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JP2023056764A - 積層セラミック電子部品及び回路基板 - Google Patents

積層セラミック電子部品及び回路基板 Download PDF

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Abstract

【課題】導電性樹脂層を有する外部電極を備える場合にも、金属イオンのマイグレーションを抑制でき、かつ良好な導電性を有する積層セラミック電子部品等を提供する。【解決手段】積層セラミック電子部品は、略直方体状のセラミック素体と、一対の外部電極と、を具備する。一対の外部電極は、下地層と、導電性樹脂層と、第1導電体層と、第2導電体層と、をそれぞれ有し、端面から主面に沿って延出する。導電性フィラーは、銀で構成されコア部を覆う銀コーティング膜と、を含む。第1軸及び第2軸に平行な断面において、外部電極の所定の範囲を通る第1軸方向に平行な直線を引き、直線に沿った第1導電体層の厚みを導電体厚みとし、直線が通る全ての導電性フィラーの、銀コーティング膜の直線に沿った長さの総和を銀コーティング総厚みとした場合に、銀コーティング総厚みに対する導電体厚みの比率が、2以上10以下である。【選択図】図6

Description

本発明は、積層セラミック電子部品及び回路基板に関する。
積層セラミックコンデンサ等の積層セラミック電子部品は、自動車の電子制御化の流れによって、車載機器にも広く用いられている。例えば車載機器では、積層セラミック電子部品を搭載した回路基板が、振動や温度変化の大きい環境に配置される。振動や温度変化によって回路基板が撓み変形した場合、積層セラミック電子部品にも応力が発生する。例えば特許文献1には、この応力に起因するコンデンサ本体のクラックの発生を抑制する等の観点から、導電性のエポキシ系熱硬化性樹脂層を有する外部電極を備えた積層セラミック電子部品が開示されている。
特開平11-162771号公報
さらに、例えば車載機器では、湿度が非常に高く、積層セラミック電子部品の表面に結露が発生するような環境にもなり得る。この場合、当該表面に付着した水が外部電極内に浸入し、熱硬化性樹脂層に含まれる金属粉末から銀などがイオン化して溶け出すことがある。これにより、金属イオンが積層セラミック電子部品の表面を移動する、いわゆるマイグレーションが発生する。マイグレーションが発生した場合、金属イオンの影響により、積層セラミック電子部品の絶縁抵抗が低下し、絶縁不良が生じる。
金属粉末の材料としては、マイグレーションの発生は抑制しつつも、銀のような良好な導電性を有することが求められる。
以上のような事情に鑑み、本発明の目的は、導電性樹脂層を有する外部電極を備える場合にも、金属イオンのマイグレーションを抑制でき、かつ良好な導電性を有する積層セラミック電子部品及び回路基板を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明の一形態に係る積層セラミック電子部品は、略直方体状のセラミック素体と、一対の外部電極と、を具備する。
前記セラミック素体は、第1軸に垂直な一対の主面と、前記第1軸に直交する第2軸に垂直な一対の端面と、前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸に垂直な一対の側面と、前記端面に引き出された複数の内部電極と、を有する。
前記一対の外部電極は、下地層と、導電性樹脂層と、第1導電体層と、第2導電体層と、をそれぞれ有し、前記端面から前記主面に沿って延出する。
前記下地層は、前記端面を覆う。
前記導電性樹脂層は、熱硬化性樹脂と、前記熱硬化性樹脂内に散在する複数の導電性フィラーと、を含み、前記下地層を覆う。
前記第1導電体層は、前記導電性樹脂層上に配置される。
前記第2導電体層は、錫を主成分として含み、前記第1導電体層上に配置される。
前記下地層は、前記主面上の前記第2軸方向内側に位置する下地端部を含む。
前記導電性樹脂層は、前記主面上において、前記下地端部から前記第2軸方向内側に延びる延出部を含む。
前記導電性フィラーは、コア部と、銀で構成され前記コア部を覆う銀コーティング膜と、を含む。
前記外部電極の前記第3軸方向における中央部を通り、前記第1軸及び前記第2軸に平行な断面において、
前記下地端部から前記第2軸方向内側に、前記延出部の前記第2軸方向における寸法の1/2以上2/3以下離れた範囲を通る、前記第1軸方向に平行な仮想的な直線を引き、
前記直線に沿った前記第1導電体層の厚みを導電体厚みとし、前記直線が通る全ての前記導電性フィラーの、前記銀コーティング膜の前記直線に沿った長さの総和を銀コーティング総厚みとした場合に、
前記銀コーティング総厚みに対する前記導電体厚みの比率が、2以上10以下である。
この構成では、導電性フィラーが銀コーティング膜を含むことから、導電性フィラーが良好な導電性を維持しつつも、導電性フィラーにおける銀の含有量を低減することができる。また、銀コーティング総厚みに対する導電体厚みの比率を2以上10以下とすることで、外部電極の良好な導電性を維持しつつ、銀イオンのマイグレーションを効果的に抑制することができる。
例えば、前記導電体厚みは、1μm以上10μm以下であってもよく、3μm以上10μm以下であってもよい。
また、前記銀コーティング総厚みは、0.5μm以上2.0μm以下であってもよく、1.0μm以上1.5μm以下であってもよい。
また、前記銀コーティング総厚みに対する前記導電体厚みの比率が、3以上5以下であってもよい。
前記導電性フィラーの前記コア部は、主成分として銅又は銅合金を含んでいてもよい。これにより、コストを低減でき、かつ、高い導電性を得られる。
