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JP2022167774A - トナー - Google Patents

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JP2022167774A JP2022006121A JP2022006121A JP2022167774A JP 2022167774 A JP2022167774 A JP 2022167774A JP 2022006121 A JP2022006121 A JP 2022006121A JP 2022006121 A JP2022006121 A JP 2022006121A JP 2022167774 A JP2022167774 A JP 2022167774A
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紅一郎 越智
Koichiro Ochi
雅之 浜
Masayuki Hama
隼人 井田
Hayato Ida
裕也 千本
Yuya Chimoto
久輔 梶原
Hisasuke Kajihara
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Abstract

【課題】着色剤の微分散状態を維持し、高グロスの印字物を出力する際にも高い発色性を実現するトナー。【解決手段】着色剤、結着樹脂及び炭酸カルシウム粒子を含有するトナー粒子を有するトナーであって、該トナー粒子中の該着色剤の含有量が、1.0質量%以上10.0質量%以下であり、該結着樹脂が、ポリエステル樹脂を含有し、該ポリエステル樹脂の芳香環濃度が、50mol%~70mol%であり、該炭酸カルシウム粒子の表面が、脂肪酸で被覆されており、該トナー粒子中の該炭酸カルシウム粒子の含有量が、1.0質量%以上15.0質量%以下であり、該炭酸カルシウム粒子の個数平均粒径が、150nm以上800nm以下であることを特徴とするトナー。【選択図】なし

Description

本開示は、電子写真方式の画像形成方法において使用するトナーに関する。
近年、電子写真方式のフルカラー複写機が広く普及し、高速、高画質、高い生産性と同時に、低コスト化が要求されている。そのような高画質化を達成するため、顔料を微細にトナー中に分散させることで印字物の画像濃度が高くなることが知られている(特許文献1)。また、低コスト化を実現するために安価な充填剤を使用してトナー原材料の使用量を低減するという技術が知られている(特許文献2、3)。
特開2005-099422号公報 特開2016-114828号公報 特開平08-339095号公報
しかしながら、上記文献に記載のトナーは、特に高グロスの印字物を出力しようとした場合、定着した後の画像の発色性に改善の余地があることがわかった。本開示は、着色剤の微分散状態を維持し、高グロスの印字物を出力する際にも高い発色性を実現するトナーを提供する。
本開示は、着色剤、結着樹脂及び炭酸カルシウム粒子を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子中の該着色剤の含有量が、1.0質量%以上10.0質量%以下であり、
該結着樹脂が、ポリエステル樹脂を含有し、
該ポリエステル樹脂の芳香環濃度が、50mol%以上70mol%以下であり、
該炭酸カルシウム粒子の表面が、脂肪酸で被覆されており、
該トナー粒子中の該炭酸カルシウム粒子の含有量が、1.0質量%以上15.0質量%以下であり、
該炭酸カルシウム粒子の個数平均粒径が、150nm以上800nm以下であるトナーに関する。
本開示により、着色剤の微分散状態を維持し、高グロスの印字物を出力する際にも高い発色性を実現するトナーを提供できる。
本開示において、数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
本開示は、着色剤、結着樹脂及び炭酸カルシウム粒子を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子中の該着色剤の含有量が、1.0質量%以上10.0質量%以下であり、
該結着樹脂が、ポリエステル樹脂を含有し、
該ポリエステル樹脂の芳香環濃度が、50mol%以上70mol%以下であり、
該炭酸カルシウム粒子の表面が、脂肪酸で被覆されており、
該トナー粒子中の該炭酸カルシウム粒子の含有量が、1.0質量%以上15.0質量%以下であり、
該炭酸カルシウム粒子の個数平均粒径が、150nm以上800nm以下であるトナーに関する。
上記トナーにより画像の発色性が高くなる理由として、以下のようなことが考えられる。トナーの定着後の画像膜内部において着色剤が微細に分散されていれば、高い彩度の画像が得られることが分かっている。一方で、高グロスの印字物を得ようとした場合、トナーを高い温度で定着する必要が生じるため、定着プロセスにおいてトナー粒子の粘度が低くなる。その結果、トナー粒子内の着色剤が凝集し、結果として画像中に着色剤が凝集したまま存在することで発色性が低下する。
しかしながら、上記トナーであれば、高い温度で溶融後に定着した後でも着色剤の凝集を防ぐことができ、高い彩度の画像が得られることを見出した。その理由としては、トナー粒子中の脂肪酸によって表面処理された炭酸カルシウム粒子が、トナーの定着プロセス中にトナー内を流動し、着色剤の凝集を防いでいると考えられる。特に、結着樹脂として芳香環濃度が50mol%~70mol%であるポリエステル樹脂を用いたとき、この作用が嵩高い構造を持つ樹脂中において特異的に発現し、上記のような効果を奏するものと考えている。
以下、トナーの各構成成分について記載する。
<炭酸カルシウム粒子>
トナー粒子は、炭酸カルシウム粒子を1.0質量%以上15.0質量%以下含有する。1.0質量%より含有量が低い場合、定着プロセス中に着色剤(好ましくは顔料)の凝集抑制に寄与する炭酸カルシウム粒子が少ないため、発色性が向上しない。15.0質量%より多い場合、炭酸カルシウム粒子が多すぎるため、炭酸カルシウム粒子による光の散乱のため、発色性が向上しない。トナー粒子中の炭酸カルシウム粒子の含有量は、好ましくは1.5質量%以上12.0質量%以下であり、より好ましくは2.0質量%以上10.0質量%以下である。
