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JP2022091099A - 近赤外線吸収性色素、近赤外線吸収性組成物、および光学フィルタ - Google Patents

近赤外線吸収性色素、近赤外線吸収性組成物、および光学フィルタ Download PDF

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JP2022091099A
JP2022091099A JP2021127788A JP2021127788A JP2022091099A JP 2022091099 A JP2022091099 A JP 2022091099A JP 2021127788 A JP2021127788 A JP 2021127788A JP 2021127788 A JP2021127788 A JP 2021127788A JP 2022091099 A JP2022091099 A JP 2022091099A
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JP
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group
substituent
parts
infrared absorbing
pigment
Prior art date
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Application number
JP2021127788A
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English (en)
Inventor
文菜 田川
Fumina Tagawa
美幸 平佐
Yoshiyuki Hirasa
秀彰 高井
Hideaki Takai
大輔 槇
Daisuke Maki
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Artience Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
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Publication date
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Abstract

【課題】本発明は、比視感度の高い領域である480nm~650nmの透過性と、耐熱性や耐光性とを両立し、700nm~900nm近赤外線吸収性に優れる近赤外線吸収性色素の提供を目的とする。【解決手段】上記課題は、特定の構造を有する近赤外線吸収性色素によって、解決される。また、前記の特定の構造を有する近赤外線吸収性色素、およびバインダー樹脂を含む、近赤外線吸収性組成物、さらに400nm~700nmに吸収を持つ有機色素を含有する近赤外線吸収性組成物によって、解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、近赤外線吸収性色素、近赤外線吸収性組成物、および光学フィルタに関する。
近赤外線吸収材料は、例えば、熱線を遮断する近赤外線吸収フィルム、近赤外線吸収板、太陽光の選択的な利用する農業用近赤外線吸収フィルム、近赤外線の吸収熱を利用する記録媒体、電子機器用近赤外線カットフィルタ、写真用近赤外線フィルタ、保護めがね、サングラス、熱線遮断フィルム、光学記録用色素、光学文字読み取り記録、機密文書複写防止用、電子写真感光体、レーザー融着等幅広い用途で使用されている。
これらの中でもカメラ用センサー用途の近赤外線カットフィルタは、比視感度の高い領域である480nm~650nmの透過性が高く、比視感度のない領域である700nm~1000nmの遮蔽性が高いことが要望される。また、カメラ用近赤外線カットフィルタは、過酷な環境で使用される車載用途や、高温での加工が必要なデバイスへの搭載等、非常に高い耐熱性や耐光性を要求される。
なお、比視感度とは、各波長における人の目に感じられる明るさの指標である。
代表的な近赤外線吸収性色素としてシアニン系色素、ジイモニウム系色素、フタロシアニン系色素、スクアリリウム系色素が知られている。しかし、シアニン系色素、ジイモニウム系色素は、耐熱性や耐光性が低く、さまざまな環境における耐久性に乏しいため、用途が限定される。
フタロシアニン系色素として、置換基を有するフタロシアニン化合物もしくはナフタロシアニン化合物(例えば、特許文献1参照)、アミノ基を有するフタロシアニン化合物(例えば、特許文献2~6参照)、アリールオキシ基を有するフタロシアニン化合物(例えば、特許文献7参照)、含フッ素フタロシアニン化合物(例えば、特許文献8、9参照)等が開示されている。
特開平10-78509号公報 特開2004-18561号公報 特開2001-106689号公報 特開2000-63691号公報 特開平06-025548公報 特開2000-026748公報 特開2013-241563号公報 特開平05-078364公報 特開平06-107663公報
これらの中でも、ナフタロシアニン化合物は、顔料として使用した際に、耐熱性や耐光性が極めて高く、700nm~900nmの光を広く吸収するという特徴を有している。しかしながら、芳香環の会合による凝集が非常に強いため、分散安定性が悪く、透明性が低い、つまりは、比視感度の高い領域である480nm~650nmの透過率が低いとい
う課題があった。
本発明は、比視感度の高い領域である480nm~650nmの透過性と、耐熱性や耐光性とを両立し、700nm~900nm近赤外線吸収性に優れる近赤外線吸収性色素の提供を目的とする。
すなわち、本発明は、下記一般式(1)または下記一般式(4)で表される近赤外線吸収性色素に関する。
Figure 2022091099000001



[一般式(1)中、R~R24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基
、ニトリル基、カルボキシル基、スルホン基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、または置換基を有してもよいスルファモイル基を表す。
1は、Ga、Inを表す。
1は、一般式(2)で表される単量体単位を含む重合体部位、または一般式(3)で表
されるリン化合物部位であり、*は、M1との結合手である。
一般式(2)中、Xは、-CONH-R25-、-COO-R26-、-CONH-R27-O-、または-COO-R28-O-であり、R25~R28は、アルキレン基、アリーレン基、または炭素原子と炭素原子の間に、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CONH-、もしくは-NHCO-で連結されたアルキレン基もしくはアリーレン基を表す。Yは、水素もしくはメチル基を表す。
一般式(3)中、R29およびR30は、それぞれ独立に、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシル基または置換基を有してもよいアリールオキシ基を表し、R29とR30は、互いに結合して環を形成しても良い。]

一般式(4)
Figure 2022091099000002





[一般式(4)中、R31~R54は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニト
ロ基、ニトリル基、カルボキシル基、スルホン基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、または置換基を有してもよいスルファモイル基を表す。
2は、Si、Ge、Snを表す。
2およびZ3は、それぞれ独立に、前記一般式(2)で表される単量体単位を含む重合体部位、または前記一般式(3)で表されるリン化合物部位であり、*は、M2との結合手
である。]
また、本発明は、前記近赤外線吸収性色素、およびバインダー樹脂を含む、近赤外線吸収性組成物に関する。
また、本発明は、光重合性化合物、および光重合開始剤を含有する、前記近赤外線吸収性組成物に関する。
また、本発明は、400nm~700nmに吸収を持つ有機色素を含有する、前記近赤外線吸収性組成物に関する。
また、本発明は、基材上に、前記近赤外線吸収性組成物により形成されてなる塗膜を有する、光学フィルタに関する。
上記の本発明により、比視感度の高い領域である480nm~650nmの透過性と、耐熱性や耐光性とを両立し、700nm~900nm近赤外線吸収性に優れる近赤外線吸収性色素、近赤外線吸収性組成物、および光学フィルタを提供できる。
<近赤外線吸収性色素>
本発明の近赤外線吸収性色素(以下、本発明の色素という)は、一般式(1)または一般式(4)で表される。本発明の色素は、耐熱性および耐光性が高いナフタロシアニン部
位に、一般式(2)、または一般式(3)で表される部位を結合させることで、700nm~900nmの光を広く吸収しつつ、比視感度の高い領域である480nm~650nmの透過性を向上できる。これにより、前記透過性、ならびに耐熱性および耐光性を両立できる。
一般に、ナフタロシアニン色素は芳香環の会合による凝集力が強く、結晶構造を取り顔料として存在する場合が多い。その場合、通常の溶剤には溶解しづらくなり、分散剤等を使用して分散して分散液を得ることができる。しかし、当該分散液から作製される被膜は、芳香環の会合によって強い吸収を発現、かつ分散安定性悪化のため、透明性が低い、つまり、比視感度の高い領域である480nm~650nmの透過性が悪くなる。
これに対して本発明の色素を含む被膜は、ナフタロシアニンに特定の重合体またはリン化合物を軸配位子として結合させる事により、芳香環の会合を制御し、比視感度の高い領域である480nm~650nmの透過性が高くなる。これは、特定の重合体またはリン化合物が適度な立体障害となり、ナフタロシアニン部位同士が会合し難い構造になっているためである。
Figure 2022091099000003



[一般式(1)中、R~R24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基
、ニトリル基、カルボキシル基、スルホン基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、または置換基を有してもよいスルファモイル基を表す。
1は、Ga、Inを表す。
1は、一般式(2)で表される単量体単位を含む重合体部位、または一般式(3)で表
されるリン化合物部位であり、*は、M1との結合手である。
一般式(2)中、Xは、-CONH-R25-、-COO-R26-、-CONH-R27-O-、または-COO-R28-O-であり、R25~R28は、アルキレン基、アリーレン基、または炭素原子と炭素原子の間に、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CONH-、もしくは-NHCO-で連結されたアルキレン基もしくはアリーレン基を表す。Yは、水素原子もしくはメチル基を表す。
一般式(3)中、R29およびR30は、それぞれ独立に、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシル基または置換基を有してもよいアリールオキシ基を表し、R29とR30は、互いに結合して環を形
成しても良い。]

一般式(4)
Figure 2022091099000004




[一般式(4)中、R31~R54は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニト
ロ基、ニトリル基、カルボキシル基、スルホン基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、または置換基を有してもよいスルファモイル基を表す。
2は、Si、Ge、Snを表す。
2およびZ3は、それぞれ独立に、前記一般式(2)で表される単量体単位を含む重合体部位、または前記一般式(3)で表されるリン化合物部位であり、*は、M2との結合手
である。]
本発明の色素は、ナフタロシアニン部位、および、一般式(2)で表される単量体単位を含む重合体部位、もしくは一般式(3)で表されるリン化合物部位から構成される。ナフタロシアニン部位は、下記一般式(5)または下記一般式(6)で表されるナフタロシアニンを原料とすることが好ましい。
(ナフタロシアニン)
Figure 2022091099000005



一般式(5)および一般式(6)中、R~R24およびR31~R54は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、カルボキシル基、スルホン基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、または、置換基を有してもよいスルファモイル基を表す。
は、Ga、Inを表し、Mは、Si、Ge、Snを表す。
置換基を有してもよいアルキル基の「アルキル基」は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert-ブチル基、ネオペンチル基、n-へキシル基、n-オクチル基、ステアリル基、2-エチルへキシル基等の直鎖又は分岐アルキル基が挙げられる。「置換基を有するアルキル基」は、例えば、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2,2,2-トリフルオロエチル基、2,2-ジブロモエチル基、2,2,3,3-テトラフルオロプロピル基、2-エトキシエチル基、2-ブトキシエチル基、2-ニトロプロピル基、ベンジル基、4-メチルベンジル基、4-tert-プチルベンジル基、4-メトキシベンジル基、4-ニトロベンジル基、2,4-ジクロロベンジル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリール基の「アリール基」は、例えば、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基等が挙げられる。
「置換基を有するアリール基」は、例えば、p-メチルフェニル基、p-ブロモフェニル基、p-ニトロフェニル基、p-メトキシフェニル基、2,4-ジクロロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2-アミノフェニル基、2-メチル-4-クロロフェニル基、4-ヒドロキシ-1-ナフチル基、6-メチル-2-ナフチル基、4,5,8-トリクロロ-2-ナフチル基、アントラキノニル基、2-アミノアントラキノニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいシクロアルキル基の「シクロアルキル基」は、例えば、シクロペンチル基、シクロへキシル基、アダマンチル基等が挙げられる。
「置換基を有するシクロアルキル基」は、例えば、2,5-ジメチルシクロペンチル基、4-tert-プチルシクロヘキシル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルコキシル基の「アルコキシル基」は、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、イソブトキシ基、tert-ブトキシ基、ネオペンチルオキシ基、2,3-ジメチル-3-ペンチルオキシ、n-へキシルオキシ基、n-オクチルオキシ基、ステアリルオキシ基、2-エチルへキシルオキシ基等の直鎖又は分岐アルコキシル基が挙げられる。
「置換基を有するアルコキシル基」は、例えば、トリクロロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2,2,2-トリフルオロエトキシ基、2,2,3,3-テトラフルオロプロポキシ基、2,2-ジトリフルオロメチルプロポキシ基、2-エトキシエトキシ基、2-ブトキシエトキシ基、2-ニトロプロポキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールオキシ基の「アリールオキシ基」は、例えば、フェノキシ基、ナフトキシ基、アンスリルオキシ基等が挙げられ、
「置換基を有するアリールオキシ基」は、例えば、p-メチルフェノキシ基、p-ニトロフェノキシ基、p-メトキシフェノキシ基、2,4-ジクロロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、2-メチル-4-クロロフェノキシ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルチオ基の「アルキルチオ基」は、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、オクタデシルチオ基等が挙げられる。
「置換基を有するアルキルチオ基」は、例えば、メトキシエチルチオ基、アミノエチルチオ基、ベンジルアミノエチルチオ基、メチルカルボニルアミノエチルチオ基、フェニルカルボニルアミノエチルチオ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールチオ基の「アリールチオ基」は、例えば、フェニルチオ基、1-ナフチルチオ基、2-ナフチルチオ基、9-アンスリルチオ基等が挙げられる。
「置換基を有するアリールチオ基」は、例えば、クロロフェニルチオ基、トリフルオロメチルフェニルチオ基、シアノフェニルチオ基、ニトロフェニルチオ基、2-アミノフェニルチオ基、2-ヒドロキシフェニルチオ基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキルアミン基の「アルキルアミン基」は、例えば、メチルアミン基、エチルアミン基、プロピルアミン基、ブチルアミン基、ペンチルアミン基、ヘキシルアミン基、オクチルアミン基、デシルアミン基、ドデシルアミン基、オクタデシルアミン基等が挙げられる。
「置換基を有するアルキルアミン基」は、例えば、メトキシエチルアミン基、アミノエチルアミン基、ベンジルアミノエチルアミン基、メチルカルボニルアミノエチルアミン基、フェニルカルボニルアミノエチルアミン基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリールアミン基の「アリールアミン基」は、例えば、フェニルアミン基、1-ナフチルアミン基、2-ナフチルアミン基、9-アンスリルアミン基等が挙げられる。
「置換基を有するアリールアミン基」は、例えば、クロロフェニルアミン基、トリフルオロメチルフェニルアミン基、シアノフェニルアミン基、ニトロフェニルアミン基、2-アミノフェニルアミン基、2-ヒドロキシフェニルアミン基等が挙げられる。
<ナフタロシアニンの合成方法>
一般式(5)または下記一般式(6)で表されるナフタロシアニンの一般的な工業的製法を以下に記載する。
・ Wyler法
置換あるいは無置換の無水ナフタレンジカルボン酸や、置換あるいは無置換の無水ナフタレンジカルボン酸イミドを用いて、尿素と、三塩化ガリウム、三塩化インジウム、四塩化
ケイ素、四塩化ゲルマニウム、または四塩化スズ存在下,高温で反応させる方法。
・ フタロジニトリル法
置換あるいは無置換2,3―ジシアノナフタレンを、n-アミルアルコール、n-ヘキシルアルコール、1-メトキシエタノール、1-エトキシエタノールのようなアルコール系溶媒中で、DBU(1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7)、DBN(1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン-5)、又は(金属)アルコキシドのような強塩基の存在下、三塩化ガリウム、三塩化インジウム、四塩化ケイ素、四塩化ゲルマニウム、または四塩化スズと反応させる方法。
・ ジイミノイソインドリン法
置換あるいは無置換の1,3-ジイミノベンゾ[f]イソインドリンを、2-ジメチルアミノエタノール、キノリン、DBU(1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン-7)のような強塩基の存在下、三塩化ガリウム、三塩化インジウム、四塩化ケイ素、四塩化ゲルマニウム、または四塩化スズと反応させる方法。
ナフタロシアニンは、例えば、以下の化合物が挙げられる。
Figure 2022091099000006




Figure 2022091099000007





Figure 2022091099000008

ナフタロシアニンは、以上の化合物以外にも、置換基の導入位置が異なる異性体を使用できる。
(重合体部位)
一般式(1)または一般式(4)で表される近赤外線吸収色素の一形態は、一般式(2)で表される単量体単位を含む重合体部位中のリン酸基と、ナフタロシアニン部位中の金属カチオンが塩を形成したものである。
当該重合体部位は、その原料である一般式(7)で表されるモノマーをビニル重合して
なる。なお、当該重合体部位は、一般式(7)で表されるモノマーと、一般式(7)で表されるモノマー以外のその他モノマーを使用できる。
一般式(7)
Figure 2022091099000009




