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JP2549063Y2 - 電磁サスペンション装置 - Google Patents

電磁サスペンション装置

Info

Publication number
JP2549063Y2
JP2549063Y2 JP3991491U JP3991491U JP2549063Y2 JP 2549063 Y2 JP2549063 Y2 JP 2549063Y2 JP 3991491 U JP3991491 U JP 3991491U JP 3991491 U JP3991491 U JP 3991491U JP 2549063 Y2 JP2549063 Y2 JP 2549063Y2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic
magnetic field
coil
gap
vehicle body
Prior art date
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Expired - Lifetime
Application number
JP3991491U
Other languages
English (en)
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JPH0522883U (ja
Inventor
光雄 佐々木
史之 山岡
Original Assignee
株式会社ユニシアジェックス
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ユニシアジェックス filed Critical 株式会社ユニシアジェックス
Priority to JP3991491U priority Critical patent/JP2549063Y2/ja
Publication of JPH0522883U publication Critical patent/JPH0522883U/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2549063Y2 publication Critical patent/JP2549063Y2/ja
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、電磁アクチュエータを
有した電磁サスペンション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電磁アクチュエータを有した電磁
サスペンション装置として、例えば、特開平2−370
16号公報に記載されたものが知られている。
【0003】この従来装置は、車体と車輪との間に、シ
リンダ状に形成されて車体側に固定された外筒と、この
外筒内を摺動可能に設けられて車輪側に取り付けられた
ロッドとを有したサスペンションユニットが設けられ、
前記外筒内でロッドの外周には永久磁石が固定され、か
つ、該永久磁石と対向する外筒の内周側にコイルが固定
されると共に、永久磁石の外周と外筒の内周との間に形
成される環状の空隙に強い磁界を形成するために、前記
外筒とロッドで磁路を構成させた構造となっていた。
【0004】そして、コイルへの通電の向き及び電流を
制御することで、コイル及び磁界の方向と直交するサス
ペンションユニットのストローク方向に電磁力(駆動
力)を発生させ、例えば、車高を一定に保つような制御
を行なう。
【0005】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の電磁サスペンション装置は、上述のように、
磁界が磁気透磁率の低い空隙(空気)中に形成されるよ
うになっているため、コイルを横切る磁界の磁束密度が
小さくなり、これによって、大きな電磁力(駆動力)を
得ることができないという問題があった。
【0006】また、従来の電磁サスペンション装置で
は、摺動部で発生する摩擦熱やコイルから発生する熱等
による冷却手段を特に備えていないため、温度が上昇す
ることがある。
【0007】本考案は、上述の問題に着目して成された
もので、大きな電磁力(駆動力)を得ることができると
共に、昇温を防止することができる電磁サスペンション
装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】本考案では、前記目的を
達成するために、車体と車輪との間に介在されたサスペ
ンションユニットが、相対移動可能に形成された車体側
部材と車輪側部材とで形成され、前記車体側部材と車輪
