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JP2021062716A - 車体フレームの製造方法 - Google Patents

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JP2021062716A JP2019187975A JP2019187975A JP2021062716A JP 2021062716 A JP2021062716 A JP 2021062716A JP 2019187975 A JP2019187975 A JP 2019187975A JP 2019187975 A JP2019187975 A JP 2019187975A JP 2021062716 A JP2021062716 A JP 2021062716A
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智仁 前田
Tomohito Maeda
智仁 前田
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Yamaha Motor Co Ltd
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Abstract

【課題】互いに異なる乗り心地を有する複数種類の鞍乗型車両を低コストかつ高い精度で製造することを可能にする車体フレームの製造方法を提供する。【解決手段】複数種類の鞍乗型車両に共通に用いることが可能な複数のメインフレーム部材1Mが作製される。各メインフレーム部材1Mには、ピボット軸支持部90L,90Rが設けられる。ピボット軸支持部90L,90Rは、ピボット孔91を形成可能でかつピボット軸の頭部よりも大きい面積を有する孔形成可能部分を含む。ピボット軸支持部90L,90Rのうち一方は、ピボット孔91に挿入されたピボット軸の頭部の回転を規制する回転規制部分を含む。メインフレーム部材1Mの孔形成可能部分のうち車両の種類に応じて予め定められた位置にピボット孔91が形成される。車両の種類に応じて予め定められた複数のメインフレーム部材1Mの複数のピボット孔91の位置は互いに異なる。【選択図】図1

Description

本発明は、複数種類の鞍乗型車両に用いられる車体フレームの製造方法に関する。
自動二輪車の各種設計項目のうち乗り心地に影響を及ぼす要素としてキャスタ角が挙げられる。キャスタ角は、路面からの垂線とヘッドパイプに支持されるステアリング軸との間の角度である。キャスタ角が大きいほど車両の直進安定性が高まり、キャスタ角が小さいほど車両の旋回の応答性が向上する。
自動二輪車の乗り心地に影響を及ぼす要素としては、上記のキャスタ角に限らず、車体フレームにおけるピボット軸の支持位置も挙げられる。特許文献1には、自動二輪車が走行するコース等に応じて自動二輪車の車体フレームにおけるピボット軸の支持位置を変更するための構成が記載されている。具体的には、特許文献1に記載された車体フレームには、ピボット軸の取付部が設けられている。ピボット軸の取付部には、車体の幅方向に貫通する支持孔が形成されている。
その支持孔に嵌め込むことが可能な複数種類の支持部材が用意される。それらの支持部材は、支持孔に嵌め込まれた状態でピボット軸が挿入されるとともにそのピボット軸を支持する貫通孔を有する。
複数種類の支持部材においては、貫通孔が形成されている位置は互いに異なるように設定される。この構成によれば、車体フレームの支持孔に複数種類の支持部材のいずれかを選択的に嵌め込むことにより、ピボット軸の支持位置を所望の位置に調整することが可能になる。
実用新案登録第2570820号公報
従来、複数種類の自動二輪車の製造は、自動二輪車の種類ごとにその自動二輪車に求められる乗り心地に応じた車体フレームを作製することにより行われてきた。これに対して、共通に設計された車体フレームを用いて複数種類の自動二輪車を作製することができれば、複数種類の自動二輪車の製造コストを低減することができると考えられる。
共通に設計された車体フレームを用いて自動二輪車の各種類に対応する乗り心地を得るためには、例えばピボット軸の支持位置を自動二輪車の種類ごとに調整する必要がある。そこで、共通に設計された車体フレームに特許文献1に記載された支持孔を設けるとともに、自動二輪車の種類に応じた支持部材をその支持孔に取り付ける方法が考えられる。しかしながら、車体フレームに支持部材を介してピボット軸が支持される構成では、車体フレームに直接ピボット軸が支持される構成に比べてピボット軸の支持位置の寸法誤差が大きくなる。
また、車体フレームの作製とは別に、支持部材を作製する工程および支持部材を車体フレームの支持孔に嵌め込む工程が必要となるため、実際には複数種類の自動二輪車の製造コストを低減することは難しい。
本発明の目的は、互いに異なる乗り心地を有する複数種類の鞍乗型車両を低コストかつ高い精度で製造することを可能にする車体フレームの製造方法を提供することである。
(1)本発明に係る車体フレームの製造方法は、複数種類の鞍乗型車両に共通に用いることが可能な複数のメインフレーム部材を作製するステップと、各メインフレーム部材にピボット軸を取付可能なピボット孔を形成するステップとを含み、各メインフレーム部材は、ピボット孔を形成可能でかつピボット軸の頭部よりも大きい面積を有する孔形成可能部分と、ピボット孔に挿入されたピボット軸の頭部の回転を規制する回転規制部分とを含み、各メインフレーム部材にピボット孔を形成するステップは、各メインフレーム部材の孔形成可能部分のうち鞍乗型車両の種類に応じて予め定められた位置にピボット孔を形成することを含み、鞍乗型車両の種類に応じて予め定められる複数のメインフレーム部材の複数のピボット孔の位置は互いに異なる。
