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JP2024127336A - イージークリーンコーティング付きガラス物品 - Google Patents

イージークリーンコーティング付きガラス物品 Download PDF

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JP2024127336A
JP2024127336A JP2023036435A JP2023036435A JP2024127336A JP 2024127336 A JP2024127336 A JP 2024127336A JP 2023036435 A JP2023036435 A JP 2023036435A JP 2023036435 A JP2023036435 A JP 2023036435A JP 2024127336 A JP2024127336 A JP 2024127336A
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glass
coating
glass substrate
oxide
easy
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JP2023036435A
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光宏 河津
彦一郎 飯田
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

【課題】イージークリーン性の低下の抑制及びイージークリーン性のバラツキの抑制に適したイージークリーンコーティング付きガラス物品を提供する。【解決手段】ガラス基材と、前記ガラス基材上のイージークリーンコーティングとを備え、前記ガラス基材は、前記コーティングへのアルカリ金属元素の拡散を抑制する機能又は組成を有し、前記イージークリーンコーティングは、無機物を主成分として含む、コーティング付きガラス物品、とする。当該ガラス物品は、下記(i)から(iv)からなる群から選ばれる少なくとも1つを満たす。(i)前記ガラス基材は、無アルカリガラスにより構成される。(ii)前記ガラス基材は、低アルカリガラスにより構成される。(iii)前記ガラス基材は、前記コーティング側の表面に脱アルカリ層を含む。(iv)前記ガラス基材と前記コーティングとの間に下地層を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、イージークリーンコーティング付きガラス物品に関する。
ガラス基材その他の基材の表面には、イージークリーンコーティング(Easy to clean coating)と呼ばれる被膜が形成されることがある。イージークリーンコーティングによって、表面に付着する汚れの除去が容易になるイージークリーン性が付与される。イージークリーンコーティングは一般に、フッ素含有化合物又はシリコーン系化合物を含む処理剤を塗布して成膜される。
有機物に頼ることなくイージークリーン性を付与する技術についても、検討が進められている。例えば、特許文献1には、酸化物セラミックスを有機物濃度及び水分濃度が低い雰囲気中で1600℃及び5時間焼成することにより、酸化物セラミックスを焼結する技術が開示されている。酸化物セラミックスを構成する酸化物としては、CeO2等の希土類の酸化物、アルミニウム酸化物、チタニウム酸化物が例示されている。
特開2015-140277号公報
ガラス基材には、ガラス基材が軟化しない範囲の温度及び加熱時間で加熱を伴う処理が施されることがある。本発明者の検討によると、ガラス基材上に形成したイージークリーンコーティングのイージークリーン性は、コーティングの形成後に大きく低下する場合がある。この低下は、例えばガラス基材の加熱により引き起こされる。また、ガラス基材を熱処理すると、ガラス基材の場所によってイージークリーン性にバラツキが生ずることがある。
以上に鑑み、本発明は、イージークリーン性の低下の抑制及びイージークリーン性のバラツキの抑制に適したイージークリーンコーティング付きガラス物品を提供することを目的とする。
本発明は、
ガラス基材と、前記ガラス基材上のイージークリーンコーティングとを備え、
前記ガラス基材は、前記コーティングへのアルカリ金属元素の拡散を抑制する機能又は組成を有し、
前記イージークリーンコーティングは、無機物を主成分として含む、
コーティング付きガラス物品、を提供する。
本発明によれば、イージークリーン性の低下の抑制及びイージークリーン性のバラツキの抑制に適したイージークリーンコーティング付きガラス物品が提供される。
実施例における動摩擦係数の算出方法を説明するための図である。
本発明の第1態様にかかるコーティング付きガラス物品は、
ガラス基材と、前記ガラス基材上のイージークリーンコーティングとを備え、
前記ガラス基材は、前記コーティングへのアルカリ金属元素の拡散を抑制する機能又は組成を有し、
前記イージークリーンコーティングは、無機物を主成分として含む。
本発明の第2態様において、例えば、第1態様にかかるコーティング付きガラス物品は、下記(i)から(iv)からなる群から選ばれる少なくとも1つを満たす、
(i)前記ガラス基材は、無アルカリガラスにより構成される。
(ii)前記ガラス基材は、低アルカリガラスにより構成される。
(iii)前記ガラス基材は、前記コーティング側の表面に脱アルカリ層を含む。
(iv)前記ガラス基材と前記コーティングとの間に下地層を含む。
本発明の第3態様において、例えば、第1又は第2態様にかかるコーティング付きガラス物品では、前記ガラス基材を構成するガラス組成物におけるアルカリ金属酸化物の含有率が10質量%以下である。
本発明の第4態様において、例えば、第1~第3態様のいずれか1つにかかるコーティング付きガラス物品では、前記ガラス基材は、無アルカリガラスにより構成される。
本発明の第5態様において、例えば、第1~第4態様のいずれか1つにかかるコーティング付きガラス物品では、前記無機物は、希土類元素の酸化物、ジルコニウム酸化物、ニオブ酸化物、及びタンタル酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む。
本発明の第6態様において、例えば、第5態様にかかるコーティング付きガラス物品では、前記希土類元素の酸化物は、セリウム酸化物、ランタン酸化物、及びイットリウム酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含む。