前記第1導電体層は、主成分としてニッケル又はニッケル合金を含んでいてもよい。これにより、実装時における半田の濡れ性を高め、かつ、耐環境性を高めることができる。
前記下地層は、主成分として銅を含んでいてもよい。これにより、セラミック素体に対する応力を低減できるとともに、等価直列抵抗(ESR:Equivalent Series Resistance)を低減できる。
あるいは、前記下地層は、ニッケルを主成分とした焼結金属膜の上に銅のメッキ層を形成した2層構造であってもよい。これにより、セラミック素体上に配置される焼結金属膜と、ニッケルが用いられやすい内部電極との接続性が良好となる。また、ニッケルを主成分とした焼結金属膜の上に銅のメッキ層を形成することで、導電性樹脂層との電気的な接続信頼性を高めることができる。
前記積層セラミック電子部品は、前記第2軸方向における長さ寸法が1.0mm以下、前記第3軸方向における幅寸法が0.5mm以下、前記第1軸方向における高さ寸法が0.5mm以下のサイズであってもよい。
さらに、前記積層セラミック電子部品は、前記長さ寸法が0.4mm以下、前記幅寸法が0.2mm以下、前記高さ寸法が0.2mm以下のサイズであってもよい。
これにより、積層セラミック電子部品を小型化でき、基板上に高密度に実装することができる。
本発明の他の形態に係る回路基板は、積層セラミック電子部品と、接続電極を有する実装基板と、を具備する。
積層セラミック電子部品は、略直方体状のセラミック素体と、一対の外部電極と、を備える。
前記セラミック素体は、第1軸に垂直な一対の主面と、前記第1軸に直交する第2軸に垂直な一対の端面と、前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸に垂直な一対の側面と、前記端面に引き出された複数の内部電極と、を有する。
前記一対の外部電極は、下地層と、導電性樹脂層と、第1導電体層と、第2導電体層と、をそれぞれ有し、前記端面から前記主面に沿って延出する。
前記下地層は、前記端面を覆う。
前記導電性樹脂層は、熱硬化性樹脂と、前記熱硬化性樹脂内に散在する複数の導電性フィラーと、を含み、前記下地層を覆う。
前記第1導電体層は、前記導電性樹脂層上に配置される。
前記第2導電体層は、錫を主成分として含み、前記第1導電体層上に配置される。
前記下地層は、前記主面上の前記第2軸方向内側に位置する下地端部を含む。
前記導電性樹脂層は、前記主面上において、前記下地端部から前記第2軸方向内側に延びる延出部を含む。
前記導電性フィラーは、コア部と、銀で構成され前記コア部を覆う銀コーティング膜と、を含む。
前記外部電極の前記第3軸方向における中央部を通り、前記第1軸及び前記第2軸に平行な断面において、
前記下地端部から前記第2軸方向内側に、前記延出部の前記第2軸方向における寸法の1/2以上2/3以下離れた範囲を通る、前記第1軸方向に平行な仮想的な直線を引き、
前記直線に沿った前記第1導電体層の厚みを導電体厚みとし、前記直線が通る全ての前記導電性フィラーの、前記銀コーティング膜の前記直線に沿った長さの総和を銀コーティング総厚みとした場合に、
前記銀コーティング総厚みに対する前記導電体厚みの比率が、2以上10以下である。
本発明によれば、導電性樹脂層を有する外部電極を備える場合にも、金属イオンのマイグレーションを抑制でき、かつ良好な導電性を有する積層セラミック電子部品及び回路基板を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの斜視図である。 上記積層セラミックコンデンサの図1のA-A'線に沿った断面図である。 上記積層セラミックコンデンサの図1のB-B'線に沿った断面図である。 上記積層セラミックコンデンサが実装された回路基板の断面図である。 図2の部分拡大図である。 図5の部分拡大図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
図面には、適宜相互に直交するX軸、Y軸、及びZ軸が示されている。X軸、Y軸、及びZ軸は全図において共通である。
[積層セラミックコンデンサ10の基本構成]
図1~3は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサ10を示す図である。図1は、積層セラミックコンデンサ10の斜視図である。図2は、積層セラミックコンデンサ10の図1のA-A'線に沿った断面図である。図3は、積層セラミックコンデンサ10の図1のB-B'線に沿った断面図である。
積層セラミックコンデンサ10は、セラミック素体11と、第1外部電極13aと、第2外部電極13bと、を備える。セラミック素体11の表面は、X軸に垂直な第1及び第2端面E1,E2と、Y軸に垂直な第1及び第2側面S1,S2と、Z軸に垂直な第1及び第2主面M1,M2と、を有する。つまり、セラミック素体11は、略直方体状である。セラミック素体11は面取りされ、各面を接続する稜部が丸みを帯びた曲面で構成されていることが好ましい。
積層セラミックコンデンサ10の寸法は、特に限定されないが、例えば以下の範囲を採り得る。積層セラミックコンデンサ10のX軸方向における最大寸法(長さ寸法)は、例えば、0.25mm以上4.5mm以下である。積層セラミックコンデンサ10のY軸方向における最大寸法(幅寸法)は、例えば、0.125mm以上3.2mm以下である。積層セラミックコンデンサ10のZ軸方向における最大寸法(高さ寸法)は、例えば、0.125mm以上3.2mm以下である。積層セラミックコンデンサ10は、例えば、長さ寸法が0.25mm、幅寸法が0.125mm、高さ寸法が0.125mmのサイズ、又は長さ寸法が0.4mm、幅寸法が0.2mm、高さ寸法が0.2mmのサイズ、又は長さ寸法が0.6mm、幅寸法が0.3mm、高さ寸法が0.3mmのサイズ、又は長さ寸法が1.0mm、幅寸法が0.5mm、高さ寸法が0.5mmのサイズ、又は長さ寸法が1.6mm、幅寸法が0.8mm、高さ寸法が0.8mmのサイズ、又は長さ寸法が2.0mm、幅寸法が1.25mm、高さ寸法が1.25mmのサイズ、又は長さ寸法が3.2mm、幅寸法が1.6mm、高さ寸法が1.6mmのサイズ、又は長さ寸法が4.5mm、幅寸法が3.2mm、高さ寸法が3.2mmのサイズを有する。
