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JP2022022809A - 画像描画装置、車両用灯具および画像描画方法 - Google Patents

画像描画装置、車両用灯具および画像描画方法 Download PDF

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JP2022022809A JP2020117273A JP2020117273A JP2022022809A JP 2022022809 A JP2022022809 A JP 2022022809A JP 2020117273 A JP2020117273 A JP 2020117273A JP 2020117273 A JP2020117273 A JP 2020117273A JP 2022022809 A JP2022022809 A JP 2022022809A
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孝寛 岩渕
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Abstract

【課題】装置の小型化と消費電力の低減を図りながらも、光源部の温度上昇を抑制することが可能な画像描画装置、車両用灯具および画像描画方法を提供する。【解決手段】主面上に微小なミラーが複数配列され、画像データに含まれるオン情報とオフ情報に基づいてミラーの前記主面に対する角度を切り替えるデジタルミラーデバイス(11)と、複数のミラーに対して光を照射する光源部(20)と、光源部(20)の温度を測定して光源部温度を取得する温度測定部(12)と、光源部温度が第1温度以上である場合に、画像データに含まれる単位時間あたりのオン情報の数を増加させるオンオフ調整部(13)を備える画像描画装置(100)。【選択図】図2

Description

本発明は、画像描画装置、車両用灯具および画像描画方法に関し、特に複数の微小なミラーを備えたデジタルミラーデバイスで光を反射して画像を投影する画像描画装置、車両用灯具および画像描画方法に関する。
近年になって、車両の運転支援技術や自動運転技術の発達に伴い、車両の外部に対して車両の動作予定や情報を伝達する必要性が議論されている。車両外部への情報提示方法としては、車両用灯具に画像描画装置を搭載して、路面等の投影面に対して画像を描画するものが提案されている(例えば特許文献1を参照)。特許文献1に記載された画像描画装置および車両用灯具では、特に複数の微小なミラーを備えたデジタルミラーデバイス(DMD:Digital Mirror Device)で光を反射して画像を描画する。
特開2020-055519号公報
画像描画装置の光源部に発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)や半導体レーザ(LASER:Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation)を用いる場合には、光源部の温度が変化すると発光波長の変化や発光効率の低下を招くため、光源部の温度は所定範囲内に制御することが求められる。
光源部の放熱性を向上させるためには、大型のヒートシンクを用いることが有効であるが、画像描画装置の小型化が困難になる。また、冷却ファンやペルチェ素子を冷却部として用い、光源部をアクティブに温度制御することができるが、冷却部の駆動に電力を消費するため、画像描画装置の消費電力増加が問題になる。
そこで本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであり、装置の小型化と消費電力の低減を図りながらも、光源部の温度上昇を抑制することが可能な画像描画装置、車両用灯具および画像描画方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の画像描画装置は、 主面上に微小なミラーが複数配列され、画像データに含まれるオン情報とオフ情報に基づいて前記ミラーの前記主面に対する角度を切り替えるデジタルミラーデバイスと、前記複数のミラーに対して光を照射する光源部と、前記光源部の温度を測定して光源部温度を取得する温度測定部と、前記光源部温度が第1温度以上である場合に、前記画像データに含まれる単位時間あたりの前記オン情報の数を増加させるオンオフ調整部を備えることを特徴とする。
