、12階〜2階の下り方向での5分間乗
車人数xa1(69)〜xa1(79)、1階〜11階の上り方向で
の5分間降車人数xa1(80)〜xa1(90)、並びに、12階
〜2階の下り方向での5分間降車人数xa1(91)〜xa1
(101)も最大値NNmaxで除算することにより正規化され
る。
尚、入力データを正規化する方法は、上記の方法に限
られることはなく、かご位置と運行方向とを別々に表わ
すこともできる。例えば、かご位置階床がfのときの、
かご位置階床を表わす第1ノードの入力値xa1(1)
を、 xa1(1)=f/FL とし、かごの運行方向を表わす第2ノードの入力値xa1
(2)を、上り方向は「+1」、下り方向は「−1」、
無方向は「0」として表わしてもよい。
こうして、ステップ51により入力層(10DA1)に対す
る入力データが設定されると、以下のステップ52〜56に
より、1号機に新規の乗場呼びCを仮に割当てたときの
かご内混雑度を予測するためのネットワーク演算を行
う。
まず、入力データxa1(i)を用いて、式より、入
力層(10DA1)の出力値ya1(i)を演算する(ステップ
52)。
続いて、式で得られた出力値ya1(i)に重み係数w
a1(i,j)を乗算し、且つ、i=1〜N1について総和し
て、式より、中間層(10DA2)の入力値xa2(j)を演
算する(ステップ53)。
続いて、式で得られた入力値xa2(j)を用いて、
式より、中間層(10DA2)の出力値ya2(j)を演算す
る(ステップ54)。
続いて、式で得られた出力値ya2(j)に重み係数w
a2(j,k)を乗算し、且つ、j=1〜N2について総和
し、式より、出力層(10DA3)の入力値xa3(k)を演
算する(ステップ55)。
そして、式で得られた入力値xa3(k)を用いて、
式より、出力層(10DA3)の出力値ya3(k)を演算す
る(ステップ56)。
以上のように、かご内予想混雑度のネットワーク演算
が終了すると、第1図内の出力データ変換サブユニット
(10CB)により、出力値ya3(1)〜ya3(N3)の形を変
換して最終的なかご内予想混雑度を決定する(ステップ
57)。
このとき、出力層(10DA3)の各ノードは、方向別の
乗場に対応しており、第1〜第11ノードの出力値ya3
(1)〜ya3(11)は、それぞれ、1,2,…,11階の上り方
向乗場のかご内予想混雑度の演算値の決定に使用され、
第12〜第22ノードの出力値ya3(12)〜ya3(22)は、そ
れぞれ、下り方向乗場のかご内予想混雑度の演算値の決
定に使用される。
即ち、第kノードの出力値ya3(k)は、乗場kのか
ご内予想混雑度T(k)に変換され、このかご内予想混
雑度T(k)は、 T(k)=ya3(k)×NTmax …… のように表わされる。但し、NTmaxは、かご内予想混雑
度の取り得る最大値を表わす一定値である。ここで、第
kノードの出力値ya3(k)は0〜1の範囲に正規化さ
れているので、式のように最大値NTmaxを乗算するこ
とにより、かご内予想混雑度T(k)は、乗場呼び割当
の評価値演算に使用できるように変換される。
このように、かご内混雑度予測プログラム(ステップ
34〜37)において、交通状態とかご内予想混雑度との因
果関係をネットワークで表現し、交通状態データをニュ
ーラルネットに取り込んでかご内予想混雑度を演算する
ようにしたので、従来の方式では実現できなかった精度
で、実際のかご内混雑度に近いかご内予想混雑度を求め
ることができる。更に、かご内予想混雑度に基づいて、
乗場呼びに対する割当かごを選択するようにしたので、
乗場呼びの待時間を短縮させると共に、満員通過や満員
積残しの発生を減少させることができる。
しかし、このネットワークは、ニューラルネット(10
DA)内の各ノード間を結ぶ重み係数wa1(i,j)及びwa2
(j,k)によって変化するので、重み係数wa1(i,j)及
