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JP2022149711A - 使用済み熱転写シートから情報漏洩を防止する方法 - Google Patents

使用済み熱転写シートから情報漏洩を防止する方法 Download PDF

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JP2022149711A JP2021051983A JP2021051983A JP2022149711A JP 2022149711 A JP2022149711 A JP 2022149711A JP 2021051983 A JP2021051983 A JP 2021051983A JP 2021051983 A JP2021051983 A JP 2021051983A JP 2022149711 A JP2022149711 A JP 2022149711A
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知子 鈴木
Tomoko Suzuki
大介 福井
Daisuke Fukui
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

Figure 2022149711000001
【課題】使用済み熱転写シートから、より確実に情報漏洩を防止する方法の提供。
【解決手段】本開示は、使用済み熱転写シートからの情報漏洩を防止する方法であって、基材と、基材の一方の面側に設けられた色材層と、基材の他方の面側に設けられた背面層と、色材層と面順次で設けられたピールオフ層とを備える熱転写シートを用いて、被転写体に色材層を熱転写すると共に、被転写体の所定の部分をピールオフ層によりピールオフした後に、ピールオフ後の熱転写シートを巻き取りリールに巻き取る前に加熱するか、或いはピールオフ後の熱転写シートを巻き取りリールに巻き取った後に加熱し、対向するピールオフ層と背面層とを熱融着する、方法である。
【選択図】図4

Description

本開示は、使用済み熱転写シートから情報漏洩を防止する方法である。
印画物の製造には、色材層を有する熱転写シートを用い、カード及び熱転写受像シート等の被転写体に画像を形成する画像形成方法が広く用いられている。このような画像形成方法では、熱転写シートにエネルギーを印加し、色材層が含有する染料等を、被転写体側に移行させることで被転写体上に画像を形成できる。
しかしながら、上記の画像形成方法には次のような問題が内在している。画像形成後の熱転写シートの色材層に、被転写体に形成された画像に対応するパターンが印画痕として残り、画像形成後の熱転写シートの色材層に残っている印画痕から、被転写体上に形成された画像を容易に特定でき、情報が漏洩する。
このような問題を解決するために、特許文献1には、使用済み熱転写シートにおいて、転写性保護層と背面層とを熱融着させ、情報の漏洩を防止する方法が開示されている。
特開2008-49663号公報
上記のような転写性保護層は、被転写体に大部分が転写されるため、転写後に残っている層が少ない。そのため、転写性保護層と背面層との密着性は低く、情報漏洩の防止については改善の余地があった。
従って、本開示の目的は、使用済み熱転写シートから、より確実に情報漏洩を防止する方法を提供することである。
今般、本発明者らは、被転写体から所定の部分を除去する層(以下、「ピールオフ層」とも称する)を備える熱転写シートを使用した後に、このピールオフ層と、背面層とを熱融着させることで、より確実に情報漏洩を防止できることを見出した。
従って、本開示は、使用済み熱転写シートからの情報漏洩を防止する方法であって、
基材と、基材の一方の面側に設けられた色材層と、基材の他方の面側に設けられた背面層と、色材層と面順次で設けられたピールオフ層とを備える熱転写シートを用いて、被転写体に色材層を熱転写すると共に、被転写体の所定の部分をピールオフ層によりピールオフした後に、
ピールオフ後の熱転写シートを巻き取りリールに巻き取る前に加熱するか、或いはピールオフ後の熱転写シートを巻き取りリールに巻き取った後に加熱し、対向するピールオフ層と背面層とを熱融着する、方法である。
本開示によれば、使用済み熱転写シートから、より確実に情報漏洩を防止する方法を提供できる。
本開示に用いる熱転写シートの一実施形態を示す概略断面図である。 本開示に用いる熱転写シートの一実施形態を示す概略断面図である。 剛体振り子物性試験機の模式図である。 本開示の実施形態に係る熱転写プリンタの主要部の構成の一例を示す模式図である
本開示による方法は、使用済み熱転写シートからの情報漏洩を防止する方法である。具体的に、本開示による方法は、基材と、基材の一方の面側に設けられた色材層と、基材の他方の面側に設けられた背面層と、色材層と面順次で設けられたピールオフ層とを備える熱転写シートを用いて、被転写体に色材層を熱転写すると共に、被転写体の所定の部分をピールオフ層によりピールオフした後に、ピールオフ後の熱転写シートを巻き取りリールに巻き取る前に加熱するか、或いはピールオフ後の熱転写シートを巻き取りリールに巻き取った後に加熱し、対向するピールオフ層と背面層とを熱融着する方法である。
ピールオフ層は、被転写体から所定の部分を除去(ピールオフ)する層である。ピールオフ後において、ピールオフ層の表面は、被転写体の所定の部分が付着している領域(以下、「付着領域」とも称する)と、該部分が付着していない領域、即ち、ピールオフ層が露出している領域(以下、「露出領域」とも称する)とが存在する。ピールオフ後のピールオフ層において、露出領域は、ピールオフ層の大部分を占めている。そのため、本開示による方法は、ピールオフ後のピールオフ層の大部分を占めている露出領域と、背面層とを熱融着することによって、より確実に情報漏洩を防止できる。
