JP2021165547A - Valve timing control device for internal combustion engine and speed reducer - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、内燃機関のバルブタイミング制御装置及び減速機に関する。 The present invention relates to a valve timing control device and a speed reducer for an internal combustion engine.
従来の内燃機関のバルブタイミング制御装置としては、以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
As a conventional valve timing control device for an internal combustion engine, the one described in
このバルブタイミング制御装置は、ハウジングが外歯ハウジングとストッパハウジング及びカバーハウジングを有している。前記カバーハウジングは、カバー筒部とカバー底部とを有し、前記カバー筒部は、内周側に軸方向に延びる円環状の嵌合凸部を一体に有している。この嵌合凸部は、外周が外歯ハウジングの内周側に有する凹状の嵌合溝に軸方向から嵌合している。 In this valve timing control device, the housing has an external tooth housing, a stopper housing, and a cover housing. The cover housing has a cover cylinder portion and a cover bottom portion, and the cover cylinder portion integrally has an annular fitting convex portion extending in the axial direction on the inner peripheral side. The fitting convex portion is fitted in the concave fitting groove whose outer circumference is on the inner peripheral side of the outer tooth housing from the axial direction.
また、前記カバー筒部は、嵌合凸部を含む内周壁の全体に環状の第1内歯部が形成されている。この第1内歯部は、カバー筒部の内周側に設けられた歯車部の外周に有する外歯と噛み合っており、この噛み合いによってハウジングの回転力を歯車部に伝達するようになっている。 Further, in the cover cylinder portion, an annular first internal tooth portion is formed on the entire inner peripheral wall including the fitting convex portion. The first internal tooth portion meshes with the external teeth provided on the outer peripheral side of the gear portion provided on the inner peripheral side of the cover cylinder portion, and the rotational force of the housing is transmitted to the gear portion by this meshing. ..
しかしながら、特許文献1に記載の従来のバルブタイミング制御装置にあっては、前記カバー筒部の第1内歯部全体が、歯車部の外歯と噛み合っていることから、嵌合凸部を含む第1内歯部全体を精度良く加工しなければならない。このため、第1内歯部の加工作業が煩雑になり、該加工作業能率の低下と加工コストの高騰が懸念される。
However, in the conventional valve timing control device described in
本発明は、前記従来の技術的課題に鑑みて案出されたもので、環状部材の加工作業能率の向上と加工コストの低廉化を図り得る内燃機関のバルブタイミング制御装置及び減速機を提供することを一つの目的としている。 The present invention has been devised in view of the above-mentioned conventional technical problems, and provides a valve timing control device and a speed reducer for an internal combustion engine capable of improving the processing work efficiency of an annular member and reducing the processing cost. That is one purpose.
好ましい態様の一つとしては、とりわけ、駆動回転体に対して軸方向から当接する環状本体と、前記環状本体から軸方向に延びて前記駆動回転体の内周に嵌合する環状凸部と、を有し、前記駆動回転体に結合された環状部材と、前記環状本体の内周に形成された内歯と、前記内歯に噛み合う噛み合い部材とを有し、前記噛み合い部材が前記内歯に対して周方向に移動することで前記従動回転体が前記駆動回転体に対する相対回転位相を変化させる減速機と、を備え、
前記内歯の前記噛み合い部材と噛み合う部位の全体が、前記環状部材の回転軸方向において前記環状凸部よりも前記環状本体側にあることを特徴としている。
As one of the preferred embodiments, in particular, an annular body that abuts on the drive rotating body from the axial direction, and an annular convex portion that extends axially from the annular body and fits into the inner circumference of the drive rotating body. It has an annular member coupled to the driving rotating body, an internal tooth formed on the inner circumference of the annular body, and a meshing member that meshes with the internal tooth, and the meshing member is attached to the internal tooth. On the other hand, the driven rotating body is provided with a speed reducer that changes the relative rotation phase with respect to the driving rotating body by moving in the circumferential direction.
The entire portion of the internal tooth that meshes with the meshing member is closer to the annular body side than the annular convex portion in the rotation axis direction of the annular member.
本発明の好ましい態様によれば、環状部材の加工作業能率の向上と加工コストの低廉化を図り得ることができる。 According to a preferred embodiment of the present invention, it is possible to improve the processing work efficiency of the annular member and reduce the processing cost.
以下、本発明に係る内燃機関のバルブタイミング制御装置の実施形態を図面に基づいて詳述する。なお、本実施形態では、バルブタイミング制御装置を吸気側に適用したものを示しているが、排気側に適用することも可能である。
〔第1実施形態〕
図1は本実施形態におけるバルブタイミング制御装置を示す減速機側の一部縦断面図、図2は本実施形態に供される主要な構成部材を示す分解斜視図、図3は図1のA部拡大図、図4はスプロケットと内歯車構成部材を分解して示す縦断面図、図5は図1のB−B線断面図である。
Hereinafter, embodiments of the valve timing control device for an internal combustion engine according to the present invention will be described in detail with reference to the drawings. In this embodiment, the valve timing control device is applied to the intake side, but it can also be applied to the exhaust side.
[First Embodiment]
FIG. 1 is a partial vertical sectional view on the speed reducer side showing the valve timing control device in the present embodiment, FIG. 2 is an exploded perspective view showing the main components used in the present embodiment, and FIG. 3 is A in FIG. An enlarged view of a part, FIG. 4 is a vertical cross-sectional view showing the sprocket and the internal gear constituent members in an exploded manner, and FIG. 5 is a cross-sectional view taken along the line BB of FIG.
バルブタイミング制御装置は、図1及び図2に示すように、駆動回転体(固定部材)であるタイミングスプロケット1(以下、スプロケット1という。)と、シリンダヘッド01上に軸受ブラケット02を介して回転自在に支持されたカムシャフト2と、スプロケット1とカムシャフト2との間に配置されて、機関運転状態に応じて両者1,2の相対回転位相を変更する位相変更機構3と、を備えている。
