JP2021038833A - 捩り振動低減装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】各歯の使用頻度を均等化して装置の全体として耐久性を向上することができる捩り振動低減装置を提供する。【解決手段】捩り振動低減装置1において、入力要素S,R,Cと入力部材7との間もしくは出力要素S,R,Cと出力部材8との間に設けられたスライド機構13を備え、スライド機構13は、慣性要素による慣性トルクが予め定めた値以下の場合には、入力要素S,R,Cと入力部材7とを一体化させ、もしくは、出力要素S,R,Cと出力部材8とを一体化させ、入力要素S,R,Cと入力部材7との間もしくは出力要素S,R,Cと出力部材8との間に作用する慣性トルクが予め定めた値を超えた場合には、入力要素S,R,Cと入力部材7とを捩りトルクの作用する方向に相対的に滑らせ、もしくは、出力要素S,R,Cと出力部材8とを捩りトルクの作用する方向に相対的に滑らせるように構成されている。【選択図】図1
Description
この発明は、入力されたトルクの変動(振動)に起因する捩り振動を低減するように構成された捩り振動低減装置に関するものである。
この種の装置の一例が特許文献1に記載されている。その装置は、遊星歯車機構を備え、遊星歯車機構のキャリヤが入力要素とされ、サンギヤが出力要素とされ、リングギヤが慣性質量体と一体となっている反力要素もしくは振子要素とされている。また、当該遊星歯車機構と並列にばねダンパが設けられている。ばねダンパはエンジンなどの駆動力源からトルクが伝達されて回転する入力部材と、入力部材と同心円上に設けられ、かつ、出力軸にトルクを出力する出力部材と、トルクの伝達方向でそれら入力部材と出力部材との間に配置された中間部材とを有している。入力部材と中間部材とは第1弾性体を介して相対回転可能に連結され、中間部材と出力部材とは第2弾性体を介して相対回転可能に連結されている。このばねダンパにおける入力部材とキャリヤとが連結され、出力部材とサンギヤとが連結されている。つまり、キャリヤとサンギヤとがばねダンパを介して連結されている。そして、入力部材にトルクが伝達されると、出力部材には変速機や駆動輪などによる負荷が掛かっているので、第1弾性体および第2弾性体を圧縮する荷重が生じて入力部材と出力部材とが相対回転する。併せてサンギヤとキャリヤとの相対回転が生じる。入力部材と出力部材との間で伝達されるトルクが安定している状態では、入力部材と出力部材とが所定角度回転した捩れた状態を維持し、また、サンギヤとキャリヤとが所定角度回転した捩れた状態を維持する。入力されるトルクが振動すると、上述した荷重が変化して1弾性体および第2弾性体が伸縮する。すなわち、入力部材と出力部材との間で相対回転が生じ、併せてキャリヤとサンギヤとの間で相対回転が生じる。それに伴ってリングギヤが強制的に回転させられ、リングギヤの慣性トルクがエンジントルクの振動に対する抵抗として作用し、捩り振動低減装置から出力されるトルクの振動が低減される。
上述したトルクの振動によるキャリヤとサンギヤとの間の相対回転は、所定の正方向の回転とそれとは反対の負方向の回転とを繰り返す回転であり、その回転角度はトルクの振幅に応じた角度となる。また、このようにトルクの振動が生じた場合、キャリヤによって保持されているピニオンギヤはトルクの振幅に応じた角度範囲で往復動(往復公転)する。すなわち、ピニオンギヤはトルクが安定している状態を中立位置とし、円周方向で前記中立位置を中心とする上述した角度範囲でサンギヤやリングギヤに繰り返し噛み合うことになる。したがって、特許文献1に記載された装置では、サンギヤならびにピニオンギヤおよびリングギヤの各歯において、トルクの伝達に使用される常用の歯は、入力部材と出力部材との間で伝達される常用のトルクに応じた狭い範囲の歯に限られる。そのため、使用頻度の高い歯の摩耗が進行しやすく、それ以外の歯は使用可能な状態を維持することになるので、結局は、装置の全体としての耐久性が使用頻度の高い歯の損耗によって制約される。なお、サンギヤやピニオンギヤならびにリングギヤの相対的な組み付け位置を予め決めることは困難なので、いずれの歯が常用される歯になるかがわからず、特定の歯の強度あるいは耐摩耗性を向上させておくなどの対策を採ることは困難である。万が一、そのような対策を採ることができたとしても、上述した遊星歯車機構の組み立て作業に対する制約や振動低減装置として所定のドライブトレーンに組み付ける際の制約が多くなり、実用化することは困難である。
この発明は上記の技術的課題に着目してなされたものであり、各歯の使用頻度を均等化して装置の全体として耐久性を向上することができる捩り振動低減装置を提供することを目的とするものである。
この発明は、上記の目的を達成するために、第1ギヤと、第2ギヤと、それらの前記第1ギヤと前記第2ギヤとに噛み合う第3ギヤを回転可能に保持している保持器とによって差動作用を行う差動機構を備え、前記第1ギヤと前記第2ギヤと前記保持器とのうちのいずれか一つがトルクが入力される入力要素とされ、前記第1ギヤと前記第2ギヤと前記保持器とのうちのいずれか他の一つが前記トルクを出力する出力要素とされ、前記第1ギヤと前記第2ギヤと前記保持器とのうちの更に他のいずれか一つが前記入力要素と前記出力要素とに対して相対回転する慣性要素とされ、前記入力要素と前記出力要素とが前記入力要素と前記出力要素とを相対的に捩れ回転させる捩りトルクに応じて弾性変形する弾性体を介して連結されている捩り振動低減装置において、前記入力要素が連結された前記トルクが入力される入力部材と、前記出力要素が連結された前記トルクを出力する出力部材と、前記入力要素と前記入力部材との間もしくは前記出力要素と前記出力部材との間に設けられたスライド機構とを備え、前記スライド機構は、前記慣性要素による慣性トルクが予め定めた値以下の場合には、前記入力要素と前記入力部材とを一体化させ、もしくは、前記出力要素と前記出力部材とを一体化させると共に、前記入力要素と前記入力部材との間もしくは前記出力要素と前記出力部材との間に作用する前記慣性トルクが前記予め定めた値を超えた場合には、前記入力要素と前記入力部材とを前記捩りトルクの作用する方向に相対的に滑らせ、もしくは、前記出力要素と前記出力部材とを前記捩りトルクの作用する方向に相対的に滑らせるように構成されていることを特徴とするものである。
この発明では、前記差動機構は、サンギヤと、前記サンギヤに対して同心円上に配置されたリングギヤと、前記サンギヤと前記リングギヤとに噛み合う複数のピニオンギヤを保持するキャリヤとを備えた遊星歯車機構によって構成され、前記第1ギヤは、前記サンギヤによって構成され、前記第2ギヤは、前記リングギヤによって構成され、前記第3ギヤは、前記ピニオンギヤによって構成され、前記保持器は、前記キャリヤによって構成され、前記サンギヤは、前記入力要素と前記出力要素とのうちの一方とされ、前記スライド機構は、前記入力要素である前記サンギヤと前記入力部材との間、もしくは、前記出力要素である前記サンギヤと前記出力部材との間に設けられていてよい。
この発明では、前記差動機構は、サンギヤと、前記サンギヤに対して同心円上に配置されたリングギヤと、前記サンギヤと前記リングギヤとに噛み合う複数のピニオンギヤを保持するキャリヤとを備えた遊星歯車機構によって構成され、前記第1ギヤは、前記サンギヤによって構成され、前記第2ギヤは、前記リングギヤによって構成され、前記第3ギヤは、前記ピニオンギヤによって構成され、前記保持器は、前記キャリヤによって構成され、前記リングギヤは、前記入力要素と前記出力要素とのうちの一方とされ、前記スライド機構は、前記入力要素である前記リングギヤと前記入力部材との間、もしくは、前記出力要素である前記リングギヤと前記出力部材との間に設けられていてよい。
この発明では、前記差動機構は、サンギヤと、前記サンギヤに対して同心円上に配置されたリングギヤと、前記サンギヤと前記リングギヤとに噛み合う複数のピニオンギヤを保持するキャリヤとを備えた遊星歯車機構によって構成され、前記第1ギヤは、前記サンギヤによって構成され、前記第2ギヤは、前記リングギヤによって構成され、前記第3ギヤは、前記ピニオンギヤによって構成され、前記保持器は、前記キャリヤによって構成され、前記キャリヤは、前記入力要素と前記出力要素とのうちの一方とされ、前記スライド機構は、前記入力要素である前記キャリヤと前記入力部材との間、もしくは、前記出力要素である前記キャリヤと前記出力部材との間に設けられていてよい。
この発明では、前記スライド機構は、前記慣性トルクが予め定めた値以下の場合には、互いに摩擦係合させられた状態を維持し、前記慣性トルクが前記予め定めた値を超えた場合には、滑りを生じるように摩擦係合させられた一対の摩擦係合部材を有していてよい。
この発明では、前記差動機構の半径方向で前記差動機構の内側に、前記スライド機構が前記差動機構と同心円上に並んで配置されていてよい。
この発明では、前記差動機構の半径方向で前記差動機構の内側に、前記弾性体が前記差動機構と同心円上に並んで配置されていてよい。