また、ピールオフ層は、被転写体から所定の部分をピールオフする機能を有する層であるため、他の層との接着性に優れる層である。よって、このようなピールオフ層の機能の観点からも、本開示による方法は、より確実に情報漏洩を防止できる。
本開示による方法において、ピールオフ層と、背面層とを熱融着をするときの加熱は、ピールオフ後の熱転写シートを巻き取りリールに巻き取る前でも、ピールオフ後の熱転写シートを巻き取りリールに巻き取った後でもよい。
ピールオフ後の熱転写シートを巻き取りリールに巻き取る前に加熱した場合には、予め加熱によりピールオフ層が溶融し、熱転写シートを巻き取りリールに巻き取るのと同時に、ピールオフ層と背面層とが熱融着される。
一方、ピールオフ後の熱転写シートを巻き取りリールに巻き取った後に加熱した場合には、ピールオフ層と背面層とが接触した状態で、加熱によりピールオフ層が溶融し、ピールオフ層と背面層とが熱融着される。
本開示に用いる熱転写シートは、基材と、基材の一方の面側に設けられた色材層と、基材の他方の面側に設けられた背面層と、色材層と面順次で設けられたピールオフ層とを備える。
一実施形態において、熱転写シートは、基材とピールオフ層との間にプライマー層を備える。プライマー層は、基材及びピールオフ層と隣接する。
以下、図を参照して、本開示に用いる熱転写シートの一実施形態を説明する。
一実施形態において、熱転写シート10は、図1に示すように、基材11と、色材層12と、背面層13と、ピールオフ層14とを備える。色材層12は、基材11の一方の面側に設けられている。背面層13は、基材11の他方の面側に設けられている。ピールオフ層14は、色材層12と面順次で設けられている。
一実施形態において、熱転写シート10は、図1に示すように、基材11と、色材層12と、背面層13と、ピールオフ層14と、プライマー層15とを備える。色材層12は、基材11の一方の面側に設けられている。背面層13は、基材11の他方の面側に設けられている。ピールオフ層14は、色材層12と面順次で設けられている。プライマー層15は、基材11とピールオフ層14との間に位置し、且つ、基材11及びピールオフ層14と隣接する。
一実施形態において、プライマー層15は、基材11と、色材層12の間に設けられてもよい(図示せず)。
上記の熱転写シート10の層構成は、適宜組み合わせることが可能である
以下、熱転写シートが備え得る各層について説明する。
基材は、被転写体の所定の部分をピールオフする際に、加えられる熱エネルギー(例えば、サーマルヘッドによる熱)に耐え得る耐熱性を有し、ピールオフ層等の各層を支持できる機械的強度や耐溶剤性を有するものであれば、特に制限なく使用できる。
基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、1,4-ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレート及びテレフタル酸-シクロヘキサンジメタノール-エチレングリコール共重合体等のポリエステル、ナイロン6及びナイロン6,6等のポリアミド、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ酢酸ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール及びポリビニルピロリドン(PVP)等のビニル樹脂、ポリアクリレート、ポリメタクリレート及びポリメチルメタクリレート等の(メタ)アクリル樹脂、ポリイミド及びポリエーテルイミド等のイミド樹脂、セロファン、セルロースアセテート、ニトロセルロース、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)及びセルロースアセテートブチレート(CAB)等のセルロース樹脂、ポリスチレン(PS)等のスチレン樹脂、ポリカーボネート、並びにアイオノマー樹脂等の樹脂材料から構成されるフィルム(以下、単に「樹脂フィルム」という。)を使用できる。
上記した樹脂材料の中でも、耐熱性及び機械的強度という観点から、ポリエステルが好ましく、PETが特に好ましい。
なお、本開示において、「(メタ)アクリル」とは「アクリル」と「メタクリル」の両方を包含することを意味する。また、「(メタ)アクリレート」とは「アクレート」と「メタクレート」の両方を包含することを意味する。
基材は、上記した樹脂フィルムが積層された積層体でもよい。積層体は、ドライラミネーション法、ウェットラミネーション法及びエクストリュージョン法等を利用して作製できる。
樹脂フィルムは、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでもよい。樹脂フィルムは、強度の観点からは、好ましくは、一軸方向又は二軸方向に延伸された延伸フィルムである。
基材の厚さは、好ましくは2μm以上であり、より好ましくは3μm以上である。一方、基材の厚さは、好ましくは25μm未満、より好ましくは10μm以下である。
基材は、他の層との密着性を向上するために、その表面に接着処理を施してもよい。即ち、熱転写シートの基材として、接着処理が施された基材を使用してもよい。接着処理としては、例えば、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理及びグラフト化処理等の公知の樹脂表面改質技術が挙げられる。これらの接着処理を2種以上併用してもよい。
