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JP6120400B2 - 液体デバイス - Google Patents

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JP6120400B2
JP6120400B2 JP2013032003A JP2013032003A JP6120400B2 JP 6120400 B2 JP6120400 B2 JP 6120400B2 JP 2013032003 A JP2013032003 A JP 2013032003A JP 2013032003 A JP2013032003 A JP 2013032003A JP 6120400 B2 JP6120400 B2 JP 6120400B2
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Description

本発明は、内包する液体の形状を変化させることで所期の機能を実現する液体デバイスに関する。
半導体集積回路の形成過程で用いられる微細加工技術を利用して、シリコン等からなる基板上に微細構造をもった構造体を形成することが可能であり、今後その技術の発展が期待されている。そのような構造体は、MEMS(Micro Electro Mechanical System)と呼ばれている。今までにMEMSとして様々なデバイスが提案されている。
この出願の発明者らは、特許文献1に示されるマイクロデバイス及びその製造方法を提案した。このマイクロデバイスは、表面に第1の電極を備えた基板上に、薄膜形成処理の際に蒸発せずに残る液体を載せ、その液体表面上にパラキシリレン系ポリマー(例えば商品名パリレン(登録商標))等の薄い保護膜を形成し、その保護膜の表面に第2の電極を形成した構造を有する。第1の電極と第2の電極との間に電圧を印加することにより発生する静電気力により保護膜の形状が変化することで、保護膜内の液体の形状が変化する。このような電圧制御による液体及び保護膜部分の形状制御により、デバイスの物理的特性を可変制御することができる。このマイクロデバイスは、可変焦点レンズ、マイクロプリズム、マイクロミラー等と言った様々な用途に応用可能である。
保護膜に用いられるパリレンは、ヤング率が高く変形しにくいため、特許文献1のデバイスを例えば可変焦点レンズとして構成した場合、焦点可変パワーが小さくなってしまう。言い換えれば、変形量を大きくして焦点距離を大きく変えられるようにするには、電極間に印加する電圧を大きくする必要がある。
特許文献2には、パリレン膜の変形しにくさを補う液体レンズが開示されている。例えば図1〜図3に示された液体レンズ(以下「特許文献2の第1例」と呼ぶ)は、下部電極として機能する貫通開口を有する基板上に、パリレン膜よりもヤング率の低い材質の膜(以下「伸縮膜」と呼ぶ)を形成し、その伸縮膜の貫通開口上の部分に液体を載せ、その液体をパリレン膜で封止し、そのパリレン膜上に上部電極膜を形成する。伸縮膜の材質は、例えばシリコーン樹脂などのポリマー樹脂である。また図4に示された液体レンズ構造(以下「特許文献2の第2例」と呼ぶ)では、貫通開口を有する基板上に伸縮膜を形成し、その伸縮膜上に下部電極膜を形成する。そして、下部電極膜の貫通開口上の部分に液体を載せ、その液体をパリレン膜で封止し、パリレン膜上に上部電極膜を形成する。これらの液体レンズでは、下部電極と上部電極との間に電圧を印加し、それら電極間の静電気力でパリレン膜を基板側に押圧すると、伸縮膜が貫通開口内に大きく膨らむ。これにより、パリレン膜のみが変形する場合よりも、液体レンズの曲率を大きく変えることができ、ひいては焦点距離を大きく変えることができる。
特許第5030215号明細書 特開2009−175536号公報
特許文献2の第1例では、下部電極(基板)と上部電極との間に伸縮膜があるので、その膜の分だけ電極間の距離が離れる。電極間の距離が大きくなるほど、それら電極間に働く静電気力が小さくなるので、電極間に伸縮膜がない構造と同程度の静電気力を発生させようとすると、印加電圧を大きくする必要がある。
一方、特許文献2の第2例では、上部電極と下部電極の間に伸縮膜がないので、電極間距離の増大による静電気力低減の問題はない。しかし、伸縮膜上に下部電極膜を形成されているので、使用時の伸縮膜の伸縮の影響で下部電極膜が損傷を受けてしまうという問題がある。この第2例の構造を示す図(特許文献2の図4)は、伸縮膜(図中の符号14)のうち下部電極(図中の符号15)の開口の内側の部分のみが伸縮するように描かれているが、実際には開口周囲の下部電極と重なり合っている部分も相応に伸縮する。伸縮膜が大きく伸びると、その上に形成された下部電極膜にクラックが入る。例えば金属薄膜は伸び歪みが数パーセント生じただけでクラックが生じる。従来のパリレン膜を用いた可変焦点液体レンズでは、最大変形でパリレン膜の面積が数パーセント変化する。伸縮膜はパリレン膜より大きく変形するためのものなので、その上の電極膜にクラックを生じさせる可能性が高い。
また、そもそも、シリコーン樹脂などで構成される伸縮膜上に、金属電極を成膜すること自体が難しい。
また、特許文献2の第1例及び第2例に共通の問題として、(1)製造が困難であること、及び(2)デバイス構造全体の信頼性が低いこと、などがある。
(1)製造の困難性
シリコーン樹脂等のポリマー樹脂は、温度による伸縮が大きい。一方、特許文献2のデバイスの製造には、伸縮膜を設けた後、その上に、下部電極のパターン(第2例の場合)や、製造時に滴下する液体の形状を画定するための撥油性又は疎水性(「疎水性膜」と総称)の膜のパターン(第1例及び第2例)を形成する必要がある。このようなパターンを形成するフォトリソグラフィの工程で、フォトレジストをベークしたり常温まで冷ましたりすることになり、この間の温度変化による伸縮膜の伸縮により、伸縮膜上に形成した電極や疎水性膜のパターンにクラック等の損傷が生じる可能性が少なくない。
また、特許文献2のデバイス構造では、伸縮膜上に疎水性膜等の複数の層を形成することになる。これら個々の層の残存応力や、層間の応力状態の違い、層間の熱膨張率のミスマッチなどにより、伸縮膜に皺が生じる可能性がある。皺が生じると、伸縮膜等の平坦度が悪化し、フォトリソグラフィが不可能になったり、フォトリソグラフィができたとしても、製造されたデバイスの各層がはがれやすくなったりする。
(2)低信頼性
