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JP2024104692A - 詰替え容器用栓体及びこれを具備する詰替え容器 - Google Patents

詰替え容器用栓体及びこれを具備する詰替え容器 Download PDF

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JP2024104692A
JP2024104692A JP2023009043A JP2023009043A JP2024104692A JP 2024104692 A JP2024104692 A JP 2024104692A JP 2023009043 A JP2023009043 A JP 2023009043A JP 2023009043 A JP2023009043 A JP 2023009043A JP 2024104692 A JP2024104692 A JP 2024104692A
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Application number
JP2023009043A
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始旦 森谷
Motoaki Moriya
文貴 西畑
Fumitaka Nishihata
厚 井田
Atsushi Ida
明弘 保坂
Akihiro Hosaka
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Yoshino Kogyosho Co Ltd
Original Assignee
Kao Corp
Yoshino Kogyosho Co Ltd
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Abstract

【課題】詰め替え時の操作の容易性及び安定性に優れるとともに、内容物の漏れ防止性と開封性とを両立できる、詰替え容器用栓体及びこれを具備する詰替え容器を提供すること。【解決手段】本発明の詰替え容器用栓体は、栓本体10とこれに着脱可能に装着される栓蓋20とからなる。栓本体10は、流出筒11と、筒状外壁13と、装着筒15とを備えており、天面盤12に少なくとも2箇所の挿通口16を備えている。栓蓋20は、装着筒15に密着する装着壁面部27と、閉塞板部23と、少なくとも2箇所の押込み凸部26とを備えている。天面盤12には、被詰替え容器の口首部7の先端部によって押潰し変形可能な、圧縮シール材19が配設されている。栓蓋20は、押込み凸部26の先端部を、挿通口16を介して天面盤12から突出させた状態で、栓本体10に装着されている。【選択図】図12

Description

本発明は、詰替え容器用栓体及びこれを具備する詰替え容器に関する。
液体洗剤やシャンプー等の内容物を収容する容器は、内容物を詰め替えることで繰り返し使用されることが一般的である。この内容物の容器である被詰替え容器は、詰替え容器から内容物を詰め替える操作を行うことによって、長期間、使用される。
詰替え容器による内容物の詰替え操作は、該詰替え容器における内容物の流出口を備えた口首部と、被詰替え容器の口首部とを連通させて行われる。斯かる詰替え操作を容易にする観点から、本出願人は、先に、詰替え容器の詰替え流出口を覆って取り付けられる詰替え容器用栓体を提案している(例えば、特許文献1及び特許文献2)。
特許文献1の詰替え容器用栓体は、流出筒と装着筒とを備えた栓本体、及び装着筒の内周面に密着する装着壁面部と閉塞板部と押込み凸部とを備えた栓蓋を具備し、該押込み凸部を、流出開口の開口周縁部から前記流出筒の径方向外側まで切欠き形成された挿通口を介して流出方向外側に突出させ、且つ前記押込み凸部の先端面の一部を、前記流出筒の外周面よりも径方向外側に配置した状態で、前記栓蓋が前記栓本体に装着されている。
特許文献2の詰替え容器用栓体は、流出筒と筒状外壁と装着筒とを備えた栓本体、及び該装着筒の内周面に密着する装着壁面部と閉塞板部と押込み凸部とを備えた栓蓋を具備し、該押込み凸部を前記栓本体の天面板から流出方向外側に突出させ、且つ該押込み凸部の先端面の一部を、前記流出筒の外周面よりも径方向外側に配置することで、前記栓蓋が前記栓本体に装着されるものであり、前記押込み凸部が押し出された後の挿通口及び外気連通口を介して、詰替え時の空気置換が行われる。
特許第6183846号公報 特許第6183847号公報
内容物の詰替え操作では、詰替え容器の口首部を下方に向け、該詰替え容器を倒立状態にする。倒立状態で詰替える場合、一般的に、詰替え容器及び被詰替え容器の口首部どうしの位置を合わせるのに手間が掛かるとともに、詰替え容器及び被詰替え容器が倒れるのを防ぐため、これら双方の容器を支えておく必要が生じる。これに加え、倒立状態の詰替え容器の口首部から流出する内容物が、詰替え容器及び被詰替え容器が漏れ出し易くなる。
特許文献1及び2に記載の技術は、詰め替え操作の容易性及び安定性に改善の余地があった。また、詰め替え時における内容物の漏れを防止するため、詰替え容器の封止性を向上させると、開封性が低下する虞があった。
本発明は、詰め替え操作の容易性及び安定性に優れるとともに、内容物の漏れ防止性と開封性とを両立できる、詰替え容器用栓体及びこれを具備する詰替え容器に関する。
本発明は、口首部を備える被詰替え容器に内容物を詰め替えるための、詰替え容器の詰替え流出口を覆って取り付けられる詰替え容器用栓体に関する。
前記詰替え流出口の開口周縁部分に接合固定される栓本体と、該栓本体の天面盤に開口形成された流出開口を流出方向内側から閉塞して、栓本体に着脱可能に装着される栓蓋とからなることが好ましい。
前記栓本体は、前記流出開口を囲んで前記天面盤から流出方向外側に突出する流出筒と、該流出筒と同心状に配置されるとともに該流出筒を囲んで前記天面盤から流出方向外側に突出する、前記被詰替え容器の口首部の外径に対応する内径を備える筒状外壁と、前記流出筒と同心状に配置されるとともに前記流出開口を囲んで前記天面盤から流出方向内側に突出する装着筒とを備えていることが好ましい。
前記栓本体は、前記流出筒と前記筒状外壁との間隔部分において前記天面盤に開口形成された少なくとも2箇所の挿通口を備えていることが好ましい。
前記栓蓋は、外周面が前記装着筒の内周面に密着する装着壁面部と、前記装着筒の中空断面形状と同様の平面形状を有する閉塞板部と、該閉塞板部の周縁部分における前記栓本体の前記挿通口と対応する部分から立設する、少なくとも2箇所の押込み凸部とを備えていることが好ましい。
