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JP2022521235A - 発酵方法 - Google Patents

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JP2022521235A JP2021548666A JP2021548666A JP2022521235A JP 2022521235 A JP2022521235 A JP 2022521235A JP 2021548666 A JP2021548666 A JP 2021548666A JP 2021548666 A JP2021548666 A JP 2021548666A JP 2022521235 A JP2022521235 A JP 2022521235A
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Abstract

本発明は、ラージスケール製造のためのボルデテラ発酵及び毒性因子生産、特にPT生産の方法に関する。より具体的には、接種前に行われる培地馴化ステップを含む方法に関する。【選択図】図1

Description

本発明は、発酵方法に関する。
ボルデテラ(Bordetella)属は多数の細菌性疾患の原因物質であり、例えば百日咳菌(Bordetella pertussis)(ヘモフィルス・パータシス(Haemophilus pertussis)としても公知である)は、小児において重症化し得る呼吸器疾患である百日咳の原因となる。この疾患の臨床経過は、急激な咳の発作と続く吸気努力によって特徴付けられ、しばしば特徴的な「ゼーゼー(whooping)」音と関連する。重症例では、酸素欠乏は脳損傷を引き起こす場合があるが、しかしながら、最も一般的な合併症は二次性肺炎である。
百日咳は、通常、百日咳菌が原因と考えられているが、パラ百日咳菌は、典型的な百日咳の徴候及び症状を示す患者から分離されることもある。パラ百日咳菌感染は百日咳菌よりも頻度が低く、百日咳の5~10%がパラ百日咳菌と関連している(Mertsola (1985年) Eur J Clin Microbiol 4巻:123頁; Lautrop (1971年) Lancet 1巻(7711号):1195~1198頁)。パラ百日咳菌は軽度の臨床症状と関連しており、百日咳菌との血清学的交差反応性と合わさって、パラ百日咳菌の診断を困難にしている。
百日咳菌に対する第一世代のワクチンは、全死滅菌で構成される全細胞ワクチンであった。これらは1950年代及び1960年代に多数の国に導入され、百日咳の発生率を低下させることに成功した。全細胞百日咳菌ワクチンの問題点は、それと関連する高レベルの反応源性である。精製百日咳菌タンパク質を含む無細胞ワクチンは反応源性が低く、多数の国でワクチン接種プログラムに採用されている。百日咳毒素(PT)、線維状赤血球凝集素(FHA)及び非常にしばしばパータクチン(PRN)を含む無細胞ワクチンが広く使用され、百日咳の重症度から効果的な防御を提供する。
このようなワクチンに使用するためのボルデテラ毒性因子は、ボルデテラを発酵させ、生産された毒性因子を分離することによって生成されるが、しかしながら、ボルデテラ種は高濃度では増殖させることが困難である選好性の微生物であり(Doern, Clin. Infect. Dis. 2000年, 30巻:166~173頁)、さらに、ボルデテラ毒性因子、特に多価百日咳(pertusis)ワクチンの制限抗原である百日咳毒素(PT)を発現することが困難である。
当該技術分野において、ボルデテラ発酵及び毒性因子生産、特にPT生産の効率を、ラージスケール製造のために改善する必要性が残っている。本発明者らは、驚くべきことに、接種前に行われた培地馴化ステップが、PT収率の増加、バイオマスの増加、及び発酵時間の減少を含む、ラージスケールでのボルデテラ発酵性能のいくつかの測定値を有意に改善することを見出した。
[発明の概要] 本発明の第1態様では、馴化増殖培地を生産する方法であって、
a) 増殖培地を提供するステップ;
b) 約28℃~約35℃の間の温度で約20~35時間、増殖培地を保持するステップ;及び
c) 場合により、増殖培地を撹拌及び/又は通気して、約10h-1~約130h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせるステップ
を含み、それにより馴化増殖培地を提供する、方法が提供される。
より具体的には、本発明の第1態様は、滅菌馴化増殖培地を生産する方法であって、
a) 滅菌増殖培地を提供するステップ;
b) 約28℃~約35℃の間の温度で約20~35時間、滅菌増殖培地を保持するステップ;及び
c) 場合により、滅菌増殖培地を撹拌及び/又は通気して、約10h-1~約130h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせるステップ
を含み、それにより滅菌馴化増殖培地を提供する、方法を提供する。
本発明の第2態様では、
a) 増殖培地を提供するステップ;
b) 約28℃~約35℃の間の温度で約20~35時間、増殖培地を保持するステップ;及び
c) 増殖培地を撹拌及び/又は通気して、約10h-1~約130h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせるステップ
を含む方法によって生産された馴化増殖培地が提供される。
より具体的には、本発明の第2態様は、
a) 滅菌増殖培地を提供するステップ;
b) 約28℃~約35℃の間の温度で約20~35時間、滅菌増殖培地を保持するステップ;及び
c) 滅菌増殖培地を撹拌及び/又は通気して、約10h-1~約130h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせるステップ
を含む方法によって生産された滅菌馴化増殖培地を提供する。
本発明の第3態様では、ボルデテラ種を培養する方法であって、
a) 少なくとも1種のボルデテラ細胞を第2態様に記載の馴化増殖培地に接種してボルデテラ培養物を生産するステップ;及び
b) 少なくとも1種のボルデテラタンパク質の生産及び/又はバイオマスの増加を可能にする条件下でボルデテラ培養物を維持するステップ
を含む方法が提供される。
本発明の第4態様では、ボルデテラタンパク質を生産する方法であって、
a) 少なくとも1種のボルデテラ細胞を第2態様に記載の馴化増殖培地に接種してボルデテラ培養物を生産するステップ:
b) 少なくとも1種のボルデテラタンパク質の生産を可能にする条件下でボルデテラ培養物を維持するステップ;及び
c) 培養物から前記少なくとも1種のボルデテラタンパク質を単離するステップ
を含む方法が提供される。
本発明の第5態様では、
a) 少なくとも1種のボルデテラ細胞を第2態様に記載の馴化増殖培地に接種してボルデテラ培養物を生産するステップ:
b) 少なくとも1種のボルデテラタンパク質の生産を可能にする条件下でボルデテラ培養物を維持するステップ;及び
c) 培養物から前記少なくとも1種のボルデテラタンパク質を単離するステップ
を含む方法によって生産された単離されたボルデテラタンパク質が提供される。
本発明の第6態様では、
a) 少なくとも1種のボルデテラ細胞を第2態様に記載の馴化増殖培地に接種してボルデテラ培養物を生産するステップ:
b) 少なくとも1種のボルデテラタンパク質の生産を可能にする条件下でボルデテラ培養物を維持するステップ;及び
c) 培養物から前記少なくとも1種のボルデテラタンパク質を単離するステップ
を含む方法によって生産された単離されたボルデテラタンパク質を含む免疫原性組成物が提供される。
