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JP2023530836A - 低強度放射線硬化性シリコーン剥離コーティング組成物並びにその調製及び使用のための方法 - Google Patents

低強度放射線硬化性シリコーン剥離コーティング組成物並びにその調製及び使用のための方法 Download PDF

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JP2023530836A
JP2023530836A JP2022571127A JP2022571127A JP2023530836A JP 2023530836 A JP2023530836 A JP 2023530836A JP 2022571127 A JP2022571127 A JP 2022571127A JP 2022571127 A JP2022571127 A JP 2022571127A JP 2023530836 A JP2023530836 A JP 2023530836A
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パク、ユンジン
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Dow Corning Corp
Dow Silicones Corp
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Abstract


硬化性シリコーン剥離コーティング組成物及びその調製のための方法を開示する。硬化性シリコーン剥離コーティング組成物は、1J/cm以下の強度で紫外線放射に曝露された後、硬化してシリコーン剥離コーティングを形成する。
【選択図】なし

Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で、2020年6月22日に出願された米国仮特許出願第63/042,253号の利益を主張する。米国仮特許出願第63/042,253号は、参照により本明細書に組み込まれる。
(発明の分野)
硬化性シリコーン剥離コーティング組成物は、低強度紫外線放射への曝露によって、硬化して、シリコーン剥離コーティングを形成する。硬化性シリコーン剥離コーティング組成物は、長いポットライフ及び短い硬化時間を有する。
序論
シリコーン剥離コーティングは、多くの場合、ビニル末端ポリジオルガノシロキサン系ポリマー、ポリオルガノハイドロゲンシロキサン架橋剤、白金触媒、及び他の添加剤を含む硬化性組成物の白金触媒ヒドロシリル化によって調製される。組成物は、早期硬化を避けるための条件下で貯蔵され得、典型的には使用直前に混合される。次いで、硬化性組成物は、硬化し始めることができる。
硬化性組成物が比較的長い浴寿命を有する必要性が剥離コーティング産業において存在し、すなわち、硬化性組成物がコーティング機器で使用するためのコーティング浴中にある時間中に、硬化性組成物が流動性液体として(粘度増加なしで、又は粘度が2倍未満で)残ることが望ましい。コーティング機器は、裏紙又はプラスチックフィルムなどの基材の表面上に硬化性組成物をコーティングするために使用される。次いで、硬化性組成物は、例えば、加熱及び/又は化学線への曝露によって硬化され、剥離ライナーを形成する。
1-エチニル-1-シクロヘキサノール(1-ethynyl-1-cyclohexanol、ETCH)などの抑制剤は、ポットライフを増加させるために、典型的には硬化性組成物に含まれる添加剤である。しかしながら、抑制剤を添加すると、硬化性組成物の硬化速度を減速させ得るため、硬化性組成物が基材の表面上にコーティングされた後、高温及び/又は長い加熱時間(熱硬化組成物について)又は強力な紫外線放射曝露(紫外線開始系について)が、組成物を硬化させて、基材上に剥離コーティングを形成するために必要とされる。例えば、高速コーティング及び硬化機器のために、比較的高い白金装填量も必要とされ得、これは、有意なコストを追加し得る。したがって、シリコーン剥離コーティングを形成するために硬化性である費用効果の高い硬化性シリコーン剥離コーティング組成物の業界必要性が存在し、組成物は、長いポットライフ及び短い硬化時間の両方を有する。
組成物は、シリコーン剥離コーティングを形成するために硬化性である。この硬化性シリコーン剥離コーティング組成物は、
(A)1分子当たり少なくとも2つの脂肪族不飽和基を有するポリオルガノシロキサンと、
(B)ポリオルガノハイドロゲンシロキサンと、
(C)白金ヒドロシリル化反応触媒パッケージと、
(D)フマル酸塩及びマレイン酸塩からなる群から選択される抑制剤と、
(E)一級又は二級アルコールと、を含む。
上記の(A)1分子当たり少なくとも2つの脂肪族不飽和基を有するポリオルガノシロキサン、(B)ポリオルガノハイドロゲンシロキサン、(C)白金ヒドロシリル化反応触媒パッケージ、(D)抑制剤、及び(E)一級又は二級アルコールに加えて、上記の硬化性組成物は、任意選択的に、(F)定着添加剤、(G)溶媒、(H)剥離力改質剤、及び(I)充填剤からなる群から選択される1つ以上の追加の出発物質を更に含み得る。
(A)1分子当たり少なくとも2つの脂肪族不飽和基を有するポリオルガノシロキサン
1分子当たり少なくとも2つの脂肪族不飽和基を有するポリオルガノシロキサンは、硬化性シリコーン剥離コーティング組成物中に90~99重量部の量で存在する。
出発物質(A)のために選択されたポリオルガノシロキサンは、直鎖状、分岐状、若しくは樹脂状であり(すなわち、3次元ネットワークを有し)得るか、又は異なる構造の組み合わせを含み得る。出発物質(A)は、分岐ポリオルガノシロキサンを含み得る。分岐ポリオルガノシロキサンは、式(A-1):
を有し得、式中、各Rは、脂肪族不飽和を含まない独立して選択された一価炭化水素基であり、各Rは、独立して、R及び脂肪族不飽和一価炭化水素基からなる群から選択されるが、ただし、1分子当たりの平均で、Rの少なくとも2つの事例が、脂肪族不飽和一価炭化水素基であることを条件とし、下付き文字bが、0又は1であり、Rは、脂肪族不飽和を含まない独立して選択された一価炭化水素基であり、各下付き文字aは、独立して、30~60の値を有する。
の脂肪族不飽和を含まない一価炭化水素基としては、1~6個の炭素原子のアルキル基又は6~12個の炭素原子のアリール基が例示される。好適なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、及びそれらの分岐異性体が挙げられる。好適なアリール基としては、フェニル、トリル、キシリル、ナフチル、1-フェニルエチル、及び2-フェニルエチルが挙げられる。代替的に、各Rは、アルキル基であり得る。代替的に、各Rは、独立して、メチル、エチル、又はイソプロピルから選択され得る。Rの各事例は、同一であるか、又は異なり得る。代替的に、各Rは、メチル基であり得る。
