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JP2022056951A - レーザマーカ及びレーザ光調整方法 - Google Patents

レーザマーカ及びレーザ光調整方法 Download PDF

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JP2022056951A
JP2022056951A JP2020164965A JP2020164965A JP2022056951A JP 2022056951 A JP2022056951 A JP 2022056951A JP 2020164965 A JP2020164965 A JP 2020164965A JP 2020164965 A JP2020164965 A JP 2020164965A JP 2022056951 A JP2022056951 A JP 2022056951A
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洋祐 熊谷
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Abstract

【課題】レーザ加工を実行する位置のワークの凹凸に応じて、レーザ光の焦点位置を調整できるレーザマーカ及びレーザ光調整方法を提供すること。【解決手段】レーザマーカ1は、印字情報に基づいて第2面PL2にレーザ加工を実行する場合に、第2面PL2における加工領域内に第1位置PT1を設定する(S13)。レーザマーカ1は、ガルバノスキャナ18を制御してガイド光出射装置15から第1位置PT1にガイド光Qを照射した場合に、ワーク7のガイド光Qが照射される第2位置PT2を取得する(S18)。また、レーザマーカ1は、第1位置PT1にガイド光Qを照射する場合の照射角度θを演算する(S18)。そして、レーザマーカ1は、第1位置PT1、第2位置PT2、及び照射角度θに基づいて高さHを演算し(S18)、高さHに基づいて加工レーザ光Rの焦点位置Fを、加工予定の凸部83の加工面8に調整する(S19)。【選択図】図7

Description

本開示は、レーザマーカ及びレーザ光調整方法に関するものである。
従来、レーザ加工のレーザ光の焦点位置を調整するために、ワークまでの距離であるワーキングディスタンスを測定する技術が種々提案されている。例えば、下記特許文献1に記載の高さ検出装置は、発光素子から出射した検出光を、偏光板及びハーフミラーで反射させ、ワークに照射している。ワークで反射した反射光は、入射時と反対の経路をたどってテレビカメラに入射する。テレビカメラの画像を画像処理装置で画像処理することで、ワーキングディスタンスを測距している。
特開平4―244910号公報
ここで、例えば、加工面に凹凸があるワークでは、加工する位置に応じてワーキングディスタンスが変動する。しかしながら、上記した高さ検出装置は、発光素子から検出光を出射する方向が固定されており、ワークの加工面における特定位置のワーキングディスタンスを測距することは可能であるが、測距する位置を変更することが困難であった。このため、測距したワーキングディスタンスと、実際にレーザ加工を実行する位置のワーキングディスタンスとに誤差が生じ、その結果、レーザ光の焦点位置がズレる虞があった。
そこで、本開示は、上述した点を鑑みてなされたものであり、レーザ加工を実行する位置のワークの凹凸に応じて、レーザ光の焦点位置を調整できるレーザマーカ及びレーザ光調整方法を提供する。
本明細書は、レーザ光を出射するレーザ光出射部と、ガイド光を出射するガイド光出射部と、前記ガイド光を走査する走査部と、前記ガイド光が照射される領域を撮影する撮影部と、前記レーザ光の焦点位置を移動させる可変焦点光学系と、加工データに基づいて、前記レーザ光出射部を制御してワークに対するレーザ加工を実行する制御部と、を備え、前記制御部は、前記加工データに基づいて基準面にレーザ加工を実行する場合に、前記基準面における加工領域内の特定位置を第1位置として取得する第1位置取得処理と、前記走査部を制御して前記ガイド光出射部から前記第1位置に前記ガイド光を照射した場合に、前記ワークの加工面における前記ガイド光が照射される第2位置を、前記撮影部で撮像した撮像データに基づいて取得する第2位置取得処理と、前記走査部を制御して前記ガイド光出射部から前記第1位置に前記ガイド光を照射した場合における前記ガイド光の照射角度を取得する照射角度取得処理と、前記第1位置、前記第2位置、及び前記ガイド光の照射角度に基づいて前記可変焦点光学系を制御し、前記レーザ光の焦点位置を前記加工面に調整する調整処理と、を実行する、レーザマーカを開示する。
また、本明細書は、レーザ光を出射するレーザ光出射部と、ガイド光を出射するガイド光出射部と、前記ガイド光を走査する走査部と、前記ガイド光が照射される領域を撮影する撮影部と、前記レーザ光の焦点位置を移動させる可変焦点光学系と、加工データに基づいて、前記レーザ光出射部を制御してワークに対するレーザ加工を実行する制御部と、を備えるレーザマーカのレーザ光調整方法であって、前記加工データに基づいて基準面にレーザ加工を実行する場合に、前記基準面における加工領域内の特定位置を第1位置として取得し、前記走査部を制御して前記ガイド光出射部から前記第1位置に前記ガイド光を照射した場合に、前記ワークの加工面における前記ガイド光が照射される第2位置を、前記撮影部で撮像した撮像データに基づいて取得し、前記走査部を制御して前記ガイド光出射部から前記第1位置に前記ガイド光を照射した場合における前記ガイド光の照射角度を取得し、前記第1位置、前記第2位置、及び前記ガイド光の照射角度に基づいて前記可変焦点光学系を制御し、前記レーザ光の焦点位置を前記加工面に調整する、レーザ光調整方法を開示する。
