[go: up one dir, main page]
More Web Proxy on the site http://driver.im/

JP2022500087A - エピジェネティックマーカーを使用してせん妄危険性を検出するためのシステムおよび方法 - Google Patents

エピジェネティックマーカーを使用してせん妄危険性を検出するためのシステムおよび方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2022500087A
JP2022500087A JP2021539480A JP2021539480A JP2022500087A JP 2022500087 A JP2022500087 A JP 2022500087A JP 2021539480 A JP2021539480 A JP 2021539480A JP 2021539480 A JP2021539480 A JP 2021539480A JP 2022500087 A JP2022500087 A JP 2022500087A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
delirium
cpg
methylation
nucleic acid
dnam
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021539480A
Other languages
English (en)
Inventor
元 篠崎
Original Assignee
元 篠崎
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 元 篠崎 filed Critical 元 篠崎
Publication of JP2022500087A publication Critical patent/JP2022500087A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • C12Q1/6883Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material
    • GPHYSICS
    • G16INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR SPECIFIC APPLICATION FIELDS
    • G16BBIOINFORMATICS, i.e. INFORMATION AND COMMUNICATION TECHNOLOGY [ICT] SPECIALLY ADAPTED FOR GENETIC OR PROTEIN-RELATED DATA PROCESSING IN COMPUTATIONAL MOLECULAR BIOLOGY
    • G16B20/00ICT specially adapted for functional genomics or proteomics, e.g. genotype-phenotype associations
    • G16B20/20Allele or variant detection, e.g. single nucleotide polymorphism [SNP] detection
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/154Methylation markers

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Evolutionary Biology (AREA)
  • Bioinformatics & Computational Biology (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

対象から生体試料を収集する工程と;対象の生体試料中の少なくとも1つのCpG配列のメチル化ステータスを決定する工程と;生体試料中のメチル化ステータスを確立されている閾値と比較し、対象がせん妄を患う可能性が高いかどうか決定する工程とにより対象の感受性を決定する方法が開示される。特定の態様において、少なくとも1つのCpG配列が、TNFアルファ、BNDF、GDNF、LDLRAD4、DAPK1およびIRF8から選択される遺伝子中に位置する。