この発明によれば、捩り振動低減装置における差動機構の入力要素には、トルクが入力される。これに対して、出力要素には出力部材を回転させるためのトルクが作用している。そのため、入力要素に入力されたトルクと出力要素に作用しているトルクによって弾性体が弾性変形させられる。その弾性体を弾性変形させるトルクが捩りトルクであり、捩りトルクによって弾性体が弾性変形させられることによって、入力要素と出力要素とが所定角度、相対回転させられる。入力部材と出力部材との間で伝達される捩りトルクが安定している状態では、入力部材と出力部材とが所定角度、相対回転した捩れた状態を維持し、また、入力要素と出力要素とが所定角度、相対回転した捩れた状態を維持する。入力されるトルクが振動すると、弾性体を圧縮する荷重が変化するので、捩りトルクが振動して入力部材と出力部材との間で相対回転が生じ、併せて入力要素と出力要素との間で相対回転が生じる。それに伴って慣性要素が強制的に回転させられ、慣性要素の慣性トルクが入力トルクの振動に対する抵抗として作用し、捩り振動低減装置から出力されるトルクの振動が低減される。このような動作状態は、慣性トルクが予め定めた値よりも小さい場合に生じる。すなわち、慣性トルクが予め定めた値よりも小さい場合には、スライド機構は作動しないので、入力要素と入力部材とは一体となって回転し、もしくは、出力要素と出力部材とは一体となって回転する。これに対して、慣性トルクが予め定めた値よりも大きい場合には、スライド機構が作動する。すなわち、入力要素と入力部材との間にスライド機構が設けられている場合には、スライド機構が上記のように作動すると、出力要素や慣性要素に対して入力要素が相対的にずれる。もしくは、出力要素と出力部材との間にスライド機構が設けられている場合には、入力要素や慣性要素に対して出力要素が相対的にずれる。その結果、スライド機構の作動の前後で、第1ギヤと第2ギヤとの間における第3ギヤの組み付け位置が、捩りトルクの作用方向に移動する。このような第3ギヤの組み付け位置の移動は、スライド機構が作動するごとに生じる。そのため、スライド機構が作動するごとに、互いに噛み合う歯が変化して特定の歯同士の噛み合いが長期に亘って継続することを抑制できる。つまり各歯の接触頻度を均等化して歯面摩耗の偏りを防止または抑制できる。その結果、装置の全体として耐久性を向上できる。
(第1実施形態)
つぎに、この発明の実施形態を説明する。図1はこの発明の実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図であり、図2は図1に示す捩り振動低減装置の一例を模式的に示す正面図である。ここに示す捩り振動低減装置1は、駆動力源2と駆動対象部3との間のトルクの伝達経路に設けられており、駆動力源2で発生したトルクの振動を低減して駆動対象部3に伝達するように構成されている。駆動力源2は一例としてガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関(以下、単にエンジンと記す。)である。したがって、その出力トルク(以下、エンジントルクと記す。)は不可避的に振動する。駆動対象部3は例えば変速機であって、その変速機は変速比がステップ的に変化する有段式の変速機、もしくは、変速比が連続的に変化する無段変速機などの従来知られた変速機であってよい。
つぎに、この発明の実施形態を説明する。図1はこの発明の実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図であり、図2は図1に示す捩り振動低減装置の一例を模式的に示す正面図である。ここに示す捩り振動低減装置1は、駆動力源2と駆動対象部3との間のトルクの伝達経路に設けられており、駆動力源2で発生したトルクの振動を低減して駆動対象部3に伝達するように構成されている。駆動力源2は一例としてガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関(以下、単にエンジンと記す。)である。したがって、その出力トルク(以下、エンジントルクと記す。)は不可避的に振動する。駆動対象部3は例えば変速機であって、その変速機は変速比がステップ的に変化する有段式の変速機、もしくは、変速比が連続的に変化する無段変速機などの従来知られた変速機であってよい。
上記の捩り振動低減装置1はこの発明の実施形態における差動機構に相当する遊星歯車機構4を備えている。遊星歯車機構4はエンジン2の出力軸と同一の軸線上に配置されており、前記出力軸にトルク伝達可能に連結されている。ここに示す遊星歯車機構4はシングルピニオン型の遊星歯車機構によって構成されており、サンギヤSと、サンギヤSに対して同心円上に配置されたリングギヤRと、サンギヤSとリングギヤRとに噛み合う複数のピニオンギヤPを回転可能に保持するキャリヤCとを回転要素として備え、それらの回転要素によって差動作用を行うように構成されている。図1に示す例では、エンジン2の出力軸にキャリヤCが連結されており、駆動対象部3にサンギヤSが連結されている。リングギヤRには、慣性質量体5が一体に設けられている。慣性質量体5はリングギヤRと一体となって回転してリングギヤRが生じる慣性トルクを増大させるものである。したがって、慣性質量体5はリングギヤRに対して一体品として構成されていてよい。あるいは、慣性質量体5はリングギヤRとは別体品として構成され、リングギヤRと一体となって回転するようにリングギヤRに取り付けてもよい。それらリングギヤRと慣性質量体5とが一体となって回転することによって生じる慣性トルクが後述するように、エンジントルクの振動に対して制振トルクとして作用する。なお、ここに示す例では、上述したキャリヤCが、この発明の実施形態における入力要素に相当し、サンギヤSが、この発明の実施形態における出力要素に相当し、リングギヤRが、この発明の実施形態における慣性要素に相当している。
図1に示すように、遊星歯車機構4と並列にこの発明の実施形態における弾性体に相当するばねダンパ6が設けられている。また、そのばねダンパ6は、図2に示すように、捩り振動低減装置1の半径方向で遊星歯車機構4の内周側に、遊星歯車機構4と同心円上に並んで配置されている。ここで、「並んで」とは、ばねダンパ6と遊星歯車機構4とのそれぞれの少なくとも一部が、半径方向で重なり合っている状態を意味している。ばねダンパ6はエンジントルクの伝達方向で上流側に配置されたドライブプレート7と、エンジントルクの伝達方向でドライブプレート7の下流側に配置されたドリブンプレート8と、ドライブプレート7とドリブンプレート8とを相対回転可能に連結するコイルスプリング9とを備えている。ドライブプレート7に遊星歯車機構4のキャリヤCが連結されており、ドリブンプレート8にサンギヤSが連結されている。したがって、上述したドライブプレート7が、この発明の実施形態における入力部材に相当し、ドリブンプレート8が、この発明の実施形態における出力部材に相当する。
図3は、図1に示す捩り振動低減装置1の一部を拡大して示す断面図である。図3に示すように、ばねダンパ6のドライブプレート7は、ほぼ同じ外径の環状の第1ドライブプレート7Aと環状の第2ドライブプレート7Bとによって構成されている。また、各ドライブプレート7A,7Bは捩り振動低減装置1の回転中心軸線方向(以下、単に軸線方向と記す。)に予め定めた間隔をあけて配置されている。軸線方向でエンジン2側に第1ドライブプレート7Aが配置され、駆動対象部3側に第2ドライブプレート7Bが配置されている。軸線方向でそれらのドライブプレート7A,7Bの間に遊星歯車機構4とドリブンプレート8とが配置されている。各ドライブプレート7A,7Bは、ドリブンプレート8を挟んで対称に形成されている。半径方向で各ドライブプレート7A,7Bの外側部分にピニオンピン10が取り付けられており、そのピニオンピン10の外周側にニードルベアリングなどの軸受11を介してピニオンギヤPが自転可能に取り付けられている。したがって、ばねダンパ6の各ドライブプレート7A,7BはキャリヤCを兼ねている。また、軸線方向でピニオンギヤPの両側に、ピニオンギヤPのピッチ円直径より僅かに大きい外径のスラストワッシャ12が設けられている。
エンジントルクの伝達方向で各ドライブプレート7A,7Bの下流側であって、かつ、軸線方向で各ドライブプレート7A,7B同士の間にドリブンプレート8が配置されている。ドリブンプレート8は全体として環状に形成されている。すなわち、ドリブンプレート8は、環状のアウタードリブンプレート8Aと、半径方向でアウタードリブンプレート8Aの内側であってかつアウタードリブンプレート8Aと同心円上に配置される環状のインナードリブンプレート8Bとによって構成されている。アウタードリブンプレート8Aの外周面に外歯が形成されており、その外歯が遊星歯車機構4のサンギヤSとなっている。半径方向でそれらのドリブンプレート8A,8Bとの間には予め定めた隙間が設定されている。
上記の隙間に、この発明の実施形態におけるスライド機構に相当するクラッチ13が設けられている。図4は、クラッチ13を模式的に示す図である。そのクラッチ13は摩擦クラッチであって、図4に示すように、半径方向に互いに摩擦接触する一対のクラッチリング13A,13Bによって構成されている。アウタークラッチリング13Aは例えば、金属製のベースリング14と、当該ベースリング14の内周面に接着材によって取り付けられる摩擦材15とによって構成されている。アウタークラッチリング13Aにおけるベースリング14の外径は、アウタードリブンプレート8Aの内径とほぼ同じに設定されている。そして、アウタードリブンプレート8Aの内側にアウタークラッチリング13Aのベースリング14が圧入される。