(Rのための)脂肪族不飽和一価炭化水素基は、ヒドロシリル化反応を受けることが可能である。好適な脂肪族不飽和炭化水素基としては、ビニル、アリル、ブテニル、及びヘキセニルなどのアルケニル基、又はエチニル及びプロピニルなどのアルキニル基が例示される。代替的に、式(A-1)中の各脂肪族不飽和一価炭化水素基は、ビニル、アリル、又はヘキセニルであり得る。代替的に、式(A-1)中の各脂肪族不飽和一価炭化水素基は、ビニル基であり得る。代替的に、式(A-1)中の各Rは、脂肪族不飽和であり得る。
式(A-1)中の各Rは、1~6個の炭素原子のアルキル基であり得る。代替的に、各Rは、独立して、メチル、エチル、又はイソプロピルから選択され得る。代替的に、各Rは、メチル基であり得る。
代替的に、式(A-1)の分岐ポリオルガノシロキサンは、直鎖又は実質的に直鎖ポリオルガノシロキサンについて以下に記載される試験方法によって室温で測定されるように、100mPa・s~600mPa・s、代替的に200mPa・s~400mPa・sの粘度を有し得る。
代替的に、R及び下付き文字は、分岐ポリオルガノシロキサンが、0.3%~1.2%、代替的に0.5%~1%の脂肪族不飽和基(例えば、ビニル)含有量を有するように選択され得る。出発物質(A-1)のための好適な分岐ポリオルガノシロキサンとしては、米国特許第4,374,967号、同第6,806,339号、及び米国特許公開第2007/0289495号に開示されているものが例示される。
代替的に、(A-1)分岐ポリオルガノシロキサンに加えて、又はその代わりに、出発物質(A)は、直鎖ポリジオルガノシロキサンを含み得る。直鎖ポリジオルガノシロキサンは、式(A-2):
を有し得、式中、Rは、上記のとおりであり、各Rは、脂肪族不飽和一価炭化水素基であり、下付き文字gは、40≦g≦600であるような値を有する。
のための好適な脂肪族不飽和炭化水素基としては、ビニル、アリル、ブテニル、及びヘキセニルなどのアルケニル基、又はエチニル及びプロピニルなどのアルキニル基が例示される。代替的に、式(A-2)中の各Rは、ビニル、アリル、又はヘキセニルであり得る。代替的に、式(A-2)中の各Rは、ビニル基であり得る。
代替的に、上記の式(A-2)中の下付き文字は、式(A-2)の直鎖ポリジオルガノシロキサンの重量に基づいて、0.1%~1.7%、代替的に0.2%~0.5%の脂肪族不飽和基含有量(例えば、ビニル含有量)を提供するのに十分な値を有し得る。
出発物質(A-2)としての使用に好適な直鎖ポリジオルガノシロキサンの例としては、i)α,ω-ジメチルビニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、ii)α,ω-ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサン)、iii)α,ω-ジメチルビニルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン)、iv)α,ω-(フェニル,メチル,ビニルシロキシ末端)ポリジメチルシロキサン、v)α,ω-ジメチルヘキセニルシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、及びvi)i)~v)のうちの2つ以上の組み合わせが挙げられる。
対応するオルガノハロシランの加水分解及び縮合、又は環状ポリジオルガノシロキサンの平衡などの、式(A-2)のポリジオルガノシロキサンを調製する方法は、当該技術分野において周知である。
代替的に、出発物質(A)は、樹脂状ポリオルガノシロキサンを含み得る。出発物質(A)に好適な樹脂状ポリオルガノシロキサンは、当該技術分野で既知である。例えば、米国特許第8,580,073号の第3欄5行目~第4欄31行目は、対応するシランの共加水分解又はシリカヒドロゾルキャッピング法などの任意の好適な方法によって調製されるシリコーン樹脂を開示している。樹脂状ポリオルガノシロキサンは、Daudtらの米国特許第2,676,182号、Rivers-Farrellらの米国特許第4,611,042号、及びButlerらの米国特許第4,774,310号に開示されるものなどのシリカヒドロゾルキャッピングプロセスによって調製され得る。上記のDaudtらの方法は、酸性条件下でシリカヒドロゾルを、トリメチルクロロシランなどの加水分解性トリオルガノシラン、ヘキサメチルジシロキサンなどのシロキサン又はこれらの混合物と反応させることと、M単位及びQ単位を有するコポリマーを回収することと、を伴う。得られるコポリマーは概して、2~5重量%のヒドロキシル基を含有する。
調製される場合、樹脂状ポリオルガノシロキサンは、式(R SiO1/2)の単官能(M)単位、及び式(SiO4/2)の4官能(Q)単位を含み、式中、R及びRは、上記のとおりである。例えば、樹脂状ポリオルガノシロキサンは、単位式(RSiO1/2(R SiO1/2(SiO4/2を含み得、式中、R及びRは、上記のとおりであり、下付き文字h、i、及びjは、モル分率を表し、下付き文字h>0であり、下付き文字i≧0であり、下付き文字j>0であり、量(h+i+j)≦1である。樹脂状ポリオルガノシロキサンは、シラノール(ケイ素結合ヒドロキシル)基を有する単位を更に含み得、式Si(OSiR (式中、Rは、上記のとおりである)のネオペンタマーを含み得る。米国特許第9,593,209号第32欄の参照例2に記載のとおり、Si29核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance、NMR)スペクトル法を使用して、M及びQ単位のモル比を測定することができ、この場合、当該比は、{M(樹脂)+(M(ネオペンタマー)}/{Q(樹脂)+Q(ネオペンタマー)}として表され、樹脂状ポリオルガノシロキサンの樹脂部分及びネオペンタマー部分のM単位の総数の、樹脂部分及びネオペンタマー部分におけるQ単位の総数に対するモル比を表す。
樹脂状ポリオルガノシロキサンのMnは、存在するR及びRで表される炭化水素基の種類を含む様々な要因に依存する。樹脂状ポリオルガノシロキサンのMnは、ネオペンタマーを表すピークが測定から除外される場合、米国特許9,593,209号の第31欄の参照例1における手順に従ってゲル浸透クロマトグラフィー(gel permeation chromatography、GPC)を使用して測定される数平均分子量を指す。樹脂状ポリオルガノシロキサンのMnは、1,000g/モル~10,000g/モルであり得る。代替的に、樹脂状ポリオルガノシロキサンのMnは、1,500g/モル~5,000g/モルであり得る。
