JP2022098664A - エンコーダおよびハブユニット軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】種類ごとに目視で容易に識別することができる構造を実現する。【解決手段】被覆シート22は、熱収縮性を有する材料により構成され、かつ、芯金20の支持板部24の外面およびエンコーダ本体21の外面のうちの少なくとも一部を覆っている。【選択図】図2
Description
本発明は、エンコーダ、および、該エンコーダを組み込んだハブユニット軸受に関する。
自動車の車輪および制動用回転体は、ハブユニット軸受により、懸架装置に対して回転自在に支持されている。また、アンチロックブレーキシステム(ABS)やトラクションコントロール(TCS)などの車両用挙動制御装置を制御するために使用する、車輪の回転速度を表す信号を得ることを目的として、ハブユニット軸受に、スピードセンサの被検出面を有する磁気式のエンコーダを取り付けることも行われている。磁気式のエンコーダとしては、バックヨークとして機能する磁性金属製の芯金に、フェライトなどの強磁性体の粉末を混入したゴム(磁性ゴム)を加硫成形接着により固定したものが、従来から広く知られている。磁気式のエンコーダでは、被検出面に、N極とS極とが円周方向に関して交互に配置されている。
ハブユニット軸受に組み込まれるエンコーダは、形状や寸法がほぼ同じであっても、搭載される車両の種類(車種)などにより極数(N極とS極の総数)などが異なる場合がある。N極とS極との境界は目視では判別できないことから、エンコーダの極数を数えて確認することはできず、エンコーダの誤組み付けを防止するためには、エンコーダを種類ごとに識別できるように、識別子を付する必要がある。
ここで、エンコーダを構成する磁性ゴムは、フェライト系の磁性粉を80重量%から90重量%程度含有しており、その表面は、黒色または濃い褐色である。エンコーダの表面に、油性マーカーなどにより識別子を付した場合、溶剤などの影響によって、表面にソルベントクラックや膨潤が生じる可能性がある。また、ハブユニット軸受にエンコーダを装着すべく、マーカーによって識別子が付された面を押圧する際に、染料や顔料の剥離が発生する可能性がある。
これに対し、特開2006-162546号公報には、磁気エンコーダの表面に凹所を形成し、磁気エンコーダを種類ごとに識別可能とした構造が記載されている。しかしながら、ハブユニット軸受に組み込まれるエンコーダは、径方向に関する幅が小さく、凹所を形成すると、被検出面の幅がその分が狭くなり、センサを通過する磁束の量が少なくなって、センサによる回転速度の検出精度や信頼性が低下する可能性がある。また、黒色または濃い褐色の表面に凹所を形成しても、目視では容易に識別しにくい可能性がある。
本発明は、上述のような事情を鑑みて、種類ごとに目視で容易に識別することができるエンコーダ、および、該エンコーダを組み込んだハブユニット軸受の構造を実現することを目的としている。
本発明のエンコーダは、芯金と、エンコーダ本体と、被覆シートと、を備える。
前記芯金は、円筒状の嵌合筒部と、該嵌合筒部の軸方向一方側の端部から径方向に折れ曲がった支持板部とを有する。
前記エンコーダ本体は、軸方向一方側の側面に、円周方向に関してS極とN極とを交互に配置してなる被検出面を有し、前記支持板部の軸方向一方側の側面に支持固定されている。
前記被覆シートは、熱収縮性を有する材料により構成され、かつ、前記支持板部の外周面および前記エンコーダ本体の外周面のうちの少なくとも一部を覆う。
前記芯金は、円筒状の嵌合筒部と、該嵌合筒部の軸方向一方側の端部から径方向に折れ曲がった支持板部とを有する。
前記エンコーダ本体は、軸方向一方側の側面に、円周方向に関してS極とN極とを交互に配置してなる被検出面を有し、前記支持板部の軸方向一方側の側面に支持固定されている。
前記被覆シートは、熱収縮性を有する材料により構成され、かつ、前記支持板部の外周面および前記エンコーダ本体の外周面のうちの少なくとも一部を覆う。
本発明のエンコーダの一態様では、前記エンコーダ本体が、外周面に、軸方向一方側に向かうほど径方向内側に向かう方向に傾斜した傾斜面部を有しており、前記被覆シートが、前記傾斜面部の少なくとも一部を覆っている。
本発明のエンコーダの一態様では、前記エンコーダ本体は、軸方向一方側の側面の径方向外側の端部に、径方向内側に隣接する部分よりも軸方向外側にオフセットし、かつ、前記被覆シート以上の軸方向高さを有する内側段部を備え、前記被覆シートが、前記内側段部の少なくとも一部を覆っている。
本発明のハブユニット軸受は、外輪と、ハブと、複数個の転動体と、エンコーダと、を備える。
前記外輪は、内周面に、複列の外輪軌道を有し、使用時にも回転しない。
前記ハブは、外周面に、複列の内輪軌道を有し、車輪が固定されて該車輪とともに回転する。
前記複数個の転動体は、前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に転動自在に配置される。
前記エンコーダは、前記ハブの軸方向内側の端部に外嵌固定された円筒状の嵌合筒部、および、該嵌合筒部の軸方向一方側の端部から径方向に折れ曲がった支持板部を有する芯金と、軸方向一方側の側面に、円周方向に関してS極とN極とを交互に配置してなる被検出面を有し、前記支持板部の軸方向一方側の側面に支持固定されたエンコーダ本体とを有する。
前記外輪は、内周面に、複列の外輪軌道を有し、使用時にも回転しない。
