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JP2021116414A - オレフィン系共重合体、および、フィルム - Google Patents

オレフィン系共重合体、および、フィルム Download PDF

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JP2021116414A
JP2021116414A JP2020206790A JP2020206790A JP2021116414A JP 2021116414 A JP2021116414 A JP 2021116414A JP 2020206790 A JP2020206790 A JP 2020206790A JP 2020206790 A JP2020206790 A JP 2020206790A JP 2021116414 A JP2021116414 A JP 2021116414A
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olefin
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JP2020206790A
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洋平 柏女
Yohei Kashiwame
洋平 柏女
健二 十河
Kenji Sogo
健二 十河
隆志 古賀
Takashi Koga
隆志 古賀
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】線膨張係数の小さい成形品を得ることが可能なオレフィン系共重合体、および、該オレフィン系共重合体を含有するフィルムを提供する。【解決手段】エチレンおよび炭素数3〜20の直鎖状α−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1つに由来する単量体単位(1)と、式(I)で表される環状オレフィンに由来する単量体単位(2)と、を含み、要件(a)〜(c)を満たすオレフィン系共重合体。(a)ガラス転移温度が220℃以上。(b)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwとポリスチレン換算の数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が2.2以下。(c)屈折率が1.540未満。【選択図】なし

Description

本発明は、オレフィン系共重合体、および、該オレフィン系共重合体を含有するフィルムに関する。
従来、エチレン、プロピレン等のオレフィンの重合には、いわゆるメタロセン触媒と呼ばれる遷移金属触媒が用いられている。メタロセン触媒を用いることにより、従来とは違った性質のポリマーを製造することができ、また、極めて少量の触媒で多量のポリマーを製造することができるといった効果が知られている。
ノルボルネンに代表される環状オレフィンについても、かかるメタロセン触媒の適用が提案されている。例えば、特許文献1では、特定の遷移金属錯体を一成分として含む触媒を用いて、環状オレフィンと、エチレンおよび/またはα−オレフィンとを重合する方法が開示されている。特許文献1の方法によれば、極めて少量の触媒で、環状オレフィンが高い転化率で重合されたオレフィン系共重合体を得ることができる。
特開平9−183809号公報
ところで、寸法安定性に優れた成形品を提供するためには、該成形品の線膨張係数を小さくすることが必要である。しかしながら、特許文献1の方法により得られたオレフィン系共重合体を用いて得られる成形品は、線膨張係数が大きいという問題点を有する。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、線膨張係数の小さい成形品を得ることが可能なオレフィン系共重合体、および、該オレフィン系共重合体を含有するフィルムを提供することを課題とする。
本発明に係るオレフィン系共重合体は、エチレンおよび炭素数3〜20の直鎖状α−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1つに由来する単量体単位(1)と、式(I)で表される環状オレフィンに由来する単量体単位(2)と、を含み、要件(a)〜(c)を満たす。
(a)ガラス転移温度が220℃以上である。
(b)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwとポリスチレン換算の数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が2.2以下である。
(c)屈折率が1.540未満である。
Figure 2021116414
(式(I)中、mは0以上の整数を表す。
〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す。R11〜R14が複数存在する場合、それらは同一であってもよいし異なっていてもよい。R16とR17とは互いに結合し、それらが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。)
本発明に係るフィルムは、上述のオレフィン系共重合体を含有する。
本発明によれば、線膨張係数の小さい成形品を得ることが可能なオレフィン系共重合体、および、該オレフィン系共重合体を含有するフィルムを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
<オレフィン系共重合体>
本実施形態に係るオレフィン系共重合体は、エチレンおよび炭素数3〜20の直鎖状α−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1つに由来する単量体単位(1)を含む。単量体単位(1)は、エチレンであることが好ましい。
炭素数3〜20の直鎖状α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン等が挙げられ、好ましくはプロピレン、1−ブテン、1−ヘキセンまたは1−オクテン、より好ましくはプロピレンが挙げられる。炭素数3〜20の直鎖状α−オレフィンは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、「直鎖状α−オレフィン」とは、α位に炭素−炭素不飽和二重結合を有する直鎖状のオレフィンをいう。
本実施形態に係るオレフィン系共重合体は、式(I)で表される環状オレフィンに由来する単量体単位(2)を含む。
Figure 2021116414
(式(I)中、mは0以上の整数を表す。
〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す。R11〜R14が複数存在する場合、それらは同一であってもよいし異なっていてもよい。R16とR17とは互いに結合し、それらが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。)
mは、0以上の整数であり、好ましくは0≦m≦3の範囲にある整数である。
