JP2550951Y2

JP2550951Y2 - 衣類

Info

Publication number: JP2550951Y2
Application number: JP1992088465U
Authority: JP
Inventors: 順子隈井; 大谷　　圭
Original assignee: Wacoal Corp
Current assignee: Wacoal Corp
Priority date: 1992-12-24
Filing date: 1992-12-24
Publication date: 1997-10-15
Anticipated expiration: 2007-10-15
Also published as: JPH0651204U; GB2273646B; HK211796A; GB2273646A; KR960011564B1; KR940013400A; TW300401U; GB9325671D0

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案はショートタイプのガード
ル、ボディースーツから選ばれた臀部下部から大腿部近
傍に裾線があり股部を有する衣類に関するものであり、
特に、ヒップアップ機能などの造形機能を保持し、着用
感が良好で、かつ運動追従性がよく、ヒップ部外観を美
麗に立体的に造形でき、裾部のシルエットを自然に保つ
ことのできる衣類に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来よりショートタイプのガードル、ボ
ディースーツなどの臀部下部から大腿部近傍に裾線があ
り股部を有する衣類は、女性の少なくとも下半身の体型
を美しく補整する機能を付したものなどが広く用いられ
ている。その代表的な一例として、以下、ショートタイ
プのガードル（単にショートガードルまたはガードルと
略称する。）を例に挙げて説明する。従来のショートガ
ードルの代表的な一例を図４、図５に示す。

【０００３】図４は従来のショートガードルの前側から
見た正面図であり、図５はその後ろ側から見た背面図で
ある。７０がガードル本体、７１は裾回り、７２はおな
か押さえ、７３はヒップ部接ぎ線（縫製ライン）を表わ
す。

【０００４】ガードル本体７０の裾回り７１は、緊迫力
を強くするため、裾回りの布を反転して折り返し、伸縮
性テープを裏打ちして二重構成としている。また、ヒッ
プアップ機能を付与するため、ガードル本体のヒップ部
接ぎ線７３の下側の臀部回りを裏打ちして二重構成と
し、臀部の山の頂点部付近を通るヒップ部接ぎ線７３で
切り替えることにより臀部の山の膨らみを出現させてい
る。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、ガード
ルなどのかかる衣類本体の裾回り部分にゴムテープ等の
伸縮性テープを裏打し、裾回りの布を反転して折り返し
て二重構成とすれば、裾線が分厚くなり、身体面への接
触が線状に圧迫されて食い込み、苦痛感と血行障害を来
すのみならず、その段差のある裾線が身体に密着して着
用されるタイトスカート、スリムパンツ、細くて長いス
カート等の被服にライン状に反映し、見苦しくなり、外
観を低下させるなどの問題がある。また、裾回り部分が
身体に食い込むのでその部分に段が生じ、ヒップから太
ももにかけての自然なシルエットが保持できない。ま
た、衣類本体布と前記伸縮性テープとの緊迫力の差が大
きいため、着用時の運動追従性が悪く、運動時に裾がず
り上がった場合に容易に元の位置に戻らないと言う問題
がある。更に、ヒップ部接ぎ線７３が臀部の山の頂点部
付近を通るので接ぎ線７３も被服にライン状に反映し、
同様に外観を低下させるなどの問題が発生する欠点があ
る。

