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JP2021502831A - 核酸の単離方法 - Google Patents

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JP2021502831A JP2020545217A JP2020545217A JP2021502831A JP 2021502831 A JP2021502831 A JP 2021502831A JP 2020545217 A JP2020545217 A JP 2020545217A JP 2020545217 A JP2020545217 A JP 2020545217A JP 2021502831 A JP2021502831 A JP 2021502831A
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Abstract

本発明は核酸を単離するための方法及びキットを提供し、これには、核酸の精製及び核酸濃縮、並びにそれらがバイオマーカーとして働くサンプル中の核酸の同定が含まれる。より具体的には、本発明が(a)アミン、アミジン又は他のアミン由来カチオンであるカチオン性分子又は(b)固体支持体に結合した副溝核酸結合分子のいずれかである、核酸結合分子に、核酸を結合させる工程、及びポリオキソメタレート又はシュウ酸塩との接触によって結合した核酸を核酸結合分子から解離させる工程を提供する。【選択図】図3

Description

本発明は、核酸の精製及び核酸濃縮のため、並びにそれらがバイオマーカーとして働く試料中の核酸の同定のためを含む核酸の単離に関する。
本明細書における明らかに先に公開された文献の列挙又は議論は、その文献が最新技術の一部であるか、又は一般的な一般知識であることを必ずしも認めるものと解釈されるべきではない。
核酸を単離する最も一般的な方法は、Boomの方法(US5234809)に由来するシリカ法である。この方法は、シリカと核酸との間の独特の可逆的相互作用に基づく。シリカの表面構造の設計、又はシリカが固体マトリックスにどのように結合されるかに関連する、いくつかのバリエーションが存在する。例えば、シリカの水和状態を変化させて、核酸結合を改善することができる。シリカはシリカ膜及びシリカ被覆磁性粒子を形成するために、様々な基材に結合されている。
Boomの方法は手順が単純であり、プロセスによって単離された核酸の純度が、ほとんどの下流用途に許容されるため、一般的である。Boomの方法は、結合、洗浄及び溶出の3つの工程を含む。しかしながら、生物学的サンプルが関係する場合、サンプルの均質化は、通常、第1のステップの前に行われる。核酸は、典型的には細胞膜及び/又は細胞壁、又はウイルスカプセル内で保護されている。核酸はまた、一般に、タンパク質(例えば、ヒストンタンパク質又は核酸を消化し得る酵素を含む酵素)と会合している。従って、生物学的サンプルから核酸を抽出するためには、細胞を溶解しなければならず、そして核酸を修飾又は消化し得る酵素を選択的に不活性化する必要があり得る。また、生成物中にリボ核酸(RNA)が不要な場合には、通常、RNAを消化するための酵素が溶解工程に含まれる。この酵素は、RNAを個々のヌクレオチドに加水分解し、これは、洗浄工程の間に除去され、そして溶出産物中にデオキシリボ核酸(DNA)のみを残す。同様に、RNAが所望の産物である場合、DNAを消化する酵素を含有させることによって、DNAを選択的に消化することができる。RNAが所望の産物である場合、RNAaseインヒビターはしばしば、RNAを分解から保護するために使用される。
カオトロピック剤は、しばしば、三次構造を分解し、細胞成分又はウイルスカプセル中からの核酸の溶液中への放出を確実にするために添加される。典型的には、カオトロピック塩、例えば塩化グアニジニウムが追加される。カオトロピック塩は、核酸、特にDNAを修飾又は加水分解する酵素に対する阻害剤としても作用する。塩濃度は、シリカ表面への核酸結合に重要である。シリカは、塩濃度が低い場合には効率的に核酸を捕捉しないので、グアニジニウム塩、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム及び塩化カリウムなどの塩を添加してイオン強度を増加させ、捕捉を容易にする。溶解後及び結合工程前の試料溶液中の塩の濃度は、Boomの方法では0.5M〜2Mである。核酸は結合工程においてシリカ表面上に捕捉されるが、タンパク質、脂質、及び他の細胞成分は非特異的相互作用によって結合しないか、又は弱くしか結合しない。しかしながら、塩もシリカマトリックス上に捕捉される。次いで、洗浄工程においてシリカマトリックスを高濃度のアルコール(通常約70%エタノール)で洗浄して、弱く結合した細胞成分及び/又は保持されている任意の塩を除去する。しかしながら、核酸からアルコールを完全に除去することは困難である。
アルコールは下流用途の多くの酵素、例えば、PCRに使用されるポリメラーゼ、アニーリング反応に使用されるリガーゼ、及び制限酵素消化に使用されるヌクレアーゼに対する強力な阻害剤であることがよく知られている。したがって、下流での適用を妨げないように、マトリックスからのアルコールの除去を確実にするために、追加の工程が必要とされる。使用される方法は、シリカマトリックスを加熱すること、マトリックスを高速で遠心分離すること、又はアルコールを蒸発させるためにマトリックスを空気に曝すことを含む。残留アルコールを除去した後、核酸を、低塩濃度(例えば、10mM Tris及び1mM EDTA、pH8.0)を有する溶液を用いてシリカ表面から溶出する。
イオン交換クロマトグラフィーを用いる核酸単離のための無溶媒方法が開発されている。陰イオン交換クロマトグラフィーは、長い間核酸を精製するために使用されてきた。この方法は、負に荷電した核酸に結合するカチオン性樹脂を使用する。ゲノムDNA又はプラスミドのような核酸は、その長さに沿って数万の負に荷電したリン酸基を有する。したがって、カチオン性樹脂は、核酸に非常に強く結合する。一方、タンパク質、脂質、及びオリゴ糖は、双性イオン性であるか、正に荷電しているか、又はより少ない負電荷を有するかのいずれかであり、したがって核酸ほど強くカチオン性樹脂に結合しない。核酸と他の細胞成分との間の親和性の違いを利用して、核酸を抽出する。このプロセスでは、対イオン、例えば塩化ナトリウム、塩化グアニジニウム、グアニジンイソチオシアネート、又は塩化カリウムを含有するイオン溶液を樹脂に通し、対イオンの濃度を徐々に増加させる。最も弱く結合する分子は、最低濃度で溶出される。対イオンの濃度が増加することにつれて、より強固に結合した分子が溶出される。典型的にはタンパク質、オリゴ糖及び脂質は0.3M塩化ナトリウム未満で溶出される。核酸は、0.5M〜2M以上の塩化ナトリウムから溶出することができる。しかしながら、核酸が塩溶液で溶出される場合、大量の塩も核酸と共に溶出液中に移動する。塩の濃度は、大部分の下流での適用を阻害するほど高い。従って、核酸溶液から塩を除去するために、さらなる工程が必要とされる。
