別の態様において、患者の身体内の選択された部位への流体媒体の送出を調節するための方法が開示される。方法は、選択された部位へ流体媒体を送出するために、シリンジから流体送出カテーテルを通して流体媒体を注入すること、及び、同時に、シリンジと送出カテーテルとの間の流体媒体流路内に配設されたフローダイバータアセンブリを使用することを含む。フローダイバータアセンブリは、患者の身体の外側に存在し、媒体注入中に、送出カテーテルの導管への媒体の送出と別に、シリンジ内の流体媒体の少なくとも一部を分流させるように構成され、ダイバータアセンブリは、フローダイバータアセンブリ内の流体媒体の圧力レベルの増加によって流体媒体流れ抵抗を増加させるように構成される。
この概要は、以下の詳細な説明において更に説明される概念を単純化した形態で紹介するために提供される。この概要は、開示又はクレームされる主題の重要な又は本質的な特徴を特定することを意図しておらず、また、開示又はクレームされる主題の、各開示の実施形態又は全ての実装態様を述べることを意図しない。特に、一実施形態に関して本明細書で開示される特徴は、別の実施形態に同様に適用可能である。更に、この概要は、クレームされる主題の範囲を決定するときの補助として使用されることを意図されない。多くの他の新規な利点、特徴、及び関係は、この説明が進むにつれて明らかになるであろう。図面及び以下の説明は、例示的な実施形態をより具体的に例示する。
[詳細な説明]
本開示は、送出部位に対する、放射線不透過性造影剤等の物質の送出を制御する、変換する、又はその他の方法で調節するために使用されるデバイス及び方法に関する。より具体的には、意図される部位への媒体の送出を最適にするため、血管、血管床、器官、及び/又は他の身体構造への媒体の送出を、全身導入を含む、他の血管、血管床、器官、及び/又は他の構造への媒体の意図しない導入(又は逆流)を低減しながら調節することが、以下のデバイス及び方法の意図である。
用語、媒体(複数の媒体)、作用剤、物質、材料、薬剤等は、本明細書で一般的に、診断、治療、及び/又は予防医療プロシージャの実行において使用される物質を少なくとも
部分的に備え得る種々の流体材料を記述するのに使用されるが、こうした使用は、制限的であることを意図しない。
説明並びに本明細書で述べる発明のデバイス及び方法は、冠血管系への造影剤送出を、こうした作用剤の全身性毒作用を防止して調節するときに使用されてもよい。しかし、身体の特定の血管/構造/器官/部位に対する媒体の制御された送出が、同様に、本明細書で開示されるデバイス及び方法から利益を受け得る他の多くの応用があることを当業者は認識するであろう。簡単のため、これらのデバイス及び方法は、造影剤送出調節に関連するように述べられてもよい。したがって、それらは、造影剤誘発性腎障害を防止するのに使用されてもよい。しかし、その使用をこの唯一の目的に限定することは、意図されないし、そのように解釈されるべきでない。例示的な他の使用は、ほんの幾つかを挙げると、腫瘍に対するがん処置剤;閉塞動脈に対する血栓溶解薬;血管奇形又は疾患組織に対する閉塞剤又は硬化剤;筋肉床、神経キャビティ、又は器官に対する遺伝因子;眼に対する乳剤;筋肉組織及び/又は括約筋に対する増量剤;リンパ系に対する撮像剤、感染組織に対する抗生物質、腎臓の透析におけるサプリメントの送出/注入/調節を含んでもよい。
[例示的な使用−造影剤誘発性腎障害の防止]
造影剤誘発性腎障害(CIN:Contrast Induced Nephropathy)は、例えば、血管造影術、血管形成術、及びステント留置術等の一般的に実施される心臓プロシージャ中に心臓及びその血管を撮像するため心臓専門医によって使用される染料(放射線不透過性造影剤)の毒性作用によって引き起される腎臓損傷の形態である。一般に、染料は、毒性を有し、腎臓を損傷することが知られている。ほとんどの健康な患者はいくらかの量の「毒性」に耐えるが、弱い又は機能しない腎臓を有する患者は、急速に低下する健康、低い生活の質、及び顕著に短縮される余命に苦しむ場合がある。CINの考えられる結果は、腎臓に対する非可逆的損傷、長い入院、心臓疾病のリスクの増加、長期透析のリスクの増加、及び最終的に高い死亡リスクを含む。CINを獲得する患者の場合、その患者の死亡リスクは、CINを持たない他の患者より高いままであり、このリスクは、その患者のプロシージャの5年後でさえも継続する。CINは、ヘルスケアシステムにおいて顕著な経済的負荷をかけ、目下のところ、患者がCINを発症すると、腎臓に対する損傷を反転させる又は改善するために利用可能な処置が全く存在しない。
今日まで、染料を必要とするプロシージャを受ける患者、特に、CINを発症するリスクが高い患者に対する造影剤の毒性作用を低減することの試みが存在してきた。こうした努力の一部は、いくつかを挙げると、染料の固有の毒性(化学的/分子的性質)を変更すること、(注入管理及び/又は染料濃度を通して)注入される造影剤の総量を減少させること、冠血管系分離及び血液/造影剤収集システムを通して媒体を除去することであった。造影剤の毒性作用の制御において使用されるこれらの方法及び/又はデバイスは、全身作用を最小にしながら、造影剤を特にターゲット部位に効果的に送出するときにその固有の妥協を有していた。一例として、染料の成分及び/又は注入濃度を変更することは、造影剤固有の毒性を減少させるのに役立ち得るが、造影剤の意図する機能(例えば、血管系の可視化)を実施する造影剤の能力を犠牲にする。逆に、可視化部位から「下流で」造影剤が載った血液を「収集する」能力は、可視化を保証し得るが、収集システムの配置及びオペレーションの複雑さを要求する。
患者に送出される造影剤の量を管理する他の試みでは、自動化(手動シリンジ注入式に対して)造影剤注入システムを採用していた。注入される造影剤の総量の綿密なモニタリング及び制御は、CINの発生率にポジティブな影響を及ぼし得る。しかし、これらの注入システムは、高価で(資本設備及び消耗品を含む)、カテーテル処置室内で使用するのにやっかいで、セットアップし適切に動作させるのに更なる時間及び専門的技術を要する。不適切な使用は、患者に送出される造影剤の量のよりよい管理によって受ける利益を無
効にする可能性があり、また、こうしたシステムをセットアップするために要求される更なる時間は、同様に、プロシージャに顕著な複雑さを付加する場合がある。
[例示的な使用−冠血流及び作用剤送出の管理]
人身体の血管構造及び毛細血管床の多くは、収縮(収縮期)及び展開(拡張期)中の心臓の周期的駆動力によって血液が加圧される結果として、富んだ酸素化血液を灌流させる。ほとんどの血管血流は、心臓の収縮フェーズに応答して身体内でピークになる。血管系内の血液の流れが周期的であるため、血管送出部位に対する任意の造影剤の送出の最適化は、造影剤を受取る血管部位の圧力と流れとより密接に一致する、注入圧力及び流れの協調を通して強化され得る。
同様の流れ原理が当てはまる場合があるが、冠血液の流れは、心臓冠動脈の灌流が、心室サイクルの拡張(弛緩)フェーズ中に主にピークになる点で独特である。図1に見られるように、(心臓からの)大動脈内の血液の圧力は、駆出(b)中にピークになる。しかし、冠動脈(例として、左冠動脈/左主幹部)に入る血液の流れは、実際には、この後、心臓の弛緩/展開中に(すなわち、拡張期(c)中に)ピークになる。そのため、冠血管系を通る血流は、正常機能する心臓において、大動脈血圧が減少したときにピークになる。この現象は、動脈心臓血管充填について予測されるものと対照的に現れる。冠血管系を通る血流は、大動脈内の高圧勾配によって冠動脈に入るよう必ずしも又は完全に駆動されない。実際には、通常、大動脈内の圧力がピーク収縮期圧より実質的に低いときに、冠動脈の充填がピークになる。
この現象は、心臓の拡張期中に−本質的には非圧縮中に−心筋(並びに心筋微小血管系)の弛緩によって生成される血液の、逆移動、「駆動力」又は「吸引」力から生じると思われる。拡張期における心臓の展開は、心筋圧縮の解放によって引き起される駆動波をもたらす。この力は、実際には、大動脈の低圧が冠毛細血管床内で生成される負圧より高い圧力勾配−したがって、大動脈から微小血管系まで生成される勾配−を通して生成される。この現象の更なる説明は、例えば、「Evidence of a Dominant
Backward−Propagating ‘Suction’ Wave Responsible for Diastolic Coronary Filling in Humans, Attenuated in Left Ventricular Hypertrophy」(Circulation.2006;113:1768−1778)に見つけられ得て、それは、参照によりその全体が本明細書に組込まれる。
冠動脈に対する造影剤の送出における難題は、動脈内の流れ(量及び速度)の周期的性質である。図1に更に見られるように、動脈内の脈動的血液は、心臓の単一サイクルにわたって流量が大幅に変化する場合がある。更に、流量の変動は、短期間にわたって起こる−多くの場合、これは、1秒未満で起こる。
図2は、人の心臓の左冠動脈主幹部内で見出され得る血流パターンの例を示す。血液流量(QBlood又は血液体積流量)の示すプロファイルは、4秒より少ない期間にわたる心臓の約4サイクルを示す。この例における血液の平均流量(例えば、平均QBlood)は、心臓の単一サイクルにわたって平均すると約3.7ml/秒になり、各サイクル中に約1.3ml/秒から6.5ml/秒まで大幅に変動する場合がある。この例において、左主幹部は、直径に関し約4.4mmであり、左前下行枝及び左回旋枝に分岐する前に、長さ約5mmを有する。これが例に過ぎず、述べる任意の生理的、解剖学的、又は流体流特性が、患者の間で並びに同じ患者の中で大幅に変動する場合があることが留意されるべきである。これらの変動は、関係する変数の幾つかを挙げると、年齢、血管及び/又は冠疾患、心臓の血管分布及び側枝形成、代謝、血圧、患者活動、ストレスレベル、種々の患者の器官の機能状態、患者の体重、血管拡張性及び/又は血管収縮性薬剤、並びに、
化学的又は生化学的伝達物質に応じて起こる場合がある。したがって、例は、本明細書のデバイス及び方法の開示を説明するのを助けることを意図しており、それらの使用を制限することを意図しない。
本明細書において発明のデバイス及び方法を更に説明するとき、システムの使用の例は、処置プロシージャ(例えば、ステント送出)の実施中における心臓の左動脈系に対する造影剤の送出を含むであろう。しかし、この例示的な使用は、記載されるデバイス及び方法の使用を、決して制限するものではない。
図3Aを参照すると、冠血管内の閉塞の処置に使用され得るカテーテル、治療、又は処置システム10が示される。図3Bは、左冠動脈口に近接するカテーテルシステムの遠位部分を更に強調する。図3Bに見られるように、システム10は、システム送出カテーテル12(例えば、ガイドカテーテル)及び閉塞処置デバイス(例えば、ステント16及びガイドワイヤ18を有するバルーンカテーテル14)を含む。ガイドカテーテル12の遠位端は、大動脈根26から離れて、左冠動脈24(左主幹部)に至る大動脈22の開口20(口)に近接して留置される。システム10は、大腿動脈(図示せず)から大動脈根26までのシステム10の経皮的前進によって留置されてもよい。図3Cは、図3A及び3Bに示すこうした動脈閉塞処置システム10(ステント、ガイドワイヤ、コネクタ等を有するバルーンカテーテル)の近位部分を更に示す。通常、コネクタ28の近位部分に取付けられたトーイ・ボースト圧縮管継手30を有し得るガイドカテーテルコネクタ28が存在する。処置デバイスは、コネクタ30の出口を通り、コネクタ28の第一ルーメン(lumen)32に入り、その後、ガイドカテーテル12に入るように軸方向に通されてもよい。コネクタ28の管継手30は、コネクタ28を通る処置デバイスの通過を可能にするが、ガイドカテーテル12及びコネクタ28から出る流体の逆流に抗するように調整されてもよい。更に、コネクタ28は、第一ルーメン32の側方にかつ第一ルーメン32と連通状態で変位される第二ルーメン34を有してもよい。第二ルーメン34は、ルアー管継手36で終端してもよい。複数のポート(例えば、ポート38a、38b)を有するマニホルドアセンブリ38は、ルアー管継手36に取付けられてもよい。マニホルド38のこれらの更なるポートが使用されて、ガイドカテーテル12を通して(例えば、ガイドカテーテルの内側ルーメン及びその中の任意の処置システムコンポーネント14、16、18の外側近接部によって画定される流れ導管内で)種々の媒体を注入してもよい。こうした注入は、例えば、放射線不透過性造影剤、薬剤、又はガイドカテーテル12をフラッシングするための生理食塩水を含んでもよい。
図3A〜3Cで述べる処置システム10は、100cmのおおよその長さ及び約0.070インチの内径を有する6Fガイドカテーテル等の、こうしたプロシージャで使用されてもよいコンポーネントからなってもよい。更に、処置デバイス(例えば、バルーンカテーテル、ステント、ガイドワイヤ等)は、近位で3.2Fまた遠位で2.7Fの外径を有してもよい。処置デバイスの送出は、ガイドカテーテルを通って、かつ径が0.014インチのガイドワイヤ上にバルーンカテーテルを通すことによって達成されてもよい。血管系の視覚的評価のための造影剤の注入は、図3Cに見られるように、注入デバイス40(注入器又はシリンジ等)を作動することによって実施されてもよい。この場合、造影剤は、注入デバイス40から、チュービングコネクタ42(すなわち、注入デバイス40とマニホルド38との間)、マニホルド38、ガイドカテーテルコネクタ28を通り、そして最終的に、ガイドカテーテル内径と処置カテーテルシステム(例えば、バルーンカテーテル)外径との間に画定された同軸導管を通って流れ得る。
この例は、処置プロシージャの例示であり、任意の所与のプロシージャのために又は任意の特定の内科医によって配置され得る種々のアセンブリに限定されるべきでない。所与の例の種々の注入液は、手動注入(すなわち、シリンジ)、注入機械を用いた自動注入、
又は「重力供給式」注入構成を含む多数の手段によってマニホルド接続を通して導入されてもよい。種々の物質の灌流/注入がどのように施行されてもよいかは、媒体及び意図する治療に依存し得る。図3Cにおいて、シリンジは、チュービングコネクタを有するマニホルドに接続されて示され、マニホルドを通してガイドカテーテルの遠位出口まで造影剤を手動注入する手段を提供する。逆に、代替の構成として、パワー注入器がマニホルドに取付けられて、注入を実施してもよい。
更に、説明される例は、処置システムと共に「ガイドカテーテル」を備える処置プロシージャを例示する。しかし、システム(身体の外側)の近位部分から意図する身体部位まで物質を送出する能力を有し得る、又はそうでなければ、物質の送出を媒介する能力を有し得る導管の多数の構築物が存在する。そのため、例における「ガイドカテーテル」又は「カテーテル」に対する言及は、チューブ、送出カテーテル、又は、物質の送出を媒介するときに使用される任意の他の導管として述べられ得て、したがって、例示的なプロシージャに対する種々のアセンブリに限定されるべきでない。
図4Aは、上述したような、カテーテル処置システムを通して送出されてもよい造影剤の例示的な手注入流量プロファイル(QAgent)を示す。図4Aの例において、流量(QAgent)が説明される。しかし、流量(Q)と導管にわたる圧力降下(dP又はΔP)との間に直接の関係が存在するため、本明細書の概念を説明するために、圧力プロファイルが使用され得たことが当業者には明らかであろう。
図4Aの例において、ガイドカテーテルの遠位先端に送出されるQAgentの注入プロファイルは、約3〜4秒にわたって注入された約10〜12mlの造影剤を示す。これは、(ステント留置プロシージャを実施しながら)心臓の2〜5サイクルにわたって左冠血管系を造影するためのかなり典型的な手注入であり得る。しかし、こうした注入は、(例えば、1〜8秒の期間にわたって3ml〜30mlまで)大きく変動する場合がある。一部の臨床調査者(及び注入器製造業者)は、左心臓注入について、作用剤(QAgent)を約5ml/秒流量で使用することを提案していることが留意されるべきである。しかし、これらの推奨は、血管不透明化の最適化に関してだけに基づいており、造影剤の過剰使用についてほとんど考慮されていない。過剰注入は、全身に造影剤の不必要な送出を生じさせ得る。全身の造影剤導入を調節し、したがって、「過剰注入」(造影剤がその不透明化機能を効果的に実現するために必要であるより多い注入)を最小にすることが、本明細書の実施形態の少なくとも幾つかの実施形態の目的である。
冠血管造影プロシージャにおいて、手注入は、通常、冠血管系を充填する造影剤がX線撮影で「観察される」まで圧力を増加させて、したがって、量を増加させることで、行なわれる。この時点で、投与は、注入器内の造影剤の量(例えば、約10ml)が使用されるまで、約3秒の間継続する。自動注入器の場合、通常、圧力又は量が(例えば、5ml/秒に)セットされ、その後、オペレータは、心臓の数サイクルの間、手持ち式アクチュエータによって自動注入器を作動し得る。
図4Aに示す例示的な注入プロファイルQAgentは、増加する注入(圧力に直接関連する流量)を示す。図4Aのグラフ上のViは、オペレータが、造影剤を可視化して血管分布を「観察する」ために必要である場合がある最小レベルの注入流量を示す。本質的に、Viは、血管又は器官に送出されてもよい媒体の注入レートであり、Viは、その意図する機能を提供する物質の許容可能な濃度であるとして知られているレベル又は許容可能な濃度であると思われるレベルである。この場合、Viは、左主幹部に注入される造影剤の濃度が、平均して、心臓の数サイクルにわたって、血管系を不透明化するのに十分な量である、送出レベルである。この例で示すViは、約3.0ml/秒である。すなわち、一定の3.0ml/秒の造影剤を注入することによって、オペレータは、造影剤を過剰
注入しないで、血管系を効果的に可視化できる。この例示的な文脈において、Viより有意に少ない注入は、適切な不透明化をもたらさないことになる。図4AのプロファイルQAgentの例示的な注入は、送出される造影剤の約11mlの総量をもたらす。
図4Bを参照すると、血管を適切に不透明化するのに不十分である注入流(エリアA及びB)、又は、不透明化に必要であるより大きく、したがって、造影剤の過剰送出をもたらす場合がある注入流(エリアC)を(Viの規定によって)有する場合がある種々のエリアが示される。すなわち、(図4Bの注入レートプロファイルQAgent内の長方形として特定される)Viを得るため、注入が、造影剤の送出において制御された場合、約3ml未満(25%〜30%)の造影剤が、同じ結果を達成するために(例えば、同じ期間にわたって動脈を十分に可視化するために)使用され得る。したがって、図4Cに示す注入流量プロファイルQImprovedは、Viについての注入の「改善された」定流量の概要を示し得る(すなわち、注入流量は、可視化に十分な一定レートに保持されてもよい)。
実際問題として、また、冠動脈の動的環境内に造影剤を効果的に送出することの複雑さの更なる例示において、注入器(例えば、シリンジ)の一部のオペレータは、注入による圧力(及び等しい体積流量)の迅速な増加を通して、図4BのAのエリアを最小にするため、迅速注入を模倣するよう試みてもよい。十分な不透明化がX線撮影で「観察される」と、その後、オペレータは、注入の圧力(及び体積流量)を低減し得る。この技法は、Aのエリアを減少させる(Viに急速に達する)のに役立ち得る。しかし、オペレータは、不透明化のために血管に対して要求される送出レート(すなわち、Vi)を「オーバシュート」してもよく、したがって、図4BのエリアCによって観察され得る過剰注入の量を増加し得る。10cc(ml)シリンジが、100psi以上で注入する能力を有し得ることに留意すべきである。シリンジからのこの注入圧力は、上述した例示的なシステムにおいて4.0ml/秒程度の高い流れを生成し得て、一方、一例として、3.0ml/秒で注入するためにわずか75〜85psiが必要とされ得る。