【０００６】本考案はこれらの問題点を解決し、着用感
にすぐれ、必要な身体補整機能は保持し、裾回りのずり
上がりなどの問題がなく、運動追従性にすぐれ、ヒップ
から太ももにかけての自然なヒップラインを保ち、はぎ
部（接ぎ線）等がアウターウエアーに反映するなどの問
題がなく外観の低下がない衣類を提供することを目的と
するものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】前記課題を達成するため
に本考案の衣類は次の構成を有するものである。（１）臀部下部から大腿部近傍に裾線があり股部を有す
るショートタイプのガードルまたはボディスーツから選
ばれた衣類であって、前記衣類本体の、下半身部を構成
する両脇部布は、縦、横方向に伸縮性のあるツーウェイ
編地で構成され、その裾回り部分を、相対的に緊迫力の
大きい伸縮性の布で一体的に構成し、かつ前記裾回り部
分は幅４〜１５ｃｍの広幅でその下方部分から上方に向
かってその緊迫力が順次弱くなる布組織とし、また、衣
類本体の後側に於いて、下半身部に中央部布が設けら
れ、前記中央部布は少なくとも臀部の山の頂点部を避け
るように後中心線方向に幅狭になっていて衣類縦方向に
向かって設けられた布であって、かつ縦方向にはほとん
ど伸びがないか、または、縦横方向とも伸びの少ない布
で構成され、前記両脇部布が前記中央部布に縫製されて
いることを特徴とする衣類。

【０００８】（２）衣類本体の腹部部分に伸びの比較的
小さい腹部押さえ布を有する前記（１）項に記載の衣
類。（３）下方部分から上方に向かってその緊迫力が順次弱
くなる裾回り部分の布組織が、２段階以上の緊迫力の変
化を有する布組織である前記（１）または（２）項のい
ずれかに記載の衣類。

【０００９】（４）下方部分から上方に向かってその緊
迫力が順次弱くなる裾回り部分の布組織が、弾性繊維の
混入割合を裾回り部分の下方部分から上方に向かって順
次少なくした布組織である前記（１）〜（３）項のいず
れかに記載の衣類。

【００１０】（５）下方部分から上方に向かってその緊
迫力が順次弱くなる裾回り部分の布組織が、用いられる
弾性繊維の太さを裾回り部分の下方部分から上方に向か
って順次細くした布組織である前記（１）〜（３）項の
いずれかに記載の衣類。

【００１１】（６）縦、横方向に伸縮性のあるツーウェ
イ編地がツーウェイラッセル編地である前記（１）〜
（５）項のいずれかに記載の衣類。（７）後側の中央部布が一方向にのみ伸びるか、また
は、伸びの少ないポリウレタン糸交編編物である前記
（１）〜（６）項のいずれかに記載の衣類。

【００１２】（８）両脇部布が、少なくとも臀部近傍部
分でギャザーを付して中央部布に縫製されている両脇部
布である前記（１）〜（７）項のいずれかに記載の衣
類。（９）脇部布を構成する糸が２１０デニールである前記
（１）〜（４）項及び（６）〜（８）項のいずれか１項
に記載の衣類。

【００１３】（１０）後側の中央部布を構成する糸が２
８０デニールである前記（１）〜（９）項のいずれかに
記載の衣類。

【００１４】

【作用】本考案の衣類は、臀部下部から大腿部近傍に裾
線があり股部を有するショートタイプのガードルまたは
ボディスーツから選ばれた衣類であって、前記衣類本体
の、下半身部を構成する両脇部布は、縦、横方向に伸縮
性のあるツーウェイ編地で構成され、その裾回り部分
を、相対的に緊迫力の大きい伸縮性の布で一体的に構成
し、かつ前記裾回り部分は幅４〜１５ｃｍの広幅でその
下方部分から上方に向かってその緊迫力が順次弱くなる
布組織とすることにより、ヒップの丸みをつぶさず、段
階的にスムージングしながらヒップアップできる等の身
体補整機能は保持し、裾回りの布を反転して折り返して
二重構成とする必要がなく、従って裾線の段差がアウタ
ーウエアーへ反映して外観を低下させる恐れがないし、
また、伸縮性テープ等を裏打する必要がなく、幅４〜１
５ｃｍの広幅で緊迫力の変化があるので、身体面への接
触が面状になり身体を強く圧迫しないので着用感に優
れ、また、裾回りが線状に食い込むことがないので、そ
の部分で段が生じるようなシルエットの低下がなく、ヒ
ップから太ももにかけてのより自然なシルエットを保つ
ことができ、且つ、裾回りを身体にしっかりとフィット
させることができる。また、裾回り部分の緊迫力が順次
弱くなるので、緊迫力の弱められている部分の伸びによ
り運動追従性が発揮され、裾のずれ上がりが生じにく
い。

