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JP2022073039A - スピン素子、磁気アレイ及びスピン素子の製造方法 - Google Patents

スピン素子、磁気アレイ及びスピン素子の製造方法 Download PDF

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JP2022073039A
JP2022073039A JP2020182794A JP2020182794A JP2022073039A JP 2022073039 A JP2022073039 A JP 2022073039A JP 2020182794 A JP2020182794 A JP 2020182794A JP 2020182794 A JP2020182794 A JP 2020182794A JP 2022073039 A JP2022073039 A JP 2022073039A
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JP2020182794A
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英嗣 小村
Hidetsugu Komura
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TDK Corp
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Abstract

【課題】動作効率の高いスピン素子、磁気アレイ及びスピン素子の製造方法を提供する。【解決手段】このスピン素子は、第1方向に延びる配線と、前記配線上に積層され、第1強磁性層を含む積層体と、前記積層体上に積層され、前記第1方向と交差する第2方向に延びる読出し配線と、を備え、前記読出し配線の前記積層体側の第1面の前記第1方向の幅は、前記積層体の前記読出し配線側の第2面の前記第1方向の幅以下である。【選択図】図3

Description

本発明は、スピン素子、磁気アレイ及びスピン素子の製造方法に関する。
微細化に限界が見えてきたフラッシュメモリ等に代わる次世代の不揮発性メモリに注目が集まっている。例えば、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、ReRAM(Resistance Randome Access Memory)、PCRAM(Phase Change Random Access Memory)等が次世代の不揮発性メモリとして知られている。
MRAMは、磁気抵抗効果素子を用いたメモリ素子である。磁気抵抗効果素子の抵抗値は、二つの磁性膜の磁化の向きの相対角の違いによって変化する。MRAMは、磁気抵抗効果素子の抵抗値をデータとして記録する。
磁気抵抗変化を利用したスピン素子の中でも、スピン軌道トルク(SOT)を利用したスピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子(例えば、特許文献1)や、磁壁の移動を利用した磁壁移動型磁気記録素子(例えば、特許文献2)に注目が集まっている。これらのスピン素子は、トランジスタ等の半導体素子と配線で接続されて制御される。
特開2017-112358号公報 特許第5441005号公報
スピン素子に用いられる配線は、材料が制限される場合がある。例えば、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子の場合は、強磁性層に多くのスピンを注入するために、配線に重金属を用いる場合が多い。また例えば、磁壁移動型磁気記録素子の場合は、配線が磁性膜である必要がある。これらの配線は、使用できる材料に制限があることもあり、発熱源となりやすい。一方で、これらの配線で生じる熱を効率的に排熱するために、他の配線等を近接させると配線間にキャパシタンスが生じ、書き込み電流の一部が漏洩し、書き込み効率が低下する場合がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、動作効率の高いスピン素子、磁気アレイ及びスピン素子の製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を提供する。
(1)第1の態様にかかるスピン素子は、第1方向に延びる配線と、前記配線上に積層され、第1強磁性層を含む積層体と、前記積層体上に積層され、前記第1方向と交差する第2方向に延びる読出し配線と、を備え、前記読出し配線の前記積層体側の第1面の前記第1方向の幅は、前記積層体の前記読出し配線側の第2面の前記第1方向の幅以下である。
(2)上記態様にかかるスピン素子において、前記積層体の側壁と前記読出し配線の側壁とが連続してもよい。
(3)上記態様にかかるスピン素子は、前記配線に接続された第1導電層と第2導電層とをさらに備え、前記第1導電層と前記第2導電層とは、積層方向から見て、前記積層体を挟み、前記第1導電層と前記積層体との前記第1方向の距離は、前記積層体の前記積層方向の厚さより短くてもよい。