積層セラミックコンデンサ10では、第1外部電極13aがセラミック素体11の第1端面E1を覆い、第2外部電極13bがセラミック素体11の第2端面E2を覆っている。外部電極13a,13bは、セラミック素体11を挟んでX軸方向に対向し、積層セラミックコンデンサ10の端子として機能する。
外部電極13a,13bは、セラミック素体11の端面E1,E2各々から主面M1,M2及び側面S1,S2に沿ってX軸方向内側にそれぞれ延出している。これにより、端部外部電極13a,13bでは、図2に示すX-Z平面に平行な断面、及びX-Y平面に平行な断面がいずれもU字状となっている。
なお、「X軸方向内側」とは、積層セラミックコンデンサ10をX軸方向に2等分する仮想的なY-Z平面に近づく側を意味する。一方、「X軸方向外側」とは、当該Y-Z平面から遠ざかる側を意味する。
セラミック素体11は、誘電体セラミックスで形成されている。セラミック素体11は、例えば、セラミックスラリーをシート状に成形したセラミックグリーンシートの積層体を焼成することで形成される。
セラミック素体11は、誘電体セラミックスに覆われた複数の第1内部電極12a及び複数の第2内部電極12bを有する。内部電極12a,12bは、例えば、上記積層体の内層部を構成するセラミックグリーンシート上に導電性ペーストを塗布することで形成される。これにより、セラミック層を挟んで対向する内部電極12a,12bが形成される。図2及び図3に示す例では、複数の内部電極12a,12bは、いずれもX-Y平面に沿って延びるシート状であり、Z軸方向に沿って交互に配置されている。
第1内部電極12aは、第1端面E1に引き出され、第1外部電極13aに接続されている。第2内部電極12bは、第2端面E2に引き出され、第2外部電極13bに接続されている。このような構成により、積層セラミックコンデンサ10では、第1外部電極13aと第2外部電極13bとの間に電圧が印加されると、内部電極12a,12bの間の複数のセラミック層に電圧が加わる。これにより、積層セラミックコンデンサ10では、外部電極13a,13b間の電圧に応じた電荷が蓄えられる。
セラミック素体11では、内部電極12a,12b間の各セラミック層の容量を大きくするため、高誘電率の誘電体セラミックスが用いられる。誘電体セラミックスは、例えば、一般式ABOで表されるペロブスカイト構造を有するセラミック材料を主成分とすることができる。なお、ペロブスカイト構造は、化学量論組成から外れたABO3-αを含んでもよい。ペロブスカイト構造を有するセラミック材料としては、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO)に代表される、バリウム(Ba)及びチタン(Ti)を含む材料が挙げられる。具体的には、例えば、Ba1-x-yCaSrTi1-zZr(0≦x≦1,0≦y≦1,0≦z≦1)が挙げられる。
なお、誘電体セラミックスは、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、チタン酸カルシウム(CaTiO3)、チタン酸マグネシウム(MgTiO3)、ジルコン酸カルシウム(CaZrO3)、チタン酸ジルコン酸カルシウム(Ca(Ti,Zr,Ti)O3)、チタン酸ジルコン酸バリウムカルシウム((Ba,Ca)(Ti,Zr)O3)、ジルコン酸バリウム(BaZrO3)、酸化チタン(TiO2)などの組成系でもよい。
[外部電極13a,13bの基本構成]
外部電極13a,13bの層構造について説明する。本実施形態において、外部電極13a,13bは、それぞれ、下地層14と、導電性樹脂層15と、第1導電体層16と、第2導電体層17と、を有する。
なお、以下の外部電極の説明では、第1端面E1側の第1外部電極13aについて主に説明するが、第2端面E2側の第2外部電極13bも同様に構成される。
下地層14は、第1端面E1を覆う。これにより、下地層14は、内部電極12a、12bと電気的に接続される。本実施形態において、下地層14は、第1端面E1から、主面M1,M2及び側面S1,S2に沿ってX軸方向に延出している。下地層14は、主面M1,M2上のX軸方向内側に位置する下地端部14aを含む。
下地層14は、本実施形態において、導電性金属ペーストを焼き付けた焼結金属膜として構成される。例えば、下地層14は、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)のいずれか1つを主成分として含んでいてもよく、例えばCuを主成分としてもよい。あるいは、下地層14は、Niなどを主成分とした焼結金属膜の上にCuなどのメッキ層を形成した2層構造としてもよい。
なお、ある層における「主成分」とは、その層全体の質量に対して50質量%以上の割合を占める成分を言う。また、主成分となる金属は、その合金として含まれていてもよい。
導電性樹脂層15は、下地層14を覆う。導電性樹脂層15は、下地層14、第1導電体層16及び第2導電体層17よりも柔軟性が高く、撓み強度の高い構成を有する。導電性樹脂層15は、第1端面E1から、主面M1,M2及び側面S1,S2に沿ってX軸方向に延出しており、下地層14よりもX軸方向内側まで延びている。
つまり、導電性樹脂層15は、主面M1,M2上において、下地端部14aからX軸方向内側に延びる延出部15bを含む。延出部15bは、X軸方向内側に位置する樹脂端部15aを含む。延出部15bは、例えば、樹脂端部15aから下地端部14aに向かって、Z軸方向における厚みが徐々に増加する構成を有する。