図4Dは、造影剤の注入流量の例示的なプロファイル(例えば、図4A及び4BのプロファイルQAgent)に血流パターンをオーバーレイして重ね合わされた、血液流量プロファイルQBloodとして記された左主幹部(図2の左主幹部24)内の血液の例示的な流れを示す。この例において、注入の開始が収縮期(より低い血液流量を伴う心臓の圧縮)とほぼ同じときに始まることを本発明者等は更に仮定する。しかし、実務観点から、注入を血管血流と同期させることが難しい場合があるため、注入の開始タイミングは、心臓サイクル中の任意のときに起こってもよい。図4Dに見られるように、一定のVi流量での(又は、図4CのQImprovedで述べる)注入は、調節なし(例えば、QAgent)に比べて特に良好であるが、時として造影剤を過剰注入することを依然としてもたらす場合がある。その理由は、血液流量(例えば、QBlood)が注入レート(例えば、Vi又はQImproved)より小さいからである。この場合、図4DのエリアDは、こうした過剰注入を示す可能性があり、造影剤は、左主幹部内にではなく(例として)大動脈内に注入されてもよい。
この例を更に述べるときに、図5A及び5Bの矢印は、心臓サイクルの異なるフェーズ中の造影剤の注入中の流れQBlood(矢印50)及びQAgent(矢印52)を示す。造影剤の注入が、血管24内の血流より大きいとき(図5A)、造影剤が抵抗の最小経路に流れる傾向がある。この場合、造影剤の一部は、大動脈22に、その結果、全身に流れる場合がある。逆に、血管内の血液流(QBlood)が注入流(QAgent)より大きいとき、造影剤の流れは、血管24内に優先的に流れる場合がある(図5B)。換言すれば、図5Bの矢印52で示す注入流量(QAgent)は、矢印50で示す血液流量(QBlood)に従うことになる。
発明のデバイス及び方法の種々の実施形態が、ここで更に詳細に述べられる。これらの実施形態の多くは、意図される部位への媒体の送出を最適にするため、血管、血管床、器官、及び/又は他の身体構造への、媒体、作用剤、物質、薬剤、又は流体材料の送出のパターンを、全身導入を含む、他の血管、血管床、器官、及び/又は他の構造への媒体の意図しない導入(又は逆流)を低減しながら、制御する、変換する、又はそうでなければ調節し得る。これらの実施形態の幾つかは、注入の流量プロファイルを制御することによって、図4Aに示す例等の注入を調節して、非効率な作用剤の使用(例えば、図4Bの例示的な注入プロファイルQAgent内のエリアA、B、及び/又はC)を減少させるように設計されたプロファイルを達成し、図4Cの「改善された」注入プロファイルQImprovedを得てもよい。
[例示的な調節デバイス及び方法]
以下の例における「調節器」のいくつかは、図3A〜3Cに述べるように、治療システム10の近位部分に近接する種々の場所に位置付けられ得る。例えば、調節制御機構は、注入器40とマニホルド38との間、マニホルド38とガイドコネクタ28との間、並びに、ガイドコネクタ28とガイドカテーテル12との間で、注入デバイス出口に位置決めされてもよい。幾つかの他の実施形態は、同様に、注入デバイス40の実行を直接制御することを含んでもよい。調節器の配置は、同様に、実行される診断、予防、又は治療プロシージャに強く依存してもよく、したがって、位置決めすることは、本明細書で使用される例に制限されるべきでない。
上述した場所に加えて、流体調節器の幾つかの発明の実施形態は、代替的に、ガイドカテーテル/送出カテーテル12の遠位部分内に、及び/又は、その遠位部分の周りに、及び/又は、その遠位部分に近接して位置決めされてもよい。
更に、本明細書で開示される制御デバイスの幾つかの実施形態は、有利には、意図するターゲット注入部位に作用剤が入る前に、注入作用剤に関するバルブ調整機能、制御機能、又はそうでなければ調節機能を協調させるために、センサ信号を受信してもよい。
調節デバイス55の1つの例示的な実施形態が図6Aに示される。デバイス55は、図6Cに示すように、図3Cの例示的なシステム10内に位置決めされてもよい。したがって、調節器55の「注入」ポート56aは、チュービング42aによって注入デバイス40に結合されるコネクタ56を有し、調節器55の出口ポート58aは、チュービング42bによってマニホルド38に結合されるコネクタ58を有する。図6Aは、その上に3つのポートを有する本体60を備える例示的な調節器55を示す。これらのポートのうちの1つのポート(「注入」ポート56a)は、注入デバイス40から作用剤の注入を受け取る。「ガイド行き(To Guide)」ポート(出口ポート58a)は、デバイス55からマニホルド38に、その後ガイドカテーテル12を通して作用剤を送出する。「オーバフロー」ポート(出口ポート58a)は、調節器55に対して注入器40が過剰に加圧すると作動して、過剰な作用剤をシステム10から(すなわち、デバイス55から)逃がす。
こうした調節器がどのように機能し得るかの例は、作用剤の送出を改善することが意図される注入パラメータ(すなわち、圧力、体積、流量等)によって決定され得る。例えば、図4のViは(図3について及び図3によって述べられた例示的な処置システムの使用によって)約3.0ml/秒であり得る。図7に示す流れ方程式等の導管内流れについての種々の流れ方程式を使用して(ある程度の層流を仮定して)、(例えば注入器からの)注入圧力レベルが、ガイドカテーテルの遠位端から送出される作用剤流量を提供するために導出されてもよい。上述したセットアップ及び寸法によって、(ガイドカテーテルの近
位部分における又は近位部分の周りの)75psiの圧力が、左主幹部口に位置決めされたガイドカテーテルの遠位先端に送出される約3.0ml/秒のQAgentを十分に生成し得る。この例は、説明のための例示であることが意図され、したがって、本明細書で述べられ開示されるデバイス及び方法の範囲において制限的又は限定的であるべきでない。例えば、上述した処置デバイス(例えば、バルーンカテーテル14、ステント16、及びワイヤ18)が、2.7Fの近位及び遠位外径等、(先に述べたものと)異なる構造を有する場合、わずか43psiが、約3.0ml/秒のQAgentを生成するために必要である場合がある。あるいは、異なる内径寸法を有するガイドカテーテル(例えば、送出カテーテル12)を利用することが、より低い圧力差で約3.0ml/秒の媒体流量を生成するときに使用され得る。例えば、ガイドカテーテルは、処置領域(例えば、30センチメートルのガイドカテーテル12遠位部分)に近接して処置システムが小さい(例えば、ガイドカテーテルは0.70インチ内径/6F外径を有する)という利点を提供しながら、処置実行時に危険性が低い身体エリア内でより大きい(0.076インチ内径/6.5F外径)可能性がある。有利には、約3.0ml/秒の作用剤流量は、約50psiで達成され、一方、冠血管系内で処置システムが小さいという利益を犠牲にしない場合がある。したがって、要約すると、処置システムの種々の構成及びそれに対する改良の全ての可能性を述べることがそれ自体意図であるのではなく、むしろ、本明細書で述べるこうした例示的な処置システムで使用するための例示的なデバイスがどのように構築されるかの例を提供することが意図である。
図6Aを参照すると、注入デバイスからの作用剤の注入(流れ矢印62で示す)は、内部にバネ式プランジャ66を有する調節器本体60のチャンバ64に入ってもよい。この例における(また、次に続く他の例における)プランジャ66は、シリンジ内で見られるように−チャンバ64と密閉するが摺動する関係にあってよい。圧縮バネ68(例えば、バネ定数k1を提供する)は、注入力に対向するチャンバ64の側部内に位置決めされ、注入器から作用剤をチャンバに充填することによって印加される力に対するプランジャ66の移動に抗するように構成されてもよい。作用剤注入圧力がチャンバ64内で増加するにつれて、プランジャ66は、圧縮バネ68に逆らって移動し得る。注入圧力に抗するバネ68によって生成される力は、バネのバネ定数(k)、及び、バネが、圧縮された距離(L)、又はその他の方法でその平衡状態から変位された距離(L)によって規定される(フックの法則、F=−k*L)。図6Aは、L1より長い距離の、チャンバ64内での(プランジャ66における)バネ68の変位を示す。この例において、L1以上のバネ/プランジャの変位は、(流れ矢印70によって示すような)最小閾値圧で、チャンバ64内のオリフィスを通り、その後、「ガイド行き」ポート58aを通って流れる加圧作用剤の通過を可能にし得る上述した例において、本発明者等は、作用剤の意図する流れを生成するため、約75psiの圧力を仮に選択した。すなわち、チャンバ64内の力が75psi/(プランジャ/チャンバの断面積)に等しいとき、距離L1にわたるバネ68の圧縮に由来する力はほぼ同等であるはずである。こうした力を生成するときに使用されるバネ68は、変位された長さにわたって同等の力を最適に生成するバネ定数(k)を有することになる。この調節器構成は、有利には、放射線学的に可視であってよい何らかの意図する流量(すなわち、Vi)でガイドへの流れを可能にする作用剤の注入流れプロファイルを生成し得る。本発明者等の例において、Viは3.0ml/秒であり得る。
更に、調節器55内への作用剤の注入が圧力を増加するにつれて、図6Bのプランジャ66は、チャンバ64の長手方向軸に沿うバネ68の圧縮を継続して、L2におけるチャンバ64内の第2のオリフィス(例えば「オーバーフロー」ポート)を露出させてもよく、第2のオリフィスで、高加圧作用剤が、(図6Bの流れ矢印72で示すように)導入部から離れてガイド12内に分流(divert)されてもよい。例えば、先の例の約3.0ml/秒〜約3.1ml/秒の流れを有する制御された注入を生成するために、調節器の許容可能な作動範囲は75psi〜80psiであってよいと判定されてもよい。L1
及びL2におけるバネ定数k1を有するバネ68の変位は、これらの動作圧/流量を規定し得る。80psiより大きな注入は、過剰な注入が、「オーバフロー」ポート58bに入るようブリードオフされ、全身に導入されないことをもたらすことになる。更に、万一、注入が75psiを下回る場合、作用剤はシステムの中に全く通らないことになる(圧力が不十分なため、チャンバの両方のオリフィスが閉鎖するよう、プランジャはバネによってチャンバ内を移動することになる)。説明する例示的な調節器は、有利には、改善された注入流れプロファイルを生成し得て、図4Bの例示的な注入プロファイルQAgentにおけるエリアA、B、及び/又はCとして示す非効率的な作用剤使用を減少させ、図4Cの「改善された」注入プロファイルQImprovedと(作動範囲内で)類似する。
制御デバイス75の代替の実施形態は、図8A〜8Cに示す構成であってよい。本質的に、図6に示すような単一チャンバデバイスは、2重チャンバ構成に置換されてもよく、調節器作動圧/流量の選択において、より大きな忠実度を提供してもよい。
図8Aに示すように、2つの圧縮バネ(K1及びK2のバネ定数を有する)を有する2つの別個のタンク又はチャンバが存在してもよい。注入デバイスからの媒体は、図6Cのデバイス55の場合と同様にデバイス75に(流れ矢印62で示す)、又は、本明細書で述べる代替の場所のうちのいずれかに送出されてもよい。注入器からの流体流は、チャンバ1(タンク76)に入り、チャンバ1のプランジャ/バネ78を、意図する圧力(及び同等の流量)が得られるまで圧縮する。意図する圧力/流量(すなわち、先の例の75psiにおけるVi)が得られると、媒体の流れは、(流れ矢印82で示すように)チャンバ1内のオリフィスを介して、図8Bに示す「ガイド行き」ポート80から出るように通る。チャンバ2(タンク82)は、ポート80と流体連通状態にあり、注入によって同様に加圧され得る。(ポート80を介する)注入器からの流体流は、チャンバ2に入り、プランジャ/バネ86を、チャンバ2内で別の圧縮レベルに達するまで圧縮し、そのポイントにおいて、チャンバ2内のプランジャ/バネ86は、チャンバ2内のオリフィスを介してポート88(「オーバフロー」ポート)に入る流体の通行が許容される地点まで圧縮する。図8Cに示すように、チャンバ2の「減圧部」は、「リリーフバルブ」として働き、チャンバ2内の圧力が上限閾値(すなわち、図6の例における80psi)を超える場合、「ガイド行き」ポート82に向かう流体の圧力を減少させる。任意の更なる圧力/量は、(図8Cの流れ矢印90によって示すように)ポート88を介してシステムから流出され、ガイドを通しては導入されないことになる。動作時、作用剤注入システムを有するデバイス75等のデバイスの使用は、同様に、「改善された」注入作用剤流れプロファイルを生成し得て、図4Bの例示的な注入プロファイルQAgentにおけるエリアA、B、及び/又はCとして示す非効率的な作用剤使用を減少させ、図4Cの「改善された」注入プロファイルQImprovedと(作動範囲内で)類似する。
有利には、図9A〜9Cに示す代替の調節器デザインが、更に、ガイドに対する媒体の注入を完全に停止することなく注入デバイスからの注入の停止に対応し得る。例えば、図9Aに示すような2つのチャンバ又はタンク96及び98を有する調節器95において、タンク2は、タンク1内の圧縮バネより低いバネ定数を有する圧縮バネを含み得るが、それは、タンク2のより多くの充填(即ち、そのバネのより大きい圧縮長さ)を可能にし、同時に、意図するレートでのガイドへの流れを提供する。本質的に、タンク2は、注入の「保持タンク」として働き得る。
図9Aを更に観察すると、調節器95は、(それぞれK1及びK2のバネ定数を有する)2つの圧縮バネ100及び102を有する2つのタンク96及び98を備え得る。注入デバイスからの媒体は、図6Bのデバイスの場合と同様にデバイスに(やはり流れ矢印62で示す)、又は、説明される代替の場所のいずれかに送出されてもよい。注入器からの
流体流は、チャンバ1に入り、チャンバ1のプランジャ及びバネ100を、意図する圧力(及び同等の流量)が得られるまで圧縮する。意図する圧力/流量が得られると、媒体の流れは、オリフィスを介してチャンバ1から出て、チャネル104を介してチャンバ2に入り、その後、(図9Bの流れ矢印108で示すように)図9Bに示す「ガイド行き」ポート106から出るように通る。本質的に、チャンバ1は、何らかの意図する限界(すなわち、75psi等の最小閾値)以上の値の加圧流れをチャンバ2に提供する。チャンバ2が、何らかの作動圧力の上限閾値(例えば、80psi)より大きな流体で加圧される場合、チャンバ2のバネ102は、別のオリフィスを介してチャンバ2から出て、ポート110(「オーバフロー」ポート)に入る流体の通過を可能にするポイントまで圧縮されてもよく、任意の更なる圧力/量は、(図9Bの流れ矢印112で示すように)システムから取り出され、ガイドを通しては導入されない。やはり、デバイス95等のデバイスを装備する注入システムは、図4CのプロファイルQImprovedと同様の「改善された」作用剤注入プロファイルを生成するのを補助し得る。
先の例は、ガイドカテーテルに/を通して媒体を送出しながら、媒体を同時に注入するようにデバイス95を使用することを述べるが、デバイス95はまた、「順次」方式で媒体を送出するように使用されてもよい。例えば、媒体を「順次に」注入する(すなわち、送出される媒体でチャンバを充填するが、注入を放出するまでの時間を可能にする)ため、又は、媒体の送出における中断を回避するため、図9Cのデバイス95は、有利には、バネ102が展開しながら、「ガイド行き」ポート106に媒体を送出し続けてもよい。図示するように、最小レベルでの注入62の停止(図9Cの113に示す)は、チャネル104を介してチャンバ1からチャンバ2に送出される媒体の停止(図9Cの114に示す)をもたらす場合がある。その理由は、バネ100が、チャネル104に入るチャンバ1内のオリフィスを閉塞させるのに十分に展開しており、したがって、チャンバ1からチャンバ2への媒体の流れを停止させるからである。
この例において、タンク2は、更なる媒体がデバイス95に全く注入されない間に、タンク2内に含まれる媒体を「流出」させてもよい。図9A〜9Cのデバイス95は、同様に、チャンバ2が減圧する際、最小圧が維持されることを保証するため、「ガイド行き」ポートに取付けられた、「逃がし」機構又はワンウェイバルブ調整タイプシステム(図9Cのバルブ107等)(すなわち、例えば、75psiの意図する圧力を超えると動作するだけであり、また、最小圧が維持される場合にガイドに対する流れを可能にするだけであるリリーフバルブ)を有してもよい。逆に、チャンバ2のバネはまた、最小レベルの圧力が維持されない場合、「ガイド行き」ポートへのオリフィスを「閉鎖する」ようにデザインされてもよい。図9A〜9Cはまた、それぞれのプランジャによって送出される力を独立に調整するための機構を提供するため、タンク1及び2からねじ式に延在し、バネ100及び102に取付けられるナールドノブボルト100a及び102aを示す。
順次及び/又は同時注入のために使用され得るレギュレータの代替の例が、図10A及び10Bに見られる。この例示的な実施形態において、圧力チャンバは、送出される或る量の媒体で充填される。ガイドに対して注入される媒体の圧力及び量は、媒体がチャンバに導入されるときに決定されてもよい、又は逆に、チャンバは、媒体の導入後に、チャンバ内の媒体に圧力を提供/印加するように設計されてもよい。図10A及び10Bは、注入される媒体用に画定されたコンパートメント(媒体チャンバ116)、気体媒体(例えば空気)を受容するための別のコンパートメント(気体チャンバ118)、及び、コンパートメント116及び118を密閉して分離する変形可能ブラダー120を備えるこうした調節器115を示す。例に見られるように、バルブ122は、(例えば、気体コンパートメント118を封止するため)コンパートメント118に入るまたそこから出る気体の流れを促進するために使用され得る。送出される媒体は、気体コンパートメントバルブ122が閉じた状態で、調節器115のチャンバ116に導入され得る。その開始が図10
Aに示される媒体の導入(流体は、流れ矢印62で示すように注入器から充填される)中に、ブラダー120は、ガイドカテーテルに媒体を送出するための意図する圧力を媒体が得るまで、気体コンパートメント118内に入るように変形してもよい。図10には、媒体の通過、及び、ガイドに対する注入が正当化されるまでの、調節器115内での媒体の保持を可能にするバルブ機構(図3Cの、例えばマニホルド38上に見られる機構等)が示されない。媒体は、媒体チャンバ116とガイドとの間のバルブ(図示せず)を開口する又はその他の方法で作動することによってチャンバ116から放出されてもよい。図10Bは、チャンバ116からガイドカテーテルへの媒体の放出(流れ矢印124によって示される)を示す。
逆に、図10Aのチャンバ116は、最初に、注入媒体で充填され、その後、気体コンパートメント118への気体の導入によって、意図する送出圧まで加圧され、したがって、ブラダー120を通して媒体に圧力を印加してもよい。
デバイス115の先の説明は、「順次」送出として示されてもよいが、デバイス115は、同時送出中に「キャパシタ」として働くように設計されてもよい。この場合、注入中にデバイス15からの送出を可能にする別のポート(図示しない媒体チャンバ116上で構成される「ガイド行き」ポート)が存在してもよい。
図10A及び10Bの例のデバイス等の調節器115は、有利には、流れプロファイルであって、少なくとも図4BのエリアA及びCに関連して、図4Cの注入QImprovedに類似した、流れプロファイルを提供してもよい。その理由は、注入が、Vi流量まで急速に送出され、急速な立ち上げ及び短期間でのかなり均等な流量に対応するからである。図4BのエリアBに関して、図10A及び10Bのチャンバ116は、「改善された」作動範囲より低いレベルに(流れを送出しながら)減圧し得る。これを補償するため、送出される媒体流量が、注入についての意図する限界(例えば、最小流量)を満たす、又は、流れを終了させることを保証する機構(ワンウェイバルブ等;例えば、図10Bのバルブ117)が、チャンバとガイドとの間に配設されてもよい。