このような本発明の画像描画装置では、光源部温度が第1温度以上の場合に、オンオフ調整部が画像データに含まれるオン情報の数を増加させるため、装置内部で熱エネルギーに変換される光が減少し、装置の小型化と消費電力の低減を図りながらも、光源部の温度上昇を抑制することが可能となる。
また、本発明の一態様では、前記オンオフ調整部は、前記画像データに含まれる単位時間あたりの前記オン情報の数Nと前記オフ情報の数Mが、N<Mの場合に前記画像データに含まれる前記オン情報と前記オフ情報を全て反転させる。
また、本発明の一態様では、前記オンオフ調整部は、前記画像データの画素毎に単位時間あたりの前記オン情報を増加させる。
また、本発明の一態様では、前記オンオフ調整部は、前記画像データに装飾表示を重ね合わせる。
また、本発明の一態様では、前記光源部温度が、前記第1温度より高い第2温度以上である場合に、前記画像データに含まれる前記オン情報の数をさらに増加させる。
また、本発明の一態様では、前記デジタルミラーデバイスで反射された前記オン情報の光を投影する投影光学部と、前記デジタルミラーデバイスで反射された前記オフ情報の光を遮蔽する遮蔽部を備える。
また、本発明の車両用灯具は、上記何れか一つに記載の画像描画装置を備えることを特徴とする。
また、本発明の画像描画方法は、主面上に微小なミラーが複数配列されたデジタルミラーデバイスを用い、前記ミラーの前記主面に対する角度を画像データに含まれるオン情報とオフ情報に基づいて切り替え、光源部から前記複数のミラーに対して光を照射し、前記光源部の温度を測定して光源部温度を取得し、前記光源部温度が第1温度以上である場合に、前記画像データに含まれる前記オン情報の数を増加させることを特徴とする。
本発明では、装置の小型化と消費電力の低減を図りながらも、光源部の温度上昇を抑制することが可能な画像描画装置、車両用灯具および画像描画方法を提供することができる。
第1実施形態に係る画像描画装置100の構成例を示す模式斜視図である。 第1実施形態に係る画像描画装置100を示すブロック図である。 画像投影部10に含まれるデジタルミラーデバイス11のオン状態とオフ状態による画像描画を模式的に示す図である。 オンオフ調整部13における画像データのオン情報とオフ情報の制御を示す模式図であり、図4(a)は制御前の状態を示し、図4(b)は制御後の状態を示している。 オンオフ調整部13における画像データのオン情報とオフ情報の制御を示すフローチャートである。 第3実施形態に係るオンオフ調整部13での画像データの切り替えを示す模式図である。 第4実施形態に係るオンオフ調整部13での画像データの切り替えを示す模式図である。 第5実施形態に係るオンオフ調整部13での画像データの切り替えを示す模式図である。
(第1実施形態)
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付すものとし、適宜重複した説明は省略する。図1は、本実施形態に係る画像描画装置100の構成例を示す模式斜視図である。図1に示すように画像描画装置100は、画像投影部10と、光源部20と、リフレクタ30と、投影レンズ40と、ヒートシンク50と、遮蔽部70を備え、投影面60に対して画像を投影する。投影面60に対して照射されない光は、遮蔽部70で遮られる。
画像投影部10は、投影する画像の情報(画像データ)に含まれるオン情報とオフ情報に基づいて、面内における光の反射方向を制御し、光源部20から照射された光を投影光Lonと遮蔽光Loffとして反射する装置である。投影光Lonは、投影レンズ40を介して投影面60に対して照射され、オン情報に対応した領域に光が照射されることで画像が投影される。遮蔽光Loffは、遮蔽部70に到達して遮られ、外部には照射されない。
光源部20は、外部から供給される電力と信号に基づいて、リフレクタ30に対して光を照射する装置であり、例えば発光ダイオードや半導体レーザを用いることができる。光源部20から照射される光は、連続光(CW:Continuous Wave)であってもパルス光であってもよく、PWM(Pulse Width Modulation)制御された光であってもよい。
リフレクタ30は、光源部20から照射された光を画像投影部10に対して反射する光学部材である。リフレクタ30の反射面形状は限定されず、放物面や楕円曲面等の曲面を用いることができる。リフレクタ30で反射された光は、画像投影部10に向かって光径が拡大されてもよく、平行光であってもよい。
投影レンズ40は、画像投影部10で反射された投影光Lonの光路上に配置された光学部材であり、投影光Lonを拡大して投影面60に対して照射する。図1では投影レンズ40として1枚のレンズを用いた例を示しているが、複数枚のレンズを備えて構成してもよい。また図1では凸レンズの例を示しているが、凹レンズや非球面レンズ等の公知のレンズ構造を用いることができる。投影レンズ40は、本発明における投影光学部に相当している。