特許文献2のデバイス構造では、下部電極や疎水性膜の素材と伸縮膜との密着性が低いので、構造全体の信頼性が低く、製造時のプロセス失敗や使用時の故障につながりやすい。
また、伸縮膜に用いられるシリコーン樹脂等のポリマー樹脂は、液体を吸収して膨張しやすい性質を有する(パリレンは希有な例外)。この性質は、柔らかい(ヤング率が低い)樹脂ほど顕著である。液体の吸収による伸縮膜の膨張は、伸縮膜とその上の層との密着性を悪化させる。液体レンズなどの液体を封止するデバイスでは、伸縮膜が液体に接することは避けられないので、この問題は深刻である。
本発明は、液体表面を保護する保護膜の静電気力による変形に応じて伸縮膜をより大きく変形させることで所望の機能を得る液体デバイスにおいて、製造しやすく、信頼性の高い構造を提案するものである。
本発明に係る液体デバイスは、第1の電極を備えた基板であって、前記基板のおもて面上に設定された液体載置領域内に、前記基板のおもて面と裏面との間を貫通する流路が形成されている基板と、前記基板の前記裏面の前記流路の出口を覆う伸縮部と、前記伸縮部の周囲を取り囲み前記基板の前記裏面に対して直接又は間接的に固定された固定部と、を有する裏面膜と、前記裏面膜の前記伸縮部により覆われた前記流路内を満たし、前記基板の前記おもて面の前記液体載置領域上に膨出した液体と、前記液体載置領域上に膨出した前記液体の表面に形成されている保護膜と、前記保護膜の上面側に、前記保護膜に対して直接又は間接的に固定して形成された第2の電極と、を有し、前記裏面膜のうち少なくとも前記伸縮部が前記保護膜よりもヤング率の低い材質で形成されている
この液体デバイスの構造では、第1の電極と第2の電極との間の印加電圧の制御により、第1の電極と第2の電極とを互いに引き寄せる静電気力を作用させると、保護膜が第2の電極により基板側へと押圧される。この押圧力が液体を介して伸縮に伝わり、伸縮を膨張させる。伸縮は保護膜よりもヤング率が低い(すなわち伸縮しやすい)ので、保護膜の変形が小さくても、伸縮がそれよりも大きく変形する。これにより、液体レンズの曲率を大きく変化させることができる。
この液体デバイスの構造では、第1の電極と第2の電極との間に伸縮膜が介在しないので、それら両電極の間に伸縮膜が介在する従来構造よりも両電極間の距離が近い。このため、両電極間に同じ電圧を印加した場合、従来構造よりも両電極間の静電気力を強めることができる。したがって、この液体デバイスは、保護膜を同程度変形させるのに必要な電圧が、従来構造よりも低くてよい。また、本発明に係る液体デバイスは、伸縮膜上に他材料からなる電極等の機能構造を設けなくてよいので、製造時や使用時の伸縮膜の伸縮等によりその機能構造に損傷を与えることがない。
好適な態様では、裏面膜の少なくとも伸縮部に回折格子等の光学的機能を持たせる。この光学的機能は、伸縮部の各部の局所厚みを所定のパターンに従って異ならせることで実現してもよい。
別の好適な態様では、液体の表面上に透明板を設けてもよい。この透明板が、製造誤差等による保護膜の変形の偏りを緩和する。
透明板を基板に対して相対的に位置固定すれば、保護膜のうちその透明板を覆う部分は、他の部分がどのように変形しても元の形状を維持する。液体デバイスの光軸が透明板を通るように位置決めしておけば、製造誤差等により保護膜の変形に偏りがあっても、液体デバイスの光軸はほとんどずれない。
別の好適な態様では、透明板が保護膜の変形に応じて移動できるようにし、第1の電極又は前記第2の電極のうちの少なくとも一方を、液体載置領域内において複数の部分に分割されたものとし、それら複数の部分のおのおのに対して個別に印加電圧の制御できるようにする。各部分に印加する電圧を変えることで、保護膜の変形を意図的に偏らせ、透明板を傾斜させることができる。印加電圧の制御により透明板の傾斜状態を変化させることで、液体デバイスに可変プリズムの機能を持たせることができる。
液体の表面に接しない側の透明板の表面を、その液体に対して親和性の低い低親和性材料で被覆しておくことで、製造時に透明板のその表面上に液体が載らず、保護膜を透明板の表面上に形成することができる。
透明板を平坦な板として構成すれば、裏面膜の伸縮部が平坦な状態では、液体デバイスの焦点距離が無限大になる。
本発明によれば、液体表面を保護する保護膜の静電気力による変形に応じて伸縮を大きく変形させることで所望の機能を得る液体デバイスにおいて、製造しやすく、信頼性の高いデバイス構造を提供することができる。
実施形態の液体デバイスの断面を示す図である。 実施形態の液体デバイスの外観を示す図である。 上下の電極間に電圧を印加したときの実施形態の液体デバイスの断面を示す図である。 実施形態の液体デバイスの製造プロセスを説明するための図である。 下面に伸縮膜を貼付した貫通穴付き基板の外観を示す図である。 伸縮膜を用いない従来の可変焦点液体レンズにおける、レンズ有効径の変化を説明するための図である。 第1の変形例の液体デバイスの断面を示す図である。 伸縮膜を用いない従来の可変焦点液体レンズにおける、光軸ずれの問題を説明するための図である。 光軸ずれを防止又は低減する第2の変形例の液体デバイスの断面を示す図である。 第2の変形例の液体デバイスにおいて、上下の電極間に電圧を印加したときの断面を示す図である。 第2の変形例の液体デバイスの製造プロセスの中で、基板上に透明板を固定した状態の外観を示す図である。 第2の変形例の液体デバイスの製造プロセスを説明するための図である。 第2の変形例の液体デバイスの製造プロセスを説明するための図である。 第3の変形例の液体デバイスの外観を示す図である。 第3の変形例の液体デバイスの分割された各下部電極に個別に電圧が印加されることを説明するための図である。 第3の変形例の液体デバイスにおいて、分割された各下部電圧への印加電圧の制御により、可変焦点液体レンズ及び可変プリズムが実現できることを説明する図である。 第3の変形例の液体デバイスの製造プロセスの中で、基板の下面に伸縮膜を貼り付けた状態の外観を示す図である。 第3の変形例の液体デバイスの製造プロセスを説明するための図である。 第3の変形例の液体デバイスの製造プロセスを説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図面はあくまで説明を目的とした模式的なものであり、わかりやすくするために強調を施した部分も含まれる。したがって、図示した各要素の形状や寸法は、必ずしも実際のデバイスでの形状や寸法に対応したものとなっていない。以下では、同様の要素が異なる図面に現れる場合に、それら同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