〜R18における炭素数1〜20の炭化水素基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基、前記のアルキル基、アリール基およびアラルキル基の水素原子の一部がハロゲン原子で置換された基等が挙げられる。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基等が挙げられる。アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等が挙げられる。アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチール基等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはアルキル基、アリール基またはアラルキル基が挙げられる。すなわち、R〜R18としては、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20のアラルキル基が好ましい。
式(I)で表される環状オレフィンとしては、例えば、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−ブチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、テトラシクロドデセン、トリシクロデセン、トリシクロウンデセン、ペンタシクロペンタデセン、ペンタシクロヘキサデセン、8−メチルテトラシクロドデセン、8−エチルテトラシクロドデセン等が挙げられ、これらの中でも、原料モノマーの入手容易性の観点から、好ましくはノルボルネンが挙げられる。式(I)で表される環状オレフィンは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態に係るオレフィン系共重合体は、好ましくは単量体単位(2)の二連鎖構造を含む。該二連鎖構造を含むことにより、単量体単位(2)の含有量が同程度の共重合体に比べて、耐熱性を向上させることができる。なお、二連鎖構造の有無は、13C−NMRスペクトル分析により判定することができる。例えば、テトラシクロデセン−エチレン共重合体の場合、テトラシクロデセンの孤立鎖であるエチレン−テトラシクロデセン−エチレン連鎖由来のシグナルは、54.7ppm付近および51.1ppm付近に現れ、endo−exo結合のテトラシクロデセンの二連鎖であるエチレン−テトラシクロデセン−テトラシクロデセン−エチレン連鎖由来のシグナルは、51.5ppm付近および50.8ppm付近に、exo−exo結合のエチレン−テトラシクロデセン−テトラシクロデセン−エチレン連鎖由来のシグナルは、55.3ppm付近および54.3ppm付近に現れるので、55ppm近辺および50ppm近辺のシグナルのパターンで判定することができる。
単量体単位(2)の二連鎖構造には、式(II−1)または式(II−2)で表されるメソ型二連鎖、および/または、式(III−1)または式(III−2)で表されるラセモ型二連鎖が含まれ、好ましくは前記各式で表されるメソ型二連鎖とラセモ型二連鎖との両方を含む。すなわち、二連鎖構造としては、式(II−1)、式(II−2)、式(III−1)および式(III−2)のうちの1種、または、2種以上を有する構造が含まれ、
具体的には、
式(II−1)単独、式(II−2)単独、式(III−1)単独、式(III−2)単独、
式(II−1)と式(II−2)との組合せ、式(II−1)と式(III−1)との組合せ、式(II−1)と式(III−2)との組合せ、式(II−2)と式(III−1)との組合せ、式(II−2)と式(III−2)との組合せ、式(III−1)と式(III−2)との組合せ、
式(II−1)と式(II−2)と式(III−1)との組合せ、式(II−1)と式(II−2)と式(III−2)との組合せ、式(II−2)と式(III−1)と式(III−2)との組合せ、
式(II−1)と式(II−2)と式(III−1)と式(III−2)との組合せが挙げられ、
好ましくは、
式(II−1)と式(III−1)との組合せ、式(II−1)と式(III−2)との組合せ、式(II−2)と式(III−1)との組合せ、式(II−2)と式(III−2)との組合せ、式(III−1)と式(III−2)との組合せ、
式(II−1)と式(II−2)と式(III−1)との組合せ、式(II−1)と式(II−2)と式(III−2)との組合せ、式(II−2)と式(III−1)と式(III−2)との組合せ、
式(II−1)と式(II−2)と式(III−1)と式(III−2)との組合せが挙げられ、
より好ましくは、
式(II−1)と式(III−1)との組合せ、式(II−1)と式(III−2)との組合せ、式(II−2)と式(III−1)との組合せ、式(II−2)と式(III−2)との組合せ、
式(II−1)と式(II−2)と式(III−1)との組合せ、式(II−1)と式(II−2)と式(III−2)との組合せ、式(II−2)と式(III−1)と式(III−2)との組合せ、
式(II−1)と式(II−2)と式(III−1)と式(III−2)との組合せが挙げられる。
Figure 2021116414
メソ型二連鎖とラセモ型二連鎖との比(メソ型二連鎖/ラセモ型二連鎖)は、共重合体の耐溶剤性の観点から、好ましくは0.50以下、より好ましくは0.01以上0.20以下である。
本実施形態に係るオレフィン系共重合体は、耐熱性および加工性の観点から、エチレンに由来する単量体単位(1)と、ノルボルネンに由来する単量体単位(2)と、を含むエチレン−ノルボルネン共重合体であることが好ましい。
本実施形態に係るオレフィン系共重合体は、単量体単位(1)および単量体単位(2)に加えて、その他の単量体単位(3)を含んでいてもよいが、好ましくは単量体単位(1)および単量体単位(2)のみからなる。その他の単量体単位(3)としては、例えば、ブタジエンまたはイソプレン等の共役ジエン;1,4−ペンタジエン等の非共役ジエン;アクリル酸;アクリル酸メチルまたはアクリル酸エチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸;メタクリル酸メチルまたはメタクリル酸エチル等のメタクリル酸エステル;酢酸ビニル等が挙げられる。
本実施形態に係るオレフィン系共重合体において、耐熱性の観点から、単量体単位(1)の含有量と、単量体単位(2)の含有量との合計100モル%に対して、好ましくは、単量体単位(1)の含有量が1モル%以上33モル%以下であり、かつ、単量体単位(2)の含有量が67モル%以上99モル%以下であり、より好ましくは、単量体単位(1)の含有量が1モル%以上30モル%以下であり、かつ、単量体単位(2)の含有量が70モル%以上99モル%以下であり、更に好ましくは、単量体単位(1)の含有量が10モル%以上27モル%以下であり、かつ、単量体単位(2)の含有量が73モル%以上90モル%以下である。
本実施形態に係るオレフィン系共重合体において、線膨張係数(以下、CTEと記載することがある)が小さい成形品を得る観点から、(a)ガラス転移温度は220℃以上、好ましくは240℃以上320℃以下である。なお、本明細書においてガラス転移温度は、JIS K7196に基づき、熱機械分析により測定した軟化温度であり、以下、Tgと記載することがある。