本発明の第7態様において、例えば、第1~第6態様のいずれか1つにかかるコーティング付きガラス物品では、前記コーティング付きガラス物品を760℃及び4分間の熱処理に曝した後の前記イージークリーンコーティングの表面の動摩擦係数が0.50以下である。
本発明の第8態様において、例えば、第1~第7態様のいずれか1つにかかるコーティング付きガラス物品では、前記ガラス基材が強化ガラスである。
本発明の第9態様において、例えば、第1~第8態様のいずれか1つにかかるコーティング付きガラス物品は、建築物用ガラス、輸送機用ガラス、店舗用ガラス、家具用ガラス、家電用ガラス、サイネージ用ガラス、モバイルデバイス用ガラス及び太陽電池用ガラスからなる群より選ばれる少なくとも1つに該当する。
本発明の第10態様において、例えば、第1~第9態様のいずれか1つにかかるコーティング付きガラス物品では、前記イージークリーンコーティングは、防眩及び防曇からなる群より選択される少なくとも1つの機能を有する。
以下の本発明の実施形態についての説明は、本発明を特定の形態に制限する趣旨ではない。本明細書において、「主成分」は、質量基準で、含有率が50%以上、特に60%以上の成分を意味する。「微量だけ含む」とは、質量基準で、含有率が10%以下、8%以下、さらに7.5%以下、場合によっては3%以下、であることを意味する。「実質的に含まない」は、質量基準で、含有率が1%未満、さらに0.1%未満であることを意味する。「実質的に平坦」は、走査型電子顕微鏡(SEM)で観察したときに当該表面上に高さ又は深さ500nm以上の凹凸が確認されないことを意味する。「常温」は、5~35℃、特に10~30℃の範囲の温度を意味する用語として使用する。
[コーティング付きガラス物品]
本実施形態により提供されるイージークリーンコーティング付きガラス物品(以下、単にガラス物品と称することがある)は、ガラス基材と、ガラス基材上のイージークリーンコーティング(以下、単にコーティングと称することがある)とを備える。ガラス基材は、コーティングへのアルカリ金属元素の拡散を抑制する機能又は組成を有する。コーティングは、無機物を主成分として含む。
ガラス基材上に形成したイージークリーンコーティングのイージークリーン性の低下は、例えばガラス基材の加熱により引き起こされる。本発明者らの検討により、コーティングのイージークリーン性の低下は、ガラス基材からコーティングへのアルカリ成分(アルカリ金属元素)の拡散が原因であることが見出された。また、ガラス基材を熱処理すると、Na等のアルカリ金属元素の拡散が不均一になる箇所が発生する。本発明者らの検討によると、アルカリ金属元素(特にNa)の濃度が高くなる箇所の動摩擦係数は大きくなり、動摩擦係数にバラツキが生じる。このため、コーティングへ拡散するアルカリ金属元素が少なければ少ないほど、コーティングのイージークリーン性の低下及びイージークリーン性のバラツキを抑制することができる。本実施形態のガラス物品は、ガラス基材がコーティングへのアルカリ金属元素の拡散を抑制する機能又は組成を有することより、コーティングのイージークリーン性の低下及びイージークリーン性のバラツキを抑制し得る。
ガラス物品は、下記(i)から(iv)からなる群から選ばれる少なくとも1つを満たしていてもよい。
(i)ガラス基材は、無アルカリガラスにより構成される。
(ii)ガラス基材は、低アルカリガラスにより構成される。
(iii)ガラス基材は、コーティング側の表面に脱アルカリ層を含む。
(iv)ガラス基材とコーティングとの間に下地層を含む。
上記(i)から(iv)からなる群から選ばれる少なくとも1つを満たすガラス物品は、コーティングへのアルカリ金属元素の拡散を抑制し得る。
以下では、本実施形態のガラス物品を構成するガラス基材及びコーティングを説明し、引き続きガラス物品の用途についても説明し、最後に本実施形態のガラス物品の製造方法について説明する。
(ガラス基材)
コーティングへのアルカリ金属元素の拡散を抑制する機能又は組成を有する限り、ガラス基材を構成するガラスの種類に特に制限はない。例えば、ガラス基材は、無アルカリガラス、低アルカリガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸ガラス、石英ガラス等と呼ばれている各種のガラスにより構成されていてもよい。これらのガラス基材はSiO2を主成分として含んでいてもよい。ガラス基材は、ナトリウム、カリウムに代表される第1族元素(アルカリ成分、アルカリ金属元素)の酸化物を含んでいてもよい。ガラス基材は、カルシウムに代表される第2族元素を含んでいてもよい。ガラス基材のサイズ及び形状にも特段の制限はない。ガラス基材は、ガラス板、ガラス容器、ガラス蓋、ガラス管、ガラスバルブ、ガラスレンズその他の成形体であってもよい。ガラス容器は、例えば、ガラスバイアル、ガラスアンプル、ガラス瓶であるが、トレイ、シャーレ等と呼ばれるその他の形状を有していてもよい。ガラス蓋は、蓋として機能する限り、その形状に制限はなく、例えば調理器具の蓋として使用可能な形状を有していてもよい。
ガラス基材は、ソーダ石灰ガラス以外のガラスにより構成されていてもよい。ソーダ石灰ガラスとは、Na2O、CaO、及びSiO2を含有するガラスである。ソーダ石灰ガラスの組成は、例えば、質量基準で、SiO2の含有率が70~73%、Al23の含有率が0.6~2.4%、Fe23の含有率が0.08~0.14%、CaOの含有率が7~12%、MgOの含有率が1.0~4.5%、Na2Oの含有率が13~15%であり、10質量%を超えるアルカリ金属酸化物を含んでいる。ここで、Fe23の含有率は、すべての鉄元素が3価(Fe3+)で存在するとみなして算出される数値に基づく。
ガラス基材は、アルカリ成分(アルカリ金属酸化物)を実質的に含まない無アルカリガラスにより構成されていてもよい。すなわち、ガラス物品が、上記(i)を満たしていてもよい。無アルカリガラスの組成は、例えば、質量基準で、SiO2の含有率が58~70%、Al23の含有率が15.5~20%、B23の含有率が0~1%、MgOの含有率が0~5%、CaOの含有率が3.5~16%、SrOの含有率が0.5~6.5%、BaOの含有率が5~15%である。
ガラス基材は、アルカリ成分(アルカリ金属酸化物)を微量だけ含む低アルカリガラスにより構成されていてもよい。すなわち、ガラス物品が、上記(ii)を満たしていてもよい。ガラス基材が低アルカリガラスにより構成されている場合にも、ガラス基材からコーティングへのガラスのアルカリ成分の拡散移動が抑制される。
ガラス基材を構成するガラス組成物におけるアルカリ金属酸化物の含有率は、10質量%以下であってもよい。ガラス基材を構成するガラス組成物におけるアルカリ金属酸化物の含有率は、9質量%以下であってもよく、8質量%以下であってもよく、さらに7質量%以下であってもよい。ガラス基材を構成するガラス組成物におけるアルカリ金属酸化物の含有率の下限は、例えば0質量%であり、0.1質量%であってもよい。
