電子デバイスは、コンテンツをユーザに提示するためのディスプレイ及び他の構成要素を含むことができる。電子デバイスは、装着型電子デバイスであってもよい。ヘッドマウントデバイスなどの装着型電子デバイスは、ヘッドマウントデバイスをユーザの頭部に装着することを可能にするヘッドマウント支持構造体を有してもよい。
ヘッドマウントデバイスは、ユーザに視覚コンテンツを表示するための1つ以上のディスプレイパネル(ディスプレイ)から形成されたディスプレイを含んでもよい。レンズシステムを使用して、ユーザがディスプレイに焦点を合わせて、視覚コンテンツを見ることを可能にすることができる。レンズシステムは、ユーザの左眼と位置合わせされた左レンズモジュールと、ユーザの右眼と位置合わせされた右レンズモジュールと、を有することができる。
ヘッドマウントデバイス内のレンズモジュールは、調節可能なレンズを含むことができる。例えば、流体が充填された調節可能なレンズを使用して、特定の視聴者に対する表示コンテンツを調節することができる。
レンズモジュールを備える例示的な電子デバイスを有する例示的なシステムの概略図を図1に示す。図1に示すように、システム8は、電子デバイス10などの1つ以上の電子デバイスを含んでもよい。システム8の電子デバイスは、コンピュータ、携帯電話、ヘッドマウントデバイス、腕時計デバイス、及び他の電子デバイスを含むことができる。電子デバイス10がヘッドマウントデバイスである構成が、本明細書において時折一例として記述される。
図1に示すように、電子デバイス10などの電子デバイスは、制御回路12を有することができる。制御回路12は、デバイス10の動作を制御するストレージ及び処理回路を含むことができる。制御回路12は、例えば、ハードディスクドライブストレージ、不揮発性メモリ(例えば、ソリッドステートドライブを形成するように構成された電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ)、揮発性メモリ(例えば、静的又は動的ランダムアクセスメモリ)などのストレージを含むことができる。制御回路12の処理回路は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、ベースバンドプロセッサ、電力管理ユニット、オーディオチップ、グラフィック処理ユニット、特定用途向け集積回路及び他の集積回路に基づくことができる。ソフトウェアコードは、回路12内の記憶装置上に記憶され、回路12内の処理回路上で実行されて、デバイス10の制御動作(例えば、データ収集動作、三次元顔画像データの処理に伴う動作、制御信号を使用した構成要素の調節を伴う動作など)を実施することができる。制御回路12は、有線通信回路及び無線通信回路を含むことができる。例えば、制御回路12は、セルラー電話送受信機回路、無線ローカルエリアネットワーク(WiFi(登録商標))送受信機回路、ミリ波送受信機回路、及び/又は他の無線通信回路などの高周波送受信機回路を含むことができる。
動作中、システム8内のデバイスの通信回路(例えば、デバイス10の制御回路12の通信回路)を使用して、電子デバイス間の通信をサポートすることができる。例えば、1つの電子デバイスは、システム8内の別の電子デバイスにビデオデータ及び/又はオーディオデータを送信することができる。システム8内の電子デバイスは、有線及び/又は無線通信回路を使用して、1つ以上の通信ネットワーク(例えば、インターネット、ローカルエリアネットワークなど)を介して通信することができる。通信回路を使用して、外部機器(例えば、テザーコンピュータ、ハンドヘルドデバイス若しくはラップトップコンピュータなどのポータブルデバイス、リモートサーバ若しくは他のリモートコンピューティング機器などのオンラインコンピューティング機器、又は他の電気機器)からデータをデバイス10によって受信する、且つ/又は外部機器にデータを提供することを可能にすることができる。
デバイス10は、入出力デバイス22を含むことができる。入出力デバイス22を使用して、ユーザがデバイス10にユーザ入力を提供することを可能にすることができる。入出力デバイス22はまた、デバイス10が動作している環境に関する情報を収集するために使用されてもよい。デバイス22内の出力構成要素は、デバイス10がユーザに出力を提供することを可能にすることができ、外部電気機器との通信に使用することができる。
図1に示すように、入出力デバイス22は、ディスプレイ14などの1つ以上のディスプレイを含むことができる。幾つかの構成では、デバイス10のディスプレイ14は、ユーザの左眼及び右眼にそれぞれ位置合わせされた左右のディスプレイパネル(ディスプレイ14の左右の部分、並びに/又は、左ディスプレイ及び右ディスプレイと呼ばれることもある)を含む。他の構成では、ディスプレイ14は、両眼にわたって延びる単一のディスプレイパネルを含む。
ディスプレイ14を使用して、画像を表示することができる。デバイス10のユーザはディスプレイ14上に表示された視覚コンテンツを見ることができる。ディスプレイ14などのデバイス10のディスプレイは、有機発光ダイオードディスプレイ若しくは発光ダイオードのアレイに基づく他のディスプレイ、液晶ディスプレイ、液晶オンシリコン(liquid-crystal-on-silicon)ディスプレイ、専用の光学素子(例えばデジタルマイクロミラーデバイス)を介して直接若しくは間接的に表面上に光ビームを投影することに基づくプロジェクタ若しくはディスプレイ、電気泳動ディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロウェッティングディスプレイ、又は任意の他の好適なディスプレイであってもよい。
ディスプレイ14は、仮想現実(virtual reality)コンテンツ又は複合現実(mixed reality)コンテンツなどのコンピュータが生成する現実のための表示コンテンツを提示することができる。ディスプレイ14がレンズを介してユーザに仮想現実コンテンツを表示するために使用される構成が、本明細書で例として説明されることがある。