ヒートシンク50は、光源部20が搭載されて放熱性を高めるために配置された部材である。ヒートシンク50を構成する材料は限定されないが、例えば熱伝導率が大きい銅やアルミニウム、高熱伝導性樹脂等を用いることができる。またヒートシンク50の構造や形状は限定されないが、後面側に複数のフィンが立設されていると放熱性をさらに高めることができる。
投影面60は、画像描画装置100の外部に設けられ、投影光Lonが照射されて画像が投影される面である。投影面60としては、例えば道路の路面、構造物の壁面、他車両の車体、自車両の車体等が挙げられる。図1では投影面60として平面を示したが、投影光Lonが照射されることで画像を投影して表示できればよく、曲面や凹凸を有する面であってもよい。
遮蔽部70は、画像の投影に寄与しない遮蔽光Loffを遮り、画像描画装置100内の迷光を防止するための部材である。遮蔽部70は遮蔽光Loffを吸収するために、黒色で形成されることが好ましい。また、図1では遮蔽部70として平板状のものを示しているが、入射した遮蔽光Loffが投影レンズ40方向に到達しないような形状とすることが好ましい。また、遮蔽部70を独立した部材として配置してもよいが、画像描画装置100を構成する筐体等の一部を用いるとしてもよい。
図2は、本実施形態に係る画像描画装置100を示すブロック図である。画像描画装置は、図1にも示したように画像投影部10、光源部20、リフレクタ30、投影レンズ40、遮蔽部70を備えており、さらに画像投影部10はデジタルミラーデバイス11、温度測定部12、オンオフ調整部13、ミラー制御部14を備えている。
デジタルミラーデバイス11は、微小なミラーがマトリクス状に配置されて、オン状態とオフ状態とで傾斜角度を変更可能な電子部品である。ミラーのうちオン状態で反射された投影光Lonと、オフ状態で反射された遮蔽光Loffとは分離され、投影光Lonが照射されることで画像が投影される。
温度測定部12は、温度算出部とサーミスタとを備えて構成されており、図示しないもののサーミスタは、光源部20近傍に配置されて光源部20の温度を測定する。温度測定部12が測定した温度は、オンオフ調整部13に光源部温度として伝達される。温度測定部12の具体的な構成は限定されず、サーミスタや熱電対、デジタル温度センサ等を用いることができる。
オンオフ調整部13は、温度測定部12が測定した光源部温度に基づいて、画像データのオン情報とオフ情報の数を制御する部分である。オンオフ調整部13による画像データの制御は詳細を後述する。ここでオンオフ調整部13は、画像描画装置100に搭載された制御マイコン(図示省略)やフラッシュメモリによって、予め定められたプログラムに基づいて所定の情報処理を実行することでその機能が実現される。
制御マイコンは、制御信号および各種測定値に基づいて、画像投影部10全体の駆動を制御する電子部品である。制御マイコンは、外部との間で情報通信可能とされており、外部から画像情報や制御信号が供給される。また制御マイコンには、温度測定部12の測定値が伝達される。フラッシュメモリは、ミラー制御部14の駆動に必要な情報を保持するための記憶部である。フラッシュメモリに保存される情報としては、ミラー制御部14で実行されるプログラム、各種の設定情報、画像データ等が挙げられる。
制御マイコンは、外部から画像データが伝達された場合にはミラー制御部14に画像データを伝達し、画像データに含まれるオン情報とオフ情報に基づいてミラーのオン状態とオフ状態の制御を行う。また、デジタルミラーデバイス11の近傍に温度測定部12とは別に温度センサが搭載されており、温度センサが測定したミラー近傍の温度に基づいて、制御マイコンは冷却部の駆動を制御して、デジタルミラーデバイス11の温度を制御する。ここで冷却部としては、冷却ファンや液冷装置、ペルチェ素子等の公知のものを用いることができる。
ミラー制御部14は、デジタルミラーデバイス11に対して画像データに含まれるオン情報とオフ情報に基づいて制御信号を伝達し、ミラーのオン状態とオフ状態を切り替え制御する電子部品である。またミラー制御部14は制御マイコンと接続されており、制御マイコンからの制御信号によって駆動が制御される。