ガラス基材は、SiO2を主成分として含んでいてもよい。SiO2の含有率が高いガラス基材は、典型的には石英ガラスである。
ガラス基材は、コーティング側の表面に脱アルカリ層を含んでいてもよい。すなわち、ガラス物品が、上記(iii)を満たしていてもよい。ガラス基材が脱アルカリ層を含む場合にも、ガラス基材からコーティングへのガラスのアルカリ成分の拡散移動が抑制される。
本実施形態において、脱アルカリ層とは、ガラス基材の表面における脱アルカリ反応とそれに引き続いて起こる緻密化とにより形成されるシリカリッチな層を意味する。コーティング側の表面に脱アルカリ層を含むガラス基材は、例えば、ガラス板の連続製造方法であるフロート法により製造され得る。フロート法では、フロート窯で溶融されたガラス原料がフロートバス内の溶融金属上で板状のガラスリボンに成形され、得られたガラスリボンは、徐冷炉で徐冷された後、所定の大きさのガラス板へと切り分けられる。本実施形態では、溶融金属として溶融スズが用いられる場合について説明する。以降、ガラス板において、フロートバス内での成形工程で溶融スズに接していた表面をボトム面と呼ぶ。ボトム面と反対側の、溶融スズと非接触の表面をトップ面と呼ぶ。
まず、例えば、少なくともボトム面に対し、脱アルカリ処理が施される。ここでいう脱アルカリとは、アルカリ成分と反応する酸化性ガスをガラス板の表面に接触させて、ガラスからアルカリ成分を抜き出すことである。抜き出されたアルカリ成分は酸化性ガスと反応し、その結果、ガラス板の少なくともボトム面に保護被膜が形成される。
酸化性ガスとしては、例えば亜硫酸ガス(SO2ガス)を用いることができる。SO2は、ガラスの構成成分との反応によって、ガラス板の表面に硫酸ナトリウム等のアルカリ硫酸塩を形成する。このアルカリ硫酸塩が保護被膜となる。ここで用いられる酸化性ガスは、SO2ガス以外の、ガラス中のアルカリ成分との反応によって保護被膜を形成できるガスであってもよい。SO2ガスのキャリアーガスとして、空気や、窒素、アルゴンなどの不活性ガスを使用してもよい。酸化性ガスが水蒸気をさらに含んでもよい。
次いで、保護被膜が形成された部分に緻密化が起こる。具体的には、脱アルカリによって抜け出たアルカリ成分に代わって、プロトン(H+)及びオキソニウムイオン(H3+)等の種々の状態で、雰囲気中の水分がガラス中に入り込み、保護被膜が形成された部分にシラノール基(Si-OH)が形成される。そして、このシラノール基が脱水縮合することにより、シロキサン結合(Si-O-Si)を形成する。本実施形態では、このような脱水縮合によるシロキサン結合が増えた状態を「緻密化した」と称している。シロキサン結合が増えたガラス板表面はエッチングされにくくなるため、エッチングレートを測定することで、緻密化の度合いがわかる。
上述の方法により、少なくともボトム面に脱アルカリ層が形成される。トップ面に対しても脱アルカリ層を形成する処理が施されていてもよい。また、ボトム面に対してのみ酸化性ガスが吹き付けられた場合であっても、吹き付けられた酸化性ガスの一部がトップ面側にも回り込むことでトップ面が処理され、トップ面にも脱アルカリ層が形成されることがある。
本実施形態において、ガラス基材のコーティング側の表面における脱アルカリ層は、ボトム面に形成された脱アルカリ層であってもよく、トップ面に形成された脱アルカリ層であってもよい。ガラス基材のコーティング側の表面に脱アルカリ層が形成されていることにより、ガラス基材からコーティングへのガラスのアルカリ成分の拡散移動が抑制される。
ボトム面に対して吹き付けられた酸化性ガスの一部がトップ面側にも回り込むことによってトップ面にも脱アルカリ層が形成された場合であっても、トップ面の脱アルカリ層の厚みが、ボトム面に形成された脱アルカリ層の厚みよりも大きいものとなることがある。ボトム面では、その表面内に酸化スズ拡散層が存在することによりSO2ガスとガラスの構成成分との反応が抑制されるので、脱アルカリ層の形成が抑制されるためである。本実施形態において、コーティング側の表面における脱アルカリ層は、トップ面に形成された脱アルカリ層であってもよい。この場合、ガラス基材からコーティングへのガラスのアルカリ成分の拡散移動がより抑制される。
上述したとおり、ガラス基材はガラス板であってもよい。ガラス板は、平板状であってもよいが、曲げ加工処理により付与された曲げ形状を有していてもよい。ガラス板の厚みは、特に制限されないが、例えば0.5mm以上12mm以下の範囲内である。ガラス板は、建築物、車両等の窓ガラスとしての使用に適するように処理されていてもよい。ガラス板には、例えば強化処理が施されていてもよい。言い換えると、ガラス板等のガラス基材は、強化ガラスであってもよい。強化処理としては、加熱後に急冷して表面に圧縮応力層を生じさせる風冷強化と、アルカリ金属イオンのイオン交換により表面に圧縮応力層を生じさせる化学強化とが知られている。ガラス板は、合わせ加工及び/又は複層加工により別のガラス板と一体化されていてもよい。
上述したガラス板の処理には、ガラス板の加熱を伴うものが多い。例えば、ガラス板の曲げ加工処理は、ガラス板を加熱して軟化させる工程を含む。強化処理に加え、合わせ加工処理や複層加工処理でも、ガラス板の間に挟持される樹脂膜、又はガラス板の間の空間を封止するために使用される封止材の種類に応じ、ガラス板は高温に加熱されることがある。これらの加熱によるイージークリーンコーティングのイージークリーン性の低下を防ぐためには、コーティングの形成をガラス板の加熱を伴う処理の後に実施することも考えられる。しかし、このような工程上の制限は、量産の効率化を阻害することがある。例えば、曲面にコーティング液を均一に塗布することは、平板の表面上における塗布と比較すると、その難易度は格段に高い。切断されて個々に曲面を有するように加工される前の平坦な帯状ガラスに塗布液を塗布する工程は、格段に効率よく実施できる。
加熱を伴う処理によるイージークリーン性低下の問題は、ガラス板に限らず、ガラス基材全般において生じる。これに対し、本実施形態によれば、有機物に頼ることなくイージークリーン性が発現しているため、加熱に伴うイージークリーン性の低下は抑制され得る。したがって、本実施形態による方法では、コーティングを形成した後に、コーティングが形成されたガラス基材を加熱してガラス基材の各種の処理を実施することができる。
加熱を伴う各種の処理は、ガラス板について例示すると、加熱を伴う曲げ加工処理(加熱曲げ処理)、風冷強化処理、化学強化処理、合わせ加工処理、複層加工処理、及び被膜形成処理からなる群より選ばれる少なくとも1つ、特に加熱曲げ処理及び/又は風冷強化処理である。すなわち、本実施形態では、ガラス基材が、加熱曲げ処理及び風冷強化処理からなる群より選ばれる少なくとも1つの処理を受けたガラス板であってもよい。以上の熱処理に適用される温度は、通常は、高くても760℃程度である。