入出力回路22は、センサ16を含んでもよい。センサ16としては、例えば、三次元センサ(例えば、光ビームを放射し、且つ二次元デジタル画像センサを使用して、標的が光ビームによって照射されると生成される光スポットから三次元画像のための画像データを収集する、構造化光センサなどの三次元画像センサ、双眼撮像構成で2つ以上のカメラを使用して三次元画像を収集する双眼三次元画像センサ、三次元ライダー(光検出及び測距lidar (light detection and ranging))センサ、三次元高周波センサ、又は三次元画像データを収集する他のセンサ)、カメラ(例えば、赤外線及び/又は可視デジタル画像センサ)、視線追跡センサ(例えば、画像センサに基づく視線追跡システム、及び所望であれば、ユーザの眼から反射した後に画像センサを使用して追跡される1つ以上の光ビームを放射する光源)、タッチセンサ、ボタン、力センサ、スイッチに基づく接触センサなどのセンサ、気体センサ、圧力センサ、湿度センサ、磁気センサ、オーディオセンサ(マイクロフォン)、周囲光センサ、音声コマンド及び他のオーディオ入力を収集するためのマイクロフォン、動き、ポジション、及び/若しくは向きに関する情報を収集するように構成されたセンサ(例えば、加速度計、ジャイロスコープ、コンパス、及び/或いはこれらのセンサの全て又はこれらのセンサのうちの1つ若しくは2つのサブセットを含む慣性測定ユニット)、並びに/又は他のセンサを挙げることができる。センサ16は、近接センサ(例えば、容量性近接センサ、光ベースの(光学)近接センサ、超音波近接センサ、及び/又は他の近接センサ)を含んでもよい。近接センサは、例えば、ユーザの鼻とデバイス10内のレンズモジュールとの間の相対ポジションを感知するために使用されてもよい。
ユーザ入力及び他の情報は、入出力デバイス22内のセンサ及び他の入力デバイスを使用して収集されてもよい。所望であれば、入出力デバイス22は、触覚出力デバイス(例えば、振動構成要素)、発光ダイオード及び他の光源、オーディオ出力を生成するためのイヤスピーカなどのスピーカ、並びに他の電気構成要素などの他のデバイス24を含むことができる。デバイス10は、無線電力を受信するための回路、他のデバイスに無線で電力を送信するための回路、バッテリ及び他のエネルギ貯蔵デバイス(例えば、コンデンサ)、ジョイスティック、ボタン、並びに/又は他の構成要素を含むことができる。
電子デバイス10は、図1の例示的な支持構造体26によって示されるように、筐体構造体(例えば、筐体壁、ストラップなど)を有してもよい。電子デバイス10がヘッドマウントデバイス(例えば、一対の眼鏡、ゴーグル、ヘルメット、帽子など)である構成では、支持構造体26は、ヘッドマウント支持構造体(例えば、ヘルメット筐体、ヘッドストラップ、一対の眼鏡のテンプル、ゴーグル筐体構造体、及び/又は他のヘッドマウント構造体)を含むことができる。ヘッドマウント支持構造体は、デバイス10の動作中にユーザの頭部に装着されるように構成されてもよく、ディスプレイ(単数又は複数)14、センサ16、他の構成要素24、他の入出力デバイス22、及び制御回路12を支持してもよい。
図2は、電子デバイス10がヘッドマウントデバイスである例示的な構成の電子デバイス10の平面図である。図2に示すように、電子デバイス10は、デバイス10の構成要素を収容してデバイス10をユーザの頭部に装着するのに使用される支持構造体(例えば、図1の支持構造体26を参照)を含んでもよい。これらの支持構造体は、例えば、主ユニット26-2(例えば、外側筐体壁、レンズモジュール構造体など)のための筐体壁及び他の構造体を形成する構造体、及びユーザの顔に主ユニット26-2を保持するのに役立つ構造体26-1などのストラップ又は他の補助支持構造体を含んでもよい。
ディスプレイ14は、ユーザの左眼及び右眼にそれぞれ対応する左右のディスプレイモジュール70にそれぞれ搭載される左右のディスプレイパネル(例えば、左右の画素アレイ、左右のディスプレイ又は左右のディスプレイ部分と呼ばれることもある)を含んでもよい。ユーザの左眼に対応するディスプレイモジュールが図2に示される。
各ディスプレイモジュール70は、ディスプレイ部分14と、対応するレンズモジュール72(レンズスタックアップ72、レンズ72、又は調整可能レンズ72と呼ばれることもある)を含む。レンズ72は、共通軸に沿って配置される1つ以上のレンズ素子を含んでもよい。各レンズ素子は、任意の所望の形状を有してもよく、任意の所望の材料(例えば、任意の所望の屈折率を有する)から形成されてもよい。レンズ素子は、固有の形状及び屈折率を有してもよく、それらを組み合わせて、所望の方法でディスプレイ14からの光の焦点を合わせる。レンズモジュール72の各レンズ素子は、任意の所望の透明材料(例えば、ガラス、ポリカーボネート又はアクリルなどのポリマー材料、サファイアなどの結晶体など)から形成することができる。
モジュール70は、ポジショナ58などの位置決め回路を使用して、任意選択的に、ユーザの眼に対して且つ主ユニット26-2の筐体壁構造体のうちの幾つかに対して個別に位置決めされてもよい。ポジショナ58は、ステッピングモータ、圧電アクチュエータ、モータ、リニア電磁アクチュエータ、及び/又はディスプレイ14及びレンズモジュール72のポジションを調整するための他の電子部品であってもよい。ポジショナ58は、デバイス10の動作中に制御回路12によって制御されてもよい。例えば、ポジショナ58を使用して、モジュール70間の間隔(したがって、モジュール70の左右のレンズの間のレンズ間の間隔)を調節して、ユーザの眼の瞳孔間の距離IPDと一致させることができる。
場合によっては、レンズモジュール72とディスプレイ14との間の距離は変動可能である。例えば、レンズモジュールとディスプレイとの間の距離は、特定のユーザの視界を考慮するように調節され得る。他の例において、レンズモジュールは、調整可能なレンズ素子を含むことができる。調整可能なレンズ素子の曲率は、一例として、ユーザの視力を補償するためにリアルタイムで調整することができる。
場合によっては、調整可能なレンズモジュールは、流体充填チャンバを含むことができる。図3A及び図3Bは、流体充填チャンバを有する調整可能なレンズモジュール72の断側面図である。図示のように、流体92を含む流体充填チャンバ82(チャンバ82又は流体チャンバ82と呼ばれることもある)は、レンズ素子84,86間に介在される。
流体92は、所定の屈折率を有する液体、ゲル、又は気体であってもよい(したがって、液体92、ゲル92又は気体92と呼ばれることもある)。流体は、屈折率整合油、光学油、光学流体、屈折率整合材料、屈折率整合液体などと呼ばれることもある。レンズ素子84,86は、同じ屈折率を有してもよく、又は異なる屈折率を有してもよい。レンズ素子84とレンズ素子86との間のチャンバ82を充填する流体92は、レンズ素子84の屈折率と同じであるが、レンズ素子86の屈折率とは異なる屈折率を有してもよく、レンズ素子86の屈折率と同じであるが、レンズ素子84の屈折率とは異なる屈折率を有してもよく、レンズ素子84及びレンズ素子86の屈折率と同じ屈折率を有してもよく、或いは、レンズ素子84及びレンズ素子86の屈折率とは異なる屈折率を有してもよい。レンズ素子84,86は円形であってもよく、楕円形であってもよく、或いは任意の別の所望の形状を有してもよい。
