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JP2020196974A - メルトブロー不織布製造用口金ならびにメルトブロー不織布の製造装置および製造方法 - Google Patents

メルトブロー不織布製造用口金ならびにメルトブロー不織布の製造装置および製造方法 Download PDF

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JP2020196974A JP2019104065A JP2019104065A JP2020196974A JP 2020196974 A JP2020196974 A JP 2020196974A JP 2019104065 A JP2019104065 A JP 2019104065A JP 2019104065 A JP2019104065 A JP 2019104065A JP 2020196974 A JP2020196974 A JP 2020196974A
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JP2019104065A
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智雄 稲葉
Tomoo Inaba
智雄 稲葉
晋吾 林
Shingo Hayashi
晋吾 林
美佐男 大森
Misao Omori
美佐男 大森
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

【課題】圧力損失が低いうえに優れた捕集効率を有する不織布、特にエアフィルターに好適に用いることができるメルトブロー不織布を容易かつ安価に製造することが可能な口金を提供することにある。【解決手段】下記(i)〜(iii)の孔配置を有するメルトブロー不織布製造用口金とする。(i)複数の吐出孔(a)が前記不織布の幅方向に一列に配列されてなる。(ii)前記複数の吐出孔(a)の間に、複数の吐出孔(b)が互いに距離(Db−b)の間隔で連続して配列されてなる。(iii)前記距離(Db−b)は、隣り合って配置される前記吐出孔(a)と前記吐出孔(b)との間の距離(Da−b)よりも狭い。【選択図】図2

Description

本発明は、エアフィルターに好適に用いられるメルトブロー不織布の製造に用いられる口金に関するものであり、特に、低圧力損失と高捕集効率を発揮することができる高性能のメルトブロー不織布を製造するのに好適に用いられる口金、ならびにそれを用いた不織布の製造装置および製造方法に関するものである。
従来から、気体中の花粉や塵等を除去するためにエアフィルターが使用されており、そのエアフィルターの濾材として不織布が多く用いられている。中でも、不織布の製造法の一つであるメルトブロー法は、エアフィルター製品の濾材や電池セパレータ等々の製造に幅広く使用されている。メルトブロー法は、一般に、紡糸口金から押し出された熱可塑性ポリマーを熱風噴射することにより繊維状に細化し、得られた繊維の自己融着特性を利用して繊維ウェブとして形成せしめる方法であり、スパンボンド法等の他の不織布の製造法に比べて、複雑な工程を必要とせず、また数10μmから数μm以下の細い繊維が容易に得られるという利点をもつ。
エアフィルターに要求される性能は、ミクロなダストを多く捕集できる高捕集効率、および、エアフィルター内部を気体が通過する際に抵抗が少ない低圧力損失である。高い捕集効率を有する濾材を得るためには、一般的に、不織布を構成する繊維を細繊度化することが適している。しかしながら、不織布を構成する繊維を細繊度化すると、その不織布が潰れやすくなり、繊維密度が増加することにより圧力損失が高くなるという課題が生じる。一方、圧力損失が低い濾材を得るためには、不織布を構成する繊維を太繊度化することが適しているが、その場合には、不織布内の繊維表面積が減少してしまい、捕集効率が低下する。このように、高捕集効率を有することと、低圧力損失を有することは相反する関係にあるものである。
上記の問題点を解決する方法として、特許文献1には1〜10μmの繊維が適度に混合分散した混繊不織布が、フィルターに好適に用いられるとされている。また、特許文献2には、細繊維と太繊維が混合した不織布を形成することにより不織布の潰れを軽減し、圧力損失の上昇を抑制する方法が提案されている。また、特許文献3では、メルトブロー不織布に10μmより太い繊維を混繊する方法が開示されている。さらに、特許文献4には、メルトブロー不織布を束状にすることで折り加工性と高い剛性を付与する方法が開示されている。
特許第3753522号公報 特開2015−161041号公報 特許第3703986号公報 特開平8−224412号公報
しかしながら、特許文献1の方法では大小異なる孔径から吐出するため、紡糸性が悪化(ショットと呼ばれる紡糸欠点が多発)するという課題がある。また、特許文献2では、2台の押出機、ギアポンプを用いることで大小各々の吐出を制御し、細い繊維と太い繊維を混合しているが、設備面で高価である。特許文献3の方法では、細い繊維と太い繊維を均一に混合することが難しく、さらに高い捕集効率を得るためには高目付化しなければならないという課題がある。特許文献4の方法では、繊維束の割合を制御することが難しく、高い捕集効率得ることが難しい。