側部材との一方が、磁路を形成すべく磁性体で形成され
ると共に、相対移動方向に沿った間隙部を挟んで対向す
る両磁性部材により二重構造に形成され、かつ、他方の
部材が、相対移動可能に間隙部内に挿入され、前記二重
構造部分に、間隙部内に相対移動方向と交差する方向の
磁界を形成する磁界形成部が形成され、前記間隙部に挿
入された側の部材の少なくとも磁界が形成される間隙部
内に配置される部位に、前記相対移動方向及び前記磁界
方向と交差する向きにコイルが巻かれ、前記間隙部内で
少なくとも磁界が形成される部位に液体が充填されてい
る手段とした。
【0009】
【作 用】本考案の電磁サスペンション装置では、磁界
内にあるコイルに通電すると、コイル及び磁界の方向と
交差するサスペンションユニットのストローク方向に沿
った駆動力(電磁力)が生じ、従って、この駆動力によ
り、電磁サスペンション装置は伸長したり短縮したりす
る。
【0010】よって、前記駆動力を電磁サスペンション
装置に対する入力に抗するように作用させて、外部入力
による電磁サスペンション装置のストロークを抑制さ
せ、これにより、車高を一定に保つような制御が行なわ
れる。
【0011】ところで、本考案の電磁サスペンション装
置では、コイルが挿入される間隙部内で少なくとも磁界
が形成される部位に、空気に比べて磁気透磁率の高い液
体が充填されていることから、コイルを横切る磁界の磁
束密度が大きくなり、これにより、大きな駆動力(電磁
力)を得ることができる。
【0012】また、間隙部に充填された液体が冷却水の
役目も果たすことから、摺動部で発生する摩擦熱やコイ
ルの発生熱が冷却され、これにより、発熱部の昇温を防
止することができる。
【0013】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面により詳述す
る。
【0014】図1は、本考案実施例の電磁サスペンショ
ン装置の構成を示す全体図である。この図において、S
はサスペンションユニットを示している。このサスペン
ションユニットSは、車体側に連結される車体側部材1
と、車輪側に連結される車輪側部材2とを有している。
【0015】前記車体側部材1は、図示のようにシリン
ダチューブ11とリザーバチューブ12とで、内外二重
の円筒構造に形成されている。即ち、前記シリンダチュ
ーブ11は、その下端部にガイド部材13が設けられる
と共に、上端部にはベース14が設けられていて、内部
にはオイル等の液体が充填されている。
【0016】前記シリンダチューブ11内は、このシリ
ンダチューブ11内に摺動自在に設けられた車輪側部材
2の一部を構成するピストン21により上部室Aと下部
室Bとに画成されている。
【0017】前記リザーバチューブ12は、シリンダチ
ューブ11の外周に環状空間Dを形成すると共に、その
下端部が前記ガイド部材13の外周及びこのガイド部材
13の下部に設けられたパッキングランド15の外周に
嵌合されてその下端開口縁部がカシメられ、また、その
上端部はシリンダチューブ11の上端より上方まで延在
されていて、その上端開口部がその内周に螺合された天
蓋部材16により閉塞されることにより、ベース14の
上部に封入気体による圧力下に所望量のオイルが充填さ
れたリザーバ室Cが形成されている。また、リザーバチ
ューブ12の中間部内周には環状スペーサ17が螺合さ
れ、この環状スペーサ17の内周に前記ベース14の外
周及びシリンダチューブ11の上端外周が嵌入固定され
ている。そして、前記スペーサ17には、リザーバ室C
と環状空間Dとの間を連通する連通路が形成されてい
て、この環状空間D内にもオイルが充填されるようにな
っている。
【0018】尚、前記パッキングランド15にはオイル
シール15aが設けられている。
【0019】また、前記天蓋部材16の上面中心部には
車体側への取付用スタッド18が突出形成されており、
この取付用スタッド18に対しナット4で締結されたア
ッパインシュレータ5を介して車体側部材1が車体側に
取り付けられるようになっている。即ち、前記アッパイ
ンシュレータ5は、その外周側が車体側に固定される環
状のブラケット5aと、このブラケット5aの中心穴内
周縁部に装着されたラバーブッシュ5bとで構成され、
このラバーブッシュ5bの中心穴に前記スタッド18を
挿通した状態でナット4による締結が行なわれている。
そして、前記ブラケット5aの外周部下面側に溶着した
ラバーによりアッパスプリングシート5cが形成されて
いる。
【0020】前記ベース14には、リザーバ室Cと上部
室Aとを連通する圧側連通路14aと伸側連通路14b
とが穿設されていて、圧側連通路14aのリザーバ室C
側開口部には圧側減衰バルブ14cが設けられ、また、