びwa2(j,k)を学習によって適切に変化させ、修正する
ことにより、更に適切なかご内予想混雑度を決定するこ
とができる。
次に、第6図及び第7図を参照しながら、学習用デー
タ作成手段(10F)及び修正手段(10G)により、学習用
データ作成プログラム(ステップ40)及び修正プログラ
ム(ステップ41)を実行した場合の、この発明の別の発
明の一実施例について説明する。尚、この場合の学習
(ネットワークの修正)は、バックプロパゲーション法
を用いて効率的に行われる。バックプロパゲーション法
とは、ネットワークの出力データと、実測データや制御
目標値などから作成した望ましい出力データ(教師デー
タ)との誤差を用いて、ネットワークを結ぶ重み係数を
修正していく方法である。
学習用データ作成プログラム(ステップ40)を詳細に
示す第6図において、まず、新たな学習用データの作成
許可が生成(セット)されており、且つ、新規の乗場呼
びCの割当が行われた直後か否かを判定する(ステップ
61)。
もし、学習用データの作成許可がセットされており、
且つ、乗場呼びCの割当が行われていれば、割当て時の
割当かごの交通状態データxa1(1)〜xa1(N1)と、こ
のときの各乗場のかご内予想混雑度に相当する出力デー
タya3(1)〜ya3(N3)とをm番目の学習用データの一
部(教師データ)として記憶する(ステップ62)。
続いて、新たな学習用データの作成許可をリセットす
ると共に、かご内混雑度(かご負荷)の実測指令をセッ
トして実かご負荷のカウントを開始する(ステップ6
3)。
これにより、次の演算周期のステップ61においては、
新たな学習用データの作成許可がセットされていないと
判定されるので、ステップ64に進む。又、ステップ64に
おいて、第1かご内混雑度の実測指令がセットされてい
るか否かが判定されるが、ステップ63において実測指令
がセットされているので、ステップ65に進み、割当かご
が乗場呼びCに応答したか否かが判定される。
もし、乗場呼びCの乗場に停止又は通過していなけれ
ば、ステップ66に進み、割当かごのかご位置fが変化し
たか否かが判定される。
何回目か後の演算周期で、かご位置fの変化が検出さ
れると、ステップ66からステップ67に進み、このときの
実かご負荷をm番目の学習用データの一部として記憶す
る。これは原教師データであり、乗場呼びfの乗場の実
混雑度TA(f)で表わされる。
又、更に何回目か後の演算周期のステップ65で、乗場
呼びCの乗場への停止(又は、通過)決定が検出される
と、ステップ68に進み、このときの実かご負荷をm番目
の学習用データの一部即ち実混雑度TA(C)として記憶
する。
そして、かご負荷の実測指令をリセットして実かご負
荷のカウントを終了すると共に、学習用データの番号m
をインクリメントして、再び新しい学習用データの作成
許可をセットする(ステップ69)。
こうして、乗場呼びの割当が行われた時期に合わせ
て、割合されたかごに関する入力データ及び出力デー
タ、並びに、その後割合かごが乗場呼びCに応答するま
での間に停止又は通過した途中階床の各乗場に対するそ
れぞれの実混雑度が、学習用データとして繰り返し作成
され、記憶されていく。
次に、修正手段(10G)は、第4図内の修正プログラ
ム(ステップ41)において、学習用データを使用し、ニ
ューラルネット(10DA)のネットワークを修正する。
以下、この修正動作を、第7図を参照しながら、更に
詳細に説明する。
まず、ネットワークの修正を行うべき時期になったか
否かを判定し(ステップ71)、修正時期であれば、以下
のステップ72〜78を実行する。
ここでは、現在記憶されている学習用データの組の数
mがS個(例えば、500個)以上になったときをネット
ワーク修正時期とする。尚、学習用データの判定基準数
Sは、エレベータの設置台数、ビルの階床数FL、及び、
乗場呼び数などのネットワークの規模に応じて任意に設
