JP2023094333A - 包装容器 - Google Patents

Abstract

【課題】落下等に起因する衝撃に対し耐久性に優れること。【解決手段】容器本体２は、連続する１枚のシート材５Ａを折り曲げ且つ接合することによって形成されている。シート材５Ａは、複数の層が積層した積層構造を有しており、該シート材における層間に、充填材が封入される充填部１２０が形成されている。容器本体２は、底面部２２と、相対向する正面壁２３及び背面壁２４と、これらの間に位置し、相対向する一対の側壁２５とを備えており、底面部２２と一対の側壁２５との間から外方に延出する耳状２７部を有している。耳状部２７は、側方折り曲げ部６３ａを介して一対の側壁２５それぞれと連続し、且つ側方折り曲げ部６３ａに沿って側壁２５又は底面部２２に当接した状態に折り曲げられており、耳状部２７の折り曲げられた状態が、耳状部２７の全部又は一部を覆う被覆シート４によって保持されている。【選択図】図１

Description

本発明は、包装容器に関する。

飲料や液体洗剤等の内容物を収容する包装容器として、シート材を折り曲げ且つ接合することによって形成され容器本体を備えた包装容器が知られている。
特許文献１には、逆円錐台形状の筒状部材の外面が軟包装袋の内面に密着しており、該軟包装袋の底部が該筒状部材の底面と略水平に形成されるとともに、該軟包装袋の上部における開放端部が水平に合掌シールされている、自立性複合容器が記載されている。

特許文献２には、積層シートに互いに直交する合掌熱接着部と底端縁熱接着部とを形成した後、該底端縁熱接着部近傍に４角筒状胴部と、該胴部に隣接する底面部とを形成し、さらに該底面部の両側において対向する２辺の底側端熱接着部を線状に形成し、該底側端熱接着部より外側の部分をカットしてなる、自立袋が記載されている。

特許文献３には、積層フィルムの端縁部を接合して袋状に形成されており、下部に矩形状の底面と、該底面の両側に横方向に突出する板状片とを有する、自立袋が記載されている。

特許文献４には、一枚の積層体におけるシーラント層を内側に折り曲げて形成された底部と、該積層体の周囲をシールすることで形成された袋本体とを備え、該底部から上方の両端に設けられた罫線が内容液の自重で内側に折れることにより、該底部が平面になるようになされている、自立性袋が記載されている。

特許文献５及び６には、耳部分を有する内袋と、該内袋を収容する外箱とを具備する、箱型容器が開示されている。斯かる内袋は、箱状に組み立てられたものであり、耳部分が該箱の天面側又は側面側に折り曲げられた状態で、外箱に収容されている。

特開平１１－２３６０５４号公報 特開２００１－３２８６４４号公報 特開２００３－２６１８９号公報 特開２０１２－１１６４９８号公報 特開平０７－２２３６３３号公報 特開２００４－０９９１１０号公報

特許文献１～６のような自立性の包装容器は、シート材同士を線状に接合することで、平坦な底面が形成されたものである。シート材どうしを接合してなる自立性の包装容器は、外力を受けると、シート材同士の接合部に応力が集中し、この部分を起点に破袋する傾向がある。特に自立性の包装容器が落下した場合、落下の衝撃や液体等の内容物の荷重が、包装容器の下部におけるシート材同士の接合点に加わり易い。特許文献１～４の包装容器は、その下部において、落下等に起因する衝撃に対し耐久性が不十分であった。特許文献５及び６は、内袋の外側に配される外箱を具備するが、内袋は、内容物の自重によって、立方体や直方体等の定形立体形状に維持し難いものであった。これにより特許文献５及び６の包装容器は、内袋を外箱に収容し難く、該包装容器を容易に組み立てられるものではなかった。

本発明の課題は、落下等に起因する衝撃に対し耐久性に優れるとともに、容易に組み立てることができる包装容器を提供することにある。

本発明は、内部に内容物の収容空間を有する容器本体を備えた包装容器に関する。
前記容器本体は、連続する１枚のシート材を折り曲げ且つ接合することによって形成されていることが好ましい。
前記シート材は、複数の層が積層した積層構造を有しており、該シート材における層間に、充填材が封入される充填部が形成されていることが好ましい。
前記容器本体は、底面部と、前後方向において折り曲げ部を介して該底面部と連続し且つ該前後方向において相対向する正面壁及び背面壁と、該正面壁及び該背面壁間に位置し、該前後方向と交差する交差方向において相対向する一対の側壁とを備えていることが好ましい。
前記容器本体は、前記交差方向における前記底面部と前記一対の側壁との間から外方に延出する耳状部を有していることが好ましい。
前記耳状部は、側方折り曲げ部を介して該一対の側壁それぞれと連続し、且つ該側方折り曲げ部に沿って前記側壁又は前記底面部に当接した状態に折り曲げられていることが好ましい。
前記耳状部は、該耳状部の折り曲げられた状態が、該耳状部の全部又は一部を覆う被覆シートによって保持されていることが好ましい。

本発明の包装容器によれば、落下等に起因する衝撃に対し耐久性に優れるとともに、容易に組み立てることができる。

図１は、本発明に係る包装容器の一実施形態を示す斜視図である。 図２は、図１に示す容器本体を形成するシート材の展開図である。 図３は、本発明に係る包装容器の別の実施形態を示す斜視図である。 図４は、本発明に係る包装容器のさらに別の実施形態を示す斜視図である。 図５は、図４に示す容器本体を形成するシート材の展開図である。

以下、本発明の包装容器を、その好ましい実施形態に基づき説明する。図１には、本発明の包装容器の一実施形態（以下、「第１実施形態」ともいう）が示されている。
本実施形態の包装容器１Ａは、図１に示すように、内部に内容物を収容する容器本体２と、容器本体２の天面部２６に固定されたスパウト３と、該容器本体２の外周面の少なくとも一部に配された被覆シート４とを備えている。
包装容器１Ａは、図１に示すように、容器本体２が備える底面部２２を水平面に接地させることで、自立可能である。斯かる自立状態において、包装容器１Ａの高さ方向Ｚは、鉛直方向と一致する。すなわち、容器本体２の底面部２２が下方になり、包装容器１Ａの高さ方向Ｚにおける該底面部２２の反対側（例えばスパウト３側）が上方になる。以下、特に断らない限り、各実施形態の包装容器１Ａ～１Ｃの説明は、自立状態における包装容器の説明とする。

