JP2022112991A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】燃料電池のガス流路が閉塞してしまうことを抑制する燃料電池システムを提供する。【解決手段】燃料電池システムは、発電領域に沿って反応ガスを流通させるガス流路が形成されたセパレータを有する燃料電池と、燃料電池の運転を停止するときに、ガス流路に掃気ガスを供給して、ガス流路内に滞留する水を排出する掃気運転を実行する制御部と、を備える。セパレータには、ガス流路を通過した反応ガスを排出する排出マニホールド13と、ガス流路と排出マニホールドとを連結する連結流路と、がさらに形成されている。連結流路の排出マニホールドへ接続する下流区間は、並列に配列された複数の並列流路(複数の短流路20a、複数の長流路20b)により構成されている。複数の並列流路の一部である特定流路20aの流路長が、他の並列流路の流路長よりも短い。【選択図】図5
Description
本明細書が開示する技術は、燃料電池システムに関する。
特許文献1には、燃料電池の運転を停止するときに、燃料電池のガス流路内に滞留する水を掃気ガスによって排出する処理(以下、掃気運転という。)を行う燃料電池システムが開示されている。燃料電池の運転を停止するときに掃気運転を実行することにより、低温環境下(例えば、氷点下)においても、滞留水が凍結することによるガス流路の閉塞を防止することができる。
燃料電池の運転を停止するときに、掃気運転により燃料電池内から滞留水を完全に排出した場合であっても、燃料電池の運転を開始するときには、発電により液水が生成される。このため、低温環境下において燃料電池の運転を開始すると、生成された液水が凍結することによりガス流路が閉塞してしまうという問題が生じる。
燃料電池の発電には発熱が伴うため、低温環境下で燃料電池の運転を開始しても、燃料電池は速やかに昇温する。しかしながら、燃料電池の発電領域の外側の領域は、発電領域と比較して昇温し難い。発電領域の外側には、一般的に、反応ガスが発電領域に沿って流通するガス流路と、反応ガスを排出する排出マニホールドとを連結する連結流路が形成されており、連結流路ではガス流路よりも昇温速度が遅い。このため、燃料電池が低温環境下で運転を開始するときに、生成した液水が当該連結流路において凍結し、連結流路が閉塞してしまう場合がある。本明細書では、燃料電池を低温環境下で運転させた場合であっても、ガス流路が閉塞してしまうことを抑制することができる技術を提供する。
本明細書が開示する燃料電池システムは、発電領域に沿って反応ガスを流通させるガス流路が形成されたセパレータを有する燃料電池と、燃料電池の運転を停止するときに、前記ガス流路に掃気ガスを供給して、前記ガス流路内に滞留する水を排出する掃気運転を実行する制御部と、を備えている。前記セパレータには、前記ガス流路を通過した反応ガスを排出する排出マニホールドと、前記ガス流路と前記排出マニホールドとを連結する連結流路と、がさらに形成されている。前記連結流路の前記排出マニホールドへ接続する下流区間は、並列に配列された複数の並列流路により構成されている。前記複数の並列流路の一部である特定流路の流路長が、他の前記並列流路の流路長よりも短い。
上記の燃料電池システムでは、燃料電池の運転を停止するときに、掃気運転を実行する。これにより、ガス流路内に滞留する水を外部に排出する。このため、低温環境下においてもガス流路が閉塞することを抑制することができる。また、この燃料電池システムでは、連結流路の下流区間(すなわち、発電領域から離れた区間)が、複数の並列流路により構成されている。燃料電池の運転を開始するときに発電により生成した液水は、複数の並列流路に分岐して流れるので、その流速が速い。したがって、低温環境下で燃料電池の運転を開始した場合であっても、並列流路内を流れる液水から各並列流路の内壁への熱伝導率が低減する。このため、発電領域から離れた下流区間においても、連結流路内で液水が凍結し難い。さらに、並列流路のうちの特定流路の流路長が、他の並列流路の流路長よりも短い。このため、特定流路に流入した液水は、当該特定流路から短時間で排出される。したがって、特定流路内に流入した液水は、熱を奪われ難く、より凍結し難いため、特定流路では凍結による閉塞がより生じ難い。以上の通り、この燃料電池システムでは、並列流路の全てが凍結により閉塞されてしまうことが抑制され、反応ガスの流通を妨げることを抑制することができる。