トナー粒子が含有する炭酸カルシウム粒子は、脂肪酸に被覆されている。脂肪酸としては、公知のものを使用できるが、ノナン酸やラウリン酸、ステアリン酸、セロチン酸などの、炭素数8以上28以下(好ましくは炭素数12以上24以下、より好ましくは炭素数16以上22以下)の直鎖飽和脂肪酸が好ましい。定着プロセス中に炭酸カルシウム粒子の流動をより起きやすくする観点で、ステアリン酸が特に好ましい。炭素数が8以上である場合や、他の極性官能基を有さないことで、結着樹脂との相互作用によって定着プロセス中に炭酸カルシウム粒子の流動がより十分になり、着色剤の凝集抑制の効果がより向上する。
さらに、炭酸カルシウム粒子における脂肪酸の被覆量は、0.1質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上4.0質量%以下であることがより好ましく、1.0質量%以上3.0質量%以下であることがさらに好ましい。この範囲にすることで、定着プロセス中において炭酸カルシウムの流動性が効果的に促進され、発色性が向上する。脂肪酸による炭酸カルシウム粒子の被覆手段は特に制限されない。例えば、ヘンシェルミキサーなど公知の混合機を用いて、脂肪酸及び炭酸カルシウム粒子を混合し、加熱する方法が挙げられる。
炭酸カルシウム粒子の個数平均粒径は、150nm以上800nm以下である。150nmより小さい場合、着色剤の凝集抑制に寄与する炭酸カルシウムの粒径が小さいことにより、着色剤の凝集抑制に対する効果が発現しない。800nmより大きい場合、着色剤の凝集抑制に寄与する炭酸カルシウムの粒子数が少なくなるため、発色性が向上しない。該個数平均粒径は、好ましくは200nm以上700nm以下であり、より好ましくは300nm以上600nm以下である。
トナー粒子中の着色剤の含有量は、1.0質量%以上20.0質量%以下である。上記範囲であると、適切な分散性で顔料が分散され、発色性が良好となる。トナー粒子中の着色剤の含有量は、好ましくは1.0質量%以上10.0質量%以下であり、より好ましくは2.0質量%以上8.0質量%以下であり、特に好ましくは3.0質量%以上7.0質量%以下である。
さらに、トナー粒子中の着色剤の含有量をA質量%とし、トナー粒子中の炭酸カルシウム粒子の含有量をB質量%としたとき、A/Bが、0.5~3.0であることが好ましく、0.8~2.5であることがより好ましい。この範囲にすることで、定着プロセス中において炭酸カルシウムが着色剤の凝集をより抑制し、画像の発色性がより向上する。
<結着樹脂>
結着樹脂は、ポリエステル樹脂を含む。ポリエステル樹脂の芳香環濃度は、50mol%以上70mol%以下である。ここで、ポリエステル樹脂の芳香環濃度とは、ポリエステル樹脂に含有される全炭素における芳香環を構成する炭素のモル濃度である。芳香環濃度が50mol%以上70mol%以下であることで、定着プロセス中において脂肪酸で被覆された炭酸カルシウム粒子が流動しやすくなり、着色剤の凝集を防止する。これは高い芳香環濃度に基づく結着樹脂の適度な嵩高さにより、炭酸カルシウム粒子表面の脂肪酸と樹脂の絡み合いが抑制されるためだと考えている。なお、このようなポリエステル樹脂は二種類以上併用してもよく、併用する場合の芳香環濃度は、二種類以上のポリエステル樹脂の質量分率に基づく平均値である。
ポリエステル樹脂は、多価アルコール化合物と多価カルボン酸化合物との縮合体である。以下に示すような化合物を適宜選択して、ポリエステル樹脂の芳香環濃度を50mol%以上70mol%以下に調整することができる。また、ポリエステル樹脂の芳香環濃度は55mol%以上60mol%以下が好ましい。この範囲にすることで、さらに定着プロセスにおいて炭酸カルシウムの流動性を担保でき、画像の発色性がより向上する。
多価アルコール化合物としては、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)-ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(6)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンなどのビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4-ブテンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、並びに、これらの誘導体が挙げられる。誘導体としては、縮重合により同様の樹脂構造が得られるものであれば特に限定されない。例えば、アルコール成分をエステル化した誘導体が挙げられる。
多価アルコール化合物として、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物からなる群から選択される少なくとも一を用いることが定着性のために好ましい。多価アルコール化合物中のビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物の割合は、好ましくは50~100モル%であり、より好ましくは70~100モル%である。
多価カルボン酸化合物として、フタル酸、イソフタル酸及びテレフタル酸のような芳香族ジカルボン酸類又はその無水物;コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びアゼライン酸のようなアルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6以上18以下 のアルキル基
若しくはアルケニル基で置換されたコハク酸又はその無水物;フマル酸、マレイン酸及びシトラコン酸のような不飽和ジカルボン酸類又はその無水物;並びに、これらの誘導体が挙げられる。誘導体としては、縮重合により同様の樹脂構造が得られるものであれば特に限定されない。例えば、カルボン酸成分をメチルエステル化、エチルエステル化、又は酸クロライド化した誘導体が挙げられる。
多価カルボン酸化合物中の芳香族ジカルボン酸類又はその無水物の割合は、好ましくは50モル%~100モル%であり、より好ましくは70モル%~100モル%である。また、トナー粒子中のポリエステル樹脂の含有割合は、好ましくは45質量%~80質量%であり、より好ましくは50.0質量%~75質量%であり、さらに好ましくは55質量%~70質量%である。