(4)上記態様にかかるスピン素子において、前記読出し配線は、積層方向から見て、前記積層体と重なる位置で狭窄していてもよい。
(5)上記態様にかかるスピン素子は、前記配線に接続された第1導電層と第2導電層とをさらに備え、前記第1導電層と前記第2導電層とは、積層方向から見て前記積層体を挟み、前記積層体の前記第1方向の幅は、前記第1導電層と前記積層体との前記第1方向の距離より広くてもよい。
(6)上記態様にかかるスピン素子は、前記積層体の側壁及び前記読出し配線の側壁に接する絶縁層をさらに備え、前記絶縁層は、AlN又はMgOであってもよい。
(7)上記態様にかかるスピン素子は、前記配線に接続された書き込み配線と共通配線とをさらに備え、前記書き込み配線と前記共通配線とのうち少なくとも一方は、積層方向から見て、前記読出し配線と重なる部分を有してもよい。
(8)上記態様にかかるスピン素子において、前記読出し配線は、前記第1方向の幅が、前記第1面及び前記第1面と対向する第2面より狭い部分を有してもよい。
(9)上記態様にかかるスピン素子において、前記読出し配線の積層方向の厚みは、前記読出し配線の前記第1方向の幅より狭くてもよい。
(10)上記態様にかかるスピン素子は、前記積層体の側壁及び前記読出し配線の側壁が積層方向に対して傾斜していてもよい。
(11)上記態様にかかるスピン素子において、前記積層体は、前記配線に近い側から順に、前記第1強磁性層、非磁性層、第2強磁性層を有してもよい。
(12)上記態様にかかるスピン素子において、前記積層体は、前記配線に近い側から順に、非磁性層、前記第1強磁性層を有してもよい。
(13)第2の態様にかかる磁気アレイは、上記態様にかかるスピン素子を複数備えてもよい。
(14)第3の態様にかかるスピン素子の製造方法は、配線層と強磁性層を含む積層膜を順に積層する工程と、前記配線層及び前記積層膜を同時に加工し、第1方向に延びる、配線及び積層構造体を形成する工程と、前記配線及び前記積層構造体の側面を絶縁層で被覆する工程と、前記絶縁層及び前記積層構造体上に、第2配線層を積層する工程と、前記積層構造体及び前記第2配線層を同時に加工し、積層体及び前記第1方向と交差する第2方向に延びる読出し配線とする工程と、を有する。
本発明にかかるスピン素子及び磁気アレイは、動作効率の高い。また本発明にかかるスピン素子の製造方法は、動作効率に優れたスピン素子を簡便に作製できる。
第1実施形態にかかる磁気アレイの回路図である。 第1実施形態にかかる磁気アレイの特徴部分の断面図である。 第1実施形態にかかる磁気アレイの特徴部分の平面図である。 第1実施形態にかかる磁気抵抗効果素子の断面図である。 第1実施形態にかかる磁気抵抗効果素子の別の断面図である。 第1実施形態にかかる磁気抵抗効果素子の製造方法の一例を説明するための図である。 第1実施形態にかかる磁気抵抗効果素子の製造方法の一例を説明するための図である。 第1実施形態にかかる磁気抵抗効果素子の製造方法の一例を説明するための図である。 第1実施形態にかかる磁気抵抗効果素子の製造方法の一例を説明するための図である。 第1変形例にかかる磁気抵抗効果素子の断面図である。 第2実施形態にかかる磁壁移動素子の断面図である。 第3実施形態にかかる磁化回転素子の断面図である。
以下、本実施形態について、図を適宜参照しながら詳細に説明する。以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などは実際とは異なっていることがある。以下の説明において例示される材料、寸法等は一例であって、本発明はそれらに限定されるものではなく、本発明の効果を奏する範囲で適宜変更して実施することが可能である。
まず方向について定義する。後述する基板Sub(図2参照)の一面の一方向をx方向、x方向と直交する方向をy方向とする。x方向は、例えば、第1導電層31から第2導電層32へ向かう方向である。x方向は、第1方向の一例である。y方向は、第2方向の一例である。z方向は、x方向及びy方向と直交する方向である。z方向は、積層方向の一例である。以下、+z方向を「上」、-z方向を「下」と表現する場合がある。上下は、必ずしも重力が加わる方向とは一致しない。
本明細書で「x方向に延びる」とは、例えば、x方向、y方向、及びz方向の各寸法のうち最小の寸法よりもx方向の寸法が大きいことを意味する。他の方向に延びる場合も同様である。また本明細書で「接続」とは、物理的に接続される場合に限定されない。例えば、二つの層が物理的に接している場合に限られず、二つの層の間が他の層を間に挟んで接続している場合も「接続」に含まれる。また2つの部材が電気的に接続されている場合、スイッチング素子等を介して接続している場合も「接続」に含まれる。
「第1実施形態」
図1は、第1実施形態にかかる磁気アレイ200の構成図である。磁気アレイ200は、複数の磁気抵抗効果素子100と、複数の書き込み配線WLと、複数の共通配線CLと、複数の読出し配線RLと、複数の第1スイッチング素子Sw1と、複数の第2スイッチング素子Sw2と、複数の第3スイッチング素子Sw3とを備える。磁気アレイ200は、例えば、磁気メモリ等に利用できる。磁気抵抗効果素子100は、スピン素子の一例である。