一般式(7)中、Xは-CONH-R25-、-COO-R26-、-CONH-R27-O-、-COO-R28-O-を表し、R25~R28は、炭素原子と炭素原子の間が、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CONH-、または-NHCO-で連結されていても良いアルキレン基もしくはアリーレン基を表す。
アルキレン基は、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられる。アリーレン基は、例えば、フェニレン、ナフチレン、ビフェニレン基、ターフェニレン基、アンスリレン基があげられる。R25~R28は、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基が挙げられる。
Yは水素原子または、メチル基を表す。
一般式(7)で表されるモノマーは、例えば、(2-(メタ)アクリロイルオキシエチル)アシッドホスフェート、(2-(メタ)アクリロイルオキシプロピル)アシッドホスフェート、(2-(メタ)アクリロイルオキシイソプロピル)アシッドホスフェートが挙げられる。
その他モノマーは、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリル、酸基含有モノマー、熱架橋性基含有モノマー等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸エステル類は、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n-プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n-ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t-ブチル、(メタ)アクリル酸n-ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t-ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t-オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2-エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2-(2-メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3-フェノキシ-2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β-フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチル等が挙げられる。
クロトン酸エステル類は、例えば、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類は、例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニル等が挙げられる。
マレイン酸ジエステル類は、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチル等が挙げられる。
フマル酸ジエステル類は、例えば、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチル等が挙げられる。
イタコン酸ジエステル類は、例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチル等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類は、例えば、(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-エチル(メタ)アクリルアミド、N-プロピル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N-n-ブチルアクリル(メタ)アミド、N-t-ブチル(メタ)アクリルアミド、N-シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N-(2-メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジエチル(メタ)アクリルアミド、N-フェニル(メタ)アクリルアミド、N-ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミド等が挙げられる。
ビニルエーテル類は、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテル等が挙げられる。
スチレン類は、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt-Boc等)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、α-メチルスチレン等が挙げられる。
酸基含有モノマーは、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α-クロルアクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸またはその無水物類;3価以上の不飽和多価カルボン酸またはその無水物類;こはく酸モノ(2-アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2-メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2-アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2-メ
タクリロイロキシエチル)等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類;ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノアクリレート、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノメタクリレート等の両末端カルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレート類等を挙げられる。
熱架橋性基含有モノマー中の熱架橋性基は、例えば、近赤外線吸収性色素の架橋点になり、近赤外線吸収性色素の耐熱性向上に寄与する。熱架橋性基は、例えば、水酸基、カルボン酸無水物、1級または2級アミノ基、イミノ基、オキセタニル基、tert-ブチル基、エポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基等が挙げられる。これらの中でも保存安定性、および反応性の面でヒドロキシル基、カルボキシル基、オキセタニル基、tert-ブチル基、イソシアネート基、(メタ)アクリロイル基が好ましく、ヒドロキシル基がより好ましい。
水酸基含有モノマーは、例えば、特に限定されないが、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシビニルベンゼン、2-ヒドロキシ―3-フェノキシプロピルアクリレートまたはこれらモノマーのカプロラクトン付加物(モル数は1~5)等が挙げられる。これらの中でも2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが耐熱性の観点から好ましい。
オキセタニル基含有モノマーは、例えば、3-(アクリロイルオキシメチル)3-メチルオキセタン、3-(メタクリロイルオキシメチル)3-メチルオキセタン、3-(アクリロイルオキシメチル)3-エチルオキセタン、3-(メタクリロイルオキシメチル)3-エチルオキセタン、3-(アクリロイルオキシメチル)3-ブチルオキセタン、3-(メタクリロイルオキシメチル)3-ブチルオキセタン、3-(アクリロイルオキシメチル)3-ヘキシルオキセタン及び3-(メタクリロイルオキシメチル)3-ヘキシルオキセタン等が挙げられる。
tert-ブチル基含有モノマーは、例えば、tert-ブチルアクリレート、tert-ブチルメタクリレート等が挙げられる。
イソシアネート基含有モノマーは、例えば、例えば、2-イソシアネートエチルメタクリレート、2-イソシアネートエチルアクリレート、4-イソシアネートブチルメタクリレート、4-イソシアネートブチルアクリレート等が挙げられる。なお、イソシアネート基は、例えば、ブロックイソシアネート基を含む。ブロックイソシアネート基とは、通常の条件では、イソシアネート基を他の官能基で保護することによりイソシアネート基の反応性を抑える一方で、加熱により脱保護し、活性なイソシアネート基を再生させることができる官能基である。
ブロックイソシアネート基含有モノマーの市販品は、例えば、2-[(3,5-ジメチルピラゾリル)カルボキシアミノ]エチルメタクリレート(カレンズMOI-BP、昭和電工社製);メタクリル酸2-(O-[1’-メチルプロビリデンアミノ]カルボキシアミノ)エチル(カレンズMOI-BM、昭和電工社製)等が挙げられる。
これらのモノマーは、単独または2種類以上を併用して使用できる。
重合体部位の合成に使用する一般式(7)で表されるモノマーの使用量は、全モノマー100質量%中、1~30質量%が好ましく、5~15質量%がより好ましい。適量使用すると光学特性が向上する。
また、熱架橋性基含有モノマーの使用量は、全モノマー100質量%中、5~50質量%が好ましく、10~30質量%がより好ましい。適量使用すると耐熱性が向上する。
重合体部位の合成法は、例えば、アニオン重合、リビングアニオン重合、カチオン重合、リビングカチオン重合、フリーラジカル重合、リビングラジカル重合等が挙げられる。これらの中でもフリーラジカル重合またはリビングラジカル重合が好ましい。
フリーラジカル重合法は、重合開始剤を使用する。重合開始剤は、例えば、アゾ系化合物、有機過酸化物が挙げられる。
アゾ系化合物は、例えば、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2'-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1'-アゾビス(シクロヘキサン1-カルボニトリ
ル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビス(2,4-ジメチル-4-メトキシバレロニトリル)、ジメチル2,2'-アゾビス(2-メ
チルプロピオネート)、4,4'-アゾビス(4-シアノバレリック酸)、2,2'-アゾビス(2-ヒドロキシメチルプロピオニトリル)、または2,2'-アゾビス[2-(2
-イミダゾリン-2-イル)プロパン]等が挙げられる。有機過酸化物は、例えば、過酸化ベンゾイル、tert-ブチルパーベンゾエイト、クメンヒドロパーオキシド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2-エトキシエチル)パーオキシジカーボネート、tert-ブチルパーオキシネオデカノエート、tert-ブチルパーオキシビバレート、(3,5,5-トリメチルヘキサノイル)パーオキシド、ジプロピオニルパーオキシド、またはジアセチルパーオキシド等が挙げられる。
重合開始剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
重合温度は、40~150℃が好ましく、50~110℃がより好ましい。重合時間は、3~30時間が好ましく、5~20時間がより好ましい。
リビングラジカル重合法は、一般的なラジカル重合に起こる副反応が抑制され、かつ重合の成長が均一に起こるため、ブロックポリマーや分子量分布が狭い重合体を合成できる。
リビングラジカル重合法は、様々な重合法がある中で、有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物を重合開始剤とし、遷移金属錯体を触媒とする原子移動ラジカル重合法が好ましい。この方法は、多様な構造のモノマーも重合できる点、既存の設備に適応可能な重合温度を採用できる点で好ましい。原子移動ラジカル重合法は、下記の参考文献1~8等に記載された方法で行うことができる。
(参考文献1)Fukudaら、Prog.Polym.Sci.2004,29,329
(参考文献2)Matyjaszewskiら、Chem.Rev.2001,101,2921
(参考文献3)Matyjaszewskiら、J.Am.Chem.Soc.1995,117,5614
(参考文献4)Macromolecules 1995,28,7901,Scien
ce,1996,272,866
(参考文献5)WO96/030421号
(参考文献6)WO97/018247号
(参考文献7)特開平9-208616号公報
(参考文献8)特開平8-41117号公報
重合体部位の合成には有機溶剤を用いることが好ましい。有機溶剤は、例えば、例えば、酢酸エチル、酢酸n-ブチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレン、アセトン、ヘキサン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、またはジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等が挙げられる。
重合体部位の重量平均分子量は、5000~20000が好ましく、8000~15000が好ましい。適度な分子量を有することで光学特性と耐熱性が向上する。
重合体部位のガラス転移温度(Tg)は、-50~150℃が好ましく、20~80℃がより好ましい。適度なTgにより光学特性が向上する。
有機溶剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
(リン化合物)
一般式(1)または一般式(4)で表される近赤外線吸収色素の一形態は、一般式(3)で表されるリン化合物部位中のリン酸基と、ナフタロシアニン部位中の金属カチオンが塩を形成したものである。
リン化合物部位の原料は、一般式(8)で表されるリン化合物である。
一般式(8)
Figure 2022091099000010




一般式(8)中、R29およびR30は、それぞれ独立に、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシル基または置換基を有してもよいアリールオキシ基を表し、R29とR30は、互いに結合して環を形成しても良い。
Wはヒドロキシ基または、塩素原子を表す。
置換基を有してもよいアルキル基の「アルキル基」、置換基を有してもよいアリール基の「アリール基」、置換基を有してもよいアルコキシル基の「アルコキシル基」、置換基を有してもよいアリールオキシ基の「アリールオキシ基」は、一般式(5)または一般式(6)中、R1~R24で例示したものと同じものが挙げられる。
一般式(8)で表されるリン化合物としては、分散性や色特性の観点から、R29とR30のうちの少なくとも1つが、置換基を有してもよいアリール基又は置換基を有してもよいアリールオキシ基であることが好ましく、R29とR30がいずれもアリール基、またはアリールオキシ基であることがより好ましく、R29とR30がいずれもフェニル基またはフェノ
キシ基であることがさらに好ましい。
リン化合物の代表的な例として、下記に示す構造が挙げられるが、本発明は、これらに限定されるものではない。
Figure 2022091099000011