前記天面盤の前記流出筒及び前記筒状外壁が突出する側の面における、前記挿通口の外側の周縁部分に沿って、前記流出筒と前記筒状外壁との間隔部分に押し込まれる前記被詰替え容器の口首部の先端部によって押潰し変形可能な、圧縮シール材が配設されていることが好ましい。
前記栓蓋は、前記押込み凸部の先端部を、前記流出筒と前記筒状外壁との間隔部分において前記挿通口を介して前記天面盤から流出方向外側に突出させた状態で、前記栓本体に装着されていることが好ましい。
また本発明は、口首部を備える被詰替え容器に内容物を詰め替えるための詰替え容器に関する。
前記詰替え容器は、詰替え流出口を覆って取り付けられる詰替え容器用栓体を具備していることが好ましい。
前記詰替え容器用栓体は、前記詰替え流出口の開口周縁部分に接合固定される栓本体と、該栓本体の天面盤に開口形成された流出開口を流出方向内側から閉塞して、栓本体に着脱可能に装着される栓蓋とからなることが好ましい。
前記栓本体は、前記流出開口を囲んで前記天面盤から流出方向外側に突出する流出筒と、該流出筒と同心状に配置されるとともに該流出筒を囲んで前記天面盤から流出方向外側に突出する、前記被詰替え容器の口首部の外径に対応する内径を備える筒状外壁と、前記流出筒と同心状に配置されるとともに前記流出開口を囲んで前記天面盤から流出方向内側に突出する装着筒とを備えていることが好ましい。
前記栓本体は、前記流出筒と前記筒状外壁との間隔部分において前記天面盤に開口形成された少なくとも2箇所の挿通口を備えていることが好ましい。
前記栓蓋は、外周面が前記装着筒の内周面に密着する装着壁面部と、前記装着筒の中空断面形状と同様の平面形状を有する閉塞板部と、該閉塞板部の周縁部分における前記栓本体の前記挿通口と対応する部分から立設する、少なくとも2箇所の押込み凸部とを備えていることが好ましい。
前記天面盤の前記流出筒及び前記筒状外壁が突出する側の面における、前記挿通口の外側の周縁部分に沿って、前記流出筒と前記筒状外壁との間隔部分に押し込まれる前記被詰替え容器の口首部の先端部によって押潰し変形可能な、圧縮シール材が配設されていることが好ましい。
前記栓蓋は、前記押込み凸部の先端部を、前記流出筒と前記筒状外壁との間隔部分において前記挿通口を介して前記天面盤から流出方向外側に突出させた状態で、前記栓本体に装着されていることが好ましい。
本発明の詰替え容器用栓体及びこれを具備する詰替え容器によれば、詰め替え操作の容易性及び安定性に優れるとともに、内容物の漏れ防止性と開封性とを両立できる。
図1は、本発明に係る詰替え容器の一実施形態を示す正面図である。 図2は、図1の詰替え容器における口首部と、該口首部の流出口を覆って取り付けられる詰替え容器用栓体とを示す、流出方向に沿う断面図である。 図3は、図2の詰替え容器用栓体を流出方向外側から視た斜視図である。 図4は、図3の詰替え容器用栓体が具備する栓蓋を流出方向外側から視た斜視図である。 図5は、図4に示す押込み凸部の流出方向に沿う拡大断面図である。 図6は、図4に示す栓蓋を流出方向内側から視た斜視図である。 図7は、図3に示す栓本体を流出方向外側から視た断面斜視図である。 図8は、図7に示す栓本体の流出方向に沿う断面図である。 図9は、図7に示す栓本体を流出方向内側から視た斜視図である。 図10は、図7に示す栓本体を流出方向内側から視た断面斜視図である。 図11は、図1の詰替え容器を用いて、被詰替え容器に内容物を詰め替える詰替え操作を説明するための斜視図及び断面斜視図である。 図12(a)及び(b)は、押し出し中の栓蓋、及び挿通口近傍の拡大断面図である。 図13(a)及び(b)は、本発明に係る詰替え容器用栓体の別の実施形態を示す図12相当図である。
以下本発明を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。図1には、本発明の詰替え容器の一実施形態が示されている。本実施形態の詰替え容器5は、内部に化粧水、乳液等の内容物を収容しており、被詰替え容器に内容物を詰め替えるための詰替え容器である。
本実施形態の詰替え容器5は、薄肉のボトル形状の容器であり、底部を有する胴部2と、内容物を吐出する詰替え流出口を有する口首部4と、該口首部4と該胴部2との間に位置する肩部3とを具備している。図1に示す詰替え容器5は、胴部2の底部を水平面に接地して自立させた自立状態となっている。斯かる状態において、口首部4は鉛直方向の上方に位置しており、胴部2の底部と対向配置されている。口首部4は、内容物を外部に流出する際の流路を内部に有する筒状の部分であり、中心軸方向の両端に開口を有している。口首部4において、その中心軸方向における一方の開口が、内容物を外部に流出させる詰替え流出口となっている。口首部4の内部は、該口首部4の他方の開口を介して肩部3の内部と連通している。図1に示すように詰替え容器5を自立させた自立状態において、肩部3は、鉛直方向の上方側の中央が開口しており、該開口の周縁から水平方向に拡がりつつ下降する円錐台状の形状を有している。また、当該自立状態において、胴部2は、肩部3の下端周縁全域から下方に垂下した円筒状の周壁部と、該周壁部の下端に位置する底部とを有している。詰替え容器5は、肩部3及び胴部2によって画成された内部空間を有し、該内部空間に化粧水、乳液等の内容物が収容される。
本実施形態の詰替え容器5は、その中心軸方向が、該容器5から内容物を外部へ流出させるときの内容物の流出方向Vと一致している。図1に示す自立状態では、鉛直方向Zと詰替え容器5における内容物の流出方向Vとが一致している。本明細書において内容物の流出方向Vを、以下、単に「流出方向V」ともいう。この流出方向Vの外側を「先端側」ともいい、流出方向Vの内側を「末端側」ともいう。
本実施形態の詰替え容器5は、口首部4における詰替え流出口を覆って取り付けられる詰替え容器用栓体1(以下、単に「栓体1」ともいう。)を具備している。本実施形態の栓体1は、口首部4の詰替え流出口を封止した状態で、該口首部4に固定されており、詰替え操作を行う際に、詰替え容器5の口首部4(以下、「詰替え口首部4」ともいう)と、被詰替え容器6の口首部7(以下、「被詰替え口首部7」ともいう)とを結合することで、詰替え流出口を被詰替え口首部7に連通させる機能を備えている。斯かる詰替え操作の詳細は後述する。
栓体1は、図2に示すように、詰替え口首部4における詰替え流出口の開口周縁部分4aに接合固定される栓本体10と、該栓本体10に着脱可能に装着される栓蓋20とからなる。栓体1は、栓本体10に栓蓋20が装着された状態で、詰替え口首部4に取り付けられている。以下、「詰替え口首部4における詰替え流出口の開口周縁部分」を「流出口周縁部分4a」ともいう。