書き込み配線WLはそれぞれ、電源と1つ以上の磁気抵抗効果素子100とを電気的に接続する。共通配線CLはそれぞれ、データの書き込み時及び読み出し時の両方で用いられる配線である。共通配線CLはそれぞれ、基準電位と1つ以上の磁気抵抗効果素子100とを電気的に接続する。基準電位は、例えば、グラウンドである。共通配線CLは、複数の磁気抵抗効果素子100のそれぞれに設けられてもよいし、複数の磁気抵抗効果素子100に亘って設けられてもよい。読出し配線RLはそれぞれ、電源と1つ以上の磁気抵抗効果素子100とを電気的に接続する。電源は、使用時に磁気アレイ200に接続される。
それぞれの磁気抵抗効果素子100はそれぞれ、第1スイッチング素子Sw1、第2スイッチング素子Sw2、第3スイッチング素子Sw3に接続されている。第1スイッチング素子Sw1は、磁気抵抗効果素子100と書き込み配線WLとの間に接続されている。第2スイッチング素子Sw2は、磁気抵抗効果素子100のと共通配線CLとの間に接続されている。第3スイッチング素子Sw3は、複数の磁気抵抗効果素子100に亘る読出し配線RLに接続されている。
第1スイッチング素子Sw1及び第2スイッチング素子Sw2をONにすると、所定の磁気抵抗効果素子100に接続された書き込み配線WLと共通配線CLとの間に書き込み電流が流れる。第2スイッチング素子Sw2及び第3スイッチング素子Sw3をONにすると、所定の磁気抵抗効果素子100に接続された共通配線CLと読出し配線RLとの間に読み出し電流が流れる。
第1スイッチング素子Sw1、第2スイッチング素子Sw2及び第3スイッチング素子Sw3は、電流の流れを制御する素子である。第1スイッチング素子Sw1、第2スイッチング素子Sw2及び第3スイッチング素子Sw3は、例えば、トランジスタ、オボニック閾値スイッチ(OTS:Ovonic Threshold Switch)のように結晶層の相変化を利用した素子、金属絶縁体転移(MIT)スイッチのようにバンド構造の変化を利用した素子、ツェナーダイオード及びアバランシェダイオードのように降伏電圧を利用した素子、原子位置の変化に伴い伝導性が変化する素子である。
図1に示す磁気アレイ200は、同じ配線に接続された磁気抵抗効果素子100が第3スイッチング素子Sw3を共用している。第3スイッチング素子Sw3は、それぞれの磁気抵抗効果素子100に設けてもよい。またそれぞれの磁気抵抗効果素子100に第3スイッチング素子Sw3を設け、第1スイッチング素子Sw1又は第2スイッチング素子Sw2を同じ配線に接続された磁気抵抗効果素子100で共用してもよい。
図2は、第1実施形態に係る磁気アレイ200の特徴部分の断面図である。図2は、磁気抵抗効果素子100を後述するスピン軌道トルク配線20のy方向の幅の中心を通るxz平面で切断した断面である。
図2に示す第1スイッチング素子Sw1及び第2スイッチング素子Sw2は、トランジスタTrである。第3スイッチング素子Sw3は、読出し配線RLと電気的に接続され、例えば、図2のy方向に位置する。トランジスタTrは、例えば電界効果型のトランジスタであり、ゲート電極Gとゲート絶縁膜GIと基板Subに形成されたソースS及びドレインDとを有する。基板Subは、例えば、半導体基板である。
トランジスタTrと磁気抵抗効果素子100とは、ビア配線V、第1導電層31及び第2導電層32を介して、電気的に接続されている。またトランジスタTrと書き込み配線WL又は共通配線CLとは、ビア配線Vで接続されている。ビア配線V、第1導電層31及び第2導電層32は、導電性を有する材料を含む。ビア配線Vは、例えば、z方向に延びる。
磁気抵抗効果素子100及びトランジスタTrの周囲は、絶縁層Inで覆われている。絶縁層Inは、多層配線の配線間や素子間を絶縁する絶縁層である。絶縁層Inは、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、炭化シリコン(SiC)、窒化クロム、炭窒化シリコン(SiCN)、酸窒化シリコン(SiON)、酸化アルミニウム(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化アルミニウム(AlN)等である。
図3は、第1実施形態に係る磁気アレイ200の特徴部分の平面図である。読出し配線RLは、第1方向と交差する第2方向に延びる。読出し配線RLは、例えば、y方向に延びる。書き込み配線WL及び共通配線CLは、例えば、x方向に延びる。書き込み配線WL及び共通配線CLは、y方向に延びていてもよい。
読出し配線RLは、例えば、z方向から見て書き込み配線WLと共通配線CLとのうち少なくとも一方と重なる部分を有する。z方向から見て読出し配線RLと書き込み配線WL又は共通配線CLとが重なる部分を以下、交差点CPと称する。交差点CPでは、読出し配線RLと書き込み配線WL又は共通配線CLとの間に絶縁層Inがあり、読出し配線RLと書き込み配線WL又は共通配線CLとは互いに絶縁されている。一方で、読出し配線RLと書き込み配線WL又は共通配線CLとは、交差点CPにおいて、絶縁層Inを介した熱のやり取りを行う。磁気アレイ200が交差点CPを有すると、排熱効率が向上する。
また読出し配線RLは、z方向から見て、狭窄部Nを有してもよい。狭窄部Nは、z方向から見て積層体10と重なる位置にある。詳細は後述するが積層体10と重なる位置において読出し配線RLのx方向の幅には制限がある。読出し配線RLの幅を狭窄部N以外の部分で広げることで、電流及び熱の滞留を防ぎ、排熱効率を高めることができる。