そこで本発明の目的は、圧力損失が低いうえに優れた捕集効率を有する不織布、特にエアフィルターに好適に用いることができるメルトブロー不織布を、容易かつ安価に製造可能な装置および方法を提供することにある。
本発明は、前記課題を解決せんとするものであり、以下のいずれかの構成を有するものである。
(1) 下記(i)〜(iii)の孔配置を有するメルトブロー不織布製造用口金。
(i)複数の吐出孔(a)が前記不織布の幅方向に一列に配列されてなる。
(ii)前記複数の吐出孔(a)の間に、複数の吐出孔(b)が互いに距離(Db−b)の間隔で連続して配列されてなる。
(iii)前記距離(Db−b)は、隣り合って配置される前記吐出孔(a)と前記吐出孔(b)との間の距離(Da−b)よりも狭い。
(2) 前記吐出孔(a)の孔径Φaと前記吐出孔(b)の孔径Φbとの比が0.6<(Φa/Φb)<1.3の範囲内である、前記(1)記載のメルトブロー不織布製造用口金。
(3) 前記吐出孔(a)の孔径Φaと前記吐出孔(b)の孔径Φbとが同一である、前記(1)または(2)記載のメルトブロー不織布製造用口金。
(4) 前記吐出孔(a)それぞれは複数の吐出孔(a1〜n)から構成されてなり、該複数の吐出孔(a1〜n)は互いに距離(Da−a)の間隔で連続して配列されてなり、かつ、前記吐出孔(a)の孔径Φaと前記距離(Da−a)との比が0.1≦(Φa/Da−a)<1.0である、前記(1)〜(3)いずれかに記載のメルトブロー不織布製造用口金。
(5) 前記吐出孔(b)の孔径Φbと前記距離(Db−b)との比が1.0≦(Φb/Db−b)≦5.0である、前記(1)〜(4)いずれかに記載のメルトブロー不織布製造用口金。
(6) 前記(1)〜(5)いずれかに記載の口金を有するメルトブロー不織布の製造装置。
(7) 熱可塑性樹脂を加熱溶融し、口金から前記熱可塑性樹脂を吐出するとともに熱風で繊維化し、捕集することで繊維シートとするメルトブロー不織布の製造方法であって、前記口金として前記(1)〜(5)いずれかに記載の口金を用いる、メルトブロー不織布の製造方法。
(8) 連続して配列されてなる前記複数の吐出孔(b)から吐出した熱可塑性樹脂によって扁平形状の繊維を形成し、かつ、前記繊維の断面における長軸長をx、短軸長をyとしたときに扁平率x/yが2〜8である、前記(7)に記載のメルトブロー不織布の製造方法。
(9) 前記不織布の目付が10〜80g/mの範囲である、前記(7)または(8)記載のメルトブロー不織布の製造方法。
(10) 前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である、前記(7)〜(9)いずれかに記載のメルトブロー不織布の製造方法。
本発明によれば、圧力損失が低いうえに捕集効率に優れたメルトブロー不織布を安定して得ることができる。そのため、特にエアフィルター等に好適な濾材を容易かつ安価に提供することができる。
メルトブロー不織布の製造装置を示す概略図である。 (a)口金の孔配置を示す概略図の一例である。(b)口金の孔配置を示す概略図の一例である。(c)口金の孔配置を示す概略図の一例である。(d)口金の孔配置を示す概略図の一例である。 捕集効率および圧力損失の測定装置を示す概略図である。
本発明の口金は、メルトブロー不織布の製造に用いられるものであるが、メルトブロー不織布の製造装置は、基本的に、例えば図1に示すような、原料供給口10と、加熱溶融された樹脂の押出機11と、押し出された樹脂を計量して吐出する計量器12および口金13と、口金から吐出された樹脂をサクションして捕集する、サクションボックス14を備えた捕集コンベヤ15とを備えている。この装置においては、不織布の原料となる熱可塑性樹脂が原料供給口10から供給され、押出機11で溶融されて計量器12へと押し出される。その後樹脂は、計量器12で計量されながら吐出孔が幅方向に一列に並んだ口金13から熱風(例えば、口金温度±30℃の範囲内)で繊維状に吹き出され、繊維状に延伸されて、サクションボックス14を備えた捕集コンベヤ15上に捕集される。このとき、捕集された繊維同士は互いに融着し、ノーバインダーの自己融着繊維シートが形成される。そして、該繊維シートは不織布ロール16として巻き取られる。
このような装置に用いられる本発明の口金は、以下の(i)〜(iii)の構成を有するものである。
(i)複数の吐出孔(a)が前記不織布の幅方向に一列に配列されてなる。
(ii)前記複数の吐出孔(a)の間に、複数の吐出孔(b)が互いに距離(Db−b)の間隔で連続して配列されてなる。
(iii)前記距離(Db−b)は、隣り合って配置される前記吐出孔(a)と前記吐出孔(b)との間の距離(Da−b)よりも狭い。
すなわち、口金には、例えば図2(a)に示すように、複数の吐出孔(a)が存在し、それらは得ようとする不織布の幅方向に一列に配列されているが、吐出孔(a)と別の吐出孔(a)との間には、複数の吐出孔(b)が、互いに距離(Db−b)の間隔をあけて連続して配列されてなる。そして、複数の吐出孔(b)は、互いの間の距離(Db−b)が、吐出孔(a)とその横に存在する吐出孔(b)との間の距離(Da−b)よりも狭くなるように配置されている。