インナークラッチリング13Bは半径方向でアウタークラッチリング13Aの内側に同心円上に配置される。そのインナークラッチリング13Bは金属製のベースリング16と、そのベースリング16の外周面に接着材によって取り付けられた摩擦材17とによって構成されている。インナークラッチリング13Bにおけるベースリング16の内径はインナードリブンプレート8Bの外径とほぼ同じに設定されている。そして、インナードリブンプレート8Bの外側にインナークラッチリング13Bのベースリング16が圧入される。こうして各ドリブンプレート8A,8Bに対して各クラッチリング13A,13Bが取り付けられた状態では、インナークラッチリング13Bの摩擦材17とアウタークラッチリング13Aの摩擦材15とが互いに摩擦接触させられる。クラッチ13は、上記のようにして各ドリブンプレート8A,8Bに各クラッチリング13A,13Bを圧入することによって、各ドリブンプレート8A,8Bを連結する摩擦係合力(トルク容量)を発生するようになっている。その摩擦係合力は例えば各ドリブンプレート8A,8Bや各クラッチリング13A,13Bの寸法、摩擦材15,17の摩擦係数などを変更することによって予め定めることができる。したがって、各クラッチリング13A,13Bの間で伝達されるトルクが摩擦係合力以下の場合には、各クラッチリング13A,13Bは一体化されて係合状態に維持される。これに対して、各クラッチリング13A,13Bの間で伝達されるトルクが摩擦係合力を超える場合には、各クラッチリング13A,13Bは相対回転し、併せて各ドリブンプレート8A,8Bが相対回転する。摩擦係合力の大きさについては後述する。なお、上述したクラッチリング13A,13Bが、この発明の実施形態における摩擦係合部材に相当している。
図2および図3に示すように、各ドライブプレート7A,7Bの内側部分とインナードリブンプレート8Bの内側部分とにおける同一の半径位置に、コイルスプリング9が配置される窓孔部18がそれぞれ形成されている。ドライブプレート7A,7Bの窓孔部18とインナードリブンプレート8Bの窓孔部18とを重ね合わせた状態で各窓孔部18の内部にコイルスプリング9が配置される。すなわち、図1に示すサンギヤSと駆動対象部3との間におけるトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドリブンプレート8が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で上流側にクラッチ13が設けられている。そして、各ドライブプレート7A,7Bとインナードリブンプレート8Bとが相対回転することによってコイルスプリング9が捩り振動低減装置1の円周方向に伸縮するようになっている。
ここで、リングギヤRと慣性質量体5とによる慣性トルクの振動、および、ばねダンパ6から出力されるトルクの振動について説明する。図5は、それらのトルクの振動の一例を模式的に示す図である。ばねダンパ6では、入力されたエンジントルクの振動に応じてコイルスプリング9が伸縮することによってエンジントルクの振動を吸収もしくは低減して出力する。また、エンジン2はエンジン回転数の増大に伴ってエンジントルクの振動幅が小さくなる特性を有している。そのため、ばねダンパ6から出力されるトルク(以下、スプリングトルクと記す。)の振動幅は図5に一点鎖線で示すように、エンジン回転数の増大に伴って次第に小さくなる特性がある。そのスプリングトルクの振動はコイルスプリング9の伸縮によるものであるから、慣性トルクの振動に対して位相のずれがある。また、エンジン回転数が高くなると、リングギヤRの角加速度が増大するので、リングギヤRと慣性質量体5とが生じる慣性トルクは増大する。そのため、慣性トルクの振動は、図5に二点鎖線で示すように、エンジン回転数の増大に伴って次第に大きくなる特性がある。
スプリングトルクの振動レベルと、慣性トルクの振動レベルとがほぼ等しくなると、捩り振動低減装置1から出力されるトルク(以下、ダンパ出力トルクと記す。図示せず。)の振動レベルは最小になる。このダンパ出力トルクの振動レベルが最小になるエンジン回転数を以下の説明では、設計回転数と記す。エンジン回転数が設計回転数以上になると、ダンパ出力トルクの振動は、エンジン回転数の増大に伴う慣性トルクの振動の増大に伴って増大する。なお、ダンパ出力トルクの振動レベルが最小になるエンジン回転数は、設計上、予め定めることができる。
また、捩り振動低減装置1に入力されるエンジントルクの大きさによる、サンギヤSに対するキャリヤCの回転角度、つまり、サンギヤSの円周上でのピニオンギヤPの位置について説明する。上述したように、エンジン2にキャリヤCが連結されており、サンギヤSに駆動対象部3が連結されているので、エンジントルクと駆動対象部3を回転させるためのトルクとによってばねダンパ6のコイルスプリング9を圧縮する荷重が生じ、その荷重に応じた弾性変形がコイルスプリング9に生じる。上記のコイルスプリング9を弾性変形させてサンギヤSとキャリヤCとを相対回転させる、エンジントルクと駆動対象部3による反力トルクとが、この発明の実施形態における捩りトルクに相当する。そのため、エンジントルクが大きい場合には、捩りトルクが大きくなるので、キャリヤCとサンギヤSとが大きく捩れてサンギヤSに対するキャリヤCの回転角度が大きくなる。これとは反対にエンジントルクが小さい場合には、捩りトルクが小さくなるので、上記の回転角度が小さくなる。
このように、捩り振動低減装置1では、捩りトルクに応じてサンギヤSとキャリヤCとが互いに捩れた状態で回転し、サンギヤSの円周上でのピニオンギヤPの位置、および、円周方向に往復回転する領域が捩りトルクの振動に応じて変化する。すなわち、エンジン2の常用域では、サンギヤSの円周上でのピニオンギヤPの位置、および、円周方向に往復回転するピニオンギヤPの領域はほぼ定まることになるので、エンジン2の常用域でトルクの伝達に使用される常用の歯がほぼ定まる。また、上記構成の捩り振動低減装置1では、クラッチ13には、主としてリングギヤRおよび慣性質量5による慣性トルクが作用するから、トルクの振動によるリングギヤRおよび慣性質量5の角加速度が大きくなった場合に、クラッチ13が作動するように、クラッチ13の摩擦係合力を設定することが好ましい。例えば、捩り振動低減装置1の制振性能の悪化が問題となる可能性のあるエンジン回転数以上で、クラッチ13が作動して捩り振動低減装置1が非動作状態となるように、クラッチ13の摩擦係合力を設定する。あるいは、エンジン回転数がいわゆる高回転数になると、慣性トルクの振動に起因するいわゆるこもり音よりも車内の暗騒音が大きくなるから、エンジン2が高回転数の場合に捩り振動低減装置1が非動作状態となるように、クラッチ13の摩擦係合力を設定する。上述した摩擦係合力つまりクラッチ13で伝達できるトルクの上限値がこの発明の実施形態における予め定めた値に相当する。
次に、上述した構成の捩り振動低減装置1の作用について説明する。エンジン2が駆動され、エンジン2で発生したトルクがキャリヤCに入力される。これに対してサンギヤSには、駆動対象部3を回転させるためのトルクが作用している。これらのトルクによって、ばねダンパ6のコイルスプリング9を圧縮する荷重が生じ、その荷重に応じた弾性変形がコイルスプリング9に生じる。そして、捩りトルクの大きさに応じた角度、サンギヤSとキャリヤCとが捩れた状態で回転させられる。
エンジントルクの振動によってコイルスプリング9に作用する圧縮力つまり捩りトルクが変化し、キャリヤCとサンギヤSとの捩り回転が繰り返し生じる。ピニオンギヤPはエンジントルクの振動に応じた角度範囲で円周方向に往復回転する。また、キャリヤCやサンギヤSに対してリングギヤRが相対回転させられると共に、リングギヤRの回転に振動が生じる。上述した構成では、リングギヤRの回転速度はサンギヤSの回転速度に対してギヤ比に応じて増速されるため、リングギヤRの角加速度が増大されてリングギヤRと慣性質量体5とによる慣性トルクが大きくなる。また、キャリヤCに入力されるエンジントルクの振動と、リングギヤRの振動とには位相のずれがあるため、上記の慣性トルクが、エンジントルクの振動に対する制振トルクとして作用し、キャリヤCに入力されたエンジントルクは、前記慣性トルクによって低減されて滑らかになり、駆動対象部3に伝達される。このような動作状態は、クラッチ13に作用する慣性トルクがクラッチ13の摩擦係合力以下であることによって、各クラッチリング13A,13Bが係合状態に維持されている場合に生じる。
クラッチ13に作用する慣性トルクが増大してクラッチ13の摩擦係合力を超えると、各クラッチリング13A,13Bは相対回転し、併せてインナードリブンプレート8Bに対してアウタードリブンプレート8Aが相対回転する。すなわち、サンギヤSに対して駆動対象部3による反力トルクが作用しなくなるので、サンギヤSの回転速度が増大し、キャリヤCに対してサンギヤSが捩りトルクの作用方向にずれる。そのため、サンギヤSの円周上でのピニオンギヤPの組み付け位置が当初の組付け位置から変化する。具体的には、サンギヤSの円周上をピニオンギヤPが回転しながら移動し、互いに噛み合うピニオンギヤPの歯と、サンギヤSの歯とが変化する。また、リングギヤRに対して噛み合うピニオンギヤPの歯が変化する。その後、エンジン回転数が低下して慣性トルクが摩擦係合力以下となると、各クラッチリング13A,13Bは一体化して係合状態となり、各ドリブンプレート8A,8Bが一体となって回転する。こうしてサンギヤSの円周上でのピニオンギヤPの組付け位置が再設定される。なお、ピニオンギヤPの組み付け位置は、入力要素であるキャリヤCと出力要素であるサンギヤSとの間に相対的な捩れが生じていない場合、つまり、キャリヤCとサンギヤSとが一体となって回転している場合におけるピニオンギヤPの位置である。
したがって、この発明の実施形態に係る捩り振動低減装置1によれば、クラッチ13が作動するごとに、サンギヤSの円周上でのピニオンギヤPの組付け位置が次第に変化する。そのため、トルクの伝達に使用される歯が特には固定されないので、各歯の使用頻度を均等化して各歯の損耗の偏りを防止もしくは抑制できる。そしてこれにより、装置の全体として捩り振動低減装置1の耐久性を向上できる。また、上述したように、捩り振動低減装置1の制振性能の悪化が問題となる可能性のあるエンジン回転数における慣性トルクでクラッチ13が作動するように、その摩擦係合力を設定すれば、捩り振動低減装置1の制振性能の悪化が問題となる可能性のあるエンジン回転数域における捩り振動低減装置1を非動作状態にすることができる。そのため、捩り振動低減装置1を起振源とした振動や騒音の発生を回避もしくは抑制できる。さらに、慣性トルクの振動に起因するいわゆるこもり音よりも車内の暗騒音が大きくなるエンジン回転数における慣性トルクでクラッチ13が作動するように、その摩擦係合力を設定すれば、制振性能が悪化した状態での捩り振動低減装置1の不必要な運転を停止させることができる。