図6の拡大図に示すように、導電性樹脂層15は、熱硬化性樹脂150と、熱硬化性樹脂150内に散在する導電性フィラーFと、を含む。熱硬化性樹脂150としては、例えば、フェノール樹脂、アクリル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂及びポリイミド樹脂が挙げられる。導電性フィラーFは、例えば、球状、扁平状、又は針状等の形状の金属粉末として構成される。導電性樹脂層15の詳細な構成については、後述する。
導電性樹脂層15は、例えば、導電性フィラーFを含む未硬化の熱硬化性樹脂ペーストを下地層14上に塗布し、熱処理によって硬化させることで形成される。熱硬化性樹脂ペーストは、導電性フィラーFの他、有機溶剤や硬化剤などを含んでいてもよい。
第1導電体層16は、導電性樹脂層15上に配置される。第1導電体層16は、半田付けの際に、外部電極13a,13b全体が溶融することを抑制するために、導電性樹脂層15と第2導電体層17との間に配置されるバリア層である。さらに第1導電体層16は、半田の濡れ性の向上や耐湿性の向上等の機能を有することが好ましい。第1導電体層16は、例えば湿式メッキ法で形成される。
第1導電体層16は、上述の機能を有するとともに、化学的な安定性が高いことから、主成分として、ニッケル(Ni)を含むことが好ましい。第1導電体層16が単層構造である場合には、第1導電体層16は、例えばNi又はNi合金で構成される。なお、第1導電体層16は、複数層を含んでいてもよい。この場合、第1導電体層16は、例えば、Ni又はNi合金で構成される層の他、Cu又はCu合金で構成される層などを含んでいてもよい。
第2導電体層17は、錫(Sn)を主成分とし、第1導電体層16上に配置される。第2導電体層17は、例えば半田の濡れ性を高めるために、外部電極13a,13bの表層に設けられ、例えば湿式メッキ法で形成される。
積層セラミックコンデンサ10は、例えば、このような構成の外部電極13a,13bが実装基板110に半田付けされることで、回路基板100を構成する。
[回路基板100の構成]
図4に示すように、回路基板100は、積層セラミックコンデンサ10と、実装基板110と、を備える。積層セラミックコンデンサ10は、第1主面M1及び外部電極13a,13bの第1主面M1上の領域を実装基板110に対向させた状態で、実装基板110に実装される。
実装基板110は、X-Y平面に沿って延びる基板本体111と、基板本体111上に設けられた接続電極112と、を有する。2つの接続電極112は、積層セラミックコンデンサ10の外部電極13a,13bにそれぞれ対応して配置される。
回路基板100の製造過程においては、まず、実装基板110の各接続電極112上にそれぞれ半田Hが配置される。積層セラミックコンデンサ10は、セラミック素体11の第1主面M1を実装基板110と対向させ、外部電極13a,13bの位置を接続電極112上の位置に合わせた状態で、実装基板110上に載置される。
積層セラミックコンデンサ10が載置された実装基板110をリフロー炉などで加熱することで、接続電極112上の半田Hを溶融させる。これにより、溶融状態の半田Hは、実装基板110の接続電極112、及び積層セラミックコンデンサ10の外部電極13a,13bの表面に沿って濡れ広がる。半田Hが冷却され凝固することで、積層セラミックコンデンサ10が実装基板110に接続される。
本実施形態では、半田Hとともに、Snを主成分とする第2導電体層17の一部も溶融することで、半田Hと外部電極13a,13bが確実に接続される。さらに、第2導電体層17下に第1導電体層16を配置することで、外部電極13a,13b全体が溶融することを抑制できる。
このような回路基板100は、電子機器に搭載されて、多様な環境下で使用される。例えば、回路基板100が車載機器に搭載された場合、大きな温度変化や振動のため、回路基板100が繰り返し撓み変形し得る。本実施形態の積層セラミックコンデンサ10では、外部電極13a,13bが柔軟性の高い導電性樹脂層15を有する。これにより、導電性樹脂層15が撓み変形時の応力を緩和でき、セラミック素体11におけるクラックの発生等を抑制することができる。
また、車載機器における回路基板100の周囲の環境は、高湿度にもなり得る。湿度が非常に高い環境においては、積層セラミックコンデンサ10の使用時の発熱に伴い、積層セラミックコンデンサ10の表面に結露が発生する。
ここで、従来の積層セラミックコンデンサでは、外部電極の導電性樹脂層に含まれる導電性フィラーとして、Agを主成分とするものが多く用いられていた。Agは、導電性が高く、酸化等に対する耐性が高いという特徴を有する。一方で、上述のような結露が発生する環境下においては、導電性フィラー由来と考えられるAgイオンが積層セラミックコンデンサの表面に染み出し、セラミック素体の表面を移動する、いわゆるマイグレーションが発生することがあった。マイグレーションが発生した場合、セラミック素体をX軸方向に拡散したAgイオンの影響により、一対の外部電極が導通し得る。これにより、積層セラミック電子部品の絶縁抵抗が低下し、絶縁不良が生じ得る。
本発明者らの知見によると、Agイオンは、第1導電体層の意図しない途切れ部から染み出すこともあるが、Agイオンは、樹脂端部(導電性樹脂層のX軸方向内側の端部)からメッキ層とセラミック素体との隙間を伝って染み出すことが多いと考えられる。また、本発明者らの実験によると、Agのみで構成された導電性フィラーを含む導電性樹脂層を用いた場合には、実施例において説明する結露試験において、ほぼ確実にマイグレーションが発生することがわかった。
[外部電極13a,13bの詳細な構成]