チャンバ82内の流体92の量は、一定の体積又は調整可能な体積を有することができる。流体の量が調整可能である場合、レンズモジュールは、流体リザーバと、流体リザーバとチャンバとの間で流体を選択的に移送するための流体制御構成要素(例えば、ポンプ、ステッピングモータ、圧電アクチュエータ、モータ、リニア電磁アクチュエータ、及び/又は流体リザーバ内の流体に力を加える他の電子部品)とを含むこともできる。
レンズ素子84,86は、任意の所望の材料(例えば、ガラス、ポリカーボネート又はアクリルなどのポリマー材料、サファイアなどの結晶など)から形成された透明レンズ素子であってもよい。レンズ素子84,86のそれぞれは、エラストマー、半剛性、又は剛性であってもよい。エラストマーレンズ素子は、高可撓性のためにヤング率が低い天然ポリマー又は合成ポリマーから形成されてもよい。例えば、エラストマーレンズ素子84(弾性膜と呼ばれることもある)は、1GPa未満、0.5GPa未満、0.1GPa未満などのヤング率を有する材料から形成されてもよい。
半剛性レンズ素子は、剛性且つ固体であるが非可撓性ではない半剛性材料から形成されてもよい。半剛性レンズ素子は、例えば、ポリマー又はガラスの薄層から形成されてもよい。半剛性レンズ素子は、1Gpaよりも大きい、2GPaよりも大きい、3GPaよりも大きい、10GPaよりも大きい、25GPaよりも大きいなどのヤング率を有する材料から形成されてもよい。半剛性レンズ素子は、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、アクリル、ガラス、又は任意の他の所望の材料から形成されてもよい。半剛性レンズ素子の特性により、レンズ素子は、レンズ素子が第1の軸に対して垂直な第2の軸に沿って湾曲しているときに、第1の軸に沿って剛性になり得る。これは、第1の軸に対して垂直な第2の軸に沿ってレンズ素子が湾曲しているときであっても、依然として第1の軸に対して沿って可撓性である、エラストマーレンズ素子とは対照的である。半剛性レンズ素子の特性は、半剛性レンズ素子が調整可能なレンズパワー及び調整可能な軸を有する円柱レンズを形成できるようにし得る。半剛性レンズ素子は、エラストマーレンズ素子よりも剛性が高いが、剛性レンズ素子よりも剛性が低くてもよい。
剛性レンズ素子は、ガラス、ポリカーボネート又はアクリルなどのポリマー材料、サファイアなどの結晶などから形成されてもよい。一般に、剛性レンズ素子は、レンズモジュール内のレンズ素子に圧力が加えられるときに変形しなくてもよい。言い換えれば、剛性レンズ素子の形状及びポジションは固定されてもよい。剛性レンズ素子の各表面は、平面、凹状(例えば、球形又は円筒形に凹状を成す)、又は凸状(例えば、球状又は円筒状に凸状を成す)であってもよい。剛性レンズ素子は、25Gpaを超える、30GPaを超える、40GPaを超える、50GPaを超えるなどのヤング率を有する材料から形成されてもよい。
図3A及び図3B(及び後続の図)において、観察者は、レンズモジュールを正のZ方向で見るように設定され得る。すなわち、レンズ素子86は、観察者がデバイス10を操作する際に、観察者とレンズ素子84との間に介在される。言い換えれば、レンズ素子84は、観察者がデバイス10を操作するときにレンズ素子86とディスプレイ14との間に介在される。
レンズモジュール72は、レンズ素子84、86及び流体充填チャンバ82に加えて、レンズ成形要素88も含む。レンズ成形要素88は、1つ以上のアクチュエータ90に結合されてもよい。例として、複数のアクチュエータがレンズ成形要素の外周にわたって位置されてもよく、又は単一のアクチュエータがレンズ成形要素の外周にわたる複数の点でレンズ成形要素の偏向を制御してもよい。また、レンズ成形要素88がレンズ素子84に結合されてもよい。アクチュエータ90は、レンズ成形要素88(レンズ成形器88、変形可能レンズ成形器88、レンズ成形構造体88、レンズ成形部材88、環状部材88、リング状構造体88などと呼ばれることもある)を位置決めするように移動されてもよい。次に、レンズ成形要素88は、レンズ素子84の位置決め/成形を操作する。このようにして、レンズ素子84の曲率(したがって、レンズモジュール72のレンズパワー)を調整することができる。レンズ素子84の曲率を変更するために使用されるアクチュエータ90及びレンズ成形器88の一例が図3Bに示される。図示のように、レンズ成形器88は、アクチュエータ90によって方向94に移動される。その結果、レンズ素子84は、図3A(凸状の曲率)と図3B(凹状の曲率)とで曲率が異なる。
図4は、例示的なレンズ成形要素88の上面図である。図示のように、レンズ成形要素88は、レンズ成形要素が中央開口を取り囲む環状又はリング状を有してもよい。レンズ成形要素は、任意の所望の形状を有してもよい。例えば、レンズ成形要素は、円形、楕円形、又は不規則な形状を有してもよい。図4の例では、レンズ成形要素は、不規則な形状(例えば、リング状の周りの不均一な半径)を有する。例えば、中央開口の中心からレンズ成形要素の縁部までの第1の距離96(例えば、最小距離)は、中央開口の中心からレンズ成形要素の縁部までの第2の距離98(例えば、最大距離)より小さくてもよい。距離96,98は、100ミリメートル未満、60ミリメートル未満、40ミリメートル未満、30ミリメートル未満、10ミリメートル超、20ミリメートル超、10から50ミリメートルの間などであってもよい。
レンズ成形要素88は、レンズ成形要素の主要部分から延在する複数のタブ88Eを有する。タブ88E(延在部88E、アクチュエータポイント88Eなどと呼ばれることもある)はそれぞれ、個別のアクチュエータ(又は単一のアクチュエータのそれぞれの偏向制御部分)に結合されてもよい。一例では、各アクチュエータタブは、アクチュエータのスロット内に突出してもよい(例えば、舌部-溝構成)。スロットは、Z方向におけるタブ88Eのポジションを制御するために(例えば、Z方向で)上下に選択的に移動することができる。すなわち、アクチュエータ90はリニアアクチュエータである。これらの例は単なる例示に過ぎない。一般に、任意の所望のタイプのアクチュエータを使用することができる(例えば、舌及び溝アクチュエータ、ヒンジ式パドルを有するアクチュエータなど)。
