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JP2021007614A - 電気掃除機 - Google Patents

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JP2021007614A
JP2021007614A JP2019122723A JP2019122723A JP2021007614A JP 2021007614 A JP2021007614 A JP 2021007614A JP 2019122723 A JP2019122723 A JP 2019122723A JP 2019122723 A JP2019122723 A JP 2019122723A JP 2021007614 A JP2021007614 A JP 2021007614A
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福地 克己
Katsumi Fukuchi
克己 福地
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Abstract

【課題】水と塩化物を投入する貯槽から、溶け残った塩化物が流れ出ることを確実に抑制可能な電気掃除機を提供する。【解決手段】電気掃除機2は、水と塩化物とを投入可能であり、かつ塩化物の水溶液を貯留する貯槽36と、貯槽36に繋がる取水口96を有する導水経路95と、水溶液を電気分解して次亜塩素酸を含む電解水を生成する電解水生成装置37と、導水経路95を介して電解水を機外へ供給する第一供給部38と、貯槽36内の水溶液に溶けた塩化物の濃度を測定する濃度測定器72と、濃度測定器72の測定結果が閾値以上の場合には、第一供給部38に電解水の機外への供給を禁じる制御部35と、を備えている。【選択図】 図4

Description

本発明に係る実施形態は、電気掃除機に関する。
電解質として塩化物を水に溶かした水溶液を電気分解して電解水を生成し、この電解水を除菌に使用する自律型掃除機が知られている。
特表2009−525818号公報
水と塩化物とを貯槽に投入すれば、電解水の生成に利用される水溶液が得られる。
ところで、貯槽に投入する水および塩化物の量を厳格に定めておくことは、ユーザーの利便を損なう。しかしながら、塩化物が過剰に投入された場合には、塩化物の一部が溶け残ってしまう。
溶け残った塩化物が貯槽から流れ出た場合には、流れ出た塩化物の溶け残りが、電解水を機外へ供給するための経路、または経路の出口、例えばノズルを詰まらせてしまう虞がある。この電解水の供給経路の詰まりは、機外への電解水の供給を阻害する。また、溶け残った塩化物が機外へ流れ出た場合には、流れ出た塩化物の溶け残りが、掃除場所の床材に悪影響を及ぼす可能性がある。
そこで、本発明は、水と塩化物を投入する貯槽から、溶け残った塩化物が流れ出ることを確実に抑制可能な電気掃除機を提案することを目的とする。
前記の課題を解決するため本発明の実施形態に係る電気掃除機は、水と塩化物とを投入可能であり、かつ前記塩化物の水溶液を貯留する貯槽と、前記貯槽に繋がる取水口を有する導水経路と、前記水溶液を電気分解して次亜塩素酸を含む電解水を生成する電解水生成部と、前記電解水を機外へ供給する供給部と、前記貯槽内の前記水溶液に溶けた前記塩化物の濃度を測定する濃度測定器と、前記濃度測定器の測定結果が閾値以上の場合には、前記供給部に前記電解水の機外への供給を禁じる制御部と、を備えている。
本発明の実施形態に係る電気掃除装置の斜視図。 本発明の実施形態に係る電気掃除機の右側面図。 本発明の実施形態に係る電気掃除機の底面図。 本発明の実施形態に係る自立型掃除機の貯槽の概念図。 本発明の実施形態に係る電気掃除装置のブロック図。
本発明に係る電気掃除装置の実施形態について図1から図5を参照して説明する。なお、複数の図面中、同一または相当する構成には同一の符号が付されている。
図1は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置の斜視図である。
図1に示すように、本実施形態に係る電気掃除装置1は、電気掃除機2と、電気掃除機2を連結、および切り離し可能なステーション3と、を備えている。
電気掃除機2は、いわゆる自律型掃除機、ロボットクリーナーである。電気掃除機2は、本体21に搭載される二次電池6の電力を消費して自律で移動する。電気掃除機2は、走行することで居室内の掃除場所としての被掃除領域Aの被掃除面f、いわゆる床面を移動する。電気掃除機2は、被掃除領域Aの被掃除面fを動き回って掃除を行う。電気掃除機2は、被掃除領域Aを網羅的に移動して掃除を行う。電気掃除機2は、被掃除面fの掃除を終えると、ステーション3へ自律で帰還(「帰巣」とも言う。)して次の掃除運転を待機する。
なお、電気掃除機2は、ステーション3に連結して収納しておくことが可能な非自律型、例えばキャニスター型、アップライト型、スティック型、またはハンディ型であってもよい。
ステーション3は、居室内の被掃除面fに設置することができる。ステーション3は、電気掃除機2を円滑に接続または離脱可能である。ステーション3は、いわゆる充電台の機能を有している。換言すると、ステーション3は、電気掃除機2の二次電池6を充電可能な充電台である。ステーション3は、商用交流電源から電力を導く電源コード7と、電源コード7を介して供給される交流電圧を変換して二次電池6へ直流電圧を供給する充電回路8と、を備えている。
ステーション3に帰還した電気掃除機2は、次の掃除運転を待機している最中、二次電池6を充電する。そのため、電気掃除機2は、使用者による充電の手間を省き、かつ使用者の求めによる突発的な掃除運転に対応できる。
図2は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の右側面図である。
図3は、本発明の実施形態に係る電気掃除機の底面図である。
なお、図2および図3の実線矢印Fは、電気掃除機2の前進方向を示している。
図1に加えて、図2および図3に示すように、本実施形態に係る電気掃除機2は、被掃除面fの塵埃を負圧で吸い込む吸込掃除と、被掃除面fの拭き掃除と、被掃除面fまたは被掃除領域Aへの溶液の撒布と、を含む複数の機能を有している。撒布される溶液は、例えば芳香剤、消臭剤、除菌作用を有する次亜塩素酸を含んだ電解水、加湿用の水である。本実施形態では、溶液に次亜塩素酸を含んだ電解水を利用する場合について具体的に説明する。
電気掃除機2は、本体21と、電気掃除機2を移動させる力を発生させる移動部31と、吸込掃除機能および拭き掃除機能を有する掃除部32と、電気掃除機2の周囲の被検知物を検知する検知部33と、移動部31、掃除部32、および検知部33を制御して電気掃除機2の運転を制御する制御部35と、移動部31、掃除部32、検知部33、および制御部35を含む電気掃除機2の各部へ電力を供給する二次電池6と、を備えている。
また、電気掃除機2は、本体21に設けられて塩化物の水溶液を貯留する貯槽36と、貯槽36に蓄えられている水溶液を電気分解して電解水を生成する電解水生成装置37と、電解水生成装置37で生成された電解水を本体21外へ供給する第一供給部38と、電解水生成装置37で生成された電解水を本体21内へ供給する第二供給部39と、を備えている。
本体21は、扁平な円柱形状、換言すると円盤形状を有している。平面視で実質的に円形の本体21は、他の形状に比べて旋回時の旋回半径を小さく抑制できる。なお、平面視において、本体21は、正方形のような形状を有していても良いし、差渡しの幅が常に一定の定幅図形、例えばルーローの三角形(Reuleaux Triangle)を有していても良い。