本実施形態では、図6に示すように、導電性樹脂層15に含まれる導電性フィラーFが、コア部Fcと、Ag(銀)で構成されコア部Fcを覆う銀コーティング膜Faと、を含む。これにより、導電性フィラーFが、Agによる高い導電性及び耐酸化性といった特徴を有しつつも、Agの含有量の少ない構成となり得る。したがって、Agイオンの溶出量を低減でき、マイグレーションを抑制することができる。
コア部Fcは、Ag以外の材料を含む。コア部Fcは、例えば、Cu、Sn、Zn、又はNi等から選択される金属又はその合金を含んでいてもよい。コストを低減でき、かつ、高い導電性を得られることから、コア部Fcが主成分としてCuを含むことが好ましい。この場合、コア部Fcは、Cuのみから構成されていてもよいし、ZnやNiを含むCu合金で構成されていてもよい。また、コア部Fcは、金属以外の材料を含んでいてもよく、例えば、ガラス等のケイ素化合物を含んでいてもよい。本実施形態の導電性フィラーFでは、銀コーティング膜Faが高い導電性を有するため、コア部Fcの導電性が低くても、全体として導電性を有する構成となり得る。
導電性フィラーFにおけるAgの質量割合は、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上であり、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。Agの質量割合を3質量%以上とすることで、導電性フィラーFの導電性を十分に確保することができる。Agの質量割合を20質量%以下とすることで、マイグレーションをより効果的に抑制できるとともに、導電性フィラーFのコストを低減することができる。
さらに、本発明者らの研究により、上記導電性フィラーFを用いることに加えて、以下の銀コーティング総厚みΣDnに対する導電体厚みTの比率を2以上10以下とすることで、マイグレーションの発生及びそれによる絶縁不良を、より確実に抑制できることがわかった。銀コーティング総厚みΣDnは、銀コーティング膜Faの厚みに関する値であり、導電体厚みTは、第1導電体層16の厚みに関する値である。
銀コーティング総厚みΣDn及び導電体厚みTの具体的な算出方法について説明する。まず、積層セラミックコンデンサ10において、外部電極13a,13bのY軸方向における中央部を通り、X軸及びZ軸に平行な断面を切り出す。「外部電極13a,13bのY軸方向における中央部」は、外部電極13a,13bをY軸方向に3等分した際の中央の領域を意味する。この断面は、図2に示す断面のように、外部電極13a,13bをY軸方向にほぼ2等分する断面であることが好ましい。
図5は、図2の部分拡大図である。図5に示すように、上記断面において、下地端部14aからX軸方向内側に所定の距離離れた領域Rを通る、Z軸方向に平行な仮想的な直線Lを引く。この直線Lは、銀コーティング総厚みΣDn及び導電体厚みTの測定位置を規定する直線であり、導電性樹脂層15の延出部15b及び第1導電体層16等をZ軸方向に横切る。
また、上述のように、導電性樹脂層15の延出部15bは、樹脂端部15aから下地端部14aに向かって徐々に厚みが厚くなる。そこで、本実施形態では、下地端部14aから領域RまでのX軸方向における距離を、寸法Laの1/2以上2/3以下とする。これにより、導電性樹脂層15の延出部15bにおいて、Agイオンの染み出しが問題となる樹脂端部15aに比較的近い位置であり、かつ、十分な厚みを有する領域Rの銀コーティング総厚みΣDnを算出することができる。
さらに、銀コーティング総厚みΣDn及び導電体厚みTの測定値の精度を高めるため、本実施形態では、領域Rに、3本以上の直線Lを引き、各直線Lについての銀コーティング総厚みΣDn及び導電体厚みTを算出し、これらの平均値を算出するものとする。図5に示す例では、直線Lとして、例えば3本の直線L1,L2,L3を引いている。なお、直線L1,L2,L3は、X軸方向にほぼ均等な間隔で配置されることが好ましい。例えば、直線L1は、下地端部14aから寸法Laの約1/2の位置を通り、直線L2は、下地端部14aから寸法Laの約7/12の位置を通り、直線L3は、下地端部14aから寸法Laの約2/3の位置を通ることがより好ましい。
続いて、直線L上に位置する全ての導電性フィラーFの、銀コーティング膜Faの直線Lに沿った長さの総和を、銀コーティング総厚みΣDnとして算出する。ここでは、3本の直線L1,L2,L3のそれぞれに沿った銀コーティング膜Faの長さの総和をそれぞれ算出し、その平均値を銀コーティング総厚みΣDnとする。なお、銀コーティング総厚みΣDnは、一方の主面M1,M2側における導電性樹脂層15について算出する。
図6を参照し、1本の直線L1における銀コーティング膜Faの長さの総和の算出方法について説明する。図6は、図5の直線L1及びその周囲を拡大して示す図である。なお、図5では、外部電極13aの各層のZ軸方向上面が傾斜しているが、図6では、便宜上、各層のZ軸方向上面を平坦な面として示している。
図6に示す例では、直線L1上に、3つの導電性フィラーF1,F2,F3が配置されている。それぞれの導電性フィラーF1,F2,F3において、銀コーティング膜Faの直線L1に沿った長さは、それぞれ長さD1,D2,D3となる。例えば、導電性フィラーF2のように、直線L1上に、コア部Fcを挟んで2箇所の銀コーティング膜Faが配置されている場合は、各部分の銀コーティング膜Faの直線L1に沿った長さD21,D22の和を、その導電性フィラーF2における長さD2とする。そして、全ての導電性フィラーF1,F2,F3における長さD1,D2,D3の和を、直線L1に沿った銀コーティング膜Faの長さの総和として算出する。
なお、図6では、直線L1上に3個の導電性フィラーFが配置される例を示したが、実際には、より多くの導電性フィラーFが配置される。