本実施形態に係るオレフィン系共重合体は、CTEが小さい成形品を得て、かつ、強度および透明性を高める観点から、(b)ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと記載することがある)で測定される、ポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、Mwと記載することがある)とポリスチレン換算の数平均分子量(以下、Mnと記載することがある)との比(Mw/Mn)が2.2以下、好ましくは1.6以上2.0以下、より好ましくは1.6以上1.95以下、更に好ましくは1.65以上1.95以下、特に好ましくは1.65以上1.9以下である。
本実施形態に係るオレフィン系共重合体において、強度を高める観点から、Mwは、好ましくは300,000より大きく、より好ましくは350,000以上、更に好ましくは400,000以上、特に好ましくは500,000以上であり、成形性を高める観点から、好ましくは2,000,000以下、より好ましくは1,500,000以下、更に好ましくは1,000,000以下、特に好ましくは800,000以下である。
本実施形態に係るオレフィン系共重合体において、CTEが小さい成形品を得る観点から、(c)屈折率は、好ましくは1.540未満、より好ましくは1.520以上1.540未満である。
本実施形態に係るオレフィン系共重合体のトルエンに対する溶解度は、加工性の観点から、好ましくは300mg/mL以上である。
<オレフィン系共重合体の製造方法>
本実施形態に係るオレフィン系共重合体は、式(IV)で表される遷移金属錯体(α)を一成分として使用してなる触媒の存在下、エチレンおよび炭素数3〜20の直鎖状α−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1つに由来する単量体単位(1)と、式(I)で表される環状オレフィンに由来する単量体単位(2)とを重合させることにより製造する。
Figure 2021116414
(式(IV)中、Mは元素の周期律表の第4族の遷移金属元素を表す。
Cpはシクロペンタジエニル骨格を有する基を表す。
Aは元素の周期律表の第16族の原子を表す。
Tは元素の周期律表の第14族の原子を表す。
およびXは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基または炭素数2〜20の2置換アミノ基を表し、それらは同一であってもよいし異なっていてもよい。
〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20の2置換アミノ基または炭素数1〜20のシリル基を表し、それらは同一であってもよいし異なっていてもよく、さらにそれらは任意に結合して環を形成してもよい。)
Mは、元素の周期律表(IUPAC無機化学命名法改訂版1989)の第4族の遷移金属元素であり、例えば、チタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子等が挙げられる。
Cpは、シクロペンタジエニル骨格を有する基であり、例えば、シクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基、フルオレニル基、置換フルオレニル基等が挙げられる。それらの具体例としては、シクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、n−プロピルシクロペンタジエニル基、n−ブチルシクロペンタジエニル基、イソブチルシクロペンタジエニル基、フェニルシクロペンタジエニル基、インデニル基、メチルインデニル基、n−プロピルインデニル基、n−ブチルインデニル基、イソブチルインデニル基、フェニルインデニル基、フルオレニル基、メチルフルオレニル基、n−プロピルフルオレニル基、フェニルフルオレニル基、ジメチルフルオレニル基等が挙げられ、好ましくはシクロペンタジエニル基、メチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、n−ブチルシクロペンタジエニル基、イソブチルシクロペンタジエニル基、インデニル基、メチルインデニル基またはフルオレニル基が挙げられる。
Aは、元素の周期律表の第16族の原子であり、Aとしては、例えば、酸素原子、硫黄原子等が挙げられ、好ましくは酸素原子が挙げられる。
Tは、元素の周期律表の第14族の原子であり、Tとしては、例えば、炭素原子、ケイ素原子、ゲルマニウム原子等が挙げられ、好ましくは炭素原子またはケイ素原子が挙げられる。
およびXは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基または炭素数2〜20の2置換アミノ基であり、それらは同一であってもよいし異なっていてもよい。これらの中でも、ハロゲン原子であることが好ましい。
およびXにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
およびXが炭素数1〜20の炭化水素基である場合、該炭素数は、好ましくは1〜10である。前記炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、ナフチル基、ベンジル基等が挙げられる。
およびXにおける炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、1,2−ジフルオロエチル基、1,1,2−トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、1−クロロエチル基、1,1−ジクロロエチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,1,2−トリクロロエチル基、1,1,2,2−テトラクロロエチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、1−ブロモエチル基、1,1−ジブロモエチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,1,2−トリブロモエチル基、1,1,2,2−テトラブロモエチル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、2,3,4−トリフルオロフェニル基、2,3,5−トリフルオロフェニル基、2,3,6−トリフルオロフェニル基、2,3,4,5−テトラフルオロフェニル基、2,3,4,6−テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2,3,4−トリクロロフェニル基、2,3,5−トリクロロフェニル基、2,3,6−トリクロロフェニル基、2,3,4,5−テトラクロロフェニル基、2,3,4,6−テトラクロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2,3−ジブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,5−ジブロモフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、2,3,4−トリブロモフェニル基、2,3,5−トリブロモフェニル基、2,3,6−トリブロモフェニル基、2,3,4,5−テトラブロモフェニル基、2,3,4,6−テトラブロモフェニル基、ペンタブロモフェニル基等が挙げられる。
