特許法第30条第2項適用申請有り その1 ▲1▼販売日 1.令和2年11月14日~15日(「▲2▼販売した場所」の1.に対応) 2.令和3年1月16日~17日(「▲2▼販売した場所」の2.に対応) 3.令和2年12月19日~20日(「▲2▼販売した場所」の3.に対応) 4.令和2年11月29日(「▲2▼販売した場所」の4.に対応) 5.令和2年12月15日(「▲2▼販売した場所」の5.に対応) 6.令和3年1月8日~11日(「▲2▼販売した場所」の6.に対応) 7.令和3年1月26日(「▲2▼販売した場所」の7.に対応) 8.令和3年2月6日(「▲2▼販売した場所」の8.に対応) ▲2▼販売した場所 1.クオール薬局 恵比寿店(東京都目黒区三田1-11-1 YTタナカビル 1F) 2.キリン堂 金沢医科大店(石川県河北郡内灘町大学1-1) 3.センター調剤薬局 豊田厚生病院前店(愛知県豊田市浄水町伊保原481-1) 4.杏林堂薬局 浜松医大調剤センター(静岡県浜松市東区半田山1丁目20番2号) 5.阪神調剤薬局 相模原協同病院前店(神奈川県相模原市緑区橋本台4丁目3番1号) 6.日本調剤 三田薬局(東京都港区三田1-4-28 三田国際ビルアネックス1F) 7.大賀薬局 九州医療センター前店(福岡県福岡市中央区地行浜1丁目6-18) 8.日本調剤 阪大前薬局(大阪府茨木市美穂ケ丘3-8) ▲3▼公開者 株式会社湯山製作所
特許法第30条第2項適用申請有り その2 ▲1▼販売日 1.令和2年6月5日(「▲2▼販売した場所」の6.に対応) 2.令和2年6月5日(「▲2▼販売した場所」の1.に対応) 3.令和2年8月28日(「▲2▼販売した場所」の2.に対応) 4.令和2年9月19日(「▲2▼販売した場所」の3.に対応) 5.令和2年11月29日(「▲2▼販売した場所」の4.に対応) 6.令和2年12月15日(「▲2▼販売した場所」の5.に対応) 7.令和3年1月8日~11日(「▲2▼販売した場所」の6.に対応) 8.令和3年1月26日(「▲2▼販売した場所」の7.に対応) 9.令和3年2月6日(「▲2▼販売した場所」の8.に対応) ▲2▼販売した場所 1.クオール薬局 恵比寿店(東京都目黒区三田1-11-1 YTタナカビル 1F) 2.キリン堂 金沢医科大店(石川県河北郡内灘町大学1-1) 3.センター調剤薬局 豊田厚生病院前店(愛知県豊田市浄水町伊保原481-1) 4.杏林堂薬局 浜松医大調剤センター(静岡県浜松市東区半田山1丁目20番2号) 5.阪神調剤薬局 相模原協同病院前店(神奈川県相模原市緑区橋本台4丁目3番1号) 6.日本調剤 三田薬局(東京都港区三田1-4-28 三田国際ビルアネックス1F) 7.大賀薬局 九州医療センター前店(福岡県福岡市中央区地行浜1丁目6-18) 8.日本調剤 阪大前薬局(大阪府茨木市美穂ケ丘3-8) ▲3▼公開者 株式会社湯山製作所
特許法第30条第2項適用申請有り その3 ▲1▼販売日 1.令和2年11月14日~15日(「▲2▼販売した場所」の1.に対応) 2.令和3年1月23日~24日(「▲2▼販売した場所」の2.に対応) 3.令和2年12月19日~20日(「▲2▼販売した場所」の3.に対応) 4.令和2年11月29日(「▲2▼販売した場所」の4.に対応) 5.令和2年12月15日(「▲2▼販売した場所」の5.に対応) 6.令和3年1月8日~11日(「▲2▼販売した場所」の6.に対応) 7.令和3年1月26日(「▲2▼販売した場所」の7.に対応) 8.令和3年2月6日(「▲2▼販売した場所」の8.に対応) ▲2▼販売した場所 1.クオール薬局 恵比寿店(東京都目黒区三田1-11-1 YTタナカビル 1F) 2.キリン堂 金沢医科大店(石川県河北郡内灘町大学1-1) 3.センター調剤薬局 豊田厚生病院前店(愛知県豊田市浄水町伊保原481-1) 4.杏林堂薬局 浜松医大調剤センター(静岡県浜松市東区半田山1丁目20番2号) 5.阪神調剤薬局 相模原協同病院前店(神奈川県相模原市緑区橋本台4丁目3番1号) 6.日本調剤 三田薬局(東京都港区三田1-4-28 三田国際ビルアネックス1F) 7.大賀薬局 九州医療センター前店(福岡県福岡市中央区地行浜1丁目6-18) 8.日本調剤 阪大前薬局(大阪府茨木市美穂ケ丘3-8) ▲3▼公開者 株式会社湯山製作所
特許法第30条第2項適用申請有り その4 ▲1▼販売日 1.令和2年11月14日~15日(「▲2▼販売した場所」の1.に対応) 2.令和3年1月23日~24日(「▲2▼販売した場所」の2.に対応) 3.令和2年12月19日~20日(「▲2▼販売した場所」の3.に対応) 4.令和2年11月29日(「▲2▼販売した場所」の4.に対応) 5.令和2年12月15日(「▲2▼販売した場所」の5.に対応) 6.令和3年1月8日~11日(「▲2▼販売した場所」の6.に対応) 7.令和3年1月26日(「▲2▼販売した場所」の7.に対応) 8.令和3年2月6日(「▲2▼販売した場所」の8.に対応) ▲2▼販売した場所 1.クオール薬局 恵比寿店(東京都目黒区三田1-11-1 YTタナカビル 1F) 2.キリン堂 金沢医科大店(石川県河北郡内灘町大学1-1) 3.センター調剤薬局 豊田厚生病院前店(愛知県豊田市浄水町伊保原481-1) 4.杏林堂薬局 浜松医大調剤センター(静岡県浜松市東区半田山1丁目20番2号) 5.阪神調剤薬局 相模原協同病院前店(神奈川県相模原市緑区橋本台4丁目3番1号) 6.日本調剤 三田薬局(東京都港区三田1-4-28 三田国際ビルアネックス1F) 7.大賀薬局 九州医療センター前店(福岡県福岡市中央区地行浜1丁目6-18) 8.日本調剤 阪大前薬局(大阪府茨木市美穂ケ丘3-8) ▲3▼公開者 株式会社湯山製作所
〔基本構成〕
<薬剤払出システム>
本実施様態に係る薬剤払出システム100について、図1を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る薬剤払出システム100の構成例を示すブロック図である。
薬剤払出システム100は、処方データに基づき薬剤の払出しを行うシステムである。薬剤払出システム100は、処方データに基づく調剤に用いる装置として、例えば、ドラッグステーション1、処方入力装置200、錠剤分包機300、散薬分包機400、PTP払出装置500、払出補助装置600、及び払出制御装置800を備える。その他、薬剤払出システム100は、薬剤棚700を備える。以下の説明において、錠剤分包機300、散薬分包機400、PTP払出装置500、及び払出補助装置600を各種装置と称する場合がある。ドラッグステーション1、各種装置、及び薬剤棚700は、例えば、病院又は薬局に設置されている。
処方入力装置200は、医師により患者に処方された薬剤に関する情報(例:当該薬剤の種類(例:薬剤名、薬剤識別情報)、服用量(当該薬剤の数)、及び服用方法)の入力を受付ける装置である。処方入力装置200は、処方された薬剤に関する情報を、処方データとして、払出制御装置800に送信する。また、処方入力装置200は、処方された薬剤に関する情報を印字した処方箋を発行してもよい。なお、処方箋は、後述する払出制御装置800により発行されてもよい。また、処方入力装置200及び払出制御装置800は、処方箋に代えて、ドラッグステーション1及び上記各種装置のそれぞれに対応する調剤指示箋を発行してもよい。調剤指示箋は、払出制御装置800が作成する後述の払出データに含まれる情報を印字したものである。
上記処方データは、複数の患者のそれぞれに処方された薬剤に関する情報を含んでいてよく、この場合、当該情報が複数の患者単位で纏められていてもよい。また、処方入力装置200は、処方された薬剤に関する情報を所定処方期間(例:1日)で区切り、所定処方期間毎に処方データを生成してもよい。
払出制御装置800は、薬剤払出システム100における薬剤の払出しを制御する。例えば、払出制御装置800は、ドラッグステーション1及び上記各種装置のうちの何れの装置を用いて、処方入力装置200から受信した処方データに示された薬剤を払出すかを決定する。処方データに示された薬剤は、上記患者に処方された薬剤であって、処方薬剤と称してもよい。払出制御装置800は、制御部801及び記憶部802を備える。
制御部801は、払出制御装置800が備える各部を統括して制御する。制御部801は、決定部811及び送受信部812を備える。決定部811は、処方データに示された薬剤を、何れの装置を用いて払出すかを決定する。送受信部812は、処方入力装置200からの処方データ、又は、ドラッグステーション1若しくは各種装置からの通知等を受信する。また、送受信部812は、決定部811が決定した結果に基づき、払出す薬剤に関する情報(薬剤の種類等を示す情報)を含む払出データを、ドラッグステーション1又は各種装置に送信する。払出データは、ドラッグステーション1又は各種装置に送信される処方データともいえる。
記憶部802は、例えば、制御部801が使用する各種プログラム、及び、ドラッグステーション1に保管された複数種類の薬剤に関する情報を管理する薬剤データベース(薬剤マスタ)を記憶している。当該薬剤に関する情報としては、例えば、薬剤の種類(例:薬剤名、薬剤識別情報)、使用期限及びロット番号が挙げられる。また、記憶部802は、例えば、錠剤分包機300に保管された複数種類の薬剤に関する情報を管理する薬剤データベース、及び、散薬分包機400に保管された複数種類の薬剤に関する情報を管理する薬剤データベースを記憶している。ドラッグステーション1、錠剤分包機300及び散薬分包機400もまた、それぞれの薬剤データベースを記憶している。
払出制御装置800は、ドラッグステーション1の記憶部に記憶した薬剤データベースの更新時に、記憶部802に記憶した薬剤データベースを更新する。具体的には、払出制御装置800は、ドラッグステーション1において、ドラッグステーション1が保管する薬剤の種類に変更があった場合に、変更内容を示す情報を、ドラッグステーション1から受信する。払出制御装置800は、この情報に基づき、記憶部802に記憶するドラッグステーション1の薬剤データベースを更新する。払出制御装置800は、ドラッグステーション1の起動時において、記憶部802に記憶した薬剤データベースの更新を行ってもよい。また、払出制御装置800は、錠剤分包機300及び散薬分包機400についても同様に、錠剤分包機300の薬剤データベース又は散薬分包機400薬剤データベースを更新する。
ドラッグステーション1は、ドラッグステーション1内に保管している薬剤を払出す装置(第1薬剤払出装置、薬剤払出装置)である。ドラッグステーション1の具体的な構成については後述する。
錠剤分包機300、散薬分包機400及びPTP払出装置500は、薬剤を払出す第2薬剤払出装置(調剤機器)の一例である。錠剤分包機300は、払出制御装置800からの払出データに示された薬剤、すなわち錠剤分包機300内に保管している錠剤を払出す装置である。散薬分包機400は、払出制御装置800からの払出データに示された薬剤、すなわち散薬分包機400内に保管している散薬(散剤)を払出す装置である。PTP払出装置500は、払出制御装置800からの払出データに示された薬剤、すなわちPTP払出装置500内に保管している、当該薬剤を含むPTP(Press Through Package)シート(薬剤シート)を払出す装置である。
払出補助装置600は、薬剤を保管する薬剤棚700からの薬剤の払出しを補助する装置である。払出補助装置600は、例えば、払出制御装置800からの払出データに示された薬剤の種類等の情報を提示する。これにより、薬剤師、看護師又は医師等の医療従事者、及び、ドラッグステーション1の作業者は、薬剤棚700から薬剤を取出すことができる。ドラッグステーション1の作業者は、ドラッグステーション1から薬剤を取出すものであり、薬剤師、看護師又は医師等の資格を有さない無資格者である。但し、作業者は、当該資格を有する有資格者であってもよい。なお、以下の説明において、薬剤師、看護師又は医師等の有資格者である医療従事者を、単にユーザと称する場合がある。
<ドラッグステーション>
図2及び図3は、ドラッグステーション1の構成例を示す斜視図である。図2は本体ユニット2を前面側から見た図であり、図3は本体ユニット2を背面側から見た図である。図4は、ドラッグステーション1の主要構成の一例を示すブロック図である。
ドラッグステーション1は、薬剤の保管、並びに、薬剤の充填及び払出しを行うための装置である。図2~4に示すように、ドラッグステーション1は、本体ユニット2及びピッキングユニット3を備えている。
(本体ユニット)
本体ユニット2は、薬剤を保管するユニットである。具体的には、本体ユニット2は、薬剤を収容する複数個のカセットCaを保管可能な薬剤収容棚として機能する。本体ユニット2は、本体カセット移送部22(図6の符号6001及び6002に示す22a及び22b)を用いることにより、保管されているカセットCaをピッキングユニット3に移送する装置である。また、本体ユニット2は、ピッキングユニット3から返却されたカセットCaを元の保管位置に移送する装置である。換言すれば、本体ユニット2は、カセットCaを複数個保管し、ピッキングユニット3に対して、カセットCaの受渡し及び受取りを行うカセット取扱装置として機能する。
本体ユニット2には、病院又は薬局等の1施設での使用が想定されている種類(例:約1500~2000種類)の薬剤を保管することが可能である。本実施形態では、本体ユニット2は、薬剤として、例えば、薬剤シート(例:PTPシート)、軟膏若しくは目薬等の外用薬、又は散薬を保管する。また、本体ユニット2は、例えば、薬剤を収容するアンプル又はバイアルを保管してもよい。本明細書では、薬剤シートではない薬剤(薬剤シート以外の形体の薬剤)には、軟膏若しくは目薬等の外用薬、及び散薬の他、薬剤を収容するアンプル又はバイアルが含まれる。本体ユニット2は、本体ユニット2で保管可能な薬剤であれば、どのような薬剤を保管しても構わない。
本体ユニット2は、カセット棚21、本体カセット移送部22及びカセット保持部23を備える。
カセット棚21は、複数個のカセットCaを保管可能な薬剤収容棚である。本実施形態では、カセット棚21は、大きさ(種類)の異なるカセットCaを保管可能となっている。図5は、カセット棚21に保管可能なカセットCaの構造例を示す図であり、符号5001は大型カセットCa1の一例を示す斜視図であり、符号5002は中型カセットCa2の一例を示す斜視図であり、符号5003は小型カセットCa3の一例を示す斜視図である。また、図5の符号5004は大型カセットCa1の一例を示す断面図である。
符号5001では、大型カセットCa1に、薬剤を収容できる箇所を複数形成する仕切部Ca11が設けられている。これにより、1つの大型カセットCa1に複数種類の薬剤を収容できる。本実施形態では、大型カセットCa1には仕切部Ca11が4箇所に設けられ、薬剤の収容領域(収容位置)が5箇所形成されている。中型カセットCa2は、大型カセットCa1の幅(短手方向の長さ)よりも小さく、かつ小型カセットCa3の幅よりも大きいカセットである。また、符号5002では、中型カセットCa2にも仕切部Ca21が設けられている(本実施形態では2箇所の収容領域が形成されている)。
なお、小型カセットCa3にも仕切部が設けられ、複数の収容領域が形成されても構わない。また、大型カセットCa1及び中型カセットCa2に仕切部が設けられず、大型カセットCa1及び中型カセットCa2が1種類の薬剤シートを収容可能なカセットとして機能しても構わない。また、仕切部Ca11はカセットCaに対して取外し可能である。そのため、大型カセットCa1においては、収容領域の大きさ及び数を任意に設定できる。また、カセットCaの種類は3種類に限られず、幅が異なる2種類又は4種類以上のカセットが準備されても構わないし、1種類であっても構わない。
このように、複数種類のカセットCaのそれぞれに仕切部を設けることにより、カセットCaに薬剤を収容する複数の収容領域を形成できる。
また、大型カセットCa1の短手方向に延伸する側壁(長手方向の端部)には、爪受部Ca12が設けられている。爪受部Ca12は、本体カセット移送部22の爪部2212(図8参照)、及び、ピッキングカセット移送部35の突起部351a(図12の符号12002参照)と引っ掛かるものである。爪受部Ca12が爪部2212又は突起部351aに引っ掛かることで、本体カセット移送部22及びピッキングカセット移送部35による、カセット棚21又はカセット保持部23に対するカセットCaの取出し又は載置が可能となる。
また、爪受部Ca12には切欠部Ca13が設けられている。切欠部Ca13の位置を位置センサ2214(図8参照)が検出することにより、本体カセット移送部22は、カセット把持部221(図8参照)を、移送対象の大型カセットCa1の真正面に移送できる。そのため、確実に当該大型カセットCa1を取出すことができる。
また、大型カセットCa1の長手方向の両端部に設けられた2つの爪受部Ca12にはそれぞれ、RFID(Radio Frequency Identifier)タグ(不図示)が設けられている。各RFIDタグには、各爪受部Ca12を識別するための爪受部識別情報が記録されている。
一方の爪受部Ca12側からカセットCaを取出した場合と、他方の爪受部Ca12側からカセットCaを取出した場合とでは、薬剤授受部32に載置されるときのカセットCaの向きが異なる。大型カセットCa1のように、1つのカセットCaに複数種類の薬剤を収容している場合、その載置される向きによって、薬剤授受部32に対する薬剤の位置関係が変わってしまう。そのため、制御装置10が、載置される向きを認識できない場合には、取出すべき薬剤の収容位置にあわせてシャッター322を開くことができない可能性がある。
上記のように爪受部識別情報を記録しておき、本体カセット移送部22(例:カセット引出部2211(図8参照))に、RFIDリーダ(不図示)を設けておくことで、制御装置10は、カセット棚21からカセットCaが取出されるときに、RFIDリーダがRFIDタグから読取った爪受部識別情報に基づき、カセットCaの向きを判定できる。従って、制御装置10は、薬剤授受部32において、取出すべき薬剤シートの収容位置にあわせてシャッター322を開くことができる。
なお、爪受部Ca12、切欠部Ca13及びRFIDタグは、中型カセットCa2及び小型カセットCa3にも設けられている。つまり、カセット棚21に保管される全てのカセットCaに設けられている。
また、RFIDリーダは、ピッキングカセット移送部35(例:突起部351a)に設けられていても構わない。この場合、制御装置10は、受渡カセット保持部231からカセットCaが取出されるときに(図13の符号13003の状態)、上記と同様、RFIDリーダがRFIDタグから読取った爪受部識別情報に基づき、カセットCaの向きを判定できる。
また、カセットCaには、バーコードCa14が設けられている。バーコードCa14には、例えば、カセットCaを識別するためのカセット識別情報、及び、カセットCaの大きさ(種類)を示すサイズ情報(大型カセットCa1、中型カセットCa2及び小型カセットCa3の何れかを示す情報)が含まれる。バーコードCa14は一例であって、上記情報をカセット把持部221等に設けられたバーコードリーダ(不図示)により読出すことが可能なように、個々のカセットCaに上記情報が付与されていればよい。バーコードCa14の情報を読出すことにより、制御装置10は、当該情報と、記憶部15が記憶するデータ(後述)との照合を行うことができる。そのため、例えば、本体カセット移送部22は、払出対象の薬剤が収容されたカセットCa、又は充填対象の薬剤を収容するカセットCaを、確実に取出すことができる。また、例えば、制御装置10は、上記の照合結果、上記情報と上記データとが一致した場合に、シャッター322を開状態とすることができる。
本体カセット移送部22は、カセット棚21とカセット保持部23との間において、カセットCaを移送するものである。本体カセット移送部22は、薬剤の払出し時には、例えば、払出データに含まれる薬剤を収容するカセットCaをカセット棚21から取出し、カセット保持部23へ移送する。そして、本体カセット移送部22は、カセット保持部23に載置されたカセットCa(ピッキングユニット3において指定数の薬剤が取出され、ピッキングユニット3から返却されたカセットCa)を、カセット棚21へ移送する。また、本体カセット移送部22は、薬剤の充填時には、バーコードリーダ34で読取った薬剤識別情報が示す種類の薬剤が収容対象となるカセットCaをカセット棚21から取出し、カセット保持部23へ移送する。そして、本体カセット移送部22は、カセット保持部23に載置されたカセットCa(ピッキングユニット3において薬剤が充填され、ピッキングユニット3から返却されたカセットCa)を、カセット棚21へ移送する。
本体カセット移送部22を備えることにより、カセット棚21からカセットCaを取出してピッキングユニット3へと移送すると共に、当該カセットCaをカセット棚21へ返却できる。
カセット保持部23は、カセット棚21又はピッキングユニット3から移送されたカセットCaを一時的に保持するもの(バッファ)である。カセット保持部23は、受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232を備えている。受渡カセット保持部231は、カセット棚21から取出され、ピッキングユニット3の薬剤授受部32へ受け渡されるカセットCaを、一時的に保持するものである。受取カセット保持部232は、薬剤授受部32から受取りカセット棚21へ返却されるカセットCaを、一時的に保持するものである。つまり、受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232はそれぞれ、カセットCaを一時的に載置する載置台として機能する。
また、本体ユニット2には、第1タッチパネル5が設けられている。第1タッチパネル5は、ドラッグステーション1に関する各種情報を表示する表示装置であると共に、作業者による入力操作を受付ける入力装置としても機能する。但し、第1タッチパネル5は、表示装置としてのみ機能しても構わない。
また、本体ユニット2には、前面及び背面のそれぞれに複数の扉25(開閉扉)が設けられている。ユーザは、扉25を開けることにより、カセット棚21へ直接アクセスできる。図3では、背面の一部に設けられた扉25が開いている状態を示している。扉25は、本体ユニット2の外部からカセット棚21を視認できるように、透明又は半透明であってよい。
図2及び図3では、本体ユニット2の前面側に1台のピッキングユニット3が設けられた構成となっているが、これに限らず、複数台のピッキングユニット3が設けられても構わない。図示していないが、本明細書では、2つのピッキングユニット3が設けられているものとして説明する。
(ピッキングユニット)
ピッキングユニット3は、本体ユニット2に保管された薬剤を払出す装置である。薬剤の払出しを実現するために、ピッキングユニット3は、作業者が薬剤を取出すピッキング作業を行うための装置として機能する。また、ピッキングユニット3は、作業者が薬剤を本体ユニット2に充填するための充填作業を行うための装置として機能する。換言すれば、ピッキングユニット3は、作業者が、本体ユニット2に保管されるカセットCaからの薬剤の取出し、又は当該カセットCaへの薬剤の充填を行うための装置(作業者による薬剤の取扱いを可能とする薬剤取扱装置)として機能する。
ピッキングユニット3は、第2タッチパネル31、薬剤授受部32、バーコードリーダ34、ピッキングカセット移送部35、プリンタ36、薬剤載置台37、トレイ載置台38及びトレイ閉ボタン39を備える。これらの部材は、作業者が薬剤を取扱う作業台40に設けられている。
ピッキングユニット3は、本体ユニット2から移送されたカセットCaを、ピッキングカセット移送部35を用いて薬剤授受部32へ移送する。作業者は、第2タッチパネル31の表示内容を確認しながら、薬剤授受部32に移送されたカセットCaから薬剤を取出し、薬剤載置台37、又はトレイ載置台38に載置された搬送トレイTrへ投入する。薬剤載置台37に載置された薬剤は、最終的には、搬送トレイTrへ投入される。
ユーザは、薬剤が収容された搬送トレイTrを鑑査ユニットに運搬する。鑑査ユニットは、本体ユニット2から払出された薬剤に対する最終鑑査をユーザが行うためのユニットである。ドラッグステーション1は、本体ユニット2及びピッキングユニット3の他、鑑査ユニットを備えてもよい。なお、薬剤をカセットCaに充填する作業は、ユーザにより行われる。
第2タッチパネル31は、第1タッチパネル5と同様、ドラッグステーション1に関する種々の情報を表示すると共に、作業者による入力操作を受付ける。第2タッチパネル31は、カセットCaからの薬剤の取出し時(薬剤の払出し時)に、例えば、作業者が薬剤授受部32から取出すべき薬剤の種類及び数量を表示する。また、第2タッチパネル31は、薬剤のカセットCaへの充填時に、例えば、充填対象の薬剤の種類、又は当該薬剤を収容しているカセットCaを指定する入力操作を受け付ける。
薬剤授受部32は、カセットCaから作業者が薬剤を取出すこと、又はカセットCaに作業者が薬剤を投入することを可能とする(作業者による薬剤の授受を可能とする)ものである。カセットCaに複数の薬剤を含む薬剤シートが収容される場合、薬剤授受部32は、カセットCaから薬剤シートの全体若しくはその一部を取出すこと、又はカセットCaに薬剤シートの全体若しくはその一部を投入することを可能とする。
以降の説明において、特に断りがない限り、端数シートは、規定された数量の薬剤を含む薬剤シートの全体(フルシート)から切り欠いた薬剤シートを指すものとして説明する。薬剤シートは、薬剤シートの全体を指すか、又は、薬剤シートの全体若しくはその一部(端数シート)の総称を指すものとして説明する。
本実施形態では、薬剤授受部32は、開口部321、及びシャッター322を備えている。開口部321は、薬剤授受部32に移送されたカセットCaへの作業者のアクセス(薬剤の取出し又は充填(投入))を可能とする開口部である。シャッター322は、開口部321に設けられ、当該カセットCaへの作業者のアクセスを制御する。シャッター322は、開口部321を開閉する開閉部である。シャッター322は、通常閉状態であり、カセットCaが薬剤授受部32に移送された状態において開状態となる。シャッター322は、薬剤の取出し又は充填対象(投入対象)となるカセットCaに応じて、開口幅を変更可能である。
シャッター322は、第1シャッター322a及び第2シャッター322bを備えている。第1シャッター322aはY軸方向に開閉動作を行い、第2シャッター322bは、第1シャッター322aとは略垂直方向(X軸方向)に開閉動作を行う。第1シャッター322aは、図15を用いて後述するように、カセットCaの収容領域の大きさに対応するように開閉制御される。このように開閉制御されることにより、作業者が払出対象の薬剤を含む収容領域にのみアクセスすることを可能にする。また、第2シャッター322bは、様々な幅のカセットCa(例:大型カセットCa1、中型カセットCa2、小型カセットCa3)の大きさに対応するように開閉制御される。このように開閉制御されることにより、カセットCaと第1シャッター322aとの間の、X軸方向(薬剤授受部32の短手方向)に形成される隙間から、作業者がカセットCaから取出した薬剤が落下する可能性を低減できる。なお、第1シャッター322a及び第2シャッター322bの開閉動作は同時に行ってもよいし、どちらか一方が先に行われてもよい。
バーコードリーダ34は、薬剤をカセットCaに充填する充填作業が行われるときに、薬剤に付与されたバーコードを読取る装置である。バーコードは、例えば、薬剤シート自体、複数個単位で薬剤シートを包装(ピロー包装)した包装物、包装した散薬を複数個単位でピロー包装した包装物、又は、当該包装物が収容された箱、に付与されたGS1コードを含む。また、バーコードは、例えば、薬剤シートではない薬剤(例:軟膏、目薬)が収容された箱に付与されたGS1コードを含んでもよい。バーコードには、薬剤を識別するための薬剤識別情報が含まれていればよく、GS1コードはその一例である。つまり、ピッキングユニット3には、薬剤識別情報を読取ることが可能な読取装置が設けられていればよい。なお、本実施形態では、バーコードリーダ34は、作業台40における作業者による薬剤の取出し又は充填作業を阻害しないように、作業台40の角部に取付けられている。
ピッキングカセット移送部35は、本体ユニット2とピッキングユニット3との間(具体的には、カセット保持部23と薬剤授受部32との間)で、カセットCaを移送するものである。これにより、本体ユニット2からカセットCaを取出して薬剤授受部32に移送すると共に、当該カセットCaを本体ユニット2へ返却できる。
例えば、薬剤を払出す場合、ピッキングカセット移送部35は、薬剤授受部32において薬剤の取出し又は充填対象となるカセットCa(受渡カセット保持部231に載置されたカセットCa)を、薬剤授受部32の薬剤授受位置P1(図13参照)に移送する。また、ピッキングカセット移送部35は、薬剤授受位置P1にカセットCaが位置している場合には、当該カセットCaの次に薬剤の取出し又は充填対象となるカセットCaを、薬剤授受部32の近傍に設けられた待機位置P2(図13参照)に移送して待機させる。また、ピッキングカセット移送部35は、薬剤授受部32で薬剤が取出されたカセットCaを、受取カセット保持部232に移送する。
プリンタ36は、カセットCaから取出された薬剤に関する情報(例:薬剤の種類、取出された薬剤の数)を印字したジャーナル等の印刷物を出力する。
薬剤載置台37は、薬剤の数を計数するために、薬剤が載置される載置部である。薬剤載置台37は、端数シートに含まれる薬剤の数を計数するために、端数シートが載置される端数載置部として機能してよい。端数シートは、薬剤授受部32においてカセットCaから取出された薬剤シートから切り欠いたものであっても、カセットCaから取出されたものであってもよい。なお、薬剤載置台37に薬剤シート(フルシート)が載置されてもよい。この場合、薬剤載置台37は、薬剤シートに含まれる薬剤の数を計数するために、薬剤シートが載置される端数載置部として機能する。薬剤載置台37には、1つの端数シートが載置されても、複数の端数シートが載置されてもよい。同様に、薬剤載置台37には、1つの薬剤シートが載置されても、複数の薬剤シートが載置されてもよい。
本実施形態では、薬剤載置台37の上方に、薬剤載置台37に載置された端数シート、薬剤シート、又は、端数シート及び薬剤シートの組合せ、を撮像する撮像部371が設けられている。また、薬剤載置台37の下方には、薬剤載置台37を照明するバックライト372(照明部)が設けられている。撮像部371が薬剤載置台37に載置された薬剤シート又は端数シートを撮像するときに、バックライト372が点灯し、撮像部371による薬剤の撮像方向とは反対側から、当該薬剤シート又は端数シートを照明する。
なお、薬剤載置台37の下方に撮像部371を設け、薬剤載置台37の上方に照明部を設けてもよい。この場合、撮像部371が薬剤の形状を取得できるように、薬剤載置台37において薬剤が載置される領域は、透明又は半透明であってよい。
制御装置10は、例えば、ドラッグステーション1の起動時に、バックライト372を点灯状態とし、撮像部371を撮像状態とする。すなわちこの場合、ドラッグステーション1の起動中、撮像部371は、薬剤載置台37に端数シート(又は薬剤シート(フルシート))が載置されているかどうかに依らず、薬剤載置台37を撮像し続ける。薬剤載置台37に端数シートが載置されていない場合には、撮像部371が薬剤の像を取得しないため、制御装置10は、撮像した画像に基づく薬剤の計数処理を実行しない。すなわち、制御装置10は、薬剤載置台37に端数シートが載置され、撮像部371が端数シートの像を取得した場合にのみ、撮像した画像に基づく薬剤の計数処理を実行する。