Description

関連出願の相互参照
[001]本出願は、2019年9月14日に出願され、「Systems and Methods for Detection of Delirium Risk Using Epigenetic Markers」という表題の米国特許仮出願第62/731,599号の優先権を主張し、その出願は35U.S.C.§119(e)の下でその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
[002]本開示は、エピジェネティックバイオマーカーデータを使用して患者のせん妄の危険性を検出するデバイスおよび方法に関する。
[003]本開示は、エピジェネティックバイオマーカーを利用して患者におけるせん妄の危険性を検出するためのデバイスおよび方法に関する。
[004]高齢患者においてせん妄は、一般的であり、危険を伴う。主要な危険因子には、加齢および感染または手術などの外因性傷害がある。動物モデルにおいて、加齢は、外因性傷害に応答してミクログリアからの炎症誘発性サイトカイン放出を増強する。エピジェネティック機構であるDNAメチル化(DNAm)は、遺伝子発現を調節し、年齢とともに変化する。高齢個体は、傷害に応じたサイトカインの増大に影響するメチル化変化を有する場合があるが、加齢が、サイトカイン遺伝子のDNAmに影響を及ぼす程度は十分に理解されていない。
[005]患者、特に、感染または手術などの傷害後の高齢患者においてせん妄の危険性を正確に予測し、検出するための費用効率が高く、簡単な方法およびデバイスに対する必要性が当業者に存在する。開示される発明は、医師に早期の介入決定を行うための情報を提供する。より早期にせん妄またはせん妄の高い可能性を検出することができれば、社会的費用はより低くなり、患者に必要とされる医療の量も減少する。本発明による入院期間の大幅な減少は、患者、医師および保健納付者のいずれかに肯定的影響を与えることになる。
[006]複数の実施形態が開示されるが、本開示のなお他の実施形態は、開示される装置、システムおよび方法の例示的な実施形態を示し、記載する以下の詳細な説明から当業者に明らかになろう。理解されるであろうが、開示される装置、システムおよび方法は、すべて本開示の精神と範囲から逸脱することなく、様々な明らかな態様において修飾することができる。したがって、図面および詳細な説明は、事実上例示的であり、制限的ではないと考えられる。
[007]せん妄に対する対象の危険性および/または感受性を検出するための様々なデバイスならびに方法が、本明細書に開示される。
[008]特定の実装形態において、せん妄に対する対象の感受性を決定する方法であって、対象から生体試料を収集する工程と;対象の生体試料中の少なくとも1つのCpG配列のメチル化ステータスを決定する工程と;生体試料中のメチル化ステータスを確立されている閾値と比較し、対象がせん妄を患う可能性が高いかどうか決定する工程とを含む方法が開示される。
[009]特定の態様において、少なくとも1つのCpG配列が、TNFアルファ、BNDF、GDNF、LDLRAD4、DAPK1およびIRF8から選択される遺伝子中に位置する。さらなる態様において、少なくとも1つのCpG配列が、BDNF遺伝子内の11番染色体のcg05733135を含み、メチル化の検出は、対象がせん妄に感受性であることを示す。さらに他の態様において、少なくとも1つのCpG配列が、GDNF遺伝子内の5番染色体のcg02328239を含み、メチル化の検出が、せん妄を起こす可能性を示す。なおさらなる態様において、少なくとも1つのCpG配列が、TNFアルファ遺伝子内の6番染色体のcg26729380、cg10650821およびcg04425624から選択され、脱メチル化の検出は、せん妄を起こす可能性の増大を示す。さらに他の態様において、少なくとも1つのCpG配列は、LDLRAD4遺伝子内の18番染色体のcg21295729を含み、メチル化の検出は、せん妄を起こす可能性の増大を示す。少なくとも1つのCpG配列が、DAPK1遺伝子内の9番染色体のcg10518911を含み、メチル化の検出が、せん妄を起こす可能性を示す方法。少なくとも1つのCpG配列が、IRF8遺伝子内の16番染色体のcg4015794を含み、メチル化の検出が、せん妄を起こす可能性を示す方法。メチル化されている1つまたは複数のCpG配列とメチル化されていない1つまたは複数のCpG配列の比を決定する工程をさらに含む方法。記載された技術の実装形態は、ハードウェア、方法もしくは工程、またはコンピュータ利用可能な媒体上のコンピューターソフトウェアを含み得る。
[010]対象の少なくとも1つのCpG配列のメチル化ステータスを決定することによってせん妄に対する対象の感受性を決定するためのキットが、本明細書にさらに開示され、キットは、BDNF遺伝子内の11番染色体のcg05733135でCpG配列を含むバイサルファイト変換された核酸配列に対して相補的な少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第1の核酸プライマーを含み、少なくとも1つの第1の核酸プライマーが、メチル化CpG配列を検出する。
[011]特定の態様において、キットは、BDNF遺伝子内の11番染色体のcg05733135でCpG配列を含むバイサルファイト変換された核酸配列に対して相補的な少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第2の核酸プライマーをさらに含み、少なくとも1つの第2の核酸プライマーは、非メチル化CpG配列を検出する。さらなる態様において、少なくとも1つの第1の核酸プライマーは、1つまたは複数の合成または非天然のヌクレオチドを含む。なおさらなる態様において、キットは、少なくとも1つの第1の核酸プライマーが結合している固体基材をさらに含む。さらに他の態様において、基材は、ポリマー、ガラス、半導体、紙、金属、ゲルまたはヒドロゲルである。いっそうさらなる態様において、固体基材は、マイクロアレイまたはマイクロ流体カードである。さらなる態様によると、キットは検出可能な標識をさらに含む。なおさらなる態様において、キットは、LDLRAD4遺伝子内の18番染色体のcg21295729でCpG配列を含むバイサルファイト変換された核酸配列に対して相補的な少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第2の核酸プライマーをさらに含み、メチル化の検出は、せん妄に対する感受性の増大を示す。さらに他の態様において、TNFアルファ遺伝子内の6番染色体のcg26729380、cg10650821およびcg4425624から選択されるCpG配列を含むバイサルファイト変換された核酸配列に対して相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第2の核酸プライマーならびにメチル化の検出は、せん妄に対する感受性の減少を示す。なおさらなる態様において、キットは、DAPK1遺伝子内の9番染色体のcg10518911でCpG配列を含むバイサルファイト変換された核酸配列に対して相補的な少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第2の核酸プライマーを含み、メチル化の検出は、せん妄に対する感受性の増大を示す。
[012]使用者について自己報告データを得る工程と;1つまたは複数の予測計算を実行して、使用者の予測される多部位CpG配列メチル化比、予測される閾値メチル化ステータスおよび予測されるせん妄を決定する工程と;使用者について測定された多部位CpG配列非メチル化レベルおよび測定された多部位CpG配列メチル化ステータスを提供する工程と;自己報告データ、1つまたは複数の予測計算、測定された多部位CpG配列メチル化および非メチル化レベルならびに測定された多部位CpG配列メチル化比に基づいて予測スコアを生成する工程と;予測スコアに基づいてせん妄の予測されるレベルを出力する工程とによって対象がせん妄を起こすか否かを決定するためのコンピュータ実装される方法が本明細書にさらに開示される。他の実装形態は、対応するコンピュータシステム、装置および1つまたは複数のコンピュータ記憶デバイス上に記録されているコンピュータプログラムを含み、それぞれは、本方法の動作を実行するために構成される。
[013]複数の実施形態が開示されるが、本発明のなお他の実施形態は、本発明の例示的な実施形態を示し、記載する以下の詳細な説明から当業者に明らかになろう。理解されるように、本発明は、すべて本発明の精神と範囲から逸脱することなく、様々な明らかな態様において修飾することができる。したがって、図面および詳細な説明は、事実上例示的であり、制限的ではないと考えられる。
[014]TNFアルファ遺伝子中の上位2つのCpG部位のうちの1つ、cgcg10650821を図示する相関表であり、年齢と血液試料のDNAメチル化との関係を例示する。 [015]TNFアルファ遺伝子中の上位2つのCpG部位のうちの1つ、cgcg01569083を図示する相関表であり、年齢と血液試料のDNAメチル化との関係を例示する。 [016]年齢と血液中のTNFアルファ発現との関係を例示する相関表である。 [017]年齢とTNFアルファ、IL−1ベータ、IL−6およびIL−8遺伝子におけるDNAメチル化との相関を図示する着色した表である。 [018]せん妄事例および非せん妄事例に対して年齢とTNFアルファ遺伝子中のcg01360627における血液DNAメチル化に関する相関表である。 [019]せん妄事例および非せん妄事例に対して年齢とTNFアルファ遺伝子中のcg23384708における血液DNAメチル化に関する相関表である。 [020]せん妄事例および非せん妄事例に対して年齢とTNFアルファ遺伝子中のcg20477259における血液DNAメチル化に関する相関表である。 [021]せん妄事例および非せん妄事例に対して年齢とTNFアルファ遺伝子中のcg06825478における血液DNAメチル化に関する相関表である。 [022]せん妄事例と非せん妄事例とで比較した、年齢とTNFアルファ遺伝子中のCpG 24個における血液DNAメチル化との相関を図示する着色した表である。 [023]6名の患者の年齢とグリア細胞、ニューロン試料および血液試料中のTNFアルファ遺伝子中のCpG 24個におけるDNAメチル化との相関を示す着色した表である。 [024]年齢に伴うDNAm変化を示すデータを示す図である。脳IL−6 cg23731304 DNAmにおける変化と年齢は有意に相関した。 [025]年齢に伴うDNAm変化を示すデータを示す図である。血液IL−6 cg23731304 DNAmにおける変化は、加齢に伴う脳と類似の傾向を示した。 [026]年齢に伴うDNAm変化を示すデータを示す図である。血液および脳IL−6 cg23731304における変化は、有意に相関した。 [027]GTPコホートから得られた血液試料の年齢とDNAmレベルの相関を示す図である。 [028]GTPコホートから得られた血液試料の年齢とTNFアルファ発現レベルの相関を示す図である。 [029]せん妄事例および非せん妄対照の人口統計学的データを示す図である。 [030]せん妄事例対非せん妄対照間で比較した、年齢とTNFアルファ遺伝子中のCpG 24個における血液DNAmとの相関を示す図である。 [031]個々のCpG差異の分布および対応する対数変換されたp値(n=87)に対するボルケーノプロットを示す図である。 [032]せん妄事例と非せん妄対照間で差異的にメチル化されているCpGの上位20個を示す図である。 [033]せん妄事例と非せん妄対照間で差異的にメチル化されているCpGのGO分析の上位20経路の結果を示す図である。 [034]せん妄事例と非せん妄対照間で差異的にメチル化されているCpGのKEGG分析の上位20経路の結果を示す図である。 [035]せん妄事例と非せん妄対照間で差異的にメチル化されているCpGのGO分析の有意な経路の結果を示す図である。 [035]せん妄事例と非せん妄対照間で差異的にメチル化されているCpGのGO分析の有意な経路の結果を示す図である。 [035]せん妄事例と非せん妄対照間で差異的にメチル化されているCpGのGO分析の有意な経路の結果を示す図である。 [036]せん妄(n=43)対対照(n=44)における暦年齢とDNAm年齢との相関を示す図である。 [037]年齢とGTPコホートから得られた血液試料中の神経組織栄養遺伝子のDNAmレベルとの相関を示す着色した表である。 [038]年齢と上位2つのCpGにおけるベータ値との相関を示す図である。 [039]年齢と上位2つのCpGにおけるベータ値との相関を示す図である。 [040]年齢とGTPコホートから得られた血液試料中の神経組織栄養遺伝子におけるCpG 226個のDNAmレベルとの相関を示す着色した表である。 [040]年齢とGTPコホートから得られた血液試料中の神経組織栄養遺伝子におけるCpG 226個のDNAmレベルとの相関を示す着色した表である。 [040]年齢とGTPコホートから得られた血液試料中の神経組織栄養遺伝子におけるCpG 226個のDNAmレベルとの相関を示す着色した表である。 [040]年齢とGTPコホートから得られた血液試料中の神経組織栄養遺伝子におけるCpG 226個のDNAmレベルとの相関を示す着色した表である。 [040]年齢とGTPコホートから得られた血液試料中の神経組織栄養遺伝子におけるCpG 226個のDNAmレベルとの相関を示す着色した表である。 [040]年齢とGTPコホートから得られた血液試料中の神経組織栄養遺伝子におけるCpG 226個のDNAmレベルとの相関を示す着色した表である。 [041]年齢とNSGコホートから得られた脳試料中の神経組織栄養遺伝子のDNAmレベルとの相関を示す着色した表である。 [041]年齢とNSGコホートから得られた脳試料中の神経組織栄養遺伝子のDNAmレベルとの相関を示す着色した表である。 [042]年齢とNSGコホートから得られた脳試料中の神経組織栄養遺伝子におけるCpG 201個のDNAmレベルとの相関を示す着色した表である。 [042]年齢とNSGコホートから得られた脳試料中の神経組織栄養遺伝子におけるCpG 201個のDNAmレベルとの相関を示す着色した表である。 [042]年齢とNSGコホートから得られた脳試料中の神経組織栄養遺伝子におけるCpG 201個のDNAmレベルとの相関を示す着色した表である。 [042]年齢とNSGコホートから得られた脳試料中の神経組織栄養遺伝子におけるCpG 201個のDNAmレベルとの相関を示す着色した表である。 [042]年齢とNSGコホートから得られた脳試料中の神経組織栄養遺伝子におけるCpG 201個のDNAmレベルとの相関を示す着色した表である。 [043]EODコホートにおけるせん妄事例対非せん妄対照間で比較した年齢とBDNF遺伝子中のCpG 83個における血液DNAmとの相関を示す着色した表である。 [043]EODコホートにおけるせん妄事例対非せん妄対照間で比較した年齢とBDNF遺伝子中のCpG 83個における血液DNAmとの相関を示す着色した表である。 [043]EODコホートにおけるせん妄事例対非せん妄対照間で比較した年齢とBDNF遺伝子中のCpG 83個における血液DNAmとの相関を示す着色した表である。
[044]範囲は、「約」ある特定の値から、および/または「約」別の特定の値までとして本明細書に表され得る。そのような範囲が表される場合、さらなる態様は、ある特定の値からおよび/または他の特定の値までを含む。同様に、値が近似値として表される場合、先行詞「約」を使用して、特定の値が、さらなる態様を形成することが理解されよう。範囲のそれぞれの終点が、他の終点と関連して、および他の終点とは独立して両方で有意であることはさらに理解されよう。本明細書においていくつかの値が開示され、各値はまた、値自体に加えて「約」特定の値として本明細書に開示されることも理解される。例えば、値「10」が開示される場合、「約10」も開示される。また、2つの特定の単位間の各単位が開示されることも理解される。例えば、10および15が開示される場合、11、12、13および14も開示される。
[045]本明細書では、用語「対象」は、投与の標的、例えば、動物のことを指す。したがって、本明細書に開示される方法の対象は、哺乳動物、魚、トリ、爬虫類または両生類などの脊椎動物であり得る。別法として、本明細書に開示される方法の対象は、ヒト、ヒト以外の霊長類、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ネコ、モルモットまたは齧歯動物であり得る。用語は、特定の年齢または性別を示さない。したがって、雄か雌かに関わらず、成体および新生対象ならびに胎児が網羅されることを意図する。一態様において、対象は哺乳動物である。患者とは、疾患または障害に苦しむ対象のことを指す。用語「患者」は、ヒトおよび獣医学的対象を含む。
[046]本明細書では、用語「処置」とは、疾患、病的状態もしくは障害を治療、寛解、安定化または防止することを意図した患者の医学的管理のことを指す。この用語は、積極的な処置、すなわち、疾患、病的状態または障害の改善のために特に行われる処置を含み、さらに、原因処置、すなわち関連する疾患、病的状態または障害の原因の除去のために行われる処置を含む。加えて、この用語は、緩和処置、すなわち、疾患、病的状態または障害の治療よりもむしろ徴候の軽減のために設計された処置;予防的処置、すなわち、関連する疾患、病的状態もしくは障害の発症を最小化するまたは部分的もしくは完全に阻害するために行われる処置;および支持的処置、すなわち、関連する疾患、病的状態または障害の改善のために行われる別の特定の療法を補うために利用される処置を含む。様々な態様において、用語は、哺乳動物(例えば、ヒト)を含めた患者のあらゆる処置も網羅し:(i)疾患の素因があり得るが、疾患を有するとまだ診断されていない患者において疾患が起こることを防止する;(ii)疾患を阻害する、すなわち、発症を抑制する;または(iii)疾患を軽減する、すなわち、疾患の退行を引き起こすことを含む。一態様において、患者は霊長類などの哺乳動物であり、さらなる態様において、患者はヒトである。
[047]CpGアイランドは、CpG配列の頻度が他の領域より高いDNAの短い区間である。用語CpGにおける「p」は、シトシン(「C」)およびグアニン(「G」)がホスホジエステル結合によって接続されていることを示す。CpGアイランドは、ハウスキーピング遺伝子および多くの調節される遺伝子のプロモーターの周りにしばしば位置する。これらの場所で、CpG配列は、活性な遺伝子においてはメチル化されていない。それに対し、不活性遺伝子においてCpG配列は、通常メチル化されてその遺伝子の発現を抑制している。
[048]CpGアイランドのメチル化は、そのようなメチル化を決定するのに適切な任意の方法を使用して当業者によって決定され得る。例えば、当業者は、バイサルファイト反応に基づく方法を使用してそのようなメチル化を決定することができる。
[049]TNFアルファ、LDLRAD4、DAPK1、IRF8 IL−1ベータ、Il−2、IL−6および/またはIL−8遺伝子に特異的な少なくとも1つのプローブを含む、対象がせん妄に対する素因を有するかもしくはせん妄を有する可能性があるか(例えば感受性)決定するためのスクリーニングキットが開示される。特定の実施形態において、キットは、固体基材をさらに含み、各プローブは、固有の箇所において基材に結合している。特定の実施形態において、プローブは、BDNF、GDNF、TNFアルファ、LDLRAD4、DAPK1および/またはIRF8のCpG残基でメチル化を検出する。特定の実施形態において、基材は、ポリマー、ガラス、半導体、紙、金属、ゲルまたはヒドロゲルである。特定の実施形態において、キットは、少なくとも1つの対照プローブをさらに含み、少なくとも1つの対照プローブは、固有の箇所において基材に結合している。特定の実施形態において、固体基材は、マイクロアレイまたはマイクロ流体カードである。特定の実施形態において、プローブは、オリゴヌクレオチドプローブまたは核酸誘導体プローブである。
[050]本開示は、バイサルファイト処理DNAを使用して、末梢血細胞においてCpGジヌクレオチド配列のメチル化ステータスもしくはその誘導体を決定することによって対象が、せん妄を有するまたは発症する可能性が有るかどうか決定する診断方法を提供し、CpG配列のメチル化ステータスは、せん妄と関連する。特定の実施形態において、本方法は、複数のCpGジヌクレオチド配列のメチル化ステータスを決定する。そのような複数性は、少なくとも100など1〜10000の任意の整数であり得る。
[051]メチル化ステータスがせん妄に対する感受性と関連する任意の1つまたは複数のCpG配列を本明細書における方法および/またはキットにおいて使用して、予測値(例えば、せん妄を発症する可能性を表す)を決定することができる。CpG配列には、表3に挙げたものがあるが、これに限定されない。せん妄に対する感受性と関連するとして本明細書に開示される他の任意のCpG配列が、さらに含まれる。特にせん妄感受性を決定することに対して、より多くのCpG配列(すなわち、メチル化ステータスがせん妄感受性と関連しているCpG配列)が評価されるほど、予測値がより正確になることは理解されよう。
Figure 2022500087
[052]特定の実施形態において、TNFアルファ遺伝子内の6番染色体のcg26729380、cg10650821またはcg04425624から選択されるCpG配列を含むバイサルファイト変換された核酸配列に対して相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第1の核酸プライマーを含み、少なくとも1つの第1の核酸プライマーが、非メチル化CpG配列を検出し、脱メチル化が、せん妄に対する感受性の指標となる、対象がせん妄に対する素因を有するかまたはせん妄を有する可能性があるか決定するためのキットが開示される。特定のさらなる実施形態において、キットは、TNFアルファ遺伝子内の6番染色体のcg26729380、cg10650821、またはcg04425624でCpG配列の上流もしくは下流に結合する第2および/もしくは第3のプライマーをさらに含む。
[053]特定の実装形態において、開示されるキットは、TNFアルファ遺伝子内の6番染色体の31543655、31543686または31543565から選択される位置でCpG配列を含むバイサルファイト変換された核酸配列に対して相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第1の核酸プライマーであり、少なくとも1つの第1の核酸プライマーが、非メチル化CpGジヌクレオチドを検出し、脱メチル化が、せん妄に対する感受性の指標となるプライマーを含む。特定のさらなる実施形態において、キットは、TNFアルファ遺伝子内の6番染色体の位置31543655、31543686または31543565でCpGジヌクレオチドの上流もしくは下流に結合する第2および/もしくは第3のプライマーをさらに含む。
[054]特定の実施形態において、BDNF遺伝子内の11番染色体のcg05733135でCpG配列を含むバイサルファイト変換された核酸配列に対して相補的な少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第1の核酸プライマーを含み、少なくとも1つの第1の核酸プライマーが、メチル化CpG配列を検出し、メチル化がせん妄に対する感受性の指標となる、対象がせん妄に対する素因を有するかまたはせん妄を有する可能性があるか決定するためのキットが開示される。
[055]特定の実装形態において、開示されるキットは、BDNF遺伝子内の11番染色体の位置27740876でCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に対して相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第1の核酸プライマーを含み、少なくとも1つの第1の核酸プライマーは、メチル化CpGジヌクレオチドを検出し、メチル化が、せん妄に対する感受性の指標となる。
[056]特定の実施形態において、対象がせん妄に対する素因を有するかまたはせん妄を有する可能性があるか決定するための開示されたキットは、GDNF遺伝子内の5番染色体のcg02328239でCpG配列を含むバイサルファイト変換された核酸配列に対して相補的な少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第1の核酸プライマーを含み、少なくとも1つの第1の核酸プライマーが、メチル化CpG配列を検出し、メチル化が、せん妄に対する感受性の指標となる。
[057]特定の実装形態において、開示されるキットは、GDNF遺伝子内の5番染色体の位置37837463でCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に対して相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第1の核酸プライマーを含み、少なくとも1つの第1の核酸プライマーが、メチル化CpGジヌクレオチドを検出し、メチル化が、せん妄に対する感受性の指標となる。
[058]特定の実施形態において、LDLRAD4遺伝子内の18番染色体のcg21295729でCpG配列を含むバイサルファイト変換された核酸配列に対して相補的な少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第1の核酸プライマーを含み、少なくとも1つの第1の核酸プライマーが、メチル化CpG配列を検出し、メチル化が、せん妄に対する感受性の指標となる、対象がせん妄に対する素因を有するかまたはせん妄を有する可能性があるか決定するためのキットが開示される。
[059]特定の実装形態において、開示されるキットは、LDLRAD4遺伝子内の18番染色体の位置37837463でCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に対して相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第1の核酸プライマーを含み、少なくとも1つの第1の核酸プライマーが、メチル化CpGジヌクレオチドを検出し、メチル化が、せん妄に対する感受性の指標となる。
[060]特定の実施形態において、対象がせん妄に対する素因を有するかまたはせん妄を有する可能性があるか決定するための開示は、DAPK1遺伝子内の9番染色体のcg10518911でCpG配列を含むバイサルファイト変換された核酸配列に対して相補的な少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第1の核酸プライマーを含み、少なくとも1つの第1の核酸プライマーが、メチル化CpG配列を検出し、メチル化が、せん妄に対する感受性の指標となる。
[061]特定の実装形態において、開示されるキットは、DAPK1遺伝子内の9番染色体の位置90172046でCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に対して相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第1の核酸プライマーを含み、少なくとも1つの第1の核酸プライマーが、メチル化CpGジヌクレオチドを検出し、メチル化が、せん妄に対する感受性の指標となる。
[062]特定の実施形態において、IRF8遺伝子内の16番染色体のcg04015794でCpG配列を含むバイサルファイト変換された核酸配列に対して相補的な少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第1の核酸プライマーを含み、少なくとも1つの第1の核酸プライマーが、メチル化CpG配列を検出し、メチル化が、せん妄に対する感受性の指標となる、対象がせん妄に対する素因を有するかまたはせん妄を有する可能性があるか決定するためのキットが開示される。
[063]特定の実装形態において、開示されるキットは、IRF8遺伝子内の16番染色体の位置85947866でCpGジヌクレオチドを含むバイサルファイト変換された核酸配列に対して相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第1の核酸プライマーを含み、少なくとも1つの第1の核酸プライマーが、メチル化CpGジヌクレオチドを検出し、メチル化が、せん妄に対する感受性の指標となる。