本体21は、例えば合成樹脂製の本体ケース41と、本体ケース41の側面に設けられるバンパー42と、を備えている。
本体ケース41と貯槽36とは、平面視における本体21の外形線を協働して画定している。本実施形態では、本体ケース41および貯槽36は、平面視において、弦で切り取られた円弧形の外形線を有している。本体ケース41の円弧形の外形線と、貯槽36の円弧形の外形線とが、それぞれの弦で組み合わさって本体21の円形の外形線を描く。本体21が円形以外の形状であっても同様に、本体ケース41の外形線と貯槽36の外形線とが組み合わさって本体21の外形線を描く。なお、貯槽36は、本体21を超信地旋回(spin turn、neutral turn、counter-rotation turn)させた際に本体ケース41の外形線が描く軌跡の内側に納まっていることが好ましい。
本体ケース41の高さと貯槽36の高さとは、実質的に同じである。なお、本体ケース41の高さと貯槽36の高さとは、異なっていても良い。例えば、貯槽36の高さが本体ケース41の高さよりも高く、貯槽36が上方へ突出していても良い。また、貯槽36の高さが本体ケース41の高さよりも低く、貯槽36が凹没していても良い。さらに、貯槽36の高さが本体ケース41の高さよりも低く、貯槽36が本体ケース41の上面に搭載されていても良い。このような場合には、本体ケース41の上面は、貯槽36を搭載する部位と、その他の部位とで階段状に段差があっても良い。そして、貯槽36が本体ケース41に搭載されている状態で、貯槽36の上面と本体ケース41の上面との高さは実質的に一致していることが好ましい。
移動部31は、被掃除面fに接地可能な複数の駆動輪45と、それぞれの駆動輪45を個別に駆動させる複数の電動機46と、駆動輪45とともに被掃除面f上の本体21を支える従動輪47と、を備えている。
それぞれの駆動輪45は、本体21を移動させる力を被掃除面fへ伝える。それぞれの駆動輪45は、本体21の幅方向、つまり左右幅方向に延びる軸を中心に回転する。複数の駆動輪45は、少なくとも一対の駆動輪45を含んでいる。一対の駆動輪45の回転軸は、実質的に同一線上に配置されている。電気掃除機2は、一対の駆動輪45によって直進および旋回することができる。駆動輪45は、懸架装置、いわゆるサスペンションによって被掃除面fに押さえつけられている。電気掃除機2は、駆動輪45に代えて、無限軌道を備えていても良い。
それぞれの電動機46は、それぞれの駆動輪45を独立して駆動させる。電気掃除機2は、左右の駆動輪45を同じ方向へ回転させることによって直進し、左右の駆動輪45を異なる方向へ回転させることによって旋回する。直進には、前進、および後退が含まれる。旋回には、右旋回、および左旋回が含まれる。また、電気掃除機2は、左右の駆動輪45の出力を上下させて前進、または後退の速度を調整したり、左右の駆動輪45の出力を相違させて旋回半径の大小を調整したりすることができる。
従動輪47は、本体21の下部の幅方向の略中央部、かつ前部に配置されている。従動輪47は、円形の回転体であり、例えばキャスターである。従動輪47は、電気掃除機2の前進、後退、および旋回に容易に追従して向きを変え、電気掃除機2の走行を安定させる。なお、駆動輪45および従動輪47に支えられる電気掃除機2の重心は、一対の駆動輪45と従動輪47とがなす三角形の内側に配置されていることが好ましい。そのため、電気掃除機2は、より安定して移動することができる。
掃除部32は、本体21の下方の被掃除面fを掃除する。より具体的に、掃除部32は、本体21の真下、およびその周囲の被掃除面fを掃除する。掃除部32は、吸込負圧を生じさせて被掃除面fの塵埃を吸引する吸込掃除部48と、本体21の下方の被掃除面fを拭き掃除もしくは磨き掃除する拭き掃除部49と、を含んでいる。
吸込掃除部48は、吸込掃除機能を担っている。吸込掃除部48は、本体21の底面に設けられる吸込口51と、吸込口51に配置される回転ブラシ52と、回転ブラシ52を回転駆動させるブラシ用電動機53と、本体21に設けられる集塵部としての塵埃容器55と、本体21内に収容されて塵埃容器55に流体的に接続される電動送風機56と、を備えている。
なお、吸込口51から塵埃容器55を経て電動送風機56の吸込側に達する風路は、電動送風機56の吸込側に流体的に接続される吸込風路57である。吸込風路57は、吸込口51から塵埃容器55へ至る上流側風路57uと、塵埃容器55から電動送風機56へ至る下流側風路57dと、を備えている。
また、電動送風機56の排気側から本体21の排気口に至る風路は、電動送風機56の吐出側に流体的に接続される排気風路58である。電動送風機56からの排気風は、排気風路58を経て本体21の外へ排気される。
吸込口51は、電動送風機56が発生させる吸込負圧によって空気とともに塵埃を吸い込む。吸込口51は、拭き掃除部49よりも前進方向Fの前側に配置されている。吸込口51は、本体21の幅方向に延びている。換言すると、吸込口51の左右方向の開口幅は、吸込口51の前後方向の開口幅よりも大きい。本体21の底面が自律移動時に被掃除面fに対向し、対面しているため、吸込口51は、被掃除面f上の塵埃、または回転ブラシ52が被掃除面fから掻き上げた塵埃を容易に吸い込むことができる。
回転ブラシ52の回転中心線は、電気掃除機2の幅方向に向けられている。回転ブラシ52は、電気掃除機2を被掃除面f上に移動可能な状態で置いたとき、被掃除面fに接触する。そのため、回転駆動する回転ブラシ52は、被掃除面f上の塵埃を掻き上げる。掻き上げられた塵埃は、吸込口51へ効率的に吸い込まれる。
ブラシ用電動機53は、回転ブラシ52を正転、または逆転させる。回転ブラシ52の正転方向は、前進時に電気掃除機2の駆動力(推進力)を補助する回転方向である。回転ブラシ52の逆転方向は、後退時に電気掃除機2の駆動力(推進力)を補助する回転方向である。
塵埃容器55は、吸込風路57の一部である。塵埃容器55は、電動送風機56が発生させる吸込負圧によって吸込口51から吸い込まれる塵埃を蓄積する。塵埃容器55は、塵埃を濾過捕集するフィルターや、遠心分離(サイクロン分離)や直進分離(直進する空気と塵埃との慣性力の差で塵埃と空気とを分離する分離方式)などの慣性分離によって塵埃を蓄積する分離装置である。塵埃容器55は、本体21に着脱可能である。塵埃容器55は、開閉可能な蓋を有している。使用者は、本体21から塵埃容器55を取り外し、塵埃容器55の蓋を開いて塵埃容器55に蓄積された塵埃を容易に廃棄したり、塵埃容器55を清掃したり、洗浄したりすることができる。
電動送風機56は、二次電池6の電力を消費して駆動する。電動送風機56は、塵埃容器55から空気を吸い込んで吸込負圧を生じさせる。塵埃容器55に発生した吸込負圧は、吸込口51に作用する。本体21は、電動送風機56の排気を、本体21の外側へ流出させる排気口を有している。
拭き掃除部49は拭き掃除機能を担っている。拭き掃除部49は、本体21の底部であって、吸込口51よりも後方に配置されている。拭き掃除部49は、本体ケース41の底部に設けられていても良いし、本体ケース41と協働して本体21の外形線を画定する貯槽36の底部に設けられていても良い。
拭き掃除部49は、例えば、本体21の下方の被掃除面fを拭き掃除する。拭き掃除部49は、拭き掃除部材61を着脱可能な拭き掃除部材取付部62と、拭き掃除部材61と、を備えている。
電気掃除機2の前進方向(図2中の実線矢印F)において、吸込口51と拭き掃除部材61とは前後に並び、かつ吸込口51は拭き掃除部材61より前側に配置されている。したがって、電気掃除機2が前進すると、吸込口51は拭き掃除部材61よりも先行して移動する。そのため、吸込掃除部48と拭き掃除部49とが同時に機能を発揮している場合には、拭き掃除部49は、吸込掃除部48によって塵埃が除去された後の被掃除面を拭き掃除する。