容器本体２は、底面部２２と、正面壁２３、背面壁２４及び一対の側壁２５，２５と、該底面部２２に対し高さ方向Ｚに対向する天面部２６とを備えている。正面壁２３、背面壁２４及び一対の側壁２５，２５は、底面部２２の周縁から立設している。
包装容器１Ａは、容器本体２の正面壁２３から該容器１Ａを視たときの奥行方向となる前後方向Ｘ、及び該前後方向Ｘに交差する交差方向として、直交方向Ｙを有している。斯かる直交方向Ｙは、前後方向Ｘと直交する方向であり、正面壁２３及び背面壁２４に対し左右方向となる。すなわち、包装容器１Ａにおいて容器本体２は、前後方向Ｘにおいて相対向する正面壁２３及び背面壁２４と、該正面壁２３及び該背面壁２４間に位置し、容器本体２の直交方向Ｙにおいて相対向する一対の側壁２５，２５とを備えている。斯かる正面壁２３及び背面壁２４は、前後方向Ｘにおいて底部折り曲げ部６３を介して底面部２２と連続している。

容器本体２は、内容物を収容する収容空間を有している。収容空間は、正面壁２３、背面壁２４、底面部２２、一対の側壁２５，２５、及び天面部２６によって囲まれた空間である。斯かる収容空間には、包装容器１Ａの内容物が収容される。容器本体２に収容される内容物は、液体でも粉体でもよい。内容物が液体である場合、例えばシャンプー、ヘアリンス等の液状のヘアケア剤、ボディソープやハンドソープ等の液体石鹸、衣類又は食器用の液体洗剤、柔軟剤、調味料、化粧水等の化粧料、飲料、液状食品、消毒用アルコール等の薬剤等が挙げられるが、これらに限定されない。

本実施形態の容器本体２は、後述する充填部１２０（非接着領域１１０）を有している。斯かる充填部１２０には、空気等の充填材を充填することができる。これにより、充填部１２０は、容器本体１０の破損を防ぐクッションの役割を有する。本実施形態の容器本体２には、充填部１２０が正面壁２３、背面壁２４、及び底面部２２それぞれの周縁に沿って形成されている（図１参照）。また、充填部１２０は、天面部２６の貫通孔３３の周縁に沿って形成されている。

本実施形態の容器本体２は、前後方向Ｘにおける側壁２５の中央に側部シール部８１が形成されている。本実施形態の側壁２５は、側部シール部８１を境界とした、正面壁２３側の前部分２５１と、背面壁２４側の後部分２５２とに区分される。この側部シール部８１によって、正面壁２３、背面壁２４、及びこれらの間に位置する側壁２５（前部分２５１と後部分２５２）からなる周壁、すなわち容器本体２の筒状部分が形成されるとともに、該周壁、底面部２２、及び天面部２６によって画成された収容空間が形成される。
本実施形態の側部シール部８１は、側壁２５における前後方向Ｘの中央に位置しており、包装容器１Ａの高さ方向Ｚに延在している。側部シール部８１は、側壁２５から後述する耳状部２７にも連続して形成されている。
側壁２５における側部シール部８１の位置は、前後方向Ｘにおける該側壁２５の中央に限られず、該側壁２５の任意の箇所に形成することができる。例えば、側部シール部８１の位置は、前後方向Ｘにおける側壁２５の中央よりも前側（正面壁２３側）又は後側（背面壁２４側）に偏倚していてもよい。

容器本体２は、直交方向Ｙにおける底面部２２と一対の側壁２５，２５との間から、該直交方向Ｙの外方に延出する耳状部２７を有している。耳状部２７は、側壁２５の下端縁から延出した三角形の部分である。耳状部２７は、側方折り曲げ部６３ａを介して該一対の側壁２５，２５それぞれと連続している。側方折り曲げ部６３ａは、側壁２５の下端縁を形成する折り曲げ部であり、三角形の耳状部２７の底辺をなしている。また、容器本体２を底面部２２から視た場合、耳状部２７は、底面部２２の直交方向Ｙ両側に位置する折り曲げ部６３ａを介して、該底面部２２と連続している。
耳状部２７は、扁平な形状を有しており、側壁２５側の面（以下、「側壁対向面」ともいう。）と、当該面の反対側、すなわち底面部２２側の面（以下、「底面部対向面」ともいう。）とを有している。前述の側部シール部８１は、一部が耳状部２７の側壁対向面に存在し、他の一部が側壁２５の前後方向Ｘ中央位置に位置している。より詳細には、側部シール部８１は、側方折り曲げ部６３ａを二等分するように、側壁２５から耳状部２７の直交方向Ｙ外方端（三角形状の頂点）まで延在している。

本実施形態の耳状部２７は、図１に示すように、側方折り曲げ部６３ａに沿って側壁２５に当接するよう折り曲げられている。斯かる耳状部２７はその全部又は一部を覆う被覆シート４によって、折り曲げられた状態が保持されている。本実施形態において被覆シート４は、容器本体２の周囲の全周を被覆している。
これに代えて、耳状部２７は、側方折り曲げ部６３ａに沿って底面部２２に当接するよう折り曲げられていてもよい。

本実施形態のスパウト３は、図１に示すように、後述する天面部２６から上方に突出しており、内容物を注出する筒状部３１と、該筒状部３１の外周部に形成された螺条３２とを備えている。スパウト３には、筒状部３１に形成された開口部を閉鎖するキャップ（図示せず）が装着される。斯かるキャップは、その内周面に複数の螺条が形成されており、筒状部３１の螺条３２を介して、該筒状部３１に脱着自在に螺合可能である。スパウト３は、合成樹脂の射出成形等により形成することができる。

容器本体２は、連続する１枚のシート材５Ａを折り曲げ且つ接合することによって形成されている。
本実施形態の包装容器１Ａは、容器本体２を形成するシート材５Ａ（図２参照）が、複数の層が積層した積層構造を有している。すなわち斯かるシート材５Ａは、複数のフィルム層が積層したものである。シート材５Ａは、複数のフィルム層の層間において、フィルム層同士が接着剤等の公知の方法で接着された接着領域１１１と、フィルム層同士が接着されていない非接着領域１１０とを有している。斯かる非接着領域１１０は、該フィルム層間に充填材を封入可能である。非接着領域１１０に充填材が封入されると、シート材５Ａの積層構造が厚み方向に膨らんで、充填部１２０が形成される。充填部１２０は、非接着領域１１０に充填材が封入されて膨らんだ形態だけでなく、充填材が封入される前あるいは充填材を除去した後の、充填部１２０が膨らむ前の形態も包含される。

充填部１２０に封入される充填材としては、流体（気体または液体）、固体（例えば粉粒体、樹脂ペレット等）又は半固体（例えば、発泡材等）を用いることができるが、包装容器１Ａの軽量化の観点から、気体を充填材として用いることが好ましい。
充填材として用いられる気体には、例えば、空気、窒素、酸素、不活性ガス（アルゴン、ヘリウム等）等が挙げられる。コスト等の観点から空気を用いるのが好ましい。
充填部１２０の内圧は、特に限定されないが、包装容器１Ａの剛性をより確実に確保する観点から、ゲージ圧力換算で好ましくは１０ｋＰａ以上、より好ましくは３０ｋＰａ以上であり、また好ましくは５００ｋＰａ以下、より好ましくは６０ｋＰａ以下である。