[064]特定の実施形態において、開示される方法は、PCR(重合連鎖反応)アッセイによって実行される。一部の事例において、PCRは、リアルタイムPCRアッセイ(RT−PCR)アッセイの形態を取ることになる。これらPCRアッセイの特定の実施形態において、キットは、BDNF、GDNF、LDLRAD4、DAPK1および/またはIRF8座の領域を特異的に増幅する2つのプライマーならびに増幅された領域を選択的に認識する遺伝子特異的プローブを含有してもよい。合わせて、プライマーおよび遺伝子特異的プローブは、プライマー−プローブセットと呼ばれる。PCR反応の所与の時点またはPCR反応の全体を通じて増幅された区分にハイブリダイズする遺伝子特異的プローブの量を測定することにより、当業者は、反応開始時にもともと存在していた核酸の量を推測することができる。一部の例において、ハイブリダイズしたプローブの量は、蛍光分光測光法によって測定される。プライマー−プローブセットの数は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、...9997、9998、9999、10000個など、1〜10000個の任意の整数のプローブであり得る。一キットにおいて、プローブのすべては、単一の反応ウェルまたは複数の反応ウェル中に物理的に置かれてもよい。プローブは、乾燥または液体の形態でもよい。それらは、単一反応または一連の反応に使用されてもよい。特定の実施形態において、プローブはオリゴヌクレオチドプローブである。特定の実施形態において、プローブは核酸誘導体プローブである。
[065]本発明の特定の実施形態は、単離されたまたは実質的に精製された核酸組成物を包含する。本発明の文脈において、「単離された」または「精製された」DNA分子もしくはRNA分子は、天然の環境から離れて存在し、したがって天然の産物ではないDNA分子もしくはRNA分子である。単離されたDNA分子もしくはRNA分子は、精製された形態で存在してもよく、または例えばトランスジェニック宿主細胞内など非天然の環境中に存在してもよい。例えば、「単離された」または「精製された」核酸分子が、組換え技術によって作製された場合、他の細胞物質もしくは培養培地を実質的に含まず、または化学的に合成された場合には化学前駆体もしくは他の化学物質を実質的に含まない。一実施形態において、「単離された」核酸は、核酸が得られる生物のゲノムDNA中で核酸に天然に隣接する配列(すなわち、核酸の5’および3’末端に位置する配列)を含まない。
[066]「天然に存在する」は、人工的に作製されたものとは異なる天然に見い出され得る組成物について記載するために使用される。例えば、生物中に存在するヌクレオチド配列は天然に存在しており、その配列は、天然の供給源から単離され得、研究室内で人によって意図的に修飾されていない。
[067]対象が、せん妄を起こすか否か決定するためのコンピュータ実装される方法がさらに開示され、本方法は、使用者について自己報告データを得る工程と;1つまたは複数の予測計算を実行して、使用者の予測される多部位CpG配列メチル化比、予測される閾値メチル化ステータスおよび予測されるせん妄を決定する工程と;使用者について測定された多部位CpG配列非メチル化レベルおよび測定された多部位CpG配列メチル化ステータスを提供する工程と;自己報告データ、1つまたは複数の予測計算、測定された多部位CpG配列メチル化および非メチル化レベルならびに測定された多部位CpG配列メチル化比に基づいて予測スコアを生成する工程と;予測スコアに基づいてせん妄の予測されるレベルを出力する工程とを含む。
[068]本明細書において引用される刊行物および特許のすべては、個々の刊行物または特許が、参照により組み込まれるために具体的かつ個別に指示されるかのように参照により本明細書に組み込まれ、刊行物が引用されている関連する方法および/または材料を開示ならびに記載するために参照により本明細書に組み込まれる。あらゆる刊行物の引用は、本出願日前のその開示のためのものであり、本発明が、先行発明によりこれら刊行物に先行する権利がないことの承認と解釈されるべきでない。さらに、提供される公開日は、それぞれ独立に確認される必要があり得る実際の公開日と異なる場合がある。
[069]以下の例は、本明細書において請求される化合物、組成物、製品、デバイスおよび/または方法が、どのように作られ、評価されるかという特定の例の完全な開示および説明を当分野の技術者に提供するために記載されるものであり、本発明の単なる例示であることを目的とし、本発明者らがその発明とみなすものの範囲を限定することを目的としない。しかしながら、当業者は、開示されている特定の実施形態に多くの変更を行い、本発明の精神および範囲から逸脱することなく同様または類似の結果をなお得ることができることを、本開示に照らして認識すべきである。
実施例1
[070]サイトカイン遺伝子におけるDNAmパターンが、加齢と相関するかどうか試験するために、GTP対象265名(年齢範囲18〜65歳)の血液試料に基づくデータセットを最初に使用した。
[071]図1は、患者が高齢になるにつれてr=−0.41およびp値、2.85×E−12でDNAmの減少の証拠を提供するTNFアルファのcg10650821部位を例示する。図2は、r=−0.389およびp値、5.21×E−11のcg01569083における類似の結果を例示する。さらに、図3は、年齢と血液中のTNFアルファ発現レベルとの相関を示す。結果は、r=0.37およびp値、3.84×E−7であった。相関表は、加齢に伴うDNAm変化およびサイトカイン遺伝子の発現の増大が、せん妄の危険性の指標に関するエピジェネティックマーカーとして使用され得るという主張を示し、支持する。
[072]図1〜図4に示すように、最も高い相関は、cg10650821であった(r=−0.41;p値、2.85×E−12)(図1〜図4)。TNFアルファ中のCpG全27個は、少なくとも名目上有意であり、そのうちの8個はゲノム規模の有意レベルで有意であった(p<5×E−8)(図3)。さらに、これらサイトカイン発現レベルの試験により、血液中のTNFアルファ発現が、加齢と有意な正の関連性を有することが確認された(r=0.37、p=3.84×E−7)(図3)。
[073]図4は、年齢と血液試料のDNAmレベルとで関連を呈したCpG 28個に対するロー値およびp値を提供する。大多数のCpGは、TNFアルファ遺伝子由来であった。他の遺伝子由来のCpGを表中で、灰色で強調する。
[074]図5A、図5B、図5Cおよび図5Dは、TNFアルファ場所cg01360627、cg23384708、cg20477259、cg06825478におけるせん妄有りおよび無し患者の経時的なDNAmパターンの証拠を提供する。表中、赤色はせん妄有り患者を示し、青色データポイントはせん妄無し患者を示す。4つすべてが、統計的に有意な値a=0.05でせん妄有りの患者とせん妄無しの患者の固有のパターンを示す。
[075]図6は、図5A、図5B、図5Cおよび図5Dに示したものと同じ相関だが、CpG 24個について示す表である。赤色のロー値セルは、DNAmと年齢との逆相関を示し、青色は正相関を示す。非せん妄患者においてCpGのおよそ半分は正相関を有し、半分は逆相関を有する。せん妄患者において試験したCpGのうち2つ以外のすべては、年齢とDNAmの間に逆相関をもたらした。
[076]図7は、年齢とグリア細胞試料、ニューロン細胞および血液細胞試料中のTNFアルファ遺伝子のCpG 24個におけるDNAmとの相関を図示する。前述の如く、赤色セルは年齢とDNAm間の逆相関を示し、青色セルは正相関を示す。この実例は、グリア細胞のDNAメチル化が、サイトカイン遺伝子において加齢とともに変化するという主張に対する支持を提供する。
[077]特定の実施形態によれば、TNFアルファ遺伝子は、医師が情報に基づいて決定を行うのに必要な予測情報を提供する。血液試料などの生体試料が収集され、増幅された後、その試料は配列決定され、分析され得る。分析は、TNFアルファ遺伝子内の複数のCpG部位を網羅する。複数のCpG部位を利用することにより偽陽性の可能性が低下する。
[078]本実施例において、異なる2つのコホートの試料を使用して、加齢とサイトカイン遺伝子のDNAmとの関連を調べた。一方のコホートは、脳外科手術的に切除された脳組織および血液試料が同時に収集された医学的に難治性のてんかん患者の組であった[脳外科手術コホート(NSG)]。加えて、DNAmを含む血液試料および発現データを、Grady Trauma Project(GTP)の対象265名の独立した、大きなコホートから使用した(Smithら、2011年)。
方法および材料
NSGコホートの研究対象および試料収集
[079]研究参加者および試料収集工程のより詳細な概要については、これまでに記載されている(Braunら、2017年;Shinozakiら、2017年)。簡潔には、2014年3月〜2017年4月にアイオワ大学病院・クリニックで脳外科手術を受けた医学的に難治性のてんかん対象21名を本研究に募集した。本研究は、アイオワ大学のヒト対象研究施設内倫理委員会によって承認された。書面による同意書を得、全血試料をEDTA管に、唾液をOragene DISCOVER(商標)キット(DNA Genotek Inc.OGR−500)で、および口腔組織をスワブ(Puritan、25−1506 1PF TT MC)で収集した。切除した脳組織試料を直ちに貯蔵し、ドライアイス上に移し、各脳領域の一部を病理検査に送った。すべての試料を−80℃で貯蔵した。一般に、血液試料は、手術室において手術終了時に採取され、唾液および口腔スワブは、手術後2日以内に収集された。FACSを、前述のとおり実行した(Braunら、2017年;Shinozakiら、2017年)。
試料処理およびエピジェネティクスプラットフォーム
[080]メチロームアッセイを前述のとおり実行した。簡潔には、唾液、口腔および全血からのゲノムDNAを、MasterPure(商標) DNA extraction kit(Epicenter、MCD85201)で単離した。DNAを、EZ DNA Methylation(商標)Kit(Zymo Research、D5002)を使用してバイサルファイト変換した。Infinium HumanMethylationEPIC BeadChip(商標)Kit(Illumina、WG−317−1002)を使用して、対象21名の脳、血液、唾液および口腔試料のDNAmを分析した。生データを、RパッケージRnBeadsおよびMinfiを使用して処理し(Aryeeら、2014年;Fortinら、2017年);これにより差異的メチル化分析に加えて、品質管理検査、データ選別およびデータの標準化が可能になる(Aryeeら、2014年;Assenovら、2014年;Fortinら、2017年)。
統計的分析
[081]すべての統計的分析を、Rで実行した(Team、2017年)。DNAm相関を、各組織に対する平均メチル化を使用してピアソンの相関により算出した。サイトカイン遺伝子の相関を、アレイ上に存在するそれら遺伝子のCpGと実行した。加齢とDNAmとの相関の程度を、試験したサイトカイン遺伝子における各CpGについて算出した。相関係数およびその有意レベルを、Rパッケージlimmaを使用してスピアマンの検定により算出した(Smythら、2005年)。
GTPコホートのデータ
[082]Grady Trauma Projectの詳細な試料収集は、Smithら(2011年)に見ることができる(Smithら、2011年)。Illumina HumanMethylation450 DNAmデータを、以前に記載されているパイプラインによって処理した(Ratanatharathornら、2017年)。簡潔には、Infiniumプロトコールを、対照プローブの目視検査による各ステップで評価し、その後バックグラウンド標準化したベータ値、メチル化シグナル、非メチル化シグナルおよび検出p値をRに転送した(IhakaおよびGentleman、1996年)。RパッケージCpGassocに基づいて、低強度試料(プローブ検出コールレート<90%および全体の中央値の半分または2000任意単位より小さい平均強度値)および検出p値>0.001のプローブを除去した(Barfieldら、2012年)。性染色体にクロスハイブリダイゼーションするプローブも除去した(Chenら、2013年)。1型および2型プローブをベータ混合分位数標準化で標準化し、その後ComBat手順を2回行って性別およびPTSDのステータスを管理しながらチップ効果、次いで位置効果を除去した(Leekら、2012年;Teschendorffら、2013年)。分析前に、β値をM値にログ変換した(Duら、2010年)。
[083]遺伝子発現分析の場合、RNAを、すべての参加者について午前8時30分頃にTempus管に収集した全血から抽出した。すべての試料は、Byoanalyzer RNA Integrity Number(RIN)6を有した。プローブが、試料の5%において検出p値<0.01を有した場合、プローブは十分に発現したと見なした。合計15877個のプローブがこれらの基準を満たした。アレイをlog2変換し、Supervised Normalization Methodを使用して標準化した(Mechamら、2010年)。
結果
患者人口動態
NSG研究
[084]NSG対象21名の脳および周辺組織試料を分析した、中でも7名が女性であり、平均年齢は31歳(SD±16.4)であった。切除し、分析した脳領域は、側頭皮質(患者11名)、前頭皮質(患者4名)、海馬(患者4名)および後頭骨エリア(患者2名)を含んだ。蛍光活性化細胞分別法(FACS)を脳組織に対して実行して、ニューロンマーカーについて陽性の細胞を分離し、分析に充分なDNA量のニューロン陽性(ニューロン)試料6個およびニューロン陰性(グリア)試料13個を得た。
GTP研究
[085]GTPコホートに関する詳細な情報については、これまでに記載されている(Smithら、2011年)。簡潔には、利用可能なDNAmおよび発現データを含む合計試料サイズは265個であり、71%は女性であり、収集時の平均年齢は42歳(SD±12)であった。試料の94パーセントをアフリカ系アメリカ人個体から受け取り、5%を白色人種の個体から受け取った。
NSG脳および血液試料のDNAメチル化
[086]NSG研究(Braunら、2017年;Shinozakiら、2017年)のデータセットを最初に使用して、サイトカイン遺伝子におけるDNAmパターンが脳の加齢と相関しているかどうか見た。脳外科手術の間に切除した脳組織において対象(年齢範囲5〜62歳)の全体でDNAmレベルと年齢との関連を見た。炎症誘発性サイトカイン遺伝子、IL−1ベータ、IL−6およびTNFアルファを選択して、どれが合計52個のCpGを含むか試験した。6つのCpGが、名目有意性(p<0.05)で加齢と相関した。20試験のうち1つが単独で偶然に有意ならば、52個のCpGのうち2.6個が偶然に有意であると予想した。上位のヒットは、IL−6(cg23731304)であり、ロー値、−0.73およびp値、0.00060を有した(図8a)。これは、多重試験に対する補正後でも0.05/52=0.00096のレベルで有意であった。次いで血液においてこの特別なCpGおよびDNAm傾向を見、ローは、−0.42でありp値は、0.075であることが判明した(図8b)。このCpGにおいて脳と血液間のDNAmの相関も有意であった(ロー=0.65;p値=0.0026)(図8c)。
GTPコホート、合計265名の対象の血液試料のDNAメチル化および発現
[087]NSG予備分析と類似して、GTPコホートにおいてIL−1ベータ、IL−6、IL−8およびTNFアルファのDNAmと加齢との関連を調査しようと試みた。データセットはCpG 74個を含み、中でもCpG 14個においてDNAmレベルは名目有意性(p<0.05)で加齢と関連した。名目レベルで加齢と有意に関連したCpGは38個あり、TNFアルファで主に示された。実際のところ、TNFアルファ中のCpG全27個は、少なくとも名目上有意であった(図7)。8個のCpGが、ゲノム規模の有意レベルで有意であり(p<5×E−8)、すべてTNFアルファであった(図7)。上位のヒットは、cg10650821であった(r=−0.41;p値、2.85×E−12)(図6、図9)。さらに、これらサイトカインの発現レベルを、利用可能な発現データがある対象215名のサブグループに対して試験した場合、予想された通りTNFアルファ発現が、加齢と有意に正に関連した(r=0.37、p=3.84×E−7)(図10)。
血液およびFACS分別された脳の再現した、DNAメチル化NSG試料
[088]GTP上位の所見が、NSG研究においても示されるかどうか決定しようと試みた。上位4つのヒットのうちの3つ(cg10650821、cg08553327およびcg26729380、すべてTNFアルファ由来、図7においてオレンジ色で強調した)が、血液(N=21)において名目有意性で加齢と相関し、結果として独立したコホートが発見を再現した。
[089]次に、GTPコホートにおけるTNFアルファのDNAmと加齢とのこれら関連が、NSG脳組織において同じように存在するかどうか試験した。各組織型(全脳、ニューロン陽性、ニューロン陰性および血液)由来試料を有する公平な対象6名のデータを使用して、TNFアルファ遺伝子において試験したCpG全24個で年齢とDNAmとの相関の傾向をより良く比較した。全脳組織とFACS分別したニューロン陽性(ニューロン)細胞の両方にいかなる傾向も同定されなかったが、FACS分別したニューロン陰性(グリア)細胞において加齢との名目上有意な関連が、cg04472685およびcg26736341で見られ(p=0.017、図6、図7において淡青色の強調)、類似の傾向が、次の上位4つのCpG部位において見られた(図6、図7において濃青色の強調)。
[090]全24個のCpGは、グリア(ロー=−1〜−0.3)、全脳(ロー=−0.9〜0)および血液(ロー=−1〜0)において逆相関を示したが、ニューロン陽性細胞は、負から正までの様々な範囲のロー値を示した(ロー=−0.7〜1)(図7)。これは、加齢と関連するDNAmの傾向におけるグリアとニューロン細胞型との不一致、およびグリアと血液との傾向の類似性を示す。ただし、注目すべきことは、試料サイズが非常に小さく、統計的に有意な傾向を検出する能力が限定されている可能性がある。
考察
[091]21個の試料のNSGデータは、ヒト脳において、炎症誘発性サイトカイン遺伝子(IL−6)のプロモーター領域における1つのCpGのDNAmレベルが、年齢と共に低下し、その低下がIL−6発現の増大と潜在的に関連する可能性があることを示した。また、IL−6におけるこのCpGのDNAmレベルは脳と血液とで相関しており、血液中でDNAmは加齢と類似の傾向を示す。これらの発見は、このIL−6 CpGの血液DNAmが、脳における年齢と相関する変化のエピジェネティックバイオマーカーの有用性を有することを示唆する。実際のところ、IL−6における単一のCpGでの低いDNAmが、ヒト対象から得られた血液の発現の増加と関連することを示す報告もある(Nileら、2008年)。
[092]GTPコホートにおける独立したコホートからのデータは、血液試料の複数のCpGにおける加齢に伴って低下する年齢関連DNAmを明らかにした。そのパターンは、NSGコホートと大いに整合性がある。上位シグナルは、ゲノム規模で有意なp値、2.85×E−12を示した。試験したCpG部位74個の多重比較補正に対して調整すると、図7に挙げた通りCpG 28個が0.05/74=0.00068で有意であった(GTPのCpG 24個)。血液DNAmのこれら発見の大多数は、TNFアルファにおけるものであり、加齢に伴う低下を示し、これは文献と整合性がある(Gowersら、2011年)。さらに、TNFアルファの発現は、DNAmと年齢との逆相関に基づいて予想された通り加齢と正相関した。これに反して、このコホートのTNFアルファ以外の他の炎症誘発性サイトカインの発現は、加齢と相関しなかった。これは、人体が安定な状態にある場合に他のサイトカインが特定の範囲に安定化されることを示す可能性がある。しかしながら、加齢に伴うアンダーラインDNAm変化のため、個体は、外因性傷害に曝露されると発現を増強しやすくなり、特定の閾値を超えるとせん妄の危険性に一層さらされる可能性がある。実際のところ、TNFアルファレベルの直接測定とせん妄との関係は、議論の余地があった。せん妄患者において、複数の研究が、TNFアルファは有意なままではないと報告した(de Rooijら、2007年;Cinarら、2014年;Brumら、2015年)。注目すべきことに、これら報告におけるせん妄事例の試料サイズは100例未満(それぞれ64事例、15事例および17事例)であり、したがって結果は力不足であった可能性がある。また、外因性傷害のレベルの制御は、制御が困難な交絡因子であり得る。これらの矛盾するデータは、サイトカインレベル自体はせん妄の危険性の信頼できるバイオマーカーとして作用しない可能性があり、DNAmは、せん妄に対するより良いアンダーライン危険因子を潜在的に提供する可能性があることを示唆している。
[093]GTPのTNFアルファの結果をNSGコホートにおいてさらに調べた。血液においてTNFアルファ内のほとんどすべてのCpGにおけるDNAmが、高齢になるのに伴って低下することが示された。さらに、FACS分別したニューロン陰性組織中のTNFアルファCpGにおけるDNAmは、加齢と類似の低下を示した。1つのCpG(cg15989608)は、13事例の限られた試料サイズでも、加齢と名目上有意に関連することが判明した。このCpGも、p値、5.34×E−5でGTPコホート中の血液試料の加齢と有意に関連した。NSGデータを、全脳、グリア、ニューロンおよび血液からの試料を有する対象6名の間で比較した場合、グリア、全脳および血液組織においてTNFアルファのCpG 24個の大部分に逆相関が見られたが、ニューロン陽性細胞はより広範囲の相関を示した。グリアおよび血液におけるTNFアルファのこの類似傾向は、グリア細胞(ミクログリアを含む)および血液細胞(単球を含む)が、炎症誘発性サイトカイン遺伝子において加齢と関連して類似のDNAm変化を有する可能性があるという仮説を支持する。
[094]加齢に伴って低下するDNAmにおいて見た傾向が、DNAmは加齢に伴って一般に低下しがちであるという事実によることはあり得る;しかしながら、異なる組織は加齢傾向が異なったので、これはその発見が一般化されなかったことを示す。したがって、炎症誘発性サイトカイン遺伝子におけるDNAmレベルの年齢に伴う低下は、神経細胞と比較して、グリアおよび血液細胞においてより支配的であることはあり得る。
[095]ここで示されるデータは、血液および脳組織、特にグリア細胞における加齢に伴うサイトカイン遺伝子のDNAm関連変化の証拠を提供する。せん妄に感受性である個体が、これら遺伝子においてDNAmの悪化または異常調節された変化を有することは起こり得るので、本研究は、せん妄におけるエピジェネティック変化の仮説をさらに試験するための基礎を提供する。この目的のために、せん妄有りおよび無し対象から試料を収集して、ゲノム規模でDNAm差異を試験する研究を開始した。
[096]せん妄と関連するエピジェネティックバイオマーカーの同定は、内科および外科の現在の診療を潜在的に改善する可能性がある。例えば、可能であれば、せん妄の危険性が高いと同定される患者は、危険性が小さくなるまで手術を延期してもよく、または予防措置を利用して手術後に患者を詳しく監視し、それにより危険な予後を最小化できよう。これにより、病院の限られた資源をより効率的に配置することが可能になる。
[097]要約すると、せん妄病態生理学においてサイトカイン遺伝子に対するDNAmの役割に関する仮説を提案する。特に、加齢に伴って炎症誘発性サイトカイン遺伝子におけるDNAmの低下があり、この低下は、感染症または手術などの外因性傷害に特に応答してその遺伝子をより発現されやすくする可能性があると仮定する。したがって、サイトカインレベルの増加による炎症応答は、潜在的にせん妄を引き起こす可能性がある。この実施例は、TNFアルファおよびIL−6 CpGにおけるDNAmが、脳と血液組織の両方において加齢と逆相関していることを示した。TNFアルファの場合、ニューロン組織とは対照的にグリアおよび血液が加齢に伴って類似のDNAm傾向を示した。重要なことに、本研究はサイトカイン遺伝子におけるDNAmレベルが加齢と関連することを示すが、外因性傷害後にせん妄を発症しない老齢個体と対比してせん妄に感受性である老齢個体が、異なるメチル化を有するかどうか決定する必要がある。
実施例2
[098]加齢および炎症が、せん妄の鍵となる危険因子であるという事実を踏まえて、DNAメチル化(DNAm)がヒト寿命にわたって動的に変化し、エピジェネティック機構がサイトカインを含めた遺伝子の発現を制御するという事実に重点を置いた。したがって、加齢およびせん妄感受性に特異的なエピジェネティック修飾がミクログリアにおいて起こり;類似の修飾が血液において起こり;これらエピジェネティック変化が外因性傷害に対する反応を増強し、サイトカイン発現およびせん妄感受性を増大させると仮定した。実際のところ、発表されているどの研究も、ヒトにおけるDNAmとせん妄との関係を、特にゲノム規模でのDNAm調査で評価していない。
[099]この実施例において、せん妄の有る入院患者および無い入院患者の血液中のDNAmステータスを比較して、患者から常法通り得られる血液試料においてせん妄に対して臨床的に有用なエピジェネティックバイオマーカーを同定した。3つの理由:1)血液中の単球の機能は、ミクログリアと類似しており、両方とも外因性刺激に応じてサイトカインを放出する、2)同時点で収集される同じ個体の血液中のDNAmレベルに対する生きた脳組織(脳外科手術中に切除される)におけるDNAmレベルの比較が、ゲノム規模で高レベルの相関を示した、および3)これまでのデータが、グリアおよび血液中の炎症誘発性サイトカイン遺伝子TNFアルファのDNAmにおいて類似の年齢に伴う低下を示した、のため血液を使用した。これら目的を達成するために、せん妄患者とせん妄の無い対照とで血液中のDNAm差異を調査する本研究を行った。
[0100]包括的にするために、Illumina EPICアレイを使用するゲノム規模での手法を利用した。せん妄の有る群および無い群の間で炎症誘発性サイトカイン遺伝子、TNFアルファと年齢との相関を最初に試験した。ネットワーク分析も行った。最後に、2群間でDNAm年齢を比較した。
方法
研究対象および試料収集
[0101]研究参加者が、別々に進行中のせん妄研究に登録されていた場合、それら参加者を共同登録した。研究参加者の募集工程のより詳細な概要は、これまでに記載されてきた。簡潔には、2017年11月〜2018年10月にアイオワ大学病院・クリニックで対象92名をこのエピジェネティクス研究のために募集した。本研究は、アイオワ大学のヒト対象研究施設内倫理委員会によって承認された。
せん妄ステータス定義
[0102]研究参加者の表現型判定のより詳細な概要については、これまでに記載されてきた。簡潔には、入院記録を再検討し、Confusion Assessment Method for Intensive Care Unit(CAM−ICU)、Delirium Rating Scale改訂98(DRS−R−98)およびDelirium Observation Screening Scale(DOSS)を実施することによってせん妄の存在について潜在的研究参加者をスクリーニングした。せん妄カテゴリーの最終的な決定は、訓練された精神科医による詳細なカルテの再検討によって行われた(G.S.)。
試料処理およびエピジェネティクスプラットフォーム