およびXにおける炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、ネオペントキシ基、n−ヘキソキシ基、n−オクトキシ基等が挙げられる。
およびXにおける炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
およびXにおける炭素数2〜20の2置換アミノ基は、置換基が2個結合したアミノ基を表し、その具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリールオキシ基、炭素数2〜20の2置換アミノ基または炭素数1〜20のシリル基を表し、それらは同一であってもよいし異なっていてもよく、さらにそれらは任意に結合して環を形成してもよい。これらの中でも、R〜Rは、好ましくは炭素数1〜20の炭化水素基である。
〜Rにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
〜Rが炭素数1〜20の炭化水素基である場合、該炭素数は、好ましくは1〜10である。前記炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,3−ジメチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、2,5−ジメチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基等が挙げられる。
〜Rにおける炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基としては、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、1−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、1,2−ジフルオロエチル基、1,1,2−トリフルオロエチル基、テトラフルオロエチル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、1−クロロエチル基、1,1−ジクロロエチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,1,2−トリクロロエチル基、1,1,2,2−テトラクロロエチル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、1−ブロモエチル基、1,1−ジブロモエチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,1,2−トリブロモエチル基、1,1,2,2−テトラブロモエチル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、2,3,4−トリフルオロフェニル基、2,3,5−トリフルオロフェニル基、2,3,6−トリフルオロフェニル基、2,3,4,5−テトラフルオロフェニル基、2,3,4,6−テトラフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、3−クロロフェニル基、4−クロロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2,6−ジクロロフェニル基、2,3,4−トリクロロフェニル基、2,3,5−トリクロロフェニル基、2,3,6−トリクロロフェニル基、2,3,4,5−テトラクロロフェニル基、2,3,4,6−テトラクロロフェニル基、ペンタクロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2,3−ジブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,5−ジブロモフェニル基、2,6−ジブロモフェニル基、2,3,4−トリブロモフェニル基、2,3,5−トリブロモフェニル基、2,3,6−トリブロモフェニル基、2,3,4,5−テトラブロモフェニル基、2,3,4,6−テトラブロモフェニル基、ペンタブロモフェニル基等が挙げられる。
〜Rにおける炭素数1〜20のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、ネオペントキシ基、n−ヘキソキシ基、n−オクトキシ基等が挙げられる。
〜Rにおける炭素数6〜20のアリールオキシ基としては、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、3−メチルフェノキシ基、4−メチルフェノキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
〜Rにおける炭素数2〜20の2置換アミノ基は、置換基が2個結合したアミノ基を表し、その具体例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジ−n−ブチルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジ−sec−ブチルアミノ基、ジ−tert−ブチルアミノ基、ジ−n−ヘキシルアミノ基、ジ−n−オクチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等が挙げられる。
〜Rにおける炭素数1〜20のシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリイソブチルシリル基、トリ−sec−ブチルシリル基、トリ−tert−ブチルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げられる。
このような、式(IV)で表される遷移金属錯体(α)としては、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(ジメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(トリメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(n−プロピルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(イソブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フェニルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(ジメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(トリメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(n−プロピルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(イソブチルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フェニルシクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(ジメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(トリメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(n−プロピルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(n−ブチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(イソブチルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド、イソプロピリデン(フェニルシクロペンタジエニル)(2−フェノキシ)チタニウムジクロライド等が挙げられる。