前記ハブは、外周面に、複列の内輪軌道を有し、車輪が固定されて該車輪とともに回転する。
前記複数個の転動体は、前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に転動自在に配置される。
前記エンコーダは、前記ハブの軸方向内側の端部に外嵌固定された円筒状の嵌合筒部、および、該嵌合筒部の軸方向一方側の端部から径方向に折れ曲がった支持板部を有する芯金と、軸方向一方側の側面に、円周方向に関してS極とN極とを交互に配置してなる被検出面を有し、前記支持板部の軸方向一方側の側面に支持固定されたエンコーダ本体とを有する。
特に本発明のハブユニット軸受においては、前記エンコーダを、本発明のエンコーダにより構成している。
本発明のエンコーダによれば、種類ごとに目視で容易に識別することができる。
[実施の形態の第1例]
図1および図2は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例のハブユニット軸受1は、従動輪用のものであって、外輪2と、ハブ3と、複数個の転動体4a、4bと、エンコーダ5とを備える。
図1および図2は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本例のハブユニット軸受1は、従動輪用のものであって、外輪2と、ハブ3と、複数個の転動体4a、4bと、エンコーダ5とを備える。
外輪2は、中炭素鋼などの硬質金属により構成されている。外輪2は、内周面に、複列の外輪軌道6a、6bを有し、かつ、軸方向中間部に、径方向外側に向けて突出した静止フランジ7を有する。静止フランジ7は、径方向中間部の円周方向複数箇所に、軸方向に貫通する支持孔8を有する。
本例では、支持孔8は、ねじ孔により構成されている。外輪2は、懸架装置のナックルに備えられた通孔を挿通した支持ボルトを、静止フランジ7の支持孔8に軸方向内側から螺合することで、懸架装置に対し支持固定され、車輪が回転する際にも回転しない。
なお、軸方向に関して「内」とは、ハブユニット軸受1を自動車に組み付けた状態で車体の中央側となる、図1および図2の右側をいう。反対に、ハブユニット軸受1を自動車に組み付けた状態で車体の外側となる、図1および図2の外側を、軸方向に関して「外」という。
ハブ3は、外周面に、複列の内輪軌道9a、9bを有し、外輪2の径方向内側に外輪2と同軸に配置される。ハブ3は、外輪2の軸方向外側の端部よりも軸方向外側に位置する部分に、径方向外側に向けて突出した回転フランジ10を有し、かつ、軸方向外側の端部に、円筒状のパイロット部11を有する。
回転フランジ10は、径方向中間部の円周方向複数箇所に、軸方向に貫通する取付孔12を有する。取付孔12のそれぞれには、ディスクやドラムなどの制動用回転体、および、車輪を構成するホイールを、回転フランジ10に対し結合固定するためのスタッド13が圧入(セレーション嵌合)されている。すなわち、本例では、取付孔12は、圧入孔により構成されている。
制動用回転体およびホイールは、それぞれの中心部に備えられた中心孔にパイロット部11を挿通し、かつ、それぞれの径方向中間部の円周方向複数箇所に備えられた通孔に、スタッド13を挿通した状態で、スタッド13の先端部にハブナットを螺合することにより、回転フランジ10に結合固定される。
なお、回転フランジの取付孔を、ねじ孔により構成することもできる。この場合には、制動用回転体に備えられた通孔と、ホイールに備えられた通孔とを挿通したハブボルトを、取付孔に螺合することにより、制動用回転体および車輪を回転フランジに結合固定する。
本例のハブ3は、内輪14とハブ輪15とを組み合わせてなる。
内輪14は、軸受鋼などの硬質金属により構成されている。内輪14は、外周面に、複列の内輪軌道9a、9bのうちの軸方向内側の内輪軌道9aを有する。
ハブ輪15は、中炭素鋼などの硬質金属により構成されている。ハブ輪15は、外周面の軸方向中間部に、複列の内輪軌道9a、9bのうちの軸方向外側の内輪軌道9bを有する。ハブ輪15は、軸方向外側の内輪軌道9bよりも軸方向外側に位置する部分に、径方向外側に向けて突出した回転フランジ10を有し、かつ、軸方向外側の端部に、円筒状のパイロット部11を有する。
また、ハブ輪15は、軸方向外側の内輪軌道9bよりも軸方向内側に位置する部分に、軸方向外側に隣接する部分よりも外径が小さく、内輪14が外嵌される小径筒部16を有する。ハブ輪15は、小径筒部16の軸方向内側の端部から径方向外側に向けて折れ曲がり、内輪14の軸方向内側の端面を押え付けるかしめ部17をさらに有する。すなわち、本例のハブ3は、ハブ輪15の小径筒部16に内輪14を外嵌した状態で、小径筒部16の軸方向外側の端部に存在する段差面18と、かしめ部17との間で内輪14を軸方向両側から挟持して、内輪14とハブ輪15とを結合固定することにより構成される。
転動体4a、4bのそれぞれは、複列の外輪軌道6a、6bと複列の内輪軌道9a、9bとの間に、それぞれ複数個ずつ、保持器19a、19bにより保持された状態で転動自在に配置されている。これにより、ハブ3は、外輪2の径方向内側に回転自在に支持される。本例では、転動体4a、4bとして玉を使用しているが、玉に代えて円すいころを使用することもできる。また、本例のハブユニット軸受1は、軸方向内側列の転動体4aのピッチ円直径が、軸方向外側列の転動体4bのピッチ円直径よりも大きい、異径PCD型の構造を有する。ただし、本発明は、軸方向内側列の転動体のピッチ円直径が、軸方向外側列の転動体のピッチ円直径よりも小さい、異径PCD型のハブユニット軸受や、軸方向内側列の転動体のピッチ円直径と、軸方向外側列の転動体のピッチ円直径とが等しい、等径PCD型のハブユニット軸受に適用することもできる。