さらに、結着樹脂はポリスチレン骨格を有する樹脂を含有することが好ましい。ポリスチレン骨格を有する樹脂を含有することで、さらに定着プロセスにおいて炭酸カルシウムの流動性を担保でき、画像の発色性がより向上する。
着色剤の凝集を抑制する観点から、トナー粒子中のポリスチレン骨格を有する樹脂の含有量は、0.3質量%以上25質量%以下であることが好ましく、1質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。また、ポリスチレン骨格を有する樹脂におけるスチレンが重合したモノマーユニットの含有量は、30質量%以上80質量%以下が好ましく、35質量%以上50質量%以下がより好ましい。なお、モノマーユニットとは、ポリマー中のモノマー物質が反応した形態をいう。
ポリスチレン骨格を有する樹脂としては、ポリスチレン、ポリ-p-クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の単重合体;スチレン-p-クロルスチレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸エステル共重合体、スチレン-α-クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-アクリロニトリル-インデン共重合体などの、ポリスチレンおよびその共重合体が挙げられる。中でも、スチレン-アクリル酸エステル共重合体が好ましく、スチレン-n-ブチルアクリレート共重合体が、定着性の観点からより好ましい。
<着色剤>
トナー粒子は、着色剤を含有する。着色剤は顔料を含むことが好ましい。着色剤は、SP値が8.0(cal/cm(1/2)以上10.0(cal/cm(1/2)以下の顔料を含むことが好ましい。SP値は、より好ましくは8.5(cal/cm(1/2)以上9.5(cal/cm(1/2)以下である。このような顔料を用いることで、脂肪酸で表面処理された炭酸カルシウム粒子と親和性が高まり、顔料の凝集が抑制されやすい。このような顔料は単独で使用してもよく、必要に応じて染料を併用して
もよい。着色剤は、マゼンタ顔料、シアン顔料及びイエロー顔料からなる群から選択される少なくとも一を含むことが好ましい。具体的には、着色剤としては、以下のものが挙げられる。
マゼンタ顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:2、48:3,48:4、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35。中でも、ピグメントレッド122(PR122)が、顔料の凝集をより抑制できる観点から好ましい。
マゼンタ染料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109、121;C.I.ディスパースレッド9;C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21、27;C.I.ディスパースバイオレット1のような油溶染料、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39、40;C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27、28のような塩基性染料。
シアン顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントブルー2、3、15:2、15:3、15:4、16、17;C.I.バットブルー6;C.I.アシッドブルー45、フタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1~5個置換した銅フタロシアニン顔料。中でも、ピグメントブルー15:3(PB15:3)が、顔料の凝集をより抑制できる観点から好ましい。シアントナー用染料としては、C.I.ソルベントブルー70が挙げられる。
イエロー顔料としては、以下のものが挙げられる。C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20。中でも、ピグメントイエロー74(PY74)、ピグメントイエロー180(PY180)が、顔料の凝集をより抑制できる観点から好ましい。イエロー染料としては、C.I.ソルベントイエロー162が挙げられる。これらの着色剤は、単独又は混合して、さらには固溶体の状態で用いることができる。
<離型剤>
必要に応じて、トナーの加熱定着時にホットオフセットの発生を抑制する離型剤を用いてもよい。該離型剤としては、低分子量ポリオレフィン類、シリコーンワックス、脂肪酸アミド類、エステルワックス類、カルナバワックス、炭化水素系ワックスなどが一般的に例示できる。
<外添剤>
トナー粒子には外添剤を添加してもよい。外添剤としては、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウムのような無機微粒子が好ましい。無機微粒子は、シラン化合物、シリコーンオイル又はそれらの混合物のような疎水化剤で疎水化されていることが好ましい。
流動性向上のための外添剤としては、比表面積が50m/g以上400m/g以下の無機微粒子が好ましく、耐久性安定化のためには、比表面積が10m/g以上50m/g以下の無機微粒子であることが好ましい。流動性向上や耐久性安定化を両立させるためには、比表面積が上記範囲の無機微粒子を併用してもよい。
外添剤の含有量は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質量部以上10.0質量部以下が好ましい。トナー粒子と外添剤との混合は、ヘンシェルミキサーのような公知の混合機を用いることができる。
続いて、トナーの製造方法について説明する。
<トナーの製造方法>
トナーの製造方法としては、混練粉砕法、溶解懸濁法、懸濁重合法、及び乳化凝集法が挙げられる。いずれか単独の製造方法でトナーを製造してもよいし、組み合わせてもよい。以下、混練粉砕法によるトナーの製造方法について具体的に例示するが、これらに限定されるものではない。