栓蓋20は、図4に示すように、閉塞板部23と、該閉塞板部23の周縁部分から流出方向Vの外側に突出する筒状の装着壁面部27と、該閉塞板部23の周縁部分から流出方向Vの外側に立設する押込み凸部26とを備えている。本実施形態の栓蓋20は、閉塞板部23の周縁部分に装着壁面部27が形成されているため、押込み凸部26は、装着壁面部27から流出方向Vの外側に向かって突出している(図2参照)。この押込み凸部26は、装着壁面部27に立設された柱状の部分をなしている。装着壁面部27は、閉塞板部23と同じ外径を有している。
栓蓋20は、少なくとも2箇所の押込み凸部26を備えている。本実施形態の栓蓋20は、図4に示すように、4個の押込み凸部26a,26bを有している。
栓蓋20が備える押込み凸部26の個数は少なくとも2個であるが、2個以上であれば特に限定されず、本実施形態のように4個でもよい。
図5には、本実施形態の押込み凸部26の流出方向Vに沿う断面が示されている。図5に示す断面構造は、後述する開口部以外、上述した4個の押込み凸部で共通している。
本実施形態の各押込み凸部26は、先端部分を形成する先端縮径部61と、装着壁面部27側の基端部分を形成する基端大径部63と、流出方向Vにおける先端縮径部61と基端大径部63との間に位置する中間中径部62とを有している。押込み凸部26において、先端縮径部61が最小外径となっており、基端大径部63が最大外径となっている。中間中径部62の外径は、先端縮径部61の外径よりも大きく、基端大径部63の外径よりも小さい。すなわち、本実施形態の押込み凸部26を流出方向Vに沿ってみたとき、基端側から先端側に向かって、段階的に外径が小さくなっている。
本実施形態の装着壁面部27は、流出方向V内方側の外面に、すなわち押込み凸部26とは離れた側(反対側)の外周面に、径方向外方に膨出する壁面膨出部27aを有している(図5参照)。壁面膨出部27aは、図6に示すように、装着壁面部27の外周面に沿って環状に形成されている。
また本実施形態の装着壁面部27は、流出方向V内側に開口した環状の壁面内凹部28を有している(図5及び図6参照)。斯かる装着壁面部27は、流出方向V内方側の部分が該壁面内凹部28を間に挟む二重構造となっている。斯かる構成により、後述する詰替え操作において栓蓋20を押し出すとき、装着壁面部27における壁面内凹部28の外側部分が径方向内方に撓り易くなり、栓蓋20の押し出し操作をより容易にする。
壁面内凹部28は、壁面膨出部27aと流出方向Vに重なっている。これにより、後述する装着壁面部27と装着筒15の内周面との密着をより容易に解除できる。
本実施形態の栓蓋20は、閉塞板部23の流出方向V内方側の面に、当該面を径方向に横断するリブ24を有している。閉塞板部23の流出方向V内方側の面は、押込み凸部26が立設する側とは反対側の面であり、閉塞板部23の底面を形成している。リブ24は、閉塞板部23の底面から流出方向V内方側に突出しており、閉塞板部23の中央部分を通って、該リブ24の両端が該閉塞板部23の底面の周縁(輪郭)に至る直線状の形状を有している(図6参照)。後述する詰替え操作により、栓本体10から脱離した栓蓋20が底面を向けた状態で流出開口11aを覆ってしまった場合でも、リブ24があることで、流出開口11aと栓蓋20との間に隙間が生じるので、該隙間を介した内容物の詰替えが可能となる。
本実施形態の栓蓋20は、閉塞板部23の流出方向V外方側の面(以下、「上面」ともいう。)、すなわち押込み凸部26が立設された側の面に、内側筒状凸部21と外側筒状凸部22とを有している(図2~図4参照)。これら筒状凸部21,22は、閉塞板部23の上面から流出方向V外方側に突出しており、装着壁面部27と同心状に配置されて設けられている。本実施形態の閉塞板部23において、外側筒状凸部22が内側筒状凸部21を囲繞し、装着壁面部27が外側筒状凸部22を囲繞している。内側筒状凸部21と外側筒状凸部22とは、略同じ突出長さであり、装着壁面部27よりも突出長さが短い。
斯かる形態に代えて、栓蓋20は、閉塞板部23の上面に凸部を有さず、該上面が平坦なものであってもよい。
栓本体10に栓蓋20が装着された状態において、内側筒状凸部21及び外側筒状凸部22は、流出筒11よりも栓本体10の径方向内方側に配される(図2及び図3参照)。
後述する詰替え操作により、栓本体10から脱離した栓蓋20が底面を向けた状態で流出開口11aを覆ってしまった場合でも、閉塞板部23の上面で筒状凸部21,22が干渉することで該上面上に内容物が滞留し難く、また滞留したとしてもこれら筒状凸部21,22内に内容物が溜まる。これにより、栓体1を介した詰替え口首部4と被詰替え口首部7との結合を解除したときに、該詰替え口首部4から栓蓋20に残った内容物がこぼれ落ちることを抑制できる。
栓本体10は、図3、図7及び図8に示すように、天面盤12と、該天面盤12に開口形成された流出開口11aとを備えている。栓本体10は、流出開口11aを囲んで天面盤12から流出方向V外側に突出する流出筒11と、該流出筒11と同心状に配置されるとともに該流出筒11を囲んで天面盤12から流出方向V外側に突出する筒状外壁13とを備えている。換言すると、流出筒11は流出開口11aの周縁を囲むように形成されており、筒状外壁13は流出筒11を囲繞している。
流出筒11と筒状外壁13とは、流出方向Vの内側の端部が天面盤12に連設されており、該天面盤12は流出筒11と筒状外壁13との間に位置している。
筒状外壁13は、被詰替え口首部7の外径に対応する内径を備えている。この筒状外壁13に関し「被詰替え口首部7の外径に対応する内径」とは、筒状外壁13の内径が、被詰替え口首部7の外径と略同様であることを意味する(図11参照)。本実施形態の筒状外壁13の内周面には、被詰替え口首部7と螺合するための雌ネジ凸条13aが形成されている。本実施形態においては、栓体1の筒状外壁13と被詰替え口首部7とが螺合することにより、栓体1を介して詰替え口首部4と被詰替え口首部7とが着脱自在に結合可能である。
栓本体10は、図3、図7及び図8に示すように、流出筒11と筒状外壁13との間隔部分において天面盤12に開口形成された挿通口16を備えている。栓本体10は少なくとも2箇所の挿通口16を備えている。挿通口16は、栓蓋20の押込み凸部26が挿入される部分であり(図3参照)、天面盤12を貫通する貫通口である。
栓本体10は、図8~図10に示すように、流出筒11と同心状に配置されるとともに流出開口11aを囲んで天面盤12から流出方向V内側に突出する装着筒15を備えている。
本実施形態の栓本体10は、図8~図10に示すように、天面盤12から流出方向V内側に突出する挿通仕切り壁18を有している。挿通仕切り壁18は、挿通口16の周縁部の一部が流出方向V内側に向かって突出した柱状の部分である(図9及び図10参照)。装着筒15は、挿通仕切り壁18よりも流出方向Vの内側に突出している。