その車体フレームの製造方法においては、複数種類の鞍乗型車両に共通に用いられる複数のメインフレーム部材が作製される。作製された各メインフレーム部材には、孔形成可能部分および回転規制部分が含まれる。
ここで、孔形成可能部分はピボット軸の頭部よりも大きい面積を有する。そのため、孔形成可能部分においては、鞍乗型車両の種類に応じて互いに異なる複数の位置にピボット孔が形成可能となっている。これにより、各メインフレーム部材について、孔形成可能部分のうち鞍乗型車両の種類に応じた予め定められた位置にピボット孔が形成される。この場合、複数種類の鞍乗型車両について、共通のメインフレーム部材を用いることができるので、複数種類の鞍乗型車両についての複数の車体フレームの作製に要するコストが低減される。
また、ピボット軸を車体フレームにおける所望の位置に配置するために、スペーサ等の他の部材を用意する必要がない。それにより、ピボット軸の支持位置の寸法誤差が大きくなることが低減される。
さらに、上記の各メインフレーム部材の構成によれば、ピボット軸をメインフレーム部材に取り付ける際に、ピボット軸の頭部の回転が回転規制部分により規制されるので、ピボット孔へのピボット軸の取付が容易になる。
これらの結果、互いに異なる乗り心地を有する複数種類の鞍乗型車両を低コストかつ高い精度で製造することが可能になる。
(2)各メインフレーム部材は、ヘッドパイプを構成するとともにヘッドパイプから左右に広がりつつ後方かつ下方に延びる左右一対のメインレールを含み、孔形成可能部分は、左右のメインレールの互いに対向する部分の各々に形成され、回転規制部分は、左右のメインレールのうち一方の孔形成可能部分に形成されてもよい。
この場合、左右のメインレールの互いに対向する部分の各々に孔形成可能部分が形成される。したがって、左右のメインレールの互いに対向する部分の間にリアアームを配置し、左右のピボット孔およびリアアームを通るようにピボット軸を車体フレームに取り付けることができる。また、この取付時には、左右のメインレールのうち一方の孔形成可能部分に形成された回転規制部分によりピボット軸の回転が規制される。それにより、車体フレームにリアアームを容易に取り付けることができる。
(3)ピボット軸の頭部は、長円形状を有し、回転規制部分は、ピボット軸の頭部を嵌め込むことが可能でかつ第1の方向に延びるように形成され、回転規制部分の第1の方向の長さは、ピボット軸の頭部の最大寸法よりも大きく、回転規制部分の第1の方向に直交する第2の方向の長さは、ピボット軸の頭部の最大寸法よりも小さくてもよい。
この場合、第1の方向に延びる回転規制部分の複数の位置を、ピボット孔を形成するための位置として定めることができる。
(4)各メインフレーム部材は、孔形成可能部分を取り囲みかつ当該メインフレーム部材の側方に向かって突出する補強部をさらに含んでもよい。
この場合、各メインフレーム部材において、ピボット孔周辺の剛性が補強部により向上される。したがって、車体フレームに対するピボット軸の取付状態がより安定化する。
(5)車体フレームの製造方法は、作製された各メインフレーム部材にリアフレーム部材を取り付けるステップと、リアフレーム部材を取り付けるステップの後、メインフレーム部材およびリアフレーム部材を塗装するステップとをさらに含んでもよい。
この場合、メインフレーム部材の塗装とリアフレーム部材の塗装とを個別に行う必要がない。したがって、鞍乗型車両の製造工程数を低減することが可能となり、鞍乗型車両の製造コストをさらに低減することができる。
本発明によれば、互いに異なる乗り心地を有する複数種類の鞍乗型車両を低コストかつ高い精度で製造することが可能となる。
本発明の一実施の形態に係る車体フレームの製造方法の概略を説明するための図である。 図1の各メインフレーム部材の左右のピボット孔に取り付けられるピボット軸の一例を説明するための外観斜視図である。 図2のピボット軸の頭部の形状を示す平面図である。 ピボット軸支持部の詳細を説明するための図である。 ピボット軸支持部の詳細を説明するための図である。 図4のメインフレーム部材を用いた自動二輪車の乗り心地に関する一設定例を説明するための側面図である。 図5のメインフレーム部材を用いた自動二輪車の乗り心地に関する他の設定例を説明するための側面図である。 図4のメインフレーム部材を備える自動二輪車の具体的な構成を示す側面図である。 図8のQ−Q線断面図である。 車体フレームの塗装方法の一例を示す外観斜視図である。
以下、本発明の一実施の形態に係る車体フレームの製造方法について図面を参照しつつ説明する。本実施の形態に係る車体フレームは、複数種類の鞍乗型車両に用いられる車体フレームである。その車体フレームには、リアアーム(スイングアーム)を支持するピボット軸を取り付け可能なピボット孔が形成される。
[1]車体フレームの製造方法の概略
図1は、本発明の一実施の形態に係る車体フレームの製造方法の概略を説明するための図である。本実施の形態に係る車体フレームは、鞍乗型車両の一例として自動二輪車に用いられ、主としてメインフレーム部材1Mおよび後述するリアフレーム部材1R(図8)から構成される。メインフレーム部材1Mは、複数種類の自動二輪車に共通に用いることが可能である。