従って、下流の処理が行われる前にアルコール及び塩のような汚染物質の除去を必要としない、核酸を単離するための方法が必要とされている。本開示は、そのようなプロセスを提供することを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、以下の工程を含む、第1の核酸含有組成物からの核酸の分離方法が提供される:
a)第1相に第1の核酸含有組成物を提供すること;
b)第2相に、
(a)アミン、アミジン又は他のアミン由来のカチオンであるカチオン性分子、又は
(b)副溝核酸結合分子
のいずれかである、核酸結合分子を提供すること;
c)前記第1の核酸含有組成物中の核酸が、前記核酸結合分子に結合するのに十分な時間、前記第1相と前記第2相との間の接触を維持することを可能にすること;
d)第1相を第2相から分離すること;及び
e)第2相を処理して、ポリオキソメタレート又はシュウ酸塩分子を含む解離組成物と接触させることによって、結合した核酸を前記核酸結合分子から解離させ、第2の核酸含有組成物を生成すること。
本発明の第2の態様によれば、第2の核酸含有組成物中に存在する1以上の核酸を増幅することをさらに含む、第1の態様による方法が提供される。
本発明の第3の態様によれば、第1の態様による方法であって、さらに、第2の核酸含有組成物中に存在する1以上の核酸を増幅し、特定の核酸又は一般的な核酸の存在を検出することを含む、方法が提供される。
本発明の第4の態様によれば、第1〜第3の態様のいずれかのプロセスにおいて使用するように構成された、第1の核酸含有組成物から核酸の分離するための装置が提供される。
本発明の第5の態様によれば、(a)アミン、アミジン又は他のアミン由来カチオンであるカチオン性分子、又は(b)副溝核酸結合分子のいずれかである核酸結合分子を含む、第1の組成物と;
ポリオキソメタレート又はシュウ酸塩を含む、第2の組成物を含み、
前記核酸結合分子に結合した核酸への前記第2の組成物の添加が、前記核酸結合分子からの核酸の解離をもたらす、キットが提供される。
本開示を容易に理解し、実用的に実施するために、添付の図面を参照して例示される例示的な実施形態を参照する。図面は説明と共に、本発明の実施形態をさらに例示し、様々な原理及び利点を説明するのに役立つ。
図1は、pHに対するバナジン酸塩(V)のスペシエーションを示すグラフである。種の分布は、バナジウムの濃度及び溶液のpHの両方に依存する。より高い濃度では、バナジウムの大部分がpH5でデカマー(HV1028の形態をとる。 図2は、ストレプトマイシン樹脂を用いたDNA分離の結果の画像を示す。(a)pBR322 MspI消化DNAの分子量スケールを有するDNA電気泳動ゲルの写真(b)DNAの電気泳動ゲルの写真。ここで、pBR322 MspI消化DNAは、ストレプトマイシン結合樹脂を用いて単離された。ゲルは、陽性対照(M)、フロースルー画分(FT0)、洗浄画分(W0)及び回収核酸画分(E0)のレーンを有する。 図3は、DEAE樹脂を用いてpBR322 Msp I消化DNAを単離したDNA電気泳動ゲルの写真を示す。ゲルは、陽性対照(M5)、フロースルー画分(FT2)、洗浄画分(W2)及び回収核酸画分(E2)のレーンを有する。 図4は、ストレプトマイシン結合樹脂から2000コピーのマウスゲノムDNAが溶出された場合の、対数(コピー数)に対するCT値のグラフを示す。 図5は、種々の核酸サンプルを、NaClがストレプトマイシン結合樹脂からDNAを溶出する塩化ナトリウム(NaCl)濃度と対比するグラフを示す。 図6は、pBR322 Msp I消化DNAが、バナジン酸ナトリウム(レーン1)、シュウ酸カリウム(レーン2)、酒石酸四水和物(レーン3)、ヘキサクロロ白金酸(IV)(レーン4)、及び水酸化ナトリウム(レーン5)で溶出されたDNA電気泳動ゲルの写真を示す。 図7はDNA電気泳動ゲルの写真を示し、ここで、pBR322 Msp I消化DNAは、デカバナジン酸(レーン1E)、タングステン酸ナトリウム(レーン2E)又は種々の形態のモリブデン酸ナトリウム(MoO4(2−)pH 6.1、レーン3E; Mo7O24(6−)pH 4.1、レーン4E及びMo8O26(4−)pH 2.1、レーン5E)で溶出された。(F)は収集されたフロースルーを表す。(W)は溶出前に収集された0.5MのNaCl洗浄を表す。(E)は収集されたデカバナジン酸、タングステン酸ナトリウム又はモリブデン酸ナトリウム溶出物を表す。(S)はDNAの溶出後に収集された、2.5MのNaCl洗浄を表す。
[定義]
便宜上、本明細書、実施例、及び添付の特許請求の範囲で使用される特定の用語をここに集める。
「第1相」という用語は、本発明の文脈において使用される場合、核酸含有組成物を含む液体又は移動相を指す。
用語「含む(comprising)」は本明細書では本発明を実施する際に様々な成分、成分、又はステップを共同で使用することができるものと定義され、したがって、用語「含む(comprising)」はより限定的な用語「本質的にからなる」及び「からなる」を包含する。
本発明は、第1の核酸含有組成物からの核酸の単離方法に関する。第1の核酸含有組成物は、アミン、アミジン又は他のアミン由来カチオンであるカチオン性分子、又は副溝核酸結合分子のいずれかである、核酸結合分子と接触させられる。接触は、第1の核酸含有組成物中の核酸が核酸結合分子に結合するのに十分な時間維持される。組成物の他の成分は、結合しないか、又は洗い流される。その後、結合した核酸は、ポリオキソメタレート、シュウ酸塩又は可溶性副溝結合分子を含む解離組成物と接触することによって、核酸結合分子から解離され、第2の核酸含有組成物を生成する。一般に、第1の核酸含有組成物は生物学的試料に由来し、したがって、タンパク質及び脂質などの他の生物学的分子を含有し、第2の核酸含有組成物は、これらの成分を実質的に含まない。