調節器の代替の構成は、図11A及び11Bに示すように、定力バネを持つように構成されたチャンバを含み得る。こうしたバネは、デザイン上、その作動範囲(変位)にわたって部材(プランジャ等)に一定の力を送出し得る。このタイプの調節器125は、異なる圧縮長さ(平衡からの変位)において、一定の力を送出するように作られ得るバネの例として円錐バネ(図11Aに示す126)を含んでもよい。バネ126は、より大きな外側コイルにおいて大きなピッチを有し、また、より小さな内側コイルにおいて小さなピッチを有する可変ピッチを有し、したがって、圧縮/展開中に同じ力でコイルを収縮/拡張させてもよい。本明細書で述べる他のデバイスと同様に、注入の圧力及び流れの変更は、送出部位に媒体を送出しながら実施されてもよく、それだけでなく、送出における2回以上のステップ/シーケンスで実施されてもよい。
説明されるこうした定力注入調節器125を使用して、或る量の媒体が、(流れ矢印62で示すように)調節器125のチャンバ128に注入され、図11Bに見られるように、円錐バネ126の圧縮をもたらしてもよい。更に図11Bの129で示されるように、所望量の媒体がチャンバ128内に受容されると、注入が停止されてもよい、及び/又は、チャンバ128から注入器への媒体の逆流が(図示しないバルブの操作等によって)防止されてもよい。チャンバ128からの媒体の作動又はそうでなければ放出(図示しないガイドに至るバルブの開口等)によって、プランジャ130は、チャンバ128内のオリフィスを介して、チャンバ128から一定の圧力(及び同等の体積流量)で、「ガイド行き」ポート132につながるガイドに向かって媒体を(圧縮されたバネ126によって付勢されて)駆動してもよい。所望量が送出されると、プランジャ130に対するチャンバ
128内の「空間」が「ガイド行き」オリフィスを閉鎖することを可能にすることが、この調節システム125に関して有利であり得る。
図11A及び11Bの調節システム125についての代替の構成(図示せず)は、同様に、チャンバに対し一定圧力を達成し、媒体を定流量で送出カテーテルに駆動するために、チャンバ内で/上で、一定の力で変位/プランジャ要素を機械的に駆動することを含んでもよい。こうしたチャンバは、図11Aに示す構成を有してもよい。チャンバ内でプランジャに一定の力を単に提供するための代替の実施形態は、チャンバ内での垂直搭載式プランジャ要素上への重りの配置を含んでもよい。例えば、シリンジタイプチャンバは、変位アクチュエータ/要素が上に(地球の中心から更に離れて)位置し、出口ポートが下に(地球の中心に近づくように)位置する状態で、垂直に位置付けられてもよい。チャンバを媒体で充填した後、種々の重りが、変位要素上に配置されて、(例えば、一定の力を引き出すときに質量にかかる重力を使用して)プランジャ上への意図する一定の力を生成してもよい。注入が必要とされると、媒体は、バルブ(ストップコック等)を開口することによってチャンバから放出されてもよい(又はそうでなければ、放出されるように作動されてもよい)。そのため、バルブの開口は、プランジャ上の重りによって媒体にかかる力の結果として、媒体がチャンバを出ることを可能にする。重りの大きさは、例えば、上述した定力調節器125について決定された力と同様であってよい。
図11のレギュレータ125の代替の使用は、送出カテーテルへ/を通る媒体の同時注入及び送出中にレギュレータを使用することであり得る。この用途の場合、定力バネ126を有するチャンバ128に媒体を注入することは、チャンバの充填に対して「前負荷」抵抗をもたらし得る。プリセットレベルの圧力が達成されると、レギュレータ125は、注入液が、チャンバ128に入り、「ガイド行き」ポート132を通ってチャンバから出るように通ることを可能にし得る。チャンバ128の更なる充填は、注入圧力がプリセットバネ抵抗より大きい場合(更には、送出カテーテル内での送出に対する十分な抵抗を仮定した場合)、媒体の注入中に起こる場合がある。充填に加えて、注入器からの圧力が定力バネ126によるプリセット抵抗より小さい場合に/ときに、チャンバ128は、一定圧力(ほぼプリセットレベルの圧力)で媒体を「放出」し得る(体積の減少)。この例示的な同時調節によって、レギュレータ125は、「キャパシタ」(すなわち、媒体の加圧体積を格納し放出する能力を有する)として働いて、注入中にカテーテルに送られる媒体の圧力/流れプロファイルを「平坦化」又は「平滑化」し得る。
調節器125及び本明細書の記載の他の媒体調節器の説明に更に付け加えると、注入部位への媒体送出中の手動注入(シリンジ等)は、調節器まで通る圧力/流れを変動させる可能性があった。調節器に対する流れ/圧力が変動する場合があるだけでなく、注入媒体の流れが、時として、注入器(シリンジ)内に戻る場合があることが(システムの構成に応じて)考えられる。一例として、シリンジの管理者がプランジャにかかる圧力を逃がしてもよいことが可能である。この減少した力に応じて、チャンバ128に格納された圧力/流体が、キャパシタンスチャンバ128からの流れに対する「抵抗の最小経路」の機能に応じて、シリンジに戻るように分流されてもよいことが考えられる。
有利には、こうした構成の定力チャンバを有する調節器は、送出カテーテルに送出される媒体注入流れ/圧力プロファイルを改善するように構成されてもよい。図20〜22は、改善された圧力/流れプロファイルを提供し得る、こうした代替のシステム構成/構造、及び、その使用方法を示す。図20の調節器システム325は、マニホルド326に取付けられた幾つかの要素を有するマニホルド326を含み、それにより、媒体(即ち造影剤)のリザーバ又はバイアル328、定力チャンバ330、注入器332(例えば、シリンジ)、送出カテーテル334、及び四方ストップコック336を備える。これらの要素は、時として、適切な管状部材Tを介して互いに流体連通状態にあるように構成されても
よい。バルブA(マニホルドからカテーテルへ)、B(媒体バイアルからマニホルドへ)、C(定力チャンバからマニホルドへ)、D(注入器からマニホルドへ)は、マニホルド326と、調節器325の328、330、332、334、及び336の様々な要素との間のこうした流体連通を開閉することを可能にしてもよい。四方ストップコック336が、別個のバルブ/取付け具の代わりにバルブC及びDのバルブ調整機能を提供してもよいことに留意されたい。更に留意することには、定力チャンバ330は、示すように、変位可能プランジャ又は表面によって、チャンバ内で媒体にかかる一定の力を送出するため、荷重力要素(先に論じた)又はコイル状定力要素を収容するように構成されてもよい。これらは、定力チャンバがどのように構成されてもよいかについての2つの例に過ぎず、したがって、例示的であり、定力装置を構築する種々の構成において制限するものではない。
注入調節を実施する例示的な方法において、バイアル328からの造影剤は、図21に示すように、(マニホルド326と送出カテーテル334との間の流れを防止するために)バルブAを閉鎖し、(媒体バイアル328とマニホルド326との間の流れを可能にするために)バルブBを開口し、(定力チャンバ330とマニホルド326との間の流れを防止するために)バルブCを閉鎖し、(マニホルド326とシリンジ332との間の流れを可能にするために)バルブDを開口することによって、シリンジ332に引込まれる。シリンジ332は、矢印339で図212に示すようにシリンジ332のプランジャ338を引き、したがって、バイアル328からシリンジ332に媒体を引込むことによって、注入液媒体で充填されてもよい。バルブB(媒体バイアル328とマニホルド326との間)は、十分な媒体がシリンジ332に媒体を引込まれたときに閉鎖してもよい。
(重りシステム330aで示すような)プランジャに作用する荷重力要素を有する構成でも、(定力バネ330bで示すような)プランジャに作用する定力を用いる構成でも、代替の定力装置でも、負荷が送出カテーテル334によって送出される媒体流を調節するのに十分に、定力チャンバ330(及びその流体内容物)上に展開されるように、決定される。説明だけのために、改善された媒体送出流を、カテーテル334を通して生成するため、50psiの圧力がマニホルド326において(すなわち、送出カテーテル334の近位部分内に)望まれると仮定する。定力チャンバ330は、バルブCが開口する(すなわち、定力チャンバ330から調節器システム325に入る流体を可能にするために開口する)と、定力チャンバ330に入る又は出る、内部の流体に対して約50psiを生成するように構成されてもよい。
注入部位に対する媒体の注入が正当化されると、バルブA(カテーテル334へ)、バルブC(チャンバ330へ)、及びバルブD(シリンジ332へ)は開口してもよく、シリンジ332のプランジャ338が、(図22の矢印340の方向に)押下されてもよい。シリンジ332のプランジャ338が急速に押下されるにつれて、シリンジ332から駆出される流体は、抵抗の最小経路に向かって移動しようとし、定力チャンバ330内に通りながら、同時に(媒体流れ矢印342によって図22に示すように)カテーテル334に流体を駆動することになる。シリンジ332による媒体の迅速な導入は、マニホルド装置内の圧力が急速に50psiを得ることを可能にし、また、圧力が50psiより大きいときに(矢印344の流れを介して)媒体によって定力チャンバ330を充填することを可能にすることになる。そのため、定力チャンバ330は、約50psiの圧力において又はそれを超えてより多くの媒体を引き受けるため、キャパシタとして働き、一方で、(流れ矢印342による)約50psiでのカテーテル334への媒体の送出を同様に可能にする。本質的に、調節器325の流れ送出プロファイルは、マニホルド内でより一定の圧力を維持することによって、立ち上げ時の圧力/流れ(図4BのエリアA)によって「浪費される」造影剤を減少させると共に、送出カテーテル内への過剰注入(図4BのエリアC)から「浪費される」造影剤を減少させてもよい。
図20〜22に示す例において、オペレータが、定力チャンバ330を造影剤で或る程度充填すると、定力チャンバ330は、注入流れが減少する場合でも、望まれる50psiを送出カテーテル334に放出し続け、したがって、送出カテーテル334への「平滑な」注入を促進してもよい。
十分な媒体がシリンジ332によって送出されたと判定されると、プランジャ338を解除すること(例えば、シリンジ332上のプランジャ338が、負荷なしで負に変位することを可能にすること)は、送出カテーテル334とは別にシリンジ332の中に流れを放出すること(例えば、抵抗の最小経路−図22の仮想矢印346で示す)によって定力チャンバ330内の圧力が消散される場合があるため、マニホルド326からの圧力の迅速なドロップオフを可能にする場合がある。そのため、送出カテーテル334に送出される圧力の迅速な減少は、注入の末端(例えば、図4BのエリアB)で、通常、見られる「浪費される」造影剤を減少させるように働いてもよい。注入がシリンジ332によって終了される前に、その最中に、又はその直後に、バルブA(マニホルドからカテーテルへ)を閉鎖することによって注入の迅速な終了を促進することが、同様に可能である。媒体注入の終了は、同様に、他の機構(ワンウェイバルブ等)を含むことによって強化されて、不十分な圧力が存在するときに(例えば、選択された低い圧力閾値に達するときに)、カテーテル334に対する送出を急速にシャットオフしてもよい。こうしたワンウェイバルブは、例えば図22のバルブ317によって示すように、マニホルド326と送出カテーテル334との間で、両者の間の管状コネクタに沿って存在することを含んで、調節器システム325内の種々の場所に配置され得る。
状況に応じて、プロシージャごとに(又は単一プロシージャの間でも)、定力チャンバ330によって提供される負荷を変更することが望まれる場合がある。定力チャンバ330が荷重力要素(重りシステム330a等)を収容するように構成されるとき、これは、プランジャに適用される重りの量を変更することによって達成されてもよい。定力チャンバ330がコイル状定力要素(定バネ力330bで示すような)を収容するように構成されるとき、負荷は、コイル状定バネ要素を変更することによって修正されてもよい。しかし、これらのアプローチは、やっかいであり、いろいろな負荷を達成するために代替のコンポーネントの備蓄品(例えば重り又はバネのセット)を要求する場合がある。402等の一定の力を変えることが可能なプラットフォームによって変化し得る定力要素(例えば、送出される一定の力を変更する能力)に、価値がある場合がある。
図26に示すように、調節システム325等の調節システム内で使用するための可変力送出プラットフォーム402が、プランジャ404に作用するように設けられ、プランジャ404は、次に、媒体で充填されたプランジャチャンバ406内の力表面を介して媒体に負荷を提示する。そのため、チャンバ406は、管状部材Tによってストップコック336上のバルブCに接続されてもよい定力チャンバ330(図22に示すような)内の圧力チャンバとして働いてもよい。
プラットフォーム402は、図26に示すコイル状定バネ要素等の定力バネ408を含んでもよく、定力バネ408は、バネ408の自由端410で、旋回可能レバー414の第1の端412に動作可能に接続される。レバー414の第2の端416に隣接するレバー414の部分は、プランジャ404の自由端418に動作可能に係合してもよい。バネ408が、レバー414に結合されて、その第1の端412の付近でレバー414に対して、力矢印420で示すような一定のバネ力を提供する。
レバー414は、図26の旋回点425においてハウジング又は他の支持構造に旋回可能に結合されてもよい。そのため、レバー414は、その第1の端412の付近での力4
20の印加に起因して、点425の周りに旋回してもよく、対応するが逆の力430が、レバー414の第2の端416の付近で与えられてもよい。力430は、レバー414及びプランジャ404を介してチャンバ406内の媒体に加えられてもよく、レバー414を介してプランジャ404に伝達されるとき、バネ408のバネ力によって規定される。力の伝達は、レバー414の旋回点425の周りのレバー414の旋回に依存する。
チャンバ406内の媒体にこうして加えられる一定の力の量は、レバー414に対する旋回点425の位置を変更することによって修正され得る。換言すれば、バネ408に向かって又はバネ408から離れて旋回点425を移動させることによって、バネ408と旋回点425との間のレバー414の有効旋回可能長が変更される。その第1の端412に隣接してレバーに加えられる力420の量は変化しないが、旋回点425の移動は、レバー414の第2の端416に加えられる力430の量を変えることになる。
レバー及び旋回点のこの配置構成は、支柱442として図26に概略的に示され、支柱442は、示すように、定力チャンバ330の適切な支持構造上に搭載される。全ての他の条件を同じままにすると、支柱442及びその関連する旋回点の(例えば、図26に見られるように、左から右へのまた逆への)移動は、プランジャ404に対する力430を変更することになる。支柱442のオプションのこの方向移動は、図26において矢印444で示される。支柱442がレバー414の第1の端412に向かって移動すると、バネ408と旋回点425との間の有効レバーアーム距離は、短縮し、したがって、プランジャ404に加えられる力430を低下させる。あるいは、支柱442がレバー414から離れて(かつ、レバー414の第2の端416に向かって)移動すると、バネ408と旋回点425との間の有効レバーアーム距離は、伸長し、プランジャ404に加えられるより大きな力430をもたらす。したがって、チャンバ406内で媒体に加えられる一定の力は、単に、レバー414の長さに対する旋回点425の場所を変更することによって変更され得て、この例では、それは、矢印444で示す、その考えられる走行移動軌跡に沿う支柱442の移動によって達成される。有利には、これは、チャンバ406内で媒体に加えられる一定の力の増分調整を可能にし得る。
一例において、支柱442の位置は、離散的な数のピン場所を有する「ピンスロット」に沿う「ピン」の配置によって決定される。それにより、旋回レバー414に対する各ピン場所は、支柱442の位置を規定し、支柱442の位置は、次に、定力バネ408の力に応じて、媒体チャンバ406内で媒体にかけられる予め確定された負荷を規定する。例示的なピン位置スロット450は、図27及び28に示される。スロット450は、円形ピン受取り穴452の連続するライン(左から右に見られる「ピン受取り穴」452a〜452sとして図27に示す)によって更に画定されてもよい。所望の定力は、スロット450の選択されたピン受取り穴452に(図28においてピン454として示すような)ピンを挿入することによって選択される。プランジャ404に加えられることになる力の量は、どのピン受取り穴が選択されるかによって決定され得る。スロット450の第1の端456に隣接するピン受取り穴を選択することは、小さな力がプランジャ404に加えられることをもたらすことになり、一方、スロット450の第2の端458のピン受取り穴を選択することは、大きな力がプランジャ404に加えられることをもたらすことになる。例として、左冠動脈主幹部のセッティングにおいて、効果的な媒体調節のために、大きなガイドカテーテルが配備されるとき、小さな力が要求されることになる。6フレンチ又は7フレンチガイドカテーテルの場合、ピン受取り穴452sにピン454を配置することは、媒体を所望のレートで送出するのに十分な定力を媒体に提供し得る。しかし、7フレンチガイドカテーテルが処置(「Rx」)カテーテルと共に使用されるとき、より多くの定力が、媒体を送出するために要求される場合があり、したがって、ピン454についての最も適切な場所は、ピン穴452rである。更なる例において、「Rx」カテーテルを含む5フレンチカテーテルが配備されている場合、ピン454は、ピン穴452a
に配置され、それにより、調節器システム325に入るように定力チャンバ330によって供給される媒体に対して、より大きな定力を提供してもよい。
異なるカテーテル構成と共に使用するための他の例示的な定力「ピン」セッティングが、図27に見られる。示すセッティングは、例として、約50psiの定力チャンバ330によって、媒体の約2ml/秒の送出が期待される状況の例示である。図27の例の文脈において、これらの用語は、一般に、次のように意味してもよい。すなわち、「ガイド(Guide)」は冠動脈ガイドカテーテルを意味し、「ダイアグ(Diag)」は冠動脈診断カテーテルを意味し、「Rx」は冠動脈処置カテーテルを意味し、「OTW」はオーバザワイヤ冠動脈処置カテーテルを意味する。
支柱442及びその関連する旋回点425を操作するための、スロット450及びその関連するピン454を有する例示的な定力チャンバ330が図28に示される。ラック及びピニオン移動、磁気結合、並びに、プランジャ404を通して圧力チャンバ406に送出される一定の力を変更する能力を提供し得る他の同様の仕組み等の、レバー414に沿って又はその周りで支柱442を移動させ、それらの相対的位置を規定するための他の配置構成が、同様に考えられる。
図29は、代替の可変力送出プラットフォーム502を示し、定バネ408の代わりに、重りシステム508が使用されて、力矢印520で示すような定力を規定する。重りシステム508からの力は、図示するケーブル及びプーリ配置等の適切な手段によって510にてレバー514に伝達される。定バネの代わりの重りシステムである定力源を除けば、プラットフォーム502は、上述したプラットフォーム402と同様な方法で動作する。同様な要素及び特徴は、図26に示す数字と同様の参照数字を使用して100だけ上回るように索引付けされて図29に示される。
注入を制御するデバイスを通じた流れの調節における代替の実施形態は、図12A及び12Bに見出されてもよい。図12A及び12Bは、調節器システム325の一定力に対して、ガイド(又は任意の他の送出デバイス)に送出される流量を有利に調節し得る定流量調節器135を示す。これ等の調節器は、様々な導管構成の使用に依らずに、ターゲット部位に対して定流量の媒体を送出するのに役立ち得る。例えば、血管造影カテーテル(動脈の診断可視化用)を通る媒体の流れに対する抵抗は、先に述べた処置システムと異なる場合がある。したがって、血管造影カテーテルを通して一定の作用剤の流れを駆動するために要求される圧力は、通常、処置システムを通して同様な作用剤の流れを駆動するために必要な圧力より低くてよい。有利には、内科医は、同じ調節器が作用剤の同様の一定の流れを送出する状態で、動脈の(血管造影カテーテルによる)血管造影評価並びに(処置システムによる)処置を実施可能であり得る。図12A及び12Bに示す配置構成は、内科医が、同じ調節器135を両方の作用剤送出システムの間で切換えることを可能にしてもよい。これは、重り、定力コイル、又は定力仕組みが、異なるシステム考慮事項(例えば、ガイドカテーテル、処置カテーテル等)に対処するため力の調整を要求する場合がある調節器システム325の定力と対照的である。
