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JP2022181029A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着装置及び画像形成装置 Download PDF

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JP2022181029A JP2021087853A JP2021087853A JP2022181029A JP 2022181029 A JP2022181029 A JP 2022181029A JP 2021087853 A JP2021087853 A JP 2021087853A JP 2021087853 A JP2021087853 A JP 2021087853A JP 2022181029 A JP2022181029 A JP 2022181029A
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belt
fixing device
heating belt
fixing
image forming
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元春 中尾
Motoharu Nakao
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Fujifilm Business Innovation Corp
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Abstract

【課題】回転体に圧接されるベルトの内面が摩耗することにより発生する摩耗粉が当該ベルト内面の凹凸を埋設することに起因した潤滑不良が発生するのを抑制できる定着装置及び画像形成装置を提供する。【解決手段】無端状のベルトと、前記ベルトの内部に配置され、前記ベルトを圧接部において回転体に圧接するよう保持する保持手段と、前記保持手段の前記圧接部における前記ベルトの移動方向に沿った下流側に隣接して設けられ、前記ベルト内面の摩耗粉を保持する粗面化処理が施された粗面化処理部と、を備える。【選択図】図2

Description

この発明は、定着装置及び画像形成装置に関する。
従来、定着装置に関する技術としては、例えば、特許文献1に開示されたものが既に提案されている。
特許文献1には、ベルトと摺動部材との間で潤滑剤を保持し易くするため、ベルト内面の表面粗さRaを0.3μm~1.5μmに設定した構成が開示されている(段落[0043])。
特開2020-154074号公報
この発明の目的は、回転体に圧接されるベルト内面が摩耗することにより発生する摩耗粉が当該ベルト内面の凹凸を埋設することに起因して潤滑不良が発生するのを抑制することにある。
請求項1に記載された発明は、回転可能な無端状のベルトと、
前記ベルトの内部に配置され、前記ベルトを圧接部において回転体に圧接するよう面状発熱体を保持する保持手段と、
前記保持手段の前記圧接部より前記ベルトの移動方向に沿った下流側に隣接して設けられ、前記ベルト内面の摩耗粉を保持する粗面化処理が施された粗面化処理部と、
を備えた定着装置である。
請求項2に記載された発明は、前記粗面化処理部は、その表面粗さが前記ベルト内面より大きい請求項1に記載の定着装置である。
請求項3に記載された発明は、前記粗面化処理部は、その表面粗さRaが0.5~1.0μmである請求項2に記載の定着装置である。
請求項4に記載された発明は、前記粗面化処理部は、合成樹脂により前記保持手段を成型する金型の表面粗さ、前記合成樹脂の流し込み速度、成型温度の少なくとも1つを調整することで表面粗さが設定される請求項1に記載の定着装置である。
請求項5に記載された発明は、前記粗面化処理部は、合成樹脂により前記保持手段を成型する金型の表面粗さを調整することで表面粗さが設定される請求項4に記載の定着装置である。
請求項6に記載された発明は、前記ベルトは、少なくとも基材層と、接着層と、表面層を備え、
前記基材層には、摩擦係数が低い高熱伝導性フィラーが配合される請求項1に記載の定着装置である。
請求項7に記載された発明は、前記高熱伝導性フィラーがカーボンナノチューブからなる請求項6に記載の定着装置である。
請求項8に記載された発明は、記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
前記記録媒体に形成された画像を定着する定着手段と、
を備え、
前記定着手段として請求項1乃至7のいずれかに記載の定着装置を用いた画像形成装置である。
請求項1に記載された発明によれば、回転体に圧接されるベルト内面が摩耗することにより発生する摩耗粉が当該ベルト内面の凹凸を埋設することに起因した潤滑不良が発生するのを抑制することができる。
請求項2に記載された発明によれば、粗面化処理部は、その表面粗さがベルト内面より小さい場合に比べて、ベルト内面の摩耗粉を確実に保持することができる。
請求項3に記載された発明によれば、粗面化処理部は、その表面粗さRaが0.5未満又は1.0μmを超える場合に比べて、ベルト内面の摩耗粉をより一層確実に保持することができる。
請求項4に記載された発明によれば、粗面化処理部は、合成樹脂により保持手段を成型した後に形成する場合に比べて、粗面化処理部を容易に形成することができる。
請求項5に記載された発明によれば、粗面化処理部は、保持手段を成型する合成樹脂の流し込み速度又は成型温度を調整する場合に比べて、粗面化処理部の形成がより一層容易となる。
請求項6に記載された発明によれば、基材層は、当該基材層を形成する材料のみからなる場合比べて、熱伝導率を向上することができる。