本開示のレーザマーカ、レーザ光調整方法によれば、基準面における加工領域内の第1位置を取得する。また、レーザマーカは、第1位置にガイド光を照射した場合に、加工面におけるガイド光が照射される第2位置を、撮像データに基づいて取得する。この第2位置は、加工面の凹凸に応じて、第1位置とは異なる位置となる。レーザマーカは、第1位置、第2位置、及びガイド光の照射角度に基づいてレーザ光の焦点位置を加工面に調整する。これにより、第1位置、第2位置、及び照射角度に基づいて、加工面の凹凸の高さを考慮した位置にレーザ光の焦点位置を調整することができる。また、走査部によってガイド光の位置を、実際にレーザ加工を施す位置に合わせた上で、焦点位置を調整できるため、ワークを移動させずに焦点位置を調整でき、レーザ加工を実行することができる。ユーザによるワークの移動作業などが不要となる。
本実施形態のレーザマーカの概略構成を示す図である。 同レーザマーカの電気的構成を示すブロック図である。 ワーキングディスタンス、ポインタ光、ガイド光の関係を説明するための模式図である。 ワーキングディスタンス、ポインタ光、ガイド光の関係を説明するための斜視図である。 ワーキングディスタンス、ポインタ光、ガイド光の関係を説明するための斜視図であって、加工面の凸部の上方から見た図である。 ワーキングディスタンス、ポインタ光、ガイド光の関係を説明するための断面図である。 加工処理の内容を示すフローチャートである。 基準面に設定された加工領域内の第1位置を示す図である。
以下、本開示のレーザマーカを具体化した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。以下の説明に用いる図1乃至図6は、基本的構成の一部が省略されて描かれており、描かれた各部の寸法比等は必ずしも正確ではない。尚、以下の説明において、上下方向は、図1、図3及び図4等に示された通りである。
[1.レーザマーカの概略構成]
先ず、図1及び図2に基づいて、本実施形態のレーザマーカ1の概略構成について説明する。本実施形態のレーザマーカ1は、印字情報作成部2及びレーザ加工部3を備えている。印字情報作成部2は、例えば、パーソナルコンピュータである。
レーザ加工部3は、ワーク7の加工面8上において、加工レーザ光Rを2次元走査し、ワーク7に対してレーザ加工を実行し、加工面8にマーキング(印字)を行う。レーザ加工部3は、レーザコントローラ6(図2参照)を備えている。レーザコントローラ6は、印字情報作成部2と双方向通信可能に接続されている。レーザコントローラ6は、印字情報作成部2から受信した印字情報、制御パラメータ、各種指示情報等(本願の加工データの一例)に基づいてレーザ加工部3を駆動制御する。
次に、レーザ加工部3の概略構成について説明する。レーザ加工部3は、レーザ発振ユニット12、ガイド光出射装置15、ダイクロイックミラー101、光学系70、ポインタ光出射器105、カメラ103、ガルバノスキャナ18、及びfθレンズ19等を備えており、不図示の略直方体形状の筐体カバーで覆われている。レーザ発振ユニット12は、レーザ発振器21等を備えている。レーザ発振器21は、CO2レーザ、YAGレーザ等を有し、加工レーザ光Rを出射する。尚、加工レーザ光Rの光径は、不図示のビームエキスパンダで調整(例えば、拡大)される。
ガイド光出射装置15は、半導体レーザを備え、可視可干渉光であるガイド光Q、例えば、赤色レーザ光を出射する。尚、ガイド光Qは、レーザ光に限らず、他の可視光や、カメラ103で撮像可能な他の光(赤外線など)でも良い。ガイド光Qは、不図示のレンズ群で平行光にされ、更に、2次元走査されることによって、例えば、加工レーザ光Rでマーキング(印字)すべき印字パターンの像、印字パターンを取り囲む大きさの矩形の像、又は所定形状の像等を、ワーク7の加工面8上に軌跡(時間残像)で映し出すものである。つまり、ガイド光Qには、マーキングする加工能力がない。また、後述するように、本実施形態において、ガイド光Qは、ワーク7までの距離であるワーキングディスタンスを補正するためのレーザ光としても用いられ、その場合には例えば、ワーク7の加工面8の特定位置に点状の像を映し出す。ガイド光Qの波長は、加工レーザ光Rの波長とは異なる。本実施形態では、例えば、加工レーザ光Rの波長は1064nmであり、ガイド光Qの波長は、650nmである。
ダイクロイックミラー101は、入射された加工レーザ光Rのほぼ全部を透過させる。また、ダイクロイックミラー101は、加工レーザ光Rが透過する略中央位置において、ガイド光Qが45度の入射角で入射される。ダイクロイックミラー101は、入射したガイド光Qを、45度の反射角で加工レーザ光Rの光路上に反射する。ダイクロイックミラー101の反射率は、波長依存性を持っている。具体的には、ダイクロイックミラー101は、誘電体層と金属層との多層膜構造の表面処理がなされており、ガイド光Qの波長に対して高い反射率を有し、それ以外の波長の光をほとんど(99%)透過するように構成されている。尚、図1の一点鎖線は、加工レーザ光Rとガイド光Qの光軸10を示している。また、光軸10の方向は、加工レーザ光Rとガイド光Qの経路方向を示している。
光学系70は、第1レンズ72、第2レンズ74、及び移動機構76を備えている。光学系70において、ダイクロイックミラー101を経た加工レーザ光Rとガイド光Qが、第1レンズ72に入射し通過する。その際、第1レンズ72は、加工レーザ光Rとガイド光Qの各光径を縮小させる。また、第1レンズ72を通過した加工レーザ光Rとガイド光Qは、第2レンズ74に入射し通過する。その際、第2レンズ74は、加工レーザ光Rとガイド光Qを平行光にする。移動機構76は、光学系モータ80と、光学系モータ80の回転運動を直線運動に変換するラック・アンド・ピニオン(不図示)等を備えており、光学系モータ80の回転制御によって、第2レンズ74を加工レーザ光Rとガイド光Qの経路方向に移動させる。尚、移動機構76は、第2レンズ74に代えて第1レンズ72を移動させる構成であっても良いし、第1レンズ72と第2レンズ74との間の距離が変わるように第1レンズ72と第2レンズ74の双方を移動させる構成であっても良い。