馴化培地(黒色)及び非馴化培地(灰色)におけるボルデテラ発酵中のバイオマス(実線)及び酸素消費(点)の変化を示す図である。 ボルデテラ発酵性能の4つの測定値:(A)PT含量、(B)FHA含量、(C)バイオマス、及び(D)発酵時間における馴化方法パラメーターの効果を評価する実験計画用の表面プロットを示す図である。結果は、PT収率及びバイオマス生産の最適馴化パラメーターが31.2℃で34.6時間の馴化と90h-1付近のkLaであることを予測する。 ボルデテラ発酵性能の4つの測定値:(A)PT含量、(B)FHA含量、(C)バイオマス、及び(D)発酵時間における馴化方法パラメーターの効果を評価する実験計画用の表面プロットを示す図である。結果は、PT収率及びバイオマス生産の最適馴化パラメーターが31.2℃で34.6時間の馴化と90h-1付近のkLaであることを予測する。 1Lのバイオリアクタースケールでの馴化パラメーターの検証を示す図である。右パネル:馴化培地(方法2、3及び4;詳細は実施例3を参照されたい)で行われたボルデテラ発酵は、非馴化培地で行われた発酵より10%以上高いPT含量を生じさせた。左パネル:バイオマス含量は、1Lのバイオリアクタースケールで温度又はkLaによって有意に影響されなかった。 1LのバイオリアクタースケールでのPT含量及びバイオマスにおける馴化期間の効果を示す図である。上段パネル:32時間及び56時間の培地馴化は、非馴化培地と比較して発酵中のPT含量において10%以上の増加をもたらした。下段パネル:32時間及び56時間でバイオマスが増加した。 20Lのバイオリアクタースケールでの最適馴化パラメーターの検証を示す図である。最適な方法パラメーター(31℃;32時間;kLa 90h-1)を有する馴化培地で行われた発酵は、非馴化培地(NC)又は準最適馴化パラメーターと比較した場合、PT収率の少なくとも10%の増加をもたらした。 800Lの発酵タンク又は培地調製タンクのいずれかで馴化した培地を用いたスモールスケール容器(<1L)における発酵後の誤差バー(標準偏差)を伴う平均増殖曲線を示す図である。 (A)800Lの発酵タンクで32時間馴化した培地対非馴化培地、又は(B)培地調製タンクで32時間馴化した培地対非馴化培地を用いた、スモールスケール容器(<1L)における発酵後の誤差バー(標準偏差)を伴う平均増殖曲線を示す図である。 (A)800Lの発酵タンクで32時間馴化した培地対非馴化培地、又は(B)培地調製タンクで32時間馴化した培地対非馴化培地を用いた、スモールスケール容器(<1L)における発酵後の誤差バー(標準偏差)を伴う平均増殖曲線を示す図である。 培地調製タンク内で20時間又は32時間馴化された培地を用いた発酵スモールスケール容器(<1L)後の誤差バー(標準偏差)を伴う平均増殖曲線を示す図である。
本発明は、接種前に培地馴化ステップを加えることが、ボルデテラタンパク質の収率の増加、バイオマスの増加、及び発酵時間の減少を含むボルデテラ発酵性能のいくつかの測定値を有意に改善するという予期せぬ観察に基づいている。特に、ステップ又は方法は滅菌増殖培地を用いて行われる。より具体的には、ステップ又は方法は無菌方法である。さらにより具体的には、ステップ又は方法は滅菌増殖培地を用いて行われる無菌方法である。本明細書で使用される場合、用語「無菌方法」とは、微生物の排除により汚染を防止する方法及び条件を指す。
本明細書で使用される場合、用語「馴化」とは、滅菌増殖培地が細菌を接種する前に処理される方法を指し、換言すれば、馴化は、細菌の非存在下で行われ、培養培地は滅菌されている。馴化は、一般的に、続く発酵ステップの性能を改善するための滅菌増殖培地の通気及び/又はかき混ぜの段階を含む方法である。特に、滅菌増殖培地は、馴化方法の間、滅菌されたままである。したがって、好ましくは、本発明の馴化増殖培地を生産する方法は無菌方法である。好ましくは、本発明の方法は滅菌馴化増殖培地を生産する無菌方法である。
したがって、本発明の一態様は、馴化増殖培地を生産する方法であって、増殖培地を提供するステップ;増殖培地を約28℃~約35℃の間の温度で約20~35時間保持するステップ;及び場合により、増殖培地を撹拌及び/又は通気して、約10h-1~約130h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせるステップを含み、それにより馴化増殖培地を提供する、方法である。より具体的には、本発明は、滅菌増殖培地を提供するステップ;約28℃~約35℃の間の温度で約20~35時間、滅菌増殖培地を保持するステップ;及び場合により、滅菌増殖培地を撹拌及び/又は通気して約10h-1~約130h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせるステップを含み、それによって馴化増殖培地を提供する馴化増殖培地を生産する方法、特に無菌方法である。滅菌増殖培地からの方法によって生産される馴化増殖培地は、それ自体滅菌されてあり、すなわち、独立して複製する生きた生物を含まない。
増殖培地は、ボルデテラ細胞増殖を支持することができる任意の培地であり得る。ある種の実施形態では、増殖培地は、化学的に規定されたスタイナー・ショルト(Stainer Scholte;SS)培地、又は改変スタイナー・ショルト培地(MSS)である。スタイナー・ショルト培地の組成は、Cohen及びWheeler, American Journal of Public Health (1946年) 36巻: 371~376頁に記載されている。本質的に同じ濃度のSS培地と本質的に同じ培地成分を含んでいるが、しかしながら培地成分の1~5の間の濃度の改変を含んでいるか、培地成分の1~3の間を欠いているか、又は培地成分の1~20の間の追加成分を含んでいる場合、培地は改変スタイナー・ショルト培地である。
特定の実施形態では、改変スタイナー・ショルト培地は、ジメチル-β-シクロデキストリン(例えば、約1g/L)及び酸性カゼイン加水分解物(例えば、約10g/L)を含む。さらなる実施形態では、改変スタイナー・ショルト培地は、L-シスチンの代わりにL-システイン(例えば、約40mg/L);濃度が増加したL-グルタミン酸Na(例えば、約11.84g/L);濃度が低下したグルタチオン(例えば、約150mg/L);及び/又は濃度が低下したアスコルビン酸(例えば、約400mg/L)を含む。したがって、一部の実施形態では、増殖培地は改変スタイナー・ショルト培地(MSS)である。一部の実施形態では、増殖培地は、約1g/Lのジメチル-β-シクロデキストリン及び約10g/Lの酸性カゼイン加水分解物を含む改変スタイナー・ショルト培地である。一部の実施形態では、増殖培地は、L-シスチンの代わりに約40mg/LのL-システイン、約11.84g/LのL-グルタミン酸Na、約150mg/Lのグルタチオン、及び/又は約400mg/Lのアスコルビン酸(例えば、約400mg/L)を含む改変スタイナー・ショルト培地である。
百日咳菌からの毒性因子の生産に影響を与える化合物は、しばしばbvg(bordetella virulence gene)遺伝子座を調節することによって作用し、したがって、bvgモジュレーターと命名することができる(例えば、欧州特許第2809343B号を参照されたい)。したがって、一部の実施形態では、増殖培地は、ナイアシン、マグネシウム塩、硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩、スクロース、プロリン、100mMを超える濃度のナトリウムイオン、消泡剤、グルタチオン、及び硫黄含有アミノ酸からなる群から選択される少なくとも1つのbvgモジュレーターを含み得る。ある種の実施形態では、bvgモジュレーターはナイアシンである。一部の実施形態では、増殖培地はナイアシンを含む改変スタイナー・ショルト培地である。
馴化方法パラメーター:温度、期間及びkLa
本発明の一態様では、馴化は、発酵において使用する前に、所定温度で所定期間、滅菌増殖培地を保持することによって達成される。一実施形態では、滅菌増殖培地は約28℃~約35℃の間の温度に保持される。別の実施形態では、滅菌増殖培地は約29℃~約33℃の間又は約30℃~約32℃の間の温度で保持される。特定の実施形態では、滅菌増殖培地は、約29、30、31、32又は33℃に保持される。追加の実施形態では、滅菌増殖培地は、約30.0、30.2、30.4、30.6、30.8、31.0、31.2、31.4、31.6、31.8又は32.0℃に保持される。
ある種の実施形態では、滅菌増殖培地は所望の温度で約20~35時間保持される。別の実施形態では、滅菌増殖培地は所望の温度で約25~35時間又は約30~35時間保持される。特定の実施形態では、滅菌増殖培地は、所望の温度、例えば約31℃で、約29、30、31、32、33、34又は35時間保持される。好ましい実施形態では、滅菌増殖培地は約31℃で約32時間保持される。
ある種の実施形態では、増殖培地馴化は、少なくとも10L、少なくとも100L、少なくとも800L、又は少なくとも1000Lの増殖培地のスケールで行われる。特定の実施形態では、増殖培地馴化は、約10~100L、約100~500L、約500~1000L、約1000~1500L、約1500~2000L、約1000L~2500L又は約1500L~2500Lのスケールで行われる。