定され得る。
ステップ71において学習用データの組の数mがS個以
上と判定された場合は、学習用データのカウンタ番号n
を「1」に初期設定した後(ステップ72)、n番目の学
習用データの中から実混雑度TA(k)を取り出し、これ
らの乗場に相当するノードの値、即ち、教師データda
(k)(k=1,2,…,N3)を、 da(k)=TA(k)/NTmax …… から求める(ステップ73)。
次に、n番目の学習用データの中から取り出した出力
層(10DA3)の出力値ya3(1)〜ya3(N3)と教師デー
タda(1)〜da(N3)との誤差Eaを、両者の差を二乗
し、且つ、k=1〜N3の総和により、 Ea−Σ[{da(k)−ya3(k)}]/2 …… (k=1〜N3) から求める。そして、式で得られた誤差Eaを用いて、
中間層(10DA2)と出力層(10DA3)との間の重み係数wa
2(j,k)(j=1,2,…,N2、k−1,2,…,N3)を以下のよ
うに修正する(ステップ74)。
まず、式の誤差Eaをwa2(j,k)で微分し、前述の
式〜式を用いて整理すると、重み係数wa2(j,k)の変
化量Δwa2(j,k)は、 Δwa2(j,k)=−α{∂Ea/∂wa2(j,k)} =−α・δa2(k)・ya2(j) …… で表わされる。但し、αは学習速度を表わすパラメータ
であり、0〜1の範囲内で任意の値に選択され得る。
又、式において、 δa2(k)={ya3(k)−da(k)}ya3(k){1−
ya3(k)}である。こうして、重み係数wa2(j,k)の
変化量Δwa2(j,k)が計算されると、以下の式により
重み係数wa2(j,k)の修正が行われる。
wa2(j,k)←wa2(j,k)+Δwa2(j,k) …… 又、同様に、入力層(10DA1)と中間層(10DA2)との
間の重み係数wa1(i,j)(i=1,2,…,N1、j−1,2,…,
N2)を、以下の式及び式に従って修正する(ステッ
プ75)。
まず、重み係数wa1(i,j)の変化量Δwa1(i,j)を、 Δwa1(i,j)=−α・δa1(j)・ya1(i) …… から求める。但し、式において、δa1(j)は以下
の、k=1〜N3による総和式、 δa1(j)=Σ{δa2(k)・wa2(j,k)・ya2(j) ×[1−ya2(j)]} で表わされる。式で得られた変化量Δwa1(i,j)を用
いて、以下の式のように重み係数wa1(i,j)の修正が
行われる。
wa1(i,j)←wa1(i,j)+Δwa1(i,j) …… 尚、以上のステップ74及び75では、教師データが存在
する乗場に関係した重み係数のみが修正される。即ち、
学習用データ作成プログラム(第6図)で説明したよう
に、割当時のかご位置と乗場呼びCの乗場との間の途中
階床の乗場に対してのみしか、実際のかご負荷を教師デ
ータとして記憶しないので、それ以外の乗場に関する重
み係数を修正しないようにしている。
こうして、n番目の学習用データによる修正ステップ
73〜75が行われると、学習用データの番号nをインクリ
メントし(ステップ76)、ステップ77で全ての学習用デ
ータについて修正が終了したと判定される(n≧mとな
る)まで、ステップ73〜76の処理を繰り返す。
そして、全ての学習用データについて修正が行われる
と、修正を完了した重み係数wa1(i,j)及びwa2(j,k)
をかご内予想混雑度演算手段(10D)に登録する(ステ
ップ78)。
このとき、最新の学習用データを再び記憶できるよう
に、修正に使用した学習用データを全てクリアし、学習
用データの番号mを「1」に初期設定する。こうして、
ニューラルネット(10DA)のネットワーク修正(学習)
を終了する。
このように、実測値に基づいて学習用データを作成
し、これら学習用データによりかご内予想混雑度演算手
段(10D)の重み係数wa1(i,j)及びwa2(j,k)をそれ
ぞれ修正するようにしたので、ビル内の交通の流れが変