請求項7に記載された発明によれば、高熱伝導性フィラーが炭素繊維からなる場合に比べて、ベルトの耐摩耗性を向上することができる。
請求項8に記載された発明によれば、定着手段として請求項1乃至7のいずれかに記載の定着装置を用いない場合に比べて、回転体に圧接されるベルト内面が摩耗することにより発生する摩耗粉が当該ベルト内面の凹凸を埋設することに起因した潤滑不良が発生するのを抑制することができ、定着装置の長寿命化が可能となる。
この発明の実施の形態1に係る定着装置を適用した画像形成装置を示す全体構成図である。 この発明の実施の形態1に係る定着装置を示す断面構成図である。 加熱ベルトを示す断面構成図である。 セラミックヒータの発熱部を示す平面構成図である。 この発明の実施の形態1に係る定着装置の要部を示す断面構成図である。 この発明の実施の形態1に係る定着装置の要部を示す断面構成図である。 この発明の実施の形態1に係る定着装置のニップ部を示す拡大断面図である。 軸受特性数と動摩擦係数の関係を示すグラフである。 この発明の実施の形態1に係る定着装置の要部を示す断面模式図である。 流体潤滑から混合潤滑への移行状態を示す説明図である。 加熱ベルトの内面の摩耗状態をそれぞれ示す模式図である。 この発明の実施の形態1に係る定着装置の要部を示す断面模式図である。 この発明の実施の形態1に係る定着装置の作用を示す断面模式図である。
以下に、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に係る定着装置を適用した画像形成装置を示すものである。
<画像形成装置の全体の構成>
実施の形態1に係る画像形成装置1は、例えばカラープリンタとして構成されたものである。この画像形成装置1は、現像剤4を構成するトナーで現像されるトナー像を形成する複数の作像装置10と、各作像装置10で形成されたトナー像をそれぞれ保持して最終的に記録媒体の一例としての記録用紙5に二次転写する二次転写位置まで搬送する中間転写装置20と、中間転写装置20の二次転写位置に供給すべき所要の記録用紙5を収容して搬送する給紙装置50と、中間転写装置20で二次転写された記録用紙5上のトナー像を定着させる定着装置40等を備えている。複数の作像装置10及び中間転写装置20は、記録用紙5に画像を形成する画像形成部2を構成している。なお、図中の1aは画像形成装置1の装置本体を示し、この装置本体1aは支持構造部材、外装カバー等で形成されている。また、図中の二点鎖線は、装置本体1a内において記録用紙5が搬送される主な搬送経路を示す。
作像装置10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー像をそれぞれ専用に形成する4つの作像装置10Y,10M,10C,10Kで構成されている。これらの4つの作像装置10(Y,M,C,K)は、装置本体1aの内部空間において傾斜した状態で1列に並べた状態となるよう配置されている。
4つの作像装置10は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)及びシアン(C)のカラーの作像装置10(Y,M,C)と、ブラック(K)の作像装置10Kとから構成されている。ブラックの作像装置10Kは、中間転写装置20の中間転写ベルト21の移動方向Bに沿った最も下流側に配置されている。画像形成装置1は、画像形成モードとして、カラーの作像装置10(Y,M,C)及びブラック(K)の作像装置10Kを動作させてフルカラーの画像を形成するフルカラーモードと、ブラック(K)の作像装置10Kのみを動作させて白黒(モノクロ)の画像を形成する白黒モードとを備える。
各作像装置10(Y,M,C,K)は、図1に示されるように、像保持体の一例としての回転する感光体ドラム11を備えており、この感光体ドラム11の周囲に、次のようなトナー像形成手段の一例としての各装置が主に配置されている。主な装置とは、感光体ドラム11の像形成が可能な周面(像保持面)を所要の電位に帯電させる帯電装置12と、感光体ドラム11の帯電された周面に画像の情報(信号)に基づく光を照射して電位差のある(各色用の)静電潜像を形成する露光装置13と、その静電潜像を対応する色(Y,M,C,K)の現像剤4のトナーで現像してトナー像にする現像装置14(Y,M,C,K)と、その各トナー像を中間転写装置20に転写する一次転写装置15(Y,M,C,K)と、一次転写後における感光体ドラム11の像保持面に残留して付着するトナー等の付着物を取り除いて清掃するドラム清掃装置16(Y,M,C,K)等である。
感光体ドラム11は、接地処理される円筒状又は円柱状の基材の周面に感光材料からなる光導電性層(感光層)を有する像保持面を形成したものである。この感光体ドラム11は、図示しない駆動装置から動力が伝達されて矢印Aで示す方向に回転するよう支持されている。
帯電装置12は、感光体ドラム11に接触した状態で配置される接触型の帯電ロールで構成される。帯電装置12には帯電用電圧が供給される。帯電用電圧としては、現像装置14が反転現像を行うものである場合、現像装置14から供給されるトナーの帯電極性と同じ極性の電圧又は電流が供給される。なお、帯電装置12としては、感光体ドラム11の表面に非接触状態で配置されるスコロトロン等の非接触型の帯電装置を用いてもよい。
露光装置13は、感光体ドラム11の軸方向に沿って配列された複数の発光素子としてのLED(Light Emitting Diode)により感光体ドラム11に画像情報に応じた光を照射して静電潜像を形成するLEDプリントヘッドからなる。なお、露光装置13としては、画像情報に応じて構成されるレーザー光を感光体ドラム11の軸方向に沿って偏向走査するものを用いても良い。