図4には、複数のタブ88E(及び対応するアクチュエータ)をレンズ成形要素88の周囲にわたってどのように分布させることができるかが示される。タブ88Eは、均一に(例えば、隣接するタブ88Eの各対間の間隔を等しくして)又は不均一に(例えば、隣接するタブ88Eのうちの少なくとも2つの間の間隔が等しくない状態で)レンズ成形要素88の周囲に分布されてもよい。
隣接するタブ88Eの各対間には、レンズ成形器セグメント88Sがある。図4の例では、レンズ成形要素88の周囲に8つのタブ88Eがある。この例は単なる例示に過ぎない。一般に、より多くのタブ(及び対応するアクチュエータ)は、レンズ成形要素88が結合されるレンズ素子(例えば、レンズ素子84)の形状のより大きな制御を可能にする。レンズ素子における特定の目標形状、レンズモジュールの目標コスト/複雑さなどに応じて、任意の所望の数のタブ及びアクチュエータ(例えば、1、2、3、4、4超、6超、8超、10超、12超、20超、20未満、10未満、4から12の間など)を使用することができる。
一般に、各アクチュエータは、一方向(例えば、Z軸に平行)のみに力を加える点力として作用し得る。レンズ成形要素88にトルク又は他の力を意図せずに加えることを防止するために、アクチュエータスロットは、延在部88Eよりも大きくてもよい。これは、タブ88Eがスロット内で回転するための空間を提供する(レンズ成形器にトルクが加えられるのを防止する)。更に、延在部88Eは、レンズ成形要素を意図せずに引き伸ばすことを防止するために、スロットの内外に摺動することができる。
レンズ成形要素88は、エラストマー(例えば、より詳細に前述したように、高い可撓性のために低いヤング率を有する天然又は合成ポリマー)又は半剛性(例えば、より詳細に前述したように、剛性で固体であるが非可撓性ではない半剛性材料から形成される)であってもよい。半剛性レンズ成形要素は、例えば、ポリマー、ガラス、金属などの薄層から形成されてもよい。レンズ成形要素88はレンズモジュールの周りにリング状に形成されるため、レンズ成形要素88は透明である必要はない(したがって、金属などの不透明な材料から形成されてもよい)。
図3A及び図3Bに戻ると、レンズ素子86及び/又はアクチュエータ90は、支持構造体102(レンズモジュール支持構造体102、レンズ筐体102などと呼ばれることもある)に取り付けられてもよい。支持構造体102は、レンズモジュールの周りにリング状に形成されてもよく、不透明又は透明な材料から形成されてもよい。支持構造体102は、剛性であってもよく、したがって、レンズモジュール72に機械的強度を与えることができる。チャンバ82は、レンズ素子84,86、支持構造体102、及び/又は可撓性ベローズ104によって画定されてもよい。可撓性ベローズ104は、レンズ成形器88及びアクチュエータ90によって操作されるチャンバを収容するように膨張及び収縮することができる。
図3A及び図3Bの例では、レンズ素子84がエラストマーレンズ素子であり、レンズ素子86が剛性レンズ素子(例えば、レンズ素子84よりも大きい剛性を有する)である。図3Aにおいて、レンズ素子84は、凸状を有するようにレンズ成形要素88によって操作される。この種の構成では、正のゲージ圧が剛性レンズ素子86に加えられ得る(例えば、負のZ方向の力)。図3Bにおいて、レンズ素子84は、凹状を有するようにレンズ成形要素88によって操作される。この種の構成では、負のゲージ圧が剛性レンズ素子86に加えられ得る(例えば、正のZ方向の力)。しかしながら、図3A及び図3Bのいずれにおいても、レンズ素子86は剛性レンズ素子であるため、正又は負のゲージ圧が印加されるかどうかにかかわらず、レンズ素子86の形状は一定のままである。図3A及び図3Bに示されるように、剛性レンズ素子86は、アクチュエータ90がレンズ成形器88をどのように位置決めするかにかかわらず、同じ曲率を維持することができる。
場合によっては、レンズ素子86が調整可能な形状も有することが望ましい場合がある。(レンズ素子86と同様に)レンズ素子84の形状を直接操作するために、更なるアクチュエータがレンズモジュールに含まれてもよい。しかしながら、デバイスのコスト、複雑さ、及び重量を最小限に抑えるために、レンズ素子86のための専用アクチュエータを含むことを回避することが望ましい場合がある。更なるアクチュエータを含まずに調整可能なレンズ素子86を提供するために、レンズ素子86は半剛性レンズ素子であってもよい。このタイプの構成が図5A及び図5Bに示される。
図5A及び図5Bは、エラストマーレンズ素子84及び半剛性レンズ素子86を有するレンズモジュールの断面側面図である。レンズモジュールの全体構造は、図3A及び図3Bに関連して説明した構造と同様であり、これらの重複部分の説明は、明確にするために繰り返さない。エラストマーレンズ素子84及び半剛性レンズ素子86は、同じ材料又は異なる材料から形成されてもよい。
図5Aは、レンズ素子84が凸状を有するようにレンズ成形要素88によって操作されるポジションにおけるレンズモジュールを示す。この種の構成では、正のゲージ圧を半剛性レンズ素子86に加えることができる(例えば、負のZ方向の力)。これにより、半剛性レンズ素子86は、(図5Aに示すように)最小の曲率を有する比較的平坦な形状をとる。図5Aに示されるレンズ素子86の曲率半径(レンズ素子84が凸状の曲率を有する場合)は比較的大きくてもよい。或いは、図5Aのレンズ素子86は、レンズ素子84が凸状の曲率を有する場合、平面であってもよい。
一方、図5Bは、レンズ素子84が凹状を有するようにレンズ成形要素88によって操作されるポジションにおけるレンズモジュールを示す。この種の構成では、負のゲージ圧を半剛性レンズ素子86に加えることができる(例えば、正のZ方向の力)。これにより、半剛性レンズ素子86は、図5Aよりも小さい曲率半径の凹状の曲率を有する。レンズ素子86の曲率半径は、図5Bの構成を図5Aの構成と比較した場合に、符号が変化してもよく、及び/又は10%を超えて、20%を超えて、50%を超えて、100%を超えて、200%を超えてなど変化してもよい。