図4及び図5は、磁気抵抗効果素子100の断面図である。図4は、スピン軌道トルク配線20のy方向の幅の中心を通るxz平面で磁気抵抗効果素子100を切断した断面であり、図5は、スピン軌道トルク配線20のx方向の長さの中心を通るyz平面で磁気抵抗効果素子100を切断した断面である。図5において第1導電層31及び第2導電層32は、x方向にずれた位置にあり、点線で示す。
磁気抵抗効果素子100は、例えば、積層体10とスピン軌道トルク配線20と第1導電層31と第2導電層32とを備える。スピン軌道トルク配線20は、配線の一例である。積層体10は、スピン軌道トルク配線20上に積層されている。積層体10とスピン軌道トルク配線20との間には、他の層を有してもよい。読出し配線RLは、積層体10上に積層されている。第1導電層31及び第2導電層32は、スピン軌道トルク配線20に接続されている。第1導電層31、第2導電層32のそれぞれとスピン軌道トルク配線20との間に絶縁層を有していてもよい。第1導電層31と第2導電層32とは、z方向から見て、積層体10を挟む位置にある。
磁気抵抗効果素子100の周囲には絶縁層40がある。絶縁層40は、絶縁層Inの一部である。読出し配線RLの側壁RLs及び積層体10の側壁10sx、10syに接する絶縁層40は、高熱伝導性を有することが好ましい。高熱伝導性を有する絶縁体は、例えば、MgO、AlNである。絶縁層40が高熱伝導性を有すると、絶縁層40を介してスピン軌道トルク配線20で生じた熱を読出し配線RLに伝導でき、磁気抵抗効果素子100の排熱効率が向上する。
積層体10のz方向の抵抗値は、スピン軌道トルク配線20から積層体10にスピンが注入されることで変化する。磁気抵抗効果素子100は、スピン軌道トルク(SOT)を利用した磁性素子であり、スピン軌道トルク型磁気抵抗効果素子、スピン注入型磁気抵抗効果素子、スピン流磁気抵抗効果素子と言われる場合がある。
積層体10は、z方向に、スピン軌道トルク配線20と読出し配線RLとに挟まれる。積層体10は、柱状体である。積層体10のz方向からの平面視形状は、例えば、四角形である。
積層体10は、例えば、第1強磁性層1と第2強磁性層2と非磁性層3とキャップ層4とを、スピン軌道トルク配線20に近い側から順に有する。第1強磁性層1は、例えば、スピン軌道トルク配線20と接し、スピン軌道トルク配線20上に積層されている。第1強磁性層1にはスピン軌道トルク配線20からスピンが注入される。第1強磁性層1の磁化は、注入されたスピンによりスピン軌道トルク(SOT)を受け、配向方向が変化する。第2強磁性層2は、第1強磁性層1のz方向にある。第1強磁性層1と第2強磁性層2は、z方向に非磁性層3を挟む。
第1強磁性層1及び第2強磁性層2は、それぞれ磁化を有する。第2強磁性層2の磁化は、所定の外力が印加された際に第1強磁性層1の磁化よりも配向方向が変化しにくい。第1強磁性層1は磁化自由層と言われ、第2強磁性層2は磁化固定層、磁化参照層と言われることがある。積層体10は、非磁性層3を挟む第1強磁性層1と第2強磁性層2との磁化の相対角の違いに応じて抵抗値が変化する。
第1強磁性層1及び第2強磁性層2は、強磁性体を含む。強磁性体は、例えば、Cr、Mn、Co、Fe及びNiからなる群から選択される金属、これらの金属を1種以上含む合金、これらの金属とB、C、及びNの少なくとも1種以上の元素とが含まれる合金等である。強磁性体は、例えば、Co-Fe、Co-Fe-B、Ni-Fe、Co-Ho合金、Sm-Fe合金、Fe-Pt合金、Co-Pt合金、CoCrPt合金である。
第1強磁性層1及び第2強磁性層2は、ホイスラー合金を含んでもよい。ホイスラー合金は、XYZまたはXYZの化学組成をもつ金属間化合物を含む。Xは周期表上でCo、Fe、Ni、あるいはCu族の遷移金属元素または貴金属元素であり、YはMn、V、CrあるいはTi族の遷移金属又はXの元素種であり、ZはIII族からV族の典型元素である。ホイスラー合金は、例えば、CoFeSi、CoFeGe、CoFeGa、CoMnSi、CoMn1-aFeAlSi1-b、CoFeGe1-cGa等である。ホイスラー合金は高いスピン分極率を有する。
非磁性層3は、非磁性体を含む。非磁性層3が絶縁体の場合(トンネルバリア層である場合)、その材料としては、例えば、Al、SiO、MgO、及び、MgAl等を用いることができる。また、これらの他にも、Al、Si、Mgの一部が、Zn、Be等に置換された材料等も用いることができる。これらの中でも、MgOやMgAlはコヒーレントトンネルが実現できる材料であるため、スピンを効率よく注入できる。非磁性層3が金属の場合、その材料としては、Cu、Au、Ag等を用いることができる。さらに、非磁性層3が半導体の場合、その材料としては、Si、Ge、CuInSe、CuGaSe、Cu(In,Ga)Se等を用いることができる。
キャップ層4は、第2強磁性層2を保護する。キャップ層4は、第2強磁性層2からの原子の拡散を抑制する。キャップ層4は、積層体10の各層の結晶配向性にも寄与する。第1強磁性層1及び第2強磁性層2の磁化は、キャップ層4があると安定化し、積層体10のMR比が向上する。