本実施形態のシート材５Ａについて、図２を参照しながら説明する。図２に、容器本体２を組み立てる前のシート材５Ａの展開図を示す。本実施形態のシート材５Ａは、一方向に長い形状を有しており、該シート材５Ａの長手方向である縦方向Ｘ１と、該縦方向Ｘ１に直交する横方向Ｙ１とを有している。
図２に示すシート材５Ａは、横方向Ｙ１に長い横長六角形状の天面シート部５６と、縦方向Ｘ１に長い縦長六角形状の本体シート部５０とを有している。天面シート部５６は、中央部Ｃに位置する正方形状の部分と、側部Ｓ，Ｓに位置し且つ該正方形状の部分から横方向Ｙ１外方に張り出した二等辺三角形状の部分とを有している。天面シート部５６は、前記正方形状の部分に筒状部３１を通す貫通孔３３を有している。
本体シート部５０と天面シート部５６とは、横方向Ｙ１に延びる横折り曲げ部６１ｂを介して連結されている。本実施形態のシート材５Ａは、横方向Ｙ１に離間し且つ縦方向Ｘ１に延びる２本の縦折り曲げ部６１が、該シート材５Ａの全長に連続して直線状に形成されている。天面シート部５６及び本体シート部５０は、２本の縦折り曲げ部６１によって、一対の側部Ｓ，Ｓと、該一対の側部Ｓ，Ｓ間に位置する中央部Ｃとに区分される。

本体シート部５０には、該シート部５０の縦方向Ｘ１全長を二等分するように、横方向Ｙ１に延びる中央折り曲げ部６５が形成されている。本体シート部５０は、当該中央折り曲げ部６５を軸として線対称となっている。
また、本体シート部５０には、中央折り曲げ部６５から縦方向Ｘ１の両側それぞれに離間し、且つ横方向Ｙ１に延びる一対の底部折り曲げ部６３，６３が形成されている。本体シート部５０は、一対の底部折り曲げ部６３，６３により、下方シート部５２と、底部折り曲げ部６３を介して該下方シート部５２と縦方向Ｘ１に連結する周壁シート部Ｊ１，Ｊ２とに区分される。シート材５Ａは、横方向Ｙ１中央位置において、天面シート部５６、周壁シート部Ｊ１、下方シート部５２及び周壁シート部Ｊ２が、この順で縦方向Ｘ１に沿って連結している。

周壁シート部Ｊ１，Ｊ２は、縦折り曲げ部６１によって３領域に区分される。具体的には、天面シート部５６と隣り合う周壁シート部Ｊ１は、中央部Ｃに位置する正面シート部５３と、該中央部Ｃの両側の側部Ｓ，Ｓに位置する側壁シート部５５１，５５１とに区分される。また、もう一方の周壁シート部Ｊ２は、中央部Ｃに位置する背面シート部５４と、該中央部Ｃの両側の側部Ｓ，Ｓに位置する側壁シート部５５２，５５２とに区分される。
容器本体２において、正面シート部５３は正面壁２３を形成し、下方シート部５２は底面部２２及び耳状部２７を形成し、背面シート部５４は背面壁２４を形成する。また前述の天面シート部５６は、天面部２６を形成する。

正面シート部５３及び背面シート部５４の各々の左右両側（横方向Ｙ１両側）に位置する側壁シート部５５１，５５２は、容器本体２において側壁２５を形成する。正面シート部５３の両側に位置する側壁シート部５５１，５５１（以下、「前側シート部５５１」ともいう。）は、前述した側壁２５の前部分２５１を形成する。背面シート部５４の両側に位置する側壁シート部５５２，５５２（以下、「後側シート部５５２」ともいう。）は、前述した側壁２５の後部分２５２を形成する。
シート材５Ａにおいて、正面シート部５３と前側シート部５５１とは横方向Ｙ１に連結しており、さらに背面シート部５４と後側シート部５５２とは横方向Ｙ１に連結している。
前側シート部５５１及び後側シート部５５２それぞれは、直角台形形状を有し、直角台形の斜辺部分が側壁シート部の縦方向Ｘ１の外方端部に位置しており、且つ直角台形の長辺部分（下底部分）が縦折り曲げ部６１を介して正面シート部５３又は背面シート部５４と隣り合っている。
下方シート部５２は、２本の底部折り曲げ部６３によって画成されている。下方シート部５２は、縦方向Ｘ１において周壁シート部Ｊ１，Ｊ２と底部折り曲げ部６３を介して連結している。

下方シート部５２には、横方向Ｙ１に交差する斜辺折り曲げ部６２が、中央折り曲げ部６５を軸として線対称に形成されている。より具体的には、下方シート部５２の横方向Ｙ１の一端側（左側）において、２本の斜辺折り曲げ部６２が中央折り曲げ部６５を軸として線対称に形成され、中央折り曲げ部６５の一端（横方向Ｙ１左端）を始点とし、底部折り曲げ部６３と縦折り曲げ部６１との交点を終点とする傾斜線状に形成されている。下方シート部５２の横方向Ｙ１の他端側（右側）においても同様に、２本の斜辺折り曲げ部６２が中央折り曲げ部６５を軸として線対称に形成され、中央折り曲げ部６５の他端（横方向Ｙ１右端）を始点とし、底部折り曲げ部６３と縦折り曲げ部６１との交点を終点とする傾斜線状に形成されている。

本実施形態の下方シート部５２は、中央部Ｃに、底面部２２を形成する底面シート部５２ａを有し、側部Ｓ，Ｓに耳状部２７を形成する耳形成シート部５７を有する。換言すると、下方シート部５２は、底面シート部５２ａと、該底面シート部５２ａの両側に位置する耳形成シート部５７とを有している。耳形成シート部５７は、縦折り曲げ部６１と、２本の斜辺折り曲げ部６２，６２と、中央折り曲げ部６５によって画成される三角形の領域ｅを一対有している。斯かる三角形の領域ｅは、耳状部２７の底面部対向面となる。斯かる領域ｅを、以下、「下面領域ｅ」ともいう。また耳形成シート部５７において、底部折り曲げ部６３と、斜辺折り曲げ部６２と、下方シート部５２の側縁ｆ１とによって画成され、且つ中央折り曲げ部６５を軸として線対称となる２個の三角形の領域ｆ，ｆが、耳状部２７の側壁対向面となる。斯かる領域ｆを、以下、「上面領域ｆ」ともいう。