まず、メインフレーム部材1Mを作製するために、図1の上段左の領域に示すように、左右一対のメインレール1ML,1MRがそれぞれ個別に作製される。左のメインレール1MLは、湾曲しつつ一方向に延びる金属製の単一部材であり、第1の端部L1および第2の端部L2を有する。第1の端部L1は、車体フレームのうち後述するヘッドパイプHPの左部分を構成するように形成されている。メインレール1MLの第2の端部L2の近傍には、ピボット軸支持部90Lが形成されている。ピボット軸支持部90Lの詳細は後述する。
右のメインレール1MRは、基本的にメインレール1MLに対して面対称となるように形成された金属製の単一部材である。メインレール1MRは、メインレール1MLの第1の端部L1および第2の端部L2にそれぞれ対応する第3の端部R1および第4の端部R2を有する。第3の端部R1は、車体フレームのうち後述するヘッドパイプHPの右部分を構成するように形成されている。メインレール1MRの第4の端部R2の近傍には、ピボット軸支持部90Rが形成されている。ピボット軸支持部90Rの詳細は後述する。
次に、図1の上段右の領域に示すように、左のメインレール1MLの第1の端部L1と右のメインレール1MRの第3の端部R1とが、図示しない複数のボルトおよび複数のナットを用いて互いに接続される。この場合、左のメインレール1MLの第1の端部L1と右のメインレール1MRの第3の端部R1とによりヘッドパイプHPが形成され、メインフレーム部材1Mが作製される。複数のメインレール1MLおよび複数のメインレール1MRがそれぞれ接続されることにより、複数のメインフレーム部材1Mが順次作製される。
図1以降の各図では、メインフレーム部材1Mの前後方向FB、左右方向LRおよび上下方向UDが適宜矢印で示される。前後方向FBにおいて矢印が向かう方向を前方と呼び、その逆の方向を後方と呼ぶ。また、左右方向LRにおいて矢印が向かう方向を左方と呼び、その逆の方向を右方と呼ぶ。さらに、上下方向UDにおいて矢印が向かう方向を上方と呼び、その逆の方向を下方と呼ぶ。図1以降の各図においては、前方、後方、左方、右方、上方および下方が、符号F,B,L,R,U,Dによりそれぞれ示される。なお、メインフレーム部材1Mの前後方向FB、左右方向LRおよび上下方向UDは、当該メインフレーム部材1Mが自動二輪車に設けられた場合のその自動二輪車の前後方向FB、左右方向LRおよび上下方向UDとそれぞれ同じである(図6〜図8参照)。
各メインフレーム部材1Mの左右のメインレール1ML,1MRは、ヘッドパイプHPから左右方向LRに広がりつつ後方かつ下方に向かって延びている。メインフレーム部材1Mにおいては、ピボット軸支持部90Lとピボット軸支持部90Rとが左右方向LRで互いに対向する。
複数のメインフレーム部材1Mが作製された後、各メインフレーム部材1Mの左右のピボット軸支持部90L,90Rにピボット孔91が形成される。メインフレーム部材1Mの側面視で、各メインフレーム部材1Mに形成される左右のピボット孔91の位置は、当該メインフレーム部材1Mが用いられる自動二輪車の乗り心地に影響を及ぼす。そのため、本実施の形態においては、各メインフレーム部材1Mに形成される左右のピボット孔91の形成位置は、そのメインフレーム部材1Mが用いられる自動二輪車の種類に応じて定められる。したがって、複数のメインフレーム部材1Mが複数種類の自動二輪車にそれぞれ用いられる場合には、図1の下段の領域に示すように、複数(本例では2つ)のメインフレーム部材1M間で側面視におけるピボット孔91の位置が異なる可能性がある。
なお、上記の例では、各メインフレーム部材1Mの左右のピボット孔91は、左右のメインレール1ML,1MRが互いに接続された後、すなわちメインフレーム部材1Mが作製された後に形成されるが、本発明はこれに限定されない。例えば、各メインフレーム部材1Mの左右のピボット孔91は、左右のメインレール1ML,1MRが互いに接続される前、すなわち互いに接続される前の左右のメインレール1ML,1MRにそれぞれ個別に形成されてもよい。
[2]ピボット軸
図2は図1の各メインフレーム部材1Mの左右のピボット孔91に取り付けられるピボット軸の一例を説明するための外観斜視図であり、図3は図2のピボット軸PVの頭部P1の形状を示す平面図である。
本例のピボット軸PVは、中空軸であり、図2に示すように、頭部P1、軸部P2およびねじ部P3を有する。軸部P2は、ピボット孔91に挿入可能となるように、ピボット孔91の内径に対応する一定の外径を有する。また、軸部P2は、左右のピボット軸支持部90L,90Rを連結可能となるように、左右のピボット軸支持部90L,90R間の距離に対応する長さを有する。頭部P1は軸部P2の一端部に形成され、ねじ部P3は軸部P2の他端部に形成されている。ねじ部P3は、後述するナットPNを取り付け可能な雄ねじを構成する。なお、ピボット軸PVは、中実軸であってもよい。
図3に示すように、ピボット軸PVの頭部P1は、そのピボット軸PVの軸方向に見た場合に長円形状を有する。ここで、図3のピボット軸PVの頭部P1の外縁のうち直線状に延びかつピボット軸PVの軸心を挟んで互いに対向する2つの部分を被規制部分111a,111bと呼ぶ。また、図3のピボット軸PVの頭部P1の外縁のうち円弧状に延びかつピボット軸PVの軸心を挟んで互いに対向する2つの部分を円弧部分112a,112bと呼ぶ。
この場合、円弧部分112a,112bを通る直線の最大長さ(頭部P1の最大寸法)LD1は、被規制部分111a,111bを通る直線の最小長さLD2に比べて大きい。