現像装置14(Y,M,C,K)はいずれも、開口部と現像剤4の収容室が形成された筐体140の内部に、現像剤4を保持して感光体ドラム11と向き合う現像領域まで搬送する現像ロール141と、現像剤4を攪拌しながら現像ロール141を通過させるよう搬送する2つのスクリューオーガー等の攪拌搬送部材142,143と、現像ロール141に保持される現像剤の量(層厚)を規制する層厚規制部材144などを配置して構成したものである。この現像装置14には、その現像ロール141と感光体ドラム11の間に現像用電圧が図示しない電源装置から供給される。また、現像ロール141や攪拌搬送部材142,143は、図示しない駆動装置からの動力が伝達されて所要の方向に回転する。さらに、4色の現像剤4(Y,M,C,K)としては、非磁性トナーと磁性キャリアを含む二成分現像剤が使用される。
一次転写装置15(Y,M,C,K)は、感光体ドラム11の周囲に中間転写ベルト21を介して接触し回転するとともに一次転写用電圧が供給される一次転写ロールを備えた接触型の転写装置である。一次転写用電圧としては、トナーの帯電極性と逆の極性を示す直流の電圧が図示しない電源装置から供給される。
ドラム清掃装置16は、一部が開口する容器状の本体160と、一次転写後の感光体ドラム11の周面に所要の圧力で接触するように配置されて残留トナー等の付着物を取り除いて清掃する清掃板161と、清掃板161で取り除いたトナー等の付着物を回収して図示しない回収システムに送り出すよう搬送するスクリューオーガー等の送出部材162等で構成されている。清掃板161としては、ゴム等の材料からなる板状の部材(例えばブレード)が使用される。
中間転写装置20は、図1に示されるように、各作像装置10(Y,M,C,K)の上方の位置に存在するよう配置される。この中間転写装置20は、感光体ドラム11と一次転写装置15(一次転写ロール)の間となる一次転写位置を通過しながら矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21と、中間転写ベルト21をその内面から所望の状態に保持して回転自在に支持する複数のベルト支持ロール22~27と、ベルト支持ロール25に支持されている中間転写ベルト21の外周面(像保持面)側に配置されて中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に二次転写させる二次転写手段の一例としての二次転写装置30と、二次転写装置30を通過した後に中間転写ベルト21の外周面に残留して付着するトナー、紙粉等の付着物を取り除いて清掃するベルト清掃装置28とで主に構成されている。
中間転写ベルト21としては、例えばポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂等の合成樹脂にカーボンブラック等の抵抗調整剤などを分散させた材料で製作される無端状のベルトが使用される。また、ベルト支持ロール22はベルト清掃装置28の対向ロールを兼ねる図示しない駆動装置によって回転駆動される駆動ロールとして構成され、ベルト支持ロール23は中間転写ベルト21の画像形成面を形成する面出しロールとして構成され、ベルト支持ロール24は中間転写ベルト21に張力を付与する張力付与ロールとして構成され、ベルト支持ロール25は二次転写装置30と対向する対向ロールとして構成され、ベルト支持ロール26,27は中間転写ベルト21の走行位置を支持する従動ロールとして構成されている。
二次転写装置30は、図1に示されるように、中間転写装置20におけるベルト支持ロール25に支持されている中間転写ベルト21の外周面部分である二次転写位置において、中間転写ベルト21の周面に接触して回転するとともに二次転写用電圧が供給される二次転写ロール31を備えた接触型の転写装置である。また、二次転写ロール31又は中間転写装置20のベルト支持ロール25には、トナーの帯電極性と逆極性又は同極性を示す直流の電圧が二次転写用電圧として図示しない電源装置から供給される。
定着装置40は、記録用紙5の導入口及び排出口が形成された筐体41の内部に、矢印で示す方向に回転するとともに表面温度が所定の温度に保持されるよう加熱手段によって加熱される加熱ベルト42と、この加熱ベルト42の軸方向にほぼ沿う状態で所定の圧力で接触して従動回転する加圧ロール43などを配置して構成されたものである。この定着装置40では、加熱ベルト42と加圧ロール43が接触する接触部が所要の定着処理(加熱及び加圧)を行う定着処理部となる。なお、定着装置40については、後に詳述する。
給紙装置50は、作像装置10(Y,M,C,K)の下方側の位置に存在するよう配置される。この給紙装置50は、所望のサイズ、種類等の記録用紙5を積載した状態で収容する単数(又は複数)の用紙収容体51と、用紙収容体51から記録用紙5を1枚ずつ送り出す送出装置52,53とで主に構成されている。用紙収容体51は、例えば、装置本体1aの正面(使用者が操作時に向き合う側面)側に引き出すことができるよう取り付けられている。
記録用紙5としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙やトレーシングペーパー等の薄紙、あるいはOHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、記録用紙5の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等の坪量が相対的に大きい所謂厚紙なども好適に使用することができる。
給紙装置50と二次転写装置30との間には、給紙装置50から送り出される記録用紙5を二次転写位置まで搬送する単数又は複数の用紙搬送ロール対54や搬送ガイド55で構成される給紙搬送路56が設けられている。給紙搬送路56において二次転写位置の直前の位置に配置される用紙搬送ロール対54は、例えば記録用紙5の搬送時期を調整するロール(レジストロール)として構成されている。また、二次転写装置30と定着装置40との間には、二次転写装置30から送り出される二次転写後の記録用紙5を定着装置40まで搬送するための用紙搬送路57が設けられている。さらに、画像形成装置1の装置本体1aに形成される用紙の排出口に近い部分には、定着装置40から出口ロール36により送り出される定着後の記録用紙5を装置本体1aの上部の用紙排出部58に排出するための用紙排出ロール対59aを備えた排出搬送路59が設けられている。