従来は、ガラス板を所定の形状に切断してから加熱曲げ処理及び/又は風冷強化処理を実施し、その後にイージークリーンコーティングを形成するためのコーティング液をガラス板の主面に塗布していた。このため、コーティング液の一部がガラス板の端面に付着し、端面の少なくとも一部にもコーティングが形成されていた。これに対し、本実施形態によれば、平板状のガラス板の一方の主面にコーティング液を塗布してイージークリーンコーティングを形成し、その後にガラス板に対して加熱曲げ処理及び風冷強化処理からなる群より選ばれる少なくとも1つの処理を実施できる。この形態により提供されるガラス板は、その少なくとも一方の主面上にコーティングを備え、ガラス板の端面にはコーティングを有さないものとなり得る。従来の方法によれば、コーティング液が溜まりやすい端面には局部的に厚いコーティングが形成されることがある。したがってこれを回避できることは、製品の美観の確保等の点で利点がある。こうした品質の向上だけでなく、切断前の大面積のガラス板に連続的にコーティング処理を施すことができるため、最終製品のコストダウンに寄与する。
(コーティング)
本実施形態において、イージークリーンコーティングは、無機物を主成分として含んでいる。無機物を主成分として含むコーティングは、高温での加熱処理を実施する場合に適している。コーティングは、有機物を実質的に含んでいなくてもよい。無機物としては、酸化物、窒化物、炭化物等の各種無機化合物が挙げられるが、酸化物が好適である。コーティングは、酸化物を主成分として含んでいてもよい。好ましい酸化物としては、希土類元素の酸化物、ジルコニウム酸化物、ニオブ酸化物、及びタンタル酸化物が挙げられる。これらの酸化物は、適切なイージークリーン性の発現に適している。酸化物は、希土類元素の酸化物、ジルコニウム酸化物、ニオブ酸化物、及びタンタル酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1つを含んでいてもよい。
特に好ましい酸化物はジルコニウム酸化物である。コーティングは、ジルコニウム酸化物を含んでいてもよい。コーティングは、ジルコニウム酸化物を、5モル%以上、8モル%以上、9モル%以上含んでいてもよい。ジルコニウム酸化物の含有率の上限は、特に制限されないが、90モル%であることが好ましい。ジルコニウム酸化物の含有率が90モル%よりも大きいと、ガラス基材とコーティングとの密着性が低下する傾向がある。コーティングは、ジルコニウム酸化物を、主成分として含んでいてもよい。コーティングは、ジルコニウム酸化物以外の成分を実質的に含まない膜であってもよい。
コーティングは、希土類元素の酸化物を含んでいてもよい。希土類元素の酸化物は、セリウム酸化物、ランタン酸化物、及びイットリウム酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含んでいてもよい。
希土類元素の酸化物は、セリウム酸化物であってもよい。セリウム酸化物は、ジルコニウム酸化物と同様、適切なイージークリーン性を付与し得る好ましい材料である。セリウム酸化物は、結晶性を有し得る。結晶性の希土類酸化物、特にセリウム酸化物は、イージークリーン性の発現に適している。結晶性のセリウム酸化物の結晶子サイズは、例えば4~10nmの範囲にある。結晶子サイズがこの程度となるように結晶が発達していると、コーティングが薄くても、ガラス基材からの拡散距離が長くなってアルカリ成分(アルカリ金属元素)がコーティングの表面に到達しにくくなる。
本発明者らのX線回折法を用いた検討によると、ジルコニウム酸化物とセリウム酸化物との組み合わせは、ジルコニウム酸化物がセリウム酸化物の結晶性を損なうことなくセリウム酸化物と協働し得る点において、イージークリーンコーティングにおける使用に特に適している。
コーティングは、セリウム酸化物を、10モル%以上、30モル%以上、40モル%以上、50モル%以上含んでいてもよい。セリウム酸化物の含有率の上限は、特に制限されないが、95モル%であることが好ましい。セリウム酸化物の含有率が95モル%よりも大きいと、ガラス基材とコーティングとの密着性が低下する傾向がある。コーティングは、セリウム酸化物を、主成分として含んでいてもよい。コーティングは、セリウム酸化物以外の成分を実質的に含まない膜であってもよく、セリウム酸化物及びジルコニウム酸化物以外の成分を実質的に含まない膜であってもよい。セリウム酸化物は、CeO2、すなわち4価のセリウム酸化物を含むことが好ましい。CeO2は、Ce23、すなわち3価のセリウム酸化物よりもイージークリーン性を高める観点からは望ましい成分である。ただし、コーティングには、セリウム酸化物としてCe23が含まれていてもよい。例えば、セリウム酸化物の供給源として3価のセリウムを含む化合物を用い、その一部を4価のセリウムに酸化した場合は、CeO2と共に、残部の3価のセリウムがCe23としてコーティングに含まれる。なお、本明細書では、コーティング中のセリウム酸化物の含有率その他の比又は比率を、セリウム酸化物をすべてCeO2に換算して、言い換えるとセリウムがすべて4価で存在しているとみなして算出することとする。
イージークリーンコーティングにおいて、ジルコニウム酸化物に対するセリウム酸化物のモル比(セリウム酸化物/ジルコニウム酸化物)は、特に制限されないが、0.01以上、0.1以上、0.5以上、0.75以上、1以上であってよく、50以下、30以下、20以下、15以下であってもよい。
コーティングは、ジルコニウム酸化物及び/又は希土類元素の酸化物と共に、アルミニウム酸化物を含んでいてもよい。アルミニウム酸化物は、コーティングのイージークリーン性の向上に寄与し得る。コーティングは、アルミニウム酸化物を、5モル%以上、10モル%以上、さらに20モル%以上含んでいてもよい。アルミニウム酸化物の含有率の上限は、特に制限されないが、50モル%であることが好ましい。アルミニウム酸化物の含有率が50モル%よりも大きいと、コーティングのイージークリーン性が低下する傾向がある。
コーティングのガラス基材側の面における第1族元素の含有率と第2族元素の含有率の和は制限されていることが好ましい。この含有率の和は、5質量%以下、4質量%以下、3質量%以下、さらに2質量%以下であってもよい。ただし、ガラス基材を構成するガラス組成物における第1族元素の含有率と第2族元素の含有率の和は、5質量%を超えていてもよく、7質量%以上、さらには10質量%以上であってもよい。なお、コーティングの特性に影響を与え得る成分は主として第1族元素であるが、第2族元素も影響を及ぼし得る。