拭き掃除部材取付部62は、面ファスナーを利用してシート状の拭き掃除部材61を貼り付けたり、シート状の拭き掃除部材61を巻き付けたり、拭き掃除部材61の一部を差込口に差し込んだりして固定する基台である。拭き掃除部材取付部62は、電気掃除機2を被掃除面fに置いた状態で拭き掃除部材61を被掃除面fに接触させる。拭き掃除部材取付部62自体も、電気掃除機2から着脱可能であっても良い。
拭き掃除部材61は、例えば織布、または不織布等の繊維材料製の拭き掃除シートである。拭き掃除部材61は、例えばワイパーシートや、ダスタークロス、雑巾、モップ(柄の部分を除いた先端の繊維の塊)など、吸湿性を有する種々の掃除用具である。拭き掃除部材61の材料は、綿などの天然繊維、セルロースなどの再生繊維、ポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46などのポリアミド系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維などの合成繊維である。拭き掃除部材61は、スポンジであっても良い。また、拭き掃除部材61は、高吸水性高分子(Superabsorbent polymer、SAP、いわゆる吸収性ポリマー、高吸水性樹脂、高分子吸収体)製の部材を一体に有していても良い。高吸水性高分子製の部材を一体に有する拭き掃除部材61は、より多量の電解水を保水できる。
拭き掃除部材61は、拭き掃除部材取付部62の底面に着脱することができる。電気掃除機2を被掃除面f上に移動可能な状態で置いたとき、拭き掃除部49は、被掃除面fに接触する。拭き掃除部49は、駆動輪45が被掃除面fで空転しない程度の圧力で、被掃除面fに押し当てられていることが好ましい。拭き掃除部49と本体21の底面との間には、発泡樹脂などの弾性部材が設けられている。この弾性部材は、拭き掃除部49を被掃除面fに均一の圧力で押し当てる。
拭き掃除部材61は、電解水を本体21外へ供給する第一供給部38の一態様でもある。拭き掃除部材61は、電解水生成装置37から供給される電解水で湿った状態で、被掃除面fを水拭きする。電解水で水拭きされる被掃除面fは除菌される。
拭き掃除部材61を介さずに被掃除面fへ電解水を供給する場合には、拭き掃除部材61は、被掃除面fに撒布された電解水を拭き取ることもできる。
つまり、拭き掃除部材61は、電解水を含んで湿り、被掃除面fに電解水を塗布する、いわゆる水拭きの用途で用いることも可能であり、被掃除面fに撒布された電解水を拭き取る、いわゆる乾拭きの用途で用いることも可能である。換言すると、電気掃除機2は、移動にともなって次亜塩素酸を含む電解水を被掃除面fに撒布または塗布し、被掃除面fを除菌する。
拭き掃除部材61による拭き掃除が乾拭きになるのか、水拭きになるのかは、電解水生成装置37から被掃除面fへ撒布される電解水の量、および電解水生成装置37から拭き掃除部材61へ供給される電解水の量に依存する。例えば床面に撒布される電解水の供給量が微量であれば、電解水は拭き掃除部材61を湿らせる以前に蒸発してしまう。このような場合には、拭き掃除部材61による乾拭きが継続する。床面に撒布される電解水の供給量が多量であれば、電解水は蒸発しきらずに拭き掃除部材61を湿らせる。このような場合には、拭き掃除部材61による乾拭きは、いずれ乾拭きから水拭きへ移行する。
検知部33は、本体21の移動にともなって本体21に近づく被検知物、または本体21に接触する被検知物を検知する。検知部33は、本体21に設けられて電気掃除機2の周囲の画像を撮影するカメラ部65と、本体21に設けられて本体21が電気掃除機2以外の物体、つまり被検知物に接近したことを検知する近接検知部66と、本体21に設けられて本体21が電気掃除機2以外の物体、つまり被検知物に接触したことを検知する接触検知部67と、を含んでいる。
カメラ部65は、本体21の正面に設けられて、電気掃除機2の前方、つまり前進時の走行方向を撮影する。
電気掃除機2は、カメラ部65に代えて、または加えて、ステレオカメラとは異なる原理によって撮影範囲における奥行きの情報を得る距離測定装置68を備えていても良い。
近接検知部66は、例えば赤外線センサーや、超音波センサーである。赤外線センサーを利用する近接検知部66は、赤外線を発する発光素子と、光を受けとって電気信号に変換する受光素子と、を備えている。近接検知部66は、発光素子から赤外線を放ち、被検知物で反射される赤外線を受光素子で受光して電力に変換し、変換された電力が一定以上になると、被検知物が一定距離内に近づいたことを、本体21が被検知物に接触する以前に検知する。超音波センサーを利用する近接検知部66は、赤外線に代えて超音波を利用して被検知物を検知する。
接触検知部67は、いわゆるバンパーセンサーである。接触検知部67は、移動する本体21が被検知物に接触した際に、本体21への衝撃を緩和するバンパー42に連動している。バンパー42は、被検知物に接触した際に、本体21の内側へ向かって押し込まれるように変位する。接触検知部67は、このバンパー42の変位を検知して本体21が被検知物に接触したことを検知する。接触検知部67は、例えばバンパー42の変位によって入り、切りされるマイクロスイッチ、またはバンパー42の変位量を非接触で測定する赤外線センサーや、超音波センサーを含んでいる。
二次電池6は、移動部31、掃除部32、検知部33、および制御部35を含む電気掃除機2の各部で消費される電力を蓄えている。二次電池6は、移動部31、掃除部32、検知部33、および制御部35を含む電気掃除機2の各部へ電力を供給する。二次電池6は、例えばリチウムイオン電池であり、充放電を制御する制御回路を有している。この制御回路は、二次電池6の充放電に関する情報を制御部35へ出力している。
貯槽36は、水と塩化物とを投入可能な容器である。貯槽36に投入される水は、水道水でよい。貯槽36に投入される塩化物は、例えば塩化ナトリウム(NaCl)、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムである。塩化物は、粉末、顆粒、錠剤など固体の状態で貯槽36に投入できる。貯槽36は、給水の利便性、および塩化物の投入の利便性を高めるために、本体21に着脱可能であることが好ましい。貯槽36は、開閉可能な蓋を備えている。貯槽36は、蓋を開いて水や塩化物を容易に投入できる。貯槽36には、貯槽36内の水量を検知する水量検知部71と、貯槽36内の水溶液に溶けた塩化物の濃度を測定する濃度測定器72と、が設けられている。
電解水生成装置37は、例えば、塩化物の水溶液を電気分解して次亜塩素酸(HClO、Hypochlorous Acid)が溶解された電解水を生成する。電解水生成装置37は、正極および負極を含む電極73を備えている。
電解水生成装置37は、貯槽36内に設けられている。電解水生成装置37は、貯槽36の外側、例えば供給部38、39に繋がる導水経路に設けられていても良い。電解水生成装置37は、貯槽に貯留される水溶液が機外へ供給される前に電解水を生成すれば良い。
電解水生成装置37の電極73には、水に溶け出しにくい材料、例えばチタンや白金が用いられる。電気分解を促進するために、電極73には、イリジウム、白金、ルテニウムなどの白金族の金属、またはその酸化物が担持されていても良い。電解水には、過酸化水素、活性酸素、OHラジカルなどの化学種が生成される。電極73は、貯槽36内に設けられている。