(近赤外線吸収性色素の合成法)
本発明の色素は、一般式(5)または一般式(6)で表されるナフタロシアニンと一般式(7)で表されるモノマーを含む単量体をビニル重合してなる重合体(以下、重合体ともいう)、または一般式(8)で表されるリン化合物を反応させて合成する。
なお、一般式(5)または一般式(6)で表されるナフタロシアニンに、重合体およびリン化合物の両方を同時または逐次反応させてもよい。
(近赤外線吸収性色素の作製)
本発明の色素の合成は、例えば、一般式(5)または一般式(6)で表されるナフタロシアニン、重合体または、リン化合物を有機溶媒に加え、数時間加熱攪拌する。次いで反応溶液を水に投入し、析出した生成物をろ過し、水洗、乾燥させることで作製できる。
ナフタロシアニン部位、および重合体部位の比率については、ナフタロシアニン部位と、重合体部位のうち一般式(7)で表されるモノマー由来のリン酸基のモル比率が、ナフタロシアニン部位/一般式(7)で示すモノマー由来のリン酸基=0.5~1.5が好ましく、0.8~1.2が好ましい。適度な比率で使用すると650nm~700nm付近の芳香環の会合による吸収が非常に弱くなり、比視感度の高い領域である480nm~650nmの透過性が高くなる。
ナフタロシアニン部位、およびリン化合物部位の比率については、一般式(8)で表されるリン化合物の添加量は、分散性や色特性の観点から、ナフタロシアニン顔料に対して0.8モル当量から2.0モル当量が好ましく、1.0モル当量から1.5モル当量がより好ましい。
(近赤外線吸収性色素の形態)
本発明の色素は、比視感度の高い領域である480nm~650nmの透過性が高く、近赤外線の吸収性に優れる。これは、基板に塗工して被膜にした場合に、顕著に表れる。基板に塗工する際は、溶剤等に溶解させて使用しても良く、分散剤等を使用して分散液を得て使用しても良い。バインダー樹脂を加えて、近赤外線吸収性組成物として使用することもできる。
近赤外線吸収性組成物には、本発明の近赤外線吸収性色素以外に他の近赤外線吸収性色素を含有できる。これにより適宜分光を調整できる。他の近赤外線吸収性色素は、例えば、シアニン化合物、スクアリリウム化合物、フタロシアニン化合物、ナフタロシアニン化合物、アントラキノン化合物、アミニウム化合物、ジインモニウム化合物、クロコニウム化合物、アゾ化合物、キノイド型錯体化合物、ジチオール金属錯体化合物等が挙げられる。
<400nm~700nmに吸収を持つ有機色素>
本発明の近赤外線吸収性組成物には、本発明の近赤外線吸収性色素以外の有機色素を含むことができる。本発明の近赤外線吸収性色素は、700nm~900nmに強い吸収を持つため、400nm~700nmに吸収を持つ有機色素と組みわせることで、400nm~900nmの光線を遮断し、900nm以上の光を透過する近赤外線吸収性組成物(以下、可視光領域吸収性組成物ともいう)として使用することもできる。ただし、この場合、900nm以上の透過率を確保するため、900nm以上の吸収が少ない近赤外線吸収性色素を用いる必要がある。
当該400nm~700nmに吸収を持つ有機色素は、例えば、青色色素、黄色色素、紫色色素、赤色色素等が挙げられる。
有機色素は、有機顔料を用いても良く、例えば、ジケトピロロピロール系顔料、アゾ、ジスアゾ、又はポリアゾ等のアゾ系顔料、アミノアントラキノン、ジアミノジアントラキノン、アントラピリミジン、フラバントロン、アントアントロン、インダントロン、ピラントロン、又はビオラントロン等のアントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チオインジゴ系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、スレン系顔料または金属錯体系顔料等が挙げられる。
また、有機色素として、染料を用いても良く、例えば、アントラキノン系染料、モノアゾ系染料、ジスアゾ系染料、オキサジン系染料、アミノケトン系染料、キサンテン系染料、キノリン系染料、トリフェニルメタン系染料等が挙げられる。染料を用いる際には。アニオン性染料、カチオン性染料の極性基を用いて樹脂中に取り込み有機溶剤への溶解性を付与する方法が有効となる。
(青色色素)
青色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17、19、25、27、28、29、33、35、36、56、56:1、60、61、61:1、62、63、66、67、68、71、72、73、74、75、76、78、79等が挙げられる。
青色染料としては、C.I.アシッドブルー1、2、3、4、5、6、7、8、9、11、13、14、15、17、19、21、22、23、24、25、26、27、29
、34、35、37、40、41、41:1、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、62、62:1、63、64、65、68、69、70、73、75、78、79、80、81、83、8485、86、88、89、90、90:1、91、92、93、95、96、99、100、103、104、108、109、110、111、112、113、114、116、117、118、119、120、123、124、127、127:1、128、129、135、137、138、143、145、147、150、155、159、169、174、175、176、183、198、203、204、205、206、208、213、227、230、231、232、233、235、239、245、247、253、257、258、260、261、262、264、266、269、271、272、273、274、277、278、280等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクトブルー1、2、3、4、6、7、8、8:1、9、10、12、14、15、16、19、20、21、21:1、22、23、25、27、29、31、35、36、37、40、42、45、48、49、50、53、54、55、58、60、61、64、65、67、79、96、97、98:1、101、106、107、108、109、111、116、122、123、124、128、129130、130:1、132、136、138、140、145、146、149、152、153、154、156、158、158:1、164、165、166、167、168、169、170、174、177、181、184、185、188、190、192、193、206、207、209、213、215、225、226、229、230、231、242、243、244、253、254、260、263等も挙げられる(黄色色素)
黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、1:1、2、3、4、5、6、9、10、12、13、14、16、17、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、41、42、43、48、53、55、61、62、62:1、63、65、73、74、75,81、83、87、93、94、95、97、100、101、104、105、108、109、110、111、116、117、119、120、126、127、127:1、128、129、133、134、136、138、139、142、147、148、150、151、153、154、155、157、158、159、160、161、162、163、164、165、166、167、168、169、170、172、173、174、175、176、180、181、182、183、184、185、188、189、190、191、191:1、192、193、194、195、196、197、198、199、200、202、203、204、205、206、207、208、231、233、234等が挙げられる
黄色染料としては、C.I.アシッドイエロー2,3、4、5、6、7、8、9、9:1、10、11、11:1、12、13、14、15、16、17、17:1、18、20、21、22、23、25、26、27、29、30、31、33、34、36、38、39、40、40:1、41、42、42:1、43、44、46、48、51、53、55、56、60、63、65、66、67、68、69、72、76、82、83、84、86、87、90、94、105、115、117、122、127、131、132、136、141、142、143、144、145、146、149、153、159、166、168、169,172、174、175、178、180、183、187、188、189、190、191、192、199等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクトイエロー1、2、4、5、12、13、15、20、24、25、26、32、33、34、35、41、42、44、44:1、45、46、48、49、50、51、61、66、67、69、70、71、72、73、74、81、8
4、86、90、91、92、95、107、110、117、118、119、120、121、126、127、129、132、133、134等も挙げられる
(紫色色素)
紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、1:1、2、2:2、3、3:1、3:3、5、5:1、14、15、16、19、23、25、27、29、31、32、37、39、42、44、47、49、50等が挙げられる。
紫色染料としては、C.I.アシッドバイオレット1、2、3、4、5、5:1、6、7、7:1、9、11、12、13、14、15、16、17、19、20、21、23、24、25、27、29、30、31、33、34、36、38、39、41、42、43、47、49、51、63、67、72、76、96、97、102、103、109等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクトバイオレット1、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、16、17、18、21、22、25、26、27、28、29、30、31、32、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、45、51、52、54、57、58、61、62、63、64、71、72、77、78、79、80、81、82、83、85、86、87、88、93、97等も挙げられる(赤色色素)
赤色顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、12、14、15、16、17、21、22、23、31、32、37、38、41、47、48、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、50:1、52:1、52:2、53、53:1、53:2、53:3、57、57:1、57:2、58:4、60、63、63:1、63:2、64、64:1、68、69、81、81:1、81:2、81:3、81:4、83、88、90:1、10
1、101:1、104、108、108:1、109、112、113、114、122、123、144、146、147、149、151、166、168、169、170、172、173、174、175、176、177、178、179、181、184、185、187、188、190、193、194、200、202、206、207、208、209、210、214、216、220、221、224、230、231、232、233、235、236、237、238、239、242、243、245、247、249、250、251、253、254、255、256、257、258、259、260、262、263、264、265、266、267、268、269、270、271、272、273、274、275、276、291、295、296等が挙げられる。
赤色顔料と同様にはたらくオレンジ色顔料としては、例えばC.I.ピグメント オレ
ンジ36、38、43、51、55、59、61等のオレンジ色顔料を用いることができる。
赤色染料としては、C.I.アシッドレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22、23、24、25、25:1、26、26:1、26:2、27、29、30、31、32、33、34、35、36、37、39、40、41、42、43、44、45、47、50、52、53、54、55、56、57、59、60、62、64、65、66、67、68、70、71、73、74、76、76:1、80、81、82、83、85、86、87、88、89、91、92、93、97、99、102、104、106、107、108、110、111、113、114、115、116、120、123、125、127、128、131、132、133、134、135、137、138、141、142、143、144、148、150、151、152、154、155、157、158、160、161、163、164、167、170、171、172、173、175、176、177、181、229、231、237、239、240、241、2
42、249、252、253、255、257、260、263、264、266、267、274、276、280、286、289、299、306、309、311、323、333、324、325、326、334、335、336、337、340、343、344、347、348、350、351、353、354、356、388等が挙げられる。
また、C.I.ダイレクトレッド1、2、2:1、4、5、6、7、8、10、10:1、13、14、15、16、17、18、21、22、23、24、26、26:1、28、29、31、33、33:1、34、35、36、37、39、42、43、43:1、44、46、49、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、67、67:1、68、72、72:1、73、74、75、77、78、79、81、81:1、85、86、88、89、90、97、100、101、101:1、107、108、110、114、116、117、120、121、122、122:1、124、125、127、127:1、127:2、128、129、130、132、134、135、136、137、138、140、141、148、149、150、152、153、154、155、156、169、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、186、189、204、211、213、214、217、222、224、225、226、227、228、232、236、237、238等も挙げられる。
また、C.I.ソルベントレッド52、135、146、149、168、179、207等も挙げられる。
上記の染料は、良好な分光特性を有し、発色性に優れるものの、耐光性、耐熱性に問題があり、近赤外線カットフィルタに用いるには、その特性は十分なものではない場合がある。
そのため、これらの欠点を改善するために、塩基性染料の形態の場合は、有機酸や過塩素酸を用いて造塩化して用いることが好ましい。有機酸としては、有機スルホン酸、有機カルボン酸を用いることが好ましい。中でもトビアス酸等のナフタレンスルホン酸、過塩素酸を用いることが耐性の面で好ましい。
また、アニオン基を有する樹脂と造塩化して用いることが好ましく、ベタイン構造を有する樹脂と有機酸とともに造塩して用いることも好ましい。
また、酸性染料、直接染料を含むアニオン性染料の場合は、カチオン性基を有する化合物やカチオン性基を有する樹脂をカウンターイオンとして用いた造塩化合物として用いることが耐熱性、耐光性、耐溶剤性の面で好ましい。
また、カチオン基を有する樹脂と造塩化して用いることが好ましく、側鎖にカチオン基を有する樹脂と有機酸とともに造塩して用いることもより好ましい。
また、アニオン性染料はスルホンアミド化してスルホン酸アミド化合物として用いることでも、耐性の面で好ましい。
塗工用途で、青色顔料はPigment.Blue.15:3もしくはPigment.Blue.15:6、黄色色素はPigment.Yellow.139、紫色色素はPigment.Violet.23を用いることが好ましい。また成形用途で、青色顔料はPigment.Blue.15:3もしくはPigment.Blue.15:6、黄色色素はPigment.Yellow.147、赤色色素はSolvent.Red.52が好ましい。
<紫外線吸収剤>
本発明の近赤外線吸収性組成物には、紫外線吸収剤を含有できる。紫外線吸収剤は、例えば、ベンゾトリアゾール系有機化合物、トリアジン系有機化合物、ベンゾフェノン系有機化合物、シアノアクリレート系有機化合物、およびサリシレート系有機化合物等が挙げられる。
紫外線吸収剤の含有量は、光重合開始剤と紫外線吸収剤との合計100質量%中、5~
70質量%が好ましい。光感度と解像性を高度に両立できる。なお、近赤外線吸収性組成物が増感剤を含む場合、光重合開始剤の含有量に増感剤の含有量を含む。
また、光重合開始剤と紫外線吸収剤の合計含有量は、近赤外線吸収性組成物の不揮発分100質量%中、1~20質量%が好ましい。光重合開始剤と紫外線吸収剤の合計含有量が上記より少ない場合、密着性が弱まり画素はがれが発生し、上記より多い場合には、過剰に高感度となり解像性が悪くなることがある。
ベンゾトリアゾール系有機化合物は、例えば、2-(5メチル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2-ヒドロキシ-5-t-ブチルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、オクチル-3[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェニル]プロピオネートと2-エチルヘキシル-3-[3-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-5-(5-クロロ-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)フェニル]プロピオネートの混合物、2-[2-ヒドロキ
シ-3,5-ビス(α, α-ジメチルベンジル)フェニル]-2H-ベンゾトリアゾール、2
-(3-tブチル-5-メチル-2-ヒドロキシフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾール、2-(3,5-ジ-t-アミル-2-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、5%の2-メ
トキシ-1-メチルエチルアセテートと95%のベンゼンプロパン酸,3-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-(1,1-ジメチルエチル)-4-ヒドロキシ,C7-9側鎖および直鎖アルキルエステルの化合物、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-4,6-ビス(1-メチル-1-フェニルエチル)フェノール、2-(2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(1-メチル-1-フェニルエチル)-4-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)フェノールが挙げられる。
市販品は、BASF社製「TINUVIN P」、「TINUVIN PS」、「TINUVIN 109」、「TINUVIN 234」、「TINUVIN326」、「TI
NUVIN 328」、「TINUVIN 329」、「TINUVIN 360」、「T
INUVIN 384-2」、「TINUVIN 900」、「TINUVIN 928」
、「TINUVIN 99-2」、「TINUVIN 1130」、ADEKA社製「アデカスタブLA-29」、大塚化学社製「RUNA-93」等が挙げられる。
トリアジン系有機化合物は、例えば、2-[4,6-ジ(2,4-キシリル)-1,3,5-トリアジン-2-イル]-5-オクチルオキシフェノール、2‐[4,6‐ビス(2,4‐ジメチルフェニル)‐1,3,5‐トリアジン‐2‐イル]‐5‐[3‐(ドデシルオキシ)‐2‐ヒドロキシプロポキシ]フェノール、2-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジメチルフェニル)-1,3,5-トリアジンと(2-エチルヘキシル-グリシド酸エステルの反応生成物、2,4-ビス「2-ヒドロキシ-4-ブトキシフェニル」-6-(2,4-ジブトキシフェニル)-1,3-5-トリアジン等が挙げられる。
市販品は、ケミプロ化成社製「KEMISORB 102」、BASF社製「TINU
VIN 400」、「TINUVIN 405」、「TINUVIN 460」、「TIN
UVIN 477-DW」、「TINUVIN 479」、「TINUVIN 1577」
、ADEKA社製「アデカスタブLA-46」、「アデカスタブLA-F70」、サンケミカル社製「CYASORB UV-1164」等が挙げられる。
ベンゾフェノン系有機化合物は、例えば、2,4-ジ-ヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン-5-スルフォン酸-3水温、2-ヒドロキシ-4-n-オクトキシベンゾフェノン
、2,2-ジ-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン等が挙げられる。
市販品は、ケミプロ化成社製「KEMISORB 10」、「KEMISORB 11」、「KEMISORB 11S」、「KEMISORB 12」、「KEMISORB1
11」、シプロ化成社製「SEESORB 101」、「SEESORB 107」、ADEKA社製「アデカスタブ1413」等が挙げられる。
<バインダー樹脂>
本発明の近赤外線吸収性組成物は、本発明の色素、およびバインダー樹脂等を含む。
バインダー樹脂は、例えば、厚さ2μmの被膜形成時に可視光領域の400~700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。バインダー樹脂は、熱可塑性樹脂、感光性樹脂等が挙げられる。また、近赤外線吸収性組成物から形成する被膜は、フォトリソグラフィー法でパターニングすることが好ましい。この場合、バインダー樹脂は、アルカリ可溶性樹脂が好ましい。アルカリ可溶性樹脂は、重合性不飽和基を付与して感光性アルカリ可溶性樹脂として使用できる。
熱可塑性樹脂は、例えば、例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレンーマレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、およびポリイミド樹脂等が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂は、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。アルカリ可溶性樹脂は、例えば、「酸性基を有するアクリル樹脂、α-オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、またはイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。これらの中でも、透明性が良好な面で酸性基を有するアクリル樹脂、およびスチレン/スチレンスルホン酸共重合体が好ましく、酸性基を有するアクリル樹脂がより好ましい。
感光性樹脂は、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基等の反応性の置換基を有する高分子にイソシアネート基、アルデヒド基、エポキシ基等の反応性置換基を有する(メタ)アクリル化合物やケイヒ酸を反応させて、(メタ)アクリロイル基、スチリル基等の光架橋性基を該高分子に導入した樹脂が挙げられる。また、スチレン-無水マレイン酸共重合物やα-オレフィン-無水マレイン酸共重合物等の酸無水物を含む高分子をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリル化合物によりハーフエステル化した樹脂も挙げられる。
感光性アルカリ可溶性樹脂は、例えば、下記(i)や(ii)の方法で合成する樹脂が好ましい。これにより近赤外線吸収性組成物から形成した被膜の光照射による架橋密度がより向上する。
[方法(i)]
方法(i)は、例えば、まず、エポキシ基含有モノマー、およびその他モノマーの重合体を合成する。次いで、前記重合体のエポキシ基に、モノカルボキシル基含有モノマーを付加し、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させてアルカリ可溶性樹脂を得る方法が挙げられる。
エポキシ基含有モノマーは、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2-グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらの中でも、反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
モノカルボキシル基含有モノマーは、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o-、m-、p-ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられる。
多塩基酸無水物は、例えば、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられる。
モノマーおよび多塩基酸無水物は、それぞれ単独または2種類以上を併用して使用できる。
また、方法(i)に似た方法として、例えば、カルボキシル基含有モノマー、およびそれ以外のモノマーを合成し重合体を作製する。次いで、前記重合体のカルボキシル基の一部にエポキシ基含有モノマーを付加し、感光性アルカリ可溶性樹脂を得る方法が挙げられる。
[方法(ii)]
方法(ii)は、例えば、水酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー、およびそれ以外のモノマーを合成し重合体を作製する。次いで、前記重合体の水酸基に、イソシアネート基含有モノマーのイソシアネート基を反応させる方法が挙げられる。
水酸基含有モノマーは、例えば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-若しくは3-若しくは4-ヒ
ドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ-バレロラクトン、(ポリ)ε-カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12-ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレートも挙げられる。これらの中でも2-ヒドロキシエチルメタアクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。また、光感度の面でグリセロールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。
イソシアネート基を有するモノマーは、例えば、2-(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート、2-(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1-ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられる。
バインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5,000~100,000が好ましく、7,000~50,000がより好ましい。アルカリ可溶性樹脂として用いる場合、重量平均分子量が、5,000~100,000であると、現像時に膜減りが生じにくく、また現像時に非画素部分の抜け性が良好になる。また数平均分子量(Mn)は2,500~40,000が好ましい。Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。なお、MwおよびMnは。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置としてHLC-8220GPC(東ソー社製)を用い、カラムとしてTSK-GEL SUPER HZM-Nを2連でつなげて使用し、溶媒としてテトラヒドロフランを用いて測定したポリ
スチレン換算分子量である。
アルカリ可溶性樹脂の酸価は、20~300mgKOH/gが好ましい。適度に酸価を有すると現像性が向上する。
バインダー樹脂の使用量は、本発明の色素100質量部に対し、20~500質量部が好ましい。適量使用すると被膜形成が容易になる。
<熱硬化性化合物>
近赤外線吸収性組成物は、熱硬化性化合物を含有できる。加熱工程で架橋密度が向上するため耐熱性が向上する。熱硬化性化合物は、低分子化合物、ポリマー(熱硬化性樹脂)であり分子量で制限されない。
熱硬化性化合物は、例えば、エポキシ化合物、オキセタン化合物、ベンゾグアナミン化合物、ロジン変性マレイン酸化合物、ロジン変性フマル酸化合物、メラミン化合物、尿素化合物、およびフェノール化合物が挙げられる。これらの中でも、エポキシ化合物、オキセタン化合物が好ましい。
<有機溶剤>
近赤外線吸収性組成物は、有機溶剤を含有できる。これにより組成物の粘度調整が容易になる。
有機溶剤は、例えば、例えば乳酸エチル、ベンジルアルコール、1,2,3-トリクロロプロパン、1,3-ブタンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4-ジオキサン、2-ヘプタノン、2-メチル-1,3-プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノン、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メチル-1,3-ブタンジオール、3-メトキシ-3-メチル-1-ブタノール、3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3-メトキシブチルアセテート、4-ヘプタノン、m-キシレン、m-ジエチルベンゼン、m-ジクロロベンゼン、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、n-ブチルアルコール、n-ブチルベンゼン、n-プロピルアセテート、o-キシレン、o-クロロトルエン、o-ジエチルベンゼン、o-ジクロロベンゼン、p-クロロトルエン、p-ジエチルベンゼン、sec-ブチルベンゼン、tert-ブチルベンゼン、γ-ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニ
ルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n-アミル、酢酸n-ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、二塩基酸エステル等が挙げられる。
これらの有機溶剤は、1種を単独で、若しくは2種以上を混合して用いることができる。2種以上の混合溶剤とする場合、上記の有機溶剤が65~95質量%含有されていることが好ましい。
<近赤外線吸収性組成物の作製>
本発明の近赤外線吸収性組成物は、近赤外線吸収性色素、およびバインダー樹脂等を含む混合物を、溶剤等に溶解して作製できる、また、分散剤等を使用して分散しても構わない。また、分散剤および分散助剤(例えば色素誘導体)を使用し、例えば、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、またはアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。
近赤外線吸収性色素を分散する際には、適宜、分散剤(例えば、樹脂型分散剤)、分散助剤(例えば、界面活性剤)等を用いることができる。分散助剤は、近赤外線吸収性色素の分散に優れ、分散後の再凝集を防止する効果が大きいので、分散助剤を用いて近赤外線吸収性色素を分散した場合には、可視域の透過性の高い光学フィルタが得られる。
(分散剤)
本発明の近赤外線吸収性組成物は、近赤外線吸収性色素を分散させるため、分散剤を用いてもよい。分散剤としては、例えば、樹脂型分散剤が挙げられる。
樹脂型分散剤は、色素に吸着する性質を有する色素親和性部位と、色素以外の材料と親和する緩和部位を有する。樹脂型分散剤は、例えば、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸-スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が挙げられる。
樹脂型分散剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
市販の樹脂型分散剤は、例えば、ビックケミー・ジャパン社製のDisperbyk-101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155またはAnti-Terra-U、203、204、またはBYK-P104、P104S、220S、6919、またはLactimon、Lactimon-WSまたはBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE-3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000
、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、BASFジャパン社製のEFKA-46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
(分散助剤)
本発明の近赤外線吸収性組成物は、近赤外線吸収性色素を分散させるため、分散助剤を用いてもよい。分散助剤としては、例えば、界面活性剤、樹脂型分散剤、色素誘導体等が挙げられる。
界面活性剤は、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン-アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等のアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等のノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物等のカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤が挙げられる。これらは単独または2種類以上を併用して使用できる。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合の配合量は、色素100重量部に対し、好ま
しくは0.1~200重量部、さらに好ましくは0.1~150重量部である。適量使用すると良好な分散性が得られる。
色素誘導体は、有機顔料、アントラキノン、アクリドンまたはトリアジンに、塩基性置換基、酸性置換基、または置換基を有していても良いフタルイミドメチル基を導入した化合物があげられ、例えば、特開昭63-305173号公報、特公昭57-15620号公報、特公昭59-40172号公報、特公昭63-17102号公報、特公平5-9469号公報等に記載されているものを使用でき、これらは単独または2種類以上を混合して用いることができる。
色素誘導体の配合量は、添加色素の分散性向上の観点から、色素100重量部に対し、好ましくは0.5重量部以上、さらに好ましくは1重量部以上、最も好ましくは3重量部以上である。また、耐熱性、耐光性の観点から、色素100重量部に対し、好ましくは40重量部以下、さらに好ましくは35重量部以下である。
<光重合性化合物>
近赤外線吸収性組成物は、光重合性化合物、光重合開始剤を含有できる。これにより感光性が得られ、近赤外線カットフィルタ用感光性組成物としても使用することができる。
光重合性化合物は、重合性不飽和基を含有する化合物であり、例えば、モノマー、オリゴマーである。光重合性化合物は、例えば、酸基含有モノマー、ウレタン結合含有モノマー、その他モノマーが挙げられる。
紫外線や熱等により硬化して透明樹脂を生成するモノマー、オリゴマーは、例えば、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンの(メタ)アクリル酸エステル、エポキシ(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、(メタ)アクリルアミド、N-ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N-ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
