JP2024118179A - 車両用サスペンションアームの取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】弾性ブッシュへの過大な入力を防止すると共に所望の走行安定性を実現することができる、車両用サスペンションアームの取付構造を提供する。【解決手段】車両用サスペンションアームの取付構造は、車体(1)に固定され車体前後方向に中心軸線を有する円筒状のブラケット(20)と、車体前後方向に中心軸線を有し、ブラケットの内周により保持される後側ブッシュ(18)と、車体後方へ延びる棒状の後端部(10a)が弾性ブッシュの内周に保持される後方アーム部(10)と、弾性ブッシュより車体前方且つブラケットの内周側において、後方アーム部の後端部に固定されるストッパ(24)とを備え、ストッパの車体後方端部は、ブラケットの車体前方端部よりも車体後方に位置し、後方アーム部の後端部が車幅方向へ所定距離変位したとき、ストッパがブラケットの内周に接触する。【選択図】図3
Description
特許法第30条第2項適用申請有り 令和4年 9月15日 世界各国における製品(車両)販売による公開
本発明は、車両用サスペンションアームの取付構造に関する。
従来、車両用のサスペンションにおいて、サスペンションアームの車体への連結部にコンプライアンスを増大させた弾性ブッシュを設けることにより、車両走行時にサスペンションアームから車体へ伝わる振動の減衰性を高め、良好なNVH性能を得られるようにしたものが知られている。例えば、特許文献1に記載されたサスペンションアームの支持構造においては、サスペンションを構成するロアアームの車体側後端に、車体後方へ延びる軸支部が設けられており、この軸支部が筒状のゴムブッシュの内筒に挿入され、ゴムブッシュの外筒が車体側のブラケットに固定されている。これにより、ロアアームが車体に連結される。
一方、走行安定性を高めるためには、サスペンションのアライメントが過度に変化しないように、弾性ブッシュのコンプライアンスを抑えることが望ましい。しかしながら、弾性ブッシュのコンプライアンスを減少させると、弾性ブッシュが固くなり、高速走行中の段差乗り上げ等によりサスペンションアームから大きな入力があった場合に弾性ブッシュのひび割れが生じる可能性がある。また、コンプライアンスの減少と耐久性の向上とを両立させるために、弾性ブッシュを大径化することも考えられるが、この場合、弾性ブッシュのコスト増大や、弾性ブッシュを取り付けるための車体側サブフレームの大型化等を招く。
本発明は、上述した従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、弾性ブッシュへの過大な入力を防止すると共に所望の走行安定性を実現することができる、車両用サスペンションアームの取付構造を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の車両用サスペンションアームの取付構造は、車体に固定され車体前後方向に中心軸線を有する円筒状のブラケットと、車体前後方向に中心軸線を有する円筒状の弾性ブッシュであって、弾性ブッシュの外周がブラケットの内周により保持される、弾性ブッシュと、弾性ブッシュを通り車体前後方向に延びる軸線を中心に車体上下方向に揺動可能なアームであって、車体後方へ延びる棒状の後端部が弾性ブッシュの内周に保持されることにより、弾性ブッシュを介してブラケットに連結される、アームと、弾性ブッシュより車体前方且つブラケットの内周側において、アームの後端部に固定されるストッパと、を備え、ストッパの車体後方端部は、ブラケットの車体前方端部よりも車体後方に位置し、アームの後端部が車幅方向へ所定距離変位したとき、ストッパがブラケットの内周に接触する。
このように構成された本発明においては、アームの後端部を車幅方向へ移動させる入力があったときに、アームの後端部が車幅方向へ所定距離変位すると、ストッパがブラケットの内周に接触するので、それ以上のアームの後端部の移動が抑制される。したがって、弾性ブッシュのコンプライアンスを抑えることにより所望の走行安定性を実現しつつ、弾性ブッシュへの過大な入力を防止することができる。