下方シート部５２を画成する底部折り曲げ部６３は、本体シート部５０の全幅に連続している。斯かる底部折り曲げ部６３は、中央部Ｃに位置する部分が底面部２２の直交方向Ｙに沿う端縁を形成する一方、側部Ｓ，Ｓに位置する部分が側方折り曲げ部６３ａとなる。

本実施形態のシート材５Ａは、前述したように接着領域と非接着領域とを有している。シート材５Ａの周壁シート部Ｊ１，Ｊ２では、中央部Ｃに位置する複数の中央接着領域１１１ａが、縦方向Ｘ１に間欠的に並んで形成されており、さらに縦折り曲げ部６１に沿って側方接着領域１１１ｂが形成されている（図２参照）。本実施形態のシート材５Ａでは、中央接着領域１１１ａを囲む環状の非接着領域１１０ａが、縦方向Ｘ１に複数連なって形成されている。これにより該非接着領域１１０ａの側部どうしが縦方向Ｘ１に並んで、該縦方向Ｘ１に延びる非接着領域１１０が形成されている。これら環状の非接着領域１１０ａは、縦方向Ｘ１に互い連通している。また、側方接着領域１１１ｂの横方向Ｙ１外方に非接着領域１１０ｂが隣り合って配されており、該非接着領域１１０ｂが縦方向Ｘ１に延在している。周壁シート部Ｊ１，Ｊ２において、斯かる非接着領域１１０ｂと環状の非接着領域１１０ａとは、側方接着領域１１１ｂを挟んで、互いに連通している。
また本実施形態のシート材５Ａは、天面シート部５６の中央部Ｃに、貫通孔３３を囲む環状の非接着領域１１０ｃを有しており、さらに底面シート部５２ａに、環状の非接着領域１１０ｄを有している。天面シート部５６における環状の非接着領域１１０ｃは、正面シート部５３に位置する環状の非接着領域１１０ａと縦方向Ｘ１に連通しており、底面シート部５２ａにおける環状の非接着領域１１０ｄは、正面シート部５３及び背面シート部５４に位置する各環状の非接着領域１１０ａと縦方向Ｘ１に連通している。

背面シート部５４に形成された非接着領域１１０は、縦方向Ｘ１の外方端部において、充填材注入口１３０と連通している。充填材注入口１３０は外部と連通しており、該充填材注入口１３０を介して、非接着領域１１０に充填材を注入することができる。
このように、充填材が封入される充填部１２０がシート材５Ａに形成されていることにより、該充填部１２０が、包装容器が落下した際のクッションとなるため、落下等に起因する衝撃に対し、高い耐久性が得られる。

本実施形態の側方接着領域１１１ｂは、中央接着領域１１１ａから横方向Ｙ１に離間して形成されている。斯かる側方接着領域１１１ｂの横方向Ｙ１両側には、環状の非接着領域１１０ａの側部と、縦方向Ｘ１に延びる非接着領域１１０ｂとが位置しており、これら非接着領域１１０が容器本体２の高さ方向Ｚに延びる上下充填部１２３を形成している。
本実施形態の包装容器１Ａでは、側方接着領域１１１ｂにおいて充填材の充填が遮断されるので、縦折り曲げ部６１に沿ってシート材５Ａを折り曲げ易くなり、容器本体２の保形性がより確保し易くなる。

本実施形態では上下充填部１２３における底面部２２側の端部に、充填材の充填を部分的に遮断する非充填部１２１が形成されている。斯かる非充填部１２１は、図２に示すように、側方折り曲げ部６３ａに沿って形成されている。すなわち、上下充填部１２３が耳形成シート部５７（耳状部２７）まで延在しているとともに、側方折り曲げ部６３ａに沿った部分が非充填部１２１となっているので、該上下充填部１２３における充填材の流路が側方折り曲げ部６３ａの位置において局所的に狭まっている。これにより、側方折り曲げ部６３ａやその近傍において、充填材による充填部１２０の膨出を抑制できるので、上下充填部１２３の膨出に伴う、側方折り曲げ部６３ａにおける折り曲げがより誘導される。その結果、耳状部２７が折り曲げ易くなるとともに、耳状部２７が側壁２５に当接した状態が保持され易くなる。斯かる効果は、容器本体２を立方体や直方体等の定形立体形状に維持する上で有効である。また、耳状部２７の折り曲げによって、底面部２２が平坦に保持され易くなり、包装容器の自立性がより向上する。
本実施形態の非充填部１２１は、非接着領域１１０内に接着領域１１１を設けることで形成することができる。すなわち接着領域１１１が非充填部１２１となる。非充填部１２１（非接着領域１１０）は、底部折り曲げ部６３に沿って間欠的に形成されている。

本実施形態のシート材５Ａを用いて、容器本体２を形成する方法を説明する。先ず、シート材５Ａを中央折り曲げ部６５に沿って２つ折りにする。このシート材５Ａを２つ折りした状態において、相対向した部分の側部どうしを一直線状に接合して、側部シール部８１を形成する。斯かる側部シール部８１は、相対向する本体シート部５０の縦方向Ｘ１に沿う側縁どうしを接合する。これにより、本体シート部５０の側部Ｓ，Ｓにおける、前側シート部５５１と後側シート部５５２とが接合されるとともに、上面領域ｆの横方向Ｙ１外方の辺縁ｆ１どうしが接合される。

次に、天面シート部５６における折り曲げ部６１ｂを山折りに折り曲げるとともに、該天面シート部５６の側部Ｓ，Ｓにおける二等辺三角形状の部分を、側部シール部８１（側壁２５）側に折り曲げる。次に、天面シート部５６の前記二等辺三角形状の部分における互いに等しい二辺と、前側シート部５５１及び後側シート部５５２それぞれにおける上縁（直角台形形状の斜辺部分の辺縁）とを接合して、Ｖ字状シール部８２を形成する。斯かるＶ字状シール部８２と側部シール部８１とが接続して、Ｙ字状のシール部が側壁２５に形成される。
次に、天面シート部５６の中央部Ｃに位置する正方形状の部分の縦方向Ｘ１外方端縁と、背面シート部５４における縦方向Ｘ１外方の端縁とを上端シール部８８により接合する。これにより、天面部２１と、一対の側壁２５，２５が形成される。斯かる側壁２５は、前側シート部５５１、後側シート部５５２、及び天面シート部５６の前記二等辺三角形状の部分とからなる。