本実施形態では、ガラス物品を760℃及び4分間の熱処理に曝した後のコーティングの表面の動摩擦係数が0.50以下であり得る。動摩擦係数とは、2つの物体が接触しながら運動しているとき、接触面に働く摩擦力Fと接触面に垂直な方向に働く垂直抗力Wとの比F/Wである。本発明者らは、表面粗さが相関する動摩擦係数は、無機物を主成分とするコーティングのイージークリーン性を評価する指標として適切であることを見出した。コーティングの表面の動摩擦係数が上記範囲にあるガラス物品は、イージークリーン性に優れている。具体的には、コーティングの表面の動摩擦係数が上記範囲にあるガラス物品では、コーティングの表面に付着した汚れ及び/又は異物に水をシャワーするだけで、汚れ及び/又は異物が容易に流れ落ちやすい。従来、水をシャワーすることにより、コーティングの表面に付着した汚れ及び/又は異物はある程度は減少するが、それでもコーティングの表面には、汚れ及び/又は異物が残る箇所が存在する。これは、ガラス基材を熱処理すると、Na等のアルカリ成分(アルカリ金属元素)の拡散が不均一になる箇所が発生することが原因の1つと考えられる。アルカリ金属元素(特にNa)の濃度が高くなる箇所の動摩擦係数は大きくなり、動摩擦係数にバラツキが生じる。結果として、コーティングの表面に汚れ斑が残り、外観が悪くなる。発明者らの検討によると、動摩擦係数自体が小さくなると必然的に動摩擦係数のバラツキも小さくなるため、汚れ斑が小さくなり外観が向上する。熱処理に曝した後のコーティングの表面の動摩擦係数は、0.45以下、0.40以下、0.35以下、さらには0.30以下まで低下し得る。ただし、本実施形態において、コーティングの表面の動摩擦係数は、コーティングの成分によっては熱処理直後には一時的に上昇することがあるため、熱処理から期間を置いて測定されるものであってもよい。動摩擦係数の回復には数十日間を要することがある。したがって、上記動摩擦係数は、例えば、ガラス物品を760℃及び4分間の熱処理に曝し、さらに、常温の大気中で4週間保管した後に測定されたものであってもよい。
熱処理に曝した後のコーティングの表面の動摩擦係数の下限は特に限定されない。動摩擦係数の下限は、例えば0.05であってもよく、0.08であってもよく、0.09であってもよい。
本実施形態では、コーティングの表面における動摩擦係数のバラツキが±0.10(無次元数)であり得る。このように、本実施形態のガラス物品では、コーティングの表面におけるイージークリーン性のバラツキが抑制されている。イージークリーン性のバラツキが抑制されているガラス物品では、コーティングの表面に汚れ斑が残りにくい。
本実施形態では、コーティングが、フッ素含有有機化合物、特にフルオロアルキル基含有化合物を実質的に含まなくてもよい。
本実施形態のコーティングは、単層膜であっても、複数層により構成された複層膜であってもよいが、単層膜が量産コストを削減する上では有利である。本実施形態のコーティングは、単層膜であってもイージークリーン性を提供できる。複層膜である場合、コーティングは、複層膜の最上層として、ジルコニウム酸化物を含む層を備えることが望ましい。
言い換えると、本実施形態ではガラス基材とコーティングとの間に下地層をさらに含んでいてもよい。すなわち、ガラス物品が、上記(iv)を満たしていてもよい。下地層を含むことにより、ガラス基材からコーティングへのガラスのアルカリ成分の拡散移動が抑制される。下地層は、例えば金属酸化物層であり、具体的には、ジルコニウム酸化物の質量基準の含有率が表層のコーティングよりも低い、さらにはジルコニウム酸化物を実質的に含まない層であってもよい。下地層は、シリコン酸化物及びアルミニウム酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。望ましい下地層の一例は、シリコン酸化物を主成分として含む層である。下地層は、それ自体が複数層であってもよい。
下地層は、非晶質であってもよい。イージークリーンコーティングは結晶質であるため、ガラス基材からコーティングへアルカリ成分(アルカリ金属元素)が拡散移動しやすい。しかし、下地層が非晶質であると、粒界がないことにより、ガラス基材からコーティングへのアルカリ金属元素の拡散移動がより抑制される。
下地層の厚さは、例えば10~400nmの範囲にある。下地層の厚さは、10nm以上、20nm以上、さらに30nm以上であってもよく、350nm以下、300nm以下、さらに250nm以下であってもよい。
下地層は、低放射膜(Low-E膜)、導電膜、反射抑制膜、着色膜等として機能し得る層であってもよい。
Low-E膜は、例えば、導電層を含む積層膜である。Low-E膜は、例えば、ガラス基材の主表面側から順に色調調整層と導電層とが積層された積層構造を有する。色調調整層は、例えば、ケイ素、アルミニウム、亜鉛及びスズの各酸化物から選ばれる少なくとも1つを主成分とする層である。色調調整層は、酸化スズを主成分とする層であり得る。色調調整層の厚さは、例えば25nm以上90nm以下であり、特に35nm以上70nm以下である。色調調整層は、屈折率が互いに異なる2つ以上の層から構成されていてもよい。屈折率が互いに異なる2つの層は、例えば、ガラス板等のガラス基材側から順に、酸化スズを主成分とする第1色調調整層、及び酸化ケイ素を主成分とする第2色調調整層である。ただし、第1色調調整層及び第2色調調整層の積層順は特に限定されない。導電層は、例えば、酸化インジウムスズ(ITO)、酸化亜鉛アルミニウム、アンチモンドープ酸化スズ(SnO2:Sb)及びフッ素ドープ酸化スズ(SnO2:F)から選ばれる少なくとも1つを主成分とする層である。導電層は、フッ素ドープ酸化スズ(SnO2:F)を主成分とする層であり得る。導電層の厚さは、例えば100nm以上350nm以下であり、特に120nm以上260nm以下である。
イージークリーンコーティングの膜厚は、例えば2nm以上1000nm以下であり、さらに5nm以上500nm以下であり、特に10nm以上300nm以下である。コーティングの膜厚は、15nm以上、さらに20nm以上であってもよく、100nm以下、さらに50nm以下であってもよい。イージークリーンコーティングが厚過ぎると、剥離の原因となるクラックが生じやすくなるため、この観点からはコーティングの膜厚は、30nm以下であることが望ましい。
イージークリーンコーティングの表面は実質的に平坦であってもよい。
なお、ガラス基材がガラス板である場合、コーティングは、ガラス板の一方の主面のみに形成されていても、ガラス板の両方の主面に形成されていてもよい。ただし、可視光透過率の低下を防ぐためには、ガラス板の一方の主面上のみにコーティングを形成することが望ましい。
(物品の用途)