口金の孔配置をこのようにすることで、メルトブロー不織布の製造に際しては、加熱溶融された熱可塑性樹脂が、幅方向に2種類以上の異なるピッチで一列に配列している吐出孔から紡出されることになるが、ピッチ幅を部分的に狭くしている複数の吐出孔(b)から紡出される単繊維が、相互に接着し扁平形状の繊維を形成する。そして、この扁平形状の繊維を、吐出孔(a)から紡出された繊維ととともにシート状に捕集することで、不織布の潰れを軽減し、圧力損失の上昇を抑制できるメルトブロー不織布とすることができる。すなわち、不織布構成繊維を細繊度化することで捕集効率を高めても、圧力損失が低いメルトブロー不織布となる。また、単純に細繊度と太繊度の円形断面繊維を混在させて不織布とするのに対し、本発明によれば、基本的に捕集効率に寄与する例えば円形断面の繊維とともに上記のような扁平形状の繊維を混在させることになるので、繊維表面積を増やすことができる。その結果、エアフィルター濾材としてエレクトレット加工した場合には、より多く帯電することができ、捕集効率を向上することができる。すなわち、圧力損失が低いうえに捕集効率に優れたメルトブロー不織布を得ることができる。
吐出孔(a)の孔径Φaと吐出孔(b)の孔径Φbは、その比が0.6<(Φa/Φb)<1.3の範囲内であることが好ましく、さらには同一孔径であることがより好ましい。孔径の異なる孔より吐出する場合に対し、孔径を上記のように比較的均等にする、より好ましくは同じにすることにより、単孔吐出量を同等にできるため、ショット(紡糸欠点)の発生が抑制され、紡糸安定性が向上する。
複数の吐出孔(b)を挟むように配列された吐出孔(a)は、図2(b)、(c)に示すように、それぞれが複数の吐出孔(a1〜n)で構成されていることも好ましい。そしてその場合、それら複数の吐出孔(a1〜n)は互いに距離(Da−a)の間隔で連続して配列され、かつ、その吐出孔(a)の孔径Φaと前記距離(Da−a)との比が0.1≦(Φa/Da−a)<1.0の範囲内であることが好ましい。このような関係を満足する場合、吐出孔(a)から紡糸される繊維はより確実に単繊維として捕集されるため、捕集効率が向上する。
また、吐出孔(b)の孔径Φbとその吐出孔(b)間の距離(Db−b)との比が1.0≦(Φb/Db−b)≦5.0であることも好ましい。このような関係を満足する場合、吐出孔(b)から紡糸される繊維は繊維束として捕集されやすくなるため、低圧力損失、高捕集効率の不織布シートがより得やすい。
以上のような本発明の口金、さらにはその口金を備えた不織布製造装置を用いてメルトブロー不織布を製造する方法について、さらに詳述する。
まず、熱可塑性樹脂材料と添加剤とを混練する。混練する方法としては、紡糸機の押出機ホッパーにこれらを混合して供給し押出機内で混練して、直接口金へ供給する方法や、あらかじめ、上記の化合物と樹脂材料を混練押出機や静止混練機等で混練してマスターチップを作製し、これを押出機内で溶融し口金部へ供給する方法等が挙げられる。
次いで、上記したような、幅方向に2種類以上の異なるピッチで一列に配列した吐出孔を有する口金から溶融した樹脂を吐出するとともに熱風で繊維化し、捕集コンベヤ上に捕集する。このとき、ピッチ幅を部分的に狭くしている複数の吐出孔(b)から紡出される単繊維は、相互に接着し扁平形状の繊維を形成する。そして、この扁平形状の繊維と、吐出孔(a)から紡出された繊維とが共にシート状に捕集されることで、繊維同士の自己融着によりシート化したメルトブロー不織布を製造することができる。
不織布における円形断面の単繊維(すなわち、吐出孔(a)から紡糸された単繊維)は、平均繊維径が0.1〜6.0μmの範囲であることが好ましい。より好ましくは0.3〜5.0μm、さらに好ましくは0.5〜4.0μmである。このような平均繊維径とすることにより、通気性と塵埃捕集特性に優れたメルトブロー不織布が得られやすくなる。
一方、扁平断面繊維(すなわち、複数の吐出孔(b)から紡糸され、相互に接着した繊維)は、長軸長をx、短軸長をyとしたときに扁平率x/yが2〜8であることが好ましい。より好ましくは2.5〜7、さらに好ましくは3〜6である。こうすることにより、通気性と塵埃捕集特性に優れたメルトブロー不織布が得られやすくなる。
また、メルトブロー不織布の目付は、10〜80g/mであることが好ましく、より好ましくは15〜70g/mであり、さらに好ましくは20〜60g/mである。目付が10g/mより低いと、不織布の厚み方向の繊維本数が減少するため低圧力損失となるが、ダストを捕捉するための有効繊維本数が減少してしまい、十分な捕集効率が得にくくなる。一方、目付が80g/mより高いと、有効繊維本数が増加して高捕集効率となるが、繊維本数の増加により高圧力損失となってしまう傾向を示す。また、目付が80g/mよりも大きい場合、不織布のコストの観点からも好ましくない。
さらに、メルトブロー不織布の厚みは、0.05〜1.60mmであることが好ましく、より好ましくは0.10〜1.00mmである。厚みが0.05mmより薄いと不織布としての嵩高性が減少し、圧力損失が高くなりやすい。一方、厚みが1.60mmより厚いとプリーツフィルターとして用いる際にプリーツのピッチを短くしづらい場合がある。