但し、制御装置10は、例えば、指定数の取出しを完了した旨の入力操作を受付けた場合に(例:トレイ閉ボタン39の押下を検出した場合に)、バックライト372を点灯させ、撮像部371により少なくとも端数シートを撮像してもよい。すなわちこの場合、制御装置10は、上記入力操作を受付けた場合にのみ、バックライト372を点灯状態とし、撮像部371を撮像状態とする。なお、指定数とは、本体ユニット2から薬剤授受部32に移送されたカセットCaから取出すべき薬剤の数量として指定された数である。各薬剤の指定数は、例えば、払出制御装置800から受信した払出データにおいて規定されている。その他、取出すべき薬剤の指定数は、作業者による入力操作によって規定されてもよい。
トレイ載置台38は、薬剤授受部32から取出された薬剤が投入される搬送トレイTrを載置する台である。また、トレイ載置台38は、薬剤授受部32から取出された薬剤の数を計数するために、薬剤を載置する薬剤載置部として機能する。薬剤授受部32から薬剤シートが取出される場合、トレイ載置台38は、薬剤シートに含まれる薬剤の数を計数するために、薬剤シートを載置するシート載置部として機能する。トレイ載置台38は、センサ381及び計量部382を備える。
センサ381は、トレイ載置台38に載置された搬送トレイTrを検出する。本実施形態では、センサ381は、一方が光源で、他方が光源から出射された光を検出する光検出部である透過型のセンサである。透過型のセンサを用いた場合、搬送トレイTrの有無を精度よく認識できる。但し、光源から出射され、載置された搬送トレイTrにより反射した光検出する反射型のセンサを用いてもよい。また本実施形態では、センサ381は、トレイ載置台38の両側壁に設けられている。
計量部382は、トレイ載置台38に載置された搬送トレイTrに投入された薬剤を計量する。計量部382は、例えば、薬剤シート、又は、薬剤シート及び端数シートの組合せを計量してよい。計量部382は、トレイ載置台38の底部の下方に設けられている。計量部382としては、例えばロードセルが用いられる。
なお、記憶部15に、1つの搬送トレイTr当たりの重量を記憶せず、計量部382が、風袋引きを行うことによって、トレイ載置台38に投入された薬剤の重量を算出してもよい。具体的には、トレイ載置台38に搬送トレイTrが載置された後、計量部382は風袋引きを行う。その後作業者が搬送トレイTrに薬剤を投入することにより、計量部382は当該薬剤の重量のみを計量できる。
トレイ閉ボタン39は、作業者により押下されることにより、第1シャッター322a及び第2シャッター322bを開状態から閉状態へと切り替える機械的な操作ボタンである。トレイ閉ボタン39は点灯機能を有しており、開状態から閉状態へと切り替えるタイミングで点灯してもよい。
また、作業台40の上面部は、水平面に対して傾斜している。作業者によるカセットCaに対する薬剤の取出し又は充填作業を行い易くするために、上面部は、本体ユニット2側から作業者の立ち位置側へ向けて(-Y軸方向に向けて)低くなるように傾斜している。
なお、本実施形態のドラッグステーション1では、薬剤が収容された搬送トレイTrをユーザが鑑査ユニットへ運搬するが、これに限らず、ドラッグステーション1にトレイ搬送部を設け、ピッキングユニット3から当該搬送トレイTrを自動搬送してもよい。
(制御装置)
制御装置10は、ドラッグステーション1の各ユニットを統括して制御する。制御装置10は、本体ユニット制御部11、ピッキングユニット制御部12、タッチパネル制御部14、及び記憶部15を備えている。
本体ユニット制御部11は、本体ユニット2の各部を統括して制御する。本体ユニット制御部11は、例えば、カセット特定部111、本体カセット移送制御部112(移送制御部)、位置特定部113、カセット管理部114、及び薬剤管理部115を備えている。位置特定部113、カセット管理部114、及び薬剤管理部115については、後述する実施形態の何れかにおいて説明する。
カセット特定部111は、払出データ、第1タッチパネル5若しくは第2タッチパネル31への作業者による入力操作、又はバーコードリーダ34の読取結果に基づき、カセット棚21から取出すカセットCaを特定する。また、カセット特定部111は、RFIDリーダが読取った爪受部識別情報に基づき、当該カセットCaの向きを特定する。
本体カセット移送制御部112は、本体カセット移送部22の駆動を制御する。具体的には、本体カセット移送制御部112は、本体カセット移送部22を制御することにより、カセット特定部111が特定したカセットCaを受渡カセット保持部231へと移送させる。また、本体カセット移送制御部112は、受取カセット保持部232に載置されたカセットCaを、当該カセットCaの保管位置(元の位置)へと移送させる。
払出データに基づき本体カセット移送部22を制御する場合、本体カセット移送制御部112は、カセット特定部111により特定された、払出データに含まれる薬剤が収容されたカセットCaを、受渡カセット保持部231へと移送させる。その後、ピッキングユニット3のピッキングカセット移送部35により薬剤授受部32から受取カセット保持部232へと移送されたカセットCaを、当該カセットCaの保管位置へと移送させる。
ピッキングユニット制御部12は、ピッキングユニット3の各部を統括して制御する。ピッキングユニット制御部12は、例えば、ピッキングカセット移送制御部121(移送制御部)、シャッター制御部122、薬剤判定部124、特定部125、及び像取得部126を備えている。特定部125及び像取得部126は、後述する実施形態の何れかにおいて説明する。
ピッキングカセット移送制御部121は、払出データ、第1タッチパネル5若しくは第2タッチパネル31への作業者による入力操作、又はバーコードリーダ34の読取結果に基づき、ピッキングカセット移送部35の駆動を制御する。払出データに基づきピッキングカセット移送部35を制御する場合、ピッキングカセット移送制御部121は、処方データに含まれる薬剤の取出対象となるカセットCaを、薬剤授受位置P1又は待機位置P2へと移送する。
シャッター制御部122は、シャッター322の開閉動作を制御する。シャッター制御部122は、第1シャッター322a及び第2シャッター322bを独立して制御する。
薬剤判定部124は、撮像部371が撮像した薬剤の画像に基づき、払出データにより規定された指定数の薬剤が薬剤載置台37に載置されているか否かを判定する。薬剤シートの場合、薬剤判定部124は、撮像部371が撮像した端数シートの画像に基づき、上記指定数のうち端数シートとして払出すべき数量分の薬剤が薬剤載置台37に載置されているか否かを判定する。また、薬剤判定部124は、計量部382が計量した薬剤の重量に基づき、払出データにより規定された指定数の薬剤がトレイ載置台38に載置されているか否かを判定する。薬剤シートの場合、薬剤判定部124は、計量部382が計量した薬剤シート(フルシート)の重量に基づき、上記指定数のうち薬剤シート(フルシート)として払出すべき数量分の薬剤がトレイ載置台38に載置されているか否かを判定する。すなわち、薬剤判定部124は、薬剤載置台37に載置された薬剤、及び/又は、トレイ載置台38に載置された薬剤の数を計数する計数部として機能する。
払出対象の薬剤が薬剤シートに含まれる薬剤である場合、薬剤判定部124は、例えば、上記画像を解析して、薬剤載置台37に載置された端数シートの形状を特定する。薬剤判定部124は、当該形状と、記憶部15に薬種毎に記憶された1つの薬剤当たりの端数シートサイズ(1錠の薬剤のみを含む端数シートのサイズ)とに基づき、端数シートに含まれる薬剤の数を計数してもよい。この場合の計数手法の一例は、実施形態2で説明する。
また、薬剤判定部124は、例えば、上記形状と、記憶部15に薬種毎に記憶された1つの薬剤シート(フルシート)に含まれるシート薬剤数と、記憶部15に薬種毎に記憶された1つの薬剤シートの面積と、に基づき、端数シートに含まれる薬剤の数を計数してもよい。シート薬剤数は、1つの薬剤シートに含まれる薬剤の数として規定された数(薬剤シートの縦方向に含まれる薬剤の数と、薬剤シートの横方向に含まれる薬剤の数とを乗じた数)である。この場合例えば、薬剤判定部124は、上記薬剤シートの面積に対する上記形状の面積の割合を算出し、当該割合をシート薬剤数に乗じることにより、端数シートに含まれる薬剤の数を計数してもよい。
また、記憶部15には、耳部分ER(図19参照)の長さを示す情報、及び、耳部分ERの長さと、耳部分ERに隣接する1つの薬剤を含む端数シートの長さとの合計値(図19の符号「ERA」)を示す情報が記憶されていてもよい。薬剤判定部124は、これらの情報を用いることにより、耳部分ERを考慮して、端数シートに含まれる薬剤の数を計数できる。
また、記憶部15には、1つの薬剤シートにおいて隣接する所定数の薬剤を含む端数シートの長さ(縦方向の長さ、又は横方向の長さ)を示す情報が記憶されていてもよい。この場合、薬剤判定部124は、上記形状と、当該端数シートの長さとに基づき、端数シートに含まれる薬剤の数を計数できる。
また、薬剤判定部124は、計量部382により計測された薬剤シートの重量と、記憶部15に記憶された薬種毎の薬剤シート1枚当たりの重量とに基づき、トレイ載置台38に投入された薬剤シートに含まれる薬剤の数を計数する。例えば、薬剤判定部124は、計測された薬剤シートの重量を当該薬剤シート1枚当たりの重量で除した値に、当該薬剤シートのシート薬剤数を乗じることにより、薬剤の数を計数してよい。
なお、薬剤判定部124は、薬剤シート(フルシート)が薬剤載置台37に載置された場合、上記画像に基づき、当該薬剤シートに含まれる薬剤の数を計数してもよい。薬剤判定部124は、上記画像を解析して特定した薬剤シートの形状と、当該薬剤のシート薬剤数と、に基づき、薬剤シートに含まれる薬剤の数を計数してもよい。薬剤判定部124は、例えば、上記画像を解析して特定した薬剤シートの形状と、端数シートサイズとに基づき、薬剤シートに含まれる薬剤の数を計数してよい。
また、記憶部15には、薬剤判定部124による上記の計数手法に応じて必要となる情報のみが記憶されていればよい。
また、薬剤シートではない薬剤(例:軟膏、目薬)の場合については、薬剤判定部124は、例えば以下のように薬剤の数を計数できる。薬剤判定部124は、例えば、計量部382により計測された薬剤の重量と、記憶部15に記憶された薬種毎の薬剤1つ当たりの重量とに基づき、トレイ載置台38に投入された薬剤の数を計数してよい。
薬剤判定部124は、薬剤載置台37に載置された薬剤の数、トレイ載置台38に載置された薬剤の数、又は、その合計数が指定数に一致すると判定した場合、払出対象の薬剤がカセットCaから適切に取出されたと判定する。
ここで、薬剤シートに含まれる薬剤の数を計数するモードとして、例えば、第1計数モードと第2計数モードとがある。
第1計数モードに設定されている場合、薬剤判定部124は、薬剤載置台37に載置された端数シートについては、撮像部371の撮像結果に基づき薬剤の数を計数する。薬剤判定部124は、トレイ載置台38に載置された薬剤シートについては、計量部382が計測した薬剤シートの重量に基づき、薬剤の数を計数する。薬剤判定部124は、それぞれの計数結果が、それぞれに載置すべき薬剤の数と一致する場合、作業者が取出した薬剤の数が指定数と一致すると判定する。一致したとの判定結果をタッチパネル制御部14が第2タッチパネル31に表示すると、作業者は、この表示を確認後、薬剤シート及び端数シートを輪ゴムで纏め、トレイ載置台38に載置された搬送トレイTrに投入する。なお、薬剤判定部124は、トレイ載置台38に載置する複数の薬剤シートを輪ゴムで纏める仕様の場合には、薬剤シートから輪ゴム1つ当たりの重量を減算した重量を、搬送トレイTrに投入された薬剤シートの重量として算出する。
また、第2計数モードに設定されている場合、薬剤判定部124は、薬剤載置台37に載置された端数シートについては、撮像部371の撮像結果に基づき薬剤の数を計数する。薬剤判定部124が端数シートに含まれる薬剤の数が、薬剤載置台37に載置すべき薬剤の数と一致する場合、タッチパネル制御部14は、一致したとの判定結果を第2タッチパネル31に表示する。作業者は、この表示を確認後、カセットCaから取出した薬剤シートと、薬剤載置台37から取出した端数シートとを輪ゴムで纏め、トレイ載置台38に載置された搬送トレイTrに投入する。計量部382は、トレイ載置台38に投入後の、輪ゴムで纏められた薬剤シート及び端数シートの合計重量を計測する。薬剤判定部124は、計量部382の計測結果に基づき、指定数の薬剤が搬送トレイTrに投入されたか否かを判定する。
薬剤判定部124は、例えば、計測した重量から、輪ゴム1つ当たりの重量と、払出対象の薬剤1つ当たりの重量(1つの薬剤を含む端数シートの重量)に、端数シートとして払出す薬剤の数を乗じた値と、を減じた重量を算出する。これにより、薬剤判定部124は、搬送トレイTrに投入された薬剤シートの重量を算出する。薬剤判定部124は、この薬剤シートの重量が、薬剤シート1枚当たりの重量に、払出す薬剤シートの数を乗じた値と略一致している(一致又は誤差の範囲内である)場合に、指定数の薬剤が搬送トレイTrに投入されたと判定する。なお、薬剤判定部124は、計量した重量が、記憶部15に記憶された、払出対象の薬剤に対応する薬剤シート重量及び端数シートの重量と、記憶部15に記憶された輪ゴム1つ当たりの重量との合計重量と、略一致するか否かを判定してもよい。
第1計数モードの場合、薬剤判定部124は、薬剤授受部32から取出された薬剤シートの数と端数シートの数の適否を、それぞれ計量部382の計量結果及び撮像部371の撮像結果に基づき判定する。そのため、薬剤判定部124は、上記適否を精度よく判定できる。但し、第1計数モードの場合、薬剤シートと端数シートとを輪ゴムで纏めて搬送トレイTrに投入する前に薬剤判定部124による判定結果が出力される。そのため、上記数が適切であるとの判定結果を確認した後、薬剤シートと端数シートとを輪ゴムで纏めて搬送トレイTrに投入するという作業を失念せずに行うことは、作業者に委ねられる。
第2計数モードの場合、薬剤判定部124は、作業者が薬剤シートと端数シートとを輪ゴムで纏めて搬送トレイTrに投入後に、指定数の薬剤が搬送トレイTrに投入されたか否かを判定する。そのため、作業者が、薬剤シートと端数シートとを輪ゴムで纏めて搬送トレイTrに投入するという作業を失念する可能性を低減できる。但し、計量部382での計量は、薬剤シートと端数シートとを輪ゴムで纏めた状態で行われる。そのため、第1計数モードの場合(計量部382の計量前に薬剤シートのみが搬送トレイTrに投入される場合)に比べ、計量に基づく計数精度が低下する可能性がある。
第1計数モード及び第2計数モードは、ドラッグステーション1の搬入先となる病院等において適宜選択されればよい。搬入先において、薬剤シートと端数シートとを輪ゴムで纏めて搬送トレイTrに投入する作業の確実性と、計量部382の計量に基づく計数精度の確実性と、の何れを重視するかによって、第1計数モード及び第2計数モードの何れを設定するかが決定されてもよい。
なお、第1計数モードの場合、計量部382が、トレイ載置台38に投入後の、輪ゴムで纏められた薬剤シート及び端数シートの重量を計測し、薬剤判定部124は、その計測結果に基づき、指定数の薬剤が搬送トレイTrに投入されたか否かを判定してもよい。
タッチパネル制御部14は、第1タッチパネル5及び第2タッチパネル31の表示を制御する。
例えば、タッチパネル制御部14は、第2タッチパネル31に、作業者が取出す薬剤の数を表示する。タッチパネル制御部14は、薬剤シートではない薬剤については、作業者が取出す薬剤の数として、指定数を表示する。タッチパネル制御部14は、薬剤シートについては、作業者が取出す薬剤の数として、薬剤シート(フルシート)の数と、端数シートとして払出す薬剤の数とを表示する。また、タッチパネル制御部14は、薬剤シートの数と端数シートとして払出す薬剤の数との合計数(すなわち指定数)を表示してもよい。このような表示により、作業者は、指定数の薬剤を、薬剤載置台37及び/又はトレイ載置台38に載置できる。例えば、作業者は、所定数の薬剤シートをトレイ載置台38に載置された搬送トレイTrに投入し、所定数の薬剤を含む端数シートを薬剤載置台37に載置できる。
ここで、制御装置10は、記憶部15に薬種毎に記憶された、薬剤が薬剤シートに含まれているか否かを示す情報に基づき、払出対象の薬剤が薬剤シートに含まれる薬剤であるか、又は薬剤シートではない薬剤であるかについて判定している。
制御装置10は、払出対象の薬剤が薬剤シートに含まれる薬剤である場合、指定数と、例えば記憶部15に薬種毎に記憶された端数シートサイズ又はシート薬剤数とに基づき、払出す薬剤シート及び端数シートの数を算出する。例えば、1つの薬剤シートに規定された薬剤の数が10個であり、指定数が32個である場合、制御装置10は、払出す薬剤シートが3つであり、端数シートとして払出す薬剤の数が2つであると算出する。タッチパネル制御部14は、この算出結果を第2タッチパネル31に表示する。その後、薬剤判定部124は、作業者により薬剤載置台37に載置された薬剤の数と、作業者によりトレイ載置台38に載置された搬送トレイTrに投入された薬剤の数との合計が、指定数に一致するか否かを判定する。
薬剤判定部124は、一致すると判定した場合、払出対象の薬剤がカセットCaから適切に取出されたと判定する。この場合、タッチパネル制御部14は、第2タッチパネル31を介して、適切に取出された旨の表示を行う。作業者は、この表示を視認した後、トレイ閉ボタン39を押下してシャッター322を閉じる。これにより、制御装置10は、次の払出対象の薬剤を収容するカセットCaを薬剤授受部32に搬送する。一方、薬剤判定部124が一致しないと判定した場合、払出対象の薬剤がカセットCaから適切に取出されていないと判定する。この場合、タッチパネル制御部14は、第2タッチパネル31を介して、適切に取出されていない旨のエラー表示を行う。なお、これらの制御は、払出対象の薬剤が薬剤シートではない薬剤である場合についても同様である。
ここで、ドラッグステーション1の起動中、撮像部371が、薬剤載置台37に端数シートが載置されているかどうかに依らず、薬剤載置台37を撮像し続ける場合を考える。この場合、撮像部371は、端数シートが薬剤載置台37に載置されるたびに、端数シートを撮像し、薬剤判定部124は、撮像した画像に基づき、端数シートに含まれる薬剤の数を計数する。端数シートとして払出すべき数量未満の薬剤を含む端数シートが薬剤載置台37に載置された場合、薬剤判定部124は、計数した薬剤の数が、当該払出すべき数量と不一致であると判定する。しかし、タッチパネル制御部14は、この判定結果を第2タッチパネル31に表示しない。すなわちこの場合、作業者に対して、上記払出すべき数量分の薬剤が適切に取出されていない旨の通知(エラー表示)は行われない。一方、上記払出すべき数量分の薬剤を含む端数シートが薬剤載置台37に載置された場合、薬剤判定部124は、計数した薬剤の数が上記払出すべき数量分の薬剤と一致すると判定し、タッチパネル制御部14は、この判定結果を第2タッチパネル31に表示する。すなわちこの場合、作業者に対して、上記払出すべき数量分の薬剤が適切に取出されている旨の通知が行われる。そして、制御装置10は、上記判定結果の表示後、自動的に次の処理(工程)に移行する。また、薬剤判定部124は、上記払出すべき数量分を超えた薬剤を含む端数シートが薬剤載置台37に載置された場合には、薬剤判定部124は、計数した薬剤の数が上記払出すべき数量分の薬剤と不一致であると判定し、タッチパネル制御部14は、この判定結果を第2タッチパネル31に表示する。すなわちこの場合、作業者に対して、上記払出すべき数量分の薬剤が適切に取出されていない旨の通知(エラー表示)が行われる。
また、制御装置10は、ユーザの入力操作により、1つの薬剤のみを含む端数シートが薬剤載置台37に載置されることを許容する許容モードと、許容しない非許容モードとを設定できてよい。この場合、制御装置10は、許容モードと非許容モードとによって、薬剤の数の計数方法を変更してもよい。
記憶部15は、制御装置10が必要とする種々のデータを記憶している。記憶部15には、例えば、上述した端数シートサイズ又はシート薬剤数を薬種毎に規定した基準データ、薬剤1つ当たりの重量を示すデータ、及び、薬剤シートの1枚当たりの重量を示すデータを、薬種毎に記憶している。また、記憶部15には、輪ゴム1つ当たりの重量を示すデータを記憶している。薬剤が薬剤シートに含まれている場合には、薬剤1つ当たりの重量として、1つの薬剤を含む端数シートの重量を示すデータが薬種毎に記憶されていてよい。また、記憶部15には、例えば、薬種毎に規定された、薬剤が薬剤シートに含まれているか否かを示す情報が記憶されている。その他、記憶部15は、例えば、
(1)カセット識別情報と、カセット棚21におけるカセットCaの保管位置とを対応付けたデータ、
(2)カセットCaのカセット識別情報(又はカセットCaにおける収容位置を示す収容位置情報)と、薬剤識別情報とを対応付けたデータ、
(3)各カセットCaの種類を示す種類情報、
を記憶している。
なお、種類情報としては、例えば、大型カセットCa1、中型カセットCa2又は小型カセットCa3を示す情報が挙げられる。また、収容位置情報は、例えば、カセットCaの一方の端部からの収容位置(例:当該端部からの距離)を規定するものである。
また、記憶部15には、撮像部371が撮像した画像が蓄積される。これにより、ピッキング作業に対するエビデンスを残すことができる。
(ドラッグステーション1の動作例)
以下、本実施形態に係るドラッグステーション1の動作例について説明する。
(薬剤払出時の動作)
まず、ドラッグステーション1に払出データが読み込まれると、本体ユニット2の本体カセット移送部22は、本体ユニット2に保管されたカセットCaの中から、処方対象(払出対象、取出対象)となる薬剤を収容しているカセットCaを把持し、カセット保持部23に載置する。
カセット保持部23に載置されたカセットCaは、ピッキングカセット移送部35によって、薬剤授受部32へ移送される。作業者は、第2タッチパネル31を確認することで、薬剤授受部32でカセットCaから指定数の薬剤を取出す。作業者は、取出した薬剤を、薬剤載置台37、及び/又はトレイ載置台38に載置された搬送トレイに投入する。その後、制御装置10は、撮像部371の撮像結果に加え、計量部382による薬剤の計量結果に基づき、指定数の薬剤が薬剤載置台37又は搬送トレイTrに投入されたか否かの判定を行う。
なお、払出対象の薬剤が薬剤シートの場合、輪ゴムで所定形状に纏めてトレイ載置台38に載置された搬送トレイに投入する。所定形状は、例えば以下のような形状を指す。
(1)薬剤シートが1枚又は複数枚の場合には、所定形状は、当該薬剤シートの平面形状を指す。
(2)端数シートのみである場合には、所定形状は、端数シートの平面形状を指す。
(3)1枚又は複数枚の薬剤シートと端数シートとを纏める場合には、所定形状は、1枚又は複数枚の薬剤シートの上に、1枚又は複数枚の端数シートを載置したときの平面形状を指す。例えば1枚の薬剤シートが10錠で構成されている薬剤22錠分を払出す場合、所定形状は、薬剤シートを2枚重ね、2錠分の端数シートをその上に置いた形状となる。
1つの搬送トレイに収容すべき薬剤の全てが収容されると、ユーザは、搬送トレイTrを鑑査ユニットに運搬し、鑑査ユニットにて最終鑑査を行う。1つの搬送トレイTrに収容すべき薬剤の数は、例えば、払出データにおいて規定されていてよいし、服用量及び服用方法等に基づき、制御装置10が決定してもよい。当該薬剤の数は、例えば、患者に処方された薬剤の数(すなわち、患者単位の薬剤の数)として規定されていてよい。
(薬剤充填時の動作)
まず、ユーザは、バーコードリーダ34を用いて、本体ユニット2に充填する薬剤の薬剤識別情報を、ドラッグステーション1に入力する。この薬剤識別情報の入力を受付けると、本体ユニット2では、本体カセット移送部22は、薬剤識別情報に基づいて、充填対象であるカセットCaをカセット保持部23に移送する。
ピッキングユニット3では、ピッキングカセット移送部35は、カセット保持部23に載置されたカセットCaを薬剤授受部32へ移送する。ユーザは、薬剤授受部32に移送されたカセットCaに薬剤を投入する。カセットCaへの薬剤の投入が完了すると(例えば、第2タッチパネル31で完了操作を受け付けると)、ピッキングカセット移送部35は、カセット保持部23にカセットCaを移送する。その後、本体ユニット2では、本体カセット移送部22は、カセット保持部23に載置されたカセットCaを、カセット棚21へと返却する。
<本体ユニットの構造>
次に、図6~図10を用いて、本体ユニット2の具体的構造について説明する。図6の符号6001は本体ユニット2の一例を示す斜視図であり、符号6002は本体カセット移送部22の概略的な構成の一例を示す図である。図7は、カセットCaの保管例を示す図である。
(カセット棚及びカセット移送部)
図6の符号6001及び符号6002に示すように、カセット棚21は、鉛直面に沿って行列状にカセットCaを保管できる。本実施形態では、図7に示すように、カセット棚21は、カセットCaが載置される複数のカセット載置板211と、各カセット載置板211を支持する載置板支持部212とを備えている。
本実施形態では、図7に示すように、各カセット載置板211には、同種のカセットCaが載置されている。つまり、各カセット載置板211に同種のカセットCaを載置可能なように、カセット載置板211の幅(X軸方向の長さ)と、大型カセットCa1、中型カセットCa2及び小型カセットCa3の幅とが規定されている。図7の例では各カセット載置板211に同種のカセットCaが載置されているが、これに限らず、異なる種類のカセットCaが載置可能なように、上記2つの幅が規定されていても構わない。
また、符号6001に示すように、カセット棚21として、第1カセット棚21aと第2カセット棚21bとが対面するように設けられている。そして、第1カセット棚21aと第2カセット棚21bとの間に本体カセット移送部22が設けられている。同図では、本体カセット移送部22として、第1本体カセット移送部22a及び第2本体カセット移送部22bが設けられている例を示している。
本体カセット移送部22は、本体カセット移送制御部112の制御を受けて、第1カセット棚21a又は第2カセット棚21bに保管されたカセットCaを引き出した後、カセット保持部23(具体的には、受渡カセット保持部231)に載置する。また、本体カセット移送部22は、カセット保持部23(具体的には、受取カセット保持部232)に載置されたカセットCaを引き出した後、第1カセット棚21a又は第2カセット棚21bに返却する。これにより、鉛直面に沿って行列状にカセットCaを保管するカセット棚21に対して、カセットCaの取出し又は返却を実現できる。なお、本体カセット移送制御部112は、第1本体カセット移送部22a及び第2本体カセット移送部22bをそれぞれ独立に制御する。
また、符号6001及び符号6002に示すように、第1本体カセット移送部22aは、第1カセット把持部221a及び第1カセット移送機構222aを備えている。同様に、第2本体カセット移送部22bは、第2カセット把持部221b及び第2カセット移送機構222bを備えている。
第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bは、本体カセット移送制御部112の制御を受けて、カセット棚21又はカセット保持部23(具体的には、受取カセット保持部232)からカセットCaを引き出して把持する。また、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bは、鉛直及び/又は水平方向に移動することにより、把持したカセットCaをカセット棚21又はカセット保持部23(具体的には、受渡カセット保持部231)まで移送して、カセット棚21又は受渡カセット保持部231に載置する。
図8は、カセット把持部221(第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221b)の構成例を示す斜視図である。また、図9の符号9001~9003は、カセット把持部221の動作例を示す図である。図8に示すように、カセット把持部221は、カセット引出部2211、爪部2212、カセット支持部2213、位置センサ2214、及び回転駆動部2215を備えている。
図8に示すように、カセット引出部2211は、本体カセット移送制御部112の制御を受けて、カセット棚21又はカセット保持部23に載置されたカセットCaをカセット把持部221の内部へと引き込むものである。カセット引出部2211は、カセット把持部221の下方において、カセット把持部221の奥行方向に延伸して設けられたレール(不図示)にスライド可能に支持されていることにより、当該奥行方向に移動する。これにより、カセット棚21又はカセット保持部23からのカセットCaの引出し、及び、カセット棚21又はカセット保持部23へのカセットCaの受渡しを行うことができる。
爪部2212は、カセットCaに設けられた爪受部Ca12に引っ掛けるための部材である。図9の符号9001に示すように、カセット把持部221が移動対象のカセットCaの正面に位置づけられると、本体カセット移送制御部112は、図9の符号9002に示すように、爪部2212が爪受部Ca12の下方に位置するように、カセット引出部2211を移動させる。その後、本体カセット移送制御部112は、カセット把持部221を上昇させる。これにより、爪部2212が爪受部Ca12に一時的に係止される。この状態において、本体カセット移送制御部112は、図9の符号9003に示すように、カセット引出部2211を元の位置へと移動させることにより、カセットCaをカセット把持部221の内部へと引き込む。
なお、把持したカセットCaをカセット棚21又はカセット保持部23に載置する場合は、カセットCaを引き込む場合と逆の動作が行われる。つまり、本体カセット移送制御部112は、符号9003の状態において、カセットCaを載置すべき位置にカセット把持部221を移動させた後、符号9002に示すように、カセット引出部2211をカセット把持部221の前方に移動させる。その後、本体カセット移送制御部112は、カセット把持部221を下降させることで、爪部2212と爪受部Ca12との一時的な係止が解除される。その後、本体カセット移送制御部112は、符号9001に示すように、カセット引出部2211を元の位置まで移動させる。
図8に戻り、カセット支持部2213は、カセット引出部2211により引き出されたカセットCaを支持するものである。
位置センサ2214は、移動対象のカセットCaの真正面にカセット把持部221が位置していることを検出するものである。位置センサ2214は、例えば、光を発する発光部と、当該光を受光する受光部とを備えている。カセットCaには、上述のように、切欠部Ca13が設けられている。移動対象のカセットCaの真正面にカセット把持部221が位置している状態において、位置センサ2214から出射された光が切欠部Ca13に照射されるように、カセット把持部221の停止位置と、カセットCaの保管位置(載置位置)とが位置決めされている。