エンコーダ5は、芯金20と、エンコーダ本体21と、被覆シート22とを備える。なお、本例においては、軸方向内側が、エンコーダ5の軸方向一方側に相当し、かつ、軸方向外側が、エンコーダ5の軸方向他方側に相当する。
芯金20は、軟鋼板などの金属板を断面略L字形に曲げ成形することにより、全体を円環状に構成される。芯金20は、円筒状の嵌合筒部23と、嵌合筒部23の軸方向内側の端部から径方向外側に向けて折れ曲がった支持板部24とを有する。支持板部24は、軸方向外側面の径方向外側の端部に、径方向内側に隣接する部分よりも軸方向内側にオフセットした芯金段部25を有する。芯金段部25の軸方向高さは、被覆シート22の厚さ以上、好ましくは被覆シート22の厚さよりも大きくなっている。芯金20は、嵌合筒部23を、内輪14の軸方向内側の端部に外嵌固定することにより、ハブ3に支持固定されている。
エンコーダ本体21は、フェライトなどの磁性粉をゴム中に混入するなどして得られ、かつ、黒色または濃い褐色の色彩を有する磁性材料により、中空円形板状に構成されている。エンコーダ本体21は、軸方向内側面に、着磁処理により形成され、円周方向に関してS極とN極とを交互に配置してなる被検出面26を有し、支持板部24の軸方向内側面に支持固定されている。具体的には、エンコーダ本体21は、支持板部24の軸方向内側面に加硫接着されている。
本例では、エンコーダ本体21の径方向外側の端部を、支持板部24の径方向外側の端部よりも径方向外側に突出しないようにしている。すなわち、エンコーダ本体21を加硫成形する際に、磁性材料が、支持板部24の軸方向内側面を覆う部分にとどまるようにし、支持板部24の外周面および軸方向外側面まで侵出しないように、金型の形状を規制している。
エンコーダ本体21は、外周面に、軸方向内側に向かうほど径方向内側に向かう方向に傾斜した傾斜面部27を有し、かつ、軸方向内側面の径方向外側の端部に、径方向内側に隣接する部分よりも軸方向外側にオフセットした内側段部28を有する。内側段部28の軸方向高さは、被覆シート22の厚さ以上、好ましくは被覆シート22の厚さよりも大きくなっている。また、エンコーダ本体21は、径方向内側の端部に、略三角形の断面形状を有するリップ部29を有する。リップ部29の先端部は、内輪14の軸方向内側の端部外周面に、全周にわたり当接している。
被覆シート22は、支持板部24の外面およびエンコーダ本体21の外面の少なくとも一部を覆っている。本例では、被覆シート22は、支持板部24のうちの芯金段部25および外周面と、エンコーダ本体21のうちの傾斜面部27および内側段部28とを全周にわたって覆っている。換言すれば、被覆シート22は、支持板部24の径方向外側の端部とエンコーダ本体21の径方向外側の端部とを、軸方向両側および径方向外側から抱え込むように覆っている。
被覆シート22は、熱収縮性を有する材料により構成されている。すなわち、被覆シート22は、シュリンクフィルムまたは熱収縮チューブにより構成されている。シュリンクフィルムおよび熱収縮チューブは、例えば、ポリエチレン系樹脂やポリエステル系樹脂、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂などの樹脂材料に、架橋剤や難燃剤などの添加剤を混入し、シート状またはチューブ状に成形した後、γ線やβ線などを放射して架橋することで、熱収縮性を付与することにより造られる。
被覆シート22により支持板部24の外面とエンコーダ本体21の外面とを覆う際には、被覆シート22を、支持板部24の外面とエンコーダ本体21の外面とに巻き付けた(エンコーダ5の周囲に配置した)状態で、被覆シート22を、例えば熱風を吹き付けることにより加熱して収縮させることにより、支持板部24の外面とエンコーダ本体21の外面とに密着させる。ここで、被覆シート22は、芯金20を構成する金属材料の焼戻し温度(例えば160度程度)およびエンコーダ本体21を構成する磁性材料の耐熱温度(例えば120度~140度程度)よりも低い温度で、十分収縮させることができる。具体的には、被覆シート22は、100度以上120度以下の温度で加熱されて収縮する。このため、支持板部24の外面とエンコーダ本体21の外面とに巻き付けた被覆シート22を加熱した場合でも、芯金20を構成する金属材料に焼戻しが施されたり、エンコーダ本体21を構成する材料が変形したりすることはない。なお、被覆シート22の加熱方法は、被覆シート22を上記温度に加熱することができれば、熱風を吹き付ける方法に限られない。
なお、被覆シート22の厚さは、特に限定されることはないが、例えば、0.03mm~0.05mm程度とすることができる。
被覆シート22には、被検出面26の極数(N極とS極の総数)など、エンコーダ5の種類に応じた識別子が付されている。なお、エンコーダ5の種類を表示する識別子は、特に限定されず、任意の表示手段を採用することができる。具体的には、例えば、被覆シート22に、蛍光顔料を混ぜるなどして任意の色を着色したり、文字や模様などを表示したりすることで、エンコーダ5の種類を識別可能とすることができる。
本例のハブユニット軸受1では、使用時にも回転しない部分に支持固定されたセンサ41の検出部を被検出面26に対向させ、前記検出部により、車輪を支持固定したハブ3とともにエンコーダ5が回転することに伴う磁気特性の変化を検出することに基づいて車輪の回転速度を算出する。なお、センサ41の検出部は、例えば、ホール素子、MR素子、GMR素子などの磁気検出素子により構成されている。