電解水生成装置37は、正極と負極との間に仕切のない1室型であっても良いし、正極と負極との間に仕切を有する2室型、および3室型を含む多室型であっても良い。1室型の電解水生成装置37は、正極側に生成される酸性イオン水と負極側に生成されるアルカリ性イオン水とを中和して、適宜の濃度の次亜塩素酸を含む電解水を生成する。他方、多室型の電解水生成装置37は、正極を収容する部屋に酸性イオン水を生成し、負極を収容する部屋にアルカリ性イオン水を生成する。
なお、多室型の電解水生成装置37は、酸性イオン水とアルカリ性イオン水との使用量が不均一になって、いずれか残留した方のイオン水を処分する負担が生じる場合がある。1室型の電解水生成装置37は、多室型のように残留した方のイオン水を処分する負担が生じず、多室型に比べて使用者の利便に適う場合がある。
また、電気掃除機2が利用する溶液が電気分解を必要としない芳香剤、消臭剤、および水のような溶液であれば、電解水生成装置37はなくても良い。
第一供給部38は、被掃除面fおよび被掃除領域Aの雰囲気へ電解水を拡散可能なよう、あるいは散布可能なように電解水を供給する。第一供給部38は、拭き掃除部材61、被掃除面f、および被掃除領域Aの雰囲気の少なくともいずれか1つへ電解水を供給する。第一供給部38は、貯槽36から拭き掃除部材61へ電解水を供給する第一供給機構部75と、貯槽36から被掃除面fへ電解水を供給する第二供給機構部76と、貯槽36から本体21の雰囲気へ電解水を供給する第三供給機構部77と、を備えている。第一供給部38は、第一供給機構部75、第二供給機構部76、および第三供給機構部77のいずれか1つを有していれば良い。
第一供給機構部75は、拭き掃除部材61の裏面へ電解水を供給する第一供給口81と、第一供給口81への電解水の供給と供給の遮断とを行う第一開閉弁82と、電解水を第一供給口81へ導く第一導水経路86aと、を備えている。なお、拭き掃除部材61の表面とは、被掃除面fに接する方の面であって、拭き掃除部材61の裏面とは、表面の裏側の面、すなわち被掃除面fに接しない方の面である。
第一供給口81は、複数あっても良い。例えば、第一供給口81は、本体21の幅方向、つまり拭き掃除部材61の幅方向に列をなして並んでいることが好ましい。このように並ぶ第一供給口81は、拭き掃除部材61の広い範囲を電解水で湿らせることができる。また、第一供給口81は、本体21の幅方向に延びる長辺を有する細長く扁平な開口であっても良い。
第一開閉弁82は、いわゆる電磁弁である。第一供給機構部75は、第一開閉弁82を開くことで貯槽36内の電解水の水位と第一供給口81との高低差、つまり水頭差で電解水を供給する。第一供給機構部75は、第一開閉弁82に代えて、貯槽36内の電解水を汲み上げるポンプを備えていても良い。また、第一供給機構部75は、単に貯槽36内の電解水を流出させる流路、例えば細管やオリフィスであっても良い。このような場合には、細管の内径、あるいはオリフィス径は、電解水の所要の供給量(単位時間あたりの供給量)を得るために、適宜、好適に設定される。
第二供給機構部76は、被掃除面fへの電解水の撒布機能を担っている。第二供給機構部76は、被掃除面fへ電解水を撒布する第二供給口83と、第二供給口83への電解水の供給と供給の遮断とを行う第二開閉弁84と、電解水を第二供給口83へ導く第二導水経路86bと、を備えている。
第二供給口83は、例えば電解水を撒布可能なノズルである。第二供給口83は、電気掃除機2が被掃除面fに置かれた状態で、吸込口51と拭き掃除部材61との間に挟まれる被掃除面fへ電解水を供給する。換言すると、第二供給機構部76は、電気掃除機2が被掃除面fに置かれた状態で、第二供給口83から吸込口51と拭き掃除部材61との間に挟まれる被掃除面fへ電解水を供給する。
第二供給口83は、複数あっても良い。例えば、第二供給口83は、本体21の幅方向、つまり拭き掃除部材61の幅方向に列をなして並んでいることが好ましい。このように並ぶ第二供給口83は、本体21の進行にともなって、より広い範囲に電解水を撒布する。また、第二供給口83は、本体21の幅方向に延びる長辺を有する細長く扁平なノズルであっても良い。
第二開閉弁84は、いわゆる電磁弁である。第二供給機構部76は、第二開閉弁84を開くことで貯槽36内の電解水の水位と第二供給口83との高低差、つまり水頭差で電解水を供給する。第二供給機構部76は、第二開閉弁84に代えて、貯槽36内の電解水を汲み上げるポンプを備えていても良い。また、第二供給機構部76は、単に貯槽36内の電解水を流出させる流路、例えば細管やオリフィスであっても良い。このような場合には、細管の内径、あるいはオリフィス径は、電解水の所要の供給量(単位時間あたりの供給量)を得るために、適宜、好適に設定される。
第三供給機構部77は、被掃除領域Aの雰囲気への電解水の撒布機能を担っている。第三供給機構部77は、電解水を霧状にして本体21の周囲の雰囲気へ供給する第一霧化装置85と、電解水を第一霧化装置85へ導く第三導水経路86cと、を備えている。
第一霧化装置85は、本体21の天面に設けられている。第一霧化装置85は、本体21の周囲の雰囲気へ霧化した電解水を拡散、あるいは撒布する。
第一霧化装置85は、電解水を加熱して霧化させる加熱式、電解水を超音波で振動させて霧化させる超音波式、ベンチュリー効果を用いたスプレー、例えば霧吹きで電解水を霧化させる方式、コロナ放電を利用して電解水を霧化させる静電霧化、高速回転させたプロペラなどによって電解水を拡散させて水分子を破砕する水破砕式など、種々の霧化方式を利用する。いずれの方式においても、第一霧化装置85は、直径100マイクロメートル以下の微粒子を含むように電解水を霧化し、より好ましくは直径10マイクロメートル以下の微粒子を含むように電解水を霧化する。
第一導水経路86a、第二導水経路86b、および第三導水経路86cは、例えば貯槽36と第一霧化装置85とを繋ぐ配管であっても良いし、貯槽36内の電解水を、例えば毛細管現象で吸い上げて第一霧化装置85へ導く縄や索であっても良い。第一導水経路86a、第二導水経路86b、および第三導水経路86cは、図2に示すように他の導水経路から分岐していても良いし、それぞれが単独で貯槽36に繋がっていても良い。
第二供給部39は、貯槽36に蓄えられている電解水を吸込風路57へ供給する。第二供給部39は、吸込口51と塵埃容器55とを繋ぐ上流側風路57uへ電解水を供給しても良いし、塵埃容器55へ電解水を供給しても良いし、塵埃容器55と電動送風機56とを繋ぐ下流側風路57dへ電解水を供給しても良い。換言すると、第二供給部39は、貯槽36に蓄えられている電解水を吸込口51と塵埃容器55とを繋ぐ上流側風路57u、塵埃容器55の内部、および塵埃容器55と電動送風機56とを繋ぐ下流側風路57dの少なくとも1つへ供給する。
第二供給部39は、電解水を気化させて電解水を吸込口51と塵埃容器55とを繋ぐ上流側風路57u、塵埃容器55の内部、および塵埃容器55と電動送風機56とを繋ぐ下流側風路57dの少なくとも1つへ供給する。そこで、第二供給部39は、電解水を霧状にして上流側風路57u、塵埃容器55、および塵埃容器55と電動送風機56とを繋ぐ下流側風路57dの少なくとも1つへ供給する第二霧化装置87と、貯槽36から第二霧化装置87へ電解水を導く第四導水経路88と、を備えている。
第二霧化装置87は、上流側風路57u自体、または上流側風路57uに繋がる空間に露出していても良いし、塵埃容器55自体、または塵埃容器55に繋がる空間に露出していても良いし、下流側風路57d自体、または下流側風路57dに繋がる空間に露出していても良い。第二霧化装置87は、上流側風路57u、塵埃容器55、下流側風路57dの少なくとも1つへ霧化した電解水を拡散、あるいは撒布する。