As shown in FIGS. 1 and 2, the valve timing control device rotates on the timing sprocket 1 (hereinafter referred to as the sprocket 1), which is a drive rotating body (fixing member), and the
スプロケット1は、図1、図2及び図4に示すように、全体が金属圧粉を焼結して得られる焼結金属材によって環状一体に形成されており、横断面ほぼL字形状に形成された円環状のスプロケット本体1aと、このスプロケット本体1aの外周に一体に設けられて、外周に巻回された図外のタイミングチェーンを介して内燃機関のクランクシャフトから回転力を受ける外歯車部1bと、を備えている。
As shown in FIGS. 1, 2 and 4, the
スプロケット本体1aは、円周方向のほぼ45°の間隔位置に、後述する8本のボルト7の軸部先端に形成された雄ねじ部7aが螺着する8つの雌ねじ孔1cが形成されている。
The
スプロケット本体1aは、中央に形成された大径孔の内周面に滑り軸受である軸受凹部10が設けられている。この軸受凹部10は、後述する従動回転体(出力部材)である従動部材9の外周に有するジャーナル部11との間でスプロケット1全体を相対回転可能に軸受けしている。
The
外歯車部1bは、内燃機関のクランクシャフトに有するドリブンギアに巻回された図外のタイミングチェーンから回転力が伝達されるようになっている。
The
また、スプロケット本体1aの回転軸方向の一端側(前端側)には、後述する減速機13の一部を構成する円環状の環状部材である内歯車構成部材5が各ボルト7によって結合されている。この内歯車構成部材5の具体的な構成については後述する。
Further, on one end side (front end side) of the
さらに、スプロケット本体1aは、内歯車構成部材5と回転軸方向で反対側の後端側に、ストッパ機構6の一部を構成する第1環状規制部8が一体に設けられている。
Further, the
この第1環状規制部8は、図1、図2及び図4に示すように、スプロケット1を焼結成形する際に一体に形成されて、焼結金属材によって所定肉厚の円環状に形成されている。この第1環状規制部8は、スプロケット本体1aのカムシャフト2側の後端縁から径方向内側に延びた円環状に形成されている。この第1環状規制部8は、外径がスプロケット本体1aの外径とほぼ同一に形成されている。また、第1環状規制部8は、環状の内周部8aを有し、この内周部8aが軸受凹部10のカムシャフト2側の一端部を覆うように配置されている。
As shown in FIGS. 1, 2 and 4, the first
第1環状規制部8は、内周部8aの内周面の所定位置に2つの円弧状溝部8b、8cを有している。この各円弧状溝部8b、8cは、第1環状規制部8の中心を軸とした約180°の対称位置に設けられ、それぞれの円弧長さがほぼ90°の角度範囲に形成されている。また、両円弧状溝部8b、8cの間、つまり、円周方向の約180°位置には、2つの第1ストッパ凸部8d、8eが設けられている。この各第1ストッパ凸部8d、8eは、ほぼ円弧形状に形成されて、それぞれの円弧角度が約90°に形成されている。この各第1ストッパ凸部8d、8eは、後述するように、円周方向で対向する各端縁に後述する第2環状規制部19の一つ(一方)の第2ストッパ凸部19aが円周方向から当接して従動部材9の相対回転位置を規制するようになっている。
The first
また、第1環状規制部8は、外周面のスプロケット本体1aの8つの雌ねじ孔1cに対応した位置(円周方向の約45°の等間隔位置)に、各ボルト7のねじ込まれた雄ねじ部7aを避けるための逃げ溝8fがそれぞれ形成されている。この各逃げ溝8fは、剛性を確保するために第1環状規制部8の径方向幅を大きく取ったことに起因するもので、カムシャフト2側の軸方向から視てほぼ半円形状に形成されている。
Further, the first
カムシャフト2は、外周に図外の吸気弁を開作動させる一気筒当たり2つの駆動カムを有している。また、カムシャフト2は、回転軸方向の一端部2aに軸受ブラケット02を介して軸方向の位置決めを行うフランジ部2bが一体に設けられている。
The
カムシャフト2は、一端部2aの先端面から内部軸心方向に沿って形成された挿入孔2cを有している。この挿入孔2cは、後述するカムボルト14の軸部14bが挿入されると共に、先端側の内周面の一部にカムボルト14の雄ねじ部14cが締結される雌ねじ部2dが形成されている。
The
また、カムシャフト2の一端部2a内には、潤滑油を通流させる潤滑油供給機構の一部を構成する図外の油供給通路が形成されている。
Further, in one
内歯車構成部材5の前端面には、フロントプレート15が設けられている。このフロントプレート15は、図1〜図3に示すように、例えば鉄系金属板を円盤状にプレス成形で打ち抜き加工されたものであって、内歯車構成部材5の前端面にボルト固定される外周部位15aと、該外周部位15aよりも径方向内側であって、後述する保持器24と軸方向で重なる中央部位15bと、該中央部位15bよりも径方向内側であって、中央部位15bよりも軸方向へカムシャフト2側にオフセット変形した内周部位15cと、を有している。
A
外周部位15aは、円周方向の等間隔位置に8つのボルト挿入孔15dが貫通形成されている。この各ボルト挿入孔15dは、スプロケット本体1aの各雌ねじ孔1cに対応して形成されて、前述した8本のボルト7の軸部が挿入するようになっている。
Eight
中央部位15bは、図3に示すように、外周部位15aと同一平面上に形成され、カムシャフト2側の内側面が保持器24の後述するケージ部24bの先端面と僅かな隙間Cを介して対向配置されている。
As shown in FIG. 3, the
内周部位15cは、カムシャフト2側へクランク凹状に折曲変形していると共に、中央に大径な貫通孔15eが形成されている。内周部位15cは、カムシャフト2側の内側面が後述するボールベアリング22の外輪22bの一端面に微小隙間C1を持って対向している。
The inner
内歯車構成部材5は、図1〜図4に示すように、スプロケット本体1aとは別体に設けられて、全体が鋼材などの比較的硬度の高い金属材によって一体に形成されており、環状本体5aと、該環状本体5aの内周側の従動部材9方向へ突出した環状凸部5bと、を有している。
As shown in FIGS. 1 to 4, the
環状本体5aは、回転軸方向の肉厚がスプロケット本体1aよりも僅かに大きく形成されて剛性が確保されている。また、環状本体5aは、内周面に波形状の複数の内歯5cが回転軸方向に沿って形成されている。
The thickness of the annular
環状凸部5bは、回転軸方向の肉厚が後述する保持器24の肉厚よりも十分に小さく形成されていると共に、その従動部材9方向への突出量(L)も十分に小さく形成されている。また、環状凸部5bは、外径がスプロケット本体1aの軸受凹部10の内径とほぼ同じ径か、あるいは僅かに小さく形成されて、外周面が軸受凹部10の前端側内周面に軸方向から印籠状態に圧入あるいは嵌合している。この環状凸部5bの圧入あるいは嵌合によってスプロケット1と内歯車構成部材5との同軸性を確保している。
The thickness of the annular
また、環状凸部5bは、内周面の内径が環状本体5aの内径と同一に形成されており、環状本体5aの内周面に各内歯5cを形成する際に、環状凸部5bの内周面にも同じ内歯5dが連続して形成されている。この両内歯5c、5dの切削加工作業は、同時に連続して行われるようになっている。
Further, the annular
また、環状本体5aの内歯5cと環状凸部5bの内歯5dには、例えば、この各内歯5c、5dの切削加工後に高周波焼き入れなどの一般的な熱処理が施されている。この熱処理によって、各内歯5c、5dは、機械的な性質がオーステナイトからマルテンサイトに変化して硬度が高くなっている。なお、環状凸部5bの各内歯5dは、後述するように各ローラ23を保持しないので、必ずしも熱処理が施されなくとも良い。
Further, the
内歯車構成部材5は、スプロケット本体1aの各雌ねじ孔1cに相当する位置に、ボルト7がそれぞれ挿通する8つのボルト挿通孔5eが軸方向に沿って貫通形成されている。
The
従動部材9は、図1〜図3に示すように、後述する減速機13の保持器24とは別体に形成されている。従動部材9は、スプロケット1と同じく金属粉末を圧縮して焼結成形される焼結金属によって全体が肉厚な円盤状に形成されている。具体的には、従動部材9は、円板状本体9aと、該円板状本体9aの中央に貫通形成されたカムボルト挿入孔9bと、円板状本体9aのカムシャフト2側の後端面に形成され、第1環状規制部8と共にストッパ機構6を構成する第2環状規制部19と、円板状本体9aの外周側に一体に設けられて、軸受凹部10に嵌合するジャーナル部11と、を有している。
As shown in FIGS. 1 to 3, the driven
円板状本体9aは、第2環状規制部19の内周側、つまり第2環状規制部19によって囲まれた内側に、カムシャフト2の一端部2aが軸方向から嵌合配置される円形状の嵌合溝9cが形成されている。また、嵌合溝9cの底面所定位置には、カムシャフト2に設けられた図外の位置決め用のピンが挿入される位置決め用のピン孔9dが貫通形成されている。
The disk-shaped
カムボルト挿入孔9bは、内径がカムシャフト2の挿入孔2cの内径よりも小さく形成されて、カムボルト14の軸部14b(中間軸部14g)が僅かな隙間をもって挿入可能になっている。
The inner diameter of the cam
図6は従動部材が最大一方向へ相対回転して一方の第2ストッパ凸部が第1ストッパ凸部の一方に当接した状態を示す正面図、図7は従動部材が最大他方向へ相対回転して一方の第2ストッパ凸部が第1ストッパ凸部の他方に当接した状態を示す正面図である。 FIG. 6 is a front view showing a state in which the driven member rotates relative to each other in a maximum of one direction and one second stopper convex portion abuts on one of the first stopper convex portions. FIG. 7 shows a state in which the driven member is relative to the maximum other direction. It is a front view which shows the state which it rotates and one 2nd stopper convex part comes into contact with the other of the 1st stopper convex part.