また、上記の具体例におけるチタニウムをジルコニウムあるいはハフニウムに変更した化合物、および、それらを含めイソプロピリデンをジメチルシリレン、ジフェニルシリレン、メチレンに変更した化合物についても同様に例示できる。更に、ジクロライドをジブロマイド、ジアイオダイド、ジメチル、ジベンジル、ジメトキシド、ジエトキシドに変更した化合物についても、同様に例示することができる。
式(IV)で表される遷移金属錯体(α)は、種々の助触媒と組合せて、本実施形態に係るオレフィン系共重合体を製造するため触媒として使用できる。
助触媒とは、遷移金属錯体(α)と相互作用をして、環状オレフィン、アルケニル芳香族炭化水素に対する重合活性種を生成せしめる化合物のことである。その例としては、有機アルミニウム化合物(β)および/または式(γ1)〜式(γ3)のいずれかで表されるホウ素化合物(γ)を挙げることができるが、これらの助触媒を使用することにより生成する重合活性種の構造は明らかではない。
式(γ1) BQ
式(γ2) J(BQ
式(γ3) (L−H)(BQ
有機アルミニウム化合物(β)としては、公知の有機アルミニウム化合物が使用できる。具体的には、式(β1)で表される有機アルミニウム化合物、式(β2)で表される構造を有する環状のアルミノキサン、および、式(β3)で表される構造を有する線状のアルミノキサンのうちのいずれか、あるいは、それらの2〜3種の混合物を例示することができる。
式(β1) E AlZ3−a
式(β2) {−Al(E)−O−}
式(β3) E{−Al(E)−O−}AlE
式(β1)〜式(β3)中、E、EおよびEは、それぞれ独立に、炭素数1〜8の炭化水素基を表し、全てのE、全てのEおよび全てのEは同一であってもよいし異なっていてもよい。
Zは、水素原子またはハロゲン原子を表し、全てのZは同一であってもよいし異なっていてもよい。
aは0〜3の整数を表し、bは2以上の整数を表し、cは1以上の整数を表す。)
Zにおけるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
式(β1)で表される有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルアルミニウムクロライド、アルキルアルミニウムジクロライド、ジアルキルアルミニウムハイドライド等が挙げられる。トリアルキルアルミニウムとしては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム等が挙げられる。ジアルキルアルミニウムクロライドとしては、例えば、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジプロピルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムハクロライド、ジヘキシルアルミニウムクロライド等が挙げられる。アルキルアルミニウムジクロライドとしては、例えば、メチルアルミニウムジクロライド、エチルアルミニウムジクロライド、プロピルアルミニウムジクロライド、イソブチルアルミニウムジクロライド、ヘキシルアルミニウムジクロライド等が挙げられる。ジアルキルアルミニウムハイドライドとしては、ジメチルアルミニウムハイドライド、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジプロピルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、ジヘキシルアルミニウムハイドライド等が挙げられる。式(β1)で表される有機アルミニウム化合物としては、好ましくはトリアルキルアルミニウムが挙げられ、より好ましくはトリエチルアルミニウムまたはトリイソブチルアルミニウムが挙げられる。
式(β2)および式(β3)における、EおよびEとしては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基等のアルキル基が挙げられ、好ましくはメチル基またはイソブチル基が挙げられる。bは2以上の整数を表し、好ましくは2〜40の整数を表す。cは1以上の整数を表し、好ましくは1〜40の整数を表す。
式(β1)および式(β2)で表されるアルミノキサンは各種の方法で作られる。その方法については特に制限はなく、公知の方法に準じて作ればよい。例えば、トリメチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウムを、ベンゼンや脂肪族炭化水素等の適当な有機溶剤に溶かした溶液を調製し、該溶液と水とを接触させて作る方法、例えば、トリメチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウムを、結晶水を含んでいる金属塩、例えば、硫酸銅水和物等に接触させて作る方法が例示できる。
ホウ素化合物(γ)としては、式(γ1)、式(γ2)または式(γ3)で表されるホウ素化合物のいずれかを用いることができる。
式(γ1)において、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、Q〜Qは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基、炭素数1〜20の置換シリル基、炭素数1〜20のアルコキシ基または炭素数2〜20の2置換アミノ基を表し、それらは同一であってもよいし異なっていてもよい。Q〜Qは、それぞれ独立に、ハロゲン原子、炭素数1〜20の炭化水素基、または、炭素数1〜20のハロゲン化炭化水素基であることが好ましい。
式(γ1)で表されるホウ素化合物としては、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ボラン、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボラン等が挙げられ、好ましくはトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランが挙げられる。
式(γ2)で表されるホウ素化合物において、Bは3価の原子価状態のホウ素原子であり、Q〜Qは式(γ1)におけるQ〜Qと同様である。また、Jは無機または有機のカチオンを表す。