図1中符号200は、画像形成装置1の動作を統括的に制御する制御装置を示している。制御装置200は、図示しないCPU(Central Processing Unit)やROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、あるいはこれらCPUやROM等を接続するバス、通信インターフェイスなどを備えている。また、符号201は画像形成装置1が外部の機器と通信を行う通信部を、202は通信部201を介して入力される画像情報を処理する画像処理部をそれぞれ示している。
<画像形成装置の動作>
以下、画像形成装置1による基本的な画像形成動作について説明する。
ここでは、まず、前記4つの作像装置10(Y,M,C,K)を使用して、4色(Y,M,C,K)のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像を形成するフルカラーモードにおける動作を説明する。
画像形成装置1は、図示しないパーソナルコンピュータや画像読取装置等から通信部201を介して画像情報及びフルカラーの画像形成動作(プリント)の要求の指令情報を受けると、制御装置200が4つの作像装置10(Y,M,C,K)、中間転写装置20、二次転写装置30、定着装置40等を始動する。
そして、各作像装置10(Y,M,C,K)においては、図1に示されるように、まず各感光体ドラム11が矢印Aで示す方向に回転し、各帯電装置12が各感光体ドラム11の表面を所要の極性(実施の形態1ではマイナス極性)及び電位にそれぞれ帯電させる。続いて、露光装置13が、帯電後の感光体ドラム11の表面に対し、画像形成装置1に入力される画像の情報を画像処理部202によって各色成分(Y,M,C,K)に変換して得られる画像の信号に基づいて発光される光を照射し、その表面に所要の電位差で構成される各色成分の静電潜像をそれぞれ形成する。
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)が、感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像に対し、所要の極性(マイナス極性)に帯電された対応する色(Y,M,C,K)のトナーを現像ロール141からそれぞれ供給して静電的に付着させて現像を行う。この現像により、各感光体ドラム11に形成された各色成分の静電潜像は、その対応する色のトナーでそれぞれ現像された4色(Y,M,C,K)のトナー像として顕像化される。
続いて、各作像装置10(Y,M,C,K)の感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像が一次転写位置まで搬送されると、一次転写装置15(Y,M,C,K)が、その各色のトナー像を中間転写装置20の矢印Bで示す方向に回転する中間転写ベルト21に対して順番に重ね合わされるような状態で一次転写させる。
また、一次転写が終了した各作像装置10(Y,M,C,K)では、ドラム清掃装置16が付着物を掻き取るように除去して感光体ドラム11の表面を清掃する。これにより、各作像装置10(Y,M,C,K)は、次の作像動作が可能な状態にされる。
続いて、中間転写装置20では、中間転写ベルト21の回転により一次転写されたトナー像を保持して二次転写位置まで搬送する。一方、給紙装置50では、作像動作に合わせて所要の記録用紙5を給紙搬送路56に送り出す。給紙搬送路56では、レジストロールとしての用紙搬送ロール対54が記録用紙5を転写時期に合わせて二次転写位置に送り出して供給する。
二次転写位置においては、二次転写装置30が、中間転写ベルト21上のトナー像を記録用紙5に一括して二次転写させる。また、二次転写が終了した中間転写装置20では、ベルト清掃装置28が、二次転写後の中間転写ベルト21の表面に残留したトナー等の付着物を取り除いて清掃する。
続いて、トナー像が二次転写された記録用紙5は、中間転写ベルト21から剥離された後に用紙搬送路57を介して定着装置40まで搬送される。定着装置40では、回転する加熱ベルト42と加圧ロール43との間の接触部に二次転写後の記録用紙5を導入して通過させることにより、必要な定着処理(加熱及び加圧)をして未定着のトナー像を記録用紙5に定着させる。最後に、定着が終了した後の記録用紙5は、用紙排出ロール対59aにより、例えば、装置本体1aの上部に設置された用紙排出部58に排出される。
以上の動作により、4色のトナー像を組み合わせて構成されるフルカラー画像が形成された記録用紙5が出力される。
<定着装置の構成>
図2はこの実施の形態1に係る定着装置を示す断面構成図である。
定着装置40は、図2に示されるように、大別して、回転する無端状のベルトの一例としての加熱ベルト42を有する加熱ユニット44と、加熱ユニット44に対して圧接される回転体の一例としての加圧ロール43を備えている。加熱ベルト42と加圧ロール43の間には、未定着像の一例としての未定着トナー像Tを保持した記録媒体の一例としての記録用紙5が通過する領域である圧接部の一例としての定着ニップ部Nが形成されている。なお、記録用紙5は、搬送方向と交差する方向に沿った中央を基準(所謂センターレジ)として搬送される。定着装置40は、図1に示されるように、記録用紙5を鉛直方向に沿って下方から上方へ向けて搬送する用紙搬送路57において、延長方向に沿って搬送される記録用紙5に対して定着処理を施すため、加熱ベルト42と加圧ロール43が略水平方向に沿って対向するよう配置されるが、図2では、便宜上、加熱ベルト42と加圧ロール43を上下方向に沿って図示している。