図3は、画像投影部10に含まれる微小なデジタルミラーデバイス11のオン状態とオフ状態による画像描画を模式的に示す図である。図3ではオフ状態としてミラーが平坦に保持された状態を示しているが、オン状態と反対側に傾斜した状態をオフ状態としてもよい。デジタルミラーデバイス11には複数の微小なミラーがマトリクス状に配置されており、微小なミラーはオン状態11onとオフ状態11offとで傾斜角度を変更可能であり、画像に含まれるオン情報とオフ情報に対応して傾斜角度が制御される。これにより、各ミラーでの光の反射方向がオン状態11onとオフ状態11offで異なり、オン状態11onで反射された投影光Lonと、オフ状態11offで反射された遮蔽光Loffとが分離される。図3では、簡略化のため微小なミラーとして20行20列のマトリクス配置を示しているが、さらに多数のミラーを配置することで解像度の高い画像を投影することができる。また、デジタルミラーデバイス11の具体的な構造は限定されず、公知の構造を用いることができる。
図4は、オンオフ調整部13における画像データのオン情報とオフ情報の制御を示す模式図であり、図4(a)は制御前の状態を示し、図4(b)は制御後の状態を示している。図4では説明を簡略化するために、画像データとして9行9列の81ドットのマトリクス配置を示しているが、さらに解像度の高い画像データであっても同様である。
図4(a)に示したように、画像データはオン情報が「1」として含まれ、オフ情報が「0」として含まれたデジタルデータである。図4(a)に示した例ではアルファベット大文字の「A」についての画像データを示しており、画像データ中には23ドットのオン情報と、58ドットのオフ情報が含まれている。
このような画像データが制御マイコンからミラー制御部14に伝達されると、ミラー制御部14はデジタルミラーデバイス11の微小なミラーを制御して、オン情報に対応する位置のミラーをオン状態11onとし、オフ情報に対応する位置のミラーをオフ状態11offとする。光源部20から画像投影部10に光が照射されると、オン状態11onのミラーで反射された光は、投影レンズ40を介して投影面60に投影され、「A」形状に光を照射した描画となる。オフ状態11offのミラーで反射された光は、遮蔽部70で遮られる。
このとき、遮蔽部70で遮られた光のエネルギーは熱エネルギーに変換されるため、画像描画装置100の温度は、遮蔽光Loffのエネルギーに応じて上昇する。光源部20にはLEDや半導体レーザが用いられるため、光源部20近傍の温度が上昇すると、発光効率が低下して同一電流での光量が不足する。光源部20の光量を一定に保つAPC(Auto Power Control)制御を行うことで、光量の低下を防止して描画される画像の輝度を一定に保つことができるが、発光に要する電流値が増大してさらに温度上昇を招いてしまう。
そこで本実施形態の画像描画装置100では、温度測定部12が測定した光源部温度が予め定められた温度(第1温度)よりも高い場合には、オンオフ調整部13が画像データに含まれるオン情報とオフ情報を制御して、温度上昇を抑制する画像データでの描画に切り替える。第1温度は、光源部20の種類や構造、ヒートシンク50の放熱能力、冷却部による冷却性能等によって定まり具体的な温度は限定されないが、例えば60℃と設定することができる。
ここで温度情報を抑制する画像データとは、元の画像データよりもオン情報が増加した画像データである。図4(b)に示した例では、図4(a)に示した画像データのオン情報「1」とオフ情報「0」を反転させている。したがって、図4(a)では23ドットのオン情報と58ドットのオフ情報が含まれていたが、図4(b)では58ドットのオン情報と、23ドットのオフ情報が含まれている。図4(b)の切り替えられた画像データでは、光源部20から画像投影部10に光が照射されると、四角形状の領域に光が照射され、「A」形状に光が照射されない描画となる。
この画像データの切り替えにより、単位時間あたりの遮蔽部70で遮られる遮蔽光Loffは58ドット相当分から23ドット相当分まで減少する。したがって、遮蔽部70で生じる熱エネルギーは減少し、画像描画装置100の温度上昇は抑制される。本実施形態の画像描画装置100では、ヒートシンク50の大型化や冷却部での強制的な放熱に要する電力を増大させずとも、画像データの切り替えだけで光源部の温度上昇を抑制することが可能である。
図5は、オンオフ調整部13における画像データのオン情報とオフ情報の制御を示すフローチャートである。はじめにステップS1の温度判定工程では、オンオフ調整部13は温度測定部12が測定した光源部温度を取得し、光源部20近傍の温度が所定温度以上であるか否かを判断する。本実施形態では、光源部温度が第1温度以上である場合にはステップS2に移行し、第1温度未満の場合にはステップS5に移行する。