上記のように調製された樹脂状ポリオルガノシロキサンは、典型的には、ケイ素結合ヒドロキシル基、すなわち、式HOSi3/2及び/又は(HO) (3-k)SiO1/2のケイ素結合ヒドロキシル基を含有し、式中、下付き文字kは、1、2、又は3である。樹脂状ポリオルガノシロキサンは、最大2%のケイ素結合ヒドロキシル基を含み得る。ポリオルガノシリケート樹脂中に存在するケイ素結合ヒドロキシル基の濃度は、ASTM Standard E-168-16に従ってフーリエ変換赤外(Fourier Transform-Infra Red、FTIR)分光法を使用して求められ得る。ある特定の用途では、ケイ素結合ヒドロキシル基の量は、0.7%未満、代替的に0.3%未満、代替的に1%未満、代替的に0.3%~0.8%であることが望ましい場合がある。樹脂状ポリオルガノシロキサンの調製中に形成されたケイ素結合ヒドロキシル基は、シリコーン樹脂を、適切な終端基を含有するシラン、ジシロキサン、又はジシラザンと反応させることにより、トリヒドロカルビルシロキサン基に変換することができる。加水分解性基を含有するシランは、樹脂状ポリオルガノシロキサン上のケイ素結合ヒドロキシル基と反応するのに必要な量よりもモル過剰で添加され得る。
代替的に、樹脂状ポリオルガノシロキサンは、2%以下、代替的に0.7%以下、代替的に0.3%以下、代替的に0.3%~0.8%の、式XSiO3/2及び/又はXR SiO1/2(式中、Rは上記のとおりであり、Xは、加水分解性置換基を表す)で表される単位を更に含み得る。
樹脂状ポリオルガノシロキサンは、典型的には、末端脂肪族不飽和基を有する。末端脂肪族不飽和基を有する樹脂状ポリオルガノシロキサンは、上記のように調製された生成物を、樹脂ポリオルガノシロキサンの重量に基づいて、1.2%~6%、代替的に1.5%~6%、及び代替的に1.6%~5.5%の脂肪族不飽和基を提供するのに十分な量で、不飽和有機基含有末端封鎖剤及び脂肪族不飽和を含まない末端封鎖剤と反応させることによって調製され得る。末端封鎖剤の例としては、限定されないが、シラザン、シロキサン、及びシランが挙げられる。好適な末端封鎖剤は、当技術分野において既知であり、米国特許第4,584,355号、同第4,591,622号及び同第4,585,836号に例示されている。単一の末端封鎖剤又はこのような剤の混合物を使用して、このような樹脂を調製することができる。
出発物質(A)は、構造、分子量、ケイ素原子に結合した一価基、及び脂肪族不飽和基の含有量などの少なくとも1つの特性が異なる、組み合わせ又は2つ以上の異なるポリオルガノシロキサンを含み得る。
(B)ポリオルガノハイドロゲンシロキサン
硬化性シリコーン剥離コーティング組成物中の出発物質(B)は、ポリオルガノハイドロゲンシロキサンである。ポリオルガノハイドロゲンシロキサンは、直鎖状、分岐状、又はそれらの組み合わせであり得る。ポリオルガノハイドロゲンシロキサンの量は、硬化性シリコーン剥離コーティング組成物中の1重量部~10重量部のポリオルガノハイドロゲンシロキサンであり得る。
出発物質(B)は、単位式(B-1)(R SiO1/2(R SiO2/2(RHSiO2/2(R HSiO1/2のポリジオルガノハイドロゲンシロキサンを含み得、式中、Rは、上記のとおりであり、下付き文字p、q、r、及びsは、pが0、1、又は2であり、q≧1であり、r≧0であり、sが0、1、又は2であるが、ただし、量(p+s)=2であることを条件とする、値を有する。量(p+q+r+s)は、出発物質(A)について上述した試験方法によって測定されるように、室温で5mPa・s~200mPa・s、代替的に5mPa・s~100mPa・sの粘度を有するポリオルガノハイドロゲンシロキサンを提供するのに十分な値を有し得る。代替的に、下付き文字は、5≦(p+q+r+s)≦100であるような値を有し得る。代替的に、r=0である場合、s≧3である。
代替的に、単位式(B-1)において、各Rは、メチル及びフェニルからなる群から選択され得、下付き文字qは、0~30であり得、下付き文字rは、5~50であり得る。代替的に、10≦(q+r)≦50である。代替的に、下付き文字は、単位式(B-1)のポリジオルガノハイドロゲンシロキサンが、0.02%~1.2%、代替的に、0.05%~1.2%、代替的に、0.02%~0.3%のケイ素結合水素(SiH)含有量を有するように選択され得る。
式(B-1)のポリジオルガノハイドロゲンシロキサンとしては、i)α,ω-ジメチルハイドロゲンシロキシ末端ポリジメチルシロキサン、ii)α,ω-ジメチルハイドロゲンシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルハイドロゲンシロキサン)、iii)α,ω-ジメチルハイドロゲンシロキシ末端ポリメチルハイドロゲンシロキサン、iv)α,ω-トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルハイドロゲンシロキサン)、v)α,ω-トリメチルシロキシ末端ポリメチルハイドロゲンシロキサン、vi)α,ω-トリメチルシロキシ末端ポリ(ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサン/メチルハイドロゲンシロキサン)、vii)α,ω-ジメチルハイドロゲン-シロキシ末端ポリメチルフェニルシロキサン、並びにviii)i)、ii)、iii)、v)、vi)、及びvii)のうちの2つ以上の組み合わせが例示される。
オルガノハロシランの加水分解及び縮合などの、ポリジオルガノハイドロゲンシロキサンを調製する方法は、当該技術分野で周知である。
代替的に、出発物質(B)であるポリオルガノハイドロゲンシロキサンは、(例えば、上記のポリジオルガノハイドロゲンシロキサンに加えて)分岐ポリオルガノハイドロゲンシロキサンを含み得る。分岐ポリオルガノハイドロゲンシロキサンは、単位式(B-2):
(R HSiO1/2(R SiO1/2(4-t)(R SiO2/2(SiO4/2)を有し得、式中、Rは、上記のとおりであり、下付き文字tは、1~4であり、下付き文字uは、≧0である。代替的に、下付き文字uは、0であり得る。代替的に、下付き文字tは、2~4、代替的に3~4、及び代替的に4であり得る。分岐ポリオルガノハイドロゲンシロキサンは、分岐ポリオルガノハイドロゲンシロキサンの1重量%~1.2重量%のSiH含有量を有し得る。分岐ポリオルガノハイドロゲンシロキサンは、例えば、米国特許出願公開第2019/0144752号に開示されるように、分岐オルガノハイドロゲンシロキサンオリゴマー及び環状ポリジオルガノシロキサンの平衡化、又はオルガノハイドロゲンシロキサンオリゴマーとアルキルオルトシリケートとの加水分解及び縮合などの既知の方法によって調製され得る。
(C)白金ヒドロシリル化反応触媒パッケージ
硬化性シリコーン剥離コーティング組成物中の出発物質(C)は、白金ヒドロシリル化反応触媒パッケージであって、
(C-1)出発物質(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)の合計重量に基づく、200ppm未満の白金金属を提供するのに十分な量の、不飽和シロキサンと白金の錯体と、