第2環状規制部19は、図6及び図7に示すように、外周縁の所定位置に、回転中心Pから径方向外側に向かって突出した一対の第2ストッパ凸部19a、19bが一体に設けられている。この各第2ストッパ凸部19a、19bは、回転中心Pを軸とした180°の対称位置に設けられて、第1環状規制部8の各円弧状溝部8b、8c内に配置されている。各第2ストッパ凸部19a、19bは、それぞれがほぼ矩形状に形成されていると共に、先端面が各円弧状溝部8b、8cの内周面に倣って円弧状に形成されている。また、各第2ストッパ凸部19a、19bは、それぞれの基部(根元部)の両側縁に応力集中を低減させる円弧状の切欠溝19c、19dが形成されている。
As shown in FIGS. 6 and 7, a pair of second stopper
そして、図6に示すように、従動部材9が、スプロケット1に対して図中左回転方向へ最大に相対回転した際に、一方の第2ストッパ凸部19aの一側縁19eが、一方の第1ストッパ凸部8dの対向側縁に当接してそれ以上の相対回転を規制するようになっている。また、図7に示すように、従動部材9が図中右方向へ最大に相対回転した際に、一方の第2ストッパ凸部19aの他側縁19fが、他方の第1ストッパ凸部8eの対向側縁に当接してそれ以上の相対回転を規制するようになっている。
Then, as shown in FIG. 6, when the driven
なお、従動部材9が、図中左方向へ相対回転して一方の第2ストッパ凸部19aの一側縁19eが一方の第1ストッパ凸部8eの対向側縁に当接した際には、他方の第2ストッパ凸部19bは所定の隙間S1をもって他方の第1ストッパ凸部8eの対向側縁に当接しないようになっている。また、図7に示すように、従動部材9が、図中右方向へ相対回転して一方の第2ストッパ凸部19aの他側縁19fが他方の第1ストッパ凸部8eの対向側縁に当接した際には、他方の第2ストッパ凸部19bは所定の隙間S2をもって一方の第1ストッパ凸部8dの対向側縁には当接しないようになっている。
When the driven
要するに、第2ストッパ凸部19bは、両側縁が第1ストッパ凸部8d、8eのいずれにも当接することがなく、対向側縁との間に僅かな隙間S1,S2をもって対向している。
In short, both side edges of the second stopper
第2環状規制部19を含む従動部材9は、嵌合溝9cにカムシャフト2の一端部2aが軸方向から嵌合配置した状態で、カムボルト挿入孔9bに挿通されたカムボルト14によって保持器24と一緒にカムシャフト2の一端部2aに軸方向から締め付け固定されるようになっている。
In the driven
滑り軸受機構は、図1及び図2に示すように、スプロケット本体1aの内周面に形成された円環状の軸受凹部10と、従動部材9の外周に設けられ、軸受凹部10の内部に配置されたジャーナル部11と、から構成されている。
As shown in FIGS. 1 and 2, the slide bearing mechanism is provided on the outer periphery of the
軸受凹部10は、図3及び図4に示すように、カムシャフト2側の軸方向一端部が第1環状規制部8によって覆われて、内歯車構成部材5側の他端部が開口している。これにより、軸受凹部10は、第1環状規制部8側の環状内側面8gから他端部の開口までスプロケット本体1aの内周面全体に形成されている。また、軸受凹部10は、図1に示すように、その一部が各外歯車部1bの形成位置と軸方向でオーバーラップするように配置されている。
As shown in FIGS. 3 and 4, the bearing
軸受凹部10は、円環状の底面が滑り軸受面10aになっていると共に、カムシャフト2側の一端部、つまり、第1環状規制部8の環状内側面8gが滑り軸受面10aから径方向へほぼ直角に形成されている。
In the bearing
ジャーナル部11は、円板状本体9aの外周部からフロントプレート15側へ突出して、断面形状が軸受凹部10の断面形状とほぼ相似形の矩形状に形成されている。このジャーナル部11は、軸受凹部10が各外歯車部1bと軸方向でオーバーラップしていることから、同じく一部が各外歯車部1bと軸方向でオーバーラップ配置されている。
The
従動部材9のカムシャフト2と反対側の内端面には、ジャーナル部11で囲まれた円盤状凹部9fが形成されている。ジャーナル部11は、環状の外周面が軸受凹部10の滑り軸受面10a全体に摺動可能になっている。これによって、ジャーナル部11が、軸受凹部10を介してスプロケット1全体を軸受するプレーン軸受として機能するようになっている。
A disk-shaped
ジャーナル部11は、軸方向のフロントプレート15側の一端面11aが環状凸部5bの先端面に微小隙間Cをもって対向配置されている。この環状凸部5b(内歯車構成部材5)によって、従動部材9全体がカムシャフト2と反対方向の軸方向への移動が規制されるようになっている。
In the
また、ジャーナル部11は、軸方向の第1環状規制部8側の他端面11bが第1環状規制部8の環状内側面8gに摺動可能になっている。この第1環状規制部8の環状内側面8gが、スプロケット1の傾動時においてジャーナル部11の他端面11bに当接して他方のスラスト移動を規制するようになっている。
Further, in the
カムボルト14は、図1〜図3に示すように、ほぼ円柱状の頭部14aと、この頭部14aに一体に固定された軸部14bと、この軸部14bの外周面に形成されて、カムシャフト2の雌ねじ部2dに螺着する雄ねじ部14cと、を有している。
As shown in FIGS. 1 to 3, the
頭部14aは、先端部に六角レンチなどの工具が挿入される六角形の工具穴14dが形成されている。また、頭部14aは、外周面全体に高周波焼き入れなどの熱処理が施されて、硬度が頭部14aの他の部位よりも高くなっている。この他の部位とは、例えば、軸部14bの後述する中間軸部14gが結合された頭部14aの軸方向の側面である座面14fである。
The
また、頭部14aの高硬度の外周面には、ニードルベアリング25の各ニードルローラ25aが転動可能に支持されている。座面14fは、カムボルト14の雄ねじ部14cをカムシャフト2の雌ねじ部2dにねじ込んで締結した際に、保持器24の内周部に形成されたボルト孔24cの孔縁よりも外側の対向面に着座するようになっている。
Further, each
軸部14bは、頭部14aとの付け根部、つまり、頭部14aの軸方向の座面14f中央に、大径な中間軸部14gが一体に設けられている。この中間軸部14gは、外径が軸部14bの雄ねじ部14cの外径よりも大きく形成されていると共に、従動部材9のカムボルト挿入孔9bの内径よりも僅かに小さく形成されている。これによって、中間軸部14gは、従動部材9のカムボルト挿入孔9bの内周面に微小クリアランスをもって挿入嵌合して、従動部材9とカムシャフト2との同軸性を確保するようになっている。
The
すなわち、中間軸部14gは、カムボルト14によって従動部材9をカムシャフト2に結合する際において、カムボルト挿入孔9bに挿入嵌合することによって従動部材9とカムシャフト2の同軸性を確保するようになっている。したがって、中間軸部14gのカムボルト挿入孔9bに対する挿入嵌合とは、従動部材9とカムシャフト2との同軸性を確保するために機械的な嵌め合いであるいわゆる中間嵌めに近い状態であることをいう。
That is, when the driven
位相変更機構3は、図1及び図2に示すように、スプロケット1の前端側に配置された電動モータ12と、この電動モータ12からオルダム継手20を介して伝達された回転速度を減速してカムシャフト2に伝達する減速機13と、から主として構成されている。
As shown in FIGS. 1 and 2, the
電動モータ12は、いわゆるブラシレスの直流型モータであって、チェーンケースに固定される有底円筒状のモータハウジング16と、このモータハウジング16の後端部に設けられて、内部にステータコイルなどが収容された図外のモータステータと、ステータコイルの内周側に配置されたモータ軸17と、該モータ軸17の外周に固定された図外の永久磁石と、モータハウジング16のスプロケット1と反対側の前端部に設けられた制御部18と、を有している。
The
モータハウジング16は、ほぼカップ状に形成されて、前端部(底壁)のほぼ中央にモータ軸17が挿通する貫通孔が形成されている。一方、後端部の外周には、径方向外側に突出したフランジ部16aが一体に設けられている。このフランジ部16aは、円周方向の約120°位置には、3つのブラケット片16bが一体に設けられている。また、この3つのブラケット片16bには、図外のチェーンケースに結合するためのボルトが挿通されるボルト挿通孔16cがそれぞれ貫通形成されている。
The
さらに、フランジ部16aの円周方向の各ブラケット片16bの間には、3つのボルト29が挿通する別異の3つのボルト挿通孔が形成されている。各ボルト29は、モータハウジング16に制御部18を結合するようになっている。
Further, three different bolt insertion holes through which the three
なお、ボルト挿通孔16cやボルト29などは、さらに増加することも可能である。
The number of
モータステータは、主として合成樹脂材の樹脂部によって一体に形成されて、内部にステータコイルがモールド固定されている。 The motor stator is integrally formed mainly by the resin portion of the synthetic resin material, and the stator coil is molded and fixed inside.
モータ軸17は、金属材によって円柱状に形成されて、減速機13側の先端部17aの外面には接線方向に沿って形成された図外の二面幅部を有している。また、先端部17aの先端縁側には、二面幅部に対して直交する方向から切り欠かれた一対の嵌着溝が形成されている。この両嵌着溝には、後述する中間部材30のカムボルト14側への移動を規制する図外のストッパ部材が径方向から嵌着固定されている。
The
また、モータ軸17は、先端部17aがカムボルト14の頭部14aに回転軸方向から僅かな隙間をもって近接配置されている。また、先端部17aは、ストッパ部材を含めた全体が工具穴14dの内部に軸方向から挿入可能になっている。
Further, the
ストッパ部材は、Cリング状に形成されて、自身の弾性力によって拡径方向及び縮径方向へ弾性変形可能になっている。 The stopper member is formed in a C-ring shape and can be elastically deformed in the diameter-expanding direction and the diameter-reducing direction by its own elastic force.