(第2実施形態)
図6は、この発明の第2実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。図7は、図6に示す捩り振動低減装置の一部を模式的に示す断面図である。図6および図7に示す例は、ばねダンパ6のドリブンプレート8A,8Bに替えて、ドライブプレート7A,7Bにクラッチ13を設けた例である。第1ドライブプレート7Aを例として説明すると、第1ドライブプレート7Aは、環状のアウタードライブプレート7AOと、半径方向でアウタードライブプレート7AOの内側であってかつアウタードライブプレート7AOと同心円上に配置される環状のインナードライブプレート7AIとによって構成されている。半径方向でそれらのアウタードライブプレート7AOとインナードライブプレート7AIとの間には予め定めた隙間が設定されている。上記の隙間に、上述したクラッチ13が圧入されている。アウタードライブプレート7AOの外側部分に、ピニオンピン10を介してピニオンギヤPが取り付けられている。また、インナードライブプレート7AIにコイルスプリング9を保持する窓孔部18が形成されている。第2ドライブプレート7Bは、第1ドライブプレート7Aと同様に構成されている。すなわち、図6に示すエンジン2とキャリヤCとの間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドライブプレート7が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で下流側にクラッチ13が設けられている。他の構成は図1ないし図3に示す構成と同様であるため、図1ないし図3に示す構成と同様の部分には図1ないし図3と同様の符号を付してその説明を省略する。
図6は、この発明の第2実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。図7は、図6に示す捩り振動低減装置の一部を模式的に示す断面図である。図6および図7に示す例は、ばねダンパ6のドリブンプレート8A,8Bに替えて、ドライブプレート7A,7Bにクラッチ13を設けた例である。第1ドライブプレート7Aを例として説明すると、第1ドライブプレート7Aは、環状のアウタードライブプレート7AOと、半径方向でアウタードライブプレート7AOの内側であってかつアウタードライブプレート7AOと同心円上に配置される環状のインナードライブプレート7AIとによって構成されている。半径方向でそれらのアウタードライブプレート7AOとインナードライブプレート7AIとの間には予め定めた隙間が設定されている。上記の隙間に、上述したクラッチ13が圧入されている。アウタードライブプレート7AOの外側部分に、ピニオンピン10を介してピニオンギヤPが取り付けられている。また、インナードライブプレート7AIにコイルスプリング9を保持する窓孔部18が形成されている。第2ドライブプレート7Bは、第1ドライブプレート7Aと同様に構成されている。すなわち、図6に示すエンジン2とキャリヤCとの間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドライブプレート7が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で下流側にクラッチ13が設けられている。他の構成は図1ないし図3に示す構成と同様であるため、図1ないし図3に示す構成と同様の部分には図1ないし図3と同様の符号を付してその説明を省略する。
第2実施形態であっても、クラッチ13の摩擦係合力を超える慣性トルクがクラッチ13に作用すると、滑りが生じて各クラッチリング13A,13Bは相対回転し、併せてインナードライブプレート7AI,7BIに対してアウタードライブプレート7AO,7BOが相対回転する。つまり、キャリヤCに対してエンジン2による反力トルクが作用しなくなるので、キャリヤCの回転速度が増大し、キャリヤCに対してサンギヤSが捩りトルクの作用方向にずれる。そのため、上述したようにサンギヤSの円周上をピニオンギヤPが回転しながら移動する。その後、クラッチ13に作用する慣性トルクが摩擦係合力以下となると、各クラッチリング13A,13Bは係合状態となり、各ドライブプレート7AO,7AI,7BO,7BIが一体となって回転する。こうしてサンギヤSの円周上でのピニオンギヤPの組付け位置が再設定される。したがって、第2実施形態であっても、クラッチ13が作動することによって、サンギヤSの円周上でのピニオンギヤPの位置が変化して、トルクの伝達に使用される歯が変化する。そのため、第1実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。また、第2実施形態では、各ドライブプレート7A,7Bにクラッチ13をそれぞれ設けるため、第1実施形態と比較して各クラッチ13で伝達するトルク容量が小さくなる。そのため、第1実施形態と同様のトルク容量のクラッチ13を使用するとすれば、過大なトルクが入力された場合における各クラッチ13の耐久性を向上できる。あるいは、第2実施形態では、第1実施形態と比較して伝達トルク容量の小さいクラッチ13を使用することができるので、その場合には、部材コストを削減できる。
(第3実施形態)
図8は、この発明の第3実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。ここに示す例は、シングルピニオン型の遊星歯車機構4に替えて、ダブルピニオン型の遊星歯車機構19を設けた例である。図8に示すように、サンギヤSに慣性質量体5が一体に設けられており、そのサンギヤSが慣性要素となっている。サンギヤSに噛み合っている第1ピニオンギヤP1、および、第1ピニオンギヤP1とリングギヤRとに噛み合っている第2ピニオンギヤP2が、キャリヤCによって保持されている。そして、キャリヤCが駆動対象部3に連結されて出力要素となっている。リングギヤRはエンジン2に連結されて入力要素となっている。また、ダブルピニオン型遊星歯車機構19と並列にばねダンパ6が設けられている。そのばねダンパ6は、図8に示すように、捩り振動低減装置1の半径方向でダブルピニオン型遊星歯車機構19の内周側に、ダブルピニオン型遊星歯車機構19と同心円上に並んで配置されている。ここで、「並んで」とは、ばねダンパ6とダブルピニオン型遊星歯車機構19とのそれぞれの少なくとも一部が、半径方向で重なり合っている状態を意味している。ばねダンパ6のドライブプレート7にダブルピニオン型遊星歯車機構19のリングギヤRが連結されており、ドリブンプレート8にキャリヤCが連結されている。つまり、ドリブンプレート8はキャリヤCを兼ねている。キャリヤCと駆動対象部3の間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドリブンプレート8が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で上流側にクラッチ13が設けられている。他の構成は図1に示す構成と同様であるため、図1に示す構成と同様の部分には図1と同様の符号を付してその説明を省略する。
図8は、この発明の第3実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。ここに示す例は、シングルピニオン型の遊星歯車機構4に替えて、ダブルピニオン型の遊星歯車機構19を設けた例である。図8に示すように、サンギヤSに慣性質量体5が一体に設けられており、そのサンギヤSが慣性要素となっている。サンギヤSに噛み合っている第1ピニオンギヤP1、および、第1ピニオンギヤP1とリングギヤRとに噛み合っている第2ピニオンギヤP2が、キャリヤCによって保持されている。そして、キャリヤCが駆動対象部3に連結されて出力要素となっている。リングギヤRはエンジン2に連結されて入力要素となっている。また、ダブルピニオン型遊星歯車機構19と並列にばねダンパ6が設けられている。そのばねダンパ6は、図8に示すように、捩り振動低減装置1の半径方向でダブルピニオン型遊星歯車機構19の内周側に、ダブルピニオン型遊星歯車機構19と同心円上に並んで配置されている。ここで、「並んで」とは、ばねダンパ6とダブルピニオン型遊星歯車機構19とのそれぞれの少なくとも一部が、半径方向で重なり合っている状態を意味している。ばねダンパ6のドライブプレート7にダブルピニオン型遊星歯車機構19のリングギヤRが連結されており、ドリブンプレート8にキャリヤCが連結されている。つまり、ドリブンプレート8はキャリヤCを兼ねている。キャリヤCと駆動対象部3の間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドリブンプレート8が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で上流側にクラッチ13が設けられている。他の構成は図1に示す構成と同様であるため、図1に示す構成と同様の部分には図1と同様の符号を付してその説明を省略する。