従って、カセットCaの真正面にカセット把持部221が位置している場合には、切欠部Ca13に光が照射されるため、受光部で光を受光しない。この場合、位置センサ2214は、カセットCaの真正面にカセット把持部221が位置していることを検出する。一方、カセットCaの真正面からずれた位置にカセット把持部221が位置している場合には、切欠部Ca13には光が照射されず、爪受部Ca12の壁面に光が照射されるため、当該壁面で反射した光を受光部で受光することになる。この場合、位置センサ2214は、カセットCaの真正面にカセット把持部221が位置していることを検出できない。そのため、本体カセット移送制御部112は、位置センサ2214がカセットCaの真正面にカセット把持部221が位置していることを検出するように、カセット把持部221を移動させる。つまり、本体カセット移送制御部112は、位置センサ2214が出射した光が切欠部Ca13に照射され、光を受光しない位置となるように、カセット把持部221の位置を微調整する。これにより、カセット把持部221は、カセットCaを確実に引き出すことができる。
回転駆動部2215は、第1カセット棚21a、第2カセット棚21b又はカセット保持部23へのカセット把持部221(具体的にはカセット引出部2211)の移動が可能なように、鉛直方向を回転軸としてカセット把持部221を回転させるものである。
具体的には、回転駆動部2215は、本体カセット移送制御部112の制御を受けて、カセット把持部221がカセットCaの載置位置に移動する間又は移動した後に、カセット引出部2211が当該載置位置と対向するように、カセット把持部221を回転させる。これにより、当該載置位置からのカセットCaの取出し、又は当該載置位置へのカセットCaの載置が可能となる。
例えば、回転駆動部2215は、カセット引出部2211が、第1カセット棚21a又は第2カセット棚21bにおける取出し対象のカセットCaの保管位置と対向するように、カセット把持部221を回転させた後、当該保管位置からカセットCaを引き出す。これにより、異なる鉛直面に沿って配置された第1カセット棚21a及び第2カセット棚21bの何れからもカセットCaを取出すことが可能となる。
図6の符号6001及び符号6002に戻り、第1カセット移送機構222aは、第1梁部223a及び第1支柱部224aを備えている。同様に、第2カセット移送機構222bは、第2梁部223b及び第2支柱部224bを備えている。
第1梁部223a及び第2梁部223bはそれぞれ、カセット棚21の幅方向(X軸方向)に延伸し、第1支柱部224a及び第2支柱部224bをスライド可能に支持する。第1支柱部224a及び第2支柱部224bはそれぞれ、カセット棚21の高さ方向(Z軸方向)に延伸し、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bをスライド可能に支持する。
また、第1梁部223aと第2梁部223bとは、所定幅離隔して設けられている。この所定幅は、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bがそれぞれカセット棚21の幅方向に沿って移動できる程度の幅に設定されている。また、上記所定幅は、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bがそれぞれ鉛直方向を回転軸として回転しても、第1カセット棚21a及び第2カセット棚21bと衝突しない程度の幅に設定されている。なお、所定幅をできるだけ小さく設定することで、本体ユニット2の小型化を図ることができる。
そして、本体カセット移送制御部112は、第1梁部223aに沿って第1支柱部224aを移動させると共に、第1支柱部224aに沿って第1カセット把持部221aを移動させる(第2カセット移送機構222bについても同様)。そのため、カセット棚21とカセット保持部23との間で所望のカセットCaを移動させることができる。
また、本体カセット移送制御部112は、第1カセット把持部221aと第2カセット把持部221bとが互いに衝突しないように、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bの移動(位置)を制御する。
具体的には、上述のように所定幅離隔して設けられた第1梁部223a及び第2梁部223bのそれぞれに、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bが片持ちの状態で支持されている。そして、第1カセット移送機構222a及び第2カセット移送機構222bは、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bの可動領域(第1梁部223a及び第2梁部223bの間の領域)において干渉しないように制御される。そのため、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bは、カセット棚21(カセットCaの保管位置)とカセット保持部23との間で互いに衝突しないように移動できる。
従って、複数のカセット把持部221により、カセット棚21及びカセット保持部23の間でのカセットCaの移送が可能となるため、カセットCaの移送効率を向上させることが可能となる。
なお、第1カセット棚21a及び第2カセット棚21bは、対面するように設けられている必要は必ずしもなく、カセットCaを保管する鉛直面が互いに異なるように配置されていればよい。このように配置することで、多数のカセットCaの保管場所の省スペース化を図ることが可能となる。但し、第1カセット棚21a及び第2カセット棚21bを対面配置とすることにより、より省スペース化を図りつつ高密度にカセットCaを保管できる。なお、カセット棚21の個数は1個であっても構わない。あるいは3個以上であっても構わない。
また、本体カセット移送部22の個数も2個に限られず、1個であっても、3個以上であっても構わない。但し、第1本体カセット移送部22a及び第2本体カセット移送部22bを設け、第1カセット把持部221a及び第2カセット把持部221bが互いに衝突しないように移動することで、大容量化かつ小型化された本体ユニット2において、カセットCaの移送を効率良く行うことが可能となる。
(カセット保持部)
図6の符号6001に示すように、カセット保持部23として、第1カセット保持部23a、第2カセット保持部23b、第3カセット保持部23c及び第4カセット保持部23dを備えている。本実施形態では、本体ユニット2にピッキングユニット3が2つ設けられている。また、ピッキングユニット3には、それぞれ2つの薬剤授受部32(計4つ)が設けられている。第1カセット保持部23a、第2カセット保持部23b、第3カセット保持部23c及び第4カセット保持部23dは、4つの薬剤授受部32のそれぞれと対応するように設けられている。このように、1つの薬剤授受部32に対して1つのカセット保持部23が設けられていればよい。
また、図10に示すように、カセット保持部23は、薬剤授受部32との間でのカセットCaの移送が可能となるように、ピッキングユニット3が備えるピッキングカセット移送部35と対応するように設けられる。具体的には、第1カセット保持部23a、第2カセット保持部23b、第3カセット保持部23c及び第4カセット保持部23dのそれぞれに対して、ピッキングカセット移送部35が設けられている。図10は、本体ユニット2及びピッキングユニット3の概略的な構成を示す断面図である。
また、図10に示すように、第1カセット保持部23a、第2カセット保持部23b、第3カセット保持部23c及び第4カセット保持部23dのそれぞれは、受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232を備えている。図10の例では、1つの薬剤授受部32と対応して設けられた1つのカセット保持部23において、鉛直方向に沿って、2つの受渡カセット保持部231と2つの受取カセット保持部232とが交互になるように設けられている。なお、1つのカセット保持部23において、受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232はそれぞれ3つ以上設けられていても構わない。
このように、受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232は、1つの薬剤授受部32に対して、それぞれ複数個設けられていてよい。受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232をそれぞれ複数設けた場合、薬剤授受部32に移送するカセットCaを、薬剤授受部32の近くにおいてより多く保持しておくことが可能となる。そのため、薬剤授受部32への効率の良いカセットCaの移送が実現可能となる。但し、受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232は、1つの薬剤授受部32に対して、それぞれ1つずつ設けられる構成であっても構わない。
なお、本明細書では、カセット保持部23は、本体ユニット2が備えているものとして説明しているが、ピッキングユニット3が備えていても構わない。ピッキングユニット3に設けられている場合、図6の符号6001に示す本体ユニット2のカセット保持部23が設けられる箇所が、ピッキングユニット3に設けられたカセット保持部23が挿入される挿入部として機能する。つまり、カセット棚21、本体カセット移送部22、及びカセット保持部23によって、上述のカセット取扱装置の基本構成が実現されていればよい。
<ピッキングユニットの構造>
次に、図11~図15を用いて、ピッキングユニット3の具体的構造について説明する。図11は、ピッキングユニット3の一例を示す斜視図である。なお、図11では、ピッキングユニット3のうち、薬剤授受部32が設けられた部分のみを例示している。
図11に示すように、薬剤授受部32の下方に、ピッキングカセット移送部35が設けられている。具体的には、1つの薬剤授受部32(1つの開口部321と、当該開口部321に対応して設けられたシャッター322(図2参照))に対して、1つのピッキングカセット移送部35が設けられている。
本実施形態では、ピッキングユニット3には、薬剤授受部32として、第1薬剤授受部32a及び第2薬剤授受部32bが設けられている。第1薬剤授受部32aの下方には、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bを備えるピッキングカセット移送部35が設けられている。第2薬剤授受部32bの下方には、第1ピッキングカセット移送部35aを備えるピッキングカセット移送部35が設けられている。
本実施形態では、例えば払出データに基づく薬剤の払出しを行う場合、ピッキングユニット3においては、第1薬剤授受部32a、及び、第1薬剤授受部32aの下方に設けられたピッキングカセット移送部35が用いられる。すなわち、本実施形態では、第1薬剤授受部32aは、払出データに基づく払出対象の薬剤が収容されるカセットCaが移送される薬剤授受部である。なお、本体ユニット2においては、当該ピッキングカセット移送部35に対応して設けられた第1カセット保持部23aが用いられる。
上述のように、このピッキングカセット移送部35には、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bが設けられている。また、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bは、第1カセット把持部351及び第2カセット把持部355(図12参照)が互いに衝突しないで移動するように、ピッキングカセット移送制御部121によりそれぞれ独立に制御される。そのため、ピッキングカセット移送部35が1つのピッキングカセット移送部で構成される場合に比べ、払出データに基づく薬剤の払出しを効率良く行うことが可能となる。
一方、第2薬剤授受部32b、第2薬剤授受部32bの下方に設けられたピッキングカセット移送部35、及び、第2カセット保持部23bは、払出データに含まれない薬剤の払出しを行う場合に用いられる。つまり、第2薬剤授受部32b側は、個別の薬剤の払出しを行う場合(例えば、払出データに対する割込み処理を行う場合)に用いられるため、第1ピッキングカセット移送部35aのみを備えていればよい。すなわち、第2薬剤授受部32bは、第1薬剤授受部32aに移送されるカセットCa以外のカセットCaが移送される薬剤授受部である。
但し、払出データに基づく薬剤の払出しを行う場合に、第2薬剤授受部32b側を用いても構わないし、個別の薬剤の払出しを行う場合に、第1薬剤授受部32a側を用いても構わない。また、第2薬剤授受部32b側に、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bが設けられても構わないし、第1薬剤授受部32a側が、第1ピッキングカセット移送部35aのみを備える構成であっても構わない。1つの薬剤授受部32に対して複数のピッキングカセット移送部を設けた場合、薬剤の払出しを効率良く行うことが可能となる。
また、充填作業が行われる場合、第1薬剤授受部32a側が用いられても、第2薬剤授受部32b側が用いられても構わない。
また、ピッキングユニット3に薬剤授受部32を複数設けている必要は必ずしもなく、ピッキングユニット3に1つの薬剤授受部32が設けられていても構わない。さらに、本体ユニット2に対して1つのピッキングユニット3が設けられてもよい。この場合、1つのピッキングユニット3に対応するカセット保持部23だけが本体ユニット2に設けられても構わない。
(ピッキングカセット移送部の構造)
ピッキングカセット移送部35の具体的な構造について、図12を用いて説明する。図12は、ピッキングカセット移送部35の一例を示す図である。図12の符号12001は、本体ユニット2側から見たときのピッキングカセット移送部35の一例を示す斜視図である。図12の符号12002は、ピッキングカセット移送部35を構成する第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bの一例を示す斜視図である。図12の符号12003は、作業台40側から見たときの第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bの一例を示す平面図である。図12の符号12004は、本体ユニット2側から見たときの第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bの一例を示す図である。なお、図12では、説明の便宜上、第1薬剤授受部32aに対応するピッキングカセット移送部35のみを示している。また、図12の符号12001では、ピッキングユニット3のうち、薬剤授受部32が設けられた部分のみを例示している。
符号12001及び符号12002に示すように、第1薬剤授受部32aに対応するピッキングカセット移送部35は、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bを備えている。
第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bはそれぞれ、受渡カセット保持部231に載置されたカセットCaを受け取り、第1薬剤授受部32a側へと移送する移送機構である。また、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bはそれぞれ、第1薬剤授受部32a側に存在するカセットCaを受取カセット保持部232へと移送する移送機構である。
符号12002に示すように、第1ピッキングカセット移送部35aは、第1カセット把持部351、及び第1カセット移送機構352を備えている。
第1カセット把持部351は、カセットCaを把持する部材である。本実施形態では、第1カセット把持部351は枠体で構成されており、枠体の短手方向(X軸方向)に延伸する側壁(長手方向の端部)に、カセットCaの爪受部Ca12(図5参照)に引っ掛かる突起部351aが設けられている。枠体は、第1カセット把持部351が鉛直方向に移動したときに、カセットCaの底部及びカセット保持部23(ここでは第1カセット保持部23a)が通過可能であって、突起部351aに引っ掛かる程度の大きさの中空部を有している。カセット保持部23において第1カセット把持部351が鉛直上向きに移動したときに、突起部351aがカセット保持部23に載置された爪受部Ca12に引っ掛かることで、カセットCaが第1カセット把持部351に把持される。
第1カセット移送機構352は、第1カセット把持部351を移動させるものである。第1カセット移送機構352は、第1梁部353及び第1支柱部354を備えている。第1梁部353は、ピッキングユニット3の奥行方向(Y軸方向)に延伸し、第1カセット把持部351をスライド可能に支持する。また、第1支柱部354は、ピッキングユニット3の高さ方向(Z軸方向)に延伸し、第1梁部353をスライド可能に支持する。ピッキングカセット移送制御部121は、第1支柱部354に沿って第1梁部353を移動させると共に、第1梁部353に沿って第1カセット把持部351を移動させる。これにより、カセット保持部23と薬剤授受部32との間で所望のカセットCaを移動させることができる。
また、符号12002に示すように、第2ピッキングカセット移送部35bは、第2カセット把持部355、及び第2カセット移送機構356を備えている。第2カセット把持部355の短手方向に延伸する側壁には、第1カセット把持部351と同様、カセットCaの爪受部Ca12に引っ掛かる突起部が設けられている。また、第2カセット移送機構356は、第2梁部357及び第2支柱部358を備えている。第2カセット把持部355及び第2カセット移送機構356の構造及び機能はそれぞれ、第1カセット把持部351及び第1カセット移送機構352と同様である。
また、符号12003及び符号12004に示すように、第1梁部353と第2梁部357とは、第1カセット把持部351及び第2カセット把持部355がピッキングユニット3の奥行方向に沿って移動できる程度に離隔して設けられている。
また、ピッキングカセット移送制御部121は、第1カセット把持部351と第2カセット把持部355とが互いに衝突しないように、第1カセット把持部351及び第2カセット把持部355の移動(位置)を制御する。
具体的には、上述のように離隔して設けられた第1梁部353及び第2梁部357のそれぞれに、第1カセット把持部351及び第2カセット把持部355が片持ちの状態で支持されている。そして、第1カセット移送機構352及び第2カセット移送機構356は、第1カセット移送機構352及び第2カセット移送機構356の可動領域(第1梁部353及び第2梁部357の間の領域)において干渉しないように制御される。そのため、第1カセット把持部351及び第2カセット把持部355は、カセット保持部23と薬剤授受部32との間で互いに衝突しないように移動できる。
従って、複数のカセット把持部によりカセット保持部23及び薬剤授受部32の間でのカセットCaの移送が可能となる。そのため、カセットCaの移送効率を向上させることが可能となる。
次に、第1ピッキングカセット移送部35aによるカセットCaの把持動作について、図13を用いて説明する。図13の符号13001~符号13005は、第1ピッキングカセット移送部35aによるカセットCaの把持動作を示す図である。
まず、カセットCaが受渡カセット保持部231に載置されている状態において、第1梁部353は、当該受渡カセット保持部231の直下に第1カセット把持部351を移動させることができるように、第1支柱部354に沿って鉛直方向に移動する。その後、図13の符号13001に示すように、第1カセット把持部351は、受渡カセット保持部231へと水平方向に移動し、図13の符号13002に示すように、受渡カセット保持部231の直下の位置において停止する。
次に、図13の符号13003に示すように、第1梁部353が、第1支柱部354に沿って鉛直上向きに移動していくことで、第1カセット把持部351の中空部を受渡カセット保持部231が通過した後、第1カセット把持部351の突起部351aが、カセットCaの爪受部Ca12に引っ掛かり一時的に係止する。これにより、第1カセット把持部351はカセットCaを把持できる。
なお、本基本構成では、第1カセット把持部351には、第1カセット把持部351がカセットCaに対向して位置するときに2つの爪受部Ca12と対向する2つの突起部351aが設けられている。しかし、第1カセット把持部351は、突起部351aが1つだけ設けられた構成であってもよい。この場合であっても、何れか一方の爪受部Ca12を一時的に係止することにより、第1カセット把持部351はカセットCaを把持できる。すなわち、第1カセット把持部351は、カセットCaの対向する2つの部分(両側)を把持する構成であってもよいし、カセットCaの片側を把持する構成であってもよい。第2カセット把持部355についても同様である。
次に、第1カセット把持部351は、カセットCaを把持した状態で、開口部321の下方に位置するように、第1梁部353に沿って移動する。この移動と共に、第1梁部353は、第1カセット把持部351が開口部321の直下に位置するように、第1支柱部354に沿って鉛直上向きに移動する。これにより、図13の符号13004に示すように、第1カセット把持部351は、開口部321の直下にカセットCaを移送できる。そして、作業者は、第1カセット把持部351が把持するカセットCaからの薬剤の取出し、又は当該カセットCaへの薬剤の充填を行うことが可能となる。
なお、開口部321の直下の位置(つまり、作業者がカセットCaからの薬剤の取出し、又は当該カセットCaへの薬剤の充填を行うことが可能な位置)を、薬剤授受位置P1と称する。
薬剤授受位置P1での作業者による作業が完了した後、第1梁部353は、受取カセット保持部232の直上に第1カセット把持部351を移動させることができるように、第1支柱部354に沿って鉛直下向きに移動する。また、第1カセット把持部351は、受取カセット保持部232へ向けて、第1梁部353に沿って移動する。その後、図13の符号13003での動作と逆の動作が行われる。つまり、第1梁部353が、第1支柱部354に沿って鉛直下向きに移動していくことで、受取カセット保持部232にカセットCaが載置される。またこのとき、突起部351aが爪受部Ca12から離れ、一時的な係止状態が解除される。その後、第1カセット把持部351の中空部を受取カセット保持部232が通過することで、第1カセット把持部351は、受渡カセット保持部231へと移動することが可能となる。
一方、第2ピッキングカセット移送部35bについても、第1ピッキングカセット移送部35aと同様に移動することが可能である。例えば、第2ピッキングカセット移送部35bは、第1カセット把持部351が把持したカセットCaの次に取出し又は充填対象となる薬剤を収容したカセットCaを把持し、当該カセットCaを薬剤授受位置P1に移送する。
但し、図13の符号13005に示すように、第1カセット把持部351が薬剤授受位置P1に位置しているときには、第2カセット把持部355は、薬剤授受部32の近傍(具体的には薬剤授受位置P1の近傍)に設けられた待機位置P2に移動する。その後、第1カセット把持部351が受取カセット保持部232へ向けて移動した後、第2カセット把持部355は、薬剤授受位置P1まで移動する。第1カセット把持部351は、受取カセット保持部232にカセットCaを返却した後、受渡カセット保持部231に載置された新たなカセットCaを把持し、待機位置P2へと移動する。この動作が繰り返し行われる。
図13の符号13005に示すように、本実施形態では、待機位置P2は、薬剤授受位置P1よりも下方であって、ピッキングユニット3の奥行方向において、薬剤授受位置P1よりも本体ユニット2から離れた位置に設けられている。これにより、薬剤授受位置P1に位置するカセット把持部が受取カセット保持部232に向けて移動するときに、待機位置P2に位置するカセット把持部と衝突しないようにすることができる。
(ピッキングカセット移送部の動作例)
次に、ピッキングカセット移送部35の動作例について、図14を用いて説明する。図14の符号14001~符号14008は、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bの動作例を示す図である。図14に示す網掛けの矢印は第1カセット把持部351の移動方向、黒塗りの矢印は第2カセット把持部355の移動方向、白抜きの矢印は本体カセット移送部22によるカセットCaの移動方向を示している。またここでは、第1カセット把持部351がカセットCaを把持して薬剤授受位置P1に位置しており、第2カセット把持部355がカセットCaを把持して待機位置P2に位置している状態からの動作例について説明する。
本実施形態では、第1ピッキングカセット移送部35a(第1カセット把持部351及び第1カセット移送機構352)は、符号14003~符号14006に示すように、上段の受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232にアクセス可能となっている。また、第2ピッキングカセット移送部35b(第2カセット把持部355及び第2カセット移送機構356)は、符号14003及び符号14006~符号14008に示すように、下段の受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232にアクセス可能となっている。図14では、上段の受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232をそれぞれ、受渡カセット保持部231a及び受取カセット保持部232aとしている。同様に、下段の受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232をそれぞれ、受渡カセット保持部231b及び受取カセット保持部232bとしている。
なお、カセット保持部23における受渡カセット保持部231及び受取カセット保持部232の配置位置は自由に設定されてよい。換言すれば、カセット保持部23のどの位置を、受渡カセット保持部231又は受取カセット保持部232として機能させるかについては、自由に設定されてよい。また、この設定は、本体ユニット2を含むドラッグステーション1の動作状況(例:薬剤の払出状況)に応じて、制御装置10によって随時切替えられても構わない。
つまり、カセット保持部23を構成するカセットCaの載置台は、制御装置10の制御を受けて、上記動作状況に応じて、受渡カセット保持部231として機能するか、又は受取カセット保持部232として機能するかが切替えられてよい。この場合、上記動作状況に応じて、上記載置台を受渡カセット保持部231又は受取カセット保持部232として機能させることができる。そのため、カセット保持部23は、上記動作状況に応じて効率良くカセットCaを保持することが可能となる。なお、上記載置台は、上記動作状況を考慮せずに(例えば入力操作に基づき)、受渡カセット保持部231として機能するか、又は受取カセット保持部232として機能するかが切替えられても構わない。
また、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bのカセット保持部23に対するアクセス位置についても、自由に設定されてよい。この設定についても、上記動作状況に応じて、制御装置10によって随時切替えられても構わない。
まず、符号14001に示すように、上述のように、第1ピッキングカセット移送部35aの第1カセット移送機構352は、カセットCaを把持した第1カセット把持部351を薬剤授受位置P1に移送している。この状態においてシャッター322が開くことで、第1カセット把持部351が把持したカセットCaに対するピッキング作業が行われる。また、第2ピッキングカセット移送部35bの第2カセット移送機構356は、カセットCaを把持した第2カセット把持部355を待機位置P2に移送している。つまり、第2カセット把持部355は、カセットCaを把持した状態で、待機位置P2で待機している。
また、上記ピッキング作業が行われている間に、符号14002に示すように、本体カセット移送部22は、受渡カセット保持部231aに新たなカセットCaを載置する。
第1カセット把持部351が把持するカセットCaに対するピッキング作業が終了し、例えばトレイ閉ボタン39が押下されると、シャッター322が閉鎖する。シャッター322が閉鎖すると、符号14003に示すように、第1カセット移送機構352は、第1カセット把持部351を受取カセット保持部232aへ移動させた後、第1カセット把持部351が把持していたカセットCaを受取カセット保持部232aに載置する。また、第1カセット把持部351が移動することで薬剤授受位置P1が空いた後、第2カセット移送機構356は、第2カセット把持部355を薬剤授受位置P1へ移動させる。この状態において、シャッター322が開くことで、第2カセット把持部355が把持したカセットCaに対するピッキング作業が行われる。
次に、符号14004に示すように、本体カセット移送部22は、第1カセット移送機構352により受取カセット保持部232aに載置されたカセットCaを、カセット棚21における当該カセットCaの保管位置に返却する。また、第1カセット移送機構352は、第1カセット把持部351を、受取カセット保持部232aから受渡カセット保持部231aへ移動させる。その後、第1カセット移送機構352は、受渡カセット保持部231aに載置されたカセットCaを、第1カセット把持部351に把持させる。
次に、符号14005に示すように、第1カセット移送機構352は、カセットCaを把持した第1カセット把持部351を、待機位置P2へ移動させ、第2カセット把持部355が把持したカセットCaに対するピッキング作業が完了するまで待機する。また、第2カセット把持部355が把持したカセットCaに対するピッキング作業が行われている間に、本体カセット移送部22は、受渡カセット保持部231bに新たなカセットCaを載置する。
第2カセット把持部355が把持するカセットCaに対するピッキング作業が終了し、例えばトレイ閉ボタン39が押下されると、シャッター322が閉鎖する。シャッター322が閉鎖すると、符号14006に示すように、第2カセット移送機構356は、第2カセット把持部355を受取カセット保持部232bへ移動させた後、第2カセット把持部355が把持していたカセットCaを受取カセット保持部232bに載置する。また、第2カセット把持部355が移動することで薬剤授受位置P1が空いた後、第1カセット移送機構352は、第1カセット把持部351を薬剤授受位置P1へ移動させる。この状態において、シャッター322が開くことで、第1カセット把持部351が把持したカセットCaに対するピッキング作業可能な状態になる。
次に、符号14007に示すように、本体カセット移送部22は、第2カセット移送機構356により受取カセット保持部232bに載置されたカセットCaを、カセット棚21における当該カセットCaの保管位置に返却する。また、第2カセット移送機構356は、第2カセット把持部355を、受取カセット保持部232bから受渡カセット保持部231bへ移動させる。その後、第2カセット移送機構356は、受渡カセット保持部231bに載置されたカセットCaを、第2カセット把持部355に把持させる。
次に、符号14008に示すように、第2カセット移送機構356は、カセットCaを把持した第2カセット把持部355を、待機位置P2へ移動させ、第1カセット把持部351が把持したカセットCaに対するピッキング作業が完了するまで待機する。
払出データに基づくカセットCaの移送処理が行われている場合、払出データに含まれる全ての薬剤に対するピッキング作業が終了するまで、上述した動作が繰り返し行われる。また、薬剤を順次充填する場合についても、全ての薬剤の充填作業が終了するまで、上述した動作が繰り返し行われてよい。