制御部18は、合成樹脂材によってボックス状に形成されたハウジング18aを有している。このハウジング18aの内部には、電動モータ12へ給電するバスバーなどの通電回路や、モータ軸17の回転位置を検出する回転センサや、通電量を制御する回路基板などが収容配置されている。また、制御部18は、ハウジング18aに通電回路に電気的に接続される給電用コネクタ18bと図外の信号用コネクタが一体に設けられている。
The
給電用コネクタ18bは、内部の端子が図外のコントロールユニットに雌端子を介して電源であるバッテリーに接続されている。一方、信号用コネクタは、内蔵された端子がコントロールユニットに雌端子を介して接続され、回転センサで検出された回転角信号をコントロールユニットに出力するようになっている。
The
また、モータ軸17の先端部17aには、中間部材30が設けられている。この中間部材30は、減速機13に接続される継手であるオルダム継手20の一部を構成するものであって、図1及び図2に示すように、モータ軸17の先端部17aに固定される筒状基部31を有している。この筒状基部31は、円形状の外面の両側、つまり円周方向の180°位置に二面幅状の一対の平面部31a、31bを有しており、これによって、外形がほぼ長円状に形成されている。
Further, an
また筒状基部31の中央位置には、モータ軸17の先端部17aが挿入される貫通孔が形成されている。
Further, a through hole is formed at the center position of the
この貫通孔は、円形状の内周面にモータ軸17の回転軸から径方向に沿った二面幅状の一対の対向面が形成されている。これによって、筒状基部31の外形と相似形の径方向に長い長円形状に形成されている。したがって、中間部材30は、長円状の貫通孔を介してモータ軸17の先端部17aに対して径方向へ移動可能になっている。
The through hole is formed with a pair of facing surfaces having a width across flats along the radial direction from the rotation axis of the
一対の平面部31a、31bの長手方向のほぼ中央位置には、一対の突出部である2つの伝達キー33a、33bが一体に設けられている。各伝達キー33a、33bは、ほぼ矩形板状に形成されて、筒状基部31の2つの平面部31a、31bから径方向外側に向かって突出している。
Two
減速機13は、電動モータ12とは軸方向から分離独立して設けられ、各構成部材が従動部材9とフロントプレート15との間に収容配置されている。
The
具体的に説明すれば、減速機13は、図1〜図3及び図5に示すように、スプロケット本体1aの内部に一部が配置された偏心回転部材である円筒状の偏心軸部材21と、該偏心軸部材21の外周に固定された転がり軸受であるボールベアリング22と、該ボールベアリング22の外周に設けられ、内歯車構成部材5(環状本体5a)の各内歯5c内に転動自在に保持された複数のローラ23と、従動部材9の円盤状凹部9f側に設けられ、複数のローラ23を転動方向に保持しつつ径方向の移動を許容する保持器24と、から主として構成されている。
Specifically, as shown in FIGS. 1 to 3 and 5, the
偏心軸部材21は、図1〜図3に示すように、カムボルト14の頭部14aの外周に設けられた軸受であるニードルベアリング25の外周に配置された偏心カム軸21aと、該偏心カム軸21aの電動モータ12側に有する連結部である大径な筒状部21bと、を有している。
As shown in FIGS. 1 to 3, the
偏心カム軸21aは、軸方向の長さがニードルベアリング25の軸方向の長さよりも僅かに長い円筒状に形成されている。また、偏心カム軸21aは、周方向全体の肉厚tが厚薄変化して軸心Xが電動モータ12のモータ軸17の軸心Yに対して僅かに偏心している(図1参照)。
The
筒状部21bは、均一な肉厚でほぼ真円状に形成されていると共に、偏心カム軸21aよりも僅かに肉厚に形成されている。この筒状部21bは、スプロケット本体1aの内部からフロントプレート15の貫通孔15eを介して電動モータ12方向へ突出している。この筒状部21bは、中間部材30と共にオルダム継手20を構成している。
The
つまり、筒状部21bは、内部に中間部材30の筒状基部31が軸方向から嵌合可能な二面幅状の嵌合孔21dが形成されている。嵌合孔21dの内周面の円周方向のほぼ180°のそれぞれの位置には、二面幅を構成する三日月状の一対の図外の凸部が設けられている。また、この一対の凸部の図1中の上下のほぼ中央位置には、筒状基部31の2つの伝達キー33a、33bが回転軸方向から嵌合可能な一対のキー溝21c、21cが形成されている。この各キー溝21c、21cは、各伝達キー33a、33bと相似形の矩形状に形成されて、その深さが各伝達キー33a、33bの幅とほぼ同じ長さに設定されている。
That is, the
一対の凸部は、後述する潤滑油供給機構から噴射された潤滑油を電動モータ12(オルダム継手20)への過剰な供給を抑制する抑制部として機能するようになっている。 The pair of convex portions function as suppressing portions for suppressing excessive supply of the lubricating oil injected from the lubricating oil supply mechanism described later to the electric motor 12 (oldham joint 20).
ニードルベアリング25は、カムボルト14の頭部14aの外周面14eを転動する複数のニードルローラ25aと、偏心カム軸21aの内周面に形成された段差面に固定されて、内周面にニードルローラ25aを転動可能に保持する複数の溝部を有する円筒状のシェル25bと、を有している。
The
ボールベアリング22は、図1〜図3及び図5に示すように、ニードルベアリング25の径方向位置で全体がほぼオーバーラップする状態に配置されている。また、ボールベアリング22は、内輪22aと、外輪22b、該両輪22a、22bとの間に介装されたボール22cと、該ボール22cを保持するケージ22dと、から構成されている。
As shown in FIGS. 1 to 3 and 5, the
内輪22aは、偏心カム軸21aの外周面に圧入固定されているのに対して、外輪22bは、軸方向で固定されることなくフリーな状態になっている。つまり、この外輪22bは、軸方向の電動モータ12側の一端面がフロントプレート15の内周部位15cの内側面に微小隙間C1を介して非接触状態になっている。また、外輪22bの軸方向の他端面も、これに対向する保持器24の後述する変形部24dの背面に微小隙間C2を介して非接触状態になっている。これによって、外輪22bは、軸方向の一端面が内周部位15cによって一方の軸方向の移動が規制され、軸方向の他端面が変形部24dによって他方の軸方向の過度な移動が規制されるようになっている。
The
外輪22bは、外周面に各ローラ23の外周面が転動可能に当接している。また、外輪22bの外周面と保持器24の各ローラ23の外面との間の一部に、図5に示すように、三日月状のクリアランスC3が形成されている。したがって、ボールベアリング22は、クリアランスC3を介して全体が偏心カム軸21aの偏心回転に伴って径方向へ偏心動可能になっている。
The outer peripheral surface of each
保持器24は、金属板をプレス成形によってほぼ円盤状に形成されて、従動部材9の円盤状凹部9f側の前端側に当接配置されている。つまり、この保持器24は、従動部材9の円板状本体9aの円盤状凹部9fの底面に軸方向から当接する円盤状の基部24aと、該基部24aの外周に一体に設けられて、噛み合い部材である複数のローラ23を保持するケージ部24bと、を有している。保持器24は、全体のプレス成形後に例えば高周波焼き入れなどを行って従動部材9の硬度よりも高くなっている。
The
基部24aは、中央にカムボルト14の軸部14bが挿通される貫通孔であるボルト孔24cが貫通形成され、外周側にはボールベアリング22方向へクランク凹状に折曲変形した円環状の変形部24dが形成されている。
In the
ボルト孔24cの孔縁には、従動部材9の油孔に開口したU字形状の油溝24eが径方向に沿って形成されている。また、この油溝24eは、従動部材9の図外の油孔と連通可能になっている。
A
また、基部24aは、ボルト孔24cを挟んだ油溝24eと反対側の位置に図外の位置決め用のピンが挿通されるピン挿通孔が貫通形成されている。
Further, the
また、基部24aは、従動部材9側の一側面であって、ボルト孔24cの孔縁から変形部24d付近までの領域24gに摩擦係数を上昇させる塑性加工が施されている。この塑性加工としては、例えばローレット(ナーリング)加工が用いられている。この領域24gは、従動部材9の円板状本体9aの対向側面の一部の円環領域9gに当接するようになっている。また、領域24gは、カムボルト14の頭部14aの座面14fの投影面積を含み、かつ、この投影面積よりも大きい範囲になっている。
Further, the
そして、領域24gと円環領域9gが、カムボルト14の締結力によって互いに軸方向から圧接して従動部材9と保持器24が軸方向から結合されるようになっている。
Then, the
なお、塑性加工としては、ローレット加工に限らずこれ以外の方法であってもよい。 The plastic working is not limited to the knurling, and other methods may be used.