(1)デバイス構造
まず、本発明に係る液体デバイスを、可変焦点液体レンズとして構成した実施形態について説明する。この実施形態の可変焦点液体レンズの断面図を図1に、外観の斜視図を図2に示す。図1が示す構造と図2が示す構造とは完全には一致していないが,主要部分は互いに対応している。図2の例では、下部電極4が基板3の上面の全面(後述する貫通穴14の範囲を除く)を覆っているのに対し、図1の例では、下部電極4は基本的には後述する疎水性膜9(上面から見ると図2に示すようドーナツ状)の形成位置から内側の部分にしか形成されていないが、その他の部分では両者は互いに対応している。
液体デバイス(可変焦点レンズ)2は、基板3を有しており、この基板3の一方の面(以下「上面」又は「おもて面」と呼ぶ)に下部電極4の膜が形成されている。
図1の例では、下部電極4は、図示した断面の外側のどこかで疎水性膜9のドーナツ状範囲の外側に延びており、その外側のどこかの部分で電源に接続されている。同様に、図2の例では、疎水性膜9のドーナツ状範囲の外側の下部電極4の上面が保護膜10及び上部電極12で覆われているが、図示した範囲の外側のどこかで下部電極4が電源に接続されている。
図2によく表されているように、基板3及びその上面に形成された下部電極4には、円形の貫通穴14が開いている。この実施形態では、円形の貫通穴14を液体レンズの有効範囲とする。ここでいう液体レンズの有効範囲とは、液体デバイス2のうち液体レンズとして機能する部分のことである。レンズ効果の対象となる光は、液体デバイス2のうちの有効範囲を通過する。以下では、有効範囲のことを有効径とも呼ぶ。
特許文献1に例示した可変焦点液体レンズ構造では、基板がレンズの一方の面を構成しているので、基板はレンズ効果の対象である波長範囲の光を透過させる材質(例えばガラス)である必要があった。これに対し、この実施形態では、円形の貫通穴14を液体レンズの有効範囲とするので、基板3及び下部電極4の材質は特に限定されない。例えば、基板3としてガラス等の透明材料からなるものを用いてもよいし、シリコン(Si)や不透明なプラスチックなどの不透明材料からなるものを用いてもよい。また、下部電極4を、透明な電極材料、例えばITO(Indium Tin Oxide)から構成してもよいし、金属材料(例えば金など)から構成してもよい。また、図2の例では基板3とは別に下部電極4を設けたが、基板3の材質を適切に選択して、基板3自体を下部電極として機能させるようにしてもよい。
液体レンズの有効範囲を貫通穴14内に限定する場合、基板3又は下部電極4の少なくとも一方が、対象の波長範囲の光に対して不透明であることが好ましい。ここでいう「不透明である」とは、基板3自体、又は下部電極4自体の材質が不透明である場合に限られるものではなく、基板3又は下部電極4の表面が不透明材料で覆われている場合も含まれる。
なお、レンズの有効径を貫通穴14内に限定せず、ドーナツ状の疎水性膜9の内側(すなわち液体載置領域)全体をレンズの最大有効径として用いる場合には、基板3及び下部電極4として透明な材料を用いる。
基板3の裏面(下面)には、伸縮膜8が取り付けられている。伸縮膜8は、液体レンズを構成する液体6と反応しにくく、液体6に対する液密性が十分であり、かつ後述する保護膜10よりもヤング率の低い材料から形成する。また伸縮膜8の材料は、液体レンズが対象とする光を(少なくとも伸縮膜8の厚みで)透過させる必要がある。1つの例として、PDMS(ポリジメチルシロキサン)などのシリコーン樹脂を伸縮膜8の材料として用いることができる。あくまで一例であるが、直径3mm、深さ0.5mmの貫通穴14が形成された基板3の直径4mmの液体載置領域内に5μlの液体6を膨出させ、その上に厚さ1μmのパリレンの保護膜10を形成した液体デバイスでは、厚さ1〜5μm程度のPDMS製の伸縮膜8を用いる。
伸縮膜8は、基板3の貫通穴14の円形領域を完全に覆う。図示例では、伸縮膜8の上面のうち、基板3の裏面に接する範囲全体が基板3の裏面に対して、接着などの方法で固定されている。伸縮膜8のうち、基板3の裏面に対して固定されている範囲の部分を、以下では「固定部」と呼ぶ。図1において符号8aで示す範囲が、伸縮膜8の固定部である。伸縮膜8の固定部8aは、基板3の裏面に固定されているので伸縮しない。
これに対し、伸縮膜8のうち、貫通穴14を覆う円形領域内の部分は、基板3に固定されていないので、外力により伸びることができる。この部分のことを以下では「伸縮部8b」と呼ぶ。
図示例では、伸縮部8bの外側の固定部8aはすべて、基板3の裏面に密着固定されている。したがって、貫通穴14内に滴下した液体は、伸縮部8bを底面とする貫通穴14の円筒内に貯まる。
この例では伸縮膜8が基板3の裏面全体を覆っているが、これは必須のことではない。実施形態の目的では、貫通穴14の円形領域を覆う伸縮部8b、基板3の裏面に対して水密を保つように固定できればよいので、伸縮膜8はその円形領域より少し大きいサイズであれば足りる。
また、図1の例では、伸縮膜8のうち貫通穴14以外の範囲全体が基板3の裏面に貼り付けられていたが、これは必須のことではない。伸縮膜8は、貫通穴14内に注がれた液体6が基板3の裏面側から外に漏れないように設ければ足りるので、貫通穴14の範囲以外の範囲全体を基板3の裏面に貼り付ける必要はない。
図1の例では、伸縮膜8の固定部8aが基板3の裏面に直接貼り付けられていたが、固定部8aは基板3に対して相対的に固定されていればよく、基板3に直接貼り付けられている必要はない。例えば、基板3の裏面上に別の層が設けられている場合(この場合、当該「別の層」にも貫通穴14が設けられる)には、固定部8aはその別の層の下面に貼り付ければよい。
下部電極4の上面には、円形の貫通穴14を取り囲むドーナツ形状(特に図2参照)の疎水性膜9が形成されている。好適な例では、疎水性膜9が形作るドーナツ形状の中心は、貫通穴14の円形の中心と一致する。ただし、これは必須のことではない。
ここで、この明細書でいう「疎水性」とは、液体レンズを構成する液体6に対する親和性が低い(より厳密には、下部電極4の表面よりも低い)という意味である。液体としてシリコンオイル等の油性材料を用いる場合、「撥油性」と言い換えてもよい。疎水性膜9の材料としては、CYTOP(登録商標)等の非晶質透明フッ素樹脂を用いることができる。