<混練粉砕法>
混練粉砕法では、まず、トナーの構成材料である結着樹脂、炭酸カルシウム粒子及び着色剤、並びに、必要に応じて添加される離型剤及びその他の添加剤を十分混合し、加熱ロールやニーダーなどの公知の熱混練機を用いて溶融混練する(混練工程)。その後、所望のトナー粒子径になるまで機械的に粉砕し(粉砕工程)、所望の粒度分布になるよう分級を行い(分級工程)、トナーを製造する。混合の際は、あらかじめ結着樹脂の一部並びに炭酸カルシウム粒子及び着色剤を溶融混練したマスターバッチを用いてもよい。
(混練工程)
トナーの構成材料の溶融混練は、加熱ロールやニーダーなどの公知の熱混練機を用いて行うことができる。上記混練工程は、トナーの構成材料が混合機を用いて事前に十分混合されていることが好ましい。
混合機としては、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミキサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミキサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツボー社製)が挙げられる。
熱混練機としては、KRCニーダー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)が挙げられる。
(粉砕工程)
粉砕工程とは、上記混練工程で得られた混練物を粉砕可能な硬度に達するまで冷却した後、衝突板式ジェットミル、流動層式ジェットミル、及び回転型機械ミル等の公知の粉砕機で、トナー粒子径になるまで、機械的に粉砕する工程である。粉砕効率の観点から、粉砕機としては、流動層式ジェットミルを用いることが望ましい。
粉砕機としては、カウンタージェットミル、ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニューマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社製)
;SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル(ターボ工業社製);スーパーローター(日清エンジニアリング社製)などが挙げられる。
(分級工程)
分級工程とは、上記粉砕工程で得られた微粉砕物を分級し、所望の粒度分布を有するトナーを得る工程である。分級に用いられる分級機としては、風力分級機、慣性式分級機、及び篩式分級機等の公知の装置を使用することができる。具体的には、クラッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッククラッシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラッシファイアー(日清エンジニアリング社製);ミクロンセパレータ、ターボフレックス(ATP)、TSPセパレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川商事社製)が挙げられる。
トナー粒子の重量平均粒径は、好ましくは4~12μmであり、より好ましくは5~8μmである。上記工程を経て作製したトナー粒子は、そのままトナーとして用いてもよい。トナー粒子に、必要に応じて、シリカ、アルミナ、チタニア、及び炭酸カルシウム等の無機微粒子や、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、及びシリコーン樹脂等の樹脂微粒子を、乾燥状態で剪断力を印加して添加してもよい。これらの無機微粒子や樹脂微粒子は、流動性助剤やクリーニング助剤等の外添剤として機能する。
トナーは、一成分系現像剤としても使用できるが、磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として用いてもよい。磁性キャリアとしては、例えば、表面を酸化した鉄粉、あるいは、未酸化の鉄粉や、鉄、リチウム、カルシウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、コバルト、マンガン、希土類のような金属粒子、それらの合金粒子、酸化物粒子、フェライト等の磁性体や、磁性体と、この磁性体を分散した状態で保持するバインダー樹脂とを含有する磁性体分散樹脂キャリア(いわゆる樹脂キャリア)等、一般に公知のものを使用できる。
トナーを磁性キャリアと混合して二成分系現像剤として使用する場合、その際のキャリア混合比率は、二成分系現像剤中のトナー濃度として、好ましくは2質量%以上15質量%以下、より好ましくは4質量%以上13質量%以下にすると通常良好な結果が得られる。
以下、各物性の測定方法について記載する。
<トナーからトナー粒子を分離する方法>
トナーに外添剤が含まれる場合は、トナーから外添剤を除くことでトナー粒子を分離することができる。まず、イオン交換水100mLにスクロース(キシダ化学製)160gを加え、湯せんをしながら溶解させ、ショ糖濃厚液を調製する。続いて、遠心分離用チューブに調製したショ糖濃厚液を31gと、コンタミノンN(和光純薬工業社製)を6mLと、を入れ分散液を作製する。コンタミノンNは、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、および有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液である。
この分散液にトナー1.0gを添加し、スパチュラなどでトナーのかたまりをほぐす。次に、トナーを添加した分散液が入った遠心分離用チューブを振とう機にて振とうする。振とう後、遠心分離用チューブ内の溶液をスイングローター用ガラスチューブ(50mL)に入れ替え、遠心分離機にて3500rpm、30minの条件で遠心分離する。この操作により、トナー粒子と外添剤とが分離する。トナー粒子と水溶液とが十分に分離されていることを目視で確認し、トナー粒子を採取して減圧濾過器で濾過した後、乾燥機で1
時間以上乾燥し、トナーから外添剤を除いて分離したトナー粒子を得る。
<トナー粒子から各材料を分離する方法>
上述の方法で得たトナー粒子に対し、含まれる各材料の溶剤への溶解度や、比重の差を利用して、トナー粒子から各材料を分離することができる。具体的には、例えば以下の方法が挙げられる。