次に、充填材注入口１３０から、空気等の充填材を充填する。斯かる充填材の充填により、非接着領域１１０が膨らむ。接着領域１１１（非充填部１２１）では充填材が充填されないため、非接着領域１１０の膨出に伴い、接着領域１１１が形成された各折り曲げ部６１，６３が自然に折れ曲がり、シート材５Ａが箱状に形成される。より具体的には、中央折り曲げ部６５の２つ折りが解除され、底面シート部５２ａと下面領域ｅとが連続した平坦な底面をなすように、下方シート部５２の側部Ｓ，Ｓにおける４個の斜辺折り曲げ部６２が山折りに折り曲げられる。また、前側シート部５５１及び後側シート部５５２が底面シート部５２ａから起立するように、中央部Ｃにおける底部折り曲げ部６３が山折りに折り曲げられ、且つ側部Ｓにおける底部折り曲げ部６３（側方折り曲げ部６３ａ）が谷折りに折り曲げられる。側方折り曲げ部６３ａは、底部折り曲げ部６３のうち中央部Ｃに位置する部分に対して、交差するように折れ曲がる。すなわち、側方折り曲げ部６３ａは前後方向Ｘに沿って谷折りに折り曲げられる。これにより、耳形成シート部５７における上面領域ｆと下面領域ｅとが重なって扁平な耳状部２７が形成される。この上面領域ｆが耳状部２７の側壁対向面となり、下面領域ｅが耳状部２７の底面部対向面となる。また、底面シート部５２ａが底面部２２となる。

このように形成された底面部２２は、前述したように、底部折り曲げ部６３を介して正面壁２３及び背面壁２４と連続する。
側方折り曲げ部６３ａは、側壁２５，２５と耳状部２７との境界部分をなす。すなわち耳状部２７は、側方折り曲げ部６３ａを介して側壁２５と連続している。また、側方折り曲げ部６３ａは、側部シール部８１を、側壁２５に存在する部分と耳状部２７（側壁対向面）に存在する部分とに区分する境界部分となる。
このようにして、正面壁２３、背面壁２４、底面部２２、一対の側壁２５，２５、及び天面部２６によって囲まれた収容空間を備えた容器本体２が形成される。

本実施形態の包装容器１Ａは、シート材５Ａを各折り曲げ部で折り曲げて形成されており、底面部２２及び耳状部２７が、これらと隣接する容器本体２の周壁（正面壁２３、背面壁２４、側壁２５）と連続している。このような容器本体２は、その下部に衝撃が加わっても該容器本体２が破損し難い。より詳細には、容器本体が別体のシートどうしを接合して形成された場合、該シートどうしの接合箇所に衝撃が加わると、その接合が解除されて該シートどうしが剥離する虞がある。例えば容器が落下すると、容器本体の下方部分において、落下の衝撃や容器内の内容物の荷重を受け易い。そのため当該下方部分においてシートどうしが接合した箇所があると、前記の衝撃や荷重でシートどうしが剥離し易くなり、容器本体が破損する。これに対し本実施形態の容器本体２は、正面壁２３及び背面壁２４それぞれと連続した底面部２２、並びに該底面部２２及び側壁２５それぞれと連続した耳状部２７を有しているので、下方においてシートどうしの接合箇所が無い。その結果、前記のシートどうしの剥離に起因する容器本体２の破損が生じ難い。しかも本実施形態の包装容器１Ａは、耳状部２７が被覆シート４によって折り曲げられた状態が保持されているので、容器本体２における該耳状部２７が位置する下部の強度を高く維持できる。さらに容器本体２を形成するシート材５Ａが充填部１２０を備えているので、容器本体２の耐久性を高く維持できる。
このように本実施形態の包装容器１Ａは、落下等に起因する衝撃に対し耐久性に優れる。また、非接着領域１１０（充填部１２０）の膨出に伴い、シート材５Ａの各折り曲げ部６１，６３が自然に折れ曲がるので、箱状の容器本体２の組み立てを容易に行うことができる。斯かる非接着領域１１０（充填部１２０）の膨出は、容器本体２の立体形状の維持にも有効である。

また本実施形態において耳状部２７は、被覆シート４によって折り曲げられた状態が保持されているので、包装容器１Ａ全体がコンパクトになり、良好な外観が得られる。
本実施形態の耳状部２７は、側壁２５に当接するよう折り曲げられているので、側部シール部８１の下方部分が耳状部２７によって保護される。これにより、容器本体２の下方部分において、落下等の衝撃に対する耐性（以下、「衝撃耐性」ともいう。）をより向上できる。

シート材５Ａとしては、例えば合成樹脂からなるフィルムシート材、合成樹脂からなるフィルム層とアルミニウム等の金属層との積層体からなる積層シート材、あるいは該合成樹脂からなるフィルム層にアルミニウム等の金属を蒸着した蒸着シート材を用いることができる。
シート材５Ａが合成樹脂からなるフィルムシート材やフィルム層を含む場合、該合成樹脂として、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂等を用いることができる。
ポリオレフィン系樹脂としては、高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ）、中密度ポリエチレン（ＭＤＰＥ）、低密度ポリエチレン（ＬＤＰＥ）、直鎖状低密度ポリエチレン（ＬＬＤＰＥ）、超低密度ポリエチレン（ＵＬＤＰＥ）、これらの何れかを延伸した一軸延伸ポリエチレン（ＯＰＥ）、二軸延伸ポリエチレン（ＢＯＰＥ）、エチレンビニルアルコール共重合体（ＥＶＯＨ）等のポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン（ＰＰ）、ホモポリプロピレン、ランダムコポリマーポリプロピレン等のポリプロピレン系樹脂等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）、非晶性ポリエチレンテレフタレート（非晶性ＰＥＴ）、ポリブチレンテレフタレート（ＰＢＴ）、ポリエチレンナフタレート（ＰＥＮ）、ポリブチレンナフタレート（ＰＢＮ）等が挙げられる。
ポリアミド系樹脂としては、例えば、ナイロン６、ナイロン６６、芳香族ナイロン等が挙げられる。
また、容器本体２の形成をより容易にする観点から、シート材５Ａは、内面に、前記ポリオレフィン系樹脂等の熱可塑性樹脂を主成分とするシーラント層を具備していることが好ましい。

容器本体２の強度をより向上させる観点から、シート材５Ａの厚さは、好ましくは７０μｍ以上２００μｍ以下である。
容器本体２を形成する、側部シール部８１等の各シール部は、ヒートシール、超音波シール、高周波シール等による融着、接着剤による接着等の各種公知の方法により形成できる。

本実施形態の被覆シート４は、公知の方法により設けられたシュリンクラベルであり、該シート４を筒状に形成した後、容器本体２の周囲に装着された状態から、加熱収縮によって、容器本体２に密着させた状態で該容器本体１０を被覆している。この被覆によって、耳状部２７の折り曲げ状態が保持される。