装着筒15は、挿通口16よりも径方向外方に形成されている。本実施形態の挿通口16は挿通仕切り壁18と装着筒15との間に位置している。
本実施形態の栓本体10は、装着筒15を囲んで天面盤12の周縁部から流出方向V内側に突出する外側装着筒14を備えている。装着筒15と該装着筒15を囲繞する外側装着筒14とは連設されており、装着筒15から径方向内方に向かって天面盤12が張り出した状態で連設されている。外側装着筒14は、内周面に径方向内方に突出する内方リブ14aを有している(図8参照)。内方リブ14aは、外側装着筒14の内周面に沿って環状に形成されている。
本実施形態の栓本体10は、流出方向V内側において、装着筒15及び外側装着筒14間に空間を有している。本実施形態の栓本体10は、装着筒15と外側装着筒14との間に、詰替え口首部4の流出口周縁部分4aを挿し込んだ状態で、該栓本体10を該流出口周縁部分4aに打ち込むことで、栓本体10と流出口周縁部分4aとを嵌合させる。これにより、栓本体10(栓体1)が詰替え口首部4に装着固定される。本実施形態の流出口周縁部分4aの外周面には、径方向外方に突出するリブ(図示せず)が形成されている。このリブが外側装着筒14の内方リブ14aと係合することで、栓本体10が詰替え口首部4に装着固定される(図2参照)。
栓体1の詰替え口首部4への装着固定は、嵌合形式に代えて、螺合形式であってもよい。
以下、天面盤12の流出筒11及び筒状外壁13が突出する側の面を「流出側面」ともいう。本実施形態の天面盤12は、図2及び図8に示すように、流出側面が平坦となっている。
栓本体10において天面盤12の流出側面には、圧縮シール材19が配設されている。圧縮シール材19は挿通口16の外側の周縁部分に沿って配されている(図7及び図8参照)。本実施形態の挿通口16の外側の周縁部分は円弧状となっており、圧縮シール材19がその円弧部分に沿っている。圧縮シール材19は、挿通口16の径方向外方に位置し、該挿通口16の外側の周縁部分に沿って且つ隣接して配されている。この圧縮シール材19の挿通口16側の面は、該挿通口16の外側の内周面と略連続している。
本実施形態の圧縮シール材19は、接着剤等の公知の接合手段によって、天面盤12の流出側面に固定されている。
圧縮シール材19は、流出方向Vに押潰し変形可能である。斯かる圧縮シール材19の形成材料としては、押し潰し変形可能なものを特に制限なく用いることができ、例えばゴム製品やエラストマー製品等の弾性変形可能な弾性体、発泡体等が挙げられる。
弾性体としては、天然ゴム、合成ゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム、ウレタンゴム及びニトリルゴム等のゴム状物質を原料としたゴム製メッシュ、各種のゴムシート、及び発泡ゴム(ゴムスポンジ)等が挙げられる。
発泡体としては、ポリエチレン、ポリウレタン、湿式ウレタン、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体(NBR)、スチレン・ブタジエン共重合体(SBR)、天然ゴム(NR)、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)、メラミンフォーム、ポリビニルアルコール(PVA)、セルロース等を原料として含むものが挙げられる。
また、圧縮シール材19の形成材料は、天面盤12と同じ形成材料であってもよい。
図2及び図3に示すように、栓体1では、押込み凸部26の先端部分を、流出筒11と筒状外壁13との間隔部分において挿通口16を介して天面盤12から流出方向V外側に突出させた状態で、栓蓋20が栓本体10に装着されている。栓蓋20において押込み凸部26は、栓本体10の挿通口16と対応する部分から立設している。すなわち、挿通口16と対応する部分に位置する押込み凸部26を、該挿通口16に挿入することで、栓蓋20を栓本体10に装着させる。
本実施形態の押込み凸部26は、栓蓋20が栓本体10に装着された状態において、先端部分をなす先端縮径部61が挿通口16よりも流出方向V外方に位置し、挿通口16に中間中径部62が挿入されている〔図12(a)参照〕。また、基端大径部63は、天面盤12の流出方向V内方側の面と当接している(図示せず)。これにより、押込み凸部26が流出方向V外方側にこれ以上挿入されないように規制されている。斯かる押込み凸部26の流出方向V外方側への挿入は、挿通仕切り壁18と閉塞板部23との当接等、他の部分によって規制されていてもよい。
中間中径部62の水平断面形状が挿通口16の平面視形状と略一致している。また中間中径部62の水平断面の大きさと挿通口16の大きさとが略一致している。これにより、栓蓋20が栓本体10に装着された状態において挿通口16は中間中径部62によって閉塞される。
栓蓋20が栓本体10に装着された状態は、押込み凸部26が挿通口16に挿入され、挿通口16が閉塞された状態である。斯かる状態を以下、単に「装着状態」ともいう。
装着状態において押込み凸部26は、該押込み凸部26の先端部分を、天面盤12から挿通口16を介して流出方向V外側に突出させている。
装着状態において栓蓋20は、栓本体10の天面盤12に開口形成された流出開口11aを流出方向V内側から閉塞するとともに、押込み凸部26を挿入することによって挿通口16を流出方向V内側から閉塞する。
閉塞板部23は、装着筒15の中空断面形状と同様の平面形状を有している。これら構成を具備する栓蓋20の装着状態において、天面盤12の流出開口11aを含む装着筒15の内部は、閉塞板部23によって閉塞されるとともに、装着壁面部27と装着筒15との密着によって液密に密閉される。具体的には、装着状態において栓蓋20の装着壁面部27は、その外周面が装着筒15の内周面に密着する。本実施形態の装着壁面部27は、外周面に壁面膨出部27aが形成されているので、該壁面膨出部27aが装着筒15の内周面に圧着された状態となる(図11参照)。「圧着された状態」とは、壁面膨出部27aが、装着筒15の内周面に向かって押し付けられている状態を意味する。これにより、詰替え口首部4を鉛直方向の下方に向けて詰替え容器5を倒立状態にしても、該詰替え容器5からの内容物の漏出を防止できる。
図11を参照しながら、本実施形態の詰替え容器5を用いた詰替え操作を説明する。内容物が充填される被詰替え容器6は、内容物の収容空間と連通する開口を有した被詰替え口首部7を具備している。斯かる口首部7も、内容物が充填される流路を内部に有する筒状の部分である。本実施形態において被詰替え容器6は、詰替え容器5と同様にボトル形状の容器であり、被詰替え口首部7とともに、内容物の収容空間を形成する肩部及び胴部を具備している。被詰替え口首部7の外周面には雄ネジ凸条(図示せず)が形成されている。