疎水性膜9の内側の円形の領域(以下「液体載置領域」と呼ぶ)内に、液体レンズを構成する液体6が載置される。液体載置領域内に液体6を滴下すると、液体6は、伸縮膜8の伸縮部8bの上面から貫通穴14内を満たし、下部電極4の表面のうちドーナツ形状の疎水性膜9の内側を覆う。そして、液体6の上面が、表面張力によりほぼ球面状に膨出する。表面張力で液体載置領域内に維持できる液体の量には上限があり、その上限を超えた量の液体は、液体載置領域の外にあふれる。したがって、製造プロセスでは、液体載置領域内に十分な量の液体を滴下すれば、常に同じ形状の液体レンズを構成できる。このように、疎水性膜9は、液体レンズを構成する液体6の形状を画定する役割を果たす。
液体レンズを構成する液体6は、対象とする光に対して透明で、かつ、後述する保護膜10を形成する際の高真空のプロセスでも蒸発しにくいものであればよい。例えばシリコンオイルがその一例である。
液体6の上面は、保護膜10により覆われる。図1及び図2の例では、液体6の上面だけでなく、基板3の上面全体が保護膜10により覆われている。保護膜10により、液体6は基板3上の所定の位置(すなわち液体載置領域上)に固定され、また使用時の環境から保護される。
保護膜10の材料としては、例えば、特許文献1のデバイスで用いたのと同様のポリパラキシリレン(商品名「パリレン(登録商標)」)を用いればよい。この場合、例えば高真空CVD(Chemical Vapor Deposition)法などの薄膜形成処理により、液体6及びその周囲の基板3の上面の上にパリレンを堆積させることで、保護膜10を形成することができる。パリレンを用いる場合、保護膜10の厚さは、例えば500〜1000nm(ナノメートル)程度である。なお、パリレンは、保護膜10の材料の一例にすぎない。液面上に成膜可能であり、必要な物理的特性(弾性、強度、密閉性など)や化学的特性(耐薬性など)を満たす材料であれば、どのような材料を用いてもよい。
なお、保護膜10は液体6の上面を覆い、液体6を基板3に対して位置固定できればよく、図1及び図2の例のように基板3の全体を覆っていなくてもよい。
保護膜10の表面(上面)は、上部電極12により覆われている。図示例では、上部電極12が液体6の上面全体を覆っているので、上部電極12の材料は、対象波長範囲の光を透過させるものである必要がある。また、上部電極12は、後述する静電気力による液体6の変形に対応するのに十分な柔軟性(あるいは可撓性)を有している必要がある。例えば、十分に薄い(例えば厚さ5nm程度)の金の膜は、十分な透明性と柔軟性を有しているので、上部電極12として用いることができる。またITO等の透明な電極材料を用いてもよい。
なお、上部電極12を透明材質のものにするというのはあくまで一例に過ぎない。液体6の上面のうち、液体レンズの有効径の範囲には上部電極12を形成しないようにすることもでき、この場合には上部電極12の材料は対象光に対して不透明なものでもよい。
図1及び図2は、自然状態(例えば、下部電極4と上部電極12との間に、互いに引き寄せ合う静電気力が生じていない状態)の液体デバイス2を示している。この状態では、伸縮膜8の伸縮部8bは伸びておらず、基板3の裏面に沿って平坦になっている。
これに対し、電極4,12間に電圧を印加し、両者の間に互いに引き寄せ合う静電気力を発生させると、液体デバイス2は図3に示す状態へと変形する。
すなわち、静電気力により、液体6の上にある上部電極12が基板3上の下部電極4に引き寄せられ、これにより液体6の上の保護膜10が基板3側へと押しつけられる。電極4,12間の距離が近い液体載置領域の周縁部ほど静電気力が強いので、保護膜10は周縁部のほど基板3へと強く押しつけられ、基板3上の下部電極4に接するほどに近づく。この保護膜10に加わった圧力が、液体6にも伝わる。液体6は実質上非圧縮性なので、この圧力がほぼ直接、伸縮膜8のうち基板3の裏面に固定されていない伸縮部8bに作用する。この力により伸縮部8bが伸び、液体6が基板3の下面から下側に凸状に膨出する。
ここで、伸縮膜8は、保護膜10よりもヤング率が低いので、同じ力が加わった場合、伸縮膜8の方が保護膜10よりも変形しやすい。伸縮膜8の伸縮部8bは、保護膜10よりも大きく変形する。すなわち、印加する電圧が同等の場合、伸縮膜8よりも固い保護膜のみを変形させることで液体レンズの曲率を変える特許文献1のデバイス構造よりも、本実施形態の構造の方が液体レンズの曲率を大きく変化させることができる。
図3の状態において、電極4,12間への電圧の印加が停止され、両電極を互いに引き寄せ合う静電気力がなくなると、弾性による復元力により伸縮部8b及び保護膜10が元の状態まで復元する。すなわち、基板3の下面から下側に膨出していた液体6が基板3の上面側に戻り、液体デバイス2は図2に示す自然状態へと戻る。
電極4,12間への電圧の印加制御は、オン・オフの2段階であってもよいし、印加電圧を3段階以上の多段階に変化させてもよいし、印加電圧を連続的に変化させてもよい。いずれの場合も、例えば印加電圧を高くするなどして両電極4,12の引き合う力を強めると液体レンズの曲率が大きく(したがって焦点距離が短く)なり、逆に引き合う力を弱めると液体レンズの曲率が小さく(したがって焦点距離が長く)なる。
本実施形態では、伸縮膜8に対し、機能を発揮する構造を持たせてもよい。このような機能構造の例には、例えば、伸縮膜8自体の厚みを、例えば同心円状のパターンに従って変化させることで実装できる構造がある。例えば回折格子構造がその一例である。回折格子は、伸縮部8bの伸縮に応じて格子間隔が変化し、発揮する回折効果が変化する。また、伸縮部8bの周縁から中央までの同心円状の各範囲の局所厚みを適切に調節することで、液体レンズの球面収差を補正又は低減することができる。
伸縮膜8自体に構造を持たせるのではなく、伸縮膜8上に別の材料を用いて、所望の機能を発揮する構造を形成してもよい。ただし、この場合、その機能構造の実装に用いる材料は、伸縮膜8と同等の物理的性質(弾性、温度に応じた変形特性など)を持っていることが望ましい。
(2)製造プロセス
以下、図1及び図2に例示した液体デバイス2の製造プロセスの一例を、図4を参照して説明する。
(A)このプロセスでは、まず基板3の上面に下部電極4を成膜し、その下部電極4の上に、CYTOP(登録商標)等の疎水性材料を塗布して疎水性膜を形成する。次に、形成された疎水性膜のうち不要な部分をエッチングなどにより取り除くことで、液体載置領域を取り囲むあらかじめ定めたパターン(例えばドーナツ形状)の疎水性膜9を形成する。ここまでのプロセスは、特許文献1の製造プロセスと同様でよい。そして、エッチングなどにより、基板3及び下部電極4に対して、貫通穴14を開ける。