加熱ユニット44は、図2に示されるように、加熱ベルト42と、加熱ベルト42の内部に配置され、加熱ベルト42を加熱する面状発熱手段(面状発熱体)の一例としてのセラミックヒータ45と、同じく加熱ベルト42の内部に配置され、加熱ベルト42を介して加圧ロール43の表面に圧接させるようセラミックヒータ45を保持する保持手段の一例である保持部材46と、同じく加熱ベルト42の内部に配置され、保持部材46を加圧ロール43に圧接させるよう支持する支持手段の一例としての支持部材47等を備えている。
なお、面状発熱手段の一例としてのセラミックヒータ45は、発熱部自体が面状である必要はなく、発熱部が直線状に形成されたものであっても、加熱ベルト42を加熱するセラミックヒータ45の下端面(加熱面)が面状であれば良い。また、セラミックヒータ45の下端面(加熱面)は、平面である必要はなく、曲面形状であっても良い。
加熱ベルト42は、可撓性を有する材料からなり、装着前の状態である自由形状が薄肉円筒形の無端状ベルトとして構成されている。加熱ベルト42は、図3に示されるように、セラミックヒータ45側に配置される基材層421と、基材層421の表面に接着層422を介して被覆された弾性体層423と、弾性体層423の表面に直接又は図示しない接着層を介して被覆された表面層424とを備える。加熱ベルト42は、必ずしも、基材層421と、接着層422と、弾性体層423と、離型層424のすべてを備える必要はなく、基材層421と表面層424などから構成しても良い。基材層421は、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性を有する合成樹脂を主成分として形成される。弾性体層422は、耐熱性を有するシリコーンゴムやフッ素ゴム等の弾性体からなる。表面層423は、パーフルオロアルコキシアルカン(PFA)やポリテトラフロオロエチレン(PTFE)等によって形成される。加熱ベルト42は、例えば、その厚さが50~200μm程度に設定可能である。
基材層421は、必要に応じて、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性を有する合成樹脂を主成分とし、加熱ベルト42の熱伝導性等の特性を向上させるためにカーボンナノチューブや炭素繊維、あるいはガラス繊維等の充填材が配合される。充填材としては、高熱伝導性及び低動摩擦係数、耐摩耗性の観点からカーボンナノチューブが望ましい。
加熱ベルト42の裏面(内側面)は、基材層421から構成されている。加熱ベルト42の基材層421は、上述したように、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性を有する合成樹脂に、カーボンナノチューブや炭素繊維、あるいはガラス繊維等の充填材が配合される。加熱ベルト42の裏面は、所要の表面粗さRaを有している。加熱ベルト42裏面の表面粗さRaは、例えば、0.3~1.5μm程度である。なお、表面粗さRaは、JIS B 0601に準拠する。
セラミックヒータ45は、図4及び図5に示されるように、セラミック製の基板451と、基板451の表面に長手方向に沿って直線状に複数本形成された第1乃至第3の発熱部452~452と、第1乃至第3の発熱部452~452に個別に通電するための第1乃至第3の電極453~453と、第1乃至第3の発熱部452~452の他端部に共通に通電する共通電極454と、少なくとも第1乃至第3の発熱部452~452の表面を被覆するガラス等からなる被覆層455とを備えている。
保持部材46は、図2に示されるように、例えば、射出成形等により所要の形状に一体成形された耐熱性を有する合成樹脂からなる。耐熱性を有する合成樹脂としては、例えば、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、あるいはこれらの複合材料などが挙げられる。
保持部材46は、定着ニップ部Nにおいてセラミックヒータ45を加熱ベルト42を介して加圧ロール43に加圧するよう支持するセラミックヒータ45の平面形状に対応した細長い矩形状の枠体からなる支持用枠部461(図5参照)を有している。保持部材46は、加熱ベルト42の長手方向に沿った全長より長く配設されている。
保持部材46には、図2に示されるように、定着ニップ部Nの加熱ベルト42の回転方向に沿った上流側に加熱ベルト42を定着ニップ部Nへと案内する断面形状が曲面形状に形成された第1の案内部462が設けられている。支持部材46の下端面463は、平面形状に形成されている。支持部材46の下端面463は、セラミックヒータ45の表面と略同一平面を形成するよう形成される。また、保持部材46には、定着ニップ部Nの加熱ベルト42の回転方向に沿った下流側に隣接した位置に、定着ニップ部Nを通過した加熱ベルト42の内面に接触して略自由形状に復帰するよう案内する断面形状が曲面形状に形成された第2の案内部464が設けられている。
また、保持部材46には、定着ニップ部Nと反対側の面に支持部材47の垂直板部471,472の先端が当接された状態で保持する当接部465,466が、加熱ベルト42の回転方向に沿った上流側及び下流側に設けられている。
支持部材47は、図2に示されるように、例えば、ステンレスやアルミニウム、あるいは鋼鉄等の金属製の板材から構成される。支持部材47は、定着ニップ部Nの加熱ベルト42の回転方向に沿った上流側及び下流側において、セラミックヒータ45の表面に対して略垂直にそれぞれ配置された垂直板部471,472と、垂直板部471,472の基端部を連結するよう水平方向に沿って配置された水平板部473から断面略コ字形状に形成されている。