図12Aを参照すると、注入デバイスが、調節器135のチャンバ136への注入(流れ矢印62参照)を提供する。注入は、(チャンバ136内に密閉可能にかつ移動可能に配設され、また、可変力バネ139によって初期注入媒体圧と逆に付勢される)プランジャ138に対して、プランジャ138のエリア上の媒体の圧力に由来する力を働かせる。媒体の流れは、注入流路140に沿ってチャンバ136から出るように方向付けられ、プランジャ138をバイパスし、その後、プランジャ138のガイド側で、オリフィス142を介してチャンバ136内で流れを再構築する。媒体が調節器135のガイド側で受ける圧力に応じて、ばね係合式プランジャ138は、チャンバ136の壁を通るオリフィス
142に沿う場所に(その圧力の力によって)駆動されることになる。プランジャ138の配置(並びにその関連するバネ139及びバネ139の付勢力)及びオリフィス142に対するその関係は、チャンバ136のガイド部分(すなわち、ガイドカテーテル側)内への媒体の流れを部分的に制限し得る。一例として、オリフィスは、図12Aの図面において完全に開口して保持され、注入の圧力が、ほぼチャンバ136のガイド部分内の圧力であり得ることを示唆し、調節器は、より多くの流れを可能にするため、出来る限りオリフィス142の「流れをオープンする」。プランジャの両側に作用する圧力の差、したがって、プランジャの両側に作用する力は、図12Aにおいてほぼ同じであり得る。このシナリオの例は、送出ガイド内で媒体の流れに対する比較的高い抵抗が存在するとき(例えば、処置システムと共に使用中であるとき)であり得る。
逆に、図12Bは、チャンバ136のガイド部分に入る注入流路140からの流れを部分的に閉塞するオリフィス142を示す。この場合には、ガイド又は送出カテーテルからの低い抵抗が存在し得て(すなわち、媒体がより容易に流れる)、チャンバ136の両側の圧力の差は増加している。換言すれば、(血管造影カテーテルと共に使用中であるとき等の)同等の流量を送出するときに低い抵抗を有する(したがって、低い圧力を要求する)送出カテーテル内で流体を駆動するために、注入経路は絞られる(圧力差によって駆動される)。提示される両方の場合において、送出カテーテルへの/そこを通る媒体の流量は同じであってよい。しかし、それは、一定の流れに対処するため(異なるシステム抵抗での媒体の送出)に、流れに対して抵抗を適合させる/変更するように構成され得る調節器である。
図12A及び12Bの流れ調節器の例は、定流量調節機能を実施する際に単一の段階的オリフィスを用いるチャンバを示す。しかし、こうした機能は、多数のオリフィス、並びに、様々な断面積のオリフィスによって実施されて、意図する同じ機能を達成し得る。更に、(定流量調節を有する)他の形態の可変圧力リストリクタ(restrictor)が、意図する機能を達成してもよい。したがって、これらの代替物は、開示されるデバイス及びプロセスの範囲内にあると考えられる。
システムコンポーネント/デバイス内の、及び/又は、それらの間の補助チュービング/接続部/チャネルが、比較的大きく、デバイスによって調節される全体の流れ/圧力に対して無視可能な「抵抗性の」影響を及ぼす場合があることを例示的な説明が仮定していることがまた留意されるべきである。例えば、図9A〜9Cのチャンバ1と2との間の、又は、図6A〜6Cの接続チュービング及び/又はコネクタ内の、チャネルの管腔によって生成される圧力降下は最小であるべきである。そうでない場合、開示されるデバイス及びプロセスの範囲から逸脱することなく、こうした接続によって生成される更なる抵抗に適応するため、設計変更が行われる可能性がある。
デバイスを調節する種々の構成が、内部にバネを有するチャンバを有するものとして述べられたが、図示されるデバイスより大幅に小さい装置を含む、任意の受動及び/又は能動付勢機構又はバルブ調整機構(又はその任意の組合せ)がまた、同様の機能を生成するために使用されてもよいことが明らかである。例えば、油圧バルブ、リリーフバルブ、ワンウェイバルブは、既知の/決定された流量及び/又は圧力についての流れを作動させる又はその他の方法で調節する(すなわち、流れを可能にする)と共に、既知の/決定された流量及び/又は圧力条件が得られると、流れを停止する(流れを止める又は制限する)機能を実施してもよい。更に、流体流絞り(すなわち、管状部材)及び/又はディフューザ等の受動デバイスが、同様に流れを調節するときに利用されてもよい。これらの制限デバイスは、必ず「オンオフ」(例えば、圧力に基づいてデジタル的に流れが「存在する」又は「存在しない)絞りを規定するのではなく、むしろ、総合システム内の流れに対する絞りに基づいてカテーテル内の流量に影響を及ぼすように働いてもよい。同様の注入調節
効果を生成するため、こうした代替のデバイス又は組合せのデバイスを含むことは、本明細書で述べるデバイス及び方法の範囲内にある。
カテーテルを通して送出される流体の流れを変更又は修正してもよい受動デバイスの例として、図6の実施形態の流れに対する抵抗の検討が図51Aに見られてもよい(Q=ΔP/Rであり、Q=システムを通る流体の流れ、ΔP=システムにわたる圧力差、R=システム内の流体流に対する抵抗、であることに留意する。例えば図7参照)。図51Aに示す例において、シリンジからの注入は、圧力PI及び流量QIでチャンバ64に入る。初期には、バネ68のバネ定数k1によって、チャンバ64内の流れに対する抵抗(調節器デバイス55「バルブ」のR1)が存在する。(例えば、30psiを超える圧力を注入することによって)抵抗に打ち勝つと、流れは、P2の圧力及びQ2の流量でオリフィス58a(「ガイド行き」)を通してカテーテルへ通ることを許可される。この圧力/流量は、カテーテルシステムに流れを送出する最小閾値であると考えられてもよい。注入から(例えば、PIから)の加圧の増加によって、流れに対する更なる抵抗R2が、(カテーテル/システムの抵抗RCに加えて)調節器デバイス55内のバネ68によって生成されることになる。加圧/流れの増加(例えば、50psi)によって抵抗R2に打ち勝つと、流体流は、POの圧力及びQOの流量で「オーバフロー」オリフィス58b(例えば、図6B参照)から流れることを許可される。これは、媒体がガイドに注入されてもよい圧力の最大閾値であると考えられてもよい(例えば、この値を超えるどんな加圧も、システムから出るよう媒体を流出させる又は分流させることをもたらすことになる)。例えば、P2の圧力が、ガイドへの流れを可能にするのに十分高い(例えば、最小閾値)が、R2を克服する圧力量(例えば、最大閾値)より低いとき、ガイドへの(また、カテーテルから出る)流体の流れが圧力の結果として変動することになることが留意されるべきである。並びに、R2の抵抗に打ち勝つ圧力を、加圧が超えると、システムからのオーバフローQOは、加圧によって増加し続けることになる。図51Aに示すように、流れは、Peの圧力及びQcの流量でカテーテルシステムを出る。
図51Aを見ると、R1の抵抗(調節器デバイス55からのバルブから生じる)を使用することなく、カテーテル(又はガイド)システムに送出される流れを変更することが可能である。この例の流れ図は図51Bに見られ、圧力(PI)及び流量(QI)は、カテーテル及びオーバフロー経路に平行に直接送出されてもよい。この例において、QIは、カテーテルシステムに送ることが望まれる流れの量に応じて、2つの平行通路の間で異なる抵抗に基づいて分割されてもよい。例として、3ml/秒の流量が、カテーテルに送出することが望まれた最大流量であり、カテーテルが、RCの抵抗、並びに、約60psiのPI及び約5ml/秒のQIの(すなわち、シリンジ、オペレータの個人の強さ、都合等に依存する)考えられる最大圧力及び流量を有した場合、約60psiのPIで3ml/秒のガイドへの送出を可能にするため、定抵抗ROのオーバフロー又は分流流体通路(例えば、管状部材)が設計される可能性がある。この実施形態は、過剰の造影剤が送出されることをもたらす、およその或る注入閾量を超えないように、送出される媒体を修正しながら、流れを分流させるための簡単な解決策を可能にする。注入圧によらず、注入からの一定の「流出」が存在することがこの構成において留意されるべきである。更に、「オーバフロー」の抵抗(RO)が、(例えば)管状直径又は長さ寸法の結果としての抵抗;リストリクタ、抵抗器、ディフューザ、フィルタ媒体等を通して流れることによって生成される抵抗;通常の流体経路の変化(不連続な方式でのラインのピンチング)によって生成される抵抗;上記の任意のもの又は全ての組合せによって生成される抵抗等の代替の構成によって生成されてもよいことが同様に可能である。このため、上記例のオーバフロー抵抗ROは、単に、十分な抵抗(例えば、直径/長さ)を有する「チューブ」、又は、十分な抵抗を確立するための、チューブ内の狭窄(例えば、ピンチング)等の抵抗の配置である可能性がある。
流れを分流させる代替の実施形態は図51Cに見られる。図51Cは、QIの初期流量がカテーテルシステムに直接注入され、最小圧(例えば、圧力P1及び関連する流量Q1)に達すると、カテーテルシステムから流体を分流させ始めるために、「チェックバルブ」が使用され得るフローパターンを示す。この場合、チェックバルブ抵抗(RCV)は、オーバフローチュービング抵抗(RO)に示す配置構成に加えて、その前にある。図51Cにおいて、チェックバルブを出る流体の圧力及び流量は、PCV及びQCVとして示される。この構成の(図51Bに示す配置構成に対する)1つの利点は、この構成が、圧力が高いポイントで分流するため、少ない流体が放出されることを可能にし得ることである。図30は、説明されるような流体流を生成することが可能な例示的なデバイスを示す。
説明されたように、有効な媒体流量を生成するための1つの手段は、シリンジからやって来る媒体の流れの一部をカテーテルシステムから「はぎ取る」、「ブリードオフする」、又はその他の方法で分流させることである。図30及び31は、そうするための1つの例示的な配置構成を示す。この配置構成において、シリンジ332は、適切な管状部材T1、T2、及びT3によって、並びに、マニホルド326を介して媒体リザーバ328に流体結合されてもよい。使用するため、シリンジ332は、媒体リザーバ328から媒体を装填されてもよく、その後、マニホルド326上のバルブBは、管状部材T1を介してリザーバ328への媒体の逆流を禁止するように操作される。
フローダイバータアセンブリ550は、シリンジ332とカテーテル334との間の媒体流路内に位置決めされてもよい。図30に見られるように、フローダイバータアセンブリ550は、所望される場合、アセンブリ550が媒体の流れを選択的にアクティブ又は非アクティブにすることを可能にする四方ストップコック552に結合されてもよい。例えば、シリンジ332が媒体リザーバ328から媒体を装填されているとき、ストップコック552は、管状部材T2とT3との間の媒体流を可能にするように、しかし、管状部材T4(ストップコック552とフローダイバータアセンブリ550との間に配設された)に対する媒体流を可能にしないように位置決めされてもよい。ストップコック552が、管状部材T4に入る流れを可能にするように位置決めされると、媒体流は、シリンジ332からの加圧によってフローダイバータアセンブリ550に入るように通ってもよい。図51Cにおける例示的な作用剤フロー図のように、フローダイバータアセンブリ550は、或る媒体圧力閾値(例えば、20psi)に達するまで、フローダイバータアセンブリ550に入る媒体の流れを防止するために整列されたチェックバルブ554を含む。閾値圧を超えると、チェックバルブ554は、フローダイバータアセンブリ550に入る流体流を可能にしてもよい。チェックバルブ554を横断した後、媒体流は、図示するように、チェックバルブ554から遠位に、管状部材T5を介して、媒体リザーバまで通ってもよく、媒体リザーバは、リザーバ328であってもよい。シリンジ332からチェックバルブ554に達する媒体の圧力が閾値圧より低くなると、チェックバルブ554は、逆流(すなわち、管状部材T4を介してフローダイバータアセンブリ550から出る媒体流)を防止するように着座する。
一実施形態において、フローダイバータアセンブリ550は、閾値圧に達すると、シリンジ332からの媒体流の約40%を分流させてもよく、それにより、その流れの60%がカテーテル334に達することを可能にする。例えば、シリンジ332からフローダイバータアセンブリ550のチェックバルブ554に送出される媒体の圧力が閾値圧に達するとき、シリンジ332から送出される流量は5ml/秒であり得る。しかし、この圧力でのカテーテルに対する望ましい流量は3ml/秒であり得る。この場合、フローダイバータアセンブリ550は、2ml/秒の媒体流量が、カテーテル334に送出される媒体の総量から「ブリードオフする」(又は、その他の方法でチューブT5を通して分流する)ようにデザインされてもよい(すなわち、長さ、直径、構成、又は他の絞りタイプ構造)。1つの点について、この流れダイバージョン配置構成は、平行に配設された流れ抵抗
器を形成すると考えることができ、1つの形態の抵抗器はカテーテル334自体であり、他の形態の抵抗器はフローダイバータアセンブリ550である(例えば、図51Cを再度参照)。「カテーテル抵抗」の変化(例えば、送出カテーテルシステムの変化)が、流れの同様なダイバージョン(例えば、2ml/秒)を達成するため、フローダイバータアセンブリ550によって課される抵抗を変更することを要求する場合があることが留意されるべきである。
一実施形態において、フローダイバータアセンブリ550は、流れ抵抗のレベルの選択及び変更、及び/又は、フローダイバータアセンブリ550を通して許可される媒体流の量の変化を可能にする機構を含んでもよい。有利には、抵抗を変更することが可能である可変フローダイバータアセンブリ550は、フローダイバータアセンブリ550を取り替える又は置換する必要なしにユーザが媒体送出システムを(すなわち、診断カテーテルから処置デバイスを有するガイドカテーテルに)切換えることを可能にしてもよい。例示的な実施形態において、フローダイバータアセンブリ550を通る流体媒体の流れ抵抗のレベルを変更することは、フローダイバータアセンブリ550を通る流体媒体流路の少なくとも一部分の有効サイズを変更することを含む。単純な形態において、図31は、スイッチプレート560を示し、スイッチプレート560は、フローダイバータアセンブリ550のベース562に対する3つの位置の間で可動であり、それにより、フローダイバータアセンブリ550を通る流体媒体の流れ抵抗のレベルの手動選択を可能にし、より高い注入圧でより大きな媒体流体流れ抵抗を提供する。スイッチプレート560は、内部に細長い開口563を有し、細長い開口563は、開口563を通して、可撓性でかつ変形可能な管状部材T5を受容するサイズに作られ得る。図31に示すように、開口563は、第1のエリア564において大きく、第2のエリア566において少なくとも1つの他の方向565に減少した寸法を有し、第3のエリア568において少なくとも1つの他の方向567に更に減少した寸法を有してもよい。フローダイバータアセンブリ550から出て、リザーバ328に向かって延在する管状部材T5は、スイッチプレート560上の開口563を通って延在する。スイッチプレート560は、矢印570の方向にベース562に対して可動であってよい。スイッチプレート560は、本質的に、管状部材T5に対する摺動ピンチバルブとして働く。したがって、スイッチプレート560が、開口563の第1のエリア564内で管状部材T5と整列すると、最大量の流れが、フローダイバータアセンブリ550によって管状部材T5を通して可能にされ得る(又は、逆に、カテーテル334に対する最小量の流れが可能にされ得る)。一実施形態において、これは、6フレンチガイドカテーテル(又は同等の流れ絞り構造)と共に使用するのに適した媒体流量のブリードオフを提供し得る。スイッチプレート560が、開口563の第2のエリア566内で管状部材T5と整列するように移動すると、管状部材T5は、ピンチされ(又は、その他の方法で断面が絞られ)、それにより、管状部材T5を通ってまたリザーバ328に戻るように流れ得る媒体の量が制限され得る(すなわち、T5内の流れは、この構成において、管状部材T5が開口563の第1のエリア564内で整列するときと比べて制限され得る)。一実施形態において、これは、内部に冠動脈処置カテーテルを有する6フレンチガイドカテーテルと共に、又は、5フレンチ冠動脈診断カテーテルと共に使用するのに適した媒体流量のブリードオフを提供し得て、より多くの量の流れがカテーテル334に向かって送られ得る。スイッチプレート560が、開口563の第3のエリア568内で管状部材T5と整列するように移動すると、管状部材T5は、更にピンチされ又は断面が絞られ、それにより、スイッチプレート560の先の2つの位置のいずれよりも、そこを通る(即ち管状部材T5を通る)媒体の更に少ない流れを可能にしてもよい。一実施形態において、これは、4フレンチ診断カテーテルと共に使用するのに適した媒体流量のブリードオフを可能にし得る。
フローダイバータアセンブリ550は、可動スイッチプレート560等の機構によって単に離散的な交替式の可変流れセッティングを含む必要はない。代わりに、フローダイバ
ータアセンブリ550は、シリンジ332からリザーバ328への流れダイバージョンのための2つ、3つ(図31に示す)、又は4つ以上の選択された流量を含む、可変流れセッティングを可能にする機構又は設計を有し得る。一実施形態において、フローダイバータアセンブリ550、管状部材T4、及びストップコック552は、シリンジ332とカテーテル334との間の媒体流路に単に挿入可能な(図30のコンポーネント572で示すような)1つの内蔵式コンポーネントとして構成される。
シリンジ332からの駆動用媒体流量の絞りを達成するための別の手段は、シリンジ332とカテーテル334との間のどこかにフローリストリクタをインラインで配設することである。こうしたフローリストリクタは、そこを通る流れを制限するためにサイズが抑えられた管状部材、可撓性管状部材ピンチング機構、又はチェックバルブの形態をとることになる。
1つのインラインフローリストリクタ配置構成が、例えば、図32に示される。この実施形態において、フローリストリクタアセンブリ550aは、マニホルド326の遠位に配設され、また、図30のフローダイバータアセンブリ550と構成が同様であってよい。図示するように、チェックバルブは、そこに設けられない、又は、そこを通る媒体流に関連しない。しかし、チェックバルブは同様に設けられる可能性がある。図32のフローリストリクタアセンブリ550aは、シリンジ332とカテーテル334との間の媒体流路に沿って直列に整列する。一実施形態において、フローリストリクタアセンブリ550aは、スイッチプレート560及びベース562に関して上述したのと同じ方法で、本体562aに対して可動式のスイッチプレート560aを含んでもよい。したがって、管状部材T6は、フローリストリクタアセンブリ550aから延在し、スイッチプレート560aの操作によって選択的にピンチングされて、フローリストリクタアセンブリ550aから遠位で、カテーテル334に向かう媒体流を選択的に絞る。この配置構成は、シリンジ332とカテーテル334との間の媒体流路に沿ってインライン流れ抵抗器を提供する可能性がある。1つの所望される配置構成において、カテーテルに送出される2.5ml/秒の最小流量は、血管系における媒体の所望の不透明化を達成するために必要である場合がある。