詰替え操作では、図11に示すように、詰替え口首部4を鉛直方向Zの下方に向けて、詰替え容器5を倒立状態にする。他方、被詰替え容器6は、被詰替え口首部7を鉛直方向Zの上方に向けた自立状態にする。次いで、栓体1と被詰替え口首部7とを螺合し、詰替え口首部4と被詰替え口首部7とを結合する。具体的には、前述した筒状外壁13の内周面に形成された雌ネジ凸条13aと被詰替え口首部7の外周面に形成された雄ネジ凸条とを螺合していく。この螺合の操作では、被詰替え口首部7を、栓本体10の流出筒11と筒状外壁13との間隔部分に挿し込んで、詰替え容器5を中心軸周りに回転させながら、鉛直方向Zの上方(流出方向Vの内側)に向かって被詰替え口首部7を押し込んでいく。これにより、被詰替え口首部7の天面部によって押込み凸部26が鉛直方向Zの上方(流出方向Vの内側)に押し出されていく。これに伴い、閉塞板部23も、鉛直方向Zの上方(流出方向Vの内側)に押し出されるので、閉塞板部23による閉塞が解除されて、流出開口11aを含む装着筒15の内部と、詰替え容器5における内容物の収容空間とが連通する。その結果、詰替え容器5に収容された内容物が、流出筒11を介して被詰替え容器6に流出し、該被詰替え容器6に内容物を充填することができる。
そして、鉛直方向Zの上方(流出方向Vの内側)に被詰替え口首部7をさらに押し込んでいき、被詰替え口首部7の天面部が天面盤12に達すると、押込み凸部26が挿通口16から完全に押し出されて、栓蓋20が栓本体10から脱離するとともに、該押込み凸部26による挿通口16の閉鎖が解除される(図示せず)。
本実施形態の詰替え容器5による詰替え操作は、栓体1を介して詰替え口首部4と被詰替え口首部7とを結合する簡便な操作により、詰替え操作を行うことができる。斯かる操作においては、前述したように被詰替え口首部7を筒状外壁13の内周面に沿って流出方向Vの内側に押し込んでいく。この際、筒状外壁13は被詰替え口首部7の外径に対応する内径を備えるので、筒状外壁13に被詰替え口首部7を密着させながら、詰替え口首部4と被詰替え口首部7とを結合できる。これにより、栓蓋20による流出開口11aの閉塞が解除されても、該筒状外壁13によって内容物の外部への漏出を効果的に抑制できる。
前記の詰替え操作において、流出筒11と筒状外壁13との間隔部分に被詰替え口首部7を押し込んでいくと、該被詰替え口首部7の先端部が、該間隔部分に配設された圧縮シール材19に到達し、これにより該圧縮シール材19も押し込まれる〔図12(a)及び(b)参照〕。押し込まれた圧縮シール材19は流出方向V内方に向かって押し潰されるとともに、被詰替え口首部7の先端部によって押込み凸部26も挿通口16から押し出される。すなわち圧縮シール材19を押し潰しながら、被詰替え口首部7を押し込むので、被詰替え口首部7の先端部と圧縮シール材19とが密着した状態で、該押込み凸部26を挿通口16から脱離させることができる。これにより、圧縮シール材19によって、押込み凸部26と挿通口16との間に隙間が生じることが抑制されるので、液密に密閉を保持しつつ、詰替え容器5を開封することができる。すなわち、内容物の漏れ防止性が奏される。
本実施形態の圧縮シール材19は、弾性体を形成材料とするパッキン材であり、栓本体10とは別体の部材となっている。斯かる構成により、内容物の漏れ防止性をより向上できる。また、内容物の粘性又は浸透性に応じた、圧縮シール材19の材質変更を容易に行うことができる。
圧縮シール材19は、挿通口16の外側の周縁部分に沿って配設されていればよく、該周縁部分にのみ配設されていてもよい。前述の詰替え操作において、被詰替え口首部7の先端部による押込み凸部26の押し出しをより容易に行い、栓蓋20の開封性をより向上させる観点から、圧縮シール材19は、挿通口16の外側の周縁部分に沿った円弧部分を含む円環形状に配置されて連続して設けられていることが好ましい(図7参照)。
本実施形態の圧縮シール材19は、筒状外壁13と挿通口16との間に位置し、全ての挿通口16を囲むように天面盤12の全周に連続した円環形状である。換言すると、流出筒11と筒状外壁13との間隔部分によって画成される円を仮定したとき、圧縮シール材19は該円の全周に連続している。これにより、詰替え操作において被詰替え口首部7の先端部と、圧縮シール材19とがより当接し易くなり、押込み凸部26の押し出しがより容易となる。
圧縮シール材19をより確実に押し潰す観点、及び漏れ防止性をより向上させる観点から、圧縮シール材19の潰れ量は、好ましくは0.2mm以上2mm以下、より好ましくは0.4mm以上0.8mm以下である。
圧縮シール材19の潰れ量は、圧縮前の圧縮シール材19の厚みと、圧縮後の圧縮シール材19の厚みとの差である。「圧縮後の圧縮シール材19の厚み」は、詰替え操作において被詰替え口首部7による押出しによって押込み凸部26が挿通口16から押し出されたときの、被詰替え口首部7と天面盤12との間の隙間と同じである。
内容物の漏れ防止性と開封性とをより両立させる観点から、流出方向Vにおける圧縮シール材19の長さ、すなわち圧縮シール材19の厚みは、好ましくは0.3mm以上2.5mm以下、より好ましくは1.0mm以上1.5mm以下である。
装着状態では装着筒15の内周面に対し装着壁面部27の外周面が密着した状態となっているが、詰替え操作において栓蓋20の押し出しが進むと、斯かる密着状態が解放される。本実施形態の装着壁面部27は、栓蓋20の押し出しにより壁面膨出部27aが装着筒15の先端よりも流出方向V内方に移動すると〔図12(b)参照〕、該壁面膨出部27aと装着筒15の内周面との密着状態が解放されて、流出筒11と装着筒15との間に内容物が流出する。
栓蓋20の押し出しがさらに進むと、挿通口16から押込み凸部26との密着状態が解放される。本実施形態では中間中径部62が挿通口16から押し出された際に、先端縮径部61が挿通口16に挿入された状態となる。
栓蓋20の開封性をより向上させる観点から、先端縮径部61は、挿通口16と押込み凸部26の先端部分(先端縮径部61)との間に隙間を生じさせるものであることが好ましい。これにより、挿通口16と押し出し凸部26との密着状態が解放された後に、挿通口16から押し出し凸部26を脱離し易くなる。斯かる効果及び内容物の漏れ防止性をより確実に奏させる観点から、挿通口16と先端縮径部61との間の隙間は、好ましくは1.0mm以上3.0mm以下、より好ましくは1.0mm以上2.0mm以下である。流出方向Vに沿ってみたとき、前記の隙間が異なる場合は、該隙間の最大値が前述の好ましい範囲内であればよい。