なお、符号14005及び符号14006において、第2カセット把持部355が薬剤授受位置P1に存在しない場合には、第1カセット移送機構352は、第1カセット把持部351を直接、薬剤授受位置P1へと移送して構わない。同様に、符号14008において、第1カセット把持部351が薬剤授受位置P1に存在しない場合には、第2カセット移送機構356は、第2カセット把持部355を直接、薬剤授受位置P1へと移送して構わない。
このように、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bは、薬剤シートの取出し又は充填対象となるカセットCaを薬剤授受位置P1に移送する。また、第1ピッキングカセット移送部35a及び第2ピッキングカセット移送部35bは、薬剤授受位置P1にカセットCaが位置している場合には、当該カセットCaの次に薬剤の取出し又は充填対象となるカセットCaを、待機位置P2に移送して待機させる。
具体的には、第1カセット把持部351及び第2カセット把持部355は、カセット保持部23から引き出したカセットCaを把持して、カセット保持部23、薬剤授受位置P1及び待機位置P2の間で移送させる。また、第1カセット把持部351及び第2カセット把持部355は、互いに衝突しないように移動する。
これにより、薬剤授受位置P1においてカセットCaに対する作業を行うことが可能になると共に、待機位置P2にて、当該カセットCaの次の作業対象であるカセットCaを、薬剤授受位置P1の近傍に待機させることができる。そのため、薬剤授受位置P1においてカセットCaに対する作業が終了した後、続けて、待機位置P2に待機させていたカセットCaを薬剤授受位置P1へと移動させることができる。そのため、複数のカセットCaに対する作業をユーザに効率良く行わせることが可能となる。
従って、ピッキングユニット3は、ユーザによる薬剤シートの取出し又は充填が行われるカセットCaを、効率良くユーザに提供できる。
(第1シャッターの動作例)
次に、第1シャッター322aの動作例について、図15を用いて説明する。図15の符号15001~符号15003は、第1シャッター322aの動作例を示す図である。
上述したように、第1シャッター322aは、シャッター制御部122の制御を受けて、開閉動作を行う。具体的には、符号15001に示すように、シャッター制御部122は、薬剤授受部32(具体的には、薬剤授受位置P1)にカセットCaが位置していない場合には、第1シャッター322aを閉鎖している。符号15002及び符号15003に示すように、シャッター制御部122は、ピッキングカセット移送部35がカセットCaを薬剤授受位置P1で停止させた後、第1シャッター322aを開く。また、シャッター制御部122は、第2シャッター322bについても、第1シャッター322aと同様に開閉制御を行う。これにより、作業者は、カセットCaに対する薬剤のピッキング又は充填作業を行うことが可能となる。
ピッキングカセット移送制御部121及びシャッター制御部122は、カセットCaの種類、及び、カセットCaのどの収容位置にどの種類の薬剤が収容対象となっているかを特定している。従って、ピッキングカセット移送制御部121及びシャッター制御部122は、仕切部が無いカセットCaの場合には、1種類の薬剤のみが収容対象となっていることを特定できる。そのため、ピッキングカセット移送制御部121が、カセットCaの中央が開口部321の中央付近となるようにカセットCaを移送した後、符号15002に示すように、シャッター制御部122は第1シャッター322aを全開にする。このとき、シャッター制御部122は、カセットCaの幅に応じて第2シャッター322bを開く。
一方、仕切部があるカセットCaの場合には、ピッキングカセット移送制御部121は、払出又は充填対象の薬剤の収容位置が開口部321の中央付近となるようにカセットCaを移送する。その後、シャッター制御部122は、符号15003に示すように、当該薬剤が収容されている収容領域の幅分、第1シャッター322aを開く。このときも、シャッター制御部122は、カセットCaの幅に応じて第2シャッター322bを開く。
このように、第1シャッター322aの開口幅は、薬剤授受位置P1に移送されたカセットCaの種類に応じて変更される。
また、次の払出し又は充填対象の薬剤が、現在払出し又は充填対象となっている薬剤と同じカセットCaに収容されている場合、カセットCaを変更することなく、カセットCaの位置を変更するだけでよい。この場合、現在払出し又は充填対象となっている薬剤の払出し又は充填が完了した後、シャッター制御部122は第1シャッター322a及び第2シャッター322bを閉鎖する。その後、ピッキングカセット移送制御部121は、次の払出し又は充填対象の薬剤の収容位置が開口部321の中央付近となるように、カセットCaを移動させる。その後、シャッター制御部122は、当該薬剤が収容されている収容領域の幅分、第1シャッター322aを開く。このときも、シャッター制御部122は、カセットCaの幅に応じて第2シャッター322bを開く。
従って、カセットCaに仕切部を設けて1つのカセットCaに複数の収容領域を形成することにより、例えば同時期に払出される可能性が高い薬剤を同じカセットCaに収容しておくことができる。そのため、更に効率良く薬剤シートを払出すことが可能となる。
〔実施形態1〕
本実施形態では、払出制御装置800の処理について説明する。
上述したように、決定部811は、処方データに示された薬剤を、所定の規定に従って、ドラッグステーション1、錠剤分包機300、散薬分包機400、PTP払出装置、及び払出補助装置600のうちの何れの装置を用いて払出すかを決定する。
例えば、決定部811は、処方データに示された薬剤の種類と、記憶部802に記憶した各装置の薬剤データベースに含まれる薬剤の種類とを照合し、処方データに示された薬剤を含む薬剤データベースを有する装置を、当該薬剤を払出す装置として決定してよい。また、決定部811は、処方データに示された薬剤が複数の薬剤データベースに含まれている場合には、予め設定された優先順位に従って、当該薬剤を払出す装置を決定してもよい。決定部811は、処方データに示された薬剤が何れの薬剤データベースも含まれていない場合には、当該薬剤の払出先(取出先)を薬剤棚700とすべく、当該薬剤の払出しに用いる装置として、払出補助装置600に決定してよい。
また、決定部811は、一包化可能な処方薬剤については、錠剤分包機300又は散薬分包機400を、当該薬剤を払出す装置として優先的に決定してもよい。その他、決定部811は、以下に示すような処理を行ってよい。一包化可能な処方薬剤は、ある患者に処方された処方薬剤であって、1日における服用時期(例:朝、昼、夕)が同一である複数の処方薬剤である。
<払出制御装置の処理の一例>
ある患者に処方される複数の処方薬剤であって、錠剤分包機300から分包単位(所定単位)で払出す処方薬剤の一部が、錠剤分包機300に保管されていない薬剤である場合を考える。この場合、決定部811は、当該処方薬剤の一部を払出す装置としてドラッグステーション1に決定してもよい。
上記薬剤は、例えば、錠剤分包機300の手撒きユニット(不図示)にユーザにより投入される手撒き薬剤である。手撒きユニットは、ユーザにより分包単位で薬剤が投入される複数の手撒き収容部(マス)と、各手撒き収容部に収容された薬剤を手撒き収容部毎に払出す手撒き払出部と、を備える。これにより、錠剤分包機300に保管されていない薬剤であっても、錠剤分包機300により、錠剤分包機300に保管された薬剤と一包化して払出すことができる。
図16は、払出制御装置800の処理例を示すフローチャートである。図16に示すように、送受信部812が処方入力装置200から処方データを受信すると(S1)、決定部811は、処方データに示された複数の処方薬剤の中に、一包化可能な処方薬剤が含まれているか否かを判定する(S2)。
決定部811は、一包化可能な処方薬剤が含まれていると判定した場合(S2でYES)、一包化可能な処方薬剤に手撒き薬剤が含まれているか否かを判定する(S3)。決定部811は、記憶部802に記憶した錠剤分包機300の薬剤データベースに、一包化可能な処方薬剤が含まれていない場合に、手撒き薬剤が含まれていると判定する。
決定部811は、一包化可能な処方薬剤に手撒き薬剤が含まれていると判定した場合(S3でYES)、手撒き薬剤を払出す装置をドラッグステーション1に決定する(S4)。決定部811は、記憶部802に記憶したドラッグステーション1の薬剤データベースに、払出対象の手撒き薬剤が含まれる場合に、手撒き薬剤を払出す装置をドラッグステーション1に決定する。
一包化可能な処方薬剤のうち、手撒き薬剤以外の処方薬剤は、薬剤データベースに含まれる薬剤であるため、錠剤分包機300に保管されている薬剤である。そのため、決定部811は、手撒き薬剤以外の処方薬剤を払出す装置を錠剤分包機300に決定する(S4)。
送受信部812は、手撒き薬剤に関する情報を含む払出データと共に、手撒き薬剤の払出指示をドラッグステーション1に送信する。また、送受信部812は、手撒き薬剤以外の処方薬剤に関する情報を含む払出データと共に、当該処方薬剤の払出指示を錠剤分包機300に送信する(S5)。
ドラッグステーション1の制御装置10は、手撒き薬剤の払出指示を受信すると、払出データに含まれる手撒き薬剤に関する情報に基づき、手撒き薬剤を払出す。ユーザは、ドラッグステーション1から払出された手撒き薬剤を、錠剤分包機300の手撒きユニットに投入する。これにより、錠剤分包機300は、払出指示があった手撒き薬剤以外の処方薬剤と共に、手撒き薬剤を一包化(分包)できる。
決定部811は、処方データに示された複数の処方薬剤の中に、一包化可能な処方薬剤が含まれていない場合(S2でNO)、又は、一包化可能な処方薬剤に手撒き薬剤が含まれていない場合、所定の規定に従って、処方薬剤を払出す装置を決定する(S6)。決定部811は、例えば上述したように、処方薬剤が含まれる薬剤データベースを有する装置を、当該処方薬剤を払出す装置に決定する。また、決定部811は、記憶部802に記憶したドラッグステーション1の薬剤データベースに、払出対象の手撒き薬剤が含まれていない場合には、手撒き薬剤の取出先を薬剤棚700に決定する。
このように、払出制御装置800は、錠剤分包機300から払出される手撒き薬剤について、ドラッグステーション1から払出させることができる。そのため、ユーザは、ドラッグステーション1から払出された処方薬剤を錠剤分包機300に手撒きして、錠剤分包機300から、他の処方薬剤と共に払出すことができる。従って、薬剤棚700から処方薬剤を探して取出すといったユーザの手間、及び、薬剤棚700からの薬剤の取出し間違いの発生を抑制できるので、処方薬剤を効率良く払出すことが可能となる。なお、本処理においては、処方薬剤の払出しに用いる装置として、少なくともドラッグステーション1及び錠剤分包機300を備えていればよい。
<払出制御装置の処理の別例>
処方薬剤の払出指示を送信した装置において、当該処方薬剤が欠品状態であった等の理由から、当該装置は、例えばユーザの指示に従って、処方薬剤の払出しを中止する場合がある。この場合の払出制御装置800の処理の一例について説明する。図17は、払出制御装置800の処理の別例を示すフローチャートである。
図17に示すように、送受信部812が処方入力装置200から処方データを受信すると(S11)、決定部811は、所定の規定に従って、処方データに示された複数の処方薬剤のそれぞれを払出す装置を決定する(S12)。送受信部812は、決定部811が決定した結果に基づき、処方薬剤に関する情報を含む払出データと、当該処方薬剤の払出指示とを、各装置に送信する(S13)。
その後、決定部811は、ドラッグステーション1を用いて払出すことを決定した少なくとも1つの処方薬剤について、払出しを中止する中止通知を、送受信部812を介してドラッグステーション1から受信したか否かを判定する(S14)。決定部811は、ドラッグステーション1から中止通知を受信した場合(S14でYES)、ドラッグステーション1から払出しを中止した処方薬剤を払出す装置として、錠剤分包機300、散薬分包機400又はPTP払出装置500の何れかに決定する(S15)。決定部811は、例えば上述したように、各装置の薬剤データベースを参照することにより、また、当該処方薬剤を払出す優先順位に従って、錠剤分包機300、散薬分包機400及びPTP払出装置500の何れから、当該処方薬剤を払出すかを決定してよい。
送受信部812は、ドラッグステーション1から払出しを中止した処方薬剤の払出指示を、当該処方薬剤に関する情報を含む払出データと共に、決定部811が決定した錠剤分包機300、散薬分包機400又はPTP払出装置500に送信する(S15)。これにより、ドラッグステーション1からの払出しを中止した処方薬剤を、錠剤分包機300、散薬分包機400及びPTP払出装置500の何れから払出すことができる。
ここで、決定部811が、各装置に送信する払出データにおいて、複数の処方薬剤を、例えば患者単位(所定単位)で纏めている場合、各装置は、患者単位での処方薬剤の払出しを中止する中止指示を受け付けることができる。例えば、送受信部812が、ドラッグステーション1に送信した払出データに示された処方薬剤のうち、ある患者についての処方薬剤の払出しを中止する中止通知を、ドラッグステーション1から受信した場合を考える。この場合、決定部811は、当該払出しを中止したある患者の処方薬剤を払出す装置として、錠剤分包機300、散薬分包機400又はPTP払出装置500に決定する。送受信部812は、ドラッグステーション1からの払出しを中止した処方薬剤の払出指示を、当該処方薬剤に関する情報を含む払出データと共に、決定部811が決定した錠剤分包機300、散薬分包機400又はPTP払出装置500に送信する。これにより、ドラッグステーション1において患者単位での処方薬剤の払出しが中止された場合であっても、当該処方薬剤の払出しを別の装置を用いて実現することが可能となる。
決定部811は、ドラッグステーション1から中止通知を受信していない状況において(S14でNO)、錠剤分包機300を用いて払出すことを決定した少なくとも1つの処方薬剤について、払出しを中止する中止通知を、錠剤分包機300から受信したか否かを判定する(S17)。決定部811は、錠剤分包機300から中止通知を受信した場合(S17でYES)、錠剤分包機300から払出しを中止した処方薬剤を払出す装置を、ドラッグステーション1に決定する(S18)。
決定部811は、記憶部802に記憶したドラッグステーション1の薬剤データベースに、当該処方薬剤が含まれる場合に、当該処方薬剤を払出す装置をドラッグステーション1に決定する。なお、決定部811は、記憶部802に記憶したドラッグステーション1の薬剤データベースに、当該処方薬剤が含まれていない場合には、当該処方薬剤の払出しに用いる装置を払出補助装置600に決定してもよい。
送受信部812は、錠剤分包機300からの払出しを中止した処方薬剤の払出指示を、当該処方薬剤に関する情報を含む払出データと共に、決定部811が決定したドラッグステーション1に送信する(S19)。これにより、錠剤分包機300からの払出しを中止した処方薬剤を、ドラッグステーション1から払出すことができる。
なお、S17において、送受信部812が散薬分包機400から中止通知を受信した場合も同様に、決定部811は、散薬分包機400からの払出しを中止した処方薬剤の払出しに用いる装置をドラッグステーション1に決定する。送受信部812は、当該処方薬剤の払出指示を、当該処方薬剤に関する情報を含む払出データと共に、ドラッグステーション1に送信する。送受信部812がPTP払出装置500から中止通知を受信した場合も同様である。
また、決定部811は、ドラッグステーション1から中止通知を受信した場合、ドラッグステーション1からの払出しが中止となった処方薬剤の払出しに用いる装置を、払出補助装置600に決定してもよい。送受信部812は、当該処方薬剤に関する情報を含む払出データと共に、当該処方薬剤の払出指示を、払出補助装置600に送信してもよい。これにより、当該処方薬剤を薬剤棚700から取出すことができる。
一方、決定部811は、薬剤棚700に取出対象の処方薬剤が存在しない状況において、払出補助装置600から中止通知を受信した場合、薬剤棚700からの取出しが中止となった処方薬剤の払出しに用いる装置を、ドラッグステーション1に決定してもよい。送受信部812は、当該処方薬剤に関する情報と共に、当該処方薬剤の払出指示を、ドラッグステーション1に送信してもよい。これにより、当該処方薬剤をドラッグステーション1から払出すことができる。
なお、何れの装置からも中止通知を受信しなかった場合(S17でNO)、本処理を終了してよい。
上記の処理によれば、ドラッグステーション1、錠剤分包機300等の各種装置、又は薬剤棚700からの処方薬剤の払出しが中止となった場合であっても、当該処方薬剤の払出しを別の装置を用いて実現することが可能となる。そのため、処方薬剤を効率良く払出すことが可能となる。
なお、本処理においては、処方薬剤を払出す装置として、ドラッグステーション1の他、第2薬剤払出装置(例:錠剤分包機300、散薬分包機400若しくはPTP払出装置500)か、又は払出補助装置600を備えていればよい。また、第2薬剤払出装置は、錠剤分包機300、散薬分包機400及びPTP払出装置500のうちの少なくとも何れかの装置であってよい。第2薬剤払出装置は、ドラッグステーション1以外の、処方薬剤を払出す装置のうちの少なくとも1つであればよい。
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。以降の実施形態についても同様である。本実施形態では、薬剤授受部32から取出され、搬送トレイTrに投入される薬剤(すなわち払出対象の薬剤)が、薬剤シート(薬剤シートの全体又は端数シート)であるものとして説明する。
上述したように、ピッキングユニット3は、薬剤授受部32と、トレイ載置台38と、薬剤載置台37と、を備える。トレイ載置台38は計量部382を備える。そのため、トレイ載置台38に、薬剤授受部32から取出された、規定された数量の薬剤を含む薬剤シート(フルシート)が載置されることにより、薬剤シートに含まれる薬剤の数を計数できる。
また、ピッキングユニット3は、薬剤載置台37に載置された端数シートを撮像する撮像部371と、薬剤載置台37を照明するバックライト372と、を備える。撮像部371による端数シートの撮像方向とは反対側から、バックライト372が当該端数シートを照明するため、端数シートの形状をより明瞭に取得できる。そのため、制御装置10は、撮像結果から端数シートに含まれる薬剤の数をより正確に計数できる。
撮像部371とバックライト372とが薬剤載置台37の上方に設けられてもよい。但しこの場合、端数シートの材質によって、撮像結果から取得される反射率が異なる可能性がある。薬剤判定部124が、薬剤の数を計数するときに、反射率に基づき薬剤と端数シートとを区別する場合、上記材質によっては薬剤と端数シートとを区別できない可能性がある。そのため、薬剤と端数シートとを精度よく区別するためには、撮像部371として比較的高性能なもの(比較的高価なもの)を採用する必要があった。
本実施形態では、後述のように、薬剤判定部124は、端数シートの形状に基づき薬剤の数を計数する。すなわち、薬剤判定部124は、撮像結果から当該形状(すなわちエッジ)を特定できればよい。そのため、撮像部371による端数シートの撮像方向とは反対側から、バックライト372が当該端数シートを照明することにより、撮像部371として高性能なものを用いることなく、上記形状を精度よく検出できる。従って、薬剤判定部124は、撮像結果から端数シートに含まれる薬剤の数をより正確に計数できる。
従って、ドラッグステーション1は、薬剤シート及び/又は端数シートに含まれる薬剤を正確に計数できるため、薬剤を効率良く払出すことが可能となる。なお、薬剤載置台37に薬剤シートが載置されても構わない。この場合、撮像部371は、薬剤載置台37に載置された薬剤シートを撮像できる。
<制御装置>
本実施形態の制御装置10は、薬剤判定部124、特定部125、及び像取得部126を備えることにより、薬剤載置台37に載置された端数シートに含まれる薬剤の数を計数する。具体的には、特定部125は、薬剤授受部32から端数シートが取出された場合、記憶部15に記憶された上述の基準データを参照して、当該端数シートの端数シートサイズを特定する。撮像部371は、薬剤授受部32から取出され、薬剤載置台37に載置された端数シートを撮像する。像取得部126は、撮像部371が撮像した画像に含まれる端数シートの像を取得する。薬剤判定部124は、端数シートの像であると特定できた場合、端数シートの像の大きさを、特定部125が特定した端数シートサイズで除したときの値を、薬剤載置台37に載置された端数シートに含まれる薬剤の数として計数する。薬剤判定部124は、この手法により、像取得部126が取得した端数シートの数分、薬剤の数を計数する。これにより、薬剤判定部124は、薬剤載置台37に載置された全ての端数シートに含まれる薬剤の数を計数できる。
また、制御装置10は、薬剤判定部124、特定部125、及び像取得部126を備えることにより、薬剤載置台37に載置された薬剤シート(フルシート)の数を計数してもよい。具体的には、特定部125は、薬剤授受部32から薬剤シートが取出された場合、記憶部15に記憶された上述の基準データを参照して、当該薬剤シートのシート薬剤数を特定する。撮像部371は、薬剤授受部32から取出され、薬剤載置台37に載置された薬剤シートを撮像する。像取得部126は、撮像部371が撮像した画像に含まれる薬剤シートの像を取得する。薬剤判定部124は、取得した薬剤シートの像の数に、特定部125が特定したシート薬剤数を乗じた値を、薬剤載置台37に載置された薬剤シートの全てに含まれる薬剤の数として計数する。例えば、薬剤判定部124は、薬剤シートの像であると特定できた場合、特定部125が特定したシート薬剤数を、当該薬剤シート1枚当たりの薬剤の数として計数する。薬剤判定部124は、取得した薬剤シートの像の数分、この計数を行うことにより、薬剤載置台37に載置された薬剤シートの全てに含まれる薬剤の数を計数する。これにより、薬剤判定部124は、薬剤載置台37に載置された全ての薬剤シートに含まれる薬剤の数を計数できる。
なお、薬剤判定部124は、薬剤載置台37に薬剤シート及び端数シートが載置された場合には、薬剤シート及び端数シートの組合せに含まれる薬剤の数を計数できる。
また、薬剤シートに含まれる薬剤の数については、以下のように計数してもよい。例えば、特定部125は、薬剤授受部32から薬剤シートが取出された場合、記憶部15に記憶された上述の基準データを参照して、当該薬剤シートの端数シートサイズを特定する。撮像部371は、薬剤授受部32から取出され、薬剤載置台37に載置された薬剤シートを撮像する。像取得部126は、撮像部371が撮像した画像に含まれる薬剤シートの像を取得する。薬剤判定部124は、薬剤シートの像であると特定できた場合、薬剤シートの像の大きさを、特定部125が特定した端数シートサイズで除したときの値を、薬剤載置台37に載置された薬剤シートに含まれる薬剤の数として計数する。薬剤判定部124は、この手法により、像取得部126が取得した薬剤シートの数分、薬剤の数を計数する。これにより、薬剤判定部124は、薬剤載置台37に載置された全ての薬剤シートに含まれる薬剤の数を計数できる。
なお、制御装置10は、像取得部126が取得した薬剤シートの像が矩形状ではない場合には、薬剤載置台37に載置された薬剤シートの一部が、撮像部371の撮像範囲外であると判定する。この場合、制御装置10は、薬剤シートを薬剤載置台37に載置し直すよう案内してもよい。例えば、タッチパネル制御部14は、第1タッチパネル5又は第2タッチパネル31に、薬剤シートを薬剤載置台37に載置し直す旨の情報を表示してよい。これにより、制御装置10は、撮像部371の撮像結果に基づく薬剤の数の計数処理を実行できる。
<制御装置の処理>
本実施形態の制御装置10における、薬剤シート又は端数シートに含まれる薬剤の数を計数する処理の一例について、図18及び図19を用いて説明する。図18は、制御装置10の処理例を示すフローチャートである。図19は、図18に示す処理例を説明するための図である。なお、以降の説明において、薬剤シート及び端数シートを総称して、単に「シート」と称する場合もある。
図18に示すように、特定部125は、1つの薬剤シートに含まれるシート薬剤数、及び、1つの薬剤当たりの端数シートサイズが薬剤毎に規定された基準データを取得する(S31)。特定部125は、取得した基準データを参照して、払出対象の薬剤の端数シートサイズを特定する(S32)。すなわち、特定部125は、薬剤授受部32から取り出され、撮像部371の撮像対象である薬剤1つを含む端数シートのサイズを特定する。端数シートサイズは、例えば、薬剤1つを含む端数シートの縦の長さ及び横の長さを規定するものであってよい。また、特定部125は、取得した基準データを参照して、払出対象の薬剤のシート薬剤数を特定する(S32)。
像取得部126は、薬剤載置台37に載置された薬剤シート又は端数シートを撮像部371が撮像すると、撮像した画像に含まれる端数シート又は薬剤シートの像を取得する(S33)。撮像した画像からのシートの像の取得は、公知の技術を用いて行われてよい。また、像取得部126は、当該画像に含まれる薬剤シート又は端数シートの像の数(シート数と称する)を特定する(S34)。
図19の符号19001は、撮像部371が撮像した画像IM1の一例を示す。本例では、像取得部126は、画像IM1において、端数シートの像I11及びI12の像と、薬剤シートの像I13と、を取得する。像I13は、符号19001では、2×3個の薬剤(端数シート)を含む薬剤シート(フルシート)の像である。また、像取得部126は、画像に3つの像が含まれる、すなわちシート数が3であると特定する。なお、取得した像において、薬剤MDが含まれない所定幅を有する領域は、シートの耳部分ERである。本例では、像I13に耳部分ERが含まれている。
像取得部126は、撮像した画像から、R(赤)画像、G(緑)画像及びB(青)画像を抽出し、例えばB画像に対してノイズ除去のためのフィルタ(例:メジアンフィルタ)を適用してもよい。これにより、画像から、より鮮明な像を取得できる。
薬剤判定部124は、画像に含まれる薬剤シート又は端数シートの全てについて、薬剤の計数処理が未完であるか否かを判定する(S35)。薬剤判定部124は、S38、S45において薬剤の数を計数したシート数が、像取得部126が特定したシート数未満である場合、薬剤の計数処理が未完であると判定する。S38等において薬剤の数を計数したシート数が、像取得部126が特定したシート数と一致したとき、画像に含まれるシートの全てについて、薬剤の計数処理が完了したと判定し(S35でNO)、本フローが終了となる。
薬剤判定部124は、薬剤の計数処理が未完であると判定した場合(S35でYES)、画像に含まれるシートの像のうち、薬剤の計数対象とする1つのシートの像を特定する(S36)。このとき、薬剤判定部124は、符号19001に示すように、各シートについて、規定された薬剤の配列方向に沿って形成される列を、オブジェクトOBとして特定する。薬種毎に規定された薬剤の配列方向を示す情報は、記憶部15に記憶されており、薬剤判定部124は、当該情報を参照することにより、シートの像における配列方向を特定する。
薬剤判定部124は、特定した1つのシートの像が、薬剤シート(フルシート)の像であるか否かを判定する(S37)。例えば、薬剤判定部124は、記憶部15に記憶された、薬種毎に規定された薬剤シートの長さを示す情報を参照することにより、シートの像が、規定された薬剤シートの像における長さと略一致するか否かを判定する。規定された薬剤シートの長さは、薬剤シートの縦の長さ及び横の長さであってよい。薬剤判定部124は、特定したシートの像が、規定された薬剤シートにおける長さと略一致すると判定した場合、当該シートの像が薬剤シートの像であると判定する。
薬剤判定部124は、特定したシートの像が薬剤シートの像であると判定した場合(S37でYES)、上述した手法により、シートに含まれる薬剤の数を計数する(S38)。例えば、薬剤判定部124は、特定部125が特定したシート薬剤数を、薬剤載置台37に載置された薬剤シート1枚当たりの薬剤の数として計数する。また例えば、薬剤判定部124は、薬剤シートの像の面積を、特定部125が特定した端数シートサイズ(ここでは面積)で除したときの値を、薬剤載置台37に載置された薬剤シートに含まれる薬剤の数として計数する。また、薬剤判定部124は、後述する端数シートの場合と同様、薬剤シートに耳部分ERが含まれる場合には、薬剤シートの像から耳部分ERに相当する部分を除いた領域を基に、当該薬剤シートに含まれる薬剤の数を計数してよい。
薬剤判定部124は、例えばバッファ(不図示)において、S38で計数した薬剤の数を前回の薬剤の数(初期値:0)に加算する(S39)。これにより、画像に含まれる全シートの像に対する計数処理の合計値を記憶できる。
薬剤判定部124は、計数処理が完了したシートについて、例えばバッファ(不図示)において、前回のシート数(初期値:0)に加算する(S40)。これにより、薬剤判定部124は、S35の処理を実行できる。
薬剤判定部124は、特定したシートの像が薬剤シートの像ではない、すなわち端数シートの像であると判定した場合(S37でNO)、特定したシートの像に耳部分ERが含まれるか否かを判定する(S41)。記憶部15には、薬種毎に耳部分ERの有無を示す情報が記憶されている。当該情報には、耳部分ERの長さと、耳部分ERに隣接する1つの薬剤を含む端数シートの長さの合計値を薬種毎に規定したサイズ情報も含まれている。符号19001及び符号19002におけるERAが当該合計値を示す。符号19002は、像取得部126が取得した像の別例を示す。薬剤判定部124は、例えば、端数シートサイズ及び上記情報を参照することにより、特定したシートの像及び特定したオブジェクトOBに、耳部分ERが含まれるか否かを特定できる。
また、耳部分ERの有無を示す情報には、耳部分ERが薬剤の配列方向に存在するか、又は、配列方向とは異なる方向(配列方向とは垂直方向)に存在するかを示す情報も含まれている。従って、薬剤判定部124は、当該情報を参照することにより、特定したシートの像に耳部分ERが含まれる場合、耳部分ERが配列方向に存在するか否かを特定できる。
例えば、符号19001の像I11及びI12の場合、薬剤判定部124は、耳部分ERが存在しないと判定する。符号19001の像I13の場合、薬剤判定部124は、払出対象の薬剤を含むシートに耳部分ERが存在し、かつ、耳部分ERが配列方向に存在すると判定する。符号19002の像の場合、払出対象の薬剤を含むシートに耳部分ERが存在するが、耳部分ERが配列方向とは垂直方向に存在する。そのため、薬剤判定部124は、耳部分ERが配列方向とは垂直方向に存在すると判定する。つまり、符号19002の場合、薬剤判定部124は、耳部分ERが配列方向には存在しない、すなわちオブジェクトOBに耳部分ERが存在しないと判定できる。
薬剤判定部124は、特定したシートの像に耳部分ERが含まれると判定した場合(S41でYES)、全オブジェクトOBに対する計数処理が未完であるか否かを判定する(S42)。薬剤判定部124は、端数シートの像については、オブジェクトOB毎に端数シートに含まれる薬剤の数を計数する。これにより、端数シートの数をより正確に計数できる。
ここで、薬剤判定部124は、S45において薬剤の数を計数後、S45において薬剤の数を計数したオブジェクトOB(計数処理が完了したオブジェクトOB)の数を計数しておく。薬剤判定部124は、計数したオブジェクトOBの数が、特定したシートに含まれるオブジェクトOB(S36で特定したオブジェクトOB)の数が一致したとき、特定したシートに含まれるオブジェクトOBの全てについて、薬剤の計数処理が完了したと判定する。この場合(S42でNO)、薬剤判定部124は、S39の処理を実行する。