メルトブロー不織布の素材は、非導電性を有する樹脂を含むものであることが好ましい。ここでいう非導電性は、体積抵抗率が1012・Ω・cm以上であることが好ましく、1014・Ω・cm以上であることがより好ましい態様である。
非導電性樹脂としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリ乳酸等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、フッ素系樹脂、ポリスチレンエラストマー、ポリオレフィンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマーおよびポリウレタンエラストマー等のエラストマー、およびこれらの共重合体または混合物などを挙げることができる。
これらの中でも、ポリオレフィン系樹脂が好ましく用いられる。ポリオレフィン系樹脂は、体積抵抗率が高く、また吸水性が低いため、繊維化したときの帯電性および電荷保持性が強い。そのため、高い捕集効率を達成することができる。
ポリオレフィン系樹脂の種類としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンおよびポリメチルペンテン等のホモポリマーなどが挙げられる。また、これらのホモポリマーに異なる成分を共重合したコポリマーや、異なる2種以上のポリマーブレンド品を用いることもできる。これらの中でも、帯電保持性の観点から、ポリプロピレンおよびポリメチルペンテンが好ましく用いられる。また、安価に利用できるという観点から、ポリプロピレンがさらに好ましく用いられる。
また、非導電性樹脂以外に、艶消し剤、顔料、防カビ剤、抗菌剤、酸化防止剤、熱安定剤、耐候剤、重合禁止剤および難燃剤等を、本発明による効果が損なわれない範囲で添加することができる。
また、紡糸する際に繊維の固化が早く進み、シート形成時の繊維同士の過度な融着が減少することにより通気性が向上するという観点から、結晶核剤を少なくとも1種類含有させることが好ましい態様である。結晶核剤としては、ソルビトール系核剤、ノニトール系核剤、キリシトール系核剤、リン酸系核剤、トリアミノベンゼン誘導体核剤、およびカルボン酸金属塩核剤が挙げられる。
ソルビトール系核剤には、例えば、ジベンジリデンソルビトール(DBS)、モノメチルジベンジリデンソルビトール(例えば、1,3:2,4−ビス(p−メチルベンジリデン)ソルビトール(p−MDBS))、ジメチルジベンジリデンソルビトール(例えば、1,3:2,4−ビス(3,4−ジメチルベンジリデン)ソルビトール(3,4−DMDBS))などが含まれ、“Millad”(登録商標) 3988(ミリケン・ジャパン(株)製)、および“ゲルオール”(登録商標)E-200(新日本理化(株)製)などが挙げられる。
ノニトール系核剤には、例えば、1,2,3―トリデオキシ−4,6:5,7−ビス−[(4−プロピルフェニル)メチレン]−ノニトールなどが含まれ、“Millad”(登録商標)NX8000(ミリケン・ジャパン(株)製)などが挙げられる。
キシリトール系核剤には、例えば、ビス−1,3:2,4−(5’,6’,7’,8’−テトラヒドロ−2−ナフトアルデヒドベンジリデン)1−アリルキシリトールなどが含まれる。
また、リン酸系核剤には、例えば、アルミニウム−ビス(4,4’,6,6’−テトラ−tert−ブチル−2,2’−メチレンジフェニル−ホスファート)−ヒドロキシドなどが含まれ、“アデカスタブ”(登録商標)NA−11((株)ADEKA製)や、“アデカスタブ”(登録商標)NA−21((株)ADEKA製)などが挙げられる。
トリアミノベンゼン誘導体核剤には、例えば、1,3,5−トリス(2,2−ジメチルプロパンアミド)ベンゼンなどが含まれ、“Irgaclear”(登録商標)XT386”(BASFジャパン(株)製)などが挙げられる。
さらに、カルボン酸金属塩核剤には、例えば、安息香酸ナトリウムや、1,2−シクロヘキサンジカルボキシル酸カルシウム塩などが含まれる。
上記の結晶核剤の添加量は、非導電性樹脂の質量に対して、0.005〜1.0質量%含有し、好ましくは0.007〜0.5質量%含有する。結晶核剤を含有することにより非導電繊維の結晶化温度が高くなり、紡糸する際の繊維の固化が早く進み、繊維同士の融着が減少することにより通気性が向上する。
結晶核剤の含有量が0.005質量%未満では、熱処理時の通気量上昇率が小さい。一方、結晶核剤の含有量が1.0質量%を超えると、紡糸性の悪化やコスト的にも不利になる。
また、エレクトレット処理した際のエレクトレット性能をより良好にするという観点から、前記の材料にヒンダードアミン系添加剤または/およびトリアジン系添加剤を少なくとも1種類含有させることが好ましい態様である。