キャップ層4は、例えば、Ru、Ag、Al、Cu、Au、Cr、Mo、Pt、W、Ta、Pd、及びIrから選択される1つ以上の元素を含む金属でも、MgO等の酸化物でもよい。
積層体10は、第2強磁性層2の非磁性層3と反対側の面に、スペーサ層を介して反強磁性層を有してもよい。第2強磁性層2、スペーサ層、反強磁性層は、シンセティック反強磁性構造(SAF構造)となる。シンセティック反強磁性構造は、非磁性層を挟む二つの磁性層からなる。第2強磁性層2と反強磁性層とが反強磁性カップリングすることで、反強磁性層を有さない場合より第2強磁性層2の保磁力が大きくなる。反強磁性層は、例えば、IrMn,PtMn等である。スペーサ層は、例えば、Ru、Ir、Rhからなる群から選択される少なくとも一つを含む。
積層体10は、第1強磁性層1、第2強磁性層2及び非磁性層3以外の層を有してもよい。例えば、スピン軌道トルク配線20と積層体10との間に下地層を有してもよい。下地層は、積層体10を構成する各層の結晶性を高める。
積層体10の厚さH10は、例えば、第1導電層31と積層体10とのx方向の距離L1より厚い。積層体10の厚さH10は、例えば、第2導電層32と積層体10とのx方向の距離L2より厚い。換言すると、距離L1及び距離L2は、例えば、積層体10の厚さH10より短い。距離L1と距離L2とは一致しても異なってもよい。距離L1、L2が短いと、スピン軌道トルク配線20で生じた熱を読出し配線RL、第1導電層31又は第2導電層32に効率的に排熱できる。
また積層体10のx方向の幅W10は、例えば、距離L1より広い。また積層体のx方向の幅W10は、例えば、距離L2より広い。スピン軌道トルク配線20と積層体10との接触面積を広くすることで、スピン軌道トルク配線20で生じた熱を効率的に排熱できる。
積層体10の側壁10sx、10syは、例えば、z方向に対して傾斜する。側壁10sxは、積層体10のx方向の側壁であり、側壁10syは、積層体10のy方向の側壁である。
スピン軌道トルク配線20は配線の一例である。スピン軌道トルク配線20は、例えば、z方向から見てx方向の長さがy方向より長く、x方向に延びる。書き込み電流は、スピン軌道トルク配線20のx方向に流れる。スピン軌道トルク配線20の少なくとも一部は、z方向において、非磁性層3と共に第1強磁性層1を挟む。
スピン軌道トルク配線20のx方向及びy方向の側壁は、z方向に対して傾斜してもよい。スピン軌道トルク配線20のy方向の側壁20sは、積層体10のy方向の側壁10syと連続する。側壁が連続するとは、側壁に接する接平面のxy平面に対する傾斜角が連続的に変化する又は一定であることを意味する。
スピン軌道トルク配線20は、電流Iが流れる際のスピンホール効果によってスピン流を発生させ、第1強磁性層1にスピンを注入する。スピン軌道トルク配線20は、例えば、第1強磁性層1の磁化を反転できるだけのスピン軌道トルク(SOT)を第1強磁性層1の磁化に与える。スピンホール効果は、電流を流した場合にスピン軌道相互作用に基づき、電流の流れる方向と直交する方向にスピン流が誘起される現象である。スピンホール効果は、運動(移動)する電荷(電子)が運動(移動)方向を曲げられる点で、通常のホール効果と共通する。通常のホール効果は、磁場中で運動する荷電粒子の運動方向がローレンツ力によって曲げられる。これに対し、スピンホール効果は磁場が存在しなくても、電子が移動するだけ(電流が流れるだけ)でスピンの移動方向が曲げられる。
例えば、スピン軌道トルク配線20に電流が流れると、一方向に配向した第1スピンと、第1スピンと反対方向に配向した第2スピンとが、それぞれ電流Iの流れる方向と直交する方向にスピンホール効果によって曲げられる。例えば、-y方向に配向した第1スピンが+z方向に曲げられ、+y方向に配向した第2スピンが-z方向に曲げられる。
非磁性体(強磁性体ではない材料)は、スピンホール効果により生じる第1スピンの電子数と第2スピンの電子数とが等しい。すなわち、+z方向に向かう第1スピンの電子数と-z方向に向かう第2スピンの電子数とは等しい。第1スピンと第2スピンは、スピンの偏在を解消する方向に流れる。第1スピン及び第2スピンのz方向への移動において、電荷の流れは互いに相殺されるため、電流量はゼロとなる。電流を伴わないスピン流は特に純スピン流と呼ばれる。
第1スピンの電子の流れをJ、第2スピンの電子の流れをJ、スピン流をJと表すと、J=J-Jで定義される。スピン流Jは、z方向に生じる。第1スピンは、スピン軌道トルク配線20から第1強磁性層1に注入される。
スピン軌道トルク配線20は、電流Iが流れる際のスピンホール効果によってスピン流を発生させる機能を有する金属、合金、金属間化合物、金属硼化物、金属炭化物、金属珪化物、金属燐化物のいずれかを含む。
スピン軌道トルク配線20は、例えば、主成分として非磁性の重金属を含む。重金属は、イットリウム(Y)以上の比重を有する金属を意味する。非磁性の重金属は、例えば、最外殻にd電子又はf電子を有する原子番号39以上の原子番号が大きい非磁性金属である。スピン軌道トルク配線20は、例えば、Hf、Ta、Wからなる。非磁性の重金属は、その他の金属よりスピン軌道相互作用が強く生じる。スピンホール効果はスピン軌道相互作用により生じ、スピン軌道トルク配線20内にスピンが偏在しやすく、スピン流Jが発生しやすくなる。