メインフレーム部材1Mに対するピボット軸PVの取付時には、ねじ部P3がピボット軸支持部90Rに向くように、ピボット軸PVがメインフレーム部材1Mの右方に配置される。また、図2に太い一点鎖線の矢印a1で示すように、ピボット軸PVがメインフレーム部材1Mの右方から右のピボット孔91および左のピボット孔91に順に挿入される。このとき、ピボット軸PVのねじ部P3が左のピボット孔91の左方に突出する。そこで、図2に太い点線の矢印a2で示すように、ピボット軸PVのねじ部P3にナットPNが取り付けられる。それにより、ピボット軸PVがメインフレーム部材1Mに固定される。ナットPNは、ピボット軸PVの頭部P1とほぼ同じサイズの外形を有する。
なお、ピボット軸PVは、図2のメインフレーム部材1Mを基準として左右方向LRに反転された状態で、左のピボット孔91および右のピボット孔91に順に挿入されることによりメインフレーム部材1Mに取り付けられてもよい。この場合、ピボット軸PVの頭部P1は左のピボット軸支持部90Lに固定され、ピボット軸PVのねじ部P3はナットPNにより右のピボット軸支持部90Rに固定される。そのため、ピボット軸支持部90L,90Rの後述する孔形成可能部分92(図4および図5参照)の構造は、互いに逆になる。
[3]ピボット軸支持部90L,90Rの詳細
図4および図5は、ピボット軸支持部90L,90Rの詳細を説明するための図である。図4では、図1の下段左の領域に記載されたメインフレーム部材1Mの外観斜視図が示される。また、左のピボット軸支持部90Lの左側面図および右のピボット軸支持部90Rの右側面図が、ピボット軸支持部90L,90Rにそれぞれ対応する吹き出し内に示される。図5では、図1の下段右の領域に記載されたメインフレーム部材1Mの外観斜視図が示される。また、左のピボット軸支持部90Lの左側面図および右のピボット軸支持部90Rの右側面図が、ピボット軸支持部90L,90Rにそれぞれ対応する吹き出し内に示される。
以下の説明では、左のメインレール1MLの左側面のうち第2の端部L2の近傍でかつピボット軸支持部90Lに隣り合う部分を左基準面LSと呼ぶ。また、右のメインレール1MRの右側面のうち第4の端部R2の近傍でかつピボット軸支持部90Rに隣り合う部分を右基準面RSと呼ぶ。また、メインフレーム部材1Mの側面視で、第2の端部L2および第4の端部R2よりも所定距離上方の位置から第2の端部L2および第4の端部R2に向かってメインレール1MLが延びる方向を第1の方向dr1と呼ぶ。さらに、メインフレーム部材1Mの側面視で第1の方向dr1に直交する方向を第2の方向dr2と呼ぶ。
図4および図5に示すように、左のピボット軸支持部90Lは、孔形成可能部分92および補強部93を含む。図4および図5では、孔形成可能部分92および補強部93の形状の理解を容易にするために、孔形成可能部分92に濃いハッチングが付され、補強部93に薄いハッチングが付されている。
左のピボット軸支持部90Lの孔形成可能部分92は、メインフレーム部材1Mの側面視で、ピボット軸PVの頭部P1よりも大きい面積を有し、第1の方向dr1に延びる長円形状を有する。孔形成可能部分92の第1の方向dr1の長さLD11は、ピボット軸PVの頭部P1の最大長さLD1(図3)よりも十分に大きい。一方、孔形成可能部分92の第2の方向dr2の長さLD12は、ピボット軸PVの頭部P1の最大長さLD1(図3)よりもわずかに大きい。さらに、左の孔形成可能部分92のうちメインフレーム部材1Mの左方を向く面は平坦に形成されている。
左のピボット軸支持部90Lの補強部93は、メインフレーム部材1Mの側面視で孔形成可能部分92を取り囲むようにかつその孔形成可能部分92および左基準面LSから左方に突出するように形成されている。それにより、補強部93は、左の孔形成可能部分92の剛性を向上させるリブとして機能する。また、左のピボット軸支持部90Lにおいては、孔形成可能部分92および補強部93は、その補強部93の内側の空間に図2のナットPNの少なくとも一部を収容することが可能となるように形成されている。なお、左の補強部93は必ずしも左方に突出するように形成されなくてもよい。左の補強部93の左方を向く部分と左基準面LSとは面一であってもよい。
右のピボット軸支持部90Rは、基本的に、前後方向FBに延びる鉛直面に関して左のピボット軸支持部90Lに対称となるように形成されている。そのため、ピボット軸支持部90Rは、ピボット軸支持部90Lと同様に、孔形成可能部分92および補強部93を有する。
具体的には、右のピボット軸支持部90Rの孔形成可能部分92は、メインフレーム部材1Mの側面視で、ピボット軸PVの頭部P1よりも大きい面積を有し、第1の方向dr1に延びる長円形状を有する。また、右の孔形成可能部分92のうちメインフレーム部材1Mの右方を向く面は平坦に形成されている。さらに、右のピボット軸支持部90Rの補強部93は、孔形成可能部分92を取り囲むようにかつその孔形成可能部分92および右基準面RSから右方に突出するように形成されている。なお、右の補強部93は、左の補強部93と同様に、必ずしも右方に突出するように形成されなくてもよい。右の補強部93の右方を向く部分と右基準面RSとは面一であってもよい。
ここで、右のピボット軸支持部90Rには、さらに回転規制部分94が設けられている。回転規制部分94は、右の孔形成可能部分92の内側で右方に向かってくぼむように形成され、第1の方向dr1に延びる長円形状を有する。図4および図5では、回転規制部分94の形状の理解を容易にするために、回転規制部分94にドットパターンが付されている。