【００１５】また、衣類本体の後側に於いて、下半身部
に中央部布が設けられ、前記中央部布は少なくとも臀部
の山の頂点部を避けるように後中心線方向に幅狭になっ
ていて衣類縦方向に向かって設けられた布であって、か
つ縦方向にはほとんど伸びがないか、または、縦横方向
とも伸びの少ない布で構成され、前記両脇部布が前記中
央部布に縫製されているので、接ぎ線が臀部の山の頂点
部を通らず、従って、アウターウエアーに見苦しい接ぎ
線の反映が生じない。また、前記中央部布は、縦方向に
はほとんど伸びがないか、または、縦横方向とも伸びの
少ない布で構成されているので、この部分で衣類のヒッ
プ部が縦方向に伸びすぎてヒップが下がるのを防止し、
かつ緊迫力が順次変化する裾回り部分の作用と相俟って
ヒップアップ機能を発揮することができる。特に前記中
央部布として、縦方向にはほとんど伸びがないが横方向
への伸びが大きい布を用いる場合には、衣類を幅方向に
広げやすくなり着用しやすくなる。また、本考案におい
ては、衣類本体の両脇部布が、縦、横方向に伸縮性のあ
るツーウェイ編地としたので、前記中央部布が縦方向の
伸びがほとんどないことから、この部分が臀裂の谷間を
形成し、ヒップの自然な丸みをきれい実現できると共
に、両脇部布がより運動追従性に優れているので、裾の
ずれ上がりをより確実に防止できる。

【００１６】また、本考案において、前記（２）項に記
載したように、衣類本体の腹部部分に、伸びの比較的小
さい腹部押さえ布を有する本考案の好ましい態様とする
ことにより、腹部の膨出を抑え、腹部の美しいシルエッ
トを実現できる。

【００１７】また、本考案において、前記（３）項に記
載したように、下方部分から上方に向かってその緊迫力
が順次弱くなる裾回り部分の布組織が、２段階以上の緊
迫力の変化を有する布組織である本考案の好ましい態様
とすることにより、よりスムージングしながらヒップア
ップができ、ヒップの美しい丸みを保ちながらヒップア
ップすることができる。また、身体への裾回りの緊迫力
の作用が面状になっており、ゴムテープのような伸縮性
テープの裏打ちなどによる身体部分への食い込みがな
く、しかも、しっかりと裾回り部分を身体にフィットさ
せることができる。また、２段階以上の緊迫力の変化を
有する布組織としたので、より緊迫力の弱い段階の部分
で伸度が出せるので運動追従性が良く、裾のずれ上がり
を防止できる。

【００１８】また、本考案において、前記（４）項に記
載したように、下方部分から上方に向かってその緊迫力
が順次弱くなる裾回り部分の布組織が、弾性繊維の混入
割合を裾回り部分の下方部分から上方に向かって順次少
なくした布組織である本考案の好ましい態様とすること
により、製造が容易で、容易に所定の緊迫力のグラデー
ション（緊迫力が順次変化すること）を達成することが
できる。

【００１９】また、本考案において、前記（５）項に記
載したように、下方部分から上方に向かってその緊迫力
が順次弱くなる裾回り部分の布組織が、用いられる弾性
繊維の太さを裾回り部分の下方部分から上方に向かって
順次細くした布組織である本考案の好ましい態様とする
ことにより、製造が容易で、容易に所定の緊迫力のグラ
デーションを達成することができる。

【００２０】また、本考案において、前記（６）項に記
載したように、縦、横方向に伸縮性のあるツーウェイ編
地がツーウェイラッセル編地である本考案の好ましい態
様とすることにより、ツーウェイラッセル編地は衣類の
ヒップ部を適度の緊縮力で包み込むことにより、ヒップ
の自然の丸みをよりきれいに実現できる、且つ、より運
動追従性に優れているので、裾のずれ上がりをより確実
に防止できる。