図30〜32に関して先に示され論じられた媒体流量調節スキームは、こうした媒体の注入プロファイルにわたって又はその間に患者内への過剰な媒体の導入を抑制するための更なる手段を提供するが、シリンジからカテーテルへの媒体の流れ全体の予め選択された流れダイバージョン又は絞り関係に、設計上制限される場合がある(例えば、例として、その流れを40%〜60%関係に分割する)。図30に示すフローダイバータアセンブリ550は、(スイッチプレート560の操作によって)フローダイバータアセンブリ550を通る媒体の流量における予め選択された変化を実際に可能にするが、こうした変化は、スイッチプレート560の手動操作によって達成される。図30のフローダイバータアセンブリ550は、図12A及び12Bに示す例示的な一定流れ調節器135について見られるように、シリンジオペレータによって導入される異なる圧力又は注入流量を自動的に補償することができない。
図33〜37は、(例えば血管可視化/評価中の)長い(例えば2秒以上の)持続的注入に対して、(例えばカテーテルナビゲーション中に)ユーザによる媒体の短くて(例えば1秒)強い「パフ(puff)」注入を補償し得る代替のフローダイバータアセンブリ575を示す。有利には、ダイバータアセンブリ575はまた、(図12の定流量調節器の機能のように)不透明化にとって十分になるよう媒体の流れを自動調整しながら、オペレータが、注入送出システム(すなわち、ガイドカテーテル、ステント送出システム、血管造影カテーテル等)を変更することを可能にし得る。フローダイバータアセンブリ575は、シリンジを介してオペレータによって媒体に加えられる圧力の変化に応じて、流量
に対する抵抗を変更してもよい。分流される媒体流量に対する抵抗が修正されるため、非分流流量(すなわち、カテーテル334への流量)が同様に修正される。この配置構成は、シリンジオペレータが媒体の急速「パフ」を患者に導入しようと試みるときに分流される媒体の量を最小にするのに有用である場合がある。そのために非常に速いシリンジスクイーズを使用することによって、オペレータは、この配置構成において、例えば、図30のフローダイバータアセンブリ550の配置構成より容易に不透明を達成する傾向があることになる。
したがって、フローダイバータアセンブリ575は、図30のフローダイバータアセンブリ550と比較して、図4BのエリアAのサイズを減少できる場合がある。長く持続的な注入によって、フローダイバータアセンブリ575は、カテーテル334への導入と別に流れを分流させるとき、図30のフローダイバータアセンブリ550と同様に機能し得る。
フローダイバータアセンブリ575は、図33に見られるように、シリンジ332とカテーテル334との間の媒体流路内に配設されてもよい。一実施形態において、フローダイバータアセンブリ575は、シリンジ332とマニホルド326との間に位置決めされてもよく、管状部材578及び580によってシリンジ332とマニホルド326とにそれぞれ流体結合される。管状部材578及び580は、四方ストップコック582の管継手に接続されてもよく、管継手は、次に、更なる管状部材584によってバルブ586に接続される。ストップコック582は、流体媒体流路内でシリンジ332と送出カテーテル334との間に配設される。ストップコック582は、シリンジ332に動作可能に接続され、それにより、ストップコック582を操作することは、ユーザが、フローダイバータアセンブリ575を選択的に作動させ停止することを可能にする。バルブ582はストップコック582に動作可能に接続される。一実施形態において、ストップコック582及びバルブ586は、管状部材584によって結合された別個のコンポーネントであってよい。別の実施形態において、ストップコック582、管状部材584、及びバルブ586は、シリンジ332とカテーテル334との間の媒体流路に単に挿入可能な1つの内蔵式コンポーネントとして構成される。いずれの構成においても、別の管状部材588が、バルブ586から媒体オーバフロー及び/又は再使用リザーバ328まで延在する。一実施形態において、媒体リザーバ328はまた、シリンジ332に媒体を装填するための供給リザーバとして機能してもよい。その配置構成(図33に示す)において、シリンジ332は、管状部材590、580、及び578によって媒体リザーバ328に流体結合され、これらのコンポーネントを流体結合要素又はアセンブリによって一緒に結合する。例示的な実施形態において、流体結合要素又はアセンブリはマニホルド326及びストップコック582を含む。マニホルド326は、内部を通るマニホルドルーメンを有し、更には、フローダイバータアセンブリ575に流体結合する第1の媒体ポート、媒体リザーバ328に流体結合する第2の媒体ポート、及び送出カテーテル334に流体結合する第3の媒体ポートを含む。シリンジ332が媒体リザーバ328から媒体を装填されているとき、ストップコック582は、管状部材580と578との間の媒体流を許容するが、ストップコック582とバルブ586との間に配設される管状部材584への媒体流を許容しないように位置決めされてもよい。シリンジ332が媒体リザーバ328から媒体を装填されると、マニホルド326上のバルブBは、管状部材590を介した媒体リザーバ328への逆流を禁止するように操作されてもよく、ストップコック582は、管状部材578、584、580及びマニホルド326を通る流れを可能にするように位置決めされてもよい。
バルブ586のコンポーネントが、フローダイバータアセンブリ575のストップコック582に対して分解した軸方向関係で示される、フローダイバータアセンブリ575の一実施形態が図34に示される。図35は、図34に示すバルブ586の組立てられたコンポーネント及びストップコック582の断面図であり、一方、図36は、図35の一部
分の拡大断面図である。バルブ586は、ストップコック582の管状ダイバータアーム594内に少なくとも部分的に受容され得るディフューザ592を含む。可動ディフューザ592は、圧力によって移動するように起動され、ダイバータアーム594は、ダイバータアーム594を通して媒体流れ抵抗を増加又は減少させることが可能である。ディフューザ592は径方向肩部602を備え、バルブ586は、径方向肩部602とバルブ圧縮プレート604の面608との間に配設された変形可能なOリング596を備える。バルブ586は、ディフューザ592の径方向肩部602上の径方向に延在する面600に当たって着座するまで、ディフューザ592の円柱伸長部598上に延在する、変形可能で弾性のあるOリング596を含む。全体的にディスク状のバルブ圧縮プレート604は、ディフューザ592の円柱伸長部598の外径より大きい、内部を通る中央円柱ボア606を有する。圧縮プレート604(伸長部598上に配設されているものとして図35に示す)は、Oリング596に当接する第1の面608を有する。ディフューザ592、Oリング596、及び圧縮プレート604は全て、バルブハウジング610によってストップコック582のダイバータアーム594上に保持される。例示的な実施形態において、バルブハウジング610は、ダイバータアーム594に取付けられ、バルブハウジング610及びダイバータアーム594は、内部に内部チャンバ616を画定し、内部チャンバ616は、内部を通る長手方向軸を有する。バルブハウジング610は、エリア614においてダイバータアーム594の遠位端612に密閉可能に結合されて、フローダイバータアセンブリ575として機能する単一コンポーネントを形成する。バルブハウジング610は、圧縮プレート604、Oリング596、径方向肩部602を含むディフューザ592の一部分を受容するための第1の内部チャンバ616を有する。第1の内部チャンバ616は、圧縮プレート604の面620と全体的に平坦な係合状態で当接する径方向に延在する面618を含む。第1の内部チャンバ616は、同様に、圧縮プレート604の円柱突出部604aを内部に受容するサイズに作られた円柱ソケット616aを含む。バルブハウジング610は、ダイバータ592の円柱伸長部598の一部分を内部に受容する第2の内部チャンバ622を有する。第2のチャンバ622は、(圧縮プレート604内のボア606を介して)第1の内部チャンバ616と、また、バルブハウジング610上の管継手624と流体連通状態にある。管継手624は、管状部材588に流体接続するように構成される(例えば、図33参照)。
図30に示すフローダイバータ配置構成の場合と同様に、シリンジ332からの注入された媒体の流れの一部分は、この場合、フローダイバータアセンブリ575によって分流されてもよい。例示的な実施形態において、フローダイバータアセンブリ575は、フローダイバータアセンブリ575内の流体媒体の閾値圧力レベルに達すると、シリジ332のチャンバ内の流体媒体の少なくとも一部を媒体リザーバ328に分流させるように構成される。分流される媒体は、全てが依然として、ストップコック582のダイバータアーム594の内部チャンバ616内で、第1の円柱フローチャネル650を通り、環状チェックバルブシート652を通過し、第2の(直径、したがって、断面積が)より大きな円柱フローチャネル654内に流れる(図35及び36の流れ矢印655で示す)。バルブ586は、ディフューザ592の端と環状チェックバルブシート652との間に配設された変形可能なOリングを更に備える。環状チェックバルブシート652は、ディフューザ592によって当接されると、十分な圧力(例えば、流れダイバージョン閾値圧力レベル)が、注入された媒体によって加えられて、ディフューザ592を環状チェックバルブシート652から外す(それにより、Oリング596によってディフューザ592に対して加えられた付勢に打ち勝つ)まで、こうした流れを制限する。媒体流は、全体的に管状の流路に沿って、ストップコック582から離れ、フローチャネル654を通り、ディフューザ592の円柱部分656の周りに流れ続ける。媒体流は、フローチャネル654を出ると、バルブハウジング610の第1の内部チャンバ616に入り、ディフューザ592の肩部602の傾斜した径方向に延在する面658に遭遇する。肩部602の外周縁660は、第1の内部チャンバ616の対向する内周より小さな周長を有するため、流れは、
その周縁660と第1のチャンバ616の内壁との間で肩部602を通過して流れ続ける(参照されたい。例えば、図36の流れ矢印655で示される全体的に管状の流路に沿って)。媒体流は、その後、Oリング596を通過して流れ続け、圧縮プレート604に遭遇する。圧縮プレート604の面608は、圧縮プレート604の内部開口606と外周面662との間に、そこにおいて径方向に延在する1つ又は複数の溝を有し得る。
図37〜41は、溝664a、664b、及び664cを有する例示的な圧縮プレート604を示す。複数のこうした溝が図37〜41に示されるが、1つの溝又は何らかの他の形態の表面不連続部が、圧縮プレート604の近位面608を横断する流体流を可能にするのに十分であり得る。圧縮プレート604の図37〜41に示す実施形態において、溝664aは、圧縮プレート604の近位面608にわたって径方向に外方に、内部の内側開口又はボア606からその外周面662まで延在する。溝664aは更に、(溝664aが、内側開口606より外周面662で広くなるように)外方に放射状に広がるにつれて幅広になり、その溝縁665aは、圧縮プレート604の中心軸から延在する径方向ラインによって画定される。一実施形態において、溝664aによって画定される弧は、圧縮プレート604の円周の40°である。溝664bは、同様に、圧縮プレート604のボア606から径方向に外方に、圧縮プレート604の近位面608にわたって、その外周面662まで延在する。溝664bは更に、(溝664bが、内側開口606より外周面662で広くなるように)外方に放射状に広がるにつれて幅広になり、その溝縁665bは、圧縮プレート604の中心軸から延在する径方向ラインによって画定される。溝664bは、一実施形態において、溝664aより大きく、それによって画定される弧は、圧縮プレート604の円周の60°である。溝664cは、示す実施形態において、完全に溝664b内に配設され、ボア606と外周面662との間に延在する一対の平行溝縁665cによって画定される。溝664cは、溝664bによって既に形成された溝チャネル内により深い溝チャネル666を画定する。図38に示す1つの例示的な実施形態において、溝のそれぞれについての中心線は同一線上にあってよい。
再び図35及び図36を観察すると、ストップコック582からまたOリング596に隣接する第1のチャンバ616を通して導入される媒体は、溝664a、664b、及び664cを介して(Oリング596と圧縮プレート604との間を)またボア606に入るよう径方向内側に流れてもよく、ボア606は、先に述べたように、ディフューザ592の遠位伸長部598の外径より大きな円周を有してもよい。そのため、媒体は、全体的に管状の流路に沿って、圧縮プレート604を(そのボア606を介して)通り、ディフューザ592の部分598の周りを通り、バルブハウジング610の第2の内部チャンバ622内に流れることができる(例えば、図36の矢印655を参照)。これらから、媒体は更に、バルブハウジング610上の管継手624に接続された管状部材588内に流れることができる。圧縮プレート604に作用する媒体圧力は、その面620を、第1の内部チャンバ616の径方向に延在する対向する面618に対して押圧し、したがって、ボア606を通ること(例えば、圧縮プレート604の面608上の溝664a、664b、及び/又は664cに沿って通過すること)を除いて、圧縮プレート604を通過する媒体による流れに対する障壁を生成する。
圧力が、フローダイバータアセンブリ575内の媒体において増加するにつれて、より大きな流体圧力が、ディフューザ592の面658に対して加えられ、それにより、ディフューザ592をOリング596及びバルブハウジング610の端に対して押圧する。これは、次に、Oリング596を、圧縮プレート604の面608に当て、かつ、面608上の各溝によって画定されたフローチャネルに入るように圧縮して、溝の有効チャネルサイズを減少させ、それにより、圧縮プレート604の近位面608にわたる媒体の流れを抑制する。ディフューザ592の面658に作用する圧力が増加するにつれて、Oリング596は更に圧縮され、圧縮プレート604を通過する媒体の流れを更に抑制する。例え
ば、段付き溝664b及び664cに関して、Oリング596は最初に、より浅い溝664bを通る流れを抑制するように変形し得る。Oリング596の更なる変形は、Oリング596が、その後、より深い溝664cを通る流れを徐々に抑制することを引き起こし得る。同様に、圧力が減少するにつれて、ディフューザ592によってOリング596に加えられる圧力は減少し、より多くの媒体が、溝によって画定されるフローチャネルを通してOリング596と圧縮プレート604との間で流れることが可能になる。そのため、ディフューザ592は、矢印666(図35)の方向にフローダイバータアセンブリ575内で「浮遊し」、バルブ586に入る媒体流の圧力に応じて、許可される媒体流の量を変更し得るフローティングバルブ要素を形成する。ディフューザ592は内部チャンバ616内で受容され、ディフューザ592は内部チャンバ616の長手方向軸に沿って移動可能である。ディフューザ592は、変形するOリング596及び圧縮プレート604の面608と組合せて、フローダイバータアセンブリ575を通る媒体流を圧力補償する変形バルブを形成してもよい。この配置構成は、シリンジオペレータが、シリンジ332を使用して媒体の注入タイプを変えること(長く持続的な注入に対する短いパフ)を可能にするが、患者内への媒体の過剰な導入の量を最小にするのに役立つ流れダイバージョン特性を依然として達成してもよい。
図34〜36に示すような一実施形態において、バルブ586のディフューザ592は、その端で、隣接する環状チェックバルブシート652を変形し得る材料で作られて、それにより、チェックバルブとして機能し、シリンジ332とカテーテルとの間のメインフローライン内に戻るフローダイバータアセンブリ575からの流体流を防止する。図42及び43に示すような代替の実施形態において、フローダイバータアセンブリ575aは、バルブ586a内のディフューザを除いて、上述したフローダイバータアセンブリ575と構成及び機能が本質的に同じである。図42及び43に見られるように、修正型ディフューザ592aは、変形可能で弾性のあるOリング592cをその上に受容し保持するために形成されたOリング支持シャンク592bを含んでもよい。このように、Oリング592cは、ディフューザ592aの端と環状チェックバルブシート652(例えば、図35を参照)との間に設けられて、先に述べたチェックバルブ機能を提供する。
理解し得るように、圧縮プレート604の面608上の溝又は不連続部の形状及びOリング596の圧縮性は、Oリング596がディフューザ592の移動によって圧縮プレート604の面608に対して圧縮されるときに、これらのコンポーネント間の所望の流れ制御特性を達成するように適合性がなければならない。同じ圧縮プレート604構成に対するOリング596を形成する材料の変更(より大きく変形可能である又はより小さく変形可能である)は、バルブ586内の流体媒体の圧力変化に応じて、流れ修正の割合を変更することになる。更に、変形可能なOリングが、表面不連続部を有する径方向面と共に、フローダイバータアセンブリ575内で圧力補償バルブを形成するための一実施形態として示されるが、他の可変流れ機構であってもよい。例えば、圧力に応じて媒体流穴のアレイにわたって拡張して、媒体からのより多くの圧力がディスク又は関連コンポーネントに加えられるにつれて、より多くの穴を徐々に覆うディスクは、同様に、フローリストリクタとして機能するのに十分であることになる。多くの場合に、圧縮プレート604を通過する媒体流の完全排除が示されないことがある。バルブ586は、最小圧力閾値(例えば、やはり20psi等)を超えると、加えられる流体圧の全てでバルブ586を通る或る程度の媒体流を許容してもよい。
バルブ586がオペレータによって調整可能に構成されてもよいことが予期される。例えば、バルブ586を通る媒体流は、フローチャネル654のサイズを修正することによって、例えば、拡大/縮小(すなわち、機械式に、膨張式に等)によってディフューザ592の部分656の直径を修正し、それによりディフューザ592に沿う全体的に管状の流路の有効断面積を変更することによって変更されてもよい。これは、バルブ586が調
整可能であるように構成され得る一方法に過ぎず、本発明の範囲を制限すると解釈されるべきでない。バルブを調整する能力は、例えば、図33〜43で述べたダイバータに見られるように、オペレータが中間プロシージャを変更する(例えば、処置システムのために診断カテーテルを取り替える)ことができることを可能にしてもよい。
図52〜57は、図示される実施形態に示すように、フローダイバータアセンブリ575及びダイバージョンリザーバ827を含んでもよい別の媒体管理システム825を示す。この実施形態において、管状部材588aは、フローダイバータアセンブリ575のバルブ586から媒体ダイバージョンリザーバ827まで延在し、管状部材588bは、ダイバージョンリザーバ827から媒体リザーバ328まで延在する。媒体リザーバ328からの媒体は、媒体リザーバ328からダイバージョンリザーバ827を通して管状部材588b及び588aを介し、また管状部材590を介して流出することを許容される示される配置構成(例えば、図52参照)において、シリンジ332は、管状部材588b、590、580、及び578によって媒体リザーバ328に流体結合され、これらのコンポーネントをマニホルド326によって及びストップコック582を通して一緒に結合する。シリンジ332が媒体リザーバ328から媒体を装填されているとき、ストップコック552は、管状部材580と578との間の媒体流を可能にするように、しかし、ストップコック582とフローダイバータアセンブリ575のバルブ586との間に配設された管状部材584に対する媒体流を可能にしないように位置決めされてもよい。シリンジ322を引き戻すことによって、媒体を、媒体リザーバ328から管状部材588b及び/又はダイバージョンリザーバ827を通して、また、管状部材590を通して引き込んでもよい。媒体リザーバ328からの媒体は、その後、管状部材580及び578を通してシリンジ332内にかつそれに向けて更に引き込まれ得る。シリンジ332が媒体リザーバ328から媒体を装填されると、マニホルド326上のバルブBは、その後、管状部材590を介する媒体リザーバ328への逆流を禁止するために操作されてもよく(また、こうした流れは、ダイバージョンリザーバ827と媒体リザーバ328との間に配設されたチェックバルブによって更に禁止されてもよい)、ストップコック582は、管状部材578、584、580及びマニホルド326を通る流れを可能にするように位置決めされてもよい。