回転規制部分94は、メインフレーム部材1Mの側面視で、ピボット軸PVの頭部P1よりも大きい面積を有する。回転規制部分94の第1の方向dr1の長さLD21は、ピボット軸PVの頭部P1の最大長さLD1(図3)よりも大きく、孔形成可能部分92の第1の方向dr1の長さLD11よりも小さい。一方、回転規制部分94の第2の方向dr2の長さLD22は、ピボット軸PVの頭部P1の最小長さLD2(図3)よりもわずかに大きく、ピボット軸PVの頭部P1の最大長さLD1(図3)よりも小さい。
ここで、回転規制部分94の内縁のうち第1の方向dr1に平行に直線状に延びかつ互いに対向する2つの部分を規制部分113a,113bと呼ぶ。上記の長さLD22は、2つの規制部分113a,113b間の距離に相当する。
回転規制部分94においては、図2に示すように、ピボット軸PVが左右のピボット孔91に挿入されることにより、そのピボット軸PVの頭部P1が回転規制部分94に嵌め込まれる。この場合、回転規制部分94の寸法と頭部P1の寸法との関係によれば、図3の頭部P1の被規制部分111a,111bは回転規制部分94の規制部分113a,113bにそれぞれ近接することになる。
それにより、ピボット軸PVにナットPNを取り付ける際にピボット軸PVに回転力が加わる場合でも、頭部P1の被規制部分111a,111bが回転規制部分94の規制部分113a,113bに当接することによりピボット軸PVの回転が規制される。したがって、メインフレーム部材1Mに対するピボット軸PVの取付作業が容易になる。
メインフレーム部材1Mの側面視で、孔形成可能部分92の中心部92Cを通って第1の方向dr1に平行に延びる直線を仮想線VL1と呼ぶ。上記のように、孔形成可能部分92および回転規制部分94は、メインフレーム部材1Mの側面視で、ともにピボット軸PVの頭部P1よりも大きい面積を有しかつ第1の方向dr1に延びるように形成されている。このような構成によれば、メインフレーム部材1Mの側面視で、孔形成可能部分92内の仮想線VL1上の所望の位置にピボット孔91を形成することが可能である。図4の例では、左右のメインレール1ML,1MRにおいて、ピボット孔91は、その中心が孔形成可能部分92の中心部92Cよりもやや上方に位置するように形成されている。一方、図5の例では、ピボット孔91は、その中心が孔形成可能部分92の中心部92Cよりもやや下方に位置するように形成されている。
[4]車両の種類に応じた各種設定例
図6は図4のメインフレーム部材1Mを用いた自動二輪車の乗り心地に関する一設定例を説明するための側面図であり、図7は図5のメインフレーム部材1Mを用いた自動二輪車の乗り心地に関する他の設定例を説明するための側面図である。図6および図7では、自動二輪車の複数の構成要素のうちの一部が示される。具体的には、図6および図7においては、自動二輪車が備える複数の構成要素のうちフロントフォーク2、前輪3、ハンドル4、エンジン5、リアアーム6および後輪7が示される。
フロントフォーク2は、メインフレーム部材1MのヘッドパイプHPに左右方向LRに揺動可能に取り付けられる。前輪3はフロントフォーク2の下端部に回転可能に支持される。ハンドル4は、フロントフォーク2の上端部に取り付けられる。エンジン5は、ヘッドパイプHPよりも下方の位置でメインフレーム部材1Mにより支持される。リアアーム6は、メインフレーム部材1Mの後端部にピボット軸PVを用いて接続され、後方に延びている。後輪7はリアアーム6の後端部に回転可能に支持される。
自動二輪車の乗り心地に影響を及ぼす要素としてキャスタ角が挙げられる。キャスタ角は、路面からの垂線VLとメインフレーム部材1MのヘッドパイプHPにより支持されるステアリング軸ssの軸心2axとの間の角度である。図6および図7では、キャスタ角が符号A11で示される。
また、自動二輪車の乗り心地に影響を及ぼす要素として、水平面HSに対するリアアーム6の軸心6axの傾斜角度(以下、アーム傾斜角と呼ぶ。)が挙げられる。図6および図7では、アーム傾斜角が符号A12で示される。アーム傾斜角A12は、主としてメインフレーム部材1Mに形成されるピボット孔91の位置に応じて定まる。自動二輪車について狙いの乗り心地および運動特性等が得られるように、アーム傾斜角A12が定められる。アーム傾斜角A12は、図6および図7に矢印で示される許容アーム傾斜角範囲A13内で設定される。
図6の自動二輪車においてはキャスタ角A11が比較的大きく設定されている。この状態で、アーム傾斜角A12を許容アーム傾斜角範囲A13内に保持するために、ピボット孔91の位置が図4の例に示すように設定される。図6のキャスタ角A11の設定は、車両の直進安定性の向上および路面から運転者へ伝達される衝撃の緩和を重視している。そのため、図6の自動二輪車は主としてツーリング等の長距離走行に適している。
一方、図7の自動二輪車においてはキャスタ角A11が比較的小さく設定されている。この状態で、アーム傾斜角A12を許容アーム傾斜角範囲A13内に保持するために、ピボット孔91の位置が図5の例に示すように設定される。図7のキャスタ角A11の設定は、ハンドル4の操作に対する車両の応答性の向上および運転者による車輪の接地状態の把握のしやすさを重視している。そのため、図7の自動二輪車は主としてレース等の短距離走行に適している。
[5]自動二輪車の具体例