第3実施形態であっても、クラッチ13の摩擦係合力を超える慣性トルクがクラッチ13に作用すると、滑りが生じて各クラッチリング13A,13Bは相対回転する。これにより、キャリヤCに対して駆動対象部3による反力トルクが作用しなくなるので、キャリヤCの回転速度が増大してリングギヤRに対してキャリヤCが捩りトルクの作用方向にずれる。そのため、サンギヤSの円周上でのピニオンギヤPの位置が当初の組付け位置から変化する。また、クラッチ13に作用する慣性トルクが摩擦係合力以下となると、各クラッチリング13A,13Bは係合状態となる。その結果、上述したようにサンギヤSの円周上でのピニオンギヤPの組付け位置が再設定され、トルクの伝達に使用される歯が変化する。そのため、第1実施形態や第2実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
(第4実施形態)
図9は、この発明の第4実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。図9に示す例は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構19のキャリヤCに替えて、エンジン2とリングギヤRとの間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドライブプレート7が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で下流側にクラッチ13を設けた例である。他の構成は図8に示す構成と同様であるため、図8に示す構成と同様の部分には図7と同様の符号を付してその説明を省略する。
図9は、この発明の第4実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。図9に示す例は、ダブルピニオン型の遊星歯車機構19のキャリヤCに替えて、エンジン2とリングギヤRとの間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドライブプレート7が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で下流側にクラッチ13を設けた例である。他の構成は図8に示す構成と同様であるため、図8に示す構成と同様の部分には図7と同様の符号を付してその説明を省略する。
第4実施形態であっても、クラッチ13の摩擦係合力を超える慣性トルクがクラッチ13に作用すると、滑りが生じて各クラッチリング13A,13Bは相対回転する。エンジン2による反力トルクがリングギヤRに作用しなくなるので、その回転速度が増大し、キャリヤCに対してリングギヤRが捩りトルクの作用方向にずれる。そのため、サンギヤSの円周上でのピニオンギヤPの位置が当初の組付け位置から変化する。また、クラッチ13に作用する慣性トルクが摩擦係合力以下となると、各クラッチリング13A,13Bは係合状態となる。その結果、上述したようにサンギヤSの円周上でのピニオンギヤPの組付け位置が再設定され、トルクの伝達に使用される歯が変化する。そのため、第1実施形態ないし第3実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
(第5実施形態)
図10は、この発明の第5実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。図10に示す例は、シングルピニオン型の遊星歯車機構4のキャリヤCに慣性質量体5を一体に設けてこれを慣性要素とし、サンギヤSにエンジン2を連結して入力要素とし、リングギヤRに駆動対象部3を連結して出力要素とした例である。また、遊星歯車機構4と並列にばねダンパ6が設けられている。そのばねダンパ6は、図10に示すように、捩り振動低減装置1の半径方向で遊星歯車機構4の内周側に、遊星歯車機構4と同心円上に並んで配置されている。ここで、「並んで」とは、ばねダンパ6と遊星歯車機構4とのそれぞれの少なくとも一部が、半径方向で重なり合っている状態を意味している。ばねダンパ6のドライブプレート7に遊星歯車機構4のサンギヤSが連結されており、ドリブンプレート8にリングギヤRが連結されている。そのリングギヤRと駆動対象部3との間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドリブンプレート8が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で上流側にクラッチ13が設けられている。他の構成は図1に示す構成と同様であるため、図1に示す構成と同様の部分には図1と同様の符号を付してその説明を省略する。
図10は、この発明の第5実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。図10に示す例は、シングルピニオン型の遊星歯車機構4のキャリヤCに慣性質量体5を一体に設けてこれを慣性要素とし、サンギヤSにエンジン2を連結して入力要素とし、リングギヤRに駆動対象部3を連結して出力要素とした例である。また、遊星歯車機構4と並列にばねダンパ6が設けられている。そのばねダンパ6は、図10に示すように、捩り振動低減装置1の半径方向で遊星歯車機構4の内周側に、遊星歯車機構4と同心円上に並んで配置されている。ここで、「並んで」とは、ばねダンパ6と遊星歯車機構4とのそれぞれの少なくとも一部が、半径方向で重なり合っている状態を意味している。ばねダンパ6のドライブプレート7に遊星歯車機構4のサンギヤSが連結されており、ドリブンプレート8にリングギヤRが連結されている。そのリングギヤRと駆動対象部3との間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドリブンプレート8が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で上流側にクラッチ13が設けられている。他の構成は図1に示す構成と同様であるため、図1に示す構成と同様の部分には図1と同様の符号を付してその説明を省略する。
第5実施形態であっても、クラッチ13の摩擦係合力を超える慣性トルクがクラッチ13に作用すると、滑りが生じて各クラッチリング13A,13Bは相対回転する。これにより駆動対象部3による反力トルクがリングギヤRに作用しなくなるので、その回転速度が増大し、キャリヤCやサンギヤSに対してリングギヤRが捩りトルクの作用方向にずれる。そのため、サンギヤSの円周上でのピニオンギヤPの位置が当初の組付け位置から変化する。また、クラッチ13に作用する慣性トルクが摩擦係合力以下となると、各クラッチリング13A,13Bは係合状態となり、上述したようにサンギヤSの円周上でのピニオンギヤPの組付け位置が再設定される。こうして、トルクの伝達に使用される歯が変化する。そのため、第1実施形態ないし第4実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
(第6実施形態)
図11は、この発明の第6実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。図11に示す例は、図10に示すシングルピニオン型の遊星歯車機構4のサンギヤSとエンジン2との間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドライブプレート7が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で下流側にクラッチ13を設けた例である。他の構成は図10に示す構成と同様であるため、図10に示す構成と同様の部分には図10と同様の符号を付してその説明を省略する。
図11は、この発明の第6実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。図11に示す例は、図10に示すシングルピニオン型の遊星歯車機構4のサンギヤSとエンジン2との間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドライブプレート7が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で下流側にクラッチ13を設けた例である。他の構成は図10に示す構成と同様であるため、図10に示す構成と同様の部分には図10と同様の符号を付してその説明を省略する。
第6実施形態であっても、クラッチ13の摩擦係合力を超える慣性トルクがクラッチ13に作用すると、滑りが生じて各クラッチリング13A,13Bは相対回転する。これによりエンジン2による反力トルクがサンギヤSに作用しなくなるので、その回転速度が増大し、キャリヤCやリングギヤRに対してサンギヤSが捩りトルクの作用方向にずれる。そのため、サンギヤSの円周上でのピニオンギヤPの位置が当初の組付け位置から変化する。また、クラッチ13に作用する慣性トルクが摩擦係合力以下となると、各クラッチリング13A,13Bは係合状態となり、上述したようにサンギヤSの円周上でのピニオンギヤPの組付け位置が再設定される。こうして、トルクの伝達に使用される歯が変化する。そのため、第1実施形態ないし第5実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
(第7実施形態)