図33〜43に示す例示的な調節器システムに関して先に述べたように、シリンジ332からの注入媒体流の一部分は、フローダイバータアセンブリ575によってカテーテル334への媒体流路から離れて分流されてもよい。図52〜57に示す調節/リザーバシステム825において、フローダイバータアセンブリ575を通過するこうした分流された媒体流は、媒体リザーバ328又は何らかの他の流出/オーバフローリザーバ/チャンバに直接流入するのと対照的に、ダイバージョンリザーバ827に流入する。有利には、ダイバージョンリザーバ827は、シリンジ332が(例えば、カテーテル334を介した患者への導入のための)システムに媒体を引き込むために再び作動される場合があるときの考えられる再使用のため、フローダイバータアセンブリ575によって分流されるオーバフロー媒体を収集するための手段を提供する。こうした方法でダイバージョンリザーバを使用することは、関連するチェックバルブが媒体リザーバ328内への媒体の逆流を防止する状態で、媒体リザーバ328内に配設された媒体の完全性をそのオリジナルの形態で保存しながら、システムに既に導入されている媒体の(例えば、ダイバージョンリザーバ827における)取込み及び再使用を可能にする。
ダイバージョンリザーバ827の一実施形態は図53〜56に示される。図53は、その関連する管状部材588a及び590と共にダイバージョンリザーバ827の組立て図を示す。図54は、図53のアセンブリの分解図である。システム825は、供給導管588b及びダイバージョン導管588aと流体連通状態の第2の供給導管590を更に備え、第2の供給導管590は、流体媒体流路に流体結合する。管状部材588a及び59
0は、図53のライン55−55を通して切り取られた断面である図55に更に示すようにダイバージョンリザーバ827上の第1の端キャップ又はマニホルド835に密閉可能に接続される。貫通チューブ837の第1の端は、838にて、第1の端キャップ835の内部側面に密閉可能に接続される。貫通チューブ837は、中を通って延在する内側導管839を含む。内側導管839は、図55に示すように、第1の端キャップ835内の隣接するカップリングによって管状部材588a及び590の内部と流体連通状態にある。貫通チューブ837の第2の端は、842にて、チェックバルブアセンブリ841に密閉可能に接続され、内側導管839は、チェックバルブアセンブリ841と流体連通状態にある。チェックバルブアセンブリ841は、次に、管状部材588bと流体連通状態にある。図55に見られるように、チェックバルブアセンブリ841は、可動バルブプレート843(又は、バルブを通して一方向の流れを可能にする他の適切な構造)を含み、可動バルブプレート843は、媒体リザーバ328から管状導管588bを介した貫通チューブ837の内側導管839内への流れを許可するが、その逆の流れを抑制するように動作可能である。この配置構成は、媒体リザーバ328から、管状導管588b、貫通チューブ837の内側導管839、及び管状導管590を介してシリンジ332への媒体の流れを可能にしてもよい。更に、フローダイバータアセンブリ575によって分流される媒体流はまた、管状導管588aを介して貫通チューブ837の内側導管839に流入することを許可されるが、媒体リザーバ328に戻るように流れることをチェックバルブアセンブリ841によって抑制されてもよい。ダイバージョンリザーバ827上の第2の端キャップ844は、チェックバルブアセンブリ841の周りで留められる。
ダイバージョンリザーバ827は、フローダイバータアセンブリ575からの媒体のこうした逆流に対処し、こうした媒体を収集し保持し、その後、注入カテーテル334を介して患者に更なる媒体を送出する際の使用のために、所望される場合、こうした収集された媒体をシステム内に戻すように押し出すようにデザインされる。この目的を達成するため、ダイバージョンリザーバ827は、貫通チューブ837の周りに配設された弾性拡張チューブ845を含んでもよい。図55及び56に見られるように、拡張チューブ845は、貫通チューブ837の長さの一部分に沿って延在する。一実施形態において、拡張チューブ845は、シリコーン材料で形成され、貫通チューブ837の周りで、その両端に隣接して、それぞれ第1及び第2の保持ワッシャ847及び849によって、又は、他の適した密閉可能で機械式の締結配置構成によって密閉可能に留められる。貫通チューブ837の外側表面は、保持ワッシャ847及び849を介した拡張チューブ845と貫通チューブ837との密閉を更に促進するため、表面特徴又は環状干渉リム837a(図55参照)等の干渉要素を含んでもよい。
ハウジング管状外側シェル855は、第1の端キャップ835と第2の端キャップ844との間で接続され、それにより、拡張チューブ845及び内部の他のダイバージョンリザーバコンポーネントを覆ってもよい。シェル855は、内部のダイバージョンリザーバ827のコンポーネントを保護する、拡張チューブ845の膨張又は拡張の程度を制限する、及び/又は、(シェル855が透明又は半透明である場合)内部の拡張チューブ845の状態(例えば、拡張状態)の観察を可能にするように機能してもよい。
図56は、ダイバージョンリザーバ827を(やはり、図53のライン55−55に沿って切り取られた)斜視断面図(で示し、拡張チューブ845は、図55に示すその弛緩状態と対照的に、伸長しかつ拡張した例示的な状態で示される。ダイバージョンリザーバ827の拡張チューブ845は、管状部材588aを介して、フローダイバータアセンブリ575から媒体流を受け取る。図56の流れ矢印857で示す、この媒体流は、管状部材588aから、貫通チューブ837の第1の端に隣接する貫通チューブ837の内側導管839に流入する。貫通チューブ837から出る流れは、その第2の端で、チェックバルブアセンブリ841によって抑制される。しかし、供給導管貫通チューブ837は、貫
通チューブ837を貫通する1つ又は複数のアパーチャ859を有してもよく、1つ又は複数のアパーチャ859は、拡張チューブ845の内部が内部導管839及びリザーバチャンバ860と流体連通状態になることを可能にする。そのため、フローダイバータアセンブリ575からの媒体は、アパーチャ859を通り、拡張チューブ845によって画定された媒体リザーバ又はチャンバ860に流入することができる。この媒体チャンバ860は、拡張チューブ845の内側表面と貫通チューブ837の外側表面との間に画定され、それにより、拡張チューブ845は、供給導管837の周りに配設された弾性ブラダーを形成し、拡張チューブ845の壁は、チャンバ860内の流体媒体に力を与えることが可能である。チャンバ860内の表面は、チャンバ860内の流体媒体に可変又は一定の力を与えることが可能であり、その表面は、拡張チューブ845の弾性ブラダーの壁によって少なくとも部分的に画定される。そのため、媒体チャンバ860は、フローダイバータアセンブリ575からの媒体流の分流部分を受け取り収集する。ダイバージョンリザーバ827は、媒体チャンバ860内の少なくとも1つの表面に対して配設された可変又は一定の力を付勢する部材を備えて、その表面を、媒体チャンバ860内の流体媒体に対して付勢する。このように、拡張チューブ845の拡張可能壁は、媒体チャンバ860内の流体媒体に(可変又は一定の)力を与えることが可能な媒体チャンバ860内の表面を画定する。一実施形態において、第2の端キャップ844は、カバー855内の気体の漏出を可能にし、それにより、カバー855内での拡張チューブ845の拡張を容易に可能にするため、端キャップ844を貫通するアパーチャ861を含む。
使用時、フローダイバータアセンブリ575内の媒体の圧力が、フローダイバータアセンブリ575を通る流れを可能にするのに十分に増加するにつれて、媒体は、バルブ586から管状部材588aを介してダイバージョンリザーバ827に流れる。媒体は、その後、ダイバージョンリザーバ827内で、矢印857で示すように媒体チャンバ860に流入し、それにより、拡張チューブ845の壁を伸長させ、チャンバ860を拡張して、分流媒体流を収容する。したがって、シリンジ332によって提供される媒体圧力がシステム内で増加するにつれて、フローダイバータアセンブリ575は、少ない流れがフローダイバータアセンブリ575によってダイバージョンリザーバ827内に分流されるため、患者に対する流れが増加するように媒体を分流させる。チャンバ860内に含まれる媒体は、調節/リザーバシステム825を介しての患者内への更なる注入のために利用可能であってよい。例として、オペレータは、バルブBを起動して、ダイバージョンリザーバ827のチャンバ860からシリンジ332に入る媒体流を可能にしてもよい(シリンジ332は、引き込まれて、シリンジ332にこうした流体を引き込む)。必要とされる流体が、チャンバ860内に保持される体積より大きい場合、チェックバルブ843の力が克服され、更なる媒体が媒体リザーバ328から引き出される。十分な量の媒体がチャンバ860及び/又はリザーバチャンバ328から引き出されると、バルブBは閉鎖され得て、調節/リザーバシステム825は、オペレータによる注入シリンジ332の作動によって、再び注入カテーテル334を介して媒体を送出するための状態になる。管状部材580及び584に入る流れを可能にするために、ストップコック582が配設される限り、流れ調節器アセンブリ575は、自動的に起動して、過剰な媒体を分流させ、それにより、注入カテーテル334を介して患者に導入される媒体の量を最終的に低減し得る(したがって、例えば、使用できる不透明を達成するのに必要であるだけの媒体を導入する)。やはり、圧力が調節器575内で増加するにつれて、患者に対する流れは、フローダイバータアセンブリ575の動作によって実際には減少する。プロセスは、所望されるプロシージャを完了するのに必要と思われる回数だけオペレータによって繰返される可能性がある。こうした方法で調節/リザーバシステム825を使用することは、診断又は処置手段のために(例えば、不透明のために)患者内での媒体の必要な量及び流れを達成しながら、患者内への不必要な媒体の導入の有利な減少を達成し得る。更に、ダイバージョンリザーバ827は、媒体の分流された流出物の再使用を可能にし得る。
図53〜56に示すダイバージョンリザーバは、こうしたリザーバの1つの形態を提示する。代替の形態が同様に考えられる。例えば、代替の形態の弾性ブラダー又は弾性表面が設けられてもよく、その弾性ブラダー又は弾性表面は、フローダイバータアセンブリ575からの媒体オーバフローの拡張チャンバ内への受容を機能的に可能にし、その後、使用のために、媒体リザーバ328からダイバージョンリザーバ827を通り調節/リザーバシステム825への媒体の流れを更に可能にする。
ダイバージョンリザーバ827内のチャンバ内で媒体に力を加える代替の手段は、例えば図57に概略的に示す付勢プランジャによって達成されてもよい。流体媒体の分流部分は、フローダイバータアセンブリ575から離れてダイバージョン導管588aを通って流れる。システム825は、システム825用の流体媒体の供給源を含む媒体リザーバ328、及び、媒体リザーバ328及びダイバータ導管588aを流体接続する、リザーバチャンバ834を通る供給導管588bを備える。供給導管588bは、供給導管588bから媒体リザーバ328に入る流体媒体の流れを防止するチェックバルブ841aを備える。ダイバージョンリザーバ827aは、ハウジング826内で摺動可能に配設され、移動ライン830で示すようにハウジング826に対して直線方式で移動可能であるプランジャ828を含む。そのため、表面832は、リザーバチャンバ834内で流体媒体に対して直線方向に移動可能である。そのため、プランジャ828の近位面又は表面832は、管状部材588aを介してチャンバ834内に受け取られる分流媒体用のハウジング826内のチャンバ834の一部分を画定する。
図53〜56に示すダイバージョンリザーバ827のように、ダイバージョンリザーバ827aは、媒体流用のマニホルドとして働く第1の端キャップ835aを含んでもよい。管状部材588aは、管状部材590がそうであるように、第1の端キャップ835aに接続される。チャンバ834は、図57に見られるように、第1の端キャップ835a内のマニホルド836を介して等で管状部材588a及び590の内部と流体連通状態にある。貫通チューブ837aは、同様に、マニホルド836と流体連通状態にあり、ダイバージョンリザーバ827aのハウジング826を通ってチェックバルブ841aまで延在する。チェックバルブ841aは、媒体リザーバ328から管状部材588bを介し貫通チューブ837aに入る媒体流を許容するが、逆流を防止する。媒体リザーバ328からの媒体は、その後、ダイバージョンリザーバ827aから管状部材590を介してシリンジ332に流入することができる。
媒体が、フローダイバータアセンブリ575によってダイバージョンリザーバ827aに入るように分流されると、媒体は、流れ矢印857aで示すように、管状部材588aからマニホルド836を通りチャンバ834に入るように流れる。ダイバージョンリザーバ827aは、リザーバチャンバ834内の少なくとも1つの表面832に対して配設された可変又は定力付勢部材を備え、リザーバチャンバ834内の流体媒体に対して表面832を押圧する。例示的な実施形態において、表面832は平面である。プランジャ828の面832は、マニホルドチャンバ836に向けて付勢され、したがって、チャンバ834に対する可動表面832を規定し、可動表面832は、表面832に対して作用する力の付勢が克服されると、より多くの媒体がチャンバ834内に導入されるため、離れて移動し、チャンバ834を拡張させる。この付勢は、力矢印838で概略的に示すように、ハウジング826内でプランジャ828に作用する一定又は可変の力の形態であってよく、また、こうした力は、バネ、重り分布、リニアアクチュエータ等のような、適切な手段によって達成され得る。直線状に移動するプランジャ828(その移動は矢印830で示される)の使用は、どれだけの量の媒体が実際にフローダイバータアセンブリ575によって分流されたか、またそれにより、導出によって、どれだけの量の媒体が実際に注入カテーテル334によって患者に送出されたかについてのより容易な測定を可能にし得る。このように、プランジャ838は、チャンバ834内で、考えられる再使用のために収集されるオーバフロー媒体に力を加えるように機能する直線拡張要素(表面832)を提
供する。
ダイバージョンリザーバ827aは、フローダイバータ/調節アセンブリ575によって分流される媒体用の拡張可能チャンバを設けることによって、先に論じたダイバージョンリザーバ827と同様な方法で動作し、チャンバ(例えば、チャンバ834、860)は、媒体に作用する少なくとも1つの表面を有して、チャンバ内の媒体を、考えられる再使用のためにフローダイバータアセンブリ575に戻るように押し付ける。同様に、フローダイバータアセンブリ575によってダイバージョンリザーバチャンバ834内に分流された媒体は、チェックバルブ841aを介して媒体リザーバ328に逆流することを許容されない。調節/リザーバシステムについての代替の実施形態において、ダイバージョンリザーバは、媒体リザーバへのダイバージョンリザーバを通る流れが許容されない又は必要とされないように構成される。1つのこうした配置構成は、調節/リザーバシステム825aに関連して図58に示される。これらの配置構成において、ダイバージョンリザーバを通る貫通チューブ配置構成についての必要性が存在しない場合がある。ダイバージョンリザーバは、フローダイバータアセンブリ575から分流される媒体を保持し再使用するため、拡張可能チャンバを内部に提供するだけである。こうしたダイバージョンリザーバ827bは、本明細書で示され論じられるような、ブラダー形態のチャンバ或は定力又は可変力抵抗形態のチャンバを使用してもよく、チャンバ内の少なくとも1つの表面は、チャンバ内の流体媒体に力を与えることが可能である。図58は、媒体リザーバチャンバ328が、管状部材588cを介して、ダイバージョンリザーバ827b(貫通チューブなし)とフローダイバータアセンブリ575との間に配設されたTコネクタ840に接続される配置構成を示す。Tコネクタ840は、その第1の端で、管状部材590及び588aに、その第2の端で、ダイバージョンリザーバ827bにつながる管状部材588dに接続する。Tコネクタ840の側部管継手は、管状部材588cを介して媒体リザーバ328につながる。チェックバルブ841bは、Tコネクタ840と媒体チャンバ328との間に配設されて、フローダイバータアセンブリ575及び/又はダイバージョンリザーバ827bから媒体コンテナ328に入る媒体の逆流を防止する。動作時、図58に示す構成は、図52に関して上述した構成と同様であってよい。フローダイバータアセンブリ575内の媒体の圧力がフローダイバータアセンブリ575を通る流れを可能にするのに十分に増加するにつれて、媒体は、バルブ586から管状部材588aを介してTコネクタ840に流れる。媒体は、その後、Tコネクタ840から管状部材588dを介してダイバージョンリザーバ827bに流れ得る。ダイバージョンリザーバ827bに流入する媒体は、その中の拡張可能チャンバを拡張して、分流した媒体流を収容する。したがって、シリンジ332を介して提供される媒体圧力がシステム内で減少するにつれて、より多くの流れがフローダイバータアセンブリ575によってダイバージョンリザーバ827bに入るように分流されるので、フローダイバータアセンブリ575は、患者に対する流れが減少するように媒体を分流させる。
動作時、図58に示す構成は、図52に関して上述した構成と同様であってよい。フローダイバータアセンブリ575内の媒体の圧力がフローダイバータアセンブリ575を通る流れを可能にするのに十分に増加するにつれて、媒体は、バルブ586から管状部材588aを介してTコネクタ840に流れる。媒体は、その後、Tコネクタ840から管状部材588dを介してダイバージョンリザーバ827bに流れる。ダイバージョンリザーバ827bに流入する媒体は、その中の拡張可能チャンバを拡張して、分流した媒体流を収容する。したがって、シリンジ332によって提供される媒体圧力がシステム内で減少するにつれて、より多くの流れがフローダイバータアセンブリ575によってダイバージョンリザーバ827bに入るように分流されるので、フローダイバータアセンブリ575は、患者に対する流れが減少するように媒体を分流させる。
ダイバージョンリザーバ827b内の拡張可能チャンバに含まれる媒体は、調節/リザ
ーバシステム825aを介しての患者内への更なる注入のために利用可能であってよい。そうするため、オペレータは、バルブBを起動して、ダイバージョンリザーバ827bのチャンバからシリンジ332に入る媒体流を可能にする(シリンジ332は、引込められて、シリンジ332にこうした流体を引込む)。必要とされる流体が、ダイバージョンリザーバ827b内に保持される体積より大きい場合、チェックバルブ841bの力が克服され、更なる媒体が媒体リザーバ328から引出される。十分な量の媒体がダイバージョンリザーバ827b内のチャンバ及び/又はリザーバチャンバ328から引出されると、弁Bは再び閉鎖し、調節システム825aは、オペレータによる注入シリンジ332の作動によって、再び注入カテーテル334を介して媒体を送出するための状態になる。管状部材580及び584に入る流れを可能にするためにストップコックが配設される限り、フローダイバータアセンブリ575は、フローダイバータアセンブリ575の作動用の閾値圧力が達成されると、過剰な媒体を分流させるようにやはり自動的に起動され、それにより、注入カテーテル334を介して患者に導入される媒体の量を最終的に減少させることになる。やはり、フローダイバータシステム575に入る圧力が増加するにつれて、ダイバータ575を通る流れは、相対的に減少する(したがって、患者に対する流れは、フローダイバータシステム575の動作によって相対的に増加してもよい)。プロセスは、所望されるプロシージャを終了するのに必要と思われる回数だけオペレータによって繰返され得る。こうした方法で調節/リザーバシステム825aを使用することは、所望の診断又は処置プロセスのために患者内での媒体の必要な量及び流れを達成しながら、患者内への不必要な媒体の導入の有利な減少を達成する。更に、調節/リザーバアセンブリは、有利には、オペレータが、流れ調節器を変更することなく、注入送出システム(すなわち、ガイドカテーテル、診断カテーテル、処置ツール等)を取り替えることを可能にしてもよい。更に、ダイバージョンリザーバは、分流媒体の単純化した再使用を可能にしてもよい。