光重合性化合物は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
光重合性化合物の配合量は、本発明の色素100質量部に対し、5~400質量部が好ましく、10~300質量部がより好ましい。
<光重合開始剤>
光重合開始剤は、例えば、4-フェノキシジクロロアセトフェノン、4-t-ブチル-ジクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1-(4-イソプロピルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルフォリニル)フェニル]-1-ブタノン、または2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタン-1-オン等のアセトフェノン系化合物;
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、またはベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物;
ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4-フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルサルファイド、または3,3’,4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;
チオキサントン、2-クロルチオキサントン、2-メチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4-ジイソプロピルチオキサントン、または2,4-ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物;
2,4,6-トリクロロ-s-トリアジン、2-フェニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(p-メトキシフェニル)-4,6-ビス(トリクロロメ
チル)-s-トリアジン、2-(p-トリル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-ピペロニル-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-スチリル-s-トリアジン、2-(ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2-(4-メトキシ-ナフト-1-イル)-4,6-ビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、2,4-トリクロロメチル-(ピペロニル)-6-トリアジン、または2,4-トリクロロメチル-(4’-メトキシスチリル)-6-トリアジン等のトリアジン系化合物;
1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)-,2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、またはO-(アセチル)-N-(1-フェニル-2-オキソ-2-(4’-メトキシ-ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物;
ビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物;
9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物;
ボレート系化合物;
カルバゾール系化合物;
イミダゾール系化合物;
あるいは、チタノセン系化合物等が挙げられる。
光重合性開始剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
光重合開始剤の配合量は、本発明の色素100質量部に対し、2~200質量部が好ましく、3~150質量部がより好ましい。
<増感剤>
近赤外線吸収性組成物は、増感剤を含有できる。
増感剤は、例えば、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2-ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ-ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、またはミヒラーケトン誘導体、α-アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10-フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4’-ジエチルイソフタロフェノン、3,3’または4,4’-テトラ(t-ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4’-ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。
増感剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
増感剤の配合量は、光重合開始剤100質量部に対し、3~60質量部が好ましく、5
~50質量部がより好ましい。
<多官能チオール>
近赤外線吸収性組成物は、連鎖移動剤として多官能チオールを含有できる。
多官能チオールは、チオール基を2個以上有する化合物であればよく、例えば、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4-ブタンジオールビスチオプロピオネート、1,4-ブタンジオールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオグリコレート、エチレングリコールビスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリスチオグリコレート、トリメチロールプロパントリスチオプロピオネート、トリメチロールプロパントリス(3-メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキスチオグリコレート、ペンタエリスリトールテトラキスチオプロピオネート、トリメルカプトプロピオン酸トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、1,4-ジメチルメルカプトベンゼン、
2、4、6-トリメルカプト-s-トリアジン、2-(N,N-ジブチルアミノ)-4,6-ジメルカプト-s-トリアジン等が挙げられる。
多官能チオールは、単独または2種類以上を併用して使用できる。
多官能チオールの含有量は、近赤外線吸収性組成物の不揮発分100質量%中、0.1~30質量%が好ましく、1~20質量%がより好ましい。適量含有すると適度に架橋した被膜が得やすい。
<酸化防止剤>
近赤外線吸収性組成物は、酸化防止剤を含有できる。酸化防止剤は、光重合開始剤や熱硬化性化合物が、加熱工程によって酸化し黄変することを防止できる。これにより、被膜の透過率を高くできる。
本発明における「酸化防止剤」とは、紫外線吸収機能、ラジカル補足機能、または、過酸化物分解機能を有する化合物である。酸化防止剤は、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、ヒドロキシルアミン系、サルチル酸エステル系、およびトリアジン系の化合物が挙げられる。
これらの中でも、被膜の透過率と感度の両立の観点から、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤またはイオウ系酸化防止剤が好ましく、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、ヒンダードアミン系酸化防止剤、またはリン系酸化防止剤がより好ましい。
酸化防止剤は、単独または2種類以上を併用して使用できる。
酸化防止剤の含有量は、近赤外線吸収性組成物の不揮発分100質量%中、0.5~5.0質量%が好ましい。
<アミン系化合物>
近赤外線吸収性組成物は、溶存している酸素を還元するためアミン系化合物を含有できる。
アミン系化合物は、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4-ジメチルアミノ安息香酸メチル、4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、安息香酸2-ジメチルアミノエチル、4-ジメチルアミノ安息香酸2-エチルヘキシル、及びN,N-ジメチルパラトルイジン等が挙げられる。
<レベリング剤>
近赤外線吸収性組成物は、塗工の際、組成物のレベリング性を向上させるためレベリング剤を含有できる。レベリング剤は、例えば、主鎖にポリエーテル構造またはポリエステル構造を有するジメチルシロキサンが好ましい。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンは、例えば、東レ・ダウコーニング社製FZ-2122、ビックケミー社製BYK-333等が挙げられる。主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンは、例えば、ビックケミー社製BYK-310、BYK-370等が挙げられる。主鎖にポリエーテル構造を有するジメチルシロキサンと、主鎖にポリエステル構造を有するジメチルシロキサンとは、併用できる。レベリング剤の含有量は、近赤外線吸収性組成物の不揮発分100質量%中、0.003~0.5質量%が好ましい。
レベリング剤は、例えば、分子内に疎水基と親水基を有するいわゆる界面活性剤の一種で、親水基を有しながらも水に対する溶解性が小さく、表面張力を下げることができる化合物である。レベリング剤は、ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンが好ましく使用できる。ポリアルキレンオキサイド単位は、例えば、ポリエチレンオキサイド単位、ポリプロピレンオキサイド単位があり、ジメチルポリシロキサンは、ポリエチレンオキサイド単位とポリプロピレンオキサイド単位とを共に有していてもよい。
また、ポリアルキレンオキサイド単位のジメチルポリシロキサンとの結合形態は、ポリアルキレンオキサイド単位がジメチルポリシロキサンの繰り返し単位中に結合したペンダント型、ジメチルポリシロキサンの末端に結合した末端変性型、ジメチルポリシロキサンと交互に繰り返し結合した直鎖状のブロックコポリマー型のいずれであってもよい。ポリアルキレンオキサイド単位を有するジメチルポリシロキサンは、東レ・ダウコーニング社から市販されており、例えば、FZ-2110、FZ-2122、FZ-2130、FZ-2166、FZ-2191、FZ-2203、FZ-2207が挙げられる。
レベリング剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、または両性の界面活性剤を補助的に加えることも可能である。界面活性剤は、2種以上混合して使用しても構わない。
レベリング剤に補助的に加えるアニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のアルカリ塩、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、スチレン-アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル等が挙げられる。
レベリング剤に補助的に加えるカオチン性界面活性剤は、例えば、アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物が挙げられる。レベリング剤に補助的に加えるノニオン性界面活性剤は、例えば、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレート等の;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアルキルベタイン、アルキルイミダゾリン等の両性界面活性剤、また、フッ素系やシリコーン系の界面活性剤等が挙げられる。
<その他の添加剤>
近赤外線吸収性組成物は、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有できる。また、基材との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有できる。
貯蔵安定剤は、例えば、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミン等の4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸等の有機酸およびそのメチルエーテル、t-ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィン等の有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤の含有量は、本発明の色素100質量部に対し、0.1~10質量部が好ましい。
密着向上剤は、例えば、ビニルトリス(β-メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-β(アミノエチル)γ-アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-γ-アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤の含有量は、本発明の色素100質量部に対し、0.01~10質量部が好ましく、0.05~5質量部がより好ましい。
<粗大粒子の除去>
近赤外線吸収性組成物は、遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。このように近赤外線吸収性組成物は、実質的に0.5μm以上の粒子を含まないことが好ましく、0.3μm以下が好ましい。
<成形用途>
本発明の近赤外線吸収色素は、成形用途でも使用できる。なお、成形用途とは、塗工以外の方法でフィルムや三次元体を作製する用途である。
近赤外線吸収性組成物を成形用途に使用する場合、近赤外線吸収色素、およびバインダー樹脂である熱可塑性樹脂の溶融混錬物であることが好ましい。
(熱可塑性樹脂)
熱可塑性樹脂は、例えばポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂等が挙げられる。
(ポリアミド樹脂)
ポリアミド樹脂は、結晶性樹脂であり、例えば、カルボン酸成分と、アミノ基を2個以上有する化合物(Am)とを脱水縮合反応させて合成できる。
カルボン酸成分は、例えば、アジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフタル酸等
が挙げられる。なお、カルボン酸成分は、3以上のカルボキシル基を有する化合物を使用できる。
アミノ基を2個以上有する化合物(Am)は、例えば、公知のものを使用することができ、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン等の脂肪族ポリアミン;イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジアミン等の脂環式ポリアミンを含む脂肪族ポリアミン;フェニレンジアミン、キシリレンジアミン等の芳香族ポリアミン;1,3-ジアミノ-2-プロパノール、1,4-ジアミノ-2-ブタノール、1-アミノ-3-(アミノメチル)-3,5,5-トリメチルシクロヘキサン-1-オール、4-(2-アミノエチル)-4,7,10-トリアザデカン-2-オール、3-(2-ヒドロキシプロピル)-o-キシレン-α,α’-ジアミン等のジアミノアルコールが挙げられる。
ポリアミド樹脂の市販品は、例えば、6ナイロン(東レ社製)、66ナイロン(東レ社製)、610ナイロン等が挙げられる。
(ポリカーボネート樹脂)
ポリカーボネート樹脂は、非晶性樹脂であり、芳香族ジヒドロキシ化合物に、ホスゲン或いは炭酸ジエステル等のカーボネート前駆体を反応させて合成する。ホスゲンを用いる合成反応の場合は、例えば、界面法が好ましい。また、炭酸ジエステルを用いる合成反応の場合、溶融状で反応させるエステル交換法が好ましい。
芳香族ジヒドロキシ化合物は、例えば、例えば、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)プロパン、1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3-t-ブチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3-ブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジブロモフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジクロロフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルエーテル等のジヒドロキシジアリールエーテル類、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルフィドのようなジヒドロキシジアリールスルフィド類、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類、4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類等が挙げられる。また、ピペラジン、ジピペリジルハイドロキノン、レゾルシン、4,4’-ジヒドロキシジフェニル類を混合して使用してもよい。
前記カーボネート前駆体は、例えば、例えば、ホスゲン、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂の粘度平均分子量は、15,000~30,000が好ましく、16,000~27,000がより好ましい。なお、本明細書における粘度平均分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算される値である。
ポリカーボネート樹脂の市販品は、例えば、ユーピロンH-4000(三菱エンジニアリングプラスチック社製、粘度平均分子量16,000)ユーピロンS-3000(三菱エンジニアリングプラスチック社製、粘度平均分子量23,000)、ユーピロンE-2000(三菱エンジニアリングプラスチック社製、粘度平均分子量27,000)等が挙げられる。
(シクロオレフィン樹脂)
シクロオレフィン樹脂は、主鎖および又は側鎖に脂環構造を有する非晶性樹脂である。脂環構造の種類は、例えば、例えば、ノルボルネン重合体、単環の環状オレフィン重合体、環状共役ジエン重合体、およびビニル脂環式炭化水素重合体、ならびにこれらの水素化物等が挙げられる。これらの中でも成形性と透明性に優れることから、ノルボルネン重合体が好ましい。ノルボルネン単量体は、例えば、例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エン(慣用名:ノルボルネン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3,7-ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、7,8-ベンゾトリシクロ[4.3.0.12,5]デカ-3-エン(慣用名:メタノテトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ-3-エン(慣用名:テトラシクロドデセン)等が挙げられる。
シクロオレフィン樹脂の市販品は、例えば、トパス(ポリプラスチックス社製)、アペル(三井化学社製)が挙げられる。
(ポリエーテルイミド樹脂)
ポリエーテルイミド樹脂は、ガラス転移温度が180℃超の非晶性樹脂であり、透明性良好で高強度、高耐熱性、高弾性率および広範な耐薬品性を有している。そのため自動車、遠隔通信、航空宇宙、電気/電子、輸送およびヘルスケア等の多様な用途で広範に使用されている。
ポリエーテルイミド樹脂の製造プロセスの1つは、ビスフェノールA二ナトリウム塩(BPA・Na2)等のジヒドロキシ芳香族化合物のアルカリ金属塩とビス(ハロフタルイミド)との重合によるものである。得られたポリエーテルイミド樹脂の分子量は2つの方法で制御できる。第1の方法は、ジヒドロキシ芳香族化合物のアルカリ金属塩に対して、モル過剰のビス(ハロフタルイミド)を使用することである。第2の方法は、末端キャッピング剤を形成する無水フタル酸等の単官能性化合物の存在下でビス(無水ハロフタル酸)を調製することである。無水フタル酸は、有機ジアミンの一部と反応してモノハロ-ビス(フタルイミド)を形成する。モノハロ-ビス(フタルイミド)は、成長中のポリマー鎖におけるフェノキシド末端基との反応による重合ステップにおいて、末端キャッピング剤として働く。
ポリエーテルイミド樹脂の市販品は、ULTEM(サウジ基礎産業公社製)が挙げられる。
熱可塑性樹脂は、融点が100~500℃の結晶性樹脂、もしくはガラス転移温度が60~300℃の非晶性樹脂が好ましい。なお、融点、ガラス転移温度ともに、示差走査熱量計や熱重量示差熱分析装置等で測定できる。
近赤外線吸収性組成物は、近赤外線吸収性色素、および熱可塑性樹脂以外に添加剤を含有できる。添加剤は、例えば、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、着色剤、分散剤等が挙げられる。これらの添加剤は、成形体用途において公知の化合物である。
(成形用途で用いる添加剤)
紫外線吸収剤は、成形品に紫外線耐性を付与するために使用する。紫外線吸収剤は、例えばベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、サリチル酸エステル系等
が挙げられる。紫外線吸収剤の含有量は、組成物100質量%中に0.01~5質量%が好ましい。
光安定剤は、成形品に紫外線耐性を付与するために使用し、紫外線吸収剤と併用することが好ましい。光安定剤は、例えば、ヒンダードアミン光安定剤が好ましい。光安定剤の含有量は、組成物100質量%中に0.01~5質量%が好ましい。
酸化防止剤は、成形品が自然光又は人口光源を浴びて高温になるときに、成形体の劣化を低減するために使用する。酸化防止剤は、例えばモノフェノール系、ビスフェノール系、高分子型フェノール系、硫黄系、燐酸系等が好ましい。酸化防止剤の含有量は、組成物100質量%中に0.01~5質量%が好ましい。
分散剤は、成形品に近赤外線吸収顔料をより均一に分散させるために使用する。分散剤は、例えば、ポリオレフィンワックス、脂肪酸ワックス、脂肪酸エステルワックス、部分ケン化脂肪酸エステルワックス、ケン化脂肪酸ワックス等が好ましい。分散剤の含有量は、近赤外線吸収顔料100質量部に対して、50~250質量部が好ましい。
(成形用近赤外線吸収性組成物の作製)
成形用近赤外線吸収性組成物は、近赤外線吸収性色素、および熱可塑性樹脂を、溶融混錬することで製造できる。溶融混錬温度は樹脂によって異なるが、230℃以上が好ましく、270℃以上がより好ましい。なお、溶融混錬後、冷却することが好ましい。溶融混錬温度の上限は、熱可塑性樹脂の種類により異なるため限定されない。前記上限は、強いてあげれば500℃以下が好ましく、450℃以下がより好ましい。また、前記上限は、本発明の近赤外線吸収性色素の昇華温度未満、または分解温度未満である必要がある。
溶融混錬装置は、例えば、例えば、単軸混練押出機、二軸混練押出機、タンデム式二軸混練押出機等が挙げられる。
成形用近赤外線吸収性組成物は、いわゆるマスターバッチとして作製することが好ましい。マスターバッチを作製し、次いで、希釈樹脂(熱可塑性樹脂)とともに溶融混錬して成形体を作製すると、マスターバッチを経ず作製した成形体と比較して、本発明の近赤外線吸収性色素を成形体中に均一に分散し易く、該近赤外線吸収性色素の凝集を抑制できる。これにより成形体の透明性が向上する。マスターバッチの作製は、前記溶融混錬後にペレタイザーを使用してペレット状に成形することが好ましい。
マスターバッチとして作製する場合、近赤外線吸収性色素の含有量は、組成物100質量%中に0.01~20質量%が好ましく、0.05~2質量%がより好ましい。
本明細書の成形体は、近赤外線吸収性組成物を成形して作製する。近赤外線吸収性組成物を、そのまま成形して成形体を作製できる。また、近赤外線吸収性組成物がマスターバッチである場合、希釈樹脂(熱可塑性樹脂)とともに溶融混錬し、次いで成形することで成形体を作製できる。マスターバッチ(X)と希釈樹脂(Y)との質量比は、X/Y=1/5~1/500が好ましい。この範囲にすると成形体は、良好な光特性が得やすい。
塗工用または成形用に作製した近赤外線吸収性組成物は、例えば、以下の用途に使用できる。
<用途>
(熱線吸収材)
近赤外線吸収性組成物は、熱線吸収材として使用できる。太陽光には、波長700~2000nmの近赤外線が含まれており、その中でも特に700~1000nmの近赤外線の
強度が強い。近赤外線は物質の温度を上昇させる性質があり、熱線と言われている。その中でも、特に強度の強い700~1000nmの近赤外線を吸収し遮断することで、物質の温度上昇を抑えることができる。
建物や車の窓に、近赤外線吸収性組成物から形成した被膜またはフィルムを配置すると太陽光による部屋や車内の温度上昇を抑える効果がある。また、農業用のビニールハウス等にも上記のフィルムが使用でき、ビニールハウス内の温度上昇を抑える効果がある。また、保護めがね、眼鏡、サングラスについても同様であり、熱線を遮断する効果で使用できる。
(光記録媒体)
近赤外線吸収性組成物は、光記録媒体として使用できる。近赤外線吸収性組成物から形成した被膜または成形体に近赤外線を照射すると、色素の結晶状態が変化し、被膜または成形体の屈折率が変わる。この原理は、光ディスク等の記録媒体に用いられている。
(レーザー溶着材・レーザーマーキング材)
近赤外線吸収性組成物は、レーザー溶着材またはレーザーマーキング材として使用できる。
近赤外線吸収性組成物から形成した被膜または成形体に、近赤外線吸収性色素が吸収する波長のレーザーを照射すると、色素がレーザー光を吸収し発熱することで熱可塑性樹脂が溶融・炭化する。溶融する場合に、他の樹脂と溶着させることができ、この原理を用いたのがレーザー溶着である。また、炭化して黒くなることを用いたのが、レーザーマーキングである。
レーザー溶着の場合、通常はカーボン等を含有させて溶着を行うが、近赤外線吸収性色素の場合、近赤外線のレーザーを照射することで、近赤外線吸収性色素が発熱し、熱可塑性樹脂同士が溶着する。レーザーマーキングも同様に、近赤外線吸収性色素が発熱し、熱可塑性樹脂が溶融・炭化することでマーキングできる。
(光学フィルタ)
近赤外線吸収性組成物は、光学フィルタとして使用できる。例えば、デジタルカメラは、撮像する際に受光する光を赤、緑、青のフィルタで分解し、光を電気信号に変えるフォトダイオードに送ることで、色を認識する。しかしながら、フォトダイオードは近赤外線にも反応して電気信号に変えてしまうので、これを遮断するフィルタが必要である。近赤外線吸収性組成物から形成した被膜または成形体は、この近赤外線を遮断するフィルタとして使用できる。近赤外線を遮断するフィルタは、可視領域に吸収が少ないことが重要である。可視領域に吸収が多いと受光する光に色がついてしまい、フォトダイオードの色の認識に悪影響が出る。本発明の近赤外線吸収性色素は可視領域に吸収が少なく不可視性が高いため、フォトダイオードの色の認識に対する悪影響が少ない。
(生体認証センサー)
近赤外線吸収性組成物は、生体認証(指紋認証や静脈認証)用のセンサー、あるいはそのセンサーが組み込まれたタッチセンサー、タッチパネルに使用できる。
例えば、スマートフォン、タブレットパソコン等、他には銀行ATM、マルチメディア端末等にはセキュリティ保護のため指紋認証、手指静脈認証等の生体認証機能が搭載されている。特にスマートフォン、タブレットパソコンに用いる指紋認証技術の発展は目まぐるしく、フォトダイオードが無機系から有機系に代わるのに伴い、認証範囲が画面サイズに増大(フルスクリーン化)し、有機ELディスプレイ、液晶ディスプレイ等にディスプレイ内蔵型指紋認証センサーが開発されている。
しかし、ディスプレイ内蔵型指紋センサーはディスプレイ内に設置された各種光源を指紋に照射して、その反射光をセンシングするという光学方式が多いため、外部の不正な光(太陽光やLED照明のような広範囲の波長を持ち、且つ、強い光)がセンサーに入射され
ると、撮像時のノイズになる問題があり、屋外での使用には精度面でやや不安が残る。銀行ATM、マルチメディア端末用途での手指静脈認証も同様で、照明の強い店舗や陽当たりのいい店舗では外光カットのためにカバーを被せる等の対策とられている。
本発明の近赤外線吸収性組成物を使用した被膜や成形体は、外部の不正な光のセンサーへの入射を吸収、防ぎこれらの課題に対し効果がある。
例えばスマートフォン、タブレットパソコンに使用する場合、パネル前面にセットする場合、意匠性も兼ね備える必要があるが、本発明の塗布用近赤外線吸収性組成物を用いた材料、塗布して得た塗膜、もしくは成形用近赤外線吸収性組成物を用いて得た成形品においては、可視領域に吸収がなく不可視性、即ち透明性が高いため好適に使用できる利点がある。また、本発明の近赤外線吸収性組成物は耐熱性に優れているため、センサー、あるいはそのセンサーが組み込まれたタッチセンサー、タッチパネルを製造する上での工程面においても好ましく使用できる。
また、生体認証用途でノイズとなる外光は、生体を透過する650nm~1000nmの光であり、特に650nm~800nmの光は生活空間に溢れているため、この波長領域の光をカットすることが生体認証の精度をより高める。青色色素や緑色色素は可視光の領域である650nm~700nmにも吸収がある場合が多く、青色色素や緑色色素と近赤外線吸収顔料を組み合わせることで、不可視性は低下するが生体認証の精度をより高めることができる。
青色色素は、例えば、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:1等が挙げられる。緑色色素は、例えば、C.I.ピグメントグリーン36、C.I.ピグメントグリーン58、C.I.ピグメントグリーン59、C.I.ピグメントグリーン62、C.I.ピグメントグリーン63が挙げられる。なお、C.I.は、カラーインデックス(C.I.)を意味する。
(ディスプレイ)
近赤外線吸収性組成物から形成した被膜または成形体は、ディスプレイに組み込むこともできる。具体的には、電子黒板のようなタッチパネル機能付き液晶ディスプレイが挙げられる。このタッチパネル機能付き液晶ディスプレイは、表示・書き込み・保存の3つの機能が備わっており、これに内蔵されるタッチパネルにおいても、赤外性走査方式や赤外線投影方式等の光学方式が採用されており、前述した外光によるノイズが問題であった。タッチパネル機能付き液晶ディスプレイは、学校等での用途も多いため精度およびタッチに対する反応の良さは重要である。本発明の塗布用近赤外線吸収性組成物を塗布して得た塗膜、もしくは成形用近赤外線吸収性組成物を用いて得た成形品をディスプレイに組み込むことでノイズとなる外光をカットできるため好ましいものである。
また、前記被膜または前記成形体は、液晶や有機EL、Mini-LED、Micro-LEDを用いた各種ディスプレイの反射防止膜としても好ましく使用できる。可視光のみならず近赤外領域の光の反射も抑えることによって、ディスプレイでの黒表示がより黒くできるメリットがある。本発明の近赤外線吸収性組成物は耐熱性に優れているため、ディスプレイ製造において必要とされる工程の耐性についても好ましく使用できる。
(近赤外線透過フィルタ)
波長940nm等の波長のLEDが普及し、自動運転における距離測定や生体認証(指紋認証、虹彩認証、顔認証、静脈認証等、または、それらの併用)、さまざまなセンサーにおける光検出に使用されている。しかし、大気中には紫外線、可視光、近赤外線等あらゆる波長の光線が存在するため、検出する波長の光以外を遮断するフィルタが必要になる。そのため700~900nmの光を吸収する近赤外線吸収性色素と、可視光を吸収する色素、紫外線吸収剤等と組み合わせることにより、近赤外線吸収性色素の吸収波長より長波長の光のみ透過させ、短波長の光は遮蔽する近赤外線透過フィルタとして使用できる。本発明の近赤外線吸収性組成物は、700~900nmの光を良好に吸収するため、400~700nmを吸収する有機色素と組み合わせることで、940nmの光線を透過し、それよりも短波長の光線を遮蔽する近赤外線透過フィルタとして優れる。
なお、上述したように、近赤外線吸収性組成物を使用した光学フィルタには、近赤外線カットフィルタ及び近赤外線透過フィルタがある。近赤外線カットフィルタは、主に近赤外線吸収性色素により構成され、近赤外線を遮断し可視光を透過させる役割を持つ。一方、近赤外線透過フィルタは、近赤外線吸収性色素の他に可視光を吸収する青色、赤色、黄色等の色素により構成し、可視光と該近赤外線吸収性色素が吸収する波長領域の近赤外線を遮断し、さらにそれより長波長の近赤外線を透過させる役割を持つ。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されない。なお、「部」は「質量部」、「%」は「質量%」を意味する。
なお、以下、「PGMAc」はプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを、「PGME」はプロピレングリコールモノメチルエーテルを、「アロニックスM-402」)はジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを、「OXE-02」)はエタノン,1-[9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-,1-(0-アセチルオキシム)を意味する。
(ガリウムフタロシアニン色素、インジウムナフタロシアニン色素、シリコンナフタロシアニン色素、ゲルマニウムナフタロシアニン色素、スズナフタロシアニン色素および近赤外線吸収性色素の同定方法)
本発明に用いたガリウムフタロシアニン色素、インジウムナフタロシアニン色素、シリコンナフタロシアニン色素、ゲルマニウムナフタロシアニン色素、スズナフタロシアニン色素および近赤外線吸収性色素の同定には、MALDI TOF-MSスペクトルを用いた。MALDI TOF-MSスペクトルは、ブルカー・ダルトニクス社製MALDI質量分析装置autoflexIIIを用い、得られたマススペクトラムの分子イオンピーク
と、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。
(樹脂型分散剤およびバインダー樹脂の酸価)
樹脂型分散剤およびバインダー樹脂の酸価は、0.1Nの水酸化カリウム・エタノール溶液を用い、電位差滴定法によって求めた。樹脂型分散剤およびバインダー樹脂の酸価は、不揮発分の酸価を示す。
(酸性樹脂型分散剤およびバインダー樹脂の重量平均分子量(Mw))
酸性樹脂型分散剤およびバインダー樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC-8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
(塩基性樹脂型分散剤の重量平均分子量(Mw))
塩基性樹脂型分散剤の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC-8120GPC)で、展開溶媒に3mMトリエチルアミン及び10mMLiBrのN,N-ジメチルホルムアミド溶
液を用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
(樹脂型分散剤のアミン価)
樹脂型分散剤のアミン価は、0.1Nの塩酸水溶液を用い、電位差滴定法によって求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した。樹脂型分散剤のアミン価は、不揮発分のアミン価を示す。
(樹脂型分散剤の4級アンモニウム塩価)
樹脂型分散剤の4級アンモニウム塩価は、5%クロム酸カリウム水溶液を指示薬として、0.1Nの硝酸銀水溶液で滴定して求めた後、水酸化カリウムの当量に換算した。下記樹脂型分散剤の4級アンモニウム塩価は、不揮発分の4級アンモニウム塩価を示す。
<近赤外線吸収性色素の製造>
(ナフタロシアニン顔料(A-1)の合成)
反応容器中で、2,3―ジシアノナフタレン178部、n-アミルアルコール890部、DBU(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)137部と三塩化ガリウム40部を混合攪拌し、昇温後136℃で5時間還流した。攪拌したまま30℃まで冷却した反応溶液を、メタノール5000部、水10000部からなる混合溶媒中へ攪拌しながら注入し、青色のスラリーを得た。このスラリーを濾過し、メタノール2000部、水4000部からなる混合溶媒で洗浄し、乾燥して、159部の下記化学式(1-1)で表されるクロロガリウムナフタロシアニン顔料(1-1)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。
クロロガリウムナフタロシアニン顔料(1-1)
Figure 2022091099000012