本明細書が開示する技術要素を、以下に列記する。なお、以下の各技術要素は、それぞれ独立して有用なものである。
本技術の一実施形態では、前記特定流路の内壁は、前記他の並列流路の内壁よりも高い撥水性を有していてもよい。このような構成では、液水と特定流路の内壁との接触角が大きくなるため、これらの接触面積が小さくなる。したがって、熱伝導率がより低減し、より凍結を抑制することができる。
本技術の一実施形態では、前記特定流路には、前記特定流路の内壁よりも高い撥水性を有する撥水部材が、前記内壁の少なくとも一部を覆うように配置されていてもよい。このような構成では、撥水部材と液水との接触角が、特定流路の内壁と液水との接触角よりも大きくなる。すなわち、撥水部材と液水との接触面積が比較的小さくなる。したがって、熱伝導率がより低減し、より凍結を抑制することができる。また、撥水部材が配置されることにより、特定流路の流路断面積が小さくなる。このため、特定流路内を流れる液水の流速がより速くなる。
本技術の一実施形態では、前記撥水部材は、筒形状を有していてもよい。このような構成では、特定流路の内壁を広く覆うように筒形状の撥水部材が配置されることにより、より効率良く熱伝導率を低減することができる。
(実施例)
以下、図面を参照して、実施例の燃料電池システム100について説明する。図1に示す燃料電池システム100は、発電を行う燃料電池10と、燃料ガス系30と、酸化ガス系50と、冷却系60と、制御ユニット70と、を備えている。燃料ガス系30は、燃料電池10への燃料ガスの供給及び燃料電池10からの燃料ガスの排出を行う。酸化ガス系50は、燃料電池10への酸化ガスの供給及び燃料電池10からの酸化ガスの排出を行う。冷却系60は、燃料電池10の冷却を行う。制御ユニット70は、燃料電池システム100全体の動作を制御する。燃料電池システム100は、例えば、車両に搭載される。
以下、図面を参照して、実施例の燃料電池システム100について説明する。図1に示す燃料電池システム100は、発電を行う燃料電池10と、燃料ガス系30と、酸化ガス系50と、冷却系60と、制御ユニット70と、を備えている。燃料ガス系30は、燃料電池10への燃料ガスの供給及び燃料電池10からの燃料ガスの排出を行う。酸化ガス系50は、燃料電池10への酸化ガスの供給及び燃料電池10からの酸化ガスの排出を行う。冷却系60は、燃料電池10の冷却を行う。制御ユニット70は、燃料電池システム100全体の動作を制御する。燃料電池システム100は、例えば、車両に搭載される。
燃料電池10は、固体高分子形燃料電池であり、複数の燃料電池セル11が積層されたスタック構造を有している。燃料電池10は、燃料ガスとしての水素ガス、及び酸化ガスとしての空気が供給されると、電気化学反応による発電を行う。
燃料ガス系30は、水素タンク31、シャットバルブ32、アノードガス調圧弁33、気液分離器35、循環ポンプ36、排気排水弁37、及び配管41、42、43、44を備えている。
水素タンク31に貯蔵された水素ガスは、配管41(以下、水素供給配管41とも称する。)を介して燃料電池10のアノードに燃料ガスとして供給される。シャットバルブ32及びアノードガス調圧弁33は、燃料電池10へ供給される水素ガスの圧力を調整する。
アノードからの排ガス(以下、アノードオフガスとも称する。)は、配管42(以下、アノードオフガス配管42とも称する。)を介して気液分離器35に導かれる。気液分離器35は、アノードオフガスに含まれる水と、発電で消費されなかった水素ガスとを分離する。気液分離器35によって分離された水素ガスは、循環ポンプ36が配設された配管43(以下、水素循環配管43とも称する。)及び水素供給配管41を介して、燃料電池10に循環する。