(C-2)出発物質(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)の合計重量に基づく、100ppm以下の白金を提供するのに十分な量の、白金原子にイータ結合したシクロペンタジエニル基と、白金原子にシグマ結合したアルキル基及び/又はアリール基とを有する、白金錯体と、を含む。出発物質(C-1)及び(C-2)の合計量は、出発物質(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)の合計重量に基づいて、10ppm~200ppmの白金含有量を提供するのに十分である。代替的に、出発物質(C-1)の量は、出発物質(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)の合計重量に基づいて、20ppm~40ppmの白金を提供するのに十分であり得る。代替的に、出発物質(C-2)の量は、出発物質(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)の合計重量に基づいて、10ppm~30ppmの白金を提供するのに十分であり得る。
(C-1)不飽和シロキサンを有する白金の錯体
不飽和シロキサンとの白金の錯体、及びそれらの調製のための方法は、例えば、参照により本明細書に組み込まれる、Karstedtの米国特許第3,814,730号に開示されている。不飽和シロキサンとの白金の錯体は、不飽和シロキサンと白金ハロゲン化物との間の接触をもたらし、得られた混合物を処理して、利用可能な無機ハロゲンの除去をもたらし、錯体を回収することによって調製され得る。不飽和シロキサンは、単位式(R (3-v)SiO1/2のジシロキサンであり得、式中、R及びRは、上記のとおりであり、各下付き文字vは、0~2である。好適なジシロキサンの例としては、ジビニルテトラメチルジシロキサン、ヘキサビニルジシロキサン、トリビニルトリメチルジメトキシシラン、及びテトラビニルジメチルジシロキサンが挙げられる。代替的に、不飽和シロキサンは、単位式(RSiO2/2の環状シロキサンであり得、R及びRは、上記のとおりであり、下付き文字wは、3~12である。使用され得るハロゲン化白金は、HPtCl・nHO、NaHPtCl・nHO、KHPtCl・nHO、又はAshbyの米国特許第3,159,601号若しくはLamoreauxの米国特許第3,220,972号に開示されているものなどの他の白金ハロゲン化物が挙げられる。出発物質(C-1)のための好適な触媒は、市販されており、白金との1,3-ジビニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体(Karstedtの触媒)を含む。
(C-2)シクロペンタジエニル基を有する白金錯体
触媒パッケージ中の出発物質(C-2)は、白金原子にイータ結合したシクロペンタジエニル基及び白金原子にシグマ結合した基を有する白金錯体である。白金原子にイータ結合したシクロペンタジエニル基及び白金原子にシグマ結合した基を有する例示的な白金錯体としては、白金原子にイータ結合したシクロペンタジエニル基及び白金原子にシグマ結合した3つの脂肪族基を有する白金錯体を含む。そのような白金錯体は、式
の(η-シクロペンタジエニル)トリ(σ-脂肪族)白金錯体であり得、式中、各Rは、白金原子にシグマ結合した1~18個の炭素原子の独立して選択された一価脂肪族炭化水素基であり、RCpは、白金原子にイータ結合され、かつシクロペンタジエニル基、又はハロゲン原子、アルキル基、芳香族基、及びシクロペンタジエニル環中の炭素原子に結合した有機シリル基からなる群から選択される置換基で官能化されたシクロペンタジエニル基からなる群から選択される基である。Rは、ヒドロカルビル基又はアシル基であり得る。Rの基は、直鎖、分岐鎖、及び十分に大きい場合は環状であり得る。そのような(η-シクロペンタジエニル)トリ(σ-脂肪族)白金錯体の例としては、トリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(IV)、トリメチル(シクロペンタジエニル)白金(IV)、エチル、ジメチル(シクロペンタジエニル)白金(IV)、トリエチル(シクロペンタジエニル)白金(IV)、トリアリル(シクロペンタジエニル)白金(IV)、トリメチル(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)白金(IV)、トリメチル(ジメチルフェニルシリルシクロペンタジエニル)白金(IV)、トリメチル[1-メチル-3-(2’-ナフチル)シクロペンタジエニル]白金(IV)、及びアセチル、ジメチル(シクロペンタジエニル)白金(IV)が挙げられる。代替的に、出発物質(C-2)は、トリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(IV)であり得る。そのような触媒及びそれらの調製のための方法の好適な例は、例えば、Drahnakの米国特許第4,510,094号、Boardmanらの米国特許第4,916,169号、Oxmanらの米国特許第6,376,569号、Buttsの米国特許第6,451,869号、及びKoellnbergerの米国特許第8,088,878号に開示されている。
(D)抑制剤
硬化性シリコーン剥離コーティング組成物中の出発物質(D)は、フマル酸塩及びマレイン酸塩からなる群から選択される抑制剤である。抑制剤は、出発原料(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)の合計重量に基づく、300ppm超~1,000ppm未満、代替的に300ppm超~900ppm未満、代替的に400ppm~800ppmの量で使用され得る。
抑制剤は、(D-1)フマル酸塩であり得る。フマル酸塩は、式
を有し得、式中、各Rは、独立して、1~4個の炭素原子のアルキル基、及び2~4個の炭素原子のアルケニル基からなる群から選択される。
代替的に、抑制剤は、(D-2)マレイン酸塩であり得る。マレイン酸塩は、式
を有し得、式中、各Rは、独立して、1~4個の炭素原子のアルキル基、及び2~4個の炭素原子のアルケニル基からなる群から選択される。
代替的に、出発物質(D)は、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジアリル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、及びマレイン酸ジアリルからなる群から選択され得る。代替的に、出発物質(D)は、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジアリル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジアリル、及びそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択され得る。好適なマレイン酸塩及びマレイン酸塩が、市販されている。
(E)一級又は二級アルコール