薬剤判定部124は、薬剤の計数処理が未完であると判定した場合(S42でYES)、耳部分ERAを除くオブジェクトOBの長さ(例:縦の長さ)が、払出対象の薬剤の端数シートサイズ(例:縦の長さ)の整数倍と略一致するか否かを判定する(S43)。払出対象の薬剤の端数シートサイズは、記憶部15に記憶された基準データに含まれている。また、特定したシートの像の長さ、及び、シートの像において特定したオブジェクトOBの長さは、公知の画像処理により算出できる。
薬剤判定部124は、耳部分ERAを除くオブジェクトOBの長さが、当該端数シートサイズの整数倍であると判定した場合(S43でYES)、オブジェクトOBの長さから耳部分ERの長さ(例:縦の長さ)を減算する(S44)。薬剤判定部124は、上述した手法により、オブジェクトに含まれる薬剤の数を計数する(S45)。その後、薬剤判定部124は、S42の処理に戻る。
薬剤判定部124は、耳部分ERAを除くオブジェクトOBの長さが、上記端数シートサイズの整数倍ではないと判定した場合(S43でNO)、耳部分ERAを除くオブジェクトOBの長さから上記端数シートサイズの整数倍を減算する。これにより、薬剤判定部124は、余りの長さを算出する(S46)。
上述したように、S45では、薬剤判定部124は、端数シートの像の大きさを、特定部125が特定した端数シートサイズで除したときの値を、薬剤載置台37に載置された端数シートに含まれる薬剤の数として計数する。本実施形態では、端数シートを構成する、あるオブジェクトOBの像の大きさを、特定部125が特定した端数シートサイズで除したときの値を、当該オブジェクトOBに含まれる薬剤の数として計数する。例えば、薬剤判定部124は、オブジェクトOBの像における縦の長さ(配列方向の長さ)を、特定部125が特定した端数シートサイズが示す縦の長さで除したときの値を、オブジェクトOBに含まれる薬剤の数として計数する。薬剤判定部124は、端数シートに含まれる全オブジェクトOBについて同様の処理を繰り返すことにより、端数シートに含まれる薬剤の数を計数する。
薬剤判定部124は、余りの長さが、払出対象の薬剤1つ当たりの端数シートの0.5錠分の長さ(例:縦の長さ)以上であるか否かを判定する(S47)。薬剤判定部124は、余りの長さが0.5錠分の長さ以上であると判定した場合(S47でYES)、オブジェクトOBの長さから余りの長さを減算する(S48)。その後、薬剤判定部124は、S44及びS45の処理を実行する。薬剤判定部124は、余りの長さが0.5錠分の長さ未満であると判定した場合(S47でNO)、S48の処理は実行せず、S44の処理に移行する。
薬剤判定部124は、オブジェクトOBの像の大きさを、特定部125が特定した端数シートサイズで除したときの値に余りがある場合、当該値の第1位を四捨五入して、当該オブジェクトOBに含まれる薬剤の数を計数する。そのため、余りの長さが0.5錠分の長さ以上となる場合には、四捨五入の結果、薬剤の数を1つ多く計数してしまうことになる。従って、薬剤判定部124は、余りの長さが0.5錠分の長さ以上となる場合には、オブジェクトOBの長さから余りの長さを減算する。
図19の符号19003~19006を用いて、特定したオブジェクトOBから薬剤の数を計数する処理を説明する。本例では、端数シートサイズが10mmの薬剤MDが払出対象であるものとする。
符号19003では、取得した像IAに対してオブジェクトOBAが特定されており、オブジェクトOBAの像の長さ30mmと算出されている。オブジェクトOBAについては、薬剤判定部124は、オブジェクトOBAの像の長さ30mmが、端数シートサイズ10mm×3と一致すると判定する。そのため、薬剤判定部124は、30mm/10mm=3、すなわち薬剤MDの数が3個であると計数する。
符号19004では、取得した像IBに対してオブジェクトOBBが特定されており、オブジェクトOBBの像の長さ33mmと算出されている。オブジェクトOBBについては、薬剤判定部124は、オブジェクトOBBの像の長さ33mmが、端数シートサイズ10mmの整数倍(ここでは3倍)と一致しないと判定する。この場合、薬剤判定部124は、33mm/10mm=3.3と算出する。すなわち、薬剤判定部124は、余りの長さが3mmと算出する。余りの長さ3mmは0.5錠分の長さ5mm未満であるため、薬剤判定部124は、オブジェクトOBBの長さ33mmから余りの長さ3mmを減算することなく、上述の算出結果「3.3」を四捨五入して、薬剤MDの数が3個であると計数する。
符号19005では、取得した像ICに対してオブジェクトOBCが特定されており、オブジェクトOBCの像の長さ36mmと算出されている。オブジェクトOBCについては、薬剤判定部124は、オブジェクトOBCの像の長さ36mmが、端数シートサイズ10mmの整数倍(ここでは3倍)と一致しないと判定する。この場合、薬剤判定部124は、36mm/10mm=3.6と算出する。すなわち、薬剤判定部124は、余りの長さが6mmと算出する。余りの長さ6mmは0.5錠分の長さ5mmより大きいため、薬剤判定部124は、オブジェクトOBCの長さ36mmから余りの長さ6mmを減算する。そして、薬剤判定部124は、30mm/10mm=3と算出することにより、薬剤MDの数が3個であると計数する。
符号19006では、取得した像IDに対してオブジェクトOBD1~OBD3が特定されている。オブジェクトOBD1の長さは10mm、オブジェクトOBD2の長さは13mm、オブジェクトOBD3の長さは33mmと算出されている。
オブジェクトOBD1については、薬剤判定部124は、オブジェクトOBD1の像の長さ10mmが、端数シートサイズ10mmの整数倍(ここでは1倍)と一致すると判定する。そのため、薬剤判定部124は、10mm/10mm=1、すなわち薬剤MDの数が1個であると計数する。
オブジェクトOBD2については、薬剤判定部124は、オブジェクトOBD2の像の長さ13mmが、端数シートサイズ10mmの整数倍(ここでは1倍)と一致しないと判定する。この場合、薬剤判定部124は、13mm/10mm=1.3と算出する。すなわち、薬剤判定部124は、余りの長さが3mmと算出する。余りの長さ3mmは0.5錠分の長さ5mmより小さいため、薬剤判定部124は、オブジェクトOBD2の長さ13mmから余りの長さ3mmを減算することなく、上述の算出結果「1.3」を四捨五入して、薬剤MDの数が1個であると計数する。
オブジェクトOBD3は、符号19004のオブジェクトOBBと同一である。そのため、薬剤判定部124は、オブジェクトOBD3に含まれる薬剤MDの数が3個と計数する。
なお、S38の処理、すなわち薬剤シート(フルシート)に含まれる薬剤の数の計数においても、上述した端数シートにおける薬剤の計数方法が用いられてもよい。
〔実施形態3〕
ドラッグステーション1の電源(以降、単に電源と称する)がオフである状態において、ユーザが扉25を開き、カセット棚21からカセットCaを取出したり、新たなカセットCaをカセット棚21に載置したりする場合がある。この場合、電源がオンとなったときのカセットCaの配置位置は、電源がオフとなる前のカセットCaの配置位置と異なる場合がある。
例えば、扉25の開閉状態を検出する開閉センサが設けられている場合、扉25が閉状態から開状態となったときに、開閉センサは開状態になったことを検出できる。そのため、制御装置10は、カセットCaの配置位置が変更された可能性があると判定できる。しかし、開閉センサは、電源オンの間に検出機能を発揮するものであり、電源オフ時にはその機能を発揮できない。そうすると、制御装置10は、電源オンとなった後にカセットCaの配置位置を特定する処理を行わない限り、電源オフの間にカセットCaの配置位置が変更した場合であっても、その変更を検出できない可能性がある。変更後のカセットCaの配置位置を特定できない場合、払出対象の薬剤を含むカセットCaとは異なるカセットCaをピッキングユニット3に移送してしまう可能性がある。
本実施形態のドラッグステーション1は、電源がオフのときに扉25が開状態となったことを、電源がオンとなった後に検出する第2検出部27(検出部)を備える。そのため、制御装置10は、電源オフ時にカセットCaの配置位置が変更されたことが想定される場合に、電源がオンとなった後に、カセットCaの配置位置を再度特定しなおすことができる。そのため、安全性を考慮した薬剤の払出を実現できる。
図20は、第1検出部26及び第2検出部27の配置例を概略的に示す平面図である。図20の符号20001は扉25が閉状態である場合、符号20002は、扉25が開状態である場合を示す。
図20に示すように、カセット棚21の上端部21U(図3にも図示)には、扉25の開閉状態を検出する第1検出部26及び第2検出部27が設けられている。第1検出部26及び第2検出部27は、図2及び図3に示す複数の扉25のそれぞれに設けられている。
第1検出部26は、例えば反射型の光センサであり、扉25が閉じたときに第1検出部26が出射した光を検出することにより、扉25の閉状態を検出する。電源オンの間、第1検出部26が扉25の開閉状態を検出する。すなわち、第1検出部26は、上述した開閉センサとして機能する。なお、第1検出部26による光の検出有無に応じて、制御装置10が扉25の開閉状態を検出してもよい。
第2検出部27は、ピン271を備えている。ピン271は、符号20001に示すように、扉25が閉状態であるとき第2検出部27の内部に押し込まれており、符号20002に示すように、扉25が開状態であるとき第2検出部27から突出した状態となっている。扉25に連動したピン271の移動により、第2検出部27は、扉25の開閉状態を検出する。
図21は、第2検出部27の一例を示す斜視図である。図21は、扉25が開状態であるときの第2検出部27の状態を示している。図21の符号21001に示すように、第2検出部27は、ピン保持部281、検出保持部282、及び取付部283を備える。
ピン保持部281は、ピン271を保持する。また、ピン保持部281は、図21の符号21002に示すドグ275を、ドグ275がピン271の移動に連動して移動可能なように保持する。
検出保持部282は、第2検出部27を保持する。具体的には、検出保持部282は、ピン保持部281の他、符号21002に示すバネ受部274、ソレノイド276、及び溝形光センサ277を保持する。
取付部283は、第2検出部27をドラッグステーション1の上端部21Uに取付けるための部材である。取付部283には、検出保持部282が取付けられている。
また、符号21002に示すように、第2検出部27は、ピン271、ドグ可動部272、バネ273、バネ受部274、ドグ275、ソレノイド276、及び溝形光センサ277を備える。
ピン271は、一端が扉25と接触可能であり、他端がバネ受部274に内蔵されている。ピン271にはバネ273が設けられている。バネ273は、扉25の開閉状態に応じて、ピン271を±Y軸方向へ移動させるものであり、ドグ可動部272と、ピン271の他端が接触するバネ受部274の内壁と、の間に設けられている。
扉25が閉状態であるとき、ピン271は、扉25によって第2検出部27の内部へ(-Y軸方向へ)押込まれている。具体的には、ピン271は、ピン271の他端がバネ受部274の内壁に接触する位置まで、第2検出部27の内部へと押込まれている。このとき、バネ273は付勢した状態である。そのため、扉25が開状態であるとき、図21に示すように、ピン271は、バネ273の付勢力によってバネ受部274から離れる方向(+Y軸方向)に移動し、閉状態となった扉25が押込める状態となっている。これにより、ピン271は、扉25の開閉状態に応じた±Y軸方向への移動が可能となる。
ドグ可動部272は、ピン271に固定して設けられており、ピン271の+Y軸方向の移動に応じてドグ275を+Y軸方向に移動させる。本実施形態では、ドグ可動部272は、扉25が閉状態であるとき、バネ受部274の外壁に接触している。ドグ可動部272は、扉25が閉状態から開状態になったときに、ドグ可動部272に接触しているドグ275を、溝形光センサ277の挿入部277A(図21の符号21003参照)に挿入させる。ドグ275は、扉25が閉状態(電源オフ時に開状態から閉状態になった場合を除く)であるときに挿入部277Aに挿入されず、扉25が開状態になったときにドグ275が挿入部277Aに挿入されればよい。このような動作が実現できるように、ドグ可動部272、ドグ275及び溝形光センサ277の大きさ及び配置位置、並びに、ピン271の移動量等が決定されていればよい。
バネ受部274は、ピン271が移動可能なようにピン271の他端を収容すると共に、ピン271の他端に設けられたバネ273を収容する。
ドグ275は、扉25が開状態となったときの扉25の動作に連動して移動する移動部である。ドグ275は、上述の通り、ピン271の移動に連動したドグ可動部272の移動に連動して移動する。
ソレノイド276は、挿入部277Aに挿入されたドグ275を-Y軸方向に押下して、挿入部277Aの外部へと移動させる。ソレノイド276は、第2検出部27が扉25の閉状態を検出しているときに、制御装置10がその検出状態をリセットするユーザの入力操作を受付けた場合、制御装置10の制御を受けて駆動することにより、ドグ275を挿入部277Aの外部へと移動させる。制御装置10は、電源がオンになった後の所定時間(例:0.5~1秒)経過後、自動的にソレノイド276を駆動させてもよい。
溝形光センサ277は、符号21003に示すようにドグ275が挿入される略C形状の挿入部277Aを有し、挿入部277Aに挿入されたドグ275を検出する移動検出部である。溝形光センサ277(具体的には挿入部277A)は、例えば、光を出射する出射部と、当該光を受光する受光部と、を備える透過型の光センサである。電源オフ時にドグ275が挿入部277Aに挿入された状態になった場合、受光部は、電源オンとなった後に、出射部が出射した光をドグ275が遮断することにより受光できない。これにより、溝形光センサ277はドグ275を検出する。すなわち、第2検出部27は、ドグ275を検出することにより、扉25が開状態となったことを検出する。なお、第2検出部27がドグ275を検出したことを示す検出信号を制御装置10が受信することにより、制御装置10が電源オフ時に扉25が開状態になったことを検出してもよい。
図22は、第2検出部27の動作例を示す図である。図22の符号22001は、扉25が閉状態であるときの第2検出部27の状態を示している。このとき、ピン271が扉25により押下されることにより、ドグ可動部272によりバネ273が圧縮して、ピン271は第2検出部27の内部に押込まれている。符号22001では、バネ273はバネ受部274の内部において圧縮している。また、ドグ275は、溝形光センサ277(具体的には挿入部277A)の外部(本実施形態ではドグ可動部272側)に位置している。
扉25が閉状態(第2検出部27が符号22001に示す状態)であるときに電源がオフになったとする。図22の符号22002は、電源オフ時に扉25が開状態になったときの第2検出部27の状態を示している。このとき、バネ273の付勢力によりピン271が+Y軸方向に移動する。この移動に連動して、ドグ可動部272も+Y軸方向に移動する。そして、ドグ可動部272は、+Y軸方向に移動しつつドグ275を押下する。これにより、ドグ275は、ドグ可動部272の移動に連動して+Y軸方向に移動し、溝形光センサ277の内部に挿入される。すなわち、ドグ275は、扉25が開状態となった場合に、挿入部277Aに挿入される。ドグ275の挿入部277Aへの挿入により、第2検出部27は、扉25が開状態となったことを、電源がオンとなった後に検出できる。
図22の符号22003は、電源オフ時に、扉25が開状態から閉状態に戻ったときの第2検出部27の状態を示している。扉25が閉状態となったとき、ピン271は扉25により第2検出部27の内部へ(-Y軸方向へ)と押込まれる。ピン271の移動に連動して、ドグ可動部272も-Y軸方向へ移動する。一方、ドグ275は、扉25が開状態から閉状態に戻った場合であっても、開状態に対応する状態に維持される。具体的には、ドグ275は、ドグ275と挿入部277Aとの間により生じる摩擦力(ドグ275と挿入部277Aとの間に投入されたグリスの粘性を含む)により、挿入部277Aに挿入された状態が維持される。そのため、第2検出部27は、扉25が閉状態に戻った場合であっても、電源オフ時に開状態になったことを、電源がオンとなった後に検出できる。
符号22002又は符号22003の状態から、電源がオンになったとする。ここで、記憶部15には、カセット識別情報と、カセット棚21におけるカセットCaの保管位置とを対応付けたデータが記憶されている。すなわち、カセットCaとカセット棚21におけるカセットCaの位置とは予め対応付けられている。
制御装置10の位置特定部113は、例えば電源がオンになった後、カセットCaと、カセット棚21におけるカセットCaの位置との対応付けを行い、記憶部15の上記データを更新する。これにより、電源オフ時に扉25が開状態となり、カセットCaの配置位置が変更されたことが想定される場合に、電源がオンとなった後に、カセットCaの配置位置を再度特定しなおすことができる。
位置特定部113は、電源がオンになった後、第2検出部27により扉25が開状態であることを検出された場合に、上記データの更新を行う。このとき、位置特定部113は、全てのカセット棚21におけるカセットCaの位置を特定してもよい。但し、カセット棚21には、上述の通り1500~2000種類の薬剤を保管できる。すなわち、カセット棚21には、当該薬剤を収容できるだけの多数のカセットCaが保管され得る。そのため、電源がオンになるたびに全てのカセット棚21におけるカセットCaの位置を特定する場合、その特定に多大な処理時間を要してしまうことになる。
当該処理時間を削減するため、位置特定部113は、全てのカセット棚21のうちの一部のカセット棚21におけるカセットCaの位置を特定してもよい。すなわち、位置特定部113は、カセット棚21に収容されたカセットCaのうち、第2検出部27が開状態を検出した扉25に対応する領域に収容されたカセットCaについて、カセットCaと、カセット棚21における位置との対応付けを再度実行してよい。
各扉25に設けられた第2検出部27の識別情報と、扉25に対応する領域を示す情報とは対応付けられて、記憶部15に記憶されている。位置特定部113は、扉25の開状態を検出した第2検出部27から、扉25の開状態を検出したことを示す検出信号を受信した場合、当該第2検出部27からの検出信号であることを特定する。位置特定部113は、特定した第2検出部27に対応付けられたカセット棚21における領域内に収容されたカセットCaの配置位置を特定する。
これにより、位置特定部113は、電源オフ時に開状態となった扉25に対応する領域に収容されたカセットCaの配置位置のみを、再度特定しなおす。すなわち、電源オフ時に閉状態のままであった扉25に対応する領域に収容されたカセットCaの配置位置についての特定は行わない。そのため、カセットCaの配置位置の特定処理を効率良く実行できる。
また、電源がオンになった後、符号22003に示すように、第2検出部27が扉25の開状態を検出しているときに、制御装置10がその検出状態をリセットするユーザの入力操作を受付けたか、又は、電源がオンになった後に所定時間が経過したとする。この場合、図22の符号22004に示すように、ソレノイド276は、制御装置10の制御を受けて駆動することにより、ドグ275を溝形光センサ277の外部へ(-Y軸方向へ)と移動させる。これにより、第2検出部27は、符号22001と同じ状態となる。そのため、次に電源がオフになったときも、第2検出部27により扉25が開状態になったことを検出することが可能となる。なお、符号22002に示す状態において、制御装置10が上記検出状態をリセットするユーザの入力操作を受付けたか、又は、電源がオンになった後に所定時間が経過した場合に、制御装置10はソレノイド276を駆動させてもよい。
ここで、電源オフ時の扉25の開状態を検出するために、例えばドラッグステーション1にバッテリを搭載して、開閉センサを電源オフ時にも通電状態とすることも考えられる。しかし、バッテリを用いた場合、例えば数年毎にバッテリの取換えが必要となる。また、バッテリ(例:リチウムイオンバッテリ)は比較的高価である。上述のように、本実施形態では、電源オフ時の扉25の開状態を検出するために、機械的に動作する第2検出部27を設けている。そのため、バッテリを設けた場合よりも安価に、かつ定期的な交換等の手間を発生させることなく、電源オフ時の扉25の開状態を検出できる。
<変形例>
電源オフ時に扉25が開状態になったことを、第2検出部27により検出する構成について説明したが、これに限られない。第2検出部27は、電源オフ時に、カセット棚21に載置された少なくとも1つのカセットCaが移動したことを、電源オンとなった後に検出する構成であってもよい。この場合、第2検出部27は、カセット棚21の、それぞれのカセットCaの移動が検出可能な位置に設けられればよい。
本変形例の第2検出部27の動作は、扉25の動作に代えてカセットCaの移動に基づき行われることを除き、上述した動作となる。すなわち、ドグ275は、カセットCaが移動したときのカセットCaの動作に連動して移動するものであり、第2検出部27は、ドグ275を検出することにより、カセットCaが移動したことを検出する。ドグ275は、電源がオフの間に移動したカセットCaが元の位置に戻った場合であっても、カセットCaが元の位置に戻る前の状態に対応する状態に維持される。具体的には、ドグ275は、カセットCaが移動した場合に、挿入部277Aに挿入されると共に、移動したカセットCaが元の位置に戻った場合であっても、挿入部277Aとドグ275との間に生じる摩擦力により、挿入部277Aに挿入された状態に維持される。
また、制御装置10は、第2検出部27が、電源オフ時に、扉25の開状態又はカセットCaの移動を検出した場合、当該扉25又はカセットCaを報知してもよい。例えば、各扉25又は各カセットCaに設けられた第2検出部27と、扉25又はカセットCaとの対応関係については、記憶部15に記憶されている。制御装置10は、扉25の開状態又はカセットCaの移動を検出した第2検出部27から、扉25の開状態又はカセットCaの移動を検出したことを示す検出信号を受信した場合、記憶部15を参照して、第2検出部27が設けられた扉25又はカセットCaを特定する。タッチパネル制御部14は、第1タッチパネル5を介して、特定された扉25又はカセットCaの位置を報知する。
また、電源オン時に扉25が開状態となった場合、及びその後閉状態になった場合についても、第2検出部27は動作する。すなわち、第2検出部27は、電源オン時に扉25が開状態となった場合には符号22002に示す状態となり、その後閉状態になった場合には符号22003に示す状態となる。ここで、電源オン時に扉25が開状態となった後、閉状態になった場合、第1検出部26は、扉25が閉状態に戻ったことを検出する。当該検出から所定時間経過後(例:数秒後)に、制御装置10がソレノイド276を駆動させることにより、上記状態となった第2検出部27を符号22004(符号22001)に示す初期状態に戻すことができる。そのため、電源オン時に第2検出部27が動作したとしても、電源オフ時に扉25が開状態となったことを第2検出部27により検出することが可能となる。
〔実施形態4〕
本実施形態では、薬剤授受部32から取出され、搬送トレイTrに投入される薬剤(すなわち払出対象の薬剤)が、薬剤シート(薬剤シートの全体又は端数シート)であるものとして説明する。
例えば、1つの薬剤のみを含む端数シートが患者に処方された場合、患者が当該端数シートから薬剤を取出さず、当該端数シートが薬剤であると勘違いして、そのまま(すなわちシートごと)誤飲してしまう可能性がある。本実施形態では、このような誤飲の可能性を低減し、安全性を考慮した薬剤シートの払出しを実現できる。
本実施形態の第2タッチパネル31は、タッチパネル制御部14の制御を受けて、下記の条件を満たした場合、2つ以上の薬剤を含む端数シートを薬剤載置台37に載置するように案内する案内部として機能する。
条件:カセット棚21から薬剤授受部32に移送されたカセットCaから取出すべき薬剤の数量として指定された指定数を、1つの薬剤シート(フルシート)に含まれるシート薬剤数で除したときの余りが1である場合。
具体的には、制御装置10は、記憶部15を参照することにより、特定した払出対象の薬剤に対応付けられたシート薬剤数を特定する。また、制御装置10は、例えば払出データを参照することにより、当該払出対象の薬剤の指定数を特定する。制御装置10は、当該指定数をシート薬剤数で除したときの余りが1になるか否かを判定する。余りが1となった場合、上述の通り、タッチパネル制御部14は、第2タッチパネル31を介して、2つ以上の薬剤を含む端数シートを薬剤載置台37に載置するように案内する。
例えば、制御装置10が上記余りが1であると判定した場合、タッチパネル制御部14は、第2タッチパネル31を介して、シート薬剤数に1を加算した数の薬剤を含む端数シートを、薬剤載置台37に載置するよう案内してもよい。このとき、タッチパネル制御部14は、指定数から1減算した数の薬剤を含む複数の薬剤シート(フルシート)から1減算した数の薬剤シートを、トレイ載置台38に載置するよう案内する。
上述した第1計数モード(薬剤シートに含まれる薬剤の数を重量に基づき計数、端数シートに含まれる薬剤の数を画像に基づき計数するモード)に設定されている場合を考える。この場合も、薬剤判定部124は、トレイ載置台38に載置され、計量部382が計量した薬剤シートの重量が、払出対象の薬剤の、規定された1つの薬剤シートの重量に、払出すと決定した薬剤シートの枚数を乗じた値と略一致するか否かを判定すればよい。換言すれば、薬剤判定部124は、規定された薬剤シート1つ分の重量を参照して、指定数から1減算した数の薬剤を含む複数の薬剤シートから1減算した数の薬剤シートの全重量を算出する。そして、薬剤判定部124は、算出した重量と、トレイ載置台38に載置された薬剤シートの重量と、が略一致するか否かを判定してもよい。
例えば、41個の薬剤を払出す場合、本実施形態の制御装置10は、30個の薬剤を3つの薬剤シートにより払出し、11個の薬剤を端数シートにより払出すものとして決定する。この場合、薬剤判定部124は、トレイ載置台38に載置され、計量部382が計量した薬剤シートの重量が、払出対象の薬剤の、規定された薬剤シート1つ分の重量に、払出すと決定した薬剤シートの枚数である3を乗じた値と略一致するか否かを判定すればよい。
ここで、指定数から1減算した数の薬剤を含む複数の薬剤シートをトレイ載置台38に載置する場合、40個の薬剤を4つの薬剤シートにより払出すことが想定される。この想定に基づく場合、薬剤判定部124は、30個の薬剤を含む3つの薬剤シートがトレイ載置台38に載置されているか否かを、以下のように判定してもよい。すなわち、薬剤判定部124は、トレイ載置台38に載置された薬剤シートの重量を、払出対象の薬剤の、規定された1つの薬剤シートの重量に、上記想定に基づく薬剤シートの枚数4から1減算した値(すなわち3)を乗じた値と比較する。薬剤判定部124は、この比較に基づき、上記の判定を行ってもよい。
図23は、第2タッチパネル31に表示される画像(画面)の一例を示す図である。符号23001は、1つの薬剤のみを含む端数シートを薬剤授受部32から取出す旨の案内を行う画像の一例である。符号23002は、2つ以上の薬剤を含む端数シートを薬剤授受部32から取出す旨の案内を行う画像の一例であり、本実施形態の案内例である。図23の例では、シート薬剤数が10個であり、指定数が41個であるものとして説明する。すなわち、制御装置10は、指定数41個/シート薬剤数10個=4余り1と算出する。
符号23001の画像には、「ABC」及び「4シート 1T 41T」(「T」は錠数を示す)と表示されている。すなわち、タッチパネル制御部14は、上記の算出結果から、薬剤名「ABC」という払出対象の薬剤について、薬剤授受部32から、4つの薬剤シートと、1つの薬剤を含む端数シートとを取出すことにより、指定数41個分の薬剤を取出すよう案内している。換言すれば、タッチパネル制御部14は、払出対象の薬剤「ABC」について、薬剤授受部32から、1つの薬剤のみを含む端数シートを薬剤載置台37に載置するように案内している。
この場合、符号23001の画像を視認した作業者は、1つの薬剤のみを含む端数シートを薬剤載置台37に載置し、その後、当該端数シートをトレイ載置台38に載置された搬送トレイTrに投入する。従って、患者に当該端数シートが処方されるため、上述したように、患者が当該端数シートを誤飲する可能性がある。
ここで、病院又は薬局において定められた規定(内規)により、1つの薬剤のみを含む端数シートを発生させないように、薬剤シートを切り欠くよう取決められている場合がある。この場合であっても、符号23001の画像が表示された場合には、その画像における指示内容に従って、薬剤シート又は端数シートを取出してしまう可能性はある。従って、上記のような内規があったとしても、1つの薬剤のみを含む端数シートが払出されてしまう可能性はある。
一方、符号23002の画像には、「ABC」及び「3シート 11T 41T」と表示されている。すなわち、本実施形態では、タッチパネル制御部14は、上記の算出結果から上述した条件を満たしたと判定する。その結果、タッチパネル制御部14は、払出対象の薬剤「ABC」について、薬剤授受部32から、3つの薬剤シートを取出すと共に、11個の薬剤を端数シートとして取出すことにより、指定数41個分の薬剤を取出すよう案内している。
換言すれば、タッチパネル制御部14は、シート薬剤数10個に1を加算した11個の薬剤を、薬剤授受部32から取出し、端数シートとして薬剤載置台37へ載置するように案内している。また、タッチパネル制御部14は、指定数41個から1減算した数の薬剤40個を含む4つの薬剤シートから1減算した3つの薬剤シートを、トレイ載置台38に載置するよう案内している。
符号23002の画像を視認した作業者が、薬剤1つ分を端数シートとし、残りの10個を更に端数シートに分解して取出すことは、作業者の通常の取出作業からは考えにくい。また、符号23002の画像を視認した作業者が、薬剤1つ分を端数シートとし、残りの10個を薬剤シートとして取出すことも考えにくい。このような取出しの案内を行う場合、タッチパネル制御部14は、符号23001の画像を表示するためである。
従って、符号23002の画像を視認した作業者は、11個の薬剤を端数シートとして薬剤授受部32から取出して(例えば、5つの薬剤を含む端数シートと、6つの薬剤を含む端数シートとを取出して)、薬剤載置台37に載置する可能性が高い。上記の内規が規定されている場合には、その可能性は更に高くなる。そのため、符号23002の画像を表示することにより、上述した誤飲が発生する可能性を低減できる。
このように、本実施形態の制御装置10は、1つの薬剤のみを含む端数シートが発生する可能性がある場合に、2つ以上の薬剤を含む端数シートを薬剤載置台37に載置するよう、薬剤シートを取出す作業者に対して案内できる。そのため、上述した誤飲が発生する可能性を低減できるので、安全性を考慮した薬剤シートの払出しを実現できる。
なお、タッチパネル制御部14は、第1タッチパネル5を介して当該案内を行っても構わない。また、上記のような案内が可能であれば、画像表示ではなく、点灯による案内、又は、音(例:音声)による案内等、各種の報知技術によって案内されてよい。