また、本発明において、好ましくは、ストッパは、弾性ブッシュより車体前方においてアームの後端部に固定されるコア部材と、コア部材の外面のうちブラケットの内周に対向する面に設けられる第1の弾性部材と、を有する。
このように構成された本発明においては、ストッパのコア部材とブラケットの内周との間に第1の弾性部材が介在するので、第1の弾性部材の弾性変形に応じて発生する反力により、操安性の急激な変化を防ぐと共に、弾性ブッシュへの過大な入力を防止することができる。また、コア部材とブラケットとの接触による異音の発生も防止できる。
また、本発明において、好ましくは、アームの後端部は、ブラケットの車体前方端部より車体前方において、ブラケットの内周の車幅方向内方端部よりも車幅方向内側へ突出する突出部を有し、アームの後端部が車体後方へ所定距離以上変位したとき、突出部の車体後方端部がブラケットの車体前方端部を押圧する。
このように構成された本発明においては、アームの後端部を車体後方へ移動させる入力があったときに、アームの後端部が車体後方へ所定距離以上変位すると、突出部の車体後方端部がブラケットの車体前方端部を押圧するので、それ以上のアームの後端部の移動が抑制される。したがって、弾性ブッシュのコンプライアンスを抑えることにより所望の走行安定性を実現しつつ、弾性ブッシュへの過大な入力を防止することができる。
また、本発明において、好ましくは、突出部の車体後方端部とブラケットの車体前方端部との間に設けられる第2の弾性部材を備える。
このように構成された本発明においては、突出部の車体後方端部とブラケットの車体前方端部との間に第2の弾性部材が介在するので、第2の弾性部材の弾性変形に応じて発生する反力により、操安性の急激な変化を防ぐと共に、弾性ブッシュへの過大な入力を防止することができる。また、突出部とブラケットとの接触による異音の発生も防止できる。
また、本発明において、ストッパは、弾性ブッシュより車体前方においてアームの後端部に固定されるコア部材と、コア部材の外面のうちブラケットの内周に対向する面に設けられる第1の弾性部材と、を有し、第1の弾性部材と第2の弾性部材とは、一体に形成されている。
このように構成された本発明においては、ストッパのコア部材とブラケットの内周との間に第1の弾性部材が介在するので、第1の弾性部材の弾性変形に応じて発生する反力により、操安性の急激な変化を防ぐと共に、弾性ブッシュへの過大な入力を防止することができる。また、コア部材とブラケットとの接触による異音の発生も防止できる。さらに、第1の弾性部材と第2の弾性部材とは、一体に形成されているので、ストッパの製造工程を簡略化できる。
本発明による車両用サスペンションアームの取付構造によれば、弾性ブッシュへの過大な入力を防止すると共に所望の走行安定性を実現することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態による車両用サスペンションアームの取付構造を説明する。
まず、図1及び図2により、本実施形態による車両用サスペンションアームの取付構造の全体構成を説明する。図1は、本実施形態による車両用サスペンションアームの取付構造を示す斜視図である。図2は、本実施形態による車両用サスペンションアームの取付構造の右前輪側を車体上方から見た平面図である。なお、図1等に示す車両用サスペンションアームは、車両の右前輪側に配置されるものであり、矢印で示した「前」「上」「内」「外」はそれぞれ、車体前方、車体上方、車幅方向内方、車幅方向外方を示している。
図1に示す本実施形態の車両用サスペンションアームの取付構造は、車体1と車輪2とを連結するダブルウィッシュボーン型のフロントサスペンション4のロアアーム6を、車体1に取り付ける構造である。図1に示すように、ロアアーム6は、ほぼ車幅方向に延びる前方アーム部8、及び、車幅方向内方から外方に向かって斜め前方に延びる後方アーム部10を有するA型アームである。前方アーム部8の車幅方向内方端部及び後方アーム部10の車体後方へ延びる棒状の後端部10aは、前後2箇所の取付部12、14においてそれぞれ車体1に取り付けられており、これらの取付部12、14を通り車体前後方向に延びる軸線を中心にロアアーム6が車体上下方向に揺動可能となっている。