[同期化を有する例示的な調節デバイス及び方法]
非効率的な作用剤の使用(図4Bの例示的な注入プロファイルQAgentにおけるエリアA、B、及び/又はCとして示す)を減少させることによって注入を調節することに加えて、調節はまた、有利には、多くの血流が存在するときにより多い量で、また、血流が減少するときにより少ない量で媒体を血管に送出することを含む。血管に入る媒体の注入を、その血管内の血流のパターンとほぼ一致するようにパターン化することが、本明細書で述べる少なくとも幾つかの実施形態の目的である。例として、図13は、注入プロファイルが図2の血管内の血流とほぼ一致する本発明の注入システムによって送出される例示的な注入プロファイルを示す。この場合、作用剤の約2.8ml/秒の平均(例えば、QAgentの平均)が使用されて、血管が作用剤で完全に充填されることを強制することなく、又はその他の方法で正常な血流の全てを変位させることなく、血管を十分な量で充填し得る(その不透明化機能を実施してもよい)。そのため、図13の点線は、例えば、正常血流の約65%〜85%の媒体で血管を充填するときに注入システムによって生成されるプロファイルを強調する。(例えば、血液内の)媒体濃度について必要とされる量は、作用剤及び意図する機能に応じて変動する場合があり、こうした濃度が、本明細書で述べる調節デバイス及び方法の意図から逸脱することなく、血流量の1%程度の低い値及び血流量の99%程度の高い値で提供され得ることが考えられる。
作用剤の同期化送出は、ターゲット血管系以外の血管を「過剰充填する」リスクを減少し得る。更に、こうした注入流量プロファイルは、より低い流れの間に、不透明化するのに十分な血管内の作用剤濃度を提供してもよい。(診断又は治療目的で)冠血管系を過剰注入することは、「ブローバック」又は逆流として動脈造影的に見られ、身体に不必要な作用剤(複数可)を装填する。同期化実施形態の例は、ターゲット部位内への媒体の注入を調節するために利用されるセンサ及びコントローラを含んでもよい。こうしたセンサ/コントローラは、血管内の血液の脈動流に応じて血管に対して媒体を送出するため、注入
器の始動及び停止又は調節を始動するEKG(及び/又はEKGからの入力)を含んでもよい。他の実施形態は、媒体の注入を血管内の血流と協調させようとして、血流のパラメータ(圧力、流量、温度、速度、患者呼吸、pH、pO2等)を推測又は推定するため、注入送出カテーテル内に、その上に、及び/又はそれに近接して位置決めされたセンサを含んでもよい。
同期化送出が以下で更に説明されることになるが、媒体の注入を、変動又は「脈動」方式での血管内の血流と協調させることは、血管不透明を損なうことなく、患者に送出される媒体の量を減少させるために、変動する流れを使用する唯一の手段ではない場合がある。媒体注入は、同様に、同期化なしで、脈動流制御方法/デバイスを通して減少される場合がある。この点に関して、媒体の脈動流は、患者に送出される媒体を駆動するため、(所定期間にわったって振幅が)急速に変化する圧力を印加することによって生成される場合がある。この場合、圧力波のピーク振幅は、適切な不透明を達成するのに十分又はほぼ十分であってよい。或る意味で、これは、患者に対する媒体の適用における交流(AC)対直流(DC)の電気モデルに似ている場合がある。患者について媒体に印加される圧力は、冠動脈用途において、心臓の各「ポンプ」中の多くのサイクルにわたって振幅が変動する場合がある。圧力は、例えば、正弦、対称、及び非対称等の種々の波の形態のデザインにおいて「脈動式」であり得る。並びに、波のデザインは、周波数、振幅、又は波サイズが変化してもよい、かつ/又は、交互になってもよい。先に論じたように、血流及び注入作用剤流のグラフィック図が、流量に対して示された(例えば、図2、4A、4B、4D、及び13)。しかし、本発明者等のモデル(複数可)における流量(Q)と圧力(P)の直接の関係が与えられると、圧力のグラフィカル表現が、同様に、注入媒体調節技法を特徴付けるときに利用されてもよい。血管送出部位に対する媒体(造影剤等)の送出の最適化は、媒体注入圧力及び流量の制御によって強化されてもよい。
図44は、人心臓の左冠動脈主幹部内に見出される場合がある媒体注入圧力プロファイルの例を示す−これは、本明細書の開示に従う、モジュール化修正が全くない状態で約3.5秒にわたって延在する、シリンジを用いる医師によって作られた注入プロファイルを示す注入圧力PTypicalの典型的なプロファイルであり得る。このプロファイルは、図4Aに示す注入プロファイルと同様であってよい。しかし、図44は、圧力(P)プロファイルをグラフィカルに示し、一方、図4Aは、所定の期間にわたる流量(Q)を示す。図44は、同様に、可変力送出プラットフォーム402(図26〜27に示すような)を含む調節システム325によって本明細書で開示されるような調節システムを使用した、媒体注入についての例示的な媒体注入圧力プロファイルPModifiedを示す。図44に見られるように、調節圧力プロファイルPModifiedに沿うピーク注入圧力は、調節なしで、典型的なピーク注入圧力より60パーセント小さい場合がある。
図45は、再び、患者内への媒体の典型的な3.5秒注入にわたる、例示的な脈動媒体注入プロファイルPPulsatile Iを示す。図45の媒体注入プロファイルPPulsatile Iは、典型的な注入の全圧力の達成が実現されることを可能にするが、媒体加圧の離間した間隔でそうしてもよい。図45に示す例において、脈動圧力プロファイルPPulsatile Iについての「デューティサイクル」(波の間の時間)は、図46により完全に示され、図46は、圧力プロファイルPPulsatile Iの一部分の拡大セグメントである。図46において、圧力が印加されて、ピーク圧を達成するため各0.25秒デューティサイクルの部分は0.15秒であり、一方、圧力がピークで印加されない各デューティサイクルの部分は0.10秒であり、脈動注入の例として、60%「オン」/40%「オフ」加圧をもたらす。機能(例えば、不透明化)を損なうことなく媒体注入の減少を達成するために使用されてもよい種々の波の形状、ピーク、トラフ、デューティサイクル等が存在することが明らかである。これは、媒体の送出を調節するための脈動注入の使用時の1例に過ぎない。
図47及び48は、図45と同様の注入圧力プロファイルを示すが、脈動式媒体加圧について異なるデューティサイクルを使用する代替の媒体圧力プロファイルPPulsatile IIを示す。この場合、デューティサイクルは0.125秒であり、脈動のより高い周波数をもたらすが、典型的な注入プロファイルPTypicalの周りで圧力Pを依然として達成する。図48は、拡大図を示し、脈動式流れプロファイルPPulsatile IIのピークと谷との間の例示的な60/40デューティサイクル比を示す。媒体注入について脈動圧力プロファイル(プロファイルPPulsatile I又はPPulsatile II等)を確立することは、ピーク圧が印加されることに依存しない場合がある(図44、45、及び47等)。媒体注入圧の脈動は、任意の所望の圧力で媒体に印加されて、不透明の低下なしで、注入される媒体の量を減少させる可能性がある。
代替の実施形態に関して先に論じたように、患者に対する媒体送出の調節は、並列に又は直列に達成されてもよい。図49は、脈動媒体圧力調節が「並列」配置構成で達成されてもよいという(カテーテル334が1つのレベルの媒体流れ抵抗を提供し、媒体リザーバ700を含んでもよいフローダイバータアセンブリが、上述したような他のダイバータ要素と組み合わされて、シリンジ332とカテーテル334との間の媒体流に対して第2の抵抗を提供するという)配置構成を概略的に示す。カテーテルにおいて圧力を調節するための1つの手段は、リザーバ700の操作によってブリードオフ媒体圧力を調節することである。実際には、これは、分流される流路上で可変抵抗器を使用するように、分流される流路にかかる負圧を生成することによって達成される。これは、例えば、可動ピストン、ソレノイド、又は膜によって等でリザーバ700内の体積を調節することによって行われてもよく、それは、その後、カテーテル334を介して患者に印加される媒体圧力の周波数を変えるという結果をもたらす。リザーバ700内の体積は、機械式デバイスによって生成される機械式力によって調節され、それにより、リザーバ700内の媒体にかかる波又は脈動を生成してもよい。こうしたデバイスは、制御接続710を介して有線又は無線でリザーバ700に結合されたコントロータ705によって制御され得る。コントローラ705は、患者に対して減菌手術野の外に位置してもよい。代替的に、機械式デバイスは、デザイン上、コントローラ705を要求することなく、リザーバ700内の媒体上で脈動アクションを規定するように形成されてもよい。図49に示すような配置構成における分流される媒体流の脈動化は、リザーバ700内の体積を調節することによって、又は同様に、シリンジ332とカテーテル334との間で、リザーバと主流路との間に延在するダイバータ流路715を開閉することによって達成されてもよい。いずれの事例でも、媒体流の分流部分内の媒体に対してこうした脈動活動を達成するため機械式手段又はコントローラ駆動式手段を使用することは、例示的な媒体圧力プロファイルPPulsatile I(図45)及びPPulsatile II(図47)によって再び示すように、カテーテル334を介して患者に対する同様に減少した媒体流をもたらす。これらの例は「脈動性」圧力を達成する2つの方法を述べるが、同様な波を実施する多数の手段が存在し、これらは、本開示の範囲外ではない。
更に、媒体流路の分流部分内の媒体に作用する脈動性力によって、シリンジオペレータは、こうした脈動の即座の作用を(すなわち、シリンジを手動で操作するときの触感覚によって)必ずしも感じない場合がある。オペレータにとって、シリンジの操作は、図44、45、及び47のPTypicalに示すような典型的な媒体注入圧力プロファイルと異なって感じない又は機能しない場合がある。
先に述べたように、カテーテル334を介して患者に印加される媒体についての圧力プロファイルは、同様に、媒体に直接(すなわち、カテーテル334に対する媒体流と直列に)加えられる脈動作用によって達成されてもよい。この例において、脈動発生器720は、シリンジ332とカテーテル334との間に延在する媒体流ラインに沿って配設され
てもよい。脈動発生器720は、脈動発生器720を通してカテーテル334に流れる媒体にかかる正圧を生成して、プロファイルPPulsatile I(図45)又はPPulsatile II(図47)によって示すような媒体圧力プロファイルに追従するように媒体の圧力を変えるようにデザインされてもよい。脈動発生器720によって媒体にかかる圧力の脈動化は、脈動発生器720を通って又はそれに隣接して通る媒体流ラインの反復的ピンチングによって、又は、他の適した機械式流れ脈動化手段によって達成されてもよい。代替的に、脈動発生器720は、シリンジ332に直接組込まれるため、シリンジ332を出る流体流は、その圧力プロファイルに対して脈動化された状態で既に送出されている。いずれの場合も、脈動発生器(シリンジとインラインであろうが、シリンジに組込まれようが、シリンジに隣接していようが)は、減菌手術野の外に配設されたコントローラ705によって制御されてもよい。コントローラ705は、制御接続710を介して有線又は無線で脈動発生器720(発生器がシリンジ332とインラインで配設されようが、シリンジ332内に配設されようが)に結合されてもよい。脈動発生器720がいずれのコントローラとも独立に働くことが同様に考えられる。
媒体の脈動流の多くの場合、目的は、患者に送出される媒体の量を減少させるが、手術機能を達成するのに十分な媒体を依然として提供することである。造影剤送出の場合、機能は、注入による血管系の不透明化を通して決定されてもよい。図45及び47に示すプロファイル等の脈動式媒体圧力プロファイルを使用する利点は、不透明を達成するのに必要な媒体の量が減少される場合があることである。同様に、媒体圧力/流れ脈動化による媒体調節は、患者内に配備されるカテーテル構成のサイズ又は形態に依存し得て、したがって、全てのこうしたカテーテル構成及びプロシージャにわたって過剰な媒体の導入を更に減少させる能力を提供してもよい。更に、部位に送出される媒体の流れを「脈動化する」作用は、作用剤と血液とのよりよい「混合」を提供してもよく、それ自体は、図18のデバイスによって述べられる「混合」作用と同様に媒体使用を低減し得る。
引き続き、注入を血管内の血液の流れと「同期させること」に関して、図14は、同期化式媒体注入調節システム用の例示的なスキーマを示す。図示するように、1つ又は複数の信号センサ150はそれぞれ、心臓の左冠動脈等のターゲット注入部位における流れの少なくとも1つのパラメータの状態を表す、推定する、又は推測する信号を受信してもよい。コントローラ152は、センサ(複数可)150から信号(複数可)を受信し、その後、送出カテーテルシステム154を通る媒体の調節式送出を直接的に又は間接的に起動してもよい。図14に見られるように、バルブ調整部(又はその他の方法で調節する機構)は、送出システム154の近位部分の近くに(例えば、近位バルブ調整部156において、身体の外で、送出カテーテル近位部分に近接して)位置決めされてもよい、及び/又は、送出カテーテルの遠位部分内に、その周りに、及び/又はそれに近接して(例えば、遠位バルブ調整部158において、身体の内部に)配置されてもよい。こうしたバルブ調整部はコントローラ152によって作動される。更に、センサ信号の1つ又は複数は、EKG等の身体の外部に位置するセンサからのものであってよい、及び/又は、センサ信号の1つ又は複数は、身体内のセンサ(カテーテルの遠位部分内に、その周りに、及び/又はそれに近接して配置された圧力センサ等)から引出されてもよい。
調節の直接制御は、例えば、例示的な図13に示す注入流量(例えば、QAgent)プロファイルを生成するため、注入送出カテーテルを通る媒体の分配を同期化するよう注入デバイスを直接起動することを含んでもよい。この例において、センサ150からの信号(例えば、EKG信号等)がコントローラ152によって使用されて、注入ポンプ160を直接作動させ、それにより、図13に示す媒体作用剤注入流量(例えば、QAgent)プロファイルを生成するよう注入器出力を増加/減少させる。こうしたシステムの例は図15に見出される場合がある。見られるように、患者の心拍数のEKG信号は、コントローラ152によってEKGセンサ150から受信される。コントローラ152は、例
えば、EKGのQRS群後の或る時間間隔で流量を増加させるための開始を、また、EKGのQRS群の前に及び/又はその最中に流れ送出を減少させるための開始を選択的に合図してもよい。そのため、図15のコントローラ152は、その後、注入器162に動作可能に結合されるポンプ160をいろいろな程度に起動/停止して、注入が保証されることをオペレータがコントローラ152に合図すると、注入器162から媒体の分配を可能にしてもよい。注入ポンプ160の起動/停止は、図13で述べる例示的な注入プロファイル(QAgent)を生成することが可能であってよい。
調節の間接的制御は、例えば、注入デバイスから分配される注入をバルブ調整すること(又はその他の方法で調節すること)を含んでもよい。図14の種々のスキーマで先に述べたように間接的バルブ調整部(又はその他の方法で制御する機構)は、作用剤送出システム154内で、その周りで、及び/又はその上に近位に又は遠位に位置決めされてもよい。間接的調節制御の例は、図16A〜16Dに見出される場合がある。この例において、センサ165は、送出カテーテル166上で遠位に配備され(図16Aに見られる)、(図16Bの)調節デバイスは、近位に設けられる(すなわち、例えば、図16Cの調節器168について示すように近位に位置決めされる)。図16Aのセンサ165は、送出カテーテル166の遠位先端上に位置決めされた例示的な圧力センサである。先に述べたように、これは、媒体の送出を血液流量と同期化する信号を得るときに使用されてもよい種々のセンサの1つの例に過ぎない。図16Aは、送出カテーテル166の遠位先端上へのセンサ165の位置決めを示す。図16Aのセンサ165の例示的な位置決めは、本明細書で述べる機能を実施するために示す位置決めに限定されるべきでない。その理由は、身体上の(すなわち、呼吸に応じて)、身体を通る(すなわち、撮像に応じて)、そして、身体内の(すなわち、ターゲット送出部位に近接する変数に応じて)種々の場所に位置決めされる多数のセンサタイプ(及び等しい信号)が存在するからである。明らかに、例示的な図16Aにおける遠位圧力センサの配置でさえも、ほんの幾つかを挙げると、カテーテルに沿う圧力ワイヤ、圧力測定のためのカテーテル本体内のルーメン、カテーテルの遠位先端内に配備された圧力センサ、カテーテルの遠位先端の遠位でかつターゲット血管内に配備された圧力センサ等の多くの形態をとる可能性がある。
図16Bを参照すると、調節デバイス168は、入口ポート170(注入デバイスから)及び出口ポート172(送出カテーテル166へ)を備えてもよい。注入流体の流れは、注入ポート170を通り、調節器168の本体又はハウジング176内の流体チャンバ174に入るように通ってもよい。調節器168は、流体チャンバ174内に配設された円柱ハブ180に取付けられた複数のベーン/プレート178を有してもよい。ベーン178及びハブ180は、注入ポート170を通る流体チャンバ174内への媒体の注入によって、(調節器168の流体チャンバ174及び本体176に対して)自由に回転することが可能であるベーン・ハブの「ピンホイール」構造を画定するように形成されてもよい。ハブ180は、一方向に優先的に回転するようにデザインされてもよい。例えば、図16Bは、流れ矢印182による時計方向への流体の優先的な流れ及びベーン・ハブの回転を示す。流体チャンバ174から、注入流体は、出口ポート172を介して調節器168から流出してもよい。
このタイプのベーン・ハブ調節器デザインの1つの利点は、(所定の期間にわたって)調節デバイス168を通って送出される注入流体の総体積を測定する又はその他の方法で特定することが容易であり得ることである。その理由は、ベーン・ハブの一回転中にデバイス168を通過する体積が容易に決定され、回転数が計数機構によって簡単に計数される場合があるからでる。代替的に、隣接するベーン178間の流体の各「セル(cell)」は、計数機構によって容易に計数されてもよい。計数機構は、図に示されない、しかし、計数機構は、ベーン178及び/又はベーン・ハブの何らかの他の要素がその測定野内で通過した回数を特定すること、又は、ハブ180の軸が回転する回数を決定すること
が可能な、磁気、機械、超音波、赤外線、又は同様な測定デバイスを備えてもよい。こうした計数デバイスの出力が利用されて、プロシージャ中に使用される媒体の総体積を(リアルタイムに)判定し表示してもよい。有利には、注入される媒体の管理において、オペレータ/内科医は、(計数デバイスによって決定され、適したディスプレイ又は指示出力によって提示される)使用される媒体の量を直ちに見てもよい。(例えば、計数された回転に基づく計算/変換による)体積の決定は、計数デバイスの一部として実施されてもよい、又は、ディスプレイデバイスによって実施されてもよい。体積測定を可能にすることに加えて、計数機構/信号/ディスプレイは、作用剤の最大体積(すなわち、オペレータ決定値、最大許容可能造影剤投与量、GURM比等)が投与される前に又は投与された時点でオペレータ/内科医に警告する種々のアルゴリズムを組み込んでもよい。
