JP2024149435A - 抽出方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 抽出方法を提供することを課題とする。【解決手段】 本発明の目的は、液体状の末垂れをカラムに入れ、冷却温度で冷却して、固体状の後留液及び液体抽出物を形成する工程Aと、前記カラムの底部から前記液体抽出物を取り出す工程Bとを含む抽出方法を提供することである。本発明の効果として、本発明の抽出方法を用いることにより、末垂れからアルコール濃度の高いアルコール溶液を効果的に抽出することができ、保存上有利となり得、特に末垂れを固体状の蒸留酒の場合、本発明の抽出方法で抽出されたアルコール溶液も固体状の蒸留酒の風味を保ち、またアルコール濃度の低い残りの後留液は調合への応用又は発酵水として使用することができることで、末垂れの再利用をアップし、資源の無駄を削減する。【選択図】図1
Description
本発明は、固体状の蒸留酒を抽出するための抽出方法に関するが、これに限定されない。
固体状の蒸留酒、例えば米酒、焼酎、コーリャン酒、茅台酒、大麹酒、汾酒等は、酒中に豊富な高沸点物質が含まれ、低沸点物質と理想的な有機結合を形成できるという特徴があり、製造方法は通常、微生物発酵によって相当のアルコール分を有する固体発酵醪を生成し、さらに固体蒸留法により蒸留酒の原液を得、前記蒸留酒の原液のアルコール分は、製造される酒の種類、原料、及び製品の仕様によって異なる。
固体発酵蒸留法は、手作業で発酵した発酵醪を甑内に入れ、蒸気が甑の底から発酵醪を加熱した時、下段の発酵醪が急速に昇温し、前記発酵醪段内の水分、アルコール等の混合液が気化して蒸気となり、前記蒸気が中段の発酵醪内の細孔経路からゆっくりと上昇し、温度の低い上段の発酵醪の混合液をさらに昇温・気化させ、中段の発酵醪(種醪段とも呼ばれる)自体の抵抗と温度差により、下段の発酵醪内の揮発性物質は絶え間なく気化・凝縮・還流を繰り返し、下段の発酵醪内の揮発性物質は段ごとに薄くなり、上段の発酵醪内の揮発性物質は段ごとに薄くなることで、アルコール蒸気が発酵醪段から抜け、凝縮器に入って冷却された後、蒸留酒の原液を形成する。
一般的に酒造りの原料は、アルコール濃度が高すぎる初垂れ及びアルコール濃度が低すぎる末垂れを取り除いた固体状の蒸留酒の原液であるが、さらに蒸留酒の原液を処理する従来方法において、取り除かれた初垂れは別に貯蔵され、末垂れは蒸留機の下釜に入れられ、次のバッチの酒醪を蒸留し続ける。
しかし本発明者は、現在多くの酒造所の設備の固体蒸留甑に下釜を設けず、末垂れを処理する際液体蒸留機を使用するが、液体蒸留機で蒸留されたアルコール溶液はほぼ固体状の蒸留酒の風味がなく、次のバッチの酒醪の蒸留に使用されることができず、末垂れのアルコール濃度は低く、腐敗や変質しやすく、体積が大きいため、保管に不便であることを発見した。したがって、上記問題点を解決するため、本発明は、固体蒸留の末垂れからアルコール濃度の高い固体状の蒸留酒を効果的に抽出することができる抽出方法を提供する。
本発明の目的は、液体状の末垂れをカラムに入れ、冷却温度で冷却して、固体状の後留液及び液体抽出物を形成する工程Aと、前記カラムの底部から前記液体抽出物を取り出す工程Bとを含む抽出方法を提供することである。
好ましい実施形態において、工程Bの後に前記固体状の後留液を液体状の後留液に溶解させ、前記カラムの底部から前記液体状の後留液を取り出す工程Cをさらに含む。
好ましい実施形態において、前記液体状の後留液は、酸類化合物及びエステル化合物を含有する。
好ましい実施形態において、前記液体状の末垂れは、固体状の蒸留酒である。
好ましい実施形態において、前記冷却温度は、-35℃未満である。
好ましい実施形態において、前記冷却温度は、-40℃である。
好ましい実施形態において、前記カラムは、温度制御ユニットを備える。
好ましい実施形態において、前記温度制御ユニットは、凍結媒体を備える。
好ましい実施形態において、前記カラム内には、前記液体状の末垂れを収容するように構成された内管が設けられ、前記凍結媒体は前記内管に接触するよう構成される。
好ましい実施形態において、前記カラムの管壁には、保冷層が含まれる。
好ましい実施形態において、前記液体抽出物のアルコール濃度は、45%を上回る。
本発明の効果として、本発明の抽出方法を用いることにより、末垂れからアルコール濃度の高いアルコール溶液を効果的に抽出することができ、保存上有利となり得、特に末垂れは固体状の蒸留酒の場合、本発明の抽出方法で抽出されたアルコール溶液も固体状の蒸留酒の風味を保ち、またアルコール濃度の低い残りの後留液は調合への応用又は発酵水として使用することができることで、末垂れの再利用をアップし、資源の無駄を削減する。