ステップS2のオンオフ比較工程では、オンオフ調整部13は画像データに含まれるオフ情報の数Mとオン情報の数Nとを比較し、N<Mの場合にはステップS3に移行し、N≧Mの場合にはステップS5に移行する。ここでオフ情報の数Mとオン情報の数Nは、画像データが二値データである場合には「0」と「1」の数である。また、画像データがPWM制御等により時間的に重み付けされた階調データである場合には、単位時間あたりに含まれる「0」と「1」の時間積分になる。
ステップS3の画像変更可否判断工程では、オンオフ調整部13は画像データの変更を実施可能か否か判定して、画像変更が許可された画像データの場合にはステップS4に移行し、画像変更が許可されていない画像データの場合にはステップS5に移行する。画像変更の可否を判断する手法としては、例えば画像データに画像変更を許可する変更許可情報を付加しておき、変更許可情報がある場合には変更可であり、変更許可情報がない場合には変更不可とすることが挙げられる。
ステップS4の画像切替工程では、オンオフ調整部13は画像データのオン情報とオフ情報を反転した新たな画像データを生成して、デジタルミラーデバイス11でのオン状態11onとオフ状態11offを反転させた描画を行う。画像データの切り替え描画が終わると、ステップS6に移行する。ここで画像データが二値データである場合には切り替えられる画像データは、図4(a)(b)に示したようなものとなる。画像データがPWM制御等により時間的に重み付けされた階調データである場合にも、重み付けされた階調データ全体を反転させることで、単位時間あたりに含まれるオフ情報の数Mとオン情報の数Nを反転させることができる。
ステップS5の画像維持工程では、オンオフ調整部13による画像データの切り替えは行われず、画像データのオン情報とオフ情報は維持されたまま描画が行われる。画像データによる描画が終わると、ステップS6に移行する。
ステップS6の画像更新工程では、制御マイコンは次に描画する画像データを読み込み、画像データを更新してステップS1に移行する。ここでは画像データの更新としているが、描画する画像が静止画像の場合には更新後の画像データも前回と同じであり、ステップS4の画像切替工程で切り替えられる前の画像データとなる。描画する画像が動画の場合には、更新後の画像データは動画における時間経過後の新たな画像となる。
上述したように、本実施形態の画像描画装置100および画像描画方法では、温度測定部12で光源部20の温度を測定して光源部温度を取得し、光源部温度が第1温度以上である場合に、オンオフ調整部13で画像データに含まれる単位時間あたりのオン情報の数を増加させる。これにより、遮蔽部70で遮られる光の量が減少して、画像描画装置100内において熱エネルギーに変換される光エネルギーが減少し、簡便に温度上昇を抑制することが可能となる。
またオンオフ調整部13は、画像データに含まれる単位時間あたりのオン情報の数Nとオフ情報の数Mが、N<Mの場合に画像データに含まれるオン情報とオフ情報を全て反転させる。これにより、オン情報とオフ情報の反転という簡単な情報処理によって温度上昇を抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。本実施形態の画像描画装置100および画像描画方法では、画像データとして二値データではなく階調データの場合を示す。第1実施形態では、画像データに含まれるオン情報とオフ情報を反転させたが、本実施形態では画像データの階調表現において画素毎に単位時間あたりのオン情報を増加させる点が異なっている。
画像データが階調データである場合には、一例とし単位時間あたりに含まれるパルス幅を1,2,4,8,16,32,64,128等に分割して、時間積分により256階調の階調を表現する。画像データに含まれる各画素(ドット)において、このような階調表現が行われる。全てのパルス幅がオフ情報「0」の場合には階調は0で再低輝度を表し、全てのパルス幅がオン情報「1」の場合には階調は255で最高輝度を表す。パルス幅が128のみオン情報「1」の場合には階調は128で中間の輝度を表す。
上述した階調データでの画像描画においても、デジタルミラーデバイス11の微小なミラーはオン情報「1」でオン状態11onとなり、オフ情報「0」でオフ状態11offとなる。また、オフ状態11offのミラーで反射された遮蔽光Loffは、遮蔽部70で遮られて熱エネルギーに変換される。したがって、画像データに含まれる全ての画素について、単位時間あたりのオフ情報「0」の総和が熱エネルギーになり温度上昇を引き起こす。つまり、輝度が低い画像での描画が多いほど、画像描画装置100の温度は上昇しやすくなる。