第一分離:23℃のテトラヒドロフランにトナー粒子を溶解させ、可溶分(結着樹脂)と不溶分(炭酸カルシウム粒子、離型剤、着色剤)とに分離する。
第二分離:50℃のヘキサンに、第一分離で得られた不溶分を溶解させ、可溶分(離型剤)と不溶分(炭酸カルシウム粒子、着色剤)とに分離する。
第三分離:第二分離で得られた不溶分をテトラヒドロフランに分散させ、遠心分離法における遠心力を変えることで、比重の差から炭酸カルシウム粒子と着色剤とを分離する。
また、得られた結着樹脂から、溶媒に対する溶解度の差を利用して、例えば以下の方法でポリエステル樹脂と、ポリスチレン骨格を有する樹脂と、に分離することができる。まず、上記の第一分離にて得た結着樹脂をアセトンに溶解し、溶解物を撹拌しながらアセトンに対して3倍質量のヘキサンを滴下して不溶分を析出させる。析出物をろ過して分離した後に溶媒を除去し乾固させ、ポリエステル樹脂を得る。一方でろ液を減圧蒸留し、スチレン骨格を有する樹脂を分離する。
<着色剤の含有量、炭酸カルシウム粒子の含有量>
上述の方法でトナー粒子から分離した着色剤量から、着色剤の含有量を算出する。また、上述の方法でトナー粒子から分離した炭酸カルシウム粒子の量から、炭酸カルシウム粒子の含有量を算出する。さらに、着色剤及び炭酸カルシウム粒子の含有量からA/Bの値を算出する。
<炭酸カルシウム粒子の表面処理材料の量>
上述の方法でトナー粒子から分離した炭酸カルシウム粒子を、熱重量・示差熱分析装置(リガク社製、示差熱天秤TG-DTA、ThermoPlusTG8120)を用いて測定し、25℃から400℃まで10℃/minの速度で昇温を行い、その重量変化から表面処理剤の被覆量を測定する。
<炭酸カルシウム粒子の表面処理材料の構造>
熱分解ガスクロマトグラフィー質量分析装置(GC・MS)により、以下のようにして構造を解析する。上述の方法でトナー粒子から分離した炭酸カルシウム300μgを下記パイロフォイルF590に包埋して熱分解炉に導入し、不活性(ヘリウム)雰囲気の中590℃-5秒間加熱し発生した分解ガスをガスクロの注入口に導入し、下記オーブンプロファイルを実施する。カラム出口はトランスファーラインでMS分析装置に繋ぎ、イオン電流を縦軸に横軸にリテンション時間をプロットしたトータルイオンクロマトグラム(TIC)を得る。次いで、得られたクロマトグラムにおいて、検出された全ピークについて、付属のソフトでマススペクトルを抽出して、NIST-2017データベースに基づい
て化合物を帰属させる。
測定装置及び測定条件は、下記の通りである。
熱分解炉:日本分析工業 JSP900(日本分析工業社製)
パイロフォイル:F590(日本分析工業社製)
GC:Agilent Technologies 7890A GC
MS: Agilent Technologies 5975C
カラム:HP-5ms 30m、内径0.25mm、移動相厚0.25μm(アジレント社製)
キャリアーガス:He(純度99.9995%以上)
オーブンプロファイル:(1)温度40℃で3分ホールド、(2)10℃/分で温度320℃まで昇温、(3)温度320℃で20分ホールド
注入口温度:280℃
スプリット比:50:1
カラム流量:1mL/min(定量)
トランスファーライン温度:280℃
観測MS範囲:30-600Da
イオン化:EI 70eV
イオン源温度:280℃
四重極温度:150℃
<ポリエステル樹脂の芳香環濃度>
上述の方法で分離したポリエステル樹脂を、上述の炭酸カルシウム粒子の表面処理材料の構造同定と同様にガスクロマトグラフィー質量分析装置(GC・MS)で測定することにより、ポリエステル樹脂に含有されるモノマー構造を同定する。さらに、日本電子(株)製ECA-400(400MHz)を用い、H-NMRを用いて、スペクトルの帰属から各モノマーの含有量(モル比)を定量する。そのようにして得た情報から下記式を用いて、ポリエステル樹脂の芳香環濃度を算出する。
芳香環濃度(mol%)=芳香環を構成する炭素のモル数/全炭素モル数×100
例えば、後述するポリエステル樹脂1の芳香環濃度は、本測定に基づくと58mol%となる。
<炭酸カルシウム粒子の個数平均粒径>
上述の通り、トナー粒子から分離した炭酸カルシウム粒子を走査型電子顕微鏡(S-4800、(株)日立ハイテクノロジーズ)にて観察し、粒子100個についての長径を計測し、その算術平均値を求めることで個数平均粒径を算出する。なお、必要に応じて炭酸カルシウム粒子の特定を、エネルギー分散型X線分光分析器(EDX)を用いて行う。
<SP値の算出>
SP値とは、溶解度パラメータ(solubility parameter)の略であり、溶解性の指標となる値である。顔料のSP値は、以下のようにして算出する。50mlサンプル管瓶に、10.00gの正秤したクロロホルムに1gの顔料を分散する。攪拌しながらメタノールを0.5ml滴下し、1分間静置後、顔料が沈殿しているか目視にて撹拌する。沈殿していない場合は、上記手順を顔料が沈殿するまで繰り返す。また、同様にメタノールに変えて、ヘプタンを用いて同様の手順を行う。沈殿した時点でのクロロホルムとメタノールまたはヘプタンの各重量より、以下の式より、顔料のSP値を算出する。
顔料のSP値=(SPα+SPβ)/2
SPα=(Vm1/2×SPm+Vc1/2×SPc)/(Vm1/2+Vc1/2
SPβ=(Vc1/2×SPc+Vh1/2×SPh)/(Vc1/2+Vh1/2
Vm(cm):顔料が沈殿した時点でのメタノールの体積(メタノールの比重:0.792)
Vc(cm):顔料が沈殿した時点でのクロロホルムの体積(クロロホルムの比重:1.490)
Vh(cm):顔料が沈殿した時点でのヘプタンの体積(ヘプタンの比重:0.684SPm:メタノールのSP値(14.5(cal/cm(1/2)
SPc:クロロホルムのSP値(9.3(cal/cm(1/2)
SPh:ヘプタンのSP値(7.4(cal/cm(1/2)
SPm、SPc、SPhは、以下文献より引用した。
引用文献:Solubility Parameters:ALLAN F.M.BARTON Chemistry Department,Victoria University of Wellington,private Bag,Wellington,New Zealand