(B)次に、シリコーン樹脂などから別途作成しておいた伸縮膜8を、基板3の裏面に接着剤等で貼り付ける。図5は、伸縮膜8を貼り付けた時点でのデバイスの外観を示す。
(C)次に、基板3の上面の、疎水性膜9で囲まれた液体載置領域内にシリコンオイルなどの液体6を必要量だけ垂らす。これにより、液体6は、底面を伸縮膜8で塞がれた貫通穴14内と、基板3の上側の下部電極4の表面のうちの疎水性膜9で囲まれた液体載置領域内を満たし、表面張力により盛り上がる。
その後、その液体6の凸上に盛り上がった上面に対し、CVD(Chemical Vapor Deposition)法などの薄膜形成処理でパリレン(登録商標)などの材質の保護膜10を形成し、更にその保護膜10上に上部電極12を成膜する(図示省略)。保護膜10及び上部電極12を形成するプロセスは、特許文献1のものと同様でよい。
以上に説明したように、図1及び図2に示す液体デバイス2は、一般的なMEMS製造プロセスを応用して製造することができる。
(3)作用効果
本実施形態のデバイス構造は、伸縮膜を持たない構造、すなわち基板と保護膜とで液体を密閉する構造よりも、内包する液体をより大きく変形させることができる。この構造を用いた液体レンズは、印加可能な電圧が同じならば、伸縮膜を持たない液体レンズよりも曲率を大きく変化させることができる。言い換えれば、液体レンズの曲率を同じだけ変化させるのであれば、本実施形態の構造の方が、印加電圧が小さくて済む。
また、本実施形態において、貫通穴14を液体レンズの有効範囲とした場合(すなわち貫通穴14の外部を不透明にした場合)、液体レンズとしての有効径を固定化できるという効果も得られる。このことを、図6に示す従来例との比較で説明する。
すなわち、図6の(a)に示す従来の可変焦点液体レンズ2Pは、貫通穴14がなく、基板3P及び下部電極4Pを透明材料で形成している。図2に示す、電極4P、12間に静電気力が作用しない自然状態では、ドーナツ形状の疎水性膜9の内側の液体載置領域全体がこの液体レンズ2Pの有効径となっている。これに対し、印加電圧の制御により、電極4P、12が互いに引き合うよう静電気力を強めると、静電気力が相対的に強いレンズ周縁部ほど保護膜10が基板3側に強く押され、これによりレンズ周縁部では保護膜10が下部電極4Pに接触するほどまで近づく。この動作に応じてレンズ周縁部の液体がレンズ中央側に押し出される。この押し出された液体により、静電気力が相対的に弱いレンズ中心部の保護膜10が押し上げられる。このような機構により、液体レンズの形状は、図6の(b)に示すように、レンズ周縁部には液体がほとんどなく、レンズ中央で液体が盛り上がった形状となる。この状態での液体レンズの有効径は、(a)に示した自然状態での有効径よりも小さくなっている。
これに対し、本実施形態の構造では、液体レンズの有効径は貫通穴14により規定されているので、自然状態(図1参照)でも静電気力を加えた状態(図3参照)でも、レンズの有効径は変化しない。すなわち、本実施形態では、下部電極4は、貫通穴14の外側に形成されているので、印加電圧を高くして保護膜10を最大限押圧したとしても、保護膜10のうちせいぜい貫通穴14の(上から見て)外側の部分が下部電極4に張り付くだけであり、貫通穴14の内側の部分は凸形状を保つ。また伸縮膜8の伸縮部8bは、曲率は変化するものの、上から見た形状は、貫通穴14と同じ円形のままである。このように、本実施形態の液体レンズでは、印加電圧をどのように変化させても、(レンズの曲率は変わっても)貫通穴14の径を有効径とする凸レンズのままである。
また、本実施形態のデバイス構造は、伸縮膜8を電極等がない基板3の裏面側に設けているので、特許文献2の第1例(下部電極である基板と上部電極との間に伸縮膜を設ける構造)、及び第2例(基板上に設けた伸縮膜の上に下部電極を設ける構造)と比べて、次の点で優れている。
まず本実施形態の構造は、下部電極4と上部電極12との間に伸縮膜8が介在しないので、特許文献2の第1例の構造よりも電極4、12間の距離が小さい。したがって、その第1例と同等の液体レンズの曲率変化を実現するのに必要な印加電圧が小さくて済む。これは消費電力の低減につながる。
また、本実施形態では、下部電極4は基板3の上面に固定されており、伸縮膜8上には、電極膜などの、ヤング率等の物理的性質が伸縮膜8と大きく異なる構造を形成する必要がない。したがって、電圧制御に応じて伸縮膜8が伸縮したとしても、電極等の他の構造がその伸縮によりクラック等の損傷を受けることはない。
また、本実施形態では、柔軟で温度による伸縮が大きい伸縮膜の上に、下部電極4や疎水性膜9(及び保護膜10、上部電極12)を形成する必要がない。したがって、本実施形態の液体デバイス2は、特許文献2の第2例とは異なり、フォトレジストのベークや冷却などによる大きな温度変化が避けられない一般的なMEMS製造プロセスでも、十分高い歩留まりで、かつ、高い精度で製造可能である。
また、本実施形態の構造は、伸縮膜8の上に金属電極や疎水性膜9を形成しないので、伸縮膜8と金属電極や疎水性膜9との密着性の低さに起因する構造の信頼性低下の心配は少ない。また、仮に伸縮膜8が液体6を吸って膨張したとしても、その膨張は下部電極4や疎水性膜9には直接の悪影響をもたらさない。
また、本実施形態では、伸縮膜8(特に伸縮部8b)に、回折格子等の機能構造を設けることで、性能向上や機能の追加をはかることができる。機能構造をパリレン等の保護膜10に設けることも考えられないではないが、液体6の表面上に形成された保護膜10に対し、機能構造を高精度で形成することは不可能、又はきわめて困難である。これに対し、本実施形態では、基板3に貼り付ける前に、伸縮膜8に機能構造を形成しておけばよいので、製造が比較的容易である。また、機能構造として、回折格子のように伸縮膜8自体の厚みを局所的に変えることで形成される構造を用いる場合には、伸縮膜8上に別の材料により機能構造を付加する場合よりも、伸縮膜8の伸縮による構造の劣化が生じにくいという利点もある。
(4)第1の変形例
本発明にかかる液体レンズの第1の変形例の構造(断面図)の一例を図7に示す。
図1及び図2の実施形態では、基板3又は下部電極4を不透明とし、円形の貫通穴14を液体レンズの有効範囲とした。すなわち、図1及び図2の実施形態では、貫通穴14は、液体6を基板3の上側(保護膜10側)と下側(伸縮膜8側)との間で流通させる流路としての機能だけでなく、レンズの有効径を画定する機能も果たしていた。