ハブユニット軸受1は、外輪2の内周面とハブ3の外周面との間に存在し、かつ、転動体4a、4bが配置された、円筒状の転動体設置空間30の軸方向両側の開口を塞ぐシール装置31a、31bをさらに備える。すなわち、シール装置31a、31bにより、転動体設置空間30内に封入したグリースの漏洩を防止し、かつ、転動体設置空間30内に、泥水などの異物が侵入することを防止している。
シール装置31a、31bのうち、軸方向内側のシール装置31aは、エンコーダ5と、シールリング32とを備える。すなわち、軸方向内側のシール装置31aは、組み合わせシールリングにより構成されている。
シールリング32は、芯金33と、シール材34とを備える。
芯金33は、軟鋼板などの金属板を断面略L字形に曲げ成形することにより、全体を円環状に構成されている。芯金33は、外輪2の軸方向内側の端部に内嵌固定された円筒部35と、円筒部35の軸方向外側の端部から径方向内側に向けて折れ曲がった折れ曲がり板部36とを有する。
シール材34は、ゴムのごときエラストマーなどの弾性材により構成され、かつ、基端部は、芯金33の表面に加硫接着により結合固定されている。シール材34は、それぞれの先端部を、エンコーダ5を構成する芯金20の嵌合筒部23の外周面または支持板部24の軸方向外側面に全周にわたって摺接させた、複数本の接触式のシールリップ37a、37b、37cを有する。
なお、複数本のシールリップ37a、37b、37cの何れの先端部も、被覆シート22に摺接しないようにしている。すなわち、複数本のシールリップ37a、37b、37cのうち、最も径方向外側のシールリップ37aの先端部を、支持板部24の軸方向外側面のうちで被覆シート22により覆われた部分よりも径方向内側に摺接させるようにしている。
上述のように、本例では、芯金20は、エンコーダ本体21の軸方向外側面からの磁束の漏洩を抑制するためのバックヨーク、および、エンコーダ本体21をハブ3に支持するための支持金具としての機能に加え、接触式のシールリップ37a、37b、37cを摺接させるための摺接環としての機能を有する。
シール装置31a、31bのうち、軸方向外側のシール装置31bは、外輪2の軸方向外側の端部に内嵌固定された芯金38と、それぞれの先端部を、ハブ3の軸方向中間部外周面または回転フランジ10の軸方向内側面に全周にわたって摺接させた接触式のシールリップ39を有するシール材40とを備える。すなわち、軸方向外側のシール装置31bは、シールリングにより構成されている。
本例のハブユニット軸受1では、支持板部24の外面とエンコーダ本体21の外面との少なくとも一部を、被覆シート22により覆い、かつ、被覆シート22に、エンコーダ5の種類を表示する識別子を付している。このため、例えば、形状や寸法がほぼ同じで、極数が異なるエンコーダ5が混在するなどしている場合であっても、所望のエンコーダ5を容易に識別することができて、誤組み付けを防止しやすい。また、本例では、被覆シート22は、エンコーダ5をハブ3に組み付けた後の状態においても、外部から視認しやすい、支持板部24の外面とエンコーダ本体21の外面とを覆っている。したがって、万が一誤組み付けが発生した場合にも、ハブユニット軸受1の出荷前検査などにより、誤組み付けを容易に発見することができる。
被覆シート22を構成するシュリンクフィルムまたは熱収縮チューブは、着色が容易である。さらに、被覆シート22は、黒色または濃い褐色の色彩を有するエンコーダ本体21を覆っており、被覆シート22の色彩を識別する際には、黒色または濃い褐色が下地となる。このため、被覆シート22の色彩を容易に識別することができる。
なお、被覆シート22を構成するシュリンクフィルムまたは熱収縮チューブは、製造時に、樹脂材料に適切な添加剤を混入することで、被覆シート22に親水性または撥水性を付与することもできる。被覆シート22に親水性または撥水性を持たせれば、被覆シート22の表面が汚れるのを防止でき、被覆シート22の美観や表面に表示された情報の視認性を長期間にわたって維持することができる。
被覆シート22は、支持板部24のうちの芯金段部25および外周面と、エンコーダ本体21のうちの傾斜面部27および内側段部28とを全周にわたって覆っている。すなわち、被覆シート22は、軸方向外側の端部を、支持板部24の軸方向外側面の径方向外側の端部に備えられた芯金段部25に位置させている。これにより、被覆シート22の軸方向外側の端部が、支持板部24の軸方向外側面のうちで芯金段部25の径方向内側に隣接する部分よりも軸方向外側に突出することを防止している。また、被覆シート22は、軸方向内側の端部を、エンコーダ本体21の軸方向内側面の径方向外側の端部に備えられた内側段部28に位置させている。これにより、被覆シート22の軸方向内側の端部が、エンコーダ本体21の軸方向内側面のうちで内側段部28の径方向内側に隣接する部分よりも軸方向内側に突出することを防止している。
また、被覆シート22により、エンコーダ本体21の傾斜面部27を覆っているため、特にエンコーダ5をハブ3に組み付けた後において、ハブユニット軸受1を軸方向内側かつ軸方向に対して傾斜した方向から見た場合の被覆シート22に表示された情報の視認性を十分に確保することができる。