ピールオフ層は、被転写体の所望の部分を除去(ピールオフ)するための層である。
ピールオフ層は、1種又は2種以上の熱可塑性樹脂を含んでもよい。ピールオフ層に含まれる熱可塑性樹脂は、従来公知の熱可塑性樹脂を適宜選択して使用できる。ピールオフ層に含まれる熱可塑性樹脂としては、例えば、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、アクリル系樹脂、ポリエステル、ポリアミド、スチレンアクリル樹脂、スチレン-塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ブチラール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド等が挙げられる。
ピールオフ層は、好ましくは、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体及びポリエステルからなる群から選択させる少なくとも1種を含み、より好ましくは塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体及びポリエステルの両方を含む。該ポリエステルは、好ましくは結晶性ポリエステルである。このようなピールオフ層は、ピールオフ性が顕著に向上されている。
ピールオフ層において、ポリエステルに対する前記塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の質量比は、好ましくは0.3以上であり、より好ましくは0.4以上である。一方、該質量比は、好ましくは2以下であり、より好ましくは1.5以下であり、更に好ましきくは0.8以下である。
結晶性ポリエステルとは、示差走査型熱量計を用いて、-100℃から300℃まで20℃/分で昇温し、次に300℃から-100℃まで50℃/分で降温し、続いて-100℃から300℃まで20℃/分で昇温する、という二度の昇温過程において、どちらかの昇温過程に明確な融解ピークを示すポリエステルを指す。
ピールオフ層に対する剛体振り子測定により得られる100℃での対数減衰率ΔEは、好ましくは0.25以上であり、より好ましくは0.30以上である。これにより、低エネルギーによる加熱であっても、被転写体の一部をより良好にピールオフできる。例えば、ピールオフ層における結晶性ポリエステルの含有量を大きくすることにより、ΔEを高くすることができる。ΔEの上限は特に限定されず、ΔEは、例えば0.50以下であり、0.45以下でもよい。
本開示において、対数減衰率ΔEの測定は以下のようにして行う。
まず、熱転写シートを、幅15mm×長さ50mmのサイズに裁断して試験サンプルSとする。
試験サンプル温度調整台Bと、円筒型シリンダCと、振り子フレームDと、振動変位検出器Eとを備える、剛体振り子物性試験機Aを準備する(図3参照)。図3中の矢印は、振り子フレームDの振れ方向であって、固定された試験サンプルSの長さ方向と平行となる方向である。この試験サンプル温度調整台B上に、試験サンプルSを、そのピールオフ層が上方となるように、測定結果に影響のない箇所にカプトンテープを貼りつけて固定すると共に、該試験サンプルS上に温度センサーを配置する。
試験サンプルSは、その長さ方向が、円筒型シリンダCの中心軸方向と直交するように固定する。また、円筒型シリンダCは、ピールオフ層の表面に接触するよう配置する。
次いで、試験サンプル温度調整台Bを、昇温速度3℃/分にて25℃から130℃まで昇温させ、このときのピールオフ層の対数減衰率ΔEを測定する。
詳細には、試験サンプルSのピールオフ層の温度が100℃となった状態での対数減衰率ΔEを採用する。なお、一度測定した試験サンプルは使用せず、別の試験サンプルを用いて、3回測定し、その平均値を対数減衰率ΔE(ΔE=[ln(A1/A2)+ln(A2/A3)+・・・ln(An/An+1)]/n、A:振幅、n:波数、初期振幅A1:約0.3degree)とする。lnは、自然対数を表す。
剛体振り子物性試験機Aとしては、(株)エー・アンド・デイ製のRPT-3000W又は同程度の装置を使用できる。
試験サンプル温度調整台Bとしては、冷熱ブロックCHB-100又は同程度の装置を使用できる。
円筒型シリンダCとしては、円筒型シリンダエッジRBP-060又は同程度の装置を使用できる。
振り子フレームDとしては、FRB-100又は同程度の装置を使用できる。
上記のCHB-100、RBP-060及びFRB-100は、上記RPT-3000Wが備える装置又は部材である。
ピールオフ層は、充填材、可塑材、紫外線吸収材及び分散材等の添加材を1種又は2種以上含んでもよい。
ピールオフ層の厚さは、好ましくは0.2μm以上であり、より好ましくは0.4μm以上である。一方、ピールオフ層の厚さは、好ましくは10μm以下であり、より好ましくは5μm以下であり、更に好ましくは1以下である。
ピールオフ層は、例えば、上記材料を水又は適当な有機溶媒へ分散又は溶解させて塗工液を調製し、該塗工液を、公知の手段により、基材又はプライマー層等の上に塗布して塗膜を形成させ、これを乾燥させることにより形成できる。上記公知の手段としては、例えば、ロールコート法、リバースロールコート法、グラビアコート法、リバースグラビアコート法、バーコート法及びロッドコート法が挙げられる。