ケージ部24bは、変形部24dの外周縁から電動モータ12側へ延出した円環状に形成されて、円周方向の等間隔位置に、各ローラ23を保持する複数の保持孔24hが径方向に沿って貫通形成されている。
The
この複数の保持孔24hは、それぞれがケージ部24bの変形部24d側の基端縁から先端縁に向かって細長い長方形状孔に形成されて先端側が閉塞されている。
Each of the plurality of holding holes 24h is formed in an elongated rectangular hole from the base end edge on the
保持孔24hの内部には、前記各ローラ23を転動可能に保持しており、その全体の数(ローラ23の数)が内歯車構成部材5の内歯5cの全体の歯数よりも少なくなっており、これによって、所定の減速比を得るようになっている。
Each of the
各ローラ23は、鉄系金属によって形成され、ボールベアリング22の偏心動に伴って径方向へ移動しつつ環状本体5aの各内歯5cに嵌入(噛み合い)している。各ローラ23は、各保持孔24hの軸方向の両側縁によって周方向にガイドされつつ径方向へ揺動運動するようになっている。
Each
また、各ローラ23は、環状本体5aと環状凸部5bの各内歯5c5dのうち、図3に示すように、保持孔24hの軸方向長さWの範囲で環状本体5aの内歯5cのみに転動可能に配置されている。つまり、噛み合い状態に配置されている(噛み合う部位)。前記噛み合う部位は、厳密には各ローラ23の端部の面取りなどを除く各内歯5c、5dのうちの接触する部位を指す。これに対して、各ローラ23は、環状凸部5bの各内歯5dには配置されずに回転軸方向で離間しており、つまり噛み合う状態になっていない。換言すれば、噛み合う部位の全体が回転軸方向において環状凸部5bよりも環状本体5a側にある。
Further, each
また、保持器24(ケージ部24b)は、外径が従動部材9のジャーナル部11の外径よりも小さく形成されている。そして、図1及び図3に示すように、保持器24を従動部材9に軸方向から組み付けた際に、ケージ部24bは、従動部材9側の外周縁がジャーナル部11の内周縁に軸方向から当接するようになっている。
Further, the cage 24 (
保持器24は、カムボルト14によって従動部材9と結合される前の自由状態における形状は円盤状の基部24aの内周部側(ボルト孔24c側)が、カムボルト14の頭部14a側へ突出した碗状に撓んでいる。したがって、保持器24を、従動部材9と一緒にカムシャフト2に結合する際に、カムボルト14を締め付けて行くと、この締め付け力によって撓み変形部位が従動部材9の円板状本体9aの対向面に押し付けられることにより撓んで平坦状に変形する(図1、図3に示す状態)。これによって、保持器24は、ケージ部24bの後端部がジャーナル部11の内周縁に軸方向から当接すると共に、領域24gが従動部材9の円板状本体9aの対向面に面接触状態で当接する。
The shape of the
減速機13とオルダム継手20は、潤滑油供給機構を介して内部に潤滑油が供給されるようになっている。
Lubricating oil is supplied to the inside of the
すなわち、潤滑油供給機構は、カムシャフト2の一端部2a内に形成された図外の油供給通路と、従動部材9の内周部に貫通形成された油孔と、保持器24のボルト孔24cの孔縁から径方向に沿って形成された油溝24eと、油供給通路に潤滑油を供給するオイルポンプと、を有している。
That is, the lubricating oil supply mechanism includes an oil supply passage (not shown) formed in one
そして、油供給通路から油孔や油溝24eを通って減速機13の内部に流入した潤滑油は、駆動中の遠心力によって、ボールベアリング22の内部や外周側の保持器24内などを通り、ここから、軸受凹部10とジャーナル部11との間に流入する。つまり、潤滑油は、ジャーナル部11の両端面や外周面と軸受凹部10の滑り軸受面10a及び第1環状規制部8の環状内側面8gなどの間を通って潤滑に供される。
Then, the lubricating oil that has flowed into the
オイルポンプは、トロコイドなどの一般的なポンプであって、吐出通路が主として内燃機関の内部を潤滑する潤滑油を供給する図外のメインオイルギャラリーに連通している。また、吸入通路が、オイルパンの内部に連通している
コントロールユニットは、図外のクランク角センサやエアーフローメータ、水温センサ、アクセル開度センサなど各種のセンサ類からの情報信号に基づいて現在の機関運転状態を検出し、これに基づいて機関制御を行っている。また、コントロールユニットは、前記各情報信号や回転位置検出機構に基づいて、コイル部に通電してモータ軸17の回転制御を行い、減速機13によってカムシャフト2のタイミングスプロケット1に対する相対回転位相を制御するようになっている。
〔本実施形態の作用効果〕
以下、本実施形態におけるバルブタイミング制御装置の作用について説明する。
The oil pump is a general pump such as a trochoid, and the discharge passage communicates with a main oil gallery (not shown) that mainly supplies lubricating oil that lubricates the inside of an internal combustion engine. In addition, the control unit whose suction passage is connected to the inside of the oil pan is currently based on information signals from various sensors such as a crank angle sensor, an air flow meter, a water temperature sensor, and an accelerator opening sensor (not shown). The engine operation status is detected and the engine is controlled based on this. Further, the control unit energizes the coil portion to control the rotation of the
[Action and effect of this embodiment]
Hereinafter, the operation of the valve timing control device in this embodiment will be described.
まず、機関のクランクシャフトの回転駆動に伴ってタイミングチェーンを介してタイミングスプロケット1が回転すると、この回転力が内歯車構成部材5に伝達される。この内歯車構成部材5の回転力が、各ローラ23から保持器24及び従動部材9を経由してカムシャフト2に伝達される。これによって、カムシャフト2の駆動カムが各吸気弁を開閉作動させる。
First, when the
機関始動後の所定の機関運転時には、コントロールユニットからの制御電流が電動モータ12のコイル部に通電されてモータ軸17が正逆回転駆動される。このモータ軸17の回転力が、オルダム継手20を介して偏心軸部材21に伝達されて減速機13の作動によりカムシャフト2に対し減速された回転力が伝達される。
During a predetermined engine operation after the engine is started, the control current from the control unit is energized in the coil portion of the
これによって、カムシャフト2が、タイミングスプロケット1に対して正逆相対回転して相対回転位相が変換される。したがって、各吸気弁は、開閉タイミングを進角側あるいは遅角側に変換制御されるのである。
As a result, the
このように、吸気弁の開閉タイミングが進角側あるいは遅角側へ連続的に変換されることによって、機関の燃費や出力などの機関性能の向上が図れる。 In this way, by continuously converting the opening / closing timing of the intake valve to the advance angle side or the retard angle side, it is possible to improve the engine performance such as the fuel efficiency and output of the engine.
そして、本実施形態では、スプロケット1と内歯車構成部材5とを、一体ではなく別体に形成して、各内歯5cに対して高硬度と高い加工精度が要求される部位を内歯車構成部材5のみとした。このため、スプロケット1を、例えば焼結金属などによって形成することができるので、加工作業能率の向上と、加工コストの低減化が図れる。
Then, in the present embodiment, the
特に、本実施形態では、内歯車構成部材5の環状本体5aと環状凸部5bの各内歯5c、5dうち、各ローラ23が転動可能に保持される対象が各内歯5cのみであるから、環状本体5a側のみを高剛性(高硬度)でかつ高精度に加工すれば良いことになる。換言すれば、環状凸部5bの各内歯5dは、高剛性(高硬度)でかつ高精度な加工が要求されないことから、これによって、加工作業能率の向上と加工コストの低減化をさらに図ることができる。
In particular, in the present embodiment, of the
つまり、各ローラ23を転動可能に保持する環状本体5aの各内歯5cは、減速機の駆動音や振動、耐久性、伝達効率などの性能の観点からして寸法等の高い精度が要求されている。しかし、環状凸部5bの各内歯5dは、各ローラ23を直接的に転動可能に保持するものではないので、高い精度が要求されない。また、本発明の趣旨からして、そもそも環状凸部5bの内周面に内歯5dを設ける必要性もないのである。したがって、環状本体5aの各内歯5cのみでも良いのであるが、後述するように、各内歯5cを成形加工する際に、環状凸部5bの各内歯5dをも連続的に成形加工した方が加工し易く、加工作業能率の点から一緒に形成しているのである。
That is, each
よって、前述のように、基本的に各内歯5dは、高い加工精度が要求されないので、加工作業能率の向上と加工コストの低減化が図れる。
Therefore, as described above, since each
また、環状凸部5bは、高剛性などが要求されず、単に、組付時におけるスプロケット1との同軸性を確保するために嵌合できるものであれば良い。したがって、環状凸部5bは、その径方向の肉厚を可及的に薄くすることが可能になり、この結果、装置全体の小径化と軽量化を図ることができる。
Further, the annular
また、前述したように、本発明の趣旨からして、環状本体5aの内周にのみ各内歯5cを設け、環状凸部5bの内周には各内歯5dを設けないことも考えられるが、この場合は、各内歯5cの加工作業が煩雑になって加工コストが却って高くなるおそれがある。しかし、本実施形態では、環状本体5aと環状凸部5bの両方の内面に内歯5c、5dを連続して形成したことによって、加工作業が簡単になって加工コストの低減化が図れる。
Further, as described above, for the purpose of the present invention, it is conceivable that each
さらに、各内歯5c、5dに対する高周波などの熱処理は、環状本体5aのみを部分的に行うのではなく、環状本体5aと共に環状凸部5bも一緒に行うようにしたことから、全体の熱処理作業が容易になる。また、前記環状凸部5bは、薄肉であることから、各内歯5dの熱処理によって熱変形を発生するおそれがあるが、この各内歯5dは各ローラ23を噛み合い保持しないので熱変形したとしても各ローラ23の作用に全く影響がない。
Further, the heat treatment such as high frequency for each
環状凸部5bは、先端面が従動部材9のジャーナル部11の内歯車構成部材5側の先端面と微小隙間を介して対峙して従動部材9の自由な回転を確保しつつ内歯車構成部材5方向への移動を規制するストッパとして機能する。これによって、従動部材9は、回転駆動中においてスプロケット1から径方向への負荷が掛かって径方向へ倒れようとしても前記環状凸部のストッパ機能によって倒れが抑制されて、安定した姿勢が維持される。この結果、従動部材9のジャーナル部11とスプロケット1の軸受凹部10との間の大きなフリクションの発生を抑制できると共に、ジャーナル部11による安定した軸受機能を発揮させることができる。
The annular
また、環状凸部5bの外周面が、スプロケット1の軸受凹部10の内周面に嵌合していることから、スプロケット1と内歯車構成部材5との同軸性を確保し易くなる。
Further, since the outer peripheral surface of the annular
本実施形態では、スプロケット本体1aと第1環状規制部8を一体に形成すると共に、従動部材9と第2環状規制部19も一体に形成した。このため、それぞれを別体に形成した場合に比較して部品点数の大幅な削減が図れ、製造作業性や組付け作業性が向上する。特に、これらをそれぞれ焼結金属によって一体に成形したことから、製造作業がさらに向上する。
In the present embodiment, the
また、第1環状規制部8や第2環状規制部19は、それぞれ対称位置に2つの第1ストッパ凸部8d、8e及び第2ストッパ凸部19a、19bを設けたことにより全体の重量バランスが良好になる。このため、スプロケット1や従動部材9は、常時円滑に回転作動することができる。