次いで、反応容器中で、濃硫酸1500部に上記クロロガリウムナフタロシアニン顔料159部を氷浴下にて加え、1時間攪拌を行った。続けて、この硫酸溶液を3℃の冷水1000部に注入し、生成した析出物をろ過、水洗、2.5%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、水洗の順で処理を行い、乾燥して、120部のナフタロシアニン顔料(A-1)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は799.49であった。
ナフタロシアニン顔料(A-1)
Figure 2022091099000013



(ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-1)の合成で使用した2,3―ジシアノナフタレン178部、n-アミルアルコール890部、DBU(1,8-Diazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene)137部の代わりに、それぞれ、1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-4,9-ジオール227部、キノリン1135部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-1)の合成と同様の操作を行い、125部のナフタロシアニン顔料(A-2)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は927.48であった。
ナフタロシアニン顔料(A-2)
Figure 2022091099000014



(ナフタロシアニン顔料(A-3)の合成)
濃硫酸1500部に上記ナフタロシアニン顔料(A-1)100部を氷浴下にて加えた。その後、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン151部を徐々に加え、25℃で6時間撹拌を行った。続けて、この硫酸溶液を3℃の冷水9000部に注入し、生成した析出物をろ過、水洗、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、水洗の順で処理を行い、乾燥して、170部のナフタロシアニン顔料(A-3)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。得られたナフタロシアニン顔料(A-3)について臭素置換数を算出したところ、平均8.4個であり、マススペクトラムからも同一の分子量に相当するピークを確認し、目的の化合物を同定した。分子量は1462.25であった。
ナフタロシアニン顔料(A-3)
Figure 2022091099000015