引き続き、図16B〜16Cに示す例示的な調節デバイス168の説明に関して、ベーン・ハブ調節器は2つのコンポーネントを備えてもよい。1つのコンポーネント186は、コントローラ/アクチュエータ185に隣接して位置してもよく、また、入力ポート170、出力ポート172、及び回転ベーン/ハブ178/180を有する流体チャンバ174を備えてもよい。流体と接触するようになる場合があるシステムのこのコンポーネントは、そのように所望される場合、使い捨てであってよい。コントローラ/アクチュエータ185、制動機構191、センサ信号190受信機、及び同様なものを備える第2のコンポーネント188が使用されて、回転に対する抵抗を提供するようにベーン・ハブの回転をクラッチングする、制動する、又はその他の方法で阻止してもよい。回転に対して誘起される抵抗は、図16Aの信号190と協調して、例えば、図13で述べる作用剤流体流(QAgent)プロファイルを生成するよう注入器からの注入を調節してもよい。
図16Cの調節器168の制動又はクラッチングは、例えば、機械式、油圧機械式、電気機械式、電磁式、化学機械式等を含む種々の手段を通して実施されてもよい。図16Cは、電磁手段を使用して、ベーン・ハブのシャフト192を制動するための1つのこうした手段191を示す。例示的な制動構造191は、図16Dに更に詳述され、ハブ180の長手方向シャフト192は、磁場196内に位置決めされたヒステリシスプレート/ディスク194に結合される。電気が磁気コイル196に印加されて、磁束がヒステリシスディスク194に伝達され、(ヒステリシスディスク194が場を通過すると)ディスク194上に磁気「抗力」を生じる。ヒステリシスプレート194(したがって、ベーン・ハブのシャフト192)に加えられる抗力又は制動は、磁場に印加される電圧の増加/減少と共に増加/減少して、意図するように媒体の流れを調節してもよい。電流が取除かれると、接続されたディスク/シャフトは、シャフト192の軸の周りに自由に回転してもよい。図13の例において、作用剤(QAgent)の最大流量は約5.2ml/秒である。したがって、図13のQAgentのプロファイルを生成するとき、5.2ml/秒の一定レートでの調節器168内への媒体の注入が設定されてもよい。調節すると、図16Dの制動機構191は、必要に応じて作用剤の抗力を増加させて(流量を減少させて)、図13のQAgentの流れプロファイルを生成してもよい。
図16B及び16Cは、調節器を通して注入作用剤の流れプロファイルを調節する多数の手段のうちの1つを述べ、したがって、限定することなく、本明細書で開示する調節モニタリング及び制御概念を示すことを意図される。もちろん、こうした手段は、種々の信号及びセンサ(図16Aに示すような)と共に使用されて、注入媒体の流れを身体媒体流と同期化してもよい。したがって、図16の例は、同期化を実施するため調節器デバイスがどのように使用されてもよいかの一例に過ぎない。
本明細書で述べる「同期化」送出についての先の実施形態は、媒体の送出の能動検知及び後続の調節を含んでもよい。しかし、送出部位に対する媒体の送出は、同様に、例えば、圧力等の、送出部位内の及び/又はその周りの物理的属性に応じて媒体送出を受動的に
バルブ調整することによって調節されてもよい。図23を参照すると、送出カテーテル260は、冠血管系の左冠動脈主幹部24等の送出部位に媒体を送出するために留置されてもよい。このセッティングにおいて、先に述べたように、左冠動脈主幹部24並びに大動脈22内に連続して変化する圧力が存在する。バルブ調整機構262は、送出カテーテル260の遠位部分内に、その上に、又はそれに近接して配備されてもよい。
図24A及び24Bは、受動バルブ調整機構262が存在する状態でカテーテル260の遠位部分をより詳細に示す。図24A及び24Bに示すように、バルブ調整機構は、カテーテル260の媒体送出ルーメン266に沿う一部の血液流を可能にする血流バイパスルーメン264を含んでもよい。受動バルブゲート268は、送出部位の周りの圧力差に応じて、バイパスルーメン264を通る血流及び媒体ルーメン266を通る媒体流を制限するように配設される。図24Aに示すように、左冠動脈主幹部24内の圧力(例えば、PLM)が大動脈22の圧力(例えば、PAO)より小さいとき、送出カテーテル260のバルブゲート268は(図24Aの媒体流れ矢印269aで示すように)送出部位に対する媒体の注入を可能にしてもよい。逆に、図24Bに示すように、左冠動脈主幹部24が大動脈22に対して圧力が増加した(例えば、左冠動脈主幹部24に入る血流を減速させる)状態で、左冠動脈主幹部24と大動脈22との圧力差が変化するにつれて、受動バルブゲート268は、(図24Bの媒体流れ矢印269bで示すように)送出部位に対する媒体の送出を妨害する又は減少させるように働いてもよい。そのため、図23、24A、及び24Bのデバイスは、受動バルブ機構に応じて、冠血管系に対する媒体の「同期化」送出を可能にしてもよい配置構成を提供する。
図25A及び25Bは、送出部位に対する媒体の送出効率を改善するため、カテーテルの遠位部分を受動的にバルブ調整する別の実施形態を示す。図25Aは、例えば、カテーテル/動脈インタフェース272において等で、冠動脈25と密閉関係(部分的又は全体的)で留置されてもよい送出カテーテル270を示す。こうした使用によって、大動脈22からの血流が、閉塞動脈25を灌流することを制限されるという懸念が存在する場合がある。しかし、図25Aに示すように、送出カテーテル270の遠位部分は、バルブ274及びバルブ274の遠位に配設されたオリフィス(複数可)276を有して、媒体注入が起こっていないときに、大動脈22から、カテーテル270を通り送出カテーテルの遠位への(すなわち、動脈25に入る)灌流を提供してもよい。この事例において、バルブ274は閉鎖し、血液が、オリフィス(複数可)276に入りカテーテル270の遠位部分を通りカテーテル/動脈インタフェース272を通過して流れることを可能にする。そのため、バルブ274は、(バルブ274を通過する媒体の流れを阻止しながら)図25Aの血液流れ矢印278で示すように、遠位への血流の流れを可能にするように働く。逆に、図25Bに示すように、媒体の送出が保証されると、バルブ274は、大動脈22からの灌流を減少させ、送出部位に対する媒体送出を可能にするように配備されてもよい。この事例において、バルブ274は開口し、媒体が、バルブ274を通過しカテーテル270の遠位部分を通りカテーテル/動脈インタフェース272を通過して流れることを可能にする。そのため、バルブ274は、(バルブ274を通過する血液の流れを阻止しながら)図25Bの媒体の血液流れ矢印279で示すように、遠位への媒体の流れを可能にするように働く。
送出カテーテルの受動遠位バルブ調整が使用されて、送出部位に対する媒体送出の効率及び/又は有効性を更に強化してもよい多くの形態が存在する。先の例は、本発明の例示であり、その範囲において制限的であるとして解釈されるべきでない。
ターゲット部位に対する媒体のより効率的な送出を実施するため本明細書で述べられる種々の実施形態に加えて、注入の調節は、種々の送出カテーテル先端構成によって更に強化され、したがって、有利には、送出部位内の、その周りの、及び/又はそれに近接した
流れ特性を変更してもよい。図17A〜17Dは、こうした機能を実施するために使用されてもよい4つの実施形態を示す。図5A及び5Bによって先に述べたように、媒体の送出に関連する難題の少なくとも1つが、送出カテーテル先端の場所及び先端の周りの圧力差を含む場合があることが明らかである。図5A及び5Bは、左冠動脈主幹部24に至る口20における大動脈22内のカテーテル送出先端を示す。この「カテーテル先端」留置は一般的である場合がある。その理由は、血管を損傷する/かく乱するかつ/又は左動脈系内で痙攣(したがって、急性閉塞)を生じる懸念のせいで、内科医が左冠動脈主幹部24内へのカテーテルの先端を送出することを躊躇する場合があるためである。送出カテーテルがそのように位置決めされる場合、送出カテーテルからの媒体を、大動脈に入る(したがって、全身に入る)ように優先的に送出するのに比べて、口に入るように優先的に送出する「駆動力」(例えば、圧力差)はほとんど存在しない場合がある。図17A〜17Dは、口内への作用剤の送出を強化するため、送出カテーテル先端を囲む及び/又はそれに近接する環境を優先的に調節する場合がある種々の実施形態を示す。多くの点で、これらの実施形態は、同様に、物質のより効率的な送出に対処するため、送出カテーテル遠位送出部分を囲む環境を分離/制御するように働いてもよい。
例えば、図17Aは、(少なくとも注入中)大動脈22内の圧力を増加させ、口20に入るよう注入媒体を更に「駆動する」ため、その遠位部分212の周りで膨張したバルーンを有してもよい送出デバイス210を示す。図17Bの実施形態は、送出デバイス20のカテーテル送出先端を囲む円錐部材222を示し、円錐部材222は、媒体を取込み/分離する、かつ/又は、媒体が大動脈22に流れるための(配備されるときの)流れ抵抗を増加させ、したがって、左冠動脈主幹部24内に媒体を優先的に「駆動する」ように働いてもよい。図17BのPAO及びPLMは、単に識別のために大動脈内の圧力エリア(例えばPAO)及び左冠動脈主幹部内の圧力エリア(例えばPLM)を指定する。円錐部材222は、同様に、拡張可能であってよいと共に、222の拡張は、更に、PAOとPLMとの間の圧力勾配に応答する可能性がある。
図17Cで述べる代替の例示的な実施形態は、遠位カテーテル送出部分234の周りに同軸部材又はスリーブ232を含み、また、本質的に、左冠動脈主幹部24を大動脈22内に人工的に「拡張させる」ように働いてもよい送出デバイス230を示す。そのため、媒体を注入すると、媒体の流れは、口20に流れるときに存在するのに比べて、(スリーブ232を介して)大動脈22への経路に沿って流れるために大きな抵抗にさらされる。幾つかの方法で、同軸232部材の同軸の性質は、同様に、媒体の遠位「リザーバ」として機能し、その後、例えば、左冠動脈主幹部24によって見られる反復的圧力変化に応答して、一時的なリザーバ構造から媒体を放出してもよい。
図17Dは、送出カテーテル遠位部分を囲む流れパラメータの調節における別の実施形態を示す。図示するように、送出デバイス240は、カテーテルの遠位部分を囲む、同軸に拡張可能なシース242を有する送出カテーテル先端を有する。拡張すると、シース242は、例えば244にて口20に部分的に係合する可能性がある。シース242の拡張は、カテーテルの遠位部分に沿う少なくとも1つ又は複数のオリフィス246を通る注入媒体の流れによって作動されてもよい。拡張されるシース242は、配備されると、図17Dの流れ矢印で示すように、左冠動脈主幹部24に入る経路に沿うのに比べて、大動脈22の開口20への経路に沿う(作用剤用の)流れに対してより大きな抵抗を生成してもよい。
図17A〜17Dに例示される構造及び構成に対する多くの変形が存在し、その変形は、送出カテーテルの遠位部分を囲む圧力及び/又は流れ環境を調節する、又はその他の方法で制御又は分離してもよい。図17A〜17Dは、送出部位内で、その周りで、及び/又はそれに近接して流れ特性を有利には調節する実施形態の例示であり、したがって、こ
うした流れ特性を達成するための構造及び方法の範囲を制限するものと見なされるべきでない。
送出部位内で、その周りで、及び/又はそれに近接して流れ特性の環境を調節するように働いてもよい開示される種々の配置構成及びプロセスに加えて、他の送出カテーテル遠位先端デザインが、有利には、媒体を血液と「混合」してもよい。少なくとも幾つかの媒体送出シナリオ(すなわち、作用剤、ターゲット部位、流れパラメータ)において、媒体が血流と十分に「混合」される(例えば、血液内で媒体の均一な濃度になる)前に、注入される媒体が、カテーテルの遠位先端から或る距離だけ移動することが必要である場合があることを出願人等は見出した。図5A及び5Bで述べる例において、注入される作用剤が、口から左冠動脈主幹部及び/又は動脈供給部に沿って遠位に或る距離の間、血流内で均一濃度に達しない場合があることが考えられる。例として、媒体が血液と混合するために約2cm〜3cmかかった場合、血管に沿うこの距離は、「十分に不透明化され」ない場合がある。この状況において、注入器のオペレータは、血管のより多くの不透明化を得るため、媒体送出を増加させ続けてもよい。例えば、図18に示す遠位先端構築物を有する送出カテーテルは、カテーテルを出る媒体を、カテーテルのそばを流れる血液とより容易に混合することができ、したがって、有利には、動脈の不透明化を見るのに必要な媒体の量を減少させる場合がある。
図18の例は、カテーテル250を出る媒体の渦流256に似たフローパターンを提供するため、その遠位先端254の内側表面に沿ってリブ付き起伏252を有する送出カテーテル250を示す。かく乱された媒体フローパターンは、媒体及び血液をより容易に混合する場合がある。図18は送出カテーテルの内側表面に沿うリブ付き起伏を示すが、同じ機能を実施してもよい他の構造及び構成(送出カテーテルの内径及び/又は外径に沿う構造、血液/媒体流を撹拌/かく乱するため、カテーテル先端の遠位で、血液内に配備される構造、送出カテーテル内で媒体/血液の混合を可能にするため、カテーテルの遠位部分に沿って配置されるオリフィス等の構造等)が存在してもよいことが明らかである。媒体及び血液を混合するという考えに関連して、図18は、そうするための例示的な配置構成及びプロセスを示すことを意図されない。
使用されるカテーテルの「先端」が、患者の身体内に(例えば、送出カテーテルの近位部分の遠位に)存在する場合があるカテーテルの「遠位部分」又は任意の他の部分と同じ意味であってよく、また、意図するターゲット部位に対する作用剤の送出において役割を果たしてもよいことに留意されたい。
本明細書で述べる実施形態の多くを要約すると、作用剤、物質、材料、薬剤、又は媒体が、身体内の特定の部位に好ましくは送出される、医療の診断、予防、及び処置実践における多数の場合が存在する。本明細書で述べる例の幾つかは、有利には、図19に示す調節用要素/機能の1つ又は複数から導出される場合がある送出制御属性(すなわち、注入デバイスタイプ、レギュレーションタイプ、直接送出に対する順次送出、身体流との同期化、ポンプ後に対してポンプにおける起動/停止、流れ環境操作)を備えた。図19は、本開示及び/又はその説明の例示的な図を参照して述べた要素/機能の幾つかを要約しようと試みる。重要なことには、媒体送出調節における種々の要素/機能は、それ自体、互いに排他的でない。その理由は、これらの要素/機能の1つ又は複数が、組合せて使用されて、所望される制御属性を導出してもよいからである。したがって、図19で特定される種々の要素/機能は、選択されて(例えば、「混合され適合されて」)、意図する目的を最適に実施する調節器を生成してもよい。例えば、媒体調節機能の実施における種々の属性、例えば、少数を挙げると、ターゲット部位の場所、ターゲット部位のアクセス、ターゲット部位に近接する流体動特性、送出される作用剤(例えば、量、粘度、毒性)、注入周波数、ターゲット部位内での作用剤の濃度、ターゲット部位分離、調節器の使用の容
易さ、投与の複雑さ、システムのコスト、及び作用剤のコストが考えられてもよい。
図19は、読者が例示的な機能/要素を特定するのを導くための一般的な要約と考えることができる。したがって、図19は、それ自体、特定の機能/要素を含んでもよい本開示内に全ての図及び説明を含まないし、図19は、本明細書で開示される全ての実施形態も含まない。調節についての開示される特徴、システム、及びスキームが、無数の組合せ及び部分組合せで組合されて、特に示され述べられたものに加えて、媒体を過剰に導入することなく、媒体の使用できる導入(例えば、不透明)を達成し得ることが企図される。
示すシステムの例の多くは、心血管造影剤の送出を含んだ。しかし、身体の特定の構造/器官/部位に対する物質の制御された送出が、同様に、本明細書で開示するデバイス及び方法から利益を受ける場合がある多くの他の用途が存在する。種々の医療用途並びに多様な調節手段(例えば、図19の要素/機能)によって、そのユニークでかつ意図される目的のための調節器を生成するために使用される複数の機構が存在してもよい。調節器デバイスの構築物内の種々の要素/機能を使用することにどのように取りかかるかの例は、リンパ管造影の非冠血管プロシージャに関するため、以下で更に述べられる。
リンパ管造影は、リンパ系に対する撮像剤の送出を使用し、作用剤が注入され、その後、転移性がん細胞の可視化において、X線写真(複数可)が撮影される。プロシージャ的に(また、リンパを特定した後に)、針/カテーテルが、足内の(第1中足骨の基部に近い)リンパチャネル/血管に挿入されてもよく、造影剤(エチオドール(Ethiodol)等)が、非常に遅いレート(約60〜90分)で身体に注入されてもよい。注入の総量は6〜7mlであってよい。患者は、通常、プロシージャ中に、仰向きに寝たままである。注入が終了すると、X線写真が撮影されてもよい。注目すべきことには、リンパ系内の流体の「流れ」は、冠動脈の速い流れ及び可視性と比較して、一貫して遅い。更に、リンパチャネル/血管は、過圧に対して非常に敏感である(例えば、破裂性がある)場合がある。
リンパの例の説明が与えられると(また、図19を参照すると)、以下の属性、すなわち、長い送出時間、送出される小さな体積、定流量、過圧に対する感度、送出中に患者に対処するための十分な可搬性/可動性、及び自動注入器を使用するときの費用以下の費用を満たす要素/機能を有する調節器が構築されてもよい。これらの属性が与えられると、媒体を順次(遅延して)送出するため手動装填式注入器が考えられてもよく、デバイスは、最初に、送出される流体量(例えば、6ml)を充填されてもよく、注入を放出すると、長い期間(例えば、90分)にわたって媒体を送出してもよい。レギュレーション中の要素は、定流量(すなわち、可変圧力に関係なしの定流量)を有するデバイス、又は、一定圧力差によって機能する(すなわち、可変流量に関係なしの)レギュレータ要素を含んでもよい。リンパにおいて圧力に対する感度が高いため、後者の代替物は、(例えば、送出カテーテルが送出中に閉塞した場合)高圧「スパイク」に適応するのにより柔軟性があってもよい。図19を観察すると、身体流れ同期化、流れ起動(信号による)、及び遠位環境変更の要素はあまり重要でない場合があり、したがって、これらの特徴は、例示的なデバイス構築物に含まれない場合がある。最終的に、図9A〜9Cで示され述べられたマルチコンポーネント順次送出デバイスは、過圧によってリンパチャネル/血管を破裂させるリスクなしで、制御された量の作用剤の送出を単に調節し得る。順次送出は、送出される流体の精密な量を充填することを可能にし、リンパ血管がアクセスされると、所定期間にわたって媒体を送出し続けてもよい。
明らかに、リンパ媒体送出は、1つの更なる非心臓血管の例に過ぎず、本明細書で開示される種々の要素及びコンポーネントが、流体物質の送出における多数の臨床用途を満たす種々の方法においてどのように使用されてもよいかを更に示すのに役立つことを意図さ
れる。更に、本明細書で述べるシステムが、医療使用に適すると一般に認識された材料で形成及び/又は構築されてもよいこと、また、システムのコンポーネントの構築物内に使い捨て材料か、再使用可能材料か、又は両方の組合せを含んでもよいことが予想される。
本明細書で述べる媒体送出調節デバイス及び方法が、述べる特定の代表的な実施形態に限定されないことが理解されるべきである。その理由は、本開示の範囲及び精神から逸脱することなく、これらの実施形態に対して変形が行われてもよいからである。同様に、実施形態の説明で使用される用語は、制限的であることを意図されず、概念を伝えるためにだけ使用される。別途規定されない限り、本明細書で使用される全ての技術的及び科学的用語は、開示されるデバイス及び方法が関連する技術分野の専門家に一般に理解されるのと同じ意味を有する。更に、一実施形態に関して開示される任意の特徴は、別の実施形態に組込まれてもよく、また、その逆も同様である。