図8は、図4のメインフレーム部材1Mを備える自動二輪車の具体的な構成を示す側面図である。図8の自動二輪車100は、図6に記載された複数の構成要素に加えて、ヘッドランプユニット200、燃料タンク8、シート9およびリアフレーム部材1Rをさらに備える。
ヘッドランプユニット200は、メインフレーム部材1MのヘッドパイプHPの前方に設けられている。リアフレーム部材1Rは、メインフレーム部材1Mの後端部およびその後端部近傍から後方かつやや上方に向かって延びるように、メインフレーム部材1Mに取り付けられている。
エンジン5の上方でかつヘッドパイプHPの後方に位置するように燃料タンク8が設けられている。燃料タンク8の後方には、シート9が設けられている。燃料タンク8はメインフレーム部材1Mにより支持され、シート9はリアフレーム部材1Rにより支持されている。本実施の形態に係る自動二輪車100においては、メインフレーム部材1Mとリアフレーム部材1Rとが互いに接続されることにより車体フレーム1が形成される。図8の自動二輪車100においては、後輪7は、駆動輪としてエンジン5から発生される動力により回転する。それにより、自動二輪車100が進行する。
図5のメインフレーム部材1Mを備える自動二輪車についても、図8の例と同様に、図7に記載された複数の構成要素に加えて、ヘッドランプユニット200、燃料タンク8、シート9およびリアフレーム部材1Rが設けられる。なお、図7のメインフレーム部材1Mを備える自動二輪車においては、さらに車両走行時に発生する空気抵抗を低減するための各種カバー部材(カウル)が設けられてもよい。
[6]ピボット軸PVによるメインフレーム部材1Mとリアアーム6との接続
ピボット軸PVによるメインフレーム部材1Mとリアアーム6との接続の具体例について説明する。図9は、図8のQ−Q線断面図である。なお、図9では、ピボット軸PVの下方に設けられる後述する連結部材40(図10)の図示を省略する。
図9に示すように、ピボット軸PVは、右方から右のメインレール1MRのピボット孔91および左のメインレール1MLのピボット孔91に挿入されている。ピボット軸PVの頭部P1は、右のメインレール1MRの回転規制部分94に嵌め込まれている。一方、ピボット軸PVのねじ部P3は、左のメインレール1MLの補強部93内に位置する。この状態で、ねじ部P3にはナットPNが取り付けられている。
ピボット軸PVの軸部P2のうち左右のメインレール1ML,1MRの間に位置する部分には、その部分の全体を覆うように筒状の第1のカラー部材81が取り付けられている。この状態で、第1のカラー部材81は、ピボット軸PVに固定されている。
第1のカラー部材81には、その第1のカラー部材81をさらに覆うように、2つのニードルベアリング82を用いて筒状の第2のカラー部材83が取り付けられている。2つのニードルベアリング82は、第1のカラー部材81の両端部の外周面と第2のカラー部材83の両端部の内周面との間にそれぞれ設けられている。この状態で、第2のカラー部材83は、2つのニードルベアリング82によりピボット軸PVの周りで回転可能となっている。
第1のカラー部材81、左のニードルベアリング82および第2のカラー部材83の左端部と左のメインレール1MLとの間には、例えばニードルベアリング82に用いられる潤滑剤を第2のカラー部材83の内側に封止するための蓋部材84が設けられている。また、第1のカラー部材81、右のニードルベアリング82および第2のカラー部材83の右端部と右のメインレール1MRとの間にも、ニードルベアリング82に用いられる潤滑剤を第2のカラー部材83の内側に封止するための蓋部材84が設けられている。
第2のカラー部材83には、リアアーム6の前端部が溶接により接続されている。上記の構成により、リアアーム6の前端部は、ピボット軸PVの周りで回転可能にピボット軸PVにより支持される。
[7]車体フレーム1の塗装方法
本実施の形態に係る車体フレーム1の製造方法は、車体フレーム1を塗装する工程を含む。図10は、車体フレーム1の塗装方法の一例を示す外観斜視図である。図10の上段に示すように、塗装前のメインフレーム部材1Mには、そのメインフレーム部材1Mの各部の剛性を確保するための複数の連結部材20,30,40および左右のエンジンブラケット60が設けられる。
連結部材20は、左右のメインレール1ML,1MRの前後方向FBにおける前部分を連結する。連結部材30は、左右のメインレール1ML,1MRの前後方向FBにおける中間部分を連結する。左右のエンジンブラケット60は、左右のメインレール1ML,1MRの前後方向FBにおける中間部分に取り付けられている。連結部材40は、左右のメインレール1ML,1MRの前後方向FBにおける後端下部を連結する。
また、その塗装前のメインフレーム部材1Mには、塗装前のリアフレーム部材1Rが取り付けられる。具体的には、リアフレーム部材1Rは、左右一対の上部レール71および左右一対の下部レール72から構成される。左右の上部レール71は、左右方向LRに並ぶとともに前後方向FBに延びるように形成され、後端部が互いに接続されている。一方、左右の下部レール72は、左右の上部レール71の後端部近傍から下方かつ前方に延びるように形成されている。このような構成により、リアフレーム部材1Rは、車両平面視で略U字形状を有する。