(ナフタロシアニン顔料(A-4)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成で使用した1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-4,9-ジオール227部の代わりに、4,9-ジブトキシ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-1,3(2H)-ジイミン339部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成と同様の操作を行い、237部のナフタロシアニン顔料(A-4)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は1376.33であった。
ナフタロシアニン顔料(A-4)
Figure 2022091099000016



(ナフタロシアニン顔料(A-5)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成で使用した1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-4,9-ジオール227部の代わりに、4,9-ジクロロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-1,3(2H)-ジイミン264部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成と同様の操作を行い、185部のナフタロシアニン顔料(A-5)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は1075.05であった。
ナフタロシアニン顔料(A-5)
Figure 2022091099000017



(ナフタロシアニン顔料(A-6)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成で使用した1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-4,9-ジオール227部の代わりに、5-ニトロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-1,3(2H)-ジイミン232部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成と同様の操作を行い、162部のナフタロシアニン顔料(A-6)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は937.27であった。
ナフタロシアニン顔料(A-6)
Figure 2022091099000018



(ナフタロシアニン顔料(A-7)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成で使用した1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-4,9-ジオール227部の代わりに、1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-6,7-ジカルボニトリル245部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成と同様の操作を行い、171部のナフタロシアニン顔料(A-7)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は999.56であった。
ナフタロシアニン顔料(A-7)
Figure 2022091099000019



(ナフタロシアニン顔料(A-8)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成で使用した1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-4,9-ジオール227部の代わりに、1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-5-カルボン酸239部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成と同様の操作を行い、167部のナフタロシアニン顔料(A-8)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は975.53であった。
ナフタロシアニン顔料(A-8)
Figure 2022091099000020



(ナフタロシアニン顔料(A-9)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成で使用した1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-4,9-ジオール227部の代わりに、1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-5-スルホン酸275部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成と同様の操作を行い、192部のナフタロシアニン顔料(A-9)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は1119.74であった。
ナフタロシアニン顔料(A-9)
Figure 2022091099000021



(ナフタロシアニン顔料(A-10)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成で使用した1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-4,9-ジオール227部の代わりに、4-フェニル-1H-ベンゾ[f]イソインドール-1,3(2H)-ジイミン271部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成と同様の操作を行い、190部のナフタロシアニン顔料(A-10)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は1103.87であった。
ナフタロシアニン顔料(A-10)
Figure 2022091099000022



(ナフタロシアニン顔料(A-11)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成で使用した1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-4,9-ジオール227部の代わりに、6,7-ジメチル-1H-ベンゾ[f]イソインドール-1,3(2H)-ジイミン223部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成と同様の操作を行い、156部のナフタロシアニン顔料(A-11)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は911.70であった。
ナフタロシアニン顔料(A-11)
Figure 2022091099000023



(ナフタロシアニン顔料(A-12)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成で使用した1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-4,9-ジオール227部の代わりに、5-(ネオペンチルオキシ)-1H-ベンゾ[f]イソインドール-1,3(2H)-ジイミン281部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成と同様の操作を行い、197部のナフタロシアニン顔料(A-12)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は1144.02であった。
ナフタロシアニン顔料(A-12)
Figure 2022091099000024



(ナフタロシアニン顔料(A-13)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成で使用した1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-4,9-ジオール227部の代わりに、6-フェノキシ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-1,3(2H)-ジイミン287部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成と同様の操作を行い、201部のナフタロシアニン顔料(A-13)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は1167.87であった。
ナフタロシアニン顔料(A-13)
Figure 2022091099000025



(ナフタロシアニン顔料(A-14)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成で使用した1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-4,9-ジオール227部の代わりに、6-(イソプロピルチオ)-1H-ベンゾ[f]イソインドール-1,3(2H)-ジイミン269部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成と同様の操作を行い、188部のナフタロシアニン顔料(A-14)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は1096.07であった。
ナフタロシアニン顔料(A-14)
Figure 2022091099000026



(ナフタロシアニン顔料(A-15)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成で使用した1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-4,9-ジオール227部の代わりに、6-(フェニルチオ)-1H-ベンゾ[f]イソインドール-1,3(2H)-ジイミン303部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成と同様の操作を行い、212部のナフタロシアニン顔料(A-15)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は1232.13であった。
ナフタロシアニン顔料(A-15)
Figure 2022091099000027



(ナフタロシアニン顔料(A-16)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成で使用した1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-4,9-ジオール227部の代わりに、N-tert-ブチル-1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-6-アミン266部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成と同様の操作を行い、186部のナフタロシアニン顔料(A-16)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は1083.97であった。
ナフタロシアニン顔料(A-16)
Figure 2022091099000028



(ナフタロシアニン顔料(A-17)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成で使用した1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-4,9-ジオール227部の代わりに、1,3-ジイミノ-N-p-トリル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-6-アミン300部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成と同様の操作を行い、210部のナフタロシアニン顔料(A-17)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は122
0.04であった。
ナフタロシアニン顔料(A-17)
Figure 2022091099000029



(ナフタロシアニン顔料(A-18)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成で使用した1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-4,9-ジオール227部の代わりに、6-シクロヘキシル-1H-ベンゾ[f]イソインドール-1,3(2H)-ジイミン277部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成と同様の操作を行い、194部のナフタロシアニン顔料(A-18)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は1128.06あった。
ナフタロシアニン顔料(A-18)
Figure 2022091099000030



(ナフタロシアニン顔料(A-19)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成で使用した1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-4,9-ジオール227部の代わりに、1,3-ジイミノ-N、N-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-6-スルホンアミド302部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成と同様の操作を行い、211部のナフタロシアニン顔料(A-19)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピー
クと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は1228.01であった。
ナフタロシアニン顔料(A-19)
Figure 2022091099000031




(ナフタロシアニン顔料(A-20)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成で使用した1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-4,9-ジオール227部の代わりに、6,7-ジクロロ-4,9-ジメトキシ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-1,3(2H)-ジイミン324部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成と同様の操作を行い、227部のナフタロシアニン顔料(A-20)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は1315.26であった。
ナフタロシアニン顔料(A-20)
Figure 2022091099000032



(ナフタロシアニン顔料(A-21)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成で使用した1,3-ジイミノ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-4,9-ジオール227部の代わりに、4,9-ジブロモ-6-エトキシ-1H-ベンゾ[f]イソインドール-1,3(2H)-ジイミン397部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成と同様の操作を
行い、278部のナフタロシアニン顔料(A-21)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は1606.87であった。
ナフタロシアニン顔料(A-21)
Figure 2022091099000033



(ナフタロシアニン顔料(A-22)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-1)の合成で使用した三塩化ガリウム40部の代わりに、三塩化インジウム50部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-1)の合成と同様の操作を行い、140部のナフタロシアニン顔料(A-22)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は844.58であった。
ナフタロシアニン顔料(A-22)
Figure 2022091099000034



(ナフタロシアニン顔料(A-23)の合成)
濃硫酸1500部に上記ナフタロシアニン顔料(A-22)100部を氷浴下にて加えた。その後、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン151部を徐々に加え、25℃で6時間撹拌を行った。続けて、この硫酸溶液を3℃の冷水9000部に注入し、生成した析出物をろ過、水洗、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、水洗の順で処理を行い、乾燥して、180部のナフタロシアニン顔料(A-23)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。得られたナフタ
ロシアニン顔料(A-23)について臭素置換数を算出したところ、平均8.4個であり、マススペクトラムからも同一の分子量に相当するピークを確認し、目的の化合物を同定した。分子量は1507.35であった。
ナフタロシアニン顔料(A-23)
Figure 2022091099000035



(ナフタロシアニン顔料(A-24)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-5)の合成で使用した三塩化ガリウム40部の代わりに、三塩化インジウム50部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-5)の合成と同様の操作を行い、197部のナフタロシアニン顔料(A-24)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は1120.14であった。
ナフタロシアニン顔料(A-24)
Figure 2022091099000036



(ナフタロシアニン顔料(A-25)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-1)の合成で使用した三塩化ガリウム40部の代わりに、四塩化ケイ素43部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-1)の合成と同様の操作を行い、121部のナフタロシアニン顔料(A-25)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は774.86であった。
ナフタロシアニン顔料(A-25)
Figure 2022091099000037



(ナフタロシアニン顔料(A-26)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成で使用した三塩化ガリウム40部の代わりに、四塩化ケイ素43部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-2)の合成と同様の操作を行い、7部のナフタロシアニン顔料(A-26)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は902.85であった。
ナフタロシアニン顔料(A-26)
Figure 2022091099000038



(ナフタロシアニン顔料(A-27)の合成)
濃硫酸1500部に上記ナフタロシアニン顔料(A-25)100部を氷浴下にて加えた。その後、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン151部を徐々に加え、25℃で6時間撹拌を行った。続けて、この硫酸溶液を3℃の冷水9000部に注入し、生成した析出物をろ過、水洗、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、水洗の順で処理を行い、乾燥して、170部のナフタロシアニン顔料(A-27)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。得られたナフタロシアニン顔料(A-27)について臭素置換数を算出したところ、平均8.4個であり、マススペクトラムからも同一の分子量に相当するピークを確認し、目的の化合物を同定した。分子量は1420.62であった。
ナフタロシアニン顔料(A-27)
Figure 2022091099000039



(ナフタロシアニン顔料(A-28)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-4)の合成で使用した三塩化ガリウム40部の代わりに、四塩化ケイ素43部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-4)の合成と同様の操作を行い、223部のナフタロシアニン顔料(A-28)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は1050.42であった。
ナフタロシアニン顔料(A-28)
Figure 2022091099000040



(ナフタロシアニン顔料(A-29)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-5)の合成で使用した三塩化ガリウム40部の代わりに、四塩化ケイ素43部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-5)の合成と同様の操作を行い、166部のナフタロシアニン顔料(A-29)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は1334.70であった。
ナフタロシアニン顔料(A-29)
Figure 2022091099000041



(ナフタロシアニン顔料(A-30)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-6)の合成で使用した三塩化ガリウム40部の代わりに、四塩化ケイ素43部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-6)の合成と同様の操作を行い、151部のナフタロシアニン顔料(A-30)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は912.64であった。
ナフタロシアニン顔料(A-30)
Figure 2022091099000042



(ナフタロシアニン顔料(A-31)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-1)の合成で使用した三塩化ガリウム40部の代わりに、四塩化ゲルマニウム53部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-1)の合成と同様の操作を行い、125部のナフタロシアニン顔料(A-31)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は819.41であった。
ナフタロシアニン顔料(A-31)
Figure 2022091099000043



(ナフタロシアニン顔料(A-32)の合成)
濃硫酸1500部に上記ナフタロシアニン顔料(A-31)100部を氷浴下にて加えた。その後、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン151部を徐々に加え、25℃で6時間撹拌を行った。続けて、この硫酸溶液を3℃の冷水9000部に注入し、生成した析出物をろ過、水洗、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、水洗の順で処理を行い、乾燥して、170部のナフタロシアニン顔料(A-32)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。得られたナフタロシアニン顔料(A-32)について臭素置換数を算出したところ、平均8.4個であり、マススペクトラムからも同一の分子量に相当するピークを確認し、目的の化合物を同定した。分子量は1465.16であった。
ナフタロシアニン顔料(A-32)
Figure 2022091099000044



(ナフタロシアニン顔料(A-33)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-5)の合成で使用した三塩化ガリウム40部の代わりに、四塩化ゲルマニウム53部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-5)の合成と同様の操作を行い、185部のナフタロシアニン顔料(A-33)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は1094.97であった。
ナフタロシアニン顔料(A-33)
Figure 2022091099000045



(ナフタロシアニン顔料(A-34)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-1)の合成で使用した三塩化ガリウム40部の代わりに、四塩化スズ65部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-1)の合成と同様の操作を行い、140部のナフタロシアニン顔料(A-34)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は865.48であった。
ナフタロシアニン顔料(A-34)
Figure 2022091099000046



(ナフタロシアニン顔料(A-35)の合成)
濃硫酸1500部に上記ナフタロシアニン顔料(A-34)100部を氷浴下にて加えた。その後、1,3-ジブロモ-5,5-ジメチルヒダントイン151部を徐々に加え、25℃で6時間撹拌を行った。続けて、この硫酸溶液を3℃の冷水9000部に注入し、生成した析出物をろ過、水洗、1%水酸化ナトリウム水溶液洗浄、水洗の順で処理を行い、乾燥して、180部のナフタロシアニン顔料(A-35)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。得られたナフタロシアニン顔料(A-35)について臭素置換数を算出したところ、平均8.4個であり、マススペクトラムからも同一の分子量に相当するピークを確認し、目的の化合物を同定した。分子量は1511.24であった。
ナフタロシアニン顔料(A-35)
Figure 2022091099000047



(ナフタロシアニン顔料(A-36)の合成)
ナフタロシアニン顔料(A-5)の合成で使用した三塩化ガリウム40部の代わりに、四塩化スズ65部を使用した以外は、ナフタロシアニン顔料(A-5)の合成と同様の操作を行い、200部のナフタロシアニン顔料(A-36)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は1141.04であった。
ナフタロシアニン顔料(A-36)
Figure 2022091099000048



(比較ナフタロシアニン顔料(K-1)の合成)
クロロガリウムナフタロシアニン顔料(1-1)の合成と同様の操作を行い、127部のナフタロシアニン顔料(K-1)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は817.93であった。
比較ナフタロシアニン顔料(K-1)
Figure 2022091099000049



(比較ナフタロシアニン顔料(K-2)の合成)
クロロガリウムナフタロシアニン顔料(1-1)の合成で使用した三塩化ガリウム40部の代わりに、四塩化ケイ素40部を使用した以外は、クロロガリウムナフタロシアニン顔料(1-1)の合成と同様の操作を行い、127部のナフタロシアニン顔料(P-2)を得た。TOF-MSによる質量分析および元素分析の結果、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって、得られた化合物を同定した。分子量は881.75であった。
比較ナフタロシアニン顔料(K-2)
Figure 2022091099000050



<樹脂(B)の製造方法>
(樹脂(B-1)の合成)
攪拌装置、温度計、還流冷却管及び窒素導入管を備えた反応器に、PGMAc100部、メチル4-シアノ-4-(ドデシルチオカルボノチオイルチオ)ペンタノエート(以下
、「BM1448」と略記する。)3部を仕込み、窒素雰囲気中で80℃に昇温した後、メチルメタクリレート48部、エチルメタクリレート29部、ターシャリーブチルアクリレート19部、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(以下、「V6
5」と略記する。)1部からなる混合物を4時間かけて滴下した。滴下終了後、90℃に2時間保持した後、さらに、2-メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート(以下、「P-1M」と略記する。分子量228)5部及びPGME100部からなる混合物を1時間で滴下した。次いで、90℃に12時間保持した後、PGMEを添加することで、樹脂(B-1)の30質量%溶液を得た。この樹脂(B-1)のTgは37℃であった。
<近赤外線吸収性色素の製造方法>
[実施例1]
(近赤外線吸収性色素(C-1)の合成)
下記の手順でナフタロシアニン顔料(A-1)とリン化合物とからなる近赤外線吸収性色素を製造した。 N - メチルピロリドン200部に4部のジフェニルリン酸を添加し、十分に攪拌混合を行った後、50℃に加熱した。この溶液に、10部のナフタロシアニン顔料(A-1)を少しずつ添加した後、90℃で120分攪拌した。反応の終点確認は、例えば、濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点とした。続けて、この反応溶液を水2000部に注入し、生成した析出物をろ過、水洗の順で処理を行い、乾燥して、11部の近赤外線吸収性色素(C-1)を得た。
近赤外線吸収性色素(C-1)
Figure 2022091099000051




[実施例2~62、比較例1~4]
以下、ナフタロシアニン顔料とリン化合物を表1-1および表1-2の量に変更した以外は近赤外線吸収性色素(C-1)と同様にして、近赤外線吸収性色素(C-2)~(C-62)、(C-65)~(C-68)を合成した。
以下に、実施例2~64、比較例1~4で得られた近赤外吸収性色素(C-2)~(C-62)、(C-65)~(C-68)の構造式を示す。
Figure 2022091099000052