この方法は、下流の酵素反応と適合する。他の溶出方法のように、アルコール又は塩を除去する必要はない。これは、核酸の増幅が、溶出されたDNA/RNAが増幅工程において直接的に使用され得るので、単純化されることを意味する。これは、時間がかかり、潜在的にサンプルの汚染を可能にするさらなる処理ステップを行う必要性を回避する。したがって、患者からの試料中の特定の核酸又は一般的な核酸の検出が単純化される。
第1の核酸含有組成物は、生物学的サンプル(例えば、液体、固体、培養細胞、便、毛髪、スワブなど)、又は衣類、壁綿棒(wall swab)、プラスチック、布地、土壌などから採取された法医学的サンプルのような環境から採取されたサンプルであり得る。
生物学的サンプルは、核酸抽出の前に溶解される無傷の細胞を含み得る。当業者によって十分に理解されるように、溶解工程は、機械的、熱的、酵素的、若しくは化学的方法、又はこれらの組み合わせであり得る。適切な機械的方法としては、超音波処理、不活性研磨粒子による破壊、又は剪断力による溶解が挙げられる。熱的方法には、直接加熱又は凍結及び解凍サイクルが含まれる。化学的方法には、カオトロピック塩、溶媒、又は浸透圧ショック誘導塩の添加による溶解が含まれる。酵素的方法には、プロテイナーゼによる加水分解が含まれる。
好ましい実施形態によれば、核酸結合分子は、マトリックス、膜、又は表面であり得る固体支持体に結合される。典型的には、核酸結合分子が第1の核酸含有組成物が導入されるカラムに充填される。固相支持体は固定相と呼ばれる第2相を形成し、一方、第1の核酸含有組成物は、移動相と呼ばれる第1相を形成する。核酸結合分子は、溶液中で利用可能な核酸結合部分で固定相に結合される。抽出の間、核酸結合分子は核酸を捕捉し、それは一時的に固定相の一部となる。当業者によってよく理解されるように、このようなカラムは、第1の核酸含有組成物中の核酸が核酸結合分子に結合するのに十分な時間、接触が維持されるように設計される。第1の核酸含有組成物の他の成分は、結合せずにカラムを通過するか、又は弱く結合され、したがって、核酸が結合したままである間、洗浄工程においてカラムから洗浄され得る。
必ずしも必要ではなく、好ましくはないが、第1の核酸含有組成物は塩を含有してもよい。当業者によって十分に理解されるように、塩の添加は、水素結合、ファンデルワールス力、及び疎水性効果などの非共有結合力によって媒介される分子内相互作用を妨害し、核酸結合分子への非特異的結合を低減又は排除する。塩は、核酸結合分子への非特異的結合を減少又は排除する任意の塩であり得る。一実施形態では、塩は、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化カリウム、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(CTAB)、ヒスチジン、尿素、塩酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジン、アルカリ溶液、及び塩化アンモニウムからなる群から選択される。塩は、核酸結合分子への非特異的結合を阻害するために水溶液として添加され得る。より低い濃度、例えば0.1M、また例えば0.1〜0.5Mの範囲では、タンパク質、脂質又は他の非核酸分子が核酸結合分子と会合するのを阻害する。より高い塩濃度では、より大きな核酸のみが選択的に捕捉されるように、より小さな核酸が除去される。
0.1〜1Mの濃度を有する塩溶液を使用して、カラムを洗浄して非特異的結合分子を除去し、次いで廃棄することもできる。1〜6回の洗浄工程があってもよいが、通常、1又は2回の洗浄工程のみが必要である。1つ以上の異なる塩を溶液中で混合することができる。洗浄は、必要に応じて、異なる塩溶液を順番に適用して実施され得る。例として、塩化グアニジニウム溶液を第1の洗浄工程で使用し、続いて第2の洗浄工程で水を使用して、残留する塩化グアニジニウムを除去することができる。第1の核酸含有組成物が塩を含有するか、又は塩溶液が洗浄のために使用される場合、一般に、溶出工程の前に、残留塩を除去するために、水での最終洗浄が存在する。
別の好ましい実施形態では、カチオン性分子はカチオン性ポリマーである。
別の好ましい実施形態では、カチオン性ポリマーがポリエチレンイミン、ポリリジン、ポリアルギニン、グアニジノポリマー、又はアミジンポリマーである。グアニジノポリマーは、例えば、ヘキサメチレンジアミンなどのジアミンと塩酸グアニジンとの重合と、例えば、エピクロロヒドリンを使用することによるその後の架橋とによって形成される、縮合ポリマーであり得る。
別の好ましい実施形態では、カチオン性ポリマーはポリエチレンイミンである。
別の好ましい実施形態において、カチオン性分子は、固体支持体に固定化される。
別の好ましい実施形態では、カチオン性分子はアミンである。例えば、アミンは、第一級アミン、又はジエチルアミノエチル(DEAE)、トリメチルアンモニウム(QMA)、又はジエチル−(2−ヒドロキシプロピル)アミノエチル(QAE)基を含み、固体支持体に固定化される。
当業者によって十分に理解されるように、支持体は、カラムを充填することができる任意の固体支持体であり得る。例として、固体支持体は、Sephadex、セルロース、シリカ酸化物表面、金属酸化物表面、セラミック、Sepharose、アガロース、架橋アガロース、コア−シェル粒子、磁性粒子、デキストラン、架橋デキストラン、アクリルアミド、架橋アクリルアミド、又は他のポリマー粒子、例えばポリスチレン、ポリエチレンであってもよい。
別の好ましい実施形態において、核酸結合分子は、副溝核酸結合分子である。
別の好ましい実施形態では、核酸結合分子は、副溝核酸結合分子が固定化された固体支持体を含む樹脂である。
別の好ましい実施形態では、副溝核酸結合分子は、DNAの副溝に結合する、アミジノ基、アミド基、又はグアニジノ基から選択される1つ以上の基を有する分子であり、4−アミノブチルグアニジン、アルギニン又は4−アミノブチルグアニジンに由来するコンジュゲートなどが挙げられる。
別の好ましい実施形態では、副溝核酸結合分子は、アミジノ基を含む。
別の好ましい実施形態では、副溝核酸結合分子は、抗生物質、抗菌剤、又は抗癌剤である。
別の好ましい実施形態において、副溝核酸結合分子は、抗生物質又はその誘導体である。
別の好ましい実施形態において、抗生物質はストレプトマイシン又はその誘導体である(例えば、(Liu, YJ, Am Chem Soc.,133(26):10171−10183(2011)(その内容は、本明細書中で参考として援用される)を参照のこと)。