伸側連通路14aの上部室A側開口部には伸側減衰バル
ブ14dが設けられている。
【0021】前記ピストン21には、図1の要部拡大図
である図2に示すように、上部室Aと下部室Bとを連通
する圧側連通路21aと伸側連通路21bとが穿設され
ていて圧側連通路21aの下部室B側開口部には圧側減
衰バルブ21cが設けられ、また、伸側連通路21bの
上部室A側開口部には伸側減衰バルブ21dが設けられ
ている。
【0022】ちなみに、サスペンションユニットSがス
トロークすると、各室A,B,C間をオイルが流通し、
その際に流通が減衰手段を構成する各減衰バルブ14
c,14d,21c,21dで制限されることで減衰力
が発生する。
【0023】このように、この実施例では、前記シリン
ダチューブ11とアウタチューブ12とベース14とピ
ストン21及びピストンロッド22等で、液圧緩衝器P
を形成している。
【0024】一方、前記車輪側部材2は、前記ピストン
21と、このピストン21を上端に締結したピストンロ
ッド22と、前記リザーバチューブ12の外周に微小な
隙間を有して設けられたアウタチューブ23とを備えて
いる。即ち、前記アウタチューブ23は下端部に底部を
有した有底円筒状に形成され、この底部に前記ピストン
ロッド22の下端が固定され、また、ピストンロッド2
2の下端には車輪側への取付用アイ24が固定されてい
る。
【0025】また、図2にその詳細を示すように、前記
シリンダチューブ11内におけるピストンロッド22の
外周には、強磁性体より成る磁性内筒部(磁性部材)2
5が装着されている。そして、この磁性内筒部25と半
径方向に対向する位置のアウタチューブ23の上端に
は、強磁性体より成る磁性外筒部(磁性部材)26が装
着されている。即ち、アウタチューブ23の上端には、
他の部分よりは大径の下部シールハウジング27bが一
体に形成されていて、このシールハウジング27bの上
端内周側に前記磁性外筒部26の下端外周が螺合され、
この磁性外筒部26の上端外周には上部シールハウジン
グ27aが螺合されている。そして、前記両シールハウ
ジング27a,27b内には、このシールハウジング2
7a,27bとリザーバチューブ12との間をそれぞれ
シールするオイルシール28a,28bが挿入されてい
て、この両オイルシール28a,28bによりリザーバ
チューブ12と磁性外筒部26との間に潤滑オイルを充
填したオイル室Eが形成されている。
【0026】また、前記磁性内筒部25には、両室A,
B間を連通する軸方向の流路25aが形成されている。
尚、前記車輪側部材2を構成する部材の内で、前記磁性
内筒部25及び磁性外筒部26以外の部材は非磁性体で
形成されている。
【0027】また、前記磁性外筒部26の内周面には、
中央部に所定の間隔Hを保持して上部外側永久磁石2a
と下部外側永久磁石2bを設けると共に、磁性内筒部2
5の外周面には、中央部に所定の間隔Hを保持して上部
内側永久磁石2cと下部内側永久磁石2dを設けること
によって、上部外側永久磁石2aと上部内側永久磁石2
c、及び、下部外側永久磁石2bと下部内側永久磁石2
dとの間に上部磁界形成部2e及び下部磁界形成部2f
が形成されている。そして、前記磁性外筒部26の内周
面で、両外側永久磁石2a,2b間位置には、リザーバ
チューブ12の外周面に当接して摺動するベアリング2
9が設けられている。
【0028】前記各永久磁石2a,2b,2c,2d
は、それぞれ円周方向に4つに分割され、磁界方向が車
体側部材1を挟んで半径方向となるように、両永久磁石
2a,2b,2c,2dの極性方向が設定されている。
そして、上部磁界形成部2eと下部磁界形成部2fの磁
界方向が互いに逆向きとなるように、この実施例では、
上部外側永久磁石2aと上部内側永久磁石2cは内周側
がそれぞれN極で、下部外側永久磁石2bと下部内側永
久磁石2dは内周側がそれぞれS極になるように設定さ
れている。即ち、前記磁性外筒部26及び磁性内筒部2
5が強磁性体で形成されているため、前記各永久磁石2
a,2b,2c,2dにより、図中一点鎖線で示す磁路
Kが形成され、この上下両磁界形成部2e,2fにあっ
ては、半径方向であって、かつ、互いに逆方向の磁界B
1 ,B2 が形成されている(図2参照)。
【0029】前記磁性外筒部26には、その外周に形成
されたねじ部26aに対し、ロアスプリングシート31
及びこのロアスプリングシート31を任意の位置で固定
するロックナット32が螺合されている。そして、前記
アッパスプリングシート5cとロアスプリングシート3
1との間にサスペンションスプリング33が介装されて
いる。
【0030】また、前記車体側部材1を構成するシリン