一部の実施形態では、本発明の方法は、馴化方法を通じて滅菌増殖培地を一定のkLaに維持することを必要とする。kLaは、酸素物質移動容量係数であり、酸素が培地に入る速度の尺度である。kLaが高いほど、酸素が培地に導入される速度は大きくなる。培地の体積及び組成、かき混ぜ(例えば、撹拌)、通気、圧力及び温度を含むいくつかの因子が、特定の増殖培地調製物のkLaに影響を与える。
酸素は、かき混ぜ(例えば、撹拌)及び/又は通気(培養物を通じて圧縮空気をバブリングすること)によって滅菌増殖培地に導入することができる。培地に導入された空気中に、異なる濃度の酸素が存在する場合、流速はこれを考慮に入れるように適合される必要がある。例えば、100%酸素の供給が培地に導入される場合、流速はそれに対応して低くなり得る。空気より少ない酸素を含む気体が培地に導入される場合、より高い流速が適用され得る。通気が培養物を通じて圧縮空気をバブリングすることによって達成される場合、特に圧縮空気はフィルター、より具体的には、微生物又は芽胞が空気と共に容器(例えば、バイオリアクター、発酵槽又は媒体調製タンク)に侵入するのを防ぐのに十分小さい孔を有するフィルター、好ましくは約0.2μm~約0.45μmの範囲のカットオフ値を有するフィルターを通じて滅菌濾過される。
kLaは、例えば、米国特許出願公開第2008/0193475号の実施例1に記載されるように、当該技術分野において公知の方法を用いて測定することができる。本方法は、kLaが測定されるべき培地体積、温度、圧力、かき混ぜ及び通気の条件でバイオリアクターをセットアップし、空気を窒素ガスに置換してガス抜きし、空気通気を回復させてガス入れし、pO2がその定常状態レベルに戻る速度を測定することを伴う。
kLaは、対数(100-pO2%)を時間に対してプロットすることによって計算される。グラフの直線部分の角度係数が-kLaに対応する。典型的には、20%~80%の間のpO2のデータのみが考慮される。
培地馴化ステップ又は方法のkLaは、培地の撹拌速度及び通気流速を含む多くの因子によって影響される。一定のkLaは、例えば、培地の撹拌速度を減少させ、通気速度を増加させながら維持され得るか又はその逆も可能である。ある実施形態では、増殖培地の撹拌速度及び通気速度はいずれも、培地の馴化中に一定である。一実施形態では、増殖培地は、馴化の期間を通じて連続的に撹拌される。別の実施形態では、増殖培地は馴化の期間を通じて連続的に通気される。別の実施形態では、撹拌と通気の両方は馴化の期間を通じて連続的に行われる。
増殖培地馴化は、例えば、約10~200h-1、10~150h-1、10~100h-1、10~80h-1、10~50h-1、10~40h-1、10~30h-1、20~150h-1、20~100h-1、20~50h-1、20~60h-1、20~80h-1、20~30h-1、20~40h-1、30~60h-1、60~80h-1、60~150h-1又は60~200h-1の間のkLaで行われる。特定の実施形態では、増殖培地馴化は、約10h-1~約130h-1、約60h-1~約130h-1、又は約90h-1のkLaで行われる。好ましい実施形態では、増殖培地のkLaは約90h-1に保持される。
10~30リットルの体積に対して、10~30h-1のkLaは、例えば、1~5リットル/分の空気流又は通気速度及び200~400rpm(毎分回転数)のかき混ぜ速度、例えば、2~4リットル/分の通気速度及び250~350rpmのかき混ぜ速度を用いることによって達成される。
30~250リットルの体積に対して、30~60h-1のkLaは、例えば、15~25リットル/分の気流速度及び150~250rpmのかき混ぜ速度を用いることによって、例えば、20~25リットル/分の気流速度及び200~250rpmのかき混ぜ速度を用いることによって、例えば、15~20リットル/分の気流流速及び200~250rpmのかき混ぜ速度を用いることによって達成される。
特定の実施形態では、約31℃で、約32時間、約90h-1のkLaで増殖培地馴化を行う。
本発明は、さらに、本発明の方法によって生産された馴化増殖培地を提供する。馴化増殖培地は滅菌されている。「滅菌」とは、例えば、ボルデテラ細胞を接種する前に、増殖培地が細菌細胞を含まないか又は本質的に含まないことを意味する。
したがって、一態様では、本発明は、
a) 滅菌増殖培地を提供するステップ;
b) 約28℃~約35℃の間の温度で約20~35時間、滅菌増殖培地を保持するステップ;及び
c) 滅菌増殖培地を撹拌及び/又は通気して、約10h-1~約130h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせるステップ
を含む方法、特に無菌方法によって生産された馴化増殖培地を提供する。
特に、ステップc)において、滅菌増殖培地は、ステップb)の間、連続的に撹拌及び/又は通気される。一部の実施形態では、ステップc)において、滅菌増殖培地は、ステップb)の間、連続的に撹拌される。他の実施形態では、ステップc)において、滅菌増殖培地は、ステップb)の間、連続的に通気される。一部の実施形態では、ステップc)において、滅菌増殖培地は、ステップb)の間、連続的に撹拌され、通気される。
ボルデテラ発酵方法
一態様では、本発明は、ボルデテラ種を培養する方法であって、少なくとも1種のボルデテラ細胞を用いて、本明細書に記載されるように生産された馴化増殖培地に接種して、ボルデテラ培養物を生産するステップ;及びボルデテラ培養物を、少なくとも1種のボルデテラタンパク質の生産及び/又はバイオマスの増加を可能にする条件下で維持するステップを含む、ボルデテラ種を培養する方法を提供する。特に、馴化増殖培地は、少なくとも1種のボルデテラ細胞を接種する前に滅菌されている。
本発明の別の態様では、ボルデテラタンパク質を生産する方法であって、
a) 少なくとも1種のボルデテラ細胞を本明細書に記載されるように生産された馴化増殖培地に接種してボルデテラ培養物を生産するステップ:
b) 少なくとも1種のボルデテラタンパク質の生産を可能にする条件下でボルデテラ培養物を維持するステップ;及び
c) 培養物から前記少なくとも1種のボルデテラタンパク質を単離するステップ
を含む方法が提供される。
好ましくは、ボルデテラタンパク質を生産する方法は、
a) 少なくとも1種のボルデテラ細胞を本明細書に記載されるように生産された滅菌馴化増殖培地に接種してボルデテラ培養物を生産するステップ:
b) 少なくとも1種のボルデテラタンパク質の生産を可能にする条件下でボルデテラ培養物を維持するステップ;及び
c) 培養物から前記少なくとも1種のボルデテラタンパク質を単離するステップ
を含む。
本発明のさらなる態様では、であって、
a) 少なくとも1種のボルデテラ細胞を本明細書に記載されるように生産された馴化増殖培地に接種してボルデテラ培養物を生産するステップ:
b) 少なくとも1種のボルデテラタンパク質の生産を可能にする条件下でボルデテラ培養物を維持するステップ;及び
c) 培養物から前記少なくとも1種のボルデテラタンパク質を単離するステップ
を含む方法によって生産された単離されたボルデテラタンパク質が提供される。
好ましくは、単離されたボルデテラタンパク質は、
a) 少なくとも1種のボルデテラ細胞を本明細書に記載されるように生産された滅菌馴化増殖培地に接種してボルデテラ培養物を生産するステップ:
b) 少なくとも1種のボルデテラタンパク質の生産を可能にする条件下でボルデテラ培養物を維持するステップ;及び
c) 培養物から前記少なくとも1種のボルデテラタンパク質を単離するステップ
を含む方法によって生産される。
一部の実施形態では、ボルデテラ種は百日咳菌(Bordetella pertussis)又はパラ百日咳菌(Bordetella parapertussis)である。一実施形態では、少なくとも1種のボルデテラタンパク質は百日咳毒素(PT)、線維状赤血球凝集素(FHA)、パータクチン(PRN; 69Kとしても公知である)及びアデニル酸シクラーゼ(AC)からなる群から選択される。好ましい実施形態では、少なくとも1種のボルデテラタンパク質は百日咳毒素、例えば遺伝的に解毒された百日咳毒素(PTg)である。一部の実施形態では、百日咳毒素は遺伝的に解毒された百日咳毒素であり、S1サブユニットの2つの触媒残基(Arg9及びGlu129)がLys9及びGly129に突然変異されている(PT-9K/129G突然変異体と呼ばれる)。