本実施形態の包装容器１Ａは、容器本体２が被覆シート４で被覆されている。斯かる包装容器１Ａの形成方法について以下に説明する。
先ず、前述したようにシート材５Ａを折り曲げ且つ接合することによって、容器本体２を組み立てる。斯かる段階において、耳状部２７はまだ折り曲げない。次いで、耳状部２７を側方折り曲げ部６３ａで折り曲げて、該耳状部２７を側壁２５に当接させた状態にし、予め円筒状にした被覆シート４を容器本体２の周囲に被せる。その後、被覆シート４を熱収縮させることで、容器本体２の周囲が被覆シート４で被覆されるとともに、耳状部２７の折り曲げ状態が被覆シート４によって保持される。

次に、本発明の包装容器の別の実施形態を説明する。以降の説明では、図１及び図２に示す実施形態と異なる構成部分を主として説明し、同様の構成部分は同一の符号を付して説明を省略する。特に説明しない構成部分は、上述した実施形態についての説明が適宜適用される。
また、以降の説明において、異なる実施形態どうし間で共通する構成部分についても同一の符号を付して説明を省略する。この場合も、共通する構成部分の説明が適宜適用される。

図３に第２実施形態の包装容器１Ｂを示す。上述した第１実施形態の被覆シート４は、容器本体２の周囲の全周を被覆するものであったが、本発明に係る被覆シートは斯かる形態に限られない。図３に示すように、被覆シート４Ｂは、側壁２５を部分的に被覆するシートであってもよい。図３に示す被覆シート４Ｂには、タックラベルを用いており、三角形状の耳状部２７の先端部分のみを覆うようにして、側壁２５に貼り付けられている。タックラベルは、一方の面に粘着剤からなる粘着層を有するラベルであり、公知のものを用いることができる。
被覆シート４Ｂにタックラベルを用いる場合、該被覆シート４Ｂを、耳状部２７の全体を覆うようにして側壁２５に貼り付けてもよい。

第３実施形態の包装容器１Ｃは、第１実施形態と同様に、シート材５Ｃの積層構造における層間に充填部１２０を有している。本実施形態の包装容器１Ｃも、第１実施形態と同様に、一対の側壁２５，２５それぞれに高さ方向Ｚに延びる充填部１２０が形成されている。
図４に示すように、容器本体２Ｃが、前後方向Ｘにおいて折り曲げ部６４を介して正面壁２３及び背面壁２４それぞれと連続する天面部２６を備えている。
本実施形態の容器本体２Ｃは、直交方向Ｙにおける天面部２６と一対の側壁２５との間から外方に延出する天面耳状部２８を有している。天面耳状部２８は、第１実施形態の耳状部２７と同様に、扁平な三角形状を有している。天面耳状部２８は、天面部２６側の面（以下、「天面部対向面」ともいう。）と、側壁２５側の面（側壁対向面）とを有している。このように、底面部２２と側壁２５との間から直交方向Ｙに延出する耳状部２７以外に、天面耳状部２８を有していてもよい。
本実施形態の天面耳状部２８は、天面側方折り曲げ部６４ａを介して該一対の側壁２５それぞれと連続している。天面側方折り曲げ部６４ａは、側壁２５の上端縁を形成する折り曲げ部であり、三角形の天面耳状部２８の底辺をなしている。
天面耳状部２８は、天面側方折り曲げ部６４ａに沿って側壁２５に当接した状態に折り曲げられている。これ代えて、天面耳状部２８は天面側方折り曲げ部６４ａに沿って天面部２６に当接した状態に折り曲げられていてもよい。

天面耳状部２８は、その折り曲げられた状態が、該天面耳状部２８の全部又は一部を覆う前記被覆シート４によって保持されている。本実施形態の天面耳状部２８は、容器本体２Ｃの周囲の全周を覆う被覆シート４によって、その折り曲げられた状態が保持されているが、当該被覆シート４は、側壁２５を部分的に被覆するシートであってもよい。

本実施形態の側部シール部８１は、第１実施形態と同様に、側壁２５の直交方向Ｙ中央位置において形成され、高さ方向Ｚに延在している。斯かる側部シール部８１は、側方折り曲げ部６３ａを二等分するように、底面部２２側の耳状部２７の直交方向Ｙ外方端（三角形状の頂点）まで延在している（図示せず）。さらに側部シール部８１は、天面側方折り曲げ部６４ａを二等分するように、天面耳状部２８の直交方向Ｙ外方端（三角形状の頂点）まで延在している（図示せず）。

本実施形態の容器本体２Ｃは、天面部２６を直交方向Ｙに横断する天面シール部８９を有している。天面シール部８９は、側部シール部８１の上端に接続しており、且つ天面耳状部２８の天面部対向面における直交方向Ｙ外方端どうし間で連続している。また、天面シール部８９は、スパウト３を固定した状態で、天面部２６に対し立設している。天面シール部８９は、天面部２６及び天面耳状部２８それぞれを、正面壁２３側と背面壁２４側とに二分するように、該天面部２６に形成されている。また、天面耳状部２８において、天面部対向面に形成された天面シール部８９の位置と、側壁対向面に形成された側部シール部８１の位置とが一致するように、これらシール部８１，８９が重なっている。
以下、天面シール部８９を境に天面部２６を正面壁２３側と背面壁２４側とに二分したとき、該正面壁２３側の部分を「正面側天面部２６ａ」ともいい、該背面壁２４側の部分を「背面側天面部２６ｂ」ともいう。天面部２６において天面シール部８９は、後述する正面側天面シート部５６ａと、背面側天面シート部５６ｂとを接合している（図５参照）。

本実施形態の天面耳状部２８は、側部シール部８１又は天面シール部８９を境に、正面壁２３側と背面壁２４側とに二分される。以下、天面耳状部２８を、側部シール部８１又は天面シール部８９を境に正面壁２３側と背面壁２４側とに二分したとき、該正面壁２３側の部分を「正面側耳状部２８ａ」ともいい、該背面壁２４側の部分を「背面側耳状部２８ｂ」ともいう。天面耳状部２８において側部シール部８１は、後述する正面側耳形成シート部５８ａの下面領域ｉと、背面側耳形成シート部５８ｂの下面領域ｉとを接合している。また、天面耳状部２８において天面シール部８９は、後述する正面側耳形成シート部５８ａの上面領域ｈと、背面側耳形成シート部５８ｂの上面領域ｈとを接合している。