硬化性シリコーン剥離コーティング組成物中の出発物質(E)は、0.3重量部超で0.8重量部未満、代替的に0.4重量部~0.7重量部、代替的に0.5重量部~0.6重量部、代替的に0.5重量部の量の一級又は二級アルコールであり、出発原料(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)の合計重量に基づいている。出発物質(E)は、アルカノール及び芳香族アルコールからなる群から選択され得る。例示的なアルカノールとしては、メタノール、エタノール、1-ブタノール、2-ブタノール、テトラデカノール、イソ-プロパノール、及びイソ-ブタノールが挙げられる。例示的な芳香族アルコールとしては、ベンジルアルコール、フェノール、メチルフェニルカルビノール、及び2-フェニルエチルアルコールが挙げられる。代替的に、出発物質(E)は、芳香族アルコールであり得る。代替的に、出発物質(E)は、ベンジルアルコールであり得る。出発物質(E)の好適な一級及び二級アルコールが、市販されている。
硬化性シリコーン剥離コーティング組成物は、任意選択的に、(F)定着添加剤、(G)溶媒、(H)剥離力改質剤、(I)充填剤、並びに(J)(F)、(G)、(H)、及び(I)のうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される1つ以上の追加の出発物質を更に含み得る。
(F)定着添加剤
出発物質(F)は、定着添加剤である。好適な定着添加剤は、ビニルアルコキシシランとエポキシ官能性アルコキシシランとの反応生成物;ビニルアルコキシシランとエポキシ官能性アルコキシシランとの反応生成物;並びに1分子当たり少なくとも1個の脂肪族不飽和炭化水素基及び少なくとも1つの加水分解性基を有するポリオルガノシロキサンとエポキシ官能性アルコキシシランとの組み合わせ(例えば、物理的なブレンド及び/又は反応生成物)(例えば、ヒドロキシ末端ビニル官能性ポリジメチルシロキサンとグリシドキシプロピルトリメトキシシランとの組み合わせ)により例示される。好適な定着添加剤及びその調製のための方法は、例えば、米国特許第9,562,149号、米国特許出願公開第2003/0088042号、同第2004/0254274号、同第2005/0038188号、同第2012/0328863号の段落[0091]、及び同第2017/0233612号の段落[0041]、並びに欧州特許第0 556 023号に開示されている。定着添加剤は、市販されている。例えば、SYL OFF(商標)297及びSYL-OFF(商標)397が、Dow Silicones Corporation(Midland,Michigan,USA)から入手可能である。他の例示的な定着添加剤としては、(F-1)ビニルトリアセトキシシラン、(F-2)グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、並びに(F-3)(F-1)及び(F-2)の組み合わせが挙げられる。この組み合わせ(F-3)は、混合物及び/又は反応生成物であってもよい。
定着添加剤の正確な量は、基材の種類及びプライマーが使用されるかどうかを含む様々な要因に依存するが、硬化性シリコーン剥離コーティング組成物中の定着添加剤の量は、出発物質(A)の100重量部当たり0~2重量部であり得る。代替的に、定着添加剤の量は、出発物質(A)の100重量部当たり、0.01~2重量部であり得る。
(G)溶剤
出発物質(G)は、溶媒である。好適な溶媒としては、ポリアルキルシロキサン、アルコール、ケトン、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、グリコールエーテル、テトラヒドロフラン、ミネラルスピリット、ナフサ、テトラヒドロフラン、ミネラルスピリット、ナフサ、又はそれらの組み合わせが例示される。好適な蒸気圧を有するポリアルキルシロキサンが溶媒として使用され得、これらとしては、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、並びにDow Silicones Corporation(Midland,Michigan,U.S.A.)から市販されている、0.5~1.5cStのDOWSIL(商標)OS FLUIDSなどの他の低分子量ポリアルキルシロキサンが挙げられる。
代替的に、出発物質(G)は、有機溶媒を含み得る。有機溶媒は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、又はn-プロパノール等のアルコール;アセトン、メチルエチルケトン、又はメチルイソブチルケトン等のケトン、ベンゼン、トルエン、又はキシレン等の芳香族炭化水素;ヘプタン、ヘキサン、又はオクタン等の脂肪族炭化水素;プロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、又はエチレングリコールn-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン等のグリコールエーテル;ミネラルスピリット、ナフサ;又はそれらの組み合わせであり得る。
溶媒の量は、選択される溶媒の種類、並びに剥離コーティング組成物のために選択される他の出発物質の量及び種類を含む、様々な要因に依存するであろう。しかしながら、溶媒の量は、硬化性シリコーン剥離コーティング組成物中の全ての出発物質の重量に基づいて、0%~99%、代替的に2%~50%であり得る。溶媒は、硬化性シリコーン剥離コーティング組成物の調製中に、例えば、1つ以上の出発物質(例えば、出発物質(C-1)及び(C-2)の一方若しくは両方、又は樹脂が使用される場合は樹脂)の混合及び送達を助けるために添加され得る。溶媒の全て又は一部が、任意選択的に、硬化性シリコーン剥離コーティング組成物の調製後に除去され得る。
(H)剥離改質剤
硬化性シリコーン剥離コーティング組成物は、剥離力(感圧接着剤を含むラベルなどの剥離コーティングとそれへの被着体との間の接着力)のレベルを制御する(減少させる)ための剥離調節剤を含有してもよい。必要とされる剥離力を有する硬化性シリコーン剥離コーティング組成物は、改質剤を含まない剥離コーティング組成物から、改質剤の濃度を調整することによって配合することができる。好適な剥離改質剤の例としては、トリメチルシロキシ末端ジメチル、フェニルメチルシロキサンが挙げられる。代替的に、剥離改質剤は、ヒドロキシル基又はアルコキシ基を有するオルガノポリシロキサン樹脂と、少なくとも1つのヒドロキシル基又は加水分解性基を有するジオルガノポリシロキサンとの縮合反応生成物であってもよい。使用される場合、剥離調節剤は、例えば、出発物質(A)の100部当たり、0~85重量部、代替的に25~85重量部で使用され得る。好適な剥離改質剤の例は、例えば、米国特許第8,933,177号及び米国特許出願公開第2016/0053056号に開示されている。
本明細書に記載の硬化性シリコーン剥離コーティング組成物に更に添加され得る他の任意の出発物質としては、例えば、反応性希釈剤、芳香剤、防腐剤、及び充填剤、例えば、シリカ、石英、又は石灰が挙げられる。