〔実施形態5〕
本実施形態では、ドラッグステーション1に保管された複数個のカセットCaのそれぞれへの、複数の薬剤を含む薬剤容器の収容方法を提示する情報処理装置900について説明する。本実施形態において、薬剤容器は、例えば、複数個単位で薬剤シート若しくは散薬を包装(ピロー包装)した包装物、又は、当該包装物が収容された箱である。薬剤容器は、例えば、薬剤シートではない薬剤(例:軟膏、目薬)が収容された箱であってもよい。後述する情報処理装置900により、複数種類の薬剤のそれぞれをどの種類のカセットCa(図5参照)にどのように収容していくかといった考察に要するユーザの負担を低減した状態で、各種薬剤をカセットCaに収容することが可能となる。そのため、薬剤のカセットCaへの収容を効率良く行うことが可能となる。
図24は、情報処理装置900の構成例を示すブロック図である。情報処理装置900は、操作部901、表示部902、制御部903、及び記憶部904を備える。情報処理装置900は、例えば、PC(Personal Computer)、又は携帯型情報端末(例:タブレット、スマートフォン)であってよい。操作部901及び表示部902は、情報処理装置900と通信可能に接続される外部装置であってよい。また、情報処理装置900は、例えば、ドラッグステーション1の制御装置10により実現されてもよい。
操作部901は、ユーザの入力操作を受付ける。操作部901は、例えば、後述する図26に示す薬剤一覧画像(薬剤一覧画面)に対する入力操作を受付ける。表示部902は、各種情報を表示する。表示部902は、例えば、操作部901を介して情報を入力するための画像(例:図26に示す薬剤一覧画像)を表示する。
制御部903は、情報処理装置900が備える各部を統括して制御する。制御部903は、決定部931及び出力部932を備える。
決定部931は、後述する個数基準データと払出数とに基づき、対象薬剤を収容するカセットCaの種類と、種類毎のカセットCaの個数と、種類毎のカセットCaへの薬剤容器の収容数と、を決定する。
上記個数基準データは、大きさが異なる複数種類のカセットCaのそれぞれの寸法と、カセットCaへの収容対象となり得る複数種類の薬剤容器のそれぞれの寸法と、に基づき、カセットCaに収容可能な薬剤容器の個数が薬剤の種類毎に規定されたデータである。複数種類のカセットCaは、例えば、図5に示す大型カセットCa1、中型カセットCa2及び小型カセットCa3である。
また、上記払出数は、カセットCaに収容する対象薬剤の、ドラッグステーション1から所定期間において払出される数である。所定期間は、ドラッグステーション1の搬入先となる病院等において、各種薬剤をカセット棚21にどの程度の数量分保管したいか、すなわち、各種薬剤をどの程度の期間充填することなく払出したいかといった指標に基づき、適宜設定されるものである。例えば、各種薬剤を、3日間充填することなく払出可能と推定される数量(上記払出数)分保管したい場合には、所定期間は3日に設定される。
また上述のように、複数種類のカセットCaのそれぞれに仕切部を設けることにより、カセットCaに薬剤容器を収容する複数の収容領域を形成できる。個数基準データでは、さらに収容領域の寸法に基づき、カセットCaに収容可能な薬剤容器の個数が薬剤の種類毎に規定されていてよい。この場合、各カセットCaに形成された収容領域の寸法も考慮して、カセットCaの種類、カセットCaの個数、及び各カセットCaへの薬剤容器の収容数を決定できる。但し、仕切部を設けずに複数種類のカセットCaを用いる場合には、収容領域の寸法を考慮して個数基準データが規定されている必要は必ずしもない。
出力部932は、決定部931の決定結果を印字装置950に対して出力する。印字装置950は、出力部932からの出力を受けて、決定部931の決定結果を印字する。これにより、決定部931の決定結果を報告書としてユーザに提示できる。なお、出力部932は、決定部931の決定結果を、例えば表示部902に表示してもよい。この場合、情報処理装置900に印字装置950が接続される必要は必ずしもない。
記憶部904は、例えば、制御部903が使用する各種プログラム、及び、上述した個数基準データを記憶している。
<個数基準データ>
図25は、個数基準データを説明するための図である。図25の符号25001は、薬剤が収容された箱をカセットCaに収容する場合に用いられる個数基準データを説明するための図である。図25の符号25002は、薬剤シートを包装(ピロー包装)した包装物をカセットCaに収容する場合に用いられる個数基準データ説明するための図である。
図25において、「L」,「M」及び「S」は、カセットCaの種類を示し、それぞれ図5に示す大型カセットCa1、中型カセットCa2及び小型カセットCa3を示す。また、「L/5」は、図5の符号5001に示すように、仕切部Ca11により大型カセットCa1を5等分した場合の1つの収容領域を示す。「L/2」は、仕切部Ca11により大型カセットCa1を2等分した場合の1つの収容領域を示す。「M/2」は、仕切部Ca21により中型カセットCa2を2等分した場合の1つの収容領域を示す。「S/2」は、仕切部により小型カセットCa3を2等分した場合の1つの収容領域を示す。「L/5」、「L/2」、「M/2」及び「S/2」が、カセットCaの種類を示してもよい。
大型カセットCa1には、大型カセットCa1を5等分及び2等分可能な箇所に、仕切部を差込可能な差込部が設けられている。また、中型カセットCa2には、中型カセットCa2を2等分可能な箇所に、仕切部を差込可能な差込部が設けられている。小型カセットCa3についても同様である。
符号25001の例では、各種カセットCa又は収容領域に箱を収容する場合のパターンとして、パターンPa1及びPa2が規定されている。パターンPa1は、「L」に1つ、「L/2」に1つ、「S」に1つ、又は「S/2」に1つ、箱を収容できるパターンである。パターンPa2の場合、「L」に2つ、又は「L/2」に2つ、箱を収容できるパターンである。
カセットCaの収容方法を提案する提案者は、カセットCaへの収容対象となり得る複数種類の箱のそれぞれについて、どのカセットCa又は収容領域に収容できるかを特定する。例えば、少なくとも「S/2」に1つ収容可能であり、かつカセットCa又は収容領域に1つだけの収容が想定されている箱については、当該箱に収容された薬剤の薬剤識別情報(例:YJコード、GS1コード)に対して「パターンPa1」を付与する。例えば、「S/2」に収容不可であるが、「M」に2つ収容可能であり、かつカセットCaに2つの収容が想定されている箱については、当該箱に収容された薬剤の薬剤識別情報に対して「パターンPa2」を付与する。付与したパターンは、薬剤識別情報に対応付けて記憶部904に記憶される。
また、符号25002の例では、各種カセットCa又は収容領域に包装物を収容する場合のパターンとして、パターンPa11~Pa23が規定されている。
例えば、パターンPa11は、「L」に10個、「L/2」に5つ、「M」に8つ、「M/2」に4つ、又は「L/5」に2つ、包装物を収容できるパターンである。パターンPa11は、少なくとも「M/2」に4つ、又は「L/5」に2つ収容できる包装物に対して選択されるパターンである。パターンPa12~Pa15についても、パターンPa11と同様に説明できる。
パターンPa16は、「L/5」に収容不可であるが、少なくとも「S/2」に1つ収容可能な包装物を収容できるパターンである。具体的には、パターンPa16は、「L」に6つ、「L/2」に4つ、「M」に5つ、「M/2」に3つ、「S」に2つ、又は「S/2」に1つ、包装物を収容できるパターンである。パターンPa17~Pa18についても、パターンPa16と同様に説明できる。
パターンPa19は、「L/5」、「S」及び「ハーフ」に収容不可であるが、少なくとも「M」に3つ収容可能な包装物を収容できるパターンである。「ハーフ」とは「L/2」「M/2」及び「S/2」の総称である。具体的には、パターンPa19は、「L」に4つ、「M」に3つ、包装物を収容できるパターンである。パターンPa20~Pa22についても、パターンPa11と同様に説明できる。また、パターンPa23は、「L」にのみ1つ、包装物を収容できるパターンである。
提案者は、カセットCaへの収容対象となり得る複数種類の包装物のそれぞれについて、どのカセットCa又は収容領域に収容できるかを特定する。例えば、「L/5」に2つ収容可能であり、かつ「M/2」に4つ収容可能な包装物については、当該収容物に収容された薬剤の薬剤識別情報に対して「パターンPa11」を付与する。例えば、「L/5」に収容不可であるが、「S/2」に1つ収容可能な包装物については、当該包装物に収容された薬剤の薬剤識別情報に対して「パターンPa16」を付与する。例えば、「L/5」、「S」及び「ハーフ」に収容不可であるが、「M」に3つ収容可能な包装物を収容可能な包装物については、当該包装物に収容された薬剤の薬剤識別情報に対して「パターンPa19」を付与する。例えば、「L」にのみ1つ、包装物を収容可能な包装物については、当該包装物に収容された薬剤の薬剤識別情報に対して「パターンPa23」を付与する。付与したパターンは、薬剤識別情報に対応付けて記憶部904に記憶される。
ここで、ドラッグステーション1を搬入した病院等での所定使用期間(例:90日)における各種薬剤の使用数量(使用実績)は、例えば、図1に示す払出制御装置800により管理されている。制御部903は、払出制御装置800から、例えばドラッグステーション1を搬入した病院等において使用される薬剤の薬剤識別情報を取得する。制御部903は、記憶部904を参照することにより、取得した薬剤識別情報に付与されているパターンを特定する。これにより、制御部903は、ドラッグステーション1を搬入した病院等において使用される薬剤(ドラッグステーション1に保管され得る薬剤)の種類毎に、パターン(各カセットCa又は各収容領域に収容可能な薬剤容器の個数)を規定できる。制御部903は、このように規定されたデータを、個数基準データとして作成して、記憶部904に記憶する。
なお、上述したパターンの内容及び数はあくまで一例であって、複数種類のカセットCaのそれぞれの大きさ、及び、収容対象となり得る薬剤容器の大きさ等に基づき、適宜設定されてよい。
<払出数の算出>
制御部903は、上述した各種薬剤の払出数を、例えば、ドラッグステーション1を搬入した病院等での所定使用期間(例:90日)における各種薬剤の使用数量に基づき、以下の(1)又は(2)を用いて算出する。
(1)1日の最大使用量×1日の平均登場回数×充填間隔×所定期間(例:3日間)。
(2)所定期間(例:3日間)のうち、個数最大となる所定期間。
(1)において、「1日の最大使用量」は、所定使用期間における1日当たりの対象薬剤の使用量のうち、最大の使用量を指す。「1日の平均登場回数」は、所定使用期間における対象薬剤の使用回数の累積値を、所定使用期間で除した値である。制御部903は、所定使用期間において、1日に1つでも対象薬剤が使用されている場合には、使用回数を1と計数する。制御部903は、例えば90日のうち81日において、対象薬剤が使用されている場合には、使用回数の累積値を81と計数する。この場合、制御部903は、「1日の平均登場回数」を、81/90=0.9と算出する。「充填間隔」は、所定使用期間において、対象薬剤を充填したときから、次に対象薬剤を充填したときまでの期間を示す。複数の期間が存在する場合には、その平均値であってよい。
(1)では、制御部903は、「1日の最大使用量×1日の平均登場回数×充填間隔」により、対象薬剤の1日分の単位払出数を算出し、当該1日分の単位払出数に上記所定期間を乗じることにより、上記払出数を算出する。
(2)では、制御部903は、所定使用期間において、所定期間の間に使用された対象薬剤の数を、所定期間毎に算出する。すなわち、制御部903は、
・1日目、2日目及び3日目において使用された対象薬剤の数、
・2日目、3日目及び4日目において使用された対象薬剤の数、
…
・87日目、88日目及び89日目において使用された対象薬剤の数、
・88日目、89日目及び90日目において使用された対象薬剤の数、
をそれぞれ算出する。制御部903は、算出したこれらの対象薬剤の数のうち、最大数を、上記払出数として算出する。
<決定部931の処理例>
決定部931は、このように算出された対象薬剤の払出数と、対象薬剤の個数基準データ(パターンによって指定された、各種カセットCa及び収容領域のそれぞれに収容される薬剤容器の個数の組合せ)と、に基づき、対象薬剤を収容するカセットCaの種類等を決定する。
例えば、対象薬剤に規定されたパターンがパターンPa11であり、包装物として55個カセットCaに収容する場合を考える。この場合、決定部931は、パターンPa11を参照して、55個の包装物が収容可能な組合せを特定し、そのうちの1つの組合せを、対象薬剤の収容方法として決定する。
決定部931は、例えば、対象薬剤を収容するカセットCaの種類を「L」及び「L/2」と決定したとする。この場合、決定部931は、「L」の数を5つ、「L」への対象薬剤の収容数を50個、「L/2」の数を1つ、「L/2」への対象薬剤の収容数を5つと決定する。
決定部931は、上記組合せのうちから、例えば、各種カセットCaに対象薬剤を収容したときの、各種カセットCaにおける収容率が最も高い組合せを選択することにより、使用するカセットCaの種類及び個数を決定してよい。また、決定部931は、上記組合せのうちから、例えば、選択した各種カセットCaの底部の面積(収容面積)の合計値が最も小さい組合せを選択することにより、上記種類及び個数を決定してもよい。この組合せの選択は、例えば、予め設定された取決めに従って行われてよい。
決定部931は、対象薬剤の全てについて、対象薬剤を収容するカセットCaの種類等を決定する。これにより、カセットCaへの収容対象となり得る複数種類の薬剤の全てを収容したときの、必要となる種類毎のカセットCaの個数、及び当該カセットCaに収容する薬剤容器の収容数を、ユーザに提示することが可能となる。
なお、決定部931は、上記のように選択した組合せとは異なる組合せを用いて、対象薬剤の全てについて、対象薬剤を収容するカセットCaの種類等を決定してもよい。この場合、出力部932は、必要となる種類毎のカセットCaの個数等について、2種類以上の情報を出力できる。そのため、必要となる種類毎のカセットCaの個数等について、2種類以上の情報を、ユーザに提示することが可能となる。
決定部931は、例えば、以下の2つの方法にてカセットCaの種類等を決定してもよい。
・全て種類のカセットCa(「L」、「M」及び「S」)、並びに収容領域(「L/5」、「L/2」、「M/2」及び「S/2」)を用いることを前提としたカセットCaの種類等の決定。
・全て種類のカセットCa(「L」、「M」及び「S」)を用いるが、収容領域(「L/5」、「L/2」、「M/2」及び「S/2」)を用いないことを前提としたカセットCaの種類等の決定。
この場合、出力部932は、上記2種類の決定結果を印字装置950に出力できるため、上記2種類の決定結果をユーザに提示することが可能となる。
また、決定部931は、ドラッグステーション1において使用される各種カセットCaの全数を超えない範囲で、対象薬剤を収容するカセットCaの種類等を決定してよい。また、決定部931は、ドラッグステーション1において使用される各種カセットCaの全数を超える場合であっても、例えば上記組合せの選択に基づき、対象薬剤を収容するカセットCaの種類等を決定してもよい。この場合、出力部932は、不足するカセットCaの種類及び個数を出力し、当該種類及び個数を設備増設の検討用資料に使ってもよい。
決定部931の決定結果は、記憶部904に記憶されてよい。例えば、記憶部904には、薬剤名及び薬剤識別情報に対応付けて、カセットCaの種類、カセットCaの個数、及びカセット識別情報が記憶される。カセットCa毎(又は収容領域毎)に、薬剤の収容数が記憶されてもよい。
なお、カセットCaの種類には、例えば、大型カセットCa1、中型カセットCa2及び小型カセットCa3といったカセットサイズの他、カセットCaを仕切部で仕切った仕切数が含まれてよい。
例えば、大型カセットCa1で、かつ仕切数0の場合は、カセットCaの種類は、仕切部により仕切られていない大型カセットCa1(上述の「L」)を示す。例えば、大型カセットCa1で、かつ仕切数1の場合は、カセットCaの種類は、大型カセットCa1の、仕切部により2等分して形成される1つの収容領域(上述の「L/2」)を示してよい。例えば、大型カセットCa1で、かつ仕切数4の場合は、カセットCaの種類は、仕切部により4等分して形成される1つの収容領域(上述の「L/5」)を示してよい。中型カセットCa2及び小型カセットCa3についても同様である。
ここで、ドラッグステーション1が病院等に搬入され、ドラッグステーション1を稼働させる初期状態においては、ユーザは、カセット棚21に、使用し得る薬剤を保管していく必要がある。但し、上述したように、カセット棚21には、病院等の1施設での使用が想定される1500~2000種類の薬剤を保管できる。場合によっては、カセット棚21には、数千種類(例:3000種類)もの薬剤が保管される可能性もある。これは、錠剤分包機300等に比べ多くの薬剤の保管できることを意味し、カセット棚21を薬剤棚700としても機能させることができることを意味する。また、ドラッグステーション1において使用可能なカセットCaは、複数種類存在する。また、カセットCaによっては、仕切部を設けることにより、1つのカセットCa当たりに収容できる薬種数を増加させることができる。
ユーザは、カセット棚21に薬剤を収容する場合、数千種類の薬剤のそれぞれについて、過去の払出数等に基づき、カセット棚21に収容する薬剤の数を決定する必要があった。また、ユーザは、数千種類の薬剤のそれぞれについて、決定した薬剤の数、及び、当該薬剤を収容する箱又は包装物の現物の大きさを考慮して、当該薬剤を収容するカセットCaの種類及び数を、仕切部の有無も含めて検討する必要があった。また、ユーザは、カセット棚21に収容される薬剤の種類の数が多くなくても、同一種類の薬剤が収容されたカセットCaを複数準備することもある。
このような状況において、ユーザは、薬種毎に、薬剤の収容数を確認しながら、大型カセットCa1、中型カセットCa2及び小型カセットCa3の何れを用いるか、仕切部をどのように取付けるか、又は仕切部を取付けないか等を決定していく必要があった。従って、カセット棚21に薬剤を収容していく作業は、ユーザにとって大きな負担であった。
本実施形態では、上述のように、決定部931は、上記個数基準データと、各種薬剤の過去の使用数量(払出実績)に基づき算出した払出数と、に基づき、各種薬剤を収容すべきカセットCaの種類及び数を決定する。これにより、上記のようにユーザが試行錯誤して決定していたカセットCaの種類及び数を、自動的に決定できる。そのため、上述したユーザの負担を大幅に低減できる。
また、上記個数基準データは、上述したように、箱単位又は包装物単位で作成されている。そのため、決定部931が決定するカセットCaの種類及び数は、箱単位又は包装物単位でのカセット棚21への保管を前提としたものとなる。つまり、ユーザは、各種薬剤を、箱単位又は包装物単位でカセットCaに収容することとなる。
従って、ユーザは、箱又は包装物から薬剤を取出すことなくカセットCaに薬剤を収容するため、カセットCaへの薬剤の収容作業(充填作業)の効率化を図ることができる。
また、遮光性が保持された未開封の状態でカセット棚21に薬剤が保管されるため、薬剤の卸元にそのまま返品できる。また、他の薬局等への薬剤の貸出し等も迅速に行うことが可能となる。箱又は包装物を開封して保管した薬剤を、薬剤の卸元に返品すること、又は他の薬局等への貸出し等を行うことも可能であるが、その場合には、薬剤を箱又は包装物に戻すことが要求される。特に、箱又は包装物にはロット番号が付されているものの、薬剤シート自体にはロット番号が付されていない可能性があるため、安全性を担保する観点からも、薬剤を箱又は包装物に戻すことが要求される。箱又は包装物をカセット棚21に保管することにより、箱又は包装物に戻すというユーザの手間を削減できる。
また、ドラッグステーション1を初めて導入する病院等では、使用頻度が極めて低い薬剤についても、ひとまずカセット棚21に保管する可能性もあり得る。このような薬剤は後に返品対象となる可能性が高い。従って、当該病院等においては、未開封の状態でカセット棚21に薬剤を保管することは、特に有効である。
<薬剤一覧画像>
図26は、所定使用期間において使用された薬剤に関する情報をリスト化した薬剤一覧画像(薬剤一覧画面)IM11の一例を示す図である。薬剤一覧画像IM11は、制御部903が表示部902に表示する画像である。
薬剤一覧画像IM11は、所定使用期間において使用された薬剤に関する各種情報が対応付けられたレコードの一覧である使用薬剤リスト2601を含む。また、薬剤一覧画像IM11は、「トレイ対象外 選択」ボタン2602、「トレイ対象外 解除」ボタン2603、「『箱』固定」ボタン2604、「『ピロ』固定」ボタン2605、及び「計算」ボタン2606を含む。
図26の例では、「『ピロ』固定」ボタン2605が選択されている。そのため、制御部903は、カセットCaの収容対象が包装物である薬剤を、使用薬剤リスト2601に表示する。また、使用薬剤リスト2601において、カセットCaの収容対象が包装物であることを示す「ピロ」欄にチェックが入っている。なお、「『箱』固定」ボタン2604が選択された場合には、制御部903は、カセットCaの収容対象が箱である薬剤を、使用薬剤リスト2601に表示する。またこの場合、使用薬剤リスト2601において、カセットCaの収容対象が箱であることを示す「箱」欄にチェックが入る。
使用薬剤リスト2601には、所定使用期間において使用された薬剤についての「識別情報」(薬剤識別情報;薬剤の種類)、「薬剤名」(薬剤の種類)、「服用種別」、「規定薬品種別」、「入り数」及び「充填期間内の想定使用量」といった情報が入力される。制御部903は、これらの情報を、例えば払出制御装置800から取得することにより、表示部902に表示できる。
「服用種別」は、患者に服用される薬剤の形態を示す。「規制薬品種別」は、ドラッグステーション1に収容しない薬剤の種類を示す。制御部903は、「規制薬品種別」である薬剤については、カセットCaに収容しない薬剤として特定する。「規制薬品種別」は、予め設定されていてもよいし、提案者により指定されてもよい。「入り数」は、1つの包装物に収容された薬剤の数を示す。「充填期間内の想定使用量」は、所定使用期間における薬剤の使用数量を示す。
「収納パターン」欄には、図25に示す薬剤の種類毎に規定された個数基準データが示すパターンが表示される。決定部931は、このパターンと上記払出数とに基づき、対象薬剤の各種カセットCaへの薬剤容器の収容数等を決定する。
使用薬剤リスト2601の「トレイサイズ固定」欄において、提案者による入力操作を受付けることにより、制御部903は、個数基準データに依らず、薬剤を収容するカセットCaの種類を指定できる。「トレイサイズ固定」欄においてカセットCaの種類が指定された場合、制御部903は、提案者による入力操作を受付けることにより、「トレイ数指定」欄においてカセットCaの数を指定できる。カセットCaの種類及び数が指定された対象薬剤については、決定部931による処理の対象外となる。
使用薬剤リスト2601の「トレイ対象外」欄は、提案者による入力操作により、カセットCaに収容しない薬剤を選択可能な欄である。提案者が一覧から薬剤を選択し、「トレイ対象外 選択」ボタン2602に触れることにより、制御部903は、「トレイ対象外」欄にチェックを入れると共に、カセットCaに収容しない薬剤として特定する。提案者がカセットCaに収容しない薬剤を選択し、「トレイ対象外 解除」ボタン2603に触れることにより、制御部903は、「トレイ対象外」欄のチェックを外すと共に、カセットCaに収容する薬剤として再特定する。
提案者が「計算」ボタン2606に触れることにより、所定使用期間において使用された薬剤のうち、カセットCaに収容しない薬剤を除外した対象薬剤について、決定部931による処理が実行される。
〔実施形態6〕
本発明のさらに他の実施形態について、図27~図28を用いて以下に説明する。図27及び図28は、第1タッチパネル5に表示される画像の一例を示す図である。上述したように、ドラッグステーション1は、薬剤が収容されるカセットCaから薬剤を取出すこと、又はカセットCaに薬剤を投入することが可能な薬剤授受部32を有するピッキングユニット3と、カセットCaを複数個保管可能なカセット棚21と、を備える。
本体ユニット制御部11は、払出データを受信すると、記憶部15に記憶された薬剤リストに、払出データに含まれる薬剤に関する情報(ドラッグステーション1から払出す薬剤に関する情報)を記憶する。薬剤リストは、払出データに含まれる薬剤に関する情報を、払出データにおいて規定された払出順に管理するデータベースである。すなわち、薬剤リストは、ピッキングユニット3からの取出対象として予め設定された少なくとも1つの薬剤を含むデータベースであるといえる。その後、本体ユニット制御部11及びピッキングユニット制御部12は、上述したように、ドラッグステーション1の各部を動作させることにより、薬剤リストに示された払出順で薬剤を払出していく。具体的には、本体カセット移送制御部112は、本体カセット移送部22を制御して、薬剤リストに含まれる薬剤を収容するカセットCaを、カセット棚21からピッキングユニット3に順次移送する。また、ピッキングカセット移送制御部121は、ピッキングカセット移送部35を制御して、薬剤のカセットCaをピッキングユニット3の薬剤授受位置P1又は待機位置P2へと移送し、作業者が順次薬剤を取出すことが可能な状態とする。また、本体ユニット制御部11は、払出しが完了した薬剤に関する情報を、履歴情報として、記憶部15に記憶させてよい。
また、図27及び図28に示すように、タッチパネル制御部14は、払出モードにおいて、第1タッチパネル5に、薬剤の払出しに関連する各種情報を表示させる。払出モードは、払出データに基づきドラッグステーション1に保管された薬剤を払出すモードである。
例えば、図27に示すように、タッチパネル制御部14は、払出画像IM12(払出画面)を第1タッチパネル5に表示させることができる。払出画像IM12は、払出順を患者順でリスト化した、薬剤の払出一覧を示す。具体的には、払出画像IM12は、払出しが行われる患者の順番、患者名、払出しの状態、及び予想待ち時間等の情報が対応付けられたレコードの一覧である患者単位リスト2701を含む。また、図28に示すように、タッチパネル制御部14は、払出画像IM13(払出画面)を第1タッチパネル5に表示させることができる。払出画像IM13は、払出順を薬剤順(薬剤のピッキング順)でリスト化した、薬剤のピッキング一覧を示す。払出画像IM13は、払出しが行われる薬剤の順番(ピッキングされる薬剤の順番)、薬剤名(薬剤の種類)、薬剤の形体、払出す薬剤の総量、患者名、予想待ち時間等の情報が対応付けられたレコードの一覧である薬剤単位リスト2801を含む。患者単位リスト2701及び薬剤単位リスト2801に含まれる各レコードは、払出しが行われる順に並んで表示される。
また、タッチパネル制御部14は、第1タッチパネル5に、払出一覧選択タブ2702A、ピッキング一覧選択タブ2702B、及び保留明細選択タブ2702Cを表示させる。払出一覧選択タブ2702A、ピッキング一覧選択タブ2702B、及び保留明細選択タブ2702Cは、タッチパネル制御部14が第1タッチパネル5に表示させるリストの種類を選択する入力操作を受け付けるためのボタンとして機能する。作業者が払出一覧選択タブ2702Aに触れた場合、タッチパネル制御部14は、患者単位リスト2701を第1タッチパネル5に表示させる。作業者がピッキング一覧選択タブ2702Bに触れた場合、タッチパネル制御部14は、薬剤単位リスト2801を第1タッチパネル5に表示させる。作業者が保留明細選択タブ2702Cに触れた場合、タッチパネル制御部14は、図30に示す保留薬剤リスト3001を表示させる。
また、患者単位リスト2701又は薬剤単位リスト2801が表示されている状態において、第1タッチパネル5は、各リストに含まれる各レコードを選択する入力操作を受け付けることができる。当該入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、選択されたレコードの表示を、非選択のレコードとは異なるように変更する。例えば、図27に示すように、タッチパネル制御部14は、非選択のレコードには「-」を対応付け、選択されたレコードには「○」を対応付けて表示させてよい。
<削除機能>
制御装置10は、払出し中、又は払出しを待機している薬剤の払出しを不可逆的に中止する削除機能を備えている。具体的には、制御装置10は、ドラッグステーション1で取扱う薬剤を管理する薬剤管理部115を備える。例えば、薬剤管理部115は、記憶部15の薬剤リストの中から、作業者(ユーザ)の入力操作に基づき指定された薬剤を削除する処理を行う薬剤削除部として機能する。なお、払出し中とは、薬剤の払出しのためにカセット棚21からカセットCaが取出され、当該カセットCaがカセット棚21に存在しない状態を示す。払出しを待機しているとは、払出対象の薬剤を収容するカセットCaが、カセット棚21において待機している状態を示す。
図27及び図28に示すように、第1タッチパネル5には、患者単位リスト2701又は薬剤単位リスト2801に加えて、削除ボタン2703が表示される。例えば、薬剤単位リスト2801が表示されている状態で、1以上の薬剤のレコードが、作業者の入力操作によって選択された後、削除ボタン2703を選択する入力操作が行われた場合を考える。この場合、薬剤管理部115は、選択された薬剤に関する情報を、記憶部15の薬剤リストから削除する。また、薬剤管理部115は、記憶部15の薬剤リストから当該薬剤に関する情報を削除したことを示す削除情報を、本体カセット移送制御部112に出力する。
本体カセット移送制御部112及びピッキングカセット移送制御部121は、削除情報を取得すると、薬剤管理部115が記憶部15の薬剤リストから削除した薬剤について、ピッキングユニット3からの取出しを中止する。すなわち、作業者の入力操作に基づきある薬剤の払出しを中止する処理が実行された場合、本体カセット移送制御部112及びピッキングカセット移送制御部121は、当該薬剤を収容するカセットCaの払出しを中止する。
また、制御装置10が備えるカセット管理部114は、例えば、払出しを中止した薬剤を収容するカセットCaを、当該薬剤が収容されていない欠品状態のカセットCaであるものとし、当該薬剤の履歴情報として、記憶部15に記憶する(登録する)。記憶部15には、カセットCaのカセット識別情報と対応付けて、カセットCaに収容されている薬剤の個数(すなわち、当該薬剤の在庫数)を示す在庫数情報が記憶されている。そのため、カセット管理部114は、払出しを中止した薬剤を収容するカセットCaのカセット識別情報に対応付けられた在庫数情報を0(すなわち欠品状態)であることを示す情報に更新する。なお、カセット管理部114の上述した機能は、カセット管理部114の機能の一例であって、カセット管理部114は、カセット棚21に保管されるカセットCaを管理するものであればよい。
薬剤の払出しを中止し、当該薬剤に関する情報を記憶部15の薬剤リストから削除した場合に、当該薬剤を患者に提供するために、搬送トレイTrに当該薬剤を別途投入する必要がある場合がある。ここで、単純に当該薬剤に関する情報を記憶部15の薬剤リストから削除した場合、その削除にユーザが気づかない可能性がある。この場合、ユーザは、薬剤が一部揃っていない状態で患者に提供してしまう可能性がある。