ガルバノスキャナ18は、光学系70を経た加工レーザ光Rとガイド光Qとを2次元走査するものである。ガルバノスキャナ18には、ガルバノX軸モータ31とガルバノY軸モータ32とが、それぞれのモータ軸が互いに直交するように取り付けられ、各モータ軸の先端部に取り付けられた走査ミラー18X、18Yが内側で互いに対向している。そして、ガルバノスキャナ18は、各モータ31、32の回転制御によって、各走査ミラー18X、18Yを回転させ、加工レーザ光Rとガイド光Qとを2次元走査する。この2次元走査方向は、X方向とY方向である。
fθレンズ19は、レーザ加工部3が備えるヘッド部17に取り付けられ、ガルバノスキャナ18によって2次元走査された加工レーザ光Rとガイド光Qとをワーク7の加工面8上に集光するものである。集光された加工レーザ光Rとガイド光Qは、各モータ31、32の回転制御によって、ワーク7の加工面8上でX方向とY方向に2次元走査される。
加工レーザ光Rとガイド光Qとは、波長が異なる。そのため、光学系70における第1レンズ72と第2レンズ74との間の距離が一定の場合、加工レーザ光Rとガイド光Qが集光する位置(以下、「焦点位置F」という)は、上下方向で異なる。加工レーザ光Rとガイド光Qの焦点位置Fは、光学系70における第1レンズ72と第2レンズ74との間の距離が調整されることによって、ワーク7の加工面8上に合わせられる。
ここで、レーザ加工部3における原点位置とワーク7の加工面8との間の距離を、ワーク7までの距離である「ワーキングディスタンス」と表記する。本実施形態では、例えば、fθレンズ19の下面を、原点位置とする。この場合、ワーキングディスタンスWDは、fθレンズ19の下面とワーク7の加工面8との間の距離である。尚、原点位置は、上記のfθレンズ19の下面の他に、例えば、fθレンズ19の上面、又はfθレンズ19の上下方向の中央等を採用することができる。
ワーキングディスタンスWDが変動すると、fθレンズ19の下面とワーク7の加工面8との間の距離が変動する。その結果、加工レーザ光Rとガイド光Qの焦点位置Fは、上下方向において、ワーク7の加工面8からズレた位置となる。レーザマーカ1は、光学系70における第1レンズ72と第2レンズ74との間の距離を調整することによって、加工レーザ光Rとガイド光Qの焦点位置Fを、加工面8上に調整する。
ポインタ光出射器105は、可視光であるポインタ光Pをワーク7の加工面8に照射するものであり、ヘッド部17に取り付けられ、fθレンズ19付近に設けられている。ポインタ光出射器105は、例えば、ヘッド部17における位置を固定されており、ワーク7の加工面8上において、特定位置にポインタ光Pを点状に映し出す。これにより、ポインタ光出射器105を固定することで、ポインタ光Pを走査する走査部等が不要となり、ヘッド部17を小型化することができる。ポインタ光Pは、例えば、マーキングする加工能力がないレーザ光である。尚、ポインタ光Pは、レーザ光に限らず、他の可視光でも良く、カメラ103で撮像可能な他の光でも良い。また、ヘッド部17は、ポインタ光PをXY方向に走査する走査部を備えても良い。
カメラ103は、ワーク7の加工面8に向けられた状態でヘッド部17に取り付けられ、fθレンズ19付近に設けられている。カメラ103は、加工面8で反射したガイド光Qやポインタ光Pが入射される。カメラ103は、ワーク7の加工面8上において、映し出されるポインタ光Pやガイド光Qを撮像することができる。尚、以下の説明では、ポインタ光Pで映し出される点状の像を、「ポインタ点像PP」と表記することがある。また、ガイド光Qで映し出される点状の像を、「ガイド点像」と表記することがある。また、ポインタ光Pやガイド光Qによって映し出す像としては、点状の像に限らず、多角形の像、円形の像など、カメラ103で撮像することで照らしている位置を検出できる様々な像を採用できる。
次に、レーザマーカ1の印字情報作成部2とレーザ加工部3の回路構成について図2に基づいて説明する。先ず、レーザ加工部3の回路構成について説明する。図2に示すように、レーザ加工部3は、レーザコントローラ6、ガルバノコントローラ35、ガルバノドライバ36、レーザドライバ37、半導体レーザドライバ38、光学系ドライバ78、ポインタ光出射器105、及びカメラ103等を備えている。レーザコントローラ6は、CPU41、RAM42、及びROM43等を備え、レーザ加工部3の全体の制御を行う演算装置及び制御装置である。レーザコントローラ6には、ガルバノコントローラ35、レーザドライバ37、半導体レーザドライバ38、及び光学系ドライバ78等が電気的に接続されている。また、レーザコントローラ6及びカメラ103には、外部の印字情報作成部2が双方向通信可能に接続されている。また、ポインタ光出射器105は、外部の印字情報作成部2に電気的に接続されている。レーザコントローラ6は、印字情報作成部2から送信された各情報(例えば、印字情報、レーザ加工部3に対する制御パラメータ、ユーザからの各種の指示情報等)を受信可能に構成されている。ポインタ光出射器105は、印字情報作成部2から送信された各情報(例えば、点灯や消灯の指示情報等)を受信可能に構成されている。カメラ103は、印字情報作成部2から送信された各情報(例えば、撮像の指示情報等)を受信可能に構成され、また、撮像した撮像データを印字情報作成部2に送信可能に構成されている。