これに対し、図7に示す変形例では、対象波長範囲の光に対して透明な基板3Aを用い、その基板3Aに対して、もっぱらその基板3Aの上側と下側との間で液体6を流通させる役目を果たす、1以上の貫通流路15を設けている。貫通流路15は、液体レンズの有効径を画定するものではないので、発生できる静電気力により貫通流路15の流路抵抗に抗して液体6を流通できる範囲であれば、断面のサイズや形状は自由に選択可能である。
この変形例では、不透明な下部電極4に円形の穴を形成し、その穴を液体レンズの有効径とする。伸縮膜8は、基板3Aの裏面のうち下部電極4の穴の外側の範囲で、基板3Aの裏面に接着固定されている。伸縮膜8のうちその穴の内部に相当する部分は、基板3Aの裏面に貼り付けられておらず、伸縮部として機能する。
(5)第2の変形例
パリレン等の保護膜を静電気力で変形させる従来型の可変焦点液体レンズは、電圧印加による変形に応じて光軸ずれが生じる場合がある。このことを、図8を参照して説明する。
図8の(a)は、貫通穴14がなく、基板3P及び下部電極4Pを透明材料で形成した従来の可変焦点レンズ2Pの自然状態での形態を示している。この液体レンズ2Pにおいて、電極4,12が互いに引き合う静電気力を強めた場合、理想的には、液体載置領域の全周の保護膜10が均等に変形し、図6の(b)に示した形状となる。しかし、実際には、製造誤差などから、保護膜10の厚み、下部電極4の形状や厚み、上部電極12の厚みなどに局所的なばらつきが生じる可能性が少なくない。保護膜10や電極4,12にそのような局所的なばらつきがあると、静電気力を強めた際の保護膜10の変形の程度が、液体載置領域の周の各部でばらついてしまう。このようなばらつきにより、保護膜10が変形しやすい部分、変形しにくい部分ができるため、図8の(b)に示すように、液体レンズがある方向に偏って変形してしまうことがある。このように液体レンズがある方向に偏って変形すると、図8に示すように、光軸の位置が自然状態での光軸位置からずれてしまう。
この第2の変形例は、このような光軸位置のずれの防止又は低減を目指したものである。
図9に、この第2の変形例の液体デバイス(液体レンズ)2Bの断面図を示す。図9を図1と比較するとわかるように、この変形例の液体デバイス2Bは、液体6の上面に透明板16を設けた点が、図1の実施形態の構造と異なっている。他の部分は、図1の構造と同様でよい。
透明板16は、液体レンズ2Bの上面から見たときに少なくとも液体レンズ2Bの有効範囲(貫通穴14)の中心を覆う範囲に位置している。この液体レンズ2Bの光軸は、その有効範囲の中心を通り、基板3に垂直な軸である。1つの例では、透明板16は、液体レンズ2Bの有効範囲のほぼ全域をカバーするサイズである。ただし、これは一例に過ぎない。光軸ずれの防止又は低減という観点では、透明板16は、想定する光軸が通る範囲をカバーしていれば足りる。
図9には現れていないが、透明板16にはその下面から下側に向かって脚(図9には現れない)がいくつか設けられており、それら脚が下部電極4又は基板3の上面に接着剤等で固定されている。これにより、透明板16は基板3(又は下部電極4)に対して位置が固定されており、静電気力により保護膜10が変形したとしても、透明板16は設置位置から動かない。また、透明板16は、静電気力に起因する程度の圧力では実質上変形しない、十分に固い材料で形成されており、静電気力により保護膜10が変形したとしても、透明板16は保護膜10の圧力に抗して形状を維持する。
透明板16は、十分な堅さと、対象波長範囲の光に対して十分な透明度を有し、液体6と反応しにくい材料で形成すればよい。例えば、ガラスや透明なプラスチックがその一例である。
液体6は、貫通穴14及び下部電極4の上面と、透明板16との間を満たしている。ただし、透明板16の上には液体6が載らないようにすることが望ましい。透明板16の上に液体が存在すると、その液体の上の保護膜10が電極4,12間の静電気力で変形し、これにより透明板16上の部分的な液体レンズの変形することになるが、この部分的な液体レンズの変形には、従来構造と同様の、製造誤差に起因する偏りが生じる可能性があるからである。
透明板16の上に液体6が載らないようにするには、例えば、透明板16の上面を疎水性材料の膜でコーティングすればよい。コーティングに用いる疎水性材料としては、透明なものを用いる。
保護膜10は、液体レンズの周縁部分の液体6の表面と透明板16とを覆うよう形成されており、その保護膜10の上を上部電極12の膜が覆っている。
図9に示したのは自然状態の液体デバイス2Bであり、この状態では、伸縮膜8の伸縮部8bは平坦である。図示した例では透明板16も平坦なので、液体レンズの有効径、すなわち貫通穴14の内部では、液体レンズ自体が平坦、すなわち曲率0(焦点距離無限大)となっている。この状態では、液体レンズ(液体デバイス2B)は光を収束させない。
これに対し、電極4,12間の静電気力を強めて保護膜10を基板3側に押圧して変形させたときの液体デバイス2Bの断面を図10に示す。図10に示した状態では、液体レンズの周縁部分の保護膜10が、静電気力により下部電極4にほぼ接触するところまで押しつけられており、これにより周縁部分から押し出された液体が伸縮膜8の伸縮部8bを圧して凸状に膨張させている。この凸状の膨張により液体レンズの曲率が増大し、焦点距離が短くなる。
一方、透明板16の位置及び形状は、自然状態から変化しない。仮に製造誤差により保護膜10の変形に偏りが生じたとしても、保護膜10のうち透明板16上に形成された部分の位置は変化しないので、図8に例示した従来構造よりも、光軸のずれは少なくなる。透明板16の面積を大きくするほど、保護膜10の偏った変形がより広い範囲で抑制されることになるので、光軸ずれの低減効果が高まる。液体レンズの有効範囲のほぼ全域を透明板16でカバーすれば、保護膜10の変形による光軸のずれは実質上なくなる。
液体レンズの有効範囲のほぼ全域を透明板16でカバーする例では、液体レンズの可変焦点作用は、もっぱら伸縮膜8の伸縮によりもたらされる。
次に、この第2の変形例の液体デバイス2Bの製造プロセスの一例を、図11〜図13を参照して例示する。
図9及び図10の例では、透明板16は脚部を有し、その脚部により下部電極4より上の位置に固定されていたが、図11〜図13では、脚部を持たない平坦な正方形の透明板16の四隅を下部電極4の上面に接着固定した、より簡素な構造を例にとる。