本実施形態では、制御装置10は、記憶部15の薬剤リストから削除した薬剤を欠品状態であるものとして履歴情報に記憶したうえで、後続の薬剤を収容するカセットCaを薬剤授受位置P1又は待機位置P2に移送して、後続の薬剤の払出しを続行する。履歴情報は、例えば、第1タッチパネル5に表示したり、プリンタ36からジャーナルとして出力可能である。そのため、ユーザは、第1タッチパネル5又はジャーナルにより履歴情報を閲覧できる。従って、ユーザは、入力操作によって削除され、ドラッグステーション1から払出されなかった薬剤を把握でき、当該薬剤を別途搬送トレイTrに投入する必要があると認識できる。これにより、患者に提供すべき薬剤が提供されない可能性の発生を低減できる。
ここで、例えば、払出し中のカセットCaに収容される薬剤の払出しを中止する入力操作が行われた場合を考える。この場合、本体カセット移送制御部112及びピッキングカセット移送制御部121は、当該カセットCaからの払出しを中止し、当該カセットCaをピッキングユニット3又はカセット保持部23からカセット棚21に戻す。ピッキングカセット移送制御部121は、払出しを中止した薬剤の次の払出対象の薬剤を収容するカセットCa(後続カセット)を、カセット保持部23又は待機位置P2から薬剤授受位置P1(すなわち薬剤授受部32)に移送する。
別の例として、本体カセット移送制御部112及びピッキングカセット移送制御部121は、待機位置P2に待機させているカセットCaをカセット棚21に戻し、当該カセットCaに収容された薬剤の払出しを中止する。この場合、ピッキングカセット移送制御部121は、当該薬剤の次に払出される薬剤を収容するカセットCaを、払出しを中止した薬剤を収容するカセットCaが待機していた待機位置P2に移送する。
なお、払出しを中止した薬剤を収容するカセットCaがカセット棚21から取出されていない場合には、本体カセット移送制御部112は当該カセットCaを取出さない。代わりに、本体カセット移送制御部112は、当該薬剤の次に払出される薬剤を収容するカセットCaを取出してピッキングユニット3に移送する。
上述の例では、薬剤の種類単位で払出しを中止する薬剤が選択される場合について説明したが、患者単位で払出しを中止してもよい。すなわち、薬剤管理部115は、薬剤毎又は患者単位で、記憶部15の薬剤リストから薬剤に関する情報を削除してもよい。薬剤管理部115は、患者単位に限らず、種々の処方単位(例:服用時期単位)等、予め定められた所定単位で、記憶部15の薬剤リストから薬剤に関する情報を削除しても構わない。
具体的には、図27に示すように、患者単位リスト2701が表示されている状態において、作業者の入力操作によってある患者のレコードが選択され、削除ボタン2703が触れられた場合を考える。この場合、上述の例と同様、薬剤管理部115は、選択された患者に処方された薬剤に関する情報を、記憶部15の薬剤リストから削除する。本体カセット移送制御部112及びピッキングカセット移送制御部121は、記憶部15の薬剤リストから削除された薬剤の払出しを中止する。具体的には、本体カセット移送制御部112及びピッキングカセット移送制御部121は、当該患者に処方された全ての薬剤について、カセットCaをカセット棚21に戻す。また、本体カセット移送制御部112及びピッキングカセット移送制御部121は、払出順が当該患者の次である患者に処方された薬剤を収容するカセットCaを、ピッキングユニット3、すなわち薬剤授受位置P1又は待機位置P2に移送する。
また、上述のような削除操作が行われた場合、タッチパネル制御部14は、選択された薬剤又は患者のレコードを、第1タッチパネル5に表示された患者単位リスト2701又は薬剤単位リスト2801から削除する。
以上のように、ドラッグステーション1では、ピッキングユニット3での薬剤の取出しが中止となった場合、払出しを中止した薬剤の次の払出対象である薬剤を収容するカセットCa(後続カセット)を、ピッキングユニット3に移送できる。そのため、ある薬剤の取出しが中止となった場合であっても、記憶部15の薬剤リストに含まれる薬剤の払出しを続行できる。つまり、薬剤を効率良く払出すことができる。また、ドラッグステーション1では、薬剤の取出しを中止したカセットCaを欠品扱いとすることにより、後続カセットをピッキングユニット3に移送できる。
なお、制御装置10は、患者単位で記憶部15の薬剤リストから薬剤に関する情報を削除した場合、当該薬剤の払出しを中止する中止通知を、払出制御装置800に送信してもよい。この場合、実施形態1で説明したように、払出制御装置800は、薬剤払出システム100が備える他の装置(例:錠剤分包機300)を、当該薬剤の払出先として決定してよい。なお、制御装置10が薬剤単位で記憶部15の薬剤リストから薬剤に関する情報を削除した場合も、同様に処理されてもよい。
また、制御装置10は、第1タッチパネル5だけでなく、第2タッチパネル31への入力操作によっても記憶部15の薬剤リストから薬剤に関する情報を削除し、当該薬剤の払出しを中止してもよい。図29の符号29001に示すように、タッチパネル制御部14は、薬剤授受部32から取出す薬剤について、当該薬剤を取出すための情報を含む払出画像IM14(払出画面)を、第2タッチパネル31に表示させている。
払出画像IM14は、削除ボタン2901(図29において「強制監査」と示されるボタン)を含む。第2タッチパネル31が削除ボタン2901を選択する入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、図29の符号29002に示すような削除決定画像IM15(削除決定画面)を第2タッチパネル31に表示させる。
削除決定画像IM15には、確定ボタン2903と、キャンセルボタン2904と、後続キャンセルボタン2905と、が含まれる。第2タッチパネル31が確定ボタン2903を選択する入力操作を受け付けた場合を考える。この場合、薬剤管理部115は、当該入力操作を受け付けたときに薬剤授受位置P1にあるカセットCaに収容される薬剤(薬剤授受部32からの取出対象の薬剤)に関する情報を、記憶部15の薬剤リストから削除する。またこのとき、シャッター制御部122はシャッター322を閉じる。その後の処理は、上述した削除に関する処理と同様である。
例えば、患者「X」に処方された薬剤「A」、薬剤「B」、及び薬剤「C」のうち、薬剤「A」の払出中に削除ボタン2901及び確定ボタン2903が選択された場合を考える。この場合、本体カセット移送制御部112及びピッキングカセット移送制御部121は、薬剤「A」の払出しを中止する。そして、本体カセット移送制御部112及びピッキングカセット移送制御部121は、次の払出対象である薬剤「B」が収容されたカセットCaを、薬剤授受位置P1に移送する。
第2タッチパネル31がキャンセルボタン2904を選択する入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、第2タッチパネル31において、削除決定画像IM15の表示を中止し、払出画像IM14の表示に切り替える。
第2タッチパネル31が後続キャンセルボタン2905を選択する入力操作を受け付けた場合を考える。この場合、薬剤管理部115は、当該入力操作を受け付けたときに薬剤授受位置P1にあるカセットCaに収容される薬剤に関する情報を、記憶部15の薬剤リストから削除する。またこのとき、シャッター制御部122はシャッター322を閉じる。さらに、当該薬剤が処方された患者の、当該薬剤以降に払出対象であった薬剤に関する情報についても、記憶部15の薬剤リストから削除する。その後の処理は、上述した削除に関する処理と同様である。
例えば、患者「X」に処方された薬剤「A」、薬剤「B」、及び薬剤「C」のうち、薬剤「A」の払出中に削除ボタン2901及び後続キャンセルボタン2905が選択された場合を考える。この場合、本体カセット移送制御部112及びピッキングカセット移送制御部121は、薬剤「A」、薬剤「B」、及び薬剤「C」の全てについて払出しを中止する。そして、本体カセット移送制御部112及びピッキングカセット移送制御部121は、次の払出対象である患者に処方された薬剤が収容されたカセットCaを、薬剤授受位置P1に移送する。
このように、ドラッグステーション1では、第2タッチパネル31を介しても、払出対象の薬剤を記憶部15の薬剤リストから削除することにより、ピッキングユニット3での薬剤の取出しを中止できる。また、当該薬剤の次の払出対象である薬剤を収容するカセットCaを、ピッキングユニット3に移送できる。
<保留機能>
制御装置10は、払出し中、又は払出しを待機している薬剤の払出しを可逆的に中止する保留機能を備えている。具体的には、薬剤管理部115は、記憶部15の薬剤リストの中から、作業者(ユーザ)の入力操作に基づき指定された薬剤の取出しを保留状態とする保留処理を行う取出保留部として機能する。
図27及び図28に示すように、第1タッチパネル5には、患者単位リスト2701又は薬剤単位リスト2801に加えて、保留ボタン2704が表示される。第1タッチパネル5に表示される患者単位リスト2701中のある薬剤のレコードが選択された状態において、保留ボタン2704を選択する入力操作を受け付けた場合、薬剤管理部115は上述の保留処理を行う。また、第1タッチパネル5に表示される薬剤単位リスト2801中のある患者のレコードが選択された状態において、保留ボタン2704を選択する入力操作を受け付けた場合、薬剤管理部115は上述の保留処理を行う。すなわち、薬剤管理部115は、薬剤毎又は患者単位で、薬剤の取出しを保留状態とする。なお、薬剤管理部115は、患者単位に限らず、種々の処方単位(例:服用時期単位)等、予め定められた所定単位で、薬剤の取出しを保留状態としても構わない。
具体的には、薬剤管理部115は、保留対象の薬剤に関する情報を記憶部15の保留リストに記憶させ、記憶部15の薬剤リストから一旦削除する。保留リストは、払出しが保留された薬剤に関する情報が保留順に記憶されるデータベースである。
本体カセット移送制御部112及びピッキングカセット移送制御部121は、薬剤管理部115が保留状態とした薬剤について、ピッキングユニット3からの取出しを中止したと判定する。本体カセット移送制御部112及びピッキングカセット移送制御部121は、保留状態とした薬剤の払出しを中止した場合、当該薬剤の次に払出される薬剤を収容するカセットCaを、ピッキングユニット3、すなわち薬剤授受位置P1又は待機位置P2に移送する。
従って、記憶部15の薬剤リストから薬剤に関する情報を削除した場合と同様、ピッキングユニット3での薬剤の取出しが中止となった場合、当該薬剤の次の払出対象である薬剤を収容するカセットCaを、ピッキングユニット3に移送できる。
なお、カセット管理部114は、保留状態とした薬剤を収容するカセットCaを、当該薬剤が収容されていない欠品状態のカセットCaであるものとして、記憶部15に記憶してもよい。
上述のように、第1タッチパネル5には、保留明細選択タブ2702Cが表示されている。第1タッチパネル5が保留明細選択タブ2702Cを選択する入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、第1タッチパネル5に図30に示すような保留明細一覧画像IM17を表示させる。
保留明細一覧画像IM17(保留明細一覧画面)は、取出しを保留状態とした薬剤をリスト化した保留薬剤リスト3001を含む。保留薬剤リスト3001は、患者名、保留状態となった薬剤の名称(種類)、当該薬剤の形体、及び当該薬剤の総量等の情報が対応付けられたレコードの一覧である。保留薬剤リスト3001には、保留状態とした順に並んで、各レコードが表示される。また、保留明細一覧画像IM17には、明細単位選択ボタン3002、払出データ単位選択ボタン3003、及び保留解除ボタン3004が含まれる。
明細単位選択ボタン3002が選択された場合、保留明細一覧画像IM17に表示される薬剤のレコードを、1種類の薬剤単位で選択可能となる。一方、払出データ単位選択ボタン3003が選択された場合、保留明細一覧画像IM17に表示される薬剤のレコードを、払出データ単位(患者単位)で選択可能となる。
例えば、ある患者「X」に薬剤「A」、薬剤「B」及び薬剤「C」が処方されており、薬剤「A」、薬剤「B」及び薬剤「C」についての払出しが保留されている場合を考える。この場合において、明細単位選択ボタン3002が選択された状態で薬剤「A」が選択されると、薬剤「A」のみが選択された状態となる。一方、払出データ単位選択ボタン3003が選択された状態で薬剤「A」が選択されると、薬剤「A」、薬剤「B」、及び薬剤「C」の全てが選択された状態となる。
薬剤が選択された状態において、保留解除ボタン3004を選択する入力操作を受け付けると、薬剤管理部115は、当該薬剤の保留状態を解除する。薬剤管理部115は、保留状態が解除された薬剤に関する情報を、記憶部15の薬剤リストに改めて記憶させる。また、保留状態が解除された薬剤に関する情報は、第1タッチパネル5に表示される患者単位リスト2701又は薬剤単位リスト2801に再度表示される。
また、制御装置10は、第1タッチパネル5だけでなく、第2タッチパネル31への入力操作によっても薬剤を保留状態とし、当該薬剤の払出しを中止してもよい。図29の符号29001に示すように、第2タッチパネル31に表示される払出画像IM14には、保留ボタン2902が含まれている。保留ボタン2902を選択する入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、図29の符号29003に示すような保留決定画像IM16(保留決定画面)を第2タッチパネル31に表示させる。
保留決定画像IM16は、確定ボタン2906と、キャンセルボタン2907と、を含む。第2タッチパネル31が確定ボタン2906を選択する入力操作を受け付けた場合を考える。この場合、薬剤管理部115は、当該入力操作を受け付けたときに薬剤授受位置P1にあるカセットCaに収容される薬剤(薬剤授受部32からの取出対象の薬剤)に関する情報を、記憶部15の保留リストに記憶する。また、薬剤管理部115は、当該薬剤に関する情報を、記憶部15の薬剤リストから一旦削除する。またこのとき、シャッター制御部122はシャッター322を閉じる。そして、本体カセット移送制御部112及びピッキングカセット移送制御部121は、次の払出対象である薬剤が収容されたカセットCaを、薬剤授受位置P1に移送する。
第2タッチパネル31がキャンセルボタン2907を選択する入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、第2タッチパネル31において、保留決定画像IM16の表示を中止し、払出画像IM14の表示に切り替える。
このように、記憶部15の薬剤リストから薬剤に関する情報を削除した場合と同様、第2タッチパネル31を介しても、保留状態とした薬剤について、ピッキングユニット3での薬剤の取出しを中止できる。また、当該薬剤の次の払出対象である薬剤を収容するカセットCaを、ピッキングユニット3に移送できる。
<入替機能>
制御装置10は、払出しを待機している薬剤の払出しの順序を入替える入替機能を備えている。
第1タッチパネル5に患者単位リスト2701又は薬剤単位リスト2801が表示されている状態において、あるレコードが選択され、当該レコードが、患者単位リスト2701又は薬剤単位リスト2801の別の位置に移動された場合を考える。この場合、タッチパネル制御部14は、図31に示すような確認画像IM18(確認画面)を、第1タッチパネル5に表示させる。確認画像IM18には、作業者の入力操作を受け付ける確定ボタン3101及びキャンセルボタン3102が含まれる。
確定ボタン3101が選択されると、制御装置10は、記憶部15の薬剤リストにおいて、薬剤の払出順を、変更後の順序に入れ替える。これにより、制御装置10は、変更後の順序で薬剤を払出すことができる。一方、キャンセルボタン3102が選択されると、払出順の入替えは行われず、変更前の払出順が維持される。
タッチパネル制御部14は、払出順の入替えが行われた場合、患者単位リスト2701又は薬剤単位リスト2801において、選択されたレコードを作業者の入力操作によって指定された位置に入れ替えて表示させる。
〔実施形態7〕
ドラッグステーション1では、1種類の薬剤を、所定単位で連続して充填することが可能である。ここでの所定単位とは、例えば、ある薬剤が複数収容される箱単位である。
薬剤をドラッグステーション1内に充填する充填作業が行われる場合、制御装置10は、作業者による充填作業を開始する旨を指示する入力操作を受け付ける。当該入力操作を受け付けた場合、タッチパネル制御部14は、第2タッチパネル31に、図32の符号32001に示すような、バーコードの読取りを案内する案内画像IM19(案内画面)を表示させる。案内画像IM19が表示されている状態において、制御装置10は、バーコードリーダ34が箱に付されたバーコードから読取った薬剤識別情報(例:GS1コード)を取得する。薬剤識別情報を取得すると、本体カセット移送部22は、当該薬剤識別情報に示される、充填対象の薬剤を収容するカセットCaをカセット保持部23に移送する。その後、ピッキングカセット移送部35は、当該カセットCaを薬剤授受部32へ移送する。
充填対象の薬剤を収容するカセットCaが薬剤授受部32に到達すると、タッチパネル制御部14は、図32の符号32002に示すような、薬剤の照合(認証)を促す案内画像IM20(案内画面)を、第2タッチパネル31に表示させる。当該案内画像IM20が表示されている状態において、バーコードリーダ34が薬剤識別情報を読取ると、制御装置10は、取得した薬剤識別情報が、充填対象の薬剤の薬剤識別情報と一致するか否かを判定する。
一致する場合、制御装置10は、充填対象の薬剤のカセットCaへの充填(すなわち、当該薬剤を収容する箱のカセットCaへの充填)を許可する。すなわち、制御装置10は、2度目のバーコードの読取りに基づく照合に成功した場合に、カセットCaへの薬剤の充填を許可する。
制御装置10がカセットCaへの薬剤の充填を許可した場合、シャッター制御部122は、シャッター322を開状態とする。これにより、作業者は、充填対象の薬剤を収容した箱をカセットCaに充填できる。また、制御装置10がカセットCaへの薬剤の充填を許可した場合、タッチパネル制御部14は、第2タッチパネル31に、充填対象の薬剤名等、薬剤の充填に関する情報を表示させる。
また、制御装置10は、カセットCaへの薬剤の充填を許可した場合、バーコードに含まれる、箱に収容されている当該薬剤の個数を示す個数情報を取得する。制御装置10は、取得した個数情報を、充填対象の薬剤をカセットCaに収容する個数を示す入数情報として、バッファ(不図示)に一時的に記憶させる。なお、個数情報は、薬剤を管理するサーバ(不図示)に、薬剤の種類毎に記憶されていてもよい。例えば、取得したバーコードから個数情報を取得できない場合に、制御装置10は、バーコードに含まれる薬剤識別情報に対応付けられた個数情報を、サーバから取得してもよい。
タッチパネル制御部14は、取得した入数情報に示される、充填される薬剤の個数(入数)を、第2タッチパネル31に表示させる。例えば、1箱に100個の薬剤が収容されており、この1箱をカセットCaに充填する場合、タッチパネル制御部14は、第2タッチパネル31に「100個」と表示させる。
シャッター322が開いている状態において、作業者によって薬剤が充填され、作業者の入力操作によってシャッター322が閉じられると、制御装置10は、充填作業が完了したと判定する。制御装置10は、充填作業が完了したと判定した場合、取得した入数情報に示される、充填される薬剤の個数を、記憶部15に記憶された、当該薬剤の在庫数情報に示される在庫数に加算する。制御装置10は、充填される薬剤の個数を当該薬剤の在庫数に加算した個数を、当該薬剤の新たな在庫数として記憶部15に記憶させる。
制御装置10は、上述したように、充填対象の薬剤を収容するカセットCaを呼出し(当該カセットCaを薬剤授受部32に移送し)、カセットCaに薬剤を充填するための照合を行うと、シャッター322を開状態とする。当該照合を行った後に、バーコードリーダ34が、呼出されたカセットCaへの充填対象である薬剤の箱に付されたバーコードを、再度読取ったとする。
この場合、制御装置10は、充填対象の薬剤についての照合に成功した後に、再度、当該薬剤についての照合に成功する。このようにカセットCaを呼出した後、充填対象の薬剤についての照合が2度連続して成功した場合、制御装置10は、当該薬剤について連続して充填が行われると判定する。連続して充填が行われる場合、制御装置10は、バッファに一時的に記憶した入数情報を更新する。具体的には、制御装置10は、バッファに一時的に記憶している入数情報が示す薬剤の個数に、当該個数と同数の個数を加算し、新たな入数情報としてバッファに記憶させる。また、タッチパネル制御部14は、バッファにおいて更新された新たな入数情報を、第2タッチパネル31に表示させる。
また、シャッター322が開状態である場合において、バーコードリーダ34が、呼出されたカセットCaへの充填対象である薬剤の箱に付されたバーコードを、複数回読取った場合を考える。この場合、制御装置10は、薬剤識別情報を新たに取得する度に、バッファに一時的に記憶した入数情報が示す薬剤の個数に、当該個数と同数の個数を加算し、新たな入数情報としてバッファに記憶させる。例えば、1箱に100個の薬剤が収容されており、制御装置10が、1度目の照合に成功した後、2度同じ薬剤識別情報を取得した場合を考える。この場合、制御装置10は、1度目の照合時(薬剤識別情報の取得時)に取得した入数情報に示される「100個」に対して、「200個」(当該入数情報が示す「100個」×2)を加算した「300個」を、新たな入数情報としてバッファに記憶させる。
バッファに記憶された入数情報を更新した後、作業者の入力操作によりシャッター322を閉状態とした場合、制御装置10は、新たな入数情報に示される個数を、記憶部15に記憶された在庫数情報に示される在庫数に加算する。これにより、制御装置10は、在庫数情報を更新する。なお、制御装置10は、カセットCaの呼出し後、照合に成功するたびに、1度目の照合時に取得した入数情報に示される個数を、在庫数に加算してもよい。
なお、連続充填中に、充填中の薬剤の箱に付された薬剤識別情報とは異なる薬剤識別情報を取得した場合、タッチパネル制御部14は、第2タッチパネル31に、連続して充填できない旨のエラー通知を表示させてもよい。また、制御装置10は、ユーザ入力に基づき、1つのカセットCaに対して連続して薬剤の充填が行われると判定してもよい。図38は、第1タッチパネル5に表示される充填画像IM30の一例を示す図である。図38には、連続充填受付領域3801が含まれる。例えば、ユーザが連続充填受付領域3801にチェックを入れた場合、制御装置10は、1つのカセットCaに対して連続して薬剤の充填が行われると判定してもよい。すなわち、連続充填受付領域3801にチェックが入っている場合、制御装置10は、連続したバーコードの読取りを、連続した充填のためのものであると認識し、バーコードを読取った分だけ、カセットCaに収容される薬剤の個数を計数してよい。
〔実施形態8〕
上述したように、ドラッグステーション1に薬剤を充填する場合、制御装置10は、充填対象の薬剤を収容するカセットCaをピッキングユニット3に呼出すために、薬剤に付されたバーコードをバーコードリーダ34に読取らせるよう作業者に対して案内する。バーコードは、例えば、薬剤自体(例:薬剤シート)、薬剤が収容された容器、又は薬剤が収容された箱に付されている。また、薬剤授受部32に到達したカセットCaに充填対象の薬剤を収容するために、薬剤に付されたバーコードをバーコードリーダ34に読取らせるよう作業者に対して案内する。すなわち、制御装置10は、バーコードを用いた2度の照合に成功した場合に、カセットCaへの薬剤の充填を許可する。
制御装置10は、作業者の入力操作により充填モードが選択された場合、バーコード読取りモードを、充填対象の薬剤を収容するカセットCaをカセット棚21からピッキングユニット3に呼出す呼出しモードに設定する。充填モードは、作業者がドラッグステーション1に薬剤の充填を行うモードである。呼出しモードでは、制御装置10は、記憶部15を参照することにより、バーコードが示す薬剤識別情報に対応付けられたカセット識別情報が示すカセットCaを、カセット棚21からピッキングユニット3へと移送させる。
制御装置10は、薬剤授受部32にカセットCaが到達すると、バーコード読取りモードを、到着したカセットCaが収容する薬剤と、作業者が充填する薬剤と、が一致するか否かを照合する照合(認証)モードに切替える。照合モードでは、制御装置10は、記憶部15を参照することにより、バーコードが示す薬剤識別情報と、到着したカセットCaのカセット識別情報に対応付けられた薬剤識別情報と、の照合を行う。制御装置10は、2つの薬剤識別情報が一致する場合、照合に成功したと判定して、シャッター322を開く。これにより、作業者は、薬剤をカセットCaに充填できる。その後、例えば作業者がトレイ閉ボタン39を押下すると、シャッター322が閉じる。
制御装置10は、呼出しモードの間、すなわち薬剤授受部32に充填対象の薬剤を収容するカセットCaが到着するまでは、バーコードリーダ34が読取ったバーコードが示す薬剤識別情報を順次取得し、充填を待機する薬剤の情報として管理できる。すなわち、制御装置10は、記憶部15の充填待機リストにおいて、当該薬剤識別情報を、取得した順(充填の待機順)に管理できる。そのため、制御装置10は、ある薬剤のカセットCaへの充填が完了した後(シャッター322を閉じた後)、次に充填する薬剤の薬剤識別情報が管理されている場合には、引き続き薬剤の充填のための照合を実行できる。制御装置10は、記憶部15にて管理する薬剤識別情報が示す薬剤の全てについての充填が完了した場合、バーコード読取りモードを、照合モードから呼出しモードに切替える。
図33は、充填モードにおいて第1タッチパネル5に表示される充填画像IM21(充填画面)の一例を示す図である。図33に示すように、充填画像IM21は、充填対象として選択された薬剤に関する各種情報が対応付けられたレコードの一覧である充填薬剤リスト3301を含む。充填薬剤リスト3301には、カセット番号に対応付けて、薬品名及び在庫数等の情報が含まれている。また、タッチパネル制御部14は、充填薬剤リスト3301の「対象」欄において、充填対象の薬剤のレコードに対応付けて「〇」を表示させ、充填対象から除外した薬剤のレコードに対応付けて「-」を表示させる。タッチパネル制御部14は、作業者の「対象」欄に対する入力操作により、「〇」及び「-」の表示を切り替える。
また、充填画像IM21(充填画面)は、バーコード読取りモードの状態を表示するモード表示領域3302を含む。図33の例では、モード表示領域3302において「バーコードモード:カセット呼出」と示されている。すなわち、この充填画像IM21は、バーコード読取りモードが呼出しモードに設定されていることを示している。充填対象の薬剤を収容するカセットCaが薬剤授受部32に到着すると、制御装置10は、モード表示領域3302における「バーコードモード:カセット呼出」の表示を、照合モードを示す「バーコードモード:カセット到着」に切替える。
ここで、制御装置10は、薬剤授受部32に充填対象の薬剤を収容するカセットCaが到着したときに、バーコード読取りモードを呼出しモードから照合モードに自動的に切替える場合であって、かつ、複数種類の薬剤を充填する場合を考える。上述のように、制御装置10は、呼出しモードの間は、バーコードリーダ34が読取ったバーコードが示す薬剤識別情報を順次取得して、充填待機リストにて管理するが、薬剤授受部32にカセットCaが到達した後は、照合モードに切替える。従って、制御装置10は、切替後に新たに充填しようとする薬剤に付されたバーコードを取得した場合、当該バーコードが示す薬剤識別情報を充填待機リストには追加しない。代わりに、制御装置10は、当該薬剤識別情報を、薬剤授受部32に到着したカセットCaのカセット識別情報に対応付けられた薬剤識別情報との照合を行うために用いる。この場合、2つの薬剤識別情報は互いに異なるために、制御装置10は、作業者に対して、照合が失敗した旨のエラー通知を行うこととなる。
従って、充填対象の薬剤が複数種類存在し、かつ、呼出しモードの間に、全ての薬剤の薬剤識別情報を充填待機リストに追加できなかった場合、以下のような事象が発生する。作業者は、呼出しモードの間に読取らせることができなかったバーコードを、バーコードを読取った薬剤の充填が完了し、再び呼出しモードに戻るまで、カセットCaを呼出すために読取らせることができない。すなわち、作業者は、呼出しモードに戻るまで、カセットCaを呼出すためのバーコードの読取作業を待機する必要がある。
本実施形態では、制御装置10は、作業者によるバーコードモード切替指示を受付け可能である。例えば、制御装置10は、バーコード読取りモードを切替えるための作業者の入力操作を受付けるモード切替ボタン(不図示)を含む充填画像IM21を、第1タッチパネル5に表示させてよい。なお、制御装置10は、上述の充填待機リストを、第1タッチパネル5に表示させてもよい。
制御装置10は、カセットCaが薬剤授受部32に到達したときに、バーコード読取りモードを、呼出しモードから照合モードに切替える。作業者は、カセットCaを呼出すために、充填対象の薬剤の全てについて、バーコードを読取らせることができていない場合、モード切替ボタンに触れる。これにより、制御装置10は、第1タッチパネル5からバーコードモード切替指示を取得し、照合モードから呼出しモードに切替える。そのため、制御装置10は、上記バーコードを、カセットCaを呼出すためのバーコードとして取得し、当該バーコードが示す薬剤識別情報を、充填待機リストに追加できる。従って、作業者は、充填したい全ての薬剤について、収容するカセットCaの呼出しの予約を行うことができるため、バーコードを読取った薬剤の充填が完了し、再び呼出しモードに戻るまで当該予約を待機せずに済む。
なお、制御装置10は、作業者の入力操作によって呼出しモードに切替えたときに、シャッター322を開いている場合には、シャッター322を一旦閉じる。
作業者は、充填したい全ての薬剤の薬剤識別情報を充填待機リストに追加した後、モード切替ボタンに触れる。これにより、制御装置10は、第1タッチパネル5からバーコードモード切替指示を取得し、呼出しモードから照合モードに切替え、待機順に従って、バーコードを読取らせるよう作業者に案内する。作業者が案内に従ってバーコードを読取らせていくことにより、制御装置10は、待機順に従って、充填待機リストに含まれる全ての薬剤識別情報について、照合を行っていくことができる。
〔実施形態9〕
以下、ドラッグステーション1における薬剤のロット番号及び有効期限の管理方法について説明する。
ドラッグステーション1では、各薬剤のロット番号及び有効期限を、カセットCaに収容される薬剤の種類毎に管理している。例えば、記憶部15には、カセットCaのカセット識別情報と、当該カセットCaに収容される薬剤の種類を示す情報(例:薬剤識別情報)と、当該薬剤のロット番号を示すロット番号情報と、当該薬剤の有効期限を示す有効期限情報と、が対応付けられて記憶されている。カセットCaに複数種類の薬剤が収容されている場合、カセットCaにおける収容位置を示す収容位置情報に、薬剤識別情報、ロット番号情報、及び有効期限情報が対応付けられている。