気液分離器35には、貯留された水を排出するための配管44が接続されており、この配管44には、排気排水弁37が設けられている。排気排水弁37は、通常時には閉じられており、気液分離器35の貯水量に応じて開弁されて、貯水が配管44を介して燃料電池システム100の外部に排水される。また、排気排水弁37は、燃料電池10内に滞留する水を排出するための排気運転が終了したときにも開弁される。
排気排水弁37は、アノードオフガスを燃料電池システム100の外部に排出する弁としても機能する。排気排水弁37は、通常時には閉じられており、アノードオフガスが燃料電池10に循環する。一方で、排気排水弁37は、アノードオフガスに含まれる窒素ガスや水蒸気などの不純物濃度が所定値よりも高くなったときに開弁される。これにより、アノードオフガスが配管44を介して燃料電池システム100の外部に排出される。この結果、窒素ガスや水蒸気などの不純物がアノード側から取り除かれ、アノード側の不純物濃度の上昇が抑制される。
酸化ガス系50は、エアポンプ51、カソードガス調圧弁52、及び配管53、54を備えている。
エアポンプ51によって大気から吸入された空気は、配管53を介して燃料電池10のカソードに酸化ガスとして供給される。カソードからの排ガス(以下、カソードオフガスとも称する。)は、配管54を介して燃料電池システム100の外部に排出される。カソードガス調圧弁52は、配管54におけるカソードオフガスの圧力を調整する。
冷却系60は、ラジエータ61、循環ポンプ62、及び配管63、64を備えている。配管63、64は、燃料電池10とラジエータ61とに接続されている。配管63、64の内部を流れる冷却水は、循環ポンプ62の圧力によって、燃料電池10とラジエータ61の間を循環する。このため、燃料電池10の電気化学反応に伴って生じる熱は、循環する冷却水によって吸収され、この冷却水によって吸収された熱が、ラジエータ61によって放熱される。これにより、燃料電池10の温度が適切な温度に保たれる。
制御ユニット70は、CPUや、ROM、RAM等を備えるコンピュータによって構成されている。制御ユニット70は、車両からの出力要求や各種センサによる検出状態に基づいて、シャットバルブ32、アノードガス調圧弁33、循環ポンプ36、排気排水弁37、エアポンプ51、カソードガス調圧弁52、循環ポンプ62等に駆動信号を出力することによって、燃料電池システム100の運転動作や、運転停止時における掃気動作を制御する。
続いて、図2~図8を参照して燃料電池10の燃料電池セル11(以下、単にセル11という。)の構成について説明する。図2は、セル11の分解斜視図である。図2のz方向は、複数のセル11が積層される方向を示しており、x方向及びy方向は、略矩形状に形成されたセル11の長手方向及び短手方向を示している。
図2に示すように、セル11は、発電領域としての膜電極ガス拡散層接合体22(以下、MEGA(Membrane Electrode Gas diffusion layer Assembly)と称する。)と、MEGA22を支持する支持フレーム24と、MEGA22を両側から挟持するアノードセパレータ6及びカソードセパレータ7(以下、単にセパレータ6、セパレータ7と称する場合がある。)により構成されている。支持フレーム24は、樹脂により構成されており、略枠状であって内周側がMEGA22の外周領域に接合されている。支持フレーム24は、セパレータ6、7と接することにより、アノードガス流路及びカソードガス流路のガス流路(後述)のシール性を確保する。
図3は、図2のIII-III線に対応する箇所におけるセル11の断面図である。図3に示すように、セル11の発電領域は、MEGA22、アノードセパレータ6、及びカソードセパレータ7により構成されている。MEGA22は、電解質膜1と、電解質膜1の一方の表面に順に積層されるアノード触媒層2及びアノード拡散層4と、電解質膜1の他方の表面に順に積層されるカソード触媒層3及びカソード拡散層5と、を備えている。アノード拡散層4の表面にアノードセパレータ6が積層され、カソード拡散層5の表面にカソードセパレータ7が積層されている。アノードセパレータ6には、アノードガス流路8及び冷媒流路10aが形成されている。カソードセパレータ7には、カソードガス流路9及び冷媒流路10bが形成されている。