レーザコントローラ6のROM43には、各種のプログラム、例えば、印字情報作成部2から送信された印字情報に基づいて印字パターンのXY座標データを算出してRAM42に記憶するプログラムや、ポインタ光Pのポインタ点像PPやガイド光Qのガイド点像のXY座標データを算出してRAM42に記憶するプログラム等が記憶されている。尚、各種プログラムには、上述したプログラムに加えて、例えば、各種のディレイ値、印字情報作成部2から入力した印字情報に対応する印字パターンの太さ、深さ及び本数、レーザ発振器21のレーザ出力、加工レーザ光Rのレーザパルス幅、ガルバノスキャナ18による加工レーザ光Rを走査する速度、及びガルバノスキャナ18によるガイド光Qを走査する速度等を示す各種制御パラメータをRAM42に記憶するプログラム等がある。更に、ROM43には、フォントの種類別に、直線と楕円弧とで構成された各文字のフォントの始点、終点、焦点、曲率等のデータが記憶されている。
CPU41は、ROM43に記憶された各種のプログラム等を実行し、各種の演算や、ガルバノコントローラ35の制御等を実行する。RAM42は、CPU41により演算された各種の演算結果や印字パターンのデータ(XY座標)等を一時的に記憶する。
CPU41は、例えば、印字情報作成部2から入力した印字情報(本願の加工データの一例)に基づいて算出した印字パターンのXY座標データ、ガイド点像のXY座標データ、ガルバノスキャナ18によるガイド光Qを走査する速度、及びガルバノスキャナ18による加工レーザ光Rを走査する速度等を示すガルバノ走査速度情報等を、ガルバノコントローラ35に出力する。また、CPU41は、印字情報作成部2から入力した印字情報に基づいて設定したレーザ発振器21のレーザ出力値、及び加工レーザ光Rのレーザパルス幅等を示すレーザ駆動情報を、レーザドライバ37に出力する。また、CPU41は、ガイド光出射装置15の点灯開始を指示するオン信号又は消灯を指示するオフ信号を半導体レーザドライバ38に出力する。
ガルバノコントローラ35は、レーザコントローラ6から入力した各情報(例えば、印字パターンのXY座標データ、ガイド点像のXY座標データ、ガルバノ走査速度情報等)に基づいて、ガルバノX軸モータ31とガルバノY軸モータ32の駆動角度、回転速度等を算出して、駆動角度及び回転速度を示すモータ駆動情報をガルバノドライバ36に出力する。ガルバノドライバ36は、ガルバノコントローラ35から入力したモータ駆動情報に基づいて、ガルバノX軸モータ31とガルバノY軸モータ32を駆動制御して、加工レーザ光Rとガイド光Qを2次元走査する。
レーザドライバ37は、レーザコントローラ6から入力したレーザ発振器21のレーザ出力値、及び加工レーザ光Rのレーザパルス幅等を示すレーザ駆動情報等に基づいて、レーザ発振器21を駆動させる。半導体レーザドライバ38は、レーザコントローラ6から入力したオン信号又はオフ信号に基づいて、ガイド光出射装置15を点灯又は、消灯させる。光学系ドライバ78は、レーザコントローラ6から入力した情報(例えば、指令値等)に基づいて、光学系モータ80を駆動制御して、第2レンズ74を移動させる。
次に、印字情報作成部2の回路構成について説明する。印字情報作成部2は、制御部51、入力操作部55、液晶ディスプレイ(LCD)56、及びCD-ROMドライブ58等を備えている。制御部51には、不図示の入出力インターフェースを介して、入力操作部55、液晶ディスプレイ56、及びCD-ROMドライブ58等が接続されている。
入力操作部55は、不図示のマウス及びキーボード等を備え、例えば、ユーザからの操作入力に基づいて各種の指示情報を受け付ける。CD-ROMドライブ58は、各種データ、及び各種アプリケーションソフトウェア等をCD-ROM57から読み込むものである。
制御部51は、CPU61、RAM62、ROM63、及びハードディスクドライブ(以下、「HDD」という。)66等を備え、印字情報作成部2の全体を制御する演算装置及び制御装置である。CPU61は、ROM63やHDD66に記憶された各種のプログラム等を実行し、各種の演算や印字情報作成部2の制御等を実行する。RAM62は、CPU61により演算された各種の演算結果等を一時的に記憶する。ROM63は、各種のプログラム等を記憶する。HDD66には、各種アプリケーションソフトウェアのプログラム、及び各種データファイル等が記憶される。
[2.ワーキングディスタンスWDとガイド光Qとポインタ光P]
本実施形態のレーザマーカ1は、ポインタ光出射器105から出射したポインタ光Pをカメラ103で撮像することで、ワーキングディスタンスWDを測距することができる。図3~図6は、ワーキングディスタンスWD、ポインタ光P、ガイド光Qの関係を模式的に示している。尚、以下に説明する測距では、レーザマーカ1は、例えば、レーザ発振ユニット12及びガイド光出射装置15の出射を停止した状態で、ポインタ光出射器105からポインタ光Pを出射してポインタ光Pを撮像する。また、レーザマーカ1は、例えば、ポインタ光出射器105及びレーザ発振ユニット12の出射を停止した状態で、ガイド光出射装置15からガイド光Qを出射してガイド光Qを撮像する。しかしながら、図3及び図4は、説明の便宜上、ポインタ光Pとガイド光Qの両方を図示している。また、レーザマーカ1は、は、ポインタ光Pとガイド光Qとの両方を出射した状態で両方をまとめて撮像しても良い。
例えば、fθレンズ19とポインタ光出射器105とは、レーザ加工部3のヘッド部17の下面に取り付けられている。fθレンズ19の下面とワーク7の加工面8との間のワーキングディスタンスWDは、上下方向における加工面8の位置に応じて変動する。例えば、上下方向で異なる3つの位置に、XY方向に平行な仮想的な平面を設定し、第1面PL1、第2面PL2、第3面PL3とする。第1~第3面PL1,PL2,PL3は、この順にワーキングディスタンスWDが順番に長くなっている。第1面PL1は、例えば、レーザマーカ1が所望の加工基準を満たすレーザ加工を実施可能なワーキングディスタンスWDのうち、最も短いワーキングディスタンスWD1に対応する仮想面である。また、第3面PL3は、例えば、レーザマーカ1が所望の加工基準を満たすレーザ加工を実施可能なワーキングディスタンスWDのうち、最も長いワーキングディスタンスWD3に対応する仮想面である。また、第2面PL2は、上下方向における第1面PL1と第2面PL2の中間位置であり、基準となるワーキングディスタンスWD2の仮想面である。換言すれば、レーザマーカ1は、ワーキングディスタンスWD2を中心に、所定距離αだけマイナスした距離(WD1=WD2-α)から所定距離αだけプラスした距離(WD3=WD2+α)までの範囲で、所望の加工基準を満たすレーザ加工を適切に実施できる。