バイオマスは、光学密度(OD)、例えば650nmでの光学密度(OD650とも呼ばれる)を決定することによって、定量することができる。一実施形態では、細菌の密度は、発酵の終了時に650nmで測定して、少なくとも10、少なくとも15、少なくとも20、少なくとも30、少なくとも40、少なくとも50、少なくとも60、又は少なくとも70OD単位に達する。光学密度はまた、吸光度単位(A.U.)で表すことができる。発酵の終了は、溶存酸素(pO2)が最小に達し、上昇し始める培養時点と定義される。
別の実施形態では、本発明は、本発明の方法によって生産された単離されたボルデテラタンパク質を含む免疫原性組成物を提供する。本発明の免疫原性組成物は、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤、アジュバント及び/又は追加の抗原をさらに含むことができる。
本発明の方法に従って調製される馴化増殖培地は、ボルデテラ培養物の発酵においてある種の利点を提供する。例えば、本発明の方法は、少なくとも1種のボルデテラタンパク質が、非馴化増殖培地で行われた同じ方法から生じる収率よりも少なくとも5%、10%、15%、20%、25%、又は30%高い収率で生産され得る。特定の実施形態では、非馴化増殖培地で行われた同じ方法から生産される収率に比べ、PTの収率は少なくとも10%増加し、線維状赤血球凝集素の収率は、変化しないか、又はそれより高い。比較に用いる非馴化増殖培地は、本発明の方法による処理又は馴化を行っていない増殖培地であり、例えば、新たに調製された増殖培地である。当業者は、比較のために用いられる馴化及び非馴化増殖培地は、同じタイプのものであり、すなわち、同じ条件での(like-for like)比較を可能にするものであることを理解するであろう。
別の実施形態では、接種から、pO2レベルが最小値に達し、上昇を開始する時点までの時間として定義される発酵時間は、非馴化増殖培地で行われた同じ方法の発酵時間よりも少なくとも10%短い。
別の実施形態では、本発明のボルデテラ発酵方法は、発酵の終了時に、非馴化増殖培地を用いて行われる同じ方法によって生産されるバイオマスよりも少なくとも10%高いバイオマスを生産する。
別の実施形態では、本発明のボルデテラ発酵方法は、ボルデテラ培養物から1種以上のボルデテラタンパク質を精製するステップをさらに含む。
特定の実施形態では、本発明は、馴化増殖培地を生産する無菌方法であって、滅菌改変スタイナー・ショルト増殖培地を提供するステップ;約30~32℃の間の温度で約31~33時間、滅菌増殖培地を保持するステップ;及び滅菌増殖培地を撹拌及び/又は通気して約90h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせるステップを含み、それによって馴化増殖培地を提供する、方法を提供する。より具体的には、馴化増殖培地を生産する無菌方法であって、滅菌改変スタイナー・ショルト増殖培地を提供するステップ;約30~32℃の間の温度で約31~33時間、滅菌増殖培地を保持するステップ;及び滅菌増殖培地を撹拌及び通気して約90h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせるステップを含み、それによって馴化増殖培地を提供する、方法を提供する。
特定の実施形態では、本発明は、馴化増殖培地を生産する無菌方法であって、約1g/Lのジメチル-β-シクロデキストリン、約10g/Lの酸性カゼイン加水分解物、L-シスチンの代わりに約40mg/LのL-システイン、約11.84g/LのL-グルタミン酸Na、約150mg/Lのグルタチオン及び約400mg/Lのアスコルビン酸を含む滅菌改変スタイナー・ショルト増殖培地を提供するステップ;約31℃の温度で約32時間、滅菌増殖培地を保持するステップ;及び滅菌増殖培地を撹拌及び/又は通気して、約90h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせるステップを含み、それによって馴化増殖培地を生産する、馴化増殖培地を生産する無菌方法を提供する。より具体的には、馴化増殖培地を生産する無菌方法であって、約1g/Lのジメチル-β-シクロデキストリン、約10g/Lの酸性カゼイン加水分解物、L-シスチンの代わりに約40mg/LのL-システイン、約11.84g/LのL-グルタミン酸Na、約150mg/Lのグルタチオン及び約400mg/Lのアスコルビン酸を含む滅菌改変スタイナー・ショルト増殖培地を提供するステップ;約31℃の温度で約32時間、滅菌増殖培地を保持するステップ;及び滅菌増殖培地を撹拌及び通気して、約90h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせるステップを含み、それによって馴化増殖培地を生産する、方法を提供する。
特定の実施形態
実施形態1.馴化増殖培地を生産する方法であって、(i) 増殖培地を提供するステップ;(ii) 約28~約35℃の間の温度で約20~35時間、増殖培地を保持するステップ;及び(iii) 場合により、増殖培地を撹拌及び/又は通気して、約10h-1~約130h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせるステップを含み、それにより馴化増殖培地を提供する、方法。
実施形態2.ステップb)が、約29℃~約33℃、約30℃~約32℃の間、又は約31℃の温度で行われる、実施形態1に記載の方法。
実施形態3.ステップb)が、約25~35時間、約30~35時間、又は約32時間行われる、実施形態1又は2に記載の方法。
実施形態4.ステップc)が、ステップb)の間、増殖培地を連続的に撹拌することを含む、実施形態1から3のいずれかに記載の方法。
実施形態5.撹拌が、約60h-1~約130h-1又は約90h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせる撹拌速度である、実施形態4に記載の方法。
実施形態6.ステップc)が、ステップb)の間、増殖培地を連続的に通気することを含む、実施形態1から5のいずれかに記載の方法。
実施形態7.通気が、約60h-1~約130h-1又は約90h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせる流速である、実施形態6に記載の方法。
実施形態8.ステップc)が、ステップb)の間、増殖培地を連続的に撹拌し、通気することを含む、実施形態1から7のいずれかに記載の方法。
実施形態9.撹拌及び通気が、約60h-1~約130h-1又は約90h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせる撹拌速度及び流速である、実施形態8に記載の方法。
実施形態10.少なくとも10L、少なくとも100L、又は少なくとも1000Lの増殖培地のスケールで行われる、実施形態1から9のいずれかに記載の方法。
実施形態11.実施形態1から10のいずれかに記載の方法によって生産された馴化増殖培地。
実施形態12.ボルデテラ種を培養する方法であって、(i) 少なくとも1種のボルデテラ細胞を実施形態11に記載の馴化増殖培地に接種してボルデテラ培養物を生産するステップ;及び(ii) 少なくとも1種のボルデテラタンパク質の生産及び/又はバイオマスの増加を可能にする条件下でボルデテラ培養物を維持するステップを含む方法。
実施形態13.ボルデテラタンパク質を生産する方法であって、(i) 少なくとも1種のボルデテラ細胞を実施形態11に記載の馴化増殖培地に接種してボルデテラ培養物を生産するステップ:(ii) 少なくとも1種のボルデテラタンパク質の生産を可能にする条件下でボルデテラ培養物を維持するステップ;及び(iii) 培養物から前記少なくとも1種のボルデテラタンパク質を単離するステップを含む方法。
実施形態14.少なくとも1種のボルデテラタンパク質が百日咳毒素、線維状赤血球凝集素、パータクチン及びアデニル酸シクラーゼからなる群から選択される、実施形態12又は13に記載の方法。
実施形態15.少なくとも1種のボルデテラタンパク質が、非馴化増殖培地で行われた同じ方法から生産された収率よりも少なくとも10%高い収率で生産される、実施形態12から14のいずれかに記載の方法。
実施形態16.少なくとも1種のボルデテラタンパク質が百日咳毒素、例えば遺伝的に解毒された百日咳毒素である、実施形態12から15のいずれかに記載の方法。
実施形態17.少なくとも1種のボルデテラタンパク質が遺伝的に解毒された百日咳毒素であり、S1サブユニットの2つの触媒残基(Arg9及びGlu129)がLys9及びGly129に突然変異されている、実施形態12から16のいずれかに記載の方法。