図12は、この発明の第7実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。図12に示す例は、この発明の実施形態における差動機構をステップドピニオン型の遊星歯車機構20によって構成した例である。図12に示すように、ステップドピニオン型の遊星歯車機構20の第1サンギヤS1にエンジン2が連結されて入力要素となっており、第1サンギヤS1より小径のギヤである第2サンギヤS2に駆動対象部3が連結されて出力要素となっている。また、第1サンギヤS1に小径ピニオンギヤPSが噛み合っており、第2サンギヤS2に小径ピニオンギヤPSより大径の大径ピニオンギヤPLが噛み合っている。そして、小径ピニオンギヤPSおよび大径ピニオンギヤPLを保持しているキャリヤCに慣性質量体5が一体に設けられており、これが慣性要素となっている。上記構成のステップドピニオン型の遊星歯車機構20と並列にばねダンパ6が設けられている。そのばねダンパ6は、図12に示すように、捩り振動低減装置1の半径方向でステップドピニオン型の遊星歯車機構20の内周側に、ステップドピニオン型の遊星歯車機構20と同心円上に並んで配置されている。ここで、「並んで」とは、ばねダンパ6と遊星歯車機構20とのそれぞれの少なくとも一部が、半径方向で重なり合っている状態を意味している。ばねダンパ6のドライブプレート7に第1サンギヤS1が連結されており、ドリブンプレート8に第2サンギヤS2が連結されている。その第2サンギヤS2と駆動対象部3との間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドリブンプレート8が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で上流側にクラッチ13が設けられている。
図12は、この発明の第7実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。図12に示す例は、この発明の実施形態における差動機構をステップドピニオン型の遊星歯車機構20によって構成した例である。図12に示すように、ステップドピニオン型の遊星歯車機構20の第1サンギヤS1にエンジン2が連結されて入力要素となっており、第1サンギヤS1より小径のギヤである第2サンギヤS2に駆動対象部3が連結されて出力要素となっている。また、第1サンギヤS1に小径ピニオンギヤPSが噛み合っており、第2サンギヤS2に小径ピニオンギヤPSより大径の大径ピニオンギヤPLが噛み合っている。そして、小径ピニオンギヤPSおよび大径ピニオンギヤPLを保持しているキャリヤCに慣性質量体5が一体に設けられており、これが慣性要素となっている。上記構成のステップドピニオン型の遊星歯車機構20と並列にばねダンパ6が設けられている。そのばねダンパ6は、図12に示すように、捩り振動低減装置1の半径方向でステップドピニオン型の遊星歯車機構20の内周側に、ステップドピニオン型の遊星歯車機構20と同心円上に並んで配置されている。ここで、「並んで」とは、ばねダンパ6と遊星歯車機構20とのそれぞれの少なくとも一部が、半径方向で重なり合っている状態を意味している。ばねダンパ6のドライブプレート7に第1サンギヤS1が連結されており、ドリブンプレート8に第2サンギヤS2が連結されている。その第2サンギヤS2と駆動対象部3との間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドリブンプレート8が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で上流側にクラッチ13が設けられている。
第7実施形態では、クラッチ13の摩擦係合力を超える慣性トルクがクラッチ13に作用すると、滑りが生じて各クラッチリング13A,13Bは相対回転する。これにより駆動対象部3による反力トルクが第2サンギヤS2に作用しなくなるので、その回転速度が増大し、キャリヤCや第1サンギヤS1に対して第2サンギヤS2が捩りトルクの作用方向にずれる。そのため、第1サンギヤS1の円周上での小径ピニオンギヤPSの位置、および、第2サンギヤS2の円周上での大径ピニオンギヤPLの位置が当初の組付け位置から変化する。また、クラッチ13に作用する慣性トルクが摩擦係合力以下となると、各クラッチリング13A,13Bは係合状態となり、各サンギヤS1,S2の円周上での各ピニオンギヤPS,PLの組付け位置が再設定される。こうして、トルクの伝達に使用される歯が変化する。そのため、第1実施形態ないし第6実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
(第8実施形態)
図13は、この発明の第8実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。図13に示す例は、図12に示すステップドピニオン型の遊星歯車機構20の第1サンギヤS1とエンジン2との間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドライブプレート7が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で下流側にクラッチ13を設けた例である。
図13は、この発明の第8実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。図13に示す例は、図12に示すステップドピニオン型の遊星歯車機構20の第1サンギヤS1とエンジン2との間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドライブプレート7が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で下流側にクラッチ13を設けた例である。
第8実施形態であっても、クラッチ13の摩擦係合力を超える慣性トルクがクラッチ13に作用すると、滑りが生じて各クラッチリング13A,13Bは相対回転する。これによりエンジン2による反力トルクが第1サンギヤS1に作用しなくなるので、その回転速度が増大し、キャリヤCや第2サンギヤS2に対して第1サンギヤS1が捩りトルクの作用方向にずれる。そのため、第1サンギヤS1の円周上での小径ピニオンギヤPSの位置、および、第2サンギヤS2の円周上での大径ピニオンギヤPLの位置が当初の組付け位置から変化する。また、クラッチ13に作用する慣性トルクが摩擦係合力以下となると、各クラッチリング13A,13Bは係合状態となり、各サンギヤS1,S2の円周上での各ピニオンギヤPS,PLの組付け位置が再設定される。こうして、トルクの伝達に使用される歯が変化する。そのため、第1実施形態ないし第7実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
(第9実施形態)
図14は、この発明の第9実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。図14に示す例では、ステップドピニオン型の遊星歯車機構20の小径ピニオンギヤPSに第1リングギヤR1が噛み合っており、その第1リングギヤR1にエンジン2が連結されて入力要素となっている。大径ピニオンギヤPLに、第1リングギヤR1より大径のギヤである第2リングギヤR2が噛み合っており、その第2リングギヤR2に駆動対象部3が連結されて出力要素となっている。また、小径ピニオンギヤPSおよび大径ピニオンギヤPLを保持しているキャリヤCに慣性質量体5が一体に設けられており、これが慣性要素となっている。上記構成のステップドピニオン型の遊星歯車機構20と並列にばねダンパ6が設けられている。ばねダンパ6のドライブプレート7に第1リングギヤR1が連結されており、ドリブンプレート8に第2リングギヤR2が連結されている。その第2リングギヤR2と駆動対象部3との間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドリブンプレート8が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で上流側にクラッチ13が設けられている。
図14は、この発明の第9実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。図14に示す例では、ステップドピニオン型の遊星歯車機構20の小径ピニオンギヤPSに第1リングギヤR1が噛み合っており、その第1リングギヤR1にエンジン2が連結されて入力要素となっている。大径ピニオンギヤPLに、第1リングギヤR1より大径のギヤである第2リングギヤR2が噛み合っており、その第2リングギヤR2に駆動対象部3が連結されて出力要素となっている。また、小径ピニオンギヤPSおよび大径ピニオンギヤPLを保持しているキャリヤCに慣性質量体5が一体に設けられており、これが慣性要素となっている。上記構成のステップドピニオン型の遊星歯車機構20と並列にばねダンパ6が設けられている。ばねダンパ6のドライブプレート7に第1リングギヤR1が連結されており、ドリブンプレート8に第2リングギヤR2が連結されている。その第2リングギヤR2と駆動対象部3との間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドリブンプレート8が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で上流側にクラッチ13が設けられている。
第9実施形態では、クラッチ13の摩擦係合力を超える慣性トルクがクラッチ13に作用すると、滑りが生じて各クラッチリング13A,13Bは相対回転する。これにより駆動対象部3による反力トルクが第2リングギヤR2に作用しなくなるので、その回転速度が増大し、キャリヤCや第1リングギヤR1に対して第2リングギヤR2が捩りトルクの作用方向にずれる。そのため、第1リングギヤR1の円周上での小径ピニオンギヤPSの位置、および、第2リングギヤR2の円周上での大径ピニオンギヤPLの位置が当初の組付け位置から変化する。また、クラッチ13に作用する慣性トルクが摩擦係合力以下となると、各クラッチリング13A,13Bは係合状態となり、各リングギヤR1,R2の円周上での各ピニオンギヤPS,PLの組付け位置が再設定される。こうして、トルクの伝達に使用される歯が変化する。そのため、第1実施形態ないし第8実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
(第10実施形態)