そこで本実施形態では、オンオフ調整部13は画像データの各画素において、輝度を上昇させるようにオン情報「1」を増加させる。つまり、画像データの全ての画素の階調を上げて輝度を一律に高めることが挙げられる。例えば、全ての画素の階調を8ずつ上げると、階調0は階調8になり、階調100は階調108になる。しかし、最高輝度は予め決まっているので上限は最高輝度になり、例えば階調247より高い輝度の画素は階調255となる。
本実施形態では、図5に示したフローチャートにおいてステップS2のオンオフ比較工程は実行されず、ステップS3の画像変更可否判断工程に移行する。ステップS3の画像変更可否判断工程では、第1実施形態と同様に画像データの変更が許可されているかを判断して、変更可の場合にはステップS4に移行し、変更不可の場合にはステップS5に移行する。
ステップS4の画像切替工程では、上述したように画像データの各画素において輝度を一律で向上させるように画像データに含まれるオン情報「1」を増加させた描画を行う。画像データの切り替え描画が終わると、ステップS6に移行する。
上述したように本実施形態の画像描画装置100および画像描画方法でも、温度測定部12で光源部20の温度を測定して光源部温度を取得し、光源部温度が第1温度以上である場合に、オンオフ調整部13で画像データに含まれる単位時間あたりのオン情報の数を増加させる。これにより、遮蔽部70で遮られる光の量が減少して、画像描画装置100内において熱エネルギーに変換される光エネルギーが減少し、簡便に温度上昇を抑制することが可能となる。
(変形例)
次に本実施形態の変形例について説明する。先に述べた例では、温度測定部12が測定した光源部温度が第1温度以上である場合に輝度を向上させたが、光源部温度の温度に応じて輝度向上の度合いを大きくしてもよい。
本変形例では、温度として第1温度、第2温度、第3温度等の複数のしきい値を予め設定しておく。第2温度は第1温度よりも高温、第3温度は第2温度よりも高温とする。ステップS1の温度判定工程において、オンオフ調整部13は温度測定部12が測定した光源部温度を取得し、光源部20近傍の温度が第1温度未満、第1温度以上第2温度未満、第2温度以上第3温度未満、第3温度以上の何れの範囲であるかを判断する。光源部温度が第1温度未満の場合にはステップS5に移行し、その他の範囲の場合には、温度範囲に応じて予め定められた輝度変更量を取得してステップS2に移行する。
例えば、光源部温度が第1温度以上第2温度未満の場合には輝度変更量を5とし、第2温度以上第3温度未満の場合には輝度変更量を10として、第3温度以上の場合には輝度変更量を20とする。
ステップS2およびステップS3は上述した例と同様である。ステップS4の画像切替工程では、ステップS1で取得した輝度変更量だけ、画像データの各画素において輝度を向上させるように画像データに含まれるオン情報「1」を増加させた描画を行う。画像データの切り替え描画が終わると、ステップS6に移行する。
本変形例では、光源部温度が、第1温度より高い第2温度以上である場合に、画像データに含まれるオン情報の数をさらに増加させる。これにより、光源部20の温度が高くなるほど画像データのオフ情報の数が減少して、遮蔽部70で熱エネルギーになる遮蔽光Loffを減少させて、さらに温度上昇の抑制を図ることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について図6を用いて説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。図6は、本実施形態に係るオンオフ調整部13での画像データの切り替えを示す模式図である。図6左側は、光源部温度が第1温度未満の場合に描画される変更前の画像データであり、図6右側は、光源部温度が第1温度以上の場合に描画される変更後の画像データである。
図6に示した例では、変更前の画像データは通常のフォントで表示されており、変更後の画像データは「ボールド」の装飾が施されて文字を構成する先の幅が太くされている。このように、元の画像データに装飾表示を重ね合わせることで、画像データに含まれる単位時間あたりのオン情報の数を増加させることができる。
図6では、画像データに重ね合わせる装飾表示として「ボールド」を示したが、画像データに含まれる単位時間あたりのオン情報を増加させるものであれば、装飾表示の種類は限定されない。画像データの重ね合わされる他の装飾表示としては、背景画像の付加、文字サイズの拡大、下線の追加、枠の追加等が挙げられる。
本実施形態では、ステップS4の画像切替工程において、オンオフ調整部13は元の画像データに装飾表示を重ね合わせて新たな画像データを生成して描画を行う。画像データの切り替え描画が終わると、ステップS6に移行する。その他の工程は第2実施形態と同様である。