同様に、直線L2,L3に沿った銀コーティング膜Faの長さの総和も算出する。そして、3本の直線L1,L2,L3に沿った銀コーティング膜Faの長さの総和の平均値を、銀コーティング総厚みΣDnとして算出する。
そして、図6に示すように、直線Lに沿った第1導電体層16の厚みを導電体厚みTとして算出する。図6では、説明のため、1本の直線L1に沿った第1導電体層16の厚みを導電体厚みTとして示している。しかし、図5に示す例では、3本の直線L1,L2,L3のそれぞれに沿った第1導電体層16の厚みの平均値を、導電体厚みTとする。なお、導電体厚みTは、測定対象の導電性樹脂層15に隣接する第1導電体層16の厚みとする。
銀コーティング総厚みΣDnに対する導電体厚みTの比率を2以上とすることで、後述する実施例において示すように、マイグレーションを効果的に抑制することができる。これは、第1導電体層16、又は第1導電体層16とセラミック素体11との隙間を介したAgの溶出が抑制されるためと考えられる。
また、銀コーティング総厚みΣDnに対する導電体厚みTの比率を10以下とすることで、導電性樹脂層15におけるAgの量を十分に確保でき、導電性樹脂層15の導電性を十分に確保できる。
さらに、銀コーティング総厚みΣDnに対する導電体厚みTの比率は、3以上5以下であることが好ましい。当該比率を3以上とすることで、マイグレーションの抑制効果をより確実に得ることができる。当該比率を5以下とすることで、導電性樹脂層15の導電性をより高めることができる。
さらに、導電体厚みTは、1μm以上10μm以下であることが好ましく、3μm以上10μm以下であることがより好ましい。導電体厚みTを1μm以上、さらに3μm以上とすることで、マイグレーションの抑制効果をより確実に得ることができる。また、これにより、半田による濡れ性を十分に確保できるとともに、十分な耐湿性を得ることができる。また、導電体厚みTを10μm以下とすることで、湿式メッキ工程において発生する水素の、外部電極13a,13b中における吸蔵量を低減できる。したがって、製造後に、吸蔵された水素がセラミック素体11内へ拡散することによって、積層セラミックコンデンサ10の絶縁抵抗の低下が生じることを抑制できる。
また、銀コーティング総厚みΣDnは、0.5μm以上2.0μm以下であることが好ましく、1.0μm以上1.5μm以下であることがより好ましい。銀コーティング総厚みΣDnを0.5μm以上、さらに1.0μm以上とすることで、導電性樹脂層15において十分な導電性を確保でき、ESRの上昇を抑制することができる。銀コーティング総厚みΣDnを2.0μm以下、さらに1.5μm以下とすることで、導電性フィラーFにおけるAgの量を低減することができ、マイグレーションを十分に抑制することができる。
[実施例及び比較例]
上記実施形態の実施例及び比較例について説明する。実施例1~15では、比率T/ΣDnが2以上10以下となる条件で積層セラミックコンデンサ10のサンプルを作製した。また、比較例1~8では、比率T/ΣDnが2未満又は10より大きくなる条件で積層セラミックコンデンサ10のサンプルを作製した。
実施例1~15及び比較例1~8ではいずれも、積層セラミックコンデンサ10のサンプルのサイズを1.6mm×0.8mm×0.8mmとした。また、実施例1~15及び比較例1~8では、積層セラミックコンデンサ10のサンプルにおける導電性樹脂層のフィラー含有量又は第1導電体層の厚み以外の構成を実質的に同様とした。
実施例1~15及び比較例1~8に共通する製造方法について説明する。まず、BaTiO等の強誘電体材料を用いて、セラミックグリーンシートを作成した。このセラミックグリーンシートに印刷法等によって内部電極パターンを形成した。内部電極パターンが形成されたセラミックグリーンシートと、内部電極パターンが形成されていないセラミックグリーンシートとを所定の枚数積層し、大判の積層体を作成した。この積層体を圧着して所定の位置でカットし、未焼成のセラミック素体を作製した。そのセラミック素体を1000~1400℃で焼成し、焼成したセラミック素体を形成した。
焼成したセラミック素体の端面全体、並びに主面及び側面の一部に、Cuを主成分とした導電ペーストを塗布した。導電ペーストが塗布された積層チップを700~1000℃で焼付し、セラミック素体に下地層を形成した。
続いて、図1~3に示すような下地層を覆う形状で、未硬化のエポキシおよびフェノール系樹脂ペーストに導電性フィラーを添加した導電性樹脂ペーストを塗布することで、未硬化の導電性樹脂層を形成した。導電性フィラーは、Cuを主体としNiを含むCu合金で構成されたコア部と、Agで構成された銀コーティング膜と、を含むものとした。導電性フィラーは、8質量%のAgを含むものとした。実施例1~15及び比較例1~8では、表1に示すような銀コーティング総厚みΣDnを得るように、樹脂ペーストへの導電性フィラーの添加量を調整した。
未硬化の導電性樹脂層を硬化させるための熱処理を行った。熱処理は、160~190℃、窒素雰囲気のオーブン炉で、未硬化の導電性樹脂層が形成されたセラミック素体11を加熱することにより行った。これにより、導電性樹脂層を形成した。
続いて、導電性樹脂層上に、電解メッキ法により、Niからなる第1導電体層及びSnからなる第2導電体層をそれぞれ形成した。実施例1~15及び比較例1~8では、表1に示すような導電体厚みTを得るように、第1導電体層のメッキ形成条件を調整した。
これにより、積層セラミックコンデンサのサンプルを作製した。表1に、実施例1~15及び比較例1~8における、導電体厚みT、銀コーティング総厚みΣDn、比率T/ΣDnの値を示す。導電体厚みT及び銀コーティング総厚みΣDnは、上述のように、下地端部から延出部の長さの1/2以上2/3以下の範囲に3本の直線を引き、各直線についての第1導電体層の厚みの平均値と銀コーティング膜の長さの総和の平均値とを算出することによって得られた。