本実施形態の栓体1では、先端縮径部61が挿通口16に挿入された状態において、先端縮径部61の外側外周面と、挿通口16の外側内周面との間に隙間が生じる〔図12(b)参照〕。これにより、挿通口16からの先端縮径部61の押し出しがより容易となる。
内容物が外部へ漏れることをより抑制する観点から、中間中径部62と挿通口16の外側内周面とが密着する密着代は、好ましくは0mm超0.2mm以下、より好ましくは0.01mm以上0.15mmである。斯かる密着代は、中間中径部62と、挿通口16の外側内周面とが密着する部分の流出方向Vにおける長さである。
押込み凸部26が挿通口16から完全に押し出されると、挿通口16においても詰替え容器5と被詰替え容器6とが連通するが、該挿通口16では、詰替え容器5と被詰替え容器6との間の空気置換が行われ、流出開口11aが主たる流出口として機能する。すなわち空気置換が挿通口16を介して行われるので、流出開口11aを介した空気置換が抑制される。これにより、流出開口11aを介した内容物の流出が抑制されないので、効率的に内容物の詰替え(充填)を行うことができる。
また、本実施形態の詰替え容器5は、外部との空気置換をせず、栓体1の挿通口16を介して被詰替え容器6との間で空気置換を行うので、外部への内容物の漏出が効果的に抑制される。斯かる容器5,6間の空気置換に加え、栓本体10と被詰替え容器6とが液密に結合されているので、仮に、結合後の倒立状態の詰替え容器5及び自立状態の被詰替え容器6が倒れても、栓体1を介した詰替え口首部4と被詰替え口首部7との結合が維持されている限りは内容物の外部への漏出を抑制できるので、内容物を安定して充填できる。
本実施形態の栓本体10では、挿通仕切り壁18が、挿通口16の周縁部の一部を形成しており、流出方向V内側に向かって突出している(図9及び図10参照)。より詳細には、挿通口16の内周面の一部は、挿通仕切り壁18を介して栓本体10の流出開口11aよりも流出方向V内側に延在している。本実施形態の挿通口16は、その内側内周面が、挿通仕切り壁18を介して流出方向V内側に延在している。この挿通仕切り壁18により、挿通口16を介した内容物の流通よりも、該挿通口16を介した空気置換が容易となって、該内容物の詰替え充填をより効率的に行うことができる。
本実施形態の挿通仕切り壁18は、挿通口16の周縁における流出開口11a側の部分に沿って、流出方向V内側に向かって突出している。この挿通仕切り壁18は、栓本体10の径方向において流出開口11aと挿通口16との間に位置している。
本実施形態の挿通仕切り壁18は、栓本体10に栓蓋20が装着された状態において、栓蓋20の閉塞板部23に当接するが、該挿通仕切り壁18は閉塞板部23に当接していなくともよい。閉塞板部23の上面に筒状凸部21,22が立設されている場合、栓蓋20の押し出しを容易にする観点から、前記装着された状態において挿通仕切り壁18と当接しない位置に、筒状凸部21,22が立設されていることが好ましい。具体的には、筒状凸部21,22は、栓本体10に栓蓋20が装着された状態において、流出筒11よりも径方向内方の位置に立設されていることが好ましい。
栓本体10は、天面盤12の径方向に対向する位置に形成された一対の挿通口16を備えていることが好ましい。これにより、栓蓋20の押し出しをバランスよく行い、栓蓋20の開封性をより向上できる。
本実施形態の栓本体10は、天面盤12の径方向に対向する一対の挿通口16を2組備えており、合計4箇所の挿通口16を備えている。栓本体10に栓蓋20が装着された状態においてこれら挿通口16に前述の4個の押込み凸部26が挿入される(図3参照)。
本実施形態の栓蓋20は、同じ形状を有し且つ該栓蓋20の径方向に対向する一対の押込み凸部を2組有している。一方の一対の押込み凸部26a,26aと、他方の一対の押込み凸部26b,26bとは、形状が一部異なっている。具体的には、一方の一対の押込み凸部26a,26aは、先端部分に開口部を有しており、他方の一対の押込み凸部26b,26bは、先端部分に開口部を有していない(図4参照)。このように、本実施形態の栓蓋20は、少なくとも2種の異なる形状の押込み凸部26a,26bを有している。これら一方の一対の押込み凸部26a,26a及び他方の一対の押込み凸部26b,26bは、先端部分における開口部の有無の点以外は、同じ形状を有している。また、これら一方の一対の押込み凸部26a,26a及び他方の一対の押込み凸部26b,26bは、先端部分以外は、同じ大きさを有している。前記の液漏れ防止性と開封操作の容易性とをより両立させる観点、及び押込み凸部26の成形性の観点から、少なくとも2種の異なる形状の押込み凸部26a,26bは、先端部分の形状及び大きさの少なくとも一方が異なっていることが好ましい。
栓蓋20の開封性をより向上させる観点から、同じ形状の一対の押込み凸部26,26が、栓蓋20の径方向に対向していることが好ましい(図4参照)。斯かる構成により、栓蓋20を栓本体10に装着した状態において、挿通口16に押込み凸部26を挿入した状態の液漏れの防止性をより確実に確保できるとともに、詰替え操作において栓本体10から栓蓋20を脱離させる際に押込み凸部26をバランス良く押し込むことができる。
また、径方向に対向した一対の押込み凸部26が複数組あり、複数組間で押込み凸部26の大きさが異なっている場合、大きさが相対的に大きい一対の押込み凸部26が栓蓋20の押し上げに寄与する。一方、大きさが相対的に小さい一対の押込み凸部26が栓蓋20の押し上げを、流出方向Vに対して平行となるように補助することに寄与する。これにより、詰替え操作において内容物の外部への漏れをより効果的に抑制できる。
上述した被詰替え口首部7による栓蓋20の押し出しをバランスよく行って、閉塞板部23による流出開口11aの閉塞をより円滑に解除する観点から、流出筒11と筒状外壁13との間隔部分によって画成される円を仮定したとき、該円の円周を複数に等分する箇所に挿通口16が形成されていることが好ましい。この場合、閉塞板部23の周縁部分における挿通口16に対応する箇所それぞれに、押込み凸部26が形成される。例えば、栓本体10において前記間隔部分によって画成される円の円周を4等分する箇所に挿通口16が形成され、閉塞板部23の周縁部分において、該挿通口16に対応する箇所に押込み凸部26が形成されてもよい。
本実施形態の栓本体10は、前記間隔部分において、径方向に対向する一対の挿通口16が2組形成されており、栓蓋20は、閉塞板部23の周縁部分において、径方向に対向する一対の押込み凸部26が2組立設して設けられている(図3参照)。