本実施形態のポインタ光出射器105は、ポインタ光Pによって加工面8上にポインタ点像PPを映し出す。また、例えば、印字情報作成部2の制御部51は、カメラ103の撮像範囲にXY座標を設定し、撮像データに基づいてポインタ点像PPのXY座標を検出する。ポインタ点像PPのXY座標は、ワーキングディスタンスWDに応じて、即ち、上下方向における加工面8の位置に応じて変動する。図3に示す例では、第2面PL2と平行な加工面8上のポインタ点像PP2のXY座標が、第1面PL1と平行な加工面8上のポインタ点像PP1のXY座標に比べ右側にズレている。同様に、図3及び図4に示すように、第3面PL3のポインタ点像PP3が、第2面PL2のポインタ点像PP2の位置に比べ右側にズレている。尚、図4は、第1面PL1及びポインタ点像PP1の図示を省略している。また、以下の説明では、3つのポインタ点像PP1,PP2,PP3を総称する場合は、ポインタ点像PPと記載する。
印字情報作成部2の制御部51は、例えば、カメラ103で撮像した撮像データを画像処理することでポインタ点像PPのXY座標を検出する。HDD66には、ポインタ点像PPのXY座標の値と、ワーキングディスタンスWDの値とを対応付けたテーブルが記憶されている。制御部51は、検出したポインタ点像PPのXY座標と一致する値をテーブルから検索することで、加工面8のワーキングディスタンスWDを検出することができる。尚、ワーキングディスタンスWDを検出する方法は、上記したテーブルを用いる方法に限らない。例えば、制御部51は、XY座標の値とワーキングディスタンスWDとの関係が表された近似式を用いて、ワーキングディスタンスWDを演算しても良い。
ここで、本実施形態のポインタ光出射器105は、ポインタ光Pの出射方向が固定されており、且つガルバノスキャナ18のような走査部が光路に設置されていない。ポインタ光出射器105の位置を固定することで、ヘッド部17の小型化やワーキングディスタンスWDの検出精度を高めることができる一方、ポインタ点像PPのXY座標を変更することが困難となる。例えば、図3及び図4に示すように、ワーク7が、加工面8に凸部83を有する場合を考える。ポインタ光出射器105を用いてワーキングディスタンスWDを測距した位置が、凸部83よりも凹んだ位置であった場合、凸部83にマーキングしようとすると、ポインタ光出射器105で測距したワーキングディスタンスWDと、実際にマーキングを行う凸部83の加工面8のワーキングディスタンスWDに誤差が生じる。加工レーザ光Rの焦点位置F(図1参照)をポインタ光出射器105で測距したワーキングディスタンスWDで調整した場合、マーキングの際に焦点がズレることで、加工不良が発生する虞がある。
そこで、本実施形態のレーザマーカ1は、ガイド光出射装置15のガイド光Qを用いて、実際にレーザ加工を施す位置(例えば、凸部83の突出した加工面8)のワーキングディスタンスWDに基づいて焦点位置Fを調整する。以下、凸部83の突出した加工面8を、他の加工面8と区別するため、加工面8Aと称する。詳細については、後述するが、制御部51は、例えば、ポインタ光出射器105で測距したワーキングディスタンスWDの位置で、XY方向に平行な面を、基準面として設定する。制御部51は、印字情報に基づいて、この基準面にマーキングした場合の加工領域内に第1位置を設定する。また、制御部51は、第1位置にガイド光Qを照射した場合に、凸部83の加工面8Aにおけるガイド光Qが照射される位置を、即ち、実際のレーザ加工時に加工レーザ光Rが加工面8Aに当たる位置をカメラ103の撮像データに基づいて検出し、検出した位置を第2位置として設定する。また、制御部51は、第1位置にガイド光Qを照射した場合におけるガイド光Qの照射角度θを取得する。そして、制御部51は、第1位置、第2位置、及び照射角度θに基づいて光学系70を制御し、加工レーザ光Rの焦点位置Fを、加工面8Aに調整する。これにより、実際に加工する位置に合ったワーキングディスタンスWDに応じて焦点位置Fを調整でき、レーザ加工を好適に実行できる。
[3.レーザマーカ1の制御フロー]
次に、印字情報作成部2の制御部51によるワーキングディスタンスWDの測距、焦点位置Fの調整、レーザ加工を実行する制御について、図7を参照しつつ説明する。図7は、制御部51によって実行される加工処理の内容を示している。制御部51は、例えば、入力操作部55の操作入力に応じてROM63に記憶された所定のプログラムを実行することで、図7に示す処理を実行する。制御部51は、レーザコントローラ6を介してレーザ加工部3の各部を制御する。以下の説明では、一例として、ポインタ光出射器105で測距したワーキングディスタンスWDに設定した基準面が、第2面PL2である場合について説明する。
まず、図7のステップ(以下、単に「S」と表記する。)11において、制御部51は、ポインタ光PによりワーキングディスタンスWDを測距する。例えば、ユーザは、ワーク7を作業台(図示略)の上に載せた後、入力操作部55を操作してレーザマーカ1にワーキングディスタンスWDを測距させる指示を行なう。制御部51は、レーザコントローラ6を介してポインタ光出射器105を制御し、ポインタ光出射器105からワーク7の加工面8へポインタ光Pを照射する。この際、制御部51は、例えば、レーザ発振ユニット12の加工レーザ光R及びガイド光出射装置15のガイド光Qの出射を停止した状態とする。ポインタ点像PPは、例えば、第2面PL2のポインタ点像PP2の位置に映し出される。制御部51は、カメラ103の撮像データを画像処理してポインタ点像PP2のXY座標を検出し、HDD66のテーブルからXY座標に対応するワーキングディスタンスWD(今回はワーキングディスタンスWD2)を検出することで、ワーキングディスタンスWDを測距する(S11)。