【００２１】また、本考案において、前記（７）項に記
載したように、後側の中央部布が一方向にのみ伸びる
か、または、伸びの少ないポリウレタン糸交編編物であ
る本考案の好ましい態様とすることにより、衣類のヒッ
プ部が縦方向に伸びすぎてヒップ下がるのを防止し、ヒ
ップの形状を形良く保持すると共に、緊迫力が順次変化
する裾回り部分の作用と相俟ってヒップアップ機能をよ
り効果的に発揮することができる。特に前記中央部布と
して、一方向（横方向）にのみ伸びるポリウレタン糸交
編編物を用いる場合には、前記の作用と共に衣類を幅方
向に広げやすくなり、より着用しやすい衣類を提供でき
る。

【００２２】また、本考案において、前記（８）項に記
載したように、両脇部布が、少なくとも臀部近傍部分で
ギャザーを付して中央部布に縫製されている両脇部布で
ある本考案の好ましい態様とすることにより、臀部の山
部に膨らみを持たせて縫製されるので、自然な丸みのヒ
ップラインをより容易に実現することができると共に身
体の運動に無理なく対応できる衣類を提供できる。

【００２３】

【実施例】本考案の理解を容易にするため、以下、本考
案の具体的実施例としてショートガードルの例を挙げて
本考案をより詳細に説明するが、本考案は、これらの実
施例のもののみに限定されるものではないし、また、前
述したように本考案は臀部下部から大腿部近傍に裾線が
あり股部を有する衣類であるボディースーツに適用可能
であることは容易に理解されるところである。特にショ
ートガードル、ボディースーツは下半身補正機能を有し
ている下着類であり、これらに適用すると、その機能が
より一層効果的に発揮されるので好ましい。

【００２４】図１はショートタイプのガードル本体１の
正面図であり、図２はその背面図を示すものである。ガ
ードル本体１は腹部から股部にかけて充当される前部中
央部布２と腹部押さえ３、ガードル本体１の上辺両脇部
近傍から股部方向に向かって臀部の山部分の膨らみを回
避して後中心線方向に急激に幅狭となりかつ縦方向には
ほとんど伸びないが横方向の伸びが縦方向の伸びに比べ
て大きい布で構成される後部の中央部布１０、前記前部
中央部布２と後部の中央部布１０とに亘って両脇部分と
臀部分ならびに裾回り部分を形成する両脇部布４と前部
裾充当部片６の各部材により構成されている。両脇部布
は、縦、横方向に伸縮性のあるツーウェイ編地で構成さ
れている。股部近傍は、前部中央部布２と後部の中央部
布１０のそれぞれの先端部が接ぎ線８で縫製されて接ぎ
合わされているか、または、別途の構成部材を切り替え
て縫合するか、或いは前部中央部布２と後部の中央部布
１０が一体の連続した布で構成するかは任意に選択され
る。

【００２５】両脇部布４は前部においては、前部中央部
布２と縫合され、また、後部においては後部の中央部布
１０と少なくとも臀部近傍部分でギャザー１１を付して
縫合されて臀部山部分に相当する部分には膨らみを持た
せており、人体の臀部の山を柔らかくすっぽり包み込む
ようにしている。ギャザー１１は必要に応じて、両脇部
布４と後部の中央部布１０の縫合部全体にわたって設け
てもよい。また、図中７はほぼ鼠経線に沿う切り替え部
分であるが、この切り替えにとらわれず種々のパターン
を用いることができる。