Received June 7,1974(Revised Manuscript Received October 29,1974)
<トナー粒子の重量平均粒径(D4)の測定>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて測定する。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてさらに詳細に説明するが、これらは本発明をなんら限定するものではない。
(樹脂の製造)
(ポリエステル樹脂1の製造)
多価カルボン酸成分;
テレフタル酸 100モル部
多価アルコール成分;
ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物 100モル部
十分に加熱乾燥した二口フラスコに、上記のモノマー成分を投入し、上記混合物100部に対しオルトチタン酸テトライソプロピル0.05部を加え、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ちながら昇温した後、230℃で縮重合反応させ、さらに減圧して250℃に昇温し、樹脂を重合した。得られた樹脂の結晶化処理として、得られた樹脂40部をトルエン160部が入ったビーカーに加え90℃まで加熱し、樹脂を溶解させた後、25℃まで6時間かけて徐冷して樹脂を析出させた。析出した樹脂をろ過、乾燥することでポリエステル樹脂1を得た。得られた特性を表1に示す。
(ポリエステル樹脂2~5の製造)
表1に示す材料に変更した以外は、ポリエステル樹脂1と同様に製造し、ポリエステル樹脂2~5を得た。
Figure 2022167774000001

芳香環濃度は、mol%である。
(スチレンアクリル樹脂1の製造)
温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー及び窒素導入管を装備した2リットルのガラス製の四つ口フラスコにキシレン850部を入れ、窒素置換後、150℃に昇温した。
・スチレン 800部
・n-ブチルアクリレート 1000部
・モノブチルマレート 50部
・ジクミルパーオキサイド 80部
その後、上記の材料の混合物を滴下ロートより、4時間かけて滴下し、150℃で4時間反応させた。その後、200℃まで昇温し、減圧下でキシレンを留去して、スチレンアクリル樹脂1を得た。
(炭酸カルシウム粒子1の製造)
軽質炭酸カルシウム粒子(個数平均粒子径400nm) 100部
ステアリン酸 2部
ヘンシェルミキサーに上記材料を投入し、2000rpmにて2分攪拌した後、120℃に昇温しながら100rpmで10分攪拌し、炭酸カルシウム粒子1を得た。
(炭酸カルシウム粒子2~13の製造)
表2に示す個数平均径の軽質炭酸カルシウム粒子に材料に変更し、かつ表面処理材料と量を変更して炭酸カルシウム粒子1の製造方法と同様にし、炭酸カルシウム粒子2~13を得た。
Figure 2022167774000002
<シアン顔料マスターバッチCM1の製造>
シアン顔料(PB15:3、SP値:8.8((cal/cm(1/2)
20部
炭酸カルシウム粒子1 20部
ポリエステル樹脂1 60部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、二軸混練機(PCM-30型、株式会社池貝製)にて120℃で混練した。得られた混練物を冷却し、ピンミルにて体積平均粒径100μm以下に粗粉砕し、シアン顔料マスターバッチCM1の粗砕物を得た。
<シアン顔料マスターバッチCM2~CM25の製造>
表3に示す材料に変更した以外は、シアン顔料マスターバッチCM1と同様に製造し、シアン顔料マスターバッチCM2~CM25を得た。
Figure 2022167774000003
<シアントナー1の製造>
・ポリエステル樹脂1 65部
・スチレンアクリル樹脂1 5部
・顔料マスターバッチCM1 25部
・合成ワックス1 5部
(炭化水素ワックス、最大吸熱ピークのピーク温度90℃)
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、二軸混練機(PCM-30型、株式会社池貝製)にて140℃で混練した。得られた混練物を冷却し、ピンミルにて体積平均粒径100μm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T-250、ターボ工業(株)製)にて目的粒径となるように回転数やパス回数を調整して微粉砕した。さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)の運転条件は、目的粒径および粒度分布が得られるように回転数を調整して分級を行った。重量平均粒径(D4)は、6.5μmであった。得られたトナー粒子100部に、BET法で測定した比表面積が200m/gであり、シリコーンオイルにより疎水化処理されたシリカ微粒子1.8部を添加し、ヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)で、回転数30s-1、回転時間10minで混合し、トナーCT1を得た。
<シアントナーCT2~CT31の製造例>
表4に示す材料に変更した以外は、シアントナーCT1と同様に製造し、シアントナーCT2~CT31を得た。
Figure 2022167774000004

表中、炭酸カルシウム含有量は、トナー粒子中の炭酸カルシウム粒子の含有量(質量%)である。A/Bは、着色剤の含有量をA質量%とし、炭酸カルシウム粒子の含有量をB質量%としたときのA/Bの値である。以下の表においても同様である。
<マゼンタ顔料マスターバッチMM1の製造>
マゼンタ顔料(PR122、SP値:9.1(cal/cm(1/2)
20部
炭酸カルシウム粒子1 20部
ポリエステル樹脂1 60部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、二軸混練機(PCM-30型、株式会社池貝製)にて120℃で混練した。得られた混練物を冷却し、ピンミルにて体積平均粒径100μm以下に粗粉砕し、マゼンタ顔料マスターバッチMM1の粗砕物を得た。