図面上の各種特徴及び構成要素は、実際の寸法比率で描かれていないが、本発明に関連する具体的特徴及び構成要素を提示するために最適な方法で描かれている。また、異なる図面の間において同一又は類似の符号で類似の構成要素及び部材を表す。
本発明の技術的意義をより詳細かつ完全にするため、本発明の実施態様及び具体的実施形態について以下の説明が与えられるが、以下の説明は、本発明の具体的実施形態を実施又は運用する唯一の形態ではなく、当業者は、以下の描写を通じて本発明の必要な技術的内容を容易に理解でき、その精神及び範囲から外れることなく、異なる用途及び状況に適応するため、本発明へ多種多様な変更及び潤色を行うことができ、かかる実施態様は本発明の特許請求の範囲にも属する。
「一」及び「1種」という用語は、本明細書では、その用語が付く文法的対象の1つ又は2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指す目的で用いられている。
本発明の説明において、文脈が別段の指示をしない限り、用語「含む」、「含んでいる」、「備える」又は「含有する」は、包括的或いは開放的で、その他の説明されていない要素又は方法ステップを排除しない。
本発明の説明において、「設けられた」、「接続された」、「接触された」などは、広義に理解すべきであり、例えば固結、着脱可能に連結、機械的な接続、直接連結、中間媒体を介した間接連結などである。当業者であれば、具体的状況に応じて本発明における上記用語の具体的意味を理解することができる。
図1は、本発明の一実施形態の抽出方法の工程フローチャートである。図2は、本発明の一実施形態のカラムの構造断面図である。
図1及び図2を併せて参照すると本発明は、液体状の末垂れをカラム100に入れ、冷却温度で冷却して、固体状の後留液及び液体抽出物を形成する工程S10と、前記カラム100の底部40から前記液体抽出物を取り出す工程S12とを含む抽出方法を提供する。本発明の別の実施形態によれば、前記工程S12の後に、前記固体状の後留液を液体状の後留液に溶解させ、前記カラム100の底部40から前記液体状の後留液を取り出す工程S14をさらに含み得る。
本明細書において「固体状の後留液」とは、前記液体状の末垂れが冷却温度で冷却された後、前記液体状の末垂れ中の水溶液の大部分がその凝固点(又は凍結点)よりも低いため凍り、凍った部分がすでに固体状態になったため「固体状の後留液」と呼ばれる。なお本明細書において、「液体抽出物」とは、液体状の末垂れが冷却温度において、水溶液の一部が上述の液体状の後留液を形成するが、その中の遊離アルコールは、その凝固点(又は凍結点)に達していないため、上述の「固体状の後留液」から分離でき、得られたアルコール濃度の高いアルコール溶液を本明細書の「液体抽出物」とする。
好ましい実施形態における工程S10において液体状の末垂れは、例えば固体状の蒸留酒であり得、アルコール濃度は例えば45vol%以下(例:20、25、30、35、40或いは45vol%)であり得、換言すれば、前記液体状の末垂れは、例えばアルコール濃度が45vol%の固体蒸留による蒸留末垂れである。前記カラム100は、前記液体状の末垂れを収容するための内管10をさらに備える。好ましくは、前記カラム100は、冷却温度の調節を容易にするため、前記内管10に接触するように設けられた温度制御ユニット20、例えば凍結媒体を備える。前記カラム100の管壁は、温度を維持するための保冷層30、例えば真空層をさらに含んでもよい。本発明の一実施形態によれば、液体状の末垂れを前記カラム100の前記内管10に収容し、前記温度制御ユニット20及び保冷層30を用いて温度を冷却温度に制御及び維持して冷却することで、前記液体状の末垂れのアルコール濃度と比較してより低いアルコール濃度を有する固体状の後留液、及び前記液体状の末垂れのアルコール濃度と比較してより高いアルコール濃度を有する液体抽出物を形成する。前記冷却温度は、-35℃未満、例:-35℃未満、-36℃未満、-37℃未満、-38℃未満、-39℃未満或いは-40℃未満の予め定められた値であり、-40℃未満の予め定められた値であることが好ましい。前記液体抽出物のアルコール濃度は、45vol%超、例:45vol%超、45.5vol%超、46vol%超、46.5vol%超、47vol%超、47.5vol%超又は48vol%超の予め定められた値であり、50vol%超の予め定められた値であることが好ましいい。本発明者は、アルコール濃度が35vol%の液体状の末垂れは、冷却温度が-35℃未満の場合凍ることができ、前記冷却温度が-35℃より高い場合、アルコール濃度35vol%の液体状の末垂れは凍ることができないことにより、後留液及び抽出物を効果的に分離できなくなることを発見した。