第３実施形態のシート材５Ｃは、図５に示すように、縦方向Ｘ１に長い略長方形状を有しており、横方向Ｙ１に離間し且つ縦方向Ｘ１に延びる２本の縦折り曲げ部６１によって、一対の側部Ｓ，Ｓと、該一対の側部Ｓ，Ｓ間に位置する中央部Ｃとに区分される。シート材５Ｃは、横方向Ｙ１に延びる横折り曲げ部６４が、該シート材５Ｃの縦方向Ｘ１両端から該縦方向Ｘ１中央側にそれぞれ離間して形成されており、シート材５Ｃの縦方向Ｘ１の両端部にて該シート材５Ｃの全幅に連続する端部域Ｅ１，Ｅ２を画成している。横折り曲げ部６４は、側部Ｓに位置する部分が天面側方折り曲げ部６４ａとなる。
本実施形態のシート材５Ｃには、横折り曲げ部６４よりも縦方向Ｘ１中央に位置する２本の底部折り曲げ部６３，６３が形成されている。斯かる底部折り曲げ部６３と縦折り曲げ部６１とは、第１実施形態と同様に、シート材５Ｃの縦方向Ｘ１中央において、下方シート部５２と、該下方シート部５２の横方向Ｙ１両側に位置する耳形成シート部５７とを画成している。また、シート材５Ｃには、縦方向Ｘ１中央位置において、２本の底部折り曲げ部６３，６３間に、横方向Ｙ１に延びる中央折り曲げ部６５が形成されている。耳形成シート部５７には、該耳形成シート部５７を前述した三角形の領域ｅ，ｆに区分する斜辺折り曲げ部６２が形成されている。
さらに縦折り曲げ部６１は、縦方向Ｘ１における横折り曲げ部６４と底部折り曲げ部６３との間において、正面シート部５３と前側シート部５５１とを画成するとともに、背面シート部５４と後側シート部５５２とを画成している。

縦折り曲げ部６１は、正面シート部５３と縦方向Ｘ１に隣り合う端部域Ｅ１において、正面側天面部２６ａを形成する正面側天面シート部５６ａと、正面側耳形成シート部５８ａ，５８ａとを画成している。すなわち端部域Ｅ１において、中央部Ｃに正面側天面シート部５６ａが位置しており、両側部Ｓ，Ｓに正面側耳形成シート部５８ａ，５８ａが位置している。正面側耳形成シート部５８ａ，５８ａは、容器本体２Ｃにおいて正面側耳状部２８ａ，２８ａを形成する。
また縦折り曲げ部６１は、背面シート部５４と縦方向Ｘ１に隣り合う端部域Ｅ２において、背面側天面部２６ｂを形成する背面側天面シート部５６ｂと、背面側耳形成シート部５８ｂ，５８ｂとを画成している。すなわち端部域Ｅ２において、中央部Ｃに背面側天面シート部５６ｂが位置しており、両側部Ｓ，Ｓに背面側耳形成シート部５８ｂ，５８ｂが位置している。背面側耳形成シート部５８ｂ，５８ｂは、容器本体２Ｃにおいて背面側耳状部２８ｂ，２８ｂを形成する。

正面側耳形成シート部５８ａ，５８ａ及び背面側耳形成シート部５８ｂ，５８ｂそれぞれは、正方形状を有しており、シート材５Ｃの四隅に向かう対角線状の斜辺折り曲げ部６６を有している。これら耳形成シート部５８ａ，５８ｂは、斜辺折り曲げ部６６を境に三角形状の領域ｈ，ｉに二分される。斯かる二分された領域のうち、天面シート部５６ａ，５６ｂと隣り合う領域（横方向Ｙ１内方側の領域）が、天面耳状部２８において天面部対向面となる領域ｈになり、もう他方の領域（横方向Ｙ１外方側の領域）が、側壁対向面となる領域ｉになる。以下、天面部対向面となる領域ｈを「上面領域ｈ」ともいい、側壁対向面となる領域ｉを「下面領域ｉ」ともいう。

本実施形態のシート材５Ｃは、正面シート部５３、背面シート部５４、及び底面シート部５２ａに中央接着領域１１１ａを有し、縦折り曲げ部６１に沿って側方接着領域１１１ｂを有している。また、シート材５Ｃは、中央接着領域１１１ａを囲む環状の非接着領域１１０ａと、側方接着領域１１１ｂと横方向Ｙ１外方に隣り合い且つ縦方向Ｘ１に延びる非接着領域１１０ｂとを有している。さらに、シート材５Ｃは、正面側天面シート部５６ａ及び背面側天面シート部５６ｂそれぞれに、半環状の非接着領域１１０ｃ１，１１０ｃ２を有している。斯かる半環状の非接着領域１１０ｃ１，１１０ｃ２は、正面シート部５３又は背面シート部５４における環状の非接着領域１１０ａと縦方向Ｘ１に連通しており、シート材５Ｃを組み立てた容器本体２Ｃにおいて、スパウト３を囲む環状の充填部１２０を形成する。
背面シート部５４と縦方向Ｘ１に隣り合う端部域Ｅ２の中央部Ｃでは、縦方向Ｘ１外方に延出する充填材注入口１３０が形成されている。

本実施形態のシート材５Ｃから容器本体２Ｃを形成する場合、第１実施形態と同様に、該シート材５Ｃを中央折り曲げ部６５に沿って２つ折りにする。この２つ折りした状態において、相対向した部分の側部どうしを一直線状に接合して、側部シール部８１を形成する。斯かる側部シール部８１は、相対向する前側シート部５５１及び後側シート部５５２の横方向Ｙ１外方側縁どうしを接合するとともに、耳形成シート部５７の上面領域ｆにおける下方シート部５２の側縁ｆ１どうしを接合する。さらに、正面側及び背面側耳形成シート部５８ａ，５８ｂの下面領域ｉにおける横方向Ｙ１外方の辺縁ｉ１どうしを接合する。

次いで、２つ折りしたシート材５Ｃにおいて相対向した端部域Ｅ１，Ｅ２間にスパウト３を挿入し、その状態で両端部域Ｅ１，Ｅ２の縦方向Ｘ１外方側に位置し且つ横方向Ｙ１に延びる端縁（以下、「外方端縁」ともいう）どうしを一直線状に接合して、天面シール部８９を形成するとともに、スパウト３を該両端部域Ｅ１，Ｅ２間（天面部２６）に固定する。このように、スパウト３は天面シール部８９によって天面部２６に固定される。天面シール部８９は、相対向する正面側天面シート部５６ａ及び背面側天面シート部５６ｂの縦方向Ｘ１外方端縁どうしを接合するとともに、正面側及び背面側耳形成シート部５８ａ，５８ｂの上面領域ｈの外方端縁ｈ１どうしを接合する。