本実施形態によるガラス物品は、各種用途に供し得るが、特に、水滴が付着する環境で使用されるガラス物品としての使用に適している。水滴は、通常、雨、霧等の自然水、又は水道水から供給される。本実施形態によるガラス物品は、具体的には、建築物用ガラス、輸送機用ガラス、店舗用ガラス、家具用ガラス、家電用ガラス、サイネージ用ガラス、モバイルデバイス用ガラス及び太陽電池用ガラスからなる群より選ばれる少なくとも1つに該当する物品であってもよい。本実施形態によるガラス物品は、窓ガラス、屋根ガラス、浴室用ガラス、鏡、店舗用ガラス、モバイルデバイス用ガラス及び太陽電池用ガラスからなる群より選ばれる少なくとも1つに該当する物品であってもよい。窓ガラスは、例えば、建築物又は輸送機の窓ガラスであり、屋根ガラスも同様である。建築物は、家屋、ビルディングに限らず、温室、アーケードその他土地に固定された建造物を含む。輸送機は、車両、船舶及び航空機を含む。車両は、例えば、自動車又は鉄道車両である。浴室用ガラスは、例えば、浴室のガラスパーティション及びガラスドアである。鏡は、例えば、浴室及び洗面化粧台の鏡である。店舗用ガラスは、例えば、ショーウインドウ、カウンター、テーブル、冷蔵又は冷凍ケースのガラスドア、食品等のショーケースである。モバイルデバイス用ガラスは、例えば、スマートフォン、タブレット型PC等のモバイルデバイスの表示部を覆うガラスであり、場合によってはモバイルデバイスの筐体を構成するガラスである。太陽電池用ガラスは、例えば、太陽電池の光入射側に配置されるカバーガラスである。特に人体への安全を確保する必要がある場合、上述の各用途では強化ガラスが使用されることが多い。
上述の用途において、本実施形態によるイージークリーンコーティングは、イージークリーン性と共に、防眩、防曇等その他の機能を奏するものであってもよい。本実施形態によるイージークリーンコーティングは、防眩及び防曇からなる群より選択される少なくとも1つの機能を有するものであってもよい。
[コーティング付きガラス物品の製造方法]
次に、本実施形態のガラス物品の製造方法を説明する。ただし、本実施形態のガラス物品は、以下の製造方法以外の方法によって製造されたものであってもよい。
本実施形態の製造方法は、ガラス基材上に、無機物を主成分として含有するコーティング液を塗布してガラス基材上に塗膜を形成する工程と、塗膜を乾燥させる工程とを具備する。無機物は、希土類元素の酸化物、ジルコニウム酸化物、ニオブ酸化物、及びタンタル酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1つの酸化物を含む。希土類元素の酸化物は、セリウム酸化物、ランタン酸化物、及びイットリウム酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含む。なお、固形分としての酸化物は、コーティングに当該酸化物を供給できる成分である限り、完全な酸化物として存在している必要はない。例えば、酸化物がジルコニウム酸化物である場合、固形分としての酸化物には、脱水縮合後にジルコニウム酸化物を供給し得るジルコニウム酸水酸化物、ジルコニウム水酸化物等も包含する。
この製造方法は、コーティング液を調製する工程をさらに具備していてもよい。コーティング液は、極性溶媒、特に炭素数5以下の低級アルコールを溶媒として含んでいてもよい。低級アルコールは、メタノール及び/又はエタノールであってもよい。コーティング液を調製する工程は、ジルコニウム化合物を極性溶媒に溶解することを含んでいてもよい。そのため、ジルコニウム化合物は、極性溶媒に溶解する化合物であってもよい。
調製されたコーティング液はガラス基材上に塗布される。コーティング液の塗布は、例えば、スピンコーティング、バーコーティング、スプレーコーティング、ノズルフローコーティング、ロールコーティング等の公知の手法により実施できる。
本実施形態の製造方法は、塗膜に洗浄及び乾燥から選択される少なくとも1つの処理を施す工程をさらに含んでいてもよい。
コーティング液がジルコニウム酸化物とともに希土類元素の酸化物、例えばセリウム酸化物を含有する場合、本実施形態の製造方法は、ガラス基材上に、ジルコニウム酸化物及びセリウム酸化物を含有するコーティング液を塗布してガラス基材上に塗膜を形成する工程と、塗膜を乾燥させる工程とを具備する。セリウム酸化物はCeO2を含んでいる。なお、セリウム酸化物は、コーティングにセリウム酸化物を供給できる成分である限り、完全な酸化物として存在している必要はなく、脱水縮合後にセリウム酸化物を供給し得るセリウム酸水酸化物、セリウム水酸化物等も包含する。
この場合、コーティング液を調製する工程は、3価のセリウムを含むセリウム化合物を加水分解することをさらに含んでいてもよい。加水分解可能なセリウム化合物は、極性溶媒に溶解する化合物であることが好ましく、具体的には水溶性セリウム化合物から選択するとよい。セリウム化合物は、例えば、ハロゲン化セリウム及び硝酸セリウムからなる群より選ばれる少なくとも1つであってもよい。ハロゲン化セリウムは、例えば塩化セリウム(III)、臭化セリウム(III)である。硝酸セリウム(III)を含め、ここに例示したように、好ましいセリウム化合物は、3価のセリウムの化合物である。ただしこれに限らず、セリウム化合物は、4価のセリウムを含んでいてもよい。3価のセリウムの4価のセリウムへの酸化には時間を要する場合がある。したがって、コーティング液がジルコニウム酸化物及びセリウム酸化物を含有する場合、本実施形態の製造方法は、コーティング液及び湿潤状態にある塗膜から選ばれる少なくとも1つを所定時間だけ保持する工程をさらに含んでいてもよい。この工程は、例えば、調製したコーティング液及び湿潤状態にある塗膜から選ばれる少なくとも1つを温度5~80℃及び0.5~48時間保持することによって実施できる。この工程によって、コーティング液又は塗膜は、いわば「エージング」が進行し、4価のセリウムの比率が高くなる。エージングする対象としては、コーティング液が好ましい。例えば、コーティング液は、4価のセリウムへの転換が進むにつれて、4価のセリウムに起因する発色が観察されるようになる。3価のセリウムのみが含まれているコーティング液は、その他に着色の要因となる材料が含まれていなければ無色である。コーティング液は、4価のセリウムが生成するにつれて、典型的には、まず茶色系に、その後さらに黄色系に着色され得る。保持している間に、十分な量の4価のセリウムを生成させるためには、コーティング液のpHは低くなり過ぎないように維持することが望ましい。
4価のセリウムの生成の過程は、紫外域から可視域にかけての吸収スペクトルによりモニタリングすることが可能である。例えばコーティング液の紫外域の吸収端は、4価のセリウムが生成するにつれて長波長域へと移動する。この吸収端が、例えば、350nm以上、特に360nm以上の領域に存在するまでエージングを継続すると、イージークリーンコーティングの生成に十分な量の4価のセリウムが生成する。