別の好ましい実施形態において、抗生物質は、ネトロプシン、DAPI、テトラサイクリン、Hoechst 33258、ネオマイシン、又はイソキノリンアルカロイド(例えば、パルマチン、コラリン又はベルベリン)である。
多くの抗生物質のアミジン又はアミド基は、核酸に結合する能力において重要である。アミジンは、スタッキング効果及びH結合を介して核酸と相互作用し得る。[Liu, YJ, Am Chem Soc.,133(26):10171−10183(2011)].ストレプトマイシンの誘導体が、核酸の結合を研究するために本論文で開発された。また、例えば、ネトロプシン、DAPI、テトラサイクリン、Hoechst 33258、RNAのポリAに結合するネオマイシン[Xi, H. FEBS Letters 583: 2269−2275 (2009)]、イソキノリンアルカロイド[Giri, P. Cytotoxic plant alkaloid palmatine binds strongly to poly(A), Bioorg. Med. Chem. Lett. 16: 2364−2368(2006); Xing, F. Coralyne binds strongly to poly(A), FEBS Lett. 579: 5035−5039 (2005); Yadav, R.C., Berberine, a strong polyriboadenylic acid binding plan alkaloid, Bioorg. Med. Chem. 13: 165−174 (2005)]など、他の抗生物質もまた、核酸に結合することが知られている。これらの構造研究は、会合が核酸の小溝で起こることを示す。
他の核酸結合分子(例えば、他の抗生物質薬物又は抗癌薬物)もまた使用され得、これらは、スタッキング相互作用、水素結合、及び静電引力を介して核酸に結合することが公知である。
別の好ましい実施形態では、副溝核酸結合分子が特定の配列を標的とすることができる。一実施形態では、副溝核酸結合分子は、ATリッチ核酸を選択することができる。一実施形態では、ATリッチ核酸を選択することが特異的に可能な核酸結合剤は、アミジンである。多くのアミジンベースの核酸結合剤は、ランダム又はGCリッチ配列よりもはるかに高い親和性でATリッチ配列に結合する。例えば、ビス−アミジノカルバゾールは、AATT配列の副溝内でアクセス可能な遺伝情報を読み取ることができる平面発色団を有する[Tanious, F.A., et al., Eur J Biochem. 268(12): 3455−64 (2001)]。カルバゾール誘導体は、対応するジベンゾチオフェン及びジベンゾフランよりもはるかに強く核酸に結合することが示されている。アミジン又はイミダゾリンのいずれかのカチオン性部分が、DNA及びRNAへの強力な結合に影響を及ぼすようことが示されている[Martine Demeunynck, Christian Bailly and W. David Wilson − 2006 − John Wiley & Sons, ISBN: 978−3−527−60566−8]。別のジカチオン性ジアミジン誘導体は、配列AATTを含むDNAの副溝に異常に強い結合を有することが示されている。別の研究では、ネトロプシン−オキサゾロピリドカルバゾールのアミジン基が、ポリGC配列よりもポリAT配列に対して強い親和性を示した。[Molecular Basis of Specificity in Nucleic Acid−Drug Interactions: Proceedings of the Twenty−Third Jerusalem Symposium on Quantum Chemistry and Biochemistry Held in Jerusalem, Israel, May 14−17, (1990) Eds. B. Pullman and J. Jortner, Springer Science + Busines Media, B.V.; ISBN 978−94−010−5657−1]。さらに別の刊行物において、Hoechst 33258のヘキサ環式アミジン類似体は、GGTAATTACCの配列に対して強い選択的親和性を示した[Bostock−Smith, C.E. et al., Chem. Commun., 0: 121−122 (1997)]。したがって、副溝結合剤は、第1の核酸含有組成物中の他の核酸に優先して、選択されたクラスの分子又は特定の配列さえも濃縮/抽出するために使用され得る。一実施形態では、GCリッチ又はランダム配列への結合を達成することができるが、試料中の塩濃度などのパラメータを調整する。
別の好ましい実施形態では、核酸結合分子は、配列特異的結合剤が結合される樹脂である。配列特異的結合剤が使用される場合、配列特異的結合剤に結合する標的配列を有する核酸の濃縮が可能である。標的配列は、バイオマーカーであり得る。
別の好ましい実施形態では、核酸結合分子は、核酸試料が存在する第2の液相と可溶性又は混和性でない第1の液相中に存在することができる。2つの液相は、水性/水性又は有機溶媒/水性であり得る。例としては、クロロホルム/水、油/水及びPEG溶液/水系が挙げられる。核酸結合分子は、第1の液相のみに存在し、第2相には存在しない。核酸結合分子は、第1の液相中のマトリックスの一部であってもよく、又は第1の液相中の可溶性成分であってもよい。核酸への結合は、第1の液相及び第2の液相の境界で起こり得る。一実施形態では、液相の一方が他方の液相中の微小液滴である。洗浄及び溶出は、第2の液相を洗浄溶液で置き換え、次いで溶出溶液で置き換えることによって達成することができた。
水を使用して、残留塩を除去し、非特異的に結合した分子を除去するために、核酸結合分子が起こった後の第2相をすすぎ、洗浄することができる。この方法ではアルコールは必要とされない。したがって、固体表面を乾燥させたり、表面からアルコールを除去したりする必要がない。
核酸結合分子からの結合核酸の解離は、解離組成物との接触によって起こる。クロマトグラフィープロセスにおいて使用される場合、解離組成物は、溶出緩衝液と呼ばれる。このような工程において、溶出緩衝液は、ポリオキソメタレートイオン、シュウ酸塩若しくは可溶性の副溝結合分子、又はこれらの化合物のいずれかの混合物を含み得る。