[0103]書面による同意書を得、全血試料をEDTA管に収集した。すべての試料を、−80℃で貯蔵した。メチロームアッセイを、前述のとおり実行した。簡潔には、全血からのゲノムDNAを、MasterPure(商標) DNA Purification kit(Epicentre、MCD85201)で単離した。DNAを、EZ DNA Methylation(商標)Kit(Zymo Research、D5002)を使用して、バイサルファイト変換した。Infinium HumanMethylationEPIC BeadChip(商標)Kit(Illumina、WG−317−1002)を使用して、血液試料を含む対象92名の試料93個(1名の対象から2つの試料があった)のDNAmを分析した。生データを、RパッケージChAMPおよびMinfiを使用して処理した。ChAMPを使用して、試料が検出p値>0.1を有した場合、それを選別した(1試料)。プローブが、1)検出p値>0.01を有した(45458個のプローブ)、2)プローブ当たり少なくとも5%の試料において3つ未満のビーズを有した(8868個のプローブ)、3)非CpGプローブを有した(2761個のプローブ)、4)SNP関連プローブを有した(91788個のプローブ)、5)複数に存在するプローブを有した(11個のプローブ)、および6)XまたはY染色体に位置した(15836個のプローブ)場合、それらを選別した。選別後に、試料92個およびプローブ701196個が残った。次いで、品質管理および探索分析を行った。密度プロットは3つの外れ値を示し、多次元尺度構成プロットは4つの外れ値を示した。そのうち2つは、実際に1名の対象由来の2つの試料の外れ値であった。他の2つは、密度プロットと同じであった。合計5個の試料を除去し、試料87個を、ChAMPを使用して再処理した。プローブは、1)検出p値>0.01を有した(12903個のプローブ)、2)プローブ当たり少なくとも5%の試料において3つ未満のビーズを有した(8280個のプローブ)、3)非CpGプローブを有した(2911個のプローブ)、4)SNP関連プローブを有した(94425個のプローブ)、5)複数に存在するプローブを有した(11個のプローブ)、および6)XまたはY染色体中に位置した(16356個のプローブ)場合、それらを選別した。選別後、試料87個およびプローブ731032個が残った。品質管理および探索分析において、密度プロットおよび多次元尺度構成プロットは外れ値を示さなかった。試料をベータ混合分位数拡大(beta mixture quantile dilation)で標準化した。バッチ効果を、パッケージSVAに移植されているCombat標準化方法を使用して補正した。
統計的分析
[0104]すべての統計的分析を、Rで実行した。サイトカイン遺伝子の相関を、アレイ上に存在するそれら遺伝子のCpGと実行した。加齢とDNAmとの相関の程度を、試験したサイトカイン遺伝子における各CpGについて算出した。相関係数およびその有意レベルを、ピアソンの相関分析により算出した。分類別データをカイ二乗検定で算出した。DNAm年齢を、選別および品質管理工程後にオンラインDNAmAge Calculator(https://dnamage.genetics.ucla.edu/)を使用して算出した。CD8 T細胞、CD4 T細胞、ナチュラルキラー細胞、B細胞、単球および顆粒球の細胞型割合も、オンラインのDNAm Age Calculator(https://dnamage.genetics.ucla.edu/)を使用し、先行研究に記載されている方法を使用することによって推定した。個々のCpGのレベルでの差異的DNAメチル化を、limma方法を使用するRnBeadsによって分析した。年齢、性別および細胞型割合を共変量として含めた。ネットワーク分析を、RパッケージのmissMethylを使用して、Gene Ontology(GO)およびKyoto Encyclopedia of Genes and Genomes(KEGG)富化分析に対してアレイ上の遺伝子当たりのプローブ数の違いを補正することにより行った。
結果
TNFアルファ遺伝子におけるせん妄事例対非せん妄対照の比較
[0105]選別後の試料87個(せん妄43個および非せん妄44個、年齢範囲42〜101歳)の全血試料を、ゲノム規模でのDNAm分析用のEPICアレイを使用して分析した。年齢、性別、DNAm年齢、CD8 T細胞、ナチュラルキラー細胞およびB細胞においてせん妄事例と非せん妄対照の間に有意差はなかった(図11)。中でも、最初に、図12に示したIllumina EPICアレイで試験したTNFアルファ遺伝子中のCpG 24個について年齢とDNAmレベルとの相関を特に試験した。せん妄事例は、名目上有意(p<0.05)なCpGを8個示したが、非せん妄対照は名目上有意なCpGを4個しか示さなかった。さらに、せん妄事例は、多重試験レベルに対する補正後に3つの有意なCpGを示し(p<0.05/24=0.00208)、一方で、非せん妄対照は、多重試験レベルに対する補正後にいかなる有意なCpGも示さなかった。
ネットワーク分析
[0106]次に、せん妄事例と非せん妄対照間で、ゲノム規模でDNAm差異を直接試験した。個々のCpG差異の分布および対応する対数変換されたp値に対するボルケーノプロットを、図13に示す。せん妄事例と非せん妄対照の間で差異的にメチル化されているCpGの上位20個を図14に示す。ゲノム規模での分析は、ゲノム規模での有意性(p=5.07E−8)で、cg21295729で上位ヒットを示した。このCpGは、遺伝子LDLRAD4の近くに位置する。ネットワーク分析を、メチル化レベルの差異が5.0%より高く、p値<0.0005(n=753)のCpGを使用することによって行った。それら遺伝子を使用することにより、ネットワーク分析は、以下のGO(図15)およびKEGG分析(図16)による上位20個の経路の結果を示した。GOによる上位の経路は、免疫応答および骨髄性白血球活性化であり、KEGGによる経路は、アルドステロン合成/分泌およびコリン作動性シナプスであった。図17は、偽発見率(FDR)調整済みp値<0.05のKEGG分析の有意な経路も示す。
せん妄事例対非せん妄対照の比較:メチル化年齢
[0107]せん妄事例と非せん妄対照間でDNAm年齢の差異をさらに試験した。DNAm年齢は、せん妄事例(r=0.78、p<0.001)および非せん妄対照(r=0.67、p<0.001)において暦年齢と有意な相関を示した。非せん妄対照におけるDNAm年齢は、せん妄事例と比較して「より遅い加齢」を示した、しかし統計的有意差はなかった(図18)。
考察
[0108]これは、せん妄の有る患者および無い患者の間のエピジェネティクスステータス、特にゲノム規模でのDNAmを比較する初の研究である。ここで提示したデータは、加齢に伴う炎症誘発性サイトカイン上のDNAmのレベル低下が、せん妄と関連する炎症の増加を引き起こし得るが、せん妄の無い患者においてはDNAmレベルが高いままであり、したがって炎症反応が抑制される可能性があり、患者がせん妄から保護されるという仮説と整合する。
[0109]本研究において、せん妄事例だけが、TNFアルファDNAmのレベル低下と年齢間の多重比較を調整したレベルで有意なCpGを示した。この結果は、炎症誘発性遺伝子のDNAmレベルが、せん妄患者において加齢とともに低下するという仮説と整合性がある。せん妄患者の加齢に伴うTNFアルファ遺伝子におけるDNAmレベルの下落は持続的であり得、このことが病院への入院を必要とする追加の医学的状態があるせん妄の発病を引き起こし得ると推測する。他方、せん妄の無い患者は、加齢に伴うTNFアルファ遺伝子におけるDNAmレベルの下落がより少なく、したがって、このことがせん妄発症から患者を保護している可能性がある。この推測を確認するために、投薬状態の観点から可能な限り類似する患者集団を比較する大きな前向き研究を行う必要がある。手術にさらされる前に試料を収集できる外科患者を研究することが、そのような調査に理想的である。
[0110]ゲノム規模でのDNAm分析から、LDLRAD4の遺伝子中にゲノム規模での有意なシグナルを1つ同定した。LDLRAD4、低密度リポタンパク質受容体クラスAドメイン含有4は、多くの細胞型の成長、分化、アポトーシス、運動、およびマトリックスタンパク質産生を調節するTGFベータシグナル伝達の負の調節因子として機能する。ゲノム規模では有意でなかったが、上位ヒットCpGのうちの1つは遺伝子DAPK1の近くにあった。DAPK1、細胞死関連プロテインキナーゼ1は、細胞死、自食および炎症を調節する機能を持つ。他の上位ヒットCpGは、遺伝子IRF8の近くにあった。IRF8、インターフェロン調節因子8は、免疫応答、細胞成長および腫瘍形成をモジュレートする機能を持つ。
[0111]せん妄の病態生理学におけるこれら特異的遺伝子の潜在的役割についてはさらなる調査を必要とするが、ネットワーク分析は、GO分析から神経機能ならびに免疫応答、白血球活性化、好中球活性化、および免疫応答に関係する骨髄性細胞活性化を含めた炎症性/免疫工程に関連するいくつかの上位経路を同定した。コリン作動性シナプス、セロトニン作動性シナプスおよび白血球経内皮遊走を含めた、せん妄および神経機能に関連する多くの経路もKEGG分析から同定された。コリン作動性シナプスは、上位KEGG経路の2番目であった。コリン作動系は、脳において最も重要な神経伝達物質系のうちの1つであり、アセチルコリン欠乏がせん妄と関連することは周知である。本研究の結果は、せん妄の潜在的病態生理学におけるコリン作動性機能の関連をさらに支持する。さらに、正の調節の経路ならびにインターロイキン10産生の調節およびインターロイキン17産生の正の調節は、GO分析から有意であった(FDR調整したp値<0.05)。この結果は、せん妄の病態生理学における炎症誘発性サイトカインおよび神経炎症の役割も示唆しており、仮説と整合性がある。これらの発見は、せん妄病態生理学のこのエピジェネティック調査の有効性を支持し得る。
[0112]DNAm年齢が、せん妄事例と非せん妄対照の両方で暦年齢と有意に相関することを示した。しかしながら、非せん妄事例は、せん妄事例より実際の加齢に伴うDNAm加齢の進行が比較的遅いことを示した。DNAm年齢は、エピジェネティック維持システムによる累積的な効果を測定し、死亡率を予測する。非せん妄対照は、DNAm加齢に対する防御機構を有する可能性があり、その機構がせん妄の発症も防止し得ると推測する。より大きい試料サイズの研究によって、DNAm加齢が、せん妄事例対対照間で実際に異なるかどうか試験することができる。
[0113]結論として、知見の及ぶ限りでは、これは、せん妄についての最初のエピジェネティクス研究である。DNAmをゲノム規模で調査した。結果は、先行研究および仮説と整合性があった。上記のこれらの制約にもかかわらず、せん妄事例と非せん妄対照間で、遺伝子レベルとネットワークレベルの両方でエピジェネティックな差異の証拠を示した。この発見は、血液中のDNAmステータスが、せん妄に関する有用なエピジェネティックバイオマーカーになり得ることを示す。
参照文献
[0114]1. Inouye SK. Delirium in older persons. N Engl J Med. 2006 Mar 16;354(11):1157-65. PubMed PMID: 16540616. Epub 2006/03/17. eng.
[0115]2. Spronk PE, Riekerk B, Hofhuis J, Rommes JH. Occurrence of delirium is severely underestimated in the ICU during daily care. Intensive Care Med. 2009 Jul;35(7):1276-80. PubMed PMID: 19350214. Pubmed Central PMCID: PMC2698979. Epub 2009/04/08. eng.
[0116]3. Pandharipande PP, Girard TD, Jackson JC, Morandi A, Thompson JL, Pun BT, et al. Long-term cognitive impairment after critical illness. N Engl J Med. 2013;369(14):1306-16.
[0117]4. McCusker J, Cole M, Abrahamowicz M, Primeau F, Belzile E. Delirium predicts 12-month mortality. Arch Intern Med. 2002 Feb 25;162(4):457-63. PubMed PMID: 11863480. Epub 2002/02/28. eng.
[0118]5. Witlox J, Eurelings LS, de Jonghe JF, Kalisvaart KJ, Eikelenboom P, Van Gool WA. Delirium in elderly patients and the risk of postdischarge mortality, institutionalization, and dementia: a meta-analysis. JAMA. 2010;304(4):443-51.
[0119]6. Dillon ST, Vasunilashorn SM, Ngo L, Otu HH, Inouye SK, Jones RN, et al. Higher C-Reactive Protein Levels Predict Postoperative Delirium in Older Patients Undergoing Major Elective Surgery: A Longitudinal Nested Case-Control Study. Biol Psychiatry. 2017 Jan 15;81(2):145-53. PubMed PMID: 27160518. Pubmed Central PMCID: PMC5035711. Epub 2016/05/11. eng.
[0120]7. Vasunilashorn SM, Dillon ST, Inouye SK, Ngo LH, Fong TG, Jones RN, et al. High C-Reactive Protein Predicts Delirium Incidence, Duration, and Feature Severity After Major Noncardiac Surgery. J Am Geriatr Soc. 2017 Aug;65(8):e109-e16. PubMed PMID: 28555781. Pubmed Central PMCID: PMC5700456. Epub 2017/05/31. eng.
[0121]8. Zhu Y, Hu W, Zhu ML, Yin T, Su J, Wang JR. Serum galectin-3 levels and delirium among postpartum intensive care unit women. Brain Behav. 2017 Aug;7(8):e00773. PubMed PMID: 28828226. Pubmed Central PMCID: PMC5561326. Epub 2017/08/23. eng.
[0122]9. Vasunilashorn SM, Ngo L, Inouye SK, Libermann TA, Jones RN, Alsop DC, et al. Cytokines and Postoperative Delirium in Older Patients Undergoing Major Elective Surgery. J Gerontol A Biol Sci Med Sci. 2015 Oct;70(10):1289-95. PubMed PMID: 26215633. Pubmed Central PMCID: PMC4817082. Epub 2015/07/29. eng.
[0123]10. de Rooij SE, van Munster BC, Korevaar JC, Levi M. Cytokines and acute phase response in delirium. J Psychosom Res. 2007;62(5):521-5.
[0124]11. Khan BA, Zawahiri M, Campbell NL, Boustani MA. Biomarkers for delirium-a review. J Am Geriatr Soc. 2011;59:S256-S61.
[0125]12. Hovens IB, van Leeuwen BL, Nyakas C, Heineman E, van der Zee EA, Schoemaker RG. Postoperative cognitive dysfunction and microglial activation in associated brain regions in old rats. Neurobiol Learn Mem. 2015 Feb;118:74-9. PubMed PMID: 25460037. Epub 2014/12/03. eng.
[0126]13. Chen J, Buchanan JB, Sparkman NL, Godbout JP, Freund GG, Johnson RW. Neuroinflammation and disruption in working memory in aged mice after acute stimulation of the peripheral innate immune system. Brain Behav Immun. 2008 Mar;22(3):301-11. PubMed PMID: 17951027. Pubmed Central PMCID: PMC2374919. Epub 2007/10/24. eng.
[0127]14. Xu Z, Dong Y, Wang H, Culley DJ, Marcantonio ER, Crosby G, et al. Peripheral surgical wounding and age-dependent neuroinflammation in mice. PLoS One. 2014;9(5):e96752. PubMed PMID: 24796537. Pubmed Central PMCID: PMC4010504. Epub 2014/05/07. eng.
[0128]15. Wang HL, Ma RH, Fang H, Xue ZG, Liao QW. Impaired Spatial Learning Memory after Isoflurane Anesthesia or Appendectomy in Aged Mice is Associated with Microglia Activation. J Cell Death. 2015;8:9-19. PubMed PMID: 26380557. Pubmed Central PMCID: PMC4560456. Epub 2015/09/19. eng.
[0129]16. Shinozaki G, Braun PR, Hing BWQ, Ratanatharathorn A, Klisares MJ, Duncan GN, et al. Epigenetics of Delirium and Aging: Potential Role of DNA Methylation Change on Cytokine Genes in Glia and Blood Along With Aging. Front Aging Neurosci. 2018;10:311. PubMed PMID: 30405391. Pubmed Central PMCID: PMC6206747. Epub 2018/11/09. eng.
[0130]17. Braun PR, Han S, Hing B, Nagahama Y, Gaul LN, Heinzman JT, et al. Genome-wide DNA methylation comparison between live human brain and peripheral tissues within individuals. Translational psychiatry. 2019;9(1):47.
[0131]18. Shinozaki G, Chan AC, Sparr NA, Zarei K, Gaul LN, Heinzman JT, et al. Delirium detection by a novel bispectral electroencephalography device in general hospital. Psychiatry Clin Neurosci. 2018 Dec;72(12):856-63. PubMed PMID: 30246448. Epub 2018/09/25. eng.
[0132]19. Ely EW, Inouye SK, Bernard GR, Gordon S, Francis J, May L, et al. Delirium in mechanically ventilated patients: validity and reliability of the confusion assessment method for the intensive care unit (CAM-ICU). JAMA. 2001 Dec 5;286(21):2703-10. PubMed PMID: 11730446. Epub 2001/12/26. eng.
[0133]20. Trzepacz PT, Mittal D, Torres R, Kanary K, Norton J, Jimerson N. Validation of the Delirium Rating Scale-revised-98: comparison with the delirium rating scale and the cognitive test for delirium. J Neuropsychiatry Clin Neurosci. 2001 Spring;13(2):229-42. PubMed PMID: 11449030. Epub 2001/07/13. eng.
[0134]21. Schuurmans MJ, Shortridge-Baggett LM, Duursma SA. The Delirium Observation Screening Scale: a screening instrument for delirium. Res Theory Nurs Pract. 2003 Spring;17(1):31-50. PubMed PMID: 12751884. Epub 2003/05/20. eng.
[0135]22. Morris TJ, Butcher LM, Feber A, Teschendorff AE, Chakravarthy AR, Wojdacz TK, et al. ChAMP: 450k Chip Analysis Methylation Pipeline. Bioinformatics. 2014 Feb 1;30(3):428-30. PubMed PMID: 24336642. Pubmed Central PMCID: PMC3904520. Epub 2013/12/18. eng.
[0136]23. Aryee MJ, Jaffe AE, Corrada-Bravo H, Ladd-Acosta C, Feinberg AP, Hansen KD, et al. Minfi: a flexible and comprehensive Bioconductor package for the analysis of Infinium DNA methylation microarrays. Bioinformatics. 2014;30(10):1363-9.
[0137]24. Fortin J-P, Triche T, Hansen K. Preprocessing, normalization and integration of the Illumina HumanMethylationEPIC array. BioRxiv. 2016:065490.
[0138]25. Zhou W, Laird PW, Shen H. Comprehensive characterization, annotation and innovative use of Infinium DNA methylation BeadChip probes. Nucleic Acids Res. 2017;45(4):e22-e.
[0139]26. Nordlund J, Backlin CL, Wahlberg P, Busche S, Berglund EC, Eloranta M-L, et al. Genome-wide signatures of differential DNA methylation in pediatric acute lymphoblastic leukemia. Genome Biol. 2013;14(9):r105.
[0140]27. Teschendorff AE, Marabita F, Lechner M, Bartlett T, Tegner J, Gomez-Cabrero D, et al. A beta-mixture quantile normalization method for correcting probe design bias in Illumina Infinium 450 k DNA methylation data. Bioinformatics. 2013 Jan 15;29(2):189-96. PubMed PMID: 23175756. Pubmed Central PMCID: PMC3546795. Epub 2012/11/24. eng.
[0141]28. Johnson WE, Li C, Rabinovic A. Adjusting batch effects in microarray expression data using empirical Bayes methods. Biostatistics. 2007 Jan;8(1):118-27. PubMed PMID: 16632515. Epub 2006/04/25. eng.
[0142]29. Leek JT, Johnson WE, Parker HS, Fertig EJ, Jaffe AE, Storey JD, et al. sva: Surrogate variable analysis. R package version. 2019.
[0143]30. R: A language and environment for statistical computing [Internet]. R Foundation for Statistical Computing. 2019 [cited accessed 23 April 2019]. Available from: https://www.R-project.org/.
[0144]31. Horvath S. DNA methylation age of human tissues and cell types. Genome Biol. 2013;14(10):3156.
[0145]32. Houseman EA, Accomando WP, Koestler DC, Christensen BC, Marsit CJ, Nelson HH, et al. DNA methylation arrays as surrogate measures of cell mixture distribution. BMC Bioinformatics. 2012;13(1):86.
[0146]33. Assenov Y, Muller F, Lutsik P, Walter J, Lengauer T, Bock C. Comprehensive analysis of DNA methylation data with RnBeads. Nature methods. 2014;11(11):1138.
[0147]34. Ritchie ME, Phipson B, Wu D, Hu Y, Law CW, Shi W, et al. limma powers differential expression analyses for RNA-sequencing and microarray studies. Nucleic Acids Res. 2015;43(7):e47-e.
[0148]35. Phipson B, Maksimovic J, Oshlack A. missMethyl: an R package for analyzing data from Illumina's HumanMethylation450 platform. Bioinformatics. 2016 Jan 15;32(2):286-8. PubMed PMID: 26424855. Epub 2015/10/02. eng.
[0149]36. Nakano N, Maeyama K, Sakata N, Itoh F, Akatsu R, Nakata M, et al. C18 ORF1, a novel negative regulator of transforming growth factor-βsignaling. J Biol Chem. 2014;289(18):12680-92.