硬化性シリコーン剥離コーティング組成物の出発物質を選択する場合、本明細書に記載の特定の出発物質が2つ以上の機能を有し得るため、出発物質の種類の間に重複が存在し得る。例えば、ある特定の微粒子、例えばカーボンブラックは、充填剤としても、顔料としても、更には難燃剤としても、有用であり得る。追加の出発物質を硬化性シリコーン剥離コーティング組成物に添加する場合、追加の出発物質は、出発物質(A)~(E)と異なり、また互いに異なる。
代替的に、硬化性シリコーン剥離コーティング組成物は、充填剤を含まない場合があるか、又は、例えば剥離コーティング組成物の0~30重量%などの限定された量のみの充填剤を含有する。理論に束縛されるものではないが、充填剤は、硬化性シリコーン剥離コーティング組成物を基材に適用するために使用されるコーター機器に凝集するか、若しくはそうでなければ粘着し、及び/又は光学的透明性が望まれる場合、剥離コーティング及びそれとともに形成された剥離ライナーの光学特性、例えば、透明性を阻害し得ると考えられる。充填剤は、被着体の接着に不利になることがある。
本明細書に記載の硬化性シリコーン剥離コーティング組成物は、フルオロオルガノシリコーン化合物を含まなくてもよい。硬化中、その表面張力が低いために、フルオロ化合物は、コーティング組成物と基材との界面、例えば、ポリオルガノシロキサン剥離コーティング組成物/PETフィルムの界面に急速に移行して、フッ素含有バリアを作製することによって、(硬化性シリコーン剥離コーティング組成物の硬化によって調製される)剥離コーティングの基材への接着を妨害すると考えられる。バリアを作製することによって、フルオロ化合物は、いずれの成分も界面で反応しないようにする。更に、フルオロシリコーン化合物は通常高価である。
硬化性組成物は、(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)を含む出発物質を、任意の追加の出発物質とともに、任意の添加順序で、任意選択的にマスターバッチで、任意選択にせん断下で、混合することによって調製され得る。
コーティングされた基材を硬化性シリコーン剥離コーティング組成物で調製するための方法も提供される。本方法は、硬化性シリコーン剥離コーティング組成物を基材上にコーティングすることを含む。本方法は、硬化性組成物を基材上で硬化することを更に含む。硬化は、低強度での紫外線放射に曝露することによって実施され得、すなわち、1J/cm以下の強度での紫外線放射は、基材上の硬化性シリコーン剥離コーティング組成物を硬化させるのに十分である。
本明細書に記載の硬化性シリコーン剥離コーティング組成物は、基材上のコーティング前及び/又はコーティング中にコーティング浴中に貯蔵され得る。コーティング浴は、典型的には室温である。硬化性シリコーン剥離コーティング組成物は、コーティング浴中で室温で6時間以上のポットライフを有する。硬化性シリコーン剥離コーティング組成物は、任意の好適な様式で基材上にコーティングされ得る。典型的には、硬化性シリコーン剥離コーティング組成物は、ウェットコーティング技術により、湿潤形態で適用される。特定の実施形態において、硬化性組成物は、i)スピンコーティング;ii)ブラシコーティング、iii)ドロップコーティング、iv)スプレーコーティング、v)ディップコーティング、vi)ロールコーティング、vii)フローコーティング、viii)スロットコーティング、ix)グラビアコーティング、x)メイヤーバーコーティング、又はxi)i)~x)のいずれかの組み合わせによって、適用され得る。典型的には、硬化性シリコーン剥離コーティング組成物を基材上でコーティングすることにより、基材上に湿潤堆積物をもたらし、これがその後硬化されて、基材上に硬化性シリコーン剥離コーティング組成物から形成され硬化したフィルムを含む、コーティングされた基材が得られる。
基材は、限定されず、剥離ライナーを調製するのに有用な任意の基材であり得る。特定の実施形態では、基材は、熱硬化性及び/又は熱可塑性であり得るプラスチックを含む。しかしながら、基材は、代替的に紙を含み得る。
好適な基材の具体例としては、クラフト紙、ポリエチレンコーティングクラフト紙(PEKコーティング紙)、普通紙などの紙基材;ポリアミド(polyamide、PA)などのポリマー基材;ポリエチレンテレフタレート(polyethylene terephthalate、PET)、ポリブチレンテレフタレート(polybutylene terephthalate、PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(polytrimethylene terephthalate、PTT)、ポリエチレンナフタレート(polyethylene naphthalate、PEN)、液晶ポリエステルなどのポリエステル;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレンなどのポリオレフィン;スチレン樹脂;ポリオキシメチレン(polyoxymethylene、POM);ポリカーボネート(polycarbonate、PC);ポリメチレンメタクリレート(polymethylenemethacrylate、PMMA);ポリ塩化ビニル(polyvinyl chloride、PVC);ポリフェニレンスルフィド(polyphenylene sulfide、PPS);ポリフェニレンエーテル(polyphenylene ether、PPE);ポリイミド(polyimide、PI);ポリアミドイミド(polyamideimide、PAI);ポリエーテルイミド(polyetherimide、PEI);ポリスルホン(polysulfone、PSU);ポリエーテルスルホン;ポリケトン(polyketone、PK);ポリエーテルケトン;ポリビニルアルコール(polyvinyl alcohol、PVA);ポリエーテルエーテルケトン(polyetheretherketone、PEEK);ポリエーテルケトンケトン(polyetherketoneketone、PEKK);ポリアリレート(polyarylate、PAR);ポリエーテルニトリル(polyethernitrile、PEN);フェノール樹脂;フェノキシ樹脂;ポリスチレン型、ポリオレフィン型、ポリウレタン型、ポリエステル型、ポリアミド型、ポリブタジエン型、ポリイソプレン型、フルオロ型などの熱可塑性エラストマー;及びそれらのコポリマー、変成物、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。
硬化性シリコーン剥離コーティング組成物又は湿潤堆積物は、典型的には低強度紫外線放射への曝露によって低温で硬化される。低温は、例えば、22℃~25℃であり得る。曝露条件は、硬化性シリコーン剥離組成物の硬化、すなわち、架橋をもたらすのに十分である。曝露は、利用される高温、選択される温度、所望のフィルム厚さ、及び任意の溶媒の存在の有無を含む、様々な要因に依存する。
代替的に、コーティング基材は、例えば、アクリル樹脂型感圧接着剤、ゴム型感圧接着剤、及びシリコーン型感圧接着剤、並びにアクリル樹脂型接着剤、合成ゴム型接着剤、シリコーン型接着剤、エポキシ樹脂型接着剤、及びポリウレタン型接着剤などの任意の感圧接着剤を含む、テープ又は接着剤用の剥離ライナーとして利用することができる。基材の各主表面は、両面テープ又は接着剤のためにその上に配置されたフィルムを有し得る。