前方アーム部8の車幅方向内方端部は、前側の取付部12において、円筒状の前側ブッシュ16を介して車体1に取り付けられている。また、後方アーム部10の後端部10aは、後側の取付部14において、円筒状の後側ブッシュ18を介して車体1に取り付けられている。後側ブッシュ18は、車体1に固定された円筒状のブラケット20に保持されている。また、後方アーム部10の後端部10aには、ブラケット20の車体前方端部より車体前方において、車幅方向内方へ突出する突出部22が設けられている。
前側ブッシュ16及び後側ブッシュ18は、車体前後方向に中心軸線を有するように設けられている。ロアアーム6に設けられたこれらの各ブッシュは、所望の操安性やNVH性能の適切なバランスが得られるようにコンプライアンスが設定されている。また、操安性の確保のために、前側ブッシュ16は後側ブッシュ18よりコンプライアンスが比較的小さなものとなっている。
後側ブッシュ18より車体前方且つブラケット20の内周側には、後方アーム部10の後端部10aに固定されるストッパ24が設けられている。
次に、図3乃至図5により、本実施形態による車両用サスペンションアームの取付構造の構成を具体的に説明する。図3は、本実施形態によるロアアーム6の後方アーム部10の後端部10a、後側ブッシュ18、ストッパ24及びブラケット20を車体上方から見た断面図であり、図4は、図2におけるIV-IV線断面図であり、図5は本実施形態によるストッパ24を示す斜視図である。
ブラケット20は車体前後方向に中心軸線を有する薄肉円筒状に形成されており、車体前方端部には、径方向外側に広がるフランジ部20aが設けられている。このブラケット20は、車体1の車幅方向外側に溶接やボルト締結等によって固定されている。
後側ブッシュ18は、円筒状の弾性ブッシュであり、円筒状の外筒26と、外筒26よりも小さい径を有し外筒26の内周側に配置される内筒28と、外筒26と内筒28との間に配置される円筒状の弾性体30とを有している。これらの外筒26及び内筒28と弾性体30とは、接着剤により互いに固定されている。
外筒26及び内筒28は、例えば鋼板などの金属板により形成される。また、弾性体30としては例えばゴムが用いられ、想定される荷重入力に応じたばね特性や減衰特性を実現するために必要な径方向厚さ及び軸方向長さを有するように形成される。また、図3に示すように、所望の特性に応じて弾性体30の軸方向両端部に凹部を形成したり、弾性体30の変形量を規制するための規制部材を弾性体30の内部に埋め込んだりすることができる。
上記のように構成された後側ブッシュ18は、車体後方側からブラケット20の中心軸線方向に沿ってブラケット20の内周に圧入され、ブラケット20の内周により保持される。図3に示すように、後側ブッシュ18の全体がブラケット20に圧入されなくてもよいが、後側ブッシュ18における荷重を受ける部分(図3の例では弾性体30の軸方向中央部)はブラケット20の内側に配置される。
後方アーム部10の後端部10aは、車体後方へ延びる丸棒状に形成されている。この後端部10aの車体前方側に、車幅方向内方へ突出する突出部22が設けられている。車輪2からサスペンションアームに入力があり後方アーム部10の後端部10aが車幅方向内方へ最大限移動したときに、突出部22の車幅方向内方端部が車体1と干渉せず、且つ、車体前後方向から見て突出部22とブラケット20のフランジ部20aの車幅方向内方部分とが重なるように、突出部22の車幅方向の長さが設定されている。
後方アーム部10の突出部22の車体後方側に隣接するように、ストッパ24が後方アーム部10の後端部10aに外嵌固定される。さらに、ストッパ24よりも車体後方側における後端部10aは、車体前方側から後側ブッシュ18の内筒28の内周に圧入され、内筒28の内周により保持される。図3に示すように、後方アーム部10の後端部10aは後側ブッシュ18の全体に圧入されなくてもよいが、後方アーム部10の後端部10aと後側ブッシュ18における荷重を受ける部分とがオーバーラップする位置まで、後方アーム部10の後端部10aが後側ブッシュ18の内筒28に圧入される。