[0150]37. Yuan W, Chen J, Shu Y, Liu S, Wu L, Ji J, et al. Correlation of DAPK1 methylation and the risk of gastrointestinal cancer: A systematic review and meta-analysis. PLoS One. 2017;12(9):e0184959. PubMed PMID: 28934284. Pubmed Central PMCID: PMC5608298. Epub 2017/09/22. eng.
[0151]38. Li X, Pu J, Liu J, Chen Y, Li Y, Hou P, et al. The prognostic value of DAPK1 hypermethylation in gliomas: A site-specific analysis. Pathol Res Pract. 2018 Jul;214(7):940-8. PubMed PMID: 29807777. Epub 2018/05/29. eng.
[0152]39. Qiu Y, Yu H, Zhu Y, Ye Z, Deng J, Su W, et al. Hypermethylation of Interferon Regulatory Factor 8 (IRF8) Confers Risk to Vogt-Koyanagi-Harada Disease. Sci Rep. 2017 Apr 21;7(1):1007. PubMed PMID: 28432342. Pubmed Central PMCID: PMC5430771. Epub 2017/04/23. eng.
[0153]40. Hshieh TT, Fong TG, Marcantonio ER, Inouye SK. Cholinergic deficiency hypothesis in delirium: a synthesis of current evidence. The Journals of Gerontology Series A: Biological Sciences and Medical Sciences. 2008;63(7):764-72.
[0154]41. Maldonado JR. Neuropathogenesis of delirium: review of current etiologic theories and common pathways. The American Journal of Geriatric Psychiatry. 2013;21(12):1190-222.
[0155]42. Christiansen L, Lenart A, Tan Q, Vaupel JW, Aviv A, McGue M, et al. DNA methylation age is associated with mortality in a longitudinal Danish twin study. Aging Cell. 2016;15(1):149-54.
[0156]43. Marioni RE, Shah S, McRae AF, Chen BH, Colicino E, Harris SE, et al. DNA methylation age of blood predicts all-cause mortality in later life. Genome Biol. 2015;16(1):25.
図の見出し
[0157]補足表1(図11)せん妄事例および非せん妄対照の人口統計学的データ。略語:DNAm;DNAメチル化、CD8−T;CD8 T細胞、CD4−T;CD4 T細胞、NK;ナチュラルキラー細胞。
[0158]表1(図12)せん妄事例対非せん妄対照間で比較した、年齢とTNFアルファ遺伝子中のCpG 24個における血液DNAmとの相関。注:ピンク色は、逆相関を強調し、青色は正相関を強調する。*多重試験レベルに対する補正後に有意(p<0.05/24)、†名目上有意(p<0.05)。
[0159]図1(図13)個々のCpG差異の分布および対応する対数変換されたp値(n=87)に対するボルケーノプロット
[0160]補足表2(図14)せん妄事例と非せん妄対照間で差異的にメチル化されているCpGの上位20個
[0161]表2(図15)せん妄事例と非せん妄対照間で差異的にメチル化されているCpGのGO分析の上位20経路の結果。略語:GO;遺伝子オントロジー、FDR;偽発見率。
[0162]表3(図16)せん妄事例と非せん妄対照間で差異的にメチル化されているCpGを持つKEGG分析の上位20経路の結果。略語:KEGG;Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes、FDR;偽発見率。
[0163]補足表3(図17)せん妄事例と非せん妄対照間で差異的にメチル化されているCpGのGO分析の有意な経路の結果。略語:KEGG;Kyoto Encyclopedia of Genes and Genomes、FDR;偽発見率。
[0164]図2(図18)せん妄(n=43)対対照(n=44)における暦年齢とDNAm年齢との相関。略語:DNAm;DNAメチル化
実施例3
[0165]せん妄は、高齢患者において一般的であるが、過小診断されており、処置されていない。せん妄の疫学および危険因子を特徴付けるために様々なスクリーニング方法が開発されてきた[例えば、Confusion Assessment Method(CAM)およびConfusion Assessment Method for Intensive Care Unit(CAM−ICU)]。それら方法は、研究環境では優れた感度および特異性を有するが、「現実世界」の集中治療室の状況では最適状態に及ばない感度(38〜47%)であることが判明している。したがって、せん妄の危険性が高い高齢患者におけるせん妄のバイオマーカーの同定は、診断およびその後の介入に役立つ。上で、せん妄の病態生理学におけるエピジェネティクス、特に炎症誘発性サイトカイン遺伝子におけるDNAメチル化(DNAm)の潜在的役割を報告し、神経炎症の役割を強調した。しかし、せん妄の病態生理学的機序の複雑さおよび認知症患者におけるせん妄の公知の危険因子を考えると、年齢に相関する認知機能と強く関連する神経栄養因子など他の因子を同様に調べることが重要である。
[0166]認知機能と関連する様々な遺伝子のうち、脳由来神経栄養因子(BDNF)およびグリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)は、神経可塑性、学習および記憶に寄与するシグナル伝達分子である。BDNFの血清レベルの低下は、認知障害と関連する。ニューロンPer−Arnt−Simドメインタンパク質4(NPAS4)のノックダウンモデルは、細胞死の増大を引き起こす。ノックダウンモデルにおけるin vivo調査は、光化学的に誘導した脳卒中後に病変サイズの増大および神経変性を示す。核受容体サブファミリー4A2(NR4A2)は、アルツハイマー病(AD)関連病態生理学を決定的に調節する。NR4A2ノックダウンマウスモデルは、AD徴候/病理学(神経炎症/変性、プラーク蓄積)を悪化させる。FDA認可済みのNR4A2モジュレーティング薬物の投与は、認知障害を有意に減少させ、プラークを減少させる。
[0167]加齢は、脳における遺伝子発現を大幅に改変し、そのような変化は、DNAメチル化(DNAm)、ヒストン修飾およびマイクロRNA媒介転写制御を含めた様々なエピジェネティック修飾によって正確に調節される。実際に、DNAmパターンは、ヒトの寿命を通して動的に変化することが示されており、加齢に関係するエピジェネティックな工程が詳細に研究されてきた。神経組織栄養遺伝子に関して、血液中のBDNFのDNAmは、これまでの研究において加齢と有意に相関している。しかしながら、どの研究も、せん妄における神経組織栄養遺伝子のDNAmの役割については調査してこなかった。我々の目的は、神経栄養因子においてDNAmを調べ、神経栄養因子のDNAmが加齢と相関するかどうか調査し、そのような傾向が脳と血液試料間で整合性があるかどうか、せん妄患者とせん妄の無い患者の間に何らかの差異があるか決定することである。
[0168]本研究において、3つの異なるコホート試料を分析してDNAmと年齢との相関を調べた。特に、加齢と神経組織栄養遺伝子のCpGにおけるDNAmレベルとの関係を調査し、結果がこれらコホートにおいて再現され得るかどうか試験した。脳と血液両方の神経組織栄養遺伝子においてDNAmが加齢に伴って増大することは、神経栄養因子のより少ない発現を示唆しており、そのような変化は、せん妄患者においてより有意であると仮定した。
方法
Grady Trauma Project(GTP)コホートの試料
[0169]対象383名を、Grady Trauma Project(GTP)コホートから分析した。詳細な情報は、先行研究に見ることができる(Shinozaki、Braun、ら、2018年)。DNAmデータを、Illumina HumanMethylation450を使用することによって処理した。利用したパイプラインについては、他で詳述した。
脳外科手術(NSG)コホートの試料
[0170]対象21名を、脳外科手術(NSG)コホートから分析した。詳細な情報は、先行研究に記載された(Braunら、2019年)。簡潔には、2014年3月〜2017年4月にアイオワ大学病院・クリニックで脳外科手術を受けた難治性てんかんの対象が参加した。書面による同意書を参加者全員から得た。本研究は、アイオワ大学のヒト対象研究施設内倫理委員会によって承認された。全血をEDTA管に、唾液をOragene DISCOVER(商標)キット(DNA Genotek Inc.OGR−500)で、および口腔組織をスワブ(Puritan、25−1506 1PF TT MC)で収集した。ゲノムDNAを、唾液、口腔および全血からMasterPure(商標)DNA Purification Kit(Epicentre、MCD85201)で抽出した。次いで、DNAを、EZ DNA Methylation(商標)Kit(Zymo Research、D5002)でバイサルファイト変換した。DNAmを、Infinium HumanMethylationEPIC BeadChip(商標)Kit(Illumina、WG−317−1002)で分析した。RパッケージRnBeadsおよびMinfiを使用して、生データ、品質管理検査、データ選別、データの標準化および差異的メチル化分析を処理した。
せん妄のエピジェネティクス(EOD)コホートの対象および試料
[0171]研究参加者が、別々に進行中のせん妄研究に登録されていた場合、対象92名を参加させた。詳細な情報は、先行研究中に見ることができる(Shinozakiら、2019年;Shinozaki、Braun、ら、2018年;Shinozaki、Chan、ら、2018年)。簡潔には、2017年11月〜2018年10月にアイオワ大学病院・クリニックで対象は参加した。書面による同意書を参加者全員から得た。本研究は、アイオワ大学のヒト対象研究施設内倫理委員会によって承認された。
せん妄ステータスの定義
[0172]詳細な情報は、先行研究中に見ることができる(Shinozaki、Chan、ら、2018年)。簡潔には、参加者を、入院記録、Confusion Assessment Method for Intensive Care Unit(CAM−ICU)、Delirium Rating Scale改訂98(DRS−R−98)およびDelirium Observation Screening Scale(DOSS)によってせん妄についてスクリーニングした。せん妄表現型判定の最終的な決定は、訓練された精神科医によって行われた。
試料処理
[0173]全血試料を、EDTA管で収集し、すべての試料を−80℃で貯蔵した。メチロームアッセイを前述のとおり処理した。簡潔には、ゲノムDNAを、全血からMasterPure(商標)DNA Purification Kit(Epicentre、MCD85201)で抽出した。次いで、DNAを、EZ DNA Methylation(商標)Kit(Zymo Research、D5002)でバイサルファイト変換した。
エピジェネティクスプラットフォーム
[0174]Infinium HumanMethylationEPIC BeadChip(商標)Kit(Illumina、WG−317−1002)を使用して、血液試料を含む対象92名からの試料93個(1名の対象から2つの試料があった)のDNAmを分析した。RパッケージChAMPおよびminfiを使用して、生データを処理した。ChAMPパッケージを用いて、試料が0.1より大きい検出p値を有した場合、それを選別し(1試料存在した)、プローブが、1)0.01より大きい検出p値を有した(45458個のプローブが存在した)、2)プローブ当たり、少なくとも5%の試料において3つ未満のビーズを有した(8868個のプローブが存在した)、3)非CpGプローブを有した(2761個のプローブが存在した)、4)SNP関連プローブを有した(91788個のプローブが存在した)、5)複数に存在するプローブを有した(11個のプローブが存在した)、および6)XまたはY染色体中に位置した(15836個のプローブが存在した)場合、それらを選別した。試料92個およびプローブ701196個が、上記選別後に残った。品質管理および探索分析において、密度プロットは3つの外れ値を示し、多次元尺度構成プロットは4つの外れ値を示した(それらのうち2つは1名の対象由来であり、他の2つは密度プロットおよび多次元尺度構成プロットと同じであった)。全体として、試料5個を除去し、試料87個をChAMPパッケージで再処理した。プローブが、1)0.01より大きい検出p値を有した(12903個のプローブが存在した)、2)プローブ当たり、少なくとも5%の試料において3つ未満のビーズを有した(8280個のプローブが存在した)、3)非CpGプローブを有した(2911個のプローブが存在した)、4)SNP関連プローブを有した(94425個のプローブが存在した)、5)複数に存在するプローブを有した(11個のプローブが存在した)、および6)XまたはY染色体中に位置した(16356のプローブが存在した)場合、それらを選別した。選別後、試料87個およびプローブ731032個が残った。品質管理および探索分析において、密度プロットおよび多次元尺度構成プロットは外れ値を示さなかった。試料をベータ混合分位数拡大で標準化した。バッチ効果を、パッケージSVAに移植されているCombat標準化方法で補正した。
統計分析
[0175]すべての統計分析を、Rで実行した(R Core Team、2019年)。年齢と各CpGにおける神経組織栄養遺伝子のDNAmレベルとの相関を、ピアソンの相関分析によって試験した。ゲノム規模での有意レベルをp<5×E−8、名目上有意なレベルをp<0.05として決定した。
結果
GTPコホート血液試料のDNAメチル化および発現
[0176]神経組織栄養遺伝子におけるDNAmパターンが、加齢と相関するという本研究の根底にある概念を試験するために、対象383名(年齢平均=41.50歳、年齢SD=12.93歳、年齢範囲=18〜77歳、女性N=273名、人種=アフリカ系アメリカ人380名、アメリカインディアン2名および他1名)の血液試料に基づくデータセットを最初に使用した。加齢と7つの神経組織栄養遺伝子;BDNF、GDNF、活性調節細胞骨格関連タンパク質(ARC)、Fosプロトオンコジーン、AP−1転写因子サブユニット(FOS)、NPAS4、核受容体サブファミリー4A1(NR4A1)およびNR4A2中のCpGにおけるDNAmレベルとの関連を調査した。このデータセットは、それら遺伝子の全域に合計226個のCpGを含み、その中でCpG 109個におけるDNAmレベルが、名目有意性(p<0.05)で加齢と関連した。事実、CpG 16個が、ボンフェローニ補正したゲノム規模での有意性レベル(p<5×E−8)で有意であり、主にBDNF(CpG 7個)およびGDNF(CpG 4個)であった。上位のヒットは、GDNF中のcg02328239(p=1.54×E−20)であり、第2の上位はBDNF中のcg05733135(p=4.49×E−15)であった(図19、図20A、図20B)。p<2×E−4(CpG 226個に対してボンフェローニ補正した、有意レベルp<0.05/226)のCpG上位53個において、CpG 49個(92.5%)が加齢と正相関した(図20)。年齢とCpG 226個でのDNAmレベルとの相関を図21に示した。しかしながら、血液試料におけるこれら遺伝子の発現レベルの試験は、発現は、加齢と有意な関連をもたないことを示した(データ不掲載)。
NSG研究試料、脳におけるDNAm
[0177]GTPコホート中のDNAmのこれら関連が、NSGコホート(N=21)中の脳組織にも存在するかどうか次に試験した。GTPコホート中の上位4つの遺伝子(BDNF、GDNF、NR4A2およびNPAS4)に重点を置いた。BDNFにおいて、18個のCpGが、名目有意性で加齢と正相関し(p<0.05)、4個のCpGが名目有意性で加齢と逆相関した(表2)。同様に、GDNFにおいて15個のCpGが、名目有意性で加齢と正相関し、どのCpGも名目有意性で加齢と逆相関せず、NR4A2において20個のCpGが、名目有意性で加齢と正相関し、3個のCpGが名目有意性で加齢と逆相関し、NPAS4において2個のCpGが、名目有意性で加齢と正相関し、どのCpGも名目有意性で加齢と逆相関しなかった。さらに、GTP研究におけるGDNFのcg02328239での上位ヒットCpG(p=1.54×E−20)は、NSG研究の脳組織においても多重試験有意レベルp=1.26×E−6(CpG 201個に対してボンフェローニ補正した、有意レベルp<0.05/201=2.49×E−4)で加齢と正相関した(図22)。実際に、NSG研究の脳組織における名目上有意(p<0.05)なCpGにおいて、BDNF中の3つのCpG、GDNF中の3つのCpG、NR4A2中の3つのCpGおよびNPAS4中の2つのCpGも、GTP研究において名目上有意であった(図19、図22)。年齢と201個のCpGにおけるDNAmレベルとの相関を図23に示した。
EOD研究試料におけるせん妄事例対非せん妄対照の比較
[0178]進行中の研究のせん妄事例と非せん妄対照間のDNAm差異を次に直接試験した。せん妄43名および非せん妄44名の入院患者対象(年齢平均70.2歳、SD 10.2、範囲42〜101歳)の全血試料を、ゲノム規模でのDNAm分析のためにEPICアレイを使用して分析した。その中で、年齢とBDNF(図24)、GDNF(図21)およびNR4A2(図23)遺伝子中のCpGにおけるDNAmレベルとの相関を特に試験した。BDNF、GDNFおよびNR4A2について非せん妄対照よりむしろせん妄事例において多くの名目上有意(p<0.05)なCpGが存在した。また、BDNF、GDNFおよびNPAS4について非せん妄対照よりむしろせん妄事例において正相関するCpGが存在した。さらに、BDNFにおいてせん妄事例は、多重試験レベルに対する補正後に有意なCpGを1つ示し(p<0.05/192=7.35×E−4)(図24)、一方で、非せん妄対照は、多重試験レベルに対する補正後にいかなる有意なCpGも示さなかった。
考察
[0179]本研究において、GTPコホート血液試料のデータは、DNAmパターンが、神経組織栄養遺伝子中の名目上有意なCpG部位において加齢とほとんど正相関を示すことを確認した。また、多重有意試験レベルにおいて、有意なCpGのほぼすべてが加齢と正相関した。これらの結果は、神経栄養因子のDNAmレベルが加齢と相関することを示し、おそらく、神経栄養因子の発現が加齢に伴って低下し、障害のある認知を引き起こすことを示唆した。このコホートの血液における発現データは、年齢に関連する低下を示さなかったので、さらなる研究が、特に脳試料を使用してこの可能性を確認するために必要である。
[0180]NSGコホート脳試料のデータも、ほとんどすべてのDNAmパターンが、名目上有意な神経組織栄養遺伝子(BDNF、GDNF、NR4A2およびNPAS4)において加齢と正相関を示すことを確認した。したがって、GTP血液試料とNSG脳試料の両方において神経組織栄養遺伝子におけるDNAmが加齢に伴って増大するという同じ性向を確認することができた。さらに、血液試料を用いるGTP研究における上位ヒットCpGは、脳試料を用いるNSG研究における多重有意試験レベルでも加齢と正相関した。これらの結果は、神経組織栄養遺伝子におけるDNAmパターンが、脳と血液組織において同一であり、仮説と整合性があることを示した。
[0181]EODコホートの血液試料のデータにより、神経組織栄養遺伝子(BDNF、GDNF、NR4A2およびNPAS4)中のDNAmレベルが、非せん妄対照よりむしろせん妄事例において加齢と正相関することが確認された。これは、高齢患者における神経組織栄養遺伝子(BDNF、GDNF、NR4A2およびNPAS4)の高レベルのDNAmが、せん妄を引き起こす発現低下をもたらし得、一方で対照においてDNAmレベルが低いままであり、したがって神経栄養因子が高いままである場合、高齢患者はせん妄から保護され得るという仮説と整合性がある。
[0182]本研究において、せん妄患者を含む3つの独立したコホートにおいてBDNFのDNAmと加齢との有意な相関を示した。本研究は、発現変化と関連するデータを直接示さなかったが、BDNFのDNAmの増大は、BDNFの発現レベルの改変に少なくとも部分的に関与する可能性があると考えられる。本結果は、DNAmが、加齢およびせん妄の危険性と関連する微妙な変化を捕捉する優れた方法であり得ることを示唆し得る。BDNFにおける年齢に伴う低下に関連する認知症とせん妄の間でエピジェネティック機構を介する同じ経路が存在し得る。
[0183]これまでの研究で、TNFアルファ遺伝子のDNAmレベルが、ほぼすべてのCpGで加齢と逆相関し、GTPコホートにおいてTNFアルファ発現レベルが加齢と正相関することが示された。TNFアルファのDNAmレベルのこの結果は、NSGコホートにおいても示された。さらに、TNFアルファのDNAmレベルは、多重試験調整した有意レベルではせん妄事例においてのみ加齢と逆相関した(査読中)。したがって、神経炎症遺伝子、特にTNFアルファは、せん妄の病態生理学において重要な役割を演じ得る。本研究において、神経組織栄養遺伝子のDNAmと加齢との関連性は、対照よりもむしろせん妄事例において示された。総合すれば、神経組織栄養および神経炎症工程のDNAmは共に相互作用しており、両方が高齢患者におけるせん妄の発症において重要な役割を演じている可能性があると推測する。
[0184]結論として、知見の及ぶ限りでは、これは、せん妄入院患者おける神経組織栄養遺伝子のDNAmと加齢との相関を報告する最初の研究である。上記のこれらの制約にもかかわらず、せん妄事例と非せん妄対照間でBDNF遺伝子のエピジェネティックな差異の証拠を示した。この発見は、血液中のBDNF遺伝子のDNAmステータスが、せん妄に関する有用なエピジェネティックバイオマーカーになり得ることを示す。
参照文献
[0185]Aryee, Martin J, Jaffe, Andrew E, Corrada-Bravo, Hector, Ladd-Acosta, Christine, Feinberg, Andrew P, Hansen, Kasper D, & Irizarry, Rafael A. (2014). Minfi: a flexible and comprehensive Bioconductor package for the analysis of Infinium DNA methylation microarrays. Bioinformatics, 30(10), 1363-1369.
[0186]Assenov, Yassen, Muller, Fabian, Lutsik, Pavlo, Walter, Jorn, Lengauer, Thomas, & Bock, Christoph. (2014). Comprehensive analysis of DNA methylation data with RnBeads. Nature methods, 11(11), 1138.
[0187]Berchtold, N. C., Cribbs, D. H., Coleman, P. D., Rogers, J., Head, E., Kim, R., . . . Cotman, C. W. (2008). Gene expression changes in the course of normal brain aging are sexually dimorphic. Proc Natl Acad Sci U S A, 105(40), 15605-15610. doi: 10.1073/pnas.0806883105
[0188]Beveridge, N. J., Santarelli, D. M., Wang, X., Tooney, P. A., Webster, M. J., Weickert, C. S., & Cairns, M. J. (2014). Maturation of the human dorsolateral prefrontal cortex coincides with a dynamic shift in microRNA expression. Schizophr Bull, 40(2), 399-409. doi: 10.1093/schbul/sbs198
[0189]Braun, Patricia R, Han, Shizhong, Hing, Benjamin, Nagahama, Yasunori, Gaul, Lindsey N, Heinzman, Jonathan T, . . . Howard, Matthew A. (2019). Genome-wide DNA methylation comparison between live human brain and peripheral tissues within individuals. Translational psychiatry, 9(1), 47.
[0190]Brum, C., Stertz, L., Borba, E., Rumi, D., Kapczinski, F., & Camozzato, A. (2015). Association of serum brain-derived neurotrophic factor (BDNF) and tumor necrosis factor-alpha (TNF-alpha) with diagnosis of delirium in oncology inpatients. Braz J Psychiatry, 37(3), 197-202. doi: 10.1590/1516-4446-2014-1450
[0191]Choy, Fong Chan, Klaric, Thomas S, Leong, Wai Khay, Koblar, Simon A, & Lewis, Martin D. (2016). Reduction of the neuroprotective transcription factor Npas4 results in increased neuronal necrosis, inflammation and brain lesion size following ischaemia. Journal of Cerebral Blood Flow & Metabolism, 36(8), 1449-1463.
[0192]Christensen, B. C., Houseman, E. A., Marsit, C. J., Zheng, S., Wrensch, M. R., Wiemels, J. L., . . . Kelsey, K. T. (2009). Aging and environmental exposures alter tissue-specific DNA methylation dependent upon CpG island context. PLoS Genet, 5(8), e1000602. doi: 10.1371/journal.pgen.1000602