図2に示すように、支持フレーム24及びセパレータ6、7には、各々の外周近傍において、セル11の積層方向(すなわち、z方向)に互いに重なる位置に、マニホールドを形成するための複数の孔が設けられている。マニホールドは、反応ガス又は冷媒が流れる流路であり、セパレータ6、7及び支持フレーム24を貫通する。孔12aはアノードガス流路8へ燃料ガスを供給するアノード供給マニホールド12(図4参照)を画定する。孔13aは、アノードガス流路8から燃料ガスを排出するアノード排出マニホールド13(図4参照)を画定する。孔14aは、カソードガス流路9へ酸化ガスを供給するカソード供給マニホールド14(図4参照)を画定する。孔15aは、カソードガス流路9から酸化ガスを排出するカソード排出マニホールド15(図3参照)を画定する。孔16aは、セル11間に形成される冷媒流路10a、10bへ冷媒を供給する冷媒供給マニホールド16(図3参照)を画定する。孔17aは、セル11間に形成される冷媒流路10a、10bから冷媒を排出する冷媒排出マニホールド17(図3参照)を画定する。
図4は、セル11の平面図である。以下では、図4を参照して、セル11内において燃料ガス(水素ガス)が流通する流路について説明する。セル11は、燃料ガスが流通する流路として、アノード供給マニホールド12、アノード排出マニホールド13、及びアノードガス流路8を備える。アノード供給マニホールド12には、水素供給配管41(図1参照)が接続されており、アノード排出マニホールド13には、アノードオフガス配管42(図1参照)が接続されている。アノードガス流路8は、支持フレーム24の内周側に接合されたMEGA20と積層方向(z方向)に重なる範囲(すなわち、発電領域と重なる範囲)に形成されている。アノードガス流路8は、セパレータ6の表面に設けられた複数の溝によってアノード拡散層4との間に形成される。また、アノード排出マニホールド13の周囲には、積層される他のセル11とのシール性を確保するためのガスケット25が配置されている。他のマニホールド12、14、15についても同様にガスケットが配置されている。
図4及び図5に示すように、セパレータ6には、アノードガス流路8とアノード排出マニホールド13とを連結する連結流路18がさらに形成されている。連結流路18は、アノードガス流路8を通過した燃料ガスをアノード排出マニホールド13に導く。連結流路18は、アノードガス流路8に接続する上流区間19と、アノード排出マニホールド13に接続する下流区間20を有している。上流区間19と下流区間20は互いに接続されている。
上流区間19は、複数本のアノードガス流路8を通過した反応ガスを集約し、下流区間20へと送り出す。本実施例では、図5に示すように、1本の上流区間19が、対応する2本の下流区間20にそれぞれ接続されている。本実施例では、上流区間19がアノードガス流路8から下流区間20に向かって徐々に狭くなるように構成されている。ただし、上流区間19の構成は特に限定されず、アノードガス流路8から下流区間20に向かって反応ガスが流通可能な構成を有していればよい。下流区間20は、並列に配列された複数の並列流路により構成されている。下流区間20は、複数の短流路20aと複数の長流路20bを有している。本実施例では、下流区間20が、2本の短流路20aと6本の長流路20bにより構成されている。図6及び図7に示すように、短流路20aの流路長L1は、長流路20bの流路長L2よりも短い。なお、短流路20aが「特定流路」の一例である。