Figure 2022091099000053




Figure 2022091099000054




Figure 2022091099000055




[実施例63]
(近赤外線吸収性色素(C-63)の合成)
下記の手順でナフタロシアニン顔料(A-1)と樹脂(B-1)とからなる近赤外線吸収性色素(C-63)を合成した。N - メチルピロリドン200部に65部の樹脂(B-1)を添加し、十分に攪拌混合を行った後、50℃に加熱した。この溶液に、10部のナフタロシアニン顔料(A-1)を少しずつ添加した後、90℃で120分攪拌した。反
応の終点確認は、例えば、濾紙に反応液を滴下して、にじみがなくなったところを終点とした。続けて、この反応溶液を水2000部に注入し、生成した析出物をろ過、水洗の順で処理を行い、乾燥して、63部の近赤外線吸収性色素(C-63)を得た。
この時、ナフタロシアニン顔料(A-1)と、樹脂(B-1)に含まれるP-1Mのモル比率は、ナフタロシアニン顔料(A-1)/樹脂(B-1)に含まれるP-1M =0.9/1であった。
[実施例64]
(近赤外線吸収性色素(C-64)の合成)
近赤外吸収性色素(C-63)の合成で使用したナフタロシアニン顔料(A-1)10部の代わりに、ナフタロシアニン顔料(A-25)10部を使用した以外は、近赤外吸収性色素(C-63)の合成と同様の操作を行い、63部の近赤外吸収性色素を得た。
この時、ナフタロシアニン顔料(A-25)と、樹脂(B-1)に含まれるP-1Mのモル比率は、ナフタロシアニン顔料(A-25)/樹脂(B-1)に含まれるP-1M =0.9/1であった。
Figure 2022091099000056




Figure 2022091099000057



<バインダー樹脂溶液の製造方法>
(バインダー樹脂溶液の調整):ランダム共重合体
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン70.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換
した後、滴下管よりn-ブチルメタクリレート13.3部、2-ヒドロキシエチルメタクリレート4.6部、メタクリル酸4.3部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)7.4部、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル0.4部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、重量平均分子量(Mw)26000のアクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートを添加してバインダー樹脂溶液を調製した。
<樹脂型分散剤の製造方法>
(樹脂型分散剤1溶液):ブロック共重合体
[モノマー(b-1)の合成]
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、メタクリル酸2-イソシアナトエチル60部、3-(ジメチルアミノ)プロピルアミン29部、THF120部を仕込み、室温で5時間撹拌した。FT-IRで反応が完結していることを確認したのち、ロータリーエバポレーターで溶媒を留去し、淡黄色透明の液体として、下記のモノマー(b-1)を73部得た(収率82%)。得られた化合物の同定は、1H-NMRで実施した。
モノマー(b-1)
Figure 2022091099000058



[モノマー(b-2)の合成]
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、モノマー(b-1)の合成で得られた、モノマー(b-1)6.6部、イオン交換水5部を仕込み、室温で撹拌したのち、35%塩酸水溶液8部を滴下した。アミン価測定で反応が完結していることを確認し、淡黄色透明液体として、モノマー(b-2)水溶液を20部得た。得られた化合物の同定は、1H-NMRで実施した。
モノマー(b-2)
Figure 2022091099000059



ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、メチルメタクリレート17.7部、n-ブチルメタクリレート53.2部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル2.6部、塩化第一銅5.6部、PGMAc100部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応槽に、PGMAc20部、第二ブロックモノマーとしてモノマー(b-1)21.2部、モノマー(b-2)水溶液27部(不揮発分38%)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40質量%になるようにPGMAcを添加した。このようにして、不揮発分当たりのアミン価が50mgKOH/g、4級アンモニウム塩価が20mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,800、不揮発分が40質量%である、塩基性の樹脂型分散剤1溶液を得た。
(樹脂型分散剤2溶液):ブロック共重合体
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、メチルメタクリレート60部、nーブチルメタクリレート20部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル9.3部、塩化第一銅5.6部、PGMAc133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応装置に、PGMAc61部、第二ブロックモノマーとしてジメチルアミノエチルメタクリレート20部(以下、DMという)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。ジメチルアミノエチルメタクリレート投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40質量%になるようにPGMAcを添加した。このようにして、不揮発分当たりのアミン価が71.4mgKOH/g、重量平均分子量9900(Mw)、不揮発分が40質量%のポリ(メタ)アクリレート骨格であり、3級アミノ基を有する、塩基性の樹脂型分散剤2溶液を得た。
(樹脂型分散剤3溶液):ブロック共重合体
ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応装置に、メチルメタクリレート60部、nーブチルメタクリレート20部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル9.3部、塩化第一銅5.6部、PGMAc133部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応装置に、PGMAc61部、第二ブロックモノマーとしてメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド水溶液25.6部(三菱レイヨン社製「アクリエステルDMC78」)を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認し、反応溶液を室温まで冷却して重合を停止した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40質量%になるようにPGMAcを添加した。このようにして、不揮発分当たりのアミン価が29.4mgKOH/g、重量平均分子量9800(Mw)、不揮発分が40質量%のポリ(メタ)アクリレート骨格であり、4級アンモニウム塩基を有する、塩基性の樹脂型分散剤3溶液を得た。
(樹脂型分散剤4溶液):ブロック共重合体
攪拌機、温度計を備えた反応容器に、4-ジメチルアミノ-1,2-エポキシブタン55部、テトラヒドロフラン(THF)120部を仕込み、70℃で加熱撹拌し、メタクリル酸35部を60分かけて滴下した。滴下完了後、70℃でさらに2時間加熱撹拌しH-NMRで反応が完結していることを確認したのち、室温に放冷した。反応溶液を、イオン交換水300部、飽和炭酸水素ナトリウム200部、飽和食塩水200部で順次洗浄後、有機層に硫酸マグネシウム20gを加え、撹拌後、ろ過を行った。得られた溶液の溶媒をロータリーエバポレーターで留去し、淡黄色透明の液体として、下記の構造含有モノマー(b-3)を31部得た(収率42%。得られた化合物の同定は、H-NMRで実施した。
エチレン性不飽和単量体(b-3)
Figure 2022091099000060



ガス導入管、コンデンサー、攪拌翼、及び温度計を備え付けた反応槽に、メチルメタクリレート17.6部、n-ブチルメタクリレート52.8部、テトラメチルエチレンジアミン13.2部を仕込み、窒素を流しながら50℃で1時間撹拌し、系内を窒素置換した。次に、ブロモイソ酪酸エチル2.6部、塩化第一銅5.6部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部を仕込み、窒素気流下で、110℃まで昇温して第一ブロックの重合を開始した。4時間重合後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して重合転化率が98%以上であることを確認した。
次に、この反応槽に、PGMAc25部、第二ブロックモノマーとして、エチレン性不
飽和単量体(b-3)25.1部を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま撹拌し、反応を継続した。エチレン性不飽和単量体(b-3)投入から2時間後、重合溶液をサンプリングして不揮発分測定を行い、不揮発分から換算して第二ブロックの重合転化率が98%以上であることを確認した。
さらに、この反応装置に、ベンジルクロライド4.5部を投入し、110℃・窒素雰囲気下を保持したまま3時間撹拌し、その後冷却した。
先に合成したブロック共重合体溶液に不揮発分が40質量%になるようにPGMAcを添加した。このようにして、不揮発分当たりのアミン価が50mgKOH/g、4級アンモニウム塩価が20mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)9,800、不揮発分が40質量%である、塩基性の樹脂型分散剤4溶液を得た。
(樹脂型分散剤5溶液)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレート50部、n-ブチルメタクリレート50部、PGMAc45.4部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を70℃に加熱して、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール6部を添加して、さらにAIBN(アゾビスイソブチロニトリル)0.12部を加え、12時間反応した。不揮発分測定により95%が反応したことを確認した。次に、ピロメリット酸無水物9.7部、PGMAc70.3部、触媒としてDBU(1,8-ジアザビシクロ-[5.4.0]-7-ウンデセン)0.20部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了した。PGMAcを加えて不揮発分40%に調整した。このようにして、酸価43、重量平均分子量9000、ポリ(メタ)アクリレート骨格であり、芳香族カルボキシル基を有する、酸性の樹脂型分散剤5溶液を得た。
(樹脂型分散剤6溶液)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、3-メルカプト-1,2-プロパンジオール6部、ピロメリット酸無水物9.7部、モノブチルスズオキシド0.01部、PGMAc88.9部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を100℃に加熱して、7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認した後、系内の温度を70℃に冷却し、メチルメタクリレート50部とn-ブチルメタクリレート30部と、ヒドロキシメチルメタクリレート20部を仕込み、AIBN0.12部とPGMAc26.8部を添加して、10時間反応した。不揮発分測定により重合が95%進行したことを確認し反応を終了した。PGMAcを加えて不揮発分40%に調整し、酸価43、重量平均分子量9000、ポリ(メタ)アクリレート骨格であり、芳香族カルボキシル基を有する、酸性の樹脂型分散剤6溶液を得た。
(樹脂型分散剤7溶液)
BYK-P104 (ビックケミー・ジャパン製:不揮発分50%)に、PGMAcを加えて不揮発分40%に調整し、樹脂型分散剤7溶液を得た。
(樹脂型分散剤8溶液)
Disperbyk-171 (ビックケミー・ジャパン製:不揮発分39.5%) に、
PGMAcを加えて不揮発分40%に調整し、樹脂型分散剤8溶液を得た。
(樹脂型分散剤9溶液)
Disperbyk-142 (ビックケミー・ジャパン製:不揮発分60%) に、PG
MAcを加えて不揮発分40%に調整し、樹脂型分散剤9溶液を得た。
(樹脂型分散剤10溶液)
下記共重合体の不揮発分40%PGMAc溶液
Figure 2022091099000061



<近赤外吸収性組成物の製造>
[実施例65]
近赤外線吸収性組成物(D-1)
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで3時間分散した後、0.5μmのフィルタで濾過し、近赤外線吸収性組成物を作製した。
近赤外線吸収性色素(C-1) :10.0部
樹脂型分散剤1溶液 : 7.5部
バインダー樹脂溶液 :35.0部
PGMAc :47.5部
[実施例66~146、比較例5~8]
以下、近赤外線吸収性色素、樹脂型分散剤溶液、バインダー樹脂溶液、溶剤を表2-1および表2-2に示す組成、量に変更した以外は近赤外線吸収性組成物(D-1)と同様にして、近赤外線吸収性組成物(D-2)~(D-82)および、(D-111)~(D-114)を調整した。
[実施例147]
近赤外線吸収性組成物(D-83)
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで3時間分散した後、0.5μmのフィルタで濾過し、近赤外線吸収性組成物を作製した。
近赤外線吸収性色素(C-1) :7.0部
他の近赤外線吸収性色素(X-1) :3.0部
樹脂型分散剤1溶液 :7.5部
バインダー樹脂溶液 :35.0部
PGMAc :47.5部
[実施例148~174]
以下、近赤外線吸収性色素、樹脂型分散剤溶液、バインダー樹脂溶液、溶剤を表2-1に示す組成、量に変更した以外は近赤外線吸収性組成物(D-83)と同様にして、近赤外線吸収性組成物(D-84)~(D-110)を調整した。なお、(X-1)~(X-
14)は、以下に示す他の近赤外線吸収性色素である。
Figure 2022091099000062




Figure 2022091099000063




Figure 2022091099000064




Figure 2022091099000065




Figure 2022091099000066



Figure 2022091099000067



Figure 2022091099000068



<近赤外線吸収性組成物の評価>
実施例および比較例で得られた近赤外線吸収性組成物(D-1~114)について、分光特性、耐性(耐光性、耐熱性)に関する試験を下記の方法で行った。なお、◎は非常に良好なレベル、○は良好なレベル、△は実用レベル、×は実用には適さないレベルである。結果を表3に示す。
(分散安定性の評価)
得られた近赤外線吸収性組成物の粘度を測定し、初期粘度とした。さらに、40℃で7日間の促進試験を行い、経時促進粘度を測定した。促進による変化率として、「促進経時粘度/初期粘度」を算出し、分散安定性を下記基準で評価した。
◎ :1.05未満
○ :1.05以上、1.10未満
△ :1.10以上、1.3未満
× :1.3以上
(分光特性1の評価)
得られた近赤外線吸収性組成物を1.1mm厚のガラス基板上にスピンコーターを用いて、乾燥後の膜厚が1.0μmになるようにスピンコートし、60℃で5分乾燥した後、230℃で5分加熱し、基板を作製した。得られた基板の分光を分光光度計(U-4100
日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて300~1000nmの波長範囲の吸収スペクトルを測定した。得られた基板について、700~900nmにおける吸光度の最大値(W)と、480~650nmにおける吸光度の最小値(X)の比率(W/X)を求め、以下の基準で評価した。なお、この比率(W/X)が大きいほど、700~900nmにおける吸収に対し、比視感度の高い領域(480nm~650nm)で最も吸収の低い波長における吸収が小さく、透過性が最大となる波長における透過性が高いと言える。
◎ :30以上
○ :15以上、30未満
△ :5以上、15未満
× :5未満
(分光特性2の評価)
上記で得られた基板について、700~900nmにおける吸光度の最大値(W)と、480~650nmにおける吸光度の最大値(Y)の比率(W/Y)を求め、以下の基準で評価した。なお、この比率(W/Y)が大きいほど、700~900nmにおける吸収に対し、比視感度の高い領域(480nm~650nm)における吸収が小さく、人の目に明るく感じられる領域の透過性が高いと言える。
◎ :2.0以上
○ :1.5以上、2.0未満
△ :1.0以上、1.5未満
× :1.0未満
(耐光性試験)
分光特性評価と同じ手順で試験用基板を作製し、耐光性試験機(TOYOSEIKI社製「SUNTEST CPS+」)に入れ、24時間放置した。近赤外線吸収膜の分光極
大吸収波長における吸光度を測定し、光照射前のそれに対する残存比を求め、耐光性を、下記基準で評価した。なお、残存率の算出は、以下の式を用いて算出した。
残存率=(照射後の吸光度)÷(照射前の吸光度)×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が90%以上、95%未満
× :残存率 が90%未満
(耐熱性試験)
分光特性評価と同じ手順で試験用基板を作製し、耐熱性試験として210℃で20分追
加加熱した。近赤外線吸収膜の分光極大吸収波長における吸光度を測定し、耐熱性試験前のそれに対する残存比を求め、耐熱性を、下記基準で評価した。なお、残存率の算出は、以下の式を用いて算出した。
残存率=(耐熱性試験後の吸光度)÷(耐熱性試験前の吸光度)×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が90%以上、95%未満
× :残存率 が90%未満
Figure 2022091099000069