ストッパ24は、後方アーム部10の後端部10aの車幅方向における移動を規制することにより後側ブッシュ18の過大な変形を抑制するものであり、後側ブッシュ18より車体前方且つブラケット20の内周側において、ストッパ24の車体後方端部がブラケット20の車体前方端部よりも車体後方に位置するように、後方アーム部10の後端部10aに固定される。
ストッパ24は、車体前後方向に中心軸線を有する円筒の車体上方側及び下方側を切り取った形状を有するコア部材32と、コア部材32の外周(つまりコア部材32の外面のうちブラケット20の内周に対向する面)に設けられる弾性部材34とを有している。
コア部材32は、例えばアルミニウム合金等の金属を用いて形成される。このコア部材32の内周に後方アーム部10の後端部10aが圧入されることにより、ストッパ24が後方アーム部10の後端部10aに固定される。コア部材32の外周における車幅方向内方部分及び外方部分は、ブラケット20の内周に沿った曲面を有するように形成されている。なお、図3等に示したコア部材32は、後方アーム部10の後端部10aが挿入される中央の孔の他は中実となっているが、必要な強度を確保した上で軽量化のために適宜肉抜きを形成してもよい。
弾性部材34は、例えばゴムを用いて形成され、コア部材32の外周を覆う外周部分34aと、外周部分34aの車体前方且つ車幅方向内方の端部からコア部材32の車体前方端面に沿って延びると共に弾性部材34の外周部分34aよりも車幅方向内方へ突出する端面部分34bとを有する。特に、端面部分34bの車幅方向内方端部は、後方アーム部10の突出部22の車幅方向内方端部と同じ位置まで車幅方向内方へ突出している。これらの外周部分34a及び端面部分34bは一体に形成されており、外周部分34aはコア部材32の外周に接着され、端面部分34bはコア部材32の車体前方端面に接着される。
弾性部材34の外周部分34aにおける車幅方向内側及び外側の厚みは、車輪2からサスペンションアームに入力があり後方アーム部10の後端部10aが車幅方向へ移動することにより弾性部材34の外周部分34aがブラケット20の内周に押し付けられたときに、所望の反力特性を有するように設定されており、車幅方向内側の厚みは車幅方向外側の厚みよりも大きい。
弾性部材34の外周部分34aの曲率半径は、ブラケット20の内周の曲率半径よりも小さい。これにより、車輪2からサスペンションアームに入力があり後方アーム部10の後端部10aが車幅方向へ移動することにより弾性部材34の外周部分34aがブラケット20の内周に押し付けられたときに、弾性部材34の外周部分34aとブラケット20の内周との接触面積が徐々に大きくなり、弾性部材34の外周部分34aの弾性変形により発生する反力が徐々に増大するようになっている。
また、弾性部材34の端面部分34bの厚みは、ストッパ24が後方アーム部10の後端部10aに固定されたときに端面部分34bの車体前方端面が後方アーム部10の突出部22の車体後方端面に接触し、且つ、車輪2からサスペンションアームに入力があり後方アーム部10の後端部10aが車体後方へ移動することにより弾性部材34の端面部分34bが後方アーム部10の突出部22の車体後方端面とブラケット20の車体前方端面との間に挟まれたときに、所望の反力特性を有するように設定されている。
次に、図6乃至図8を参照して、本実施形態による車両用サスペンションアームの取付構造の作用を説明する。図6は、右前輪に車体後方へ力が加わったときに右前輪側のロアアーム6の後方アーム部10の後端部10a、後側ブッシュ18、ストッパ24に加わる力及び変位を説明するための車体上方から見た断面図である。図7は、右前輪に車体後方へ図6の例よりも強い力が加わったときに右前輪側のロアアーム6の後方アーム部10の後端部10a、後側ブッシュ18、ストッパ24に加わる力及び変位を説明するための車体上方から見た断面図である。図8は、図6におけるVIII-VIII線断面図である。
車両の走行中に路面の段差を乗り越える等により右車輪2に車体後方への力が加わり、その力が右前輪側のロアアーム6に伝わると、前側の取付部12を軸としてロアアーム6を後方に回転させるモーメントが発生する。その結果、図6に白抜き矢印により示すように、後方アーム部10の後端部10aを車幅方向内方へ移動させる力が働く。この力が後方アーム部10の後端部10aから後側ブッシュ18に伝わると、後方アーム部10の後端部10aが車幅方向内方へ移動すると共に、後側ブッシュ18の弾性体30の車幅方向内方部分が圧縮され、車幅方向外方部分が引き延ばされる。このときの弾性体30の弾性変形に応じて発生する反力により、後方アーム部10の後端部10aの移動、即ちロアアーム6の回転が徐々に抑制されるので、操安性の急激な変化を防ぐことができる。