化しても自動的に対応することができる。
又、交通の流れの特徴を表わす入力データとして、過
去に統計した乗場別の5分間乗車人数と降車人数を使用
したので、時々刻々と変化する交通の流れに対して、か
ご位置、運行方向、かご負荷、及び、応答すべき呼びだ
けを入力データとした場合に比べて、一層柔軟で正確な
予測演算を実現することができる。
一般に、群管理性能の向上(満員通過や満員積み残し
現象の抑制など)に有効なかご内予想混雑度を、時々刻
々と複雑に変化する交通状態に応じて高精度に演算しよ
うとすると、演算式が人間の能力範囲を逸脱して演算時
間が著しく増大してしまい、実質的に予測演算すること
ができなくなるが、ニューラルネットを用いて予測する
ことにより、演算精度を損なわずに演算時間を大幅に短
縮することができ、群管理性能の向上を実現することが
できる。
即ち、交通状態や交通量の実データに基づいて柔軟な
予測を行い、実際のかご内予想混雑度に近い値を高精度
に予測することができる。
尚、上記実施例では、かご負荷(乗車客の重量を定格
容量に対する割合で表わした値)の予測値をかご内予想
混雑度として用いたが、乗車客の重量そのものの予測値
や乗込み可能人数の予測値、又は、満員確率など、満員
になる可能性を表わす指標であれば、どれを用いてもよ
い。
例えば、特公昭62−47787号公報のエレベータ群管理
装置で割当評価値に使用されている満員確率をかご内予
想混雑度とした場合は、第3図に示したニューラルネッ
ト(10DA)の出力層(10DA3)の出力値ya3(1)〜ya3
(N3)のうち、第1〜第11ノードの出力値ya3(1)〜y
a3(11)をそれぞれ1〜11階の上り方向乗場の満員確率
に対応させ、第12〜第22ノードの出力値ya3(12)〜ya3
(22)をそれぞれ12〜2階の下り方向乗場の満員確率に
対応させればよい。このとき、第kノードの出力値ya3
(k)(k=1,2,…,N3)は、既に0〜1の範囲に正規
化されているので、そのまま乗場呼び割当の評価値演算
に使用することができる。従って、乗場kのかご内予想
混雑度T(k)は、 T(k)=ya3(k) …… で表わされる。
又、このように満員確率をかご内予想混雑度とした場
合の学習用データ作成プログラム(ステップ40)は、第
8図のフローチャート図のようになる。第8図におい
て、ステップ61〜66及び69は第6図と同様である。
この場合、ステップ66において、割当かごの位置fが
変化したことが判定されると、ステップ67′に進み、か
ご位置階床fにかご呼びが無く、且つかご負荷が80%以
上のとき、満員通過するものとして、m番目の学習用デ
ータTA(f)を「1」に設定して記憶する。それ以外の
ときは、学習用データTA(f)を0とする。
又、ステップ65において、割当かごが乗場呼びCの乗
場に停止又は通過したことが判定されると、ステップ6
8′に進み、かご位置階床fにかご呼びが無く、且つか
ご負荷が80%以上のとき、満員通過するものとして、m
番目の学習用データTA(C)を「1」に設定して記憶す
る。それ以外のときは、学習用データTA(C)を0とす
る。
一般に、満員通過とは、満員(かご負荷が定格容量の
80%以上)になると、かご呼びが無い乗場の乗場呼びを
自動的に通過させる動作である。従って、第8図内のス
テップ67′及び68′において、教師データは、かごがか
ご呼びのない乗場(割当てられた乗場呼びがその乗場に
有るか否かにかかわらず)に到達したときに、かご負荷
が80%以上であれば「1」、それ以外のときは「0」と
して作成される。この場合、教師データda(k)への変
換は、 da(k)=TA(k) …… により行われる。
こうして作成された学習用データに基づいて、第7図
の修正プログラム(ステップ41)を実行し、前述と同様
に重み係数が修正される。
尚、上記各実施例では、入力データ変換手段が、かご