この変形例の製造プロセスうち、基板3及び下部電極4に貫通穴14を形成し、基板3の裏面に伸縮膜8を貼り付けるまでの工程は、図4に例示したプロセスの工程(A)及び(B)と同様である。
この変形例では、工程(B)の後に、以下の工程が続く。
(B1)図11に示すように、下部電極4の上面のうち4カ所に接着剤17を付け、正方形の透明板16の四隅をそれら接着剤17により下部電極4に固定する(図12も参照)。ここで、透明板16は、その四隅は円形の貫通穴14からはみ出るが、四つの辺のおのおのの中央部では貫通穴14との間に隙間14aができるサイズとなっている。このように透明板16は貫通穴14の全域を覆っておらず、液体6が隙間14aを介して、貫通穴14の内部と基板3(下部電極4)の上側との間で行き来できるようになっている。
なお、ここで用いる透明板16は、例えばこの接着工程(B1)の前に、少なくともその上面が疎水性膜16aでコーティングされている。なお、透明板16の疎水性膜16aによるコーティングは、接着工程(B1)の後に行ってもよい。
(C’)透明板16の設置の後、下部電極4の上面の液体載置領域内に液体6を注ぐ。透明板16の上面は疎水性膜16aで覆われているので、液体6はその上面には載らない。その結果、液体6はその表面張力により、図12に示すように、液体載置領域の周縁の疎水性膜9の位置から透明板16の上面近傍まで盛り上がった形状となる。
(D’)図13に示すように、CVDなどの方法で、パリレンなどの材料を液体6及び透明板16上に堆積させることで、保護膜10を形成する。
(E’)保護膜10の上に、金属などの電極材料を用いて上部電極を形成する。これにより液体デバイス2Bが完成する。
以上、第2の変形例の製造プロセスを例示した。
この第2の変形例では、液体レンズの変形に伴う光軸ずれを防止、又は従来構造よりも低減することができる。
また、平板の透明板16を用いることで、伸縮膜8が平坦な状態では焦点距離を無限大とすることができる。
ただし、透明板16を平板とするのはあくまで一例に過ぎない。平板の代わりに、上に向かって凸状又は凹状に湾曲した(しかしレンズ効果はない)板や、凸レンズや凹レンズを、透明板16として用いてもよい。
(6)第3の変形例
上述の第2の変形例は、透明板16を基板3に対して相対的に固定していた。これに対して、透明板16を基板3等に対して固定せず、液体6の上に浮かせる構造を採用してもよい。
透明板16が液体6上に浮いている構造では、透明板16が基板3に対して相対的に固定されている構造よりも、光軸ずれの防止・低減の効果は低い。しかし、浮いているとはいえ、透明板16が存在することで保護膜10の変形の偏りがある程度抑制されるので、ある程度の光軸ずれ低減効果は期待できる。
この変形例の構造の製造プロセスは、次に説明する第4の変形例のものとよく似ているので、説明を省略する。
(7)第4の変形例
図14に、第4の変形例の液体デバイス2Cの斜視図を示す。この変形例は、透明板16が液体6の表面上に浮いている、上述の第3の変形例の構造の改良版である。
これまでに説明した例では、図2等に示したように、下部電極4は基板3の全面にわたって一体に構成されており、この点は上述の第3の変形例も同様であった。これに対し、この図14の例では、下部電極が、液体デバイス2Cを上面から見たときの4つの象限のおのおのに対応して、4A、4B、4C、4Dの4つの部分に分かれている。
各下部電極4A、4B、4C、4Dは、それぞれ、ドーナツ状の疎水性膜9の内側から外側まで広がっており、そのうち主として疎水性膜9の内側の部分が、上部電極12との間に静電気力を発生させるよう機能する。
上部電極12は、上述の例と同様の、分割されていない一体型ものでもよいし、下部電極と同様4つに分割されたものであってもよい。以下では、説明を簡潔にするため、上部電極12が分割されていない場合を代表例にとって説明する。
この例では、下部電極が4つに分割されているので、各下部電極4A、4B、4C、4Dの電位を個別に制御することができる。したがって、一体型の上部電極12との電位差を、下部電極4A〜4Dごとに変えることもできる。このような下部電極4A〜4Dごとの電位制御により、様々な機能を発現させることができる。
このような機能の発現メカニズムについて、図15〜図17を参照して説明する。この例では、煩雑さを避けるため、下部電極が図4のように4分割されているのではなく、貫通穴14の直径を境に左右に2分割されている例で説明する。
図15に示すように、液体6の上側にある上部電極12は分割されずに一体であり、図示例ではこの上部電極12はグラウンド電位(図示例では0V)に接続されている。一方、液体6の下にある下部電極は、左側の下部電極4Aと右側の下部電極4Bとに分割されており、それぞれ個別に印加電圧(電位)を制御可能となっている。左右の下部電極4A及び4Bのうち、液体載置領域内(すなわち液体6の下)に位置する部分の面積は等しい。図では、下部電極4Aに印加する電圧をV、下部電極4Bに印加する電圧をVと表している。図15は、下部電極4A及び4Bに電圧が印加されていない自然状態を示している。
ここで、図16の(a)に示すように、両側の下部電極4A及び4Bに同じ大きさの電圧(V=V、また便宜上この説明ではVおよびVは0Vより大きいとする)を印加したとする。すると、左右の下部電極4A及び4Bは、上部電極12のうち自分の上にある部分を、同じ大きさの静電気力で引き寄せる。これにより、透明板16の左右の部分の保護膜10が均等に押し下げられるとともに、伸縮膜8の伸縮部8bが下側に膨張する。これにより液体レンズの曲率が増大する。このように、各下部電極4A及び4Bに均等に電圧を印加することで、これまでの各例で説明したのと同様の可変焦点動作を実現することもできる。
また、別の例として、図16の(b)に示すように、右側の下部電極4Bに対し、左側の下部電極4Aよりも高い電圧を印加した場合(V<V)を考える。例えば、右側の下部電極4Bに対する電圧印加をオンし、左側の下部電極4Aに対する電圧印加をオフした状態が、この状況の一例である。この場合、右側の下部電極4Bの方が左側の下部電極4Aよりも上部電極12を強く引っ張るので、保護膜10のうちの右側の部分が左側の部分よりも下に下がり、透明板16が右下がりに傾斜する。この逆に、V>Vとすれば、透明板16は左下がりに傾斜することになる。