ダチューブ11とリザーバチューブ12との間に形成さ
れた環状空間D内にはコイル3が設けられている。この
コイル3は、車体側・車輪側両部材1,2の相対移動方
向に沿って複数に分割され、この分割された各コイル3
aは、単体の長さが、前記上部外側永久磁石2a(上部
内側永久磁石2c)と下部外側永久磁石2b(下部内側
永久磁石2d)との間に形成された間隔Hより短く形成
されている。
【0031】また、前記各コイル3a相互間位置には、
ストロークセンサ7としてのホール素子(図示せず)が
取り付けられている。このホール素子は、コイル3と共
に両磁界形成部2e,2f内を相対移動することによ
り、磁界B1 ,B2 の磁束に感応してその出力電圧を変
化させるもので、この出力電圧を検出することにより、
磁界形成部2e,2fに対する各コイル3aの位置、即
ちサスペンションユニットSのストローク位置を検出す
るようになっている。
【0032】前記コイル3は、制御回路6に接続されて
いる。この制御回路6は、各コイル3aの端子間に通電
したり、短絡させたりすることが可能に形成され、さら
に、この通電時及び短絡時に、これらコイル3aに対し
て可変抵抗を接続するように構成されている。
【0033】ちなみに、各コイル3aを短絡させた場合
には、サスペンションユニットSがストロークすると、
両磁界形成部2e,2fの磁界B1 ,B2 を横切る向き
にコイル3が移動することで、コイル3に相対速度に比
例した誘導電流が生じ、この誘導電流が可変抵抗により
電力消費することで、移動エネルギーが減少するもの
で、即ち、減衰力が得られる。
【0034】一方、コイル3を通電駆動させた場合、両
磁界形成部2e,2fの磁界B1 ,B2 を横切る向きに
通電が成されることで、通電の向き強さに応じて、サス
ペンションユニットSの伸方向に駆動力が作用したり圧
方向に駆動力が作用したりする。即ち、通電される電流
値に比例した制御力が得られる。
【0035】このように、この実施例では、前記コイル
3と各永久磁石2a,2b,2c,2d等で、電磁アク
チュエータTを形成している。
【0036】また、前記制御回路6には、前記各ストロ
ークセンサ7からの入力信号に基づき、サスペンション
ユニットSのストローク位置に応じて各コイル3aに対
する通電を個別的にON−OFFさせると共にその通電
方向を切換制御する通電切換手段6aを備えている。こ
の通電切換手段6aは、両磁界B1 ,B2 内にあるコイ
ルにだけ通電するような制御が行なわれると共に、両磁
界B1 ,B2 の方向が互いに逆方向になることから、両
磁界形成部2e,2fにおける駆動力の作用方向を一致
させるために、各コイル3aのうち、上部磁界形成部2
eの磁界B1 中にあるコイルと下部磁界形成部2fの磁
界B2 中にあるコイルとの通電方向が互いに逆方向にな
るように各コイル3aへの通電がなされると共に、サス
ペンションユニットSのストローク位置に応じて各コイ
ル3aへの通電方向の切り換え制御がなされるものであ
る。
【0037】また、前記制御回路6は、加速度センサ8
と、前記ストロークセンサ7及び荷重センサ9からの入
力に基づき制御を行うようになっている。前記加速度セ
ンサ8は、車体に取り付けられて車体の上下方向加速度
を検出するもので、上下方向の車体速度を求めるために
設けられている。前記荷重センサ9は、サスペンション
ユニットSからの入力荷重を検出するもので、車体側と
車輪側との相対速度を求めるために設けられている。そ
して、制御回路6の演算部では、ストロークセンサ7か
らの入力に基づき、車両姿勢を一定に保つ制御を行うと
共に、加速度センサ8及び荷重センサ9からの入力信号
に基づき減衰力制御を行う構成となっている。
【0038】尚、図において、34はリバウンドストッ
パ、35はリバウンドラバー、36はバンパラバーを示
す。
【0039】次に、実施例の作用について説明する。
【0040】上述した構成の電磁サスペンション装置
は、自動車の4輪のそれぞれと車体との間に設け、ま
た、制御回路6及び各センサ7,8,9も、1つのサス
ペンションユニットS毎に設けて使用するものである。
【0041】まず、液圧緩衝器Pの作用を説明する。
【0042】(イ)圧側行程時 サスペンションユニットSがストロークすると、圧側工
程時には、上部室Aが縮小し、下部室Bが拡大される。
従って、この場合、上部室Aのオイルは、ピストン21
の圧側連通路21aを通り、圧側減衰バルブ21cを開
弁すると共に、流路25aを経由して下部室Bへ流入
し、この両室A,B間のオイルの流通が圧側減衰バルブ
21cで制限されることで減衰力が発生する。
【0043】さらに、圧側行程時には、シリンダチュー
ブ11内に侵入するピストンロッド22の体積分のオイ