図15は、この発明の第10実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。図15に示す例は、図14に示すステップドピニオン型の遊星歯車機構20の第1リングギヤR1とエンジン2の間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドライブプレート7が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で下流側にクラッチ13を設けた例である。
図15は、この発明の第10実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。図15に示す例は、図14に示すステップドピニオン型の遊星歯車機構20の第1リングギヤR1とエンジン2の間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドライブプレート7が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で下流側にクラッチ13を設けた例である。
第10実施形態であっても、クラッチ13の摩擦係合力を超える慣性トルクがクラッチ13に作用すると、滑りが生じて各クラッチリング13A,13Bは相対回転する。これによりエンジン2による反力トルクが第1リングギヤR1に作用しなくなるので、その回転速度が増大し、キャリヤCや第2リングギヤR2に対して第1リングギヤR1が捩りトルクの作用方向にずれる。そのため、第1リングギヤR1の円周上での小径ピニオンギヤPSの位置、および、第2リングギヤR2の円周上での大径ピニオンギヤPLの位置が当初の組付け位置から変化する。また、クラッチ13に作用する慣性トルクが摩擦係合力以下となると、各クラッチリング13A,13Bは係合状態となり、各リングギヤR1,R2の円周上での各ピニオンギヤPS,PLの組付け位置が再設定される。こうして、トルクの伝達に使用される歯が変化する。そのため、第1実施形態ないし第9実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
(第11実施形態)
図16は、この発明の第11実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。図16に示す例では、ステップドピニオン型の遊星歯車機構20のキャリヤCにエンジン2の出力軸が連結されて入力要素となっており、サンギヤSに駆動対象部3が連結されて出力要素となっている。キャリヤCが保持する小径ピニオンギヤPSにリングギヤRが噛み合っており、そのリングギヤRに慣性質量体5が一体に設けられて慣性要素となっている。また、キャリヤCにピニオンギヤPSより大径の大径ピニオンギヤPLが保持されており、その大径ピニオンギヤPLにサンギヤSが噛み合っている。上記構成のステップドピニオン型の遊星歯車機構20と並列にばねダンパ6が設けられている。ばねダンパ6のドライブプレート7にエンジン2の出力軸が連結されており、ドリブンプレート8にサンギヤSが連結されている。そのサンギヤSと駆動対象部3との間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドリブンプレート8が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で上流側にクラッチ13が設けられている。
図16は、この発明の第11実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。図16に示す例では、ステップドピニオン型の遊星歯車機構20のキャリヤCにエンジン2の出力軸が連結されて入力要素となっており、サンギヤSに駆動対象部3が連結されて出力要素となっている。キャリヤCが保持する小径ピニオンギヤPSにリングギヤRが噛み合っており、そのリングギヤRに慣性質量体5が一体に設けられて慣性要素となっている。また、キャリヤCにピニオンギヤPSより大径の大径ピニオンギヤPLが保持されており、その大径ピニオンギヤPLにサンギヤSが噛み合っている。上記構成のステップドピニオン型の遊星歯車機構20と並列にばねダンパ6が設けられている。ばねダンパ6のドライブプレート7にエンジン2の出力軸が連結されており、ドリブンプレート8にサンギヤSが連結されている。そのサンギヤSと駆動対象部3との間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドリブンプレート8が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で上流側にクラッチ13が設けられている。
第11実施形態では、クラッチ13の摩擦係合力を超える慣性トルクがクラッチ13に作用すると、滑りが生じて各クラッチリング13A,13Bは相対回転する。これにより駆動対象部3による反力トルクがサンギヤSに作用しなくなるので、その回転速度が増大し、キャリヤCやリングギヤRに対してサンギヤSが捩りトルクの作用方向にずれる。そのため、サンギヤSの円周上での大径ピニオンギヤPLの位置、および、リングギヤRの円周上での小径ピニオンギヤPSの位置がそれらのピニオンギヤPS,PLの当初の組付け位置から変化する。また、クラッチ13に作用する慣性トルクが摩擦係合力以下となると、各クラッチリング13A,13Bは係合状態となり、リングギヤRやサンギヤSの円周上での各ピニオンギヤPS,PLの組付け位置が再設定される。こうして、トルクの伝達に使用される歯が変化する。そのため、第1実施形態ないし第10実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
(第12実施形態)
図17は、この発明の第12実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。図17に示す例は、図16に示すステップドピニオン型の遊星歯車機構20のキャリヤCとエンジン2との間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドライブプレート7が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で下流側にクラッチ13を設けた例である。
図17は、この発明の第12実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。図17に示す例は、図16に示すステップドピニオン型の遊星歯車機構20のキャリヤCとエンジン2との間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドライブプレート7が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で下流側にクラッチ13を設けた例である。
第12実施形態であっても、クラッチ13の摩擦係合力を超える慣性トルクがクラッチ13に作用すると、滑りが生じて各クラッチリング13A,13Bは相対回転する。これによりエンジン2による反力トルクがキャリヤCに作用しなくなるので、その回転速度が増大し、リングギヤRやサンギヤSに対してキャリヤCが捩りトルクの作用方向にずれる。そのため、リングギヤRの円周上での小径ピニオンギヤPSの位置、および、サンギヤSの円周上での大径ピニオンギヤPLの位置がそれらの当初の組付け位置から変化する。また、クラッチ13に作用する慣性トルクが摩擦係合力以下となると、各クラッチリング13A,13Bは係合状態となり、リングギヤRやサンギヤSの円周上での各ピニオンギヤPS,PLの組付け位置が再設定される。こうして、トルクの伝達に使用される歯が変化する。そのため、第1実施形態ないし第11実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
(第13実施形態)
図18は、この発明の第13実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。図18に示す例では、ばねダンパ6は第1バネ21と、第2バネ22と、ばねダンパ6におけるトルクの伝達方向で第1バネ21と第2バネ22との間に配置された中間プレート23とを備えている。第1バネ21は前記トルクの伝達方向で第2バネ22の上流側に位置している。第1バネ21を介してドライブプレート7と中間プレート23とが所定角度、相対回転できるように連結されている。また、第2バネ22を介して中間プレート23とドリブンプレート8とが所定角度、相対回転できるように連結されている。つまり、第1バネ21と第2バネ22とは中間プレート23を介して直列に接続されている。第1バネ21と第2バネ22とは一例としてコイルスプリングによって構成されると共に、ほぼ同じ捩り剛性(ばね定数)に設定されている。他の構成は図1に示す構成と同様であるため、図1に示す構成と同様の構成については図1と同様の符号を付してその説明を省略する。
図18は、この発明の第13実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示すスケルトン図である。図18に示す例では、ばねダンパ6は第1バネ21と、第2バネ22と、ばねダンパ6におけるトルクの伝達方向で第1バネ21と第2バネ22との間に配置された中間プレート23とを備えている。第1バネ21は前記トルクの伝達方向で第2バネ22の上流側に位置している。第1バネ21を介してドライブプレート7と中間プレート23とが所定角度、相対回転できるように連結されている。また、第2バネ22を介して中間プレート23とドリブンプレート8とが所定角度、相対回転できるように連結されている。つまり、第1バネ21と第2バネ22とは中間プレート23を介して直列に接続されている。第1バネ21と第2バネ22とは一例としてコイルスプリングによって構成されると共に、ほぼ同じ捩り剛性(ばね定数)に設定されている。他の構成は図1に示す構成と同様であるため、図1に示す構成と同様の構成については図1と同様の符号を付してその説明を省略する。