弾性体30の変形が大きくなり、後方アーム部10の後端部10aが車幅方向内方へさらに移動すると、ストッパ24の弾性部材34の外周部分34aがブラケット20の内周に接触する。そこからさらに後方アーム部10の後端部10aが車幅方向内方へ移動すると、ストッパ24の弾性部材34の外周部分34aがブラケット20の内周とコア部材32の外周との間で圧縮される。このときの弾性部材34の外周部分34aの弾性変形に応じて発生する反力により、後方アーム部10の後端部10aの移動、即ちロアアーム6の回転がさらに抑制されるので、操安性の急激な変化を防ぐと共に、後側ブッシュ18の弾性体30の過度な変形を防ぐことができる。また、ストッパ24のコア部材32とブラケット20との間に弾性部材34が介在するので、コア部材32とブラケット20との接触による異音の発生も防止できる。
また、車両の高速走行中に路面の段差を乗り越える等により右車輪2に車体後方へ相対的に大きい力が加わり、その力が右前輪側のロアアーム6に伝わると、前側の取付部12を軸としてロアアーム6を後方に回転させるモーメントに加えて、ロアアーム6全体を車体後方へ移動させる力が発生する。その結果、図7に白抜き矢印により示すように、後方アーム部10の後端部10aを車幅方向内方及び車体後方へ移動させる力が働く。この力が後方アーム部10の後端部10aから後側ブッシュ18に伝わると、後方アーム部10の後端部10aが車幅方向内方及び車体後方へ移動すると共に、後側ブッシュ18の弾性体30の車幅方向内方部分が圧縮され、車幅方向外方部分が引き延ばされ、さらに弾性体30の内筒28側が外筒26側よりも車体後方へ突出する。このときの弾性体30の弾性変形に応じて発生する反力により、後方アーム部10の後端部10aの移動、即ちロアアーム6の回転及び車体後方への移動が徐々に抑制されるので、操安性の急激な変化を防ぐことができる。
弾性体30の変形が大きくなり、後方アーム部10の後端部10aが車幅方向内方及び車体後方へさらに移動すると、ストッパ24の弾性部材34の外周部分34aがブラケット20の内周に接触し、弾性部材34の端面部分34bの車体後方端面がブラケット20の車体前方端面に接触する。そこからさらに後方アーム部10の後端部10aが車幅方向内方及び車体後方へ移動すると、ストッパ24の弾性部材34の端面部分34bが後方アーム部10の突出部22の車体後方端面とブラケット20の車体前方端面との間で圧縮される。このときの弾性部材34の外周部分34a及び端面部分34bの弾性変形に応じて発生する反力により、後方アーム部10の後端部10aの移動、即ちロアアーム6の回転及び車体後方への移動がさらに抑制されるので、操安性の急激な変化を防ぐと共に、後側ブッシュ18の弾性体30の過度な変形を防ぐことができる。また、ストッパ24のコア部材32及び後方アーム部10の突出部22とブラケット20との間に弾性部材34が介在するので、コア部材32及び突出部22とブラケット20との接触による異音の発生も防止できる。
また、ストッパ24の外周における車幅方向内方部分及び外方部分は、ブラケット20の内周に沿った曲面を有するように形成されている。したがって、ロアアーム6の車体上下方向の揺動に伴い、図8に示すようにストッパ24が車体前後方向を軸として回転しても、ストッパ24の弾性部材34の外周部分34aがブラケット20の内周に押し付けられたときに同様の反力特性が得られるようになっている。
次に、本発明の実施形態のさらなる変形例を説明する。
まず、上述した実施形態においては、ダブルウィッシュボーン型のフロントサスペンション4のロアアーム6を、車体1に取り付ける構造を例として説明したが、アッパアームやダブルウィッシュボーン型リアサスペンション、あるいは他の形式(例えばマルチリンク式、セミトレーリングアーム式、ストラット式等)のサスペンションにも本発明を適用することができる。