一般に、レンズ素子84がより大きい凸状の曲率を有する場合、半剛性レンズ素子86がより小さい凹状の曲率を有し、レンズ素子84がより大きい凹状の曲率を有する場合、半剛性レンズ素子86がより大きい凹状の曲率を有することが望ましい場合がある。この種の構成は、一例として、処方用アイウェアのレンズ構造を模倣するのに役立ち得る。図5A及び図5Bのレンズモジュールは、レンズ素子86の形状を直接制御するために更なるアクチュエータを必要とせずに、この関係(凸状の曲率の増大に伴ってレンズ素子86の凹状の曲率がより小さくなる関係)を達成する。言い換えれば、レンズモジュール内のアクチュエータは、レンズ素子86に取り付けられない。しかしながら、(アクチュエータ90によって)レンズ素子86が操作される結果としてレンズ素子84に加えられる圧力は、レンズ素子86に所望の曲率をとらせる。レンズ素子86の曲率は、アクチュエータ90がレンズ素子84の曲率を変化させるにつれて徐々に変化してもよい(レンズ素子86のゲージ圧も徐々に変化し、レンズ素子86の形状がゲージ圧に応答するため)。
図5A及び図5Bでは、エラストマーレンズ素子84は、1GPa未満、0.5GPa未満、0.1GPa未満などのヤング率を有することができる。一方、半剛性レンズ素子86は、剛性で固体であるが非可撓性ではない半剛性材料から形成されてもよい。半剛性レンズ素子86は、例えば、ポリマー又はガラスの薄層から形成されてもよい。半剛性レンズ素子86は、1GPa超、2GPa超、3GPa超、10GPa超、25GPa超などのヤング率を有する材料から形成されてもよい。したがって、レンズ素子86のヤング率は、レンズ素子84のヤング率よりも大きくてもよい。
前述の例(半剛性レンズ素子86がエラストマーレンズ素子84よりも大きいヤング率を有する場合)では、エラストマーレンズ素子84及び半剛性レンズ素子86は、異なる材料から形成されてもよい。この例は単なる例示に過ぎない。他の想定し得る例において、エラストマーレンズ素子84及び半剛性レンズ素子86は、同じ材料から形成されてもよいが、異なる厚さを有してもよい。例えば、半剛性レンズ素子86は、レンズ素子84よりも大きい厚さを有してもよい。半剛性レンズ素子は、レンズ素子84の厚さの1.5倍を超える、レンズ素子84の厚さの2倍を超える、レンズ素子84の厚さの3倍を超える、レンズ素子84の厚さの5倍を超える、レンズ素子84の厚さの10倍を超える、レンズ素子84の厚さの50倍を超える、レンズ素子84の厚さの1.5倍から10倍の間、レンズ素子84の厚さの20倍未満などの厚さを有することができる。一般に、レンズ素子86は、レンズ素子84よりも大きい厚さ及び/又はヤング率を有することができる。
図6A及び図6Bは、エラストマーレンズ素子84及び動的に調整可能な半剛性レンズ素子86を有するレンズモジュールの断側面図である。レンズモジュールの全体構造は、図5A及び図5Bに関連して説明した構造と同様であり、これらの重複部分の説明は、明確にするために繰り返さない。
ゲージ圧の変化に応じてレンズ素子86の形状(曲率)が徐々に変化するようにするべく、レンズモジュールが付勢構造体106を含むこともできる。付勢構造体106は、レンズモジュールの周りにリング状に延在してもよく、(ディスク形状を有する)レンズ素子86に付勢力を加えてもよい。付勢構造体106は、レンズ素子86の縁部をレンズ素子86の中心に向かって付勢することができる。例えば、図6Bの左側では、付勢構造体106は、半剛性レンズ素子86を正のX方向に(レンズ素子86の中心に向かって)付勢する。図6Bの右側において、付勢構造体106は、半剛性レンズ素子86を負のX方向に(レンズ素子86の中心に向かって)付勢する。付勢構造体106は、バネ、可撓性ベローズ構造体、又はレンズ素子86の縁部に付勢力を加える任意の他の所望の構造から形成されてもよい。付勢構造体106は、レンズ素子86の周りに連続的なリングとして形成されてもよく、又はそれぞれが所与のロケーションでレンズ素子86に点力を加えるレンズ素子の周囲に分散された複数の別個の付勢構造体を含んでもよい。
図6Aは、レンズ素子84が凸状を有するレンズ成形要素88(及びアクチュエータ90)によって操作されるポジションにおけるレンズモジュールを示す。この種の構成では、正のゲージ圧を半剛性レンズ素子86に加えることができる(例えば、負のZ方向の力)。これにより、半剛性レンズ素子86の縁部が付勢構造体106に対して外側に押される。半剛性レンズ素子86は、(図6Aに示すように)最小曲率を有する比較的平坦な形状をとる。図6Aに示すレンズ素子86の曲率半径(レンズ素子84が凸状の曲率を有する場合)は、比較的大きくてもよい。或いは、図6Aのレンズ素子86は、レンズ素子84が凸状の曲率を有する場合、平面であってもよい。
一方、図6Bは、レンズ素子84が凹状を有するようにレンズ成形要素88によって操作されるポジションにおけるレンズモジュールを示す。この種の構成では、負のゲージ圧を半剛性レンズ素子86に加えることができる(例えば、正のZ方向の力)。これにより、半剛性レンズ素子86は、図6Aよりも小さい曲率半径を伴う凹状の曲率を有する。付勢構造体106は、レンズ素子の縁部をレンズ素子の中心に向かって押すのを助けて、レンズ素子86に所望の凹状の曲率を与える。したがって、付勢構造体106(バネ106、可撓性ベローズ構造体106、可撓性シール構造106などと呼ばれることもある)は、ゲージ圧の変化に応じてレンズ素子86が徐々に形状(曲率)を変化させるのを助ける。付勢構造体の助けを借りて、レンズ素子86は、アクチュエータ90がレンズ素子84の形状を凸状(図6Aと同様に)から凹状(図6Bと同様に)に徐々に変化させるにつれて、平面又は高い曲率半径の形状(図6Aと同様に)からより低い曲率半径(図6Bと同様に)を伴う凹状に徐々に形状を変化させる。
レンズ素子86の曲率半径は、図6Bの構成を図6Aの構成と比較した場合に、符号が変化してもよく、及び/又は10%を超えて、20%を超えて、50%を超えて、100%を超えて、200%を超えてなど変化してもよい。
付勢構造体106は、接着剤を用いてレンズ素子86の縁部に取り付けられてもよく、別の所望の取り付け機構(例えば、機械的インターロック)を用いてレンズ素子86の縁部に固定されてもよい。他の想定し得る例として、付勢構造体106は、レンズ素子86と一体的に形成されてもよい(例えば、レンズ素子86と同じ材料から形成されてもよく、及び/又はレンズ素子86を用いて単一のステップで成形されてもよい)。