実施形態18.線維状赤血球凝集素の収率が、非馴化増殖培地で行われた同じ方法から生産された収率から変化しないか、又はそれより高い、実施形態16に記載の方法。
実施形態19.発酵時間が、非馴化増殖培地で行われた同じ方法の発酵時間より少なくとも10%短い、実施形態12から18のいずれかに記載の方法。
実施形態20.ボルデテラ培養物が、発酵の終了時に、非馴化増殖培地で行われた同じ方法によって生産されたバイオマスよりも少なくとも10%高いバイオマスを有する、実施形態12から19のいずれかに記載の方法。
実施形態21.ボルデテラ培養物から1種以上のボルデテラタンパク質を精製するステップをさらに含む、実施形態12から20のいずれかに記載の方法。
実施形態22.増殖培地が滅菌されている、実施形態1から10のいずれかに記載の方法。
実施形態23.実施形態12から22のいずれかに方法によって生産された単離されたボルデテラタンパク質。
実施形態24.実施形態23に記載の単離されたボルデテラタンパク質を含む免疫原性組成物。
実施形態25.馴化増殖培地を生産する無菌方法であって、(i) 滅菌増殖培地を提供するステップ;(ii) 約28~約35℃の間の温度で約20~35時間、滅菌増殖培地を保持するステップ;及び(iii)滅菌増殖培地を撹拌及び/又は通気して、約10h-1~約130h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせるステップを含み、それにより馴化増殖培地を提供する、無菌方法。
実施形態26.ステップb)が、約29℃~約33℃、約30℃~約32℃の間、又は約31℃の温度で行われる、実施形態25に記載の無菌方法。
実施形態27.ステップb)が、約25~35時間、約30~35時間、又は約32時間行われる、実施形態25又は26に記載の無菌方法。
実施形態28.ステップc)が、ステップb)の間、滅菌増殖培地を連続的に撹拌することを含む、実施形態25、26又は27に記載の無菌方法。
実施形態29.撹拌が、約60h-1~約130h-1又は約90h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせる撹拌速度である、実施形態28に記載の無菌方法。
実施形態30.ステップc)が、ステップb)の間、滅菌増殖培地を連続的に通気することを含む、実施形態25から29のいずれかに記載の無菌方法。
実施形態31.通気が、約60h-1~約130h-1又は約90h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせる流速である、実施形態30に記載の無菌方法。
実施形態32.ステップc)が、ステップb)の間、滅菌増殖培地を連続的に撹拌し、通気することを含む、実施形態25から31のいずれかに記載の無菌方法。
実施形態33.撹拌及び通気が、約60h-1~約130h-1又は約90h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせる撹拌速度及び流速である、実施形態32に記載の無菌方法。
実施形態34.少なくとも10L、少なくとも100L、又は少なくとも1000Lの滅菌増殖培地のスケールで行われる、実施形態25から33のいずれかに記載の無菌方法。
実施形態35.実施形態25から34のいずれかに記載の無菌方法によって生産された馴化増殖培地。
実施形態36.ボルデテラ種を培養する方法であって、(i) 少なくとも1種のボルデテラ細胞を実施形態35に記載の馴化増殖培地に接種してボルデテラ培養物を生産するステップ;及び(ii) 少なくとも1種のボルデテラタンパク質の生産及び/又はバイオマスの増加を可能にする条件下でボルデテラ培養物を維持するステップを含む方法。
実施形態37.ボルデテラタンパク質を生産する方法であって、(i) 少なくとも1種のボルデテラ細胞を実施形態35に記載の馴化増殖培地に接種してボルデテラ培養物を生産するステップ:(ii) 少なくとも1種のボルデテラタンパク質の生産を可能にする条件下でボルデテラ培養物を維持するステップ;及び(iii) 培養物から前記少なくとも1種のボルデテラタンパク質を単離するステップを含む方法。
実施形態38.少なくとも1種のボルデテラタンパク質が百日咳毒素、線維状赤血球凝集素、パータクチン及びアデニル酸シクラーゼからなる群から選択される、実施形態36又は37に記載の方法。
実施形態39.少なくとも1種のボルデテラタンパク質が、非馴化増殖培地で行われた同じ方法から生産された収率よりも少なくとも10%高い収率で生産される、実施形態36、37又は38に記載の方法。
実施形態40.少なくとも1種のボルデテラタンパク質が百日咳毒素、例えば遺伝的に解毒された百日咳毒素である、実施形態36から39のいずれかに記載の方法。
実施形態41.少なくとも1種のボルデテラタンパク質が遺伝的に解毒された百日咳毒素であり、S1サブユニットの2つの触媒残基(Arg9及びGlu129)がLys9及びGly129に突然変異されている、実施形態36から40のいずれかに記載の方法。
実施形態42.線維状赤血球凝集素の収率が、非馴化増殖培地で行われた同じ方法から生産された収率から変化しないか、又はそれより高い、実施形態40又は41に記載の無菌方法。
実施形態43.発酵時間が、非馴化増殖培地で行われた同じ方法の発酵時間より少なくとも10%短い、実施形態36から42のいずれかに記載の方法。
実施形態44.ボルデテラ培養物が、発酵の終了時に、非馴化増殖培地で行われた同じ方法によって生産されたバイオマスよりも少なくとも10%高いバイオマスを有する、実施形態36から43のいずれかに記載の方法。
実施形態45.ボルデテラ培養物から1種以上のボルデテラタンパク質を精製するステップをさらに含む、実施形態36から44のいずれかに記載の方法。
実施形態46.増殖培地が、場合によりナイアシンを含む、改変スタイナー・ショルト培地(MSS)である、実施形態1から45のいずれかに記載の方法。
実施形態47.増殖培地が、約1g/Lのジメチル-β-シクロデキストリン及び約10g/Lの酸性カゼイン加水分解物を含む改変スタイナー・ショルト培地である、実施形態46に記載の方法。
実施形態48.増殖培地が、L-シスチンの代わりに約40mg/LのL-システイン;約11.84g/LのL-グルタミン酸Na;約150mg/Lのグルタチオン;及び/又は約400mg/Lのアスコルビン酸(例えば、約400mg/L)を含む改変スタイナー・ショルト培地である、実施形態46又は47に記載の方法。
実施形態49.滅菌馴化増殖培地を生産する無菌方法であって、(a)滅菌増殖培地を提供するステップ;(b)約29℃~約33℃、約30℃~約32℃の間、又は約31℃の温度で約25~35時間、約30~35時間、約32時間、滅菌増殖培地を保持するステップ;及び(c)ステップb)の間、滅菌増殖培地を連続的に撹拌及び/又は通気して、約60h-1~約130h-1、又は約90h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせるステップを含み、それにより滅菌馴化増殖培地を提供し、増殖培地が、場合によりナイアシンを含む、改変スタイナー・ショルト培地(MSS)である、無菌方法。
一般
特に断らない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本開示が属する分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。単数形の用語「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その(the)」は、文脈が明確に他の意味を示さない限り、複数形の指示対象を含む。同様に、「又は」という用語は、文脈が明確に他の意味を示さない限り、「及び」を含むことを意図する。
さらに、物質の濃度又はレベル、例えば、溶液成分濃度又はその比、並びに反応条件、例えば、温度、圧力及びサイクル時間に関して与えられる数値的限定は、近似的であることが意図される。本明細書で使用される用語「約」は、量±10%を意味することを意図される。文脈上別段の必要がない限り、ある範囲の値(例えば、「X~Yの間」又は「約X~約Yの間」)を表現する際に使用される場合、「間」という用語は、その範囲の終点を包含する(すなわち、XとYを含む)ことが意図される。