加熱ベルト42は、図5に示されるように、セラミックヒータ45の定着ニップ部Nと反対側の面に接触するよう配置された温度センサ49によって定着ニップ部Nの温度が検知される。セラミックヒータ45は、上述したように、長手方向に沿った発熱領域が異なる第1乃至第3の発熱部452~452を備えている。そのため、温度センサ49は、第1乃至第3の発熱部452~452に対応してセラミックヒータ45の長手方向に沿って複数(例えば、3つ)配置される。加熱ベルト42は、温度センサ49の検知結果に基づいてセラミックヒータ45の各第1乃至第3の発熱部452~452への通電を図示しない温度制御回路によって制御することにより、記録用紙5のサイズに応じて定着ニップ部Nが所要の定着温度(例えば、200℃程度)となるよう加熱される。
加圧ロール43は、図2に示されるように、ステンレスやアルミニウム、あるいは鉄(薄肉高張力鋼管)等の金属からなる円柱形状又は円筒形状の芯金431と、芯金431の外周に相対的に厚く被覆されたシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性を有する弾性体からなる弾性体層432と、弾性体層432の表面に薄く被覆されたポリテトラフロオロエチレン(PTFE)やパーフルオロアルコキシアルカン(PFA)等からなる離型層433を有している。なお、加圧ロール43の内部には、必要に応じてハロゲンランプ等からなる加熱手段(加熱源)を配置しても良い。
加圧ロール43は、その長手方向(軸方向)に沿った芯金431の両端部が定着装置40の図示しない装置ハウジングのフレームに軸受部材を介して回転可能に支持されている。加圧ロール43は、加熱ユニット44に所要の圧力で圧接される。加圧ロール43は、回転軸を兼ねる芯金431の軸方向に沿った一端部に取り付けられた図示しない駆動ギアを介して駆動装置により矢印C方向に沿って所要の速度で回転駆動される。なお、加熱ベルト41は、回転駆動される加圧ロール43に圧接されて従動回転する。
上記の如く構成される定着装置40は、図6に示されるように、セラミックヒータ45が加熱ベルト42を介して加圧ロール43に圧接され、加圧ロール43の回転に伴って加熱ベルト42が図中反時計周り方向に沿って回転する。加熱ベルト42の内周面には、セラミックヒータ45との摺動抵抗を低減するため、シリコーンオイルやグリース等の潤滑剤48が塗布されている。潤滑剤48は、予め加熱ベルト42の内周面に塗布された状態で供給される。また、潤滑剤48は、当該潤滑剤48を保持して加熱ベルト42の内周面に接触するよう配置されたフェルト等からなる図示しない潤滑剤供給部材により供給されるよう構成しても良い。
ここで、加熱ベルト42とセラミックヒータ45が圧接する定着ニップ部Nを微視的に見ると、図7に模式的に示されるように、固定配置されたセラミックヒータ45の表面に潤滑剤48の膜を介して加熱ベルト42が所要の押圧力で圧接されて移動する軸受け構造ということができる。
このように、セラミックヒータ45と加熱ベルト42からなる2つの物体が潤滑剤48の膜を介して互いに滑り合う相対運動を行う場合のような相互作用を研究する分野としては、トライポロジーと呼ばれる技術分野が知られている。
トライポロジーにおいては、相対運動をする2面間における潤滑状態を説明するため、ストライベック曲線と呼ばれる曲線が使用される。ストライベック曲線は、滑りや転がり軸受けの摩擦に関して、荷重(負荷)、滑り速度および温度(潤滑剤の粘度の変化として現れる)の関数として摩擦係数を測定し、図8に示されるような関係を導き出したものである。横軸は、2つの物体に作用する圧接荷重をPm、2つの物体の相対的な速度をN、潤滑剤の粘度をηとしたときにη・N/Pmで求められる軸受特性数の値であり、縦軸は動摩擦係数を示している。
図8に示されるように、2つの物体の間に潤滑剤48の層が存在する流体潤滑の領域では、初期的に十分な潤滑剤48が供給されて膜厚が大きいと、潤滑剤48の粘性(横軸の分子)等に起因したせん断力の増加により動摩擦係数が上昇する傾向にある。また、2つの物体が直接接触する境界潤滑と流体潤滑の間に位置する混合潤滑の領域では、潤滑剤48の膜厚が減少するなどして軸受特性数(η・N/Pm)が減少すると、摩擦係数が急激に上昇して略一定の値を示す境界潤滑へと移行する。流体潤滑と混合潤滑の境界領域において動摩擦係数が最も低くなる。
レイノルズ方程式から導き出される流体潤滑の条件式は、次の通りである。
L√(ηUKw/P)≧3√(R +R
ここで、前項は潤滑剤の膜厚を示しており、後項は摺動部の粗さを示している。摺動部の粗さは、加熱ベルト42内面の表面粗さRとセラミックヒータ45の表面粗さRで決まる。
この実施の形態1では、R=√(R +R )とした場合、0.7μm≧R<≧0.1μmに設定される。Rが0.1μm未満の場合は、起動時の駆動トルクが過大となり、加熱ベルト42の回転不良が生じる虞れがある。また、Rが0.7μmを超える場合は、スティックスリップ現象が生じて異音が発生する虞れがある。
定着装置40は、図7に模式的に示されるように、セラミックヒータ45の表面に潤滑剤48の膜を介して加熱ベルト42が圧接する流体潤滑の滑り軸受けとみることができる。ところで、加熱ベルト42の内面は、図9に示されるように、平面ではなく、所要の表面粗さRaを有している。そのため、定着装置40は、継続的に使用していると、加熱ベルト42内面の凹凸のうち、凸部42aがセラミックヒータ45の表面に接触して部分的に摩耗する。すると、定着装置40では、図10(b)に示されるように、潤滑剤48の平均的な膜厚が拡大し、潤滑剤の粘性等の起因したせん断力が増加し、動摩擦係数が増加してストライベック曲線の傾きが正方向に大きくなる。