スピン軌道トルク配線20は、例えば、Ta、W、Pt、Au、Nb、Mo、Ru、Os、Rh、Ir、Pd、Agからなる群から選択される少なくとも一つを含む。スピン軌道トルク配線20は、例えば、これらの元素の単体金属からなる。これらの元素は、熱伝導性に優れ、磁気抵抗効果素子100の放熱性が向上する。
スピン軌道トルク配線20は、この他に、磁性金属を含んでもよく、トポロジカル絶縁体を含んでもよい。トポロジカル絶縁体は、物質内部が絶縁体又は高抵抗体であるが、その表面にスピン偏極した金属状態が生じている物質である。
読出し配線RLは、例えば、y方向に延びる。読出し配線RLは、積層体10と比較して熱容量が大きく、熱を逃がしやすい。読出し配線RLは、導電体からなる。後述するように、読出し配線RLは、製造時にマスクとしても機能するため、硬い材料であることが好ましい。読出し配線RLは、例えば、Ta、W、Ruである。
読出し配線RLの積層体10側の第1面RLaのx方向の幅WRLaは、積層体10の読出し配線RL側の第2面10bのx方向の幅W10b以下である。図4では、幅WRLaと幅W10bとが一致する例を示したが、幅WRLaは、幅W10bより短くてもよい。幅WRLaが幅W10b以下であると、読出し配線RLとスピン軌道トルク配線20とが対向せず、これらの間のキャパシタンスが大きくなることを抑制できる。配線間のキャパシタンスが大きいと、パルス電流の一部が漏洩し、高速動作を行うことが難しくなる。
読出し配線RLの厚さHRLは、例えば、読出し配線RLのx方向の幅WRLaより短い。読出し配線RLの厚さHRLが厚いと、読出し配線RLの抵抗が下がり、熱容量が大きくなる。また積層体10を加工する際に、積層体10へのダメージを抑制できる。
読出し配線RLのx方向の側壁RLsは、z方向に対して傾斜してもよい。読出し配線RLは、例えば、第1面RLaから第2面RLbに向かってx方向の幅が狭くなっている。読出し配線RLのx方向の側壁RLsは、例えば、積層体10のx方向の側壁10sxと連続する。
次いで、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子100の製造方法について、図6~図9を例に説明する。図6~図9は、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子100の製造方法の一例を説明するための図である。図6~図9はそれぞれ、平面図と断面図とを同時に示している。
図6に示すように、第1導電層31、第2導電層32及び絶縁層In上に、配線層80と積層膜90とを順に成膜する。積層膜90は、例えば、強磁性層91、非磁性層93、強磁性層92、キャップ層94からなり、この順で成膜される。各層の積層は、例えば、スパッタリング法、化学気相成長(CVD)法、電子ビーム蒸着法(EB蒸着法)、原子レーザデポジッション法等を用いる。
次いで図7に示すように、配線層80及び強磁性層91、非磁性層93、強磁性層92、キャップ層94からなる積層膜90をx方向及びy方向に同時に加工する。加工は、例えば、フォトリソグラフィー及びエッチングで行うことができる。配線層80は、加工によりスピン軌道トルク配線20となる。積層膜90は、x方向及びy方向に加工され、積層構造体90Aとなる。配線層80と積層膜90が同時に加工されることで、スピン軌道トルク配線20のy方向の側壁20sと、積層体10のy方向の側壁10syと、が連続する。積層構造体90Aは、例えば、強磁性層91A、非磁性層93A、強磁性層92A、キャップ層94Aからなる。そして、積層構造体90Aの周囲を絶縁層40で埋める。絶縁層40及び積層構造体90Aの上面は、化学機械研磨(CMP)により平坦化される。
次いで図8に示すように、絶縁層40及び積層構造体90A上に、配線層95が積層される。配線層95は、xy面内に広がる。
次いで図9に示すように、配線層95及び積層構造体90Aをx方向に同時に加工し、不要部を除去する。配線層95は、x方向の不要部が除かれることで、y方向に延びる読出し配線RLとなる。また積層構造体90Aは、積層体10となる。配線層95と積層構造体90Aとが同時に加工されることで、積層体10のx方向の側壁10sxと、読出し配線RLのx方向の側壁RLsと、が連続する。
以上のような手順で、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子100を作製できる。本実施形態に係る磁気抵抗効果素子100は、読出し配線RLがマスクとなって積層体10が加工される。その結果、積層体10と読出し配線RLとの間に、マスクがハードマスク層として残ることがない。積層体10と読出し配線RLとの間にハードマスク層が存在すると、ハードマスク層の分だけスピン軌道トルク配線20と読出し配線RLとの距離が離れ、スピン軌道トルク配線20から読出し配線RLへ熱が逃げにくくなる。これに対し、読出し配線RLがマスクを兼ねると、スピン軌道トルク配線20と読出し配線RLとの距離が近くなり、スピン軌道トルク配線20で生じた熱を効率的に逃がすことができる。