ヒンダードアミン系化合物としては、例えば、ポリ[(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)](BASF・ジャパン(株)製、“キマソーブ”(登録商標)944LD)、コハク酸ジメチル−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン重縮合物(BASFジャパン(株)製、“チヌビン”(登録商標)622LD)、および2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロン酸ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)(BASFジャパン(株)製、“チヌビン”(登録商標)144)などが挙げられる。
また、トリアジン系添加剤としては、例えば、ポリ[(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)](BASFジャパン(株)製、“キマソーブ”(登録商標)944LD)、および2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−((ヘキシル)オキシ)−フェノール(BASFジャパン(株)製、“チヌビン”(登録商標)1577FF)などを挙げることができる。
上記のヒンダードアミン系添加剤および/またはトリアジン系添加剤の添加量は、エレクトレット繊維シートの質量に対して、好ましくは0.5〜5質量%であり、より好ましくは0.7〜3質量%である。添加量をこの範囲とすることにより、エレクトレット化した際に優れた塵埃捕集特性が得られやすくなる。
次に、本発明によって得られたメルトブロー不織布に対し、エレクトレット化処理を実施して、エレクトレット繊維シートとする方法について説明する。エレクトレット化処理は、不織布単層に対しても実施することができ、また他の不織布と積層した積層繊維シートに対しても実施することもできる。
エレクトレット化の方法としては、例えば上述したようにして得られた非導電性の繊維シート(メルトブロー不織布)に水を付与した後に乾燥させることによりエレクトレット化する方法が好ましく用いられる。繊維シートに水を付与する方法としては、水の噴流もしくは水滴流を繊維シート内部まで水が浸透するのに十分な圧力で噴霧する方法や、水を付与した後もしくは付与しながら繊維シートの片側から吸引して繊維シート内に水を浸透させる方法、およびイソプロピルアルコール、エチルアルコールおよびアセトンなどの水溶性有機溶剤と水との混合溶液に繊維シートを浸漬させて、水を繊維シート内部まで浸透させる方法等が挙げられる。
本発明において、エレクトレット化する際に用いられる水としては、液体フィルター等で汚れを除去したものであって、できるだけ清浄なものを使用することが好ましい。特に、イオン交換水、蒸留水および逆浸透膜で透過した濾過水等の純水が好ましく用いられる。また、純水としてのレベルは、導電率で103μS/m以下であることが好ましく、さらに好ましくは102μS/m以下の純水である。また、上記の水には、捕集特性に影響を与えない範囲で、水溶性有機溶剤を混合させることができる。
さらに、本発明によって得られるメルトブロー不織布を帯電加工したエレクトレット繊維シートは、高捕集性能エアフィルターに用いる際、濾過風速4.5m/分における粒子径が0.3〜0.5μmのポリスチレン粒子の捕集効率と圧力損失により算出されるQF値が、0.20以上であることが好ましく、より好ましくはQF値が0.22以上であることが好ましい。QF値が0.20以上であるエレクトレット繊維シートをエアフィルター濾材として用いると、高い捕集効率と通気性に優れたフィルター性能が得られやすい。
以上のようなメルトブロー不織布やエレクトレット繊維シートは、他のシートと積層して積層繊維不織布にしてもよい。例えば、本発明によって得られたメルトブロー不織布にそれよりも剛性の高いシートを積層して製品強力を向上させて使用することや、脱臭や抗菌等機能性を有するシートを組み合わせて使用することもできる。積層方法としては、接着剤を用いて2種類の不織布を貼り合わせる方法や、メルトブロー法以外の製法で製造した不織布の上にメルトブロー法により積層する方法が挙げられる。その他、2種類の不織布を貼り合わせる方法としては、湿気硬化型ウレタン樹脂をスプレー法で散布する方法、熱可塑性樹脂、熱融着繊維を散布し熱路を通して貼り合わせる方法などあるが、2種類の不織布を貼り合わせることが出来ればよい。しかしながら、使用用途がフィルターに使用する不織布である場合、圧損上昇が生じやすい貼り合わせ方法は好ましくない。その点で、湿気硬化型ウレタン樹脂によるスプレー法は、2枚の不織布をプレスすることなく貼り合わせることが可能なため、貼り合わせによる圧力損失の上昇が少なく好ましい方法である。
次に、実施例を挙げてより具体的に本発明を説明する。実施例において使用する特性値は、次の測定法により測定したものである。
(1)目付
タテ×ヨコ=15cm×15cmの不織布の質量を3点測定し、それぞれ得られた値を1m当たりの値に換算し、その平均値をとって目付(g/m)とした。
(2)平均繊維径と繊維扁平率:
メルトブロー不織布の任意の場所から、3mm×3mmの測定サンプルを10個採取し、走査型電子顕微鏡で1000〜5000倍の断面写真を撮影し、繊維軸に対して鉛直方向に撮影されている繊維を選定して、各サンプルから円形断面の繊維を10本ずつ、計100本を撮影し、単繊維径を測定し、平均した値の小数点以下第2位を四捨五入して平均単繊維径とした。同様にして各サンプルから扁平断面の繊維を10本ずつ、計100本撮影し、それぞれの長軸長さx(μm)、短軸長さy(μm)を測定し、長軸長さx(μm)、短軸長さy(μm)それぞれの平均値を求めた。続いて、下記式により繊維扁平率を求め、小数点以下第2位を四捨五入して繊維扁平率とした。
・繊維扁平率=(長軸長さxの平均値)/(短軸長さyの平均値)
ここで、扁平断面繊維における長軸長さxとは、繊維断面に外接するように引いた外接円の直径のことである。また、該扁平断面繊維における短軸長さyとは、上記の外接円と繊維外周との接点を結んだ直線(外接円の直径にあたる)に対し、鉛直に交わる方向に垂線を引くとき、その垂線が繊維断面を切り取る最大の長さのことである。
(3)メルトブロー不織布の厚み:
厚み計(テクロック社製“TECLOCK”(登録商標)SM−114)を使用して、メルトブロー不織布の厚みを、幅方向等間隔に10点測定し、その平均値から小数点以下第3位を四捨五入し、厚みとした。
(4)捕集効率および圧力損失:
不織布の縦方向5カ所でタテ×ヨコ=15cm×15cmの測定用サンプルを採取し、それぞれのサンプルについて、図3に示す捕集効率測定装置で測定した。この捕集効率測定装置は、測定サンプルMをセットするサンプルホルダー1の上流側にダスト収納箱2を連結し、下流側に流量計3、流量調整バルブ4、およびブロワ5を連結している。また、サンプルホルダー1にパーティクルカウンター6を使用し、切替コック7を介して、測定サンプルMの上流側のダスト個数と下流側のダスト個数とをそれぞれ測定することができる。さらに、サンプルホルダー1は圧力計8を備え、測定サンプルMの上流側と下流側の静圧差を読み取ることができる。捕集効率の測定にあたっては、ポリスチレン0.309U 10%溶液(メーカー:ナカライテスク(株))を蒸留水で200倍まで希釈し、ダスト収納箱2に充填した。次に、測定サンプルMをサンプルホルダー1にセットし、風量をフィルター通過速度が4.5m/minになるように流量調整バルブ4で調整し、ダスト濃度を1万〜4万個/2.83×10−4(0.01ft)の範囲で安定させ、測定サンプルMの上流側ダスト個数Dおよび下流側ダスト個数dをパーティクルカウンター6(リオン社製、KC−01B)で1個の測定サンプル当り3回測定し、JIS K 0901:1991「気体中のダスト試料捕集用ろ過材の形状、寸法並びに性能試験方法」に基づいて下記計算式を用いて0.3〜0.5μm粒子の捕集効率(%)を求めた。5個の測定サンプルの平均値を、最終的な捕集効率とした。
捕集効率(%)=〔1−(Σd/ΣD)〕×100
ただし、
Σd:下流側ダスト個数dの3回測定トータル個数
ΣD:上流側ダスト個数Dの3回測定トータル個数
高捕集の不織布ほど、下流のダスト個数が少なくなるため、捕集効率の値は高くなる。
また、圧力損失は、捕集効率測定時の測定サンプルMの上流側と下流側の静圧差を圧力計8で読み取り求めた。5個の測定サンプルの平均値を最終的な圧力損失とした。
(5)QF値:
濾過性能の指標となるQF値(Pa−1)は、前記捕集効率(%)および圧力損失(Pa)を用いて以下の式により計算される。低圧力損失かつ高捕集効率であるほどQF値は高くなり、濾過性能が良好であることを示す。
QF値=−[ln(1−捕集効率(%)/100)]/圧力損失(Pa)
(6)ショット欠点:
メルトブロー不織布のタテ×ヨコ=15cm×15cmの測定用サンプルを採取し、背面から蛍光灯を当て、ショットの個数を目視で計測した。ショットが0〜2個の場合良好(○)、3〜7個の場合は可(△)、7個以上の場合は不可(×)と判定した。
(7)吐出孔の孔径、吐出孔間の距離
口金先端部を上方に向けて設置し、測定顕微鏡(オリンパス社製STM6)を用いて、吐出孔の孔径および吐出孔間の距離を測定した。
[実施例1]
“キマソーブ”(登録商標)944(BASF・ジャパン(株)製)を1質量%添加したポリプロピレン(MFR=860)を押出機に投入し、図2(b)に示すような口金を用いて、メルトブロー法により、単孔吐出量を0.16g/分・ホールとし、ノズル温度275℃、エア温度295℃、およびエア圧力0.10MPaの条件で噴射し、捕集コンベア上に捕集した。なお、口金において、複数の吐出孔(a)は、孔径Φa:0.3mm、各吐出孔(a)を構成する吐出孔(a1〜n)の個数n:3、吐出孔(a1〜n)の互いの距離(Da−a):0.7mmであり、複数の吐出孔(b)は、孔径Φb:0.3mm、複数の吐出孔(a)の間に連続して配列されている吐出孔(b)の個数:3、複数の吐出孔(b)の互いの距離(Db−b):0.2mmであり、これらが一直線上に配列されていた。また、隣り合って配置された吐出孔(a)と吐出孔(b)との間の距離(Da−b)は、0.7mmであった。さらに、口金の吐出孔と捕集コンベア間の距離は22cmとした。捕集コンベアの速度を調整することで、目付が25g/mの不織布を得た。各物性値を測定し、表1に示す。
得られたメルトブロー不織布を、純水/イソプロパノールの質量比が70/30からなる混合水溶液に含浸させ、次いで自然乾燥することにより、エレクトレット化メルトブロー不織布を得た。このエレクトレットメルトブロー不織布の捕集性能を測定し、表1に示した。