ここで、「上流側風路57uに繋がる空間」、「塵埃容器55に繋がる空間」および「下流側風路57dに繋がる空間」は、電動送風機56が生じさせる吸込負圧が作用して空気の流動が十分に生じる部分を含み、また、電動送風機56が生じさせる吸込負圧が作用する一方で、吸込負圧による空気の流動が十分に生じずに流れの淀む部分を含む。
第二霧化装置87は、電解水を加熱して霧化させる加熱式、電解水を超音波で振動させて霧化させる超音波式、ベンチュリー効果を用いたスプレー、例えば霧吹きで電解水を霧化させる方式、コロナ放電を利用して電解水を霧化させる静電霧化、高速回転させたプロペラなどによって電解水を拡散させて水分子を破砕する水破砕式など、種々の霧化方式を利用する。いずれの方式においても、第二霧化装置87は、直径100マイクロメートル以下の微粒子を含むように電解水を霧化し、より好ましくは直径10マイクロメートル以下の微粒子を含むように電解水を霧化する。
第四導水経路88は、例えば貯槽36と第二霧化装置87とを繋ぐ配管であっても良いし、貯槽36内の電解水を、例えば毛細管現象で吸い上げて第二霧化装置87へ導く縄や索であっても良い。また、第四導水経路88は、図2に示すように他の導水経路から分岐していても良いし、第四導水経路88単独で貯槽36に繋がっていても良い。
なお、第二供給部39は、第二霧化装置87に代えて、または加えて、吸込口51と塵埃容器55とを繋ぐ上流側風路57u、塵埃容器55の内部、および塵埃容器55と電動送風機56とを繋ぐ下流側風路57dの少なくとも1つで電解水を気化させる保水体91を備えていても良い。
保水体91は、第二霧化装置87と同じ第四導水経路88、または異なる導水経路を介して貯槽36に繋がれている。保水体91は、導水経路を通じて供給される電解水を吸って、電解水を含んだ状態となる。保水体91の一部は、貯槽36と保水体91とを繋ぐ導水経路を通る電解水に接触している。保水体91の一部は、導水経路を介すことなく貯槽36内の電解水に直接的に接触していても良い。保水体91の他部は、上流側風路57u自体、または上流側風路57uに繋がる空間に露出していても良いし、塵埃容器55自体、または塵埃容器55に繋がる空間に露出していても良いし、下流側風路57d自体、または下流側風路57dに繋がる空間に露出していても良い。
保水体91は、その吸水性によって電解水を保持する。また、保水体91は、その吸水性によって貯槽36と保水体91とを繋ぐ導水経路の電解水を吸い取る。つまり、電気掃除機2は、吸水性を有する部材を電解水に接触させることで、吸込口51と塵埃容器55とを繋ぐ上流側風路57u、塵埃容器55の内部、および塵埃容器55と電動送風機56とを繋ぐ下流側風路57dの少なくとも1つへ電解水を供給する。保水体91は、電解水の供給場所(上流側風路57u、塵埃容器55、または下流側風路57d)が貯槽36よりも高い位置にあっても、毛細管現象によって液体を吸い上げて移動させることができる。保水体91の吸水性の程度や大きさを変えることによって、吸い上げる力と高さとを調節し、過供給を避けることが可能である。なお、保水体91は、貯槽36よりも下方に配置されていても良い。この場合には、電解水は水頭差によって保水体91へ容易に供給される。
保水体91は、例えば織布、または不織布である。保水体91の材料は、綿などの天然繊維、セルロースなどの再生繊維、ポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46などのポリアミド系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維などの合成繊維である。保水体91は、スポンジであっても良い。また、保水体91は、高吸水性高分子(Superabsorbent polymer、SAP、いわゆる吸収性ポリマー、高吸水性樹脂、高分子吸収体)製の部材を一体に有していても良い。高吸水性高分子製の部材を一体に有する保水体91は、より対象の電解水を保水できる。
電解水の気化は、吸込風路57内の気体の蒸気圧が飽和蒸気圧になるまで進行する。気化した電解水は、吸込風路57を通じて塵埃容器55に達し、塵埃容器55に蓄積される塵埃を除菌する。
保水体91は、上流側風路57uおよび塵埃容器55の内部の空気の流れによって電解水を気化させて、塵埃容器55へ電解水を供給することができる。空気の流れによって気化した電解水は、塵埃容器55に蓄積される塵埃を除菌する。また、電解水の一部は、吸込負圧によって塵埃容器55を通過し、電動送風機56に達して電動送風機56の排気を除菌する。また、保水体91は、下流側風路57dの空気の流れによって電解水を気化させて、塵埃容器55を通過し、電動送風機56に達して電動送風機56の排気を除菌する。また、保水体91は、電動送風機56が停止している状態で、上流側風路57u、塵埃容器55の内部、下流側風路57dで電解水を気化させて、塵埃容器55へ電解水を供給することができる。気化した電解水は、吸込風路57内で拡散して塵埃容器55に蓄積される塵埃を除菌する。
第二供給部39を下流側風路57dに設ける場合には、電動送風機56が駆動している状態で電解水を気化させることによって、電動送風機56の排気を除菌することができる。換言すると、第二供給部39を下流側風路57dに設ける場合には、電動送風機56が駆動している最中、電気掃除機2から吹き出る排気を除菌するために、気化した電解水の全量を使用し、かつ電動送風機56が停止している状態で、塵埃容器55に蓄積される塵埃を除菌することができる。
他方、第二供給部39を上流側風路57uまたは塵埃容器55に設ける場合には、第二供給部39は、吸込風路57内の空気の流れによって電解水を気化させて、塵埃容器55へ電解水を供給することができる。吸込風路57内の空気の流れによって気化した電解水は、塵埃容器55に蓄積される塵埃を除菌する。また、塵埃容器55に達した電解水の一部は、吸込負圧によって塵埃容器55を通過し、電動送風機56に達して電動送風機56の排気を除菌する。
電気掃除機2は、吸込風路57に設けられて、吸込負圧で吸込風路57に吸い込まれた電解水(水分)を吸収する吸湿部92を備えている。吸湿部92は、電解水が吸込風路57に吸い込まれた場合には、電動送風機56に達する前に、電解水を吸収して、電動送風機56へ電解水が達することを防ぐ。吸湿部92は、例えば織布、または不織布である。吸湿部92の材料は、綿などの天然繊維、セルロースなどの再生繊維、ポリエステル系繊維、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46などのポリアミド系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維などの合成繊維である。吸湿部92は、スポンジであっても良い。また、吸湿部92は、高吸水性高分子(Superabsorbent polymer、SAP、いわゆる吸収性ポリマー、高吸水性樹脂、高分子吸収体)製の部材を一体に有していても良い。高吸水性高分子製の部材を一体に有する吸湿部92は、より多量の電解水を保水できる。
吸湿部92は、吸込風路57の上流側風路57uに設けられていても良いし、下流側風路57dに設けられていても良い。吸湿部92は、塵埃容器55内に設けられていても良い。吸湿部92は、第二霧化装置87および保水体91よりも空気の流れの下流側に設けられていれば良い。つまり、吸湿部92は、吸込風路57において第二霧化装置87および保水体91よりも電動送風機56に近い。吸湿部92は、吸込風路57に吸い込まれた含塵空気から塵埃を分離する塵埃容器55のフィルターを兼ねていても良い。
図4は、本発明の実施形態に係る自立型掃除機の貯槽の概念図である。