位置、運行方向、かご負荷、及び、応答すべき呼び、を
入力データとして変換するようにしたが、入力データと
して使用される交通状態データがこれらに限られること
はない。例えば、かごの状態(減速中、戸開動作中、戸
開中、戸閉動作中、戸閉待機中、走行中、など)、乗場
呼びの継続時間、かご呼びの継続時間、群管理されてい
るかごの台数、などを入力データとして使用することが
できる。又、現時点の交通状態データだけでなく、近い
将来の交通状態データ(かごの動きの履歴や呼び応答状
態の履歴など)を入力データとして使用することによ
り、一層正確なかご内予想混雑度の演算が可能となる。
又、学習用データ作成手段(10F)は、乗場呼びの割
当が行われたときに、割当かごの各乗場へのかご内予想
混雑度及びそのときの入力データ、並びに、その後、割
当かごが乗場呼びに応答するまでに停止又は通過した乗
場に対する実混雑度を一組の学習用データとして記憶す
るようにしたが、学習用データを作成する時期はこれに
限られるものではない。例えば、前回の入力データの記
憶時から経過した時間が所定時間(例えば、1分)を越
えたときを学習用データ作成時期としてもよく、周期的
(例えば、1分毎)に学習用データ作成時期としてもよ
い。又、各種条件下における学習用データが多く集まる
ほど学習条件が向上するので、例えば、所定階床に停止
しているとき、あるいは、かごが所定の状態(減速中、
停止中、など)になったとき、などの考えられる代表的
な状態を予め決めておき、その状態を検出したときに学
習用データを作成するようにしてもよい。
又、学習用データ作成手段(10F)は、割当した乗場
呼びに割当かごが応答するまでに停止又は通過した乗場
を対象とした実混雑度のみしか教師データとして記憶し
ないようにし、修正手段(10G)による重み係数の修正
時に、記憶した教師データに関係する重み係数のみを修
正するようにしたが、教師データの抽出の仕方は、これ
に限られるものではない。例えば、全乗場に関するかご
内予想混雑度と、かごの運行中に測定することができた
実混雑度とを記憶するようにして、教師データが存在す
る乗場に関係する重み係数のみを修正するようにしても
よい。ここで、実混雑度を測定できなかった乗場とは、
例えば、かごが途中階床で方向反転した場合には、反転
階床より遠方の乗場に相当し、かごが途中階床で空かご
(割当呼びを持たないかご)になった場合には、空かご
になった階床より遠方の乗場や入力データの記憶時点で
のかご位置階床の背後の乗場(例えば、上方運行中は現
在位置より下方の乗場)に相当する。
更に、かご内予想混雑度演算手段(10D)は、記憶さ
れた学習用データの数が所定数に達する毎に重み係数を
修正するようにしたが、重み係数の修正時期はこれに限
られるものではない。例えば、予め決められた時刻(例
えば、1時間毎)に、それまでに記憶された学習用デー
タを用いて重み係数を修正するようにしてもよく、交通
が閑散になってかご内予想混雑度演算手段(10D)によ
るかご内予想混雑度の演算頻度が少なくなったときに重
み係数を修正するようにしてもよい。
[発明の効果] 以上のようにこの発明によれば、かごの位置、運行方
向、かご負荷及び応答すべき呼びを含む交通状態データ
を、ニューラルネットの入力データとして使用できる形
に交換する入力データ変換手段と、入力データを取り込
む入力層、かご内予想混雑度に相当するデータを出力デ
ータとする出力層、及び、入力層と出力層との間にあっ
て重み係数が設定された中間層を含み、ニューラルネッ
トを構成するかご内予想混雑度演算手段と、出力データ
を所定の制御目的に使用できる形に変換する出力データ
変換手段とを備え、交通状態データをニューラルネット
に取り込んで、かご内予想混雑度を演算するようにした
ので、実際のかご内混雑度に近いかご内予想混雑度を短
時間に演算することができると共に、正確なかご内予想