また読出し配線RLがマスクとなると、必然的に、読出し配線RLの積層体10側の第1面RLaのx方向の幅WRLaは、積層体10の読出し配線RL側の第2面10bのx方向の幅W10b以下となる。そのため、読出し配線RLとスピン軌道トルク配線20とが対向せず、これらの間のキャパシタンスが大きくなることを抑制できる。
以上、第1実施形態に係る磁気抵抗効果素子100の一例を示したが、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
図10は、第1変形例に係る磁気抵抗効果素子101の断面図である。図10は、スピン軌道トルク配線20のy方向の中心を通るxz断面である。図10において、図4と同じ構成には同様の符号を付し、説明を省く。
図10に示す読出し配線RL1は、xz断面形状が、図4に示す読出し配線RLと異なる。読出し配線RL1は、x方向にくびれてる。読出し配線RL1は、x方向の幅が第1面RL1a及び第2面RL1bより狭い部分を有する。読出し配線RL1がx方向にくびれを有すると、読出し配線RL1とスピン軌道トルク配線20との間のキャパシタンスが大きくなることを抑制できる。
「第2実施形態」
図11は、第2実施形態に係る磁壁移動素子110の断面図である。磁壁移動素子110は、スピン素子の一例である。磁壁移動素子110は、第1実施形態に係る磁気抵抗効果素子100を置き換える。
磁壁移動素子110は、磁壁DWの移動により抵抗値が変化する素子である。磁壁移動素子110は、磁壁移動層50と積層体11と第1導電層31と第2導電層32とを有する。磁壁移動層50は、配線の一例である。積層体11は、磁壁移動層50に近い側から非磁性層3、第1強磁性層1、キャップ層4を有する。この場合、第1強磁性層1は、磁化固定層である。
磁壁移動層50は、磁性層である。磁壁移動層50は、強磁性体を含む。磁壁移動層50を構成する磁性体は、Cr、Mn、Co、Fe及びNiからなる群から選択される金属、これらの金属を1種以上含む合金、これらの金属とB、C、及びNの少なくとも1種以上の元素とが含まれる合金等を用いることができる。具体的には、Co-Fe、Co-Fe-B、Ni-Feが挙げられる。
磁壁移動層50は、内部の磁気的な状態の変化により情報を磁気記録可能な層である。磁壁移動層50は、内部に2つの磁区を有し、これらの磁区の境界が磁壁DWである。
磁壁移動層50は、第1実施形態におけるスピン軌道トルク配線20に対応し、積層体11は、第1実施形態における積層体10に対応する。磁壁移動層50及び積層体11と他の構造体との関係は、第1実施形態と同様である。
例えば、読出し配線RLの積層体11側の第1面RLaのx方向の幅WRLaは、積層体11の読出し配線RL側の第2面11bのx方向の幅W11b以下である。
積層体11の厚さH11は、例えば、第1導電層31と積層体11とのx方向の距離L1より厚い。積層体10の厚さH11は、例えば、第2導電層32と積層体11とのx方向の距離L2より厚い。
また積層体11のx方向の幅W11は、例えば、距離L1より広い。また積層体のx方向の幅W11は、例えば、距離L2より広い。積層体11のx方向の側壁11sxは、読出し配線RLのx方向の側壁RLsと連続し、積層体11のy方向の側壁は、磁壁移動層50のy方向の側壁と連続する。
第2実施形態に係る磁壁移動素子110は、磁壁移動層50で生じた熱を効率的に排熱でき、かつ、読出し配線RL1と磁壁移動層50との間のキャパシタンスが大きくなることを抑制できる。
「第3実施形態」
図12は、第3実施形態に係る磁化回転素子120の断面図である。磁化回転素子120は、スピン素子の一例である。磁化回転素子120は、第1実施形態に係る磁気抵抗効果素子100を置き換える。
磁化回転素子120は、例えば、第1強磁性層1に対して光を入射し、第1強磁性層1で反射した光を評価する。磁気カー効果により磁化の配向方向が変化すると、反射した光の偏向状態が変わる。磁化回転素子120は、例えば、光の偏向状態の違いを利用した例えば映像表示装置等の光学素子として用いることができる。
この他、磁化回転素子120は、単独で、異方性磁気センサ、磁気ファラデー効果を利用した光学素子等としても利用できる。
磁化回転素子120は、スピン軌道トルク配線20と積層体12と第1導電層31と第2導電層32とを有する。積層体12は、スピン軌道トルク配線20に近い側から第1強磁性層1、キャップ層4を有する。
積層体12は、第1実施形態における積層体10に対応する。積層体12と他の構造体との関係は、第1実施形態と同様である。
この場合、読出し配線RLは、例えば、透明電極材料からなる。透明電極材料は、例えば、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、インジウム-スズ酸化物(ITO)、酸化スズ(SnO)、酸化アンチモン-酸化スズ系(ATO)、酸化亜鉛(ZnO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化インジウム(In)等である。
例えば、読出し配線RLの積層体12側の第1面RLaのx方向の幅WRLaは、積層体12の読出し配線RL側の第2面12bのx方向の幅W12b以下である。