その後、定着装置40は、継続的に使用していると、図11に示されるように、加熱ベルト42内面の凸部が摩耗することにより発生した摩耗粉42bが加熱ベルト42内面の凹部に堆積する。加熱ベルト42内面の凹部に摩耗粉42bが堆積すると、加熱ベルト42の内面に塗布された潤滑剤48が微細な粒子からなる摩耗粉42bの毛細管現象により加熱ベルト42の凹部に吸着され保持される。加熱ベルト42の凹部に吸着され保持された潤滑剤48は、セラミックヒータ45と加熱ベルト42との潤滑に寄与しない。
その結果、定着装置40は、使用が継続されると、潤滑剤48の減少に伴って当該潤滑剤48の膜厚が減少し、ストライベック曲線の傾きが負(図8中、右へ移動する)となる。
さらに、定着装置40は、使用され続けると、図10(c)(d)に示されるように、潤滑剤48の膜厚が更に減少し、セラミックヒータ45の内面に加熱ベルト42の内面が部分的に接触し、流体潤滑から混合潤滑へと移行し、動摩擦係数が急激に増加して加熱ベルト42の接触部が微小に変形しつつ滑りを繰り返すスティックスリップ現象が生じ、異音の発生原因となる。定着装置40は、スティックスリップ現象が生じて異音が発生すると、交換を余儀なくされる。
そこで、従来の定着装置では、加熱ベルトと摺動部材との間で潤滑剤を保持し易くするため、ベルト内面の表面粗さRaを0.3μm~1.5μmに設定することが既に提案されている(特許文献1の段落[0043]など)。
しかしながら、このようにベルト内面の表面粗さRaを0.3μm~1.5μmに設定するのみでは、定着装置40を継続的に使用している間に、定着ニップ部Nにおいてセラミックヒータ45に圧接される加熱ベルト42の内面が徐々に摩耗し、上述したように、早晩、スティックスリップ現象が生じて異音が発生することを効果的に抑制することができず、定着装置40が寿命に達して、定着装置40全体を新たなものと交換する必要性が生じる。
そこで、この実施の形態1に係る定着装置40は、加圧ロール43に圧接される加熱ベルト42の内面が摩耗することにより発生する摩耗粉42bが当該加熱ベルト42内面の凹部を埋設することに起因して潤滑不良が発生するのを抑制するため、保持手段の圧接部より加熱ベルト42の移動方向に沿った下流側に隣接して設けられ、加熱ベルト42内面の摩耗粉を保持する粗面化処理が施された粗面化処理部を備えるように構成されている。
更に説明すると、この実施の形態1に係る定着装置40は、図6に示されるように、保持部材46の定着ニップ部Nにおける加熱ベルト42の回転方向に沿った下流側に隣接した位置に、加熱ベルト42の内面と接触する断面形状が曲面形状に形成された第2の案内部464を備えている。
この保持部材の第2の案内部464は、加熱ベルト42の内面と接触する表面464aの表面粗さRaが、加熱ベルト42の表面粗さRaより大きく設定された粗面化処理部を構成している。第2の案内部464の表面464aは、例えば、その表面粗さRaが0.5~2.0μm、好ましくは0.5~1.0μm、より好ましくは0.5~0.8μm程度に設定される。保持部材46の第2の案内部464は、定着ニップ部Nの出口より加熱ベルト42の移動方向に沿った下流側に隣接して設けられており、定着ニップ部Nと異なり圧接力は作用しない。そのため、第2の案内部464の表面464aは、その表面粗さRaを加熱ベルト42より大きく設定しても、加熱ベルト42内面の摩耗を促進することがないか又は摩耗が生じても定着ニップ部Nにおける摩耗に比べて極わずかである。
保持部材46の粗面化処理部464aは、当該保持部材46を射出成型等により成形する際に、当該保持部材46を成型する金型の粗面化処理部464aに相当する部分の表面粗さRaが所要の表面粗さRaの値となるよう粗す処理(粗面化処理)を施すことにより、保持部材46の成形時に同時に形成される。保持部材46の粗面化処理部464aは、加熱ベルト42の移動方向のみならず、移動方向と交差する方向などあらゆる方向に沿って三次元的に設けられる。
<定着装置の動作>
この実施の形態1に係る定着装置では、次のようにして、回転体に圧接されるベルト内面が摩耗することにより発生する摩耗粉が当該ベルト内面の凹凸を埋設することに起因して潤滑不良が発生するのを抑制することが可能となっている。
すなわち、この実施の形態1に係る定着装置40は、図2に示されるように、定着動作時、セラミックヒータ45に通電されて当該セラミックヒータ45が加熱されるとともに、加圧ロール43が図示しない駆動装置により矢印C方向に沿って回転駆動される。その際、加熱ベルト42は、加圧ロール43に圧接されて図中反時計回り方向に従動回転する。
画像形成装置1では、図1に示されるように、定着装置40のセラミックヒータ45が所要の定着温度に達すると、給紙装置50から記録用紙5が給紙され、中間転写装置20の二次転写位置において中間転写ベルト21上のトナー像が記録用紙5に二次転写される。
未定着トナー像Tが転写された記録用紙5は、図2に示されるように、加熱ベルト42と加圧ロール43が圧接する定着ニップ部Nへと搬送される。定着ニップ部Nに導入された記録用紙5は、定着ニップ部において、トナー像が加熱加圧されて記録用紙上に定着処理され永久画像とされる。
このとき、定着装置40では、図6に示されるように、保持部材46に保持された加熱ベルト42が加圧ロール43に圧接され、当該加圧ロール43の回転に伴って加熱ベルト42が反時計回り方向に従動回転される。加熱ベルト42は、その内面に塗布された潤滑剤48を介してセラミックヒータ45の表面に滑り軸受けと同様の状態で支持され移動する。
セラミックヒータ45と加熱ベルト42の圧接部である定着ニップ部Nを微視的にみた場合は、図7に模式的に示されるように、セラミックヒータ45と加熱ベルト42の間に潤滑剤48の層が介在する流体潤滑ということができる。