本例では、被覆シート22は、支持板部24のうちの芯金段部25および外周面と、エンコーダ本体21のうちの傾斜面部27および内側段部28とを全周にわたって覆っている。ただし、本発明を実施する場合において、被覆シートは、エンコーダの種類を識別することができる限り、支持板部の外面およびエンコーダ本体の外面のうち、任意の範囲を覆うことができる。例えば、前記被覆シートは、前記エンコーダ本体の外面のみを全周にわたって覆ったり、前記支持板部の外面および前記エンコーダ本体の外面のうちの円周方向に関する一部のみを覆ったりすることができる。前記支持板部の外面および前記エンコーダ本体の外面のうちの円周方向に関する一部のみを前記被覆シートにより覆う場合、前記被覆シートを、接着剤により、前記支持板部の外面および前記エンコーダ本体の外面に固定することができる。前記被覆シートにより覆う範囲は、任意の範囲とすることができるが、半周以上の範囲を覆えば、前記エンコーダの円周方向に関する位相にかかわらず、前記被覆シートを視認することができる。ただし、作業性を考慮すると、前記被覆シートを、シュリンクフィルムまたは熱収縮チューブにより構成し、かつ、前記被覆シートにより、支持板部の外面およびエンコーダ本体の外面を全周にわたって覆うことが好ましい。
本例では、ハブ3が中実である(軸方向に貫通する係合孔を備えない)従動輪用のハブユニット軸受1に本発明を適用した場合について説明したが、本発明のハブユニット軸受は、ハブが、駆動軸を係合するための係合孔を備える駆動輪用のハブユニット軸受に適用することもできる。また、本発明のエンコーダは、ハブユニット軸受以外の回転機械装置に組み込んで使用することができる。
本例では、芯金20は、嵌合筒部23と、嵌合筒部23の軸方向一方側(軸方向内側)の端部から径方向外側に向けて折れ曲がった支持板部24とを有するが、本発明を実施する場合、芯金は、嵌合筒部と、該嵌合筒部の軸方向一方側の端部から径方向内側に向けて折れ曲がった支持板部を有することもできる。
[実施の形態の第2例]
図3は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例のエンコーダ5aでは、エンコーダ本体21aを構成する磁性材料が、芯金20aを構成する支持板部24aの軸方向内側面に加え、外周面および軸方向外側面のうちの径方向外側の端部を覆っている。すなわち、エンコーダ本体21aを加硫成形する際に、磁性材料が、支持板部24aの軸方向内側面だけでなく、支持板部24aの外周面および軸方向外側面の径方向外側の端部まで侵出できるように、金型の形状を規制している。
図3は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例のエンコーダ5aでは、エンコーダ本体21aを構成する磁性材料が、芯金20aを構成する支持板部24aの軸方向内側面に加え、外周面および軸方向外側面のうちの径方向外側の端部を覆っている。すなわち、エンコーダ本体21aを加硫成形する際に、磁性材料が、支持板部24aの軸方向内側面だけでなく、支持板部24aの外周面および軸方向外側面の径方向外側の端部まで侵出できるように、金型の形状を規制している。
エンコーダ本体21aは、軸方向内側面の径方向外側の端部に、径方向内側に隣接する部分よりも軸方向外側にオフセットした内側段部28aを有し、かつ、(支持板部24aの軸方向外側面の径方向外側の端部を覆う部分の)軸方向外側面の径方向外側の端部に、径方向内側に隣接する部分よりも軸方向内側にオフセットした外側段部42aを有する。なお、エンコーダ本体21aの外周面は、軸方向に関して外径が変化しない円筒面により構成されている。
被覆シート22aは、エンコーダ本体21aの径方向外側の端部、すなわち外周面、内側段部28aおよび外側段部42aを全周にわたって覆っている。
なお、本例では、シールリング32aのシール材34aは、複数本のシールリップ37a、37b、37cと、1本のラビリンスリップ48とを備える。
シールリップ37a、37b、37cのそれぞれは、先端部を、芯金20aの嵌合筒部23の外周面または支持板部24aの軸方向外側面に全周にわたって摺接させている。ただし、複数本のシールリップ37a、37b、37cの何れの先端部も、被覆シート22aに摺接しないようにしている。
ラビリンスリップ48は、複数本のシールリップ37a、37b、37cのうち、最も径方向外側のシールリップ37aよりも径方向外側に配置されている。ラビリンスリップ48は、先端部を、被覆シート22aの表面のうち、支持板部24aの軸方向外側面の径方向外側の端部を覆う部分に近接対向させている。すなわち、ラビリンスリップ48の先端部と被覆シート22aの表面とを摺接させず、ラビリンスリップ48の先端部と被覆シート22aの表面との間にラビリンスシール49を構成している。
なお、本例では、エンコーダ本体21aを構成する磁性材料により、支持板部24aの軸方向内側面だけでなく、外周面および軸方向外側面のうちの径方向外側の端部を覆っている。このため、芯金20aに対するエンコーダ本体21aの結合強度を十分に確保することができる。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
図4は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例のハブユニット軸受1aは、外輪2aの外面(表面)のうちの少なくとも軸方向一部を全周にわたって覆う外輪被覆シート43を備える。