別の好ましい実施形態では、解離組成物はポリオキソメタレートを含む。水溶液中では、これらの金属酸化物はpH依存性の縮合又は解離を受け、種々の化学種として存在する。この現象をスペシエーションと呼ぶ。溶液中の種の組成は、溶液のpH及び酸化物の濃度に依存する。酸化物溶液を調製するために、固体酸化物をアルカリ性溶液に溶解することができる。アルカリ性条件下では、酸化物が単一の別個の単位として存在することができる。pHが低下することにつれて、溶液中の酸化物は多原子イオンを形成する。通常、複数の種が存在して平衡混合物を与え、その正確な性質は図1に示されるように、酸化物のpH及び濃度に依存する[Alan S. Tracey, Gail R. Willsky, and Esther S. Takeuchi, Vanadium: chemistry, Biochemistry, Pharmacology and Practical Applications by CRC Press, ISBN: 1−4200−4613−6 , Page 21 (2007)による]。理論に束縛されることを望まないが、多原子アニオンはアミン化合物と錯体を形成すると考えられている;したがって、溶出緩衝液中のポリオキソメタレートは、核酸結合分子に首尾よく結合することによって核酸を溶出すると考えられる。例えば、多原子アニオンはアミジン基(例えば、ストレプトマイシン)及び第三級アミン基(例えば、DEAE)に結合した核酸を置換する。
別の好ましい実施形態では、ポリオキソメタレートは、遷移金属の酸化物である。タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、及びバナジウムなどの遷移金属の酸化物は、溶液中で重合アニオン(ポリオキソメタレート)を形成することができる。一般に、ポリオキソメタレートはアルカリ性溶液中にポリオキソメタレートを溶解し、続いて酸性化により形成される種の混合物である。種の性質はpH依存性である。一実施形態では、溶液の最終pHは4〜8である。一実施形態では、溶液の最終pHは5〜6である。種の性質も濃度依存性である。一実施形態では、溶液中のポリオキソメタレートの濃度は、10mM〜500mMである。
別の好ましい実施形態では、ポリオキソメタレートがタングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル又はバナジウムの酸化物である。
別の好ましい態様において、ポリオキソメタレートは、バナジン酸塩、典型的にはNaVOである。
別の好ましい実施形態では、解離組成物は、シュウ酸塩、典型的には(NHを含む。
別の好ましい実施形態では、解離組成物は、可溶性の副溝結合分子を含む。一実施形態では、可溶性副溝結合分子には、ビス−アミジンカルバゾール、アミジノカルバゾール、イミダゾールカルバゾール、ストレプトマイシン、2,7−ジアミジノカルバゾール、ペンタミジン、ネトロプシン、DAPI、Berenil及びHoechst 33258、又はその混合物が含まれる。
第2の核酸含有組成物は下流での適用の前に、溶媒又はアルコールなどを用いたさらなる精製を必要としない。核酸を溶出するためには、比較的低濃度のポリオキソメタレート、シュウ酸塩又は可溶性の副溝結合分子が必要である。一実施形態では、濃度が0.01〜500mMの範囲から選択することができる。典型的な濃度は10〜500mMである。核酸をできるだけ少量で回収することが望ましい場合がある。溶出液の体積は、より高い濃度のポリオキソメタレート、シュウ酸塩、又は可溶性の副溝結合分子を有する、より少量の溶出液を使用することによって減らすことができる。
この方法は、非常に高い回収率を有する。非常に希釈された試料を捕捉することができ、回収率は50%〜90%(1mLの血液中に1000コピー)である。この方法は、幅広いサイズ範囲内で、そして種々の型の核酸で、一本鎖及び二本鎖の両方で機能する。このプロセスを用いて、20ヌクレオチドほどの小ささであるがこれに限定されない一本鎖DNA、又は18塩基対ほどの小ささであるがこれに限定されない二本鎖DNAを回収することができる。
本発明はまた、本発明の方法で使用するように構成された第1の核酸含有組成物からの核酸の単離のための装置に関する。装置はサンプル間の相互汚染を最小限にするために、使い捨ての一体型カートリッジの形態をとることができる。本発明はまた、抽出工程が、単離された核酸を増幅し、及び/又は目的の核酸を検出する装置内のモジュールである、検出のための統合装置を提供する。
循環核酸は、診断及び予後目的、並びに多くの分野における処置の管理のためのバイオマーカーとして使用される。これらには、癌のスクリーニングと治療、母体液からの胎児遺伝子検査、母体血からのトリソミー検出、糖尿病管理などがある。DNA、mRNA、又はマイクロRNAなどの核酸は、唾液、脳脊髄液、気管支洗浄液、母乳、涙、便、尿、及び精液を含む様々な体液中に見出すことができる。他の生物において、循環する核酸は動物だけでなく植物においても見出され得る(Gahan, P.B., 2003, Cell Biochem Funct 21: 207−209)。臨床応用において、外傷、敗血症、又は腫瘍の治療の際に、血液中のDNAレベルが増加することが見出されている。腫瘍学の場合、循環核酸は、既存の腫瘍を有する患者の状態のモニタリング並びにより早期の癌の検出のために使用されている[Phallen, J. Science Translational Medicine 9: eaan2415 (2017)]。初期段階での腫瘍の検出は、腫瘍組織から放出される核酸の量が限られているために困難であった。癌患者由来の循環DNA断片の大部分は100bp未満である[Mouliere, F, PloS One 6(9): e23418 (2011)]。マイクロRNAの場合、血液試料中のそれらの存在量は非常に低く、それらのサイズは非常に小さい(<25ヌクレオチド、一本鎖)。利用可能な市販の製品には、QiagenからのmiRNAeasy serum/plasma、ExiqonのmiRCURY RNA isolation、又はThermofisherのmirVANA PARISが含まれる。これらの製品はサンプルを処理し、樹脂を洗浄するためにエタノール又はイソプロパノールを使用する。非常に小さい核酸の回収率に関する情報はほとんど得られていない。
本発明は、20ヌクレオチドである小型の一本鎖DNA又は18塩基対である二本鎖DNAを回収する能力を有する。抽出及び回収は、溶媒又はアルコールなしで行われる。これにより、核酸フラグメントの量が非常に少ない体液から、一本鎖又は二本鎖の短い核酸フラグメントを濃縮するためのアプリケーションが可能になる。