図4に示すように、本実施形態に係る電気掃除機2の貯槽36は、水と塩化物とを投入可能である。貯槽36は、塩化物の水溶液を貯留する。
なお、以下の説明では、第一導水経路86a、第二導水経路86b、第三導水経路86c、および第四導水経路88を、導水経路95と総称する。
貯槽36には、貯槽36に繋がる取水口96を有する導水経路95が繋がれている。貯槽36は、貯槽36への塩化物の投入用の投入口98を有している。投入口98は、貯槽36の天面36cに配置されている。投入口98は、塩化物の他に、電解水を生成するための水、例えば水道水を投入するための投入口でもある。使用者は、水および塩化物を、それぞれ個別に投入口98から貯槽36に投入することもできるし、塩化物を水に溶かした水溶液を、投入口98から貯槽36に投入することもできる。
電解水生成装置37の電極73は、貯槽36の水平方向において、取水口96と投入口98との間に配置されている。
導水経路95は、第一供給部38および第二供給部39の少なくとも一方に繋がっている。換言すると、第一供給部38および第二供給部39は、導水経路95を介して電解水を機外へ供給する。
取水口96は、図4に実線で示すように、貯槽36の底面36aに設けられていても良いし、図4に二点鎖線で示すように、貯槽36の底面36aよりも上方に離れた位置に設けられていても良い。
具体的には、取水口96は、図4に示す第一例の取水口96のように、貯槽36の底面36aに開口している。取水口96は、図4に示す第二例の取水口96aのように、貯槽36の底面36aから離れた位置であって、かつ貯槽36の側壁36bに開口していても良い。また、取水口96は、図4に示す第三例の取水口96bのように、貯槽36の天面36cから底面36aへ向かって延びる導水経路95の開口端であっても良い。導水経路95は、貯槽36の底面36aに達することなく、貯槽36内の空間の途中、つまり電解水の水中で途切れている。なお、導水経路95の貯槽36内の部分は、直線状に延びている必要は無く、屈曲していても良い。例えば、導水経路95は、電解水生成装置37の電極73を避けるように曲がっていても良い。さらに、取水口96は、図4に示す第四例の取水口96cのように、貯槽36の底面36aから天面36cへ向かって延びる導水経路95の開口端であっても良い。導水経路95は、貯槽36の天面36cに達することなく、貯槽36内の空間の途中、つまり電解水の水中で途切れている。
貯槽36の底面36aよりも上方に離れた位置に取水口9は、貯槽36内で塩化物が溶け残っている場合であっても、溶け残った固体状の塩化物rが導水経路95へ容易に流れ出ることを妨げる。
また、図4に示すように、本実施形態に係る電気掃除機2の貯槽36は、貯槽36に投入された塩化物、および水に溶け残った塩化物rが取水口96へ達することを妨げる障壁部97を備えていても良い。
障壁部97は、貯槽36の底面36aから上方へ延びている。障壁部97は、貯槽36の水平方向において、取水口96と貯槽36への塩化物の投入用の投入口98との間に配置されている。
具体的には、障壁部97は、図4に示す第一例の障壁部97aのように、投入口98の真下の領域を囲んでいる。障壁部97aは、投入口98から貯槽36へ投入され、貯槽36の底面36aに達した塩化物が、取水口96の方へ移動することを妨げる。障壁部97aの全周が貯槽36の底面36aから突出していなくても良い。例えば、障壁部97aは、貯槽36の対面する一対の側壁の間に掛かる堤状の壁であっても良い。この場合には、障壁部97aは、貯槽36の側壁と協働して、貯槽36の底面36aに達した塩化物が、取水口96の方へ移動することを妨げる。
また、障壁部97は、図4に示す第二例の障壁部97bのように、取水口96の真上の領域を囲んでいても良い。障壁部97bは、投入口98から貯槽36へ投入され、貯槽36の底面36aに達した塩化物が、取水口96の方へ移動することを妨げる。障壁部97bの全周が貯槽36の底面36aから突出していなくても良い。例えば、障壁部97bは、貯槽36の対面する一対の側壁の間に掛かる堤状の壁であっても良い。この場合には、障壁部97bは、貯槽36の側壁と協働して、貯槽36の底面36aに達した塩化物が、取水口96の方へ移動することを妨げる。
さらに、障壁部97は、図4に示す第三例の障壁部97cのように、電解水生成装置37の電極73を囲んでいても良い。障壁部97cは、障壁部97aのように投入口98の真下にあって、かつ電極73を囲む。なお、電極73を囲む障壁部97cは、次亜塩素酸を含む電解水が通過可能であって、溶け残った塩化物rの流出を防ぐことが可能な網目を有することが好ましい。また、障壁部97cの下半部は、溶け残った塩化物rの流出を妨げる、穴のない壁であることが好ましい。
障壁部97は、貯槽36内で塩化物rが溶け残っている場合であっても、溶け残った固体状の塩化物rが導水経路95へ容易に流れ出ることを妨げる。
さらに、貯槽36が多室型の場合には、投入口98と取水口96とは別々の部屋に繋がっていることが好ましい。
図5は、本発明の実施形態に係る電気掃除装置のブロック図である。
図2から図3に加えて図5に示すように、本実施形態に係る電気掃除機2は、移動部31の電動機46、吸込掃除部48のブラシ用電動機53および電動送風機56、検知部33、制御部35、電解水生成装置37、第一供給部38の第一供給機構部75、第二供給機構部76、および第三供給機構部77、第二供給部39の第二霧化装置87、水量検知部71、濃度測定器72、および二次電池6に加えて通信部101と、電解水生成装置37に電圧を印加する電解水生成用電源部102と、を備えている。
通信部101は、ステーション3に赤外線信号を送信する、例えば赤外線発光素子を含む送信部と、ステーション3やリモートコントローラーからの赤外線信号を受信する、例えばフォトトランジスタを含む受信部と、を備えている。
検知部33のカメラ部65は、例えばデジタルカメラである。つまり、カメラ部65は、撮影した画像を電気信号に変換する撮像素子65a(イメージセンサー)と、撮像素子65aに像を結ぶ(生じさせる)光学系65bと、を備えている。撮像素子65aは、例えば、CCDイメージセンサー(Charge-Coupled Device image sensor)や、CMOSイメージセンサー(Complementary metal-oxide-semiconductor image sensor)である。そのため、電気掃除機2は、カメラ部65で撮影した画像のデジタルデータを即座に取り扱うことができる。つまり、カメラ部65で撮影される画像は、例えば画像処理回路を利用することで所定のデータ形式に圧縮したり、二値画像に変換したり、グレースケールに変換したりすることができる。カメラ部65は、例えば可視光領域の画像を撮影する。可視光領域の画像は、例えば赤外領域の画像に比べて画質が良好であり、複雑な画像処理を施すことなく使用者に視認可能な情報を容易に提供できる。
カメラ部65は、いわゆるステレオカメラである。カメラ部65は、撮影する画像が、電気掃除機2の幅方向の中心線を延長した前方の位置を含む撮影範囲で重なり合っている。カメラ部65は、撮影範囲における奥行き、つまり電気掃除機2からみた離間距離の情報を得ることができる。奥行きの情報を含む画像を「距離画像」と呼ぶ。
カメラ部65には、LED(Light Emitting Diode)や電球などの照明装置が併設されていても良い。照明装置は、カメラ部65の撮影範囲の一部または全部を照らす。照明装置は、家具などの障害物の陰のような暗い場所や、夜間などの暗い環境下であっても、カメラ部65による適切な画像の取得を可能にする。