これらの実施例は、当業者に本発明を例示することを目的とするものであり、請求項に記載の本発明の範囲を制限するものとして解釈すべきではない。以下の実施例で使用した出発物質を以下の表1に記載する。
この参考例1では、硬化性シリコーン剥離コーティング組成物の試料を、表1からの出発物質を以下の表2及び3に示す量で混合することによって調製した。
この参考例2では、参考例1に記載のように調製した各試料の硬化性を以下のように評価した。試料の1μmコーティングをPET基材上で作製した。コーティングを紫外線光(光源:金属ハロゲン化物Dバルブ)に曝露した。曝露後、硬化性を、液体状態から固体状態への相変化のために必要な紫外線強度として記録した。結果を、表2及び3に示す。
この参考例3では、参考例1に記載のように調製した各試料のポットライフを以下のように評価した。ポットライフは、Brookfield DV-1粘度計、温度25℃、Spindle:CPA-40Z、トルク70%超を使用して測定したときに、粘度を2倍にした時間であった。結果を、表2及び3に示す。
表2及び3において、「CE」は比較例を意味し、「WE」は実施例を意味し、「pbw」は重量部を意味し、「ppm」は重量百万分率を意味し、「hr」は時間を意味する。
比較例13は、(D-1)ETCHが、2つの触媒(C-1)のうちの1つのみを有する抑制剤として使用された場合、試験された条件下で試料は硬化しないことを示す。
比較例14は、マレイン酸ジエチル(D-3)が抑制剤として使用され、ベンジルアルコール(E-1)が省略されたとき、ポットライフは、存在する触媒パッケージから2つの触媒のうちの1つのみであっても十分に延ばされなかったことを示す。比較例17は、ベンジルアルコールを比較例14の組成物に添加したとき、試験した条件下で試料が不十分な硬化性を有したことを示す。
比較例15は、マレイン酸ジアリル(D-4)が抑制剤として使用され、ベンジルアルコールが省略された場合、試料は硬化性及びポットライフ試験の両方で失敗したことを示す。比較例18は、ベンジルアルコールを比較例15の組成物に添加したとき、試験した条件下で試料が不十分な硬化性を依然として有したことを示す。
比較例16は、触媒パッケージからの1つの触媒、すなわち、(C-1)ではなく、(C-2)が、抑制剤なしで、かつベンジルアルコールなしで使用された場合、試料は硬化性試験に失敗したことを示す。
比較例19~21は、WO2015/090551によって開示される出発物質を含む組成物の場合、試験された条件下で十分なポットライフ及び硬化性を得ることができなかったことを示す。
比較例22は、フマル酸ジエチル(D-2)が、2つの触媒(C-1)のうちの1つのみを有し、かつベンジルアルコールを有しない抑制剤として使用された場合、試験された条件下で十分なポットライフ及び硬化性を得ることができなかったことを示す。比較例3は、ベンジルアルコールを比較例22の組成物に添加した場合、不十分な硬化性が得られたことを示す。比較例1~5は、フマル酸ジエチル(D-2)が、2つの触媒(C-1)のうちの1つのみを有する抑制剤として使用された場合、試験された条件下で十分なポットライフ及び硬化性を同時に得ることができなかったことを示す。比較例6~9は、異なる量のベンジルアルコールを比較例22の組成物に添加する場合、試験した条件下で十分なポットライフ及び硬化性を同時に得ることができなかったことを示す。
比較例11及び12は、多すぎるベンジルアルコールが添加されると、硬化性が不十分であることを示す。本発明者らは、驚くべきことに、試験した条件下で、出発物質(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)の合計重量に基づいて、ベンジルアルコールが0.8pbw以上の担持で触媒抑制剤として作用することを見出した。実施例10は、硬化性シリコーン剥離コーティング組成物が、本明細書に記載の量で出発物質(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)の全てを含有する場合、十分なポットライフ及び低強度放射線との硬化性が達成され得、例えば、硬化のための放射線強度が1J/cm以下であり得、かつポットライフが6時間以上であり得ることを示す。
産業上の利用可能性
本発明者らは、驚くべきことに、出発物質(E)、一級又は二級アルコール(例えば、上記実施例におけるベンジルアルコール)が、高すぎる量で使用される場合、触媒パッケージに対する抑制効果を有し得ることを見出した。理論に束縛されるものではないが、ベンジルアルコールの量が高すぎる(すなわち、0.8重量部以上)場合、ベンジルアルコールは、触媒抑制剤として作用し、これは、組成物を硬化させるために必要とされる放射線強度(例えば、1J/cm超まで)を増加させることによって硬化性に悪影響を及ぼすと考えられる。理論に束縛されるものではないが、ベンジルアルコールの量が低すぎる(すなわち、0.3%未満)場合、ポットライフの十分な増加は達成されないと考えられる。

Claims (12)

  1. 硬化性シリコーン剥離コーティング組成物であって、
    90~99重量部の(A)1分子当たり少なくとも2つの脂肪族不飽和基を有するポリオルガノシロキサンと、
    1~10重量部の(B)ポリオルガノハイドロゲンシロキサンと、
    (C)白金ヒドロシリル化反応触媒パッケージであって、
    (C-1)出発物質(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)の合計重量に基づく、200ppm未満の白金金属を提供するのに十分な量の、アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンと白金の錯体と、
    (C-2)出発物質(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)の合計重量に基づく、100ppm以下の白金を提供するのに十分な量の、前記白金原子にイータ結合したシクロペンタジエニル基と、前記白金原子にシグマ結合したアルキル基及び/又はアリール基とを有する、白金錯体と、を含み、
    (C-1)及び(C-2)の合計量が、出発物質(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)の合計重量に基づいて、10ppm~200ppmの白金含有量を提供するのに十分である、白金ヒドロシリル化反応触媒パッケージと、
    (D)出発原料(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)の合計重量に基づく、300ppm超~900ppm未満の量の抑制剤であって、前記抑制剤が、
    (D-1)式
    のフマル酸塩、並びに
    (D-2)式