【００２６】後部の中央部布１０は横方向の伸びが大き
い布で構成され縦方向にはほとんど伸びがないか、両方
向とも伸びの小さい布を用いる。特に具体的にはポリウ
レタン繊維などの弾性繊維を含んだ交編編物、例えばサ
テン調パワーネット編物が好ましい素材の代表例であ
る。本実施例では２８０デニールの交編縦編物であるス
パンデックス使いのサテン調パワーネット編物（ポリウ
レタン繊維の含有量１７重量％）を用いた。

【００２７】また、両脇部布４の裾回り部分５はその下
方部分から上方に向かってその緊迫力が順次弱くなる布
組織とし、緊迫力が順次弱くなるように緊迫力にグラデ
ーションがつけられる組織とする。この緊迫力のグラデ
ーションは段階的に付してもよいし、連続的に緊迫力が
弱くなるようにしても良いが、製造の面からは段階的に
する方が製造しやすいし、コストの点からも有利であ
る。緊迫力のグラデーションを段階的に付ける場合に
は、少なくとも２段階以上にすることが好ましい。図
１、２に示した例では裾回り部分５を５ａが緊迫力がよ
り強い部分、５ｂが５ａより緊迫力が弱められている部
分を示しており、さらにその上の両脇部布４の部分は、
より緊迫力が弱く、より弱い力で伸びやすい素材を用い
る構成になっている。尚、この両脇部布４は、下方部分
から上方に向かってその緊迫力が順次弱くなる裾回り部
分５（５ａ、５ｂも含めて）も含めて連続した一枚の布
で構成されており、５ａ、５ｂ部分が別の布片で構成さ
れて接ぎ合わされているものではない。

【００２８】この様に緊迫力を順次変化させるには、公
知のいかなる方法を用いてもよく、特に限定するもので
はないが、例えば、ポリウレタン繊維などの弾性繊維の
混入割合を裾回り下方部分から上方に向かって順次少な
くする構成にして編成するとか、或いは、用いるポリウ
レタン繊維などの弾性繊維の太さを裾回り下方部分から
上方に向かって順次細くする構成にして編成するなどの
方法が好ましい方法として挙げられる。

【００２９】両脇部布４としては縦、横方向に伸縮性の
あるツーウェイ編地を用いることがヒップの自然な丸み
を出したり、裾のずり上がりを防止する上からも必要で
あり、特に縦、横方向に非常に良く伸びる柔軟な伸縮性
編地を用いることが好ましく、代表的にはツーウェイラ
ッセル編地が最も好ましい。

【００３０】本実施例では両脇部布４をツーウェイラッ
セル編地（２１０デニール）とし、緊迫力がより強い部
分５ａの幅を４ｃｍ、５ａより緊迫力が弱められている
部分５ｂの幅を３ｃｍとした。この緊迫力にグラデーシ
ョンを付する幅については、衣類の種類やグラデーショ
ンを付与する目的によっても異なり、また、サイズ、グ
ラデーションの段階数や、素材などによって異なるが、
４〜１５ｃｍの範囲から適宜前記条件に応じて選定すれ
ばよい。段階的に緊迫力を付与する場合も同様であり、
各段階の幅は、前記した条件、段階の数によって適宜選
定される。

【００３１】前部中央部布２と腹部押さえ３は、特に限
定は無く、ガードルにおいてこの部分に適用されている
布であればいずれを用いてもよい。当然のことながら腹
部押さえ３には伸びがほとんどないか、緊迫力の強い伸
縮性素材が用いられる。前部中央部布２の素材としては
特に限定するものではないが、縦方向の伸びが横方向に
比べて大きく、横方向にはほとんど伸びのない素材を用
いることも好ましく、腹部押え３も同様のものを使用し
てもよい。またその逆で横方向の伸びが縦方向に比べて
大きく、縦方向にはほとんど伸びのない素材を用いるこ
ともできる。

【００３２】６は前部裾充当部片であり、この部分は裾
回り５と同様の素材を用いて緊迫力にグラデーションを
付すことも出来るが、場合により裾回り５の緊迫力がよ
り強い部分５ａやそれより緊迫力の弱い５ｂの部分と同
様の素材を単独で用いてもさしつかえないし、その他、
同様な緊迫力を有するストレッチレースなどを用いても
よい。