図4は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例のハブユニット軸受1aは、外輪2aの外面(表面)のうちの少なくとも軸方向一部を全周にわたって覆う外輪被覆シート43を備える。
外輪2aは、静止フランジ7aの軸方向内側面の径方向外側の端部に、径方向内側に隣接する部分よりも軸方向外側にオフセットした段部44を全周にわたって有する。
外輪被覆シート43は、外輪2aの外面(表面)のうち、軸方向外側の端面から段部44にかけての範囲を全周にわたり覆っている。具体的には、外輪被覆シート43は、外輪2aの軸方向外側の端面と、外輪2aの外周面のうちで静止フランジ7aよりも軸方向外側に位置する部分と、静止フランジ7aの軸方向外側面および外周面と、静止フランジ7aの軸方向内側面の径方向外側の端部に備えられた段部44とを全周にわたり覆っている。すなわち、外輪2aの外面のうち、車両の点検時などに外部から視認される可能性がある部分を全周にわたり覆っている。
なお、本例では、静止フランジ7aの軸方向外側面は、支持孔8の軸方向外側の開口部を含む全面が、外輪被覆シート43により覆われている。すなわち、支持孔8の軸方向外側の開口部は、外輪被覆シート43により塞がれている。
外輪被覆シート43は、熱収縮性を有する材料により構成されている。すなわち、外輪被覆シート43は、シュリンクフィルムまたは熱収縮チューブにより構成されている。なお、外輪被覆シート43を構成する材料は、エンコーダ5の表面を覆う被覆シート22を構成する材料と同じにすることもできるし、異ならせることもできる。
外輪被覆シート43により外輪2aの外面を覆う際には、外輪被覆シート43を、外輪2aの外面に巻き付けた(外輪2aの周囲に配置した)状態で、外輪被覆シート43を加熱して収縮させることにより、外輪2aの外面に密着させる。ここで、外輪被覆シート43は、外輪2aを構成する金属材料の焼戻し温度(例えば160度程度)よりも低い温度で、十分収縮させることができるようにする。
本例のハブユニット軸受1aでは、外輪2aの外面のうち、軸方向外側の端面から段部44にかけての範囲が、外輪被覆シート43により全周にわたり覆われている。このため、外輪2a自体に防錆効果を持たせることができ、車両の点検時など、外輪2aを外部から視認できる状態においても、外輪2aの表面に生じた錆は視認されず、美観が損なわれることを防止できる。したがって、外輪2aを外部から視認できる状態において、使用者などに不安感を与えることを防止できる。
上述のように、本例では、外輪2aを外部から視認できる状態において、使用者などに不安感を与えることを防止できる構造を、外輪2aの外面を外輪被覆シート43により覆うことで実現している。このため、亜鉛などの非鉄金属を用いたショットピーニングにより、防錆効果を有する被膜を形成する場合やカチオン電着塗装により電気絶縁性被膜を形成する場合と比較して、コストを抑えることができる。また、外輪の表面にめっき処理を施す場合のように、外輪を構成する金属材料中に水素が侵入して強度が低下する(水素脆化を生じる)ことがない。
外輪被覆シート43を構成するシュリンクフィルムまたは熱収縮チューブは、容易に、任意の色に着色したり、文字や記号、図形などの情報を表示(印刷)したりすることができる。したがって、本例によれば、外輪被覆シート43に、任意の色を着色したり情報を表示したりすることで、ハブユニット軸受1aに、容易に、誤組み付け防止や広告などの機能を持たせることができる。
また、外輪被覆シート43を構成するシュリンクフィルムまたは熱収縮チューブの製造時に、樹脂材料に適切な添加剤を混入することで、外輪被覆シート43に親水性または撥水性を付与することもできる。これにより、外輪被覆シート43の表面が汚れるのを防止でき、外輪被覆シート43の美観や表面に表示された情報の視認性を長期間にわたって維持することができる。
本例では、静止フランジ7aの軸方向外側面のうち、支持孔8の軸方向外側の開口部を含む全面が、外輪被覆シート43により覆われている。このため、支持孔8に螺合される支持ボルトの先端面も、外輪被覆シート43により覆われる。したがって、支持孔8の内周面に形成された雌ねじ部と、支持ボルトの先端部外周面に形成された雄ねじ部との螺合部に、支持孔8の軸方向外側の開口部から泥水などが侵入することを防止でき、支持ボルトと支持孔8と錆びつきを防止することができる。
外輪被覆シート43は、外輪2aの軸方向外側の端面と、外輪2aの外周面のうちで静止フランジ7aよりも軸方向外側に位置する部分と、静止フランジ7aの軸方向外側面および外周面と、静止フランジ7aの軸方向内側面の径方向外側の端部に備えられた段部44とを全周にわたり覆っている。すなわち、外輪被覆シート43は、軸方向内側の端部を、静止フランジ7aの軸方向内側面の径方向外側の端部に備えられた段部44に位置させている。これにより、外輪被覆シート43の軸方向内側の端部が、静止フランジ7aの軸方向内側面のうちで段部44の径方向内側に隣接する部分よりも軸方向内側に突出することを防止している。したがって、静止フランジ7aを懸架装置のナックルに支持固定した状態で、静止フランジ7aの軸方向内側面の径方向内側部分とナックルの軸方向外側面との間に隙間が生じるのを防止することができる。
なお、本例では、ハブ3の軸方向内側の端部に、エンコーダ5を外嵌固定しているが、外輪2aの軸方向内側の端部に、実施の形態の第1例のように、シールリング32を内嵌固定していない。すなわち、本例では、芯金20は、シールリング32の接触式のシールリップ37a、37b、37cを摺接させるための摺接環としての機能を有しない。