式(γ2)におけるJのうち、無機のカチオンとしては、フェロセニウムカチオン、アルキル置換フェロセニウムカチオン、銀陽イオン等が挙げられ、有機のカチオンとしては、トリフェニルメチルカチオン等が挙げられる。
式(γ2)における(BQとしては、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオン、テトラキス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレートアニオン、テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレートアニオン、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレートアニオン、テトラキス(2,2,4−トリフルオロフェニル)ボレートアニオン、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボレートアニオン、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートアニオン等が挙げられる。
これらの具体的な組合せとしては、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1’−ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、銀テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート等が挙げられ、好ましくはトリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートが挙げられる。
式(γ3)で表されるホウ素化合物において、Bは3価の原子価状態のホウ素であり、Q〜Qは式(γ1)におけるQ〜Qと同様である。また、Lは中性ルイス塩基であり、(L−H)はブレンステッド酸である。
式(γ3)で表されるホウ素化合物において、ブレンステッド酸である(L−H)としては、トリアルキル置換アンモニウムカチオン、N,N−ジアルキルアニリニウムカチオン、ジアルキルアンモニウムカチオン、トリアリ−ルホスホニウムカチオン等が挙げられる。
(BQとしては、前記と同様のものが挙げられる。
これらの具体的な組合せとしては、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ−n−ブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ−n−ブチルアンモニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジイソプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等が挙げられる。これらの中でも、トリ−n−ブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、または、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートであることが好ましい。
助触媒は、有機アルミニウム化合物(β)およびホウ素化合物(γ)を併用することが好ましい。
式(IV)で表される遷移金属錯体(α)、有機アルミニウム化合物(β)および/またはホウ素化合物(γ)は、重合時に任意の順序で投入し使用することができるが、それらの任意の化合物の組合せを予め接触させて得られた反応物を用いてもよい。
遷移金属錯体(α)に対する助触媒の使用量(助触媒/遷移金属錯体(α))は、モル比で、好ましくは0.01以上10,000以下、より好ましくは0.5以上2,000以下である。触媒成分を溶液状態で使用する場合、遷移金属錯体(α)の濃度は、好ましくは0.0001mmol/L以上5mmol/L以下、より好ましくは0.001mmol/L以上1mmol/L以下である。
触媒成分の使用量は、使用される全モノマーの合計量に対して、好ましくは0.00001mol%以上1mol%以下、より好ましくは0.0001mol%以上0.1mol%以下である。
本実施形態に係るオレフィン系共重合体の重合法としては、特に制限はなく、例えば、バッチ式または連続式の気相重合法、塊状重合法、適当な溶媒を使用しての溶液重合法あるいはスラリー重合法等、任意の方法を採用することができる。
溶媒を使用する場合、触媒を失活させないという条件の各種の溶媒が使用可能であり、このような溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素;ジクロロメタン、二塩化エチレン等のハロゲン化炭化水素等を挙げることができる。
また、溶媒を使用する場合、重合中の系内において、エチレン分圧は、通常50kPa以上400kPa以下、好ましくは50kPa以上300kPa以下とすることができ、水素分圧は、好ましくは0kPa以上100kPa以下とすることができる。なお、系内にエチレンおよび水素を投入する場合、水素分圧での加圧を実施した後、エチレン分圧での加圧を実施することが好ましい。また、式(I)で表される環状オレフィンの溶液を重合反応槽に投入した後、さらにトルエンを投入してもよい。
重合温度は、通常50℃以上、好ましくは50℃以上150℃以下、より好ましくは50℃以上100℃以下である。なお、重合体の分子量を調節するために水素等の連鎖移動剤を添加することもできる。
本実施形態に係るオレフィン系共重合体は、必要に応じて、酸化防止剤、耐候剤、滑剤、抗ブロッキング剤、帯電防止剤、防曇剤、無滴剤、顔料、フィラー等の公知の添加剤と組合せて用いることができる。
本実施形態に係るオレフィン系共重合体は、各種成形体に成形することができる。各種成形体に成形する方法としては、インフレーション成形法、Tダイ成形法、カレンダー成形法、ブロー成形法、シート成形法、ラミネート成形法、射出成形法、発泡成形法、異形押出成形法等、公知の成形方法を用いることができる。
本実施形態に係るオレフィン系共重合体は、CTEの小さい成形品を得ることができる。すなわち、寸法安定性に優れた成形品を提供することができる。そのため、自動車部品、電気・電子部品等の工業材料;レンズ、プリズム、光ファイバー、記録媒体等の光学材料;食品包装用トレー、食品包装用フィルム等の包装材料等に好適に用いられる。
<フィルム>
本実施形態に係るフィルムは、上述のオレフィン系共重合体を含有する。
本実施形態に係るフィルムは、単層フィルムでもあってもよく、本実施形態に係るフィルムからなる層を少なくとも1層含む多層フィルムであってもよい。前記フィルムが単層フィルムである場合には、例えば、インフレーション成形法、Tダイ成形法、カレンダー成形法、ブロー成形法、シート成形法等を用いて製造することができる。また、前記フィルムが多層フィルムである場合には、例えば、共押出加工法、押出ラミネート法、熱ラミネート法、ドライラミネート法等の多層フィルム形成法で製造することができる。
本実施形態に係るフィルムの厚さは、好ましくは5μm以上500μm以下、より好ましくは10μm以上300μm以下である。
本実施形態に係るフィルムには、通常工業的に採用されている方法によって、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理が施されていてもよい。