積層体12の厚さH12は、例えば、第1導電層31と積層体12とのx方向の距離L1より厚い。積層体12の厚さH12は、例えば、第2導電層32と積層体12とのx方向の距離L2より厚い。
また積層体12のx方向の幅W12は、例えば、距離L1より広い。また積層体のx方向の幅W12は、例えば、距離L2より広い。積層体12のx方向の側壁12sxは、読出し配線RLのx方向の側壁RLsと連続し、積層体12のy方向の側壁は、スピン軌道トルク配線20のy方向の側壁と連続する。
第3実施形態に係る磁化回転素子120は、スピン軌道トルク配線20で生じた熱を効率的に排熱でき、かつ、読出し配線RL1とスピン軌道トルク配線20との間のキャパシタンスが大きくなることを抑制できる。
ここまで、第1実施形態から第3実施形態を基に、本発明の好ましい態様を例示したが、本発明はこれらの実施形態に限られるものではない。例えば、それぞれの実施形態における特徴的な構成を他の実施形態に適用してもよい。
1…第1強磁性層、2…第2強磁性層、3…非磁性層、4…キャップ層、10,11,12…積層体、10b,11b,12b…第2面、10sx,10sy,11sx,12sx,20s,RLs…側壁、20…スピン軌道トルク配線、31…第1導電層、32…第2導電層、40…絶縁層、50…磁壁移動層、80,95…配線層、90…積層膜、90A…積層構造体、91,91A,92,92A…強磁性層、93,93A…非磁性層、94,94A…キャップ層、100,101…磁気抵抗効果素子、110…磁壁移動素子、120…磁化回転素子、200…磁気アレイ、CL…共通配線、CP…交差点、DW…磁壁、In…絶縁層、N…狭窄部、RL,RL1…読出し配線、RLa,RL1a…第1面、RLb,RL1b…第2面、WL…書き込み配線

Claims (14)

  1. 第1方向に延びる配線と、
    前記配線上に積層され、第1強磁性層を含む積層体と、
    前記積層体上に積層され、前記第1方向と交差する第2方向に延びる読出し配線と、を備え、
    前記読出し配線の前記積層体側の第1面の前記第1方向の幅は、前記積層体の前記読出し配線側の第2面の前記第1方向の幅以下である、スピン素子。
  2. 前記積層体の側壁と前記読出し配線の側壁とが連続する、請求項1に記載のスピン素子。
  3. 前記配線に接続された第1導電層と第2導電層とをさらに備え、
    前記第1導電層と前記第2導電層とは、積層方向から見て、前記積層体を挟み、
    前記第1導電層と前記積層体との前記第1方向の距離は、前記積層体の前記積層方向の厚さより短い、請求項1又は2に記載のスピン素子。
  4. 前記読出し配線は、積層方向から見て、前記積層体と重なる位置で狭窄している、請求項1~3のいずれか一項に記載のスピン素子。
  5. 前記配線に接続された第1導電層と第2導電層とをさらに備え、
    前記第1導電層と前記第2導電層とは、積層方向から見て前記積層体を挟み、
    前記積層体の前記第1方向の幅は、前記第1導電層と前記積層体との前記第1方向の距離より広い、請求項1~4のいずれか一項に記載のスピン素子。
  6. 前記積層体の側壁及び前記読出し配線の側壁に接する絶縁層をさらに備え、
    前記絶縁層は、AlN又はMgOである、請求項1~5のいずれか一項に記載のスピン素子。
  7. 前記配線に接続された書き込み配線と共通配線とをさらに備え、
    前記書き込み配線と前記共通配線とのうち少なくとも一方は、積層方向から見て、前記読出し配線と重なる部分を有する、請求項1~6のいずれか一項に記載のスピン素子。
  8. 前記読出し配線は、前記第1方向の幅が、前記第1面及び前記第1面と対向する第2面より狭い部分を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載のスピン素子。
  9. 前記読出し配線の積層方向の厚みは、前記読出し配線の前記第1方向の幅より狭い、請求項1~8のいずれか一項に記載のスピン素子。
  10. 前記積層体の側壁及び前記読出し配線の側壁が積層方向に対して傾斜している、請求項1~9のいずれか一項に記載のスピン素子。
  11. 前記積層体は、前記配線に近い側から順に、前記第1強磁性層、非磁性層、第2強磁性層を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のスピン素子。
  12. 前記積層体は、前記配線に近い側から順に、非磁性層、前記第1強磁性層を有する、請求項1~10のいずれか一項に記載のスピン素子。
  13. 請求項1~12のいずれか一項に記載のスピン素子を複数備える、磁気アレイ。
  14. 配線層と強磁性層を含む積層膜を順に積層する工程と、
    前記配線層及び前記積層膜を同時に加工し、第1方向に延びる、配線及び積層構造体を形成する工程と、
    前記配線及び前記積層構造体の側面を絶縁層で被覆する工程と、
    前記絶縁層及び前記積層構造体上に、第2配線層を積層する工程と、
    前記積層構造体及び前記第2配線層を同時に加工し、積層体及び前記第1方向と交差する第2方向に延びる読出し配線とする工程と、を有する、スピン素子の製造方法。
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