色材層は、被転写体の表面に画像を形成するための層である。色材層は、色材層に含まれる昇華性染料のみが転写する昇華転写型の色材層でも、色材層自体が転写する溶融転写型の色材層でもよい。熱転写シートは、色材層として、昇華転写型の色材層及び溶融転写型の色材層の両方を備えてもよい。
色材層は、1種又は2種以上の色材を含む。色材は、顔料でも、染料でもよい。染料は昇華性染料でもよい。
色材層に含まれる色材としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、黒煙、鉄黒、アニリンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、酸化チタン、カドミウムレッド、カドモポンレッド、クロムレッド、バーミリオン、ベンガラ、アゾ系顔料、アリザリンレーキ、キナクリドン、コチニールレーキペリレン、イエローオーカー、オーレオリン、カドミウムイエロー、カドミウムオレンジ、クロムイエロー、ジンクイエロー、ネイプルスイエロー、ニッケルイエロー、アゾ系顔料、グリニッシュイエロー、ウルトラマリン、岩群青、コバルト、フタロシアニン、アントラキノン、インジコイド、シナバーグリーン、カドミウムグリーン、クロムグリーン、フタロシアニン、アゾメチン、ペリレン及びアルミニウム顔料等の顔料、並びに、ジアリールメタン染料、トリアリールメタン染料、チアゾール染料、メロシアニン染料、ピラゾロン染料、メチン染料、インドアニリン染料、アセトフェノンアゾメチン染料、ピラゾロアゾメチン染料、キサンテン染料、オキサジン染料、チアジン染料、アジン染料、アクリジン染料、アゾ染料、スピロピラン染料、インドリノスピロピラン染料、フルオラン染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料及びキノフタロン染料等の染料が挙げられる。
色材層は、1種又は2種以上の樹脂材料を含んでもよい。色材層に含まれる樹脂材料としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、ビニル樹脂、ビニルアセタール樹脂、(メタ)アクリル樹脂、セルロース樹脂、スチレン樹脂、ポリカーボネート、ブチラール樹脂、フェノキシ樹脂及びアイオノマー樹脂等が挙げられる。
色材層は、上記添加材を含んでもよい。
色材層の厚さは、例えば、0.1μm以上3μm以下である。
色材層は、上記材料を適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液を作成し、上記塗布手段により、基材又はプライマー層等の上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥することにより形成できる。
背面層は、熱転写時の加熱によるスティッキングやシワの発生を抑制するために設けられる層である。
背面層は、1種又は2種以上の樹脂材料を含む。背面層に含まれる樹脂材料としては、例えば、シリコーン樹脂、ビニル樹脂、ポリエステル、ポリアミド、ポリオレフィン、(メタ)アクリル樹脂、ポリオレフィン、ポリウレタン、アセタール樹脂、セルロース樹脂及びフェノール樹脂等が挙げられる。これらの中でも、樹脂材料は、好ましくはシリコーン樹脂である。
背面層は、少なくとも1種のイソシアネート化合物を含んでもよい。背面層に含まれるイソシアネート組成物としては、例えば、シリコーンイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート及びヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
背面層は、少なくとも1種の固形又は液状の滑剤を含んでもよい。滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス等の各種ワックス類、高級脂肪族アルコール、オルガノポリシロキサン、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、有機カルボン酸およびその誘導体、金属石鹸、フッ素系樹脂、タルク、シリカ等の無機化合物の微粒子等が挙げられる。これらの中でも、滑剤は、好ましくは界面活性剤であり、より好ましくはアニオン系界面活性剤であり、特に好ましくはリン酸エステル界面活性剤である。
背面層の表面の十点平均粗さRzは、好ましくは5.0μm以下である。十点平均粗さRzを5.0μm以下とすることにより、ピールオフ層との密着性を向上できる。なお、背面層の表面とは、基材の反対側の表面を意味する。背面層の表面の十点平均粗さRzは、より好ましくは4.0μm以下であり、更に好ましくは3.0μm以下であり、特に好ましくは2.0μm以下である。
一方、背面層の表面の十点平均粗さRzは、例えば0.1μm以上であり、0.5μm以上でもよく、1.0μm以上でもよい。
本明細書において、十点平均粗さRzは、JIS B0601:2013に準拠して測定する。具体的に十点平均粗さRzの測定は、表面粗さ測定器を使用して、下記の条件に従って測定する。なお、表面粗さ測定器は、(株)東京精密製のサーフコム 1400を使用できる。
(測定条件)
・測定方法:2次元
・測定範囲:4mm
・測定ピッチ:20μm
・測定倍率:20K
・λsフィルタ:無し
・カットオフ種別:ガウシアン
・カットオフ波長:0.8mm
・傾斜補正:最小自乗直線
・測定速度:0.6mm/s
・ピックアップ種別:標準ピックアップ
背面層は、上記添加材を含んでもよい。
背面層の厚さは、例えば、0.01μm以上3.0μm以下である。