まず、上述した実施形態においては、ダブルウィッシュボーン型のフロントサスペンション4のロアアーム6を、車体1に取り付ける構造を例として説明したが、アッパアームやダブルウィッシュボーン型リアサスペンション、あるいは他の形式(例えばマルチリンク式、セミトレーリングアーム式、ストラット式等)のサスペンションにも本発明を適用することができる。
また、上述した実施形態においては、ストッパ24の弾性部材34における外周部分34a及び端面部分34bは一体に形成されていると説明したが、外周部分34aと端面部分34bとを別個の部材として形成してもよい。
また、上述した実施形態においては、後方アーム部10の後端部10aに突出部22が設けられているが、後方アーム部10の後端部10aの車体後方への移動を他の手段により規制し、後側ブッシュ18の過度な変形を抑制できる場合には、突出部22を省略してもよい。
次に、上述した本発明の実施形態及び本発明の実施形態の変形例による車両用サスペンションアームの取付構造の効果を説明する。
まず、車両用サスペンションアームの取付構造は、後側ブッシュ18より車体前方且つブラケット20の内周側において、後方アーム部10の後端部10aに固定されるストッパ24を備え、ストッパ24の車体後方端部は、ブラケット20の車体前方端部よりも車体後方に位置し、後方アーム部10の後端部10aが車幅方向へ所定距離変位したとき、ストッパ24がブラケット20の内周に接触する。したがって、後方アーム部10の後端部10aを車幅方向へ移動させる入力があったときに、後方アーム部10の後端部10aが車幅方向へ所定距離変位すると、ストッパ24がブラケット20の内周に接触するので、それ以上の後方アーム部10の後端部10aの移動が抑制される。したがって、後側ブッシュ18のコンプライアンスを抑えることにより所望の走行安定性を実現しつつ、後側ブッシュ18への過大な入力を防止することができる。
また、ストッパ24のコア部材32とブラケット20の内周との間に弾性部材34の外周部分34aが介在するので、弾性部材34の外周部分34aの弾性変形に応じて発生する反力により、操安性の急激な変化を防ぐと共に、後側ブッシュ18への過大な入力を防止することができる。また、コア部材32とブラケット20との接触による異音の発生も防止できる。
また、後方アーム部10の後端部10aを車体後方へ移動させる入力があったときに、後方アーム部10の後端部10aが車体後方へ所定距離以上変位すると、突出部22の車体後方端部がブラケット20の車体前方端部を押圧するので、それ以上の後方アーム部10の後端部10aの移動が抑制される。したがって、後側ブッシュ18のコンプライアンスを抑えることにより所望の走行安定性を実現しつつ、後側ブッシュ18への過大な入力を防止することができる。
また、突出部22の車体後方端部とブラケット20の車体前方端部との間に弾性部材34の端面部分34bが介在するので、弾性部材34の端面部分34bの弾性変形に応じて発生する反力により、操安性の急激な変化を防ぐと共に、後側ブッシュ18への過大な入力を防止することができる。また、突出部22とブラケット20との接触による異音の発生も防止できる。
また、弾性部材34の外周部分34aと端面部分34bとは、一体に形成されているので、ストッパ24の製造工程を簡略化できる。
1 車体
2 車輪
4 フロントサスペンション
6 ロアアーム
8 前方アーム部
10 後方アーム部(アーム)
10a 後端部(アームの後端部)
12 取付部
14 取付部
16 前側ブッシュ
18 後側ブッシュ(弾性ブッシュ)
20 ブラケット
20a フランジ部
22 突出部
24 ストッパ
26 外筒
28 内筒
30 弾性体
32 コア部材
34 弾性部材
34a 外周部分(第1の弾性部材)
34b 端面部分(第2の弾性部材)
2 車輪
4 フロントサスペンション
6 ロアアーム
8 前方アーム部
10 後方アーム部(アーム)
10a 後端部(アームの後端部)
12 取付部
14 取付部
16 前側ブッシュ
18 後側ブッシュ(弾性ブッシュ)
20 ブラケット
20a フランジ部
22 突出部
24 ストッパ
26 外筒
28 内筒
30 弾性体
32 コア部材
34 弾性部材
34a 外周部分(第1の弾性部材)