撮像素子65aの受光面には、多数の画素が並べられている。受光面の各画素は、受けた光を電気信号に変換する。各画素が受けた光の情報を各画素の位置に応じて統合させることで、カメラ部65が撮影した景色を表す画像が得られる。一般的な撮像素子65aは、カラー画像を撮影する。カラー画像は、例えば赤、緑、および青の三つの色を混ぜて表現される。
距離測定装置68は、奥行きの情報を得ようとする範囲に光を照射する発光部68aと、発光部68aから照射された光の反射光を受光する受光部68bと、を備えている。電気掃除機2は、発光部68aの発光開始から受光部68bで反射光を受光するまでの時間差に基づいて電気掃除機2から被検知物までの距離情報を取得できる。発光部68aは、例えば赤外線や、可視光を照射する。
制御部35は、例えば中央処理装置(Central Processing Unit、CPU)、中央処理装置で実行(処理)される各種演算プログラム、パラメータなどを記憶する補助記憶装置(例えば、Read Only Memory、ROM)、プログラムの作業領域が動的に確保される主記憶装置(例えば、Random access memory、RAM)を備えている。補助記憶装置は、例えば不揮発性メモリのように書き換え可能なものであることが好ましい。
制御部35は、移動部31の電動機46、吸込掃除部48のブラシ用電動機53および電動送風機56、検知部33、電解水生成装置37、第一供給部38の第一供給機構部75、第二供給機構部76、および第三供給機構部77、第二供給部39の第二霧化装置87、水量検知部71、濃度測定器72、二次電池6、および通信部101に電気的に接続されている。制御部35は、通信部101を介してステーション3、およびリモートコントローラーから受信する制御信号に応じて吸込掃除部48のブラシ用電動機53および電動送風機56、検知部33、電解水生成装置37、第一供給部38の第一供給機構部75、第二供給機構部76、第三供給機構部77、第二供給部39の第二霧化装置87、水量検知部71、濃度測定器72、および二次電池6を制御する。
制御部35は、電気掃除機2の自律移動を制御する自律移動制御部106と、検知部33の動作を制御する検知制御部107と、を含んでいる。自律移動制御部106、および検知制御部107は、演算プログラムである。
自律移動制御部106は、環境地図情報(Environment Map)を記憶する地図情報記憶部109と、移動部31の電動機46の動作を制御する移動制御部112と、吸込掃除部48のブラシ用電動機53および電動送風機56の動作を制御する吸込掃除制御部113と、拭き掃除部49の拭き掃除部材61を被掃除面fに接している状態と被掃除面fから離間している状態とを切替制御する拭き掃除制御部115と、電解水生成装置37、第一供給部38の第一供給機構部75、第二供給機構部76、第三供給機構部77、および第二供給部39の第二霧化装置87の動作を制御する除菌制御部116と、を備えている。
地図情報記憶部109は、補助記憶装置に確保される記憶領域に構築されたデータ領域である。
環境地図情報は、データの集合であって、適宜のデータ構造を有している。環境地図情報は、被掃除領域Aを適宜のデータ構造でデータ化している。環境地図情報は、補助記憶装置に確保される地図情報記憶部109から主記憶装置に読み込まれて利用され、適宜の更新を経て、地図情報記憶部109へ上書きされる。
環境地図情報は、電気掃除機2の自律移動に用いられる情報であり、少なくとも掃除対象となる被掃除領域Aにおいて、電気掃除機2が移動可能な領域の形状を含む情報である。環境地図情報は、例えば整然と配列された一辺10センチメートルの矩形の集合として構築されている。環境地図情報は、電気掃除機2の使用に際して、事前に準備されるものであっても良いし、Simultaneous Localization and Mapping(SLAM)によって自己位置推定と同時に作成されるものであっても良い。環境地図情報は、掃除運転にともなう移動の過程で作成、および更新されても良い。SLAMで環境地図情報を作成する場合には、電気掃除機2は、検知部33の他に、エンコーダーなどの種々のセンサーを備えていることが好ましい。移動制御部112は、これら検知部33および種々のセンサーから取得する情報に基づいて環境地図情報を作成する。
移動制御部112は、環境地図情報に基づいて移動部31を制御して電気掃除機2を自律で移動させる。移動制御部112は、電動機46に流れる電流の大きさ、および向きを制御して、電動機46を正転、または逆転させる。移動制御部112は、電動機46を正転、または逆転させることで、駆動輪45の駆動を制御している。
吸込掃除制御部113は、ブラシ用電動機53、および電動送風機56を個別に制御する。
除菌制御部116は、第一供給部38の第一開閉弁82を開閉させて貯槽36から拭き拭き掃除部材61へ供給される電解水の供給量を制御する。また、除菌制御部116は、第一供給部38の第一開閉弁82を開閉させて貯槽36から被掃除面fへ供給される電解水の供給量を制御する。さらに、除菌制御部116は、第一供給部38の第一霧化装置85の動作をオン/オフ(入り切り、駆動/停止)させて貯槽36から電気掃除機2の周囲へ供給される電解水の供給量を制御する。また、除菌制御部116は、第二供給部39の第二霧化装置87の動作をオン/オフ(入り切り、駆動/停止)させて貯槽36から吸込風路57へ供給される電解水の供給量を制御する。
検知制御部107は、カメラ部65の動作を制御する。検知制御部107は、所定の時間間隔毎にカメラ部65に画像を撮影させる。検知制御部107は、カメラ部65で撮影された画像を検知結果記憶部118に記憶する。カメラ部65で撮影された画像は、検知結果記憶部118は、主記憶装置に確保されている。検知結果記憶部118は、カメラ部65で撮影された画像を記憶する。検知結果記憶部118は、複数の画像を記憶可能な容量を有している。
検知結果記憶部118は、カメラ部65で撮影された画像を表す画像情報を無加工で記憶しても良いし、画像の解析処理に必要な情報を残す限りにおいてデータサイズを減らすように加工した画像情報を記憶しても良い。検知結果記憶部118に記憶される画像情報は、例えば、カメラ部65で撮影された画像をグレースケールに変換した画像(以下、カメラ部65で撮影された元の画像と同じく画像と呼ぶ。)であっても良い。グレースケール画像の場合には、画像の画素値は輝度値と一致する。グレースケールに変換した画像を保存する場合には、制御部35は、元画像を記憶する場合に比べて、検知結果記憶部118に割り当てるメモリ領域の容量(リソース)を少量で済ませることが可能である。また、グレースケールに変換した画像を以後の解析処理に使用する場合には、制御部35は、元画像を処理する場合に比べて中央処理装置の負荷を軽減できる。画像のグレースケール化を含む画像処理は、カメラ部65で実行されても良い。カメラ部65で画像処理を実行することによって、中央処理装置の負荷が軽減される。
また、検知制御部107は、照明装置の点灯と消灯とを制御する。照明装置は、画像を明るくして解析処理の容易化と精度向上とを容易にする。
さらに、検知制御部107は、近接検知部66の検出結果、つまり被検知物が本体21に接近したこと、およびその時の被検知物と本体21との離間距離を検知結果記憶部118に記憶する。検知制御部107は、接触検知部67の検出結果、つまり被検知物が本体21に接触したことを検知結果記憶部118に記憶する。これら検知結果記憶部118に記憶される情報は、環境地図情報に関連付けられて電気掃除機2の自律移動における移動経路の最適化に利用することができる。