[実施例2]
口金を変更(各吐出孔(a)を構成する吐出孔(a1〜n)の個数n:5、複数の吐出孔(a)の間に連続して配列されている吐出孔(b)の個数:5)したこと以外は、実施例1と同じ方法により目付が25g/mのメルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布を実施例1と同様の方法でエレクトレット処理した後、特性値を測定し、表1に示した。
[実施例3]
口金を変更(複数の吐出孔(a)の間に連続して配列されている吐出孔(b)の個数:7)したこと以外は、実施例2と同じ方法により目付が25g/mのメルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布を実施例1と同様の方法でエレクトレット処理した後、特性値を測定し、表1に示した。
[実施例4]
口金を変更(孔径Φb:0.4mm)したこと以外は、実施例1と同じ方法により目付が25g/mのメルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布を実施例1と同様の方法でエレクトレット処理した後、特性値を測定し、表1に示した。
[実施例5]
口金を変更(孔径Φa:0.2mm、吐出孔(a1〜n)の互いの距離(Da−a):0.6mm、隣り合って配置された吐出孔(a)と吐出孔(b)との間の距離(Da−b):0.6mm)したこと以外は、実施例1と同じ方法により目付が25g/mのメルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布を実施例1と同様の方法でエレクトレット処理した後、特性値を測定し、表1に示した。
[実施例6]
目付を20g/mとしたこと以外は、実施例1と同じ方法によりメルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布を実施例1と同様の方法でエレクトレット処理した後、特性値を測定し、表1に示した。
[実施例7]
口金を変更(吐出孔(a1〜n)の互いの距離(Da−a):0.6mm、複数の吐出孔(b)の互いの距離(Db−b):0.3mm、隣り合って配置された吐出孔(a)と吐出孔(b)との間の距離(Da−b):0.6mm)したこと以外は、実施例1と同じ方法により目付が25g/mのメルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布を実施例1と同様の方法でエレクトレット処理した後、特性値を測定し、表2に示した。
[実施例8]
口金を変更(吐出孔(a1〜n)の互いの距離(Da−a):0.9mm、複数の吐出孔(b)の互いの距離(Db−b):0.1mm、隣り合って配置された吐出孔(a)と吐出孔(b)との間の距離(Da−b):0.9mm)したこと以外は、実施例1と同じ方法により目付が25g/mのメルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布を実施例1と同様の方法でエレクトレット処理した後、特性値を測定し、表2に示した。
[実施例9]
口金を変更(孔径Φa:0.35mm)したこと以外は、実施例1と同じ方法により目付が25g/mのメルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布を実施例1と同様の方法でエレクトレット処理した後、特性値を測定し、表2に示した。
[実施例10]
口金を変更(孔径Φa:0.35mm、吐出孔(a1〜n)の互いの距離(Da−a):0.5mm)したこと以外は、実施例1と同じ方法により目付が25g/mのメルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布を実施例1と同様の方法でエレクトレット処理した後、特性値を測定し、表2に示した。
[実施例11]
口金を変更(孔径Φb:0.45mm)したこと以外は、実施例1と同じ方法により目付が25g/mのメルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布を実施例1と同様の方法でエレクトレット処理した後、特性値を測定し、表2に示した。
[比較例1]
扁平繊維を形成するような複数の吐出孔(b)を設けず、複数の吐出孔(a)を互いの距離:0.7mmで設けただけの口金としたこと以外は、実施例1と同じ方法により目付が25g/mのメルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布を実施例1と同様の方法でエレクトレット処理した後、特性値を測定し、表3に示した。
[比較例2]
吐出孔(a)、(b)を共に連続して配置することはせず、孔径Φa:0.3mm、各吐出孔(a)を構成する吐出孔(a1〜n)の個数n:1、孔径Φb:0.6mm、複数の吐出孔(a)の間に連続して配列されている吐出孔(b)の個数:1、隣り合って配置された吐出孔(a)と吐出孔(b)との間の距離(Da−b):0.7mmとした口金に変更したこと以外は、実施例1と同じ方法により目付が25g/mのメルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布を実施例1と同様の方法でエレクトレット処理した後、特性値を測定し、表3に示した。