本実施形態の製造方法は、ガラス基材上にイージークリーンコーティングを形成した後に、ガラス基材に加熱を伴う処理を実施する工程をさらに具備していてもよい。加熱を伴う処理は、上述した例からなる群より選ばれる少なくとも1つであり、特に加熱曲げ処理及び/又は風冷強化処理である。もっとも、本実施形態のガラス基材は、このような処理を受けることなく使用に供することも可能である。
本実施形態における製造方法は、ガラス基材上に、キレート化されたジルコニウムイオンを含有するコーティング液を塗布してガラス基材上に塗膜を形成する工程と、塗膜を乾燥させる工程とを具備する方法としても実施できる。ジルコニウムイオンをキレート化するためには、EDTA、アセチルアセトン等の一般的なキレート剤を特に制限なく使用できる。
コーティング液がジルコニウム酸化物及びセリウム酸化物を含有する場合、本実施形態における製造方法は、ガラス基材上に、キレート化されたジルコニウムイオン及びキレート化されたセリウムイオンを含有するコーティング液を塗布してガラス基材上に塗膜を形成する工程と、塗膜を乾燥させる工程とを具備する方法としても実施できる。キレート化には、EDTA、アセチルアセトン等の一般的なキレート剤を特に制限なく使用できる。コーティング液におけるセリウムイオンは、3価のセリウムであってもよい。キレート化された3価のセリウムイオンは、コーティング液が塗布された後の乾燥工程、さらには加熱処理工程において、少なくともその一部が4価に酸化されやすくなる。
本実施形態のガラス物品の製造方法によって製造されたガラス物品では、コーティングの表面における動摩擦係数のバラツキが±0.10(無次元数)であり得る。動摩擦係数のバラツキが上記範囲であるガラス物品では、コーティングの表面に汚れ斑が残りにくい。
(その他の製造方法)
本実施形態のガラス物品は、上記で例示した液相成膜法により製造されるものに限定されない。例えば、CVD法(化学的気相成膜法)、PVD法(物理的気相法)等によって、ガラス基材上にコーティングを形成してもよい。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、以下の実施例も本発明を特定の形態に制限する趣旨で提示するものではない。
(熱処理)
熱処理は、760℃に設定した電気炉内でガラス物品を4分加熱し、炉から取り出してセラミックウールで包んで熱割れしない冷却速度で室温まで冷却することにより実施した。熱処理後、ガラス物品を常温の大気中で4週間放置し、その後、動摩擦係数を評価した。放置した大気の相対湿度は20~60%程度であった。
(動摩擦係数)
動摩擦係数は、以下の方法により測定した。測定には、協和界面科学社製の自動摩擦摩耗解析装置(TSf-503,バウデン式)を用いた。40cm角のガラス物品を測定サンプルとした。測定サンプルのコーティング側の表面に、接触子(鋼球)を微小荷重(垂直抗力W=200g)で接触させた状態で、測定サンプルを載せたステージを10mm/secの速度で50cmの距離を移動させながら摩擦力Fを測定した。図1は、動摩擦係数の算出方法を説明するための図である。図1に示すように、ガラス物品のコーティング側の表面におけるA~Eの5点について、摩擦力Fを測定した。動摩擦係数は、F/Wの式から算出した。算出した5点の動摩擦係数平均値をコーティングの表面の動摩擦係数とみなした。
〈実施例1〉
表1に実施例1として示した組成となるように、ガラス原料であるシリカ、アルミナ、炭酸カルシウム等の酸化物及び炭酸塩を用いてバッチを調合した。調合したバッチを白金坩堝に投入して1580℃で4時間保持し、鉄板上に流し出した。このガラスを電気炉中650℃で30分保持した後、炉の電源を切り、室温まで放冷した。得られたガラス板の厚さは5mmであった。このガラス板を40cm角に切断し、洗浄及び乾燥させた。このようにして得られたガラス板を実施例1のガラス基材とした。実施例1のガラス基材は、無アルカリガラスであった。
硝酸セリウム(III)六水和物(Ce(NO33・6H2O)(富士フィルム和光純薬社製,98%)4.04g、アセチルアセトン67.2g、及びプロピレングリコール60gを、エタノールを主剤とした混合溶剤(双葉化学薬品社製,ファインエターA-10)268.8gに溶解し、コーティング液を得た。コーティング液を40℃で15時間以上攪拌し続けてエージングした。エージング後のコーティング液は、薄黄色を呈していた。このようにして得られたコーティング液を実施例1のコーティング液とした。
実施例1のコーティング液を実施例1のガラス基材の一方の主面にスプレー塗布し、上述の乾燥処理を施した。乾燥処理後のコーティング付きガラス物品に、上述の熱処理を施した。このようにして得られたガラス物品を実施例1のガラス物品とした。
〈実施例2〉
表1に実施例2として示した組成となるようにバッチを調合したことを除いては、実施例1と同様にして、実施例2のガラス基材を得た。実施例2のガラス基材は、無アルカリガラスであった。
ジアセトキシジルコニウム(IV)オキシド(C465Zr)(東京化成社製,20%)2.48g、アセチルアセトン67.2g、及びプロピレングリコール60gを、エタノールを主剤とした混合溶剤(双葉化学薬品社製,ファインエターA-10)267.0gに溶解し、コーティング液を得た。コーティング液を40℃で15時間以上攪拌し続けてエージングした。エージング後のコーティング液は、薄黄色を呈していた。このようにして得られたコーティング液を実施例2のコーティング液とした。
コーティング液として実施例2のコーティング液を用いたことを除いては、実施例1と同様にして、実施例2のガラス物品を得た。
〈実施例3〉
実施例1と同様の無アルカリガラスを実施例3のガラス基材として用いた。
硝酸ランタン(III)六水和物(La(NO33・6H2O)(富士フィルム和光純薬社製,99%)3.98g、アセチルアセトン67.2g、及びプロピレングリコール60gを、エタノールを主剤とした混合溶剤(双葉化学薬品社製,ファインエターA-10)268.8gに溶解し、コーティング液を得た。コーティング液を40℃で15時間以上攪拌し続けてエージングした。このようにして得られたコーティング液を実施例3のコーティング液とした。
コーティング液として実施例3のコーティング液を用いたことを除いては、実施例1と同様にして、実施例3のガラス物品を得た。
〈実施例4〉
実施例1と同様の無アルカリガラスを実施例4のガラス基材として用いた。