Further, the first
また、従動部材9と保持器24とを別体に形成したことから、従動部材9と保持器24を、それぞれの構造や材質に合わせて個別にかつ精度良く成形することができるので、この成形作業が容易になる。
Further, since the driven
言い換えれば、従動部材9と保持器24とが一体になっている場合には、全体を例えば切削加工によって成形しなければならない。このため、材質と共に各部の高い寸法精度や加工精度が要求されて、成形加工作業が煩雑になってこの加工作業能率の低下を招き、加工コストの高騰が懸念される。
In other words, when the driven
しかし、本実施形態では、従動部材9と保持器24を個別に成形加工できるので、成形加工作業が容易になり、加工コストの低減化が図れる。
However, in the present embodiment, since the driven
しかも、従動部材9と保持器24の結合方法として、例えば複数のボルトを用いるとか溶接などで行うのではなく、1本のカムボルト14の締め付け力によって行うことから、この結合作業も容易になり、この点でもコストの低減化が図れる。
Moreover, as a method of connecting the driven
さらに、このカムボルト14の締め付け力を利用することで、従動部材9と保持器24を予め複数のボルトや溶接によって接合する工程が省略できる。これによって、従動部材9と保持器24を個別に成形したとしても、接合工程を増やすことなくカムボルト14によってカムシャフト2に固定することができる。
Further, by utilizing the tightening force of the
また、本実施形態では、保持器24の基部24aにローレット加工を施したことから、カムボルト14で締結した際の従動部材9と保持器24との間の摩擦抵抗(フリクション)が大きくなって、両者の9,24の結合強度が向上する。また、従動部材9との少ない接触面積で大きなフリクションを確保できるので、カムボルト14の締結力を小さくすることができる。この結果、カムボルト14の小型化が図れる。
Further, in the present embodiment, since the
さらに、カムボルト14は、保持器24の基部24aの内周部側の撓み変形部位が自身の弾性復帰力によって言わばばねワッシャとして機能することから、機関の振動などによる不用意な緩みが抑制される。したがって、カムシャフト2に対する従動部材9と保持器24の強固な結合状態を維持できる。
Further, in the
本実施形態では、フロントプレート15によって、ボールベアリング22の外輪22bの一端側の移動を規制できるので、保持器24やボールベアリング22をカムシャフト2に対して組み付ける際に、各ボールベアリング22の不用意な脱落を抑制できる。
In the present embodiment, the
また、フロントプレート15は、中央部位15bがケージ部24bに対して僅かな隙間を介して軸方向から対峙し、さらに内周部位15cによって外輪22bの軸方向の一方側への移動を規制するようになっている。このため、ボールベアリング22の軸方向の中心とケージ部24bの保持孔24hに保持された各ローラ23の軸方向の中心を一致させることができる。これにより、保持器24とボールベアリング22の位置精度が向上する。
Further, in the
従動部材9は、ジャーナル部11の内側に保持器24の基部24a側を収容した形になるので、全体の軸方向の長さを短くすることが可能になる。
Since the driven
さらに、保持器24は、ケージ部24bの外周縁全体が従動部材9のジャーナル部11の先端側内周縁に軸方向から当接している。これによって、保持器24と従動部材9の同軸性を得ることが可能になる。つまり、保持器24と従動部材9との間の芯出しを行うことができる。したがって、保持器24と従動部材9の組付精度が向上する。
Further, in the
また、本実施形態では、カムボルト14を従動部材9のカムボルト挿入孔9bと保持器24のボルト孔24cに挿通してカムシャフト2に締結する際に、中間軸部14gによって従動部材9と保持器24及びカムシャフト2との同軸性(調心性)を得ることができる。
Further, in the present embodiment, when the
ボルト孔24cの孔縁の周面には、ローレット加工が施されているので、カムボルト14の頭部14aの座面14fとの摩擦抵抗が大きくなってカムボルト14の高い締め付け力が得られる。
Since the peripheral surface of the hole edge of the
従動部材9のカムボルト挿入孔9bと保持器24のボルト孔24cは、内径が軸部14b(雄ねじ部14c)の外径より大径な中間軸部14gを挿入嵌合させるために比較的大径に形成されている。このため、カムボルト14は、軸部14bをカムボルト挿入孔9b及びボルト孔24cに隙間を介して余裕をもって挿入することができる。このため、この挿入時において雄ねじ部14cがカムボルト挿入孔9bの孔縁に干渉して損傷するのを抑制できる。
The cam
また、本実施形態では、頭部14aの外周面14eに高周波焼き入れを施して高硬度にしたことから、以下のような作用効果が得られる。
Further, in the present embodiment, since the outer
すなわち、機関駆動中に発生するカムシャフト2の正負の交番トルクによって減速機13に逆入力がカムボルト14に作用して、頭部14aの外周面14eに径方向への荷重が入力される。これによって、頭部14aの外周面14eにニードルベアリング25が干渉するおそれがある。しかし、頭部14aの外周面14eは硬度が高いことから、損傷の発生を抑制できる。
That is, a reverse input acts on the
電動モータ12のモータ軸17の先端部17aが、カムボルト14の工具穴14dの内部に回転軸方向から挿入可能になっている。このため、機関の振動などによってモータ軸17やカムシャフト2(従動部材9)などが回転軸方向へ移動した際に、モータ軸17の先端部17aが工具穴14d内に入ってこの移動を吸収できる。これにより、モータ軸17とカムボルト14との軸方向の距離を可及的に短くすることが可能になる。
The
この結果、バルブタイミング制御装置は、全体の軸方向の長さを短くできるので装置の小型化が図れ、エンジンルーム内への搭載性が向上する。 As a result, the valve timing control device can shorten the overall axial length, so that the device can be miniaturized and the mountability in the engine room is improved.
本発明は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、例えば、噛み合い部材としては、前記ローラ23以外に歯車などとすることも可能である。したがって、減速機としてローラ減速機以外の例えば、前記従来技術として掲げた特開2019−85910号に記載された遊星歯車減速機や、特開2016−125343号に記載された波動歯車機構などに適用することも可能である。
The present invention is not limited to the configuration of the embodiment, and for example, the meshing member may be a gear or the like in addition to the
また、環状凸部5bは、内周面に各内歯5dを必ずしも形成する必要はなく、場合によっては内周面を単に平坦状に形成することも可能である。また、各内歯5dに焼き入れなどの熱処理を施す必要もない。
Further, the annular
また、摩擦係数を上昇させるローレット加工を、保持器24ではなく従動部材9の円板状本体9a側に施すことも可能である。また、両方に施すこともできる。
Further, it is also possible to perform knurling to increase the friction coefficient on the disk-shaped
以上説明した実施形態に基づく内燃機関のバルブタイミング制御装置としては、例えば、以下に述べる態様のものが考えられる。 As the valve timing control device for the internal combustion engine based on the embodiment described above, for example, the one described below can be considered.
すなわち、本発明における好ましい態様としては、
クランクシャフトからの回転力が伝達される駆動回転体と、カムシャフトに結合されて、前記駆動回転体と相対回転可能な従動回転体と、前記駆動回転体に対して軸方向から当接する環状本体と、前記環状本体から軸方向に延びて前記駆動回転体の内周に嵌合する環状凸部と、を有し、前記駆動回転体に結合された環状部材と、前記環状本体の内周に形成された内歯と、前記内歯に噛み合う噛み合い部材とを有し、前記噛み合い部材が前記内歯に対して周方向に移動することで前記従動回転体が前記駆動回転体に対する相対回転位相を変化させる減速機と、を備え、
前記内歯の前記噛み合い部材と噛み合う部位の全体が、前記環状部材の回転軸方向において前記環状凸部よりも前記環状本体側にある。
That is, as a preferred embodiment in the present invention,
A driving rotating body to which the rotational force from the crank shaft is transmitted, a driven rotating body that is coupled to the cam shaft and can rotate relative to the driving rotating body, and an annular body that abuts on the driving rotating body from the axial direction. And an annular member extending axially from the annular body and fitting to the inner circumference of the drive rotating body, and an annular member coupled to the driving rotating body, and an annular member on the inner circumference of the annular body. The driven rotating body has a formed internal tooth and a meshing member that meshes with the internal tooth, and the meshing member moves in the circumferential direction with respect to the internal tooth so that the driven rotating body sets a relative rotation phase with respect to the driving rotating body. Equipped with a speed reducer to change
The entire portion of the internal tooth that meshes with the meshing member is closer to the annular body side than the annular convex portion in the rotation axis direction of the annular member.
この発明の態様によれば、環状凸部の内周は、高い加工精度が要求される噛み合う部位とはしないことから、前記環状凸部の加工精度を下げることが可能になる。 According to the aspect of the present invention, since the inner circumference of the annular convex portion is not a meshing portion that requires high processing accuracy, it is possible to reduce the processing accuracy of the annular convex portion.
また、環状凸部は、噛み合い部材と噛み合わないことから、高い剛性が要求されず、単に駆動回転体との同軸性を確保するために嵌合できるものであれば良い。この結果、径方向の肉厚を可及的に薄くすることが可能になり、小径化と軽量化が図れる。 Further, since the annular convex portion does not mesh with the meshing member, high rigidity is not required, and it is sufficient that the annular convex portion can be fitted simply to secure the coaxiality with the drive rotating body. As a result, it becomes possible to reduce the wall thickness in the radial direction as much as possible, and it is possible to reduce the diameter and weight.