なお、本実施形態に係るオレフィン系共重合体、および、該オレフィン系共重合体を含有するフィルムは、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。また、上記以外の実施形態の構成や方法等を任意に採用して組合せてもよく、上記の1つの実施形態に係る構成や方法等を上記の他の実施形態に係る構成や方法等に適用してもよい。
以下、実施例、および、比較例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
エチレン−ノルボルネン共重合体の合成には、住友化学(株)製のトルエン、荒川化学工業(株)製の2−ノルボルネン(以下「NB」)、東ソー・ファインケム(株)製のトリイソブチルアルミニウム(以下「TIBA」)、AGC(株)製のN,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(以下「AB」)を用いた。
トルエンは、モレキュラーシーブス13X(ユニオン昭和(株)製)と活性アルミナ(住友化学(株)製NKHD−24)とを用いて脱水し、次いで、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を除去したものを使用した。
NBは、トルエンに溶解させた後、モレキュラーシーブス13X(ユニオン昭和(株)製)と活性アルミナ(住友化学(株)製NKHD−24)とを用いて脱水し、次いで、窒素ガスを吹き込んで溶存酸素を除去したものを使用した(以下、「NB溶液」)。なお、NB溶液中のNB濃度は、ガスクロマトグラフィーを用いて測定した。
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(3−tert−ブチル−5−メチル−2−フェノキシ)チタンジクロリド(以下「錯体1」)は、特開平9−183809号公報に記載の方法に従って合成したものを使用した。
<実施例1>
内部を減圧乾燥したオートクレーブに、NB溶液1,501mL(NB濃度:3.00mol/L)を加え、60℃に昇温した。系内を攪拌しながら、エチレン分圧:100kPaで加圧した後、TIBAのヘキサン溶液4.0mL(濃度:1.0mol/L)と、ABを0.16gと、錯体1のトルエン溶液10.0mL(濃度:10mmol/L)とを加え、エチレンとNBとの重合を開始した。重合中は系内の温度を60℃に保ち、また、エチレンを連続的に供給して系内の圧力を開始時の値に保った。重合開始から3時間経過後、水5.0mLを加えて重合を停止し、オートクレーブ内の溶液を抜き出した。抜き出された溶液に、トルエン1500gと、硫酸マグネシウム100gとを加えて攪拌し、次いで、水100mLを加えて攪拌し、固体を濾過により除去した。得られた液体をアセトンに滴下し、析出した粉末を濾過により単離した。単離された粉末を更にアセトンで洗浄し、減圧下、120℃で2時間乾燥させることで、実施例1のエチレン−ノルボルネン共重合体を210.0g得た。得られた粉体を、真空熱プレス装置を用いて、温度が330℃、圧力が50MPaの条件で加熱することで、厚さ100μmのエチレン−ノルボルネン共重合体のフィルムを得た。合成条件を表1に示す。
<実施例2〜6および比較例1>
合成条件を表1の通りに変更したこと以外は、実施例1と同様にエチレン−ノルボルネン共重合体を得た。なお、水素を導入する場合、エチレン分圧での加圧を実施する前に、水素分圧での加圧を実施した。また、トルエンを投入する場合、NB溶液を投入した後、トルエンの投入を実施した。
Figure 2021116414
各実施例および比較例のエチレン−ノルボルネン共重合体の物性および組成は、以下の方法により求めた。結果を表3に示す。
<Tg>
エチレン−ノルボルネン共重合体のTgとして、JIS K7196に基づき、熱機械分析により軟化温度を測定した。具体的には、真空プレス機でエチレン−ノルボルネン共重合体をシート状に成型した、厚さ1.0mmの試料を、下記条件で測定し、圧子が試料に沈み込む際の変位のオンセットを軟化温度として、Tgとした。
装置:(株)日立ハイテクサイエンス製 TMA/SS6200
圧子(プローブ)径:1mm
荷重:780mN
温度プログラム:20℃から380℃まで5℃/分の速度で昇温
<MwおよびMn>
エチレン−ノルボルネン共重合体のポリスチレン換算のMwおよびポリスチレン換算のMnは、GPCを用いて測定した。GPC測定は下記条件で行い、ISO16014−1の記載に基づき、クロマトグラム上のベースラインを規定してピークを指定した。得られたMwおよびMnから、Mw/Mnを算出した。
(GPC装置およびソフトウェア)
装置:HLC−8121GPC/HT(東ソー(株)製)
測定ソフト:GPC−8020 modelII データ収集 Version 4.32(東ソー(株)製)
解析ソフト:GPC−8020 modelII データ解析 Version 4.32(東ソー(株)製)
(測定条件)
GPCカラム:TSKgel GMH6−HT(東ソー(株)製);内径7.8mm、長さ300mm 3本連結
移動相:オルトジクロロベンゼン(富士フイルム和光純薬(株)製、特級)に2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(以下、BHTと記載することがある)を0.1w/V、すなわち0.1g/100mLの濃度で添加して使用
流速:1mL/分
カラムオーブン温度:140℃
オートサンプラー温度:140℃
システムオーブン温度:40℃
検出:示差屈折率検出器(RID)
RIDセル温度:140℃
試料溶液注入量:300μL
GPCカラム校正用標準物質:東ソー(株)製 TSKgel標準ポリスチレンを表2のような組合せで量り取り、組合せごとに移動相と同組成のオルトジクロロベンゼン5mLを加え、室温で2時間溶解させて調製した。得られた校正用標準物質を用いて、カラムの校正を実施した後、MwおよびMnの測定を行った。
Figure 2021116414
(試料溶液調製条件)
溶媒:オルトジクロロベンゼン(富士フイルム和光純薬(株)製、特級)にBHTを0.1w/v、すなわち0.1g/100mLの濃度で添加して使用(試料溶液濃度は1mg/mLとなる)
溶解用自動振とう器:DF−8020(東ソー(株)製)
溶解条件:5mgの試料を1,000meshのSUS製の金網袋に封入し、試料を封入した金網袋を試験管に入れ、試験管に、移動相と同組成のオルトジクロロベンゼン5mLを加え、試験管にアルミホイルで蓋をし、試験管をDF−8020にセットし、60往復/分の撹拌速度で140℃にて120分間撹拌した。
<屈折率>
エチレン−ノルボルネン共重合体の屈折率は、真空プレス機を用いてエチレン−ノルボルネン共重合体を厚さ100μmのシート状に成型した試料を、下記条件で測定することにより求めた。
機器:(株)アタゴ製 アッベ屈折計TYPE−3
光源波長:589.3nm
中間液:1−ブロモナフタレン
測定温度:23±1℃
<メソ型二連鎖/ラセモ型二連鎖>
エチレン−ノルボルネン共重合体のNB含有量、NB二連鎖のメソ型二連鎖とラセモ型二連鎖との比(メソ型二連鎖/ラセモ型二連鎖)は、13C−NMRを用いて測定した。13C−NMR測定条件は、以下の通りである。