本例では、外輪2aの径方向内側に存在する内部空間の軸方向内側の開口を、有底円筒状のシール装置31cにより塞いでいる。すなわち、シール装置31cは、外輪2aの軸方向内側の端部に内嵌固定された円筒部50と、円筒部50の軸方向内側の端部から径方向内側に向けて折れ曲がった底板部51とを有するカバーにより構成されている。本例では、このような有底円筒状のシール装置31cにより、転動体設置空間30内に封入したグリースが、軸方向内側の開口から外部に漏洩することを防止し、かつ、前記内部空間の軸方向内側の開口から泥水などの異物が、前記内部空間に侵入することを防止している。
ただし、有底円筒状のシール装置31cに代えて、または、シール装置31cに加えて、実施の形態の第1例のように、転動体設置空間30の軸方向内側の開口を、組み合わせシールリングであるシール装置31a(図2参照)により塞ぐこともできる。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第4例]
図5は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例のハブユニット軸受1bは、ハブ3aのパイロット部11aの少なくとも軸方向一部を全周にわたって覆う内輪被覆シート45を備える。
図5は、本発明の実施の形態の第4例を示している。本例のハブユニット軸受1bは、ハブ3aのパイロット部11aの少なくとも軸方向一部を全周にわたって覆う内輪被覆シート45を備える。
パイロット部11aは、軸方向外側部分にホイールの中心孔が外嵌されるホイール嵌合筒部46を有し、かつ、軸方向内側部分に、制動用回転体の中心孔が外嵌されるブレーキ嵌合筒部47を有する。
内輪被覆シート45は、パイロット部11aの軸方向外側の端面と、ホイール嵌合筒部46の外周面とを全周にわたって覆っている。内輪被覆シート45は、シュリンクフィルムまたは熱収縮チューブにより構成されている。すなわち、内輪被覆シート45を、ホイール嵌合筒部46の外周面に巻き付けた状態で、加熱して収縮させることにより、ホイール嵌合筒部46の外周面に密着させている。なお、内輪被覆シート45を構成する材料は、被覆シート22を構成する材料および/または外輪被覆シート43を構成する材料と同じにすることもできるし、異ならせることもできる。
本例では、ホイールの中心孔が外嵌されるホイール嵌合筒部46の外周面を塗装せず、代わりに、シュリンクフィルムまたは熱収縮チューブにより構成される内輪被覆シート45により覆っている。このため、本例によれば、ホイール嵌合筒部46に塗装を施す場合と比較して、ホイールの中心孔に対する摩擦を小さく抑えやすく、ホイールの取り付けおよび取り外しを行いやすくすることができる。
なお、本例では、外輪2aの外面の軸方向一部を、外輪被覆シート43により覆っているが、外輪被覆シート43は省略することもできる。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例および第2例と同様である。
[実施の形態の第5例]
図6は、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例では、内輪被覆シート45aは、ハブ3aのパイロット部11aの外周面を、軸方向全長かつ全周にわたり覆っている。具体的には、内輪被覆シート45aは、パイロット部11aの軸方向外側の端面と、ホイール嵌合筒部46の外周面およびブレーキ嵌合筒部47の外周面とを全周にわたり覆っている。
図6は、本発明の実施の形態の第5例を示している。本例では、内輪被覆シート45aは、ハブ3aのパイロット部11aの外周面を、軸方向全長かつ全周にわたり覆っている。具体的には、内輪被覆シート45aは、パイロット部11aの軸方向外側の端面と、ホイール嵌合筒部46の外周面およびブレーキ嵌合筒部47の外周面とを全周にわたり覆っている。
ハブユニット軸受において、制動用回転体の中心孔に対する摩擦を小さく抑えて、制動用回転体の取り付けおよび取り外しを行いやすくするべく、ブレーキ嵌合筒部に塗装を施すことが考える。しかしながら、塗装が剥離したり、塗膜の厚さが不均一であったりすると、制動用回転体の振動の原因となること、および、ホイール嵌合筒部とブレーキ嵌合筒部との間に存在する段差部分を均一に塗装することが難しいことなどを考慮すると、ブレーキ嵌合筒部を塗装により被覆することは、必ずしも好ましくはない。
これに対し、本例では、内輪被覆シート45aによって、ホイールの中心孔が外嵌されるホイール嵌合筒部46の外周面だけでなく、制動用回転体の中心孔が外嵌されるブレーキ嵌合筒部47の外周面も覆っている。内輪被覆シート45aを構成するシュリンクフィルムまたは熱収縮チューブは、塗装よりも厚さの管理が容易である。特にシュリンクフィルムは、精密な(具体的にはμm単位での)厚さの管理が可能である。このため、内輪被覆シート45aによりブレーキ嵌合筒部47の外周面を覆うことで、制動用回転体とブレーキ嵌合筒部47との錆びつきを防止しつつ、制動用回転体が振動することを防止できる。その他の部分の構成および作用効果は、実施の形態の第1例および第4例と同様である。
上述した実施の形態の第1例~第5例は、矛盾を生じない限り、適宜組み合わせることができる。
1、1a、1b ハブユニット軸受
2、2a 外輪
3、3a ハブ
4a、4b 転動体
5、5a エンコーダ
6a、6b 外輪軌道
7、7a 静止フランジ
8 支持孔
9a、9b 内輪軌道
10 回転フランジ
11、11a パイロット部