図7及び8に示すように、短流路20aの内部には、短流路20aの内壁よりも高い撥水性を有する撥水部材26が配置されている。図8に示すように、撥水部材26は、筒形状を有しており、短流路20aの内壁を覆うように配置されている。撥水部材26は、特に限定されないが、例えば、テフロン(登録商標)樹脂により構成されている。他の実施形態として、撥水部材26は、必ずしも筒形状に限定されず、短流路20aの内壁の少なくとも一部を覆うものであればよい。
この燃料電池10では、図6及び図7の矢印110に示すように、アノードガス流路8を通過した燃料ガスは、連結流路18(上流区間19及び下流区間20)をそれぞれ通過した後、アノード排出マニホールド13を介して燃料電池10の外部へと排出される。
本実施例の燃料電池システム100では、制御ユニット70が、燃料電池10の運転を停止するときに、掃気ガスを各ガス流路8、9に供給して、各ガス流路8、9内に滞留する水を排出する掃気運転を実行する。具体的には、制御ユニット70は、カソード側においては、エアポンプ51を所定の回転数で作動させ、カソードガス流路9内に空気を供給する。また、制御ユニット70は、カソードガス調圧弁52を制御し、カソードガス流路9内の空気の圧力を調整する。一方、制御ユニット70は、アノード側においては、循環ポンプ36を所定の回転数で作動させ、アノード内のガスを循環させる。また、制御ユニット70は、排気排水弁37の開閉を制御することにより気液分離器35に滞留する水を排水する。この燃料電池システム100では、制御ユニット70が、燃料電池10の運転を停止するときに、上記の掃気運転を所定時間実行することにより、各ガス流路8、9内に貯留される水を燃料電池10の外部に排出する。なお、掃気運転は、次回の燃料電池10の運転を開始するときに、低温環境下(例えば、氷点下や-20℃以下の極低温下等)での発電が推定される場合にのみ実行してもよい。
この燃料電池システム100では、制御ユニット70は、運転を開始するときに、低温環境下であると判断した場合、低効率運転を実行する。低効率運転とは、酸化ガスの供給流量を負荷要求に応じて設定される流量(すなわち、発電に必要な流量)よりも少なく供給する運転である。これにより、燃料電池10による発電効率が低下し、発熱量が多くなる。このため、低温環境下においても燃料電池10を急速に昇温することができる。制御ユニット70は、冷媒排出マニホールド17近傍の温度が0℃を超えるまで低効率運転を実行する。
燃料電池10が発電を開始すると、発電領域が発熱するため、MEGA22及びMEGA22に隣接するガス流路(例えば、アノードガス流路8)は速やかに昇温する。しかしながら、燃料電池10の発電領域から離れた領域は、発電領域と比較して昇温し難い。すなわち、連結流路18の下流区間20では特に昇温が遅く、発電により生成した液水が下流区間20内に流入すると、下流区間20内で凍結し得る。しかしながら、本実施例では、並列流路の一部(すなわち、短流路20a)が他の流路(すなわち、長流路20b)よりも短い。このため、短流路20aに流入した液水は、短流路20aから短時間で排出される。したがって、短流路20a内に流入した液水は、短流路20a内でセパレータ6、7に熱を奪われ難く、凍結し難い。このように、この燃料電池システム100では、並列流路の全てが凍結により閉塞されてしまうことが抑制され、反応ガスの流通を妨げることを抑制することができる。
また、本実施例では、短流路20a内に撥水部材26が配置されている。この撥水部材26は、短流路20aの内壁よりも高い撥水性を有しているため、液水と撥水部材26との接触角が大きくなる。すなわち、液水と撥水部材26との接触面積が低減されるため、液水から撥水部材26への熱伝導率が低減される。このため、短流路20a内で液水が凍結することをより抑制することができる。さらに、短流路20a内に撥水部材26が配置されているため、短流路20aの流路断面積が小さくなる。このため、短流路20a内を流れる液水の流速が速くなり、液水が短時間で短流路20aから排出される。その結果、液水が短流路20a内を流通する過程で液水の熱がセパレータ6、7に奪われ難く、液水が凍結することがさらに抑制される。