ルが、上部室Aからベース14の圧側連通路14aを通
り、圧側減衰バルブ14cを開弁してリザーバ室Cへ流
入し、この両室A,C間のオイルの流通が圧側減衰バル
ブ14cで制限されることで減衰力が発生する。
【0044】(ロ)伸側行程時 サスペンションユニットSがストロークすると、伸側工
程時には、下部室Bが縮小し、上部室Aが拡大される。
従って、この場合、下部室Bのオイルは、流路25a及
びピストン21の伸側連通路21bを通り、伸側減衰バ
ルブ21dを開弁して上部室Aへ流入し、この両室B,
A間のオイルの流通が伸側減衰バルブ21dで制限され
ることで減衰力が発生する。
【0045】さらに、伸側行程時には、シリンダチュー
ブ11内から退出するピストンロッド22の体積分のオ
イルがリザーバ室Cからベース14の伸側連通路14b
を通り、伸側減衰バルブ14dを開弁してへ上部室Aへ
流入し、この両室C,A間のオイルの流通が伸側減衰バ
ルブ14dで制限されることで減衰力が発生する。
【0046】次に、電磁アクチュエータTの作用を説明
する。
【0047】(イ)減衰力制御時 車両の走行状況に応じ、サスペンションユニットSにお
いて減衰力を発生させる場合には、各コイル3aを短絡
させる。そうすると、車体側部材1と車輪側部材2との
相対速度に応じて、即ち、上下両磁界形成部2e,2f
を通過するコイル3の速度に正比例して、減衰力が生じ
る。
【0048】このように、減衰力制御を行う場合には、
コイル3に通電することはなく、即ち、全く電力消費す
ることなく減衰力を得ることができる。
【0049】(ロ)姿勢制御時 姿勢制御を行う際には、各センサ7〜9からの入力に基
づいて得られる車両状況に応じてコイル3に通電し、サ
スペンションユニットSの軸方向上向きや下向きに駆動
力を発生させて、姿勢制御を行う。この場合、通電の向
き及び電力により、駆動力の向き及び強さが変化する。
【0050】このような、駆動力を、例えば、車高変化
を打ち消す向きに発生させることにより、車高を一定さ
せることができる。また、駆動力を、サスペンションユ
ニットSを介して車体へ伝達される路面入力を打ち消す
向きに発生させることで、車体への路面入力をキャンセ
ルして一定した車体姿勢が得られる。
【0051】以上説明したように、本考案実施例装置で
は、液圧緩衝器Pに電磁アクチュエータTを並列に組み
込んだ構成としたことで、大きな衝撃入力による電磁サ
スペンション装置の破損を防止することができると共
に、電磁アクチュエータのみを備えたものに比べ、電力
消費量を低減できるという特徴を有している。
【0052】また、本考案実施例装置では、シリンダチ
ューブ11とピストン21及びピストンロッド22等で
構成される液圧緩衝器Pを基本構成とし、電磁アクチュ
エータTを構成するコイル3をシリンダチューブ11側
に設け、かつ、半径方向の磁界B1 ,B2 を形成する両
内側永久磁石2c,2d及び磁性内筒部25をシリンダ
チューブ11内であるピストンロッド22に設ける構成
としたことで、シリンダチューブ11として十分な直径
を確保しつつ電磁アクチュエータTをコンパクトに組み
込むことができ、これにより、装置のコンパクト化が可
能で車載する上でスペースの自由度が高くなるという特
徴を有している。
【0053】また、本実施例装置では、磁界B1 ,B2
が形成される外側永久磁石2a,2bと内側永久磁石2
c,2dとの間が、オイル室Eに充填された潤滑オイル
とシリンダチューブ11内及び環状空間D内に充填され
たオイルで常に満たされた状態となるため、空隙が形成
される場合に比べ、磁界B1 ,B2 の磁気透磁率が高く
なり、これにより、コイル3を横切る磁界B1 ,B2
磁束密度が大きくなって大きな駆動力(電磁力)を得る
ことができるという特徴を有している。
【0054】また、上述のように、磁界B1 ,B2 が形
成される部分のコイル3がオイル中に浸された状態とな
ることから、このオイルの冷却作用により、摺動部で発
生する摩擦熱やコイルから発生する熱が冷却され、これ
により、同部分の昇温を防止することができるという特
徴を有している。
【0055】また、本考案実施例装置では、磁性外筒部
26の内周面で、両外側永久磁石2a,2b間位置に、
リザーバチューブ12の外周面に当接してその摺動を案
内するベアリング29が設けられたことで、横力に対す
る耐久性を高めることができると共に、このベアリング
29は、オイル室Eに充填された潤滑オイルにより常に
潤滑されることから摺動フリクションを低く抑えことが
できるという特徴を有している。
【0056】また、減衰力制御や姿勢制御を行うにあた
り、本考案実施例装置では、コイル3を挟んで対向する