左右のメインレール1ML,1MRには、リアフレーム部材1Rの左右の上部レール71に対応する2つのフレーム接続部12Sがそれぞれ形成されている。また、左右のメインレール1ML,1MRには、リアフレーム部材1Rの左右の下部レール72に対応する2つフレーム接続部13Sがそれぞれ形成されている。左右の上部レール71が2つのフレーム接続部12Sにそれぞれ接続され、左右の下部レール72が2つのフレーム接続部12Sにそれぞれ接続されることにより、メインフレーム部材1Mにリアフレーム部材1Rが取り付けられる。
図10の下段に示すように、メインフレーム部材1Mにリアフレーム部材1Rが取り付けられた後、メインフレーム部材1Mおよびリアフレーム部材1Rが塗装される。この場合、メインフレーム部材1Mの塗装とリアフレーム部材1Rの塗装とを個別に行う必要がない。そのため、メインフレーム部材1Mとリアフレーム部材1Rとの接続部にマスキングを施す必要もない。したがって、自動二輪車100の製造工程数を低減することが可能となり、自動二輪車100の製造コストを低減することができる。
なお、図10の例においては、連結部材20,30,40および左右のエンジンブラケット60のうちの一部または全てが車体フレーム1の塗装後に車体フレーム1に取り付けられてもよい。
[8]効果
(1)本実施の形態に係る車体フレーム1の製造方法においては、複数種類の自動二輪車100に共通に用いられる複数のメインフレーム部材1Mが作製される。各メインフレーム部材1Mの左右のメインレール1ML,1MRは、それぞれピボット軸支持部90L,90Rを含む。左のピボット軸支持部90Lには孔形成可能部分92が形成され、右のピボット軸支持部90Rには孔形成可能部分92および回転規制部分94が形成されている。
ここで、孔形成可能部分92は、メインフレーム部材1Mの側面視でピボット軸PVの頭部P1よりも大きい面積を有する。そのため、左右の孔形成可能部分92においては、自動二輪車100の種類に応じて互いに異なる複数の位置にピボット孔91が形成可能となっている。これにより、各メインフレーム部材1Mの孔形成可能部分92において、当該メインフレーム部材1Mが用いられる自動二輪車100の種類に応じた位置にピボット孔91が形成される。この場合、複数種類の自動二輪車100について、共通のメインフレーム部材1Mを用いることができるので、複数種類の自動二輪車100についての複数の車体フレーム1の作製に要するコストが低減される。
また、上記の製造方法によれば、ピボット軸PVを車体フレーム1における所望の位置に配置するために、スペーサ等の他の部材を用意する必要がない。それにより、ピボット軸PVの支持位置の寸法誤差が大きくなることが低減される。
さらに、上記の各メインフレーム部材1Mの構成によれば、ピボット軸PVをメインフレーム部材1Mに取り付ける際に、ピボット軸PVの頭部P1の回転が回転規制部分94により規制される。それにより、左右のピボット孔91へのピボット軸PVの取付が容易になる。
これらの結果、互いに異なる乗り心地を有する複数種類の自動二輪車100を低コストかつ高い精度で製造することが可能になる。
(2)各孔形成可能部分92は、第1の方向dr1に平行な仮想線VL1に沿って延びるように形成されている。孔形成可能部分92の第1の方向dr1の長さは、ピボット軸PVの頭部P1の最大長さLD1よりも大きい。また、回転規制部分94は、ピボット軸PVの頭部P1を嵌め込むことが可能でかつ第1の方向dr1に延びるように形成されている。さらに、回転規制部分94の第1の方向dr1の長さLD21は、ピボット軸PVの頭部P1の最大長さLD1よりも大きく、回転規制部分94の第2の方向dr2の長さLD22は、ピボット軸PVの頭部P1の最大長さLD1よりも小さい。
この場合、回転規制部分94内で第1の方向dr1に延びる仮想線VL1上の複数の位置を、ピボット孔91の形成位置として定めることができる。このように、ピボット孔91の形成位置を予め定められた仮想線VL1上に定めることができるので、自動二輪車100の種類に応じたピボット孔91の設定が容易になる。
(3)左右のピボット軸支持部90L,90Rの各々においては、孔形成可能部分92を取り囲むように補強部93が形成されている。この場合、各メインフレーム部材1Mにおいて、ピボット孔91周辺の剛性が補強部93により向上される。したがって、車体フレーム1に対するピボット軸PVの取付状態がより安定化する。
[9]他の実施の形態
(1)上記実施の形態に係る自動二輪車100においては、左右一対のメインレール1ML,1MRが複数のボルトおよびナットを用いて接続されることによりメインフレーム部材1Mが形成されるが、本発明はこれに限定されない。
メインフレーム部材1Mは、メインレール1ML,1MRが溶接により接続されることにより形成されてもよい。あるいは、メインフレーム部材1Mは、例えばヘッドパイプHPを含む単一部材に左右一対のレール部材が溶接により接続されることにより形成されてもよい。
(2)上記実施の形態に係るメインフレーム部材1Mにおいては、孔形成可能部分92が長円形状を有するが、本発明はこれに限定されない。孔形成可能部分92は、メインフレーム部材1Mの側面視でピボット軸PVの頭部P1よりも大きい面積を有していればよく、真円形状を有してもよい。あるいは、孔形成可能部分92は、メインフレーム部材1Mの側面視で三角形状または四角形状等の多角形状を有してもよい。
(3)上記実施の形態に係るメインフレーム部材1Mにおいては、回転規制部分94が長円形状を有するが、本発明はこれに限定されない。回転規制部分94は、ピボット軸PVの頭部P1の回転を規制するように形成されていればよく、例えば上記の規制部分113a,113bのうちいずれか一方を有する多角形状を有してもよい。