本発明はまた、本発明の方法を実施するためのキットに関する。
好ましい実施形態では、このようなキットは、(a)アミン、アミジン又は他のアミン由来カチオンであるカチオン性分子、又は(b)副溝核酸結合分子のいずれかである核酸結合分子を含む第1の組成物;及びポリオキソメタレート又はシュウ酸塩を含む第2の組成物を含む。前述のように、核酸結合分子は一般に、固体支持体上に固定化され、この形態でキット中に存在する。別法は、固体支持体及び固体支持体への核酸結合分子の付着のための試薬を提供することであろう。キットは、核酸を単離するための緩衝液及び試薬、並びに/又は核酸の増幅及び/若しくは検出のための緩衝液及び試薬をさらに含み得る。さらに、それは、核酸を単離及び/又は増幅及び/又は検出するための装置を含み得る。
使用に際して、キットに含まれる第1の組成物は、第1相に含まれる核酸を第1相の他の成分から分離するための分離プロセスにおいて第2相を形成する。一般に、第2相は固定相であり、次いで核酸結合分子は固体支持体に固定化される。第2の組成物は、例えば、そこから溶出することによって、固定相から核酸を解離させるために使用される。したがって、核酸結合分子に結合した核酸への第2の組成物の添加は、核酸結合分子からの核酸の解離をもたらすことが理解される。
次に、本発明の特定の態様を具体化する非限定的な例を説明する。
当技術分野で公知であり、特に記載されていない標準的な分子生物学技術は、一般にSambrook and Russel, Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Springs Harbor Laboratory, New York (2001)に記載に従った。
[例1.バナジン酸塩溶液の調製]
25ミリモルのNaVOを25mLの1M NaOHに溶解した。pHをpH5〜pH6に徐々に調整し、放置した。静置後、溶液を水で約500mMに、次いで25mMに希釈した。
[例2.核酸副溝分子結合表面の結合:ストレプトマイシン及びバナジン酸塩溶液による溶出]
試薬:ThermoFisherのGlycolinkキット、ストレプトマイシン粉末、Corning X−spin filterカラム、様々なサイズの核酸(New England Biolabの0.02μg/μl pBR322 Msp I消化DNA)、25mMバナジン酸ナトリウム溶液、pH6。
ストレプトマイシン結合表面の合成及び溶出は、以下のように行った:
(1)ストレプトマイシン13mgを樹脂のユーザーマニュアルで規定された方法でGlycolink樹脂300μl(50% w/v)にコンジュゲートした。
(2)ストレプトマイシン結合樹脂の20μl分をフィルターカラムに充填した。カラムを10,000rpmで1分間回転させて、貯蔵液体を除去した。
(3)20μlのpBR322 MspI消化DNAをカラム中の樹脂に添加し、10,000rpmで1分間回転させて、フロースルー(FT0)を収集した。
(4)カラムを25μlの水で洗浄し、回転させて洗浄液(W0)を回収した
(5)核酸を20μlのバナジン酸塩溶液(E0)で溶出した
(6)DNA電気泳動を、工程3で使用したのと同じ量のpBR322 MspI消化DNAを有する陽性対照(M)を用いてフロースルーで行った。
図2に示される写真に示されるように、核酸は、フロースルー(FT0)及び洗浄(W0)中に存在しない。カラム(E0)から回収された核酸は、その中に含まれるDNA分子に関して入力(M)に近い。全ての小フラグメント(67、76、90、110、123 bps)が回収される。
[例3.カチオン交換表面及びバナジン酸塩を使用する核酸精製:DEAE樹脂]
試薬:Qiagen Genomic−tipのDEAE樹脂、Corning X−spin filter column、様々なサイズの核酸(0.02μg/μL pBR322 MspI消化DNA(New England Biolab))、25mMバナジン酸ナトリウムpH6。
DEAEカラムの調製及び溶出は、以下のように行った:
(1)25μlのDEAE樹脂をスピンカラムに充填し、QiagenキットのQBT緩衝液で洗浄した。
(2)0.5μgのpBR322 MspI消化DNAを、マニュアルに従って、DEAE樹脂に添加した。
(3)サンプルを回転させ、フロースルー(FT2)を収集した。
(4)カラムを25μlのQC緩衝液で洗浄し、洗浄液(W2)を回収した。
(5)核酸を25μlのバナジン酸塩溶液で溶出し、回収した(E2)。
(6)DNA電気泳動を、陽性対照(M5)と一緒に収集した画分について行った。
図3に再現された写真に示されるように、核酸はフロースルー(FT2)又は洗浄(W2)には存在しない。核酸は、高濃度の塩を使用せずにバナジン酸塩によって溶出される。
[例4.ストレプトマイシン表面からバナジン酸塩溶出核酸のqPCR結果]
試薬:ストレプトマイシン結合樹脂、Corning X−spin filter column、マウスゲノムDNA、qPCR 2x mastermix(Bioline)、加水分解プローブアッセイミックス(Mm.PT.58.7161123.g)(IDT DNA service)。25mMバナジン酸ナトリウム溶液、pH6。ヒト血清(Sigma Aldrich)。
ストレプトマイシン結合カラムを調製し、以下のように使用した:
(1)25μlストレプトマイシン結合樹脂をスピンカラムに充填した。
(2)2000コピーのマウスゲノムDNAをスピンカラムに添加し、回転させた。
(3)カラムを500μlの水で2回洗浄した。
(4)核酸を25μlのバナジン酸塩溶液で溶出した。
(5)1μlの溶出DNAを、0.5μlのアッセイミックス、5μlのマスターミックス、及び3.5μlの水と混合した。qPCRアッセイをABI 7500Fastで行った。
図4が示すように、溶出液は下流のqPCR反応に適用できる。回収収率はほぼ完全である。
[例5.ストレプトマイシン結合樹脂は核酸に強固に結合する]
対象試薬:0.1%ウシ血清アルブミン、dNTP(dATP、dTTP、dGTP及びdCTPの等量)、18塩基対二本鎖DNA、20ヌクレオチドDNAオリゴ、73塩基対二本鎖DNA、73ヌクレオチドDNAオリゴ、100ヌクレオチドDNAオリゴ、150ヌクレオチドDNAオリゴ、MspI消化pBR322プラスミド、E.ColiリボソームRNA。
樹脂及び溶出試薬:例1で調製したストレプトマイシン結合樹脂、及び塩化ナトリウム溶液。