ところで、定着装置40は、継続的に使用している間に、図11に示されるように、加熱ベルト42内面の凸部がセラミックヒータ45の表面に部分的に接触し、当該加熱ベルト42の内面が摩耗することによって摩耗粉42bが発生する。加熱ベルト42の内面が摩耗した摩耗粉42bは、加熱ベルト42の移動とともに当該加熱ベルト42の移動方向に沿って移動する。
この実施の形態1に係る定着装置40では、図6に示されるように、加熱ベルト42の移動方向に沿った定着ニップ部Nの下流側に隣接して保持部材46の粗面化処理部464aが設けられている。この保持部材46の粗面化処理部464aは、その表面粗さRaが加熱ベルト42内面の表面粗さRaより大きく設定されている。そのため、定着ニップ部Nの内部において加熱ベルト42の内面が摩耗した摩耗粉42bは、図13に示されるように、加熱ベルト42の移動とともに下流側へ移動し、保持部材46の粗面化処理部464aに接触して、当該粗面化処理部464aの表面粗さRaに起因して加熱ベルト42の内面から摩耗粉42bが掻き取られる。
保持部材46の粗面化処理部464aによって掻き取られた加熱ベルト42内面の摩耗粉42bは、当該保持部材46の粗面化処理部464aに留まり保持される。
この保持部材46の粗面化処理部464aに保持された加熱ベルト42内面の摩耗粉42bは、加熱ベルト42の移動方向に沿った定着ニップ部Nの下流側、すなわち定着ニップ部Nの出口よりも下流側に位置するため、加圧ロール43による加圧力が作用しない。
したがって、保持部材46の粗面化処理部464aに保持された加熱ベルト42内面の摩耗粉42bは、加熱ベルト42に作用する押圧力によって粗面化処理部464aに充填されることがなく、粗面化処理部464aの加熱ベルト42の移動方向に沿った下流側の側面に付着した状態で保持される。
このように、保持部材46の粗面化処理部464aに保持された摩耗粉42bは、図11に示されるような従来の定着装置40と異なり、加熱ベルト42内面の凹部に滞留して固着することが抑制される。そして、保持部材46の粗面化処理部464aは、加熱ベルト42の内面より表面粗さRaが大きいため、個々の凹部自体が極小さい粗面化処理部464aが多数存在することとなる。
その結果、保持部材46の粗面化処理部464aに摩耗粉42bが保持されるとしても、粗面化処理部46の個々の凹部は極小さく、粗面化処理部46の個々の凹部に捕獲された摩耗粉42bが潤滑剤48を吸収ことの影響は極僅かである。
よって、この実施の形態1に係る定着装置40は、継続的に使用している間に、加熱ベルト42の内面が摩耗して摩耗粉42bが発生しても、当該摩耗粉42bが加熱ベルト42内面の凹部に堆積して潤滑剤48を吸収し、加熱ベルト42の流体潤滑が阻害されて潤滑不良が発生することが抑制される。
したがって、この実施の形態1に係る定着装置40は、継続的に使用しても、図10(a)(b)に示されるような流体潤滑を長期間にわたって維持することができ、潤滑不良に起因したスティックスリップ現象に伴う異音の発生を抑制でき、定着装置40の長寿命化が可能となる。
なお、前記実施の形態では、無端状のベルトとして加熱ベルトに適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、加圧ベルトにも同様に適用することができることは勿論である。同様に、回転体としては、加圧ロールに限らず、加圧ベルトであっても良い。
また、前記実施の形態では、加熱ベルトに適用した場合について説明したが、これに限定されるものではなく、加熱部材が加熱ロールからなるものであっても良いことは勿論である。
また、本発明は、電子写真方式の画像形成装置で説明を行ったが、電子写真方式の画像形成装置に限られるものではなく、例えば、インクによる未乾燥層の画像(未定着のインク画像)を保持して搬送された用紙に接してその未定着インク画像を用紙上に定着する、インクジェット方式の画像形成装置等にも適用することができる。
1…画像形成装置
1a…装置本体
40…定着装置
42…加熱ベルト
43…加圧ロール
45…セラミックヒータ
452…発熱部
46…保持部材
464a…粗面化処理部

Claims (8)

  1. 回転可能な無端状のベルトと、
    前記ベルトの内部に配置され、前記ベルトを圧接部において回転体に圧接するよう面状発熱体を保持する保持手段と、
    前記保持手段の前記圧接部より前記ベルトの移動方向に沿った下流側に隣接して設けられ、前記ベルト内面の摩耗粉を保持する粗面化処理が施された粗面化処理部と、
    を備えた定着装置。
  2. 前記粗面化処理部は、その表面粗さが前記ベルト内面より大きい請求項1に記載の定着装置である。
  3. 前記粗面化処理部は、その表面粗さRaが0.5~1.0μmである請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記粗面化処理部は、合成樹脂により前記保持手段を成型する金型の表面粗さ、前記合成樹脂の流し込み速度、成型温度の少なくとも1つを調整することで表面粗さが設定される請求項1に記載の定着装置。
  5. 前記粗面化処理部は、合成樹脂により前記保持手段を成型する金型の表面粗さを調整することで表面粗さが設定される請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記ベルトは、少なくとも基材層と、接着層と、表面層を備え、
    前記基材層には、摩擦係数が低い高熱伝導性フィラーが配合される請求項1に記載の定着装置。
  7. 前記高熱伝導性フィラーがカーボンナノチューブからなる請求項6に記載の定着装置。
  8. 記録媒体に画像を形成する画像形成手段と、
    前記記録媒体に形成された画像を定着する定着手段と、
    を備え、
    前記定着手段として請求項1乃至7のいずれかに記載の定着装置を用いた画像形成装置。
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