[0193]Danka Mohammed, C. P., Park, J. S., Nam, H. G., & Kim, K. (2017). MicroRNAs in brain aging. Mech Ageing Dev. doi: 10.1016/j.mad.2017.01.007
[0194]Day, K., Waite, L. L., Thalacker-Mercer, A., West, A., Bamman, M. M., Brooks, J. D., . . . Absher, D. (2013). Differential DNA methylation with age displays both common and dynamic features across human tissues that are influenced by CpG landscape. Genome Biol, 14(9), R102. doi: 10.1186/gb-2013-14-9-r102
[0195]Elie, Michel, Cole, Martin G, Primeau, Francois J, & Bellavance, Francois. (1998). Delirium risk factors in elderly hospitalized patients. Journal of general internal medicine, 13(3), 204-212.
[0196]Ely, E. W., Inouye, S. K., Bernard, G. R., Gordon, S., Francis, J., May, L., . . . Dittus, R. (2001). Delirium in mechanically ventilated patients: validity and reliability of the confusion assessment method for the intensive care unit (CAM-ICU). JAMA, 286(21), 2703-2710.
[0197]Ely, E. W., Margolin, R., Francis, J., May, L., Truman, B., Dittus, R., . . . Inouye, S. K. (2001). Evaluation of delirium in critically ill patients: validation of the Confusion Assessment Method for the Intensive Care Unit (CAM-ICU). Crit Care Med, 29(7), 1370-1379.
[0198]Fortin, Jean-Philippe, Triche Jr, Timothy J, & Hansen, Kasper D. (2016). Preprocessing, normalization and integration of the Illumina HumanMethylationEPIC array with minfi. Bioinformatics, 33(4), 558-560.
[0199]Fortin, Jean-Philippe, Triche, Timothy, & Hansen, Kasper. (2016). Preprocessing, normalization and integration of the Illumina HumanMethylationEPIC array. BioRxiv, 065490.
[0200]Ghitza, U. E., Zhai, H., Wu, P., Airavaara, M., Shaham, Y., & Lu, L. (2010). Role of BDNF and GDNF in drug reward and relapse: a review. Neurosci Biobehav Rev, 35(2), 157-171. doi: 10.1016/j.neubiorev.2009.11.009
[0201]Gong, H., Qian, H., Ertl, R., Astle, C. M., Wang, G. G., Harrison, D. E., & Xu, X. (2015). Histone modifications change with age, dietary restriction and rapamycin treatment in mouse brain. Oncotarget, 6(18), 15882-15890. doi: 10.18632/oncotarget.4137
[0202]Grandi, C., Tomasi, C. D., Fernandes, K., Stertz, L., Kapczinski, F., Quevedo, J., . . . Ritter, C. (2011). Brain-derived neurotrophic factor and neuron-specific enolase, but not S100beta, levels are associated to the occurrence of delirium in intensive care unit patients. J Crit Care, 26(2), 133-137. doi: 10.1016/j.jcrc.2010.10.006
[0203]Gunstad, John, Benitez, Andreana, Smith, Joseph, Glickman, Ellen, Spitznagel, Mary B, Alexander, Thomas, . . . Murray, Leigh. (2008). Serum brain-derived neurotrophic factor is associated with cognitive function in healthy older adults. Journal of geriatric psychiatry and neurology, 21(3), 166-170.
[0204]Ihara, K., Fuchikami, M., Hashizume, M., Okada, S., Kawai, H., Obuchi, S., . . . Morinobu, S. (2018). The influence of aging on the methylation status of brain-derived neurotrophic factor gene in blood. Int J Geriatr Psychiatry, 33(10), 1312-1318. doi: 10.1002/gps.4927
[0205]Inouye, S. K. (2006). Delirium in older persons. N Engl J Med, 354(11), 1157-1165. doi: 10.1056/NEJMra052321
[0206]Johnson, W. E., Li, C., & Rabinovic, A. (2007). Adjusting batch effects in microarray expression data using empirical Bayes methods. Biostatistics, 8(1), 118-127. doi: 10.1093/biostatistics/kxj037
[0207]Kang, H. J., Kawasawa, Y. I., Cheng, F., Zhu, Y., Xu, X., Li, M., . . . Sestan, N. (2011). Spatio-temporal transcriptome of the human brain. Nature, 478(7370), 483-489. doi: 10.1038/nature10523
[0208]Laske, Christoph, Stransky, Elke, Leyhe, Thomas, Eschweiler, Gerhard W, Maetzler, Walter, Wittorf, Andreas, . . . Bartels, Mathias. (2007). BDNF serum and CSF concentrations in Alzheimer’s disease, normal pressure hydrocephalus and healthy controls. Journal of psychiatric research, 41(5), 387-394.
[0209]Leek, Jeffrey T., Johnson, W. Evan, Parker, Hilary S., Fertig, Elana J., Jaffe, Andrew E., Storey, John D., . . . Torres, Leonardo Collado. (2019). sva: Surrogate variable analysis. R package version.
[0210]Li, Ge, Peskind, Elaine R, Millard, Steven P, Chi, Peter, Sokal, Izabela, Yu, Chang-En, . . . Montine, Thomas J. (2009). Cerebrospinal fluid concentration of brain-derived neurotrophic factor and cognitive function in non-demented subjects. PloS one, 4(5), e5424.
[0211]Mei, X., & Tong, J. (2016). The plasma levels of brain-derived neurotrophic factor are positively associated with emergence agitation in the elderly after gastrointestinal surgery. J Anesth, 30(5), 811-816. doi: 10.1007/s00540-016-2212-3
[0212]Moon, Minho, Jung, Eun Sun, Jeon, Seong Gak, Cha, Moon-Yong, Jang, Yongwoo, Kim, Woori, . . . Kim, Kwang-Soo. (2019). Nurr1 (NR4A2) regulates Alzheimer’s disease-related pathogenesis and cognitive function in the 5XFAD mouse model. Aging cell, 18(1), e12866.
[0213]Morris, T. J., Butcher, L. M., Feber, A., Teschendorff, A. E., Chakravarthy, A. R., Wojdacz, T. K., & Beck, S. (2014). ChAMP: 450k Chip Analysis Methylation Pipeline. Bioinformatics, 30(3), 428-430. doi: 10.1093/bioinformatics/btt684
[0214]Nishimura, K., Yokoyama, K., Yamauchi, N., Koizumi, M., Harasawa, N., Yasuda, T., . . . investigators, Tmad. (2016). Sensitivity and specificity of the Confusion Assessment Method for the Intensive Care Unit (CAM-ICU) and the Intensive Care Delirium Screening Checklist (ICDSC) for detecting post-cardiac surgery delirium: A single-center study in Japan. Heart Lung, 45(1), 15-20. doi: 10.1016/j.hrtlng.2015.11.001
[0215]Nordlund, Jessica, Backlin, Christofer L, Wahlberg, Per, Busche, Stephan, Berglund, Eva C, Eloranta, Maija-Leena, . . . Harila-Saari, Arja. (2013). Genome-wide signatures of differential DNA methylation in pediatric acute lymphoblastic leukemia. Genome biology, 14(9), r105.
[0216]Numata, S., Ye, T., Hyde, T. M., Guitart-Navarro, X., Tao, R., Wininger, M., . . . Lipska, B. K. (2012). DNA methylation signatures in development and aging of the human prefrontal cortex. Am J Hum Genet, 90(2), 260-272. doi: 10.1016/j.ajhg.2011.12.020
[0217]Pal, S., & Tyler, J. K. (2016). Epigenetics and aging. Sci Adv, 2(7), e1600584. doi: 10.1126/sciadv.1600584
[0218]Pandharipande, P. P., Girard, T. D., Jackson, J. C., Morandi, A., Thompson, J. L., Pun, B. T., . . . Ely, E. W. (2013). Long-term cognitive impairment after critical illness. N Engl J Med, 369(14), 1306-1316. doi: 10.1056/NEJMoa1301372
[0219]Phillips, Heidi S, Hains, Jeanne M, Armanini, Mark, Laramee, Gary R, Johnson, Steven A, & Winslow, John W. (1991). BDNF mRNA is decreased in the hippocampus of individuals with Alzheimer's disease. Neuron, 7(5), 695-702.
[0220]R Core Team. (2019). R: A language and environment for statistical computing. Retrieved accessed 23 April 2019, from R Foundation for Statistical Computing https://www.R-project.org/
[0221]Ratanatharathorn, Andrew, Boks, Marco P, Maihofer, Adam X, Aiello, Allison E, Amstadter, Ananda B, Ashley-Koch, Allison E, . . . Dennis, Michelle. (2017). Epigenome-wide association of PTSD from heterogeneous cohorts with a common multi-site analysis pipeline. American Journal of Medical Genetics Part B: Neuropsychiatric Genetics, 174(6), 619-630.
[0222]Rockwood, K., Cosway, S., Carver, D., Jarrett, P., Stadnyk, K., & Fisk, J. (1999). The risk of dementia and death after delirium. Age Ageing, 28(6), 551-556. doi: 10.1093/ageing/28.6.551
[0223]Schuurmans, M. J., Shortridge-Baggett, L. M., & Duursma, S. A. (2003). The Delirium Observation Screening Scale: a screening instrument for delirium. Res Theory Nurs Pract, 17(1), 31-50.
[0224]Sen, P., Shah, P. P., Nativio, R., & Berger, S. L. (2016). Epigenetic Mechanisms of Longevity and Aging. Cell, 166(4), 822-839. doi: 10.1016/j.cell.2016.07.050
[0225]Shimada, Hiroyuki, Makizako, Hyuma, Yoshida, Daisuke, Tsutsumimoto, Kota, Anan, Yuya, Uemura, Kazuki, . . . Suzuki, Takao. (2014). A large, cross-sectional observational study of serum BDNF, cognitive function, and mild cognitive impairment in the elderly. Frontiers in aging neuroscience, 6, 69.
[0226]Shinozaki, G., Bormann, N. L., Chan, A. C., Zarei, K., Sparr, N. A., Klisares, M. J., . . . Cromwell, J. (2019). Identification of high mortality risk patients and prediction of outcomes in delirium by Bispectral EEG. Journal of Clinical Psychiatry, in press.
[0227]Shinozaki, G., Braun, P. R., Hing, B. W. Q., Ratanatharathorn, A., Klisares, M. J., Duncan, G. N., . . . Cho, H. R. (2018). Epigenetics of Delirium and Aging: Potential Role of DNA Methylation Change on Cytokine Genes in Glia and Blood Along With Aging. Front Aging Neurosci, 10, 311. doi: 10.3389/fnagi.2018.00311
[0228]Shinozaki, G., Chan, A. C., Sparr, N. A., Zarei, K., Gaul, L. N., Heinzman, J. T., . . . Cromwell, J. W. (2018). Delirium detection by a novel bispectral electroencephalography device in general hospital. Psychiatry Clin Neurosci, 72(12), 856-863. doi: 10.1111/pcn.12783
[0229]Spronk, P. E., Riekerk, B., Hofhuis, J., & Rommes, J. H. (2009). Occurrence of delirium is severely underestimated in the ICU during daily care. Intensive Care Med, 35(7), 1276-1280. doi: 10.1007/s00134-009-1466-8
[0230]Teschendorff, A. E., Marabita, F., Lechner, M., Bartlett, T., Tegner, J., Gomez-Cabrero, D., & Beck, S. (2013). A beta-mixture quantile normalization method for correcting probe design bias in Illumina Infinium 450 k DNA methylation data. Bioinformatics, 29(2), 189-196. doi: 10.1093/bioinformatics/bts680
[0231]Trzepacz, P. T., Mittal, D., Torres, R., Kanary, K., Norton, J., & Jimerson, N. (2001). Validation of the Delirium Rating Scale-revised-98: comparison with the delirium rating scale and the cognitive test for delirium. J Neuropsychiatry Clin Neurosci, 13(2), 229-242. doi: 10.1176/jnp.13.2.229
[0232]Tsai, P. C., Spector, T. D., & Bell, J. T. (2012). Using epigenome-wide association scans of DNA methylation in age-related complex human traits. Epigenomics, 4(5), 511-526. doi: 10.2217/epi.12.45
[0233]van Eijk, M. M., van den Boogaard, M., van Marum, R. J., Benner, P., Eikelenboom, P., Honing, M. L., . . . Slooter, A. J. (2011). Routine use of the confusion assessment method for the intensive care unit: a multicenter study. Am J Respir Crit Care Med, 184(3), 340-344. doi: 10.1164/rccm.201101-0065OC
[0234]Williams, J., Finn, K., Melvin, V., Meagher, D., McCarthy, G., & Adamis, D. (2017). The Association of Serum Levels of Brain-Derived Neurotrophic Factor with the Occurrence of and Recovery from Delirium in Older Medical Inpatients. Biomed Res Int, 2017, 5271395. doi: 10.1155/2017/5271395
[0235]Wyrobek, J., LaFlam, A., Max, L., Tian, J., Neufeld, K. J., Kebaish, K. M., . . . Brown, C. H. th. (2017). Association of intraoperative changes in brain-derived neurotrophic factor and postoperative delirium in older adults. Br J Anaesth, 119(2), 324-332. doi: 10.1093/bja/aex103
[0236]Zampieri, M., Ciccarone, F., Calabrese, R., Franceschi, C., Burkle, A., & Caiafa, P. (2015). Reconfiguration of DNA methylation in aging. Mech Ageing Dev, 151, 60-70. doi: 10.1016/j.mad.2015.02.002
[0237]Zhou, Wanding, Laird, Peter W, & Shen, Hui. (2017). Comprehensive characterization, annotation and innovative use of Infinium DNA methylation BeadChip probes. Nucleic acids research, 45(4), e22-e22.
図の見出しおよび注
[0238]図20Aおよび図20B:年齢と上位2つのCpGにおけるベータ値間の相関。略語:BDNF;脳由来神経栄養因子、GDNF;グリア細胞由来神経栄養因子。
[0239]表1(図19):年齢とGTPコホートから得られた血液試料中の神経組織栄養遺伝子のDNAmレベルとの相関。注:青色は正相関を強調し、ピンク色は逆相関を強調する。**ゲノム規模での有意レベルのボンフェローニ補正後に有意(p<5×E−8)、*多重試験レベルに対する補正後に有意(p<0.05/226)。略語:AP−1転写因子サブユニット、ARC;活性調節細胞骨格関連タンパク質、BDNF;脳由来神経栄養因子、FOS;Fosプロトオンコジーン、GDNF;グリア細胞由来神経栄養因子、GTP;Grady Trauma Project、NPAS4;ニューロンPer−Arnt−Simドメインタンパク質4、NR4A1;核受容体サブファミリー4A1、NR4A2;核受容体サブファミリー4A2。
[0240]表2(図22):年齢とNSGコホートから得られた脳試料中の神経組織栄養遺伝子のDNAmレベルとの相関。注:青色は正相関を強調し、ピンク色は逆相関を強調する。*多重試験レベルに対する補正後に有意(p<0.05/201)、†名目上有意(p<0.05)。略語:BDNF;脳由来神経栄養因子、GDNF;グリア細胞由来神経栄養因子、NPAS4;ニューロンPer−Arnt−Simドメインタンパク質4、NR4A2;核受容体サブファミリー4A2、NSG;脳外科手術。
[0241]表3(図24):EODコホートにおいてせん妄事例対非せん妄対照間で比較した年齢とBDNF遺伝子中のCpG 83個における血液DNAmとの相関。注:青色は正相関を強調し、ピンク色は逆相関を強調する。*多重試験レベルに対する補正後に有意(p<0.05/192)、†名目上有意(p<0.05)。略語:BDNF;脳由来神経栄養因子、DNAm;DNAメチル化、EOD;せん妄のエピジェネティクス。
[0242]補足表1(図21):年齢とGTPコホートから得られた血液試料中の神経組織栄養遺伝子におけるCpG 226個のDNAmレベルとの相関。注:青色は正相関を強調し、ピンク色は逆相関を強調する。**ゲノム規模での有意レベルのボンフェローニ補正後に有意(p<5×E−8)、*多重試験レベルに対する補正後に有意(p<0.05/226)。略語:AP−1転写因子サブユニット、ARC;活性調節細胞骨格関連タンパク質、BDNF;脳由来神経栄養因子、FOS;Fosプロトオンコジーン、GDNF;グリア細胞由来神経栄養因子、GTP;Grady Trauma Project、NPAS4;ニューロンPer−Arnt−Simドメインタンパク質4、NR4A1;核受容体サブファミリー4A1、NR4A2;核受容体サブファミリー4A2。
[0243]補足表2(図23):年齢とNSGコホートから得られた脳試料中の神経組織栄養遺伝子におけるCpG 201個のDNAmレベルとの相関。注:青色は正相関を強調し、ピンク色は逆相関を強調する。*多重試験レベルに対する補正後に有意(p<0.05/201)、†名目上有意(p<0.05)。略語:BDNF;脳由来神経栄養因子、GDNF;グリア細胞由来神経栄養因子、NPAS4;ニューロンPer−Arnt−Simドメインタンパク質4、NR4A2;核受容体サブファミリー4A2、NSG;脳外科手術。
[0244]本開示について好ましい実施形態を参照して記載してきたが、当技術に熟達した者は、開示した装置、システムおよび方法の精神と範囲から逸脱することなく形態および詳細に変更が行われ得ることを認識するであろう。