栓体1を介した詰替え口首部4と被詰替え口首部7との結合に関し、筒状外壁13と被詰替え口首部7とが嵌合可能であってもよいが、該結合の際に被詰替え口首部7を潰れ難くして内容物の漏れをより抑制する観点、及びより安定して結合操作を行う観点から、筒状外壁13と被詰替え口首部7とは螺合可能であることが好ましい。すなわち、筒状外壁13の内周面に、被詰替え口首部7の外周面に形成された雄ネジ凸条と螺合する、雌ネジ凸条13aが形成されていることが好ましい。斯かる構成は、詰替え操作後に、詰替え容器5と被詰替え容器6との間で空気置換が生じた場合に、詰替え口首部4と被詰替え口首部7との結合を容易に解除できる点で好ましい。また、螺合による結合は、結合後の倒立状態の詰替え容器5及び自立状態の被詰替え容器6が倒れても、これら容器5,6の結合を良好に維持できる上、外部へ内容物が漏れることを効果的に抑制できる。さらに、螺合による回転で被詰替え口首部7を流出方向Vの内側に押し込む方が、嵌合によって被詰替え口首部7を上方に押込むことよりも、小さい力で実行でき且つより安定して押し込めるので、詰替え操作をより容易に行うことができる。
本実施形態では、前記の螺合をより確実にするため、筒状外壁13の内径と、被詰替え口首部7の外径とが略同じである。
装着筒15は、天面盤12側の基端部分が、流出口周縁部分4aの内周面と密着可能な外径を備えていることが好ましい(図2参照)。本実施形態の装着筒15は、流出方向Vの外側から内側に向かうに連れ、外径が漸次小さくなる部分を該装着筒15の突出方向の先端側に有しており、該部分よりも天面盤12側の基端部分の外径が大きくなっている。この基端部分の外径が、流出口周縁部分4aの内径と略同じとなっており、詰替え口首部4に栓本体10を取り付けた状態において該基端部分と該流出口周縁部分4aとが密着している。
装着筒15は、流出方向V全体において流出口周縁部分4aの内周面と密着可能な外径を備えていてもよく、天面盤12側の基端部分のみに流出口周縁部分4aの内周面と密着可能な外径を備えていてもよい。
本実施形態の栓体1は、例えばポリプロピレン、ポリエチレン等の合成樹脂や、ポリ乳酸等のバイオプラスチックを用いた金型成形品であり、好ましくは射出成形方法によって形成されている。斯かる栓体1は、前述したように栓本体10と栓蓋20とからなる2パーツの部品として形成されている。
また、栓蓋20は、内容物(液体)よりも比重の低い材質からなることが好ましい。斯かる構成により、栓蓋20が栓本体10から脱着した後、該栓蓋20が浮力によって内容物中を浮上するので、流出開口11aを介した内容物の流出が阻害されることを効果的に抑制できる。
本発明の栓体1は、図1~図12に示す実施形態に限定されない。以下に、本発明に係る栓体1の別の実施形態について説明する。以下では、別の実施形態について、図1~図12に示す実施形態と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、図1~図12に示す実施形態についての説明が適宜適用される。
図1~図12に示す実施形態では、天面盤12の流出側面が平坦なものであったが、斯かる形態に限定されない。
図13(a)に示す実施形態では、天面盤12の流出側面に切欠き段差部12aが形成されている。切欠き段差部12aは、天面盤12の流出側面に形成された凹部であり、圧縮シール材19と同様に、挿通口の外側の周縁部分に沿って、該周縁部分に隣接して配されている。
本実施形態の切欠き段差部12aは、平面視において、挿通口16の外側の周縁部分に沿う円弧部分を含んでおり、該円弧部分が円環形状に連続したものである。本実施形態の圧縮シール材19は、切欠き段差部12aである凹部に収容された状態で配されている(図8参照)。すなわち、切欠き段差部12aにおいて、圧縮シール材19が、挿通口16の外側の周縁部分に沿って配設されている。これにより、天面盤12への圧縮シール材19の固定をより安定化できる。
圧縮シール材19は、本実施形態の切欠き段差部12aに代えて、天面盤12に形成されたリブ等の突出部分によって、該天面盤12に固定されていてもよい。
図1~図12に示す実施形態では、圧縮シール材19が栓本体10とは別体のパッキン材であったが、圧縮シール材19が栓本体10の一部であってもよい。
図13(b)に示す圧縮シール材19aは、天面盤12の流出側面から一体として突出する線状リブとなっている。斯かる形態の圧縮シール材19aは、挿通口16の外側の周縁部分にのみ配設されていてもよい。この場合、圧縮シール材19aは円弧状の線状リブとなる。内容物の漏れ防止性をより向上させる観点から、挿通口16の外側の周縁部分に沿った円弧部分を含む円環形状に配置されて連続して設けられていることが好ましい。この場合、圧縮シール材19aは円環状の線状リブとなる。
本発明は、上述した実施形態に制限されず適宜変更可能である。また、上述した実施形態を組み合わせてもよい。
例えば、栓体1又はこれを備える詰替え容器5を用いて被詰替え容器6に詰め替えられる内容物は、化粧水や乳液等の液体の内容物であってもよく、粉粒物等の流動性を有するその他の内容物であってもよい。
上述した実施形態の栓体1は、ボトル形状の詰替え容器5の口首部4に取り付けられるものであったが、剛性を有するプラスチック成形容器等からなる種々の詰替え容器の詰替え流出口を覆って取り付けられるものであってもよい。
栓本体10は、挿通仕切り壁18を備えていなくともよい。
栓本体10は、外側装着筒14を備えていなくともよく、シール接合等によって詰替え口首部4の詰替え流出口を覆って詰替え容器5に一体に取り付けられていてもよい。
また、流出筒11や装着筒15は、円形や楕円以外の中空断面形状を有する筒状部分となっていてもよく、栓本体10の流出開口11aや栓蓋20の閉塞板部23は、円形の平面形状を備えていなくてもよい。
栓蓋20の装着壁面部27は、壁面内凹部28を有していなくともよい。
また、栓蓋20の閉塞板部23は、内側筒状凸部21と外側筒状凸部22とを有していなくてもよく、リブ24を有していなくてもよい。
上述した実施形態において閉塞板部23の周縁部分から立設する押込み凸部26は、四角角柱の柱状部分であったが(図4参照)、押込み凸部26は、その他の形状の柱状部分や筒状部分であってもよい。押込み凸部26は、突出方向に向かって先細りしたテーパー形状を有していてもよい。また、押込み凸部26の先端は平坦であってもよく、段差があってもよい。さらに、押込み凸部26は、閉塞板部23に対して垂直に立設していてもよく、該閉塞板部23に対して傾斜した状態で立設していてもよい。
天面盤12の形状は特に限定されず、上述した実施形態のように円形であってもよく、矩形等の任意の形状となっていてよい。
各押込み凸部26は、突出長さが同じであってもよく、異なっていてもよい。例えば一部の押込み凸部26の突出長さが、挿通口16の厚みよりも短く、残りの押込み凸部26の突出長さが挿通口16の厚みよりも長くてもよい。この場合、詰替え操作において、突出長さの短い押込み凸部26が挿通口16から完全に押し出されても、突出長さの長い押込み凸部26は挿通口16に挿入された状態が維持されるので、突出長さが短い押込み凸部26に対応する挿通口16を介して空気置換が容易になされる。