12 取付孔
13 スタッド
14 内輪
15 ハブ輪
16 小径筒部
17 かしめ部
18 段差面
19a、19b 保持器
20、20a 芯金
21、21a エンコーダ本体
22、22a 被覆シート
23 嵌合筒部
24、24a 支持板部
25 芯金段部
26 被検出面
27 傾斜面部
28 内側段部
29 リップ部
30 転動体設置空間
31a、31b、31c シール装置
32、32a シールリング
33 芯金
34、34a シール材
35 円筒部
36 折れ曲がり板部
37a、37b、37c シールリップ
38 芯金
39 シールリップ
40 シール材
41 センサ
43 外輪被覆シート
44 段部
45、45a 内輪被覆シート
46 ホイール嵌合筒部
47 ブレーキ嵌合筒部
48 ラビリンスリップ
49 ラビリンスシール
50 円筒部
51 底板部
2、2a 外輪
3、3a ハブ
4a、4b 転動体
5、5a エンコーダ
6a、6b 外輪軌道
7、7a 静止フランジ
8 支持孔
9a、9b 内輪軌道
10 回転フランジ
11、11a パイロット部
12 取付孔
13 スタッド
14 内輪
15 ハブ輪
16 小径筒部
17 かしめ部
18 段差面
19a、19b 保持器
20、20a 芯金
21、21a エンコーダ本体
22、22a 被覆シート
23 嵌合筒部
24、24a 支持板部
25 芯金段部
26 被検出面
27 傾斜面部
28 内側段部
29 リップ部
30 転動体設置空間
31a、31b、31c シール装置
32、32a シールリング
33 芯金
34、34a シール材
35 円筒部
36 折れ曲がり板部
37a、37b、37c シールリップ
38 芯金
39 シールリップ
40 シール材
41 センサ
43 外輪被覆シート
44 段部
45、45a 内輪被覆シート
46 ホイール嵌合筒部
47 ブレーキ嵌合筒部
48 ラビリンスリップ
49 ラビリンスシール
50 円筒部
51 底板部
Claims (4)
- 円筒状の嵌合筒部と、該嵌合筒部の軸方向一方側の端部から径方向に折れ曲がった支持板部とを有する芯金と、
軸方向一方側の側面に、円周方向に関してS極とN極とを交互に配置してなる被検出面を有し、前記支持板部の軸方向一方側の側面に支持固定されたエンコーダ本体と、
熱収縮性を有する材料により構成され、かつ、前記支持板部の外周面および前記エンコーダ本体の外周面のうちの少なくとも一部を覆う被覆シートと、
を備える、エンコーダ。 - 前記エンコーダ本体が、外周面に、軸方向一方側に向かうほど径方向内側に向かう方向に傾斜した傾斜面部を有しており、
前記被覆シートが、前記傾斜面部の少なくとも一部を覆っている、
請求項1に記載のエンコーダ。 - 前記エンコーダ本体は、軸方向一方側の側面の径方向外側の端部に、径方向内側に隣接する部分よりも軸方向外側にオフセットし、かつ、前記被覆シート以上の軸方向高さを有する内側段部を備え、
前記被覆シートが、前記内側段部の少なくとも一部を覆っている、
請求項1または2に記載のエンコーダ。 - 内周面に、複列の外輪軌道を有し、使用時にも回転しない外輪と、
外周面に、複列の内輪軌道を有し、車輪が固定されて該車輪とともに回転するハブと、
前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に転動自在に配置された複数個の転動体と、
前記ハブの軸方向内側の端部に外嵌固定された円筒状の嵌合筒部、および、該嵌合筒部の軸方向一方側の端部から径方向に折れ曲がった支持板部を有する芯金と、軸方向一方側の側面に、円周方向に関してS極とN極とを交互に配置してなる被検出面を有し、前記支持板部の軸方向一方側の側面に支持固定されたエンコーダ本体とを有するエンコーダと、
を備え、
前記エンコーダが、請求項1~3のいずれかに記載のエンコーダである、
ハブユニット軸受。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020212183A JP2022098664A (ja) | 2020-12-22 | 2020-12-22 | エンコーダおよびハブユニット軸受 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020212183A JP2022098664A (ja) | 2020-12-22 | 2020-12-22 | エンコーダおよびハブユニット軸受 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2022098664A true JP2022098664A (ja) | 2022-07-04 |
Family
ID=82261914
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2020212183A Pending JP2022098664A (ja) | 2020-12-22 | 2020-12-22 | エンコーダおよびハブユニット軸受 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2022098664A (ja) |
-
2020
- 2020-12-22 JP JP2020212183A patent/JP2022098664A/ja active Pending
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