混雑度に基づいて群管理の性能を向上させることのでき
るエレベータ制御装置が得られる効果がある。
又、この発明の別の発明によれば、エレベータの稼働
中に予め決められた時期になると、所定のかごのかご内
予想混雑度及びそのときの入力データ、並びに、所定の
かごの実混雑度を記憶し、これらを一組の学習用データ
として出力する学習用データ作成手段と、学習用データ
を用いてかご内予想混雑度演算手段の重み係数を修正す
る修正手段とを更に備え、演算された予測結果とそのと
きの交通状態データ及び実測データとに基づいて、ニュ
ーラルネットにおける重み係数を自動的に修正するよう
にしたので、ビル内の交通の流れの変化にも自動的に対
応でき、更にかご内混雑度の予測精度の高いエレベータ
制御装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明及びこの発明の別の発明の一実施例の
全体構成を示す機能ブロック図、第2図は第1図内の群
管理装置の概略構成を示すブロック図、第3図は第1図
内のデータ変換手段及びかご内予想混雑度演算手段を具
体的に示すブロック図、第4図は第2図内のROMに記憶
された群管理プログラムを概略的に示すフローチャート
図、第5図は第4図内の1号機用の仮割当て時のかご内
混雑度予測演算プログラムを具体的に示すフローチャー
ト図、第6図は第4図内の学習用データ作成プログラム
を具体的に示すフローチャート図、第7図は第4図内の
修正プログラムを具体的に示すフローチャート図、第8
図はこの発明の別の発明の他の実施例による学習用デー
タ作成プログラムを示すフローチャート図である。 (10C)……データ変換手段 (10CA)……入力データ変換サブユニット (10CB)……出力データ変換サブユニット (10DA)……ニューラルネット (10DA1)……入力層、(10DA2)……中間層 (10DA3)……出力層 (10D)……かご内予想混雑度演算手段 (10F)……学習用データ作成手段 (10G)……修正手段 wa1(i,j)、wa2(j,k)……重み係数 尚、図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エレベータのかごが乗場に停止又は通過す
    るときのかご内の混雑の程度をかご内予想混雑度として
    予測演算し、前記かご内予想混雑度を用いて前記かごの
    動作を制御するエレベータ制御装置において、 前記かごの位置、運行方向、かご負荷及び応答すべき呼
    びを含む交通状態データを、ニューラルネットの入力デ
    ータとして使用できる形に変換する入力データ変換手段
    と、 前記入力データを取り込む入力層、前記かご内予想混雑
    度に相当するデータを出力データとする出力層、及び、
    前記入力層と前記出力層との間にあって重み係数が設定
    された中間層を含み、前記ニューラルネットを構成する
    かご内予想混雑度演算手段と、 前記出力データを所定の制御目的の動作に使用できる形
    に変換する出力データ変換手段と、 を備えたことを特徴とするエレベータ制御装置。
  2. 【請求項2】エレベータの稼働中に予め決められた時期
    になると、所定の乗場のかご内予想混雑度及びそのとき
    の入力データを記憶すると共に、かごが前記所定の乗場
    に停止又は通過するときのかご内の混雑の程度を実混雑
    度として記憶し、記憶された前記入力データ、前記かご
    内予想混雑度及び前記実混雑度を一組の学習用データと
    して出力する学習用データ作成手段と、 前記学習用データを用いてかご内予想混雑度演算手段の
    重み係数を修正する修正手段と、 を更に備えたことを特徴とする特許請求の範囲第1項記
    載のエレベータ制御装置。
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