用語「含む(comprise)」は、「含む(include)」を意味する。したがって、文脈上別段の必要がない限り、用語「含む(comprises)」及び変形、例えば「含む(comprise)」及び「含んでいる(comprising)」は、記述された化合物若しくは組成物(例えば、核酸、ポリペプチド、抗原)又はステップ、あるいは化合物又はステップの群の包含を意味するが、いずれの他の化合物、組成物、ステップ、又はそれらの群の排除も意味しないものと理解される。用語「からなる」は、「含み、限定される」を意味する。用語「から本質的になる」は、組成物又は方法が追加の成分及び/又はステップを含み得るが、追加の成分及び/又はステップが主張された組成物又は方法の基本的、かつ新規な特徴を実質的に変更しない場合に限ることを意味する。略語「例えば(e.g.)」は、ラテン語のexempli gratiaに由来し、本明細書では、非限定的な例を示すために使用される。したがって、略語「例えば(e.g.)」は、用語「例えば(for example)」と同義である。
本発明は、以下の非限定的な実施例及び図面を参照することによってさらに説明される。
[実施例]
[実施例1]
実験室スケールでの培地馴化効果の実証
予備的観察は、商用スケールのボルデテラ発酵方法における収率の変動が、接種前の増殖培地の馴化の違いに起因する可能性があることを示した。この変動の原因を探るために、接種前の増殖培地馴化の効果を実験室スケールモデルの方法で調べた。
実験室スケールモデル
実験室スケールモデルを開発し、1)前培養トレイン(pre-culturetrain)、2)培地馴化、及び3)発酵の3ステップの商業的方法を再現した。前培養トレインステップとは、発酵ステップの接種に十分なバイオマスを蓄積するために使用される前培養のステップを指す。培地馴化は、細菌の非存在下で行われる無菌方法ステップであるため、培地馴化は、前培養トレインステップとは独立して、例えば、前、後又は並行して行われる。前培養物では、30mlの新鮮培地(MSS;ジメチル-β-シクロデキストリン1g/L及び酸性カゼイン加水分解物10g/Lの添加、L-シスチン40mg/LのL-システイン40mg/Lへの置換、及び高濃度のL-グルタチオンNa(11.84g/L)の使用、グルタチオン(150mg/L)及びアスコルビン酸(400mg/L)の減少によるStainer and Scholte. J. Gen. Microbial. 63巻:211~220頁 (1971年)の培地に由来する)を含有する第1の振とうフラスコ前培養物に、109CFUの百日咳菌を接種し、35℃にて、150rpmで24時間撹拌しながらインキュベートした。第1の前培養物を用いて、1000mlの新鮮培地(MSS)を含有する第2の振とうフラスコ前培養物に接種した。第2の前培養物を35℃にて、150rpmで24時間撹拌しながらインキュベートした。次に、前培養トレインのアリコートを用いて、以下に記載されるように、発酵のための馴化増殖培地を接種した。
前培養トレインと並行して培地馴化を行った。1Lの滅菌増殖培地(前培養に使用したものと同じタイプ)を、1Lのバイオリアクター(BioBlockプラットフォーム(4×1Lのバイオリアクター)、Eppendorf))中に無菌的に移動させ、35℃で40時間、1時間あたり20Lの散布空気の流速、430rpmの撹拌速度(60h-1のkLa)で保持した。対照として、非馴化増殖培地をさらに処理することなく4℃に保持した。馴化及び非馴化培地の調製は、同じ手順を用いて4回行った(調整物1、調整物2、調整物3、調整物4)。
発酵ステップは、前培養トレインのボルデテラ接種材料を馴化培地及び非馴化培地に接種し、標準条件(35℃、少なくとも90h-1のkLa)下、スモールスケール発酵容器(<1L)中で培養物をインキュベートすることによってスモールスケールで行われた。
発酵性能の測定
バイオマス、PT収率及び発酵時間によって示されるように、発酵性能の評価を調製物あたり少なくとも3回繰り返した。バイオマス、溶存酸素圧(pO2)及びpHのインライン測定は発酵全体を通じて記録された。発酵の開始は、ボルデテラ前培養トレインを発酵容器に添加した時間として定義した。発酵の終了は、溶存酸素(pO2)が最小に達し、100%に向けて戻り始める時間点として定義した。pO2の変曲点は、培養物中の炭素源の消耗、及び増殖期から静止期への細胞の移行を示す。したがって、発酵時間とは発酵開始から発酵終了までの間の時間のことである。
発酵の終了時に、上清を遠心分離(14000g、室温で10分間)により回収し、濾過し(0.22μmフィルターメッシュ)、さらに分析するために-20℃で保存した。発酵終了時の百日咳毒素(PT)レベルを、標準的方法を用いてELISAによってアッセイした。
結果
結果を非馴化培地に対する平均変化パーセント[馴化/非馴化-1(%)]として表1に要約する。全4回の反復(調整物1~4)について、発酵終了時の百日咳毒素レベルは、非馴化培地と比較して馴化培地中で少なくとも10%増加した。調製物のうちの3つ(調整物2~3)について、馴化培地対非馴化培地の発酵終了時のバイオマスにおいて対応する増加があった。最後に、非馴化培地と比較して、培養物を馴化培地中で培養させた場合、発酵時間が減少する傾向が観察された。
Figure 2022521235000002
調整物2の増殖速度論を、4つの調製物の代表例として図1に示す。馴化培地(黒色の実線)及び非馴化培地(灰色の実線)におけるボルデテラ細胞増殖(バイオマス)は、培養の最初の15~20時間は同様であった。その後、細胞増殖の速度は非馴化培地よりも馴化培地で大きかった。溶存酸素はバイオマスが増加するにつれて下落し、馴化培地発酵ではより急速な減少が観察された。溶存酸素の急速な再増加によって示される発酵の終了時に、バイオマスは、非馴化発酵条件と比較して、馴化培地発酵条件で有意に高かった。
最初のスモールスケール研究の結果は、事前の培地馴化がボルデテラ細胞増殖及びPT生産に正の効果を有することを示した。特に、発酵終了時のバイオマス及びPT含量の有意な増加は、馴化培地で行われた発酵について観察された。馴化培地中では発酵時間が短い傾向もまた観察された。実験室スケールモデルの結果は、商用スケールで行われた観察を確認し、馴化効果が発酵のスケールとは無関係であることを示した。細胞増殖中の培地のpHにおける培地馴化の有意な影響は観察されなかった(データは示さず)。
根底にある理論に拘束されることはないが、観察された培地馴化効果は、発酵ステップ中に細胞増殖及び毒性因子の生産性を改善する、培地馴化方法中に生じる、生化学的改変、例えば、1種以上の培地成分の酸化に関連する可能性がある。
[実施例2]
培地馴化に影響を及ぼす方法パラメーターの同定
ボルデテラ発酵性能の改善をもたらす馴化パラメーターをより明確にするために、実験計画(DoE)研究を行った。
方法
表2に示されるように、パラメーターあたり3レベル(最小/中央/最大)の中心複合計画において、後続の発酵性能に及ぼす3つの馴化方法パラメーターの効果を評価した。方法パラメーターは、馴化の温度、馴化の期間、及び通気流速と撹拌速度の因子である酸素物質移動容量係数(kLa)であった。
Figure 2022521235000003
DoEは6週間にわたって実行された60回の試行において行われた(表3を参照されたい)。毎週、3×1Lの馴化バイオリアクターに、実施例1に記載されるように新たに調製された1Lの滅菌増殖培地を充填し、3対の異なるkLa-温度で馴化した。馴化の間、各馴化バイオリアクターを3つの異なる時間点(3時間、23時間及び43時間)でサンプリングし、馴化期間の効果を調べた。3時間及び23時間で回収された培地の試料を直ちに4℃で保存し、試料を安定化させた。最終試料を回収した後、3つのバイオリアクターからの培地の9試料をスモールスケール発酵容器(<1L)に移動させ、実施例1に記載されるように調製したボルデテラ前培養トレインで接種して、増殖及び抗原生産を評価した。
発酵性能指標は、PT及びFHA含量(ELISA)、バイオマス含量(増殖曲線及び最終光学密度)及び発酵時間(実施例1に記載されるように測定した)を測定することによって評価した。
結果
結果を表3及び図2に示す。発酵性能指標は、馴化方法パラメーターの変化によって異なった影響を受けた。培地馴化の期間が長いほど、得られたバイオマス及びPT含量は良好であった。FHA含量は、馴化期間の増加に影響されなかった。馴化温度はPT生産に影響したが、増殖性能(バイオマス)には影響しなかった。最後に、kLaの変動はバイオマスに影響したが、PT生産には影響しなかった。