Claims (20)

  1. せん妄に対する対象の感受性を決定する方法であって、
    a.対象から生体試料を収集する工程と;
    b.対象の生体試料中の少なくとも1つのCpG配列のメチル化ステータスを決定する工程と;
    c.生体試料中のメチル化ステータスを確立されている閾値と比較し、対象がせん妄を患う可能性が高いかどうか決定する工程と
    を含む方法。
  2. 少なくとも1つのCpG配列が、TNFアルファ、BNDF、GDNF、LDLRAD4、DAPK1およびIRF8から選択される遺伝子中の位置を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 少なくとも1つのCpG配列が、BDNF遺伝子内の11番染色体の位置05733135を含み、メチル化の検出が、対象がせん妄に感受性であることを示す、請求項2に記載の方法。
  4. 少なくとも1つのCpG配列が、GDNF遺伝子内の5番染色体のcg02328239を含み、メチル化の検出が、せん妄を起こす可能性を示す、請求項2に記載の方法。
  5. 少なくとも1つのCpG配列が、TNFアルファ遺伝子内の6番染色体のcg26729380、cg10650821、およびcg04425624から選択され、脱メチル化の検出が、せん妄を起こす可能性を示す、請求項2に記載の方法。
  6. 少なくとも1つのCpG配列が、LDLRAD4遺伝子内の18番染色体のcg21295729を含み、メチル化の検出が、せん妄を起こす可能性を示す、請求項2に記載の方法。
  7. 少なくとも1つのCpG配列が、DAPK1遺伝子内の9番染色体のcg10518911を含み、メチル化の検出が、せん妄を起こす可能性を示す、請求項2に記載の方法。
  8. 少なくとも1つのCpG配列が、IRF8遺伝子内の16番染色体のcg4015794を含み、メチル化の検出が、せん妄を起こす可能性を示す、請求項2に記載の方法。
  9. メチル化されている1つまたは複数のCpG配列とメチル化されていない1つまたは複数のCpG配列の比を決定する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  10. 対象の少なくとも1つのCpG配列のメチル化ステータスを決定することによってせん妄に対する対象の感受性を決定するためのキットであって、BDNF遺伝子内の11番染色体のcg05733135でCpG配列を含むバイサルファイト変換された核酸配列に対して相補的な少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第1の核酸プライマーを含み、少なくとも1つの第1の核酸プライマーが、メチル化CpG配列を検出するキット。
  11. BDNF遺伝子内の11番染色体のcg05733135でCpG配列を含むバイサルファイト変換された核酸配列に対して相補的な少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第2の核酸プライマーをさらに含み、少なくとも1つの第2の核酸プライマーが、非メチル化CpG配列を検出する、請求項10に記載のキット。
  12. 少なくとも1つの第1の核酸プライマーが、1つまたは複数の合成または非天然のヌクレオチドを含む、請求項10に記載のキット。
  13. 少なくとも1つの第1の核酸プライマーが結合している固体基材をさらに含む、請求項10に記載のキット。
  14. 基材が、ポリマー、ガラス、半導体、紙、金属、ゲルまたはヒドロゲルである、請求項13に記載のキット。
  15. 固体基材が、マイクロアレイまたはマイクロ流体カードである、請求項13に記載のキット。
  16. 検出可能な標識をさらに含む、請求項10に記載のキット。
  17. LDLRAD4遺伝子内の18番染色体のcg21295729でCpG配列を含むバイサルファイト変換された核酸配列に対して相補的な少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第2の核酸プライマーをさらに含み、メチル化の検出が、せん妄に対する感受性の増大を示す、請求項10に記載のキット。
  18. TNFアルファ遺伝子内の6番染色体のcg26729380、cg10650821およびcg4425624から選択されるCpG配列を含むバイサルファイト変換された核酸配列に対して相補的である少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第2の核酸プライマーをさらに含み、メチル化の検出が、せん妄に対する感受性の減少を示す、請求項10に記載のキット。
  19. DAPK1遺伝子内の9番染色体のcg10518911でCpG配列を含むバイサルファイト変換された核酸配列に対して相補的な少なくとも8ヌクレオチド長の少なくとも1つの第2の核酸プライマーをさらに含み、メチル化の検出が、せん妄に対する感受性の増大を示す、請求項10に記載のキット。
  20. 対象がせん妄を起こすか否か決定するためのコンピュータ実装される方法であって、
    a.使用者について自己報告データを得る工程と;
    b.1つまたは複数の予測計算を実行して、使用者の予測される多部位CpG配列メチル化比、予測される閾値メチル化ステータスおよび予測されるせん妄を決定する工程と;
    c.使用者について測定された多部位CpG配列非メチル化レベルおよび測定された多部位CpG配列メチル化ステータスを提供する工程と;
    d.自己報告データ、1つまたは複数の予測計算、測定された多部位CpG配列メチル化および非メチル化レベルならびに測定された多部位CpG配列メチル化比に基づいて予測スコアを生成する工程と;
    e.予測スコアに基づいてせん妄の予測されるレベルを出力する工程と
    を含む方法。
JP2021539480A 2018-09-14 2019-09-16 エピジェネティックマーカーを使用してせん妄危険性を検出するためのシステムおよび方法 Pending JP2022500087A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201862731599P 2018-09-14 2018-09-14
US62/731,599 2018-09-14
PCT/US2019/051276 WO2020056404A1 (en) 2018-09-14 2019-09-16 Systems and methods for detection of delirium risk using epigenetic markers