【００３３】この前部裾充当部片６や前述の裾回り部分
５は図４、５に示したような従来のガードルの裾回り７
１に比べて一般に広幅面状であり、一枚もののフラット
な外観を呈し、裾回りの締め付けによる苦痛感や食い込
み、あるいは従来のガードルに見られた裾回り７１によ
る段差がなく、段差によるアウターウエアーへの響きが
ない。

【００３４】また、後部の中央部布のパターンは、少な
くとも臀部の山の頂点部を避けるように後中心線方向に
幅狭になっていて衣類の縦方向に向かって設けられた布
であればよく、例えば、次の図３に示したようなものも
例示される。

【００３５】図３は、本考案のガードルの別の態様の背
面図である。図３のガードルの後部の中央部布４０は、
ガードル上辺部から股部にわたって幅狭になっているタ
イプの中央部布を有するガードルである。

【００３６】尚、図３においてはその他の部分は図２と
同様であるので、図２と同一の部分については、同一の
符号を付したので、それらの詳細な説明は省略した。

【００３７】

【考案の効果】本考案は、着用感にすぐれ、必要な身体
補整機能は保持し、裾回り部分の身体への食い込みがな
く、ヒップから太ももにかけての自然なシルエットを保
ち、ヒップの自然な丸みをきれいに実現できると共に、
面状でしっかりとフィットし、裾回りのずり上がりなど
の問題がなく運動追従性にすぐれ、はぎ部（接ぎ線）等
がアウターウエアーに反映せず外観の低下がないショー
トガードルまたはボディスーツから選ばれた衣類を提供
できる。

【００３８】また、本考案において、衣類本体の腹部部
分に、伸びの比較的小さい腹部押さえ布を有する本考案
の好ましい態様とすることにより、腹部の膨出を抑え、
腹部の美しいシルエットを実現できる衣類を提供でき
る。

【００３９】また、本考案において、下方部分から上方
に向かってその緊迫力が順次弱くなる裾回り部分の布組
織が、２段階以上の緊迫力の変化を有する布組織である
本考案の好ましい態様とすることにより、よりスムージ
ングしながらヒップアップができ、ヒップから太ももに
かけての自然なシルエットを保ち、しかも、面状で身体
にしっかりとフィットし、また、運動追従性が良く、裾
のずれ上がりを防止できる衣類を提供できる。

【００４０】また、本考案において、下方部分から上方
に向かってその緊迫力が順次弱くなる裾回り部分の布組
織が、弾性繊維の混入割合を裾回り部分の下方部分から
上方に向かって順次少なくした布組織である本考案の好
ましい態様とすることにより、製造が容易で、容易に所
定の緊迫力のグラデーションを達成することができる衣
類を提供できる。

【００４１】また、本考案において、下方部分から上方
に向かってその緊迫力が順次弱くなる裾回り部分の布組
織が、用いられる弾性繊維の太さを裾回り部分の下方部
分から上方に向かって順次細くした布組織である本考案
の好ましい態様とすることにより、製造が容易で、容易
に所定の緊迫力のグラデーションを達成することができ
る衣類を提供できる。

【００４２】また、本考案において、縦、横方向に伸縮
性のあるツーウェイ編地がツーウェイラッセル編地であ
る本考案の好ましい態様とすることにより、ツーウェイ
ラッセル編地は、衣類のヒップ部を適度の緊縮力で包み
込むことにより、ヒップの自然の丸みをよりきれい実現
でき、且つ、より運動追従性に優れているので、裾のず
れ上がりをより確実に防止できる衣類を提供できる。