背面層は、上記材料を適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液を作成し、上記塗布手段により、基材等の上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥することにより形成できる。
プライマー層は、基材とピールオフ層との間の密着性を向上でき、残存すべきピールオフ層が被転写体側に移行してしまう現象、所謂、ピールオフ層の逆転写現象を抑制できる。特に、印画エネルギーが高い場合には、ピールオフ層の逆転写が発生しやすい傾向にあるため、プライマー層を備える熱転写シートが好適である。
プライマー層は、1種又は2種以上の樹脂材料を含んでもよい。プライマー層に含まれる樹脂材料としては、例えば、ポリエステル、ビニル樹脂、ポリウレタン、(メタ)アクリル樹脂、ポリアミド、ポリエーテル、スチレン樹脂及びセルロース樹脂等が挙げられる。これらの中でも、樹脂材料は、基材とピールオフ層との密着性の観点から、好ましくはポリエステルである。
プライマー層は、好ましくは、加熱によって発泡する層である。プライマー層が加熱によって発泡することで、熱転写シートを巻き取りリールに巻き取る際に、プライマー層を背面層に押し付けることが可能になり、プライマー層と背面層との密着性を向上できる。
一実施形態において、プライマー層を加熱によって発泡させるために、プライマー層は、少なくとも1種の発泡粒子を含んでもよい。
発泡粒子としては、例えば、揮発性物質が内包された熱膨張性マイクロカプセルを使用できる。熱膨張性マイクロカプセルの外殻を構成する材料としては、例えば、エチレン等のポリオレフィン、スチレン樹脂、酢酸ビニル、塩化ビニル及び塩化ビニリデン等のビニル樹脂、ポリアミド、ポリエステル等が挙げられる。内包される揮発性物質としては、例えば、プロパン、ブテン、イソブタン、イソペンテン、ネオペンテン、ヘキサン、ヘプタン、塩化メチル及びテトラメチルシラン等が挙げられる。
プライマー層は、上記添加材を含んでもよい。
プライマー層の厚さは、例えば、0.05μm以上2.0μm以下である。
プライマー層は、上記材料を適当な溶媒へ分散又は溶解して、塗工液を作成し、上記塗布手段により、基材等の上に塗布して塗膜を形成し、これを乾燥することにより形成できる。
本開示に用いる被転写体としては、画像を形成する面側に、ピールオフ層によりピールオフされる層を有するものであれば特に限定されない。被転写体としては、例えば、上質紙、アート紙、コート紙、レジンコート紙、キャストコート紙、板紙、合成紙及び含浸紙等の紙基材や下記樹脂フィルム、及びこれらの積層体、並びにカード類等は挙げられる。
一実施形態において、被転写体は、画像が形成される受容層を含む転写層を備える中間転写媒体であってもよい。中間転写媒体とは、基材上に、受容層を含む転写層が剥離可能に設けられたものである。このような中間転写媒体によれば、色材層を有する熱転写シートを用いて、中間転写媒体の受容層上に熱転写画像を形成し、その後、この受容層を含む転写層を、任意の被転写体(例えば、紙基材のみ)上に転写することで、任意の被転写体上に熱転写画像が形成された印画物を得ることができる。
図4は、熱転写プリンタの主要部の構成の一例を示す模式図である。図4中、熱転写シート10が巻回された熱転写シート供給リール21と、被転写体30が巻回された被転写体供給リール22が熱転写プリンタ内に配置されている。熱転写シート10と被転写体30の搬送経路の途中には、プラテンロール24とサーマルヘッド23が配設されている。熱転写シート10と被転写体30はプラテンロール24とサーマルヘッド23との間を圧接状態で通過する。サーマルヘッド23を通過した使用済み熱転写シート40は、搬送ローラ25により搬送され巻き取りリール26により巻き取られる。巻き取りリール26の外側には巻き取られた使用済み熱転写シート40を加熱する加熱手段27が配置されている。ここで、熱転写シート10は、基材11の一方の面側に設けられた色材層12と、基材11の他方の面側に設けられた背面層13と、色材層12と面順次で設けられたピールオフ層14とを備える。
次に、熱転写プリンタの動作について説明する。
印刷待機状態である初期状態では、サーマルヘッド23はヘッドアップ状態であり、プラテンロール24とは離間している。熱転写シート供給リール21の装着時には、熱転写シート10の先端部を搬送ローラ25の隙間を通過させ、先端部を巻き取りリール26に固定する。一方、被転写体30は、その先端部を被転写体供給リール22から引出し、搬送ローラ(図示せず)により挟持固定する。
印刷時には、押圧機構(図示せず)によりサーマルヘッド23をヘッドダウンさせ、熱転写シート10と被転写体30をプラテンロール24との間で圧接状態とし、複数の発熱抵抗体を有するサーマルヘッド23で画像情報に応じて選択的に熱を加えることにより被転写体30に画像を記録する。次に、被転写体の所定の部分をピールオフ層によりピールオフする。
印刷が終了すると、押圧機構(図示せず)によりサーマルヘッド23がヘッドアップされ、熱転写シート10と被転写体30の圧接状態が解除される。被転写体30は、所定の長さだけ搬送ローラ(図示せず)により引き出され、排出部(図示せず)へと搬送される。一方、使用済み熱転写シート40は、搬送ローラ25を通して巻き取りリール26により巻き取られる。巻き取られた加熱手段27により加熱され、対向する背面層とピールオフ層とが融着する。これにより、使用済み熱転写シートの色材層に残っている印画痕が閲覧できなくなり、情報の漏洩を防止できる。
図4には、巻き取った使用済み熱転写シート40を加熱する例を示したが、搬送ローラ25を通過後、巻き取る前に加熱し、巻き取りながら背面層とピールオフ層とを融着させる方法を用いることもできる。加熱手段としては、例えば、熱ロール及びラインヒータ等が挙げられる。