[比較例3]
口金を変更(孔径Φb:0.6mm、複数の吐出孔(a)の間に連続して配列されている吐出孔(b)の個数:1)したこと以外は、実施例1と同じ方法により目付が25g/mのメルトブロー不織布を得た。得られたメルトブロー不織布を実施例1と同様の方法でエレクトレット処理した後、特性値を測定し、表3に示した。
表から明らかなように、本発明の実施例1〜11ではいずれも、円形断面の細い繊維と扁平断面の太い繊維が混合されたメルトブロー不織布が得られ、これらは低圧力損失かつ高捕集効率を示した。
これに対し比較例1では太い繊維を含まないため不織布が潰れやすく、圧力損失が高くなった。また、比較例2では、紡糸が不安定でショットが発生するため、十分な捕集効率が得られず、QF値が低い値となった。また、比較例3では、比較例2対比細い繊維は多いが、扁平繊維を含まないため十分な捕集効率が得られず、QF値も低い値となった。また、ショットの発生も見られた。
以上のように本発明では、幅方向に2種類以上の異なるピッチで一列に配列した吐出孔を有する口金から紡出することにより、紡糸安定性が良好であり、また、ピッチ幅を部分的に狭くしている複数の吐出孔(b)から紡出される単繊維が、相互に接着し扁平形状の繊維となるので、不織布の潰れを軽減して低圧力損失を実現するとともに、かつ、該扁平形状の繊維により、濾材を構成する繊維の表面積を増やすことができるので、高捕集効率も実現できる不織布を得ることができた。
本発明によれば、フィルターの濾材として好適なメルトブロー不織布を容易かつ安価に製造することができ、その濾材は、エアフィルター全般、なかでも空調用フィルター、空気清浄機用フィルター、および自動車キャビンフィルターなど高性能用途に特に好適である。
1:サンプルホルダー
2:ダスト収納箱
3:流量計
4:流量調整バルブ
5:ブロワ
6:パーティクルカウンター
7:切替コック
8:圧力計
10:原料供給口
11:押出機
12:計量器
13:口金
14:サクションボックス
15:捕集コンベア
16:不織布ロール
M:測定サンプル
a:吐出孔
b:吐出孔
Da−a:吐出孔aを構成する複数の吐出孔(a1〜n)の間の距離
Da−b:隣り合って配置された吐出孔aと吐出孔bとの間の距離
Db−b:複数の吐出孔(a)の間に連続して配置された複数の吐出孔bの間の距離

Claims (10)

  1. 下記(i)〜(iii)の孔配置を有するメルトブロー不織布製造用口金。
    (i)複数の吐出孔(a)が前記不織布の幅方向に一列に配列されてなる。
    (ii)前記複数の吐出孔(a)の間に、複数の吐出孔(b)が互いに距離(Db−b)の間隔で連続して配列されてなる。
    (iii)前記距離(Db−b)は、隣り合って配置される前記吐出孔(a)と前記吐出孔(b)との間の距離(Da−b)よりも狭い。
  2. 前記吐出孔(a)の孔径Φaと前記吐出孔(b)の孔径Φbとの比が0.6<(Φa/Φb)<1.3の範囲内である、請求項1記載のメルトブロー不織布製造用口金。
  3. 前記吐出孔(a)の孔径Φaと前記吐出孔(b)の孔径Φbとが同一である、請求項1または2記載のメルトブロー不織布製造用口金。
  4. 前記吐出孔(a)それぞれは複数の吐出孔(a1〜n)から構成されてなり、該複数の吐出孔(a1〜n)は互いに距離(Da−a)の間隔で連続して配列されてなり、かつ、前記吐出孔(a)の孔径Φaと前記距離(Da−a)との比が0.1≦(Φa/Da−a)<1.0である、請求項1〜3いずれかに記載のメルトブロー不織布製造用口金。
  5. 前記吐出孔(b)の孔径Φbと前記距離(Db−b)との比が1.0≦(Φb/Db−b)≦5.0である、請求項1〜4いずれかに記載のメルトブロー不織布製造用口金。
  6. 請求項1〜5いずれかに記載の口金を有するメルトブロー不織布の製造装置。
  7. 熱可塑性樹脂を加熱溶融し、口金から前記熱可塑性樹脂を吐出するとともに熱風で繊維化し、捕集することで繊維シートとするメルトブロー不織布の製造方法であって、前記口金として請求項1〜5いずれかに記載の口金を用いる、メルトブロー不織布の製造方法。
  8. 連続して配列されてなる前記複数の吐出孔(b)から吐出した熱可塑性樹脂によって扁平形状の繊維を形成し、かつ、前記繊維の断面における長軸長をx、短軸長をyとしたときに扁平率x/yが2〜8である、請求項7に記載のメルトブロー不織布の製造方法。
  9. 前記不織布の目付が10〜80g/mの範囲である、請求項7または8記載のメルトブロー不織布の製造方法。
  10. 前記熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂である、請求項7〜9いずれかに記載のメルトブロー不織布の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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