磁性内筒部25及び磁性外筒部26と、この両者の両対
向面に相対移動方向に分離されると共にコイル3を挟ん
で互いに逆方向の磁界B1 ,B2 を形成すべく互いに対
向する2組の磁石(上部外側永久磁石2a,下部外側永
久磁石2b,上部内側永久磁石2c,下部内側永久磁石
2d)とで、2つの磁界B1 ,B2 を巡る磁路Kを形成
し、かつ、複数に分割された各コイル3aへの通電方向
を、一方の磁界B1 と交差するコイルと他方の磁界B2
と交差するコイルとで互いに逆方向になるように切り換
える通電切換手段6aを備えた構成としたため、サスペ
ンションユニットSのストロークを大きくする場合でも
磁路Kを長くする必要性がなく、従って、ストロークの
大小に拘らず一定の十分な制御力を得ることができると
いう特徴を有している。
【0057】また、実施例では、複数に分割された各コ
イル3aの内、制御力(駆動力)を発生するために必要
なコイル部分だけに通電するように制御することで、消
費電力を節約することができるという特徴を有してい
る。
【0058】また、本考案実施例装置では、サスペンシ
ョンユニットSのストローク位置を検出するためのスト
ロークセンサ7として、ホール素子等の磁束センサを用
いることで、サスペンションの基本長を長くすることな
しにサスペンションユニットSのストローク位置を検出
することができ、これにより、車載する上でスペースの
自由度が高くなるという特徴を有している。
【0059】以上、本考案の実施例を図面により詳述し
てきたが、本考案の具体的な構成はこれらの実施例に限
られるものではなく、例えば、実施例では、上下2組の
磁界形成部間で磁路を形成するようにする場合を示した
が、1組の磁界形成部と磁性部材とで磁路を形成するよ
うにすることもできる。
【0060】また、実施例では、液圧緩衝器に電磁アク
チュエータを並列に組み込んだ構成としたが、電磁アク
チュエータのみの構成とすることもできる。
【0061】また、実施例では、永久磁石のみで磁界を
形成するようにしたが、電磁石により磁力を補強するこ
ともできる。
【0062】また、実施例では、充填する液体としてオ
イルを例にとったが、その他に、水等の空気に比べて磁
気透磁率の高い液体であればその目的を達成することが
可能である。
【0063】また、ストローク位置によって各コイルの
巻き数を相違させることにより、ストローク位置によっ
てその制御力を任意に変化させることができる。
【0064】
【考案の効果】以上説明してきたように、本考案の電磁
サスペンション装置では、コイルが挿入される間隙部内
で少なくとも磁界が形成される部位に、空気に比べて磁
気透磁率の高い液体を充填した構成としたため、コイル
を横切る磁界の磁束密度を大きくすることができ、これ
により、大きな駆動力(電磁力)を得ることができるよ
うになるという効果が得られる。
【0065】また、間隙部に充填された液体が冷却水の
役目も果たすことから、摺動部で発生する摩擦熱やコイ
ルの発生熱を冷却し、これにより、発熱部の昇温を防止
することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案実施例の電磁サスペンション装置を示す
全体図である。
【図2】本考案実施例装置の要部を示す拡大断面図であ
る。
【符号の説明】
S サスペンションユニット K 磁路 B1 磁界 B2 磁界 1 車体側部材 2 車輪側部材 3 コイル 2e 上部磁界形成部 2f 下部磁界形成部 25 磁性内筒部(磁性部材) 26 磁性外筒部(磁性部材)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体と車輪との間に介在されたサスペン
    ションユニットが、相対移動可能に形成された車体側部
    材と車輪側部材とで形成され、 前記車体側部材と車輪側部材との一方が、磁路を形成す
    べく磁性体で形成されると共に、相対移動方向に沿った
    間隙部を挟んで対向する両磁性部材により二重構造に形
    成され、かつ、他方の部材が、相対移動可能に間隙部内
    に挿入され、 前記二重構造部分に、間隙部内に相対移動方向と交差す
    る方向の磁界を形成する磁界形成部が形成され、 前記間隙部に挿入された側の部材の少なくとも磁界が形
    成される間隙部内に配置される部位に、前記相対移動方
    向及び前記磁界方向と交差する向きにコイルが巻かれ、 前記間隙部内で少なくとも磁界が形成される部位に液体
    が充填されていることを特徴とする電磁サスペンション
    装置。
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