加熱手段を用いて使用済み熱転写シートを加熱するに際し、サーマルヘッドからの印加エネルギーよりも大きいエネルギーを与えることが好ましい。ピールオフ層と背面層とを十分に融着させて剥離しにくくするためである。
本開示による方法において、ピールオフ層と背面層とを熱融着するときの加熱温度は、ピールオフ層と背面層との密着性の観点から、好ましくは110℃以上であり、より好ましくは150℃以上である。一方、ピールオフ層と背面層とを熱融着するときの加熱温度は、例えば、250℃以下であり、200℃以下でもよい。
以下に、本開示による方法の一実施形態を示す。なお、本開示による方法は、これらの実施形態に限定されない。
本開示は、使用済み熱転写シートからの情報漏洩を防止する方法であって、
基材と、基材の一方の面側に設けられた色材層と、基材の他方の面側に設けられた背面層と、色材層と面順次で設けられたピールオフ層とを備える熱転写シートを用いて、被転写体に色材層を熱転写すると共に、被転写体の所定の部分をピールオフ層によりピールオフした後に、
ピールオフ後の熱転写シートを巻き取りリールに巻き取る前に加熱するか、或いはピールオフ後の熱転写シートを巻き取りリールに巻き取った後に加熱し、対向するピールオフ層と背面層とを熱融着する、方法である。
一実施形態において、加熱温度は、110℃以上でもよい。
一実施形態において、熱転写シートは、基材とピールオフ層との間に、プライマー層を備え、
プライマー層は、基材及びピールオフ層と隣接してもよい。
一実施形態において、プライマー層は、加熱によって発泡してもよい。
一実施形態において、ピールオフ層に対する剛体振り子測定により得られる100℃での対数減衰率ΔEは、0.25以上でもよい。
一実施形態において、ピールオフ層は、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体及びポリエステルを含んでもよい。
一実施形態において、ポリエステルに対する塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の質量比は、0.3以上2以下でもよい、
一実施形態において、背面層の表面の十点平均粗さRzが、5.0μm以下でもよい。
次に実施例を挙げて、本開示を更に詳細に説明するが、本開示は、これら実施例に限定されない。以下、固形分比率が書いてある材料については固形分換算前の含有量を示す。
[実施例1]
基材として、4.5μmの厚さを有するポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを準備した。
基材の一方の面上に、下記組成の背面層用塗工液Aを塗布し、乾燥し、0.1μmの厚さを有する背面層Aを形成した。
次いで、基材の他方の面上の一部に、下記組成のプライマー層用塗工液Aを塗布し、乾燥し、0.3μmの厚さを有するプライマー層Aを形成した。
次いで、基材の他方の面上の残りの部分に、上記プライマー層Aと面順次となるように、下記組成のプライマー層用塗工液Bを塗布し、乾燥し、0.3μmの厚さを有するプライマー層Bを形成した。
次いで、プライマー層B上に、下記組成のピールオフ層用塗工液を塗布し、乾燥し、0.5μmの厚さを有するピールオフ層を形成した。
次いで、プライマー層A上に、下記組成の、イエロー色材層用塗工液、マゼンタ色材層用塗工液及びシアン色材層用塗工液を面順次に塗布、乾燥し、それぞれ厚さ0.6μmの、イエロー色材層、マゼンタ色材層及びシアン色材層を形成して熱転写シートを得た。
<プライマー層用塗工液A>
アルミナ(平均一次粒径10×100nm(固形分10%)) 30質量部
(日産化学工業(株)製、アルミナゾル200)
・ポリビニルピロリドン 3質量部
(アイエスピー・ジャパン社製、K-90)
・水 50質量部
・イソプロピルアルコール 17質量部
<プライマー層用塗工液B>
・ポリエステル 10質量部
(東洋紡(株)製、バイロン(登録商標)200)
・メチルエチルケトン(MEK) 25質量部
・トルエン 25質量部
<イエロー色材層用塗工液>
・ソルベントイエロー93 2.5質量部
・ディスパースイエロー201 2.5質量部
・ポリビニルアセタール 4質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS-5)
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・トルエン 50質量部
・MEK 50質量部
<マゼンタ色材層用塗工液>
・ディスパースレッド60 3質量部
・ディスパースバイオレット26 3質量部
・ポリビニルアセタール 5質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS-5)
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・トルエン 50質量部
・MEK 50質量部
<シアン色材層用塗工液>
・ソルベントブルー63 3質量部
・ディスパースブルー354 4質量部
・ポリビニルアセタール 5質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS-5)
・ポリエチレンワックス 0.1質量部
・トルエン 50質量部
・MEK 50質量部
<ピールオフ層用塗工液>
・塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 3質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバイン(登録商標)CNL、ガラス転移温度(Tg)76℃、数平均分子量(Mn)16000、表1中においては「塩酢ビ」と記載)
・ポリエステルA 7質量部
(東洋紡(株)製、バイロン(登録商標)GA-6400、Tg-20℃、融点96℃、Mn30000)
・MEK 20質量部
・トルエン 20質量部
<背面層用塗工液A>
・アクリル変性シリコーン樹脂 10質量部
(ナトコ(株)製、ポリアロイNSA-X55)
・シリコーンイソシアネート 2質量部
(大日精化工業(株)、ダイアロマー(登録商標)SP901)
・MEK 20質量部
・トルエン 20質量部
[実施例2~9及び比較例1]
ピールオフ層の組成を表1に示すように変更したこと、並びにプライマー層及び背面層を以下に示す塗工液を用いて形成したこと以外は、実施例1と同様にして、熱転写シートを作製した。プライマー層用塗工液Cを用いた場合には、乾燥後のプライマー層Cの厚さは5μmとした。背面層用塗工液Bを用いた場合には、乾燥後の背面層Bの厚さは1μmとし、背面層用塗工液Cを用いた場合には、乾燥後の背面層Cの厚さは0.5μmとした。
・ポリエステルB:東洋紡(株)製、バイロン(登録商標)700、Tg90℃
・ポリビニルブチラール:積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS-5、Tg113℃、Mn130000
・ウレタン変性シリコーン樹脂:大日精化工業(株)製、ダイアロマー(登録商標)SP2105、表1中においては「シリコーン」と記載
<プライマー層用塗工液C>
・ポリエステル 5質量部
(東洋紡(株)製、バイロナール(登録商標)MD1930)
・発泡粒子 5質量部
(松本油脂製薬(株)、マツモトマイクロスフェアー(登録商標)HF30D、発泡温度115℃)
・水 23質量部
<背面層用塗工液B>
・ポリビニルブチラール樹脂 1.8質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)BX-1)
・ポリイソシアネート 5.5質量部
(DIC(株)製、バーノック(登録商標)D750)
・リン酸エステル系界面活性剤 1.6質量部
(第一工業製薬(株)製、プライサーフ(登録商標)A208N)
・タルク 0.35質量部
(日本タルク工業(株)製、ミクロエース(登録商標)P-3)
・トルエン 18.5質量部
・MEK 18.5質量部
<背面層用塗工液C>
・ポリビニルブチラール 36質量部
(積水化学工業(株)製、エスレック(登録商標)KS-1)
・イソシアネート化合物 25質量部
(DIC(株)製、バーノック(登録商標)D750)
・ステアリルリン酸亜鉛 10質量部
(堺化学工業(株)、LBT1830精製)
・ステアリン酸亜鉛 10質量部
(堺化学工業(株)、SZ-PF)
・ポリエチレンワックス 3質量部
(東洋アドレ(株)、ポリワックス3000)
・エトキシ化アルコール変性ワックス 7質量部
(東洋アドレ(株)、ユニトックス750)
・MEK 200質量部
・トルエン 100質量部
<<対数減衰率ΔEの測定>>
上記実施例及び比較例において得られた熱転写シートを、幅15mm×長さ50mmのサイズに裁断して試験サンプルとした。この試験サンプルを用いて、上述した方法に従い、試験サンプルのピールオフ層の温度が100℃となった状態での対数減衰率ΔEを測定した。測定結果を表1に示す。剛体振り子物性試験機としては、(株)エー・アンド・デイ製のRPT-3000Wを使用した。試験サンプル温度調整台としては、冷熱ブロックCHB-100を使用した。円筒型シリンダとしては、円筒型シリンダエッジRBP-060を使用した。振り子フレームとしては、FRB-100を使用した。
<<背面の状態確認>>
上記実施例及び比較例において得られた熱転写シートにおいて、背面層の表面の十点平均粗さRzをJIS B0601:2013に準拠して測定した。具体的に十点平均粗さRzの測定は、表面粗さ測定器を使用して、下記の条件に従って測定した。なお、表面粗さ測定器は、(株)東京精密製のサーフコム 1400を使用した。
(測定条件)
・測定方法:2次元
・測定範囲:4mm
・測定ピッチ:20μm
・測定倍率:20K
・λsフィルタ:無し
・カットオフ種別:ガウシアン
・カットオフ波長:0.8mm
・傾斜補正:最小自乗直線
・測定速度:0.6mm/s
・ピックアップ種別:標準ピックアップ
<<ピールオフ性試験>>
まず、以下の通りに中間転写媒体を作製した。
12μmの厚さを有するポリエチレンテレフタレートフィルム(基材)の上に、下記組成の剥離層用塗工液を塗布し、乾燥し、剥離層を形成した。
次いで、剥離層上に下記組成の保護層用塗工液を塗布し、乾燥し、保護層を形成した。
次いで、保護層上に下記組成の受容層用塗工液を塗布し、乾燥し、受容層を形成して中間転写媒体を得た。中間転写媒体において、剥離層、保護層及び受容層は、転写層を構成している。
<剥離層用塗工液>
・アクリル樹脂 20質量部
(三菱レイヨン(株)製、ダイアナール(登録商標)BR-83)
・ポリエステル 1質量部
(東洋紡(株)製、バイロン(登録商標)600)
・MEK 79質量部
<保護層用塗工液>
・ポリエステル 20質量部
(東洋紡(株)製、バイロン(登録商標)GK-250)
・MEK 80質量部
<受容層用塗工液>
・塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 20質量部