34b 端面部分(第2の弾性部材)
Claims (5)
- 車両用サスペンションアームの取付構造であって、
車体に固定され車体前後方向に中心軸線を有する円筒状のブラケットと、
車体前後方向に中心軸線を有する円筒状の弾性ブッシュであって、前記弾性ブッシュの外周が前記ブラケットの内周により保持される、前記弾性ブッシュと、
前記弾性ブッシュを通り車体前後方向に延びる軸線を中心に車体上下方向に揺動可能なアームであって、車体後方へ延びる棒状の後端部が前記弾性ブッシュの内周に保持されることにより、前記弾性ブッシュを介して前記ブラケットに連結される、前記アームと、
前記弾性ブッシュより車体前方且つ前記ブラケットの内周側において、前記アームの前記後端部に固定されるストッパと、を備え、
前記ストッパの車体後方端部は、前記ブラケットの車体前方端部よりも車体後方に位置し、前記アームの前記後端部が車幅方向へ所定距離変位したとき、前記ストッパが前記ブラケットの内周に接触する、
車両用サスペンションアームの取付構造。 - 前記ストッパは、前記弾性ブッシュより車体前方において前記アームの前記後端部に固定されるコア部材と、前記コア部材の外面のうち前記ブラケットの内周に対向する面に設けられる第1の弾性部材と、を有する、
請求項1に記載の車両用サスペンションアームの取付構造。 - 前記アームの前記後端部は、前記ブラケットの車体前方端部より車体前方において、前記ブラケットの内周の車幅方向内方端部よりも車幅方向内側へ突出する突出部を有し、
前記アームの前記後端部が車体後方へ所定距離以上変位したとき、前記突出部の車体後方端部が前記ブラケットの車体前方端部を押圧する、
請求項1に記載の車両用サスペンションアームの取付構造。 - 前記突出部の車体後方端部と前記ブラケットの車体前方端部との間に設けられる第2の弾性部材を備える、
請求項3に記載の車両用サスペンションアームの取付構造。 - 前記ストッパは、前記弾性ブッシュより車体前方において前記アームの前記後端部に固定されるコア部材と、前記コア部材の外面のうち前記ブラケットの内周に対向する面に設けられる第1の弾性部材と、を有し、
前記第1の弾性部材と前記第2の弾性部材とは、一体に形成されている、
請求項4に記載の車両用サスペンションアームの取付構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2023024463A JP2024118179A (ja) | 2023-02-20 | 2023-02-20 | 車両用サスペンションアームの取付構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2023024463A JP2024118179A (ja) | 2023-02-20 | 2023-02-20 | 車両用サスペンションアームの取付構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2024118179A true JP2024118179A (ja) | 2024-08-30 |
Family
ID=92504141
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2023024463A Pending JP2024118179A (ja) | 2023-02-20 | 2023-02-20 | 車両用サスペンションアームの取付構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2024118179A (ja) |
-
2023
- 2023-02-20 JP JP2023024463A patent/JP2024118179A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A80 | Written request to apply exceptions to lack of novelty of invention |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A80 Effective date: 20230221 |