(1)0.4μgの各標的の試薬を別々に25μlの樹脂に添加した。
(2)サンプルを回転させ、フロースルー画分を収集した。
(3)樹脂を25μlの水で洗浄し、洗浄画分を集めた。
(4)0.2M〜2.4Mの塩化ナトリウム勾配での溶出を行った。
(5)各勾配からの画分を集めた。
(6)全ての画分を、ゲル電気泳動を用いてアガロースゲル上で泳動した。
図5のグラフが示すように、副溝結合分子共役樹脂(ストレプトマイシン)は、核酸、DNA及びRNAに対して特異的かつ強固な結合を有する。より小さな核酸は、0.8Mの高塩分によって溶出することができた。より大きな核酸は、樹脂から溶出されるのに最大2.2Mを必要とする。
[例6.シュウ酸塩による核酸の溶出]
試薬:例2のように調製したストレプトマイシン結合樹脂(25%w/v)、pBR322プラスミドDNA、バナジン酸ナトリウム、シュウ酸カリウム、100bp DNAラダー(NEB Biolab)。
手順:
(1)溶出溶液1(50mMバナジン酸ナトリウム)、溶出溶液2(50mMシュウ酸カリウム)、溶出溶液3(酒石酸四水和物)、溶出溶液4(ヘキサクロロ白金(IV))及び溶出溶液5(1M NaOH)は、それぞれの名前の試薬を水に溶解することによって調製した。
(2)5本のチューブを準備し、それぞれの溶出溶液で1本ずつ溶出した。5μlのストレプトマイシン結合樹脂及び5μlの0.1μg/μlのpBR322プラスミドDNA(未消化)を各チューブに添加した。
(3)成分を十分に混合した。
(4)混合後、溶出溶液1〜5をそれぞれチューブ1〜5に添加した。
(5)樹脂混合物をx−スピンカラムに移し、10,000rpmで1分間回転させた。
(6)溶出した溶液をDNAゲル電気泳動で調べた。DNAラダーマーカーは100bpラダーである。
ゲル写真(図6)は、pBR322がバナジン酸ナトリウム及びシュウ酸カリウムによって、並びに水酸化ナトリウムを使用してpHを上昇させ、脱プロトン化を引き起こすことによって溶出され得ることを示した。
[例7.タングステン酸塩及びモリブデン酸塩による核酸の溶出]
試薬:ThermoFisherのGlycolinkキット、ストレプトマイシン粉末、Corning X−spin filter column、種々のサイズの核酸(New England BiolabのpBR322 Msp I消化DNA 0.15μg)、50mMタングステン酸ナトリウム、50mMモリブデン酸ナトリウム。
手順:
(1)例2に記載のようにストレプトマイシン結合樹脂を調製した。
(2)15μlのストレプトマイシン結合樹脂をフィルターカラムに分注した。スピンして貯蔵液を除去した。
(3)過剰の核酸を添加して、核酸結合部位の飽和を達成した。15μlのpBR322 MspI消化DNAを0.5M塩化ナトリウム中でカラム中の樹脂に添加し、遠心分離してフロースルー(F)を収集した。0.5M塩化ナトリウムは、核酸の非特異的相互作用を防止する。
(4)カラムを15μlの0.5M NaClで洗浄し、スピンして洗浄液(W)を回収した。
(5)表1に示されるように、15μlの溶出緩衝液(バナジン酸ナトリウム、タングステン酸ナトリウム、又はモリブデン酸ナトリウム)(E)によって核酸を溶出する。
(6)高濃度塩を用いて樹脂を洗浄した。15μlの2.5M NaClを各樹脂に添加し、遠心分離(S)後に溶液を収集した。高濃度の塩では、それは非共有結合相互作用の大部分を破壊した。
(7)分子ラダーとしてpBR322 Msp I消化DNAを用いて、フロースルーでDNA電気泳動を行う。
ゲル写真(図7)及び表2は、pBR322がバナジン酸ナトリウム、タングステン酸ナトリウム及びモリブデン酸ナトリウムによって溶出され得ることを示す。
モリブデン酸塩の溶出能力はpH値に依存する。pH6.1では、モリブデン酸塩は溶出画分(3E)中に目に見えるバンドを生成しなかった。
[例8.タングステン酸によって溶出された核酸を用いる直接qPCR反応]
試薬:pBR322プラスミド、Bioline SensiFast Probe qPCRマスターミックス、qPCRプライマーセット、加水分解プローブ(IDTにより合成されたもの)、タングステン酸塩溶出緩衝液、及びバナジン酸塩溶出溶液。
手順:
(1)各スピンカラム中に25μlのストレプトマイシン結合樹脂を調製した。
(2)保存緩衝液を除去し、25μlの水で洗浄した。
(3)樹脂を0.5M塩化ナトリウム中で1000コピーのpBR322と混合した。
(4)樹脂を25μlの水で洗浄する。
(5)12.5μlの100mMバナジン酸塩又は12.5μlの100mMタングステン酸塩溶出緩衝液を使用して核酸を溶出する。
(6)溶出した核酸を、15μlの2X sensiFast Probe qPCRマスターミックス、プライマー、プローブ、及び水と混合した。
(7)ABI 7500Fast qPCR装置を用いてqPCRを行った。
結果は、タングステン酸塩及びバナジン酸塩によって溶出された核酸は、さらなる精製なしにqPCR反応において直接使用され得ることを示す。
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Claims (42)

  1. 以下の工程を含む、第1の核酸含有組成物からの核酸の分離方法:
    a)第1相に第1の核酸含有組成物を提供すること;
    b)第2相に
    (a)アミン、アミジン又は他のアミン由来のカチオンであるカチオン性分子、又は
    (b)副溝核酸結合分子
    のいずれかである核酸結合分子を提供すること;
    c)前記第1の核酸含有組成物中の核酸が、核酸結合分子に結合するのに十分な時間、前記第1相と第2相との間の接触を維持することを可能にすること;
    d)第1相を第2相から分離すること;及び
    e)第2相を処理して、ポリオキソメタレート又はシュウ酸塩分子を含む解離組成物と接触させることによって、結合した核酸を前記核酸結合分子から解離させ、第2の核酸含有組成物を生成すること。
  2. 前記カチオン性分子がカチオン性ポリマーである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記カチオン性ポリマーが、ポリエチレンイミン、ポリリジン、ポリアルギニン、アミジン含有ポリマー、又はグアニジノポリマーである、請求項2に記載の方法。
  4. 前記カチオン性ポリマーが、ポリエチレンイミンである、請求項3に記載の方法。
  5. 前記カチオン性分子が、アミンである、請求項1に記載の方法。