(4)上記実施の形態に係るピボット軸支持部90L,90Rにおいては、孔形成可能部分92を取り囲むように補強部93が形成されるが、本発明はこれに限定されない。補強部93は形成されなくてもよい。
(5)上記実施の形態に係る車体フレーム1の製造方法においては、メインフレーム部材1Mにリアフレーム部材1Rが取り付けられた後、メインフレーム部材1Mおよびリアフレーム部材1Rの表面が塗装されるが、本発明はこれに限定されない。メインフレーム部材1Mの塗装およびリアフレーム部材1Rの塗装が個別に行われてもよい。
(6)上記実施の形態は本発明を自動二輪車の製造方法に適用した例であるが、これに限らず、自動四輪車、自動三輪車もしくはATV(All Terrain Vehicle;不整地走行車両)等の他の鞍乗型車両の製造方法に本発明を適用してもよい。
[10]実施の形態の各部と請求項の各構成要素との対応
以下、請求項の各構成要素と実施の形態の各構成要素との対応の例について説明する。上記の実施の形態においては、自動二輪車100が鞍乗型車両の例であり、メインフレーム部材がメインフレーム部材1Mの例であり、ピボット軸PVがピボット軸の例であり、ピボット孔91がピボット孔の例であり、孔形成可能部分92が孔形成可能部分の例であり、回転規制部分94が回転規制部分の例である。
また、ヘッドパイプHPがヘッドパイプの例であり、左右のメインレール1ML,1MRが左右一対のメインレールの例であり、ピボット軸PVの頭部P1がピボット軸の頭部の例であり、補強部93が補強部の例であり、リアフレーム部材1Rがリアフレーム部材の例である。
請求項の各構成要素として、請求項に記載されている構成または機能を有する他の種々の構成要素を用いることもできる。
1…車体フレーム,1M…メインフレーム部材,1ML,1MR…メインレール,1R…リアフレーム部材,2…フロントフォーク,2ax,6ax…軸心,3…前輪,4…ハンドル,5…エンジン,6…リアアーム,7…後輪,8…燃料タンク,9…シート,12S,13S…フレーム接続部,20,30,40…連結部材,60…エンジンブラケット,71…上部レール,72…下部レール,81…第1のカラー部材,82…ニードルベアリング,83…第2のカラー部材,84…蓋部材,90L,90R…ピボット軸支持部,91…ピボット孔,92…孔形成可能部分,92C…中心部,93…補強部,94…回転規制部分,100…自動二輪車,111a,111b…被規制部分,112a,112b…円弧部分,113a,113b…規制部分,200…ヘッドランプユニット,A11…キャスタ角,A12…アーム傾斜角,A13…許容アーム傾斜角範囲,HP…ヘッドパイプ,L1…第1の端部,L2…第2の端部,P1…頭部,P2…軸部,P3…ねじ部,PN…ナット,PV…ピボット軸,R1…第3の端部,R2…第4の端部,RS…右基準面,ss…ステアリング軸,VL1…仮想線

Claims (5)

  1. 複数種類の鞍乗型車両に共通に用いることが可能な複数のメインフレーム部材を作製するステップと、
    各メインフレーム部材にピボット軸を取付可能なピボット孔を形成するステップとを含み、
    各メインフレーム部材は、
    前記ピボット孔を形成可能でかつ前記ピボット軸の頭部よりも大きい面積を有する孔形成可能部分と、
    前記ピボット孔に挿入された前記ピボット軸の前記頭部の回転を規制する回転規制部分とを含み、
    各メインフレーム部材にピボット孔を形成するステップは、
    各メインフレーム部材の前記孔形成可能部分のうち鞍乗型車両の種類に応じて予め定められた位置にピボット孔を形成することを含み、
    前記鞍乗型車両の種類に応じて予め定められる複数のメインフレーム部材の複数のピボット孔の位置は互いに異なる、車体フレームの製造方法。
  2. 各メインフレーム部材は、ヘッドパイプを構成するとともに前記ヘッドパイプから左右に広がりつつ後方かつ下方に延びる左右一対のメインレールを含み、
    前記孔形成可能部分は、前記左右のメインレールの互いに対向する部分の各々に形成され、
    前記回転規制部分は、前記左右のメインレールのうち一方の前記孔形成可能部分に形成された、請求項1記載の車体フレームの製造方法。
  3. 前記ピボット軸の前記頭部は、長円形状を有し、
    前記回転規制部分は、前記ピボット軸の前記頭部を嵌め込むことが可能でかつ第1の方向に延びるように形成され、
    前記回転規制部分の前記第1の方向の長さは、前記ピボット軸の頭部の最大寸法よりも大きく、
    前記回転規制部分の前記第1の方向に直交する第2の方向の長さは、前記ピボット軸の頭部の最大寸法よりも小さい、請求項1または2記載の車体フレームの製造方法。
  4. 各メインフレーム部材は、前記孔形成可能部分を取り囲みかつ当該メインフレーム部材の側方に向かって突出する補強部をさらに含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の車体フレームの製造方法。
  5. 前記作製された各メインフレーム部材にリアフレーム部材を取り付けるステップと、
    前記リアフレーム部材を取り付けるステップの後、前記メインフレーム部材および前記リアフレーム部材を塗装するステップとをさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の車体フレームの製造方法。
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