【００４３】また、本考案において、後側の中央部布が
一方向にのみ伸びるか、または、伸びの少ないポリウレ
タン糸交編編物である本考案の好ましい態様とすること
により、衣類のヒップ部が縦方向に伸び過ぎることがな
く、形のよいヒップの形状を実現できる衣類を提供でき
る。特に前記中央部布として、一方向（横方向）にのみ
伸びるポリウレタン糸交編編物を用いる場合には、更に
着用がより容易な衣類を提供できる。

【００４４】また、本考案において、両脇部布が、少な
くとも臀部近傍部分でギャザーを付して中央部布に縫製
されている両脇部布である本考案の好ましい態様とする
ことにより、自然な丸みのヒップラインをより容易に実
現することができると共に身体の運動に無理なく対応で
きる衣類が提供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例のガードルの正面図である。

【図２】本考案の一実施例のガードルの背面図である。

【図３】本考案の別の一実施例のガードルの背面図であ
る。

【図４】従来のガードルの一例の正面図である。

【図５】従来のガードルの一例の背面図である。

【符号の説明】

１ガードル本体２前部中央部布３腹部押さえ４両脇部布５裾回り部分５ａ緊迫力がより強い部分５ｂ５ａより緊迫力が弱められている部分６前部裾充当部片７切り替え部分８接ぎ線１０後部の中央部布１１ギャザー４０後部の中央部布７０ガードル本体７１裾回り７２おなか押さえ７３ヒップ部接ぎ線

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】臀部下部から大腿部近傍に裾線があり股
部を有するショートタイプのガードルまたはボディスー
ツから選ばれた衣類であって、前記衣類本体の、下半身
部を構成する両脇部布は、縦、横方向に伸縮性のあるツ
ーウェイ編地で構成され、その裾回り部分を、相対的に
緊迫力の大きい伸縮性の布で一体的に構成し、かつ前記
裾回り部分は幅４〜１５ｃｍの広幅でその下方部分から
上方に向かってその緊迫力が順次弱くなる布組織とし、
また、衣類本体の後側に於いて、下半身部に中央部布が
設けられ、前記中央部布は少なくとも臀部の山の頂点部
を避けるように後中心線方向に幅狭になっていて衣類縦
方向に向かって設けられた布であって、かつ縦方向には
ほとんど伸びがないか、または、縦横方向とも伸びの少
ない布で構成され、前記両脇部布が前記中央部布に縫製
されていることを特徴とする衣類。
【請求項２】衣類本体の腹部部分に、伸びの比較的小
さい腹部押さえ布を有する請求項１に記載の衣類。
【請求項３】下方部分から上方に向かってその緊迫力
が順次弱くなる裾回り部分の布組織が、２段階以上の緊
迫力の変化を有する布組織である請求項１または２のい
ずれかに記載の衣類。
【請求項４】下方部分から上方に向かってその緊迫力
が順次弱くなる裾回り部分の布組織が、弾性繊維の混入
割合を裾回り部分の下方部分から上方に向かって順次少
なくした布組織である請求項１〜３のいずれかに記載の
衣類。
【請求項５】下方部分から上方に向かってその緊迫力
が順次弱くなる裾回り部分の布組織が、用いられる弾性
繊維の太さを裾回り部分の下方部分から上方に向かって
順次細くした布組織である請求項１〜３のいずれかに記
載の衣類。
【請求項６】縦、横方向に伸縮性のあるツーウェイ編
地がツーウェイラッセル編地である請求項１〜５のいず
れかに記載の衣類。
【請求項７】後側の中央部布が一方向にのみ伸びる
か、または、伸びの少ないポリウレタン糸交編編物であ
る請求項１〜６のいずれかに記載の衣類。
【請求項８】両脇部布が、少なくとも臀部近傍部分で
ギャザーを付して中央部布に縫製されている両脇部布で
ある請求項１〜７のいずれかに記載の衣類。
【請求項９】脇部布を構成する糸が２１０デニールで
ある請求項１〜４及び６〜８のいずれか１項に記載の衣
類。
【請求項１０】後側の中央部布を構成する糸が２８０
デニールである請求項１〜９のいずれかに記載の衣類。