DoEの結果は、非馴化培地と比較して、増加したPT(少なくとも10%)に関連する馴化パラメーター値についての計画空間を予測する(図2A~D)。また、このモデルは、PT収率及びバイオマス生産のための最適馴化パラメーターは、31.2℃の温度及び約90h-1のkLaで34.6時間の馴化であることを予測する。
Figure 2022521235000004
Figure 2022521235000005
[実施例3]
1リットルのバイオリアクタースケールでの馴化パラメーターの検証
実施例2で同定された10%のPT収率増加に関して培地馴化計画空間を検証するために、予測計画空間内の馴化パラメーターを用いて、1Lのバイオリアクタースケールで培地馴化及び発酵方法を行った。
方法
4×1Lのバイオリアクター(BioBlock、Eppendorf)のプラットフォームを、接種前の培地馴化に使用した。このプラットフォームは、4種の培地調製物を並行して馴化し、それらの発酵性能を連続的に評価することを可能にする。馴化ステップについて、1Lの滅菌増殖培地(実施例1及び2を参照されたい)を各バイオリアクターに無菌的に移動させ、実験計画(下記)に記載される方法パラメーターに供した。実験計画が非馴化培地を必要とする場合、4つのバイオリアクターのうちの1つは、後に非馴化培地の移動を可能にするために、馴化ステップ中、空にした(以下を参照されたい)。
培地馴化の所定の期間に到達した場合、馴化を停止した。ある種の試行について、1リットル(1L)の非馴化培地(実施例1及び2のように調製される)を、4つのバイオリアクターのうちの1つに無菌的に移動させた。各バイオリアクターにおける100%溶存酸素(DO)レベルを較正するために、以下の条件を用いた:温度(35℃)、大気圧、空気流速(1分あたり2Lの散布空気)及び撹拌速度(300rpm又は毎分回転数)。300μLの消泡剤(シメチコン15%)を各バイオリアクターに無菌的に添加した。
接種は、150mLの百日咳菌接種材料(実施例1及び2に記載されているように、馴化ステップと並行して調製された)を添加することによって達成された。発酵の間、温度(35℃)を一定レベルに維持した。発酵中の発泡制御は消泡剤(シメチコン1.5%)を添加することによって行われた。溶存酸素のレベルを35%に設定し、より大きなスケール発酵で印加されるヘッド圧力を補完し、DOが35%未満に低下した場合に撹拌を増加させることによって制御した。最小撹拌速度を300rpmに設定し、最大撹拌速度を1100rpmに設定した。pHは酢酸50%(w/v又は重量/体積)の添加により7.2で制御した。
発酵の終了時(実施例1において定義される)、バイオマス収率は、光学密度とpH制御により添加した酢酸の総量の測定によって決定された(後者はバイオマス含量を評価する直交法としてである)。培養上清中の百日咳毒素(PT)生産を標準的方法を用いてELISAによって決定した。
実験計画
実施例2では、少なくとも10%のPT収率増加をもたらす計画空間を計算した。本実験では、本発明者らは、計算されたPT計画空間内で3種の異なる方法パラメーターセット(表4の方法2~4)の下で馴化した培地の発酵性能(発酵時間、バイオマス、PT及びFHA収率)と非馴化培地(表4の方法1)を比較した。方法2及び3は、それぞれ90h-1又は60h-1のkLa値でPT収率(31℃で32時間)の最適運転パラメーターを試験した。方法4は、35℃の馴化温度及び60h-1のkLaで運転パラメーターを試験した。実験は1回行った。
Figure 2022521235000006
結果
図3に示されるように、馴化培地(方法2、3及び4)で行われた発酵は、非馴化培地で行われた発酵より10%を超えて高いPT含量を生じた(右パネル)。バイオマス含量は、1Lのバイオリアクタースケールで温度又はkLaによって有意に影響されなかった(左パネル)。これらの結果は、実験計画研究(実施例2)において同定された10%のPT収率増加のための計画空間を検証した。
[実施例4]
1リットルのバイオリアクタースケールでの馴化期間の効果
より広範囲の時間にわたる馴化期間の効果を調べるために、31℃、90h-1のkLa値、及び馴化期間<3時間、32時間又は56時間で実施例3を繰り返した(表5)。実験は二回反復で行った。
Figure 2022521235000007
結果
図4に示されるように、32時間及び56時間の培地馴化は、非馴化培地と比較して、PT含量の≧10%増加をもたらした(上段パネル)。バイオマスはまた32時間及び56時間で増加した(下段パネル)。PT含量及びバイオマスにおける馴化期間の増加の効果は、32時間前後でプラトーに達した。
[実施例5]
20Lのバイオリアクタースケールにおける最適な馴化パラメーターの検証
最適な培地馴化パラメーターはまた、20Lのバイオリアクタースケールで行われたボルデテラ発酵において検証された。
方法
接種前の培地馴化には20Lの発酵槽(Biolafitte(商標))を使用した。実施例1におけるように調製された10Lの滅菌増殖培地を20Lのバイオリアクターに無菌的に移し、表6に要約した馴化方法パラメーターに供した。
Figure 2022521235000008
前培養トレインは、第1及び第2の前培養物が二回反復で調製されたことを除いて、実施例1に記載されたように調製された(2×30mLの第1の前培養物;2×1000mLの第2の前培養物)。35℃(+/-1℃)及び150rpmで24時間(+/-1時間)増殖させた後、第2の前培養物からの2つの使い捨て振とうフラスコをプールした。プールされた前培養物を用いて、第2の前培養を停止した後すぐに発酵槽に接種した。
馴化ステップの所定の期間に達するとすぐに、馴化を停止し、100%溶存酸素(DO)レベルを較正するために、以下の条件を用いた:接種前に温度(35℃)、ヘッド圧力(0.4bar)、空気流速(1分あたり14.6Lの散布空気)及び撹拌速度(50rpm又は毎分回転数)。各バイオリアクターに3mLの消泡剤(シメチコン15%)を無菌的に添加する。
1.5Lのプールされた前培養物を添加することによって接種を達成した。発酵中、温度(35℃)及びヘッド圧力(0.4bar)を一定レベルに維持した。発酵中の発泡制御は消泡剤(シメチコン1.5%)の添加によって行われた。溶存酸素のレベルを25%に設定し、DOが25%未満に低下した場合に撹拌を増加させることによって制御した。最小撹拌速度を50rpmに設定し、最大撹拌速度を1000rpmに設定した。pHは酢酸50%(w/v又は重量/体積)の添加により7.2で制御した。
実験計画
最適な方法パラメーター(31℃、32h、90h-1のkLa)の下で馴化された培地の発酵性能を、最適とは1つのみ異なるパラメーターで馴化した培地と比較するために、実験を計画した。
第1週において、最適パラメーター(試行2)対非馴化培地(試行1)の効果を検証した。第2週及び第3週において、低馴化kLa(試行3-低通気及び試行5-低撹拌速度)の影響を最適運転条件(試行4及び試行6)と比較した。第4週及び第5週において、低温(試行7: 23℃)及び短期間(試行9:3時間)の効果を最適運転パラメーター(試行8及び試行10)とそれぞれ比較した。
結果
図5及び表7に示されるように、最適な方法パラメーターを有する馴化培地中で行われた発酵は、以下と比較した場合、10%を超えるPT収率を与える:
- 非馴化培地(第1週)
- 低通気流速が得られる低kLa(約10h-1)で馴化された培地(第2週)
- 低撹拌速度が得られる低kLa(約10h-1)で馴化された培地(第3週)
- 低温(23℃)で馴化された培地(第4週)
- 短期間(3時間)で馴化された培地(第5週)
これらのデータは、20Lの発酵スケールでのPT収率のための培地馴化の最適運転パラメーターを確認する。バイオマス収率、FHA収率及び発酵時間には負の影響は観察されなかった。実施例1~4に記載されたスモールスケール研究はPT収率における低kLaの効果を見出さなかったが、驚くべきことに、低kLaの負の効果が20Lの発酵スケールでは観察された。したがって、期間、温度及びkLaはすべて、20Lの発酵スケールで馴化効果を生じさせるための重要な因子であると考えられる。
Figure 2022521235000009
[実施例6]
ラージスケールでの最適馴化パラメーターの検証
培地馴化パラメーターをラージスケールで行い、スモールスケール発酵容器(<1L)で行われたボルデテラ発酵で検証した。
方法