さらに好ましくは、前記内歯は、前記環状本体の内周と前記環状凸部の内周の両方に跨って形成されている。 More preferably, the internal teeth are formed so as to straddle both the inner circumference of the annular body and the inner circumference of the annular protrusion.
この発明の態様によれば、環状本体の内周にのみ内歯を形成して環状凸部の内周には内歯を形成しない場合には、内歯の加工作業が却って煩雑になって加工コストが掛かるおそれがある。しかし、前記両者の内面に連続して形成すれば加工作業が容易になり、加工コストの低減化が図れる。 According to the aspect of the present invention, when the internal teeth are formed only on the inner circumference of the annular main body and the internal teeth are not formed on the inner circumference of the annular convex portion, the processing work of the internal teeth becomes rather complicated. It may be costly. However, if it is formed continuously on the inner surfaces of both of them, the processing work becomes easy and the processing cost can be reduced.
さらに好ましくは、前記減速機は、
前記内歯の内周側に設けられて、外周面が回転軸心に対して偏心した偏心回転部材と、前記偏心回転部材と前記内歯との間に設けられた前記噛み合い部材である複数のローラと、前記従動回転体とともに回転し、前記複数のローラを前記内歯と前記偏心回転部材との間に保持する保持器とを有し、前記偏心回転部材の回転によって前記環状部材に対して前記保持器が相対回転することにより、前記駆動回転体に対する前記従動回転体の相対回転位相を変化させるようになっている。
More preferably, the reducer is
A plurality of eccentric rotating members provided on the inner peripheral side of the internal teeth and whose outer peripheral surface is eccentric with respect to the rotation axis, and the meshing members provided between the eccentric rotating member and the internal teeth. It has a roller and a cage that rotates together with the driven rotating body and holds the plurality of rollers between the internal teeth and the eccentric rotating member, and the rotation of the eccentric rotating member causes the annular member to rotate. The relative rotation of the cage changes the relative rotation phase of the driven rotating body with respect to the driving rotating body.
さらに好ましくは、前記内歯の少なくとも前記噛み合い部材が噛み合う部位に熱処理が施されている。この熱処理によって内歯の高い硬度を確保することができる。 More preferably, heat treatment is performed on at least a portion of the internal tooth where the meshing member meshes. High hardness of the internal teeth can be ensured by this heat treatment.
さらに好ましくは、前記環状本体の内歯と環状凸部の内歯の両方に跨って熱処理が施されている。 More preferably, the heat treatment is performed over both the internal teeth of the annular body and the internal teeth of the annular convex portion.
この発明の態様によれば、熱処理を部分的に環状本体の内歯だけではなく環状凸部の内歯も熱処理が施されることによって、全体の熱処理作業が容易になると共に、高い硬度が得られるが、この環状凸部は噛み合い部材との噛み合いに供されることはないので、熱処理によってたとえ変形しても噛み合い作用に影響はない。 According to the aspect of the present invention, by partially heat-treating not only the internal teeth of the annular body but also the internal teeth of the annular convex portion, the entire heat treatment work is facilitated and high hardness is obtained. However, since this annular convex portion is not used for meshing with the meshing member, even if it is deformed by the heat treatment, the meshing action is not affected.
さらに好ましくは、前記環状凸部は、前記環状本体に対して径方向の内側または外側に変形している。 More preferably, the annular protrusion is deformed radially inward or outward with respect to the annular body.
この発明の態様によれば、環状凸部は、可及的に薄肉に形成されていることから、前記熱処理によって変形したとしても噛み合い部材と噛み合うことがないので、該噛み合い作用に影響はない。 According to the aspect of the present invention, since the annular convex portion is formed as thin as possible, it does not mesh with the meshing member even if it is deformed by the heat treatment, so that the meshing action is not affected.
さらに好ましくは、前記環状凸部は、前記駆動回転体に対する前記従動回転体の軸方向の移動を規制するようになっている。 More preferably, the annular convex portion regulates the axial movement of the driven rotating body with respect to the driving rotating body.
この発明の態様によれば、前記環状凸部を駆動回転体に結合した際に、環状凸部の先端縁が、前記従動回転体の先端部に回転軸方向から対峙して両者間の微小隙間を介して従動回転体の回転を確保しつつ従動回転体の軸方向の移動を規制するストッパとして機能する。 According to the aspect of the present invention, when the annular convex portion is coupled to the driving rotating body, the tip edge of the annular convex portion faces the tip portion of the driven rotating body from the direction of the rotation axis, and a minute gap between the two. It functions as a stopper that regulates the axial movement of the driven rotating body while ensuring the rotation of the driven rotating body.
したがって、従動回転体は、駆動回転体から径方向への負荷が掛かって径方向へ倒れようとしても前記環状凸部のストッパ機能によって倒れが抑制されて、安定した姿勢が維持される。この結果、従動回転体と駆動回転体との間のフリクションを低減できる。 Therefore, even if a load is applied in the radial direction from the driving rotating body and the driven rotating body tries to fall in the radial direction, the driven rotating body is suppressed from falling by the stopper function of the annular convex portion, and a stable posture is maintained. As a result, the friction between the driven rotating body and the driving rotating body can be reduced.
さらに好ましくは、前記駆動回転体は滑り軸受を有し、前記従動回転体は前記滑り軸受に摺動するジャーナル部を有し、前記環状凸部は前記滑り軸受の軸方向の端部内周面に嵌合している。 More preferably, the drive rotating body has a slide bearing, the driven rotating body has a journal portion that slides on the slide bearing, and the annular convex portion is on the inner peripheral surface of the axial end portion of the slide bearing. It is mated.
この発明の態様によれば、環状凸部の外周面が滑り軸受の内周面に嵌合することから、駆動回転体と環状部材との同軸性を確保し易い。 According to the aspect of the present invention, since the outer peripheral surface of the annular convex portion is fitted to the inner peripheral surface of the slide bearing, it is easy to secure the coaxiality between the drive rotating body and the annular member.
別の好ましい態様として、減速機に関し、
固定部材と、出力部材と、前記固定部材と軸方向から当接する環状本体と、前記環状本体から軸方向に延びて前記固定部材の内周に嵌合する環状凸部と、を有し、前記固定部材に固定された環状部材と、前記環状本体の内周に形成された内歯と、前記内歯に噛み合う噛み合い部材と、を備え、
前記噛み合い部材が、前記内歯に対して周方向に移動することによって、前記出力部材が前記固定部材に対する相対回転位相を変化させる減速機であって、
前記内歯の前記噛み合い部材が噛み合う部位の全体が、軸方向において前記環状凸部よりも前記環状本体側である。
As another preferred embodiment, with respect to the reducer
It has a fixing member, an output member, an annular body that abuts on the fixing member in the axial direction, and an annular convex portion that extends axially from the annular body and fits into the inner circumference of the fixing member. An annular member fixed to the fixing member, an internal tooth formed on the inner circumference of the annular body, and a meshing member that meshes with the internal tooth are provided.
A speed reducer in which the output member changes the relative rotation phase with respect to the fixing member by moving the meshing member in the circumferential direction with respect to the internal teeth.
The entire portion of the internal tooth where the meshing member meshes is on the annular body side of the annular convex portion in the axial direction.
さらに好ましくは、前記内歯は、前記環状本体の内周と前記環状凸部の内周の両方に跨って形成されている。 More preferably, the internal teeth are formed so as to straddle both the inner circumference of the annular body and the inner circumference of the annular protrusion.
さらに好ましくは、前記内歯の少なくとも前記噛み合い部材が噛み合う部位に熱処理が施されている。 More preferably, heat treatment is performed on at least a portion of the internal tooth where the meshing member meshes.
さらに好ましくは、前記環状本体の内歯と環状凸部の内歯の両方に跨って熱処理が施されている。 More preferably, the heat treatment is performed over both the internal teeth of the annular body and the internal teeth of the annular convex portion.
さらに好ましくは、前記環状凸部は、前記環状本体に対して径方向の内側または外側に変形している。 More preferably, the annular protrusion is deformed radially inward or outward with respect to the annular body.