本発明の好ましい実施形態によれば、工程S12において、カラム100の底部40に吸引力を継続的に加え、この時、内管10内の前記固体状の後留液と前記液体抽出物をよりよく分離し、前記固体状の後留液に残留することなく前記液体抽出物をカラム100の底部40から素早く流出させることを可能にする。より具体的には、前記吸引力の大きさは、実際の必要に応じて調整することができ、本発明ではこれに制限を加えるものではない。
本発明の好ましい実施形態によれば、工程S14において、前記液体抽出物がカラム100の底部40から完全に流出した後、内管10内に前記固体状の後留液が残り、固体状の後留液は豊富な酸性化合物及びエステル化合物を含有することで、調合への応用又は発酵水として使用することができる。具体的には、前記酸類化合物としては、酢酸、カプロン酸、乳酸などが挙げられ、前記エステル化合物としては、酢酸エチル、ヘキサン酸エチル、乳酸エチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
上記の概念に基づいて、必要に応じて温度制御ユニット20をオフにして、前記固体状の後留液を溶解させて液体状の後留液を形成し、前記液体状の後留液をカラム100の底部40から流出させることもできる。本発明の別の実施形態によれば、カラム100の底部40に吸引力を加えて、液体の後留液の流出速度を上げることもできる。具体的には、前記調合とは、異なる種類のアルコール溶液を異なる割合で混合して酒の品質を向上することをいい、前記発酵水の使用とは前記液体状の後留液を他の酒類の発酵過程に使用して発酵の効率を高めることをいう。
要するに、本発明により提供される抽出方法の利点としては、末垂れからアルコール濃度の高いアルコール溶液を効果的に抽出することができ、保存上有利となり得、特に末垂れを固体状の蒸留酒の場合、本発明の抽出方法で抽出されたアルコール溶液も固体状の蒸留酒の風味を保ち、またアルコール濃度の低い残りの後留液は調合への応用又は発酵水として使用することができることで、末垂れの再利用をアップし、資源の無駄を削減する。
以上、本発明を詳細に説明したが、以上の述べるものは本発明の好ましい実施形態のみであって、本発明の実施範囲を限定することを意図するものではない。すなわち、本発明の特許請求の範囲に基づいて加われる均等な変化及び潤色は、本発明の特許の保護範囲に収まる。
100 カラム
10 内管
20 温度制御ユニット
30 保冷層
40 底部
S10、S12、S14 工程
10 内管
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S10、S12、S14 工程
Claims (11)
- 液体状の末垂れをカラムに入れ、冷却温度で冷却して、固体状の後留液及び液体抽出物を形成する工程Aと、
前記カラムの底部から前記液体抽出物を取り出す工程Bと
を含む抽出方法。 - 前記工程Bの後に前記固体状の後留液を液体状の後留液に溶解させ、前記カラムの底部から前記液体状の後留液を取り出す工程Cをさらに含む、請求項1に記載の抽出方法。
- 前記液体状の後留液は、酸類化合物及びエステル化合物を含有する、請求項2に記載の抽出方法。
- 前記液体状の末垂れは、固体状の蒸留酒である、請求項1に記載の抽出方法。
- 前記冷却温度は、-35℃未満の予め定められた値である、請求項1に記載の抽出方法。
- 前記冷却温度は、-40℃である、請求項5に記載の抽出方法。
- 前記カラムは、温度制御ユニットを備える、請求項1に記載の抽出方法。
- 前記温度制御ユニットは、凍結媒体を備える、請求項7に記載の抽出方法。
- 前記カラム内には、前記液体状の末垂れを収容するように構成された内管が設けられ、前記凍結媒体は前記内管に接触するよう構成される、請求項8に記載の抽出方法。
- 前記カラムの管壁には、保冷層が含まれる、請求項1に記載の抽出方法。
- 前記液体抽出物のアルコール濃度は、45%を上回る予め定められた値である、請求項1に記載の抽出方法。
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