装置:Bruker社製AVANCE600、10mmクライオプローブ
測定温度:135℃
測定方法:プロトンデカップリング法
濃度:100mg/mL
積算回数:1,024回
パルス幅:45度
パルス繰り返し時間:4秒
化学シフト値基準:テトラメチルシラン
溶媒:1,2−ジクロロベンゼン−dと1,1,2,2−テトラクロロエタン−dとの体積比で85:15の混合溶媒
なお、エチレン−ノルボルネン共重合体中のNB含有量は、1,2−ジクロロベンゼン(127.68ppm)を基準とし、「R.A.Wendt、G.Fink、Macromol.Chem.Phys.,2001,202,3490」に記載の帰属に基づき算出した。より詳しくは、NB含有量は、13C−NMRを用いて測定されたスペクトルチャートのケミカルシフト値44.0−52.0ppmに観測されるシグナル積分値:IC2,C3(ノルボルネン環の2、3位の炭素原子に由来)、ケミカルシフト値27.0−33.0ppmに観測されるシグナル積分値:IC5,C6+ICE(ノルボルネン環の5、6位の炭素原子と、エチレン部の炭素原子とに由来)より、以下の式から求めることができる。
NB含有量(モル%)=IC2,C3/(IC5,C6+ICE)×100
エチレン−ノルボルネン共重合体中のメソ型二連鎖/ラセモ型二連鎖は、1,1,2,2−テトラクロロエタン(74.24ppm)を基準とし、「R.A.Wendt、G.Fink、Macromol.Chem.Phys.,2001,202,3490」および「特開2008−285656号公報」に記載の帰属に基づき算出した。より詳しくは、メソ型二連鎖/ラセモ型二連鎖は、13C−NMRを用いて測定されたスペクトルチャートのケミカルシフト値27.5−28.4ppmに観測されるシグナル積分値:IC5,C6−m(メソ型二連鎖のノルボルネン環の5、6位の炭素原子に由来)、ケミカルシフト値28.4−29.6ppmに観測されるシグナル積分値:IC5,C6−r(ラセモ型二連鎖のノルボルネン環の5、6位の炭素原子に由来)より、以下の式から求めることができる。
メソ型二連鎖/ラセモ型二連鎖=IC5,C6−m/IC5,C6−r
<トルエン溶解度>
エチレン−ノルボルネン共重合体のトルエンへの溶解度は、下記の方法で測定した。サンプル瓶に、エチレン−ノルボルネン共重合体1,000mgと溶媒3mLとを加えた後、室温にて2時間撹拌した。その後、固相と液相とを濾過により分別し、固相を減圧下、80℃で2時間乾燥させた後の質量:X(mg)を測定した。そして、下記式から溶解度:Y(mg/mL)を算出した。なお、室温にて2時間攪拌した後、目視で固相が認められなかった場合は、溶解度を333mg/mL超とした。
Y=(1,000−X)/3
<CTE>
エチレン−ノルボルネン共重合体のCTEは、JIS K7197に基づき、熱機械分析により測定した。具体的には、下記条件で測定を行い、50℃から100℃における線膨張係数を算出した。
装置:(株)日立ハイテクサイエンス製 TMA/SS6200
圧子(プローブ)径:3.5mm
荷重:38.5mN
温度プログラム:20℃から130℃まで5℃/分の速度で昇温
試験片:10mm×10mm×1mmの直方体
Figure 2021116414
表3の結果から分かるように、本発明の構成要件をすべて満たす実施例1〜6のエチレン−ノルボルネン共重合体は、比較例1のエチレン−ノルボルネン共重合体と比べてCTEの小さな成形品を得ることができた。

Claims (12)

  1. エチレンおよび炭素数3〜20の直鎖状α−オレフィンからなる群から選ばれる少なくとも1つに由来する単量体単位(1)と、
    式(I)で表される環状オレフィンに由来する単量体単位(2)と、を含み、
    要件(a)〜(c)を満たす、オレフィン系共重合体。
    (a)ガラス転移温度が220℃以上である。
    (b)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwとポリスチレン換算の数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が2.2以下である。
    (c)屈折率が1.540未満である。
    Figure 2021116414
    (式(I)中、mは0以上の整数を表す。
    〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す。R11〜R14が複数存在する場合、それらは同一であってもよいし異なっていてもよい。R16とR17とは互いに結合し、それらが結合する炭素原子とともに環を形成してもよい。)
  2. 前記ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwが300,000より大きい、請求項1に記載のオレフィン系共重合体。
  3. 要件(a’)を満たす、請求項1または2に記載のオレフィン系共重合体。
    (a’)ガラス転移温度が240℃以上320℃以下である。
  4. 要件(b’)を満たす、請求項1〜3のいずれか一項に記載のオレフィン系共重合体。
    (b’)ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される、ポリスチレン換算の重量平均分子量Mwとポリスチレン換算の数平均分子量Mnとの比(Mw/Mn)が1.6以上2.0以下である。
  5. 要件(c’)を満たす、請求項1〜4のいずれか一項に記載のオレフィン系共重合体。
    (c’)屈折率が1.520以上1.540未満である。
  6. 単量体単位(1)の含有量と、単量体単位(2)の含有量との合計100モル%に対して、
    単量体単位(1)の含有量が1モル%以上30モル%以下であり、かつ、
    単量体単位(2)の含有量が70モル%以上99モル%以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のオレフィン系共重合体。
  7. 式(I)で表される環状オレフィンがノルボルネンである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のオレフィン系共重合体。
  8. エチレン−ノルボルネン共重合体である、請求項7に記載のオレフィン系共重合体。
  9. 単量体単位(2)の二連鎖構造を含み、該二連鎖構造において、メソ型二連鎖とラセモ型二連鎖との比(メソ型二連鎖/ラセモ型二連鎖)が0.50以下である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のオレフィン系共重合体。
  10. メソ型二連鎖とラセモ型二連鎖との比(メソ型二連鎖/ラセモ型二連鎖)が0.01以上0.20以下である、請求項9に記載のオレフィン系共重合体。
  11. トルエンに対する溶解度が300mg/mL以上である、請求項1〜10のいずれか一項に記載のオレフィン系共重合体。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項に記載のオレフィン系共重合体を含有する、フィルム。
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