ドラッグステーション1内の在庫数が0である薬剤が充填されるとき、すなわち、当該薬剤のロット番号情報及び有効期限情報が記憶部15に記憶されていない場合を考える。この場合、制御装置10は、例えば、バーコードリーダ34によって読取られたバーコード(例:GS1コード)から、当該薬剤のロット番号情報及び有効期限情報を取得する。制御装置10は、取得したロット番号情報及び有効期限情報を、当該薬剤の薬剤識別情報及び当該薬剤を収容するカセットCaのカセット識別情報に対応付けて記憶部15に記憶する。
なお、ロット番号情報及び有効期限情報は、薬剤を管理するサーバ(不図示)に、薬剤の種類毎に記憶されていてもよい。例えば、取得したバーコードからロット番号情報及び有効期限情報を取得できない場合に、制御装置10は、バーコードに含まれる薬剤識別情報に対応付けられたロット番号情報及び有効期限情報を、サーバから取得してもよい。
また、取得した有効期限情報が年月を示す情報であり、日付を示す情報を含まない場合、制御装置10は、有効期限の月の末日を、充填される薬剤の有効期限として記憶部15に記憶する。すなわち、記憶部15では有効期限を年月日で管理する。
図34は、図33の充填画像IM21に含まれる充填薬剤リスト3301の一例を示す図である。図33および図34に示すように、作業者は、第1タッチパネル5を介して、薬剤のロット番号、及び有効期限等の情報を閲覧できる。なお、充填画像IM21においては充填薬剤リスト3301の一部のみが示される。そのため、作業者は、充填画像IM21において充填薬剤リスト3301をスクロールさせることにより、図34に示すような充填薬剤リスト3301の全体像を把握できる。
タッチパネル制御部14は、第1タッチパネル5に、薬剤の有効期限として、当該薬剤の有効期限の年月を表示させる。例えば薬剤が箱に収容されている場合、当該箱に表記される有効期限は年月であることが多い。また、ドラッグステーション1に箱毎充填することも多い。そのため、有効期限を、充填頻度が比較的高い箱の表記にあわせて第1タッチパネル5に表示することにより、作業者が、箱の表記と第1タッチパネルの表示との間での有効期限の一致又は不一致を確認しやすくなる。但し、タッチパネル制御部14は、記憶部15に記憶された有効期限情報が示す有効期限(すなわち年月日)で表示してもよい。
また、記憶部15には、各カセットCaのカセット識別情報又は収容位置情報と、下記の第1の設定及び第2の設定と、が対応付けられて記憶されている。すなわち、第1の設定及び第2の設定は、各カセットCaに収容される薬剤の種類(各カセットCaのカセット識別情報又は収容位置情報に対応付けられた薬剤識別情報)毎に設定されている。ドラッグステーション1内の在庫数が1以上である薬剤が充填される場合、制御装置10は、当該薬剤の種類毎に設定された第1の設定及び第2の設定に基づき、当該薬剤の充填の可否と、記憶部15のロット番号情報及び有効期限情報と、を管理する。
図35は、カセットCaへの充填可否と、ロット番号情報及び有効期限情報の管理方法と、を説明するための表である。
制御装置10では、バーコードからロット番号情報及び有効期限情報を取得できなかった場合にどのような処理が行われるかを決定する第1の設定が、薬剤の種類毎に定められている。例えば、図35に示すように、各カセットCa又は各収容領域に収容された薬剤に対して(すなわち薬剤の種類毎に)、第1の設定として、「充填する」設定及び「充填しない」設定のうちの何れかの設定が適用されている。「充填する」設定は、ある薬剤に付されたバーコードからロット番号情報及び有効期限情報を取得できなかったとしても、当該薬剤のカセットCaへの充填を許可する設定である。「充填しない」設定は、当該ロット番号情報及び有効期限情報を取得できなかった場合には、当該薬剤のカセットCaへの充填を許可しない設定である。制御装置10は、ある薬剤について薬剤識別情報を取得した場合、記憶部15を参照し、当該薬剤に適用される第1の設定を取得する。制御装置10は、取得した第1の設定に基づき、当該薬剤の充填を許可するか否かを判定する。
バーコードからロット番号情報及び有効期限情報を取得できた場合(図35において「実際の入力」が「入力あり」の場合)について考える。図35に示すように、「入力あり」の場合、「充填する」設定及び「充填しない」設定の何れについても、後述の第2の設定に基づきカセットCaに充填できない場合(「充填なし(エラー)」の場合)を除き、カセットCaに薬剤が充填できる設定となっている。すなわち、後述の「そのまま充填」及び「上書充填」の何れかの設定となっている。従って、制御装置10は、上記バーコードが付された薬剤(有効期限情報等を取得できた薬剤)に対して、第1の設定として「充填する」設定及び「充填しない」設定の何れの設定が適用されていたとしても、当該薬剤のカセットCaへの充填を許可する。
また、バーコードからロット番号情報及び有効期限情報を取得できなかった場合(図35において「実際の入力」が「未入力」の場合)について考える。図35に示すように、「未入力」の場合、「充填する」設定については、カセットCaに薬剤が充填できる設定(「そのまま充填」)となっている。従って、第1の設定として、上記バーコードが付された薬剤(有効期限情報等を取得できなかった薬剤)に対して「充填する」設定が適用されている場合も、制御装置10は当該薬剤のカセットCaへの充填を許可する。
一方、図35に示すように、「未入力」の場合、「充填しない」設定については、カセットCaに薬剤が充填できない設定(「充填なし(エラー)」)となっている。従って、第1の設定として、上記バーコードが付された薬剤(有効期限情報等を取得できなかった薬剤)に対して「充填しない」設定が適用されている場合、制御装置10は、当該薬剤のカセットCaへの充填を許可しない。薬剤のカセットCaへの充填を許可しない場合、タッチパネル制御部14は、例えば第1タッチパネル5に、充填を許可しない旨を通知するエラー画像を表示させてもよい。
また、薬剤の種類毎に第2の設定が定められている。第2の設定は、バーコードから取得したロット番号情報及び有効期限情報が、記憶部15に記憶された、当該バーコードが付された薬剤の薬剤識別情報に対応付けられたロット番号情報及び有効期限情報と異なる場合の処理に関する設定である。具体的には、第2の設定は、当該場合のカセットCaへの充填可否、及び、ロット番号情報及び有効期限情報の書換え可否を決定する設定である。
例えば、図35に示すように、各カセットCa又は各収容領域に収容された薬剤に対して(すなわち薬剤の種類毎に)、第2の設定として、「上書きして充填」設定、「そのままで充填」設定、及び「充填しない」設定のうちの何れかの設定が適用されている。また、図示しないが、第2の設定として「有効期限を管理しない」設定が、各カセットCa又は各収容領域に収容された薬剤に適用される場合もある。
制御装置10は、ある薬剤について、第1の設定に基づいて判定を行い、当該薬剤の充填を許可した場合、記憶部15を再度参照し、当該薬剤に適用されている第2の設定を取得する。制御装置10は、取得した第2の設定に基づき、薬剤の充填可否、及び、ロット番号情報及び有効期限情報の書換え可否を決定する。
まず、取得したロット番号情報及び有効期限情報と、記憶部15に記憶されたロット番号情報及び有効期限情報とが異なるときの第2の設定として、「充填しない」設定が適用される薬剤が充填される場合について説明する。なお、以降の説明において、ロット番号情報及び有効期限情報を取得していることが前提となるため、図35においては「入力あり」の行を参照されたい。また、以下では、ロット番号情報については省略し、有効期限情報を例示して説明する。
図35に示すように、新たに充填される薬剤の有効期限情報が、既にカセットCaに収容されている同種の薬剤の有効期限情報と異なる場合(「実際の入力」が「≠」の場合)、カセットCaに薬剤が充填できない設定(「充填なし(エラー)」)となっている。そのためこの場合、制御装置10は、新たに充填される薬剤のカセットCaへの充填を許可しない。
一方、新たに充填される薬剤の有効期限情報が、既にカセットCaに収容されている同種の薬剤の有効期限情報と一致する場合(「実際の入力」が「=」の場合)を考える。この場合、図35に示すように、カセットCaに薬剤が充填できる設定であって、記憶部15の有効期限情報を変更しない設定(「そのまま充填」)となっている。そのためこの場合、制御装置10は、記憶部15の有効期限情報を変更することなく、新たに充填される薬剤のカセットCaへの充填を許可する。
従って、取得した有効期限情報と記憶部15の有効期限情報とが異なる場合、「充填しない」設定が適用される薬剤については、有効期限が同じ薬剤のみカセットCaに収容される。これにより、当該設定を適用される薬剤については、同一の有効期限の薬剤をカセットCaに収容できる。そのため、有効期限を過ぎてもなおカセットCaに薬剤が収容されたままになる等の、誤った管理が行われる可能性が低減される。
次に、第2の設定として「上書きして充填」設定が適用される薬剤が充填される場合について説明する。
図35に示すように、新たに充填される薬剤の有効期限情報が、既にカセットCaに収容されている同種の薬剤の有効期限情報と一致するか否かを問わず、「上書充填」が設定されている。すなわち、カセットCaに薬剤が充填できる設定であって、記憶部15の有効期限情報を、取得した有効期限情報に書換える設定となっている。そのためこの場合、制御装置10は、新たに充填される薬剤のカセットCaへの充填を許可する。また、制御装置10は、記憶部15に記憶されている当該薬剤の有効期限情報を、新たに充填される薬剤のバーコードから取得した有効期限情報に上書きする。
従って、取得した有効期限情報と記憶部15の有効期限情報とが異なる場合、「上書きして充填」設定が適用される薬剤については、充填される度に、記憶部15の有効期限情報が新たな有効期限情報に上書きされる。そのため、当該設定は、使用頻度が高い薬剤等、有効期限情報を更新しても、更新以前に充填された薬剤の有効期限を過ぎる前に当該薬剤を使用できる薬剤等に対して、有効に適用できる。
次に、第2の設定として「そのままで充填」設定が適用される薬剤が充填される場合について説明する。
図35に示すように、新たに充填される薬剤の有効期限情報が、既にカセットCaに収容されている同種の薬剤の有効期限情報と一致するか否かを問わず、「そのまま充填」が設定されている。すなわち、カセットCaに薬剤が充填できる設定であって、記憶部15の有効期限情報を、取得した有効期限情報に書換えない設定となっている。そのためこの場合、制御装置10は、新たに充填される薬剤のカセットCaへの充填を許可する。また、制御装置10は、記憶部15に記憶されている当該薬剤の有効期限情報を変更しない。
ここで、充填される薬剤の有効期限は、既にカセットCaに収容されている薬剤の有効期限よりも、充填時の日付に近い可能性が高い。すなわち、既にカセットCaに収容されている薬剤の有効期限は、充填される薬剤の有効期限よりも古い可能性が高い。従って、取得した有効期限情報と記憶部15の有効期限情報とが異なる場合、「そのままで充填」設定が適用される薬剤については、カセットCa内の薬剤の有効期限の中で、最も古い有効期限を、当該薬剤の有効期限として管理できる可能性が高い。そのため、カセットCaに異なる有効期限の薬剤を充填可能であり、かつ当該カセットCaに新たに薬剤が充填されたとしても、以前に充填された薬剤の有効期限が過ぎる前に当該薬剤を使用できる可能性が高い。
次に、第2の設定として「有効期限を管理しない」設定が適用される薬剤が充填される場合について説明する。
当該設定が適用される薬剤については、記憶部15に当該薬剤の有効期限情報が記憶されていない。制御装置10は、当該薬剤が充填される場合、有効期限情報を取得したか否か、及び有効期限が示す日付にかかわらず、当該薬剤の充填を許可する。そのため、当該設定は、有効期限を管理する必要が無い、例えば湿布薬等の薬剤、又は説明書等の物品に対して、有効に適用できる。
〔実施形態10〕
制御装置10は、ピッキングユニット3において充填作業が行われている間に払出データを受信した場合、払出データを受信した旨を作業者に通知する通知機能を備えていてもよい。
例えば、ドラッグステーション1が払出制御装置800から払出データを受信した場合、タッチパネル制御部14は、第1タッチパネル5に、払出データを受信したことを示す情報を表示させる。例えば、タッチパネル制御部14は、第1タッチパネル5に、払出データを受信したことを示す受信通知領域3303を表示させてもよい。
上記構成によれば、作業者は、充填作業を行っている間であっても、ドラッグステーション1が払出データを受信したことを容易に認識できる。これにより、ドラッグステーション1を用いて払出しを行うべき薬剤が存在することに気づかずに作業者が充填作業を続け、払出作業の開始が遅れる可能性を低減できる。
なお、ドラッグステーション1は、第1タッチパネル5における表示の他に、スピーカ(不図示)から音声を出力して払出データを受信した旨を作業者に通知してもよい。
〔実施形態11〕
制御装置10は、ドラッグステーション1の使用実績を示す帳票レポートを出力する機能を備えていてもよい。帳票レポートの出力により、ユーザは、ドラッグステーション1の使用実績(稼働状況)を把握できる。制御装置10は、例えば、制御装置10に接続されたプリンタから、帳票レポートを出力してよい。制御装置10は、例えば、第1タッチパネル5に帳票レポートに示される内容を表示してもよい。
制御装置10は、ドラッグステーション1の使用実績を管理しており、当該使用実績を示すデータを記憶部15に記憶している。制御装置10は、例えば、制御装置10が払出制御装置800から受信したある所定処方期間の処方データを払出すときの使用実績を示すデータを、記憶部15に記憶すればよい。制御装置10は、記憶部15を参照することにより、ドラッグステーション1の使用実績を帳票レポートに出力できる。
上記使用実績としては、例えば、払出制御装置800からの受信情報(受信データ)が挙げられる。上記受信情報には、全処方箋枚数を示す情報が含まれてよい。全処方箋枚数は、所定処方期間に発行された処方箋の総数を示す。
薬剤払出システム100においては、全処方箋枚数は、払出制御装置800が受付けた処方データに含まれる処方の総数(処方入力装置200又は払出制御装置800が発行した処方箋の総数)であってよい。すなわち、全処方箋枚数は、ドラッグステーション1の他、薬剤払出システム100に含まれる錠剤分包機300等の各種装置の全てを用いて払出される薬剤を含む処方の総数(処方箋の総数)であってよい。
ドラッグステーション1が単独で用いられる場合、全処方箋枚数は、ドラッグステーション1が処方入力装置200から受付けた処方データに含まれる処方の総数(処方箋の総数)を示す。ドラッグステーション1が単独で使用される場合とは、ドラッグステーション1が薬剤払出システム100に含まれず、ドラッグステーション1が各種装置と連動して薬剤の払出しを行わない場合を指す。
また、上記受信情報には、発行された全処方箋のうち、ドラッグステーション1が薬剤の払出しに関与した処方箋の枚数を示すドラッグステーション処方箋情報が含まれてよい。薬剤払出システム100においてドラッグステーション1が用いられる場合、ドラッグステーション処方箋情報は、処方データに含まれる処方のうち、ドラッグステーション1においてどの程度の処方に係る薬剤を払出したのかを示すことができる。ドラッグステーション1が単独で用いられる場合、全処方箋枚数と、ドラッグステーション処方箋情報が示す処方箋枚数とは一致する。
上記受信情報が帳票レポートに出力されることにより、ユーザは、薬剤払出システム100全体において取扱った処方箋枚数、又はドラッグステーション1において取扱った処方箋枚数を把握できる。また、薬剤払出システム100においてドラッグステーション1が用いられる場合には、ドラッグステーション1において取扱った処方箋枚数と共に、薬剤払出システム100全体で取扱った処方箋枚数に対する、ドラッグステーション1において取扱った処方箋枚数の割合を把握できる。
その他、上記使用実績としては、例えば、取出された薬剤の形体を示す情報、取出された薬剤の種類数(例:当該種類の総数、及び形態毎の種類数)を示す情報、及びドラッグステーション1の稼働時間を示す情報が含まれてよい。上記薬剤の形体は、錠剤、カプセル、散剤等といった、患者に服用される服用種別を示す。上記稼働時間は、例えば、ドラッグステーション1の総稼働時間の他、1処方当たり(例:1患者当たり)の稼働時間、及び1薬剤当たりの稼働時間を含んでよい。
〔実施形態12〕
図36は、2つのピッキングユニット3を備えるドラッグステーション1の構成例を示す斜視図である。上記基本構成において説明したように、本体ユニット2の前面側に2つのピッキングユニット3が設けられていてよい。また、上記基本構成において説明したように、図1に示す薬剤払出システム100において、払出制御装置800は、処方入力装置200から受信した処方データに示された薬剤のうち、ドラッグステーション1から払出す薬剤を決定し、当該薬剤に関する情報を含む払出データを、ドラッグステーション1に送信する。
薬剤払出システム100が病院に設けられる場合、処方入力装置200は、ユーザ入力に基づき、処方箋区分を示す情報を受け付けることができる。処方箋区分は、例えば、薬剤が処方された患者が受ける診療に関する区分を指し、例えば、当該患者が受ける診療の診療形態、及び、当該患者が診療を受ける診療科(診療専門区分)を示すものである。処方箋区分は、患者毎に付与される。
診療形態としては、例えば、患者が通院して診療を受ける形態と、患者が通院以外の方法により診療を受ける形態と、が挙げられる。患者が通院して診療を受ける形態としては、例えば、患者が通院して診療を受けることを示す「外来」の他、患者が緊急の通院により診療を受けることを示す「緊急」、及び、患者が予約当日の通院により診療を受けることを示す「当日」が挙げられる。患者が通院以外の方法により診療を受ける形態としては、例えば、患者が入院して診療を受ける形態が挙げられる。当該形態としては、例えば、「入院」及び「臨時」が挙げられる。「入院」は、処方入力装置200が、入力された入院患者用の処方データを、設定された時刻に払出制御装置800に一括して送信するために用いられる。すなわち、「入院」が付与された患者の処方データは、設定された時刻に処方入力装置200から払出制御装置800に送信される。「臨時」は、処方入力装置200が、臨時で入力された入院患者用の処方データを、払出制御装置800に送信するために用いられる。すなわち、「臨時」が付与された患者の処方データは、当該患者に処方された薬剤に関する情報が処方入力装置200に入力されたときに、処方入力装置200から払出制御装置800に送信される。また、診療科としては、「内科」及び「外科」等が挙げられる。
処方入力装置200は、患者と、患者に処方された薬剤とを対応付けた情報と共に、患者と処方箋区分とを対応付けた情報を含めた処方データを生成する。従って、払出制御装置800は、当該情報を含む処方データを受信し、ドラッグステーション1の制御装置10は、当該情報を含む払出データを受信する。なお、払出制御装置800は、処方データとは別に、患者と処方箋区分とを対応付けた情報を受信してもよいし、制御装置10は、払出データとは別に、当該情報を受信してもよい。
ドラッグステーション1の記憶部15には、処方箋区分を示す区分情報と、ピッキングユニット3を識別するためのユニット識別情報と、が対応付けて記憶されている。例えば、患者が通院して診療を受ける形態(例:「外来」、「緊急」及び「当日」)を示す区分情報には、一方のピッキングユニット3を示すユニット識別情報が対応付けられている。患者が通院以外の方法により診療を受ける形態(例:「定期」及び「入院」)を示す区分情報には、他方のピッキングユニット3を示すユニット識別情報が対応付けられている。また、例えば、「内科」を示す区分情報には、一方のピッキングユニット3を示すユニット識別情報が対応付けられ、「外科」を示す区分情報には、他方のピッキングユニット3を示すユニット識別情報が対応付けられていてもよい。区分情報とユニット識別情報との対応関係は、適宜変更可能である。
制御装置10は、払出データに示される複数種類の薬剤について、払出データに含まれる区分情報に基づき、薬剤を払出すピッキングユニット3を決定する。本実施形態では、制御装置10は、当該情報に基づき、2つのピッキングユニット3の何れを、薬剤を払出すピッキングユニット3とするかを決定する。
制御装置10は、払出制御装置800から払出データを受信すると、当該払出データに含まれる区分情報を、記憶部15に記憶された区分情報と照合することにより、各薬剤を払出す対象となるピッキングユニット3を決定する。
記憶部15には、薬剤識別情報と、収容位置情報又はカセット識別情報とを対応付けたデータが記憶されている。そのため、本体ユニット制御部11は、記憶部15を参照することにより、払出データに示される各種薬剤について、払出対象の薬剤を収容するカセットCaを、当該薬剤を払出す対象として決定したピッキングユニット3に移送する。
なお、本実施形態では、ドラッグステーション1が2つのピッキングユニット3を備える構成を例に挙げて説明したが、これに限らず、3つ以上のピッキングユニット3を備える構成にも適用可能である。
このように、払出データにおいて、薬剤が処方された患者毎に区分情報が付与されおり、区分情報とユニット識別情報とが対応付けて管理されており、かつ、ドラッグステーション1が複数のピッキングユニット3を備える場合を考える。この場合、制御装置10は、入力された区分情報に基づき、複数のピッキングユニット3のうち、処方データに示される薬剤を払出すピッキングユニット3を決定する。これにより、制御装置10は、処方箋区分に応じて、薬剤の払出先となるピッキングユニット3を決定できる。そのため、制御装置10は、診療形態又は診療科毎に、1つのピッキングユニット3から纏めて薬剤を払出すことが可能となる。
なお、制御装置10は、払出データに示される患者毎に、複数のピッキングユニット3のうち、払出データに示される薬剤を払出すピッキングユニット3を決定してもよい。この場合、記憶部15において、患者を識別するための情報と、ユニット識別情報と、が対応付けて記憶されていればよい。この場合も、制御装置10は、診療形態又は診療科毎に、1つのピッキングユニット3から纏めて薬剤を払出すことが可能となる。
また、上述した制御装置10による制御を、払出制御装置800の制御部801により実行しても構わない。この場合、払出制御装置800の記憶部802に、区分情報とユニット識別情報とが記憶されていてよい。またこの場合、制御部801は、入力された区分情報に基づき決定したピッキングユニット3を示す情報を、制御装置10に送信してよい。
〔実施形態13〕
本実施形態においても、図36に示すように、ドラッグステーション1が2つのピッキングユニット3を備える構成を例に挙げて説明する。図37は、第1タッチパネル5に表示される払出選択画像IM25の一例を示す図である。図37の例では、一方のピッキングユニット3を「メイン機」、他方のピッキングユニット3を「サブ機」と称している。
図37に示すように、払出選択画像IM25には、各ピッキングユニット3に対応して、「分包/手調剤あり」、「複数種以下の払出」及び「完結処方」の選択を受け付けるチェックボックスが含まれる。図37の例では、一方のピッキングユニット3(メイン機)に対して「完結処方」が選択されている状態を示している。
「分包/手調剤あり」は、ドラッグステーション1から払出された後の工程において分包機により一包化されるか、又は粉砕機により粉砕化される薬剤の払出先としてのピッキングユニット3を選択するための項目である。手調剤とは、分包機の手撒きユニットに手撒きされ、分包機により一包化される薬剤を指す。
何れかのピッキングユニット3において「分包/手調剤あり」が選択された場合を考える。この場合、制御装置10は、払出データに一包化又は粉砕化を必要とする薬剤を示す情報が含まれていれば、その薬剤を収容するカセットCaを、「分包/手調剤あり」が選択されたピッキングユニット3に移送する。これにより、ドラッグステーション1から払出された後の工程においてユーザが一包化又は粉砕化する必要がある薬剤を、1つのピッキングユニット3から纏めて払出すことができる。そのため、ユーザの業務効率を向上させることができる。
処方入力装置200は、ユーザ入力に基づき、一包化又は粉砕化を必要とする薬剤に対して、一包化又は粉砕化を必要とする薬剤であることを示すフラグを付与できる。処方入力装置200は、患者と、患者に処方された薬剤とを対応付け、かつ、一包化又は粉砕化を必要とする薬剤については上記フラグを付与した情報を含む処方データを生成する。従って、払出制御装置800は、当該情報を含む処方データを受信し、ドラッグステーション1は、当該情報を含む払出データを受信する。これにより、制御装置10は、払出データに示された薬剤が、一包化又は粉砕化を必要とする薬剤であるか否かを判定できる。なお、処方入力装置200は、処方データに示される薬剤が一包化又は粉砕化を必要とする薬剤であるかを示す情報を、処方データとは別に生成してもよい。この場合、払出制御装置800は、処方データと共に当該情報を受信し、ドラッグステーション1は、払出データと共に当該情報を受信する。
「複数種以下の払出」は、種類数が予め設定された種類数以下である、ある患者に処方された薬剤について、当該薬剤の払出先としてのピッキングユニット3を選択するための項目である。
何れかのピッキングユニット3において「複数種以下の払出」が選択された場合を考える。この場合、制御装置10は、払出データにおいて、ある患者に処方された薬剤の種類数が予め設定された種類数以下であれば、当該患者に処方された薬剤を収容するカセットCaを、「複数種以下の払出」が選択されたピッキングユニット3に移送する。払出データには、患者に処方された薬剤の種類を示す情報が含まれているため、制御装置10は、患者に処方された薬剤の種類数を特定できる。
「完結処方」は、ある患者に処方された薬剤の全てをドラッグステーション1から払出すことが可能である、当該患者に処方された薬剤について、当該薬剤の払出先としてのピッキングユニット3を選択するための項目である。
何れかのピッキングユニット3において「完結処方」が選択された場合を考える。この場合、制御装置10は、払出データにおいて、ある患者に処方された薬剤の全てがドラッグステーション1から払出すことが可能であれば、当該患者に処方された薬剤を収容するカセットCaを、「完結処方」が選択されたピッキングユニット3に移送する。
これにより、ドラッグステーション1での払出が完結できる処方に含まれる薬剤については、1つのピッキングユニット3から纏めて払出すことができる。そのため、ユーザは、上記処方に含まれる薬剤を収容した搬送トレイTrに対して薬剤を追加することなく、当該搬送トレイTrに収容された薬剤に対する鑑査を行うことが可能となる。そのため、ユーザの業務効率を向上させることができる。
記憶部15には、各カセットCaに収容された薬剤の数(収容数)を示す情報が記憶されている。また、払出データには、患者に処方された薬剤の種類と、種類毎の薬剤の数とを示す情報が含まれている。そのため、制御装置10は、収容数を示す情報と、払出データに含まれる情報とを参照することにより、患者に処方された薬剤の全てを払出すことができるか否かを判定できる。例えば、払出データに示された薬剤がドラッグステーション1で管理されている場合であっても、当該薬剤の収容数が0である場合(すなわち当該薬剤が欠品している場合)には、制御装置10は、患者に処方された薬剤の全てを払出せないと判定してよい。
なお、本実施形態では、ドラッグステーション1が2つのピッキングユニット3を備える構成を例に挙げて説明したが、これに限らず、3つ以上のピッキングユニット3を備える構成にも適用可能である。
このように、制御装置10は、ユーザ入力に基づき、複数のピッキングユニット3の中から、特定の条件を満たす薬剤の払出先としてのピッキングユニット3を決定する。そして、制御装置10は、払出データに示される薬剤の中に、特定の条件を満たす薬剤が含まれている場合には、当該薬剤を、決定したピッキングユニット3に移送する。特定の条件は、例えば、ドラッグステーション1から薬剤が払出された後のユーザの業務効率の観点から設定される。そのため、ユーザの業務効率を向上させることができる。
なお、制御装置10は、1つのピッキングユニット3に対して複数の条件が選択されており、かつ、払出データに示される薬剤の中に、少なくとも何れか一方の条件を満たす薬剤が含まれていれば、当該薬剤を当該ピッキングユニット3に移送してよい。
例えば、メイン機であるピッキングユニット3において「分包/手調剤あり」及び「複数種以下の払出」(例:3種類以下の払出)が選択されている場合であり、かつ、払出データに以下のような情報が含まれる場合を考える。当該払出データにおいて、ある患者に処方された薬剤の種類が4種類であって、その中に一包化又は粉砕化を必要とする薬剤が含まれているものとする。この場合、制御装置10は、3種類以下の条件を満たさないが、患者に処方された薬剤の中に一包化又は粉砕化を必要とする薬剤が含まれているため、当該患者に処方された薬剤の払出先を、メイン機であるピッキングユニット3に決定する。
また、制御装置10は、2つのピッキングユニット3に対して同一の条件が選択された場合には、当該条件の選択を無効としてもよい。また、一緒に選択された場合にその選択が無効となる条件の組合せが設定されている場合であり、かつ、当該組合せに含まれる複数の条件が選択された場合には、制御装置10は、当該複数の条件の選択を無効としてもよい。例えば、上記組合せとして「複数種以下の払出」及び「完結処方」が設定されている場合を考える。この場合、メイン機であるピッキングユニット3に対して「複数種以下の払出」及び「完結処方」が選択された場合、制御装置10は、当該選択を無効としてもよい。また、メイン機であるピッキングユニット3に対して「複数種以下の払出」、サブ機であるピッキングユニット3に対して「完結処方」が選択された場合、又は、その逆の選択がされた場合についても、制御装置10は、当該選択を無効としてもよい。
〔ソフトウェアによる実現例〕
ドラッグステーション1の制御装置10が備える制御ブロックは、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。また、払出制御装置800の制御部801が備える制御ブロック、及び情報処理装置900の制御部903が備える制御ブロックは、集積回路等に形成された論理回路によって実現してもよいし、ソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、ドラッグステーション1、払出制御装置800、及び情報処理装置900は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するコンピュータを備えている。このコンピュータは、例えば1つ以上のプロセッサを備えていると共に、上記プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えている。そして、上記コンピュータにおいて、上記プロセッサが上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記プロセッサとしては、例えばCPU(Central Processing Unit)を用いることができる。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ROM(Read Only Memory)等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などをさらに備えていてもよい。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明の一態様は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。