第13実施形態では、クラッチ13の摩擦係合力を超える慣性トルクがクラッチ13に作用すると、滑りが生じて各クラッチリング13A,13Bは相対回転する。これにより駆動対象部3による反力トルクがサンギヤSに作用しなくなるので、その回転速度が増大し、キャリヤCやリングギヤRに対してサンギヤSが捩りトルクの作用方向にずれる。そのため、サンギヤSの円周上でのピニオンギヤPの位置が当初の組付け位置から変化する。また、クラッチ13に作用する慣性トルクが摩擦係合力以下となると、各クラッチリング13A,13Bは係合状態となり、リングギヤRやサンギヤSの円周上での各ピニオンギヤPの組付け位置が再設定される。こうして、トルクの伝達に使用される歯が変化する。そのため、第1実施形態ないし第12実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
(第14実施形態)
図19は、この発明の第14実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示す断面図である。図19に示す例は、図19に示す捩り振動低減装置1のキャリヤCとエンジン2との間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドライブプレート7が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で下流側にクラッチ13を設けた例である。
図19は、この発明の第14実施形態に係る捩り振動低減装置の一例を模式的に示す断面図である。図19に示す例は、図19に示す捩り振動低減装置1のキャリヤCとエンジン2との間のトルクの伝達経路のうち、ばねダンパ6のドライブプレート7が連結されている箇所より、エンジントルクの伝達方向で下流側にクラッチ13を設けた例である。
第14実施形態であっても、クラッチ13の摩擦係合力を超える慣性トルクがクラッチ13に作用すると、滑りが生じて各クラッチリング13A,13Bは相対回転する。これによりエンジン2による反力トルクがキャリヤCに作用しなくなるので、その回転速度が増大し、リングギヤRやサンギヤSに対してキャリヤCが捩りトルクの作用方向にずれる。そのため、サンギヤSの円周上でのピニオンギヤPの位置が当初の組付け位置から変化する。また、クラッチ13に作用する慣性トルクが摩擦係合力以下となると、各クラッチリング13A,13Bは係合状態となり、リングギヤRやサンギヤSの円周上でのピニオンギヤPの組付け位置が再設定される。こうして、トルクの伝達に使用される歯が変化する。そのため、第1実施形態ないし第13実施形態と同様の作用・効果を得ることができる。
なお、この発明は上述した実施形態に限定されないのであって、各遊星歯車機構4,19,20の各回転要素のうち、いずれの回転要素が入力要素や出力要素、慣性要素であってもよい。要は、クラッチ13の摩擦係合力を超える慣性トルクが捩り振動低減装置1に入力された場合に、クラッチ13で滑りが生じることによって各遊星歯車機構4,19,20におけるピニオンギヤPの組み付け位置がクラッチ13の作動の前後で異なるように構成されていればよい。
1…捩り振動低減装置、 2…エンジン、 3…駆動対象部、 4,19,20…遊星歯車機構(差動機構)、 5…追加慣性体、 6…ばねダンパ(弾性体)、 7…ドライブプレート(入力部材)、 8…ドリブンプレート(出力部材)、 13…クラッチ(スライド機構)、 S…サンギヤ(第1ギヤ、第2ギヤ)、 R…リングギヤ(第1ギヤ、第2ギヤ)、 P…ピニオンギヤ(第3ギヤ)、 C…キャリヤ(保持器)。
Claims (7)
- 第1ギヤと、第2ギヤと、それらの前記第1ギヤと前記第2ギヤとに噛み合う第3ギヤを回転可能に保持している保持器とによって差動作用を行う差動機構を備え、前記第1ギヤと前記第2ギヤと前記保持器とのうちのいずれか一つがトルクが入力される入力要素とされ、前記第1ギヤと前記第2ギヤと前記保持器とのうちのいずれか他の一つが前記トルクを出力する出力要素とされ、前記第1ギヤと前記第2ギヤと前記保持器とのうちの更に他のいずれか一つが前記入力要素と前記出力要素とに対して相対回転する慣性要素とされ、前記入力要素と前記出力要素とが前記入力要素と前記出力要素とを相対的に捩れ回転させる捩りトルクに応じて弾性変形する弾性体を介して連結されている捩り振動低減装置において、
前記入力要素が連結された前記トルクが入力される入力部材と、
前記出力要素が連結された前記トルクを出力する出力部材と、
前記入力要素と前記入力部材との間もしくは前記出力要素と前記出力部材との間に設けられたスライド機構とを備え、
前記スライド機構は、前記慣性要素による慣性トルクが予め定めた値以下の場合には、前記入力要素と前記入力部材とを一体化させ、もしくは、前記出力要素と前記出力部材とを一体化させると共に、前記入力要素と前記入力部材との間もしくは前記出力要素と前記出力部材との間に作用する前記慣性トルクが前記予め定めた値を超えた場合には、前記入力要素と前記入力部材とを前記捩りトルクの作用する方向に相対的に滑らせ、もしくは、前記出力要素と前記出力部材とを前記捩りトルクの作用する方向に相対的に滑らせるように構成されている
ことを特徴とする捩り振動低減装置。 - 請求項1に記載の捩り振動低減装置において、
前記差動機構は、サンギヤと、前記サンギヤに対して同心円上に配置されたリングギヤと、前記サンギヤと前記リングギヤとに噛み合う複数のピニオンギヤを保持するキャリヤとを備えた遊星歯車機構によって構成され、
前記第1ギヤは、前記サンギヤによって構成され、
前記第2ギヤは、前記リングギヤによって構成され、
前記第3ギヤは、前記ピニオンギヤによって構成され、
前記保持器は、前記キャリヤによって構成され、
前記サンギヤは、前記入力要素と前記出力要素とのうちの一方とされ、
前記スライド機構は、前記入力要素である前記サンギヤと前記入力部材との間、もしくは、前記出力要素である前記サンギヤと前記出力部材との間に設けられている
ことを特徴とする捩り振動低減装置。 - 請求項1に記載の捩り振動低減装置において、
前記差動機構は、サンギヤと、前記サンギヤに対して同心円上に配置されたリングギヤと、前記サンギヤと前記リングギヤとに噛み合う複数のピニオンギヤを保持するキャリヤとを備えた遊星歯車機構によって構成され、
前記第1ギヤは、前記サンギヤによって構成され、
前記第2ギヤは、前記リングギヤによって構成され、
前記第3ギヤは、前記ピニオンギヤによって構成され、
前記保持器は、前記キャリヤによって構成され、
前記リングギヤは、前記入力要素と前記出力要素とのうちの一方とされ、
前記スライド機構は、前記入力要素である前記リングギヤと前記入力部材との間、もしくは、前記出力要素である前記リングギヤと前記出力部材との間に設けられている
ことを特徴とする捩り振動低減装置。 - 請求項1に記載の捩り振動低減装置において、
前記差動機構は、サンギヤと、前記サンギヤに対して同心円上に配置されたリングギヤと、前記サンギヤと前記リングギヤとに噛み合う複数のピニオンギヤを保持するキャリヤとを備えた遊星歯車機構によって構成され、
前記第1ギヤは、前記サンギヤによって構成され、
前記第2ギヤは、前記リングギヤによって構成され、
前記第3ギヤは、前記ピニオンギヤによって構成され、
前記保持器は、前記キャリヤによって構成され、
前記キャリヤは、前記入力要素と前記出力要素とのうちの一方とされ、
前記スライド機構は、前記入力要素である前記キャリヤと前記入力部材との間、もしくは、前記出力要素である前記キャリヤと前記出力部材との間に設けられている
ことを特徴とする捩り振動低減装置。 - 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の捩り振動低減装置において、
前記スライド機構は、前記慣性トルクが予め定めた値以下の場合には、互いに摩擦係合させられた状態を維持し、前記慣性トルクが前記予め定めた値を超えた場合には、滑りを生じるように摩擦係合させられた一対の摩擦係合部材を有している
ことを特徴とする捩り振動低減装置。 - 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の捩り振動低減装置において、
前記差動機構の半径方向で前記差動機構の内側に、前記スライド機構が前記差動機構と同心円上に並んで配置されている
ことを特徴とする捩り振動低減装置。 - 請求項1ないし6のいずれか一項に記載の捩り振動低減装置において、
前記差動機構の半径方向で前記差動機構の内側に、前記弾性体が前記差動機構と同心円上に並んで配置されている
ことを特徴とする捩り振動低減装置。
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JP2021085432A (ja) * | 2019-11-26 | 2021-06-03 | ユニプレス株式会社 | ダイナミックダンパ |
-
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JP2021085432A (ja) * | 2019-11-26 | 2021-06-03 | ユニプレス株式会社 | ダイナミックダンパ |
JP7339137B2 (ja) | 2019-11-26 | 2023-09-05 | ユニプレス株式会社 | ダイナミックダンパ |
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