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022500087A true JP2022500087A (ja) 2022-01-04

Family

ID=69777926

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021539480A Pending JP2022500087A (ja) 2018-09-14 2019-09-16 エピジェネティックマーカーを使用してせん妄危険性を検出するためのシステムおよび方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20220049305A1 (ja)
EP (1) EP3850083A4 (ja)
JP (1) JP2022500087A (ja)
WO (1) WO2020056404A1 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN111721882B (zh) * 2020-05-19 2023-01-06 上海长海医院 一种自组装检测术后谵妄的代谢组学标记物试剂盒以及应用
CN111961731A (zh) * 2020-07-08 2020-11-20 四川农业大学 基于CpG的猪肉色性状全基因组甲基化位点的定位方法

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003531589A (ja) * 2000-04-06 2003-10-28 エピゲノミクス アーゲー アポトーシスに関連する疾患の診断
JP2004516821A (ja) * 2000-09-01 2004-06-10 エピゲノミクス アーゲー ゲノムDNA上の、配列コンテクスト5−CpG−3内の特定シトシンのメチル化度の定量方法
US20090053706A1 (en) * 2005-05-02 2009-02-26 University Of Southern California Dna methylation markers associated with the cpg island methylator phenotype (cimp) in human colorectal cancer
WO2012017867A1 (ja) * 2010-08-04 2012-02-09 国立大学法人広島大学 精神疾患の検査方法、精神疾患用の検査キット、ならびに精神疾患治療剤および/または予防剤の評価方法
JP2014529995A (ja) * 2011-09-22 2014-11-17 メドベッド サイエンス プロプライエタリー リミテッド スクリーニング方法
JP2015518714A (ja) * 2012-05-16 2015-07-06 ラナ セラピューティクス インコーポレイテッド 遺伝子発現を調節するための組成物及び方法

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE10019058A1 (de) * 2000-04-06 2001-12-20 Epigenomics Ag Detektion von Variationen des DNA-Methylierungsprofils
CA2433439A1 (en) * 2000-12-29 2002-08-15 Curagen Corporation Proteins and nucleic acids encoding same
US7608394B2 (en) * 2004-03-26 2009-10-27 Sequenom, Inc. Methods and compositions for phenotype identification based on nucleic acid methylation
KR20100034832A (ko) * 2008-09-25 2010-04-02 (주)지에스디 혈장 자유순환 dna의 분석 방법, 키트, 조성물 및 프라이머, 및 이를 이용한 질환 또는 현상의 진단 또는 검출 방법, 키트 및 조성물
JP2012017867A (ja) * 2010-07-06 2012-01-26 Panasonic Corp 空気清浄機
WO2013033627A2 (en) * 2011-09-01 2013-03-07 The Regents Of The University Of California Diagnosis and treatment of arthritis using epigenetics
WO2017210341A1 (en) * 2016-05-31 2017-12-07 The Regents Of The University Of California Methods for evaluating, monitoring, and modulating aging process

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003531589A (ja) * 2000-04-06 2003-10-28 エピゲノミクス アーゲー アポトーシスに関連する疾患の診断
JP2004516821A (ja) * 2000-09-01 2004-06-10 エピゲノミクス アーゲー ゲノムDNA上の、配列コンテクスト5−CpG−3内の特定シトシンのメチル化度の定量方法
US20090053706A1 (en) * 2005-05-02 2009-02-26 University Of Southern California Dna methylation markers associated with the cpg island methylator phenotype (cimp) in human colorectal cancer
WO2012017867A1 (ja) * 2010-08-04 2012-02-09 国立大学法人広島大学 精神疾患の検査方法、精神疾患用の検査キット、ならびに精神疾患治療剤および/または予防剤の評価方法
JP2014529995A (ja) * 2011-09-22 2014-11-17 メドベッド サイエンス プロプライエタリー リミテッド スクリーニング方法
JP2015518714A (ja) * 2012-05-16 2015-07-06 ラナ セラピューティクス インコーポレイテッド 遺伝子発現を調節するための組成物及び方法

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
"430 INFLAMMATORY GENE METHYLATION IN ICU PATIENTS WITH AND WITHOUT DELIRIUM ", CRITICAL CARE MEDICINE, vol. 41(12), JPN6023031961, December 2013 (2013-12-01), pages 104, ISSN: 0005122346 *
"The role of genetics in delirium in the elderly patient ", DEMENT GERIATR COGN DISORD, vol. 28(3), JPN6023031960, 2009, pages 187 - 95, ISSN: 0005122347 *

Also Published As

Publication number Publication date
US20220049305A1 (en) 2022-02-17
EP3850083A4 (en) 2022-06-29
WO2020056404A1 (en) 2020-03-19
EP3850083A1 (en) 2021-07-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Zhu et al. Placental DNA methylation levels at CYP2E1 and IRS2 are associated with child outcome in a prospective autism study
McDonald-McGinn et al. 22q11. 2 deletion syndrome
Nimmo et al. Genome-wide methylation profiling in Crohn's disease identifies altered epigenetic regulation of key host defense mechanisms including the Th17 pathway
Pajer et al. Discovery of blood transcriptomic markers for depression in animal models and pilot validation in subjects with early-onset major depression
KR102359013B1 (ko) 자폐 스펙트럼 장애의 분석
Berge et al. The multiple sclerosis susceptibility genes TAGAP and IL2RA are regulated by vitamin D in CD4+ T cells
Kuzman et al. Genome-wide expression analysis of peripheral blood identifies candidate biomarkers for schizophrenia
Shinozaki et al. Epigenetics of delirium and aging: potential role of DNA methylation change on cytokine genes in glia and blood along with aging
CN109462996A (zh) 通过rnaset2诊断炎性肠病的方法
CN109477145A (zh) 炎症性肠病的生物标志物
de Jong et al. Immune signatures and disorder-specific patterns in a cross-disorder gene expression analysis
Chaumette et al. Longitudinal analyses of blood transcriptome during conversion to psychosis
EP3655545A1 (en) Biomarkers for intracranial aneurysm
Fowler et al. Leveraging existing data sets to generate new insights into Alzheimer’s disease biology in specific patient subsets
US20200102610A1 (en) Method for cerebral palsy prediction
Haertle et al. Methylomic profiling in trisomy 21 identifies cognition-and Alzheimer’s disease-related dysregulation
JP2022500087A (ja) エピジェネティックマーカーを使用してせん妄危険性を検出するためのシステムおよび方法
Montesino-Goicolea et al. Enrichment of genomic pathways based on differential DNA methylation profiles associated with knee osteoarthritis pain
Figueroa et al. GGC expansion in ZFHX3 causes SCA4 and impairs autophagy
Arockiaraj et al. Methylation data processing protocol and comparison of blood and cerebral spinal fluid following aneurysmal subarachnoid hemorrhage
WO2019232468A1 (en) Dna methylation based biomarkers for irritable bowel syndrome and irritable bowel disease
Sun et al. Brain and blood transcriptome profiles delineate common genetic pathways across suicidal ideation and suicide
EP3445868A1 (en) Methylomic and transcriptomic changes during conversion to psychosis
Topa et al. The outcome of targeted NGS screening in patients with syndromic forms of sagittal and pansynostosis-IL11RA is an emerging core-gene for pansynostosis
Tuulari et al. Exposure to childhood maltreatment is associated with changes in sperm small non-coding RNA and DNA methylation profiles

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220831

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230719

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230804

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20231102

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20231228

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20240131

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20240501

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20240731

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20241001

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20241028