接種前のラージスケールでの培地馴化には800Lの発酵槽及び2400Lの培地調製タンクを使用した。実施例1におけるように調製された滅菌増殖培地を、発酵槽(800L)又は培地調製タンク(2400L)に無菌的に移し、以下の培地調製方法パラメーター(表7)に供した。容器間の違い、例えば通気散布設計及びかき混ぜシステムに起因して、培地調製タンクにおいて達成されたKla値は発酵槽で得られた値よりも低かった。
Figure 2022521235000010
異なる時間点でNovaseptumサンプリングバッグに滅菌馴化培地の5試料を回収し、直ちに4℃で保存した。
5つの試料の各々をスモールスケール発酵容器(<1L)に移し、実施例1において記載されたように調製されたボルデテラ前培養トレインを接種して、増殖及び抗原生産を評価した。
発酵性能指標は、PT及びFHA含量(ELISA)、バイオマス含量(増殖曲線及び最終光学密度)及び発酵時間(実施例1において記載されるように測定した)を測定することによって評価された。
結果
図6に示されるように、続く発酵ステップの間の増殖性能における培地馴化の効果は、馴化ステップを行うために使用される容器のタイプにかかわらずに同等であった。しかしながら、いずれの場合も、前馴化培地を用いた発酵に明らかに正の効果があった(図7(A)及び(B))。
非馴化培地(対照)と比較して、細菌増殖はより速く、これは全体的な発酵時間が平均で約8%減少し得ることを意味した。馴化培地を用いて、達成された最終バイオマスは対照よりも高かった(静止期の開始時で約9%高かった)。興味深いことに、20時間及び32時間にわたって馴化した培地の増殖性能は同等であった(図8)。
馴化培地で行った発酵は、PTとFHAの両方の収率を改善した。具体的には、対照と比較して、PT生産性は20時間の培地馴化の後に7%増加し、32時間の培地馴化の後に15%増加した。同様に、対照と比較して、FHA生産性は20時間の培地馴化の後に9%増加し、32時間の培地馴化の後に15%増加した。
Figure 2022521235000011
これらのデータは、細菌発酵に馴化培地を使用する前に、ラージスケール(最大2400L)で無細胞培地馴化ステップを使用することの正の効果を確認する。

Claims (28)

  1. 馴化増殖培地を生産する方法であって、
    a.滅菌増殖培地を提供するステップ;
    b.約28~約35℃の間の温度で約20~35時間、滅菌増殖培地を保持するステップ;及び
    c.滅菌増殖培地を撹拌及び/又は通気して、約10h-1~約130h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせるステップ
    を含み、それにより馴化増殖培地を提供する、方法。
  2. ステップb)が、約29℃~約33℃、約30℃~約32℃の間、又は約31℃の温度で行われる、請求項1に記載の方法。
  3. ステップb)が、約25~約35時間、約30~約35時間、又は約32時間行われる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. ステップc)において、ステップb)の間、滅菌増殖培地を連続的に撹拌する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 撹拌が、約60h-1~約130h-1又は約90h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせる撹拌速度である、請求項4に記載の方法。
  6. ステップc)において、ステップb)の間、滅菌増殖培地を連続的に通気する、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  7. 通気が、約60h-1~約130h-1又は約90h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせる流速である、請求項6に記載の方法。
  8. ステップc)が、ステップb)の間、滅菌増殖培地を連続的に撹拌し、通気することを含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  9. 撹拌及び通気が、約60h-1~約130h-1又は約90h-1の酸素物質移動容量係数(kLa)を生じさせる撹拌速度及び流速である、請求項8に記載の方法。
  10. 少なくとも10L、少なくとも100L、少なくとも800L、又は少なくとも1000Lの滅菌増殖培地のスケールで行われる、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 増殖培地が、場合によりナイアシンを含む、改変スタイナー・ショルト培地(MSS)である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 増殖培地が、約1g/Lのジメチル-β-シクロデキストリン及び約10g/Lの酸性カゼイン加水分解物を含む改変スタイナー・ショルト培地である、請求項11に記載の方法。
  13. 増殖培地が、L-シスチンの代わりに約40mg/LのL-システイン;約11.84g/LのL-グルタミン酸Na;約150mg/Lのグルタチオン;及び/又は約400mg/Lのアスコルビン酸(例えば、約400mg/L)を含む改変スタイナー・ショルト培地である、請求項11又は12に記載の方法。
  14. 無菌方法である、請求項1から13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 請求項1から14のいずれか一項に記載の方法によって生産された滅菌馴化増殖培地。
  16. ボルデテラ種を培養する方法であって、
    a.少なくとも1種のボルデテラ細胞を請求項15に記載の滅菌馴化増殖培地に接種してボルデテラ培養物を生産するステップ;及び
    b.少なくとも1種のボルデテラタンパク質の生産及び/又はバイオマスの増加を可能にする条件下でボルデテラ培養物を維持するステップ
    を含む方法。
  17. ボルデテラタンパク質を生産する方法であって、
    a.少なくとも1種のボルデテラ細胞を請求項15に記載の滅菌馴化増殖培地に接種してボルデテラ培養物を生産するステップ:
    b.少なくとも1種のボルデテラタンパク質の生産を可能にする条件下でボルデテラ培養物を維持するステップ;及び
    c.培養物から前記少なくとも1種のボルデテラタンパク質を単離するステップ
    を含む方法。
  18. 少なくとも1種のボルデテラタンパク質が百日咳毒素、線維状赤血球凝集素、パータクチン及びアデニル酸シクラーゼからなる群から選択される、請求項16又は17に記載の方法。
  19. 少なくとも1種のボルデテラタンパク質が、非馴化増殖培地で行われた同じ方法から生産された収率よりも少なくとも10%高い収率で生産される、請求項16、17又は18に記載の方法。
  20. 少なくとも1種のボルデテラタンパク質が百日咳毒素、例えば遺伝的に解毒された百日咳毒素である、請求項16から19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 少なくとも1種のボルデテラタンパク質が遺伝的に解毒された百日咳毒素であり、S1サブユニットの2つの触媒残基(Arg9及びGlu129)がLys9及びGly129に突然変異されている、請求項20に記載の方法。
  22. 少なくとも1種のボルデテラタンパク質が、線維状赤血球凝集素であるか、又は線維状赤血球凝集素をさらに含む、請求項16から21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 線維状赤血球凝集素の収率が、非馴化増殖培地で行われた同じ方法から生産された収率から変化しないか、又はそれより高い、請求項22に記載の方法。
  24. 発酵時間が、非馴化増殖培地で行われた同じ方法の発酵時間より少なくとも10%短い、請求項16から23のいずれか一項に記載の方法。
  25. ボルデテラ培養物が、発酵の終了時に、非馴化増殖培地で行われた同じ方法によって生産されたバイオマスよりも少なくとも10%高いバイオマスを有する、請求項16から24のいずれか一項に記載の方法。
  26. ボルデテラ培養物から1種以上のボルデテラタンパク質を精製するステップをさらに含む、請求項16から25のいずれか一項に記載の方法。
  27. 請求項16から26のいずれか一項に記載の方法によって生産された単離されたボルデテラタンパク質。
  28. 請求項27に記載の単離されたボルデテラタンパク質を含む免疫原性組成物。
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