Figure 2023056764000002
実施例1~15及び比較例1~8の各々について20個のサンプルを準備し、結露試験を行った。サンプルを半田によって基板に実装し、電圧16Vを印加しながら恒温恒湿槽に投入し、JIS60068-2-30の結露試験プログラムを6サイクル行った。1サイクルの条件は、以下の(1)~(6)とした。
(1)湿度98%を維持し、温度25℃から55℃へ3時間かけて変更
(2)温度55℃を維持し、湿度98%から93%へ15分かけて変更
(3)温度55℃湿度93%で9時間25分保持
(4)湿度93%を維持し、温度55から25℃へ3時間かけて変更
(5)温度25℃湿度93%で3時間保持
(6)温度25℃を維持し、湿度93%から98%へ5時間30分かけて変更
結露試験後の実施例1~15及び比較例1~8のサンプルに対して、マイグレーションの発生を確認した。マイグレーションは外部電極間に析出物があるかないかを40倍の実体顕微鏡を使用した外観で判断し、析出物があればマイグレーション発生と判断した。実施例1~15及び比較例1~8の20個ずつのサンプルに対して、マイグレーションが発生したサンプルの比率を、表1に示す。
表1に示すように、比率T/ΣDnが2未満である比較例1~3及び7では、マイグレーションが発生したサンプルがあった。一方で、比率T/ΣDnが2以上である実施例1~15及び比較例4~6,8では、いずれのサンプルでもマイグレーションは発生しなかった。
実施例1~15及び比較例1~8の各々について20個のサンプルを準備し、導電性について評価した。サンプルを85℃、湿度85%の高温高湿度環境下に1000時間放置した後の等価直列抵抗(ESR)を測定し、ESRの最小値が初期のESR最小値の5倍以上に増加した場合に、「導電性不良」のサンプルと判定した。実施例1~15及び比較例1~8の20個ずつのサンプルに対して、導電性不良が発生した比率を、表1に示す。
表1に示すように、比率T/ΣDnが10よりも大きい比較例4及び5では、導電性不良と判定されたサンプルがあった。一方で、比率T/ΣDnが10以下である実施例1~15及び比較例1~3,6~8では、導電性不良と判定されたサンプルは無かった。
実施例1~15及び比較例1~8の各々について20個のサンプルを準備し、メッキによる劣化について評価した。サンプルをはんだによって実装し、125℃の恒温槽の中で定格の1.5倍のDCバイアスを1000時間印加した後の絶縁抵抗を測定した。絶縁抵抗が2.5MΩ・μF以下となった場合に、「メッキ劣化不良」のサンプルと判定した。実施例1~15及び比較例1~8の20個ずつのサンプルに対して、メッキ劣化不良が発生した比率を、表1に示す。
表1に示すように、導電体厚みTが15μmの比較例8及び実施例15では、メッキ劣化不良と判定されたサンプルがあった。一方で、導電体厚みTが10μm以下の実施例1~14及び比較例1~7では、メッキ劣化不良と判定されたサンプルは無かった。
これらの結果から、T/ΣDnが2以上10以下である実施例1~15では、マイグレーションの発生を抑制しつつ、十分な導電性が得られることがわかった。また、銀コーティング総厚みΣDnが0.5μm以上2.0μm以下である場合には、比率T/ΣDnを2以上10以下に調整しやすいことから、マイグレーションの発生を抑制しつつ、十分な導電性を得やすいことがわかった。さらに、導電体厚みTを10μm以下とすることで、メッキ劣化不良を抑制できることがわかった。なお、導電体厚みTが1μm以上の実施例1~15及び比較例1~8では、Niの第1導電体層がほぼ連続的に形成されており、半田濡れや耐湿性等の問題は無かった。
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく種々変更を加え得ることは勿論である。
外部電極13a,13bは、端面E1,E2から少なくとも一方の主面(第1主面M1)上まで延びていればよく、第2主面M2及び/または側面S1,S2上には形成されていなくてもよい。
内部電極12a,12bはZ軸方向に沿って交互に配置されている構成に限定されず、例えばY軸方向に沿って交互に配置されていてもよい。
本実施形態に係る積層セラミックコンデンサは、2端子型に限定されず、3端子型に構成することもできる。
また、本発明は、積層セラミックコンデンサのみならず、内部電極が積層された構成を有する積層セラミック電子部品全般に適用可能である。本発明を適用可能な積層セラミック電子部品としては、積層セラミックコンデンサ以外に、例えば、チップバリスタ、チップサーミスタ、積層インダクタなどが挙げられる。
10…積層セラミックコンデンサ(積層セラミック電子部品)
11…セラミック素体
12a,12b…内部電極
13a,13b…外部電極
14…下地層
14a…下地端部
15…導電性樹脂層
15a…樹脂端部
15b…延出部
16…第1導電体層
17…第2導電体層
E1,E2…端面
S1,S2…側面
M1,M2…主面

Claims (13)

  1. 第1軸に垂直な一対の主面と、前記第1軸に直交する第2軸に垂直な一対の端面と、前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸に垂直な一対の側面と、前記端面に引き出された複数の内部電極と、を有する、略直方体状のセラミック素体と、
    前記端面を覆う下地層と、熱硬化性樹脂と前記熱硬化性樹脂内に散在する複数の導電性フィラーとを含み前記下地層を覆う導電性樹脂層と、前記導電性樹脂層上に配置された第1導電体層と、錫を主成分として含み前記第1導電体層上に配置された第2導電体層と、をそれぞれ有し、前記端面から前記主面に沿って延出する一対の外部電極と、