硝酸イットリウム(III)六水和物(Y(NO33・6H2O)(シグマアルドリッチ,99%)6.38g、アセチルアセトン67.2g、及びプロピレングリコール60gを、エタノールを主剤とした混合溶剤(双葉化学薬品社製,ファインエターA-10)268.8gに溶解し、コーティング液を得た。コーティング液を40℃で15時間以上攪拌し続けてエージングした。このようにして得られたコーティング液を実施例4のコーティング液とした。
コーティング液として実施例4のコーティング液を用いたことを除いては、実施例1と同様にして、実施例4のガラス物品を得た。
〈実施例5〉
実施例1と同様の無アルカリガラスを実施例5のガラス基材として用いた。
塩化ニオブ(V)(NbCl5)(富士フィルム和光純薬社製,99.99%)6.51g、アセチルアセトン67.2g、及びプロピレングリコール60gを、エタノールを主剤とした混合溶剤(双葉化学薬品社製,ファインエターA-10)268.8gに溶解し、コーティング液を得た。コーティング液を40℃で15時間以上攪拌し続けてエージングした。このようにして得られたコーティング液を実施例5のコーティング液とした。
コーティング液として実施例5のコーティング液を用いたことを除いては、実施例1と同様にして、実施例5のガラス物品を得た。
〈実施例6〉
実施例1と同様の無アルカリガラスを実施例6のガラス基材として用いた。
酸化タンタル(V)(Ta25)(富士フィルム和光純薬社製,99.9%)3.82g、アセチルアセトン67.2g、及びプロピレングリコール60gを、エタノールを主剤とした混合溶剤(双葉化学薬品社製,ファインエターA-10)268.8gに溶解し、コーティング液を得た。コーティング液を40℃で15時間以上攪拌し続けてエージングした。このようにして得られたコーティング液を実施例6のコーティング液とした。
コーティング液として実施例6のコーティング液を用いたことを除いては、実施例1と同様にして、実施例6のガラス物品を得た。
〈実施例7〉
表1に実施例7として示した組成となるようにバッチを調合したことを除いては、実施例1と同様にして、実施例7のガラス基材及びガラス物品を得た。実施例7のガラス基材は、石英ガラスであった。
〈実施例8〉
表1に実施例8として示した組成となるようにバッチを調合したことを除いては、実施例1と同様にして、実施例8のガラス基材及びガラス物品を得た。実施例8のガラス基材は、低アルカリガラスであった。
〈実施例9〉
表1に実施例9として示した組成となるようにバッチを調合したことを除いては、実施例1と同様にして、実施例9のガラス基材及びガラス物品を得た。実施例9のガラス基材は、低アルカリガラスであった。
〈比較例1〉
フロート法により製造されたソーダ石灰ガラス(日本板硝子社製,フロート板ガラス:アルカリ金属酸化物含有率13質量%,厚さ5mm)を比較例1のガラス基材として用いたことを除いては、実施例1と同様にして、比較例1のガラス物品を得た。
実施例1~9及び比較例1のガラス基材の組成(質量%)を表1に示す。
実施例1~9及び比較例1のガラス物品について、上述した方法により、動摩擦係数を測定した。結果を表1に示す。
表2に、実施例9及び比較例1のガラス物品について、A~Eの5点の摩擦力Fから算出した動摩擦係数の値及び平均値を示す。
Figure 2024127336000001
Figure 2024127336000002
表1に示すように、実施例1~9のガラス物品において、ガラス基材を構成するガラス組成物におけるアルカリ金属酸化物の含有率は10質量%以下であった。実施例1~9のガラス物品では、コーティングの表面の動摩擦係数が0.50以下であり、比較例1のガラス物品に比べて、コーティングのイージークリーン性の低下が抑制されていた。また、表2に示すように、比較例1のガラス物品では、コーティングの表面における動摩擦係数のバラツキが±0.20であったのに対して、実施例9のガラス物品では、コーティングの表面の動摩擦係数のバラツキは±0.10であり、コーティングのイージークリーン性のバラツキが抑制されていた。これは、実施例1~9のガラス物品では、ガラス基材からコーティングへのアルカリ金属元素の拡散が抑制されたためと考えられる。

Claims (10)

  1. ガラス基材と、前記ガラス基材上のイージークリーンコーティングとを備え、
    前記ガラス基材は、前記コーティングへのアルカリ金属元素の拡散を抑制する機能又は組成を有し、
    前記イージークリーンコーティングは、無機物を主成分として含む、
    コーティング付きガラス物品。
  2. 下記(i)から(iv)からなる群から選ばれる少なくとも1つを満たす、
    (i)前記ガラス基材は、無アルカリガラスにより構成される。
    (ii)前記ガラス基材は、低アルカリガラスにより構成される。
    (iii)前記ガラス基材は、前記コーティング側の表面に脱アルカリ層を含む。
    (iv)前記ガラス基材と前記コーティングとの間に下地層を含む。
    請求項1に記載のコーティング付きガラス物品。
  3. 前記ガラス基材を構成するガラス組成物におけるアルカリ金属酸化物の含有率が10質量%以下である、
    請求項1に記載のコーティング付きガラス物品。
  4. 前記ガラス基材は、無アルカリガラスにより構成される、
    請求項1に記載のコーティング付きガラス物品。
  5. 前記無機物は、希土類元素の酸化物、ジルコニウム酸化物、ニオブ酸化物、及びタンタル酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1つを含む、
    請求項1に記載のコーティング付きガラス物品。
  6. 前記希土類元素の酸化物は、セリウム酸化物、ランタン酸化物、及びイットリウム酸化物からなる群より選択される少なくとも1つを含む、
    請求項5に記載のコーティング付きガラス物品。
  7. 前記コーティング付きガラス物品を760℃及び4分間の熱処理に曝した後の前記イージークリーンコーティングの表面の動摩擦係数が0.50以下である、
    請求項1に記載のコーティング付きガラス物品。
  8. 前記ガラス基材が強化ガラスである、
    請求項1に記載のコーティング付きガラス物品。
  9. 建築物用ガラス、輸送機用ガラス、店舗用ガラス、家具用ガラス、家電用ガラス、サイネージ用ガラス、モバイルデバイス用ガラス及び太陽電池用ガラスからなる群より選ばれる少なくとも1つに該当する、
    請求項1に記載のコーティング付きガラス物品。
  10. 前記イージークリーンコーティングは、防眩及び防曇からなる群より選択される少なくとも1つの機能を有する、
    請求項1に記載のコーティング付きガラス物品。
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