上述したように本実施形態の画像描画装置100および画像描画方法でも、温度測定部12で光源部20の温度を測定して光源部温度を取得し、光源部温度が第1温度以上である場合に、オンオフ調整部13で画像データに含まれる単位時間あたりのオン情報の数を増加させる。これにより、遮蔽部70で遮られる光の量が減少して、画像描画装置100内において熱エネルギーに変換される光エネルギーが減少し、簡便に温度上昇を抑制することが可能となる。
また、予め用意された装飾表示を元の画像データに重ね合わせて新たな画像データを生成するため、オンオフ調整部13での画像処理が簡便なものとなり、画像データの切替え後の視認性も装飾表示の内容から予測可能であり、意匠性を向上させることもできる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について図7を用いて説明する。第1実施形態と重複する内容は説明を省略する。図7は、本実施形態に係るオンオフ調整部13での画像データの切り替えを示す模式図である。図7左側は、光源部温度が第1温度未満の場合に描画される変更前の画像データであり、図7右側は、光源部温度が第1温度以上の場合に描画される変更後の画像データである。
図7に示した例では、変更前の画像データは図形であり、変更後の画像データは所定領域を選択的に反転させている。このように、元の画像データにおける一部の領域を選択して反転させることで、画像データに含まれる単位時間あたりのオン情報の数を増加させることができる。図7に示した例では、選択された反転領域として円形を示しているが、矩形状や多角形状、帯状等の任意の図形領域を選択することができる。また、元の画像データの図形全体を包含する領域を選択してもよく、元の画像データの図形の一部を含む領域を選択してもよい。
本実施形態では、ステップS4の画像切替工程において、オンオフ調整部13は画像データのうち予め定められた一部領域を選択して、当該領域内においてオン情報とオフ情報を反転した新たな画像データを生成して描画を行う。画像データの切り替え描画が終わると、ステップS6に移行する。その他の工程は第1実施形態と同様である。
上述したように本実施形態の画像描画装置100および画像描画方法でも、温度測定部12で光源部20の温度を測定して光源部温度を取得し、光源部温度が第1温度以上である場合に、オンオフ調整部13で画像データに含まれる単位時間あたりのオン情報の数を増加させる。これにより、遮蔽部70で遮られる光の量が減少して、画像描画装置100内において熱エネルギーに変換される光エネルギーが減少し、簡便に温度上昇を抑制することが可能となる。
また、予め定められた選択領域を選択して元の画像データを反転するため、オンオフ調整部13での画像処理が簡便なものとなり、画像データの切替え後においても意匠性を向上させることができる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態について図8を用いて説明する。第2実施形態と重複する内容は説明を省略する。図8は、本実施形態に係るオンオフ調整部13での画像データの切り替えを示す模式図である。本実施形態では画像データが階調データであり、段階的に輝度を変更する点が第2実施形態と異なっている。
図8(a)に示した図が元の画像データによる描画であり、図中での濃淡により画像データにおける輝度の高低を表現している。図中での黒色が濃いほど画像データでの輝度が高い画素であり、黒色が薄いほど輝度が低い画素である。
本実施形態では、図8(a)から図8(f)に示したように、オンオフ調整部13は画像データの輝度を段階的に高めていき、最高輝度の図8(f)まで到達した後に元の画像データを図8(a)に戻す。このように段階的かつ周期的に画像データの輝度を高める変更を実行することで、画像データに含まれる単位時間あたりのオン情報の数を増加させる。
本実施形態では、図5に示したフローチャートにおいてステップS2のオンオフ比較工程は実行されず、ステップS3の画像変更可否判断工程に移行する。ステップS3の画像変更可否判断工程では、第1実施形態と同様に画像データの変更が許可されているかを判断して、変更可の場合にはステップS4に移行し、変更不可の場合にはステップS5に移行する。
ステップS4の画像切替工程では、上述したように画像データの各画素において輝度を一律で向上させるように画像データに含まれるオン情報「1」を増加させた描画を行う。このとき、低輝度の図8(a)から高輝度の図8(f)に至るまで、輝度を複数の段階に分割しておき、ステップS4において条件を満たす場合に段階を更新する。具体的には、初回のステップS4実行時は図8(a)に画像データを切り替えて、画像データと画像番号、画像切替時刻をフラッシュメモリ等に記録し、ステップS6に移行する。