  6. 前記アミンが、固体支持体に固定化されたジエチルアミノエチル(DEAE)、トリメチルアンモニウム(QMA)又はジエチル−(2−ヒドロキシプロピル)アミノエチル(QAE)基を含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記核酸結合分子が、副溝核酸結合分子である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記副溝核酸結合分子が、DNAの副溝に結合する、アミジノ基、アミド基、又はグアニジノ基から選択される1つ以上の基を有する分子である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記副溝核酸結合分子が、アミジノ基を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記副溝核酸結合分子が、抗生物質、抗菌剤、又は抗癌剤である、請求項7に記載の方法。
  11. 前記副溝核酸結合分子が、抗生物質又はその誘導体である、請求項10に記載の方法。
  12. 前記抗生物質が、ストレプトマイシン又はその誘導体である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記抗生物質が、ネトロプシン、DAPI、テトラサイクリン、Hoechst 33258、ネオマイシン、又はパルマチン、コラリン又はベルベリンのようなイソキノリンアルカロイドである、請求項11に記載の方法。
  14. 前記副溝核酸結合分子が、標的配列に優先的に結合することができる配列特異的結合剤である、請求項1に記載の方法。
  15. 前記解離組成物が、ポリオキソメタレートイオン又はシュウ酸塩を含む、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記解離組成物が、ポリオキソメタレートを含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記ポリオキソメタレートが、遷移金属の酸化物である、請求項16に記載の方法。
  18. 前記ポリオキソメタレートが、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル又はバナジウムの酸化物である、請求項17に記載の方法。
  19. 前記ポリオキソメタレートが、バナジン酸塩である、請求項18に記載の方法。
  20. 前記バナジン酸塩が、NaVOの重合体である、請求項19記載の方法。
  21. 前記ポリオキソメタレートが、アルカリ性溶液中でのポリオキソメタレートの溶解、続いての酸性化によって形成される種の混合物である、請求項16〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記溶液の最終pHが、5〜6である、請求項21に記載の方法。
  23. 前記溶液中の前記ポリオキソメタレートの濃度が、0.01mM〜500mMである、請求項21に記載の方法。
  24. 前記解離組成物が、シュウ酸塩を含む、請求項15に記載の方法。
  25. 前記シュウ酸塩が、(NHである、請求項24に記載の処理。
  26. 前記シュウ酸塩の濃度が、0.01〜50mMである、請求項24に記載の方法。
  27. 前記第1相が、液相である、請求項1に記載の方法。
    前記第2相から分離した後に、前記第1相を洗浄することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  28. 前記第2相が、固相である、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記核酸結合分子が、固体支持体に固定化されている、請求項28に記載の方法。
  30. 前記第2相が、液相である、請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
  31. 解離した核酸をさらに精製するために、溶媒又はアルコールを必要としない、請求項1〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記第1の核酸含有組成物が、核酸以外の材料を含む、請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記第1の核酸含有組成物が、生物学的サンプルに由来する、請求項1〜32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記第2の核酸含有組成物が、実質的に純粋である、請求項1〜33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記第2の核酸含有組成物を収集することをさらに含む、請求項1〜34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記第2の核酸含有組成物中に存在する核酸の1つ以上を増幅することをさらに含む、請求項1〜35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記第2の核酸含有組成物中に存在する核酸の1つ以上を増幅すること、及び特定の核酸又は一般的な核酸の存在を検出することをさらに含む、請求項1〜36のいずれか一項に記載の方法。
  38. 請求項1〜37のいずれか一項に記載の方法で使用するために構成された、前記第1の核酸含有組成物から核酸を分離するための、装置。
  39. (a)アミン、アミジン又は他のアミン由来カチオンであるカチオン性分子、又は
    (b)副溝核酸結合分子のいずれかである、核酸結合分子
    を含む、第1の組成物;及び
    ポリオキソメタレート又はシュウ酸塩を含む、第2の組成物
    を含み、前記第2の組成物を前記核酸結合分子に結合した核酸に添加すると、前記核酸結合分子から核酸が解離する、キット。
  40. 前記核酸結合分子が、固体支持体上に固定化されている、請求項39に記載のキット。
  41. 核酸を単離するための緩衝液及び試薬をさらに含み、及び/又は増幅及び/又は検出のための緩衝液及び試薬をさらに含む、請求項39又は40のいずれか一項に記載のキット。
  42. 核酸を単離及び/又は増幅及び/又は検出するための装置をさらに含む、請求項39〜41のいずれか一項に記載のキット。
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