1 栓体
2 胴部
3 肩部
4 詰替え口首部
4a 流出口周縁部分
5 詰替え容器
6 被詰替え容器
7 被詰替え口首部
10 栓本体
11 流出筒
11a 流出開口
12 天面盤
13 筒状外壁
13a 雌ネジ凸条
14 外側装着筒
15 装着筒
16 挿通口
18 挿通仕切り壁
19,19a 圧縮シール材
20 栓蓋
21 内側筒状凸部
22 外側筒状凸部
23 閉塞板部
24 リブ
26 押込み凸部
27 装着壁面部
27a 壁面膨出部
61 先端縮径部
62 中間中径部
63 基端大径部
V 流出方向
Z 鉛直方向

Claims (12)

  1. 口首部を備える被詰替え容器に内容物を詰め替えるための、詰替え容器の詰替え流出口を覆って取り付けられる詰替え容器用栓体であって、
    前記詰替え流出口の開口周縁部分に接合固定される栓本体と、該栓本体の天面盤に開口形成された流出開口を流出方向内側から閉塞して、栓本体に着脱可能に装着される栓蓋とからなり、
    前記栓本体は、前記流出開口を囲んで前記天面盤から流出方向外側に突出する流出筒と、該流出筒と同心状に配置されるとともに該流出筒を囲んで前記天面盤から流出方向外側に突出する、前記被詰替え容器の口首部の外径に対応する内径を備える筒状外壁と、前記流出筒と同心状に配置されるとともに前記流出開口を囲んで前記天面盤から流出方向内側に突出する装着筒とを備えており、
    前記栓本体は、前記流出筒と前記筒状外壁との間隔部分において前記天面盤に開口形成された少なくとも2箇所の挿通口を備えており、
    前記栓蓋は、外周面が前記装着筒の内周面に密着する装着壁面部と、前記装着筒の中空断面形状と同様の平面形状を有する閉塞板部と、該閉塞板部の周縁部分における前記栓本体の前記挿通口と対応する部分から立設する、少なくとも2箇所の押込み凸部とを備えており、
    前記天面盤の前記流出筒及び前記筒状外壁が突出する側の面における、前記挿通口の外側の周縁部分に沿って、前記流出筒と前記筒状外壁との間隔部分に押し込まれる前記被詰替え容器の口首部の先端部によって押潰し変形可能な、圧縮シール材が配設されており、
    前記栓蓋は、前記押込み凸部の先端部分を、前記流出筒と前記筒状外壁との間隔部分において前記挿通口を介して前記天面盤から流出方向外側に突出させた状態で、前記栓本体に装着されている、詰替え容器用栓体。
  2. 前記圧縮シール材は、前記挿通口の外側の周縁部分に沿って、前記天面盤の前記流出筒及び前記筒状外壁が突出する側の面に配設された、パッキン材によるものとなっている、請求項1に記載の詰替え容器用栓体。
  3. 前記圧縮シール材は、前記挿通口の外側の周縁部分に沿って、前記天面盤の前記流出筒及び前記筒状外壁が突出する側の面から一体として突出する、線状リブによるものとなっている、請求項1に記載の詰替え容器用栓体。
  4. 前記圧縮シール材は、前記挿通口の外側の周縁部分に沿った円弧部分を含む円環形状に配置されて連続して設けられている、請求項1~3のいずれか1項に記載の詰替え容器用栓体。
  5. 前記天面盤の前記流出筒及び前記筒状外壁が突出する側の面には、前記挿通口の外側の周縁部分に沿った円弧部分を含む円環形状に連続して、切欠き段差部が形成されており、該切欠き段差部において、前記圧縮シール材が、前記挿通口の外側の周縁部分に沿って配設されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の詰替え容器用栓体。
  6. 前記栓本体に装着された前記栓蓋の各々の前記押込み凸部は、先端部分に、前記挿通口との間に隙間を生じさせる先端縮径部を備えている、請求項1~5のいずれか1項に記載の詰替え容器用栓体。
  7. 前記栓本体は、前記天面盤の径方向に対向する位置に形成された一対の前記挿通口を備えている、請求項1又は2記載の詰替え容器用栓体。
  8. 前記栓蓋は、少なくとも2種の異なる形状の前記押込み凸部を有している、請求項1~3のいずれか1項に記載の詰替え容器用栓体。
  9. 前記筒状外壁の内周面に、前記被詰替え容器の口首部の外周面に形成された雄ネジ凸条と螺合する、雌ネジ凸条が形成されている、請求項1~8のいずれか1項に記載の詰替え容器用栓体。
  10. 前記装着筒は、前記天面盤側の基端部分が、前記詰替え流出口の開口周縁部分の内周面と密着可能な外径を備えている、請求項1~9のいずれか1項に記載の詰替え容器用栓体。
  11. 前記挿通口は、挿通仕切り壁を介して前記流出開口よりも流出方向内側に延在している、請求項1~10のいずれか1項に記載の詰替え容器用栓体。
  12. 口首部を備える被詰替え容器に内容物を詰め替えるための詰替え容器であって、
    前記詰替え容器は、詰替え流出口を覆って取り付けられる詰替え容器用栓体を具備しており、
    前記詰替え容器用栓体は、前記詰替え流出口の開口周縁部分に接合固定される栓本体と、該栓本体の天面盤に開口形成された流出開口を流出方向内側から閉塞して、栓本体に着脱可能に装着される栓蓋とからなり、
    前記栓本体は、前記流出開口を囲んで前記天面盤から流出方向外側に突出する流出筒と、該流出筒と同心状に配置されるとともに該流出筒を囲んで前記天面盤から流出方向外側に突出する、前記被詰替え容器の口首部の外径に対応する内径を備える筒状外壁と、前記流出筒と同心状に配置されるとともに前記流出開口を囲んで前記天面盤から流出方向内側に突出する装着筒とを備えており、
    前記栓本体は、前記流出筒と前記筒状外壁との間隔部分において前記天面盤に開口形成された少なくとも2箇所の挿通口を備えており、
    前記栓蓋は、外周面が前記装着筒の内周面に密着する装着壁面部と、前記装着筒の中空断面形状と同様の平面形状を有する閉塞板部と、該閉塞板部の周縁部分における前記栓本体の前記挿通口と対応する部分から立設する、少なくとも2箇所の押込み凸部とを備えており、
    前記天面盤の前記流出筒及び前記筒状外壁が突出する側の面における、前記挿通口の外側の周縁部分に沿って、前記流出筒と前記筒状外壁との間隔部分に押し込まれる前記被詰替え容器の口首部の先端部によって押潰し変形可能な、圧縮シール材が配設されており、
    前記栓蓋は、前記押込み凸部の先端部分を、前記流出筒と前記筒状外壁との間隔部分において前記挿通口を介して前記天面盤から流出方向外側に突出させた状態で、前記栓本体に装着されている、詰替え容器。
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