1…タイミングスプロケット(駆動回転体、固定部材)、1a…スプロケット本体、1b…歯車部(外歯部)、2…カムシャフト、2a…一端部、3…位相変更機構、5…内歯車構成部材(環状部材)、5a…環状本体、5b…環状凸部、5c…環状本体側の内歯、5d…環状凸部側の内歯、8…第1環状規制部、8b・8c…円弧状溝部、8d・8e…第1ストッパ凸部、9…従動部材(従動回転体、出力部材)、9a…円盤状本体、9b…カムボルト挿入孔、11…ジャーナル部、12…電動モータ、13…減速機、14…カムボルト、14a…頭部、14b…軸部、14c…雄ねじ部、14e…外周面、14f…座面、15…フロントプレート、15a…固定部、15b…第1部位、15c…第2部位、15d…ボルト挿入孔、19…第2環状規制部、19a・19b…第2ストッパ凸部、21…偏心軸部材(偏心回転部材)、21a…偏心カム軸、21b…筒状部、22…ボールベアリング(軸受)、22a…内輪、22b…外輪、22c…ボール、23…ローラ(噛み合い部材)、24…保持器、24a…基部、24b…ケージ部、24c…ボルト孔(貫通孔)、24d…変形部、24h…保持孔、25…ニードルベアリング。 1 ... Timing sprocket (driving rotating body, fixing member), 1a ... Sprocket body, 1b ... Gear portion (external tooth portion), 2 ... Cam shaft, 2a ... One end, 3 ... Phase change mechanism, 5 ... Internal gear component (Arc member), 5a ... annular body, 5b ... annular convex portion, 5c ... internal tooth on the annular body side, 5d ... internal tooth on the annular convex portion side, 8 ... first annular regulation portion, 8b / 8c ... arcuate groove portion , 8d ・ 8e ... 1st stopper convex part, 9 ... driven member (driven rotating body, output member), 9a ... disk-shaped main body, 9b ... cam bolt insertion hole, 11 ... journal part, 12 ... electric motor, 13 ... speed reducer , 14 ... cam bolt, 14a ... head, 14b ... shaft part, 14c ... male screw part, 14e ... outer peripheral surface, 14f ... seat surface, 15 ... front plate, 15a ... fixed part, 15b ... first part, 15c ... second Part, 15d ... Bolt insertion hole, 19 ... Second annular regulation part, 19a / 19b ... Second stopper convex part, 21 ... Eccentric shaft member (eccentric rotating member), 21a ... Eccentric cam shaft, 21b ... Cylindrical part, 22 ... Ball bearing (bearing), 22a ... Inner ring, 22b ... Outer ring, 22c ... Ball, 23 ... Roller (meshing member), 24 ... Cage, 24a ... Base, 24b ... Cage part, 24c ... Bolt hole (through hole), 24d ... deformed part, 24h ... holding hole, 25 ... needle bearing.
Claims (13)
カムシャフトに結合されて、前記駆動回転体と相対回転可能な従動回転体と、
前記駆動回転体に対して軸方向から当接する環状本体と、前記環状本体から軸方向に延びて前記駆動回転体の内周に嵌合する環状凸部と、を有し、前記駆動回転体に結合された環状部材と、
前記環状本体の内周に形成された内歯と、前記内歯に噛み合う噛み合い部材とを有し、前記噛み合い部材が前記内歯に対して周方向に移動することで前記従動回転体が前記駆動回転体に対する相対回転位相を変化させる減速機と、
を備え、
前記内歯の前記噛み合い部材と噛み合う部位の全体が、前記環状部材の回転軸方向において前記環状凸部よりも前記環状本体側にあることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 A drive rotating body to which the rotational force from the crankshaft is transmitted,
A driven rotating body that is coupled to the camshaft and can rotate relative to the driving rotating body,
The drive rotating body has an annular body that abuts on the driving rotating body from the axial direction and an annular convex portion that extends axially from the annular body and fits into the inner circumference of the driving rotating body. With the coupled annular member,
The driven rotating body is driven by having an internal tooth formed on the inner circumference of the annular body and a meshing member that meshes with the internal tooth, and the meshing member moves in the circumferential direction with respect to the internal tooth. A speed reducer that changes the relative rotation phase with respect to the rotating body,
With
A valve timing control device for an internal combustion engine, wherein the entire portion of the internal tooth that meshes with the meshing member is closer to the annular body side than the annular convex portion in the rotation axis direction of the annular member.
前記内歯は、前記環状本体の内周と前記環状凸部の内周の両方に跨って形成されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 In the valve timing control device for an internal combustion engine according to claim 1.
A valve timing control device for an internal combustion engine, wherein the internal teeth are formed so as to straddle both the inner circumference of the annular main body and the inner circumference of the annular convex portion.
前記減速機は、
前記内歯の内周側に設けられて、外周面が回転軸心に対して偏心した偏心回転部材と、
前記偏心回転部材と前記内歯との間に設けられた前記噛み合い部材である複数のローラと、前記従動回転体とともに回転し、前記複数のローラを前記内歯と前記偏心回転部材との間に保持する保持器とを有し、
前記偏心回転部材の回転によって前記環状部材に対して前記保持器が相対回転することにより、前記駆動回転体に対する前記従動回転体の相対回転位相を変化させることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 In the valve timing control device for an internal combustion engine according to claim 2.
The speed reducer
An eccentric rotating member provided on the inner peripheral side of the internal tooth and having an outer peripheral surface eccentric with respect to the center of rotation.
A plurality of rollers, which are the meshing members provided between the eccentric rotating member and the internal teeth, are rotated together with the driven rotating body, and the plurality of rollers are placed between the internal teeth and the eccentric rotating member. Has a cage to hold and
Valve timing control of an internal combustion engine, characterized in that the cage rotates relative to the annular member due to the rotation of the eccentric rotating member to change the relative rotation phase of the driven rotating body with respect to the driving rotating body. Device.
前記内歯の少なくとも前記噛み合い部材が噛み合う部位に熱処理が施されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 In the valve timing control device for an internal combustion engine according to claim 2.
A valve timing control device for an internal combustion engine, characterized in that at least a portion of the internal teeth where the meshing member meshes is heat-treated.
前記環状本体の内歯と環状凸部の内歯の両方に跨って熱処理が施されていることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 In the valve timing control device for an internal combustion engine according to claim 2.
A valve timing control device for an internal combustion engine, characterized in that heat treatment is performed across both the internal teeth of the annular body and the internal teeth of the annular convex portion.
前記環状凸部は、前記環状本体に対して径方向の内側または外側に変形していることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 In the valve timing control device for an internal combustion engine according to claim 5.
A valve timing control device for an internal combustion engine, wherein the annular convex portion is deformed inward or outward in the radial direction with respect to the annular body.
前記環状凸部は、前記駆動回転体に対する前記従動回転体の軸方向の移動を規制することを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 In the valve timing control device for an internal combustion engine according to claim 1.
The annular convex portion is a valve timing control device for an internal combustion engine, which regulates the axial movement of the driven rotating body with respect to the driving rotating body.
前記駆動回転体は滑り軸受を有し、
前記従動回転体は前記滑り軸受に摺動するジャーナル部を有し、
前記環状凸部は前記滑り軸受の軸方向の端部内周面に嵌合していることを特徴とする内燃機関のバルブタイミング制御装置。 In the valve timing control device for an internal combustion engine according to claim 7.
The drive rotating body has a slide bearing and
The driven rotating body has a journal portion that slides on the slide bearing, and has a journal portion.
A valve timing control device for an internal combustion engine, wherein the annular convex portion is fitted to an inner peripheral surface of an axial end portion of the slide bearing.
出力部材と、
前記固定部材と軸方向から当接する環状本体と、前記環状本体から軸方向に延びて前記固定部材の内周に嵌合する環状凸部と、を有し、前記固定部材に固定された環状部材と、
前記環状本体の内周に形成された内歯と、
前記内歯に噛み合う噛み合い部材と、を備え、
前記噛み合い部材が、前記内歯に対して周方向に移動することによって、前記出力部材が前記固定部材に対する相対回転位相を変化させる減速機であって、
前記内歯の前記噛み合い部材が噛み合う部位の全体が、軸方向において前記環状凸部よりも前記環状本体側であることを特徴とする減速機。 With fixing members
Output member and
An annular member having an annular body that comes into contact with the fixing member in the axial direction and an annular convex portion that extends axially from the annular body and fits into the inner circumference of the fixing member, and is fixed to the fixing member. When,
The internal teeth formed on the inner circumference of the annular body and
A meshing member that meshes with the internal teeth is provided.
A speed reducer in which the output member changes the relative rotation phase with respect to the fixing member by moving the meshing member in the circumferential direction with respect to the internal teeth.
A speed reducer characterized in that the entire portion where the meshing member of the internal teeth meshes is closer to the annular body side than the annular convex portion in the axial direction.
前記内歯は、前記環状本体の内周と前記環状凸部の内周の両方に跨って形成されていることを特徴とする減速機。 In the speed reducer according to claim 9,
A speed reducer characterized in that the internal teeth are formed so as to straddle both the inner circumference of the annular main body and the inner circumference of the annular convex portion.
前記内歯の少なくとも前記噛み合い部材が噛み合う部位に熱処理が施されていることを特徴とする減速機。 In the speed reducer according to claim 10,
A speed reducer characterized in that at least a portion of the internal teeth where the meshing member meshes is heat-treated.
前記環状本体の内歯と環状凸部の内歯の両方に跨って熱処理が施されていることを特徴とする減速機。 In the speed reducer according to claim 10,
A speed reducer characterized in that heat treatment is performed across both the internal teeth of the annular body and the internal teeth of the annular convex portion.
前記環状凸部は、前記環状本体に対して径方向の内側または外側に変形していることを特徴とする減速機。 In the speed reducer according to claim 12,
A speed reducer characterized in that the annular convex portion is deformed inward or outward in the radial direction with respect to the annular main body.
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JP2020069898A JP2021165547A (en) | 2020-04-08 | 2020-04-08 | Valve timing control device for internal combustion engine and speed reducer |
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