図7A及び図7Bは、エラストマーレンズ素子84と、可撓性シールを有する動的に調整可能な半剛性レンズ素子86とを有するレンズモジュールの断側面図である。レンズモジュールの全体構造は、図5A及び図5Bに関連して説明した構造と同様であり、これらの重複部分の説明は、明確にするために繰り返さない。
ゲージ圧の変化に応じてレンズ素子86の形状(曲率)が徐々に変わるようにするのを助けるために、レンズモジュールは可撓性シール108も含むことができる。可撓性シール108は、レンズモジュールの周りにリング状に延在してもよく、レンズ素子86と支持構造体102との間に介在されてもよい。可撓性シール108は、レンズ素子86と支持構造体102との間に気密シールを形成して、流体92がシールにおいてチャンバ82の内外に漏れないようにすることができる。
可撓性シールは、(付勢構造体106と同様に)レンズ素子86(ディスク形状を有する)に付勢力を加えることができる。可撓性シール108は、レンズ素子86の縁部をレンズ素子の中心に向かって付勢することができる。例えば、図7Bの左側では、可撓性シール108は、半剛性レンズ素子86を正のX方向に(レンズ素子86の中心に向かって)付勢する。図7Bの右側において、可撓性シール108は、半剛性レンズ素子86を負のX方向に(レンズ素子86の中心に向かって)付勢する。
可撓性シール108は、レンズ素子86と同じ材料から形成されてもよい。この種の構成では、可撓性シール108は、レンズ素子86よりも薄くてもよい。また、可撓性シール108は、レンズ素子86とは異なる材料(例えば、より低いヤング率を有するより弾性の高い材料)から形成されてもよい。可撓性シール108(付勢構造体108、可撓性リップ108、可撓性壁108などと呼ばれることもある)は、レンズ素子86の周りに連続的なリングとして形成されてもよい。
図7Aは、レンズ素子84が凸状を有するようにレンズ成形要素88によって操作されるポジションにおけるレンズモジュールを示す。この種の構成では、正のゲージ圧を半剛性レンズ素子86に加えることができる(例えば、負のZ方向の力)。これにより、半剛性レンズ素子86の縁部が可撓性シール108に対して外側に押される。可撓性シール108は、このポジションでレンズ素子86の横方向(例えば、X方向に)の膨張を受け入れる。半剛性レンズ素子86は、(図7Aに示すように)最小曲率を有する比較的平坦な形状をとる。図6Aに示すレンズ素子86の曲率半径(レンズ素子84が凸状の曲率を有する場合)は、比較的大きくてもよい。或いは、図7Aのレンズ素子86は、レンズ素子84が凸状の曲率を有する場合、平面であってもよい。
一方、図7Bは、レンズ素子84が凹状を有するようにレンズ成形要素88によって操作されるポジションにおけるレンズモジュールを示す。この種の構成では、負のゲージ圧を半剛性レンズ素子86に加えることができる(例えば、正のZ方向の力)。これにより、半剛性レンズ素子86は、図7Aよりも小さい曲率半径を伴う凹状の曲率を有する。可撓性シール108は、レンズ素子の縁部をレンズ素子の中心に向かって押して、レンズ素子86に所望の凹状の曲率を与えるのに役立つ。したがって、可撓性シール108は、ゲージ圧の変化に応じてレンズ素子86の形状(曲率)を徐々に変化させるのに役立つ。可撓性シールの助けを借りて、レンズ素子86は、アクチュエータ90がレンズ素子84の形状を凸状(図7Aと同様に)から凹状(図7Bと同様に)に徐々に変化させるにつれて、平面又は高い曲率半径の形状(図7Aと同様に)からより低い曲率半径(図7Bと同様に)を伴う凹状に徐々に形状を変化させる。
レンズ素子86の曲率半径は、図7Bの構成を図7Aの構成と比較した場合に、符号が変化してもよく、及び/又は10%を超えて、20%を超えて、50%を超えて、100%を超えて、200%を超えてなど変化してもよい。
可撓性シール108は、接着剤でレンズ素子86の縁部に取り付けられてもよく、又は別の所望の取り付け機構(例えば、機械的インターロック)を使用してレンズ素子86の縁部に固定されてもよい。他の想定し得る例として、可撓性シール108は、レンズ素子86と一体的に形成されてもよい(例えば、レンズ素子86と同じ材料から形成されてもよく、及び/又はレンズ素子86を用いて単一のステップで成形されてもよい)。
図8は、第1及び第2のエラストマーレンズ素子並びに第1及び第2のチャンバを有するレンズモジュールの断側面図である。図8のレンズモジュール72は、第1の流体充填チャンバ82-1と、第2の流体充填チャンバ82-2とを含む。第1及び第2の流体充填チャンバ82-1及び82-2の両方には(前述のように)流体92が充填される。流体充填チャンバ82-1(チャンバ82-1又は流体チャンバ82-1と呼ばれることもある)は、レンズ素子84-1とレンズ素子86との間に介在される(及びレンズ素子84-1とレンズ素子84-86とによって部分的に画定される)。流体充填チャンバ82-2(チャンバ82-2又は流体チャンバ82-2と呼ばれることもある)は、レンズ素子84-2とレンズ素子86との間に介在される(及びレンズ素子84-2とレンズ素子とによって部分的に画定される)。
図8において、レンズ素子84-1、84-2は、エラストマーレンズ素子であり、レンズ素子86は、剛性レンズ素子である(レンズ素子84-1、84-2よりも剛性が高い)。レンズ素子84-1は、レンズ素子84-1の曲率を制御する(前の図で説明したような)レンズ成形器88に取り付けられてもよい。図8のレンズモジュール72は、支持構造体102、可撓性ベローズ104、及び既に図示及び前述したような1つ以上のアクチュエータも含む。
更なるアクチュエータを追加することなくエラストマーレンズ素子84-2の形状の制御を可能にするために、チャンバ82-1,82-2間のチャネル112に弁110を介在させることができる。チャネル112は、弁110が開いているときに流体がチャンバ82-1,82-2間で流れることができるようにし得る。弁110が閉じられているとき、チャンバ82-1及び82-2内の流体の体積は固定されたままであり得る。制御回路(例えば、図1の制御回路12)は、制御信号線114を使用して弁112を制御することができる。
図8に示すように、チャンバ82-1とチャンバ82-2との間のチャネル112は、可撓性ベローズ構造体104の開口(チャンバ82-1へのアクセスを可能にするため)及び/又は支持構造体102の開口(チャンバ82-2へのアクセスを可能にするため)を含むことができる。この例は単なる例示に過ぎない。一般に、チャネル112及び弁110は、チャンバ82-1,82-2間の流体交換を可能にする任意の所望のロケーションにあってもよい。