    のマレイン酸塩であって、各Rが、独立して、1~4個の炭素原子のアルキル基、及び2~4個の炭素原子のアルケニル基からなる群から選択される、マレイン酸塩からなる群から選択される、抑制剤と、
    (E)出発原料(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)の合計重量に基づく、0.3重量部超で0.8重量部未満の量の一級又は二級アルコールと、を含む、硬化性シリコーン剥離コーティング組成物。
  2. 出発物質(A)が、以下の式の分岐ポリオルガノシロキサンであり、

    式中、各Rが、脂肪族不飽和を含まない独立して選択された一価炭化水素基であり、各Rが、独立して、R及び脂肪族不飽和一価炭化水素基からなる群から選択されるが、ただし、1分子当たりの平均で、Rの少なくとも2つの事例が、脂肪族不飽和一価炭化水素基であることを条件とし、下付き文字bが、0又は1であり、Rが、脂肪族不飽和を含まない独立して選択された一価炭化水素基であり、各下付き文字aが、独立して、30~60の値を有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 出発物質(B)が、単位式(R SiO1/2(R SiO2/2(RHSiO2/2(R HSiO1/2を有し、式中、下付き文字pが、0、1、又は2であり、下付き文字sが、0、1、又は2であり、量(p+s)=2、下付き文字r≧0、下付き文字q≧1であるが、ただし、r=0である場合、s≧3であり、5≦(p+q+r+s)≦100であることを条件とする、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 出発物質(C-1)が、20ppm~40ppmの白金を提供するのに十分な量のKarstedtの触媒であり、出発物質(C-2)が、10ppm~30ppmの白金を提供するのに十分な量のトリメチル(メチルシクロペンタジエニル)白金(IV)である、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 出発物質(D)が、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジアリル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジアリル、及びそれらの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 出発物質(D)が、400ppm~800ppmの量で存在する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 出発物質(E)が、アルカノール及び芳香族アルコールからなる群から選択される、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 出発物質(E)が、ベンジルアルコール、フェノール、メチルフェニルカルビノール、及び2-フェニルエチルアルコールからなる群から選択される芳香族アルコールである、請求項7に記載の組成物。
  9. 出発物質(E)が、出発物質(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)の合計重量に基づく、0.5重量部の量で存在するベンジルアルコールである、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
  10. (F)定着添加剤、(G)溶媒、(H)剥離力改質剤、(I)充填剤、並びに(J)(F)、(G)、(H)、及び(I)のうちの2つ以上の組み合わせからなる群から選択される追加の出発物質を更に含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. シリコーン剥離コーティングを調製するための方法であって、
    任意選択的に、1)基材の表面を前処理することと、
    2)前記基材の前記表面上に、硬化性シリコーン剥離コーティング組成物をコーティングすることであって、前記硬化性シリコーン剥離コーティング組成物が、
    90~99重量部の(A)1分子当たり少なくとも2つの脂肪族不飽和基を有するポリオルガノシロキサンと、
    1~10重量部の(B)ポリオルガノハイドロゲンシロキサンと、
    (C)白金ヒドロシリル化反応触媒パッケージであって、
    (C-1)出発物質(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)の合計重量に基づく、200ppm未満の白金金属を提供するのに十分な量の、アルケニル官能性ポリオルガノシロキサンと白金の錯体と、
    (C-2)出発物質(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)の合計重量に基づく、100ppm以下の白金を提供するのに十分な量の、前記白金原子にイータ結合したシクロペンタジエニル基と、前記白金原子にシグマ結合したアルキル基及び/又はアリール基とを有する、白金錯体と、を含み、
    (C-1)及び(C-2)の合計量が、出発物質(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)の合計重量に基づいて、10ppm~200ppmの白金含有量を提供するのに十分である、白金ヒドロシリル化反応触媒パッケージと、
    (D)出発原料(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)の合計重量に基づく、300ppm超~1,000ppm未満の量の抑制剤であって、前記抑制剤が、
    (D-1)式
    のフマル酸塩、並びに
    (D-2)式
    のマレイン酸塩であって、各Rが、独立して、1~4個の炭素原子のアルキル基、及び2~4個の炭素原子のアルケニル基からなる群から選択される、マレイン酸塩からなる群から選択される、抑制剤と、
    (E)0.3重量部超~0.8重量部未満の量の一級又は二級アルコールと、出発原料(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)の合計重量に基づいて、
    任意選択的に、(F)定着添加剤と、
    任意選択的に、(G)溶媒と、
    任意選択的に、(H)剥離力改質剤と、
    任意選択的に、(I)充填剤と、を含む、コーティングすることと、
    任意選択的に、3)(G)前記溶媒が存在する場合、前記溶媒の全て又は一部を除去することと、
    4)前記硬化性シリコーン剥離コーティング組成物を、1J/cm以下の強度で紫外線放射に曝露することと、を含む、方法。
  12. 工程2)の間に、前記硬化性シリコーン剥離コーティング組成物が、周囲条件下で少なくとも6時間の滞留時間でコーティング浴中にある、請求項11に記載の方法。
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