<マゼンタ顔料マスターバッチMM2~MM24の製造>
表5に示す材料に変更した以外は、マゼンタ顔料マスターバッチMM1と同様に製造し、マゼンタ顔料マスターバッチMM2~MM24を得た。
Figure 2022167774000005
<マゼンタトナーMT1の製造>
・ポリエステル樹脂1 65部
・スチレンアクリル樹脂1 5部
・顔料マスターバッチMM1 25部
・合成ワックス1 5部
(炭化水素ワックス、最大吸熱ピークのピーク温度90℃)
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、二軸混練機(PCM-30型、株式会社池貝製)にて140℃で混練した。得られた混練物を冷却し、ピンミルにて体積平均粒径100μm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T-250、ターボ工業(株)製)にて目的粒径となるように回転数やパス回数を調整して微粉砕した。さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)の運転条件は、目的粒径および粒度分布が得られるように回転数を調整して分級を行った。重量平均粒径(D4)は、6.6μmであった。得られたトナー粒子100部に、BET法で測定した比表面積が200m/gであり、シリコーンオイルにより疎水化処理されたシリカ微粒子1.8部を添加し、ヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)で、回転数30s-1、回転時間10minで混合し、トナーMT1を得た。
<マゼンタトナーMT2~MT29の製造例>
表6に示す材料に変更した以外は、マゼンタトナーMT1と同様に製造し、マゼンタトナーMT2~MT29を得た。
Figure 2022167774000006
<イエロー顔料マスターバッチYM1の製造>
イエロー顔料(PY180、SP値:9.3(cal/cm(1/2)
20部
炭酸カルシウム粒子1 20部
ポリエステル樹脂1 60部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、二軸混練機(PCM-30型、株式会社池貝製)にて120℃で混練した。得られた混練物を冷却し、ピンミルにて体積平均粒径100μm以下に粗粉砕し、イエロー顔料マスターバッチYM1の粗砕物を得た。
<イエロー顔料マスターバッチYM2~YM24の製造>
表7に示す材料に変更した以外は、イエロー顔料マスターバッチYM1と同様に製造し、イエロー顔料マスターバッチYM2~YM24を得た。
Figure 2022167774000007
<イエロートナーYT1の製造>
・ポリエステル樹脂1 65部
・スチレンアクリル樹脂1 5部
・顔料マスターバッチYM1 25部
・合成ワックス1 5部
(炭化水素ワックス、最大吸熱ピークのピーク温度90℃)
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、二軸混練機(PCM-30型、株式会社池貝製)にて140℃で混練した。得られた混練物を冷却し、ピンミルにて体積平均粒径100μm以下に粗粉砕し、粗砕物を得た。得られた粗砕物を、機械式粉砕機(T-250、ターボ工業(株)製)にて目的粒径となるように回転数やパス回数を調整して微粉砕した。さらに回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)を用い、分級を行い、トナー粒子を得た。回転型分級機(200TSP、ホソカワミクロン社製)の運転条件は、目的粒径および粒度分布が得られるように回転数を調整して分級を行った。重量平均粒径(D4)は、6.5μmであった。得られたトナー粒子100部に、BET法で測定した比表面積が200m/gであり、シリコーンオイルにより疎水化処理されたシリカ微粒子1.8部を添加し、ヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)で、回転数30s-1、回転時間10minで混合し、トナーYT1を得た。
<イエロートナーYT2~YT29の製造例>
表8に示す材料に変更した以外は、イエロートナーYT1と同様に製造し、イエロートナーYT2~YT29を得た。
Figure 2022167774000008
<イエロー顔料マスターバッチYM25の製造>
イエロー顔料(PY74、SP値:9.2(cal/cm(1/2)
20部
炭酸カルシウム粒子1 20部
ポリエステル樹脂1 60部
上記材料をヘンシェルミキサー(FM-75型、三井鉱山(株)製)を用いて、回転数20s-1、回転時間5minで混合した後、二軸混練機(PCM-30型、株式会社池貝製)にて120℃で混練した。得られた混練物を冷却し、ピンミルにて体積平均粒径100μm以下に粗粉砕し、イエロー顔料マスターバッチYM25の粗砕物を得た。
<イエロー顔料マスターバッチYM26~YM48の製造>
表9に示す材料に変更した以外は、イエロー顔料マスターバッチYM25と同様に製造し、イエロー顔料マスターバッチYM26~YM48を得た。
Figure 2022167774000009
<イエロートナーYT30~YT58の製造例>
表10に示す材料に変更した以外は、イエロートナーYT1と同様に製造し、イエロートナーYT30~YT58を得た。
Figure 2022167774000010
<磁性キャリア1の製造例>
・個数平均粒径0.30μm、(1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さ65Am/kg)のマグネタイト1
・個数平均粒径0.50μm、(1000/4π(kA/m)の磁界下における磁化の強さ65Am/kg)のマグネタイト2
上記の材料それぞれ100部に対し、4.0部のシラン化合物(3-(2-アミノエチルアミノプロピル)トリメトキシシラン)を加え、容器内にて100℃以上で高速混合撹拌し、それぞれの微粒子を処理した。
・フェノール:10質量%
・ホルムアルデヒド溶液:6質量%(ホルムアルデヒド40質量%、メタノール10質量%、水50質量%)
・上記シラン化合物で処理したマグネタイト1:58質量%
・上記シラン化合物で処理したマグネタイト2:26質量%