2回目以後のステップS4では、画像切り替え時刻から所定時間経過していない場合には、画像データ、画像番号および画像切替時刻を更新せずにステップS6に移行する。画像切替時刻から所定時間経過している場合には、記録されている画像番号の次段階に画像データを切り替えて、フラッシュメモリ等に記録されている画像データ、画像番号および画像切替時刻を更新し、ステップS6に移行する。図8(f)までの画像データの切り替え描画が終わると、次には再び図8(a)に画像データと画像番号を更新する。その他の工程は第2実施形態と同様である。
上述したように本実施形態の画像描画装置100および画像描画方法でも、温度測定部12で光源部20の温度を測定して光源部温度を取得し、光源部温度が第1温度以上である場合に、オンオフ調整部13で画像データに含まれる単位時間あたりのオン情報の数を増加させる。これにより、遮蔽部70で遮られる光の量が減少して、画像描画装置100内において熱エネルギーに変換される光エネルギーが減少し、簡便に温度上昇を抑制することが可能となる。
また、輝度の向上を段階的かつ周期的に行うことで、図8(a)や図8(b)のように低輝度の領域が多い描画と、図8(e)や図8(f)のように高輝度の領域が多い描画が繰り返し実行される。これにより、低輝度の領域が多い描画において、描画したい図形のコントラストを維持して、視認性を向上することができる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
100…画像描画装置
10…画像投影部
20…光源部
30…リフレクタ
40…投影レンズ
50…ヒートシンク
60…投影面
70…遮蔽部
11…デジタルミラーデバイス
12…温度測定部
13…オンオフ調整部
14…ミラー制御部

Claims (8)

  1. 主面上に微小なミラーが複数配列され、画像データに含まれるオン情報とオフ情報に基づいて前記ミラーの前記主面に対する角度を切り替えるデジタルミラーデバイスと、
    前記複数のミラーに対して光を照射する光源部と、
    前記光源部の温度を測定して光源部温度を取得する温度測定部と、
    前記光源部温度が第1温度以上である場合に、前記画像データに含まれる単位時間あたりの前記オン情報の数を増加させるオンオフ調整部を備えることを特徴とする画像描画装置。
  2. 請求項1に記載の画像描画装置であって、
    前記オンオフ調整部は、前記画像データに含まれる単位時間あたりの前記オン情報の数Nと前記オフ情報の数Mが、N<Mの場合に前記画像データに含まれる前記オン情報と前記オフ情報を全て反転させることを特徴とする画像描画装置。
  3. 請求項1に記載の画像描画装置であって、
    前記オンオフ調整部は、前記画像データの画素毎に単位時間あたりの前記オン情報を増加させることを特徴とする画像描画装置。
  4. 請求項1に記載の画像描画装置であって、
    前記オンオフ調整部は、前記画像データに装飾表示を重ね合わせることを特徴とする画像描画装置。
  5. 請求項3または4に記載の画像描画装置であって、
    前記光源部温度が、前記第1温度より高い第2温度以上である場合に、前記画像データに含まれる前記オン情報の数をさらに増加させることを特徴とする画像描画装置。
  6. 請求項1から5の何れか一つに記載の画像描画装置であって、
    前記デジタルミラーデバイスで反射された前記オン情報の光を投影する投影光学部と、
    前記デジタルミラーデバイスで反射された前記オフ情報の光を遮蔽する遮蔽部を備えることを特徴とする画像描画装置。
  7. 請求項1から6の何れか一つに記載の画像描画装置を備えることを特徴とする車両用灯具。
  8. 主面上に微小なミラーが複数配列されたデジタルミラーデバイスを用い、前記ミラーの前記主面に対する角度を画像データに含まれるオン情報とオフ情報に基づいて切り替え、
    光源部から前記複数のミラーに対して光を照射し、
    前記光源部の温度を測定して光源部温度を取得し、
    前記光源部温度が第1温度以上である場合に、前記画像データに含まれる前記オン情報の数を増加させることを特徴とする画像描画方法。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2024117037A1 (ja) * 2022-11-29 2024-06-06 株式会社小糸製作所 車両用灯具の制御装置、コンピュータプログラムおよび車両用灯具

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