表3の結果より実施例65~174は、比視感度の高い480nm~650nmに吸収が少なく、かつ近赤外線吸収能に優れており、700nm~900nmにおける近赤外線吸収能にも優れ、更には耐光性、耐熱性に優れている。
<感光性近赤外線吸収性組成物の製造>
[実施例175]
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1 .0μmのフィルタで濾過して
、感光性近赤外線吸収性組成物(R-1) を得た。
近赤外線吸収性組成物(D-1) :50.0部
バインダー樹脂溶液 : 7.5部
光重合性開始剤(東亞合成社製「アロニックスM-402」) : 2.0部
光重合開始剤(BASFジャパン社製「OXE-02」) : 1.5部
PGMAc :39.0部
[実施例176~194および比較例9~12]
以下、近赤外線吸収性組成物を表4に示す近赤外線吸収性組成物の種類に変更した以外は感光性近赤外線吸収性組成物(R-1)と同様にして感光性近赤外線吸収性組成物(R-2)~(R-24)を得た。
<感光性近赤外線吸収性組成物の評価>
実施例および比較例で得られた感光性近赤外線吸収性組成物(R-1)~(R-24)について、分光特性、耐性(耐熱性、耐光性、)に関する試験を下記の方法で行った。なお、◎は非常に良好なレベル、○は良好なレベル、△は実用可能レベル、×は実用には適さないレベルである。結果を表4に示す。
(分散安定性の評価)
得られた感光性近赤外線吸収性組成物の粘度を測定し、初期粘度とした。さらに、40℃で7日間の促進試験を行い、経時促進粘度を測定した。
促進による変化率として、促進経時粘度/初期粘度 を算出し、下記基準で評価した。
◎ :1.05未満
○ :1.05以上、1.10未満
△ :1.10以上、1.3未満
× :1.3以上
(分光特性1の評価)
得られた感光性近赤外線吸収性組成物を1.1mm厚のガラス基板上にスピンコーターを用いて、乾燥後の膜厚が1.0μmになるようにスピンコートし、60℃で5分乾燥した後、230℃で5分加熱し、基板を作製した。得られた基板の分光を分光光度計(U-4100 日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて300~1000nmの波長範囲の吸収スペクトルを測定した。得られた基板について、700~900nmにおける吸光度の最大値(W)と、480~650nmにおける吸光度の最小値(X)の比率(W/X)を求め、以下の基準で評価した。
◎ :30以上
○ :15以上、30未満
△ :5以上、15未満
× :5未満
(分光特性2の評価)
上記で得られた基板について、700~900nmにおける吸光度の最大値(W)と、480~650nmにおける吸光度の最大値(Y)の比率(W/Y)を求め、以下の基準で評価した。
◎ :2.0以上
○ :1.5以上、2.0未満
△ :1.0以上、1.5未満
× :1.0未満
(耐光性試験)
分光特性評価と同じ手順で試験用基板を作製し、耐光性試験機(TOYOSEIKI社製「SUNTEST CPS+」)に入れ、24時間放置した。近赤外線吸収膜の分光極
大吸収波長における吸光度を測定し、光照射前のそれに対する残存比を求め、耐光性を下記基準で評価した。なお、残存率の算出は、以下の式を用いて算出した。
残存率=(照射後の吸光度)÷(照射前の吸光度)×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が90%以上、95%未満
× :残存率 が90%未満
(耐熱性試験)
分光特性評価と同じ手順で試験用基板を作製し、耐熱性試験として210℃で20分追加加熱した。近赤外線吸収膜の分光極大吸収波長における吸光度を測定し、耐熱性試験前のそれに対する残存比を求め、耐熱性を下記基準で評価した。なお、残存率の算出は、以下の式を用いて算出した。
残存率=(耐熱性試験後の吸光度)÷(耐熱性試験前の吸光度)×100
◎ :残存率 が95%以上
○ :残存率 が90%以上、95%未満
× :残存率 が90%未満
Figure 2022091099000070
表4の結果から実施例175~194は、比視感度の高い480nm~650nmに吸収が少なく、かつ近赤外線吸収能に優れており、700nm~900nmにおける近
赤外線吸収能にも優れ、更には耐光性、耐熱性に優れている
<近赤外線カットフィルタの製造>
[実施例195~200]
本発明の感光性近赤外線吸収性組成物(R-1)を1.1mm厚のガラス基板上に、スピンコーターで塗布し、プリベイクとして、100℃のホットプレートで1分加熱処理した。
次いで、超高圧水銀灯USH-200DP(ウシオ電機(株)製)を使用して、100
μm四方の近赤外吸収カットフィルタを形成するためフォトマスクを通して露光量1000mJ/cmにてパターン露光を行った。
露光後の被膜を0.2質量%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として用い、現像液圧0.1mPaでシャワー現像法にて被膜の未硬化部分を除去して400μm×400μmのパターンを形成させた。その後、100℃で120分ポストベークした。熱処理後の近赤外吸収カットフィルタ(F-1)の膜厚は1.0μmであった。
感光性近赤外線吸収性組成物(R-2)~(R-6)についても、近赤外吸収カットフィルタ(F-1)と同様にして近赤外線カットフィルタ(F-2)~(F-6)を得た。
<近赤外線カットフィルタの評価>
近赤外線カットフィルタ(F-1)~(F-6)について、分光特性、耐久性(耐熱性、耐光性)に関する試験を感光性近赤外線吸収性組成物評価と同様な方法で行った。結果を表5に示す。
Figure 2022091099000071
表5の結果から実施例195~200は、分光特性が優れていた。比視感度の高い480nm~650nmに吸収が少なく、かつ近赤外線吸収能に優れており、700nm~900nmにおける近赤外線吸収能にも優れ、更には耐光性、耐熱性に優れている。そのため、近赤外線カットフィルタに好適である
<400nm~700nmに吸収を持つ有機色素を含有する近赤外線吸収性組成物(可視光領域吸収性組成物)の製造>
(青色着色組成物)
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで3時間分散した後、0.5μmのフィルタで濾過し、青色着色組成物を作製した。
C.I.ピグメントブルー PB15:6 :10.0部
樹脂型分散剤2溶液 : 7.5部
バインダー樹脂溶液 :35.0部
PGMAc :47.5部
(紫色着色組成物)
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用
いて、アイガーミルで3時間分散した後、0.5μmのフィルタで濾過し、紫色着色組成物を作製した。
C.I.ピグメントバイオレット PV23 :10.0部
樹脂型分散剤2溶液 : 7.5部
バインダー樹脂溶液 :35.0部
PGMAc :47.5部
(黄色着色組成物)
下記の組成の混合物を均一に撹拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミルで3時間分散した後、0.5μmのフィルタで濾過し、黄色着色組成物を作製した。
C.I.ピグメントイエロー PY139 :10.0部
樹脂型分散剤2溶液 : 7.5部
バインダー樹脂溶液 :35.0部
PGMAc :47.5部
[実施例201]
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、可視光領域吸収性組成物(P-1)を得た。
近赤外線吸収性組成物(D-1) :10.0部
青色顔料組成物 :20.0部
紫色顔料組成物 :10.0部
黄色顔料組成物 :10.0部
バインダ樹脂溶液 : 7.5部
光重合性化合物(東亞合成社製「アロニックスM-402」) : 2.0部
光重合開始剤(BASFジャパン社製「OXE-02」) : 1.5部
PGMAc :39.0部
[実施例202~210]
以下、近赤外線吸収性組成物を表6に示す近赤外線吸収性組成物の種類に変更した以外は可視光領域吸収性組成物(P-1)と同様にして可視光領域吸収性組成物(P-2)~(P-10)を得た。
得られた可視光領域吸収性組成物を1.1mm厚のガラス基板上にスピンコーターを用いて、膜厚2.0μmになるようにスピンコートし、60℃で5分乾燥した後、230℃で5分加熱し、基板を作製した。
フィルタの機能は、例えば、近赤外線の透過が可能か否か、およびそれ以外の波長領域の光線をカットできるか否かである。
以下、940nmの透過率、ならびに400~800nmの波長域の吸収性を評価した。
(400~800nm吸収性)
得られた基板に対し、分光光度計(U-4100 日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて400~800nmの波長範囲の透過スペクトルを測定した。
○:400~800nm全領域において、透過率が2%未満
△:400~800nmの一部領域において、透過率が2%以上
×:400~800nm全領域において、透過率が2%以上
(940nm透過性)
得られた基板に対し、分光光度計(U-4100 日立ハイテクノロジーズ社製)を用
いて940nmの透過率を測定した。
○ :80%以上
△ :40%以上80%未満
× :40%未満
(耐光性試験)
得られた基板を、耐光性試験機(TOYOSEIKI社製「SUNTEST CPS+
」)に入れ、24時間放置した。この際、放射照度47mW/cm2、300~800nmの広帯の光にて試験を実施した。その後、分光光度計(U-4100 日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて400~800nmの波長範囲の透過スペクトルを測定した。
○:400~800nm全領域において、透過率が2%未満
△:400~800nmの一部領域において、透過率が2%以上
×:400~800nm全領域において、透過率が2%以上
(耐熱性試験)
得られた基板を、耐熱性試験として210℃で20分追加加熱した。その後、分光光度計(U-4100 日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて400~800nmの波長範囲の透過スペクトルを測定した。
○:400~800nm全領域において、透過率が2%未満
△:400~800nmの一部領域において、透過率が2%以上
×:400~800nm全領域において、透過率が2%以上
Figure 2022091099000072
表6の結果から実施例201~210は、近赤外線吸収性色素と400~700nmの可視光に吸収のある色素を共に含むことで、400~800nm全領域の光を吸収し、940nmの近赤外線を透過できる。
<成形用近赤外線吸収性組成物の製造>
(熱可塑性樹脂(E))
(E-1)ポリエステルMA-2101M(ポリエステル樹脂、ユニチカ社製、結晶性樹脂、融点264℃)
(E-2)アミランCM3001-N(ポリアミド樹脂、東レ社製、結晶性樹脂、融点265℃)
(E-3)ユーピロンS-3000(ポリカーボネート樹脂、三菱エンジニアリングプラスチック社製、非晶性樹脂、ガラス転移温度145℃)
(E-4)トパス(シクロオレフィン樹脂、ポリプラスチックス社製、非晶性樹脂、ガラス転移温度78℃)
(E-5)アペル(シクロオレフィン樹脂、三井化学社製、非晶性樹脂、ガラス転移温度135℃)
(E-6)ULTEM(ポリエーテルイミド樹脂、サウジ基礎産業公社製、非晶性樹脂、ガラス転移温度217℃)
[実施例112]
(マスターバッチの製造)
近赤外線吸収色素1(C-1)を1部と、熱可塑性樹脂(E-1)99部とを同じ供給口からスクリュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、300℃で溶融混錬した上で、ペレタイザーを用いてペレット状にカッティングしてマスターバッチ(M-1)を作製した。
(フィルム成形)
[実施例211]
希釈樹脂の熱可塑性樹脂(E-1)95部に対して、得られたマスターバッチ(M-1)5部を混合し、T-ダイ成形機(東洋精機製)を用いて、温度300℃で溶融混合し、厚さ250μmのフィルム(Q-1)を成形した。
[実施例212~256、比較例13~16]
実施例211と同様に、表7-1記載の材料を用いて、厚さ250μmのフィルム(Q-2)~(Q-50)を成形した。
Figure 2022091099000073



<近赤外線吸収性>
(分光特性1の評価)
得られたフィルムに対し、分光を分光光度計(U-4100 日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて300~1000nmの波長範囲の吸収スペクトルを測定した。得られた基板について、700~900nmにおける吸光度の最大値(W)と、480~650nmにおける吸光度の最小値(X)の比率(W/X)を求め、以下の基準で評価した。
◎ :30以上
○ :15以上、30未満
△ :5以上、15未満
× :5未満
(分光特性2の評価)
得られたフィルムに対し、700~900nmにおける吸光度の最大値(W)と、480~650nmにおける吸光度の最大値(Y)の比率(W/Y)を求め、以下の基準で評価した。
◎ :2.0以上
○ :1.5以上、2.0未満
△ :1.0以上、1.5未満
× :1.0未満
(透明性)
得られたフィルムの透明性を目視で評価した。
〇: 全く濁りが認められない。
△: 若干濁りが認められる。
×: 明らかに濁りが認められる。
(耐光性)
近赤外線吸収性評価と同じ手順で試験用フィルムを作製し、耐光性試験機(TOYOSEIKI社製「SUNTEST CPS+」)に入れ、放射照度47mW/cm、30
0~800nmの広帯の光を照射し、24時間放置した。次いで、試験用フィルムを取り出し、当該試験用フィルムの極大吸収波長における吸光度を測定し、光照射前の前記吸光度に対する残存比を求め、耐光性を、下記基準で評価した。なお、残存率の算出は、以下の式を用いて算出した。
残存率=(照射後の吸光度)÷(照射前の吸光度)×100
○ :残存率 が90%以上
△ :残存率 が85%以上90%未満
× :残存率 が85%未満、
Figure 2022091099000074
表7-2の結果から実施例211~256は、比視感度の高い480nm~650nmに吸収が少なく、かつ近赤外線吸収能に優れており、700nm~900nmにおける近赤外線吸収能にも優れ、更には耐光性に優れている
<成形用可視光領域吸収性組成物の製造>
[実施例257]
(マスターバッチの製造)
近赤外線吸収性色素(C-1)を1部、ピグメントブルー15:3を1部、ピグメントイエロー147を1部、ソルベントレッド52を1部、熱可塑性樹脂(E-1)96部とを同じ供給口からスクリュー径30mmの二軸押出機(日本製鋼所社製)に投入し、300℃で溶融混錬した上で、ペレタイザーを用いてペレット状にカッティングしてマスターバッチ(MP-1)を作製した。
(フィルム成形)
希釈樹脂の熱可塑性樹脂(E-1)95部に対して、得られたマスターバッチ(MP-1)5部を混合し、T-ダイ成形機(東洋精機製)を用いて、温度300℃で溶融混合し、厚さ250μmのフィルム(QP-1)を成形した。
[実施例258~268]
実施例257と同様に、表8-1記載の材料を用いて、厚さ250μmのフィルム(QP-2)~(QP-12)を成形した。
Figure 2022091099000075
得られたフィルムに対し、近赤外線フィルタの適性有無を評価した。フィルタの機能は、例えば、近赤外線の透過が可能か否か、およびそれ以外の波長領域の光線をカットできるか否かである。
以下、940nmの透過率、ならびに400~800nmの波長域の吸収性を評価した。
(400~800nm吸収性)
得られたフィルムに対し、分光光度計(U-4100 日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて400~800nmの波長範囲の透過スペクトルを測定した。
○:400~800nm全領域において、透過率が2%未満
△:400~800nmの一部領域において、透過率が2%以上
×:400~800nm全領域において、透過率が2%以上
(940nm透過性)
得られたフィルムに対し、分光光度計(U-4100 日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて940nmの透過率を測定した。
○ :80%以上
△ :40%以上80%未満
× :40%未満
(透明性)
得られたフィルムの透明性を目視で評価した。
〇: 全く濁りが認められない。
△: 若干濁りが認められる。
×: 明らかに濁りが認められる。
(耐光性)
得られたフィルムを、耐光性試験機(TOYOSEIKI社製「SUNTEST CP
S+」)に入れ、24時間放置した。この際、放射照度47mW/cm2、300~800nmの広帯の光にて試験を実施した。その後、分光光度計(U-4100 日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて400~800nmの波長範囲の透過スペクトルを測定した。
○:400~800nm全領域において、透過率が2%未満
△:400~800nmの一部領域において、透過率が2%以上
×:400~800nm全領域において、透過率が2%以上
Figure 2022091099000076
表8-2の結果から実施例257~268は、近赤外線吸収性色素と400~700nmの可視光に吸収のある色素を共に含むことで、400~800nm全領域の光を吸収し、940nmの近赤外線を透過できる。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)または下記一般式(4)で表される近赤外線吸収性色素。
    Figure 2022091099000077




    [一般式(1)中、R1~R24は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、カルボキシル基、スルホン基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、または、置換基を有してもよいスルファモイル基を表す。
    1は、Ga、Inを表す。
    1は、一般式(2)で表される単量体単位を含む重合体部位、または一般式(3)で表
    されるリン化合物部位であり、*は、Mとの結合手である。
    一般式(2)中、Xは、-CONH-R25-、-COO-R26-、-CONH-R27-O-、または-COO-R28-O-であり、R25~R28は、アルキレン基、アリーレン基、または炭素原子と炭素原子の間に、-O-、-CO-、-COO-、-OCO-、-CONH-、もしくは-NHCO-で連結されたアルキレン基もしくはアリーレン基を表す。Yは、水素原子もしくはメチル基を表す。
    一般式(3)中、R29およびR30は、それぞれ独立に、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシル基または置換基を有してもよいアリールオキシ基を表し、R29とR30は、互いに結合して環を形成しても良い。]

    一般式(4)
    Figure 2022091099000078




    [一般式(4)中、R31~R54は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基
    、ニトリル基、カルボキシル基、スルホン基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいシクロアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシル基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルチオ基、置換基を有してもよいアリールチオ基、置換基を有してもよいアルキルアミノ基、置換基を有してもよいアリールアミノ基、または、置換基を有してもよいスルファモイル基を表す。
    2は、Si、Ge、Snを表す。
    2およびZ3は、それぞれ独立に、前記一般式(2)で表される単量体単位を含む重合体部位、または前記一般式(3)で表されるリン化合物部位であり、*は、Mとの結合手である。]
  2. 請求項1記載の近赤外線吸収性色素、およびバインダー樹脂を含む、近赤外線吸収性組成物。
  3. さらに光重合性化合物、および光重合開始剤を含有する、請求項2に記載の近赤外線吸収性組成物。
  4. さらに400nm~700nmに吸収を持つ有機色素を含有する、請求項2または3に記載の近赤外線吸収性組成物。
  5. 基材上に、請求項2~4いずれか1項に記載の近赤外線吸収性組成物により形成されてなる塗膜を有する、光学フィルタ。
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