次に、制御部51は、印字情報に基づいて第1位置を決定する(S13)。本実施形態の制御部51は、例えば、基準面において、マーキングする加工領域の中心に第1位置を設定する。ここでいう加工領域とは、例えば、マーキングする文字の位置を含む領域であり、マーキングのレーザ加工を行なう領域を全て含む領域である。詳述すると、制御部51は、S11でワーキングディスタンスWD2を検出した第2面PL2を基準面に設定する。制御部51は、例えば、第2面PL2にXY座標を設定し、印字情報に基づいて第2面PL2にマーキングした場合に、実際にマーキングする文字の大きさや配置に応じて加工領域を設定する。
図8は、第2面PL2に設定した加工領域と第1位置との関係を示している。図8に示す例では、マーキングする文字85として、一列に並ぶ「あいうえお」の文字をマーキングする場合を示している。制御部51は、例えば、第2面PL2において、マーキングする「あいうえお」の全ての文字85を含む長方形の領域(レーザ加工する領域を全て含む領域)を、加工領域87として設定する。制御部51は、例えば、加工領域87における対角線上に並ぶ2つの角部89のXY座標の平均値を、第1位置PT1の座標位置に設定する。図8に示す例では、第1位置PT1は、加工領域87の対角線の中点であり、加工領域87の中心となる。
制御部51は、S13を実行した後、第1位置PT1へガイド光Qを出射する(S15)。制御部51は、S11でワーキングディスタンスWDを測距した第2面PL2上に第1位置PT1(例えば、マーキングする文字の中心位置)を設定する。制御部51は、レーザコントローラ6を介してガイド光出射装置15を制御し、ガイド光Qを第1位置PT1に出射させる。この際、制御部51は、例えば、加工レーザ光R及びポインタ光Pの出射を停止した状態とする。制御部51は、ガルバノスキャナ18を制御し、ガイド光Qを映し出す位置を、第1位置PT1に調整する。
ここで、仮に、ワーク7の加工面8が同一平面である場合、第1位置PT1の位置と、第1位置PT1に向けてガイド光Qを照射した場合の加工面8におけるガイド光Qが映し出される位置(以下、第2位置PT2という)は一致する。しかしながら、図3~図6に示すように、マーキングする位置に、第2面PL2よりも突出した凸部83や凹んだ凹部(図6参照)がある場合、データ上の第1位置PT1と、実際に映し出される第2位置PT2に、凹凸の高さに応じた誤差が生じる。本実施形態の制御部51は、ガイド光Qをカメラ103で撮像し、第2位置PT2を検出する。制御部51は、第1位置PT1、第2位置PT2、ガイド光Qの照射角度θに基づいて、上下方向における第1位置PT1と第2位置PT2の距離を、高さH(図6参照)として演算する。そして、制御部51は、高さHに基づいて焦点位置Fを調整する。
詳述すると、制御部51は、S15において第1位置PT1に向かってガイド光Qを照射した状態で、ガイド光Qによって第2位置PT2に映し出されたガイド点像をカメラ103により撮像する(S18)。制御部51は、カメラ103の撮像データに基づいてガイド点像のXY座標を演算し、第2位置PT2のXY座標として設定する。制御部51は、XY方向に平行な平面における第1位置PT1及び第2位置PT2の間の距離D(図5、図6参照)を算出する。換言すれば、距離Dは、XY方向に平行な平面に垂直な方向からワーク7を見た場合における第1位置PT1と第2位置PT2の間の距離である。例えば、制御部51は、第1位置PT1及び第2位置のX座標の差ΔXと、Y座標の差ΔYとに基づいて、距離Dを演算する。
また、制御部51は、例えば、ガルバノスキャナ18の振角に基づいて、照射角度θを演算することができる。この照射角度θは、例えば、図3に示すように、fθレンズ19の下面の中心を基準点91とした場合に、XY方向において加工レーザ光Rを照射可能な範囲の中心と基準点91とを通る直線93と、基準点91と第2位置PT2(第1位置PT1)を通るガイド光Qの光軸とがなす角度である。換言すれば、照射角度θは、実際にレーザ加工を行なう加工面8(例えば、凸部83の加工面8A)に向けてガイド光Qを照射した場合における基準点91からのガイド光Qの振り角である。HDD66には、例えば、ガルバノX軸モータ31の駆動角度、ガルバノY軸モータ32の駆動角度、及び照射角度θを関連付けたテーブルが記憶されている。制御部51は、ガイド光Qを第1位置PT1に照射した状態におけるX軸モータ31及びガルバノY軸モータ32の駆動角度と一致する値をテーブルから検索することで、照射角度θを検出することができる。尚、制御部51は、ガイド光Qの経路方向における第2レンズ74の位置に基づいて照射角度θを補正しても良い。
制御部51は、図6に示すように、例えば、距離Dと照射角度θから高さH(=D/tanθ)を演算する(S18)。制御部51は、S18で演算した高さHに基づいて、光学系70を制御し、焦点位置Fを調整する(S19)。高さHは、基準面である第2面PL2と、実際にマーキングを行なう第2位置PT2との間の距離である。例えば、実際にマーキングする部分に、第2面PL2より上方の位置まで突出する凸部83が形成されていた場合、高さHは、第2面PL2と凸部83の第2位置PT2の間の距離であり、第2面PL2に対する凸部83の突出量に応じた値である。凸部83の突出量が大きくなればなるほど、第2位置PT2(加工面8A)は、第2面PL2から上方へ離れた位置となる。図3に示す例では、高さHが高くなればなるほど、第2位置PT2は、第1位置PT1に比べてより直線93(基準点91)側へ近づいた位置となる。