以上に説明した通り、本実施例の燃料電池システム100では、連結流路18の下流区間20における複数の並列流路の長さを調整することにより、燃料電池10を低温環境下で運転させても、反応ガスが流通する流路が凍結してしまうことを効率良く抑制することができる。
上述した実施例では、下流区間20が2本の短流路20aと6本の長流路20bにより構成されていたが、これに限られない。短流路20aの本数は、1本であってもよいし、3本以上であってもよい。また、本明細書に開示する技術では、下流区間20を構成する複数の並列流路の一部が、他の並列流路の流路長より短ければよい。すなわち、下流区間20では、複数の並列流路の流路長の全てが異なっていてもよい。
また、撥水部材26は、筒形状に限られない。例えば、図9及び図10に示すように、短流路20aの上下方向の幅又は左右方向の幅を縮小するような細長の撥水部材126、226を採用してもよい。なお、撥水部材26は、設けられていなくてもよい。撥水部材26の配置に代えて、短流路20aの内壁に対して、長流路20bの内壁よりも撥水性を高くする表面処理を施してもよい。当該表面処理としては、例えば、テフロンコーティング等が挙げられる。
また、上述した実施例における支持フレーム24に代えて、図11及び図12に示すように、短流路20aの流路断面積が、長流路20bの流路断面積よりも小さくなるように構成された支持フレーム124、224を採用してもよい。このような構成では、短流路20a内を流れる液水の流速が速くなり、液水が短時間で短流路20aから排出される。その結果、液水が短流路20a内を流通する過程で液水の熱がセパレータ6、7に奪われ難く、液水が凍結することを抑制することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1:電解質膜、2:アノード触媒層、3:カソード触媒層、4:アノード拡散層、5:カソード拡散層、6:アノードセパレータ、7:カソードセパレータ、8:アノードガス流路、9:カソードガス流路、10:燃料電池、10a:冷媒流路、10b:冷媒流路、11:燃料電池セル、12:アノード供給マニホールド、13:アノード排出マニホールド、14:カソード供給マニホールド、15:カソード排出マニホールド、16:冷媒供給マニホールド、17:冷媒排出マニホールド、18:連結流路、19:上流区間、20:下流区間、20a:短流路、20b:長流路、22:膜電極ガス拡散層接合体、24:支持フレーム、25:ガスケット、26:撥水部材、30:燃料ガス系、50:酸化ガス系、60:冷却系、70:制御ユニット、100:燃料電池システム
Claims (4)
- 燃料電池システムであって、
発電領域に沿って反応ガスを流通させるガス流路が形成されたセパレータを有する燃料電池と、
前記燃料電池の運転を停止するときに、前記ガス流路に掃気ガスを供給して、前記ガス流路内に滞留する水を排出する掃気運転を実行する制御部と、
を備えており、
前記セパレータには、前記ガス流路を通過した反応ガスを排出する排出マニホールドと、前記ガス流路と前記排出マニホールドとを連結する連結流路と、がさらに形成されており、
前記連結流路の前記排出マニホールドへ接続する下流区間は、並列に配列された複数の並列流路により構成されており、
前記複数の並列流路の一部である特定流路の流路長が、他の前記並列流路の流路長よりも短い、
燃料電池システム。 - 前記特定流路の内壁は、前記他の並列流路の内壁よりも高い撥水性を有している、請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記特定流路には、前記特定流路の内壁よりも高い撥水性を有する撥水部材が、前記内壁の少なくとも一部を覆うように配置されている、請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記撥水部材は、筒形状を有している、請求項3に記載の燃料電池システム。
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