次いで、充填材注入口１３０から、空気等の充填材を充填する。斯かる充填材の充填に伴い、非接着領域１１０が膨らんで、各折り曲げ部６１，６３が折れ曲がり、シート材５Ｃが箱状に形成される。特に、接着領域１１１（非充填部１２１）では充填材が充填されないため、非接着領域１１０の膨出に伴って、接着領域１１１が形成された折り曲げ部６１，６３が自然に折れ曲がる。より具体的には、中央折り曲げ部６５における２つ折りが解除されるとともに、縦折り曲げ部６１、並びに中央部Ｃにおける底部折り曲げ部６３及び横折り曲げ部６４が山折りに折れ曲がる。一方、側部Ｓ，Ｓにおける底部折り曲げ部６３（側方折り曲げ部６３ａ）及び横折り曲げ部６４（天面側方折り曲げ部６４ａ）は、谷折りに折れ曲がる。谷折りになった側方折り曲げ部６３ａは、底部折り曲げ部６３のうち中央部Ｃに位置する部分に対して交差するように折れ曲がって、前後方向Ｘに沿った状態となる。また、谷折りになった天面側方折り曲げ部６４ａは、横折り曲げ部６４のうち中央部Ｃに位置する部分に対して交差するように折れ曲がって、前後方向Ｘに沿った状態となる。
この山折り及び谷折りによって、上面領域ｈと下面領域ｉとが重ね合わせられて、扁平な天面耳状部２８が形成される。すなわち、下面領域ｉと側壁２５との間の天面側方折り曲げ部６４ａと、端部域Ｅ１，Ｅ２における縦折り曲げ部６１とが重なる。さらに、天面耳状部２８の上面領域ｈと天面部２６とからなる連続した平坦な面が形成される。また、耳形成シート部５７における上面領域ｆと下面領域ｅとが重なって扁平な耳状部２７が形成されるとともに、天面部２６及び底面部２２と、これら天面部２６及び底面部２２間に位置する側壁２５とが形成される。
このように形成された天面耳状部２８において、上面領域ｈが天面部対向面となり、下面領域ｉが側壁対向面となる。本実施形態の天面耳状部２８は、天面側方折り曲げ部６４ａに沿って側壁２５に当接するよう折り曲げられ、その折り曲げられた状態が被覆シート４によって保持される。

本実施形態において天面側方折り曲げ部６４ａは、天面部２６と天面耳状部２８との境界部分をなす。すなわち天面耳状部２８は、天面側方折り曲げ部６４ａを介して天面部２６と連続している。また、天面側方折り曲げ部６４ａは、天面シール部８９を、天面部２６に存在する部分と天面耳状部２８（天面部対向面）に存在する部分とに区分する境界部分となる。

本実施形態の包装容器１Ｃは、底部折り曲げ部６３だけでなく、横折り曲げ部６４に沿って非充填部１２１が間欠的に形成されている（図示せず）。非充填部１２１は、図５に示すように、天面側方折り曲げ部６４ａに沿って形成されている。これにより、天面側方折り曲げ部６４ａにおける折り曲げがより誘導されて、天面耳状部２８が折り曲げ易くなるとともに、該耳状部２８が側壁２５に当接した状態が保持され易くなる。斯かる効果は、容器本体２を立方体や直方体等の定形立体形状に維持する上で有効である。

本発明は、上述した各実施形態に制限されず、適宜変更可能である。また、上述した実施形態を組み合わせてもよい。
例えば、上述した実施形態の容器は自立可能な容器であったが、自立状態以外の状態で使用されてもよい。例えば、容器の吐出具側が鉛直方向の下方を向くように、該容器を吊り下げた状態で使用してもよい。
また、本発明の包装容器は、キャップが装着されるスパウト３に代えて、容器本体１０に着脱可能に装着されるポンプディスペンサーを備えていてもよい。

１Ａ、１Ｂ、１Ｃ 包装容器
２、２Ｃ 容器本体
２２ 底面部
２３ 正面壁
２４ 背面壁
２５ 側壁
２６ 天面部
２７ 耳状部
２８ 天面耳状部
３ スパウト
３１ 筒状部
３２ 螺条
３３ 貫通孔
４ 被覆シート
５Ａ、５Ｃ シート材
５０ 本体シート部
５２ａ 底面シート部
５３ 正面シート部
５４ 背面シート部
５５ 側壁シート部
５６ 天面シート部
５７ 耳形成シート部
５８ 天面耳形成シート部
６１ 縦折り曲げ部
６２ 斜辺折り曲げ部
６３ 底部折り曲げ部
６３ａ 側方折り曲げ部
６４ 横折り曲げ部
６４ａ 天面側方折り曲げ部
６５ 中央折り曲げ部
８１ 側部シール部
８２ Ｖ字状シール部
８９ 天面シール部
１００ 治具
１０１ 保持板
１１０ 非接着領域
１１１ 接着領域
１２０ 充填部
１２１ 非充填部
１３０ 充填材注入口
Ｘ 前後方向
Ｙ 直交方向
Ｚ 高さ方向

Claims (6)

1. 内部に内容物の収容空間を有する容器本体を備えた包装容器であって、
   前記容器本体は、
   連続する１枚のシート材を折り曲げ且つ接合することによって形成されており、
   前記シート材は、複数の層が積層した積層構造を有しており、該シート材における層間に、充填材が封入される充填部が形成されており、
   底面部と、前後方向において折り曲げ部を介して該底面部と連続し且つ該前後方向において相対向する正面壁及び背面壁と、該正面壁及び該背面壁間に位置し、該前後方向と交差する交差方向において相対向する一対の側壁とを備えており、
   前記交差方向における前記底面部と前記一対の側壁との間から外方に延出する耳状部を有しており、
   前記耳状部は、側方折り曲げ部を介して該一対の側壁それぞれと連続し、且つ該側方折り曲げ部に沿って前記側壁又は前記底面部に当接した状態に折り曲げられており、
   前記耳状部の折り曲げられた状態が、該耳状部の全部又は一部を覆う被覆シートによって保持されている、包装容器。
2. 前記容器本体は、前記シート材を２つ折りにすることによって相対向した部分の側部どうしを接合して形成された側部シール部を有し、該側部シール部は、一部が耳状部の側壁対向面に存在し、他の一部が側壁の中央位置に位置している、請求項１に記載の包装容器。
3. 前記被覆シートが、シュリンクラベルである、請求項１又は２に記載の包装容器。
4. 前記被覆シートが、タックラベルである、請求項１又は２に記載の包装容器。
5. 前記一対の側壁それぞれに前記容器本体の高さ方向に延びる前記充填部が形成されており、該充填部における前記底面部側の端部に、前記充填材の充填を部分的に遮断する非充填部が形成されている、請求項１～４の何れか１項に記載の包装容器。
6. 前記容器本体は、前記前後方向において折り曲げ部を介して前記正面壁及び前記背面壁と連続する天面部を備え、前記交差方向における前記天面部と前記一対の側壁との間から外方に延出する天面耳状部を有しており、
   前記天面耳状部は、天面側方折り曲げ部を介して該一対の側壁それぞれと連続し、且つ該天面側方折り曲げ部に沿って前記側壁又は前記天面部に当接した状態に折り曲げられており、
   前記天面耳状部の折り曲げられた状態が、該天面耳状部の全部又は一部を覆う前記被覆シートによって保持されている、請求項１～５の何れか１項に記載の包装容器。
   

Images