    を具備し、
    前記下地層は、前記主面上の前記第2軸方向内側に位置する下地端部を含み、
    前記導電性樹脂層は、前記主面上において、前記下地端部から前記第2軸方向内側に延びる延出部を含み、
    前記導電性フィラーは、コア部と、銀で構成され前記コア部を覆う銀コーティング膜と、を含み、
    前記外部電極の前記第3軸方向における中央部を通り、前記第1軸及び前記第2軸に平行な断面において、
    前記下地端部から前記第2軸方向内側に、前記延出部の前記第2軸方向における寸法の1/2以上2/3以下離れた範囲を通る、前記第1軸方向に平行な仮想的な直線を引き、
    前記直線に沿った前記第1導電体層の厚みを導電体厚みとし、前記直線が通る全ての前記導電性フィラーの、前記銀コーティング膜の前記直線に沿った長さの総和を銀コーティング総厚みとした場合に、
    前記銀コーティング総厚みに対する前記導電体厚みの比率が、2以上10以下である
    積層セラミック電子部品。
  2. 請求項1に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記導電体厚みは、1μm以上10μm以下である
    積層セラミック電子部品。
  3. 請求項2に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記導電体厚みは、3μm以上10μm以下である
    積層セラミック電子部品。
  4. 請求項1から3のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記銀コーティング総厚みは、0.5μm以上2.0μm以下である
    積層セラミック電子部品。
  5. 請求項4に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記銀コーティング総厚みは、1.0μm以上1.5μm以下である
    積層セラミック電子部品。
  6. 請求項1から5のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記銀コーティング総厚みに対する前記導電体厚みの比率が、3以上5以下である
    積層セラミック電子部品。
  7. 請求項1から6のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記導電性フィラーの前記コア部は、主成分として銅を含む
    積層セラミック電子部品。
  8. 請求項1から7のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記第1導電体層は、主成分としてニッケルを含む
    積層セラミック電子部品。
  9. 請求項1から8のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記下地層は、主成分として銅を含む
    積層セラミック電子部品。
  10. 請求項1から8のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記下地層は、ニッケルを主成分とした焼結金属膜の上に銅のメッキ層を形成した2層構造である
    積層セラミック電子部品。
  11. 請求項1から10のいずれか一項に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記第2軸方向における長さ寸法が1.0mm以下、前記第3軸方向における幅寸法が0.5mm以下、前記第1軸方向における高さ寸法が0.5mm以下のサイズである
    積層セラミック電子部品。
  12. 請求項11に記載の積層セラミック電子部品であって、
    前記長さ寸法が0.4mm以下、前記幅寸法が0.2mm以下、前記高さ寸法が0.2mm以下のサイズである
    積層セラミック電子部品。
  13. 積層セラミック電子部品と、接続電極を有する実装基板と、を具備し、
    前記積層セラミック電子部品は、
    第1軸に垂直な一対の主面と、前記第1軸に直交する第2軸に垂直な一対の端面と、前記第1軸及び前記第2軸に直交する第3軸に垂直な一対の側面と、前記端面に引き出された複数の内部電極と、を有する、略直方体状のセラミック素体と、
    前記端面を覆う下地層と、熱硬化性樹脂と前記熱硬化性樹脂内に散在する複数の導電性フィラーとを含み前記下地層を覆う導電性樹脂層と、前記導電性樹脂層上に配置された第1導電体層と、錫を主成分として含み前記第1導電体層上に配置された第2導電体層と、をそれぞれ有し、前記端面から前記主面に沿って延出する一対の外部電極と、
    を備え、
    前記下地層は、前記主面上の前記第2軸方向内側に位置する下地端部を含み、
    前記導電性樹脂層は、前記主面上において、前記下地端部から前記第2軸方向内側に延びる延出部を含み、
    前記導電性フィラーは、コア部と、銀で構成され前記コア部を覆う銀コーティング膜と、を含み、
    前記外部電極の前記第3軸方向における中央部を通り、前記第1軸及び前記第2軸に平行な断面において、
    前記下地端部から前記第2軸方向内側に、前記延出部の前記第2軸方向における寸法の1/2以上2/3以下離れた範囲を通る、前記第1軸方向に平行な仮想的な直線を引き、
    前記直線に沿った前記第1導電体層の厚みを導電体厚みとし、前記直線が通る全ての前記導電性フィラーの、前記銀コーティング膜の前記直線に沿った長さの総和を銀コーティング総厚みとした場合に、
    前記銀コーティング総厚みに対する前記導電体厚みの比率が、2以上10以下である
    回路基板。
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