このように透明板16が傾いている場合、液体デバイス2Cは、入射する光に対してプリズムとして機能する(例えば光軸の向きを変える偏向作用をもたらす)。例えば、分割された下部電極4A及び4Bの両方の電圧印加をオフした場合(図15)は、液体デバイス2Cは平板状であり、プリズムとしては機能しないが、一方の電極4A又は4Bだけ電圧をオンすると、液体デバイス2Cはプリズム機能を発揮する。
なお、各下部電極4A及び4Bに対する電圧印加の制御は、オン・オフを個別に制御することに限られない。例えば、下部電極4A及び4Bへの印加電圧を、それぞれ個別に、多段階又は連続的に切り替え制御することで、透明板16の傾斜角度を多段階又は連続的に変化させてもよい。
以上に説明したように、第4の変形例の液体デバイス2Cは、各下部電極4A〜4Cへの印加電圧の制御により、可変焦点液体レンズとして、又は可変プリズムとして機能させることができる。
下部電極を2分割した図15,図16の例では、透明板16を左右に傾けることができたが、下部電極を4分割した図14の例では、透明板16を更に多くの方向に傾けることが可能である。そして、下部電極を更に多分割すれば、透明板16を更に多様な方向に傾斜させることができる。
また、分割された電極への印加電圧を個別に制御することで、図8で説明した製造誤差による保護膜10の変形の偏りを補正することも可能である。例えば、液体載置領域のうち、均等な電圧を印加したときに保護膜10が大きく変形(すなわち下側に移動)する部分ほど、その部分に対応する下部電極への印加電圧を小さくすることで、保護膜10全体が均等に下向きに変形移動するように制御できる。これにより、可変焦点動作における光軸のずれを、第3の変形例よりも更に低減することが可能となる。
次に、図17〜図19を参照して、この第4の変形例の液体デバイス2Cの製造プロセスを例示する。
このプロセスでは、まず、基板3上に4分割された下部電極4A〜4Dのパターンを形成し、ドーナツ状の疎水性膜9を形成し、基板3及び下部電極4A〜4Dを貫通する貫通穴14を形成する。次に、基板3の下面に伸縮膜8を貼り付ける。これにより、図17に示すような構造体ができる。
この構造体の、疎水性膜9のドーナツ形状の内側に液体6を所定量だけ注ぐと、液体6が貫通穴14、及び疎水性膜9の内側の液体載置領域を満たし、上に向かって凸面状に膨出する。この液体6の液面上に、上面が疎水性膜16aで覆われた円形の透明板16を載せる(図18の(C”)参照)。透明板16は、表面張力により自動的に、液体6の上面の最上位置、すなわち上から見ると液体6(疎水性膜9のドーナツ形状)の中央位置に位置決めされる。この状態で、液体6及び透明板16を覆う保護膜10を形成する(図18の(D”)参照)。そして、その保護膜10の上面に上部電極12を形成する(図19参照)ことで、液体デバイス2Cが完成する。
以上では、下部電極が分割された場合を代表例にとって説明したが、下部電極は一体型として上部電極を分割してもよいし、下部電極及び上部電極の両方を分割してもよい。
(8)バリエーション
以上、本発明の実施形態と変形例について説明したが、それら実施形態及び変形例は,本発明を具現化したものの一例に過ぎない。当業者ならば、本発明の技術的思想の範囲内で、様々な変形や改良が可能であることがわかるであろう。
例えば、上記実施形態及び変形例では、液体レンズの有効範囲を規定する貫通穴14の形状は円形であったが、貫通穴14は、円形以外の形状、例えば楕円形や正方形など、であってもよい。同様に、疎水性膜9のパターンは、円形ドーナツ状であったが、これは必須のことではなく、例えば楕円形や正方形のドーナツ状パターンを採用してもよい。帯状の疎水性膜9が「ドーナツ状」パターンである必要もない。疎水性膜9は、液体載置領域の周囲を取り囲んでいればよく、ドーナツ状の代わりに、例えば液体載置領域以外の範囲全体を覆う穴開きパターンであってもよい。貫通穴14や疎水性膜9の形状やサイズは、液体デバイス2の使用目的に応じたものとすればよい。
2,2A,2B,2C 液体デバイス、3 基板、4,4A,4B,4C,4D 下部電極、6 液体、8 伸縮膜、8a 固定部、8b 伸縮部、9 疎水性膜、10 保護膜、12 上部電極、14 貫通穴、14a 隙間、15 貫通流路、16 透明板、16a 疎水性膜、17 接着剤。

Claims (7)

  1. 第1の電極を備えた基板であって、前記基板のおもて面上に設定された液体載置領域内に、前記基板のおもて面と裏面との間を貫通する流路が形成されている基板と、
    前記基板の前記裏面の前記流路の出口を覆う伸縮部と、前記伸縮部の周囲を取り囲み前記基板の前記裏面に対して直接又は間接的に固定された固定部と、を有する裏面膜と、
    前記裏面膜の前記伸縮部により覆われた前記流路内を満たし、前記基板の前記おもて面の前記液体載置領域上に膨出した液体と、
    前記液体載置領域上に膨出した前記液体の表面に形成されている保護膜と、
    前記保護膜の上面側に、前記保護膜に対して直接又は間接的に固定して形成された第2の電極と、
    前記液体載置領域上に膨出した前記液体の表面に配置された透明板と、
    を有し、前記裏面膜のうち少なくとも前記伸縮部が前記保護膜よりもヤング率の低い材質で形成されていると共に、前記保護膜が前記液体の表面及び前記透明板を覆うよう形成されている、液体デバイス。
  2. 前記裏面膜の前記伸縮部が、あらかじめ定められた光学的機能を担う機能構造を有することを特徴とする請求項1に記載の液体デバイス。
  3. 前記機能構造が、前記伸縮部の各部の局所厚みを所定のパターンに従って異ならせた構造である、ことを特徴とする請求項2に記載の液体デバイス。
  4. 前記透明板の位置が前記基板に対して相対的に固定されている、ことを特徴とする請求項1に記載の液体デバイス。
  5. 前記透明板は前記保護膜の変形に応じて移動可能であり、
    前記第1の電極又は前記第2の電極のうちの少なくとも一方が、前記液体載置領域内において複数の部分に分割されており、前記複数の部分のおのおのに対して個別に印加電圧の制御が可能となっている、
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体デバイス。
  6. 前記透明板の両面のうち前記液体の表面に接する面とは異なる面が、前記液体に対して親和性の低い低親和性材料で被覆されていることを特徴とする、請求項1、4又は5に記載の液体デバイス。
  7. 前記透明板が平坦な板であることを特徴とする請求項1、4、5又は6に記載の液体デバイス。
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