レンズ素子84-1の曲率を制御することに加えて、レンズ成形器88(及び対応するアクチュエータ)は、チャンバ82-1,82-2間の流体の交換を制御するためのポンプとして効果的に機能することができる。デバイス内の制御回路は、弁110を開いている間にレンズ成形器88を負のZ方向に移動させるようにアクチュエータを制御することができる。この状態で、レンズ素子84-1に凸状の曲率が与えられ、剛性レンズ素子86に正のゲージ圧が加えられる(例えば、負のZ方向の力)。この正のゲージ圧は、(その曲率を維持する)剛性レンズ素子86を変形させない。しかしながら、レンズ成形器/アクチュエータからの圧力は、流体92をチャンバ82-1からチャンバ82-2に(チャネル112を介して)押し込む。チャンバ82-2内の体積の増大は、レンズ素子84-2の曲率を減少させるために、負のZ方向にエラストマーレンズ素子84-2を押す。制御回路は、所望のレンズ形状が達成されると弁110を閉じることができる。
デバイス内の制御回路は、弁110を開いている間にレンズ成形器88を正のZ方向に移動させるようにアクチュエータを制御することができる。この状態で、(例えば図7Bのように)レンズ素子84-1に凹状の曲率が与えられ、剛性レンズ素子86に負のゲージ圧が加えられる。この負のゲージ圧は、(その曲率を維持する)剛性レンズ素子86を変形させない。しかしながら、レンズ成形器/アクチュエータからの負圧は、流体92をチャンバ82-2からチャンバ82-1に引き込む。チャンバ82-2内の容積の減少は、レンズ素子84-2の曲率を増大させるために、エラストマーレンズ素子84-2が正のZ方向に移動することを可能にする。制御回路は、所望のレンズ形状が達成されると弁110を閉じることができる。このようにして、レンズ成形器/アクチュエータ及び弁110を使用して、レンズ素子84-1及び84-2の両方の曲率を制御することができる。
レンズ素子84-2の曲率半径は、図8のレンズ成形器88の制御に応じて、符号が変化してもよく、及び/又は10%超、20%超、50%超、100%超、200%超など変化してもよい。
図9A及び図9Bは、エラストマーレンズ素子84及び双安定半剛性レンズ素子86を有するレンズモジュールの断側面図である。レンズモジュールの全体構造は、図5A及び図5Bに関連して説明した構造と同様であり、これらの重複部分の説明は、明確にするために繰り返さない。エラストマーレンズ素子84及び半剛性レンズ素子86は、同じ材料又は異なる材料から形成されてもよい。
図9Aは、レンズ素子84が凹状を有するようにレンズ成形要素88によって操作されるポジションにおけるレンズモジュールを示す。この種の構成では、負のゲージ圧を半剛性レンズ素子86に加えることができる(例えば、正のZ方向の力)。これにより、半剛性レンズ素子86は、比較的小さい曲率半径を伴う凹状の曲率を有する。
図9A及び図9Bにおいて、半剛性レンズ素子86には、レンズモジュール72に組み込まれたときにプレストレスを受けることができる。言い換えれば、レンズモジュールに嵌合するために、半剛性レンズ素子86は、横方向に締め付けられてもよい(例えば、レンズ素子の縁部に、レンズ素子の中心に向かって圧力が加えられる)。支持構造体102は、一例として、このプレストレスを加えることができる。半剛性レンズ素子に加わるプレストレスに起因して、半剛性レンズ素子は2つの安定状態を有することができる。したがって、半剛性レンズ素子は、双安定半剛性レンズ素子と呼ばれることがある。第1の曲率から第2の曲率へと徐々に変化する(例えば図5A及び図5Bのように)代わりに、レンズ素子86の曲率は、レンズ成形器88が負のZ方向に移動する際に、図9Aに描かれているようなままであってもよい。言い換えれば、レンズ素子86の曲率は、レンズ素子をその第2の安定状態に反転させるゲージ圧に達するまで(図9Bに描かれているように)、ゲージ圧を変化させながら第1の安定状態で固定されたままである(図9Aと同様に)。
第2の安定状態では、レンズ素子84は、凸状を有するようにレンズ成形要素88によって操作される。この種の構成では、正のゲージ圧を半剛性レンズ素子86に加えることができる(例えば、負のZ方向の力)。これにより、半剛性レンズ素子86は凸状の曲率を有する。
したがって、プレストレスレンズ素子86は、レンズ素子86も凸状の曲率を有する場合にはレンズ素子84を凸状の曲率にし、レンズ素子84も凹状の曲率を有する場合にはレンズ素子を凹状の曲率にする。この例は単なる例示に過ぎない。一般に、レンズ84,86の曲率間に任意の所望の関係を使用することができる。しかしながら、レンズ素子86の曲率は、この構成では、(その縁部に加えられるプレストレスに起因して)2つの異なる安定状態を有することができる。
他の想定し得る構成において、レンズ素子は、3つ以上の安定状態を有してもよく、加えられたゲージ圧に応じて3つ以上の安定状態を切り替えてもよい。しかし、3つ以上の安定状態の間で曲率は変化しない。
レンズ素子86の曲率半径は、図9Bの構成を図9Aの構成と比較した場合に、符号が変化してもよく、及び/又は10%を超えて、20%を超えて、50%を超えて、100%を超えて、200%を超えてなど変化してもよい。
図10は、レンズ素子上のゲージ圧の関数としてのレンズ素子の様々な曲率半径プロファイルのグラフである。ゲージ圧は、レンズモジュール内のエラストマーレンズ素子84の曲率を示すことに留意すべきである。例えば、図5A及び図5Bを考える。レンズ素子84が凹状の曲率を有するように制御されるとき、レンズ素子86に作用する関連するゲージ圧は低い(例えば、負のゲージ圧P1)。レンズ素子84が凸状の曲率を有するように制御されるとき、レンズ素子86に作用する関連するゲージ圧は高い(例えば、正のゲージ圧P2)。
プロファイル202は、図3A及び図3Bの剛性レンズ素子86の曲率半径を示す。図示のように、レンズ素子は剛性であるため、レンズ素子の曲率半径は、負のゲージ圧P1から正のゲージ圧P2まで一定のままである。
プロファイル204は、図5~図7の半剛性レンズ素子86の曲率半径の例示的なプロファイルを示す(又は図8のレンズ素子84-2)。図示のように、レンズ素子の曲率半径は、負のゲージ圧P1から正のゲージ圧P2に移動するときに徐々に増大する(例えば、湾曲が小さくなる)。このようにして、デバイス内の制御回路は、レンズ成形器88を制御してレンズ素子84の曲率を操作することができ、これにより、レンズ素子86のゲージ圧力が変化し、その結果、示されるようにプロファイル204に従ってレンズ素子86の曲率が変化する。したがって、レンズ素子86の曲率は、レンズ素子84の曲率の更新と並行して動的に更新される。デバイス内の制御回路は、図10のP1及びP2における曲率、又は任意の中間ゲージ圧/曲率を有するように、レンズ素子を制御してもよい。