上記材料100部と、28質量%アンモニア水溶液5部、水20部をフラスコに入れ、攪拌、混合しながら30分間で85℃まで昇温及び保持し、3時間重合反応させて、生成するフェノール樹脂を硬化させた。その後、硬化したフェノール樹脂を30℃まで冷却し、さらに水を添加した後、上澄み液を除去し、沈殿物を水洗した後、風乾した。次いで、これを減圧下(5mmHg以下)、60℃の温度で乾燥して、磁性体分散型の球状の磁性キャリア1を得た。磁性キャリア1の体積基準の50%粒径(D50)は、34.2μmであった。
<シアン二成分系現像剤CD1の製造例>
92.0部の磁性キャリア1に対して、8.0部のシアントナーCT1を加え、V型混合機(V-20、セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤CD1を得た。
<シアン二成分系現像剤CD2~CD31の製造例>
二成分系現像剤CD1の製造例において、トナーを表11のように変更する以外は同様にして製造を行い、二成分系現像剤CD2~CD31を得た。
<マゼンタ二成分系現像剤MD1の製造例>
92.0部の磁性キャリア1に対して、8.0部のマゼンタトナーMT1を加え、V型混合機(V-20、セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤MD1を得た。
<マゼンタ二成分系現像剤MD2~MD29の製造例>
二成分系現像剤MD1の製造例において、トナーを表11のように変更する以外は同様にして製造を行い、二成分系現像剤MD2~MD29を得た。
<イエロー二成分系現像剤YD1の製造例>
92.0部の磁性キャリア1に対して、8.0部のイエロートナーYT1を加え、V型混合機(V-20、セイシン企業製)により混合し、二成分系現像剤YD1を得た。
<イエロー二成分系現像剤YD2~YD29の製造例>
二成分系現像剤YD1の製造例において、トナーを表11のように変更する以外は同様にして製造を行い、二成分系現像剤YD2~YD29を得た。
<イエロー二成分系現像剤YD30~YD58の製造例>
二成分系現像剤YD1の製造例において、トナーを表11のように変更する以外は同様にして製造を行い、二成分系現像剤YD30~YD58を得た。
Figure 2022167774000011
上記二成分系現像剤を用いて得られた画像の評価方法を以下に記載する。
<色域の評価>
画像形成装置として、キヤノン製フルカラー複写機imageRUNNER ADVANCE C5255を用い、評価を行った。評価環境は、常温常湿環境下(23℃、50%RH)とし、評価紙は、コピー用普通紙GFC-081(A4、坪量81.4g/m
キヤノンマーケティングジャパン株式会社より販売)を用い、1cm×1cmのパッチ画像を出力し、コントローラーで各パッチのトナー載り量が0.35g/mになるように調節し、さらに画像のグロスが20~25になるように定着ローラーの温度を調整しながら、上記パッチ画像の定着画像を出力した。上記グロスの範囲は、一般的に高グロスに該当する。ここで、グロスはハンディ光沢度計グロスメーターPG-3D(日本電色工業製)を用いて、光の入射角75°の条件にて各画像の任意の点3カ所の平均値を測定し、画像のグロス値とした。
画像評価は、分光測色計(CM-2600d、コニカミノルタ社製)を使用し、上記で得られた各パッチの380nm~780nmまでの分光反射率を測定して得られた結果を用いて色域体積をシミュレートし、基準に対して色域体積が何%変化したかを評価した。なお、実施例1~20、41、42、比較例1~6及び比較例8、9に対しては、比較例7を基準として用い、実施例21~40、比較例10~15及び比較例17、18に対しては、比較例16を基準として用いた。評価結果を表12に示す。
Figure 2022167774000012

Claims (12)

  1. 着色剤、結着樹脂及び炭酸カルシウム粒子を含有するトナー粒子を有するトナーであって、
    該トナー粒子中の該着色剤の含有量が、1.0質量%以上20.0質量%以下であり、
    該結着樹脂が、ポリエステル樹脂を含有し、
    該ポリエステル樹脂の芳香環濃度が、50mol%以上70mol%以下であり、
    該炭酸カルシウム粒子の表面が、脂肪酸で被覆されており、
    該トナー粒子中の該炭酸カルシウム粒子の含有量が、1.0質量%以上15.0質量%以下であり、
    該炭酸カルシウム粒子の個数平均粒径が、150nm以上800nm以下であることを特徴とするトナー。
  2. 前記トナー粒子中の前記着色剤の含有量が、1.0質量%以上10.0質量%以下である請求項1に記載のトナー。
  3. 前記結着樹脂が、ポリスチレン骨格を有する樹脂を含有する請求項1又は2に記載のトナー。
  4. 前記トナー粒子の前記ポリスチレン骨格を有する樹脂の含有量が、0.3質量%以上25質量%以下である請求項3に記載のトナー。
  5. 前記ポリスチレン骨格を有する樹脂が、スチレン-アクリル酸エステル共重合体である、請求項3又は4に記載のトナー。
  6. 前記ポリエステル樹脂の芳香環濃度が、55mol%以上60mol%以下である請求項1~5のいずれか一項に記載のトナー。
  7. 前記トナー粒子中の前記着色剤の含有量をA質量%とし、前記トナー粒子中の前記炭酸カルシウム粒子の含有量をB質量%としたとき、A/Bが、0.5~3.0である請求項1~6のいずれか一項に記載のトナー。
  8. 前記炭酸カルシウム粒子における前記脂肪酸の被覆量が、0.1質量%以上5.0質量%以下である請求項1~7のいずれか一項に記載のトナー。
  9. 前記脂肪酸が、炭素数8以上28以下の直鎖飽和脂肪酸である請求項1~8のいずれか一項に記載のトナー。
  10. 前記脂肪酸が、ステアリン酸である請求項1~9のいずれか一項に記載のトナー。
  11. 前記着色剤は、SP値が8.0(cal/cm(1/2)以上10.0(cal/cm(1/2)以下の顔料を含む請求項1~10のいずれか一項に記載のトナー。
  12. 前記着色剤が、マゼンタ顔料、シアン顔料及びイエロー顔料からなる群から選択される少なくとも一を含む請求項1~11のいずれか一項に記載のトナー。
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