逆に、図6に破線で示すように、例えば、実際にマーキングする部分に、第2面PL2より下方の位置まで凹む凹部が形成されていた場合、高さH2は、第2面PL2と凹部の第2位置PT2の間の距離である。凹部の凹む量が大きくなればなるほど、第2位置PT2は、第2面PL2から下方へ離れた位置となる。高さH2が大きくなり、第2位置PT2は、例えば、第1位置PT1に比べてより直線93からより離れた位置となる。
上記したように、例えば、XY平面で見た場合に、実際にマーキングする部分が突出している凸部である場合、第2位置PT2は、第1位置PT1に比べて内側に位置する。逆に、凹んでいる凹部である場合、第2位置PT2は、第1位置PT1に比べて外側に位置する。そこで、制御部51は、例えば、第2位置PT2が第1位置PT1よりも直線93(基準点91)に近い位置(図3の内側)である場合、光学系70を制御して、S18で演算した高さHだけ焦点位置Fを上げる(fθレンズ19に近づける)調整を実行する(S19)。焦点位置Fは、凸部83の加工面8A(第2位置PT2)のワーキングディスタンスWD4(図3参照)で焦点が合う位置となる。逆に、制御部51は、第2位置PT2が第1位置PT1よりも直線93(基準点91)から離れた位置(図3の外側)である場合、S18で演算した高さH2だけ焦点位置Fを下げる(fθレンズ19から遠ざける)調整を実行する(S19)。そして、制御部51は、S19で焦点位置Fを調整した後、レーザ発振ユニット12等を制御して加工レーザ光Rを照射し、ワーク7に対するレーザ加工を実行する(S21)。これにより、焦点位置Fを、加工面8Aの凹凸の高さH,H2に応じた位置に調整でき、加工レーザ光Rの焦点を凹凸の位置に合せた上で、レーザ加工を実行できる。
因みに、上記実施形態において、レーザ発振ユニット12は、本願のレーザ光出射部の一例である。ガイド光出射装置15は、ガイド光出射部の一例である。ガルバノスキャナ18は、走査部の一例である。光学系70は、可変焦点光学系の一例である。カメラ103は、撮影部、測距装置の一例である。ポインタ光出射器105は、測距装置の一例である。第2面PL2は、基準面の一例である。
[4.まとめ]
以上詳細に説明した本実施形態では、以下の効果を奏する。
(1)制御部51は、印字情報(本願の加工データの一例)に基づいて第2面PL2にレーザ加工を実行する場合に、第2面PL2における加工領域内の第1位置PT1を決定する(S13、第1位置取得処理の一例)。制御部51は、ガルバノスキャナ18を制御してガイド光出射装置15から第1位置PT1にガイド光Qを照射した場合に、ワーク7の加工面8Aにおけるガイド光Qが照射される第2位置PT2を、カメラ103の撮像データに基づいて取得する(S18、第2位置取得処理の一例)。また、制御部51は、第1位置PT1にガイド光Qを照射する場合の照射角度θを、ガルバノスキャナ18の振角に基づいて演算する(S18、照射角度取得処理の一例)。そして、制御部51は、第1位置PT1、第2位置PT2、及び照射角度θに基づいて高さHを演算し(S18)、高さHに基づいて加工レーザ光Rの焦点位置Fを、加工予定の凸部83の加工面8Aに調整する(S19、調整処理の一例)。
これにより、第1位置PT1、第2位置PT2、及び照射角度θに基づいて、加工面8Aの凹凸の高さHを考慮した位置に加工レーザ光Rの焦点位置Fを調整することができる。また、ガルバノスキャナ18によってガイド光Qの位置を、実際にレーザ加工を施す凸部83に合わせた上で、焦点位置Fを調整できるため、ワーク7を移動させずに焦点位置Fを凸部83の加工面8Aに調整でき、凸部83に対するレーザ加工を適切に実行することができる。加工位置の高さを測距するために、ユーザがワーク7を移動させる必要がなくなる。
(2)また、制御部51は、ワーク7までの距離であるワーキングディスタンスWD(実施例では、ワーキングディスタンスWD2)を、ポインタ光出射器105のポインタ点像PPをカメラ103で撮像した撮像データから検出する。制御部51は、測距したワーキングディスタンスWD2の位置に基準面を設定する。
これによれば、基準面を、ポインタ光出射器105とカメラ103でワーキングディスタンスWDを測定した位置に設定できる。このため、基準面を正確な位置に設定した上で、高さHの測距や焦点位置Fの調整を実施できる。焦点位置Fの調整を精度良く実施できる。
(3)また、制御部51は、第1位置PT1として、印字情報に基づいて第2面PL2にレーザ加工を実行した場合における加工領域87の中心位置を設定する(図8参照)。これによれば、加工領域87の中心位置の高さHを、基準として、加工領域87全体の焦点位置Fの調整を実行できる。
(4)また、制御部51は、第1位置PT1として、印字情報に基づいて基準面にレーザ加工を実行した場合において、ガイド光Qの照射角度θが最大となる位置を、第1位置PT1として設定しても良い。例えば、図3、図8に示す例であれば、マーキングを行なう加工領域87内のうち、直線93から最も離れた位置を、第1位置PT1として設定しても良い。照射角度θが大きくなる位置を第1位置PT1に設定することで、第1位置PT1の高さHの演算精度、即ち、高さHの検出精度を高めることができる。その結果、焦点位置Fを調整する精度を向上できる。
(5)また、ガイド光出射装置15は、加工レーザ光Rとは異なる波長の可視光を、ガイド光Qとして出射する。これによれば、ガイド光Qが、加工したい凸部83に照射されているかどうかを、目視によっても確認することができる。また、高さHを、比較的安価な構成で測距することができる。
[5.その他]
尚、本開示は、上記実施形態に限定されるものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