プロファイル206は、図9A及び図9Bの双安定半剛性レンズ素子86の曲率半径における例示的なプロファイルを示す。図示のように、レンズ素子の曲率半径は、負のゲージ圧P1から正のゲージ圧P2に移動するときに第1の安定状態において一定のままである。何らかの中間圧力で、レンズ素子86は、第1の安定状態から第2の安定状態に切り替わり得る。したがって、レンズ素子の曲率は、異なる曲率(例えば、図9Bの凸状の曲率)に段階的に変化する。次に、レンズ素子の曲率半径は、ゲージ圧が正のゲージ圧P2に移動し終わるとき、第2の安定状態において一定のままであり続ける。
プロファイル204及び206の形状は単なる例示である。一般に、任意の所望のプロファイル形状を使用することができる(例えば、プロファイル204は非線形であってもよい。)。
一実施形態によれば、ヘッドマウント支持構造体と、光を放射するディスプレイと、ディスプレイから光を受けるヘッドマウント支持構造体によって支持されるレンズモジュールとを含み、レンズモジュールが、チャンバを画定する第1及び第2の透明レンズ素子であって、第1の透明レンズ素子がエラストマーレンズ素子であり、第2の透明レンズ素子が半剛性レンズ素子である、第1及び第2の透明レンズ素子と、第1の透明レンズ素子と第2の透明レンズ素子との間のチャンバ内の流体と、第1の透明レンズ素子の第1の曲率を調整するように構成される複数のアクチュエータであって、第1の透明レンズ素子の第1の曲率を調整することが第2の透明レンズ素子の第2の曲率の変化も引き起こす、複数のアクチュエータと、
を含む、システムが提供される。
他の実施形態によれば、第2の透明レンズ素子の第2の曲率の変化は、20%を超える第2の透明レンズ素子の曲率半径の変化を含む。
他の実施形態によれば、第1の透明レンズ素子が第2の透明レンズ素子よりも薄い。
他の実施形態によれば、第1の透明レンズ素子が第2の透明レンズ素子よりも低いヤング率を有する。
他の実施形態によれば、レンズモジュールは、複数のアクチュエータと第1の透明レンズ素子との間に取り付けられるレンズ成形構造体を含む。
他の実施形態によれば、レンズ成形構造体が複数の延在部を有する。
他の実施形態によれば、複数の延在部の各延在部は、複数のアクチュエータの個別のアクチュエータに結合される。
他の実施形態によれば、レンズ成形構造体は、中央開口の周りにリング状に延在し、第1の透明レンズ素子が中央開口と重なる。
他の実施形態によれば、第2の透明レンズ素子が第1及び第2の安定状態を伴う双安定レンズ素子であり、第2の曲率が第1の状態では凹状であり、第2の曲率が第2の状態では凸状である。
他の実施形態によれば、第1の曲率を凹状から凸状に調整することにより、第2の透明レンズ素子が第1の安定状態から第2の安定状態に切り替わる。
他の実施形態によれば、第1の曲率を凹状から凸状に徐々に調整することにより、第2の曲率の曲率半径が徐々に増大する。
他の実施形態によれば、レンズモジュールは、第2の透明レンズ素子の縁部に第2の透明レンズ素子の中心に向かって力を加える付勢構造体を含む。
他の実施形態によれば、レンズモジュールが支持構造体を含み、付勢構造体は、第2の透明レンズ素子と支持構造体との間にシールを形成する。
他の実施形態によれば、複数のアクチュエータが支持構造体上に形成される。
一実施形態によれば、ヘッドマウント支持構造体と、光を放射するディスプレイと、ディスプレイから光を受けるヘッドマウント支持構造体によって支持されるレンズモジュールとを含み、レンズモジュールが、チャンバを画定する第1及び第2の透明レンズ素子であって、第1の透明レンズ素子がエラストマーレンズ素子であり、第2の透明レンズ素子が半剛性レンズ素子である、第1及び第2の透明レンズ素子と、第1の透明レンズ素子と第2の透明レンズ素子との間のチャンバ内の流体と、第1及び第2の透明レンズ素子の両方の曲率を動的に調整するように構成される第1の透明レンズ素子に取り付けられるアクチュエータであって、第2の透明レンズ素子にアクチュエータが取り付けられない、アクチュエータと、
を含むシステムが提供される。
他の実施形態によれば、第2の透明レンズ素子が第1の透明レンズ素子よりも高い剛性を有する。
他の実施形態によれば、レンズモジュールは、アクチュエータと第1の透明レンズ素子との間に取り付けられるレンズ成形構造体を含む。
他の実施形態によれば、第1の透明レンズ素子が第2の透明レンズ素子よりも薄い。
他の実施形態によれば、第1及び第2の透明レンズ素子の両方の曲率を動的に調整することは、第2の透明レンズ素子の曲率半径を20%より大きく調整することを含む。
一実施形態によれば、ヘッドマウント支持構造体と、光を放射するディスプレイと、ディスプレイから光を受けるヘッドマウント支持構造体により支持されるレンズモジュールとを含み、レンズモジュールが、剛性レンズ素子と、剛性レンズ素子よりも低い剛性を有する第1の透明レンズ素子であって、第1の透明レンズ素子及び剛性レンズ素子が第1の流体充填チャンバを画定する、第1の透明レンズ素子と、剛性レンズ素子よりも低い剛性を有する第2の透明レンズ素子であって、第2の透明レンズ素子及び剛性レンズ素子が第2の流体充填チャンバを画定し、第1の透明レンズ素子がエラストマーレンズ素子であり、第2の透明レンズ素子が半剛性レンズ素子である、第2の透明レンズ素子と、第1の流体充填チャンバと第2の流体充填チャンバとの間のチャネルと、第1の流体充填チャンバと第2の流体充填チャンバとの間のチャネルを通じた流れを可能にするように開放するべく構成されるチャネル内の弁と、弁が開放している間に第1の透明レンズ素子を移動させて第1の流体充填チャンバと第2の流体充填チャンバとの間の流れを制御するように構成される複数のアクチュエータと、を含むシステムが提供される。
他の実施形態によれば、レンズモジュールは、第1の透明レンズ素子に結合されるリング状構造体を含み、複数のアクチュエータは、リング状構造体を調整して第1の透明レンズ素子を移動させるように構成される。
上記は、単に例示に過ぎず、様々な修正を記載の実施形態に行ってもよい。上記の実施形態は、個々に又は任意の組み合わせで実装されてもよい。