(日信化学工業(株)製、ソルバイン(登録商標)CNL)
・シリコーンオイル 1質量部
(信越化学工業(株)製、X-22-3000T)
・MEK 79質量部
上記で作製した実施例及び比較例の各熱転写シートの、イエロー色材層、マゼンタ色材層及びシアン色材層を、上記で作製した中間転写媒体の受容層上に熱転写して画像を形成した。続けて、熱転写シートのピールオフ層と中間転写媒体の受容層とが接するように重ね合せて、以下のプリンタを用いて、熱転写シートの背面側を加熱することで、転写層の一部の領域を中間転写媒体から取り除いた。このときにピールオフ層の逆転写の発生を目視で確認し、以下の評価基準に基づいて、ピールオフ性の評価を行った。評価結果を表1に示す。なお、本評価では、印加電圧15Vにおけるピールオフ性の評価とともに、印加電圧21Vにおけるピールオフ性の評価を行っているが、印加電圧21Vにおけるピールオフ性の評価は、より過酷な条件における評価であり、この条件におけるピールオフ性が良好であるということは、広いピールオフ条件においてピールオフ性が良好となることを示している。
<プリンタ>
サーマルヘッド:KEE-57-12GAN2-STA(京セラ(株)製)
発熱体平均抵抗値:3303(Ω)
主走査方向印字密度:300dpi
副走査方向印字密度:300dpi
1ライン周期:2.0(msec.)
印字開始温度:35(℃)
パルスDuty比:85%
印加電圧:低エネルギー15(V)、高エネルギー21(V)
(評価基準)
A:中間転写媒体の除去領域における転写層が正確に除去されていることが確認できた。
B:中間転写媒体の除去領域における転写層の一部が僅かに残存していた。
C:中間転写媒体の除去領域における転写層が一部残存していたが、実用上問題ない。
NG:中間転写媒体の除去領域における転写層が多く残存しており、実用上問題がある。
<<密着性評価>>
上記ピールオフ性試験おける各使用済み熱転写シートを巻き取りリールに巻き取った後に、使用済み熱転写シートを熱ロールにより、90℃、処理速度1m/minで加熱した。以下の評価基準に基づいて、密着性の評価を行った。評価結果を表1に示す。
加熱温度を110℃及び130℃に変更して同様の評価を行った。評価結果を表1に示す。
(評価基準)
A:ピールオフ層と背面層とが完全に剥がれず、剥がそうとすると熱転写シートが破れる。
B:ピールオフ層と背面層とがわずかに剥がれる部分はあるが、全部剥がそうとすると熱転写シートが破れる。
C:ピールオフ層と背面層とが一部剥がれる部分はあるが、全部剥がそうとすると熱転写シートが破れる。
NG:熱転写シートが破れずに剥がれる。
Figure 2022149711000002
10:熱転写シート、11:基材、12:色材層、13:背面層、14:ピールオフ層、15:プライマー層、21:熱転写シート供給リール、22:被転写体供給リール、23:サーマルヘッド、24:プラテンロール、25:搬送ローラ、26:巻き取りリール、27:加熱手段、30:被転写体、40:使用済み熱転写シート、A:剛体振り子物性試験機、B:試験サンプル温度調整台、C:円筒型シリンダ、D:振り子フレーム、E:振動変位検出器、S:試験サンプル

Claims (8)

  1. 使用済み熱転写シートからの情報漏洩を防止する方法であって、
    基材と、前記基材の一方の面側に設けられた色材層と、前記基材の他方の面側に設けられた背面層と、前記色材層と面順次で設けられたピールオフ層とを備える熱転写シートを用いて、被転写体に前記色材層を熱転写すると共に、前記被転写体の所定の部分を前記ピールオフ層によりピールオフした後に、
    前記ピールオフ後の熱転写シートを巻き取りリールに巻き取る前に加熱するか、或いは前記ピールオフ後の熱転写シートを巻き取りリールに巻き取った後に加熱し、対向するピールオフ層と背面層とを熱融着する、方法。
  2. 前記加熱温度が、110℃以上である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記熱転写シートは、前記基材と前記ピールオフ層との間に、プライマー層を備え、
    前記プライマー層は、前記基材及び前記ピールオフ層と隣接する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記プライマー層が、前記加熱によって発泡する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記ピールオフ層に対する剛体振り子測定により得られる100℃での対数減衰率ΔEが、0.25以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記ピールオフ層は、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体及びポリエステルを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記ポリエステルに対する前記塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体の質量比が、0.3以上2以下である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記背面層の表面の十点平均粗さRzが、5.0μm以下である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
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