例えば、上記実施形態では、第1位置PT1を、加工領域87の中心に設定したが、これに限らない。例えば、制御部51は、図8に示す一列に並ぶ文字85のうち、真ん中の「う」の文字85を囲む加工領域の中心を、第1位置PT1に設定しても良い。また、第1位置PT1は、加工領域87の中心に限らず、角部89の位置、最初の文字85「あ」の位置などでも良い。
また、制御部51は、複数の第1位置PT1を設定しても良い。制御部51は、例えば、加工領域87の全ての角部89に第1位置PT1を設定し、高さHを測距しても良い。そして、制御部51は、複数の第1位置PT1の高さHの平均値、最大値、最小値等を、最終的な高さHとして採用しても良い。
また、上記実施形態では、制御部51は、ポインタ光出射器105及びカメラ103によって予めワーキングディスタンスWDを測距し、その測距したワーキングディスタンスWD(上記実施形態では、ワーキングディスタンスWD2)に第2面PL2を設定した。しかしながら、制御部51は、例えば、ポインタ光出射器105やカメラ103による測距を実行せずに、例えば、予め設定された距離(例えば、ワーキングディスタンスWD2の距離)に基準面の第2面PL2を設定しても良い。この場合、ユーザが、ワーク7を配置する際に、加工面8がワーキングディスタンスWD2の位置となるように配置しても良い。これにより、制御部51は、予め定められた距離だけ離れた位置にワーク7が存在するという前提で、高さHの測距や焦点位置Fの調整を実行することができる。また、ポインタ光出射器105による測距を実行しないため、レーザマーカ1は、ポインタ光出射器105を備えなくとも良い。
また、印字情報作成部2は、印字情報等(本願の加工データの一例)を、外部のサーバ等から取得しても良い。
また、本願のガイド光は、可視光に限らず、カメラで撮像可能な他の光でも良い。例えば、紫外線と紫外線カメラ、赤外線と赤外線カメラを使用しても良い。
1 レーザマーカ、7 ワーク、8,8A 加工面、12 レーザ発振ユニット、15 ガイド光出射装置(ガイド光出射部)、18 ガルバノスキャナ(走査部)、51 制御部、70 光学系(可変焦点光学系)、87 加工領域、103 カメラ(撮影部、測距装置)、105 ポインタ光出射器(測距装置)、F 焦点位置、PL2 第2面(基準面)、Q ガイド光、R 加工レーザ光、WD,WD2 ワーキングディスタンス。

Claims (6)

  1. レーザ光を出射するレーザ光出射部と、
    ガイド光を出射するガイド光出射部と、
    前記ガイド光を走査する走査部と、
    前記ガイド光が照射される領域を撮影する撮影部と、
    前記レーザ光の焦点位置を移動させる可変焦点光学系と、
    加工データに基づいて、前記レーザ光出射部を制御してワークに対するレーザ加工を実行する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記加工データに基づいて基準面にレーザ加工を実行する場合に、前記基準面における加工領域内の特定位置を第1位置として取得する第1位置取得処理と、
    前記走査部を制御して前記ガイド光出射部から前記第1位置に前記ガイド光を照射した場合に、前記ワークの加工面における前記ガイド光が照射される第2位置を、前記撮影部で撮像した撮像データに基づいて取得する第2位置取得処理と、
    前記走査部を制御して前記ガイド光出射部から前記第1位置に前記ガイド光を照射した場合における前記ガイド光の照射角度を取得する照射角度取得処理と、
    前記第1位置、前記第2位置、及び前記ガイド光の照射角度に基づいて前記可変焦点光学系を制御し、前記レーザ光の焦点位置を前記加工面に調整する調整処理と、
    を実行する、レーザマーカ。
  2. 前記ワークまでの距離であるワーキングディスタンスを測距可能な測距装置を備え、
    前記制御部は、
    前記第1位置取得処理において、前記測距装置により測距した前記ワーキングディスタンスの位置に前記基準面を設定する、請求項1に記載のレーザマーカ。
  3. 前記制御部は、
    前記第1位置として、前記加工データに基づいて前記基準面にレーザ加工を実行した場合における前記加工領域の中心位置を前記第1位置として取得する、請求項1又は請求項2に記載のレーザマーカ。
  4. 前記制御部は、
    前記第1位置として、前記加工データに基づいて前記基準面にレーザ加工を実行した場合において、前記ガイド光の照射角度が最大となる位置を、前記第1位置として取得する、請求項1又は請求項2に記載のレーザマーカ。
  5. 前記ガイド光出射部は、
    前記ガイド光として、前記レーザ光とは異なる波長の可視光を出射する、請求項1から請求項4の何れか1項に記載のレーザマーカ。
  6. レーザ光を出射するレーザ光出射部と、
    ガイド光を出射するガイド光出射部と、
    前記ガイド光を走査する走査部と、
    前記ガイド光が照射される領域を撮影する撮影部と、
    前記レーザ光の焦点位置を移動させる可変焦点光学系と、
    加工データに基づいて、前記レーザ光出射部を制御してワークに対するレーザ加工を実行する制御部と、
    を備えるレーザマーカのレーザ光調整方法であって、
    前記加工データに基づいて基準面にレーザ加工を実行する場合に、前記基準面における加工領域内の特定位置を第1位置として取得し、
    前記走査部を制御して前記ガイド光出射部から前記第1位置に前記ガイド光を照射した場合に、前記ワークの加工面における前記ガイド光が照射される第2位置を、前記撮影部で撮像した撮像データに基づいて取得し、
    前記走査部を制御して前記ガイド光出射部から前記第1位置に前記ガイド光を照射した場合における前記ガイド光の照射角度を取得し、
    前記第1位置、前記第2位置、及び前記ガイド光の照射角度に基づいて前記可変焦点光学系を制御し、前記レーザ光の焦点位置を前記加工面に調整する、
    レーザ光調整方法。
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