水量検知部71は、接触式、または非接触式のいずれであっても良い。接触式の水量検知部71は、例えば、貯槽36内に設けられるフロート(浮き)の垂直方向における位置に基づいて水位を計測するフロート式、一対の電極間の静電容量を検出して水位を計測する静電容量式、など既知の方式を採用できる。非接触式の水量検知部71は、例えば、電波、超音波、または光波を用いて水位を計測する既知の方式を採用できる。
なお、電解水生成装置37の電極73を水量検知部71に兼用することができる。垂直方向に拡がる電極73は、貯槽36の水位(電解水の液位)の変化にともなって、水中(電解水の液中)に没する部位と、貯槽36内の気体に晒される部位との割合が変化する。この割合の変化は、電極73の正極と負極との間に流れる電流値を変化させる。そこで、電極73の正極と負極との間に流れる電流値の変化に基づいて、貯槽36に蓄えられている水の量が推定される。
濃度測定器72は、例えば、光の屈折現象を利用して水溶液中の塩化物の濃度を測定する屈折計や、水溶液中の塩化物の濃度と水溶液の導電率との関係から水溶液中の塩化物の濃度を測定する電気伝導率計である。
ところで、貯槽36に水と固体の塩化物とを投入して塩化物を水に溶かし、塩化物の水溶液を電気分解して電解水を生成する場合には、塩化物の一部が水に溶けずに残留する可能性がある。溶け残った塩化物は、固体の状態で貯槽36の底面に溜まる。この溶け残った塩化物は、貯槽36から流れ出して第一供給部38や第二供給部39に流れ込む虞がある。
仮に第一供給部38に溶け残った塩化物が流れ込んだ場合には、固体状態の塩化物が第一導水経路86a、第二導水経路86b、および第三導水経路86cの少なくとも一方を詰まらせてしまう虞がある。第一導水経路86a、第二導水経路86b、および第三導水経路86cの少なくとも一方が詰まってしまうと、被掃除面fおよび被掃除領域Aの雰囲気への電解水の供給が断たれてしまう虞がある。
また、仮に第二供給部39に溶け残った塩化物が流れ込んだ場合には、固体状態の塩化物が第四導水経路88を詰まらせてしまう虞がある。第四導水経路88が詰まってしまうと、吸込風路57への電解水の供給が断たれてしまう虞がある。
そこで、除菌制御部116は、濃度測定器72の測定結果が閾値以上の場合には、第一供給部38、および第二供給部39に電解水の機外への供給を禁じる。つまり、除菌制御部116は、濃度測定器72の測定結果が閾値以上の場合には、第一供給部38の第一開閉弁82を閉じて貯槽36から拭き拭き掃除部材61へ供給される電解水の供給を禁じる。また、除菌制御部116は、濃度測定器72の測定結果が閾値以上の場合には、第一供給部38の第一開閉弁82を閉じて貯槽36から被掃除面fへ供給される電解水の供給を禁じる。さらに、除菌制御部116は、濃度測定器72の測定結果が閾値以上の場合には、第一供給部38の第一霧化装置85の動作をオフ(切り、停止)させて貯槽36から電気掃除機2の周囲へ供給される電解水の供給を禁じる。また、除菌制御部116は、濃度測定器72の測定結果が閾値以上の場合には、第二供給部39の第二霧化装置87の動作をオフ(切り、停止)させて貯槽36から吸込風路57へ供給される電解水の供給を禁じる。
電解水の供給を禁じるか否かを判断するための閾値は、飽和濃度を基準に設定される。閾値は、例えば塩化ナトリウムの飽和濃度の8割程度に設定される。
電解水生成用電源部102は、電解水生成装置37の電極73に電圧を印加する。電解水生成用電源部102は、二次電池6に充電された電力を電解水の生成に好適な電圧に変換して電極73に印加する。
以上のように、本実施形態に係る電気掃除機2は、水と塩化物とを投入可能であり、かつ塩化物の水溶液を貯留する貯槽36と、濃度測定器72の測定結果が閾値以上の場合には、第一供給部38および第二供給部39に電解水の機外への供給を禁じる。そのため、電気掃除機2は、塩化物が飽和して溶け残っていることが疑われる場合や、高濃度の塩化物の水溶液を被掃除面fに撒布してしまい、水分が蒸発して残った残渣、つまり塩化物が被掃除面fに悪影響を及ぼすとこを防ぐことができる。
また、本実施形態に係る電気掃除機2は、貯槽36の底面36aよりも上方に離れた位置に設けられる取水口96Aを有する導水経路95を備えている。そのため、電気掃除機2は、貯槽36内で塩化物が溶け残ったとしても、溶け残った固体の塩化物が導水経路95へ流れ出ることを防ぎ、かつ被掃除面fへの固体の塩化物を撒布することがない。
さらに、本実施形態に係る電気掃除機2は、貯槽36に投入された塩化物、および水に溶け残った塩化物が取水口96へ達することを妨げる障壁部97を備えている。そのため、電気掃除機2は、貯槽36内で塩化物が溶け残ったとしても、溶け残った固体の塩化物が導水経路95へ流れ出ることを防ぎ、かつ被掃除面fへの固体の塩化物を撒布することがない。
したがって、本実施形態に係る電気掃除機2によれば、水と塩化物を投入する貯槽36から、溶け残った塩化物が流れ出ることを確実に抑制することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…電気掃除装置、2…電気掃除機、3…ステーション、6…二次電池、7…電源コード、8…充電回路、21…本体、31…移動部、32…掃除部、33…検知部、35…制御部、36…貯槽、36a…底面、36b…側壁、36c…天面、37…電解水生成装置、38…第一供給部、39…第二供給部、41…本体ケース、42…バンパー、45…駆動輪、46…電動機、47…従動輪、48…吸込掃除部、49…掃除部、51…吸込口、52…回転ブラシ、53…ブラシ用電動機、55…塵埃容器、56…電動送風機、57…吸込風路、57u…上流側風路、57d…下流側風路、58…排気風路、61…掃除部材、62…掃除部材取付部、65…カメラ部、65a…撮像素子、65b…光学系、66…近接検知部、67…接触検知部、68…距離測定装置、68a…発光部、68b…受光部、71…水量検知部、72…濃度測定器、73…電極、75…第一供給機構部、76…第二供給機構部、77…第三供給機構部、81…第一供給口、82…第一開閉弁、83…第二供給口、84…第二開閉弁、85…第一霧化装置、86a…第一導水経路、86b…第二導水経路、86c…第三導水経路、87…第二霧化装置、88…第四導水経路、91…保水体、92…吸湿部、95…導水経路、96…取水口、97、97a、97b、97c…障壁部、98…投入口、101…通信部、102…電解水生成用電源部、106…自律移動制御部、107…検知制御部、109…地図情報記憶部、112…移動制御部、113…吸込掃除制御部、115…拭き掃除制御部、116…除菌制御部、118…検知結果記憶部。

Claims (4)

  1. 水と塩化物とを投入可能であり、かつ前記塩化物の水溶液を貯留する貯槽と、
    前記貯槽に繋がる取水口を有する導水経路と、
    前記水溶液を電気分解して次亜塩素酸を含む電解水を生成する電解水生成部と、
    前記電解水を機外へ供給する供給部と、
    前記貯槽内の前記水溶液に溶けた前記塩化物の濃度を測定する濃度測定器と、
    前記濃度測定器の測定結果が閾値以上の場合には、前記供給部に前記電解水の機外への供給を禁じる制御部と、を備える電気掃除機。
  2. 前記導水経路は、前記貯槽の底面よりも上方に離れた位置に設けられる取水口を有する請求項1に記載の電気掃除機。
  3. 前記貯槽に投入された塩化物、および前記水に溶け残った前記塩化物が前記取水口へ達することを妨げる障壁部を備える請求項1または2に記載の電気掃除機。
  4. 前記供給部を有する本体と、
    前記本体を移動させる移動部と、
    前記移動部を制御して前記本体を自律で移動させる制御部と、を備える請求項1から3のいずれか1項に記載の電気掃除機。
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